JP2014213610A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】コーナリング性能を確保しつつ、ウエット路面走行時における排水性能を向上させた空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】トレッド部16には、タイヤ周方向に沿って延びる複数本の周方向主溝が形成され、複数本の周方向主溝よりもタイヤ装着時における、車両外側には外側陸部40が形成され、車両内側には内側陸部30が形成されている。最外側周方向主溝24からは、第2外側陸部46へ向かって外側ラグ溝42が延出され、その延長上に、凹部が形成されている。内側陸部30には、内側周方向細溝26、及び内側周方向細溝26からタイヤ幅方向外側へ延出され、内側陸部30内で終端する内側ラグ溝30Aが形成されている。また、内側陸部30には、内側ラグ溝30Aとタイヤ幅方向にオーバーラップしたショルダーラグ溝30Bがショルダー側へ延出されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、空気入りタイヤに係り、特には、タイヤ周方向に沿って延びる周方向主溝が複数形成されたトレッドパターンを有する空気入りタイヤに関する。
従来、空気入りタイヤにおいては、タイヤ装着方向が指定され、トレッドパターンがタイヤ赤道面を挟んで非対称とされることがある(特許文献1参照)。特に、高いエンジン出力をもつ高性能車両へ装着される空気入りタイヤでは、高速走行時におけるコーナリング時には、空気入りタイヤの接地圧は、車両内側よりも車両外側の接地圧が高くなる。そこで、コーナリング性能を向上させるためのパターンが求められている。一方、高性能車両では一般的にネガティブキャンバーがついていため、ウエット路面を通常走行する際には、空気入りタイヤの車両内側の寄与が大きくなるため、車両内側における排水性について考慮する必要がある。
特開2010−58781号
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであって、コーナリング性能を確保しつつ、ウエット路面走行時における排水性能を向上させた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明の請求項1に係る空気入りタイヤは、トレッド部に形成され、タイヤ周方向に沿って延びる複数本の周方向主溝と、前記複数本の周方向主溝のうち車両装着時における最もタイヤ装着外側に形成された最外側周方向主溝よりも車両装着時におけるタイヤ装着外側に形成された外側陸部と、前記複数本の周方向主溝のうち車両装着時における最もタイヤ装着内側に形成された最内側周方向主溝よりも車両装着時におけるタイヤ装着内側に形成された内側陸部と、前記最外側周方向主溝から前記外側陸部へ向かって延出され、タイヤ装着外側のベルト端位置よりも前記最外側方向周方向主溝側で終端する外側ラグ溝と、前記外側陸部の前記外側ラグ溝よりもタイヤ幅方向外側に形成された凹部と、前記内側陸部に形成され、タイヤ周方向に沿って延び、前記最内側周方向主溝よりも溝幅が狭く溝深さが浅い内側周方向細溝と、前記内側周方向細溝からタイヤ幅方向外側へ延出され、前記内側陸部内で終端する内側ラグ溝と、タイヤ幅方向の内側端の一部が前記内側ラグ溝とタイヤ幅方向でオーバーラップし、タイヤ接地端を跨いでタイヤ幅方向外側へ延出されたショルダーラグ溝と、を備えている。
請求項1の空気入りタイヤは、トレッドにタイヤ周方向に沿って延びる複数本の周方向主溝が形成されている。そして、車両装着時におけるタイヤ外側に外側陸部が形成されており、車両装着時におけるタイヤ内側に内側陸部が形成されている。
なお、ここでは、タイヤを車両に装着した時のタイヤ幅方向の内側(車内側)を「タイヤ装着内側」といい、タイヤを車両に装着した時のタイヤ幅方向の外側(車外側)を「タイヤ装着外側」という。また、陸部は、トレッド部において溝により区画された部分であり、リブ及びブロックを含むものである。
一方、複数本の周方向主溝のうちタイヤを車両に装着した時における最も車両外側に形成された最外側周方向主溝からは、外側陸部へ向かって外側ラグ溝が延出されている。この外側ラグ溝は、タイヤ装着外側のベルト端位置よりも最外側周方向主溝側で終端している。したがって、外側陸部に、タイヤ周方向で陸部を連続させることができ、効果的にコーナリング性能を向上させることができる。
また、外側陸部の外側ラグ溝よりもタイヤ幅方向外側には、凹部が形成されているので、陸部がタイヤ周方向に連続していても、陸部変形の逃げ部が確保される。したがって、陸部の歪みが緩和されると共に、陸部の接地性を向上させることができる。さらに、凹部により表面積が広くなるので、特に発熱量の多いベルト端において放熱を促進させることができる。
また、内側陸部には、最内側周方向主溝よりも溝幅が狭く溝深さが浅い内側周方向細溝、及び、内側周方向細溝から延出された内側ラグ溝が形成されているので、内側陸部の排水性も向上させることができる。また、内側ラグ溝は、内側陸部内で終端しているので、内側陸部の剛性を確保することができる。さらに、タイヤ幅方向の内側端の一部が内側ラグ溝とタイヤ幅方向にオーバーラップしたショルダーラグ溝が、タイヤ接地端を跨いでタイヤ幅方向外側へ延出されているので、内側ラグ溝よりもショルダー側における排水性も確保することができる。
本発明の請求項2に係る空気入りタイヤは、前記凹部は、タイヤ装着外側のベルト端位置よりもタイヤ幅方向内側に形成された第1凹部及び前記第1凹部よりもタイヤ幅方向外側に配置された第2凹部を含んでいること、を特徴とする。
このように、2つの凹部を設けることにより、第1凹部では接地陸部の歪みを緩和する機能を効果的に発揮させ、第2凹部ではベルト端に近い位置で放熱機能を効果的に発揮させることができる。
本発明の請求項3に係る空気入りタイヤは、前記凹部は、前記外側ラグ溝の延長線上に配置されていること、を特徴とする。
ここでは、少なくとも凹部の一部が外側ラグ溝の延長線上に配置されていればよい。このように、凹部を配置することにより、バランスよく陸部の歪みを緩和させることができる。
本発明の請求項4に係る空気入りタイヤは、前記内側ラグ溝のタイヤ幅方向外側端は、タイヤ接地端よりもタイヤ幅方向外側に配置されていること、を特徴とする。
上記構成によれば、内側ラグ溝とショルダーラグ溝とがオーバーラップしている部分にトレッドのタイヤ接地端が配置されるので、タイヤ接地端付近の排水を効率的に行うことができる。
以上説明したように、本発明の空気入りタイヤによれば、コーナリング性能を確保しつつ、ウエット路面走行時における排水性能を向上させることができる。
本実施形態に係る空気入りタイヤのタイヤ径方向断面図である。 本実施形態に係る空気入りタイヤのトレッドの展開図である。 図2のA−A線の断面図である。 図2のC−C線の断面図である。 図2のB−B線の断面図である。
以下、図面にしたがって、本発明の第1実施形態に係る空気入りタイヤ10について説明する。なお、図中における矢印INは、タイヤを車両に装着した時(以下「タイヤ装着時」という)の内側、(以下「タイヤ装着内側」という)を示し、矢印OUTは、タイヤ装着時の外側(以下「タイヤ装着外側」という)を示す。また、一点鎖線CLは、タイヤ赤道面を示す。
図1に示されるように、本実施形態の空気入りタイヤ10は、一対のビード部12と、一対のサイドウォール部14と、トレッド部16とを有している。ビード部12には、少なくとも1本の環状のビードコア12Aが埋設されている。一対のビードコア12A間には、カーカス18がトロイダル状に跨るように設けられている。このカーカス18は、ビードコア12Aに対して内側から外側に巻き返されている。カーカス18のタイヤ径方向外側には、ベルト層19が設けられている。ベルト層19は、2枚のベルト層により構成されており、カーカス18の外側に配置された第1ベルト層19Aと、第1ベルト層19Aの外側に積層配置された第2ベルト層19Bとを有している。
図2には、空気入りタイヤ10のトレッド部16が示されている。なお、トレッド部16のタイヤ接地端16Eは、空気入りタイヤ10をJATMA YEAR BOOK(日本自動車タイヤ協会規格、2013年度版)に規定されている標準リムに装着し、JATMA YEAR BOOKでの適用サイズ・プライレーティングにおける最大負荷能力(内圧−負荷能力対応表の太字荷重)に対応する空気圧(最大空気圧)の100%の内圧を充填し、最大負荷能力を負荷したときのものである。使用地又は製造地において、TRA規格、ETRTO規格が適用される場合は各々の規格に従う。
本実施形態の空気入りタイヤ10は、タイヤ赤道面CLを挟んで左右非対称のパターン形状とされており、図面左側がタイヤ装着内側、図面右側がタイヤ装着外側となるように装着される。なお、タイヤ回転方向は、矢印Rで示される方向となるように(図の下側が踏み込み側、上側が蹴り出し側となるように)装着されることが好ましい。タイヤ回転方向については、必ずしも前述の方向性をもって装着する必要はなく、前後方向を逆に装着してもよい。
本実施形態の空気入りタイヤ10のトレッド部16には、タイヤ周方向に沿って延びる複数(本実施形態では3本)の周方向主溝としての、最内側周方向主溝20、中央周方向主溝22、及び、最外側周方向主溝24が、形成されている。
最内側周方向主溝20は、3本の周方向主溝のなかで最もタイヤ装着内側に形成されている。中央周方向主溝22は、最内側周方向主溝20よりもタイヤ装着外側で、かつタイヤ赤道面CLよりもタイヤ装着内側に形成されている。最外側周方向主溝24は、中央周方向主溝22よりもタイヤ装着外側で、かつタイヤ赤道面CLよりもタイヤ装着外側に形成されている。
最内側周方向主溝20よりもタイヤ装着内側には、内側陸部30が形成されている。内側陸部30には、タイヤ周方向に沿って内側周方向細溝26が形成されている。図4に示されるように、内側周方向細溝26の溝幅W6は、最内側周方向主溝20の溝幅W7よりも狭く、かつ内側周方向細溝26の溝深さH6は、最内側周方向主溝20の溝深さH7よりも浅く形成されている。内側周方向細溝26によって、内側陸部30は、タイヤ赤道面CL側の第1内側陸部31と、ショルダー側の第2内側陸部32に区画されている。
なお、内側周方向細溝26は、溝幅が3本の周方向主溝(最内側周方向主溝20、中央周方向主溝22、及び、最外側周方向主溝24)よりも狭く、溝深さが浅い点で、周方向主溝と区別される。
第2内側陸部32には、内側周方向細溝26に開口し、内側周方向細溝26からタイヤ装着内側のショルダー側へ向かってタイヤ幅方向に延びる内側ラグ溝30Aが形成されている。内側ラグ溝30Aは、タイヤ装着内側のタイヤ接地端16Eよりもショルダー側まで延出され、第2内側陸部32内で終端している。また、第2内側陸部32には、内側周方向細溝26と離間して配置され、タイヤ幅方向に延びるショルダーラグ溝30Bが形成されている。ショルダーラグ溝30Bは、タイヤ接地端16Eよりもタイヤ赤道面CL側からタイヤ接地端16Eを跨いで延出され、内側ラグ溝30Aよりもショルダー側で終端している。ショルダーラグ溝30Bは、タイヤ周方向で、2本の内側ラグ溝30Aの間に形成されている。内側ラグ溝30Aとショルダーラグ溝30Bとは、タイヤ周方向からみて互いに一部が重なり合う(オーバーラップする)ように配置されている。
第1内側陸部31には、溝が形成されていない。第1内側陸部31の幅は、トレッド部16に形成される他のリブよりも狭幅に形成されている。
最内側周方向主溝20と中央周方向主溝22の間には、第1リブ34が形成されている。第1リブ34には、第1ラグ溝36が形成されている。第1ラグ溝36は、最内側周方向主溝20に開口し、最内側周方向主溝20から中央周方向主溝22側へ向かって延びている。第1ラグ溝36は、中央周方向主溝22へ開口せず、第1リブ34内で終端している。したがって、第1リブ34のタイヤ赤道面CLに近い側には、タイヤ周方向に直線状に連続する陸部が形成されている。
第1ラグ溝36は、タイヤ幅方向に対して僅かに傾斜している。最内側周方向主溝20と第1ラグ溝36の間に形成される角部のうちの鋭角側(図2では、第1ラグ溝36の上側)は、面取りされて、面取部36Mが形成されている。第1ラグ溝36は、中央周方向主溝22側が最内側周方向主溝20側よりも溝幅の狭い先端部36Sとされている。先端部36Sは、面取部36Mが形成されていない側の溝壁にR段部36Dを形成することにより狭幅に構成されている。R段部36Dは、先端部36Sとの連結角部が滑らかなR状とされている。第1ラグ溝36の溝底は、最内側周方向主溝20側が最も深く、先端部36S側へ向かって徐々に浅くなっている。
中央周方向主溝22と最外側周方向主溝24との間には、第2リブ38が形成されている。タイヤ赤道面CLは、第2リブ38上の中央周方向主溝22側に配置されている。第2リブ38には、サイプ38Sが形成されている。サイプ38Sは、最外側周方向主溝24に開口し、最外側周方向主溝24から中央周方向主溝22側へ向かって延びている。サイプ38Sは、接地により閉鎖される溝幅とされている。サイプ38Sを構成する溝壁には、サイプ38Sに沿って溝壁の上部が面取りされて、面取部38A、38Bが形成されている。サイプ38Sは、中央周方向主溝22へ開口せず、第3リブ38内で終端している。したがって、第3リブ38のタイヤ赤道面CLに近い側の端辺部には、タイヤ周方向に直線状に連続する陸部が形成されている。
最外側周方向主溝24よりもタイヤ装着外側には、外側陸部40が形成されている。外側陸部40には、タイヤ周方向に沿ったショルダー周方向細溝28が形成されている。ショルダー周方向細溝28によって、外側陸部40は、タイヤ赤道面CL側の第1外側陸部41と、ショルダー側の第2外側陸部46に区画されている。ショルダー周方向細溝28の溝底における溝幅W3は、最外側周方向主溝24の溝幅W0よりも狭く形成されている。また、ショルダー周方向細溝28の溝深さH3は、最外側周方向主溝24の溝深さH0よりも浅く形成されている。ショルダー周方向細溝28を構成する溝壁28A、28Bは、溝底との間の角度が90度よりも大きくなっている。したがって、ショルダー周方向細溝28は、溝底から踏面に向かって溝幅が広くなっている。溝壁28Aの壁面角度α(溝底と溝壁28との間の角度、図3参照)は、図2に示されるように踏み込み側が蹴り出し側よりも大きく、第1外側陸部41の溝壁28Aとの間の稜線は、踏み込み側から蹴り出し側へ向かうにつれてタイヤ幅方向外側へ傾斜している。溝壁28Bの壁面角度β(図3参照)は、蹴り出し側が踏み込み側よりも大きく、第1外側陸部41の溝壁28Bとの間の稜線は、踏み込み側から蹴り出し側へ向かうにつれてタイヤ幅方向内側へ傾斜している。
なお、ショルダー周方向細溝28についても、溝幅が3本の周方向主溝(最内側周方向主溝20、中央周方向主溝22、及び、最外側周方向主溝24)よりも狭く、溝深さが浅い点で、周方向主溝と区別される。
第1外側陸部41には、最外側周方向主溝24からタイヤ装着外側へ向かって延出する外側ラグ溝42が形成されている。外側ラグ溝42は直線状とされ、一端42Aが最外側周方向主溝24に開口され、ショルダー周方向細溝28を横断して、他端(以下この他端を「終端部42B」という)が第2外側陸部46内に延出されている。外側ラグ溝42の一端42Aは、サイプ38Sの延長状に配置されている。また、外側ラグ溝42は、サイプ38Sと同方向に同程度傾斜しており、最外側周方向主溝24を介して、サイプ38Sと連続するような意匠を構成している。
外側ラグ溝42は、ショルダー周方向細溝28と交差し、第2外側陸部46内の終端部42Bで終端している。終端部42Bは、タイヤ装着外側のタイヤ接地端16Eよりもタイヤ赤道面CL側に配置されている。また、終端部42Bは、ベルト層19のタイヤ幅方向外側端19Eよりも最外側周方向主溝24側で終端している。第2外側陸部46は、タイヤ周方向に直線状に連続する陸部を有している。図2に示されるように、外側ラグ溝42の溝幅は、最外側周方向主溝24への開口部分である一端42Aで最も狭いW1とされ、第2外側陸部46内の終端部42Bにおいて最も広くなるW2となっている。外側ラグ溝42は、一端42Aから終端部42Bへ向かって漸次広がるように形成されている。
図3に示されるように、第4ラグ溝42の溝深さH4は、最外側周方向主溝24の溝深さH0よりも浅く、ショルダー周方向細溝28の溝深さH3よりも深くなっている。第4ラグ溝42とショルダー周方向細溝28とが交差する交差部45においては(図2参照)、溝深さはH4となっている。したがって、ショルダー周方向細溝28の溝底は、交差部45においてショルダー周方向細溝28のその他の部分よりも深くなっている。なお、図3では、溝深さの比較を容易にするために、タイヤ接地面は模式的に平面で示している。
図5に示されるように、外側ラグ溝42の一端42A側には、溝が底上げされた溝底上部44が形成されている。溝底上部44の溝深さは、外側ラグ溝42の溝深さH4よりも浅く、溝底上部44は、一端42Aから外側陸部40の中央近辺まで形成されている。なお、図5についても、溝深さの比較を容易にするために、タイヤ接地面は模式的に平面で示している。
第1外側陸部41及び第2外側陸部46において、第4ラグ溝42とショルダー周方向細溝28の間に形成される交差部45の角部のうち鋭角となる側には、各々面取部40M、46Mが形成されている。
第2外側陸部46の外側ラグ溝42よりもタイヤ幅方向の外側には、第1凹部48A、第2凹部48Bが形成されている。第1凹部48Aは、少なくとも一部が外側ラグ溝42の延長上、タイヤ幅方向外側で、タイヤ接地端16E上に形成されている。第2凹部48Bは、少なくとも一部が外側ラグ溝42の延長上でタイヤ接地端16Eよりもタイヤ幅方向外側に配置され、外側ラグ溝42から遠い側に配置されている。第1凹部48A及び第2凹部48Bは、平行四辺形状とされており、第1凹部48Aは、第2凹部48Bよりも平面視で大きく、かつ、深さも深くなっている。第2凹部48Bは、第1ベルト19Aの端部からの距離が最も近くなる位置に配置されている。
また、第1凹部48A、第2凹部48Bにより、通常タイヤ周方向主溝に設けられる摩耗インジケーターとは別に、第2外側陸部46の摩耗状態を知ることができる。
なお、第1凹部48A、第2凹部48Bは、排水機能を有していない点で、タイヤトレッドに形成される溝とは異なっている。第1凹部48A及び第2凹部48Bの各々の対角線比(短辺/長辺)は、1/2以下となっている。
次に、本実施形態の空気入りタイヤ10の作用を説明する。
本実施形態の空気入りタイヤ10では、トレッド部16に最内側周方向主溝20、中央周方向主溝22、及び、最外側周方向主溝24が、形成されているので、基本的な排水性、ドライ、ウエット走行時の直進安定性が確保される。
また、本実施形態の空気入りタイヤ10のトレッド部16には、タイヤ装着外側に、タイヤ周方向に陸部の連続する第2外側陸部46が配置されている。したがって、タイヤ装着外側の剛性が確保され、コーナリング性能を高くすることができる。
また、第2外側陸部46には、第1凹部48A、第2凹部48Bが形成されているので、第2外側陸部46がタイヤ周方向に連続していても、陸部変形の逃げ部が確保される。したがって、第2外側陸部46における歪みが緩和され、接地性を向上させることができ、コーナリング性能を向上させることができる。さらに、ベルト層19の端部は、発熱量が多くなるが、第1凹部48A、第2凹部48Bにより表面積が広くなるので、放熱を促進させることができる。
また、第2外側陸部46に延出された外側ラグ溝42は、タイヤ接地端16Eまで達することなく終端している。したがって、効果的に第2外側陸部46の剛性を確保することができる。さらに、外側ラグ溝42の溝幅は、第2外側陸部46内で最大のW2となっている。これにより、溝幅の広い部分で第2外側陸部46側の水をとらえて、最外側周方向主溝24へ流すことができ、第2外側陸部46側の排水性を向上させることができる。
また、外側ラグ溝42には、一端42A側に溝底上部44が形成されている。したがって、排水性を確保しつつ第1外側陸部41の剛性を維持することができる。また、底上部44は、一端42A側に形成されている。したがって、タイヤ装着外側の溝深さが確保され、タイヤ装着外側においてより多くの水を捕らえることができる。
また、本実施形態の空気入りタイヤ10には、外側陸部40にショルダー周方向細溝28が形成されている。したがって、外側陸部40の排水をショルダー周方向細溝28で行うことができ、排水性を向上させることができる。一方、ショルダー周方向細溝28は、最外側周方向主溝24よりも溝幅が狭く、最外側周方向主溝24及び外側ラグ溝42よりも溝幅が狭い。したがって、外側陸部40の剛性の低下を抑制することができる。
また、ショルダー周方向細溝28を形成することにより、コーナリング時におけるバックリングも抑制することができる。ここでのバックリングとは、コーナリング時にタイヤ装着外側の接地端の付近を支点にして、タイヤが外側に倒れ込もうとしつつトレッド面は路面から浮き上がり、タイヤ装着内側の接地圧が抜ける現象である。本実施形態の空気入りタイヤ10では、ショルダー周方向細溝28が形成されていることにより、トレッド面の曲げ剛性が低くなることから、タイヤ装着内側、特に第1外側陸部41が接地しやすくなり、タイヤ装着内側のグリップ力の低下を抑制することができる。
また、内側陸部30には、内側周方向細溝26、及び、内側周方向細溝26から延出された内側ラグ溝30Aが形成されているので、内側陸部30の排水性も向上させることができる。また、内側ラグ溝30Aは、内側陸部30内で終端しているので、内側陸部30の剛性を確保することができる。さらに、内側陸部30には、タイヤ接地端16Eを跨いでタイヤ幅方向外側へ延出されたショルダーラグ溝30Bが形成されているので、内側ラグ溝よりもショルダー側における排水性も確保することができる。これにより、タイヤ接地端16Eを挟んでタイヤ幅方向の両側における排水を行いつつ、第2内側陸部32のタイヤ周方向への連続性を維持して剛性を確保することができる。
また、本実施形態では、第2リブ38にサイプ38Sが形成されているので、第2リブ38のタイヤ赤道面CLから遠い側のリブ端での偏摩耗を抑制することができる。すなわち、第2リブ38では、最外側周方向主溝24側のリブ端がタイヤ赤道面CLから遠いため、タイヤ周長が短くなって引き摺りが生じやすいが、最外側周方向主溝24に開口するにサイプ38Sが形成されているので、引き摺りが抑制され、偏摩耗を抑制することができる。また、サイプ38Sが、中央周方向主溝22へ開口していないので、タイヤ周方向で直線状に連続する陸部が形成される。したがって、第2リブ38において、タイヤ赤道面CLに近い側での剛性が確保され、操縦安定性を維持することができる。また、サイプ38Sに沿って面取部38A、38Bが形成されているので、サイプ38Sのタイヤ周方向前後のゴムの欠けや剥がれなどのチャンクを抑制することができる。
また、本実施形態では、第1リブ34には、第1ラグ溝36が形成されているので、排水性を高めることができる。また、第1ラグ溝36は、タイヤ赤道面CL側の方の溝幅が狭く、溝深さが浅くなっているので、接地圧の高い側の剛性が維持されて、チャンクの発生を抑制することができる。また、最内側周方向主溝20と第1ラグ溝36の間に形成される角部のうちの鋭角側に面取部36Mが形成されているので、当該角部におけるゴムの欠けや剥がれなどのチャンクを抑制することができる。また、第1ラグ溝36は、タイヤ赤道面CLから遠い側の最内側周方向主溝20に開口している。一般的に、トレッド部のタイヤ周長は、タイヤ赤道面CLに近い程長くタイヤ接地圧が高い。したがって、タイヤ赤道面から遠い側の第1リブ34のリブ端における引き摺りが抑制され、偏摩耗を抑制することができる。また、第1ラグ溝36は、中央周方向主溝22へ開口していないので、中央周方向主溝22側のリブ端にタイヤ周方向で直線状に連続する陸部が形成される。したがって、タイヤ赤道面CLに近い側に、剛性が確保され、操縦安定性を維持することができる。
また、本実施形態では、外側ラグ溝42とショルダー周方向細溝28の間に形成される交差部45の角部のうち鋭角となる側に、各々面取部40M、46Mが形成されている。したがって、当該角部におけるゴムの欠けや剥がれなどのチャンクを抑制することができる。
なお、本実施形態では、ショルダー周方向細溝28を形成したが、ショルダー周方向細溝28のない構成とすることもできる。
また、本実施形態では、凹部として第1凹部48A、第2凹部48の2個を形成したが、1個でも、3個以上形成してもよい。また、第1凹部48A、第2凹部48を平面視した形状は、必ずしも平行四辺形状である必要はなく、他の形状、例えば、円形状、楕円形状、長方形状、正方形状等でもよい。
10 空気入りタイヤ、 16E タイヤ接地端、 16 トレッド部、
19 ベルト層、 20 最内側周方向主溝、 22 中央周方向主溝
24 最外側周方向主溝、 26 内側周方向細溝、 28 ショルダー周方向細溝
30B ショルダーラグ溝、 30A 内側ラグ溝、 30 内側陸部 40 外側陸部42 外側ラグ溝、 48A 第1凹部(凹部)、48B 第2凹部(凹部)

Claims (4)

  1. トレッド部に形成され、タイヤ周方向に沿って延びる複数本の周方向主溝と、
    前記複数本の周方向主溝のうち車両装着時における最もタイヤ装着外側に形成された最外側周方向主溝よりも車両装着時におけるタイヤ装着外側に形成された外側陸部と、
    前記複数本の周方向主溝のうち車両装着時における最もタイヤ装着内側に形成された最内側周方向主溝よりも車両装着時におけるタイヤ装着内側に形成された内側陸部と、
    前記最外側周方向主溝から前記外側陸部へ向かって延出され、タイヤ装着外側のベルト端位置よりも前記最外側周方向主溝側で終端する外側ラグ溝と、
    前記外側陸部の前記外側ラグ溝よりもタイヤ幅方向外側に形成された凹部と、
    前記内側陸部に形成され、タイヤ周方向に沿って延び、前記最内側周方向主溝よりも溝幅が狭く溝深さが浅い内側周方向細溝と、
    前記内側周方向細溝からタイヤ幅方向外側へ延出され、前記内側陸部内で終端する内側ラグ溝と、
    タイヤ幅方向の内側端の一部が前記内側ラグ溝とタイヤ幅方向でオーバーラップし、タイヤ接地端を跨いでタイヤ幅方向外側へ延出されたショルダーラグ溝と、
    を備えた空気入りタイヤ。
  2. 前記凹部は、タイヤ装着外側のベルト端位置よりもタイヤ幅方向内側に形成された第1凹部及び前記第1凹部よりもタイヤ幅方向外側に配置された第2凹部を含んでいること、を特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記凹部は、前記外側ラグ溝の延長線上に配置されていること、を特徴とする請求項1または請求項2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記内側ラグ溝のタイヤ幅方向外側端は、タイヤ接地端よりもタイヤ幅方向外側に配置されていること、を特徴とする請求項3に記載の空気入りタイヤ。
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