JP2014213335A - ゴム物品補強用スチールワイヤの製造方法および製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ゴム物品としてのタイヤの諸性能を損なうことなく軽量化を可能しつつ、製造工程において縦割れが生じないゴム物品補強用スチールワイヤの製造方法および製造装置を提供する。
【解決手段】複数のダイス3でスチールワイヤ材2に伸線加工を施す伸線加工工程と、少なくとも一対のロール7でスチールワイヤ材2に圧延加工を施す圧延加工工程と、を有するゴム物品補強用スチールワイヤの製造方法である。伸線加工工程後であって圧延加工工程前に、スチールワイヤ材2の張力を制御する張力制御工程を有し、かつ、伸線加工工程終了から圧延加工工程終了までを60秒以内とする。
【選択図】図1
【解決手段】複数のダイス3でスチールワイヤ材2に伸線加工を施す伸線加工工程と、少なくとも一対のロール7でスチールワイヤ材2に圧延加工を施す圧延加工工程と、を有するゴム物品補強用スチールワイヤの製造方法である。伸線加工工程後であって圧延加工工程前に、スチールワイヤ材2の張力を制御する張力制御工程を有し、かつ、伸線加工工程終了から圧延加工工程終了までを60秒以内とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、ゴム物品補強用スチールワイヤの製造方法(以下、単にそれぞれ「ワイヤ」および「製造方法」とも称する)および製造装置に関する。
近年、自動車の燃費を向上させるために、タイヤを軽量化する要求は益々高まっている。このような要求に応えるため、タイヤの補強部材であるベルトに用いられるスチールワイヤの構造について過去から検討されてきており、その構造についての新しい技術が種々提案されている。例えば、特許文献1には、ワイヤの断面形状をトラック形や矩形や楕円形にすることでゴム物品の耐久性を改善するワイヤが開示されている。この特許文献1には、扁平ワイヤの製造方法について、伸線加工の後半部においてローラ間で圧延するか、または、扁平孔のダイスを通すことにより扁平化することが記載されている。また、特許文献2には、伸線機の出側に扁平化装置、引取キャプスタンおよび巻取り装置が、この順で配置されている扁平ワイヤの製造装置が開示されている。この装置は、ワイヤ材の伸線加工と圧延加工とを一連に行う構成である。
特許文献1に記載の扁平ワイヤの製造方法では、期待する断面寸法は得られるもの、ワイヤの加工としては、必ずしも十分とはいえない場合もある。特に、扁平孔のダイスで所望の断面形状を有するワイヤを製造するには、ダイスの摩耗が激しく、ダイスの消費が大きくなる。その結果、ダイスの交換工数が増加するため、経済性が低下してしまう。また、ワイヤ品質の向上の観点からも、ダイスの摩耗について改善しなければならない。
一方、特許文献2では、平面プロファイルローラを用いて垂直方向から圧下して断面形状円形のワイヤを扁平化し、次いで、局面プロファイルローラを用いて水平方向から圧下して横断面形状を整えている。しかしながら、この方法では、垂直方向と水平方向の2方向のローラが必要となり、ロール数が増えると共に、管理工数も増えてしまう。また、特許文献1や2の方法では、例えば、タイヤ補強用のワイヤを製造する場合、ワイヤは高強度である必要があるが、高強度のワイヤ材をロールで扁平化してワイヤを製造すると、歪み時効の影響で縦割れ等の問題を起こす場合がある。
縦割れの問題に関しては、伸線加工された高炭素鋼からなるワイヤ材は室温で放置しても歪み時効が進行し強度が上昇することが知られている。すなわち、高炭素鋼からなるワイヤ材では歪み時効による高強度化が生じるため、耐縦割れ性が不足してしまう傾向があり、歪み時効による強度の上昇が生じても耐縦割れ性が悪化しないように十分な延性を確保することができるワイヤが求められている。
そこで、本発明の目的は、ゴム物品としてのタイヤの諸性能を損なうことなく軽量化を可能しつつ、製造工程において縦割れが生じないゴム物品補強用スチールワイヤの製造方法および製造装置を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解消するために鋭意検討した結果、下記の知見を得た。すなわち、特許文献2に記載されている製造装置は、ワイヤ材の伸線加工と圧延加工とを一連に行うものであるが、ワイヤ材に張力がかかりすぎてしまい、ここにさらに横圧を加える圧延加工を施すとワイヤ材が断線してしまう。これに対して、伸線加工と圧延加工を分離した場合、伸線加工を施した断面形状円形のワイヤ材を圧延して断面形状扁平とするまでに時間がかかり、特に高炭素鋼材をを用いたワイヤ材は時効硬化が進行して加工性が低下する不具合があるばかりか、伸線加工と圧延加工とを別々にすると工数が増えてしまい生産性も悪化してしまう。かかる知見を元に、本発明者はさらに鋭意検討した結果、下記構成とすることで、上記課題を解消することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のゴム物品補強用スチールワイヤの製造方法は、複数のダイスでスチールワイヤ材に伸線加工を施す伸線加工工程と、少なくとも一対のロールで前記スチールワイヤ材に圧延加工を施す圧延加工工程と、を有するゴム物品補強用スチールワイヤの製造方法において、
前記伸線加工工程後であって前記圧延加工工程前に、前記スチールワイヤ材の張力を制御する張力制御工程を有し、かつ、前記伸線加工工程終了から前記圧延加工工程終了までが60秒以内であることを特徴とするものである。
前記伸線加工工程後であって前記圧延加工工程前に、前記スチールワイヤ材の張力を制御する張力制御工程を有し、かつ、前記伸線加工工程終了から前記圧延加工工程終了までが60秒以内であることを特徴とするものである。
本発明の製造方法においては、前記圧延加工工程の前に、前記スチールワイヤ材を冷却する冷却工程を有することが好ましい。また、本発明の製造方法においては、前記圧延加工工程の前に、前記スチールワイヤ材に潤滑媒体を塗布する潤滑媒体供給工程を有することも好ましい。
また、本発明のゴム物品補強用スチールワイヤの製造装置は、スチールワイヤ材に伸線加工を施す複数のダイスと、伸線加工後の前記スチールワイヤ材の張力を制御する張力制御手段と、張力を制御された前記スチールワイヤ材に圧延加工を施す少なくとも一対のロールと、を備えてなることを特徴とするものである。
本発明の製造装置においては、前記スチールワイヤ材に圧延加工を施す前に前記スチールワイヤ材を冷却する冷却手段を備えることが好ましい。また、本発明の製造装置においては、前記スチールワイヤ材に圧延加工を施す前に前記スチールワイヤ材に潤滑媒体を塗布する潤滑媒体供給手段を備えることが好ましい。
本発明によれば、ゴム物品としてのタイヤの諸性能を損なうことなく軽量化を可能しつつ、製造工程において縦割れが生じないゴム物品補強用スチールワイヤの製造方法および製造装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて詳細に説明する。
本発明のゴム物品補強用スチールワイヤの製造方法は、複数のダイスでスチールワイヤ材に伸線加工を施す伸線工程と、少なくとも一対のロールでスチールワイヤ材に圧延加工を施す圧延加工工程と、を有するものである。本発明の製造方法においては、伸線加工工程後であって圧延加工工程前に、スチールワイヤ材の張力を制御する張力制御工程を有している。図1に、本発明のゴム物品補強用スチールワイヤの製造方法に用いることができる製造装置の一例の概略構成図を示す。
本発明のゴム物品補強用スチールワイヤの製造方法は、複数のダイスでスチールワイヤ材に伸線加工を施す伸線工程と、少なくとも一対のロールでスチールワイヤ材に圧延加工を施す圧延加工工程と、を有するものである。本発明の製造方法においては、伸線加工工程後であって圧延加工工程前に、スチールワイヤ材の張力を制御する張力制御工程を有している。図1に、本発明のゴム物品補強用スチールワイヤの製造方法に用いることができる製造装置の一例の概略構成図を示す。
図1に示す製造装置は、巻出リール1から巻き出されたスチールワイヤ材2(以下、ワイヤ材2)に伸線加工を施す複数のダイス3を備えた湿式伸線装置4と、伸線加工後のワイヤ材2を引き取る引取りキャプスタン5と、伸線加工後のワイヤ材2の張力を制御する張力制御手段としてのプーリー6aと、張力を制御されたワイヤ材2に圧延加工を施す少なくとも一対のロール7と、が一連に配置されている。ロール7で圧延加工が施されたワイヤ2は、図示例においては、液切り8にて表面の潤滑媒体が除去され、その後、張力制御手段であるプーリー6bを介して、巻取リール9に巻き取られる。
本発明の製造方法においては、ワイヤ材2に伸線加工を施した後であって圧延加工を施す前に張力制御工程を有し、ワイヤ材2の張力を制御している。これにより、後に続く圧延加工時におけるワイヤ材2の過度な張力負荷を避け、ワイヤ材2の側方から圧縮を加える圧延加工時におけるワイヤ材2の断線を防止している。また、本発明の製造方法においては、伸線加工工程終了から圧延加工工程終了までを60秒以内に行う。伸線加工工程終了から圧延加工工程終了までを60秒以内とすることで、時効硬化の影響を受けずにワイヤ材2の圧延加工を行うことができる。好適には30秒以内である。
本発明の製造方法においては、圧延加工工程の前に、ワイヤ材2を冷却する冷却工程を有することが好ましい。図示例においては、プーリー6aの後方に冷却装置10を配置して、圧延加工工程前のワイヤ材2を冷却している。圧延加工工程前にワイヤ材2を冷却することで、圧延加工時に発生する熱の影響を低減することができる。これにより圧延加工後のワイヤの温度を低くすることができるため、ワイヤの延性を確保することができる。このようにして製造されたワイヤは延性を有しているため、圧延後におけるワイヤの割れを防止することができ、このワイヤをタイヤの補強部材であるベルトの補強材に適用した場合は、ベルト折れ等の疲労耐久性を向上させることができる。なお、本発明の製造方法においては、冷却工程は、圧延加工工程の前にワイヤ材2を冷却できるものであればよく、図示するように、圧延加工用のローラ7を複数配置している場合は、各ロール7の前後に冷却装置10を配置してもよい。本発明の製造方法においては、冷却方法については、空冷式でも水冷式でもよいが、好ましくは水冷式である。
また、本発明の製造方法においては、圧延加工工程の前に、ワイヤ材2に潤滑媒体を塗布する潤滑媒体供給工程を有することも好ましい。図示例においては、冷却装置10の後方に潤滑媒体供給装置11を配置している。圧延加工工程前にワイヤ材2に潤滑媒体を供給することで、ワイヤ材2とロール7との摩擦により発生する熱を抑制することができる。これにより、圧延加工後のワイヤの温度を低くすることができるため、ワイヤの延性を確保することができる。その結果、圧延加工後におけるワイヤの割れを防止することができる。また、得られたワイヤをタイヤの補強部材であるベルトの補強材に適用した場合は、ベルト折れ等の疲労耐久性を向上させることができる。さらに、ロール7の摩耗を低減することができるため、ワイヤ品質や工程管理コストを改善することができる。なお、本発明の製造方法においては、潤滑媒体供給工程は、圧延加工工程の前にワイヤ材2に潤滑媒体を塗布することができるものであればよく、図示するように、圧延加工用のローラ7を複数配置している場合は、各ロール7の前後に潤滑媒体供給装置11を配置してもよい。
本発明の製造方法においては、複数のダイス3でワイヤ材2に伸線加工を施す伸線加工工程と、伸線加工工程後であって圧延加工工程前にワイヤ材2の張力を制御する張力制御工程と、少なくとも一対のロール7でワイヤ材2に圧延加工を施す圧延加工工程と、を有し、かつ、伸線加工工程終了から圧延加工工程終了までを60秒以内に行うことのみが重要であり、それ以外については特に制限はなく、従来より採用されてきた手法を採用することができる。
本発明の製造方法においては、張力制御手段については特に制限はなく、例えば、図示するようにプーリー6aを用いることができる。また、冷却工程に用いる冷却装置10についても、特に制限はなく、既知の冷却装置を用いることができる。さらに、潤滑媒体供給工程に用いる潤滑媒体供給装置11についても、ワイヤ材2に潤滑媒体を供給することができるものであれば、特に制限はなく、既知の潤滑媒体塗布装置を用いることができる。
さらにまた、本発明の製造方法に用いることができるワイヤ材2についても特に制限はなく、従来、ワイヤ材2として用いられてきたものを用いることができる。例えば、ワイヤ材2には、炭素含有量が0.7〜1.1質量%の高炭素鋼線材を用いることがでる。また、ワイヤ材2には拡散めっき法により銅、亜鉛めっきを施した後に、熱処理して合金化したものを用いることもできる。
次に、本発明のゴム物品補強用スチールワイヤの製造装置について説明する。
本発明のゴム物品補強用スチールワイヤの製造装置は、上記本発明の製造方法に用いるものであり、図1の概略構成図に示すように、ワイヤ材2に伸線加工を施す複数のダイス3と、伸線加工後のワイヤ材2の張力を制御する張力制御手段(図示例においては、プーリー6a)と、張力を制御されたワイヤ材2に圧延加工を施す少なくとも一対のロール7と、を備えてなる。本発明の製造装置においては、このように、伸線加工を施すダイス3と、張力制御手段と、少なくとも一対のロール7を一連に連結して配置することで、伸線加工後のワイヤ材2の張力を制御して圧延加工時におけるワイヤ材2の断線を防止している。また、速やかに伸線加工後のワイヤ材2を圧延加工に送り出すことができるため、伸線加工終了から圧延加工終了までを60秒以内に完了させることができるようになり、ワイヤ材2の時効硬化の影響を受けることなく、圧延加工を行うことができる。
本発明のゴム物品補強用スチールワイヤの製造装置は、上記本発明の製造方法に用いるものであり、図1の概略構成図に示すように、ワイヤ材2に伸線加工を施す複数のダイス3と、伸線加工後のワイヤ材2の張力を制御する張力制御手段(図示例においては、プーリー6a)と、張力を制御されたワイヤ材2に圧延加工を施す少なくとも一対のロール7と、を備えてなる。本発明の製造装置においては、このように、伸線加工を施すダイス3と、張力制御手段と、少なくとも一対のロール7を一連に連結して配置することで、伸線加工後のワイヤ材2の張力を制御して圧延加工時におけるワイヤ材2の断線を防止している。また、速やかに伸線加工後のワイヤ材2を圧延加工に送り出すことができるため、伸線加工終了から圧延加工終了までを60秒以内に完了させることができるようになり、ワイヤ材2の時効硬化の影響を受けることなく、圧延加工を行うことができる。
本発明の製造装置においては、ワイヤ材2に圧延加工を施す前にワイヤ材2を冷却する冷却手段を備えることが好ましい。これにより、圧延加工前にワイヤ材2を冷却することが可能となり、圧延加工時に発生する熱の影響を低減することができる。本発明の製造装置においては、冷却装置は空冷式でも水冷式でもよいが、好ましくは水冷式である。また、本発明の製造装置においては、ワイヤ材2に圧延加工を施す前にワイヤ2材に潤滑媒体を供給する潤滑媒体供給手段を備えることが好ましい。これにより、圧延加工の前にワイヤ材2に潤滑媒体を塗布することで、ワイヤ材2とロール7との摩擦により生じる熱を抑制することができる。
本発明の製造装置においては、ワイヤ材2に伸線加工を施す複数のダイス3と、伸線加工後のワイヤ材2の張力を制御する張力制御手段と、張力を制御されたワイヤ材2に圧延加工を施す少なくとも一対のロール7と、を備えてなることのみが重要であり、その他の構成については既知の構成を採用することができる。例えば、張力制御手段については特に制限はなく、例えば、図示するようにプーリー6aを用いることができる。また、冷却装置については、ワイヤ材2を冷却できるものであれば特に制限はなく、既知の冷却装置を用いることができる。さらに、潤滑媒体供給手段についても、ワイヤ材2に潤滑媒体を供給することができるものであれば、特に制限はなく、既知の潤滑媒体塗布装置を用いればよい。
以下、本発明の製造方法を、実施例を用いてより詳細に説明する。
<実施例1〜5>
図1に示す構成の製造装置を用いて、下記表1および2に示す構造のスチールワイヤを製造した。まず、巻出リール1から巻き出した断面形状円形のワイヤ材2を、複数のダイス3を備えた湿式伸線装置4へ連続的に供給し、複数のダイス3により表1に示す径を有する断面形状円形のワイヤ材2へ伸線した。原材料となるワイヤ材2の炭素含有量は下記表1に示すとおりである。なお、このワイヤ材2は熱処理を施し、次いで、ブラスめっきを施したものである。複数のダイス3により伸線されたワイヤ材2は、引取用キャプスタン5を経て張力制御手段としてのプーリー6aにより張力を制御され、その後、1〜複数段の垂直方向からの1対のロール7で圧延して、表1に示す断面形状を有するワイヤを作製した。圧延に用いた一対のロール7の個数は表1に示すとおりである。得られたワイヤにつき、下記手順に従い、耐縦割れ性を評価した。
<実施例1〜5>
図1に示す構成の製造装置を用いて、下記表1および2に示す構造のスチールワイヤを製造した。まず、巻出リール1から巻き出した断面形状円形のワイヤ材2を、複数のダイス3を備えた湿式伸線装置4へ連続的に供給し、複数のダイス3により表1に示す径を有する断面形状円形のワイヤ材2へ伸線した。原材料となるワイヤ材2の炭素含有量は下記表1に示すとおりである。なお、このワイヤ材2は熱処理を施し、次いで、ブラスめっきを施したものである。複数のダイス3により伸線されたワイヤ材2は、引取用キャプスタン5を経て張力制御手段としてのプーリー6aにより張力を制御され、その後、1〜複数段の垂直方向からの1対のロール7で圧延して、表1に示す断面形状を有するワイヤを作製した。圧延に用いた一対のロール7の個数は表1に示すとおりである。得られたワイヤにつき、下記手順に従い、耐縦割れ性を評価した。
<比較例1〜4>
比較例として、図2に示した構成の伸線加工装置および圧延加工装置を用いてワイヤを作成した。図2は、従来のゴム物品補強用スチールワイヤの製造方法に用いる製造装置の一例の概略構成図であり、(a)は、伸線加工装置であり、(b)は、圧延加工装置である。図2(a)に示すように、巻出リール1から巻き出された断面形状円形のワイヤ材2を複数のダイス3を有する湿式伸線装置4で伸線し、引取用キャプスタン5を介して巻取リール9に巻取った。その後、表1に示す所定時間を開けて、図2(b)に示すように、巻出リール1からワイヤ材2を巻き出し、このワイヤ材2を1〜複数段の垂直方向からの1対のロール7で圧延し、断面形状扁平のワイヤとした。ワイヤの断面形状は下記表1に示すとおりである。得られたワイヤにつき、下記手順に従い、耐縦割れ性を評価した。
比較例として、図2に示した構成の伸線加工装置および圧延加工装置を用いてワイヤを作成した。図2は、従来のゴム物品補強用スチールワイヤの製造方法に用いる製造装置の一例の概略構成図であり、(a)は、伸線加工装置であり、(b)は、圧延加工装置である。図2(a)に示すように、巻出リール1から巻き出された断面形状円形のワイヤ材2を複数のダイス3を有する湿式伸線装置4で伸線し、引取用キャプスタン5を介して巻取リール9に巻取った。その後、表1に示す所定時間を開けて、図2(b)に示すように、巻出リール1からワイヤ材2を巻き出し、このワイヤ材2を1〜複数段の垂直方向からの1対のロール7で圧延し、断面形状扁平のワイヤとした。ワイヤの断面形状は下記表1に示すとおりである。得られたワイヤにつき、下記手順に従い、耐縦割れ性を評価した。
<耐縦割れ性>
耐縦割れ性は、圧延加工後にワイヤに縦割れが発生しているか否かで判断し、縦割れが発生したものを×、縦割れが発生しなかったものを○として示した。結果を表1および2に併記する。
耐縦割れ性は、圧延加工後にワイヤに縦割れが発生しているか否かで判断し、縦割れが発生したものを×、縦割れが発生しなかったものを○として示した。結果を表1および2に併記する。
次に、得られた各ワイヤを、空気入りラジアルタイヤ(タイヤサイズ175/R14)のベルトの補強材に適用した。ベルトは、タイヤ赤道面に対し右20°の角度に傾斜する第1ベルトプライと左20°の角度に傾斜する第2ベルトプライとからなる。ここでワイヤは、縦割れを伴わないものについてのみ適用した。
<タイヤ耐ベルト折れ性>
得られた各供試タイヤを実車に装着して、一定で曲折するつづら折れ道路を時速60kmで2万km走行した後、供試タイヤを解剖してベルト層内のワイヤを採取し、折れた状態にあるワイヤの本数を調査し、その逆数を比較例1のタイヤを100として指数表示した。この指数値が大きいほど、耐ベルト折れ性に優れていることを示す。得られた結果を表1および2に併記する。
得られた各供試タイヤを実車に装着して、一定で曲折するつづら折れ道路を時速60kmで2万km走行した後、供試タイヤを解剖してベルト層内のワイヤを採取し、折れた状態にあるワイヤの本数を調査し、その逆数を比較例1のタイヤを100として指数表示した。この指数値が大きいほど、耐ベルト折れ性に優れていることを示す。得られた結果を表1および2に併記する。
<耐ベルトエンドセパレーション(端部剥離)試験>
上記と同様の空気入りラジアルタイヤを用いて、147kPa(1.5kgf/cm2)の内圧を充填して、テスト用乗用車に装着し、一般道路を6万km走行させた後、タイヤ解剖してベルトの端縁に発生している亀裂の長さを測定した。各供試タイヤの亀裂長さの逆数を算出して、比較例1の供試タイヤの逆数値を100とした指数で示した。この指数値が大きいほど、耐ベルトエンドセパレーション性(耐BES性)に優れる。得られた結果を表1および2に併記する。
上記と同様の空気入りラジアルタイヤを用いて、147kPa(1.5kgf/cm2)の内圧を充填して、テスト用乗用車に装着し、一般道路を6万km走行させた後、タイヤ解剖してベルトの端縁に発生している亀裂の長さを測定した。各供試タイヤの亀裂長さの逆数を算出して、比較例1の供試タイヤの逆数値を100とした指数で示した。この指数値が大きいほど、耐ベルトエンドセパレーション性(耐BES性)に優れる。得られた結果を表1および2に併記する。
<操縦安定性>
JIS規格D4202に準じて制御した供試タイヤを、外径3mのドラム試験機に設置して、所定サイズおよび内圧から決定される荷重を印加し、30km/hの速度で30分間予備走行させた。その後、昇温による内圧増加を除くため、荷重を除いて内圧を規格値に再制御した後、再び同一速度および同一荷重の下にスリップ角度を±1°から±4°まで1度毎に正負連続して付けて、正負各角度での単位角度あたりのコーナーリングフォース(CF)を測定し、それらの平均値を算出してコーナーリングパワー(CP)を求めた。各供試タイヤのCPを、比較例1のタイヤのCPで除して指数化して表示した。この指数値が大きいほど、操縦安定性は良好である。得られた結果を表1および2に併記する。
JIS規格D4202に準じて制御した供試タイヤを、外径3mのドラム試験機に設置して、所定サイズおよび内圧から決定される荷重を印加し、30km/hの速度で30分間予備走行させた。その後、昇温による内圧増加を除くため、荷重を除いて内圧を規格値に再制御した後、再び同一速度および同一荷重の下にスリップ角度を±1°から±4°まで1度毎に正負連続して付けて、正負各角度での単位角度あたりのコーナーリングフォース(CF)を測定し、それらの平均値を算出してコーナーリングパワー(CP)を求めた。各供試タイヤのCPを、比較例1のタイヤのCPで除して指数化して表示した。この指数値が大きいほど、操縦安定性は良好である。得られた結果を表1および2に併記する。
表1および2から、本発明の製造装置を用いた本発明の製造方法によれば、ワイヤに縦割れを生じることなく、断面形状扁平なワイヤを得ることができることがわかる。
1 巻出リール
2 ワイヤ材
3 ダイス
4 湿式伸線装置
5 引取キャプスタン
6 プーリー
7 ロール
8 液切り
9 巻取リール
10 冷却手段
11 潤滑媒体供給手段
2 ワイヤ材
3 ダイス
4 湿式伸線装置
5 引取キャプスタン
6 プーリー
7 ロール
8 液切り
9 巻取リール
10 冷却手段
11 潤滑媒体供給手段
Claims (6)
- 複数のダイスでスチールワイヤ材に伸線加工を施す伸線加工工程と、少なくとも一対のロールで前記スチールワイヤ材に圧延加工を施す圧延加工工程と、を有するゴム物品補強用スチールワイヤの製造方法において、
前記伸線加工工程後であって前記圧延加工工程前に、前記スチールワイヤ材の張力を制御する張力制御工程を有し、かつ、前記伸線加工工程終了から前記圧延加工工程終了までが60秒以内であることを特徴とするゴム物品補強用スチールワイヤの製造方法。 - 前記圧延加工工程の前に、前記スチールワイヤ材を冷却する冷却工程を有する請求項1記載のゴム物品補強用スチールワイヤの製造方法。
- 前記圧延加工工程の前に、前記スチールワイヤ材に潤滑媒体を塗布する潤滑媒体供給工程を有する請求項1または2記載のゴム物品補強用スチールワイヤの製造方法。
- スチールワイヤ材に伸線加工を施す複数のダイスと、伸線加工後の前記スチールワイヤ材の張力を制御する張力制御手段と、張力を制御された前記スチールワイヤ材に圧延加工を施す少なくとも一対のロールと、を備えてなることを特徴とするゴム物品補強用スチールワイヤの製造装置。
- 前記スチールワイヤ材に圧延加工を施す前に前記スチールワイヤ材を冷却する冷却手段を備えた請求項4記載のゴム物品補強用スチールワイヤの製造装置。
- 前記スチールワイヤ材に圧延加工を施す前に前記スチールワイヤ材に潤滑媒体を塗布する潤滑媒体供給手段を備えた請求項4または5記載のゴム物品補強用スチールワイヤの製造装置。
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013090797A Pending JP2014213335A (ja) | 2013-04-23 | 2013-04-23 | ゴム物品補強用スチールワイヤの製造方法および製造装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2014213335A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105353717A (zh) * | 2015-11-23 | 2016-02-24 | 江苏赛福天钢索股份有限公司 | 一种钢丝绳线股张力在线控制系统及方法 |
-
2013
- 2013-04-23 JP JP2013090797A patent/JP2014213335A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105353717A (zh) * | 2015-11-23 | 2016-02-24 | 江苏赛福天钢索股份有限公司 | 一种钢丝绳线股张力在线控制系统及方法 |
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