JP2014219833A - 文書読解支援装置、文書読解支援システムおよびプログラム - Google Patents

文書読解支援装置、文書読解支援システムおよびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】 文書の読解の支援とともにその効率化を図ることができる装置やシステム等を提供する。
【解決手段】 この装置は、設定された規則に従って、文書を複数の要素に分割し、分割した要素間の関係を抽出することにより文書の構造解析を行う文書構造解析部41と、文書に含まれる文字列の指定を受け付ける入力部40と、構造解析により得られた文書の構造情報から指定された文字列に対応する構造情報を抽出する情報抽出部42と、抽出された構造情報を図式化して出力する出力部43とを含む。
【選択図】 図3

Description

本発明は、文書の読解を支援するための文書読解支援装置、その装置を含む文書読解支援システムおよびその支援を実現するためのコンピュータ可読なプログラムに関する。
文書には、契約書、請求書、書籍、ウェブページ、特許明細書等がある。文書のうち、例えば、特許請求の範囲は、一文が長く、特有な表現で記載されているため、一般の人にとって読みにくいものとなっている。
そこで、特許請求の範囲に含まれる請求項のテキストを記述断片として区切り、その記述断片と記述断片の構造とを示す請求項構造情報を生成し、記述断片間の関係が分かるように表示する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。このように表示された請求項構造情報を見ることにより、請求項の構造を容易に把握することができる。
また、特許請求の範囲を解析して請求項の階層関係を取得し、取得した階層関係に基づき、当該階層関係を図的に示すクレームツリーを表示する技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。この技術も、請求項を複数の要素に区切り、要素間の関係が分かるように図的に表示するため、請求項の構造を容易に把握することができ、また、特許請求の範囲の記載漏れ等を防止することができる。
上述した技術では、請求項全体を図的に表示するため、請求項の中の指定した文字列に対する構造を詳細に示すことができず、その詳細を容易に把握することはできなかった。このため、読解を充分に支援し、充分に効率化を図ることができているとは言えなかった。
本発明は、上記課題に鑑み、文書の読解を支援するための文書読解支援装置であって、設定された規則に従って文書を複数の要素に分割し、分割した要素間の関係を抽出することにより文書の構造解析を行う文書構造解析部と、文書に含まれる文字列の指定を受け付ける入力部と、構造解析により得られた文書の構造情報から指定された文字列に対応する構造情報を抽出する情報抽出部と、抽出された構造情報を図式化して出力する出力部とを含む、文書読解支援装置が提供される。
本発明によれば、文書の読解を充分に支援することが可能になり、充分に読解の効率化を図ることができる。
本実施形態の文書読解支援システムの構成例を示した図。 文書読解支援装置のハードウェア構成を例示した図。 文書読解支援装置の機能ブロック図。 特許請求の範囲の構造解析を行う処理の流れの一例を示したフローチャート。 構造情報を表示する処理の流れの一例を示したフローチャート。 図5に示す処理において表示された画面の第1実施形態を示した図。 図5に示す処理において表示された画面の第2実施形態を示した図。 図5に示す処理において表示された画面の第3実施形態を示した図。
図1は、本実施形態の文書読解支援システムの構成例を示した図である。この文書読解支援システムは、文書の読解を支援するためのシステムであり、文書の構造を把握しやすくするために、文書を、階層構造等のように図式化して表示等させるシステムである。
文書読解支援システムにおいて表示等させる文書は、契約書、請求書、書籍、特許明細書等、いかなる文書であってもよい。以下、文書を、一文が長く、特有な表現で記載され、一般の人にとって読みにくい特許請求の範囲として説明する。また、ツリー構造等の階層構造で表示させるものとして説明する。
文書読解支援システムは、特許請求の範囲を文書データとして登録管理するデータベース10と、文書読解支援装置とから構成される。ここでは、データベース10は、1つのみとされているが、複数のデータベースから構成されていてもよい。文書読解支援装置は、例えば、複数の機能を実現するための複数の機器から構成することができる。また、文書読解支援システムは、その他の機器を含んで構成されていてもよい。
図1に示す文書読解支援システムは、文書読解支援装置の各機能を実現するための複数の機器として、データベース11、管理サーバ12、ユーザが利用するPC13を含んで構成されている。これらの機器およびデータベース10は、ネットワーク14に接続され、ネットワーク14を介して通信やアクセスが可能とされている。
データベース10は、少なくとも1つの特許請求の範囲を文書データとして蓄積し、格納している。データベース11は、データベース10に蓄積された特許請求の範囲を構造解析して得られた当該特許請求の範囲の構造情報を格納する。この構造情報は、特許請求の範囲に含まれる各請求項を、階層構造で表示するために必要とされる情報である。2つのデータベース10、11としては、文書データや構造情報を格納するための磁気ディスク装置等の記憶装置を用いることができる。記憶装置としては、例えば、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等を挙げることができる。
管理サーバ12は、特許請求の範囲の構造解析に必要な設定や構造解析の実行指示を受け付け、構造解析を行い、得られた構造情報をデータベース11に格納させる。また、管理サーバ12は、PC13からの要求を受けて、構造情報をデータベース11から読み出し、一定の処理を行った後にPC13へ送信する。
PC13は、ユーザが利用するコンピュータで、文書データを作成し、作成した文書データをデータベース10に格納させることにより登録する。また、PC13は、文書データをデータベース10から読み出し、特許請求の範囲を表示する。さらに、PC13は、構造情報を管理サーバ12に対して要求し、管理サーバ12から取得した構造情報に基づき特許請求の範囲を階層構造で表示する。実際には、PC13は、特許請求の範囲に含まれる各請求項と、各請求項を階層構造で表示する。
ここでは、PC13が直接データベース10に文書データを登録し、データベース10から文書データを読み出しているが、これに限られるものではなく、管理サーバ12を介して登録および読み出しを実行してもよい。また、PC13は1台に限定されるものではなく、利用するユーザの数に応じ、複数台であってもよい。
管理サーバ12は、ハードウェアとして、各処理を実行するためのプログラムを記憶する記憶装置と、記憶装置に記憶されたプログラムを読み出し実行するCPUとを備える。記憶装置は、HDDまたはSSD、ブートプログラムやファームウェア等を記憶するROM(Read Only Memory)を含む。また、記憶装置は、CPUがプログラムを実行する際に必要とされる作業領域を与えるRAM(Random Access Memory)を含む。また、管理サーバ12は、ネットワーク14に接続し、ネットワーク14を介した通信を実現するためにネットワークI/Fを備える。
PC13は、管理サーバ12と同様、記憶装置、CPU、ネットワークI/Fを備える。また、PC13は、上記の文書データや要求を作成するためにユーザが入力を行う入力装置、文書データ等を表示する表示装置をさらに備える。入力装置としては、文字等の入力を行うためのキーボード、カーソルの移動やアイコンの選択等を行うためのマウスまたはタッチパッドを挙げることができる。表示装置としては、CRT(Cathode Ray Tube)や液晶ディスプレイ等を挙げることができる。また、入力装置と表示装置とが一体化したタッチパネルを採用することも可能である。
ネットワーク14は、インターネットであってもよいし、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)であってもよい。また、ネットワーク14は、1つのネットワークに限定されるものではなく、2以上のネットワークがルータ等の中継装置により接続されたものであってもよい。ネットワーク14を介した通信は、例えば、インターネットであれば、TCP(Transmission Control Protocol)/IP(Internet Protocol)等の通信プロトコルを使用して行うことができる。なお、ネットワーク14は、有線通信によるネットワークであってもよいし、無線通信によるネットワークであってもよい。
図1では、ネットワーク14を介して通信を行うように構成された文書読解支援システムを例示したが、ケーブルにより互いを直接接続した構成であってもよい。文書読解支援システムは、PC13に代えて、スマートフォン、PDA(Personal Digital Assistant)、タブレット端末、MFP(Multi Function Peripheral)を用いることもできる。また、文書読解支援システムは、図1に示した装置に加えて、プリンタやMFP等を含んでいてもよい。
図1では、文書読解支援装置を複数の機器から構成した例を示したが、1つの機器から構成されていてもよい。図2は、文書読解支援装置を1つの機器にて構成した場合のハードウェア構成を例示した図である。なお、これは一例であるので、このハードウェア構成に限定されるものではない。この文書読解支援装置は、装置全体の制御を行うCPU20と、ブートプログラムやファームウェア等を記憶するROM21と、CPU20の作業空間として使用されるRAM22とを備えている。
文書読解支援装置は、後述する処理を実行するためのプログラム等を記憶するHD(Hard Disk)23と、HD23に対する読み出しや書き込みを制御するHDD24とを備えている。また、文書読解支援装置は、フラッシュメモリ等の記録メディア25に対するデータの読み出し、書き込みを制御するメディアドライブ26を備えている。
文書読解支援装置は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、映像等の各種情報を表示する表示装置としてのディスプレイ27と、通信ネットワークを利用してデータ伝送をするためのネットワークI/F28とを備えている。また、文書読解支援装置は、文字、数値、各種指示等の入力のための複数のキーを備えたキーボード29と、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動等を行うマウス30とを備えている。
さらに、文書読解支援装置は、外部の装置との間でデータを送受信する外部装置I/F31と、互いに電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン32とを備えている。上記のプログラムは、図示しないサーバ等からのダウンロード形式で提供することもできるし、記録メディア25等のコンピュータ可読な記録媒体に格納して提供することもできる。
図3は、文書読解支援装置の機能ブロック図である。文書読解支援装置は、入力部40と、文書構造解析部41と、情報抽出部42と、出力部43と、文書構造情報格納部45とを含んで構成される。図3では、文書格納部44も示されている。入力部40は、図2に示したキーボード29やマウス30とされ、出力部43は、図2に示したディスプレイ27とされる。文書構造解析部41および情報抽出部42は、HD23に記憶されたプログラムを、HDD24を介してCPU20が読み出し実行することにより実現される。また、文書格納部44および文書構造情報格納部45は、HD23とされるが、記録メディア25や外部装置I/F31に接続される外部記憶装置とされていてもよい。
入力部40は、ユーザからの要求や指示等を受け付ける。入力部40は、受け付けた要求や指示を解釈し、特許請求の範囲の構造解析のための設定情報の設定を要求するものである場合やその実行を指示するものである場合、文書構造解析部41にその要求や指示を送る。また、入力部40は、受け付けた要求や指示が、ある請求項中の文字列の指定である場合、その情報を情報抽出部42に送る。
文書構造解析部41は、入力部40から受け付けた設定情報を用い、構造解析を行う際に必要とされる規則の設定を行う。また、文書構造解析部41は、入力部40から構造解析の実行指示を受け付けると、設定された規則に従って、特許請求の範囲内の各請求項を複数の要素に分割し、分割した要素間の関係を抽出することにより構造解析を行う。
設定情報としては、複数の要素に分割するために、区切りの手がかりとなる特定の文字や文字列の情報を挙げることができる。その文字や文字列としては、前提を示す箇所を1つの要素として分割するための「において」、「であって」や、手段等を示す箇所を1つの要素として分割するための「〜手段と」、「〜部と」、「〜ステップと」等を挙げることができる。また、特徴を示す箇所を1つの要素として分割するための「を特徴とする」や、包含を示す箇所を1つの要素として分割するための「を備える」、「を備えた」、「を備えている」、「を含む」、「を含み」等を挙げることができる。
また、引用を示す箇所を1つの要素として分割するための「請求項〜に記載」や、発明の対象を示す箇所を1つの要素として分割するための「〜装置」、「〜方法」、「〜システム」、「プログラム」、「記録媒体」等を挙げることができる。なお、「〜」は、何らかの文字もしくは文字列または数字であり、この部分にその文字等が入ることを意味する。これらの文字や文字列等は一例であり、これに限定されるものではない。
区切りの手がかりとなる情報としては、改行、区切り符号「、」や「,」、空白行等を挙げることもできる。
また、設定情報としては、さらに細かく分割するべく、上記の「〜手段と」等で分割された構成要素を、その構成要素の名称を示す部分とそれを説明する部分とに分割する旨の情報を含むことができる。その情報としては、名称を示す部分を「名詞または動詞+手段と」等とし、それを説明する部分を、名称を示す部分の前段にある記載とする旨の情報とすることができる。名称を示す部分は、例えば、「名詞+回路と」、「名詞+装置と」、「名詞+部材と」、「名詞または動詞+ステップと」、「名詞または動詞+段階と」、「名詞または動詞+工程と」等であってもよい。
このため、文書構造解析部41は、規則として、上記の手がかりとなる文字や文字列で区切るという規則等を設定し、その規則に従って、請求項を複数の要素に分割する。
文書構造解析部41は、このようにして請求項を複数の要素に分割した後、要素間の関係を抽出する。要素間の関係としては、係り受けの関係、包含関係、引用関係等がある。
「〜を表示する表示手段と」を、「表示手段と」という名称を示す部分と、それを説明する部分である「〜を表示する」とに分割して2つの要素を得た場合、この要素間の関係は、「〜表示する」が「表示手段と」を修飾することから、係り受けの関係である。その「表示手段と」という要素と上記の「を備える」という要素との関係は、「を備える」が「表示手段と」を包含する記載であることから、包含関係である。また、複数の請求項がある場合において、「請求項〜に記載の〜」という要素とその引用された請求項の全要素との関係は、引用関係である。
文書構造解析部41は、上記の関係のどれに適合するかを調べることにより要素間の関係を抽出することができる。なお、どの関係にも適合しない場合は、その要素間にはいずれの関係もないことを抽出することができる。これは一例であり、要素間の関係を抽出することができれば、これまでに知られたいかなる方法でも採用することができる。
このような文書の構造解析は、例えば、従来から知られているパターンマッチングや形態素解析を用いて実施することができる。パターンマッチングは、文書の中から指定したパターンと同じものを探す手法である。形態素解析は、文章を意味のある単語に区切り、辞書を用いて品詞や内容を判別する手法である。これらは良く知られた手法であるため、ここでは詳述しない。
文書構造解析部41は、このようにして要素間の関係を抽出した後、分割した複数の要素の情報と抽出した要素間の関係を示す情報とを構造情報とし、文書構造情報格納部45に送り、記憶させる。このとき、構造情報は、特許請求の範囲を識別するための文書識別情報と関連付けて記憶される。文書識別情報としては、出願番号、公開番号、特許番号の少なくとも1つを用いることができる。これらに加えて、発明の名称や出願人名が含まれていてもよい。
出力部43は、ユーザから表示を要求された特許請求の範囲を表示し、また、指定された文字列に対応する構造情報に基づき、その特許請求の範囲を階層構造で表示する。以下、階層構造で表示したものを階層構造図とする。
出力部43は、これらを表示するにあたって、ディスプレイ27の画面上に、文書格納部44に格納されている複数の特許請求の範囲の文書識別情報をリストして表示することができる。ユーザは、入力装置を使用してその1つを選択し、その表示を要求すると、入力部40がそれを受け付け、その要求を出力部43へ渡し、出力部43が、文書格納部44からその選択された特許請求の範囲を読み出し、表示させることができる。
特許請求の範囲が表示された後、ユーザは、その特許請求の範囲に含まれる任意の請求項内の文字列を指定し、その文字列に対応する構造情報に基づき、階層構造図を表示させるよう要求することができる。文字列の指定は、マウス等の入力装置を使用し、文字列を選択することにより行うことができる。
この要求には、文字列の指定のほか、上記の文書識別情報も含まれる。入力部40は、この要求を受け付け、この要求を情報抽出部42へ送る。
情報抽出部42は、この要求を受け付けたことに応答して、文書識別情報に基づき、文書構造情報格納部45から対応する特許請求の範囲の構造情報を読み出し、取得する。そして、情報抽出部42は、取得した構造情報から指定された文字列に対応する構造情報を抽出する。
例えば、「表示手段と」という名称を示す部分の文字列が指定された場合、情報抽出部42は、その文字列に対応する構造情報として、その「表示手段と」を含む構成要素の構造情報を抽出する。
情報抽出部42は、抽出した構造情報を出力部43へ送り、出力部43がその構造情報に基づき、特許請求の範囲の階層構造図を表示する。階層構造図を表示する場合、出力部43は、その名称を示す部分の要素を上位ノードとし、その要素を説明する部分の要素を下位ノードとして配置した構造を表示する。
図3に示した文書読解支援装置により実行される構造解析の流れを、図4を参照して説明する。入力部40が、文書格納部44に格納された任意の特許請求の範囲に対する構造解析を行う旨の指示を受け付けることにより、ステップ400からこの処理を開始する。その指示には、特許請求の範囲を識別するための文書識別情報が含まれており、ステップ410では、文書構造解析部41が文書識別情報に基づき解析対象の特許請求の範囲の文書データを文書格納部44から読み出し、取得する。文書格納部44は、蓄積されている文書データのインデックスを保持しており、そのインデックスを参照して解析対象の文書データを効率的に検索し、読み出すことができる。
ステップ420では、文書構造解析部41が、設定された規則に従って、特許請求の範囲の各請求項を複数の要素に分割し、分割した要素間の関係を抽出することにより特許請求の範囲の構造解析を行う。文書構造解析部41は、上記の例のようにして、各請求項を複数の要素に分割してそれら要素の情報を得、分割した要素間の関係を抽出し、これらの関係を示す情報を得、これらの情報を構造情報とする。
ステップ430では、構造解析により得られた構造情報を、文書構造情報格納部45へ送り、文書構造情報格納部45に記憶することにより登録する。これにより、ステップ440で処理を終了する。
次に、図5を参照して、文書読解支援装置により実行される階層構造図を表示する処理について説明する。文書読解支援装置は、ユーザからの要求を受け付け、文書格納部44から特許請求の範囲の文書データを取得し、特許請求の範囲を表示させる。ユーザは、入力装置であるマウス等を使用して、表示された任意の請求項中の文字列を指定する。これにより、ステップ500からこの処理を開始する。
ステップ510では、入力部40が、ユーザから文字列の指定を受け付ける。この指定は、階層構造図の表示要求として受け付けることができる。この表示要求には、特許請求の範囲を識別するための文書識別情報が含まれる。入力部40は、この表示要求を受け付けると、情報抽出部42にこの表示要求を送る。
ステップ520では、情報抽出部42が、表示要求に含まれる文書識別情報を参照し、文書構造情報格納部45からその文書識別情報が関連付けられた構造情報を取得する。そして、情報抽出部42は、指定された文字列に対応する構造情報を、取得した構造情報の中から抽出する。階層構造図を表示する場合、指定された文字列が存在する階層のノードとそのノードより下位にリンクするノードの情報およびそれらの関係を示す情報を構造情報として抽出する。情報抽出部42は、抽出した構造情報を出力部43に送る。
ステップ530では、出力部43は、抽出された構造情報を図式化し、階層構造図として特許請求の範囲とともに並べて表示する。この階層構造図を表示した後、ステップ540においてこの処理を終了する。
これまで文書読解支援装置の構成および各機能部が行う処理について詳細に説明してきた。実際にディスプレイ27の画面上にどのように表示されるかについて、以下に具体的な例をもって説明する。
図6は、特許請求の範囲と階層構造図とを表示している画面の一例を示した図である。文書読解支援装置は、ユーザからの要求を受け付け、文書格納部44から特許請求の範囲を取得し、ディスプレイ27の画面上に表示させる。そして、ユーザは、マウス等の入力装置を使用して、特許請求の範囲の請求項1中、「受信部と、」という文字列を選択して指定する。
文書読解支援装置における入力部40がこの指定を受け付け、情報抽出部42が構造情報を抽出し、出力部43が抽出された構造情報に基づき、特許請求の範囲の階層構造図を表示する。すると、ディスプレイ27の画面上には、図6の向かって右側に示すような上位側に「受信部と、」という要素が配置され、下位側にそれを説明する「A装置からデータを受信する」という要素とが配置された階層構造で表示される。
このような階層構造図を表示することにより、ユーザは、指定した文字列がどのような構造であるかを容易に把握することができる。これは、図として表示され、また、指定した文字列と関係がある部分のみが表示されるためである。図6に示す表示では、「受信部と、」を説明する部分が「A装置からデータを受信する」のみであることが一目で分かる。また、「A装置からデータを受信する」が「受信部と、」を修飾していることも分かる。このように構造を詳細に示すことができるため、文書の読解を十分に支援することができ、読解の効率化を図ることができる。
また、このような階層構造図と、特許請求の範囲の原文とを並べて表示することで、対比しながら読み進めることができ、文書の読解をさらに支援することができ、さらに効率化を図ることができる。
なお、図6に示した実施形態は、表示された特許請求の範囲の原文上で着目した文字列が「受信部と、」である場合を例示している。ユーザは、この要素を示す文字列だけではなく、それ以外の文字列を指定することもできる。それ以外の文字列を指定する場合の例を、図7および図8に示す。
図7は、特許請求の範囲と階層構造図とを表示している画面の別の例を示した図である。文書読解支援装置は、ユーザからの要求を受け付け、文書格納部44から特許請求の範囲を取得し、ディスプレイ27の画面上に表示させる。そして、ユーザは、マウス等の入力装置を使用して、特許請求の範囲の請求項1中、「データ処理装置」という文字列を選択して指定する。
文書読解支援装置における入力部40がこの指定を受け付け、情報抽出部42が構造情報を抽出し、出力部43が抽出された構造情報に基づき、特許請求の範囲の階層構造図を表示する。すると、ディスプレイ27の画面上には、図7の向かって右側に示すような請求項1の全体を示す階層構造図が表示される。
これは、指定された文字列が、発明の対象を示す文字列で、階層構造で表すと、最上位に位置し、全ての要素と関係があるためである。ここで、発明の対象を示す文字列は、「〜装置」、「〜方法」、「プログラム」、「記録媒体」といった請求項の末尾に記載される文字列である。
全ての要素を階層構造により表示すると、要素の数が多い場合、見にくくなってしまう。このため、最上位の階層にある要素から任意の階層にある要素までを表示させ、それより下位の階層にある要素については、表示を省略することができる。この省略された下位の階層にある要素は、ユーザからの指示を受けて表示させることができる。
例えば、任意の階層にある要素を示すUI(User Interface)コンポーネント上にカーソルを重畳し、クリックする等して、その要素を選択することにより、その要素より下位の階層にある要素を表示させることができる。また、再度クリックする等して選択することにより、再表示させることができる。
図8は、特許請求の範囲と階層構造図を表示している画面のさらに別の例を示した図である。文書読解支援装置は、ユーザからの要求を受け付け、文書格納部44から特許請求の範囲を取得し、ディスプレイ27の画面上に表示させる。そして、ユーザは、マウス等の入力装置を使用して、特許請求の範囲の請求項2中、「請求項1に記載のデータ処理装置」という文字列を選択して指定する。
文書読解支援装置における入力部40がこの指定を受け付け、情報抽出部42が構造情報を抽出し、出力部43が抽出された構造情報に基づき階層構造図を表示する。すると、ディスプレイ27の画面上には、図8の向かって右側に示すような請求項1の全体を示す階層構造図が表示される。
これは、指定された文字列が、請求項1を引用することを示す文字列と、発明の対象を示す文字列とを含むことから、請求項1の全ての要素と関係があるためである。この場合も、要素の数が多く、見にくくなってしまうことを考慮し、最上位の階層にある要素から任意の階層にある要素までを表示させ、それより下位の階層にある要素については、表示を省略し、ユーザからの指示を受けた場合に表示させることができる。
ユーザが指定する文字列は、構成要素を示す文字列、発明の対象を示す文字列、引用する請求項名を示す文字列に限定されるものではなく、それ以外の文字列であってもよい。
階層構造図は、ディスプレイ27の画面に特許請求の範囲とともに表示されてもよいし、その特許請求の範囲とともに印刷出力されてもよい。また、階層構造図のみを表示あるいは印刷出力されてもよい。上記実施形態では、ディスプレイ27の画面に表示しているが、外部装置I/F31に接続される別のディスプレイや、図1に示すネットワーク14に接続される他の表示装置やPC13に接続される他の表示装置に表示することも可能である。他の表示装置としては、ディスプレイ、プロジェクタ、テレビ等を挙げることができる。印刷出力する場合、ネットワーク14に接続されるプリンタやMFP、PC13に接続されるプリンタやMFPを使用することができる。
これまで本発明の文書読解支援装置、システムおよびプログラムについて図面に示した実施形態を参照しながら詳細に説明してきたが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明は、他の実施形態や、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。したがって、文書読解支援装置やシステムにより実行される方法や、上記のプログラムが記録された記録媒体等も提供することができるものである。
10、11…データベース、12…管理サーバ、13…PC、14…ネットワーク、20…CPU、21…ROM、22…RAM、23…HD、24…HDD、25…記録メディア、26…メディアドライブ、27…ディスプレイ、28…ネットワークI/F、29…キーボード、30…マウス、31…外部装置I/F、32…バスライン、40…入力部、41…文書構造解析部、42…情報抽出部、43…出力部、44…文書格納部、45…文書構造情報格納部
特開2012−3517号公報 特許第4596522号公報

Claims (9)

  1. 文書の読解を支援するための文書読解支援装置であって、
    設定された規則に従って前記文書を複数の要素に分割し、分割した要素間の関係を抽出することにより前記文書の構造解析を行う文書構造解析部と、
    前記文書に含まれる文字列の指定を受け付ける入力部と、
    前記構造解析により得られた前記文書の構造情報から指定された文字列に対応する構造情報を抽出する情報抽出部と、
    抽出された構造情報を図式化して出力する出力部とを含む、文書読解支援装置。
  2. 前記文書の構造情報を格納する文書構造情報格納部をさらに含み、
    前記文書構造解析部は、前記構造解析により得られた前記文書の構造情報を前記文書構造情報格納部に格納させ、前記情報抽出部は、前記入力部が前記文字列の指定を受け付けたことに応答して、前記文書構造格納部から前記文書の構造情報を読み出す、請求項1に記載の文書読解支援装置。
  3. 前記構造情報は、複数の要素の情報と、要素間の関係を示す情報とを含む、請求項1または2に記載の文書読解支援装置。
  4. 前記出力部は、抽出された構造情報を、表示または印刷することにより出力する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の文書読解支援装置。
  5. 前記文書は、特許請求の範囲であり、前記出力部は、抽出された構造情報を、階層構造で表示し、または印刷出力する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の文書読解支援装置。
  6. 前記文字列は、発明の対象、構成要素、引用する請求項名またはこれらの組み合わせのいずれかを示す文字列である、請求項5に記載の文書読解支援装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の文書読解支援装置と、1以上の文書を文書データとして記憶し、管理する1以上のデータベースとを含む、文書読解支援システム。
  8. 文書の読解を支援する処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記コンピュータに、
    設定された規則に従って前記文書を複数の要素に分割し、分割した要素間の関係を抽出することにより前記文書の構造解析を行うステップと、
    前記文書に含まれる文字列の指定を受け付けるステップと、
    前記構造解析により得られた前記文書の構造情報から指定された文字列に対応する構造情報を抽出するステップと、
    抽出された構造情報を図式化して表示または印刷出力するステップとを実行させる、プログラム。
  9. 前記構造解析により得られた前記文書の構造情報を文書構造格納部に格納するステップと、前記指定を受け付けたことに応答して、前記文書構造格納部から前記文書の構造情報を読み出すステップとをさらに実行させる、請求項8に記載のプログラム。
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