JP2014214866A - 回転機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】衝撃に起因する潤滑剤の飛散量を抑えることができる回転機器を提供する。【解決手段】回転機器100は、磁気記録ディスク8が載置されるべき回転体と、回転体を流体動圧軸受を介して回転自在に支持する固定体と、を備える。回転体と固定体との隙間のうち、第2キャピラリーシールから流体動圧軸受の動圧発生部を経て第1キャピラリーシールに至る潤滑剤充填部分には連続的に潤滑剤92が充填されている。本回転機器100は、約1200Gの衝撃を受けた場合に飛散する潤滑剤92の量が、潤滑剤92の総量の5パーセントより少なくなるよう構成される。【選択図】図2
Description
本発明は、記録ディスクを回転させる回転機器に関する。
ハードディスクドライブなどのディスク駆動装置は、小型化、大容量化が進み、種々の電子機器に搭載されている。特にノートパソコンやタブレット型端末や携帯型音楽再生機器などの携帯型の電子機器へのディスク駆動装置の搭載が進んでいる。
例えば特許文献1には、軸受に流体動圧軸受(Fluid Dynamic Bearing)機構を採用したモータが提案されている。
携帯型の電子機器は、デスクトップPC(Personal Computer)などの据え置き型の装置と比較して、落下等により比較的大きな衝撃を受けやすい。電子機器が衝撃を受けると電子機器に搭載されているディスク駆動装置にも衝撃が加わる。この衝撃により、流体動圧軸受の潤滑剤が気液界面から飛散する可能性がある。潤滑剤の飛散量が多くなるとディスク駆動装置の性能に悪影響が出る虞がある。
このような課題は、ディスク駆動装置に限らず他の種類の回転機器でも生じうる。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、衝撃に起因する潤滑剤の飛散量を抑えることができる回転機器の提供にある。
本発明のある態様は、回転機器に関する。この回転機器は、記録ディスクが載置されるべき回転体と、回転体を流体動圧軸受を介して回転自在に支持する固定体と、を備える。回転体と固定体との隙間のうち、一方のキャピラリーシールから流体動圧軸受の動圧発生部を経て他方のキャピラリーシールに至る潤滑剤充填部分には連続的に潤滑剤が充填されている。本回転機器は、約1200Gの衝撃を受けた場合に飛散する潤滑剤の量が、潤滑剤の総量の5パーセントより少なくなるよう構成される。
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや、本発明の構成要素や表現を方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、衝撃に起因する潤滑剤の飛散量を抑えることができる回転機器を提供できる。
以下、各図面に示される同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面における部材の寸法は、理解を容易にするために適宜拡大、縮小して示される。また、各図面において実施の形態を説明する上で重要ではない部材の一部は省略して表示する。
実施の形態に係る回転機器は、磁気記録ディスクを搭載しそれを回転駆動するハードディスクドライブなどのディスク駆動装置として好適に用いられ、特にシャフトがベースに対して固定され、ハブがシャフトに対して回転するようなシャフト固定型のディスク駆動装置として好適に用いられる。
実施の形態に係る回転機器は、磁気記録ディスクが載置されるべき回転体と、回転体を流体動圧軸受を介して回転自在に支持する固定体と、を備える。回転体と固定体との隙間のうち、一方のキャピラリーシールから流体動圧軸受の動圧発生部を経て他方のキャピラリーシールに至る潤滑剤充填部分には連続的に潤滑剤が充填されている。この回転機器は、主に以下の3つの特徴のうちの少なくともひとつを有することにより、衝撃を受けた場合に飛散する潤滑剤の量を抑制するよう構成される。
(1)潤滑剤充填部分に、潤滑剤内部を伝わる衝撃波を減衰させるダンパ領域を設ける。
(2)キャピラリーシールの出口を狭くする。
(3)キャピラリーシールから脱出した潤滑剤を捕獲する機構を設ける。
特に、本実施の形態に係る回転機器は、約1200Gの衝撃を受けた場合に飛散する潤滑剤の量が、潤滑剤の総量の5パーセントより少なくなるよう構成される。
(1)潤滑剤充填部分に、潤滑剤内部を伝わる衝撃波を減衰させるダンパ領域を設ける。
(2)キャピラリーシールの出口を狭くする。
(3)キャピラリーシールから脱出した潤滑剤を捕獲する機構を設ける。
特に、本実施の形態に係る回転機器は、約1200Gの衝撃を受けた場合に飛散する潤滑剤の量が、潤滑剤の総量の5パーセントより少なくなるよう構成される。
これにより、回転機器が衝撃を受けたときに飛散して失われる潤滑剤の量を抑制することができるので、衝撃による回転機器の寿命の低下を抑えることができると共に磁気記録ディスク8等への潤滑剤の付着を抑制することができる。したがって、特に携帯型の電子機器への搭載に適した回転機器が提供される。
一例では、潤滑剤の量が半分になると回転機器の回転性能に悪影響が出始める。また、一例では、回転機器を携帯型の電子機器に搭載するには、約1200Gの衝撃を10回受けても回転性能に影響が出ないよう構成する必要がある。本実施の形態に係る回転機器はこの要求を満たす。すなわち、本実施の形態では、約1200Gの衝撃を10回受けた場合の潤滑剤の飛散量は5パーセント×10回=50パーセントより少ないので、回転性能は維持される。なお、安全マージンをとることを考えると、回転機器を、約1200Gの衝撃を受けた場合に飛散する潤滑剤の量が、潤滑剤の総量の2パーセントより少なくなるよう構成してもよい。また、回転機器の6面のそれぞれに10回ずつ約1200Gの衝撃を与えても回転性能に影響が出ないというさらに厳しい条件を課す場合、回転機器を、約1200Gの衝撃を受けた場合に飛散する潤滑剤の量が、潤滑剤の総量の0.8パーセントより少なくなるよう構成してもよい
(第1の実施の形態)
図1(a)〜(c)は、第1の実施の形態に係る回転機器100を示す図である。図1(a)は回転機器100の上面図である。図1(b)は回転機器100の側面図である。図1(c)は、トップカバー2を外した状態の回転機器100の上面図である。回転機器100は、固定体と、固定体に対して回転する回転体と、回転体に取り付けられる磁気記録ディスク8と、データリード/ライト部10と、を備える。固定体は、ベース4と、ベース4に対して固定されたシャフト26と、トップカバー2と、6つのねじ20と、シャフト固定ねじ6と、を含む。回転体は、ハブ28と、クランパ36と、カバーリング12と、を含む。
以降ベース4に対してハブ28が搭載される側を上側として説明する。
図1(a)〜(c)は、第1の実施の形態に係る回転機器100を示す図である。図1(a)は回転機器100の上面図である。図1(b)は回転機器100の側面図である。図1(c)は、トップカバー2を外した状態の回転機器100の上面図である。回転機器100は、固定体と、固定体に対して回転する回転体と、回転体に取り付けられる磁気記録ディスク8と、データリード/ライト部10と、を備える。固定体は、ベース4と、ベース4に対して固定されたシャフト26と、トップカバー2と、6つのねじ20と、シャフト固定ねじ6と、を含む。回転体は、ハブ28と、クランパ36と、カバーリング12と、を含む。
以降ベース4に対してハブ28が搭載される側を上側として説明する。
磁気記録ディスク8は、直径が65mmのガラス製の2.5インチ型磁気記録ディスクであり、その中央の孔の直径は20mm、厚みは0.65mmである。ハブ28は1枚の磁気記録ディスク8を搭載する。
ベース4はアルミニウムの合金をダイカストにより成型して形成される。ベース4は、回転機器100の底部を形成する底板部4aと、磁気記録ディスク8の載置領域を囲むように底板部4aの外周に沿って形成された外周壁部4bと、を有する。外周壁部4bの上面4cには、6つのねじ孔22が設けられる。ベース4は鋼板やアルミニウム板などからプレス加工により形成されてもよい。
ベース4の表面の剥離を防止するために、ベース4には表面コーティングが施される。表面コーティングは例えばエポキシ樹脂などの樹脂材料によるコーティングであってもよい。あるいはまた、表面コーティングは例えばニッケルやクロムなどの金属材料をめっきすることによるコーティングであってもよい。実施の形態では、ベース4の表面に無電解ニッケルめっきが施される。樹脂材料によるコーティングと比較して表面の硬度を高くして摩擦係数を低くすることができる。また、例えば製造時に、磁気記録ディスク8がベース4の表面に接触した場合に、ベース4の表面や磁気記録ディスク8が損傷する可能性を低くすることができる。実施の形態では、ベース4の表面の静止摩擦係数は0.1から0.6の範囲とされる。静止摩擦係数が2以上である場合と比較してベース4や磁気記録ディスク8が損傷する可能性を一層低減できる。
データリード/ライト部10は、記録再生ヘッド(不図示)と、スイングアーム14と、ボイスコイルモータ16と、ピボットアセンブリ18と、を含む。記録再生ヘッドは、スイングアーム14の先端部に取り付けられ、磁気記録ディスク8にデータを記録し、磁気記録ディスク8からデータを読み取る。ピボットアセンブリ18は、スイングアーム14をベース4に対してヘッド回転軸Sの周りに揺動自在に支持する。ボイスコイルモータ16は、スイングアーム14をヘッド回転軸Sの周りに揺動させ、記録再生ヘッドを磁気記録ディスク8の上面上の所望の位置に移動させる。ボイスコイルモータ16およびピボットアセンブリ18は、ヘッドの位置を制御する公知の技術を用いて構成される。
トップカバー2は回転体を覆う。トップカバー2は、6つのねじ20を用いてベース4の外周壁部4bの上面4cに固定される。6つのねじ20は、6つのねじ孔22にそれぞれ対応する。特にトップカバー2と外周壁部4bの上面4cとは、それらの接合部分から回転機器100の内側へリークが生じないように互いに固定される。ここで回転機器100の内側とは具体的には、ベース4の底板部4aと、ベース4の外周壁部4bと、トップカバー2と、で囲まれる清浄空間24である。この清浄空間24は密閉されるように、つまり外部からのリークインもしくは外部へのリークアウトが無いように設計される。清浄空間24は、パーティクルが除去された清浄な空気で満たされる。これにより、磁気記録ディスク8へのパーティクルなどの異物の付着が抑えられ、回転機器100の動作の信頼性が高められている。
シャフト26はハブ28の回転軸に沿って延在する。シャフト26の上端面には、回転軸に沿ってシャフト固定ねじ孔152が形成される。シャフト固定ねじ6は、トップカバー2を貫通してシャフト固定ねじ孔152に螺合されることによって、トップカバー2をシャフト26に対して固定する。
シャフト固定型の回転機器のなかでもこのようにベース4やトップカバー2などのシャーシにシャフト26の両端が固定されるタイプの回転機器によると、回転機器の耐衝撃性や耐振動性を高めることができ、またNRRO(回転非同期振れ、Non-Repeatable RunOut)を低減できる。また、回転機器を厚さ方向に指で挟んだときの剛性も向上する。ただし、このタイプの回転機器においては、流体動圧軸受を採用した場合、一般的に潤滑剤の気液界面は2つ存在し、そのそれぞれから潤滑剤が飛散する可能性がある。
図2は、図1(c)のA−A線断面図である。図2に示される断面は回転機器100のモータ部分の半断面に相当する。
回転体は、ハブ28と、クランパ36と、円筒状マグネット32と、カバーリング12と、リングサポート46と、を含む。固定体は、ベース4と、積層コア40と、コイル42と、ハウジング102と、シャフト26と、シャフトリング104と、を含む。回転体と固定体との隙間の一部に潤滑剤92が連続的に介在する。
回転体は、ハブ28と、クランパ36と、円筒状マグネット32と、カバーリング12と、リングサポート46と、を含む。固定体は、ベース4と、積層コア40と、コイル42と、ハウジング102と、シャフト26と、シャフトリング104と、を含む。回転体と固定体との隙間の一部に潤滑剤92が連続的に介在する。
ハブ28は、軟磁性を有する例えばSUS430等の鉄鋼材料を切削加工またはプレス加工することにより形成され、略カップ状の所定の形状に形成される。ハブ28の表面の剥離を抑制するために、ハブ28の表面に例えば無電解ニッケルめっきなどの表面層形成処理を施してもよい。
ハブ28は、シャフト26を環囲するシャフト環囲部28jと、シャフト環囲部28jよりも半径方向外側に設けられ、磁気記録ディスク8の中央孔8aに嵌るハブ突出部28gと、ハブ突出部28gよりも半径方向外側に設けられた載置部28hと、を有する。磁気記録ディスク8は、載置部28hの上面であるディスク載置面28a上に載置される。磁気記録ディスク8は、クランパ36と載置部28hとに挟まれることによりハブ28に対して固定される。
クランパ36は、磁気記録ディスク8の上面に下向きの力を加え、磁気記録ディスク8をディスク載置面28aに圧接させる。クランパ36はハブ突出部28gの外周面28dに係合される。クランパ36とハブ突出部28gの外周面28dとは、螺合、かしめ、圧入などの機械的結合手段や磁気的な吸引力を利用した磁気的結合手段により結合されてもよい。
クランパ36は、クランパ36が磁気記録ディスク8に所望の下向きの力を加えている状態において、クランパ36の上面36aがハブ突出部28gの上面28eを超えて上側に突出しないように形成される。
例えばクランパ36とハブ突出部28gの外周面28dとが螺合される場合、ハブ突出部28gの外周面28dにはおねじが形成され、クランパ36の内周面36bには対応するめねじが形成される。この場合、螺合の強さによって、クランパ36が磁気記録ディスク8の上面に加える下向きの力の強さを比較的正確に制御できる。クランパ36は複数の部材から形成されてもよく、あるいは一体の部材であってもよい。
ハブ突出部28gの外周面28dに加工によるバリが付着していると、クランパ36が外周面28dに螺合される際に、クランパ36が加工バリに接触して加工バリが剥離することがある。このような加工バリを予め除去するために、ハブ突出部28gの外周面28dにはバリ除去処理が施されてもよい。
載置部28hの下面には、ベース4に向けて突出する環状のゲート凸部28pが形成される。ベース4の上面4dには、ゲート凸部28pが進入するゲート凹部4lが形成される。ゲート凸部28pの下面には、ハブ28が回転するとき、ゲート凸部28pとゲート凹部4lとの隙間に存在する気体に内向きの動圧を生じさせる気体動圧発生溝が形成される。この気体動圧発生溝は例えばスパイラル形状を有する。ゲート凸部28pおよびゲート凹部4lは、ハブ28とベース4とによって挟まれるモータ内部空間30に存在する気体がモータ内部空間30の外へと流出するのを制限する流出制限部を構成する。これにより、潤滑剤92のミストの磁気記録ディスク8への到達を抑制することができる。
円筒状マグネット32は、ハブ28の内側の円筒面に相当する円筒状内周面28fに接着固定される。円筒状マグネット32は、例えば、希土類磁石材料やフェライト磁石材料によって形成される。本実施の形態ではネオジウム系希土類磁石材料によって形成される。円筒状マグネット32にはその周方向(回転軸Rを中心とし回転軸Rに垂直な円の接線方向)に12極の駆動用着磁が施される。円筒状マグネット32は、積層コア40の9本の突極と半径方向(すなわち回転軸Rに直交する方向)に対向する。
積層コア40は円環部とそこから半径方向外側に伸びる9本の突極とを有し、ベース4の上面4d側に固定される。積層コア40は、例えば、厚さが0.2mmの6枚の薄型電磁鋼板を積層しカシメにより一体化して形成される。なお、積層コア40は、例えば、厚さが0.1mm〜0.8mmの範囲の薄型電磁鋼板を、例えば、2枚〜20枚の範囲で積層して形成されてもよい。積層コア40の表面には電着塗装や粉体塗装などによる絶縁塗装が施される。積層コア40の各突極にはコイル42が巻回される。このコイル42に3相の略正弦波状の駆動電流が流れることにより突極に沿って駆動磁束が発生する。
ベース4は、回転体の回転軸Rを中心とした環状のベース突出部4eを有する。ベース突出部4eは、ハウジング102を環囲するように上向きに突出する。積層コア40の円環部の中心孔40aがベース突出部4eの外周面4gに嵌合されることで積層コア40はベース4に対して固定される。特に積層コア40の円環部はベース突出部4eに圧入されもしくは隙間嵌めによって接着固定される。実施の形態では、積層コア40の振動を抑制するために、積層コア40の円環部の軸方向厚み寸法の60%〜90%程度がベース突出部4eの外周面4gに圧接されている。
ベース4の上面4dには、回転軸Rを中心とする非貫通の軸受凹部4kが形成されている。軸受凹部4kにはハウジング102が収まる。軸受凹部4kを非貫通とすることで、貫通孔とする場合と比較してリークが発生しうる箇所を削減できるので、清浄空間24への外気の混入を抑制することができる。
ベース4の上面4dのうち突極およびコイル42に対応する部分には、PET等の樹脂製の絶縁シートまたはテープ174が設けられる。
ハウジング102は、平たい環状のハウジング底部110と、ハウジング底部110の外周側に固定された円筒状のベース側環囲部112と、ハウジング底部110の内周側に固定され回転軸Rに沿って延在する支持突出部108と、を含む。ハウジング102は、シャフト26と共にシャフト環囲部28jの下端が進入する環状の支持凹部166を形成する。
ベース側環囲部112はベース突出部4eによって環囲される。ベース側環囲部112はベース4の軸受凹部4kに嵌っており、特に軸受凹部4kに接着により固定される。ベース側環囲部112には、軸方向に沿って貫通する気体連通孔112dが形成される。気体連通孔112dの一端はモータ内部空間30に開口し、他端はハウジング102と軸受凹部4kの底面との間の底部空間44に開口する。気体連通孔112dは、ハウジング102を軸受凹部4kに嵌める際の空気抜きとして機能する。
また、底部空間44は、ハウジング102を非貫通の軸受凹部4kに嵌めることにより必然的に形成される。回転機器100を製造する際には、清浄空間24の清浄度を維持するために、底部空間44内の空気も清浄な空気に入れ換える必要がある。そこで気体連通孔112dを設けることでモータ内部空間30と底部空間44とを連通し、底部空間44の空気を清浄な空気に入れ換えることを可能としている。
シャフト26の下端面には回転軸Rに沿って支持孔26dが形成されている。シャフト固定ねじ孔152と支持孔26dとは連通する。支持突出部108は支持孔26dに挿入され固定される。特に支持突出部108は支持孔26dに圧入と接着とを併用して固定される。支持突出部108の上端面には回転軸Rに沿って非貫通のねじ受け孔130が形成される。
シャフト固定ねじ6はシャフト固定ねじ孔152に螺合されると共にシャフト固定ねじ孔152を貫通する。シャフト固定ねじ6の下端はねじ受け孔130に進入し、そこで接着固定される。すなわち、シャフト固定ねじ6と支持突出部108とには接着剤が介在する。なお、ねじ受け孔をねじ孔とし、シャフト固定ねじ6をねじ受け孔130に螺合してもよい。
シャフト26は、回転軸Rに沿って延在するボディ部26fと、ボディ部26fの上端部から半径方向外向きに延在するフランジ部26gと、を含む。
シャフトリング104は、フランジ部26gを環囲してフランジ部26gの外周面26hに固定される。シャフトリング104はフランジ部26gに圧入と接着とを併用して固定される。シャフトリング104とフランジ部26gとの間の接着剤は、シャフトリング104とフランジ部26gとの隙間をシールして潤滑剤92の漏れ出しを防ぐシール材としても機能する。
潤滑剤92は蛍光体を含む。紫外線などの光を潤滑剤92に照射すると、潤滑剤92は、蛍光体の作用により、照射された光とは別の波長の、例えば、青色や緑色の光を放出する。潤滑剤92が蛍光体を含むことによって、潤滑剤92の液面をより容易に検査することができる。また、潤滑剤92の付着や漏れ出しを容易に検出できる。
図3は、図2の軸受部分を拡大して示す拡大断面図である。シャフト環囲部28jはボディ部26fを環囲する。シャフト環囲部28jとボディ部26fとに潤滑剤92が介在する。すなわち、シャフト環囲部28jの内周面28kとボディ部26fの外周面26eとは第1隙間126を介して対向し、第1隙間126は潤滑剤92で満たされている。
シャフト環囲部28jは、軸方向(すなわち、回転軸Rと平行な方向)においてフランジ部26gおよびシャフトリング104とハウジング102とに挟まれている。シャフト環囲部28jとシャフトリング104、および、シャフト環囲部28jとフランジ部26g、および、シャフト環囲部28jとハウジング102、のそれぞれに潤滑剤92が介在する。すなわち、シャフト環囲部28jのフランジ対向面28lとフランジ部26gの下面26iとは第2隙間128を介して対向し、第2隙間128は潤滑剤92で満たされている。シャフト環囲部28jの下面28mとハウジング底部110の上面110bとは第3隙間124を介して対向し、第3隙間124は潤滑剤92で満たされている。
第1隙間126は、ハブ28がシャフト26に対して回転するとき潤滑剤92に半径方向の動圧が発生する2つのラジアル動圧発生部156、158を含む。2つのラジアル動圧発生部156、158は互いに軸方向に離間し、第1ラジアル動圧発生部156は第2ラジアル動圧発生部158の上側に位置する。2つのラジアル動圧発生部156、158のそれぞれに対応するシャフト環囲部28jの内周面28kの部分には、ヘリングボーン形状またはスパイラル形状の第1ラジアル動圧発生溝50、第2ラジアル動圧発生溝52が形成される。なお、第1ラジアル動圧発生溝50および第2ラジアル動圧発生溝52のうちの少なくともひとつは、シャフト環囲部28jの内周面28kの代わりにボディ部26fの外周面26eに形成されてもよい。
第3隙間124は、ハブ28がシャフト26に対して回転するとき潤滑剤92に軸方向の動圧が発生する第1スラスト動圧発生部160を含む。第1スラスト動圧発生部160に対応するシャフト環囲部28jの下面28mの部分には、ヘリングボーン形状またはスパイラル形状の第1スラスト動圧発生溝54が形成される。第1スラスト動圧発生溝54は、シャフト環囲部28jの下面28mの代わりにハウジング底部110の上面110bに形成されてもよい。
第2隙間128は、ハブ28がシャフト26に対して回転するとき潤滑剤92に軸方向の動圧が発生する第2スラスト動圧発生部162を含む。第2スラスト動圧発生部162に対応するシャフト環囲部28jのフランジ対向面28lの部分には、ヘリングボーン形状またはスパイラル形状の第2スラスト動圧発生溝56が形成される。第2スラスト動圧発生溝56は、シャフト環囲部28jのフランジ対向面28lの代わりにフランジ部26gの下面26iに形成されてもよい。
回転体が固定体に対して相対的に回転するとき、第1ラジアル動圧発生溝50、第2ラジアル動圧発生溝52、第1スラスト動圧発生溝54、第2スラスト動圧発生溝56はそれぞれ潤滑剤92に動圧を生じさせる。この動圧によって回転体は、固定体と非接触のまま半径方向および軸方向に支持される。
ベース側環囲部112とシャフト環囲部28jとの位置関係では、ベース側環囲部112はシャフト環囲部28jの下部を環囲する。ベース側環囲部112とシャフト環囲部28jとの間には、ベース側環囲部112の内周面112aとシャフト環囲部28jの下部の外周面28nとの間の第4隙間132が上方に向けて徐々に広がる部分である第1キャピラリーシール114が形成される。第1キャピラリーシール114は潤滑剤92の第1気液界面116を有し、毛細管現象により潤滑剤92の漏れ出しを抑止する。
第1キャピラリーシール114は、回転体が固定体に対して回転するとき第1気液界面116が存在するテーパ領域114aと、テーパ領域114aと連結して第1気液界面116の気体側に設けられ、潤滑剤92の移動を抑制する狭窄領域114bと、を有する。狭窄領域114bは隙間を狭くすることによって潤滑剤92の移動を抑制する。狭窄領域114bを形成するベース側環囲部112の内周面112aの部分には、シャフト環囲部28jの下部の外周面28nに向けて隆起する潤滑剤返し部112eが形成される。特に潤滑剤返し部112eは軸方向から見て第1気液界面116の少なくとも一部を覆うように形成される。狭窄領域114bの半径方向での隙間の大きさの最小値は、テーパ領域114aの半径方向での隙間の大きさの最大値よりも小さい。
ベース側環囲部112の上面112cには、環状のラビリンス凹部112fが形成される。ベース側環囲部112の上面112cと軸方向で対向するシャフト環囲部28jの対向面28qには、ラビリンス凹部112fに進入するラビリンス凸部28iが形成される。ラビリンス凹部112fとラビリンス凸部28iとにより潤滑剤92の蒸気に対するラビリンスシール168が形成される。ラビリンスシール168は、ラビリンスシール168の隙間よりも広い隙間を有する潤滑剤捕獲部170を介して狭窄領域114bと連通する。
潤滑剤捕獲部170は、回転体が固定体に対して回転するとき、第1気液界面116から移動してきた潤滑剤92を遠心力により捕獲するよう構成される。潤滑剤捕獲部170はラビリンス凸部28iの内側の環状空間であり、シャフト環囲部28jに設けられた上向きに凹んだ凹部を含む。ラビリンス凸部28iの内周面28rすなわち潤滑剤捕獲部170の外周を規定する面は下向きに窄んでいる。第1気液界面116から飛散した潤滑剤92のうちの少なくとも一部は潤滑剤捕獲部170内部に溜まる。潤滑剤捕獲部170内部の潤滑剤92は、回転体の回転中、遠心力によりラビリンス凸部28iの根元の角部に保持される。
シャフト環囲部28jの上部には、回転軸Rを中心とした環状のスリーブ凹部が形成される。スリーブ凹部は下向きに凹んでいる。スリーブ凹部は、フランジ対向面28lの外周縁から軸方向下向きに延在する第1凹部面154aと、第1凹部面154aの下端縁から半径方向と略平行に延在する第2凹部面154bと、第2凹部面154bの外周縁から軸方向上向きに延在する第3凹部面154cと、を有する。シャフトリング104はスリーブ凹部に進入する。
リングサポート46はシャフト環囲部28jの上部によって環囲され、その上部に固定される。リングサポート46とシャフトリング104とは対向しており、リングサポート46のシャフトリング104と対向するサポート側対向面46aは、回転軸Rを中心軸とする円錐台の側面をなす。シャフトリング104のサポート側対向面46aと対向するリング側対向面104eは、回転軸Rを中心軸とする円錐台の側面をなす。サポート側対向面46aはリング側対向面104eよりも外側となる。サポート側対向面46aの母線と回転軸Rとのなす角度θは30度から60度の範囲にある。リング側対向面104eの母線と回転軸Rとのなす角度は角度θよりも大きい。
サポート側対向面46aとリング側対向面104eとの間の第9隙間140は、斜め上方に向けて徐々に広がる部分である第2キャピラリーシール118を形成する。第2キャピラリーシール118は潤滑剤92の第2気液界面120を有し、毛細管現象により潤滑剤92の漏れ出しを抑止する。
第4隙間132、第3隙間124、第1隙間126、第2隙間128、第1凹部面154aとシャフトリング104とが半径方向で対向することにより形成される第5隙間134、第2凹部面154bとシャフトリング104とが軸方向で対向することにより形成される第6隙間122、第3凹部面154cとシャフトリング104とが半径方向で対向することにより形成される第7隙間136、第9隙間140、はこの順に直列に連結され、それらの隙間には潤滑剤92が連続的に充填されている。
シャフト環囲部28jには、第6隙間122に開口し、2つのスラスト動圧発生部160、162および2つのラジアル動圧発生部156、158をバイパスするバイパス連通孔164が形成されている。バイパス連通孔164の上端は第6隙間122に開口し、バイパス連通孔164の下端は第3隙間124のうち第1スラスト動圧発生部160よりも外側の部分に開口する。バイパス連通孔164には潤滑剤92が入っており、特に動圧に不均衡が存在する場合は潤滑剤92はバイパス連通孔164を通じて流れる。これにより動圧が平均化される。その結果、例えば発生する動圧に不均衡が存在しても第1気液界面116および第2気液界面120のレベルを適正に保つことができる。
回転体の回転中の第5隙間134の体積は、第1ラジアル動圧発生部156の体積と第2ラジアル動圧発生部158の体積と第1スラスト動圧発生部160の体積と第2スラスト動圧発生部162の体積とを合わせた体積よりも大きい。なお、第5隙間134の体積は、バイパス連通孔164の体積よりも大きくてもよい。第5隙間134、第6隙間122および第7隙間136は、バイパス連通孔164の上端の開口164aと第5隙間134との間の流動抵抗がその開口164aと第2キャピラリーシール118との間の流動抵抗よりも小さくなるよう構成される。流動抵抗(flow resistance)は、流体の流動を妨げる流路中の任意の要因であってもよく、例えば、表面あらさや急激な曲がりや縮小や拡大を含んでもよい。
第6隙間122において、バイパス連通孔164の上端の開口164aから第7隙間136に至る第1経路は、その開口164aから第5隙間134に至る第2経路よりも長い。特に第5隙間134およびバイパス連通孔164は軸方向に沿って直列に配置されている。バイパス連通孔164を上向きに伝わる衝撃波のうちの少なくとも一部は上端の開口164aを出た後、第5隙間134に入ってそこで減衰される。したがって、第5隙間134は衝撃波に対するダンパとして機能する。第1経路と第2経路との流動抵抗の差により、このように第5隙間134で減衰される衝撃波の割合は比較的高くなる。
なお、第5隙間134は、潤滑剤92を溜める潤滑剤溜まりとしても機能する。
なお、第5隙間134は、潤滑剤92を溜める潤滑剤溜まりとしても機能する。
カバーリング12は、第9隙間140に存在する第2気液界面120を覆うように、リングサポート46に接着により固定される。カバーリング12は、回転体の代わりに固定体の例えばフランジ部26gに固定されてもよい。カバーリング12は、例えば、ステンレス鋼などの金属材料や樹脂材料から円環状に形成される。カバーリング12は、第2気液界面120から飛散する潤滑剤92のガスやミストを捕捉するように、焼結体などの多孔質体やチャコールフィルタを含んでもよい。
以上のように構成された回転機器100の動作を説明する。磁気記録ディスク8を回転させるために、3相の駆動電流がコイル42に供給される。その駆動電流がコイル42を流れることにより、9本の突極に沿って磁束が発生する。この磁束によって円筒状マグネット32にトルクが与えられ、回転体およびそれに嵌合された磁気記録ディスク8が回転する。同時にボイスコイルモータ16がスイングアーム14を揺動させることによって、記録再生ヘッドが磁気記録ディスク8上の揺動範囲を行き来する。記録再生ヘッドは磁気記録ディスク8に記録された磁気データを電気信号に変換して制御基板(不図示)へ伝え、また制御基板から電気信号の形で送られてくるデータを磁気記録ディスク8上に磁気データとして書き込む。
本実施の形態に係る回転機器100によると、回転機器100が衝撃を受けた場合に飛散する潤滑剤92の量を低減することができる。特に、ベース4の下面に加えられた衝撃により衝撃波がバイパス連通孔164を下から上に伝わる場合、その衝撃波の大部分は第5隙間134に入って減衰する。したがって、第2キャピラリーシール118に到達する衝撃波を弱めることができる。その結果、衝撃により第2気液界面120から飛散する潤滑剤92の量を低減できる。
また、本実施の形態に係る回転機器100では、第2キャピラリーシール118の形状について、サポート側対向面46aの母線と回転軸Rとのなす角度θは30度から60度の範囲にある。したがって、回転体の回転中、第2キャピラリーシール118の中で第2気液界面120よりも上側(気体側)に潤滑剤92の液滴が飛散したとしても、遠心力によりその液滴は第2気液界面120に戻る。その結果、潤滑剤92の飛散量を抑えることができる。
また、本実施の形態に係る回転機器100では、第1キャピラリーシール114の形状について、第1気液界面116の気体側に潤滑剤92の移動を抑制する狭窄領域114bが形成されている。特に狭窄領域114bでは隙間がより狭くなっている。したがって、衝撃により第1気液界面116から飛散した潤滑剤92は狭窄領域114bを通過しにくくなり、潤滑剤92の飛散量が低減される。
特に、衝撃により第1気液界面116から飛散した潤滑剤92の少なくとも一部は潤滑剤返し部112eに当たって再度第1気液界面116に戻る。したがって、第1気液界面116から飛散してラビリンスシール168やその外側に漏れ出す潤滑剤92の量を低減できる。
また、飛散した潤滑剤92が狭窄領域114bを通過したとしても、通過した潤滑剤92の少なくとも一部は潤滑剤捕獲部170に捉えられる。したがって、ラビリンスシール168やその外側に漏れ出す潤滑剤92の量を低減できる。
(第2の実施の形態)
図4は、第2の実施の形態に係る回転機器200のモータ部分の半断面図である。図4は図2に対応する。回転機器200は、磁気記録ディスク8が載置されるべき回転体と、回転体を流体動圧軸受を介して回転自在に支持する固定体と、を備える。回転体は、ハブ228と、クランパ36と、円筒状マグネット32と、カバーリング212と、シール形成部246と、を含む。固定体は、ベース204と、積層コア40と、コイル42と、ハウジング202と、シャフト226と、を含む。回転体と固定体との隙間の一部に潤滑剤292が連続的に介在する。
図4は、第2の実施の形態に係る回転機器200のモータ部分の半断面図である。図4は図2に対応する。回転機器200は、磁気記録ディスク8が載置されるべき回転体と、回転体を流体動圧軸受を介して回転自在に支持する固定体と、を備える。回転体は、ハブ228と、クランパ36と、円筒状マグネット32と、カバーリング212と、シール形成部246と、を含む。固定体は、ベース204と、積層コア40と、コイル42と、ハウジング202と、シャフト226と、を含む。回転体と固定体との隙間の一部に潤滑剤292が連続的に介在する。
ハブ228は、シャフト226を環囲するシャフト環囲部228jと、ハブ突出部28gと、載置部28hと、を有する。
ベース204は、回転体の回転軸Rを中心とした環状のベース突出部204eを有する。ベース突出部204eは、ハウジング202を環囲するように上向きに突出する。積層コア40の円環部の中心孔がベース突出部204eの外周面に嵌合されることで積層コア40はベース204に対して固定される。ベース204の上面には、回転軸Rを中心とする非貫通の軸受凹部204kが形成されている。軸受凹部204kにはハウジング202が収まる。
ハウジング202は、ハウジング底部110と、ハウジング底部110の外周側に固定されシャフト環囲部228jの下部を環囲する円筒状のベース側環囲部213と、支持突出部108と、を含む。ベース側環囲部213は軸受凹部204kに接着により固定される。
シャフト226は、ボディ部26fと、ボディ部26fの上端部から半径方向外向きに延在するフランジ部226gと、を含む。シャフト環囲部228jはボディ部26fを環囲する。シャフト環囲部228jとボディ部26fとの隙間は第1ラジアル動圧発生部156および第2ラジアル動圧発生部158を含む。
シャフト環囲部228jは、軸方向においてフランジ部226gとハウジング202とに挟まれている。シャフト環囲部228jとフランジ部226gとの隙間は第2スラスト動圧発生部162を含む。シャフト環囲部228jとハウジング底部110との隙間は第1スラスト動圧発生部160を含む。
シール形成部246はシャフト環囲部228jの外周面228bに取り付けられ、ベース側環囲部213の上部を環囲する。ベース突出部204eはシール形成部246を環囲する。言い換えると、ベース突出部204eおよびベース側環囲部213はベース凹部214を形成し、シール形成部246はベース凹部214に進入する。シール形成部246はハブ228と一体にシームレスに形成されてもよい。この場合、接合の手間が少なくなる。
シール形成部246とベース側環囲部213との間には、シール形成部246の内周面246aとベース側環囲部213の外周面213aとの間の隙間が下方に向けて徐々に広がる部分である第3キャピラリーシール215が形成される。第3キャピラリーシール215は潤滑剤292の第3気液界面216を有する。ベース凹部214は第1の実施の形態のラビリンス凹部112fに対応し、シール形成部246の下部は第1の実施の形態のラビリンス凸部28iに対応する。第3キャピラリーシール215は、後述する第4キャピラリーシール218の半径方向外側に設けられる。
カバーリング212はシャフト環囲部228jの上面228cに接着固定されている。カバーリング212はシャフト環囲部228jの上面228cの内側の縁からさらに内向きに突出する。カバーリング212およびシャフト環囲部228jは半径方向に沿って凹むシール凹部222を形成する。フランジ部226gはシール凹部222に進入する。
フランジ部226gとカバーリング212との間には、フランジ部226gの上面226bとカバーリング212の下面212aとの間の隙間が回転軸Rに向かって徐々に広がる部分である第4キャピラリーシール218が形成される。第4キャピラリーシール218は半径方向に沿って延在する。第4キャピラリーシール218は潤滑剤292の第4気液界面220を有する。第4キャピラリーシール218は、フランジ部226gを挟んで第2スラスト動圧発生部162の反対側に設けられている。
次に、キャピラリーシールの隙間変化率について説明する。図5は回転機器200の第3キャピラリーシール215から第4キャピラリーシール218までの潤滑剤の充填領域の断面を示す模式図である。理解を容易にするため、図5ではキャピラリーシール以外の充填領域を実線で示している。また、以下の説明において、キャピラリーシールの隙間が広がる向きの距離の変化に対する隙間の間隔の変化の比率を隙間変化率と称す。
回転機器200では、第4キャピラリーシール218の間隔が回転軸Rに向かって徐々に広がる隙間は、半径方向外側の外側領域218aの隙間変化率Vが、外側領域218aの半径方向内側の内側領域218bの隙間変化率Wより小さくなるよう構成される。外側領域218aの隙間変化率Vは、一例として3%から7%の範囲にあり、内側領域218bの隙間変化率Wは、一例として10%から50%の範囲にあってもよい。
回転機器200では、第4キャピラリーシール218の間隔が回転軸Rに向かって徐々に広がる隙間は、半径方向外側の外側領域218aの隙間変化率Vが、外側領域218aの半径方向内側の内側領域218bの隙間変化率Wより小さくなるよう構成される。外側領域218aの隙間変化率Vは、一例として3%から7%の範囲にあり、内側領域218bの隙間変化率Wは、一例として10%から50%の範囲にあってもよい。
回転機器200では、第3キャピラリーシール215の間隔が下方に向けて徐々に広がる隙間は、上側領域215aの隙間変化率Xが、上側領域215aの下側の下側領域215bの隙間変化率Yより小さくなるよう構成される。上側領域215aの隙間変化率Xは、一例として3%から7%の範囲にあり、下側領域215bの隙間変化率Yは、一例として10%から50%の範囲にあってもよい。
回転機器200では、第3キャピラリーシール215の下側領域215bの隙間変化率Yは外側領域218aの隙間変化率Vより大きい。また、内側領域218bの隙間変化率Wは下側領域215bの隙間変化率Yより大きい。
回転機器200では、第3キャピラリーシール215の下側領域215bの隙間変化率Yは外側領域218aの隙間変化率Vより大きい。また、内側領域218bの隙間変化率Wは下側領域215bの隙間変化率Yより大きい。
シャフト環囲部228jには、4つの動圧発生部156、158、160、162をバイパスするバイパス連通孔264が形成されている。バイパス連通孔264の上端の開口264aは、フランジ部226gの下面226aと対向するシャフト環囲部228jの対向面228dに形成される。この開口264aは特に対向面228dのうち第2スラスト動圧発生部162よりも外側の部分に形成される。バイパス連通孔264の下端の開口264bは、ベース側環囲部213とシャフト環囲部228jの下部とが半径方向に対向する第8隙間238と第3キャピラリーシール215との間の部分に設けられる。バイパス連通孔264の長さL2はシャフト環囲部228jの軸方向における最大長さL1の半分以下となっている。
回転体の回転中の第8隙間238の体積は、第1ラジアル動圧発生部156の体積と第2ラジアル動圧発生部158の体積と第1スラスト動圧発生部160の体積と第2スラスト動圧発生部162の体積とを合わせた体積よりも大きい。第8隙間238とバイパス連通孔264の下端の開口264bと間の流動抵抗は、その開口264bと第3キャピラリーシール215との間の流動抵抗よりも小さい。特に、第8隙間238とバイパス連通孔264とは軸方向に沿って直列に設けられる。したがって、第8隙間238は第1の実施の形態の第5隙間134と同様なダンパ機能を有する。
本実施の形態に係る回転機器200によると、回転機器200が衝撃を受けた場合に飛散する潤滑剤292の量を低減することができる。特に、トップカバー2の上面に加えられた衝撃により衝撃波がバイパス連通孔264を上から下に伝わる場合、その衝撃波の大部分は第8隙間238に入って減衰する。したがって、第3キャピラリーシール215に到達する衝撃波を弱めることができる。その結果、衝撃により第3気液界面216から飛散する潤滑剤292の量を低減できる。
また、本実施の形態に係る回転機器200では、第4キャピラリーシール218は半径方向に沿って回転軸Rに近づくほど隙間が広くなる形状を有する。したがって、回転体の回転中、第4キャピラリーシール218の中で第4気液界面220よりも内側(気体側)に潤滑剤292の液滴が飛散したとしても、遠心力によりその液滴は第4気液界面220に戻る。その結果、潤滑剤292の飛散量を抑えることができる。
また、本実施の形態に係る回転機器200では、バイパス連通孔264はシャフト環囲部228jが軸方向に比較的薄くなっている場所に設けられている。したがって、バイパス連通孔264を比較的太くして動圧平均化の作用を維持しつつ、バイパス連通孔264を短くすることでバイパス連通孔264の体積を低減することができる。バイパス連通孔264の体積が小さいと、衝撃を受けたときにバイパス連通孔264内の潤滑剤292に発生する衝撃波も弱くなる。
潤滑剤充填部分に潤滑剤を注入するために、例えば、キャピラリーシールとなるべき開口に潤滑剤を注入する方法が考えられる。この場合、注入を受ける開口の面積が小さいと所定の量の潤滑剤を注入するためにかかる作業時間が長くなることがある。
本実施の形態に係る回転機器200では、第3キャピラリーシール215は、第4キャピラリーシール218の半径方向外側に設けられているから、半径方向内側に設ける場合と比べて、第3キャピラリーシールの開口面積を広くすることができる。その結果、潤滑剤292を注入する作業が容易になり作業時間も短くなる。
本実施の形態に係る回転機器200では、第3キャピラリーシール215は、第4キャピラリーシール218の半径方向外側に設けられているから、半径方向内側に設ける場合と比べて、第3キャピラリーシールの開口面積を広くすることができる。その結果、潤滑剤292を注入する作業が容易になり作業時間も短くなる。
また、本実施の形態に係る回転機器200では、第4キャピラリーシール218は半径方向に沿って延在するから、第4キャピラリーシールが軸方向に沿って延在する場合と比べて、第4キャピラリーシール218の軸方向の大きさを小さくすることができる。その結果、第4キャピラリーシール218が薄くなった分、回転機器を薄く構成することが可能となる。
また、本実施の形態に係る回転機器200では、第3キャピラリーシール215の下側領域215bの隙間変化率Yは外側領域218aの隙間変化率Vより大きいから、同じ量の潤滑剤を保持する場合に第3キャピラリーシール215の軸方向の大きさを小さくすることができる。また、第3キャピラリーシール215を薄く構成した分、回転機器を薄く構成することが可能となる。
また、本実施の形態に係る回転機器200では、第4キャピラリーシール218の内側領域218bの隙間変化率Wは第3キャピラリーシール215の下側領域215bの隙間変化率Yより大きいから、第4キャピラリーシール218の容積を大きくして潤滑剤の保持可能量を多くすることができる。
(第3の実施の形態)
図6は、第3の実施の形態に係る回転機器300のモータ部分の半断面図である。図6は図2に対応する。回転機器300は、磁気記録ディスク8が載置されるべき回転体と、回転体を流体動圧軸受を介して回転自在に支持する固定体と、を備える。回転体は、ハブ328と、クランパ36と、円筒状マグネット32と、カバーリング312と、を含む。固定体は、ベース4と、積層コア40と、コイル42と、ハウジング102と、シャフト26と、シャフトリング304と、シールキャップ306と、を含む。回転体と固定体との隙間の一部に潤滑剤392が連続的に介在する。
図6は、第3の実施の形態に係る回転機器300のモータ部分の半断面図である。図6は図2に対応する。回転機器300は、磁気記録ディスク8が載置されるべき回転体と、回転体を流体動圧軸受を介して回転自在に支持する固定体と、を備える。回転体は、ハブ328と、クランパ36と、円筒状マグネット32と、カバーリング312と、を含む。固定体は、ベース4と、積層コア40と、コイル42と、ハウジング102と、シャフト26と、シャフトリング304と、シールキャップ306と、を含む。回転体と固定体との隙間の一部に潤滑剤392が連続的に介在する。
ハブ328は、シャフト26を環囲するシャフト環囲部328jと、ハブ突出部28gと、載置部28hと、を有する。シャフト環囲部328jはボディ部26fを環囲する。シャフト環囲部328jとボディ部26fとの隙間は第1ラジアル動圧発生部156および第2ラジアル動圧発生部158を含む。
シャフト環囲部328jは、軸方向においてフランジ部26gおよびシャフトリング304とハウジング102とに挟まれている。シャフト環囲部328jとフランジ部26gとの隙間は第2スラスト動圧発生部162を含む。シャフト環囲部328jとハウジング底部110との隙間は第1スラスト動圧発生部160を含む。
ベース側環囲部112とシャフト環囲部328jとの位置関係では、ベース側環囲部112はシャフト環囲部328jの下部を環囲する。ベース側環囲部112とシャフト環囲部328jとの間には第1キャピラリーシール114が形成される。
シャフト環囲部328jには、4つの動圧発生部156、158、160、162をバイパスするバイパス連通孔364が形成されている。バイパス連通孔364の上端は第2スラスト動圧発生部162と第5キャピラリーシール315(後述)との間の部分に開口し、バイパス連通孔364の下端は第1スラスト動圧発生部160と第1キャピラリーシール114との間の部分に開口する。
シャフト環囲部328jとハウジング底部110との隙間のうちバイパス連通孔364の下端の開口364aよりも外側のダンパ部分366の体積は、第1ラジアル動圧発生部156の体積と第2ラジアル動圧発生部158の体積と第1スラスト動圧発生部160の体積と第2スラスト動圧発生部162の体積とを合わせた体積よりも大きい。このダンパ部分366は第1キャピラリーシール114とバイパス連通孔364の下端の開口364aとの間に位置するので、このダンパ部分366と開口364aとの間の流動抵抗は開口364aと第1キャピラリーシール114との間の流動抵抗よりも小さい。したがって、ダンパ部分366は第1の実施の形態の第5隙間134と同様なダンパ機能を有する。
カバーリング312は、第5キャピラリーシール315を覆うように、シャフト環囲部328jに接着により固定される。
シャフトリング304は、フランジ部26gを環囲してフランジ部26gの外周面に固定される。シャフト環囲部328jの上部には、回転軸Rを中心とした環状のスリーブ凹部354が形成される。シャフトリング304はスリーブ凹部354に進入する。
図7は、図6のシャフトリング304付近を拡大して示す拡大断面図である。シャフトリング304とシャフト環囲部328jとの間には、シャフトリング304の外周面304aとその外周面304aと半径方向で対向するシャフト環囲部328jの対向面328bとの間の隙間が上方に向けて徐々に広がる部分である第5キャピラリーシール315が形成される。第5キャピラリーシール315は潤滑剤392の第5気液界面316を有する。
第5キャピラリーシール315は、回転体が固定体に対して回転するとき第5気液界面316が存在するテーパ領域315aと、テーパ領域315aと連結して第5気液界面316の気体側に設けられ、潤滑剤392の移動を抑制する狭窄領域315bと、を有する。狭窄領域315bは隙間を狭くすることによって潤滑剤392の移動を抑制する。
狭窄領域315bを形成するシャフト環囲部328jの対向面328bの部分には、シャフトリング304に向けて隆起するシール隆起部328cが形成される。シール隆起部328cは上向きに窄むテーパ側面328dを有する。回転体の回転中、第5気液界面316から飛散してテーパ側面328dに付着した潤滑剤392の液滴は、遠心力により下向きに移動し、第5気液界面316に戻る。
シールキャップ306はシャフトリング304の上面304bに接着固定される。シールキャップ306は、シール隆起部328cに向けて延在する。特にシールキャップ306はシャフトリング304の上面304bの外側の縁からさらに外向きに突出する。シール隆起部328cとシールキャップ306との半径方向での隙間の大きさW1は、テーパ領域315aの半径方向での隙間の大きさの最大値よりも小さい。回転体の回転中、第5気液界面316から飛散した潤滑剤392の少なくとも一部はシールキャップ306の突出している部分に当たり、再び第5気液界面316に戻る。
本実施の形態に係る回転機器300によると、回転機器300が衝撃を受けた場合に飛散する潤滑剤392の量を低減することができる。特に、トップカバー2の上面に加えられた衝撃により衝撃波がバイパス連通孔364を上から下に伝わる場合、その衝撃波の大部分はダンパ部分366に入って減衰する。したがって、第1キャピラリーシール114に到達する衝撃波を弱めることができる。その結果、衝撃により第1気液界面から飛散する潤滑剤392の量を低減できる。
なお、本実施の形態では、ダンパ部分366がバイパス連通孔364の開口364aと第1キャピラリーシール114とに挟まれている。これに対して第1および第2の実施の形態では、ダンパとして機能する隙間とキャピラリーシールとの間にバイパス連通孔の開口が位置する。したがって、基本的に、第1および第2の実施の形態における衝撃低減作用のほうが第3の実施の形態における衝撃低減作用よりも強い。
また、本実施の形態に係る回転機器300では、第5キャピラリーシール315の形状について、第5気液界面316の気体側に潤滑剤392の移動を抑制する狭窄領域315bが形成されている。特に狭窄領域315bでは隙間がより狭くなっている。したがって、衝撃により第5気液界面316から飛散した潤滑剤392は狭窄領域315bを通過しにくくなり、潤滑剤392の飛散量が低減される。
以上、実施の形態に係る回転機器の構成と動作について説明した。これらの実施の形態は例示であり、それらの各構成要素の組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
各実施の形態では、円筒状マグネット32が積層コア40の外側に位置する、いわゆるアウターロータ型の回転機器について説明したが、これに限られない。たとえば円筒状マグネットが積層コアの内側に位置する、いわゆるインナーロータ型の回転機器であってもよい。
各実施の形態では積層コアを用いる場合について説明したが、コアは積層コアでなくてもよい。
各実施の形態では、ハブは鉄鋼材料から形成される場合について説明したが、これに限られない。例えば、ハブを軽量化するために、ハブを、アルミニウム合金などの非鉄金属材料や液晶ポリマ(Liquid crystal polymer)などの樹脂材料から形成してもよい。
各実施の形態では、ハウジングはベースの上面に形成される非貫通の軸受凹部に嵌合される場合について説明したが、これに限られない。たとえば軸受凹部に対応する部分に貫通孔を設け、ハウジングは当該貫通孔に嵌合して固定されてもよい。
2 トップカバー、 4 ベース、 8 磁気記録ディスク、 10 データリード/ライト部、 26 シャフト、 28 ハブ、 32 円筒状マグネット、 40 積層コア、 42 コイル、 92 潤滑剤、 100 回転機器、 168 ラビリンスシール、 170 潤滑剤捕獲部、 200 回転機器、 300 回転機器。
Claims (14)
- 記録ディスクが載置されるべき回転体と、
前記回転体を流体動圧軸受を介して回転自在に支持する固定体と、を備え、
前記回転体と前記固定体との隙間のうち、一方のキャピラリーシールから前記流体動圧軸受の動圧発生部を経て他方のキャピラリーシールに至る潤滑剤充填部分には連続的に潤滑剤が充填されており、
約1200Gの衝撃を受けた場合に飛散する潤滑剤の量が、潤滑剤の総量の5パーセントより少なくなるよう構成されることを特徴とする回転機器。 - 前記回転体または前記固定体のいずれか一方は前記回転体の回転軸に沿って延在するシャフトを含み、他方は前記シャフトを環囲するスリーブを含み、
前記動圧発生部は、
前記シャフトと前記スリーブとの隙間に形成され、前記回転体が前記固定体に対して回転するとき潤滑剤に半径方向の動圧が発生するラジアル動圧発生部と、
前記潤滑剤充填部分において、前記一方のキャピラリーシールと前記ラジアル動圧発生部との間に設けられ、前記回転体が前記固定体に対して回転するとき潤滑剤に軸方向の動圧が発生するスラスト動圧発生部と、を有し、
前記スリーブには、前記潤滑剤充填部分のうちの前記一方のキャピラリーシールと前記スラスト動圧発生部との間の部分に開口し、少なくとも前記スラスト動圧発生部をバイパスするバイパス孔が形成され、
前記潤滑剤充填部分のうちの前記一方のキャピラリーシールと前記スラスト動圧発生部との間の前記部分は、前記動圧発生部の体積よりも大きな体積を有するダンパ領域を有すると共に、前記バイパス孔の開口と前記ダンパ領域との間の流動抵抗が前記バイパス孔の開口と前記一方のキャピラリーシールとの間の流動抵抗よりも小さくなるよう構成されることを特徴とする請求項1に記載の回転機器。 - 前記ダンパ領域は潤滑剤を溜める潤滑剤溜まりとして機能することを特徴とする請求項2に記載の回転機器。
- 前記回転体または前記固定体のいずれか一方は前記回転体の回転軸に沿って延在するシャフトを含み、他方は前記シャフトを環囲するスリーブを含み、
前記動圧発生部は、
前記シャフトと前記スリーブとの隙間に形成され、前記回転体が前記固定体に対して回転するとき潤滑剤に半径方向の動圧が発生するラジアル動圧発生部と、
前記潤滑剤充填部分において、前記一方のキャピラリーシールと前記ラジアル動圧発生部との間に設けられ、前記回転体が前記固定体に対して回転するとき潤滑剤に軸方向の動圧が発生するスラスト動圧発生部と、を有し、
前記スリーブには、前記潤滑剤充填部分のうちの前記一方のキャピラリーシールと前記スラスト動圧発生部との間の部分に開口し、少なくとも前記スラスト動圧発生部をバイパスするバイパス孔が形成され、
前記回転体または前記固定体の前記一方は、
軸方向で前記スリーブを挟む2つのフランジ部と、
前記2つのフランジ部のうちの一方よりも半径方向外側に設けられ、前記スリーブを環囲するスリーブ環囲部と、を含み、
前記スラスト動圧発生部は、前記2つのフランジ部のうちの他方と前記スリーブとの隙間に形成され、
前記バイパス孔は、前記潤滑剤充填部分のうちの、前記スリーブ環囲部と前記スリーブとが半径方向に対向する隙間と前記他方のキャピラリーシールとの間の部分に別の開口を有することを特徴とする請求項1に記載の回転機器。 - 前記スリーブ環囲部と前記スリーブとが半径方向に対向する隙間は、前記動圧発生部の体積よりも大きな体積を有し、
前記スリーブ環囲部と前記スリーブとが半径方向に対向する隙間と前記バイパス孔の別の開口と間の流動抵抗は前記バイパス孔の別の開口と前記他方のキャピラリーシールとの間の流動抵抗よりも小さいことを特徴とする請求項4に記載の回転機器。 - 前記スリーブは、前記バイパス孔の長さが前記スリーブの軸方向における最大長さの半分以下となるよう構成されることを特徴とする請求項4または5に記載の回転機器。
- 前記スリーブ環囲部と前記スリーブとが半径方向に対向する前記隙間と前記バイパス孔とは軸方向に沿って直列に設けられることを特徴とする請求項4から6のいずれかに記載の回転機器。
- 前記一方のキャピラリーシールは、前記2つのフランジ部のうちの前記他方を挟んで前記スラスト動圧発生部の反対側に設けられることを特徴とする請求項4から7のいずれかに記載の回転機器。
- 前記他方のキャピラリーシールは、前記スリーブ環囲部の外周側に設けられることを特徴とする請求項4から8のいずれかに記載の回転機器。
- 前記一方のキャピラリーシールは、それぞれが前記回転体の回転軸を中心軸とする円錐台の側面をなす2つの面が対向することにより形成され、
前記2つの面のうちの外側の面の母線と回転軸とのなす角度は30度から60度の範囲にあることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の回転機器。 - 前記2つのキャピラリーシールのうちの少なくともひとつは、
前記回転体が前記固定体に対して回転するとき潤滑剤の気液界面が存在する第1領域と、
前記第1領域と連結して前記気液界面の気体側に設けられ、潤滑剤の移動を抑制する第2領域と、を有することを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の回転機器。 - 前記第2領域は隙間を狭くすることによって潤滑剤の移動を抑制することを特徴とする請求項11に記載の回転機器。
- 前記第2領域を形成するよう対向する2つの面のうちの一方には他方に向けて隆起する隆起部が形成され、他方には前記隆起部に向けて延在する延在部が取り付けられることを特徴とする請求項12に記載の回転機器。
- 前記回転体と前記固定体との隙間は、対応する凸部と凹部とにより形成されるラビリンスシールを含み、
前記ラビリンスシールは、前記ラビリンスシールの隙間よりも広い隙間を有する潤滑剤捕獲部を介して前記第2領域と連通し、
前記潤滑剤捕獲部は、前記回転体が前記固定体に対して回転するとき、前記気液界面から移動してきた潤滑剤を遠心力により捕獲するよう構成されることを特徴とする請求項11から13のいずれかに記載の回転機器。
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