JP2014217640A - 洗濯機 - Google Patents

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勝規 山本
Katsunori Yamamoto
勝規 山本
稲田 剛士
Takeshi Inada
剛士 稲田
東山 義幸
Yoshiyuki Higashiyama
義幸 東山
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Abstract

【課題】被洗浄物の脱水を確実に終了させること。
【解決手段】パルセータ5を有した洗濯兼脱水槽4を内部に回転自在に設置した水槽3と、パルセータ5および洗濯兼脱水槽4を回転させる駆動手段7と、水を供給する給水弁16および水を排水する排水手段13と、被洗浄物21を洗ってすすぎ、脱水する洗濯シーケンスにおいて、制御手段20は、脱水行程で、駆動手段4の異常を検知した場合は、最終脱水行程を中止して給水弁16から水を供給してすすぐ修正すすぎを行い、修正すすぎ後、駆動手段7の異常を再度検知した場合は、再度修正すすぎを行ってから、修正すすぎ脱水行程を行うことにより、フリースのような柔らかい起毛仕上げの繊維素材の被洗浄物21を所定量以上含む場合でも、被洗浄物21が脱水できない状態を防止することができ、確実に脱水させて終了させることができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、様々な被洗浄物に対して、確実に脱水させて終了させる洗濯機に関するものである。
従来、この種の洗濯機1は図1に示すような構成をしている。以下、その構成について説明する。
図1に示す従来の洗濯機1の縦断面図において、洗濯機1は、吊り棒2により水槽3を吊り下げており、水槽3の内部に、洗濯兼脱水槽4が脱水時に回転できるように設けている。洗濯兼脱水槽4は、底部にパルセータ5を回転自在に配設し、下側羽根6をパルセータ5と一体に設けている。駆動手段7は、減速機構8および回転軸9を介してパルセータ5または洗濯兼脱水槽4を駆動する。
リント水路10は、パルセータ5の下側羽根6外周のポンプ室11から洗濯兼脱水槽4の上部または中部に至るように設け、上部または中部に着脱可能なリントフィルタ12を設けている。
排水手段13は、排水弁14および排水ホース15から構成されており、水槽3内の洗濯水およびすすぎ水を排水するものであり、給水弁16は水槽3内に給水するものである。
洗濯兼脱水槽4には、側面に水抜き穴4aが設けられており、水槽3および洗濯兼脱水槽4内の洗濯水またはすすぎ水を排水し終わった状態で洗濯兼脱水槽4が駆動手段7により回転すると、被洗浄物21が遠心力を受けて洗濯兼脱水槽4の側面に移動し、被洗浄物21に含まれている洗濯水およびすすぎ水が、遠心力により洗濯兼脱水槽4の側面に設けた水抜き穴4aを介して水槽3へ移動していくものである。水抜き穴4aの大きさは、ブラジャーのフック等が引っかからない程度の大きさである。
洗濯兼脱水槽4の上部には脱水時の振動を低減させるための流体バランサ17を設けている。
洗濯機1の上部を構成する上部枠体18に蓋19を開閉自在に設け、また、その前方に制御手段20を設けている。
上記構成において動作を説明すると、使用者が洗濯したい被洗浄物21を洗濯兼脱水槽4に洗剤とともに投入し、スタートボタン(図示しない)を押すことで、給水弁16から所定量の洗濯水が水槽3に供給される。洗濯水が供給されると、減速機構8および回転軸9を介して駆動手段7により、パルセータ5が所定の回転数で回転して、洗濯兼脱水槽4内の洗濯水および被洗浄物21を攪拌して被洗浄物21から汚れを落とす洗い行程が行われる。
所定時間の洗い行程が終了すると、排水弁14が動作して水槽3内の洗濯水を排水し、排水が終わると、減速機構8および回転軸9を介して駆動手段7により、洗濯兼脱水槽4が所定の回転数で回転して、被洗浄物21が含んでいる洗濯水を被洗浄物21から分離して排水する第一の脱水行程が行われる。
第一の脱水行程が所定時間行われると、再び給水弁16から所定量のすすぎ水が水槽3に供給され、パルセータ5が所定の回転数で回転して、洗濯兼脱水槽4内のすすぎ水および被洗浄物21を攪拌して被洗浄物21に残っている洗剤成分を除去するすすぎ行程が行われる。
所定時間のすすぎ行程が終了すると、排水弁14が動作して水槽3内のすすぎ水を排水し、排水が終わると、駆動手段7により洗濯兼脱水槽4が所定の回転数で回転して、被洗浄物21が含んでいるすすぎ水を被洗浄物21から分離して排水する第二の脱水行程が行われる。その後、再びすすぎ水が供給されて最終すすぎ行程が行われる。
最終すすぎ行程が終了すると、水槽3内のすすぎ水が排水され、排水が終わると、駆動手段7により洗濯兼脱水槽4が所定の回転数で回転して、被洗浄物21が含んでいるすすぎ水を被洗浄物21から分離して排水する最終脱水行程が行われて運転が終了する。
なお、図2に示すように、第一の脱水行程、第二の脱水行程、最終脱水行程における脱水シーケンスAは、例えば、洗濯兼脱水槽4の回転数Nが共振周波数回転数N1までは、洗濯兼脱水槽4をゆっくりと回転させていき、洗濯兼脱水槽4の回転数Nが共振周波数回転数N1に到達すると脱水所定回転数N2まで素早く回転させる(図2において、(t2−t1)<t1)ように、駆動手段7が洗濯兼脱水槽4を回転させる。
また、図1に示すように、脱水行程開始時や脱水行程途中で、被洗浄物21が洗濯兼脱水槽4内の一方の側面に片寄ってしまうと、洗濯兼脱水槽4および水槽3の振動が大きくなってしまう。洗濯兼脱水槽4および水槽3の振動が大きくなると、洗濯兼脱水槽4および駆動手段7の回転数Nが所定時間内に脱水所定回転数N2に到達しなかったり、駆動手段7の電流値が駆動手段7の回転数Nが所定回転数N2で回転しているときの電流値よりも高くなったりするので、駆動手段7の回転数Nや電流値を検知したり、直接水槽3の振動を検知したりして、それらの検知の値がある閾値以下または閾値以上になると異常と判断して脱水行程を中止し、給水弁16からすすぎ水を供給してパルセータ5を攪拌し、被洗浄物21が洗濯兼脱水槽4に片寄っているのを修正する修正すすぎを少なくとも1回は行う。所定時間の修正すすぎが終了すると、図2に示す脱水シーケンスAにしたがって脱水行程を行う。
同様に、洗剤が所定量よりも多く投入された場合は洗い行程やすすぎ行程、脱水行程で泡が大量に発生してしまうが、脱水行程中に洗濯兼脱水槽4と水槽3との隙間22に所定量以上の泡が存在すると、泡が洗濯兼脱水槽4の外側の側面や水槽3の内側の側面に多く付着して回転の抵抗になってしまい、駆動手段7に過負荷がかかってしまって駆動手段7が所定時間内で所定回転数に到達しなかったり電流値が所定値以上に高くなってしまうので、この場合も、駆動手段7の回転数Nや電流値を検知して、駆動手段7への過負荷を検知したときは、脱水行程を中止して、給水弁16からすすぎ水を供給してパルセータ5を攪拌する修正すすぎを行う。洗濯兼脱水槽4にすすぎ水を供給するので、洗濯兼脱水槽4に残っている泡の濃度低減および泡自身の消泡を行うことができる。所定時間の修正すすぎが終了すると、図2に示す脱水シーケンスAにしたがって脱水行程を行う。
なお、修正すすぎ後の脱水行程において、再び被洗浄物21の片寄りが大きくて洗濯兼脱水槽4および水槽3の振動が大きくなったり、消泡が不十分で泡が洗濯兼脱水槽4の回転の抵抗になったりする場合は、修正すすぎを再び行うものである。
また、修正すすぎは、洗い行程後や各すすぎ行程後に行われる第一および第二の脱水行程において、洗濯兼脱水槽4の回転数Nが所定時間内に脱水所定回転数N2に到達しない場合や駆動手段7の電流値が所定値以上の場合に行われるが、どの修正すすぎも洗い行程
後に行われるので、例えば、洗い行程後の第一の脱水行程で修正すすぎになってしまい、さらに、修正すすぎ後の脱水行程でも、洗濯兼脱水槽4の回転数Nが脱水所定回転数N2に到達しなかったり駆動手段7の電流値が所定値以上であったりすると、再び修正すすぎになってしまい、修正すすぎを何回も繰り返す場合は、被洗浄物21は、修正すすぎのたびに、新しい水によるすすぎを実施されるので、修正すすぎを複数回繰り返してしまうときは、次のすすぎ行程に移行しても被洗浄物21は修正すすぎの繰り返し回数だけ新しいすすぎ水ですすぎを行っているので、すすぎ性能が低下するものではないので、次のすすぎ行程に移行しても問題はない。
すすぎ行程後に行われる修正すすぎについても同様である。
また、図2では、洗濯兼脱水槽4の回転数Nを、共振周波数回転数N1までは、ゆっくりと回転させるようにしたが、もっと早く立ち上げるものであってもよい。
また、洗濯シーケンスは、洗い−第一の脱水−すすぎ−第二の脱水−最終すすぎ−最終脱水行程で記載したが、すすぎ行程回数およびすすぎ行程後に行われる脱水行程回数を増やしたものであってもよい。
特許第4206865号公報 特開2000−24373号公報
しかしながら、図1および図2に示されるような従来の洗濯機1の構成では、以下のような課題がある。
被洗浄物21がトレーナー、タオル等の綿類、ジーンズ、下着類等の場合は、最終脱水行程において、図2に示すような脱水シーケンスAで特に問題もなく、洗濯兼脱水槽4は所定時間内で脱水所定回転数N2に到達し、脱水所定回転数N2を脱水所定時間維持することで、被洗浄物21に含まれているすすぎ水が洗濯兼脱水槽4の水抜き穴4aを介して水槽3へと遠心力により分離されていき、洗濯機1外へ排出されていく。その結果、所定の脱水性能を得ることができる。
一方、フリースのように、柔らかい起毛仕上げの繊維素材の被洗浄物21は、トレーナーと比較しても、水に濡れたときの含水量が非常に多く、しかも、洗濯兼脱水槽4の回転数が低回転で多くの水分が脱水される。そのため、フリースのような柔らかい起毛仕上げの繊維素材で多くの水分を含むことができ、洗濯兼脱水槽4が低回転でもほとんどの水分が脱水される被洗浄物21が所定量以上投入されていると、脱水時に、洗濯兼脱水槽4および水槽3の振動が所定内であり、また泡が無くても、水槽3、排水弁14および排水ホース15から排水される水の量よりも、被洗浄物21から水槽3の隙間22に出てくる水の方が多くなってしまい、所定量以上の水が水槽3の隙間22に溜まり洗濯兼脱水槽4が回転しているために水槽3の隙間22に滞留した水が洗濯兼脱水槽4の回転への抵抗となり、駆動手段7に過負荷がかかってしまう。
その結果、駆動手段7の過負荷を検知して最終脱水行程を中止し、給水弁16からすすぎ水を供給してパルセータ5を攪拌する修正すすぎを行ってしまうが、修正すすぎ後に行われる脱水行程においても、被洗浄物21から再び多くの水が出てきて、水槽3の隙間22に水が滞留してしまって洗濯兼脱水槽4の抵抗となり、駆動手段7に過負荷がかかって脱水行程を中止し、修正すすぎを行うという、修正すすぎを永遠に繰り返してしまうとい
う課題を有している(修正すすぎを何回も繰り返してしまっても次の行程に移行することができない)。
本発明は上記従来の課題を解決するもので、フリースのように柔らかい起毛仕上げの繊維素材の被洗浄物を多く洗濯して脱水する場合においても、確実に脱水させて終了させることを目的としている。
前記従来の課題を解決するため、本発明の洗濯機は、洗濯兼脱水槽を内部に回転自在に設置した水槽と、前記洗濯兼脱水槽を回転させる駆動手段と、前記水槽内に水を供給する給水弁と、前記水槽内の水を排水する排水手段と、被洗浄物を洗ってすすぎ、前記洗濯兼脱水槽を回転させて脱水する洗濯シーケンスに従って前記駆動手段、前記給水弁および前記排水手段を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記洗濯シーケンスにおける脱水行程で、共振周波数回転数に到達する前に前記駆動手段の異常を検知した場合は、脱水行程を中止して前記給水弁から水を供給してすすぐ修正すすぎを行った後に再度脱水工程を行い、その後、前記駆動手段の異常を再度検知した場合は、再度修正すすぎを行い、修正すすぎ脱水行程を行うようにしたものである。
これにより、フリースのように柔らかい起毛仕上げの繊維素材を多く含む被洗浄物であっても、所定の脱水性能を得て、運転を終了させることができる。
本発明の洗濯機は、フリースのように柔らかい起毛仕上げの繊維素材を多く含む被洗浄物であっても、所定の脱水性能を得て、運転を終了させることができる。
本発明の第1の実施の形態および従来の洗濯機の前後方向の縦断面図 同洗濯機の最終脱水行程での洗濯兼脱水槽の脱水シーケンスを表す図 本発明の第1の実施の形態における修正すすぎ後の脱水行程での洗濯兼脱水槽の脱水シーケンスを表す図 同洗濯機の修正すすぎ後の脱水行程での洗濯兼脱水槽の別の脱水シーケンスを表す図
第1の発明は、洗濯兼脱水槽を内部に回転自在に設置した水槽と、前記洗濯兼脱水槽を回転させる駆動手段と、前記水槽内に水を供給する給水弁と、前記水槽内の水を排水する排水手段と、被洗浄物を洗ってすすぎ、前記洗濯兼脱水槽を回転させて脱水する洗濯シーケンスに従って前記駆動手段、前記給水弁および前記排水手段を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記洗濯シーケンスにおける脱水行程で、共振周波数回転数に到達する前に前記駆動手段の異常を検知した場合は、脱水行程を中止して前記給水弁から水を供給してすすぐ修正すすぎを行った後に再度脱水工程を行い、その後、前記駆動手段の異常を再度検知した場合は、再度修正すすぎを行い、修正すすぎ脱水行程を行うようにしたものであり、共振周波数回転数に到達する前に検知した駆動手段の異常が衣類のアンバランスを起因として発生する異常ではなく、フリースのように柔らかい起毛仕上げの繊維素材を多く含む被洗浄物による異常であっても、所定の脱水性能を得て、運転を終了させることができる。
第2の発明は、特に、第1の発明の前記修正すすぎ脱水行程は、前記洗濯兼脱水槽が共振周波数回転数にまで到達する時間を、前記駆動手段の異常を検知しなかった場合の前記洗濯兼脱水槽が共振周波数回転数にまで到達する時間よりも長くしたものであり、フリー
スのように洗濯兼脱水槽の回転数が低回転でも多くの水分が脱水される被洗浄物において、脱水所定回転数よりも低い回転数でほとんど水分を除去させることができる。
その後、洗濯兼脱水槽の回転数を脱水所定回転数まで所定の時間で上昇させていっても、被洗浄物から洗濯兼脱水槽と水槽との隙間に洗濯兼脱水槽の回転に対する抵抗となって駆動手段に過負荷がかかってしまうぐらいに水が出てくることなく、洗濯兼脱水槽は脱水所定回転数まで上昇していくことができるので、洗濯兼脱水槽を脱水所定回転数で所定時間回転させて、被洗浄物は所定の脱水性能を得て、運転を終了させることができ、より確実に脱水を終了させることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、従来例と同じ構成のものは同一符号を付して説明を省略する。
(実施の形態1)
図1に示す洗濯機1において、吊り棒2により水槽3が吊り下げられており、水槽3の内部に洗濯兼脱水槽4が脱水回転可能に設けられている。洗濯兼脱水槽4は、底部にパルセータ5が回転自在に配設され、下側羽根6がパルセータ5と一体に設けられている。駆動手段7は、減速機構8および回転軸9を介してパルセータ5または洗濯兼脱水槽4を駆動する。
リント水路10は、パルセータ5の下側羽根6の外周のポンプ室11から洗濯兼脱水槽4の上部または中部に至るように設けられており、上部または中部に着脱可能なリントフィルタ12が設けられている。
排水手段13は、排水弁14および排水ホース15から構成され、水槽3内の洗濯水やすすぎ水を排水するものであり、給水弁16は水槽3内に洗濯水やすすぎ水を給水するものである。
洗濯兼脱水槽4の側面には水抜き穴4aが設けられており、水槽3および洗濯兼脱水槽4内の洗濯水またはすすぎ水を排水し終わった状態で洗濯兼脱水槽4を駆動手段7が回転させると、被洗浄物21が遠心力を受けて洗濯兼脱水槽4の側面に移動し、被洗浄物21に含まれている洗濯水およびすすぎ水が遠心力により洗濯兼脱水槽4の側面に設けた水抜き穴4aを介して水槽3へ移動していくものである。水抜き穴4aの大きさは、ブラジャーのフック等が引っかからない程度の大きさである。
洗濯兼脱水槽4の上部には、脱水時の振動を低減させるための流体バランサ17が設けられている。
洗濯機1の上部を構成する上部枠体18に蓋19が開閉自在に設けられ、また、その前方に、排水弁14、給水弁16および駆動手段7を制御する制御手段20が設けられている。
上記構成において動作を説明すると、使用者が蓋19を開いて衣類等の被洗浄物21を洗濯兼脱水槽4内に投入し、洗濯機1の電源を入れてスタートボタン(図示しない)を押すと、駆動手段7によりパルセータ5が正逆回転して被洗浄物21の量を検知する。そして、操作部(図示しない)に必要な洗剤量を表示するので、使用者は洗剤を所定の位置に所定量投入し(洗濯兼脱水槽4内でもよい)、蓋19を閉じることで、給水弁16から洗濯兼脱水槽4内に所定量の洗濯水が供給される。
所定量の洗濯水が供給されるとパルセータ5または洗濯兼脱水槽4が正逆回転して被洗
浄物21を洗う洗い行程が行われる。
所定時間の洗い行程が終了すると排水弁14により水槽3内の洗濯水が洗濯機1外へ排水される。そして、洗濯水が排水されると駆動手段7により洗濯兼脱水槽4が所定の回転数で回転して、被洗浄物21が含んでいる洗濯水を被洗浄物21から分離して排水する第一の脱水行程が行われる。
第一の脱水行程が終了すると、再び給水弁16から所定量のすすぎ水が水槽3に供給されてパルセータ5が正逆回転し、被洗浄物21をすすぐ第一のすすぎ行程が行われる。第一のすすぎ行程が終了すると、水槽3内のすすぎ水が洗濯機1外へ排水され、駆動手段7により洗濯兼脱水槽4が所定の回転数で回転して、被洗浄物21が含んでいるすすぎ水を被洗浄物21から分離して排水する第二の脱水行程が行われる。さらに、すすぎ水が供給されて最終すすぎ行程が行われ、その後、水槽3内のすすぎ水が排水され、洗濯兼脱水槽4が所定の回転数で回転する最終脱水行程が行われる。
最終脱水行程が行われると、運転が終了する。
第一の脱水行程、第二の脱水行程、最終脱水行程における脱水シーケンスAは、図2に示すように、洗濯兼脱水槽4の回転数Nが共振周波数回転数N1(300rpm前後の回転数)までは洗濯兼脱水槽4をゆっくりと回転させていき、洗濯兼脱水槽4の回転数Nが共振周波数回転数N1に到達すると脱水所定回転数N2まで素早く回転させる(図2において、(t2−t1)<t1)ように、駆動手段7が洗濯兼脱水槽4を回転させる。
また、図1に示すように、共振周波数回転数N1に到達するまでに、被洗浄物21が洗濯兼脱水槽4内の一方の側面に片寄ってしまうと、洗濯兼脱水槽4および水槽3の振動が大きくなってしまう。洗濯兼脱水槽4および水槽3の振動が大きくなると、洗濯兼脱水槽4および駆動手段7の回転数Nが所定時間内に脱水所定回転数N2に到達しなかったり、駆動手段7の電流値が駆動手段7の回転数Nが脱水所定回転数N2で回転しているときの電流値よりも高くなったりするので、共振周波数回転数N1に到達するまでに、駆動手段7の回転数Nや電流値を検知したり、共振周波数回転数N1に到達するまでに、直接水槽3の振動を検知したりして、それらの検知の値がある閾値以下または閾値以上になると異常と判断して脱水行程を中止し、給水弁16からすすぎ水を供給してパルセータ5を攪拌し、被洗浄物21が洗濯兼脱水槽4に片寄っているのを修正する修正すすぎを少なくとも1回は行う。
同様に、洗剤が所定量よりも多く投入された場合は、洗い行程、すすぎ行程および脱水行程で泡が大量に発生してしまうが、洗い行程後の第一の脱水行程中やすすぎ行程後の第二の脱水行程中に洗濯兼脱水槽4と水槽3との隙間22に所定量以上の泡が存在すると、泡が洗濯兼脱水槽4の外側の側面と水槽3の内側の側面に多く付着して回転の抵抗になってしまい、駆動手段7に過負荷が生じてしまう。この場合も駆動手段7が所定時間内で所定回転数で回転しなかったり電流値が所定値以上に高くなってしまうので、駆動手段7の回転数Nや電流値を検知することで、駆動手段7への過負荷を検知することができ、過負荷を検知すると脱水行程を中止して、給水弁16からすすぎ水を供給してパルセータ5を攪拌して被洗浄物21をすすぐ修正すすぎを少なくとも1回は行う。洗濯兼脱水槽4に新しいすすぎ水を供給するので、洗濯兼脱水槽4に残っている泡の濃度を低減したり泡自身を消泡したりすることができる。
1回目の修正すすぎが所定時間で終了すると、第一の脱水行程、第二の脱水行程、最終脱水行程における脱水シーケンスAは、図2に示すように再度、洗濯兼脱水槽4の回転数Nが共振周波数回転数N1までは洗濯兼脱水槽4をゆっくりと回転させていき、洗濯兼脱
水槽4の回転数Nが共振周波数回転数N1に到達すると脱水所定回転数N2まで素早く回転させる(図2において、(t2−t1)<t1)ように、駆動手段7が洗濯兼脱水槽4を回転させる。
このとき、駆動手段7の異常が衣類のアンバランスや泡の大量発生に起因するものであれば、1回目の修正すすぎで駆動手段7の異常がほぼ解消されるので、図2で示す脱水シーケンスAを問題なく実行可能になる。
しかしながら、駆動手段7の異常がフリースのような柔らかい起毛仕上げの繊維素材で構成される被洗浄物21が多い場合には、1回目の修正すすぎでは駆動手段7の異常が解消されないので、再度行う脱水工程において、共振周波数回転数N1に到達する前に、再度駆動手段7の異常を検知してしまう。
そこで、再度駆動手段7の異常を検知し場合には、図3に示すように、駆動手段7が洗濯兼脱水槽4を修正回転数N3(例えば、修正回転数N3≦共振周波数回転数N1、またはN3≒N1)まで回転させた後、洗濯兼脱水槽4の回転を(t4−t3)時間停止させる。そして、その後、修正すすぎ脱水行程を実施するが、洗濯兼脱水槽4の回転数Nが共振周波数回転数N1に到達する時間(t5−t4)を、脱水シーケンスAよりも長くして、すなわち、
(t5−t4)>t1
として、洗濯兼脱水槽4を回転させていき、洗濯兼脱水槽4の回転数Nが、共振周波数回転数N1に到達すると、脱水シーケンスAと同様に、脱水所定回転数N2まで素早く回転させる((t6−t5)=(t2−t1))。
前記の修正すすぎから修正すすぎ脱水行程までは、最終脱水行程において修正すすぎになった場合でも同様に行われるものである。
このように、修正すすぎ後に、洗濯兼脱水槽4を修正回転数N3まで回転させることにより、フリースのように洗濯兼脱水槽4の回転数が低回転でも多くの水分が脱水される被洗浄物21の水分を洗濯兼脱水槽4と水槽3との隙間22に排出し、その後、洗濯兼脱水槽4の回転を(t4−t3)時間停止させることにより、洗濯兼脱水槽4が回転しているために洗濯兼脱水槽4と水槽3との隙間22に滞留してしまう水を、洗濯機1外へ確実に排出することができる。
そして、図3に示すように、修正すすぎ脱水行程で、洗濯兼脱水槽4の回転数Nが共振周波数回転数N1に到達するまでの時間(t5−t4)を、図2に示す最終脱水行程の時間t1よりも長くする、すなわち、洗濯兼脱水槽4の回転数Nを脱水シーケンスAよりもゆっくりと増加させていくことにより、フリースのように洗濯兼脱水槽4の回転数Nが低回転でも多くの水分が脱水される被洗浄物21にまだ残っている水分を被洗浄物21からほとんど除去してから、洗濯兼脱水槽4の回転数Nを脱水所定回転数N2まで上昇させていくので、洗濯兼脱水槽4が回転する抵抗となって駆動手段7に過負荷がかかってしまうぐらいに被洗浄物21から洗濯兼脱水槽4と水槽3との隙間22に水が出てくることなく、洗濯兼脱水槽4は脱水所定回転数N2まで上昇していくことができる。
その結果、洗濯兼脱水槽4を脱水所定回転数N2で脱水所定時間回転させることができ、被洗浄物22は所定の脱水性能を得て、運転を終了させることができる。
なお、図4に示すように、修正すすぎ後から修正すすぎ脱水行程の間に行われる洗濯兼脱水槽4を回転させて停止させるシーケンスを、1回だけでなく、2回、3回と複数回設けてもよい。
このように構成された本実施の形態によれば、図1および図3に示すように、最終脱水行程において、洗濯兼脱水槽4あるいは駆動手段7への過負荷により駆動手段7の回転数Nや電流値等の異常を検知した場合は、最終脱水行程を中止して給水弁16から水を供給して被洗浄物21をすすぐ修正すすぎを行い、修正すすぎ後、少なくとも1回以上洗濯兼脱水槽4を修正回転数N3まで回転させた後、洗濯兼脱水槽4を(t4−t3)時間停止させ、その後、修正すすぎ脱水行程を行うことにより、フリースのように洗濯兼脱水槽4の回転数が低回転でも多くの水分が脱水される被洗浄物21の水分を洗濯兼脱水槽4と水槽3との隙間22に排出し、その後、洗濯兼脱水槽4の回転を(t4−t3)時間停止させることにより、洗濯兼脱水槽4が回転しているために洗濯兼脱水槽4と水槽3との隙間22に滞留してしまう水を、洗濯機1外へ確実に排出することができる。
そして、フリースのように多くの水分が脱水される被洗浄物21に残っている水分をほとんど除去しているので、洗濯兼脱水槽4の回転数Nを脱水所定回転数N2まで所定の時間で上昇させていっても、洗濯兼脱水槽4が回転する抵抗となって駆動手段7に過負荷がかかってしまうぐらいに被洗浄物21から洗濯兼脱水槽4と水槽3との隙間22に水が出てくることなく、洗濯兼脱水槽4は脱水所定回転数N2まで上昇していくことができる。その結果、洗濯兼脱水槽4を脱水所定回転数N2で脱水所定時間回転させることができ、被洗浄物22の所定の脱水性能を得て、運転を終了させることができる。
したがって、フリースのような柔らかい起毛仕上げの繊維素材で多くの水分を含んで洗濯兼脱水槽4が低回転でほとんどの水分が除去される被洗浄物21を所定量以上洗濯する場合でも、修正すすぎと脱水を何回も繰り返してしまい、被洗浄物21が脱水できない状態を防止することができ、確実に脱水させて終了させることができる。
なお、修正すすぎ後に行う洗濯兼脱水槽4を修正回転数N3に回転させる時間は、フリースのように多くの水分が脱水される被洗浄物21から水分がほとんど脱水される時間であればよい。
それから、修正すすぎ脱水行程において、図3に示す共振周波数回転数N1に到達するまでの時間(t5−t4)が、図2に示す最終脱水行程の共振周波数回転数N1に到達するまでの時間t1よりも長くなるように洗濯兼脱水槽4の回転数Nを増加させていくことにより、フリースのように、洗濯兼脱水槽4の回転数Nが低回転でも多くの水分が脱水される被洗浄物21において、修正すすぎ脱水行程前に行われる洗濯兼脱水槽4を回転させて停止させる行程でも除去し切れなかった水分を、脱水所定回転数N2よりも低い回転数である共振周波数回転数N1に到達するまでの間にほとんど除去させることができる。
その後、洗濯兼脱水槽4の回転数Nを脱水所定回転数N2まで所定の時間で上昇させていっても、被洗浄物21から洗濯兼脱水槽4と水槽3との隙間22に洗濯兼脱水槽4の回転に対する抵抗となって駆動手段7に過負荷がかかってしまうぐらいに水が出てくることなく、洗濯兼脱水槽4は脱水所定回転数N2まで上昇していくことができる。その結果、洗濯兼脱水槽4を脱水所定回転数N2で脱水所定時間回転させて、被洗浄物21は所定の脱水性能を得て、運転を終了させることができ、より確実に脱水を終了させることができる。
なお、最終脱水行程で異常を検知して修正すすぎを行った後、図3に示すように、少なくとも1回以上洗濯兼脱水槽4を回転して停止させた後に、修正すすぎ脱水行程の脱水シーケンスを行うのを、最終脱水行程で異常を検知して行う修正すすぎの後で実施するだけでなく、全ての修正すすぎ後でも行うようにすれば、フリースのような柔らかい起毛仕上げの繊維素材の被洗浄物21が所定量以上被洗浄物21に含まれている場合は、上記に記
載したように、洗い行程後の第一の脱水行程やすすぎ行程後の第二の脱水行程でも、異常を検知して修正すすぎを行うが、修正すすぎ後の修正すすぎ脱水行程の脱水シーケンスにより、洗濯兼脱水槽4を所定の回転数N2で回転させることができる。
また、課題についての説明を追記すると、フリースのように、柔らかい起毛仕上げの繊維素材の被洗浄物21は、トレーナーと比較しても、水に濡れたときの含水量が非常に多く(Lサイズのトレーナー:(湿潤時約1500g)−(乾布時約400g)=(含水1100g)に対し、Lサイズのフリース:(湿潤時約3000g)−(乾布時約400g)=(含水2600g)で、含水量がフリースの方が約1500g多い)、しかも、洗濯兼脱水槽4の回転数が低回転で多くの水分が脱水される(トレーナー:約300r/minから水分が除去されていくのに対し、フリース:約150〜300r/minで水分がほとんど除去される)。
そのため、フリースのような柔らかい起毛仕上げの繊維素材で多くの水分を含むことができ、洗濯兼脱水槽4が低回転でもほとんどの水分が脱水される被洗浄物21が所定量以上投入されていると(例えば、フリース枚数4枚までと取扱説明書に記載されているのに対して、6枚投入された場合等)、脱水時に、洗濯兼脱水槽4および水槽3の振動が所定内であり、また泡が無くても、水槽3、排水弁14および排水ホース15から排水される水の量よりも、被洗浄物21から水槽3の隙間22に出てくる水の方が多くなってしまい、所定量以上の水が水槽3の隙間22に溜まり洗濯兼脱水槽4が回転しているために水槽3の隙間22に滞留した水が洗濯兼脱水槽4の回転への抵抗となり、駆動手段7に過負荷がかかってしまう。
その結果、駆動手段7の過負荷を検知して最終脱水行程を中止し、給水弁16からすすぎ水を供給してパルセータ5を攪拌する修正すすぎを行ってしまうが、修正すすぎ後に行われる脱水行程においても、被洗浄物21から再び多くの水が出てきて、水槽3の隙間22に水が滞留してしまって洗濯兼脱水槽4の抵抗となり、駆動手段7に過負荷がかかって脱水行程を中止し、修正すすぎを行うという、修正すすぎを永遠に繰り返してしまう(最終脱水行程のため、修正すすぎを何回も繰り返してしまっても次の行程に移行することができない)。
これらの課題についても、本発明にかかる洗濯機は有用である。
以上のように、本発明にかかる洗濯機は、被洗浄物を確実に脱水させて終了させることができるので、家庭用の洗濯機だけでなく、業務用の洗濯機の用途にも適用できる。
1 洗濯機
3 水槽
4 洗濯兼脱水槽
5 パルセータ
7 駆動手段
13 排水手段
16 給水弁
20 制御手段
21 被洗浄物

Claims (2)

  1. 洗濯兼脱水槽を内部に回転自在に設置した水槽と、
    前記洗濯兼脱水槽を回転させる駆動手段と、
    前記水槽内に水を供給する給水弁と、
    前記水槽内の水を排水する排水手段と、
    被洗浄物を洗ってすすぎ、前記洗濯兼脱水槽を回転させて脱水する洗濯シーケンスに従って前記駆動手段、前記給水弁および前記排水手段を制御する制御手段とを備え、
    前記制御手段は、前記洗濯シーケンスにおける脱水行程で、
    共振周波数回転数に到達する前に前記駆動手段の異常を検知した場合は、脱水行程を中止して前記給水弁から水を供給してすすぐ修正すすぎを行った後に再度脱水工程を行い、
    その後、前記駆動手段の異常を再度検知した場合は、再度修正すすぎを行い、修正すすぎ脱水行程を行う洗濯機。
  2. 前記修正すすぎ脱水行程は、前記洗濯兼脱水槽が共振周波数回転数にまで到達する時間を、前記駆動手段の異常を検知しなかった場合の前記洗濯兼脱水槽が共振周波数回転数にまで到達する時間よりも長くした請求項1記載の洗濯機
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