JP6781991B2 - 果実発色促進装置 - Google Patents
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Description
この現象を利用すると、文字や図形をかたどった不透光性のシールを果皮に貼り付けることで果実の表面に文字や図形を容易に描くことができる。近年では、このような果実が高付加価値商品として市場に流通している。果皮に上記シールを貼り付ける作業は樹上で行われることが多いが、この場合、球回し等の労力を要するだけでなく、歩留まりが悪いという課題があった。
そこで、本願の出願人は、特許文献1に示すように、収穫された果実に上記シールを貼り付けた状態で特定の波長領域の光を照射することで果皮を効率よく発色させる装置を開発した。
特許文献1に開示された発明においては、LED光源から発せられた光の散逸が容器体によって防止されるとともに、その光が容器体の内側面で反射されて、果実の表面の全周に照射されるという作用を有する。したがって、この発明によれば、果実の果皮の全周において発色を促進することができる。
特許文献2に開示された発明は、LEDなどからなる複数の光源が発する光を拡散して面光源として機能する光路調整部材が、光源と植物の間に配置されるとともに、この光路調整部材を支持する複数の支持部が、光源と光路調整部材との距離を調整可能に設置されたことを特徴としている。
このような構造によれば、生育する植物に対して均一に光を照射することが可能である。
特許文献3に開示された発明は、2つの入射面に光偏向要素とレンズアレイがそれぞれ設けられるとともに、一方の側端面にLEDからなる光源が配置された導光体を備えていることを特徴としている。
このような構造によれば、所望の領域に無駄なく光を照射することが可能であるため、植物工場にかかるコストを低減することができる。
特許文献4に開示された植物栽培装置は、透明な窓部を備える筐体と、LEDからなる複数の光源と、各光源が発した光を放出させるための複数の穴が形成されるとともに、窓部を覆うように筐体に取り付けられた反射シートを備えたことを特徴としている。
このような構造によれば、光源から光が放出される部分を除いて、窓部が反射部材で覆われているため、栽培トレイの表面で反射した光を栽培トレイに植栽された植物に対して高い効率で再度照射することができる。
特許文献5に開示された発明は、複数のLEDが電気的に接続されて一体型となった発光ダイオード基板と、LEDが発する光を光照射面に導く導光板と、この導光板から光照射面の反対側に導かれた光を、光照射面に反射させる反射板を備えたことを特徴としている。
このような構造によれば、発光体の数を少なくした場合でも拡散フィルムを用いることなく、発光体から植物に照射される光を均一化することが可能である。
特許文献6に開示された植物培養装置は、パネル状のハウジングの内部に、冷陰極蛍光ランプと、反射シートと、この反射シートに対向して配置された導光板と、この導光板を透過した光を拡散する拡散シートと、リフレクターからなるエッジ型の照明装置を備えたことを特徴としている。
このような構造の植物培養装置によれば、培養容器内に均一な色分布の有する照射光を供給することができる。
また、第1の発明において、ガイド部材が第1のガイドレールの長手方向に移動すると、一対の発光ユニットはガイド部材とともに、それらの面状光源の発光面に垂直な第1のガイドレールの長手方向へ移動する。すなわち、第1の発明においては、第1のガイドレールが一対の発光ユニットに対し、その平行状態を維持したまま、それらの面状光源の発光面に垂直な方向へ案内するという作用を有する。
さらに、LEDは白熱灯や蛍光灯に比べて発熱量が少ないことに加え、面状光源から均一な強さの光が出射されることから、複数のLEDによって面状光源が構成されている第1の発明においては、面状光源を果実の近くに配置した場合でも果実が熱によるダメージを受け難いという作用を有する。
第2の発明においては、第1の発明の作用に加えて、保持具に保持されている第1のガイドローラが第1のガイドレールの内面に沿って転動すると、ガイド部材が第1のガイドレールの長手方向に移動するという作用を有する。
第4の発明においては、第3の発明の作用に加えて、発光ユニットが第2のガイドレールの長手方向に対してどの位置にあっても一対の導電体が一対の電極にそれぞれ接触して、両者の間の通電状態が常に維持されるという作用を有する。
第5の発明においては、第1の発明の作用に加えて、ガイド部材の移動できる方向が凸部によって第1のガイドレールの長手方向のみに制限されるという作用を有する。
第6の発明においては、第1の発明乃至第5の発明のうちのいずれかの発明の作用に加えて、面状光源から出射された光が拡散板によって拡散されるという作用を有する。
第7の発明においては、第1の発明乃至第5の発明のうちのいずれかの発明の作用に加えて、LEDから出射された光が導光板の一方の端部からその内部に入射した後、全反射を繰り返しながら他方の端部に向かって進行する際に、一部の光が導光板の側面から出射して、この面全体が均一に発光するという作用を有する。
第8の発明においては、第1の発明乃至第7の発明のうちのいずれかの発明の作用に加えて、装置内が筐体によって所望の温度に保たれるという作用を有する。
また、第1の発明においては、面状光源の発光面に直交する方向へ発光ユニットを正確に移動させることができるため、面状光源の発光面から果実までの距離の調節が容易である。したがって、第1の発明によれば、果実の果皮の特定の箇所に発光ユニットを近接して配置することが可能である。
さらに、第1の発明によれば、面状光源から果実が熱によるダメージを受け難いため、果実の着色の悪い部分に発光ユニットを近接して配置することにより、その部分を傷めることなく、効率よく発色させることができる。
図1(a)及び図1(b)はそれぞれ果実発色促進装置1aと筐体6の外観を示した斜視図であり、図2は果実発色促進装置1aの平面図である。なお、図2では筐体6を破線で表示している。
図3(a)は図1(a)に示したガイドユニット5の外観斜視図であり、図3(b)は図3(a)におけるA方向矢視図であり、図3(c)は図3(b)におけるB方向矢視図である。また、図4(a)及び図4(b)はそれぞれガイドユニット5を構成するガイド部材7の外観斜視図と正面図であり、図4(c)はガイド部材7を保持するガイドレール12の外観を示す斜視図である。さらに、図5(a)は図1(a)における発光ユニット4aの外観を示した斜視図であり、図5(b)は発光ユニット4aの支持部3の外観を示した斜視図であり、図5(c)はガイド部材7に発光ユニット4aが取り付けられた状態を示す斜視図である。
ガイド部材7は、図4(a)及び図4(b)に示すように、平面視長方形状をなす下面8aと、この下面8aの両縁に立設されて平面視長方形状をなす一対の側面8b,8bを有するとともに、両端に一対の凸状部8c,8cと一対の凹状部8d,8d(図3(b)又は図3(c)参照)がそれぞれ設けられた第2のガイドレール8と、一対の第1のガイドローラ9,9と、それらをそれぞれ回転可能に保持する一対の保持具10,10によって構成されている。また、一対の凹状部8d,8dは一対の凸状部8c,8cを内部に配置可能に形成されている。
すなわち、果実発色促進装置1aは、一方の第2のガイドレール8の凸状部8c,8cを他方の第2のガイドレール8の凹状部8d,8dに接触させるように2つのガイド部材7を配置することで、他の果実発色促進装置1aへの連結が可能となっている。
一対の凹溝8e,8eの内部には、図示しない電源に接続された細長い導電体11が第2のガイドレール8の長手方向と平行に設置されており、第2のガイドレール8の下面8aには、第1のガイドローラ9の回転軸の軸方向が第2のガイドレール8の長手方向と平行をなすように一対の保持具10,10が互いに所定の間隔をあけた状態で取り付けられている。
また、発光部2aが設置される支持部3の上面3aと第2のガイドローラ13の間には、細長い突起部14が支持部3の側面3b,3bにそれぞれ設けられており、一対の突起部14,14は、支持部3の側面3bと平行な側端面14aを有している。なお、第2のガイドローラ13と突起部14を平面視した場合、第2のガイドローラ13の回転軸(図示せず)の軸方向と突起部14の長手方向は直交している。
図5(c)に示すように、支持部3はガイド部材7の第2のガイドレール8の内部に、一対の突起部14,14の側端面14a,14aから裸出した状態の一対の第1の電極の表面が一対の導電体11,11にそれぞれ接触するとともに、第2のガイドローラ13が内側底面8f(図4(b)参照)の上を転動可能な状態で収納されている。なお、上述の「第1の電極」が特許請求の範囲において請求項4に記載されている「電極」に対応する。
なお、図6(b)及び図6(d)では、図が煩雑になるのを避けるため、多数のLEDと光散乱粒子のうちの1つについてのみ符号を付している。同様の理由から、図7(b)及び図7(c)では、1つの凹みについてのみ符号を付している。
そして、発光ユニット4aでは、上述の面状光源の発光面が鉛直面と平行をなすように発光部2aが支持部3の上面3a(図5(b)参照)に設置されている。
なお、複数のLED15に電力を供給するための配線には一対の第3の電極が接続されており、この一対の第3の電極は、発光部2aが支持部3の上面3aに設置される際に前述の一対の第2の電極に対して接触するように発光部2aの下端に設けられている。
したがって、果実発色促進装置1aでは、発光ユニット4aを面状光源の発光面に直交する方向へ移動させることにより、果実の種類や個数に応じて、果実が設置されるエリアの広さや装置全体の大きさを変更することが可能である。
このように、果実発色促進装置1aでは、第1のガイドレール12が一対の発光ユニット4a,4aに対し、その平行状態を維持したまま、それらの面状光源の発光面に垂直な方向へ案内するという作用を有する。すなわち、果実発色促進装置1aでは、面状光源の発光面に直交する方向へ発光ユニット4aを正確に移動させることが可能である。したがって、果実発色促進装置1aでは、面状光源の発光面から果実までの距離の調節を容易に行うことができる。
果実発色促進装置1aにおいて、面状光源の発光面に平行な方向に対する発光ユニット4aの長さが第2のガイドレール8の長さよりも短い場合、発光ユニット4aは第2のガイドレール8の長手方向に沿って移動可能な状態になる。したがって、この場合、発光ユニット4aを面状光源の発光面に平行な方向へ移動させることで、果実に光を照射するのに最も適した箇所に面状光源を配置することができる。
また、果実発色促進装置1aでは、断熱材からなる筐体6によって果実が外気温の影響を受け難い構造となっている。したがって、このような構造の果実発色促進装置1aによれば、果実を着色に適した温度に保つことができるため、果実の発色を促進する効果がより一層発揮される。
この場合、ガイド部材7が第1のガイドレール12の長手方向に移動すると、一対の発光ユニット4a,4aも一緒に、それらの面状光源の発光面に垂直な第1のガイドレール12の長手方向へ移動する。すなわち、ガイド部材7が第1のガイドローラ9と保持具10を有する代わりに上記凸部を有する場合、第1のガイドレール12が一対の発光ユニット4a,4aに対し、その平行状態を維持したまま、それらの面状光源の発光面に垂直な方向へ案内するという作用は、ガイド部材7が第1のガイドローラ9と保持具10を有する場合と同様に発揮される。
したがって、上記構造の果実発色促進装置によれば、面状光源の発光面に直交する方向へ発光ユニット4aを正確に移動させることが可能である。すなわち、ガイド部材7が第1のガイドローラ9と保持具10を有する代わりに上記凸部を有する構造であっても、面状光源の発光面から果実までの距離の調節を容易に行うことができるという効果は、ガイド部材7が第1のガイドローラ9と保持具10を有する場合と同様に発揮される。
ただし、ガイド部材7が上記凸部の代わりに第1のガイドローラ9と保持具10を有する場合には、ガイド部材7が第1のガイドローラ9と保持具10の代わりに上記凸部を有する場合に比べて、第1のガイドレール12の長手方向へのガイド部材7の移動が容易であるため、果実の果皮の特定の箇所に発光ユニットを近接して配置する際の作業性が良い。
図6(d)に示すように、拡散板19は、光透過率の高いアクリルやポリカーボネートなどの樹脂によって形成された板状部材に光散乱粒子20が分散配合されたものであり、LED15から出射された光を拡散する機能を有している。
このような構造の発光部2bを備えた果実発色促進装置1aによれば、面状光源から出射された光が拡散板19によって拡散されるため、果実の全体に均一な光を照射することが可能である。
すなわち、発光部2cにおいては、複数のLED15が下端に設置された状態の導光板21が上述の面を発光面21bとする面状光源として機能する。したがって、発光部2cを備えた果実発色促進装置1aによれば、発光部2aよりもLED15の数を少なくして、製造コストの削減を図ることが可能である。
そして、発光ユニット4aの支持部3において、第2のガイドローラ13が第2のガイドレール8の内側側面に沿って転動可能であって、かつ、回転軸の軸方向が第2のガイドレール8の長手方向と直交する構造とすることもできる。このような構造であっても、発光ユニット4aの支持部3が第2のガイドレール8によってその長手方向へ移動可能に保持されるという作用は本実施例で示した場合と同様に発揮される。
図8(a)及び図8(b)はそれぞれ果実発色促進装置1bと筐体6の外観を示した斜視図である。また、図9(a)は果実発色促進装置1bの平面図であり、図9(b)は図9(a)に示した発光ユニット4bを構成する発光部2dの正面図である。なお、図8(a)及び図9(a)では筐体6を破線で表示している。
Claims (8)
- 複数のLEDからなる面状光源を有するとともに、この面状光源の発光面が鉛直面と平行をなし、かつ、互いに向き合うように配置された一対の発光ユニットと、
前記発光面に長手方向が直交するように一対の前記発光ユニットの下方に配置された長尺部材からなる第1のガイドレールと、
一対の前記発光ユニットを互いに独立した状態で前記第1のガイドレールに沿って移動可能にそれぞれ保持する一対のガイド部材と、を備えており、
一対の前記発光ユニットに挟まれたエリアに果実が設置されることを特徴とする果実発色促進装置。 - 前記ガイド部材は、
第1のガイドローラと、
この第1のガイドローラを前記発光ユニットの前記発光面に軸方向が平行な回転軸を中心として回転可能に保持する保持具と、を有し、
前記第1のガイドローラは、前記第1のガイドレールの内面に沿って転動可能に前記第1のガイドレールの内部に設置されていることを特徴とする請求項1に記載の果実発色促進装置。 - 前記ガイド部材は、前記発光ユニットの前記発光面に長手方向が平行となるように配置された長尺部材からなる第2のガイドレールを備え、
前記発光ユニットは、
第2のガイドローラと、
この第2のガイドローラを前記発光ユニットの前記発光面の法線に軸方向が平行な回転軸を中心として回転可能に保持する支持部と、を備え、
この支持部は、前記第2のガイドローラが前記第2のガイドレールの内面に沿って転動可能に前記第2のガイドレールの内部に設置されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の果実発色促進装置。 - 一対の前記第2のガイドレールの内面には、電源に接続された細長い一対の導電体が前記第2のガイドレールの長手方向と平行にその全長にわたって設けられており、
前記支持部は、前記面状光源に電力を供給する配線に接続された一対の電極が表面を裸出した状態で埋設されているとともに、一対の前記導電体に対し一対の前記電極の前記表面がそれぞれ接触した状態で前記第2のガイドレールの内部に設置されていることを特徴とする請求項3に記載の果実発色促進装置。 - 前記ガイド部材は、前記第1のガイドレールの内面に沿って移動可能に前記第1のガイドレールの内部に設置される凸部を有していることを特徴とする請求項1に記載の果実発色促進装置。
- 前記鉛直面と平行をなすように拡散板が前記面状光源に近接して設置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の果実発色促進装置。
- 前記面状光源は、複数の前記LEDが端部に設置された導光板によって構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の果実発色促進装置。
- 断熱材からなり、前記発光ユニットと前記第1のガイドレールと前記ガイド部材が内部に収容される筐体を備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の果実発色促進装置。
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