JP2014214652A - 波力発電装置 - Google Patents

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Yasuyoshi Takamoto
靖欣 鷹本
祥三 金子
Shozo Kaneko
祥三 金子
橋本 彰
Akira Hashimoto
彰 橋本
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Abstract

【課題】発電効率を向上させるとともに、構造を簡素化して耐久性と信頼性を高める。【解決手段】波力発電装置1は、海面2に浮かぶ浮体3と、浮体3の内部に、鉛直方向に往復直線運動が可能に設けられた振動体20と、浮体3と振動体20との間に設けられて振動体20を浮体3に対して上下振動可能に弾性支持する空気バネ25と、振動体20の振動エネルギーを電力に変換する発電手段35と、浮体3の鉛直方向の振動周期を検知する浮体振動周期検知手段42と、浮体3の質量を可変させる浮体質量可変手段16と、空気バネ25のバネ定数を可変させるバネ定数可変手段33と、浮体振動周期検知手段42からの入力に基づき、浮体3の振動周期が海面2の波の周期に共振するように浮体質量可変手段16を制御するとともに、振動体20の振動周期が浮体3の振動周期に共振するようにバネ定数可変手段33を制御する制御手段43とを備えている。【選択図】図2

Description

本発明は、海面に発生する波のエネルギーにより発電を行う波力発電装置に関するものである。
従来、例えば特許文献1に開示されている海洋波浪を利用した波力発電装置が知られている。この波力発電装置はブイ状に構成されており、海面上に浮かぶ略円筒筐体状の浮体と、この浮体の内部にコイルスプリング状のバネ部材を介してサスペンション支持され、海面の波浪を受けて浮体が上下に揺動することにより、その上下振動に共振して逆位相に振動し、浮体の内部で往復直線運動を繰り返す振動体と、この振動体の往復直線運動により駆動されて発電する発電機とを備えた構成となっている。
特開2012−215121号公報
上記のような波力発電装置において、外洋等における波高が高い波に対応して効率良く発電するには、振動体の重量を10トン以上に設定することが好ましい。しかしながら、特許文献1に開示されている波力発電装置のように、振動体を弾性支持するバネ部材がコイルスプリング状である場合に、振動体の重量が10トンを超えると、コイルスプリングに加わる負荷応力が許容値をはるかに超えてしまい、実用化するのが困難になるという課題があった。
このように、浮体の内部に振動体とコイルスプリングを設置し、波の周期に合わせて振動体とコイルスプリングの固有周期を設定した場合、コイルスプリングの現実的な設計が困難になる。しかも、コイルスプリングでは長期間の使用に伴う金属疲労等に起因してバネ常数が変化する傾向があり、これによって当初設計された振動体の振動周期や振動ストローク等が変わり、予定されていた発電効率が得られなくなる可能性があった。
一方、波の周期の変化に応じて振動体の固有振動数(共振点)を変化させる必要があり、特許文献1の波力発電装置では、振動体の質量に対して、質量を付加する付加質量体が設けられ、この付加質量体の質量が調整可能とされている。
ところが、このように密閉された浮体の内部で振動体の質量を変化させる構造は複雑で故障率が高いため、長期間無点検で連続作動することを強いられる波力発電装置においては採用し難く、あまり実用的ではない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、振動体の高重量化を実現可能にして発電効率を向上させるとともに、構造を簡素化して耐久性と信頼性を高め、併せて暴風雨時における破損を防止することのできる波力発電装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
まず、本発明に係る波力発電装置は、海面に浮かぶ浮体と、前記浮体の内部に、鉛直方向に往復直線運動が可能に設けられた振動体と、前記浮体と前記振動体との間に設けられて前記振動体を前記浮体に対して上下振動可能に弾性支持する空気バネと、前記振動体の振動エネルギーを電力に変換する発電手段と、前記浮体の鉛直方向の振動周期を検知する浮体振動周期検知手段と、前記浮体の質量を可変させる浮体質量可変手段と、前記空気バネのバネ定数を可変させるバネ定数可変手段と、前記浮体振動周期検知手段からの入力に基づき、前記浮体の振動周期が前記海面の波の周期に共振するように前記浮体質量可変手段を制御するとともに、前記振動体の振動周期が前記浮体の振動周期に共振するように前記バネ定数可変手段を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
上記構成の波力発電装置によれば、波高が高い波に対応して効率良く発電するために振動体の重量を例えば10トン以上の高重量なものに設定したとしても、この振動体の重量を支えるのが空気バネであるため、コイルスプリングのように負荷応力が許容値を超えることがなく、実用に耐え得る波力発電装置を提供することができる。
しかも、空気バネは金属製のスプリングと異なり、長期間使用しても金属疲労によりバネ定数が変化することがないため、当初設計された振動体の振動周期や振動ストローク等が変化することがなく、発電効率を長期間に亘って良好に維持することができる。さらに、空気バネを採用することによって波力発電装置の内部構造を簡素化し、軽量化もできるため、波力発電装置の耐久性と信頼性を高めることができる。
制御手段は、浮体振動周期検知手段からの入力に基づき、浮体の振動周期が海面の波の周期に共振するように浮体質量可変手段に浮体の質量を可変させ、これによって浮体の振動周期を波の周期に共振させる。
また、制御手段は、バネ定数可変手段に空気バネのバネ定数を可変させ、これによって振動体の振動周期(固有振動数)を浮体の振動周期に共振させる。
このように、浮体を波の周期に共振させると同時に、振動体の振動周期を浮体の振動周期に合わせることで共振させることができるため、波の周期に対して振動体の振動周期を最大限に大きくすることができる。そして、この振動体の運動エネルギーを発電手段によって電力に変換し、高い発電効率を得ることができる。
また、本発明に係る波力発電装置は、上記構成において、前記バネ定数可変手段は、前記空気バネの主空気室に連通可能な少なくとも1つの副空気室と、前記副空気室を前記主空気室に対して連通または遮断させるバルブ手段と、を備えて構成され、前記制御手段は前記バルブ手段を開閉制御することを特徴とする。
上記構成の波力発電装置において、バルブ手段が開かれると、副空気室が主空気室に連通して空気バネの実質的な空気容量が大きくなり、バネ定数が小さくなる。また、バルブ手段が閉じられると副空気室が主空気室から遮断されて空気バネの実質的な空気容量が小さくなり、バネ定数が大きくなる。
制御手段は、例えば波高が高い時にはバルブ手段を開いて空気バネの実質的な空気容量を大きくし、振動体の振動周期を長くして振動体を大きい波の周期に共振させる。
また、制御手段は、波高が低い時にはバルブ手段を閉じて空気バネの実質的な空気容量を小さくし、振動体の振動周期を短くして振動体を小さい波の周期に共振させる。
このように、副空気室のバルブ手段を開閉させるという、非常に簡素で信頼性が高く、制御が容易な構成により、空気バネのバネ定数を簡単に変更して振動体の振動周期を波の周期に共振させることができる。
また、本発明に係る波力発電装置は、上記構成において、前記浮体質量可変手段は、浮体に設けられた水室と、前記水室に外水を注水する注水手段と、前記水室に注水された外水を排水する排水手段と、を備えて構成されていることを特徴とする。
上記構成の波力発電装置によれば、注水手段によって浮体の水室に外水を注水することにより浮体の質量を大きくすることができる。
また、水室に注水された外水を排水手段によって排水することにより浮体の質量を小さくすることができる。
このように浮体の質量を変化させることにより、浮体の振動周期を波の周期に共振させて発電効率を高めることができる。
また、本発明に係る波力発電装置は、上記構成において、前記制御手段は、前記浮体に対する前記振動体の上下動の振幅が所定量を超えた時に、前記振動体の固有振動数を前記浮体の固有振動数に対して遠ざけるように前記バネ定数可変手段を制御することを特徴とする。
上記構成の波力発電装置によれば、例えば暴風雨等の波の荒い天候下において振動体の上下動の振幅が所定量を超えると、バネ定数可変手段が制御されることによって振動体の固有振動数が浮体の固有振動数に対してずらされる。
このため、浮体に対する振動体の共振点がずれ、浮体の内部における振動体の振幅が小さくなり、暴風雨時に振動体が揺れ過ぎることによる破損や寿命の短縮等が防止される。
また、本発明に係る波力発電装置は、上記構成において、前記発電手段は、前記浮体または前記振動体の一方に設けられて鉛直方向に延びるラックギヤと、前記浮体または前記振動体の他方に設けられた回転駆動型の発電機と、前記発電機の駆動軸に設けられて前記ラックギヤに噛み合うピニオンギヤと、を備えて構成されていることを特徴とする。
上記構成の波力発電装置によれば、浮体に対する振動体の往復運動エネルギーを余すことなく発電機に伝えて発電機を効率良く稼働させ、発電効率を高めることができる。
また、本発明に係る波力発電装置は、上記構成において、前記ラックギヤが前記振動体側に設けられ、前記発電機が前記浮体側に設けられていることを特徴とする。
上記構成の波力発電装置によれば、浮体に対する振動体の振動ストロークの全長に亘ってピニオンギヤを転動させることができ、これによって振動体の往復運動エネルギーを有効に発電機に伝えることができる。
しかも、電気ケーブル類が接続される発電機が浮体側に設けられるので、上記電気ケーブル類が浮体に対して相対移動せず、これによって電気ケーブル類の保安性を保つとともに、電気ケーブル類を容易に接続できる。
また、本発明に係る波力発電装置は、上記構成において、前記ピニオンギヤの回転運動量から前記振動体の前記浮体に対する相対運動量を検知する相対運動量検知手段をさらに有することを特徴とする。
上記構成の波力発電装置によれば、振動体が浮体に対して往復直線運動すると、相対運動量検知手段において、ピニオンギヤの回転運動量から、浮体に対する振動体の相対運動量が検知される。
このため、この相対運動量のデータを参照することにより、振動体の振動周期等を容易且つ正確に検知することができ、振動体の振動周期を浮体の振動周期に共振させやすくなる。
また、本発明に係る波力発電装置は、上記構成において、前記制御手段は、前記浮体に対する前記振動体の上下動の振幅が所定量を超えた時に、前記発電機の出力回路に電気抵抗を付与することによって前記駆動軸に回転抵抗を付与することを特徴とする。
上記構成の波力発電装置によれば、例えば暴風雨等の波の荒い天候下において振動体の上下動の振幅が所定量を超えると、制御手段によって発電機の出力回路に電気抵抗が付与され、これによって発電機の主軸を回転させるのに大きな力が必要となる。
このため、振動体の往復運動にブレーキが掛かり、振動体の往復スピードや往復ストロークが小さくなって、暴風雨時に振動体が揺れ過ぎることによる破損や寿命の短縮等が防止される。
また、本発明に係る波力発電装置は、上記構成において、前記空気バネは、繊維とゴムの複合材を用いたローリングシールを備えていることを特徴とする。
上記構成の波力発電装置によれば、波力発電装置の空気バネを簡素で耐久性の高い構造にし、信頼性を高めることができる。
以上のように、本発明に係る波力発電装置によれば、振動体を空気バネで支持することにより、振動体の高重量化を実現可能にし、発電効率を向上させることができる。また、波力発電装置の構造を簡素化して耐久性と信頼性を高め、併せて暴風雨時における破損を防止することができる。
波力発電装置の係留例を示す図である。 本発明の一実施形態を示す波力発電装置の内部構造を示した縦断面図である。 図2のIII-III線に沿う波力発電装置の横断面図である。 図2のIV部拡大図である。 波力発電装置の制御系統を概略的に示すブロック図である。 波力発電装置の制御の流れを示すフローチャートである。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係る波力発電装置の係留例を示す図であり、図2は波力発電装置の内部構造を示した縦断面図である。
この波力発電装置1は、海面2上に上部が露出した状態で浮かぶ円筒状の浮体3を備えている。この浮体3の全長としては10m前後を例示することができる。浮体3は、例えば三方からワイヤーロープ4で係留される。3本のワイヤーロープ4の先端部には海底に沈むアンカーウェイト5が連結され、中間部には浮き6が設けられている。各ワイヤーロープ4は浮体3の重心点付近の高さに連結するのが好ましい。
このように係留することにより、波力発電装置1は波を受けても主に上下にのみ揺動し、その縦軸が傾くような姿勢変化を起こさなくなる。このため、後述するように波の周期に浮体3を共振させて上下に振動(揺動)させる時に大きな揺動エネルギーを発生させて発電効率を高めることができる。なお、ワイヤーロープ4の1本には波力発電装置1から延びる発電機の出力ケーブル7が巻き付けられている。
図2に示すように、波力発電装置1の浮体3は、例えばその上部に外径の大きい大径部3aを有し、この大径部3aより外径の小さい外筒部3bが大径部3aの底面から下方に延びた形状である。外筒部3bの底部には、波力発電装置1の姿勢を安定させるための下部錘10が設けられている。また、外筒部3bの内側には同心筒状の内筒部3cが設けられている。この内筒部3cは、大径部3aの天井面から下方に向かって延び、外筒部3bの底面(下部錘10)よりも高い位置で径方向内側に折り返されて上方に立ちあがる折り返し部3dが形成されている。
大径部3aの内部には水室12が形成されている。この水室12は、大径部3aの底面から天井面側に延びて大径部3aの側面に内接する内壁3eに囲まれて形成されている。一例として、外筒部3bを大径部3aの底面よりも高く、且つ大径部3aの天井面に至らない位置まで延ばして内壁3eを形成し、大径部3aの側面と接続させて、大径部3aの外周面と外筒部3bとの間に密閉された環状の水室12を形成することができる。
水室12には、外水を注水する注水バルブ13(注水手段)と、水室12に注水された外水を排水する排水ポンプ14(排水手段)とが設けられている。排水ポンプ14として好適なのは電力を必要としない水撃ポンプである。排水ポンプ14からは排水管15(排水手段)が上方に延びており、排水ポンプ14が作動すると水室12に注水された外水が海面2よりも高い位置から外部に排水されるようになっている。注水バルブ13と排水ポンプ14は後述する制御装置43によって制御される。
そして、水室12と、注水バルブ13と、排水ポンプ14と、排水管15とによって、浮体3の質量を可変させる浮体質量可変部16(浮体質量可変手段)が構成されている。即ち、注水バルブ13が開かれて水室12に外水が注水されると浮体3の質量が大きくなり、排水ポンプ14が作動して水室12に注水された外水が排水されると浮体3の質量が小さくなる。
一方、内筒部3cの内側には振動体20が設けられている。この振動体20は、内筒部3cの内部で鉛直方向に往復直線運動が可能である。振動体20は、例えば底部が開放された円筒形状であり、その天井部に共振錘21が設けられている。共振錘21の重量としては10トン前後を例示することができる。振動体20の外周壁20aは内筒部3cの折り返し部3dの中に入って行くようになっており、外周壁20aの内周面と折り返し部3dの外周面との間にローリングシール22が介装されている。
ローリングシール22は、布等の繊維とゴムの複合材、またはU字断面形状のゴムや軟質樹脂の膜であり、折り返し部3dに対する振動体20の相対位置に拘わらず、折り返し部3dと振動体20との間を気密的にシールする。
そして、外筒部3bの内側の空間と振動体20の内側の空間(ローリングシール22までの空間)とが連通して主空気室24が形成されており、振動体20が可動ピストンとなって、浮体3と振動体20との間に空気バネ25が構成されている。この空気バネ25により、振動体20が浮体3に対して上下に振動可能に弾性支持される。
図3にも示すように、例えば大径部3aの外周面と内筒部3cとの間、且つ大径部3aの天井部に環状の副空気室28が形成されている。この副空気室28と主空気室24との間は水平隔壁29によって隔てられている。また、副空気室28は90°間隔で4枚設けられた垂直隔壁30によって4つの部屋に仕切られている。
水平隔壁29には、副空気室28を主空気室24に対して連通または遮断させるダンパー31(バルブ手段)が設けられている。このダンパー31は、例えば1つの副空気室28当たりに2つ設けられており、各々がアクチュエータ32によって開閉される。アクチュエータ32は後述する制御装置43によって開閉制御される。
そして、副空気室28と、ダンパー31とによって、空気バネ25のバネ定数を可変させるバネ定数可変部33(バネ定数可変手段)が構成されている。即ち、4つの部屋に仕切られた副空気室28の各々に設けられたダンパー31が開く数が増えるにしたがって、主空気室24に連通する副空気室28の数が増えてゆき、主空気室24の容量が大きくなって空気バネ25のバネ定数が小さくなる。また、全てのダンパー31が閉じると主空気室24の容量が小さくなって空気バネ25のバネ定数が最大になる。
さらに、浮体3の内部における振動体20の振動エネルギーを電力に変換する発電部35(発電手段)が設けられている。この発電部35は、図4に示すように、振動体20の外周壁20aの外周面に設けられて鉛直方向に延びるラックギヤ36と、内筒部3cの内周面に設けられた回転駆動型の発電機37と、この発電機37の駆動軸38に設けられてラックギヤ36に噛み合うピニオンギヤ39とを備えて構成されている。本実施形態では発電部35が2組設置されているが、この設置数は適宜変更してよい。発電信号、位置信号、ブレーキ信号等を伝達する電気ケーブル類40は、発電機37と下記の制御装置43とを接続するように配線されている。
また、浮体3の鉛直方向の振動周期を検知する加速度センサ42(浮体振動周期検知手段)と、制御装置43(CPU:制御手段)とが、例えば浮体3の内部上方に設けられている。
図5は、波力発電装置1の制御系統を概略的に示すブロック図である。制御装置43には、注水バルブ13と、排水ポンプ14と、バネ定数可変部33のダンパー31を開閉するアクチュエータ32と、加速度センサ42と、発電部35の発電機37とが接続されている。
以上のように構成された波力発電装置1において、海面2に浮かぶ浮体3が波を受けて上下に揺動し、その内部でさらに振動体20が上下に振動すると、浮体3と振動体20が互いに逆方向に動く。このため、振動体20側に設けられたラックギヤ36が浮体3側に設けられたピニオンギヤ39を回転駆動し、発電機37を回転させて発電を行わせる。このようにして振動体20の振動エネルギーが電力に変換される。
制御装置43は、発電効率を高めるために、加速度センサ42からの入力に基づき、浮体3の振動周期が海面2の波の周期に共振するように浮体質量可変部16を制御するとともに、振動体20の振動周期が浮体3の振動周期に共振するようにバネ定数可変部33を制御する。この制御の流れを図6に示すフローチャートを参照しながら説明する。
この制御のスタート後、まず加速度センサ42により、波を受けて上下に振動(揺動)する浮体2の振動が検知される(ステップS1)。次に、制御装置43が浮体2の振動周期F1を演算する(ステップS2)。そして、制御手段43は、演算された振動周期F1が波の周期に近似するように、浮体3の質量を調整する(ステップS3)。即ち、浮体3の質量を大きくする場合には浮体質量可変部16の注水バルブ13を開いて水室12に外水を注水し、浮体3の質量を小さくする場合には排水ポンプ14を作動させて水室12に注水された外水を排水する。
これにより、浮体3の振動周期が波の周期に近似し、浮体3は波の周期に共振して大きく上下に振動する。次に制御装置43は、振動体20の固有周期F2を浮体2の振動周期F1に近似させることができる空気バネ25の総空気量を演算する(ステップS4)。そして、演算した総空気量を実現するために、空気バネ25の主空気室24に連通させなければならない副空気室28の部屋数を演算し(ステップS5)、その演算結果に合わせてダンパー31を開閉制御する(ステップS6)。
例えば、波高が高い時にはダンパー31を多く開いて主空気室24の容量を大きくし、振動体20の振動周期F2を長くして振動体20を大きい波の周期に共振させる。また、波高が低い時にはダンパー31を閉じて主空気室24の容量を小さくし、振動体20の振動周期F2を短くして振動体20を小さい波の周期に共振させる。その後、制御は元に戻る。この制御ルーティンは、所定の間隔(例えば30分間隔)で繰り返し実行され、その都度、波の状況に応じて浮体3の振動周期F1と振動体20の振動周期F2が演算される。
このように構成された波力発電装置1によれば、波高が高い波に対応して効率良く発電するべく、振動体20(共振錘21)の重量を例えば10トン以上の高重量なものに設定したとしても、この振動体20の重量を支えるのが空気バネ25であるため、従来のコイルスプリングのように負荷応力が許容値を超えることがなく、実用に耐えることができる。
しかも、空気バネ25は金属製のスプリングと異なり、長期間使用しても金属疲労によりバネ定数が変化することがないため、当初設計された振動体20の振動周期や振動ストローク等が変化することがなく、発電効率を長期間に亘って良好に維持することができる。さらに、空気バネを採用することによって波力発電装置の内部構造を簡素化し、軽量化もできるため、波力発電装置1の耐久性と信頼性を高めることができる。
また、制御装置43が、浮体質量可変部16に浮体3の重量を調整させて波の周期に共振させるとともに、バネ定数可変部33に空気バネ25のバネ定数を可変させて振動体20を浮体3の振動周期に共振させる制御を実行するため、波の周期に対して振動体20の振動周期を最大限に大きくすることができる。したがって、振動体20の運動エネルギーを発電部35によって効率良く電力に変換することができる。
バネ定数可変部33は、空気バネ25の主空気室24に連通可能な複数の副空気室28と、これらの副空気室28を主空気室24に対して連通または遮断させるダンパー31とを備えて構成され、制御装置43によってダンパー31のアクチュエータ32が操作される構成であるため、非常に簡素で信頼性が高く、制御が容易な構成により、空気バネ24のバネ定数を変更して振動体20の振動周期F2を波の周期に共振させることができる。
一方、浮体質量可変部16は、浮体3に設けられた水室12と、この水室12に外水を注水する注水バルブ13と、水室12に注水された外水を排水する排水ポンプ14とを備えた構成であるため、簡素で信頼性の高い構成により、浮体3の質量を容易に変更可能にして、浮体3の振動周期F1を波の周期に共振させて発電効率を高めることができる。
一方、発電部35は、振動体20に設けられて鉛直方向に延びるラックギヤ36と、浮体3に設けられた回転駆動型の発電機37と、この発電機37の駆動軸38に設けられてラックギヤ36に噛み合うピニオンギヤ39と、を備えて構成されているため、浮体3に対する振動体20の往復運動エネルギーをロスすることなく発電機37に伝えて発電機37を効率良く稼働させ、発電効率を高めることができる。
この発電部35においては、ラックギヤ36が振動体20側に設けられ、発電機37が浮体3側に設けられているので、浮体3に対する振動体20の振動ストロークの全長に亘ってピニオンギヤ39を転動させることができ、これによって振動体20の往復運動エネルギーを有効に発電機に伝えることができる。
しかも、電気ケーブル類40が接続する発電機37が浮体3側に設けられるので、電気ケーブル類40が浮体3に対して相対移動せず、これによって電気ケーブル類40の保安性を保つとともに、電気ケーブル類40の配線を容易にすることができる。
ところで、制御装置43は、浮体3に対する振動体20の上下動の振幅が所定量を超えた時に、振動体20の固有振動数を浮体3の固有振動数に対して遠ざけるようにバネ定数可変部33を制御する。例えば、暴風雨等の波の荒い天候下において振動体20の上下動の振幅が所定量を超えると、バネ定数可変部33が制御されることによって振動体20の固有振動数が浮体3の固有振動数に対してずらされる。つまり、あえて振動体20の振幅が小さくなるようにダンパー31が開閉操作される。
これにより、暴風雨時に振動体20が浮体3の内部で揺れ過ぎることによる破損や寿命の短縮等を防止することができる。
また、上記のような暴風雨時における破損対策として、発電機37の出力回路に電気抵抗(ブレーキ信号)を付与することによって駆動軸38に回転抵抗を付与する制御を制御装置43に実行させてもよい。電気抵抗を大きくするほど駆動軸38の回転抵抗も大きくなる。
この場合、暴風雨時に振動体20の上下動の振幅が所定量を超えると、制御装置43によって発電機37の出力回路に電気抵抗が付与され、これによって発電機37の駆動軸38を回転させるのに大きな力が必要となる。したがって、振動体20の往復運動にブレーキが掛かり、振動体20の往復スピードや往復ストロークが小さくなって、振動体20が揺れ過ぎることによる破損や寿命の短縮等が防止される。同時に、機械的なブレーキ機構あるいはロック機構を作動させて振動体20の振動を規制するようにしてもよい。また、ブレーキ機構を作動させると同時に回生発電を行うことも考えられる。
ところで、発電装置35がラックギヤ36とピニオンギヤ39を用いて回転駆動型の発電機37を駆動することを利用して、ピニオンギヤ39の回転運動量から、浮体3に対する振動体20の相対運動量を検知する図示しない回転位置センサ(相対運動量検知手段)を設け、この回転位置センサで得た位置信号を制御装置43に送り、制御手段43に振動体20の位置情報として参照させるようにしてもよい。
これにより、振動体20の振動周期F2等を容易且つ正確に検知することができ、振動体20の振動周期F2を浮体3の振動周期F1に共振させやすくなる。
また、この波力発電装置1は、空気バネ25を構成する振動体20を浮体3に対して上下動可能に保ちながら主空気室24を気密的にシールするために、浮体3と振動体20との間にローリングシール22を用いているため、空気バネ25を簡素で耐久性の高い構造にし、波力発電装置1の信頼性を高めることができる。
なお、本発明は上記実施形態の構成のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更や改良を加えることができ、このように変更や改良を加えた実施形態も本発明の権利範囲に含まれるものとする。
例えば、上記実施形態では、複数の副空気室28を選択的に主空気室24に連通させることによって主空気室24の容積、即ち空気バネ25のバネ定数を段階的に変化させるように構成されているが、主空気室24の容積を連続的に変化させる手段を講じることによって空気バネ25のバネ定数を無段階に変化させるようにしてもよい。
1 波力発電装置
2 海面
3 浮体
12 水室
13 注水バルブ(注水手段)
14 排水ポンプ(排水手段)
16 浮体質量可変部(浮体質量可変手段)
20 振動体
22 ローリングシール
24 主空気室
25 空気バネ
28 副空気室
31 ダンパー(バルブ手段)
33 バネ定数可変部(バネ定数可変手段)
35 発電部(発電手段)
36 ラックギヤ
37 発電機
38 駆動軸
39 ピニオンギヤ
42 加速度センサ(浮体振動周期検知手段)
43 制御装置(制御手段)
F1 浮体の振動周期
F2 振動体の振動周期

Claims (9)

  1. 海面に浮かぶ浮体と、
    前記浮体の内部に、鉛直方向に往復直線運動が可能に設けられた振動体と、
    前記浮体と前記振動体との間に設けられて前記振動体を前記浮体に対して上下振動可能に弾性支持する空気バネと、
    前記振動体の振動エネルギーを電力に変換する発電手段と、
    前記浮体の鉛直方向の振動周期を検知する浮体振動周期検知手段と、
    前記浮体の質量を可変させる浮体質量可変手段と、
    前記空気バネのバネ定数を可変させるバネ定数可変手段と、
    前記浮体振動周期検知手段からの入力に基づき、前記浮体の振動周期が前記海面の波の周期に共振するように前記浮体質量可変手段を制御するとともに、前記振動体の振動周期が前記浮体の振動周期に共振するように前記バネ定数可変手段を制御する制御手段と、
    を備えたことを特徴とする波力発電装置。
  2. 前記バネ定数可変手段は、
    前記空気バネの主空気室に連通可能な少なくとも1つの副空気室と、
    前記副空気室を前記主空気室に対して連通または遮断させるバルブ手段と、を備えて構成され、
    前記制御手段は前記バルブ手段を開閉制御することを特徴とする請求項1に記載の波力発電装置。
  3. 前記浮体質量可変手段は、
    浮体に設けられた水室と、
    前記水室に外水を注水する注水手段と、
    前記水室に注水された外水を排水する排水手段と、を備えて構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の波力発電装置。
  4. 前記制御手段は、前記浮体に対する前記振動体の上下動の振幅が所定量を超えた時に、前記振動体の固有振動数を前記浮体の固有振動数に対して遠ざけるように前記バネ定数可変手段を制御することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の波力発電装置。
  5. 前記発電手段は、
    前記浮体または前記振動体の一方に設けられて鉛直方向に延びるラックギヤと、
    前記浮体または前記振動体の他方に設けられた回転駆動型の発電機と、
    前記発電機の駆動軸に設けられて前記ラックギヤに噛み合うピニオンギヤと、
    を備えて構成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の波力発電装置。
  6. 前記ラックギヤが前記振動体側に設けられ、前記発電機が前記浮体側に設けられていることを特徴とする請求項5に記載の波力発電装置。
  7. 前記ピニオンギヤの回転運動量から前記振動体の前記浮体に対する相対運動量を検知する相対運動量検知手段をさらに有することを特徴とする請求項5または6に記載の波力発電装置。
  8. 前記制御手段は、前記浮体に対する前記振動体の上下動の振幅が所定量を超えた時に、前記発電機の出力回路に電気抵抗を付与することによって前記駆動軸に回転抵抗を付与することを特徴とする請求項5または6に記載の波力発電装置。
  9. 前記空気バネは、繊維とゴムの複合材を用いたローリングシールを備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の波力発電装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN105089918A (zh) * 2015-08-19 2015-11-25 中国船舶重工集团公司第七一〇研究所 一种基于压电元件的波浪能发电装置
WO2023169169A1 (zh) * 2022-03-07 2023-09-14 于光远 一种海浪发电装置

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