JP2014217280A - 照明装置、及び植物育成装置 - Google Patents

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道子 前田
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Abstract

【課題】植物に照射される光のエネルギーの均一性を向上できる照明装置を提供する。【解決手段】照明装置(3)は、植物(PLT)に光(L)を照射する照明装置である。この照明装置は、青色光(Lb)を射出する第1の固体光源(4b)、および所定の第1方向(X軸方向)において第1の固体光源と異なる位置に配置され、赤色光(Lr)を射出する第2の固体光源(4r)を含む光源装置(5)と、第1の固体光源からの青色光および第2の固体光源からの赤色光を拡散する光拡散体(6)と、を備える。光拡散体は、第1方向に並ぶ複数の凸部を含み、複数の凸部のそれぞれが第1方向に交差する第2方向に延在しており、複数の凸部の稜線の間隔は、第1方向において不規則に変化し、かつ第2方向において不規則に変化する。【選択図】図1

Description

本発明は、照明装置、及び植物育成装置に関する。
近年、光源からの光の照射により、植物を育成する技術が提案されている(例えば、下記の特許文献1、2参照)。この技術において、植物へ光を照射する照明装置の光源には、例えば、高圧ナトリウムランプ、メタルハライドランプ、蛍光灯などのランプ光源、発光ダイオード(以下、LEDという)などの固体光源が用いられている。
固体光源は、ランプ光源と比較して、発する光の波長帯の設計自由度が高い。そのため、固体光源を用いた植物育成用の照明装置は、植物の育成への寄与が小さい波長帯の光の発光を減らすこと等ができる(例えば、下記の特許文献3参照)。
特許文献3の植物育成用照明装置は、青色LEDからの青色光および赤色LEDからの赤色光を植物に照射する構成である。ここで、LEDなどの固体光源は、発する光の広がり角がランプ光源よりも一般的に小さい。そのため、固体光源からの光を直接的に植物に照射する構成の照明装置は、植物の配置エリアの各位置における青色光と赤色光の光エネルギーの比率が配置エリア内で不均一になりやすい。
そこで、特許文献3では、青色光と赤色光の光エネルギーの比率を植物の配置エリア内で均一化するために、青色光と赤色光とを混合して植物に照射している。青色光と赤色光とを混合するには、青色LEDと赤色LEDとが並ぶ方向(以下、LEDの並び方向という)に各色光を広げればよい。特許文献3においては、拡散板により各色光を拡散することで、各色光を広げている。この拡散板は、ダイヤカット模様の凹凸形状を有しており、LEDからの光は、等方的に拡散されると考えられる。
(例えば、下記の特許文献3参照)
特開2005−176690号公報 特開2004−492111号公報 実用新案登録第3139194号公報
ところで、各色光を等方的に広げる場合には、LEDの並び方向に直交する幅方向において、各色光がLEDの並び方向と同様に広がる。そのため、幅方向において各色光が植物の配置エリアの外側へ漏れやすくなり、光のロスが増加してしまう。光のロスを抑制しようとすると、LEDの並び方向において各色光の広がり角が不足し、青色光と赤色光の光エネルギーの比率の均一性が低下することがありえる。
また、各色光をLEDの並び方向の1方向に広げる場合には、固体光源に由来する光エネルギーの分布がシャープであるので、LEDの並び方向に直交する方向において光エネルギーの均一性が不足することがありえる。
本発明は、上記の事情に鑑み成されたものであって、植物に照射される光のエネルギーの均一性を向上できる照明装置、及び植物育成装置を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様の照明装置は、植物に光を照射する照明装置であって、青色光を射出する第1の固体光源、および所定の第1方向において第1の固体光源と異なる位置に配置され、赤色光を射出する第2の固体光源を含む光源装置と、第1の固体光源からの青色光および第2の固体光源からの赤色光を拡散する光拡散体と、を備え、光拡散体は、第1方向に並ぶ複数の凸部を含み、複数の凸部のそれぞれが第1方向に交差する第2方向に延在しており、複数の凸部の稜線の間隔は、第1方向において不規則に変化し、かつ第2方向において不規則に変化する。
第1の態様の照明装置において、光源装置から光拡散体に入射して光拡散体上の各点から出射する光の光量子束密度の角度分布は、第1方向における半値全幅が10°以上50°以下であって、第2方向における半値全幅が第1方向における半値全幅より狭く、かつ1°以上10°以下であってもよい。
第1の態様の照明装置において、光源装置が射出する赤色光の光量子束密度は、光源装置が射出する青色光の光量子束密度の3倍以上20倍以下であってもよい。
第1の態様の照明装置において、光源装置に設けられた第2の固体光源の数は、光源装置に設けられた第1の固体光源の数よりも多くてもよい。
第1の態様の照明装置は、光源装置から光拡散体までの光路の長さが5mm以上50mm以下であってもよい。
本発明の第2の態様の植物育成装置は、第1の態様の照明装置と、照明装置から光が入射する位置に設けられ、植物が配置される配置部材と、を備える。
本発明の態様によれば、光エネルギーの均一性を向上できる照明装置、及び植物育成装置を提供することができる。
本実施形態による植物育成装置を示す側面図である。 本実施形態による植物育成装置を示す上面図である。 光拡散体の凹凸構造を拡大して示す斜視図である。 複数の凸部の延在方向に直交する面における、凹凸構造の断面図である。 光拡散体の厚み方向から見た複数の凸部の平面図である。 凸部の稜線のパターンの例を示す平面図である。 (A)、(B)は、凸部の稜線のパターンの他の例を示す平面図である。 光拡散体から出射する光の広がり角の測定方法の一例を示す図である。 光量子束密度の角度分布を示す図である。 (A)、(B)は、照明装置の光源装置の変形例を示す平面図である。 照明装置が集光体を備える変形例における光拡散体と集光体の部分の側面図である。
実施形態について説明する。図1は本実施形態による植物育成装置1を示す側面図、図2は植物育成装置1を示す上面図である。この植物育成装置1は、例えば植物工場などに用いられ、光の照射により植物PLTの育成を促進する。
図1に示すように、植物育成装置1は、植物PLTが配置される配置部材2と、配置部材2上の植物PLTに光Lを照射する照明装置3とを備える。照明装置3は、図2に示す照明領域IRに光を照射する。照明領域IRは、照明装置3から光が射出される方向から平面視した場合に、所定の第1方向を長手方向とし、第1方向に交差する第2方向を短手方向とする形状である。配置部材2は、照明装置3からの光Lが入射する位置、すなわち照明領域IRの少なくとも一部に配置されている。
以下の説明において、図1などに示すXYZ直交座標系を適宜参照して、部材の形状や配置などを説明する。このXYZ直交座標系において、X軸方向は、照明領域IRの長手方向すなわち第1方向に相当し、Y軸方向は、照明領域IRの短手方向すなわち第2方向に相当する。また、Z軸方向は、照明装置3から光が射出される方向に相当する。例えば、X軸方向とY軸方向は、それぞれ水平方向に設定され、Z軸方向は鉛直方向に設定される。
本実施形態の配置部材2は、植物PLTが植えられた鉢などの容器を載置可能な棚である。配置部材2は、植物PLTと、植物PLTの培養に用いられる土壌もしくは培養液とを収容する容器を含んでいてもよい。配置部材2は、照明装置3を向いた上面2aを有する。図2に示すように、配置部材2の上面2aは、例えば、照明領域IRの長手方向に長い外形であり、その内側に照明領域IRが収まる外寸に設定される。
照明装置3は、複数の固体光源4を含む光源装置5と、光源装置5から射出された光Lが入射する位置に配置された光拡散体6とを備える。光源装置5から射出された光Lは、光拡散体6によって拡散された後に、配置部材2上の植物PLTに照射される。照明装置3は、配置部材2へ向かう光Lの進行方向(Z軸方向)において、配置部材2との相対位置を可変である。換言すると、植物育成装置1は、照明装置3からの光Lを、植物PLTの高さ方向のいずれの位置を狙って照射するかを調整可能である。そのため、植物PLTが成長とともにその丈が伸びる場合などに、植物PLTの育成に適した位置を中心として、光Lを照射することができる。なお、配置部材2へ向かう光Lの進行方向(Z軸方向)において、配置部材2と照明装置3の一方を移動可能でもよいし、双方を移動可能でもよい。
図2に示すように、複数の固体光源4は、所定の第1方向すなわち照明領域IRの長手方向(X軸方向)とほぼ平行な方向に並んでいる。実施形態において、複数の固体光源4は、直線的に一列に並んでいる。光源装置5において、複数の固体光源4が配置された配置エリアは、X軸方向を長手方向としY軸方向を短手方向とする形状である。
複数の固体光源4は、青色光Lbを射出する第1の固体光源4bと、赤色光Lrを射出する第2の固体光源4rとを含む。第2の固体光源4rは、所定の第1方向すなわち照明領域IRの長手方向(X軸方向)において、第1の固体光源4bと異なる位置(座標)に配置されている。
本実施形態において、第1の固体光源4bと第2の固体光源4rのそれぞれは、発光ダイオード(LED)を含む。第1の固体光源4bは、波長が400nm以上500nm以下の青色光を射出する。第2の固体光源4rは、波長が600nm以上700nm以下の赤色光を射出する。本実施形態において、第1の固体光源4bと第2の固体光源4rは、いずれも、同一の支持体5aに取り付けられている。
本実施形態の光源装置5には、第1の固体光源4bが複数設けられているとともに、第2の固体光源4rが複数設けられている。複数の第1の固体光源4bは、X軸方向において所定のピッチで並んでいる。X軸方向に並ぶ2つの第1の固体光源4bの間には、複数(図1および図2では4つ)の第2の固体光源4rが所定のピッチで配置されている。すなわち、図1および図2においては、1つの第1の固体光源4bに対して4つの第2の固体光源4rが設けられている。このように、本実施形態において、光源装置5に設けられた第2の固体光源4rの数は、光源装置5に設けられた第1の固体光源4bの数よりも多い。
第1の固体光源4bからの青色光Lbは、光拡散体6により拡散された後に、照明領域IRのうちの青領域IRbに入射する。第2の固体光源4rからの赤色光Lrは、光拡散体6により拡散された後に、照明領域IRのうちの赤領域IRrに入射する。赤領域IRrは、照明領域IRの長手方向(X軸方向)において、青領域IRbと並んでいる。赤領域IRrの一部は、X軸方向において隣に配置される青領域IRbと重複している。すなわち、青領域IRbと赤領域IRrとの重複領域IRbrには、青色光Lbと赤色光Lrの双方が入射する。
また、本実施形態において、青領域IRbは、複数の第1の固体光源4bの並びに対応して、照明領域IRにおいてX軸方向に並んでいる。青領域IRbの一部は、X軸方向において隣の青領域IRbと重複している。すなわち、青領域IRbとその隣の青領域IRbとの重複領域IRbbには、2個の第1の固体光源4bから青色光が入射する。
ところで、植物の光合成にはクロロフィルという色素が関わっており、クロロフィルの吸収スペクトルは、赤色光の波長帯と青色光の波長帯とにピーク波長を有する。青色光の波長帯におけるピーク波長は、例えば450nm程度であり、赤色光の波長帯におけるピーク波長は、例えば660nm程度である。そのため、植物に照射される光のうち、波長が500nmよりも長く600nmよりも短い緑色光の占める割合を減らすことで、光の照射に要するエネルギーを低減しつつ植物の育成を促進することができる。
本実施形態において、光源装置5が射出する赤色光の光量子束密度は、光源装置5が射出する青色光の光量子束密度の3倍以上20倍以下に設定されている。これにより、植物に照射される光において、赤色光または青色光が過剰になることが抑制され、照射に要するエネルギーを低減しつつ植物の育成を促進することができる。
なお、光量子束密度は、光エネルギーを、単位面積の受光面に単位時間に入射する光子の数で表したものであり、一般的にμmolm−2−1の単位が用いられる。光量子束密度は、例えば光量子計により測定可能である。光量子計の一例としては、株式会社 日本医科器械製作所製のRGB光量子計が挙げられる。この光量子計は、赤色光の光量子束密度を青色光の光量子束密度と分けて測定可能である。
本実施形態において、光源装置5が射出する青色光の光量子束密度は、1個の第1の固体光源4bから射出される青色光の光量子束密度と、光源装置5に設けられた第1の固体光源4bの数との積である。1個の固体光源から射出される光の光量子束密度は、光量子計を用いて測定することができ、また固体光源の出力(例えば、単位がミリジュール)に換算係数を乗算することで算出することもできる。
赤色光についても同様に、光源装置5が射出する赤色光の光量子束密度は、1個の第2の固体光源4rから射出される赤色光の光量子束密度と、光源装置5に設けられた第2の固体光源4rの数との積である。すなわち、青色光に対応する第1の固体光源4bの数と、赤色光に対応する第2の固体光源4rの数との比率を調整することにより、光源装置5が射出する光における、赤色光の光量子束密度と青色光の光量子束密度との比率(以下、PFD比という)を調整することができる。
ところで、光の照射により植物PLTを効率よく育成するには、植物PLTが配置される照明領域IRにおけるPFD比を所望の値に設定するとよい。ここで、照明領域IRにおいて、青領域IRbと赤領域IRrとの重複領域IRbrにおいてPFD比を設定可能であることから、重複領域IRbrが広いほど、植物PLTを効率よく育成可能なスペースが広いことになる。重複領域IRbrを広げるには、青領域IRbと赤領域IRrとを、互いに接近する方向に広げるとよい。青色光Lbを射出する第1の固体光源4bと赤色光Lrを射出する第2の固体光源4rとの並び方向(X軸方向)において光を広げるほど、重複領域IRbrが広くなる
一般的に、光を広げる手法として、拡散粒子が分散された拡散板などを用いて光を等方的に拡散する第1の手法、回折光学素子などを用いて光を一方向に拡散する第2の手法などがある。第1の手法においては、固体光源の並び方向に光を広げるほど、並び方向に対する直交方向においても光が広げられる。この直交方向は、例えば照明領域の短手方向であることから、第1の手法においては、照明領域から光が漏れやすくなる。換言すると、照明領域からの光の漏れを減らそうとすれば、光の広がり角が不足して、照明領域のうちPFD比が不均一な領域が増えてしまう場合がある。また、第2の手法においては、固体光源からの光の光量子束密度の角度分布がシャープな分布であることに起因して、照明領域の短手方向に光を行き渡らせることが難しい場合がある。また、回折光学素子は、一般的に、等方的な拡散板に比べて回折角の波長依存性が強く、赤色光の回折角と青色光の回折角が異なる。そのため、第2の手法において、照明領域におけるPFD比を所望の値にしつつ均一に近づけようとすれば、回折光学素子の設計が難しくなり、装置コストが高くなる場合があり得る。このように、第2の手法によっても、照明領域におけるPFD比を所望の値にしつつ均一に近づけることは容易でない。
本実施形態に係る照明装置3は、光源装置5から射出された光Lを、光拡散体6によりX軸方向とY軸方向のそれぞれにおいて広げるとともに、光拡散体6から出射する光Lの広がり角をX軸方向においてY軸方向よりも広くする。そのため、照明装置3は、照明領域IRからの光の漏れや装置コストの高騰を抑制しつつ、植物PLTが配置される照明領域IRにおいて光エネルギー(PFD比)の均一性を向上できる。以下、光拡散体6について詳しく説明する。
本実施形態の光拡散体6は、板状の部材であり、光源装置5を向く上面6aと、上面6aの反対(配置部材2の配置側)を向く下面6bとを有する。光拡散体6の上面6aは、光源装置5において複数の固体光源4が配列される配列面5bに対向している。光拡散体6の上面6aは、例えば平坦面であり、光源装置5の配列面5bと平行に配置される。
光拡散体6は、例えば光源装置5と連結されており、光源装置5との相対位置が固定されている。光源装置5の固体光源4における光射出側の端面4aから、光拡散体6の上面6aまでの距離、すなわち光源装置5から光拡散体6までの光路の長さは、例えば5mm以上50mm以下の範囲に設定される。なお、光拡散体6は、光源装置5との相対位置が可変に取り付けられていてもよい。
光拡散体6は、光源装置5からの光Lの少なくとも一部が透過する材質からなる。光源装置5からの光Lは、光拡散体6の上面6aに入射して光拡散体6の内部を通った後、下面6bを通って光拡散体6から出射する。光拡散体6は、凹凸構造(後に説明する)を有しており、光拡散体6から出射する光は、この凹凸構造によって拡散される。
図3は、光拡散体6の凹凸構造11を拡大して示す斜視図である。図3に示すように、光拡散体6は、所定の第1方向(X軸方向)に複数の凸部10が並ぶ凹凸構造11を含む。複数の凸部10は、それぞれ、第1方向(X軸方向)に交差する第2方向(Y軸方向)に延在している。
図4は、複数の凸部10の延在方向(Y軸方向)に直交する面における、凹凸構造11の断面形状を示す図である。複数の凸部10のそれぞれは、光拡散体6の厚み方向(Z軸方向)において、凹凸構造11の表面が光源装置5(+Z側)に近づくピークP1の間の部分である。凸部10は、凹凸構造11の表面が照明領域IR(−Z側)に近づくピークP2を有する。凸部10の延在方向(Y軸方向)の各位置における断面ごとに、このようなピークP2の位置が求まり、それぞれの凸部10について、Y軸方向の各位置におけるピークP2を結ぶ線は、この凸部10の稜線に相当する。なお、ピークP2の位置の分布は、例えば原子間力顕微鏡(AFM)、電界放射顕微鏡(FEM)など表面形状測定装置を用いて、凹凸構造11の表面形状を測定すること等により得られる。
図4に示すように、Y軸方向に直交する面における複数の凸部10の断面形状は、同一ではなく、第1方向(X軸方向)において隣り合う一対の凸部10のピークP2(稜線)の間隔dは、複数の凸部10のうちいずれの一対の凸部10に着目するかにより、不規則に変化する。
図4に示すように、Y軸方向に直交する面における複数の凸部10の断面形状は、同一ではない。ここで、複数の凸部10から任意に1つの第1の凸部10aを選択し、この第1の凸部10aとX軸方向に並ぶ凸部10を順に、第2の凸部10b、第3の凸部10cとする。複数の凸部10において、第1の凸部10aと第2の凸部10bとの第1の間隔d1は、第2の凸部10bと第3の凸部10cとの第2の間隔d2と一般的に異なる。
また、Y軸方向の任意の位置における第1の間隔d1と第2の間隔d2との大小関係は、複数の凸部10のいずれを第1の凸部10aとして選択するかによって、変化する。また、Y軸方向の任意の位置における第1の間隔d1から第2間隔d2への変化量も、複数の凸部10のいずれを第1の凸部10aとして選択するかによって、変化する。
なお、Y軸方向に直交する面における複数の凸部10の断面形状は、多様に変化しており、第1の間隔d1が第2の間隔d2と同じである部分もありえるが、このような部分の出現頻度は、第1の間隔d1第2の間隔d2と異なる部分の出現頻度よりも十分に低い。本実施形態において、「間隔が一般的に異なる」とは、間隔が異なる部分の出現頻度が、間隔が同じである部分の出現頻度に比べて大きいことを意味する。
図5は、光拡散体6の厚み方向(Z軸方向)から(図4の下側から)見た複数の凸部10の平面図である。図5(A)には顕微鏡などで得られる画像を、図5(B)には図5(A)に対応する線画を図示した。図5(B)においてY軸方向に延びる線は、それぞれ、凸部10に相当する。図5に示すように、複数の凸部10のそれぞれは、Y軸方向に延在している。換言すると、複数の凸部10のそれぞれは、Y軸方向の寸法(長さ)がX軸方向の寸法(幅)よりも大きい。複数の凸部10のそれぞれは、一般的に波形状に蛇行しているが、ほぼ直線状の部分を含む場合も稀にある。
図6は、凸部10の稜線のパターンの例を示す平面図である。図6には、第1の凸部10aの稜線P3a、第2の凸部10bの稜線P3b、及び第3の凸部10cの稜線P3cが図示されており、3つの稜線P3a〜P3cはそれぞれ蛇行している。3つの稜線P3a〜P3cは、それぞれ、−X側に近づくピークP4および+X側に近づくピークP5を有する。稜線P3aにおけるピークP4のY軸方向の位置は、稜線P3bにおけるピークP4のY軸方向の位置と異なり、稜線P3cにおけるピークP4のY軸方向の位置とも異なる。同様に、稜線P3aにおけるピークP5のY軸方向の位置は、稜線P3bにおけるピークP5のY軸方向の位置と異なり、稜線P3cにおけるピークP5のY軸方向の位置とも異なる。
ところで、このような稜線P3a〜P3cのそれぞれの形状は、フーリエ級数で表現できる。稜線P3aをフーリエ級数で表現したときの各項の係数の組は、稜線P3bをフーリエ級数で表現したときの各項の係数の組と異なり、稜線P3cをフーリエ級数で表現したときの各項の係数の組とも異なる。換言すると、稜線P3aの形状を表す関数をフーリエ変換したときのスペクトルは、稜線P3bの形状を表す関数をフーリエ変換したときのスペクトルと異なり、また稜線P3cの形状を表す関数をフーリエ変換したときのスペクトルとも異なる。
ここで、Y軸方向の任意に選択される位置を位置Y1、位置Y2する。位置Y1において、稜線P3aから稜線P3bまでのX軸方向の間隔d3は、稜線P3bから稜線P3cまでのX軸方向の間隔d4と一般的に異なる。また、位置Y1と異なる位置Y2においても同様に、稜線P3aから稜線P3bまでのX軸方向の間隔d5は、稜線P3bから稜線P3cまでのX軸方向の間隔d6と一般的に異なる。すなわち、Y軸方向の任意の位置において、凸部10の稜線の間隔は、X軸方向に不規則に変化する。
また、X軸方向に並ぶ2つの稜線、例えば稜線P3aと稜線P3bは、互いに異なる形状(波形)であることから、稜線P3aと稜線P3bとの間隔は、Y軸方向においても不規則に変化する。すなわち、位置Y1とは異なる位置Y2における稜線P3aから稜線P3bまでの間隔d5は、位置Y1における稜線P3aから稜線P3bまでの間隔d3と一般的に異なる。図6の稜線P3aと稜線P3bは、それぞれ連続的な形状であることから、稜線P3aと稜線P3bとの間隔は、Y軸方向において連続的に、かつ不規則に変化する。
図7(A)および図7(B)は、それぞれ、凸部10の稜線のパターンの他の例を示す平面図である。図7(A)において、凹凸構造11は、枝分かれした凸部10dを含んでいる。凸部10dの稜線P3dは、稜線P3eと稜線P3fとに分岐している。稜線P3eと稜線P3fとの間隔d7は、凸部10dが枝分かれする位置からY軸方向に離れるにつれて、連続的に増加または減少する。このように、枝分かれした凸部10dにおいても稜線の間隔は、Y軸方向において不規則に変化する。
図7(B)において、凹凸構造11は、X軸方向に並ぶ3つの凸部10g〜10iを含んでいる。凸部10hの稜線P3hは、Y軸方向における寸法(長さ)が凸部10gの稜線P3gよりも短く、Y軸方向における端の位置が稜線P3gと異なる。同様に、凸部10hの稜線P3hは、Y軸方向における寸法と端の位置が凸部10iの稜線P3iとも異なる。この例において、Y軸方向において凸部10hの稜線P3hが延在する範囲の外側の領域においては、凸部10gと凸部10iとがX軸方向に並ぶことになる。すなわち、稜線P3gと隣の稜線との間隔は、稜線P3hのY軸方向の端の位置において、稜線P3gと稜線P3hの間隔d8から、稜線P3gと稜線P3iとの間隔d9に切り替わることになり、不連続に変化する。このように、X軸方向において隣り合う凸部10の稜線の間隔は、凸部10のY軸方向の端の位置が凸部10ごとに異なることによって、Y軸方向において不規則に変化する。
光拡散体6の凸部10は、例えば空気などのガスと接して配置され、外部と屈折率が異なっている。そのため、光拡散体6に入射した光は、凸部10と外部との界面で屈折する。ここで、凸部10の表面は、図4に示したように波面状に湾曲しているので、凸部10から出射する光は、光拡散体6に入射する際に比べて、X軸方向に広げられる。また、図5、図6などを参照して説明したように、X軸方向において隣り合う凸部10の間隔は、Y軸方向において不規則に変化している。そのため、凸部10から出射する光は、光拡散体6に入射する際の光と比べて、Y軸方向にも広げられる。
光拡散体6における凸部10のピークP2の間隔dは、その最頻値(最頻ピッチA)が、1μmを超え20μm以下、好ましくは1μmを超え10μm以下であることが好ましい。間隔dの最頻値が上記範囲外では、光拡散性が低くなる。
また、光拡散体6におけるピークP1とピークP2のZ軸方向の距離の平均値(平気深さB)の最頻ピッチAに対する比(アスペクト比)は、0.1以上が好ましく、0.3以上であることがより好ましい。アスペクト比が0.1未満であると光拡散性が不充分となりやすい。また、製造の容易性の観点から、アスペクト比は3.0以下が好ましく、2.0以下がより好ましい。
平均深さBを測定する方法としては、原子間力顕微鏡により撮影した凹凸パターンの断面の画像にて各底部の深さを測定し、それらの平均値を求める方法などが採られる。
図8は、光拡散体6から出射する光の広がり角の測定方法の一例を示す図である。図9は、光量子束密度の角度分布を示す図である。光の広がり角は、例えば、図8に示すように光量子計15を用いて光量子束密度の角度分布を測定し、その測定結果により評価できる。
図8において、符号BLは、単体の固体光源4から光が出射する方向に平行、かつ光拡散体6の下面6bから選択される測定点MPを通る基準線である。また、符号θは、基準線BLから光量子計15の測定方向までの角度であり、ここでは角度θの値を、時計回りにおいて負、反時計回りにおいて正としている。測定点MPからの光の広がり角を測定するには、例えば、光拡散体6の下面6bを遮光部材で覆うとともに、この遮光部材において測定点MPの近傍にピンホールなどの開口を設けておく。そして、光量子計15の位置を変化させることで角度θを変化させながら、各角度θに対する光量子束密度を測定する。このようにして、角度θに対する光量子束密度が、離散的な値として得られる。そして、例えば、光量子束密度の角度分布がガウス分布に従うと仮定し、光量子計15による測定結果に近似曲線を当てはめること等により、光量子束密度の角度分布を示す曲線(図9参照)が得られる。
なお、光量子計15の位置をXZ面に平行な面内で変化させながら測定を行うことで、X軸方向(第1方向)に関する光量子束密度の角度分布が得られる。また、光量子計15の位置をYZ面に平行な面内で変化させながら測定を行うことで、Y軸方向(第2方向)に関する光量子束密度の角度分布が得られる。
図9において、横軸は図8の定義による角度θであり、縦軸は光量子束密度である。図9において、符号C1は、X軸方向に関する光量子束密度の角度分布を示す曲線であり、符号C2は、Y軸方向に関する光量子束密度の角度分布を示す曲線である。図9には、光拡散体6に入射する光の光量子束密度の角度分布を示す曲線を、光拡散体6を経由した光との比較のために、符号C3で示した。ここでは、光拡散体6に入射する光の広がり角は、X軸方向(XZ面内)とY軸方向(YZ面内)とで等方的であり、曲線C3は、光拡散体6に入射する光についての、X軸方向とY軸方向のいずれに関する光量子束密度の角度分布を示す曲線として参照してもよい。
図9において、光拡散体6から出射した光に関する曲線C1および曲線C2は、いずれも、光拡散体6に入射する前の光に関する曲線C3と比較して、裾が広がった形状の分布を示している。光量子束密度の角度分布において裾が広がっているほど、光の広がり角が大きいことに対応するので、光拡散体6に入射した光が、X軸方向とY軸方向のそれぞれにおいて広げられている(拡散されている)ことが分かる。また、X軸方向に関する曲線C1は、Y軸方向に関する曲線C2よりも裾が広がった形状の分布を示している。このことから、光拡散体6は、複数の凸部10が並ぶX軸方向(図5参照)において光を広げる作用が、凸部10が延在するY軸方向において光を広げる作用よりも強いことが分かる。
なお、光の広がり角は、光量子束密度の角度分布における半値全幅により評価でき、半値全幅が広いほど光の広がり角が大きいことを示す。X軸方向に関する曲線C1は、角度が約0°において、光量子束密度がピーク値Hになる。第1方向(X軸方向)における半値全幅Wxは、光量子束密度がピーク値Hの半分の値(H/2)以上となる角度範囲である。半値全幅Wxは、例えば10°以上50°以下の範囲内に設定される。
また、Y軸方向に関する曲線C2においては、角度が約0°において光量子束密度がピーク値Hになる。第2方向(Y軸方向)における半値全幅Wyは、光量子束密度がピーク値Hの半分の値(H/2)以上となる角度範囲である。光拡散体6は、X軸方向における拡散作用がY軸方向における拡散作用よりも強いので、Y軸方向における半値全幅Wyは、X軸方向における半値全幅Wxよりも狭くなる。Y軸方向における半値全幅Wyは、例えば、1°以上10°以下に設定される。
このような光拡散体6は、以下の方法により好適に製造できる。
(i)加熱収縮可能な樹脂層と硬質層が積層した積層シートの、前記樹脂層を加熱収縮させて得た凹凸構造体を光拡散体6とする方法。
(ii)加熱収縮可能な樹脂層と硬質層が積層した積層シートの、前記樹脂層を加熱収縮させて得た凹凸構造体の凹凸構造を転写する方法。
上記各方法における硬質層としては、加熱収縮させる樹脂層よりガラス転移温度が高い樹脂層、または金属もしくは金属化合物の層が挙げられる。
以下、各々の方法について説明する。
(i−1)第1の樹脂層(加熱収縮可能な樹脂層)と第2の樹脂層(硬質層)が積層した積層体の、前記第1の樹脂層を加熱収縮させて得た凹凸構造体を光拡散体6とする方法。
まず、ガラス転移温度以上に加熱することにより収縮可能な第1の樹脂層(ガラス転移温度Tg)の片面に、表面が平滑な第2の樹脂層(ガラス転移温度Tg)を設けて積層シートを形成する。
ここで、(Tg−Tg)は10℃以上であり、20℃以上であることが好ましく、30℃以上であることがより好ましい。また、(Tg−Tg)は550℃以下であることが好ましく、200℃以下であることがより好ましい。
Tgは−150〜300℃であることが好ましく、−120〜200℃であることがより好ましい。Tgは40〜400℃であることが好ましく、80〜250℃であることがより好ましい。
第1の樹脂層の厚みは0.3〜500μmであることが好ましい。第2の樹脂層の厚みは0.05μmを超え5μm以下であることが好ましく、0.1〜2μmであることがより好ましい。
その後、Tg以上、Tg未満の温度に加熱し、第1の樹脂層を熱収縮させ、この熱収縮に伴い、第2の樹脂層を変形させる。
これにより、第2の樹脂層の表面に凹凸構造11が形成された凹凸構造体が得られる。なお、第2の樹脂層は、第1の樹脂層を熱収縮させる際の温度では軟化しないため、折りたたまれるように変形する。そのため、第1の樹脂層の第2の樹脂層側も凹凸構造11に追従した凹凸構造をとったものとなる。
得られた凹凸構造体をそのまま光拡散体6とするためには、第1の樹脂層と第2の樹脂層質を、共に透明樹脂で構成する。なお、凹凸構造体を後述の転写型とする場合は、第1の樹脂層と第2の樹脂層のいずれにおいても、透明性は要求されない。
第1の樹脂層を構成する透明樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、スチレン−ブタジエンブロック共重合体等のポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリジメチルシロキサン等のシリコーン樹脂、フッ素樹脂、ABS樹脂、ポリアミド、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリシクロオレフィンなどが挙げられる。
第1の樹脂層を構成する樹脂の種類にもよるが、第2の樹脂層を構成する透明樹脂としては、ポリビニルアルコール、ポリスチレン、アクリル樹脂、スチレン−アクリル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、フッ素樹脂などを使用することができる。
(i−2)加熱収縮可能な樹脂層と金属または金属化合物の層(硬質層)が積層した積層体の、前記樹脂層を加熱収縮させて得た凹凸構造体を光拡散体6とする方法。
まず、ガラス転移温度以上に加熱することにより収縮可能な樹脂層(ガラス転移温度Tg)の片面に、表面が平滑な金属または金属化合物の層を設けて積層シートを形成する。
ここで、Tgは−150〜300℃であることが好ましく、−120〜200℃であることがより好ましい。
樹脂層の厚みは0.3〜500μmであることが好ましい。金属または金属化合物の層の厚みは0.01μmを超え0.2μm以下であることが好ましく、0.02〜0.1μmであることがより好ましい。
その後、Tg以上の温度に加熱し、樹脂層を熱収縮させ、この熱収縮に伴い、金属または金属化合物の層を変形させる。
これにより、金属または金属化合物の層の表面に凹凸構造11が形成された凹凸構造体が得られる。なお、金属または金属化合物の層は、樹脂層を熱収縮させる程度の温度では軟化しないため、折りたたまれるように変形する。そのため、樹脂層の金属または金属化合物の層側も凹凸構造11に追従した凹凸構造をとったものとなる。
得られた凹凸構造体をそのまま光拡散体6とするためには、樹脂層を透明樹脂で構成すると共に、金属または金属化合物の層を、光透過性が得られる程度に薄く構成する。なお、凹凸構造体を後述の転写型とする場合は、樹脂層と金属または金属化合物の層のいずれにおいても、透明性は要求されない。
樹脂層を構成する透明樹脂としては、前記第1の樹脂層を構成する透明樹脂と同様のものが使用できる。金属または金属化合物の層としては、金、アルミニウム、銀、炭素、銅、ゲルマニウム、インジウム、マグネシウム、ニオブ、パラジウム、鉛、白金、シリコン、スズ、チタン、バナジウム、亜鉛、ビスマスよりなる群から選ばれる少なくとも1種の金属が好ましい。
(ii)加熱収縮可能な樹脂層と硬質層が積層した積層シートの、前記樹脂層を加熱収縮させて得た凹凸構造体の凹凸構造を転写する方法。
前記(i−1)、(i−2)において得られた凹凸構造体を転写型として、その凹凸構造11を転写した転写物を光拡散体6とする方法である。或いは、前記(i−1)、(i−2)において得られた凹凸構造体を射出成形用の型の一部として、その凹凸構造11を転写した射出成形物を光拡散体6とする方法である。
転写回数に制限はなく、偶数回でも奇数回でもよい。電気鋳造法が利用できることから、2回転写が好ましい。電気鋳造法は、(i−1)、(i−2)において得られた凹凸構造体の凹凸構造11の面に、ニッケルなどでめっきを行ってニッケルスタンパーを作製し、得られたニッケルスタンパーを型として、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂または紫外線硬化性樹脂に転写させる方法である。
なお、転写により凹凸構造が形成される面の反対面に、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレートなどのポリマーからなる基材が積層されていてもよい。
転写により凹凸構造を形成する樹脂は透明樹脂であることが好ましい。透明樹脂は、熱可塑性樹脂であってもよいし、熱硬化性樹脂(熱硬化性プレポリマーまたはモノマーの硬化物)であってもよい。熱可塑性樹脂としては、アクリル樹脂、ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリエステル等が挙げられる。熱硬化性プレポリマーとしては、エポキシアクリレート、エポキシ化油アクリレート、ウレタンアクリレート、不飽和ポリエステル、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ビニル/アクリレート、ポリエン/アクリレート、シリコーンアクリレート、ポリブタジエン、ポリスチリルメチルメタクリレート等が挙げられる。熱硬化性モノマーとしては、脂肪族アクリレート、脂環式アクリレート、芳香族アクリレート、水酸基含有アクリレート、アリル基含有アクリレート、グリシジル基含有アクリレート、カルボキシ基含有アクリレート、ハロゲン含有アクリレート等が挙げられる。
上述したような本実施形態の照明装置3において、光拡散体6は、X軸方向とY軸方向の双方において光を拡散しつつ、光拡散体6から出射する光のX軸方向の広がり角をY軸方向の広がり角よりも大きくする。このX軸方向は、照明領域IRにおける青領域IRbと赤領域IRrとの並び方向に対応するので、青領域IRbと赤領域IRrとの重複領域IRbrが広くなり、照明領域IRにおいてPFD比の均一性が向上する。結果として、植物育成装置1は、植物を効率よく育成可能なスペースを広くとれる。また、照明装置3において、光拡散体6から出射する光のY軸方向の広がり角がX軸方向の広がり角よりも小さいので、照明領域IRの短手方向に光が漏れることを抑制できる。結果として、植物育成装置1は、植物の育成に必要とされるエネルギーを抑えることができる。
また、本実施形態においては、光拡散体6上の各点から出射する光の光量子束密度の角度分布は、X軸方向における半値全幅Wxが10°以上50°以下であって、Y軸方向における半値全幅Wyが第1方向における半値全幅Wxより狭く、かつ1°以上10°以下である。そのため、照明領域IRにおいてPFD比の均一性を向上させつつ、Y軸方向における照明領域IRからの光の漏れを格段に抑制できる。
本実施形態の照明装置3は、照明領域IRがX軸方向を長手としY軸方向を短手とする形状である。そのため、植物育成装置1は、植物を育成する際の短手方向からの作業性が高く、使い勝手がよい。本実施形態においては、複数の第1の固体光源4bと複数の第2の固体光源4rとがX軸方向に配列されているので、照明領域IRをX軸方向において長くしやすい。
また、本実施形態において、光源装置5に設けられた第2の固体光源4rの数は、光源装置5に設けられた第1の固体光源4bの数よりも多い。そのため、光源装置5が射出する赤色光の光量子束密度を、青色光の光量子束密度よりも大きくしやすい。結果として、照明装置3は、植物を効率よく育成可能になる。このような光源装置5にあっては、第1の固体光源4bの間に配置される第2の固体光源4rの数が増えるので、第1の固体光源4bのピッチが広くなりやすい。そのため、通常であれば、照明領域IRにおける青領域IRbのピッチが広くなりやすいが、本実施形態においては、光拡散体6により青色光をX軸方向に効果的に広げることができるので、青領域IRbの間隔を減らすこと、あるいは青領域IRbを互いに重ねることができる。そのため、X軸方向において、照明領域IRに占める青領域IRbの割合を高めることができる。結果として、青領域IRbと赤領域IRrとの重複領域IRbrを広げることができ、照明領域IRにおいてPFD比を均一に近づけることができる。なお、X軸方向における青領域IRbの周縁部は、図9の曲線C1が示す光量子束密度の角度分布において相対的に角度θの絶対値が大きい部分に相当し、青領域IRbのうちで光量子束密度が相対的に低い。本実施形態においては、X軸方向に並ぶ青領域IRbの周縁部を重ね合せるので、この部分の光量子束密度が増加し、照明領域IRにおけるPFD比を均一に近づけることができる。
本実施形態の照明装置3は、光源装置5から光拡散体6までの光路の長さが5mm以上50mm以下である。この範囲の下限値以上にすることにより、光拡散体6から出射する光のY軸方向の広がり角を確保できる。また、上記の範囲の上限値以下にすることで、複数の固体光源4から射出された光が光拡散体6上に形成するスポットを光拡散体6に納めやすくなり、光拡散体6を小型にできる。
次に、照明装置3の変形例について説明する。
図10(A)は、照明装置3の光源装置5の変形例を示す平面図である。図2においては、固体光源4が並ぶ列の数が1つであったが、図10(A)においては、固体光源4が並ぶ列の数が複数である。本変形例の光源装置5は、青色光を射出する第1の固体光源4bが直線的に並ぶ列18と、赤色光を射出する第2の固体光源4rが直線的に並ぶ列19とを備える。列18と列19は、Y軸方向の位置が異なっている。ここでは、列19が2つ設けられており、列18は、Y軸方向において2つの列19の間に配置されている。本変形例において、列18の第1の固体光源4bは、X軸方向の位置が列19の第2の固体光源4rのいずれとも異なっている。本変形例のように、第1の固体光源4bは、X軸方向の位置およびY軸方向の位置のそれぞれが第2の固体光源4rと異なっていてもよい。このような光源装置5を備える照明装置3においても、照明領域IRにおけるPFD比を均一に近づけることができる。
図10(B)は、照明装置3の光源装置5の他の変形例を示す平面図である図10(B)に示す光源装置5は、第1変形例と同様に、第1の固体光源4bの列18と、第2の固体光源4rの列19とを備える。本変形例においては、列19の第2の固体光源4rのうち、一部の第2の固体光源4rは、列18の第1の固体光源4bとX軸方向の位置がほぼ同じである。列18における第2の固体光源4rのピッチは、列19における第1の固体光源4bのピッチよりも狭く、X軸方向において、第1の固体光源4bの間にも第2の固体光源4rが配置されている。このように、光源装置5は、X軸方向において第1の固体光源4bと異なる位置に配置された第2の固体光源4rを含んでいればよく、複数の第2の固体光源4rの一部は、第1の固体光源4bとX軸方向の位置が同じでもよい。このような光源装置5を備える照明装置3においても、照明領域IRにおけるPFD比を均一に近づけることができる。
照明装置3は、さらに集光体20を備えてもよい。集光体20は集光機能を有する層であり、集光機能とは、斜めから入射した光を、出射面と直交する方向に立ち上げて出射させる機能である。
図11に、照明装置3が集光体20を備える変形例における光拡散体6と集光体20の部分の側面図を示す。本変形例において、照明装置3は、光源装置5と光拡散体6との間に集光体20を有する。集光体20は、透明シート状基材の光源装置5からの光の入射面に、プリズム形状またはレンチキュラー形状が1次元配列した形状、ピラミッド形状が2次元配列した形状などが賦形されてなるものが挙げられ、本発明の場合は、Y軸方向にプリズム形状またはレンチキュラー形状が延在する集光体20が好ましい。
光源装置5の固体光源4から射出された光Lが光拡散体6の入射面に直接入射する場合、光Lの一部は光拡散体6の入射面に対し斜めに入射して反射されるため、光エネルギーのロスが発生する。
本変形例では、光源装置5と光拡散体6との間に集光体20を配置することによって、集光体20の入射面に対し斜めに入射した光の進路を光拡散体6の入射面と直交する方向に立ち上げて、光拡散体6の中へ送り込むことができる。そのため、光エネルギーのロスを低減することができる。
光拡散体6と集光体20は、離間して配置されてもよいし、2つを密着して、或いは接着して配置されてもよい。
光拡散体6と集光体20は射出成型により一体成形されたものであってもよいし、透明シート基材の表裏にインプリントされたものでもよい。
なお、本発明の技術範囲は、上記の実施形態あるいは変形例に限定されるものではない。例えば、上記の実施形態あるいは変形例で説明した要素の1つ以上は、省略されることがある。また、上記の実施形態あるいは変形例で説明した要素は、適宜組み合わせることができる。
なお、図1、図2などの説明において、複数の固体光源4がいずれもLEDを含む例を説明したが、複数の固体光源4は、それぞれ、レーザーダイオード(LD)を含んでいてもよい。一般的に、LDから射出される光の広がり角は、LEDから射出される光の広がり角よりも小さい。このようなLDを用いて光源装置5を構成する場合には、例えば、図10に示した光拡散体6を用いて、凹凸構造11を含む第1拡散層20に入射する前の光を拡散してもよい。また、LDを用いて光源装置5を構成する場合に、光源装置5から凹凸構造11に至る光路に、等方的な拡散板を配置してもよい。また、LEDとしては、発光層が無機材料で形成されたものの他に、発光層が有機材料で形成された有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)素子を用いてもよい。
なお、上記の実施形態においては、光拡散体6の光出射側に凹凸構造11が設けられているが、凹凸構造11は光拡散体6の光入射側に設けられていてもよい。また、凹凸構造11において、複数の凸部10の間には、凸部10と屈折率が異なる材料が埋め込まれていてもよく、これにより、凹凸構造11が平坦化あるいは保護されていてもよい。このような構成においても、凸部10と外部との屈折率の違いにより、光を散乱することができる。
なお、上記の実施形態においては、光源装置5に設けられた第1の固体光源4bの数と第2の固体光源4rの数との違いにより、PFD比を調整しているが、第1の固体光源4bへの供給電力と第2の固体光源4rの違いによりPFD比を調整してもよい。すなわち、1個の固体光源から射出される光の光量子束密度は、この固体光源に供給される電力の増加により、増加する傾向がある。そのため、青色光に対応する第1の固体光源4bに供給される電力と、赤色光に対応する第2の固体光源4rに供給される電力の一方または双方を調整することにより、PFD比を調整することができる。また、PFD比は、固定値であってもよいし、可変値であってもよい。
1 植物育成装置、2 配置部材、3 照明装置、4 固体光源、4b 第1の固体光源、4r 第2の固体光源、5 光源装置、6 光拡散体、10 凸部、Lb 青色光Lr 赤色光、PLT 植物、Wx 半値全幅、Wy 半値全幅

Claims (6)

  1. 植物に光を照射する照明装置であって、
    青色光を射出する第1の固体光源、および所定の第1方向において前記第1の固体光源と異なる位置に配置され、赤色光を射出する第2の固体光源を含む光源装置と、
    前記第1の固体光源からの青色光および前記第2の固体光源からの赤色光を拡散する光拡散体と、を備え、
    前記光拡散体は、前記第1方向に並ぶ複数の凸部を含み、前記複数の凸部のそれぞれが前記第1方向に交差する第2方向に延在しており、
    前記複数の凸部の稜線の間隔は、前記第1方向において不規則に変化し、かつ前記第2方向において不規則に変化する照明装置。
  2. 前記光源装置から前記光拡散体に入射して該光拡散体上の各点から出射する光の光量子束密度の角度分布は、前記第1方向における半値全幅が10°以上50°以下であって、前記第2方向における半値全幅が前記第1方向における半値全幅より狭く、かつ1°以上10°以下である
    請求項1に記載の照明装置。
  3. 前記光源装置が射出する前記赤色光の光量子束密度は、前記光源装置が射出する前記青色光の光量子束密度の3倍以上20倍以下である
    請求項1または2に記載の照明装置。
  4. 前記光源装置に設けられた前記第2の固体光源の数は、前記光源装置に設けられた前記第1の固体光源の数よりも多い
    請求項1から3のいずれか一項に記載の照明装置。
  5. 前記光源装置から前記光拡散体までの光路の長さが5mm以上50mm以下である
    請求項1から4のいずれか一項に記載の照明装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の照明装置と、
    前記照明装置から光が入射する位置に設けられ、植物が配置される配置部材と、
    を備える植物育成装置。
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