JP5864397B2 - 人工光利用型植物工場向け照明装置の導光板及びその製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、光源から広範囲にわたり可能な限り均一かつ高効率な光照射と低価格化を実現するための、人工光利用型植物工場向け照明装置に用いられる、導光板及びその製造方法を提供することにある。
以下の発明の態様は、本発明の構成を例示するものであり、本発明の多様な構成の理解を容易にするために、項別けして説明するものである。各項は、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、発明を実施するための最良の形態を参酌しつつ、各項の構成要素の一部を置換し、削除し、又は、更に他の構成要素を付加したものについても、本願発明の技術的範囲に含まれ得るものである。
ここで、導光板の上面のドットパターンは、複数の円形のドットを等間隔に、かつ、導光板の上面の中央部及び四隅部に近くなるに従い、円形のドットの直径が大きくなるように刻印されている。そして、ドットの直径が大きい場所ほど、ドットによる光路の屈折作用が得られる面積が増大することから、導光板の上面の中央部及び四隅部に近くなるに従い、この光路の屈折作用も大きくなる。そして、導光板の下面の全体にわたる光量子束密度を適切に制御し、広範囲にわたり可能な限り均一かつ高輝度な光照射を目指すものである。
本項に記載の人工光利用型植物工場向け照明装置の導光板は、複数の円形のドットが、格子状に等間隔で配置され、かつ、最大直径と最小直径との比率が1:0.7の範囲に収まるように形成されていることで、上記(1)項記載の作用を得るものである。すなわち、導光板の上面の中央部及び四隅部に刻印される円形のドットの直径を1としたとき、導光板の上面の中央部及び四隅部の中間部に刻印される円形のドットの直径を0.7とするものである。そして、導光板の下面の全体にわたる光量子束密度を適切に制御し、育苗棚の広範囲にわたり可能な限り均一かつ高効率な光照射を目指すものである。
本項に記載の人工光利用型植物工場向け照明装置の導光板は、円形のドットの凹形状として球形の一部である球面形状が与えられ、更に、ドットパターンは、導光板の上面の中央部及び四隅部において最大直径が与えられると共に、導光板の上面の中央部及び四隅部の中間部において最小直径が与えられている。そして、ドットパターンは、導光板の上面において、中央部を中心とする平面視同心円状に、中央部から中間部に至るまでは、ドットの直径が最大直径から最小直径へと徐々に変化し、中間部から四隅部に至るまでは、ドットの直径が最小直径から最大直径へと徐々に変化している。これらは、例えば、導光板の下面に対して所定間隔だけ離間した位置における、光の照射ムラを低減する所望の光量子束密度を得られるように与えられているものである。
本項に記載の人工光利用型植物工場向け照明装置の導光板は、所定値以上の透過率を有するアクリル板からなることで、光源モジュールからの出射光が、導光板の少なくとも2辺から導光板内へと入光し、導光板内を進行する過程での減衰を、可能な限り防ぐものである。
本項に記載の人工光利用型植物工場向け照明装置の導光板の製造方法は、平面視で矩形のアクリル板の表裏面の一方に、円形の凹状ドットをレーザー加工機によって刻印することで、所定のドットパターンを有する導光板を製造するものである。レーザー加工機により円形の凹状ドットからなるドットパターンを刻印する際には、例えば、所定のグラデーション原画を作成し、このグラデーション原画をドットパターン情報へと変換して、レーザー加工機を駆動するものである。
本項に記載の人工光利用型植物工場向け照明装置の導光板の製造方法は、平面視で矩形のアクリル板の表裏面の一方に対し、金型によって凹状ドットを成型するものである。なお、金型に円形の状ドットに対応する凸状ドットからなるドットパターンを形成する際には、例えば、所定のグラデーション原画を作成し、このグラデーション原画をドットパターン情報へと変換して、金型加工機を駆動するものである。
図1には、本発明の実施の形態に係る導光板14を備える、人工光利用型植物工場向け照明装置10(以下、単に「照明装置」ともいう。)が、植物栽培棚(育苗棚)12と共に示されている。この照明装置10は、平面視で矩形の導光板14(図3、図6参照)と、導光板14の側面のうち少なくとも2辺の全長にわたって密接配置される、光源モジュール16とを有している。本実施の形態では図3に示されるように、導光板14の4辺の外周端面14cに、各端面14cの略全長にわたって、光源モジュール16を配置している。この光源モジュール16は、長手方向に複数のLEDパッケージ18を有している。又、光源モジュール16を保持する金属枠20を有している。又、導光板14の上面14aには、反射シート材22が密接配置されている。そして、導光板14、光源モジュール16を保持する金属枠20及び反射シート材22は、外枠24によって保持される。
続いて、照明装置10を構成する導光板14、光源モジュール16及び金属枠20について、詳しく説明する。
上述のドット40の構成は、導光板14の下面14bに対して所定間隔X(図1)、すなわち、植物栽培棚12で栽培される植物の種類に応じて育成を促すに適した距離(図示の例ではX=300mm)だけ下方に離間した位置における、光の照射ムラを低減する所望の光量子束密度を得るために、本発明者らの鋭意研究の結果、得られたものである。
個々で用いられるLEDパッケージ18は、何れも、図4(c)に示されるように、中心部にLEDチップ18aが配置され、その周囲が透明樹脂18b等によって、樹脂封袋18cに封止されたものである。樹脂封袋18cには、LEDチップ18aへと通電するための電極(リード)18dが設けられており、この電極18dが基板42に実装される。又、基板42には、抵抗素子44も実装されている。
なお、青色LED18B、赤色LED18Rの配列については、必要に応じて適宜変更して構成することとする。
なお、金属枠20と同様の理由から、外枠24についても、アルミニウム合金により構成されており、図1に示されるように、外枠24の放熱性を高めるための放熱フィン24cが設けられている。
まず、本発明の実施の形態に係る、人工光利用型植物工場向け照明装置10の導光板14は、平面視で矩形をなし、導光板14の側面14cの全長にわたって密接配置される、複数のLEDパッケージ18を長手方向に有する光源モジュール16と共に用いられるものであり、光源モジュール16が金属枠20によって保持されて、照明装置を構成するものである。又、光源モジュール16からの出射光L16が、導光板14の少なくとも2辺の全長にわたる部分から導光板14内へと入光し、導光板14内を進行する過程で、導光板の上面14a又は下面14bで光路が屈折され、導光板14の下面14bから、面状の光として照射されるものである。
ここで、導光板14の上面14aのドットパターンは、複数の円形のドット40を等間隔a(図7(b))で、かつ、図6(a)に示されるように、導光板14の上面14aの中央部及び四隅部に近くなるに従い、円形のドットの直径が大きくなるように刻印されている。そして、ドット40の直径が大きい場所ほど、上面14aの単位面積あたりの、ドット40による光路の屈折作用が得られる面積が増大することから(図6(b)(c)に示される矢印参L16参照)、導光板14の上面14aの中央部及び四隅部に近くなるに従い、光路の屈折作用も大きくなる。そして、導光板14の下面14aの全体にわたる光量子束密度を適切に制御し、広範囲にわたり可能な限り均一かつ高効率な光照射を実現するものとなる。
そして、本発明の実施の形態に係る導光板14を備える人工光利用型植物工場向け照明装置10によれば、植物栽培棚12の全体にわたり、植物がより均等に育成されることとなり、品質の一定な植物生産を行なうことが可能となる。
又、複数の円形のドット40が、格子状に等間隔aで配置されていることで、導光板14内の光L16の屈折作用の調整を、主としてドット40の直径に基づき、簡単かつ高い再現性を以って行なうことが可能となる。
本データを得るにあたり、導光板14の下面14b(発光面)の平面視で600mm×600mmの範囲を、25mmピッチの碁盤の目状に割り振った交点位置を、光量子束密度計で計測している。そして、図8(a)(b)の比較から明らかなように、本発明の実施の形態に係る、図8(a)に示される光量子束密度の等高線の方が、光量子束密度の大きい範囲が広く、光の照射ムラが低減されていることが確認される。又、光量子束密度の合計で、200PPFD以上の光を供給することが可能となっている。
又、光源モジュール16の青色LED18Bと赤色LED18Rとからの出射光が、導光板14の外周端面14aから導光板14内へと入光し、導光板14内を進行する過程で混ざり合い、導光板14の下面14bの全体にわたり照射される光の周波数を、植物栽培棚12における、植物の育成に適したものとしている。
Claims (6)
- 複数のLEDを有する光源モジュールを光源に有する、人工光利用型植物工場向け照明装置の導光板であって、
平面視で矩形をなし、少なくとも側面の2辺の全長にわたって密接配置されると共に前記複数のLEDを長手方向に有する前記光源モジュールからの出射光を、前記側面から受けて下面へと出射させるためのドットパターンが、上面に形成され、
該ドットパターンは、複数の円形の凹状ドットが等間隔に、かつ、前記導光板の上面の中央部及び四隅部に近くなるに従い、前記円形の凹状ドットの直径が大きくなるように形成されていることを特徴とする人工光利用型植物工場向け照明装置の導光板。 - 前記複数の円形の凹状ドットが、格子状に等間隔で配置され、かつ、最大直径と最小直径との比率が1:0.7の範囲に収まるように形成されていることを特徴とする請求項1記載の人工光利用型植物工場向け照明装置の導光板。
- 前記円形のドットに球面形状の凹形状が与えられ、及び、前記ドットパターンは、前記導光板の上面の中央部及び四隅部において最大直径が与えられると共に、前記中央部及び前記四隅部の中間部において最小直径が与えられ、前記中央部を中心とする平面視同心円状に、前記中央部から前記中間部に至るまでは、ドットの直径が最大直径から最小直径へと徐々に変化し、前記中間部から前記四隅部に至るまでは、ドットの直径が最小直径から最大直径へと徐々に変化することを特徴とする請求項2記載の人工光利用型植物工場向け照明装置の導光板。
- 所定値以上の透過率を有するアクリル板からなることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の人工光利用型植物工場向け照明装置の導光板。
- 請求項1から4のいずれか1項記載の人工光利用型植物工場向け照明装置の導光板の製造方法であって、平面視で矩形のアクリル板の表裏面の一方に、前記円形の凹状ドットをレーザー加工機によって刻印することを特徴とする製造方法。
- 請求項1から4のいずれか1項記載の人工光利用型植物工場向け照明装置の導光板の製造方法であって、表裏面の一方に、前記円形の凹状ドットを有する平面視で矩形のアクリル板を、金型を用いて成型することを特徴とする製造方法。
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