JP2014219149A - 冷凍装置 - Google Patents

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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B5/00Compression machines, plants or systems, with several evaporator circuits, e.g. for varying refrigerating capacity
    • F25B5/02Compression machines, plants or systems, with several evaporator circuits, e.g. for varying refrigerating capacity arranged in parallel
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25DREFRIGERATORS; COLD ROOMS; ICE-BOXES; COOLING OR FREEZING APPARATUS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • F25D11/00Self-contained movable devices, e.g. domestic refrigerators

Abstract

【課題】蒸発温度が異なるショーケースの蒸発器に共通の圧縮機から冷媒を供給するに際して、各ショーケースの冷却運転を支障無く実現しながら、運転効率を改善することができる冷凍装置を提供する。
【解決手段】圧縮機3及び蒸発器6から構成される冷媒回路Rの低圧圧力とその低圧圧力設定値に基づいて圧縮機の運転を制御すると共に、各ショーケース2A〜2Dの運転を集中制御するためのメインコントローラ11を備え、このメインコントローラ11は、各ショーケースを蒸発温度でグループ分けし、各グループのショーケースの運転状況に基づき、蒸発器に冷媒が供給されているグループの蒸発温度に適した値に低圧圧力設定値を変更する。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数のショーケースに共通の圧縮機から冷媒を供給して冷却する冷凍装置に関するものである。
従来よりスーパーマーケット等の店内には複数のショーケースが設置され、食材や総菜等の食品や飲料等の冷蔵商品や、冷凍食品等の冷凍商品を冷却しながら陳列販売している。各ショーケースには店外等に設置された冷凍機の圧縮機から冷媒が供給されるが、その場合、冷凍機と複数のショーケースが冷媒配管により接続されて一つの系統を構成し、共通の圧縮機から複数のショーケースの蒸発器に冷媒が分配供給されるように構成とされている(例えば、特許文献1参照)。
また、各ショーケースの庫内温度の制御はそれぞれに設けられたショーケースコントローラが実行すると共に、圧縮機の運転制御は、冷凍機に設けられた冷凍機コントローラが実行する。この場合、冷凍機コントローラは圧縮機や各ショーケースの蒸発器により構成される冷媒回路の低圧圧力を所定の低圧圧力設定値に制御するように圧縮機の運転周波数(回転数)を制御するように構成されていた(例えば、特許文献2参照)。
特開2001−33138号公報 特開2001−272149号公報
ここで、ショーケースの蒸発器における冷媒の蒸発温度は、陳列する商品によってその要求される温度が異なり、冷蔵商品を陳列する冷蔵ショーケースの場合には高く(例えば0℃等)、冷凍商品を陳列する冷凍ショーケースの場合には低くなる(例えば−20℃等)。また、蒸発器において要求される冷媒の蒸発温度を実現するためには、そのための低圧圧力が必要となり、例えば、冷蔵ショーケースの場合には低圧圧力は高くて済むが、冷凍ショーケースの場合には低くしなければならない。
この場合、同一系統に冷蔵ショーケースのみ、或いは、冷凍ショーケースのみが接続されるときには、全てのショーケースの蒸発器で要求される冷媒の蒸発温度は同一になると考えられるため、それに適した低圧圧力設定値に固定して圧縮機の運転を制御すれば良いが、冷蔵と冷凍の違いだけでなく、冷蔵商品でも温度帯の高いもの(日配品や飲料等)と低いもの(精肉や鮮魚等)が存在し、それぞれで要求される蒸発温度も異なる(低いものは−10℃等)。そして、このような異なる蒸発温度のショーケースが同一の系統に接続される場合には、例えば、冷凍ショーケースが接続されているのであれば、この最も低い温度が要求される冷凍ショーケースの蒸発温度に適した低圧圧力設定値にしなければならない。
しかしながら係る低圧圧力設定値は、より蒸発温度が高い冷蔵ショーケースにとっては過剰であり、前述した特許文献1のナイトカバーがかけられた場合のように、消費電力が増大して運転効率が著しく低下すると共に、冷蔵ショーケースの庫内が過冷却されたり、環境条件によっては、逆に冷媒流量が著しく低下して冷却不良に陥るという問題が発生する。
本発明は、係る従来の技術的課題を解決するために成されたものであり、蒸発温度が異なるショーケースの蒸発器に共通の圧縮機から冷媒を供給するに際して、各ショーケースの冷却運転を支障無く実現しながら、運転効率を改善することができる冷凍装置を提供するものである。
上記課題を解決するために、本発明の冷凍装置は、共通の圧縮機から蒸発器における冷媒の蒸発温度が異なる複数のショーケースに冷媒を供給して冷却するものであって、圧縮機及び蒸発器から構成される冷媒回路の低圧圧力とその低圧圧力設定値に基づいて圧縮機の運転を制御すると共に、各ショーケースの運転を集中制御するための制御手段を備え、この制御手段は、各ショーケースを蒸発温度でグループ分けし、各グループのショーケースの運転状況に基づき、蒸発器に冷媒が供給されているグループの蒸発温度に適した値に低圧圧力設定値を変更することを特徴とする。
請求項2の発明の冷凍装置は、上記発明において制御手段は、蒸発器への冷媒供給が各グループ単位で行われ、且つ、消費電力が削減される方向で、各グループ単位の運転スケジュールを作成することを特徴とする。
請求項3の発明の冷凍装置は、上記発明において制御手段は、各グループのショーケースの蒸発器への冷媒供給が、各グループ単位で時系列的に分離される運転スケジュールを作成することを特徴とする。
請求項4の発明の冷凍装置は、請求項2の発明において制御手段は、複数のグループのショーケースの蒸発器への冷媒供給を同時に行う必要がある場合、蒸発温度が近いグループのショーケースの蒸発器への冷媒供給が同時に行われる運転スケジュールを作成することを特徴とする。
請求項5の発明の冷凍装置は、上記発明において制御手段は、複数のグループのショーケースの蒸発器への冷媒供給を同時に行う場合、低い方のグループの蒸発温度に適した値に低圧圧力設定値を変更することを特徴とする。
請求項6の発明の冷凍装置は、請求項4の発明において制御手段は、蒸発温度が低いグループのショーケースの蒸発器への冷媒供給を、より蒸発温度が高いグループのショーケースの蒸発器への冷媒供給に加えて行う必要がある場合、低い蒸発温度よりも高い蒸発温度に適した値に低圧圧力設定値を変更することを特徴とする。
請求項7の発明の冷凍装置は、請求項2の発明において制御手段は、全てのグループのショーケースの蒸発器への冷媒供給が同時に行われる運転スケジュールを作成することを特徴とする。
請求項8の発明の冷凍装置は、請求項2乃至請求項7の発明において制御手段は、各グループの蒸発温度と、各グループを構成するショーケースの庫内温度の状況、運転率、霜取運転の状況のうちの何れか、若しくは、全てを含む運転状況との組み合わせに基づいて運転スケジュールを作成することを特徴とする。
請求項9の発明の冷凍装置は、請求項2乃至請求項8の発明において制御手段は、運転スケジュールの作成処理として遺伝的アルゴリズムを行うことを特徴とする。
請求項10の発明の冷凍装置は、請求項2乃至請求項9の発明において制御手段は、メ
インコントローラと、各ショーケースにそれぞれ設けられたショーケースコントローラと、圧縮機を備える冷凍機に設けられた冷凍機コントローラとから構築され、メインコントローラは各ショーケースコントローラと冷凍機コントローラから運転状況に関するデータを受信し、それらに運転スケジュール及び低圧圧力設定値を含む運転指示データを送信することにより、各ショーケース及び冷凍機を集中制御することを特徴とする。
本発明によれば、共通の圧縮機から蒸発器における冷媒の蒸発温度が異なる複数のショーケースに冷媒を供給して冷却する冷凍装置において、圧縮機及び蒸発器から構成される冷媒回路の低圧圧力とその低圧圧力設定値に基づいて圧縮機の運転を制御すると共に、各ショーケースの運転を集中制御するための制御手段を備え、この制御手段は、各ショーケースを蒸発温度でグループ分けし、各グループのショーケースの運転状況に基づき、蒸発器に冷媒が供給されているグループの蒸発温度に適した値に低圧圧力設定値を変更するようにしたので、冷媒が供給されているショーケースのグループの蒸発温度に適した低圧圧力設定値とすることができるようになる。
これにより、蒸発器における冷媒の蒸発温度が異なる複数のショーケースに共通の圧縮機から冷媒を供給する場合にも、各ショーケースの冷却運転を支障無く実行しながら、過剰に低い低圧圧力で運転されることによる運転効率の低下を解消若しくは抑制することができるようになるものである。
特に、請求項2の発明の如く制御手段が、蒸発器への冷媒供給が各グループ単位で行われ、且つ、消費電力が削減される方向で、各グループ単位の運転スケジュールを作成するようにすれば、消費電力が削減されるように積極的に各グループのショーケースの蒸発器への冷媒供給をスケジュールし、効果的な運転効率の向上を実現することが可能となる。
この場合、請求項3の発明の如く制御手段が、各グループのショーケースの蒸発器への冷媒供給が、各グループ単位で時系列的に分離されるような運転スケジュールを作成するようにすれば、各グループの蒸発温度に適した低圧圧力設定値への切り換えを的確に実行することができるようになる。
また、請求項4の発明の如く複数のグループのショーケースの蒸発器への冷媒供給を同時に行う必要がある場合、制御手段が、蒸発温度が近いグループのショーケースの蒸発器への冷媒供給が同時に行われる運転スケジュールを作成するようにすれば、請求項3の発明の如く各グループのショーケースの蒸発器への冷媒供給を時系列的に分離できない場合にも、蒸発温度が近いグループのショーケースの蒸発器への冷媒供給を同時に行うことによって、できるだけ適切な低圧圧力設定値による圧縮機の運転制御を実現することが可能となる。
そのように複数のグループのショーケースの蒸発器への冷媒供給を同時に行う場合、請求項5の発明の如く制御手段により、低い方のグループの蒸発温度に適した値に低圧圧力設定値を変更するようにすれば、より低い蒸発温度を必要とするショーケースの冷却運転も支障無く実行することが可能となる。
一方、例えば蒸発温度が低いグループのショーケースの運転率が高い状況では、当該グループのショーケースの蒸発器への冷媒供給を、より蒸発温度が高いグループのショーケースの蒸発器への冷媒供給に加えて行う方が、蒸発温度が低いグループの運転効率は高くなるが、係る場合には、請求項6の発明の如く制御手段が、前記低い蒸発温度よりも高い蒸発温度に適した値に低圧圧力設定値を変更することにより、蒸発温度が高いグループの運転効率の低下も抑制することができるようになり、総じて高い運転効率を実現すること
が可能となる。
他方、冬季等に運転率が低下する状況では、圧縮機の運転/停止を頻繁に行うよりも、請求項7の発明の如く制御手段により、全てのグループのショーケースの蒸発器への冷媒供給が同時に行われる運転スケジュールを作成することで、運転効率の改善を図ることができるようになる。
そして、請求項8の発明の如く制御手段により、各グループの蒸発温度と、各グループを構成するショーケースの庫内温度の状況、運転率、霜取運転の状況のうちの何れか、若しくは、全てを含む運転状況との組み合わせに基づいて運転スケジュールを作成するようにし、更に、請求項9の発明の如く運転スケジュールの作成処理として遺伝的アルゴリズムを行うことで、より的確な運転スケジュールの作成を実現することが可能となる。
更に、請求項10の発明の如く制御手段を、メインコントローラと、各ショーケースにそれぞれ設けられたショーケースコントローラと、圧縮機を備える冷凍機に設けられた冷凍機コントローラとから構築し、メインコントローラが各ショーケースコントローラと冷凍機コントローラから運転状況に関するデータを受信し、それらに運転スケジュール及び低圧圧力設定値を含む運転指示データを送信することにより、各ショーケース及び冷凍機を集中制御するようにすれば、複数のショーケースと共通の圧縮機を備える冷凍機とから構成される冷凍装置の運転効率の改善を的確、且つ、円滑に実現することが可能となるものである。
本発明を適用した実施例の冷凍装置の配管構成と通信回線の構成を説明する図である。 図1のメインコントローラの動作を説明するフローチャートである。 図1のメインコントローラにより作成される運転スケジュールの一実施例を示す図である。 図1の冷凍装置のp−h線図である。 図1のメインコントローラにより作成される運転スケジュールの他の実施例を示す図である。 図1のメインコントローラにより作成される運転スケジュールのもう一つの他の実施例を示す図である。 同じく図1のメインコントローラにより作成される運転スケジュールのもう一つの他の実施例を示す図である。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
図1は実施例の冷凍装置1の配管構成と通信回線の構成を示している。この図において、冷凍装置1は例えばコンビニエンスストア等の店舗の店内(売場内)に設置された四台のショーケース2A、2B、2C、2Dと、圧縮機3等を備えて店外に設置された冷凍機4とから構成されている。各ショーケース2A〜2Dはそれぞれ蒸発器6、膨張弁(電子膨張弁)7及び図示しない冷気循環用送風機等を備えており、冷凍機4には圧縮機3の他に図示しない凝縮器や凝縮器用送風機等が設けられている。尚、実施例では単一の圧縮機3で示すが、複数台の圧縮機で図1の圧縮機3を構成しても良い。
圧縮機3の吐出側には凝縮器が接続され、この凝縮器に高圧配管(冷媒配管)8が接続されている。各ショーケース2A〜2Dの蒸発器6の入口はそれぞれ膨張弁7を介して高
圧配管8に並列に接続され、蒸発器6の出口は低圧配管(冷媒配管)9を介して圧縮機3の吸込側に接続される。これにより、冷凍装置1の周知の冷媒回路Rが構成されている。
そして、圧縮機3から吐出された高温高圧の冷媒(例えば、R404a等)は凝縮器にて空冷された後、冷凍機4から出て高圧配管8に入り、この高圧配管8を経て各ショーケース2A〜2Dに分配供給される。この共通の圧縮機3から各ショーケース2A〜2Dに分配供給された冷媒は、各膨張弁7にて絞られた後、蒸発器6に流入してそれぞれ蒸発する。このときの吸熱作用で前記冷気循環用送風機により循環される空気を冷却し、この冷却された冷気を庫内に循環させることにより、各ショーケース2A〜2Dの庫内は冷却される。
蒸発器6で蒸発した冷媒は、その後低圧配管9を経て冷凍機4に入り、圧縮機3に吸い込まれる循環を繰り返す。各ショーケース2A〜2Dにはマイクロコンピュータから成るショーケースコントローラ12がそれぞれ設けられており、各ショーケースコントローラ12は、後述するメインコントローラ11からの運転指示データと、自らの庫内温度等を検出する図示しない庫内温度センサの出力に基づいて膨張弁7の弁開度や前記冷気循環用送風機の運転を制御すると共に、蒸発器6における冷媒の蒸発温度を制御する。
この場合、ショーケース2A、2Bは例えば日配品や飲料等の冷蔵商品を冷却しながら陳列販売する冷蔵ショーケースであり、ショーケース2A、2Bのショーケースコントローラ12は、庫内温度が平均として例えば設定温度の+10℃(ディファレンシャルは4degで上限温度+12℃、下限温度+8℃)となり、蒸発器6における冷媒の蒸発温度が、当該庫内温度を実現可能な例えば0℃となるように全閉から制御上限開度の間で膨張弁7の弁開度を制御する。
また、ショーケース2Cは例えば精肉や鮮魚等の冷蔵商品を冷却しながら陳列販売する冷蔵ショーケースであり、ショーケース2Cのショーケースコントローラ12は、庫内温度が平均として例えば設定温度の+5℃(ディファレンシャルは4degで上限温度+7℃、下限温度+3℃)となり、蒸発器6における冷媒の蒸発温度が、当該庫内温度を実現可能な例えば−10℃となるように全閉から制御上限開度の間で膨張弁7の弁開度を制御する。
また、ショーケース2Dはアイスクリームや冷凍食品等の冷凍商品を冷却しながら陳列販売する冷凍ショーケースであり、ショーケース2Dのショーケースコントローラ12は、庫内温度が平均として例えば−10℃(ディファレンシャルは2degで上限温度−9℃、下限温度−11℃)となり、蒸発器6における冷媒の蒸発温度が、当該庫内温度を実現可能な例えば−20℃となるように全閉から制御上限開度の間で膨張弁7の弁開度を制御する。
更に、冷凍機4にもマイクロコンピュータから成る冷凍機コントローラ13が設けられており、この冷凍機コントローラ13は、後述するメインコントローラ11からの運転指示データと、低圧配管9から圧縮機3の吸込側に至る冷媒回路Rの低圧圧力を検出する図示しない低圧圧力センサの出力に基づいて圧縮機3の運転周波数(回転数)を制御する。
この場合、冷凍機コントローラ13はメインコントローラ11から送信された低圧圧力設定値と前記低圧圧力センサが検出した低圧圧力(実測値)とに基づき、低圧圧力が低圧圧力設定値より高い場合は圧縮機3の運転周波数を上昇させ、低い場合には低下させる方向で圧縮機3の運転を制御することにより、低圧圧力を低圧圧力設定値に制御すると共に、全ショーケース2A〜2Dの膨張弁7が全閉とされた場合には圧縮機3を停止する。
前記メインコントローラ11は、店舗の管理室等に設置されたストアマスターと称される集中コントローラであり、マイクロコンピュータから構成される。このメインコントローラ11には、通信線14により各ショーケースコントローラ12及び冷凍機コントローラ13が接続され、メインコントローラ11と各ショーケースコントローラ12との間、及びメインコントローラ11と冷凍機コントローラ13との間でデータの送受信が行われる。これらメインコントローラ11、各ショーケースコントローラ12及び冷凍機コントローラ13により本発明における制御手段が構築される。
この場合、メインコントローラ11は各ショーケースコントローラ12及び冷凍機コントローラ13に予め割り付けられたIDを用いてそれら各ショーケースコントローラ12、冷凍機コントローラ13を識別する。そして、各ショーケースコントローラ12及び冷凍機コントローラ13からIDと共に送信されて来る運転状況に関するデータ(ショーケース2A〜2Dの場合には庫内温度の状況、運転率(一定期間中における全期間に対し、膨張弁7が開いて冷媒が蒸発器6に供給されている期間の割合)、蒸発器6の霜取運転の状況等の情報、冷凍機4の場合には圧縮機3の運転状況や低圧圧力の状況等の運転情報)を受信し、それらを管理する。
また、メインコントローラ11は要求蒸発温度のデータとして各ショーケース2A〜2Dの蒸発器6における冷媒の蒸発温度(ショーケース2A、2Bの場合は前記0℃、ショーケース2Cの場合は前記−5℃、ショーケース2Dの場合は前記−20℃)を保有しており、各ショーケースコントローラ12宛に設定温度やディファレンシャル(上限温度、下限温度)から成る協調指示のための運転指示データを送信すると共に、現在の蒸発温度を各ショーケースコントローラ12に配信する。
更に、メインコントローラ11は前記各蒸発温度を実現するために適した低圧圧力設定値に関するデータを保有しており、各ショーケース2A〜2Dの運転状況に基づいて冷凍機コントローラ13に低圧圧力設定値を運転指示データ(低圧指示値)として送信する。この蒸発温度に適した低圧圧力設定値とは、各ショーケース2A〜2Dの蒸発器6において前述した蒸発温度を実現するために必要にして十分(最適)な低圧圧力であり、蒸発温度0℃については例えば0.5MPa、蒸発温度−10℃については0.4MPa、蒸発温度−20℃については例えば0.3MPaとされ(蒸発温度が低下する程、低くなる)、メインコントローラ11が保有している。
ここで、図4は冷凍装置1の冷媒回路Rのp−h線図を示している。このp−h線図によれば、蒸発温度0℃の場合の低圧圧力は0.5MPaとなっており、冷凍仕事の比エンタルピはho(1)となり、圧縮仕事の比エンタルピはhi(1)となる。蒸発温度−10℃の場合の低圧圧力は0.4MPaとなっており、冷凍仕事の比エンタルピはho(2)となり、圧縮仕事の比エンタルピはhi(2)となる。また、蒸発温度−20℃の場合の低圧圧力は0.3MPaとなっており、冷凍仕事の比エンタルピはho(3)となり、圧縮仕事の比エンタルピはhi(3)となる。尚、この図における(1)〜(3)は後述するグループ(1)〜(3)にそれぞれ対応している。
この図において重要なことは、例えば蒸発器6における冷媒の蒸発温度0℃のショーケース2A、2Bを、低圧圧力0.3MPaで運転した場合の圧縮仕事の比エンタルピhi(3)よりも、低圧圧力0.5MPaで運転した場合の圧縮仕事の比エンタルピhi(1)の方が小さいことである。即ち、低圧圧力0.5MPaで実現可能な蒸発温度0℃のショーケース2A、2Bを、低圧圧力0.3MPaで運転した場合には、非効率となることが分かる。即ち、ショーケース2A、2Bの蒸発器6に冷媒を供給する際には、低圧圧力設定値を0.5MPaとし、ショーケース2Cの蒸発器6に冷媒を供給する際には、低圧圧力設定値を0.4MPaとし、ショーケース2Dの蒸発器6に冷媒を供給する際には、
低圧圧力設定値を0.3MPaとすることが、最も理想的であることが分かる。
一方、各ショーケースコントローラ12は、メインコントローラ11から自ら宛に送信された運転指示データ中の設定温度やディファレンシャル(上限温度、下限温度)に基づいて前述したように膨張弁7や前記冷気循環送風機を制御する。また、冷凍機コントローラ13は、メインコントローラ11から送信された運転指示データ中の低圧圧力設定値(低圧指示値)に基づいて前述したように圧縮機3の運転を制御する。これらにより、実施例の冷凍装置1ではメインコントローラ11により各ショーケース2A〜2D及び冷凍機4を集中制御することができるように構成されている。
次に、メインコントローラ11による冷凍装置1の協調制御について図2〜図7を参照しながら説明する。先ず、メインコントローラ11は各ショーケース2A〜2Dの蒸発器6における前述した冷媒の蒸発温度(要求蒸発温度)に基づき、各ショーケースをグループ分けする。実施例では蒸発温度が何れも0℃の冷蔵のショーケース2A及び2Bをグループ(1)、蒸発温度が−10℃の冷蔵のショーケース2Cをグループ(2)、蒸発温度が−20℃の冷凍のショーケース2Dをグループ(3)と定義し、当該グループの情報を保有する。
次に、メインコントローラ11は所定時間毎(例えば5分等)に図2のステップS1で、各ショーケース2A〜2Dの過去の一定期間中の運転状態から今後の稼働状態を予測する。この予測に用いるデータとしては各ショーケース2A〜2Dの前記要求蒸発温度、参考として設定温度及びディファレンシャル(上限温度、下限温度)、庫内温度上昇と下降の勾配(初期値とメインコントローラ11或いはショーケースコントローラ12が算出した実測値)、前記運転率(平均値)、前回の霜取時刻等である。今後の稼働状態とは、これからの一定期間中における次回の冷媒供給(オン)時刻である。尚、稼働状態とはショーケースの場合、膨張弁7が開いて当該膨張弁7により蒸発器6に冷媒が供給されている状態を意味する。
次に、メインコントローラ11はステップS2で今後の稼働状態を計画する。この実施例の場合ステップS2では、メインコントローラ11は前述の如くグループ分けした各グループ(1)〜(3)のショーケース2A〜2Dの蒸発器6への冷媒供給(稼働)が、各グループ単位で時系列的に分離される運転スケジュールを作成する。図3はこの場合の運転スケジュールを説明する図である。図3の左側に示すようにそのままであれば各グループ(1)〜(3)が重複しながら稼働する状況の場合、それを右側に示すように先ずグループ(1)を稼働、次にグループ(2)を二度稼働、次にグループ(3)を稼働、次にグループ(1)を稼働、次にグループ(2)を稼働、次にグループ(3)を稼働というように各グループ単位で重ならないように分離して再配置され、且つ、その下側に対応させて示すように、低圧圧力設定値を前述した理想的な値にリアルタイムで変更するべく、グループ(1)の稼働時には低圧圧力設定値を当該グループ(1)の蒸発温度0℃に適した値(前述した0.5MPa)とし、グループ(2)の稼働時には低圧圧力設定値を当該グループ(2)の蒸発温度−10℃に適した値(前述した0.4MPa)とし、グループ(3)の稼働時には低圧圧力設定値を当該グループ(3)の蒸発温度−20℃に適した値(前述した0.3MPa)とするスケジュールを作成する。
尚、このステップS2における稼働状態の計画に当たり、メインコントローラ11は上述の如くそのときに稼働(蒸発器6に冷媒を供給)しているグループの蒸発温度に適した低圧圧力設定値で圧縮機3を運転した場合に、消費電力が削減される方向、実施例では最も消費電力が少なくなり、省エネルギーとなる方向で運転スケジュールを作成する。
メインコントローラ11はこのように作成(再配置)した運転スケジュールにおける予
定時刻に各グループのショーケース2A〜2Dの蒸発器6に冷媒が供給される(稼働する)よう、ステップS3で計画達成のための協調指示データを作成する。この場合の協調指示データは実施例では、
・各グループ(1)〜(3)のショーケース2A〜2Dの稼働(蒸発器6への冷媒供給)時期をグループ単位で時系列的にできるだけ前にシフトする前方大シフト要求、
・稼働時期を時系列的に少し前シフトする前方小シフト要求、
・稼働時期を時系列的にそのままとするシフト無要求、
・稼働時期を時系列的に少し後にシフトする後方小シフト要求、及び、
・稼働時期を時系列的にできるだけ後にシフトする後方大シフト要求、
の五種類のシフト要求とされている。
上記前方大シフト要求は、例えば前述したディファレンシャルを大幅に狭くすること、前方小シフト要求は、ディファレンシャルを少し狭くすること、後方小シフト要求は、ディファレンシャルを少し広くすること、後方大シフト要求は、ディファレンシャルを大幅に広くすることであるが、稼働時期を時系列的に前後に移動させることができる方策であれば、これに限定されるものでは無い。
また、このステップS3における運転スケジュール(計画)を達成するための協調指示データの作成処理に当たっては、メインコントローラ11は運転スケジュールの最適化アルゴリズムとして遺伝的アルゴリズムを行う。この遺伝的アルゴリズムとは、上述のシフト要求の組み合わせを複数の遺伝子群として、一般的な遺伝的アルゴリズムの複製、突然変異等の処理を行い、数サイクルから数百サイクル(1サイクルとは各ショーケース2A〜2Dに対して協調指示を出してからその結果がでるまでを意味する)のシミュレーションを行うことで、最適な運転結果(最も省エネルギーとなるパターン)をもたらす協調指示の組み合わせを求めて今回の協調指示とすることである。係る遺伝的アルゴリズムによれば、実用的な計算量で最適に近い運転結果(パターン)を導き出すことが可能となる。
次に、メインコントローラ11はこのように決定した協調指示データを、運転指示データとしてステップS4で各グループ(1)のショーケース2A、2B、グループ(2)のショーケース2C、グループ(3)のショーケース2D宛にそれぞれ配信する。この実施例の場合には、前述した如く図3の右側に示すように先ずグループ(1)が稼働、次にグループ(2)が二度稼働、次にグループ(3)が稼働、次にグループ(1)が稼働、次にグループ(2)が稼働、次にグループ(3)が稼働する運転スケジュールを実現するため、グループ(1)のショーケース2A、2Bのショーケースコントローラ12には、例えば前述した前方大シフト要求が送信され、グループ(2)のショーケース2Cのショーケースコントローラ12には、例えば前述した前方小シフト要求が送信され、グループ(3)のショーケース2Dには、例えば前述した後方大シフト要求の協調指示データがそれぞれ送信される。
各ショーケース2A〜2Dのショーケースコントローラ12は、メインコントローラ11から送信されたシフト要求の協調指示データに基づき、ディファレンシャルを変更する等して膨張弁7等の制御を実行する。この実施例の場合、グループ(1)のショーケース2A、2Bのショーケースコントローラ12には前方大シフト要求が送信されるので、ショーケース2A、2Bのディファレンシャルは大幅に狭くなり、庫内温度が上昇した場合には早期に上限温度に達するようになるため、稼働時期(膨張弁7が開く時期)は時系列的に大きく前にシフトされることになる。また、グループ(2)のショーケース2Cのショーケースコントローラ12には前方小シフト要求が送信されるので、ショーケース2Cのディファレンシャルは少し狭くなり、同様の理由で稼働時期は時系列的に少し前にシフトされることになる。他方、グループ(3)のショーケース2Dのショーケースコントローラ12には後方大シフト要求が送信されるので、庫内温度が上昇しても上限温度に達す
る時間が遅れるため、稼働時期は時系列的に大きく後ろにシフトされることになる。
このような制御が繰り返されることにより、グループ(1)のショーケース2A、2Bは早く稼働し、グループ(2)のショーケース2Cは次に稼働し、ショーケース2Dは最後に稼働する方向で実際の各ショーケース2A〜2Dの稼働時期がグループ単位で変化していき、再配置されていくことになる。
メインコントローラ11は、前述した如く低圧圧力設定値を理想的な値にリアルタイムで変更する。即ち、グループ(1)が稼働している時には低圧圧力設定値を当該グループ(1)の蒸発温度0℃に適した値(前述した0.5MPa)とし、グループ(2)が稼働している時には低圧圧力設定値を当該グループ(2)の蒸発温度−10℃に適した値(前述した0.4MPa)とし、グループ(3)が稼働している時には低圧圧力設定値を当該グループ(3)の蒸発温度−20℃に適した値(前述した0.3MPa)とする低圧指示値の運転指示データを作成し、冷凍機4の冷凍機コントローラ13に送信する。冷凍機コントローラ13は受信した低圧指示値の低圧圧力設定値に基づいて圧縮機3の運転周波数を制御することになる。
また、メインコントローラ11はステップS5で、各ショーケース2A〜2Dのショーケースコントローラ12からの運転状態に関するデータに基づき、そのときに稼働(膨張弁7開)しているグループに適した値に低圧圧力設定値を変更する。そして、この低圧圧力設定値を低圧指示値として決定し、冷凍機コントローラ13に送信する。冷凍機コントローラ13は受信した低圧圧力設定値に基づいて圧縮機3の運転周波数を制御することになる。
次に、メインコントローラ11はステップS6で、各ショーケース2A〜2Dのショーケースコントローラ12からの運転状態に関するデータに基づき、前述した稼働状態予測に使用する各データ(補正値)を更新する。そして、ステップS7で各ショーケース2A〜2Dのショーケースコントローラ12にステップS5で決定した低圧圧力設定値を配信する。各ショーケースコントローラ12は配信された低圧圧力設定値を参考として、制御を実行する。尚、図2においてステップS5に入っている別トリガとは、所定の短い期間(例えば10秒)毎に低圧圧力設定値を変更するためのトリガである。
以上のように本発明ではメインコントローラ11が、各ショーケース2A〜2Dを蒸発温度でグループ分けし、各グループ(1)〜(3)のショーケース2A〜2Dの運転状況に基づき、蒸発器6に冷媒が供給されているグループ(1)〜(3)の蒸発温度に適した値に低圧圧力設定値を変更するようにしたことにより、冷媒が供給されているショーケースのグループの蒸発温度に適した低圧圧力設定値とすることができるようになる。
これにより、蒸発器6おける冷媒の蒸発温度が異なる複数のショーケース2A〜2Dに共通の圧縮機3から冷媒を供給する場合にも、各ショーケース2A〜2Dの冷却運転を支障無く実行しながら、過剰に低い低圧圧力で運転されることによる運転効率の低下を解消若しくは抑制することができるようになる。
特に、メインコントローラ11は、蒸発器6への冷媒供給が各グループ単位で行われ、且つ、消費電力が削減される方向で、各グループ単位の運転スケジュールを作成するので、消費電力が削減されるように積極的に各グループ(1)〜(3)のショーケース2A〜2Dの蒸発器6への冷媒供給をスケジュールし、効果的な運転効率の向上を実現することが可能となる。
この場合、実施例のようにメインコントローラ11が、各グループ(1)〜(3)のシ
ョーケース2A〜2Dの蒸発器6への冷媒供給(稼働)が、各グループ単位で時系列的に分離されるような運転スケジュールを作成するようにしたので、各グループ(1)〜(3)の蒸発温度に適した低圧圧力設定値への切り換えを的確に実行することができるようになる。
また、メインコントローラ11により、各グループ(1)〜(3)の蒸発温度と、各グループ(1)〜(3)を構成するショーケース2A〜2Dの庫内温度の状況、運転率、霜取運転の状況のうちの何れか、若しくは、全てを含む運転状況との組み合わせに基づいて運転スケジュールを作成するようにし、更に、運転スケジュールの作成処理として遺伝的アルゴリズムを行うようにしているので、より的確な運転スケジュールの作成を実現することが可能となる。
更に、実施例では本発明における制御手段を、メインコントローラ11と、各ショーケース2A〜2Dにそれぞれ設けられたショーケースコントローラ12と、圧縮機3を備える冷凍機4に設けられた冷凍機コントローラ13とから構築し、メインコントローラ11が各ショーケースコントローラ12と冷凍機コントローラ13から運転状況に関するデータを受信し、それらに運転スケジュール及び低圧圧力設定値を含む運転指示データを送信することにより、各ショーケース2A〜2D及び冷凍機4を集中制御するようにしているので、複数のショーケース2A〜2Dと共通の圧縮機3を備える冷凍機4とから構成される冷凍装置1の運転効率の改善を的確、且つ、円滑に実現することが可能となる。
次に、図5は図2のステップS2においてメインコントローラ11が作成する運転スケジュールの他の実施例を示している。図3の例では各グループ(1)〜(3)をグループ単位で時系列的に分離する場合について説明したが、各ショーケース2A〜2D全体の運転率から計算して完全には分離できない場合も発生する。そのような場合には、異なるグループを同時に稼働(蒸発器6へ冷媒を供給する)することになるが、メインコントローラ11は蒸発温度が近いグループ、例えば、グループ(1)と(2)、グループ(2)と(3)が同時に稼働されるような運転スケジュールを作成する。
図5はこの場合の運転スケジュールを説明する図である。図5の左側に示すように、前述同様そのままであれば各グループ(1)〜(3)が重複しながら稼働する状況の場合、それを右側に示すように先ずグループ(1)を稼働、次にグループ(2)を稼働、次にグループ(3)を稼働、次にグループ(2)と(3)を同時に稼働、次にグループ(1)を稼働、次にグループ(2)と(3)を同時に稼働というように各グループ単位でできるだけ重ならないように分離しながら、どうしても分離できない場合には、蒸発温度−10℃と−20℃というように近いグループ(2)とグループ(3)を同時に稼働させる運転スケジュールを作成する。
尚、その場合にも下側に対応させて示すように、低圧圧力設定値を前述した理想的な値にリアルタイムで変更するべく、グループ(1)の稼働時には低圧圧力設定値を当該グループ(1)の蒸発温度0℃に適した値(前述した0.5MPa)とし、グループ(2)のみの稼働時には低圧圧力設定値を当該グループ(2)の蒸発温度−10℃に適した値(前述した0.4MPa)とし、グループ(3)のみの稼働時には低圧圧力設定値を当該グループ(3)の蒸発温度−20℃に適した値(前述した0.3MPa)にするスケジュールとする。
更に、グループ(2)とグループ(3)とを同時に稼働(蒸発器6に冷媒を供給)する場合には、蒸発温度が低い方のグループ、この場合にはグループ(3)の蒸発温度に適した低圧圧力設定値(蒸発温度−20℃に適した低圧圧力設定値である0.3MPa)にす
るスケジュールとする。その他は前述の実施例と同様である。
このように、異なる複数のグループのショーケース2A〜2Dの蒸発器6への冷媒供給を同時に行う必要がある場合、メインコントローラ11は蒸発温度が近いグループのショーケース2A〜2Dの蒸発器6への冷媒供給(稼働)が同時に行われる運転スケジュールを作成するので、各グループ(1)〜(3)のショーケース2A〜2Dの蒸発器6への冷媒供給を時系列的に分離できない場合にも、蒸発温度が近いグループのショーケース2A〜2Dの蒸発器6への冷媒供給を同時に行うことによって、できるだけ適切な低圧圧力設定値による圧縮機3の運転制御を実現することが可能となる。
また、複数のグループのショーケース2A〜2Dの蒸発器6への冷媒供給を同時に行う場合、メインコントローラ11が低い方のグループの蒸発温度に適した値に低圧圧力設定値を変更するので、より低い蒸発温度を必要とするショーケース2C、2Dの冷却運転も支障無く実行することが可能となる。
次に、図6は図2のステップS2においてメインコントローラ11が作成する運転スケジュールのもう一つの他の実施例を示している。図5の例では異なるグループ(1)〜(3)を同時に稼働しなければならない場合に、蒸発温度が近いグループ(実施例2ではグループ(2)と(3))を稼働するようにしたが、例えば蒸発温度が低いグループ(3)の運転率が高くて分離できない場合には、当該グループ(3)の稼働を断続的に行うよりも、連続して実行した方が効率が良くなる場合も発生する。そのような場合には、係る蒸発温度が低いグループ(3)を、より蒸発温度が高い他のグループ(1)や(2)の稼働に加えて実行するような運転スケジュールを作成する。
図6はこの場合の運転スケジュールを説明する図である。図6の左側に示すように、蒸発温度が低いグループ(3)の運転率が高く、そのままであれば他のグループ(1)、(2)と長い時間に渡って重複しながら稼働する状況の場合、それを右側に示すように先ずグループ(1)を稼働、次にグループ(2)を稼働、そのグループ(2)の稼働が終了しないうちにグループ(3)の稼働を開始し、その間にグループ(1)を稼働、その後、グループ(2)を稼働、このグループ(2)の稼働終了後にグループ(3)の稼働を終了というように蒸発温度が高いグループ(1)や(2)の稼働(蒸発器6への冷媒供給)に加えて蒸発温度が低いグループ(3)を稼働させる運転スケジュールを作成する。
尚、グループ(1)のみの稼働時には、その下側に示すようにその蒸発温度0℃に適した低圧圧力設定値(前述した0.5MPa)とする。また、蒸発温度が離れたグループ(1)と(3)が同時に稼働する期間では、その下側に示すように低い方の蒸発温度である−20℃に適した低圧圧力設定値(前述した0.3MPa)とする。
しかしながら、グループ(3)の稼働中、当該グループ(3)に蒸発温度が近いグループ(2)を稼働する場合には、その下側に対応させて示すように、最も蒸発温度が低いグループ(3)よりも高いグループ(2)の蒸発温度に適した低圧圧力設定値(前述した0.4MPa)とする。即ち、蒸発温度が近いグループ(2)とグループ(3)が同時に稼働する期間(矢印で示す)では、その下側に対応させて示すように蒸発温度−20℃に適した低圧圧力設定値では無く、より高い蒸発温度である−10℃に適した低圧圧力設定値にするスケジュールとする。その他は前述と同様である。
このように、蒸発温度が低いグループ(3)のショーケース2Dの運転率が高い状況では、当該グループ(3)のショーケース2Dの蒸発器6への冷媒供給(稼働)を、より蒸発温度が高いグループ(1)、(2)のショーケース2A〜2Cの蒸発器6への冷媒供給
(稼働)に加えて連続して行う方が、蒸発温度が低いグループ(3)の運転効率は高くなるが、係る場合にメインコントローラ11は低い蒸発温度よりも高い蒸発温度に適した値に低圧圧力設定値を変更するので、蒸発温度が高いグループ(1)や(2)の運転効率の低下も抑制することができるようになり、総じて高い運転効率を実現することが可能となる。
次に、図7は図2のステップS2においてメインコントローラ11が作成する運転スケジュールの更にもう一つの他の実施例を示している。図3の例では各グループ(1)〜(3)の稼働を時系列的に分離する方向で運転スケジュールを作成したが、冬季等の如く各ショーケース2A〜2Dの運転率が低下する状況では、圧縮機3の運転/停止を頻繁に行うよりも、各ショーケース2A〜2Dをできるだけ同時に稼働(蒸発器6への冷媒供給)した方が効率が良くなる。
図7はこの場合の運転スケジュールを説明する図である。図7の左側に示すように、各グループ(1)〜(3)が間隔をおいて単発的に稼働するような低運転率状況の場合、それを右側に示すように全てのグループ(1)〜(3)を同時に稼働(蒸発器6への冷媒供給)させ、次には少許ずらしながら全てのグループ(1)〜(3)を同時に稼働させる運転スケジュールを作成する。
尚、図7右側の最初の稼働タイミングでは全てのグループ(1)〜(3)が完全に重なっている。その場合には、最も蒸発温度が低いグループ(3)に適した低圧圧力設定値(前述した0.3MPa)とする。また、次の稼働タイミングでは、各グループ(1)〜(3)が少しずつずれながら重なっている。そこで、グループ(1)のみの期間では低圧圧力設定値をグループ(1)の蒸発温度に適した値(前述した0.5MPa)とし、グループ(1)と(2)が重なっている期間は蒸発温度が低い方のグループ(2)の蒸発温度に適した値(前述した0.4MPa)とし、グループ(2)と(3)が重なっている期間は蒸発温度が低い方のグループ(3)の蒸発温度に適した値(前述した0.3MPa)とする。
このように、冬季等に運転率が低下する状況では、圧縮機3の運転/停止を頻繁に行うよりも、メインコントローラ11により、全てのグループ(1)〜(3)のショーケース2A〜2Dの蒸発器6への冷媒供給(稼働)が同時に行われる運転スケジュールを作成することで、運転効率の改善を図ることができるようになる。
尚、上記各実施例ではメインコントローラ11から送信される運転指示データのシフト要求に基づいて各グループ(1)〜(3)のショーケース2A〜2Dのショーケースコントローラ12が制御することで稼働時期が再配置されるようにしたが、それに限らず、各ショーケース2A〜2Dの稼働開始時刻(膨張弁7が開く時刻)、又は、稼働開始と稼働終了時刻(膨張弁7が開いて閉じる時刻)が各グループ(1)〜(3)毎に決定された運転スケジュールをメインコントローラ11が作成し、それを各ショーケースコントローラ12に送信し、ショーケースコントローラ12は受信した稼働開始時刻に自らのショーケース2A〜2Dの膨張弁7を開くというメインコントローラ11による直接的な制御であってもよい。
その場合には、メインコントローラ11は各ショーケース2A〜2Dの稼働時期が分かっているので、各ショーケース2A〜2Dの稼働状態(運転状態)を確認すること無く、予め決定された運転スケジュールに基づいて最適な低圧圧力設定値の低圧指示値を作成し、冷凍機コントローラ13に送信することができる。
但し、この実施例の場合には各ショーケース2A〜2Dの独自の温度制御が後回しとなるため、例えば庫内温度が許容できない程の高温状態になった場合は、稼働を許可し、或いは、庫内温度が異常に低い場合には稼働を禁止する等のショーケースコントローラ12による独自の制御を加えると良い。
逆に、メインコントローラ11が運転スケジュールを作成せず、そのときに稼働(膨張弁7が開いて蒸発器6に冷媒が供給)しているグループ(1)〜(3)のショーケース2A〜2Dの蒸発温度に適した低圧圧力設定値に変更するのみであっても請求項1の発明は有効である。その場合にも、例えばグループ(1)と(2)や、グループ(1)又は(2)とグループ(3)のショーケースが同時に稼働しているときには、より低い方の蒸発温度に適した低圧圧力設定値を選択すると良い。
1 冷凍装置
2A〜2D ショーケース
3 圧縮機
4 冷凍機
6 蒸発器
7 膨張弁
11 メインコントローラ(制御手段)
12 ショーケースコントローラ(制御手段)
13 冷凍機コントローラ(制御手段)
R 冷媒回路

Claims (10)

  1. 共通の圧縮機から蒸発器における冷媒の蒸発温度が異なる複数のショーケースに冷媒を供給して冷却する冷凍装置において、
    前記圧縮機及び蒸発器から構成される冷媒回路の低圧圧力とその低圧圧力設定値に基づいて前記圧縮機の運転を制御すると共に、前記各ショーケースの運転を集中制御するための制御手段を備え、
    該制御手段は、前記各ショーケースを前記蒸発温度でグループ分けし、各グループのショーケースの運転状況に基づき、前記蒸発器に冷媒が供給されているグループの蒸発温度に適した値に前記低圧圧力設定値を変更することを特徴とする冷凍装置。
  2. 前記制御手段は、前記蒸発器への冷媒供給が前記各グループ単位で行われ、且つ、消費電力が削減される方向で、各グループ単位の運転スケジュールを作成することを特徴とする請求項1に記載の冷凍装置。
  3. 前記制御手段は、前記各グループのショーケースの蒸発器への冷媒供給が、各グループ単位で時系列的に分離される前記運転スケジュールを作成することを特徴とする請求項2に記載の冷凍装置。
  4. 前記制御手段は、複数の前記グループのショーケースの蒸発器への冷媒供給を同時に行う必要がある場合、前記蒸発温度が近いグループのショーケースの蒸発器への冷媒供給が同時に行われる前記運転スケジュールを作成することを特徴とする請求項2に記載の冷凍装置。
  5. 前記制御手段は、複数の前記グループのショーケースの蒸発器への冷媒供給を同時に行う場合、低い方の前記グループの蒸発温度に適した値に前記低圧圧力設定値を変更することを特徴とする請求項4に記載の冷凍装置。
  6. 前記制御手段は、前記蒸発温度が低い前記グループのショーケースの蒸発器への冷媒供給を、より蒸発温度が高い前記グループのショーケースの蒸発器への冷媒供給に加えて行う必要がある場合、前記低い蒸発温度よりも高い蒸発温度に適した値に前記低圧圧力設定値を変更することを特徴とする請求項4に記載の冷凍装置。
  7. 前記制御手段は、全ての前記グループのショーケースの蒸発器への冷媒供給が同時に行われる前記運転スケジュールを作成することを特徴とする請求項2に記載の冷凍装置。
  8. 前記制御手段は、前記各グループの蒸発温度と、各グループを構成する前記ショーケースの庫内温度の状況、運転率、霜取運転の状況のうちの何れか、若しくは、全てを含む運転状況との組み合わせに基づいて前記運転スケジュールを作成することを特徴とする請求項2乃至請求項7のうちの何れかに記載の冷凍装置。
  9. 前記制御手段は、前記運転スケジュールの作成処理として遺伝的アルゴリズムを行うことを特徴とする請求項2乃至請求項8のうちの何れかに記載の冷凍装置。
  10. 前記制御手段は、メインコントローラと、前記各ショーケースにそれぞれ設けられたショーケースコントローラと、前記圧縮機を備える冷凍機に設けられた冷凍機コントローラとから構築され、
    前記メインコントローラは前記各ショーケースコントローラと冷凍機コントローラから前記運転状況に関するデータを受信し、それらに前記運転スケジュール及び低圧圧力設定値を含む運転指示データを送信することにより、前記各ショーケース及び冷凍機を集中制
    御することを特徴とする請求項2乃至請求項9のうちの何れかに記載の冷凍装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2539649A2 (de) * 2010-04-06 2013-01-02 KMW Kühlmöbelwerk Limburg GmbH Kühlmöbel mit einem mittels kalter aussenluft kühlbaren kühlraum
JP2017122524A (ja) * 2016-01-06 2017-07-13 パナソニックIpマネジメント株式会社 冷凍システム

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