JP2014220122A - 電気コネクタ - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な構成で、電気コネクタの小型化を図りつつ生産性を向上させることを可能とする。【解決手段】信号伝送媒体Fの外郭形状と同じか小さい外郭形状を有する補強部材13に係合位置決め部13aを設ける一方、ロック機構を構成する係止爪部14aをロック解除操作部14eとともにロック部材14を構成するように一体的に設け、ロック機構とロック解除機構を兼用するロック部材14を絶縁ハウジング11に一体的に取り付けたことにより、信号伝送媒体Fの内方側の範囲内に係合位置決め部13aを配置して信号伝送媒体Fの大型化を防止するとともに、ロック機構とロック解除機構とを一体のロック部材14として絶縁ハウジング11に取り付けた構成によって、部品点数を低減しつつ部品の取り扱い性を高めることとしたものである。【選択図】図9

Description

本発明は、絶縁ハウジングの内部に挿入された信号伝送媒体を保持するロック機構及びロック解除機構を備えた電気コネクタに関する。
一般に、種々の電気機器等において、フレキシブル・プリンテッド・サーキット(FPC)や、フレキシブル・フラット・ケーブル(FFC)等の各種信号伝送媒体を電気的に接続するための手段として種々の電気コネクタが広く用いられているが、例えば下記の特許文献1のように印刷配線基板上に実装されて使用される電気コネクタにおいて、いわゆるワンアクションオートロック機構を備えた電気コネクタが知られている。このワンアクションオートロック機構を備えた電気コネクタでは、信号伝送媒体の板幅方向の両側部分に、当該信号伝送媒体をロック状態とするための拡張領域が両側縁外方に張り出すように形成されており、その信号伝送媒体における板幅方向の拡張領域に、切欠き形状や穴形状等を有する凹部からなる係合位置決め部が形成されている。
そして、絶縁ハウジングの内部に挿入された信号伝送媒体の拡張領域に対して、ロック機構の係止爪部が乗り上げた後、さらに信号伝送媒体の挿入が行われて係合位置決め部が係止爪部の位置に到達すると、係止爪部が係合位置決め部の内部に入り込んで両者が嵌合してロック状態に移行する構成になされている。このようなワンアクションオートロック機構を備えた電気コネクタを用いれば、電気コネクタの内部の所定位置まで信号伝送媒体を挿入するだけで、信号伝送媒体が略不動状態に保持されることとなり、作業効率の向上が図られる。
しかしながら、従来の電気コネクタに採用されているワンアクションオートロック機構においては、上述したように信号伝送媒体側に係合位置決め部を設けるための拡張領域が板幅方向に張り出すように形成されていることから、信号伝送媒体の板幅寸法が係合位置決め部の分だけ拡大している。そして、そのように板幅を拡大された信号伝送媒体を受け入れるように構成された電気コネクタも、その分、大きな幅寸法にならざるを得なくなって、近年の小型化の要請に反する場合も考えられる。
また、信号伝送媒体からはみ出さない程度の大きさを有する補強板を用いて、その補強板に係合位置決め部を形成するようにした電気コネクタも提案されているが、そのような補強板を使用する従来の電気コネクタには、信号伝送媒体が挿入された絶縁ハウジングの外方から、別個に準備されたロック部材が挿入される構成になされている。すなわち、当該種類の電気コネクタでは、ロック部材が別部品として形成される構成になされていることから、部品点数が増大して取り扱いが煩雑になるなど、生産性低下を招来するおそれがある。
特開2009−238523号公報
そこで本発明は、簡易な構成で、小型化を図りつつ生産性を向上させることができるようにした電気コネクタを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため本発明では、絶縁ハウジングの内部に挿入された信号伝送媒体の係合位置決め部に係合して当該信号伝送媒体の挿入状態を保持する係止爪部を有するロック機構と、前記ロック機構の係止爪部を、前記信号伝送媒体に対する係合位置から離脱位置まで移動させるロック解除操作により、前記信号伝送媒体を前記絶縁ハウジングから抜去可能とするロック解除機構とを備えた電気コネクタにおいて、前記信号伝送媒体の表面に、当該信号伝送媒体の外郭形状と同じか小さい外郭形状を有する補強部材が固着され、その補強部材に前記係合位置決め部が設けられている一方、前記ロック機構を構成する前記係止爪部と、前記ロック解除機構を構成する前記ロック解除操作部とが一体的に設けられて、前記ロック機構とロック解除機構を兼用するロック部材が構成されたものであって、当該ロック機構とロック解除機構を兼用する前記ロック部材が、前記絶縁ハウジングに一体的に取り付けられた構成が採用されている。
このような構成を有する本発明によれば、ロック機構を構成する係止爪部に対応して信号伝送媒体に設けられる係合位置決め部が、信号伝送媒体から外方にはみ出すことなく、コネクタ内方の領域内に配置されていることから、信号伝送媒体の大型化が防止されるとともに、ロック機構とロック解除機構とが一体のロック部材として絶縁ハウジングに取り付けられていることで、部品点数が低減されて部品の取り扱い性が高められるようになっている。
このとき、本発明においては、前記ロック部材が、前記係止爪部及びロック解除操作部に加えて、当該係止爪部及びロック解除操作部を弾性変位可能に支持するロックアーム部材と、印刷配線基板に半田接合される基板接続部と、前記絶縁ハウジングに圧入される固定片部と、を一体的に備えていることが望ましい。
このような構成を有する本発明によれば、部品の一体化がさらに行われて部品点数が一層低減される。
また、本発明においては、前記係止爪部が、薄肉板状の金属部材から形成されたものであって、当該係止爪部の一端縁部が前記係合位置決め部を形成する壁面に面接触することで前記信号伝送媒体の保持が行われる構成になされ、前記係止爪部の一端縁部における板厚寸法t1が前記係合位置決め部の壁面における板厚寸法t2より小さく設定されていること(t1<t2)が望ましい。
このような構成を有する本発明によれば、係止爪部の一端面が係合位置決め部の壁面の範囲内に確実に配置されることから、両部材の係合状態(ロック状態)が安定的に得られるとともに、係止爪部の厚さ寸法が薄型化されている分だけ、コネクタ全体の低背化が図られるようになっている。
以上述べたように本発明にかかる電気コネクタは、信号伝送媒体の外郭形状と同じか小さい外郭形状を有する補強部材に係合位置決め部を設ける一方、ロック機構を構成する係止爪部をロック解除操作部とともにロック部材を構成するように一体的に設け、ロック機構とロック解除機構を兼用するロック部材を絶縁ハウジングに一体的に取り付けたことによって、信号伝送媒体の内方側の領域内に係合位置決め部を配置し、信号伝送媒体の大型化を防止するとともに、ロック機構とロック解除機構とを一体のロック部材として絶縁ハウジングに取り付けた構成によって、部品点数を低減しつつ部品の取り扱い性を高めることとしたものであるから、電気コネクタの小型化を図りつつ生産性を向上させることができる。
本発明の一実施形態にかかる電気コネクタに対して信号伝送媒体を挿入する直前の状態を正面上方側から表した外観斜視説明図である。 図1の状態から信号伝送媒体を挿入した後の状態を表した図1相当の外観斜視説明図である。 図1に表された電気コネクタの平面説明図である。 図1に表された電気コネクタの正面説明図である。 図1に表された電気コネクタの側面説明図である。 図1に表された電気コネクタの底面説明図である。 本発明にかかる電気コネクタに挿入される信号伝送媒体の一実施形態を正面上方側から表した外観斜視説明図である。 図7に示された信号伝送媒体の底面を正面下方側から表した外観斜視説明図である。 図1〜図8に表された電気コネクタに用いられているロック部材をコネクタ長手方向の内方側(コネクタ中心側)上方から表した外観斜視説明図である。 図1〜図8に表された電気コネクタに用いられているロック部材をコネクタ長手方向の外方側上方から表した外観斜視説明図である。 図3中のXI−XI線に沿った縦断面説明図である。 図11に表された電気コネクタに対して信号伝送媒体の挿入を完了した状態を表した図11相当の縦断面説明図である。 図12に表された電気コネクタに対してロック解除操作を行った状態を表した図11相当の縦断面説明図である。
以下において、フレキシブル・プリンテッド・サーキット(FPC)やフレキシブルフラット・ケーブル(FFC)等からなる信号伝送媒体の接続を行うために印刷配線基板上に実装して使用される電気コネクタに本発明を適用した実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
[電気コネクタの全体構成について]
図1〜図13に示されている本発明の一実施形態にかかる電気コネクタ10は、いわゆるノン・ジフ(NON−ZIF)タイプのワンアクションオートロック機構を備えた電気コネクタからなるものであって、絶縁ハウジング11の内部の所定位置まで、上述した信号伝送媒体(FPC又はFFC等)Fの端末部分を挿入した際に、当該信号伝送媒体Fのロックが自動的に行われる構成になされている。
[絶縁ハウジングについて]
前記絶縁ハウジング11は、細長平板状をなすように延在する中空状の絶縁部材から形成されているが、その絶縁ハウジング11における長手の横幅方向を、以下において「コネクタ長手方向」と呼び、また信号伝送媒体(FPC又はFFC等)Fの端末部分を挿入する方向において上手側を「コネクタ前方」、下手側を「コネクタ後方」と呼び、さらに図示を省略した印刷配線基板上に実装された状態において当該印刷配線基板側に向かう方向を「コネクタ下方向」、印刷配線基板から立ち上がる方向を「コネクタ上方向」と呼ぶこととする。
その絶縁ハウジング11の前端縁部分(図11左端縁部分)には、上述したようにフレキシブル・プリンテッド・サーキット(FPC)やフレキシブル・フラット・ケーブル(FFC)等からなる信号伝送媒体Fの端末部分が挿入される媒体挿入口11aが、コネクタ長手方向に沿って細長状をなすように設けられている。その媒体挿入口11aは、絶縁ハウジング11におけるコネクタ長手方向のほぼ全幅にわたって延在しているが、当該媒体挿入口11aからは、信号伝送媒体(FPC又はFFC等)Fが挿入される中空状の媒体挿入通路が、絶縁ハウジング11の内部をコネクタ後方側に向かって延びている。
また、上述した媒体挿入口11aに対して反対側のコネクタ後方側端縁部分(図5の右端縁部分)には、後述する導電コンタクト12等を装着するためのスリット状をなす複数の部品取付口が、コネクタ長手方向に沿って一定間隔をなすように形成されている。さらに、上述した媒体挿入口11aに対してコネクタ長手方向の両側外方部分には、後述するロック機構及びロック解除機構を構成しているロック部材14が、コネクタ長手方向における外方から内側方向に向かって挿入されている。
[導電コンタクトについて]
上述したようにして絶縁ハウジング11の内部に挿入された導電コンタクト12は、コネクタ長手方向において適宜の間隔をなして多極状に複数体配置されており、それらの各導電コンタクト12同士が、互いに略同一の形状をなす薄板状金属製部材により形成されている。当該各導電コンタクト12は、上述したように絶縁ハウジング11の後端側に設けられた部品取付口から媒体挿入通路の内部にコネクタ前方側に向かって挿入されるようにして装着されている。これらの導電コンタクト12の各々は、信号伝送用又はグランド接続用のいずれかとして、主印刷配線基板(図示省略)上に形成された導電路に対して半田接合により実装された状態で使用される。
すなわち、上述したようにして絶縁ハウジング11の内部に装着された各導電コンタクト12の配置位置は、媒体挿入口11aを通して絶縁ハウジング11内に挿入される信号伝送媒体(FPC又はFFC等)Fに設けられた配線パターン(接続端子)Faに対応した設定になされている。その信号伝送媒体Fの配線パターンFaは、信号伝送用導電路(信号線パッド)又はシールド用導電路(シールド線パッド)を適宜のピッチ間隔で配置したものである。それらの各導電コンタクト12の後端側部分には基板接続部12aが形成されており、その基板接続部12aが、主印刷配線基板(図示省略)上に形成された導電路に半田接続されるようになっている。
さらに、上述した各導電コンタクト12は、コネクタ前方側(図11左方側)に向かって延出する二股状の可動ビーム(図示省略)を、絶縁ハウジング11の媒体挿入通路を形成している上下内壁面に沿うように延在しており、これらの可動ビームにそれぞれ設けられた端子接触凸部が、上述したように絶縁ハウジング11の内部に挿入されて来た信号伝送媒体Fの配線パターンの表面上に乗り上げるように接触して上下から挟持する配置関係になされている。そして、信号伝送媒体Fが所定の最終位置(係合位置)まで挿入されたときに、可動ビームの弾性力で両者が圧接されることにより電気的に接続された状態に維持されるようになっている。
[ワンアクションオートロック機構について]
本実施形態にかかる電気コネクタ10は、前述したようにワンアクションオートロック機構を備えたものであるが、それに対応して信号伝送媒体(FPC又はFFC等)Fの端末部分には、特に図7及び図8に示されているような補強板(本発明における補強部材)13が固着されている。この補強板13は、絶縁性を有する適宜の薄板状部材から形成されており、信号伝送媒体Fの端末部分における下方側の表面、より詳しくは信号伝送媒体Fの挿入状態において下面に相当する側の表面に、適宜の接合手段を用いて貼着等により被着されている。
このときの補強板13は、信号伝送媒体(FPC又はFFC等)Fの端末部分の外郭形状を画成している三辺と略同一の外郭形状を有するように形成されており、それによって両部材F,13同士が上下に重なり合うように積層された状態になされている。この場合における補強板13の外郭形状は、信号伝送媒体Fの端末部分の外郭形状から外方にはみ出さないような形状及び大きさを備えていれば良く、信号伝送媒体Fの外郭形状より小さい外郭形状であれば様々な大きさ及び形状とすることができる。
そして、上述した補強板13の板幅方向(コネクタ長手方向)における両側の端縁部分には、切り欠き状の凹部からなる係合位置決め部13a,13aがそれぞれ形成されている。それらの各係合位置決め部13aは、信号伝送媒体(FPC又はFFC等)Fの先端縁から、当該信号伝送媒体Fの長手方向にやや離間した奥側の位置に配置されており、信号伝送媒体Fの幅方向外方側に向かって開放された平面略矩形状をなすように形成されている。
一方、そのような信号伝送媒体Fに設けられた各係合位置決め部13aに対応して、電気コネクタ10側には、ロック機構及びロック解除機構を構成するロック部材14が、コネクタ長手方向の両側部分に取り付けられている。それらの各ロック部材14には、まずロック機構を構成する係止爪部14aが設けられており、当該係止爪部14aの係止作用(ロック作用)によって、信号伝送媒体Fの挿入状態が保持されるロック状態になされるように構成されている。
[ロック部材について]
上述したように絶縁ハウジング11のコネクタ長手方向における両側部分に配置されたロック部材14,14は、信号伝送媒体(FPC又はFFC等)Fに対するロック機構及びロック解除機構を兼用する構成を備えたものであるが、電気コネクタ10の内部に信号伝送媒体Fが差し込まれた際に、当該各ロック部材14の一部、より具体的には係止爪部14aに対して信号伝送媒体Fの挿入側先端縁が当接し、それによって係止爪部14aがコネクタ下方側に退避するように移動する。そのとき、当該係止爪部14aを支持している後述の弾性アーム状部材14bが下方向に弾性変位した状態となり、その弾性アーム状部材14bの弾性復帰力によって、係止爪部14aが信号伝送媒体Fの係合位置決め部13aの内部に向かって入り込んで嵌合するように移動することで係合状態(ロック状態)になされる。
コネクタ長手方向の両側に配置された両ロック部材14,14は、特に図9及び図10に示されているように、コネクタ長手方向において互いに対称的な構造になされていることから、以下の説明においては一方のロック部材14についての説明のみを行うこととする。
すなわち、各ロック部材14は、特に図9及び図10に示されているように、薄肉帯板状をなす金属部材の一体折曲げ構造体からなるものであって、前述した絶縁ハウジング11のコネクタ長手方向における両側部分に対して圧入されることで取り付けられる固定片部14cを一体的に有している。また、その固定片部14cの後方側には基板接続部14dが一体的に設けられているとともに、前記固定片部14cから前方側に向かって弾性アーム状部材14bが一体的に延出している。さらに、その弾性アーム状部材14bの延出側の先端部分には、係止爪部14a及びロック解除操作部14eが一体的に設けられている。
このような一体構造をより具体的に説明すると、上述した固定片部14cは、絶縁ハウジング11に対してコネクタ長手方向の内方側(コネクタ中心側)に向かって圧入される板状突起部材から形成されている。その固定片部14cからは、コネクタ長手方向の外方側に向かって湾曲状をなして下方に張り出す折曲げ部が延出しており、その折曲げ部を介して、平板状部材からなる基板接続部14dが、コネクタ後方側に向かって一体的に延出している。この基板接続部14dは、上述したように固定片部14cから折曲げ部を介して下降段差をなすようにして略水平に延出しており、当該基板接続部14cが、主配線基板(図示省略)に載置された状態で半田接合される構成になされている。
さらに、上述した固定片部14cの前方側部分には、ロック付勢部材を構成する細長帯板状部材からなる弾性アーム状部材14bが、コネクタ前方側に向かって略水平に延出するように連設されている。この弾性アーム状部材14bは、上述した固定片部14cとの連結側部分が平面において略クランク形状をなすように形成されており、そのクランク形状部分から、絶縁ハウジング11の媒体挿入口11aの近傍に至るまで片持ち状をなして一体的に延出している。
このような片持ち状部材からなる弾性アーム状部材14bは、固定片部14cとの連結部分又はその近傍を中心として上下方向に弾性変位するように揺動する構成になされており、当該弾性アーム状部材14bの弾性変位に伴って、後述の係止爪部14aが図11の紙面内において上下の方向に往復移動される構成になされている。
一方、上述した弾性アーム状部材14bの延出方向における先端部分の両側縁には、上述した係止爪部14a及びロック解除操作部14eが一体的に形成されている。そのうちの係止爪部14aは、弾性アーム状部材14bの先端部分における内方側縁からコネクタ内方側(コネクタ中心側)に突出するフック状部材からなり、前述した信号伝送媒体(FPC又はFFC等)Fが挿入される媒体挿入通路の内部に配置されている。この係止爪部14aは、上述した片持ち状をなす弾性アーム状部材14bの弾性変位とともに上下方向に変位する構成になされており、媒体挿入通路内における作用位置と下方の待機位置との間で往復移動される構成になされている。そして、そのような係止爪部14aの上下方向の変位に応じて、当該係止爪部14aが、媒体挿入通路に挿入された信号伝送媒体Fの係合位置決め部13aの内方空間に入り込み、或いは離脱するようになっている。
ここで、係止爪部14aの形状を具体的に説明すると、当該係止爪部14aの一端縁部(後端側縁部)には、信号伝送媒体(FPC又はFFC等)Fの係合位置決め部13aを形成している内側端縁に対応した当接辺14a1が設けられている。すなわち、上述したように係止爪部14aが信号伝送媒体F側の係合位置決め部13aの内方空間に入り込んだ際に、その係合位置決め部13aの内側縁を構成している壁面に対して、係止爪部14aの一端面を構成する当接辺14a1がコネクタ前後方向に対面し、当該当接辺14a1と係合位置決め部13aの内壁面とが接触可能な配置関係となる。そして、信号伝送媒体Fが、その抜去方向であるコネクタ前方側に引っ張られた際に、当該信号伝送媒体Fの係合位置決め部13aの内側縁の壁面が、係止爪部14aの当接辺14a1に接触することで、信号伝送媒体Fの係合位置決めが行われる構成になされている。
さらに、上述した係止爪部14aの前方側部分(図11の左方側部分)には、媒体挿入通路に挿入されて来た信号伝送媒体(FPC又はFFC等)Fに対面する傾斜案内面14a2が形成されている。この係止爪部14aに設けられた傾斜案内面14a2は、コネクタ前方側に向かって斜め下方に延出するように形成されており、媒体挿入通路内に挿入されて来た信号伝送媒体Fの挿入側先端縁部が、当該傾斜案内面14a2の上表面に当接する位置関係になされている。そして、その信号伝送媒体Fの挿入側先端縁部が係止爪部14aの傾斜案内面14a2の上表面に当接すると、その際に傾斜案内面14a2に生じる下方向への分力によって係止爪部14aの全体が、弾性アーム状部材14bの弾性力に抗して下方側に押し下げられる構成になされている。
このように信号伝送媒体(FPC又はFFC等)Fが係止爪部14aを押し下げた状態で信号伝送媒体Fの挿入がさらに進み、特に図12に示されているように係止爪部14aの真上の位置に信号伝送媒体Fの係合位置決め部13aが到達すると、上述した弾性アーム状部材14bの弾性復帰力に伴って係止爪部14aが、係合位置決め部13aの内部に向かって上方に強制移動される。それによって、係止爪部14aの一端縁部を構成している当接辺14a1が、信号伝送媒体Fの係合位置決め部13aの内壁面に対してコネクタ前後方向に面対向する配置関係となり、両部材Fa,13a同士が面接触状態となったときに係合状態(ロック状態)となる。そして、その係合状態となった係止爪部14aの係止作用によって信号伝送媒体Fの挿入状態が略不動状態に保持される。
このとき、上述した係止爪部14aの一端縁部を構成している当接辺14a1の板厚寸法t1は、係合位置決め部13aの内壁面が有する板厚寸法t2より小さい寸法関係に設定されている(t1<t2)。このような両部材13a,14aにおける厚さ寸法の大小関係によって、係止爪部14aの一端面を構成する当接辺14a1が、係合位置決め部13aの内壁面に対して高さ方向の範囲内に確実に配置されることとなり、両部材13a,14aの係合状態(ロック状態)が安定的に得られる。また、係止爪部14aの厚さ寸法が薄型化されていることから、その薄型化されている分だけコネクタ全体の低背化が図られるようになっている。
一方、ロック解除操作部14eは、上述した弾性アーム状部材14bの先端部分における外方側の側縁から上方に突出する折曲げ状部材から形成されている。より具体的には、弾性アーム状部材14bの前端部分(図11の左端部分)を上方側に所定量だけ延出させてからコネクタ内方側に向かって略直角に折曲げ形成した平面略矩形状の板状部材から形成されている。そして、このロック解除操作部14eが下方に押し下げられてロック解除操作が行われると、上述した弾性アーム状部材14bが下方に向かって撓むように弾性変位し、その分、ロック解除操作部14eの下方位置に配置されている係止爪部14aが、下方に押し下げられるように移動して信号伝送媒体Fの係合位置決め部13aから離脱される構成になされている。
このとき、前述したように係止爪部14aが、板厚寸法において薄型化が図られていることから、当該係止爪部14aの薄型化分だけロック解除操作部14eの押し下げ量も小さく設定されている。その結果、ロック解除操作部14eの上方突出量が小さくなされ、それによってもコネクタ全体の低背化が図られる。
ここで、信号伝送媒体(FPC又はFFC等)Fの挿入からロック状態及び解除操作の状態をまとめて説明しておく。まず、絶縁ハウジング11の媒体挿入口11aを通して信号伝送媒体Fが絶縁ハウジング11の内部に挿入されてくると、その信号伝送媒体Fの挿入側の先端縁部が、ロック部材14に設けられた係止爪部14aの傾斜案内面14a2に当接し、弾性アーム状部材14bの弾性力に抗して係止爪部14aが信号伝送媒体Fの板幅方向の下方側に押し下げられるようにして退避移動する。更にその状態から、信号伝送媒体Fの端末部分がコネクタ後方側に向かって押し込まれると、係止爪部14aは、信号伝送媒体Fの側端縁に圧接しながら滑動していき、係合位置決め部13aが係止爪部14aの真上位置まで移動した際に、図12に示されているように、弾性アーム状部材14bの弾性復元力によって係止爪部14aが信号伝送媒体Fの係合位置決め部13aの内部に押し上げられるように移動する。その結果、信号伝送媒体Fの係合位置決め部13aに対して、係止爪部14aが係合状態となり、信号伝送媒体Fが抜け出すことのないように保持される。
このように信号伝送媒体(FPC又はFFC等)Fが、ロック部材14の係止爪部14aによって係合状態(ロック状態)になされて信号伝送媒体Fが保持された状態から、図13に示されているように、ロック解除操作部14eが弾性アーム状部材14bの弾性力に抗して下方に押し下げられてロック解除操作が行われると、係止爪部14aも下方に移動し、当該係止爪部14aが信号伝送媒体Fの係合位置決め部13aから離脱してロック部材14による係合状態(ロック状態)が解除される。
以上述べたような構成を有する本実施形態によれば、ロック機構を構成する係止爪部14aに対応して信号伝送媒体(FPC又はFFC等)Fに設けられた係合位置決め部13aが、信号伝送媒体Fの幅方向両側から、外方にはみ出すことのないように幅寸法の領域内に形成されており、従来のように信号伝送媒体Fが幅広になされることによるコネクタ大型化の傾向が防止される。また、ロック機構とロック解除機構とが一体のロック部材14として絶縁ハウジング11に取り付けられていることから、部品点数が低減されて部品の取り扱い性が高められる。
特に本実施形態においては、ロック部材14が、係止爪部14a及びロック解除操作部14eに加えて、当該係止爪部14a及びロック解除操作部14eを弾性変位可能に支持するロックアーム部材14bと、印刷配線基板に半田接合される基板接続部14dと、絶縁ハウジング11に圧入される固定片部14cとを一体的に備えていることから、部品の一体化がさらに行われて部品点数が一層低減される。
以上、本発明者によってなされた発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能であるというのはいうまでもない。
例えば、上述した各実施形態では、電気コネクタに固定される信号伝送媒体として、フレキシブル・プリンテッド・サーキット(FPC)、及びフレキシブル・フラット・ケーブル(FFC)を採用しているが、その他の信号伝送用媒体等を用いた場合に対しても本発明は同様に適用することができる。
さらに、上述した実施形態にかかる電気コネクタには、同一形状の導電コンタクトが用いられているが、異なる形状の導電コンタクトを交互に配置した構造であっても本発明は同様に適用することが可能である。
本発明は、各種電気機器に使用する多種多様な電気コネクタに対して広く適用することが可能である。
10 電気コネクタ
11 絶縁ハウジング
11a 媒体挿入口
12 導電コンタクト
12a 基板接続部
13 補強板(補強部材)
13a 係合位置決め部
14 ロック部材(ロック機構及びロック解除機構)
14a 係止爪部
14a1 当接辺
14a2 傾斜案内面
14b 弾性アーム状部材
14c 固定片部
14d 基板接続部
14e ロック解除操作部
F 信号伝送媒体(FPC又はFFC等)
Fa 配線パターン(接続端子)

Claims (3)

  1. 絶縁ハウジングの内部に挿入された信号伝送媒体の係合位置決め部に係合して当該信号伝送媒体の挿入状態を保持する係止爪部を有するロック機構と、
    前記ロック機構の係止爪部を、前記信号伝送媒体に対する係合位置から離脱位置まで移動させるロック解除操作により、前記信号伝送媒体を前記絶縁ハウジングから抜去可能とするロック解除機構と、を備えた電気コネクタにおいて、
    前記信号伝送媒体の表面に、当該信号伝送媒体の外郭形状と同じか小さい外郭形状を有する補強部材が固着され、その補強部材に前記係合位置決め部が設けられている一方、
    前記ロック機構を構成する前記係止爪部と、前記ロック解除機構を構成する前記ロック解除操作部とが一体的に設けられて、前記ロック機構とロック解除機構を兼用するロック部材が構成されたものであって、
    当該ロック機構とロック解除機構を兼用する前記ロック部材が、前記絶縁ハウジングに一体的に取り付けられていることを特徴とする電気コネクタ。
  2. 前記ロック部材は、前記係止爪部及びロック解除操作部に加えて、当該係止爪部及びロック解除操作部を弾性変位可能に支持するロックアーム部材と、印刷配線基板に半田接合される基板接続部と、前記絶縁ハウジングに圧入される固定片部と、を一体的に備えていることを特徴とする請求項1記載の電気コネクタ。
  3. 前記係止爪部が、薄肉板状の金属部材から形成されたものであって、当該係止爪部の一端縁部が、前記係合位置決め部を形成する壁面に面接触することで前記信号伝送媒体の保持が行われる構成になされ、
    前記係止爪部の一端縁部における板厚寸法t1が、前記係合位置決め部の壁面における板厚寸法t2より小さく設定されていること(t1<t2)を特徴とする請求項1記載の電気コネクタ。
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