JP2014213443A - チャック - Google Patents

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Abstract

【課題】手動で被加工物の把持および取り外しが可能であって、スクロールチャックより把握精度を向上させたチャックを提供すること。【解決手段】工作機械等の主軸に端部に取り付けられる円柱状のチャック本体10と、そのチャック本体10の円柱の一方の平面側に配設されるチャック爪20と、チャック爪20が別々に取着されチャック本体10の半径方向へ移動可能にそのチャック本体10に係合されるマスタージョー30と、マスタージョー30と係合されチャック本体10の回転中心部分に設けられるシフター40とを有し、シフター40が動力伝達機構を介して手動で主軸の軸線方向に往復移動及びその往復移動方向における任意の位置での駐止可能となっている。【選択図】 図2

Description

本発明は、工作機械の主軸に端部に取り付けられ、被加工物を保持したまま回動されるチャックに関するものである。
チャックは、旋盤などの工作機械の主軸の端部に取り付けられ、被加工物を保持したまま回動されるものである。
手動で被加工物の把持および取り外しが可能なチャックとして、スクロールチャックが知られている。このようなスクロールチャックとして、特許第5003924号にて公開されているものがある
特許第5003924号のスクロールチャックと同様のスクロールチャック100の正面図を図3に図示し、そのB−B断面線における部分断面図を図4に図示する。スクロールチャック100は、工作機械等の主軸に端部に取り付けられ、円柱状となっており、主軸とともに回転駆動されるチャック本体110と、チャック本体110の内部に回動可能に配設され、円盤状となっており、渦巻き状のスクロール溝が形成されたスクロール板120と、スクロール溝に噛み合う形状のラック歯が形成されたマスタージョー130と、そのマスタージョー130に取り付けられ、マスタージョー130とともにチャック本体110の半径方向へ移動可能となっているチャック爪140とを備える。
特許第5003924号公報
近年、被加工物の加工した後の製品の寸法精度の向上が求められている。製品の寸法精度を向上させるには、チャックの把握精度を向上させる必要がある。しかしながら、上記のスクロールチャック100においては、スクロール板のスクロール溝とマスタージョーのラック歯との間の空隙などの影響により、スクロールチャックの把握精度の向上には構造的に限界がある。そのため、加工後の被加工物の寸法精度の向上にも限界があるという問題があった。
上記点より本発明は、手動で被加工物の把持および取り外しが可能であって、スクロールチャックより把握精度を向上させたチャックを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため請求項1のチャックは、工作機械等の主軸に端部に取り付けられ、円柱状となっており、前記主軸とともに回転駆動されるチャック本体と、そのチャック本体の円柱の一方の平面側において半径方向外側へ向けて放射状に配設される複数のチャック爪と、それらチャック爪が別々に取着され前記チャック本体の半径方向へ移動可能にそのチャック本体にそれぞれ係合される前記チャック爪と同数のマスタージョーと、それら複数のマスタージョーと係合され前記チャック本体の回転中心部分に設けられるシフターとを有し、前記シフターが動力伝達機構を介して手動で主軸の軸線方向に往復移動及びその往復移動方向における任意の位置での駐止可能となっており、このシフターと係合する前記マスタージョーが前記チャック本体の円柱の一方の平面側において半径方向へ往復移動させ且つその往復移動方向における任意の位置で駐止させることができるようになっている。
請求項1のチャックによれば、シフターが前記シフターが動力伝達機構を介して手動で主軸の軸線方向に往復移動及びその往復移動方向における任意の位置での駐止可能となっており、このシフターと係合する前記マスタージョーが前記チャック本体の円柱の一方の平面側において半径方向へ往復移動させ且つその往復移動方向における任意の位置で駐止させることができるようになっている。したがって、請求項1のチャックは、手動で被加工物の把持および取り外しが可能であるとともに、スクロールチャックより把握精度を向上させることができる。
請求項2のチャックは、請求項1に記載のチャックにおいて、前記動力伝達機構は、中心孔を有し、前記チャック本体内部において主軸の軸線と同心に配置されている円盤であって、その中心孔が前記チャック本体の内部において、主軸の軸線方向に主軸に向かって延出するシフターねじ部と螺合するようになっている旋回部材を有する。
請求項2のチャックによれば、請求項1のチャックと同様に作用する上に、旋回部材を旋回させることによって容易にシフターを主軸の軸線方向に往復移動させることができる。また、チャック本体内で旋回部材とシフターのシフターねじ部が螺合するようになっているので、シフターのストロークを確保しつつ、チャック本体の主軸の軸線方向の厚さをできるだけ短くすることができる。
請求項3のチャックは、請求項2記載のチャックにおいて、前記動力伝達機構は、前記チャック本体の内部において、前記旋回部材の外縁側に形成された旋回ねじ部と螺合するようになっている回動部材をさらに有する。
請求項3のチャックによれば、請求項2のチャックと同様に作用する上に、回動部材を回動させることによって、旋回部材の旋回を介して容易にシフターを主軸の軸線方向に往復移動させることができる。シフターと旋回部材との螺合及び旋回部材と回動部材の螺合との二段階の減速を行うようになっているので、手動で小さな力で回動部材を回動させて、シフターを主軸の軸線方向に往復移動させることができる。また、チャック爪で被加工物を把持する際にも、手動で回動部材を回動させる力が小さくても、被加工物の強固な把持を実現することができる。
請求項4のチャックは、請求項3記載のチャックにおいて、前記回動部材は、前記チャック本体内部において、一端側が前記旋回ねじ部と螺合し、他端側が前記チャック本体の側周面に形成された穴を通して、チャック本体の外から、差し込まれるハンドルと嵌合するようになっており、このハンドルを手動で回動させることによって、このハンドルと嵌合している前記回動部材が回動し、前記回動部材と螺合している前記旋回部材が旋回し、前記旋回部材と螺合している前記シフターが主軸の軸線方向に往復移動し、前記シフターと係合している前記マスタージョーが前記チャック本体の円柱の一方の平面側において半径方向へ往復移動し、前記チャック爪が被加工物を把持および取り外しできるようになっている。
請求項4のチャックによれば、請求項3のチャックと同様に作用する上に、ハンドルを利用して回動部材を回動させることによって、旋回部材の旋回を介して容易にシフターを主軸の軸線方向に往復移動させることができる。
請求項1から4のいずれかの発明によれば、手動で被加工物の把持および取り外しが容易に行うことができることに加えて、スクロールチャックより把握精度の向上を実現できる。
本発明の一実施形態のチャックを示す正面図である。 図1のA−A断面線の部分断面図である。 従来のスクロールチャックの正面図である。 図3のB−B断面線の部分断面図である。
以下、本発明の一実施形態のチャック1について、図面に基づいて説明する。
この回転チャック1は、被加工物を把持して回転させるため旋盤などの工作機械に設けられるものであり、図1に示すように、円柱状のチャック本体10と、そのチャック本体10の円柱の一方の平面側に配設されるチャック爪20と、チャック本体10に係合されるマスタージョー30と、チャック本体内部に配設されるシフター40と、同じくチャック本体10の内部に配設される動力伝達機構の一部である旋回部材50及び回動部材60とを備えている。
チャック本体10は円柱状となっている。そのため、図1に示すように、チャック本体10の一方の平面は正面視略円形状となっており、この正面視略円形状の中心が回転中心軸となるように工作機械に装着される。
3個のチャック爪20はチャック本体10の回転中心軸からチャック本体10の円柱の一方の平面側において半径方向外側へ向けて放射状に配設されており、これらのチャック爪20はチャック本体10の前面に略等角間隔となるようにされている。また、これらの3個のチャック爪20はいずれもチャック本体10の円柱の一方の平面側において、半径方向へ往復移動可能となっている。
図2に示すように、チャック爪20の往復移動はチャック本体10に係合されているマスタージョー30を介して行われる。チャック本体10に形成された案内溝によって、チャック爪20とともにチャック本体10の円柱の一方の平面側において半径方向に移動が案内されるようになっている。マスタージョー30の一部は、チャック本体10の内部でシフター40と係合している。
シフター40は主軸の軸線方向に往復移動及びその往復移動方向における任意の位置での駐止可能となるようにチャック本体10の内部に配設される。
シフター40はチャック本体10の内部に、主軸の軸線方向に主軸に向かって延出する円筒状のシフターねじ部41を有する。このシフターねじ部41の側周面には、おねじ溝が形成されている。シフター40がチャック本体10の内部に配設された状態で、このおねじ溝のらせん中心軸は主軸の軸線と一致している。
旋回部材50は、中心孔を有し、チャック本体10の内部において主軸の軸線と同心に配置されている円盤である。旋回部材50は主軸の軸線周りに旋回可能となっている。
旋回部材50の中心孔には、めねじ溝が形成されている。旋回部材50がチャック本体10の内部で配設された状態で、このめねじ溝のらせん中心軸は主軸の軸線と一致している。旋回部材50の中心孔は前述のシフターねじ部41と螺合するようになっている。また、旋回部材50は、円盤の外縁側にかさ歯車状の歯が形成されている旋回ねじ部51を有する。
回動部材60は、チャック本体10の内部において、回動部材60の回動中心軸が主軸の軸線と直交するように配設されているかさ歯車である。回動部材60は、前述の旋回部材50に形成された旋回ねじ部51と螺合するようになっている。
回動部材60は、チャック本体10の内部において、一端側が旋回部材50の旋回ねじ部51と螺合し、他端側がチャック本体10の側周面に形成された穴を通して、チャック本体10の外から、差し込まれるハンドルと嵌合する嵌合穴61が形成されている。回動部材は主軸の軸線周りに120度間隔で3か所に設けられており、それぞれの回動部材60が旋回部材50と螺合している。
回動部材60は主軸の軸線周りに120度間隔で3か所に設けられていることによって、回転中のチャック1の重量バランスを向上させるとともに、加工後に主軸の回転がどの位置で止まっても、速やかに回動部材の嵌合穴を見つけてハンドルを差し込むことができるようになっている。
以下、チャックの動作について説明する。
回動部材60の嵌合穴61にハンドルを嵌合させて、このハンドルを手動で回動させることによって、このハンドルと嵌合している回動部材60が回動し、回動部材60と螺合している旋回部材50が旋回し、旋回部材50と螺合しているシフター40が主軸の軸線方向に往復移動し、シフター40と係合しているマスタージョー30が前記チャック本体10の円柱の一方の平面側において半径方向へ往復移動し、チャック爪20が被加工物の把持および取り外し可能となっている。
油圧などの流体を利用してシフターを移動させる方法もあるが、工作機械に駆動元として流体を供給及び制御する流体ユニットが必要となる。現実には、スクロールチャックが取り付けられるような既存の工作機械に流体を供給及び制御する流体ユニットがない場合が多い。また、流体ユニットを新たに取り付けると、工作機械の設備の大型化及び重量化、流体漏れによる設備周りの汚れの発生、流体ユニットの使用による電力消費量の増加といった問題を引き起こす可能性がある。
これに対して、本発明のチャック1は、手動でシフターを移動させるので、スクロールチャックが取り付けられるような既存の工作機械に取り付けてそのまま使用することができることに加えて、スクロールチャックより把握精度を向上が実現できる。また、流体ユニットを新たに取り付ける必要がないので、工作機械の大型化及び重量化、流体漏れ、並びに、電力消費量の増加といった問題も発生しない。
さらに流体ユニットを利用して被加工物を把持するためには、被加工物を把持した際に被加工物から受ける反力によってチャック爪が押し返されないように、シフターを主軸に向かって引き続ける必要があり、流体圧を維持するために電力等の新たなエネルギーの供給が必要となる場合がある。
これに対して、本発明のチャック1は、シフターと旋回部材との螺合及び旋回部材と回動部材の螺合との二段階の減速を行うようになっていることによって、被加工物を把持した際に被加工物から受ける反力に対して抵抗するようになっているので、新たなエネルギーを供給する必要がなく、省エネを実現できる。
上記実施形態では、動力伝達機構が旋回部材50と回動部材60とを有する場合について説明したが、これに限定されることなく、例えば、螺合によって3段階以上の減速をおこなうような機構であってもよい。
上記実施形態では、チャック爪20及びマスタージョー30が3個の場合について説明したが、これに限定されることなく、チャック爪20及びマスタージョー30が例えば、2個または4個以上の複数個であってもよい。その場合は回転中のチャックの重量バランスを向上するためにチャック爪20及びマスタージョー30と同数の回動部材を設けてもよい。
1 チャック
10 チャック本体
20 チャック爪
30 マスタージョー
40 シフター
41 シフターねじ部
50 旋回部材
51 旋回ねじ部
60 回動部材
61 嵌合穴
100 スクロールチャック
110 チャック本体
120 スクロール板
130 マスタージョー
140 チャック爪
上記課題を解決するため請求項1のチャックは、工作機械の主軸に端部に取り付けられ、円柱状となっており、前記主軸とともに回転駆動されるチャック本体と、そのチャック本体の円柱の一方の平面側において半径方向外側へ向けて放射状に配設される複数のチャック爪と、それらチャック爪が別々に取着され前記チャック本体の半径方向へ移動可能にそのチャック本体にそれぞれ係合される前記チャック爪と同数のマスタージョーと、それら複数のマスタージョーと係合され前記チャック本体の回転中心部分に設けられるシフターとを有し、前記シフターが動力伝達機構を介して手動で主軸の軸線方向に往復移動及びその往復移動方向における任意の位置での駐止可能となっており、このシフターと係合する前記マスタージョーが前記チャック本体の円柱の一方の平面側において半径方向へ往復移動させ且つその往復移動方向における任意の位置で駐止させることができるようになっている。

Claims (4)

  1. 工作機械等の主軸に端部に取り付けられ、円柱状となっており、前記主軸とともに回転駆動されるチャック本体と、
    そのチャック本体の円柱の一方の平面側において半径方向外側へ向けて放射状に配設される複数のチャック爪と、
    それらチャック爪が別々に取着され前記チャック本体の半径方向へ移動可能にそのチャック本体にそれぞれ係合される前記チャック爪と同数のマスタージョーと、
    それら複数のマスタージョーと係合され前記チャック本体の回転中心部分に設けられるシフターとを有し、
    前記シフターが動力伝達機構を介して手動で主軸の軸線方向に往復移動及びその往復移動方向における任意の位置での駐止可能となっており、このシフターと係合する前記マスタージョーが前記チャック本体の円柱の一方の平面側において半径方向へ往復移動させ且つその往復移動方向における任意の位置で駐止させることができるようになっていることを特徴とするチャック。
  2. 前記動力伝達機構は、中心孔を有し、前記チャック本体内部において主軸の軸線と同心に配置されている円盤であって、その中心孔が前記チャック本体の内部において前記シフターの主軸の軸線方向に主軸に向かって延出するシフターねじ部と螺合するようになっている旋回部材を有することを特徴とする請求項1に記載のチャック。
  3. 前記動力伝達機構は、前記チャック本体の内部において、前記旋回部材の外縁側に形成された旋回ねじ部と螺合するようになっている回動部材をさらに有することを特徴とする請求項2に記載のチャック。
  4. 前記回動部材は、前記チャック本体内部において、一端側が前記旋回ねじ部と螺合し、他端側が前記チャック本体の側周面に形成された穴を通して、チャック本体の外から、差し込まれるハンドルと嵌合するようになっており、
    このハンドルを手動で回動させることによって、このハンドルと嵌合している前記回動部材が回動し、前記回動部材と螺合している前記旋回部材が旋回し、前記旋回部材と螺合している前記シフターが主軸の軸線方向に往復移動し、前記シフターと係合している前記マスタージョーが前記チャック本体の円柱の一方の平面側において半径方向へ往復移動し、前記チャック爪が被加工物を把持および取り外しできるようになっていることを特徴とする請求項3に記載のチャック。
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