JP2014218485A - 血管内皮細胞のTGF−β分泌誘導体及びその製造方法、並びに抗老化剤 - Google Patents

血管内皮細胞のTGF−β分泌誘導体及びその製造方法、並びに抗老化剤 Download PDF

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Abstract

【課題】 皮膚の老化を有効に防止することができる血管内皮細胞のTGF−β分泌誘導体、及びその製造方法、並びに抗老化剤を提供する。【解決手段】 クロレラ粉末(クロレラ工業株式会社製)に適宜容量の抽出用液を投入して撹拌懸濁し、クロレラ懸濁液を得、このクロレラ懸濁液を昇温させ、適宜時間保持して熱水抽出液を得る。この熱水抽出液を冷却した後、沈殿物を除去した清液を回収する。そして、得られた清液を減圧濃縮して本誘導体を得る。本誘導体は血管内皮細胞に対してTGF−βの分泌を誘導する。TGF−βの分泌が誘導された血管内皮細胞は、その細胞死及び細胞増殖が抑制されるため、血管内皮細胞の管腔構造が長期間に亘って維持され、これによって紫外線の照射による皮膚の弾力低下、及びシワ又は弛みの発生が抑制される。【選択図】 図15

Description

本発明は、血管内皮細胞に対してTGF−β(Transforming Groth Factor−β)の分泌を誘導する血管内皮細胞のTGF−β分泌誘導体、及び血管内皮細胞のTGF−β分泌誘導体を製造する方法、並びに血管内皮細胞のTGF−β分泌誘導体を含有し、老化を抑制する抗老化剤に関する。
淡水性の単細胞微細藻類であるクロレラの抽出物であるクロレラエキスは、蛋白質及びアミノ酸を豊富に含有しているため調味料又は製造用剤といった食品添加物として用いられている。加えて、クロレラエキスは、ビタミンB1・ビタミンB2・ビタミンB6・ビタミンB12・ビタミンC・ビタミンE・ビタミンK・ナイアシン・葉酸等のビタミン、並びに鉄分・カルシウム・マグネシウム・カリウム等のミネラル、更に食物繊維も多く含有しているため、健康食品の原料としても用いられている。
このようなクロレラエキスについては従来より種々研究されており、新たな効能が存在することが報告されている。
例えば、後述する特許文献1及び特許文献3には、クロレラエキスが、トロンボスポンジン(TSP)−1を誘導するとともに、血管内皮細胞のアポトーシスを招来させ、それによって血管新生を阻害する作用を有することが開示されている。ここで、TSPは、基底層のケラチノサイトを含む数種の皮膚細胞にて発現しており、真皮−表皮間の基底膜領域に堆積し、表皮の血管新生を阻害する作用を有することが知られている。一方、皮膚への紫外線照射によって生じるしわの形成には、血管内皮細胞の新生が関与しているものと言われている。そこで、特許文献1及び特許文献3には、TSP−1を誘導するとともに血管内皮細胞のアポトーシスを招来させることによって、しわの形成を抑制し得ることが示唆されている。そして、クロレラエキスは、前述したようにTSP−1を誘導するとともに血管内皮細胞のアポトーシスを招来させるため、しわの形成を抑制し得るものと推定されている。
また、後述する特許文献2には、クロレラエキスが血管内皮増殖因子(VEGF:Vasucular endothelial growth factor)の発現を阻害する作用を有することが開示されている。VEGFは、血管内皮細胞の増殖誘導と生存維持、血管透過性の亢進、血圧の調製、血小板による遊走、マクロファージに対する走化性等、多彩な機能を有しており、血管内皮細胞におけるVEGFの発現又は活性を阻害する物質は、血管新生阻害剤として皮膚老化の予防又は改善の作用を奏し得ることが特許文献2には示唆されている。そして、クロレラエキスは、前述したようにVEGFの発現を阻害する作用を有するため、皮膚老化を予防し又は改善し得るものと推定されている。
国際公開第WO2003/084302号 特開2007−77104号公報 特開2010−100658号公報
前述したようにクロレラエキスに、TSP−1を誘導するとともに血管内皮細胞のアポトーシスを招来させる作用、又は、VEGFの発現を阻害する作用が存在するものの、いずれの場合にあっても、それらの作用によって皮膚の老化を有効に防止し得るか否かについては何らの実証もなされていない。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであって、皮膚の老化を有効に防止することができる血管内皮細胞のTGF−β分泌誘導体、及びその製造方法、並びに抗老化剤を提供する。
本願の発明者らが鋭意検討した結果、クロレラの熱水抽出液中に血管内皮細胞からのTGF−βの分泌を誘導するTGF−β分泌誘導体が存在し、これが血管のマトリクス構造の維持を増進させることによって、皮膚の老化を抑制することができるという知見を得て本発明を完成するに至った。
すなわち、(1)本発明に係る血管内皮細胞のTGF−β分泌誘導体は、クロレラから熱水抽出してなり、血管内皮細胞に対してTGF−βの分泌を誘導させることを特徴とする。
本発明の血管内皮細胞のTGF−β分泌誘導体にあっては、クロレラから熱水抽出してなる。この熱水抽出は例えば次のようにして実施することができる。100kgのクロレラ粉末に対して、0.5m以上20m以下の適宜容量の抽出用液、好ましくは1.0m以上5.0m以下の適宜容量の抽出用液を投入して撹拌懸濁し、クロレラ懸濁液を得る。このクロレラ懸濁液を60℃以上130℃以下の適宜温度に昇温させ、その温度にて60分程度から10分程度までの適宜時間保持する、好ましくは95℃以上120℃以下の適宜温度にて25分程度から10分程度までの適宜時間保持することによってクロレラの有用成分を抽出する。
そして、得られた熱水抽出液を室温程度まで冷却した後、それを連続遠心分離機又は濾過機に供給し、クロレラ残渣を含む沈殿物を除去した清液を回収する。得られた清液について更に、濃縮、凍結乾燥、噴霧乾燥等を実施してもよい。
このようにして得られた抽出物について種々検討したところ、血管内皮細胞に対してTGF−βの分泌を誘導させていた。TGF−βの分泌が誘導された血管内皮細胞にあっては、管腔構造が長期間に亘って維持され、これによって抗老化作用が奏される。
(2)また、本発明に係る血管内皮細胞のTGF−β分泌誘導体は、分子量が1万超3万未満であることを特徴とする。
本発明の血管内皮細胞のTGF−β分泌誘導体にあっては、分子量が1万超3万未満である。かかる分子量範囲の分画物は、TGF−βの分泌を誘導させる作用が他の分子量範囲の分画物より高い。
(3)本発明に係る血管内皮細胞のTGF−β分泌誘導体は、前記クロレラはチクゴ株であることを特徴とする。
本発明の血管内皮細胞のTGF−β分泌誘導体にあっては、クロレラはチクゴ株(クロレラ工業株式会社)であり、かかるチクゴ株は、その細胞壁の厚さが略20nm程度と他のクロレラの細胞壁より薄いため、熱水抽出における抽出効率が高い。
(4)一方、本発明に係る血管内皮細胞TGF−β分泌誘導体の製造方法は、クロレラから熱水抽出して得られた抽出液を、分画分子量が3万の限外濾過膜を装着させた限外濾過器に供給して限外濾過を実施し、回収した濾液を分画分子量が1万の限外濾過膜を装着させた限外濾過器に供給して限外濾過を実施し、残渣を回収することを特徴とする。
本発明の血管内皮細胞TGF−β分泌誘導体の製造方法にあっては、クロレラから熱水抽出して抽出液を得る。例えば、前述した如く、100kgのクロレラ粉末に対して、0.5m以上20m以下の適宜容量の抽出用液、好ましくは1.0m以上5.0m以下の適宜容量の抽出用液を投入して撹拌懸濁し、クロレラ懸濁液を得る。このクロレラ懸濁液を60℃以上130℃以下の適宜温度に昇温させ、その温度にて60分程度から10分程度までの適宜時間保持する、好ましくは95℃以上120℃以下の適宜温度にて25分程度から10分程度までの適宜時間保持することによってクロレラの有用成分を抽出する。
この抽出液を、分画分子量が3万の限外濾過膜を装着させた限外濾過器に供給して限外濾過を実施して、濾液を回収する。これによって、分子量が3万以下の分画物を回収する。次に、回収した濾液を分画分子量が1万の限外濾過膜を装着させた限外濾過器に供給して限外濾過を実施し、残渣を回収することによって、分子量が1万超〜3万以下の分画物を回収する。
前述した如く、分子量が1万超〜3万以下の分画物は、TGF−βの分泌を誘導させる作用が他の分子量範囲の分画物より高い。一方、このように所要の分画分子量の限外濾過膜を組み合わせることによって、所要の分画物を効率的に回収することができる。
(5)本発明に係る血管内皮細胞TGF−β分泌誘導体の製造方法は、前記クロレラとしてチクゴ株を用いることを特徴とする。
本発明の血管内皮細胞TGF−β分泌誘導体の製造方法にあっては、クロレラとしてチクゴ株を用いる。前述した如く、チクゴ株は、その細胞壁の厚さが略20nm程度と他のクロレラの細胞壁より薄いため、熱水抽出における抽出効率が高い。
(6)本発明に係る抗老化剤は、前述したいずれかの血管内皮細胞のTGF−β分泌誘導体を有効成分として含有することを特徴とする。
本発明の抗老化剤にあっては、前述したいずれかの血管内皮細胞のTGF−β分泌誘導体を有効成分として含有する。かかる誘導体によってTGF−βの分泌が誘導されると、皮膚の老化が抑制される抗老化作用が奏される。
(7)本発明に係る抗老化剤は、血管内皮細胞の管腔構造を維持させることを特徴とする。
本発明の抗老化剤にあっては、TGF−βの分泌を誘導することによって、血管内皮細胞の細胞死及び細胞増殖が抑制され、これによって血管内皮細胞の管腔構造が長期間に亘って維持される。血管内皮細胞の管腔構造が維持されると、紫外線の照射によって皮膚弾力が低下し、またシワ又は弛みが発生することが抑制される。
(8)本発明に係る抗老化剤は、外用剤であることを特徴とする。
本発明の抗老化剤にあっては、外用剤であるため、皮膚に直接作用させることができ、紫外線に対する皮膚の老化を効果的に抑制することができる。
本誘導体とAng−1とを用いて、ヒト臍帯静脈血管内皮細胞の管腔構造の維持に与える影響を比較した結果を示す顕微鏡画像図である。 本誘導体を添加した培地と、添加しない培地とで細胞を培養して経時的に細胞数を計数した結果を示すヒストグラムである。 栄養飢餓状態で40時間培養した場合のヒト臍帯静脈血管内皮細胞の細胞数を計数した結果を示すヒストグラムである。 本発明例についてフローサイトメトリー法を用いて解析した結果を示す散布図である。 対照例についてフローサイトメトリー法を用いて解析した結果を示す散布図である。 Akt及びリン酸化Aktを検出するために行ったウェスタンブロティングの画像図である。 Erk及びリン酸化Erkを検出するために行ったウェスタンブロティングの画像図である。 血管内皮細胞のVEGFに係るmRNAの発現量を測定した結果を示すヒストグラムである。 血管内皮細胞のAng−1に係るmRNAの発現量を測定した結果を示すヒストグラムである。 血管内皮細胞のAng−2に係るmRNAの発現量を測定した結果を示すヒストグラムである。 血管内皮細胞のTGF−β1に係るmRNAの発現量を測定した結果を示すヒストグラムである。 血管内皮細胞群についてTGF−β1に係るmRNAの発現量を測定した結果を示すヒストグラムである。 全皮膚細胞群についてTGF−β1に係るmRNAの発現量を測定した結果を示すヒストグラムである。 皮膚弾力試験を行った結果を示すヒストグラムである。 シワの評価試験を行った結果を示すヒストグラムである。 弛みの評価試験を行った結果を示すヒストグラムである。 分子量で分画した各分画液について、TGF−β1に係るmRNAの発現量を測定した結果を示すヒストグラムである。
以下、本発明を詳述する。なお、本実施の形態で説明する事柄は、本発明の趣旨を説明する一例であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲での変形や改造を含むことはいうまでもない。
(血管内皮細胞のTGF−β分泌誘導体)
血管内皮細胞のTGF−β分泌誘導体(以後、本誘導体ともいう。)は例えば次のように調製することができる。
すなわち、100kgのクロレラ粉末(例えば、クロレラ工業株式会社製)に対して、0.5m以上20m以下の適宜容量の抽出用液、好ましくは1.0m以上5.0m以下の適宜容量の抽出用液を投入して撹拌懸濁し、クロレラ懸濁液を得る。このクロレラ懸濁液を60℃以上130℃以下の適宜温度に昇温させ、その温度にて60分程度から10分程度までの適宜時間保持する、好ましくは95℃以上120℃以下の適宜温度にて25分程度から10分程度までの適宜時間保持することによってクロレラの有用成分を抽出する、所謂熱水抽出を実施する。
なお、抽出用液としては井水、水道水若しくは純水、又は適宜の緩衝液であってよいが、これらに適宜量のアルコールを添加したものであってもよい。この場合、アルコールの添加量は水溶性物質の抽出に実施的に影響を及ぼさない程度とする。
熱水抽出が終了すると、得られた熱水抽出液を室温程度まで冷却した後、それを連続遠心分離機又は濾過機に供給し、クロレラ残渣を含む沈殿物を除去した清液を回収する。そして、得られた清液を減圧濃縮器に供給して35℃〜45℃程度の適宜温度に加温しつつ、濃縮液の乾質量濃度が100mg±20mg/ml程度になるまで減圧濃縮して本誘導体を得る。なお、減圧濃縮によって沈殿物が生じた場合は、遠心分離又は濾過によって当該沈殿物を除去する。
前述した濃縮液の乾質量濃度は次のようにして求める。すなわち、恒量した恒量管内に1.0mlの試料を投入し、恒量管及び試料を105℃で18時間、常圧乾燥することによって水分を除去した後、恒量管及び試料をデシケータ中に格納して室温まで冷却させる。冷却後、恒量管及び試料を精秤し、精秤された値から恒量管の恒量を減じることによって、試料の乾質量を求めて、当該試料の乾質量濃度を得る。
なお、本実施の形態では原料として前述した如くクロレラ粉末を用いたが、本発明はこれに限らず、液体培養した生クロレラを水洗・濃縮したものを原料として用いることもできる。一方、熱水抽出における抽出効率を高くすべく、細胞壁の厚さがより薄いクロレラを原料として用いるのがよいが、チクゴ株クロレラ(クロレラ工業株式会社製)にあってはその細胞壁の厚さが略20nm程度と他のクロレラの細胞壁より薄いため好適である。
また、本実施の形態では減圧濃縮によって抽出液を濃縮したが、本発明はこれに限らず、限外濾過膜といった膜濃縮、吸着又は分子篩等によるカラム濃縮、目的物の沈殿・再溶解等の技術を用いて抽出液の濃縮を行ってもよい。
本誘導体はこのようにクロレラの熱水抽出液を濃縮して構成することができるが、濃縮液を更に精製してもよい。精製は次のように行うことができる。
すなわち、前述した如く減圧濃縮して得られた濃縮液を、分子量が3万を超える物質は透過させず、分子量が3万以下の物質は限外へ排除する限外濾過膜を配設した限外濾過器に供給し、限外へ排除された濾液を回収する。回収した濾液を、分子量が1万を超える物質は透過させず、分子量が1万以下の物質は限外へ排除する限外濾過膜を配設した限外濾過器に供給し、限外へ排除されずに限外濾過器内に残った精製液である残液を本誘導体として回収する。
なお、限外濾過するに当たっては、前述した如く濃縮液を供することもできるが、熱水抽出液の清液を限外濾過に供してもよい。この場合、前述したように限外濾過器内に残った残液を必要に応じて減圧濃縮するとよい。
一方、濃縮液を限外濾過に供する場合、当該濃縮液に適宜量の水を加えることもできる。これによって、限外濾過を効率的に実施することができる。この場合、前同様、限外濾過器内に残った残液を必要に応じて減圧濃縮するとよい。
ところで、このようにして得られた濃縮液又は精製液については、更に無菌濾過を実施してもよいし、糖類といった安定剤、及び/又はpH調整剤を添加して本誘導体としてもよい。更に、濃縮液又は精製液を凍結乾燥又は噴霧乾燥等することによって粉末状の本誘導体としてもよい。
なお、本実施の形態では、精製を限外濾過によって行ったが、本発明はこれに限らず、分画沈殿、カラムクロマトグラフィー等を単独で、又は組み合わせて行ってもよいことはいうまでもない。
このようにして得られた本誘導体にあっては、血管内皮細胞に対してTGF−βの分泌を誘導させる。本発明者らが鋭意検討した結果、TGF−βが分泌されると、血管内皮細胞の増殖が抑制されるとともに、細胞死も抑制され、これによって血管の管腔構造をより長い期間に亘って維持させ得ることが判明した。
ところで、血管内皮細胞が増殖する際、及びその細胞死が生じる際には、血管内の体液の一部が血管外へ移動し易く、これによって皮膚にむくみが生じる。更に、血管内の体液が血管外へ移動することによって、血管の破錠をも招来する場合がある。血管が破錠すると当該部分への血流が消滅して、コラーゲンを産生する繊維芽細胞が死滅するため、皮膚にしわが発生する。前述したように本誘導体にあっては、血管内皮細胞の増殖及び細胞死を抑制して、血管の管腔構造を長期間維持させ得るため、血管内の体液が血管外へ移動することが可及的に抑制され、従って、皮膚のしわ及び弛みの発生を防止することができる。
(抗老化剤)
このように本誘導体は、しわ及び弛みの発生を防止する抗老化剤として用いることができる。かかる抗老化剤の剤形としては、液剤、軟膏剤、又はクリーム剤等、種々適用することができる。
液剤の場合、前述した如く減圧濃縮したもの、又は凍結乾燥物を適宜の溶媒に溶解させたものを適用することができる。更に、化粧料又は外用薬等に使用される多糖類といった適宜の増粘剤を混合して、その粘性を高くしてもよい。これによって、抗老化剤を塗布した皮膚から、当該抗老化剤が落下することを防止し得、抗老化剤のムダを回避することができる。
また、軟膏は、かかる液剤とワセリン又は流動パラフィン等とを混練して調製することができる。同様にクリーム剤は、前記液剤とバニシングクリーム、コールドクリーム又はポリエチレングリコール等とを混練して調製することができる。
更に、抗老化剤は、ビタミンC又はビタミンE等の抗酸化剤、にんじんエキス又はミノキシジル等の血行促進剤、メトケイヒ酸オクチル又はオキシベンゾン等の紫外線防止剤等々、皮膚の老化を防止又は予防する作用を奏する他の薬剤を含んでもよい。
このような抗老化剤にあっては、血管内皮細胞にTGF−βの分泌を誘導させて、血管内皮細胞の増殖及び細胞死を抑制させ、血管の管腔構造を長期間維持させることによって、例えば血管内の体液が血管外へ移動することを可及的に抑制させ、これによって皮膚のしわ及び弛みの発生、弾力の低下を防止する。
(実施例1)
本誘導体とアンジオポイエチン−1(以後、Ang−1という。)とを用いて、血管内皮細胞の管腔構造の維持に与える影響を比較した結果について説明する。ここで、ヒト臍帯静脈血管内皮細胞を基底膜マトリックス上で培養すると、管腔構造を呈する血管形成が誘導されることが知られている。そして、この培養系では、長時間培養することにより、血管の管腔構造は破綻していくが、内皮細胞に発現しているレセプター型チロシンキナーゼTie2をその特異的結合因子であるAng−1で刺激すると、管腔構造が長期間に亘って維持される。これは、内皮細胞の細胞死が抑制されることと、内皮細胞同士の接着が誘導されることによるものと考えられている。そこで、本実施例では、本誘導体にもこのような作用があるか否かについて検討した。
24穴皿(Falcon社製)の各穴内に、成長因子を含有する基底膜マトリックス(BDマトリゲル(登録商標):Bioscaience社製)を100μlずつ注入し、37℃で30分間培養して基底膜マトリックスを固定した。これら各基底膜マトリックス上にそれぞれ、1%のウシ胎児血清を含有するRPMI1640培養液(SIGMA社製)で混和したヒト臍帯静脈血管内皮細胞(HUVEC:Kurabo社製)を略1×10細胞/穴になるように加えた。
このヒト臍帯静脈血管内皮細胞に本誘導体を100μg/mlになるように添加して本発明例(a)とした。また、前記ヒト臍帯静脈血管内皮細胞にAng−1(R&D systems社製)を500ng/mlになるように添加して比較例(e)とした。なお、前記ヒト臍帯静脈血管内皮細胞に何も加えないものを対照例(c)とした。これらを37℃で培養して、18時間経過後(18hr)、及び40時間経過後(40hr)の培養細胞をそれぞれ撮像した結果を図1に示す。
図1から明らかなように、何も添加しない対照例(c)にあっては、培養を開始してから18時間までに密なネットワーク状の管腔構造が形成されていたが、培養を開始してから40時間経過すると、ネットワークが疎になっており、管腔構造が退縮していた。
これに対して、比較例(e)では前同様に培養を開始してから18時間までに密なネットワーク状の管腔構造が形成されており、培養を開始してから40時間経過した時点であっても、略同じ状態で管腔構造が維持されていた。同様に、本発明例(a)にあっても、培養を開始してから18時間までに密なネットワーク状の管腔構造が形成されており、培養を開始してから40時間経過した時点であっても、略同じ状態で管腔構造が維持されていた。
(実施例2)
次に、本誘導体が細胞の増殖に対して与える影響について検討した結果について説明する。
図2は、本誘導体を添加した培地と、添加しない培地とで細胞を培養して経時的に細胞数を計数した結果を示すヒストグラムであり、図中、縦軸は細胞数を、また横軸は培養日数をそれぞれ示している。
ヒト臍帯静脈血管内皮細胞をHuMedia−EG2(Kurabo社製)で混和し、12穴皿の各穴内にそれぞれ、1×10細胞/穴になるように注入した。そして、対照例(c)には何も添加せず、本発明例(a)には本誘導体を100μg/mlになるように添加し、37℃で培養し、経時的に細胞数を計数した。
図2から明らかなように、対照例(c)にあっては、1日から3日と培養日数が増えるに連れて略一定の割合で細胞数が増加していた。これに対して、本発明例(a)にあっては、培養日数が1日目以降、細胞数は殆ど一定であった。この結果より、本誘導体は血管内皮細胞の増殖を抑制していることが理解できる。
(実施例3)
また、本誘導体が細胞死に与える影響について検討した結果について説明する。
ヒト臍帯静脈血管内皮細胞をHuMedia−EG2(Kurabo社製)で混和し、12穴皿の各穴内にそれぞれ1.2×10細胞/穴になるように注入し、37℃で3時間培養することによって細胞を穴内に接着させた。次いで、各穴の培地を、1%のウシ胎児血清を含有するRPMI1640培養液(SIGMA社製)に交換することによって、培養細胞を血清飢餓状態にし、この状態で37℃で40時間培養した。このとき、培養に先立って、対照例には何も添加せず、比較例にはAng−1(R&D systems社製)を500ng/mlになるように添加し、本発明例には本誘導体を100μg/mlになるように添加した。40時間培養後、各穴内の細胞を皿から剥離し、細胞数を計測した。
更に、計数した対照例及び本発明例の両細胞群について、リン酸緩衝生理食塩水(例えば0.01Mリン酸カリウム、0.15M塩化ナトリウム、pH7.2±0.2)で2回洗浄した後、1×10細胞/mlになるように1倍のバインディング緩衝液(BD Bioscience社製)にそれぞれ再浮遊させた。両細胞浮遊液を100μl分取してそれを1.5mlのチューブ内に各別に注入し、そこにアネキシン(Annexin)V試薬(BD Bioscience社製)を5μl、及びヨウ化プロピデューム(PI:BD Bioscience社製)を2μl加えて穏やかに混和し、室温、暗所で15分間反応させた。そして、各チューブに1倍のバインディング緩衝液を400μlずつ加えた後、フローサイトメーター(BD FACS Calibur(登録商標):Becton Dickinson社製)にそれぞれ供し、細胞死の誘導についてフローサイトメトリー法を用いて解析した。
ここで、細胞が細胞死を起こすと、細胞膜及び核膜が崩壊するため、核を染色するPIによって当該細胞が染色される。一方、細胞死が誘導され始めた細胞は、PIによって染色されることはないが、そのような細胞の表面にはホスファチジルセリンが出現し、このホスファチジルセリンにアネキシンVが結合するため、細胞死が誘導され始めた細胞を選択的に検出することができる。
図3は、栄養飢餓状態で40時間培養した場合のヒト臍帯静脈血管内皮細胞の細胞数を計数した結果を示すヒストグラムであり、図中、縦軸は細胞数を示している。また、(c)は前述した対照例を、(e)は前述した比較例を、(a)は前述した本発明例をそれぞれ示している。なお、(o)は、培養開始時の細胞数を示している。
図3から明らかなように、対照例(c)にあっては、40時間の培養でヒト臍帯静脈血管内皮細胞の細胞数が培養開始時に比べて略1/2に減少していた。一方、Ang−1は細胞死を抑制する作用を奏することが知られているが、本実施例にあっても比較例(e)に示したようにヒト臍帯静脈血管内皮細胞の細胞死を抑制していた。そして、本発明例(a)にあっても、比較例(e)と同様にヒト臍帯静脈血管内皮細胞の細胞死を抑制していた。
図4は、本発明例についてフローサイトメトリー法を用いて解析した結果を示す散布図であり、図5は、対照例についてフローサイトメトリー法を用いて解析した結果を示す散布図である。両図中、横軸はPIに係る強度を、また縦軸はアネキシンVに係る強度をそれぞれ示している。
図5から明らかなように、対照例にあっては、殆どのヒト臍帯静脈血管内皮細胞はPIに対して陽性であるか、又はアネキシンVに対して陽性であり、PI及びアネキシンVのいずれに対しても陰性の細胞数は全細胞数の14.5%であった。
これに対して、図4から明らかなように、本発明例にあっては、PI及びアネキシンVのいずれに対しても陰性を示したヒト臍帯静脈血管内皮細胞数は全細胞数の42.6%であった。この結果より、本誘導体は、ヒト臍帯静脈血管内皮細胞の細胞死を抑制する作用を奏することが分かる。
以上のことから、本誘導体は、ヒト臍帯静脈血管内皮細胞の増殖は誘導せず、また細胞死を抑制する作用を奏する。
(実施例4)
ところで、前述したAng−1は血管内皮細胞において、受容体型チロシンキナーゼであるTie2の下流のセリン・スレオニンキナーゼであるAktというシグナル分子の活性化を誘導することにより、細胞死の抑制を誘導していることが知られている。そこで、前述した如く血管内皮細胞の細胞死を抑制する本誘導体にあっても、Aktの活性化を行っているか否かについて検討した。
ヒト臍帯静脈血管内皮細胞をHuMedia−EG2(Kurabo社製)で混和し、混和液を6穴皿の各穴内に、対象領域に対する細胞の占有率が略70%〜略80%程度になるように播種し、37℃で一晩培養することによって接着させた。次いで、各穴の培地を、1%のウシ胎児血清を含有するRPMI1640培養液(SIGMA社製)に交換し、37℃で4時間培養した。その後、対照例(c)には何も添加せず、比較例(e)にはAng−1(R&D systems社製)を500ng/mlになるように添加し、本発明例には本誘導体を100μg/ml(a1)、500μg/ml(a2)、1000μg/ml(a3)になるように添加し、15分間培養した。
次に、各穴内の細胞をリン酸緩衝生理食塩水(例えば0.01Mリン酸カリウム、0.15M塩化ナトリウム、pH7.2±0.2)で洗浄した後、溶解用緩衝液(和光純薬工業株式会社製)を各穴内にそれぞれ注入することによって穴内の細胞を溶解し、それぞれ試料液とした。この試料液を用いて、SDS−PAGE及びウェスタンブロティングを実施することによってAkt及びErk(Extracellular signal−regulated kinase)、並びにそれらのリン酸化の有無を検出した。
なお、Aktの検出には、anti−Akt抗体(Cell signaling Technology社製)を用い、リン酸化Aktの検出には、anti−pAkt抗体(Cell signaling Technology社製)を用い、Erkの検出には、anti−Erk抗体(Cell signaling Technology社製)を用い、リン酸化Erkの検出には、anti−pErk抗体(Cell signaling Technology社製)を用いた。
図6は、Akt及びリン酸化Aktを検出するために行ったウェスタンブロティングの画像図であり、図7は、Erk及びリン酸化Erkを検出するために行ったウェスタンブロティングの画像図である。
図6から明らかなように、Ang−1で処理した比較例(e)ではリン酸化Aktの存在を示す薄い二本目のバンドが表れていたが、本誘導体で処理した本発明例(a1)〜(a3)はいずれも、対照例(c)と同様に、リン酸化Aktの存在を示す二本目のバンドは表れていなかった。従って、本誘導体によってはAktは活性化されていないものと考えられる。これに対して、図7から明らかなように、本誘導体で処理した本発明例(a1)〜(a3)はいずれも、リン酸化Erkの存在を示す二本目のバンドが表れていた。これらの結果より、本誘導体は、Aktの活性化が介在するAng−1とは異なり、Erkの活性化を介して血管内皮細胞の細胞死を抑制しているものと考えられる。
(実施例5)
次に、本誘導体で血管内皮細胞を刺激した場合に、当該血管内皮細胞から分泌される血管関連因子の発現について検討した結果について説明する。なお、検討対象とした血管関連因子は、VEGF、Ang−1、Ang−2及びTGF−β1である。
ヒト臍帯静脈血管内皮細胞をHuMedia−EG2(Kurabo社製)で混和し、混和液を6穴皿の各穴内に、対象領域に対する細胞の占有率が略70%〜略80%程度になるように播種し、37℃で一晩培養することによって接着させた。次いで、各穴の培地を、1%のウシ胎児血清を含有するRPMI1640培養液(SIGMA社製)に交換し、37℃で24時間培養した。このとき、対照例(c)には何も添加せず、本発明例には本誘導体を100μg/ml(a)になるように前記培養液に添加しておいた。
培養が終了すると、各穴内の培養液を廃棄し、各穴内の細胞群をリン酸緩衝生理食塩水(例えば0.01Mリン酸カリウム、0.15M塩化ナトリウム、pH7.2±0.2)で洗浄した後、RNeasy Mini Kit(Qiagen社製)を用いて、各細胞群それぞれについて全RNAの回収を行った。次に、ExScript RT reagent Kit(Perfect Real Time:Takara社製)を用いて、回収した各全RNAからcDNAをそれぞれ合成し、得られたcDNAを用いて、前述した各血管関連因子に係るmRNAの発現をリアルタイムPCR法によって解析した。なお、対照として解糖系酵素であるGAPDH(Glyceraldehyde−3−phosphate dehydorogenase)に係るmRNAの発現量も同様に調べた。また、リアルタイムPCRは、Stratagene Mx3000P(Stratagene社製)を用いて実施した。
ここで、ヒトVEGFをPCRで合成する際のプライマーは以下の配列のものを用いた。
5´-aac cat gaa ctt tct gct gtc ttg-3´ (配列番号1)
5´-ttc acc act tcg tga tga ttc tg-3´ (配列番号2)
また、ヒトAng−1をPCRで合成する際のプライマーは以下の配列のものを用いた。
5´-tca cat agg gtg cag caa tc-3´ (配列番号3)
5´-aca gtt gcc atc gtg ttt ctg-3´ (配列番号4)
同様に、ヒトAng−2をPCRで合成する際のプライマーは以下の配列のものを用いた。
5´-ata agc agc atc agc caa cc-3´ (配列番号5)
5´-aag ttg gaa gga cca cat gc-3´ (配列番号6)
また、ヒトTGF−β1をPCRで合成する際のプライマーは以下の配列のものを用いた。
5´-ggg act atc cac ctg caa ga-3´ (配列番号7)
5´-cct cct tgg cgt agt agt cg-3´ (配列番号8)
一方、ヒトGAPDHをPCRで合成する際のプライマーは以下の配列のものを用いた。
5´-acc cag aag act gtg gat gg-3´ (配列番号9)
5´-ccc tgt tgc tgt agc caa at-3´ (配列番号10)
図8は血管内皮細胞のVEGFに係るmRNAの発現量を測定した結果を示すヒストグラムであり、図9は血管内皮細胞のAng−1に係るmRNAの発現量を測定した結果を示すヒストグラムであり、図10は血管内皮細胞のAng−2に係るmRNAの発現量を測定した結果を示すヒストグラムであり、図11は血管内皮細胞のTGF−β1に係るmRNAの発現量を測定した結果を示すヒストグラムである。各図中、縦軸は各発現量をGAPDHに係るmRNAの発現量に対する比率で示している。また、各図中、(c)は対照を示しており、(a)は本誘導体で処理した場合を示している。
図8〜図10から明らかなように、VEGF、Ang−1及びAng−2にあっては、本誘導体で処理した場合(a)と、本誘導体で処理していない対照(c)との間に有意差は見られなかった。これに対して、図11から明らかなように、TGF−β1にあっては、本誘導体で処理していない対照(c)では対応するmRNAが殆ど発現していないが、本誘導体で処理した場合(a)、対応するmRNAの発現量が90程度と有意に増大していた。これにより、本誘導体は、血管内皮細胞に対してTGF−β1を誘導していることが分かる。
(実施例6)
次に、本誘導体によるTGF−β1の誘導が血管内皮細胞以外の細胞に対しても奏されているのかについて検討した結果について説明する。
6匹の雌のヘアレスマウス(Hos:HR−1、株式会社星野試験動物飼育所製)を8週齢になるまで予備飼育した後、3匹ずつ2つの群に分け、一方の群のマウスの背部には本誘導体を配合した本誘導体クリームを塗布し、他方の群のマウスにはプラセボクリームを塗布して、紫外線を照射する試験を2週間行った。なお、予備飼育では固形飼料(CE−2、日本クレア株式会社製)を自由に摂取させた。
そして、各マウスの背部からそれぞれ皮膚を採取し、得られた各皮膚を後述するように酵素処理することによって当該皮膚を構成する細胞にそれぞれ分解して全皮膚細胞群とした。また、得られた各全皮膚細胞群から一部をそれぞれ分取し、分取した各全皮膚細胞群に抗CD31抗体(pharmingen社製)及び抗CD45抗体(pharmingen社製)を添加し、CD31陽性でありCD45陰性である細胞をそれぞれ分画して、それらを血管内皮細胞群とした。このようにして得た各全皮膚細胞群及び各血管内皮細胞群について、前同様にして全RNA及びcDNAを合成し、TGF−β1に係るmRNAの発現量をリアルタイムPCR法によって測定した。
ここで、前記本誘導体クリームの組成及び配合比は、87mg/mlの本誘導体が51質量%、プロピレングリコールが10質量%、エタノールが10質量%、固形パラフィンが5質量%、流動パラフィンが5質量%、エマレックス8100(モノステアリン酸ポリエチレングリコール)(日本エマルジョン株式会社製)が5質量%、ツイーン20(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート)(和光純薬工業株式会社製)が5質量%、ステアリン酸が2質量%、セチルアルコールが2質量%、ステアリン酸グリセロールが2質量%、メントールが2質量%、ヒアルロン酸ナトリウムが1質量%である。また、プラセボクリームは、本誘導体に代えて水を用いた以外は前記本誘導体クリームと同じ組成及び配合比になしたものを用いた。
また、前述した紫外線照射試験は、3回/週で合計6回の紫外線照射を実施し、1週目はそれぞれ36mJ/cm/回の強度で、また2週目はそれぞれ47mJ/cm/回の強度で照射した。そして、この間、各マウスの背部の皮膚に、前記本誘導体クリーム又はプラセボクリームを、5回/週、合計で10回塗布した。なお、この間、セロハンテープによってマウスの背部の皮膚をストリッピングするテープストリッピングを2回/週、合計で4回実施し、1回当たりのストリッピング回数は4回行った。
一方、前述した皮膚の分解は次のようにして行った。すなわち、回収した皮膚をハサミで細断し、これをディスパーゼII(エーディア株式会社製)酵素溶液中に投入して、37℃で適宜時間振盪させた後、酵素溶液を除去した。得られた皮膚をコラゲナーゼタイプI(和光純薬工業株式会社製)酵素溶液中に投入して、前同様に酵素処理した後、酵素溶液を除去した。更に、得られた皮膚をコラゲナーゼタイプII(Worthington社製)酵素溶液中に投入して、前同様に酵素処理した後、10mlの容量のシリンジ(テルモ株式会社製)を用いて、酵素処理した皮膚細胞を吸引・排出する操作を10回繰り返して、機械的作用によっても細胞を分散させた。この溶液をメッシュサイズが70μmのセルストレイナー(Faicon社製)にて濾過することによって、皮膚残渣を濾別して、分散させた細胞を回収した。このようにして得られた細胞に1倍のRBC溶解用緩衝液(Becton Coulter社製)を適宜量添加して赤血球を溶解させることによって、全皮膚細胞群を得た。
ここで、マウスTGF−β1のcDNAを合成する際のプライマーは以下のものを用いた。
5´-gac tct cc acct gca aga cc-3´ (配列番号11)
5´-gac tgg cga gcc tta gtt tg-3´ (配列番号12)
また、マウスGAPDHのcDNAを合成する際のプライマーは以下のものを用いた。
5´-aac ttt ggc att gtg gaa gg-3´ (配列番号13)
5´-gga tgc agg gat gat gtt ct-3´ (配列番号14)
なお、前述したCD31陽性でありCD45陰性である血管内皮細胞の分画は、セルソーター(FACSAria(登録商標):Becton Dickinson社製)によって行った。
図12は、全皮膚細胞群についてTGF−β1に係るmRNAの発現量を測定した結果を示すヒストグラムであり、また、図13は血管内皮細胞群についてTGF−β1に係るmRNAの発現量を測定した結果を示すヒストグラムである。なお、両図中、縦軸はTGF−β1に係るmRNAの発現量をGAPDHに係るmRNAの発現量に対する相対発現量で示している。また、両図中、(c)は、本誘導体を塗布していない場合を、また(a)は本誘導体を塗布した場合をそれぞれ示している。
図12から明らかなように、全皮膚細胞群にあっては、本誘導体クリームを塗布した場合におけるTGF−β1に係るmRNAの発現量と、プラセボクリームを塗布した場合におけるTGF−β1に係るmRNAの発現量とは略同じ値であった。これに対して、図13から明らかなように、血管内皮細胞群にあっては、本誘導体クリームを塗布した場合(a)におけるTGF−β1に係るmRNAの発現量は、プラセボクリームを塗布した場合(c)におけるTGF−β1に係るmRNAの発現量の略1.3倍に亢進されていた。これらの結果より、本誘導体は、血管内皮細胞に対して特異的にTGF−β1の分泌を誘導していることが分かる。
ここで、前述した実施例1から実施例6までの結果より、本誘導体にあっては、血管内皮細胞に対して特異的にTGF−β1の分泌を誘導し、それによってErkの活性化を介して、血管内皮細胞の細胞死及び血管内皮細胞の増殖を抑制し、これによって血管の管腔構造を長期間に亘って安定的に維持させているものと言える。
(実施例7)
次に、このような本誘導体の作用が皮膚に与える影響を検討した結果について説明する。
皮膚に与える影響は、皮膚弾力試験、並びに皮膚のシワ及び弛みの評価試験によって検討した。
20匹の雌のヘアレスマウス(Hos:HR−1、株式会社星野試験動物飼育所製)を8週齢になるまで予備飼育した後、無処理例に4匹、対照例に8匹、本発明例に8匹振り分け、本発明例のマウスの背部には本誘導体を配合した本誘導体クリームを塗布し、対照例のマウスにはプラセボクリームを塗布して、紫外線を照射する試験を8週間行った。なお、無処理例のマウスには紫外線の照射、本誘導体クリーム又はプラセボクリームの塗布、及び後述するテープストリッピングのいずれも実施していない。また、予備飼育では固形飼料(CE−2、日本クレア株式会社製)を自由に摂取させた。
ここで、前記本誘導体クリーム及びプラセボクリームの組成及び配合比は、実施例6で説明した本誘導体クリーム及びプラセボクリームの組成及び配合比と同じである。
また、前述した紫外線照射試験は、3回/週で合計24回の紫外線照射を実施し、1週目はそれぞれ36mJ/cm/回の強度とし、1週毎に照射量を増加させ、合計で2577mJ/cmの強度で照射した。そして、この間、各マウスの背部の皮膚に、前記本誘導体クリーム又はプラセボクリームを、5回/週、合計で40回塗布した。なお、この間、セロハンテープによってマウスの背部の皮膚をストリッピングするテープストリッピングを2回/週、合計で16回実施し、1回当たりのストリッピング回数は4回行った。
そして、各マウスについて皮膚弾力試験、並びに皮膚のシワ及び弛みの評価試験を実施した。ここで、皮膚弾力試験は、Tsukaharaらの方法(British Journal of Dermatology、151:984−994、2004)に準じて実施した。すなわち、マウスに麻酔を施し、当該マウスを伏せさせた状態にさせて、背中の一番高い第1箇所、及び該第1箇所から腹側へ1cm隔てた第2箇所にそれぞれ印を付けた。マウスに十分に麻酔が効いた状態で、第1箇所の皮膚をピンセットでつまみ、そのまま鉛直上方向へ、第2箇所の皮膚が背中筋肉から浮くまで引き上げる。そして、ピンセットから皮膚を解放させてから、当該皮膚が元の状態に復帰するまでに要した時間を計測した。
一方、シワ及び弛みの評価試験は、Bissettらの方法(Photochem Photobiol、46:367−378、1987)に従って実施した。すなわち、
「健康的な構造は見られない。多くの深く粗いシワが背骨を横切って存在する(頭から尻尾の方向に垂直の線)消えることはない」又は「全ての場所に健康的な構造は見られない。強烈なたるみが首と脇腹に沿って見られる。背中に強烈なシワがある。肌色は消失している」を3と、また、「健康的な構造は見られない。いくつかの粗いシワが背骨を横切って存在する(頭から尻尾の方向に垂直の線)消えることはない」又は「全ての場所に健康的な構造は見られない。中程度のたるみが首と脇腹に沿って見られる。背中に中程度シワがある。肌色は消失している」を2と、また、「背中に沿った部分に健康的な構造は見られない。少しの浅い粗いシワが背中を横切って(交差して)存在する(頭から尻尾の方向に垂直の線)。動きに応じて見え隠れする」又は「首と肩と脇腹に沿った部分に健康的な構造は見られない。首にいくらかのたるみがある(たるみは頭から尻尾の方向に垂直の線)。背中の皮膚にいくつかのシワの節がある。首と肩部分の肌色は消失している。背中の上部の皮膚はわずかに白くなっている」を1と、更に、「背中と脇腹一面に多数の線がある(頭から尻尾の方に向かい健康的な構造の線)。動きに応じて見え隠れする」又は「背中と脇腹一面に多数の線がある(頭から尻尾の方に向かい健康的な構造の線)。肌色はパープルピンク」を0とした。
図14は、皮膚弾力試験を行った結果を示すヒストグラムであり、縦軸は時間を示している。また、図中、(o)は無処理例を、(c)は対照例を、(a)は本発明例をそれぞれ示している。
図14から明らかなように、無処理例(o)のマウスは平均1.4秒程度であるのに対し、対照例(c)のマウスは平均1.7秒程度であり、紫外線の照射によって皮膚弾力が低下していた。これに対して、本発明例(a)のマウスは平均1.5秒程度であり、紫外線の照射による皮膚弾力の低下が抑制されていた。
図15は、シワの評価試験を行った結果を示すヒストグラムであり、縦軸は点数を示している。また、図中、(o)は無処理例を、(c)は対照例を、(a)は本発明例をそれぞれ示している。
図15から明らかなように、無処理例(o)のマウスは平均0.3点程度であるのに対し、対照例(c)のマウスは平均1.0点程度であり、紫外線の照射によってシワが増大していた。これに対して、本発明例(a)のマウスは平均0.7点程度であり、紫外線の照射によるシワの増大が抑制されていた。
図16は、弛みの評価試験を行った結果を示すヒストグラムであり、縦軸は点数を示している。また、図中、(o)は無処理例を、(c)は対照例を、(a)は本発明例をそれぞれ示している。
図16から明らかなように、無処理例(o)のマウスは平均0.3点程度であるのに対し、対照例(c)のマウスは平均0.7点程度であり、紫外線の照射によって弛みが増大していた。これに対して、本発明例(a)のマウスは平均0.4点程度であり、紫外線の照射による弛みの増大が抑制されていた。
これらの結果より、本誘導体にあっては前述した作用を介して、皮膚の弾力を維持し、並びに皮膚のシワ及び弛みを抑制することができる。皮膚の弾力が低下し、シワ及び弛みが発生するということは皮膚の老化が進行していることであり、本誘導体はかかる皮膚の老化の進行を抑制しているのである。従って、本誘導体は、そのまま、或いは前述した如きクリーム、ローション、パック剤等になすことによって、皮膚の抗老化剤として適用することができる。
(実施例8)
次に、本誘導体の物性を検討した結果について説明する。
本実施例では、本誘導体の物性として分子量について検討した。すなわち、100gのクロレラ粉末(クロレラ工業株式会社製)に1Lの純水を加えて撹拌し、クロレラを十分に懸濁させた。この懸濁液を100℃に昇温させ、その状態で20分間保持することによって熱水抽出した後、室温まで急冷させた。この液体を10000rpmで20分間遠心分離し、上清を回収して抽出液とした。この抽出液をロータリーエバポレータを用いて濃縮した。得られた濃縮液について乾物質量濃度を測定したところ87mg/mlであった。
この濃縮液に含まれる物質を分子量別に分画した。
本実施例では、限外濾過膜を具備するフィルターユニットが遠心チューブ内に着脱可能に嵌合させて構成してあるアミコンウルトラフィルタ−15(メルク株式会社製)を用いた。前記濃縮液12mlを分画分子量が10万のアミコンウルトラフィルタ−15のフィルターユニット内に注入し、全量が遠心チューブ内へ濾過されるまで遠心分離した。次に、得られた濾液を分画分子量が5万のアミコンウルトラフィルタ−15のフィルターユニット内に注入し、全量が遠心チューブ内へ濾過されるまで遠心分離した。一方、分画分子量が10万のフィルターユニットの内部を純水で洗浄して、分子量が10万を超える分画物を回収し、回収液に純水を加えて全量を12mlになした。
同様の操作を、分画分子量が3万、1万、及び3千のアミコンウルトラフィルタ−15を用いて順次実施することによって、分子量が10万超、5万〜10万、3万〜5万、1万〜3万、3千〜1万、3千未満の分画物を含む分画液をそれぞれ得た。なお、分画分子量が3千のアミコンウルトラフィルタ−15の遠心チューブ内へ濾過された濾液は、全量を回収し、この回収液に純水を加えて全量を12mlになした。
ここで、各分画液の乾燥質量濃度は、分子量が10万超のものが36.4mg/mlであり、分子量が5万超〜10万以下のものが3.3mg/mlであり、分子量が3万超〜5万以下のものが2.2mg/mlであり、分子量が1万超〜3万以下のものが5.8mg/mlであり、分子量が3千超〜1万以下のものが6.5mg/mlであり、分子量が3千未満のものが37.5mg/mlであった。なお、濃縮液及び各分画液の乾燥質量濃度は前述した方法によって測定した。
このようにして得た各分画液について、実施例5で説明した方法と同様の方法によって、TGF−β1に係るmRNAの発現量を測定した。
図17は、分子量で分画した各分画液について、TGF−β1に係るmRNAの発現量を測定した結果を示すヒストグラムであり、図中、縦軸はTGF−β1に係るmRNAの発現量をGAPDHに係るmRNAの発現量に対する比率で示している。また、図中、(c)は何ら処理していない対照を示しており、(a)は前述した濃縮液で処理した場合を示しており、(a1)〜(a6)はそれぞれ分子量が10万超の分画液、分子量が5万超〜10万以下の分画液、分子量が3万超〜5万以下の分画液、分子量が1万超〜3万以下の分画液、分子量が3千超〜1万以下の分画液、分子量が3千未満の分画液で処理した場合を示している。
図17から明らかなように、分子量が1万超〜3万以下の分画液(a4)で処理した場合、TGF−β1に係るmRNAの発現量が最も亢進されていた。また、この亢進の程度は、前述した濃縮液(a)で処理した場合と比べて有意に高いものであった。

Claims (8)

  1. クロレラから熱水抽出してなり、血管内皮細胞に対してTGF−βの分泌を誘導させることを特徴とする血管内皮細胞のTGF−β分泌誘導体。
  2. 分子量が1万超3万未満である請求項1記載の血管内皮細胞のTGF−β分泌誘導体。
  3. 前記クロレラはチクゴ株である請求項1又は2に記載の血管内皮細胞のTGF−β分泌誘導体。
  4. クロレラから熱水抽出して得られた抽出液を、分画分子量が3万の限外濾過膜を装着させた限外濾過器に供給して限外濾過を実施し、回収した濾液を分画分子量が1万の限外濾過膜を装着させた限外濾過器に供給して限外濾過を実施し、残渣を回収することを特徴とする血管内皮細胞TGF−β分泌誘導体の製造方法。
  5. 前記クロレラとしてチクゴ株を用いる請求項4記載の血管内皮細胞TGF−β分泌誘導体の製造方法。
  6. 請求項1から3のいずれかに記載の血管内皮細胞のTGF−β分泌誘導体を有効成分として含有することを特徴とする抗老化剤。
  7. 血管内皮細胞の管腔構造を維持させる請求項6記載の抗老化剤。
  8. 外用剤である請求項6又は7記載の抗老化剤。
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