JP2014212067A - 車両用灯具の灯具ユニット - Google Patents

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【課題】波長変換部材が予め定められた箇所から脱落した場合でもレーザー光が反射面で反射され、灯具ユニット外へ直接照射されるのを抑制する。
【解決手段】半導体レーザー素子12と、予め定められた箇所に固定され、レーザー光の少なくとも一部を吸収して波長変換する波長変換部材14と、レーザー光を集光して、波長変換部材14を照射する集光レンズ16と、を含む発光装置10と、発光装置10からの光を反射する反射面22と、を備えた車両用灯具の灯具ユニット100において、集光レンズ16で集光されるレーザー光の集光点Pは、反射面22上に位置しており、反射面22上の集光点Pを含む少なくとも一部の領域は、レーザー光が集光点Pに集光しない状態で透明で、かつ、レーザー光が集光点Pに集光した状態で不透明部が発生して、集光点Pに集光するレーザー光を吸収する透明材料28で覆われている。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両用灯具の灯具ユニットに係り、特に、半導体レーザー素子を光源に用いた車両用灯具の灯具ユニットに関する。
従来、車両用灯具の分野においては、半導体レーザー素子を光源に用いた車両用灯具が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
図6は、特許文献1に記載された車両用灯具200の縦断面図である。
図6に示すように、特許文献1に記載された車両用灯具200は、プロジェクタ型の灯具ユニットで、発光装置210、投影レンズ220、反射面230、これらを保持する保持部材240等を備えている。
発光装置210は、レーザー光を放出する半導体レーザー素子212、レーザー光の少なくとも一部を吸収して波長変換する波長変換部材214、半導体レーザー素子212からのレーザー光を集光して、波長変換部材214を照射する集光レンズ216、これらを保持するホルダ218等を備えている。波長変換部材214は、ホルダ218の上部開口端を覆った状態でホルダ218上部の予め定められた箇所に固定されている。
上記構成の車両用灯具200においては、半導体レーザー素子212からのレーザー光は、集光レンズ216で集光されて、半導体レーザー素子212から離間した位置に配置された波長変換部材214を照射する。そして、レーザー光が照射された波長変換部材214は、これを透過するレーザー光とレーザー光による発光との混色による白色光(疑似白色光)をその上面から放出する。波長変換部材214からの光は、反射面230で反射され、投影レンズ220を透過して前方に照射されて、仮想鉛直スクリーン上に基本配光パターン(例えば、ロービーム用配光パターンの少なくとも一部)を形成する。
特開2012−119170号公報
しかしながら、上記構成の車両用灯具200においては、波長変換部材214等に作用する熱応力、波長変換部材214とホルダ218との接合部の劣化、振動等に起因して、波長変換部材214が予め定められた箇所から脱落する可能性があり、波長変換部材214が脱落した場合、半導体レーザー素子212からのレーザー光が、反射面230で反射され、投影レンズ220を透過して前方に直接照射されるという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、レーザー光を放出する半導体レーザー素子と、予め定められた箇所に固定され、レーザー光の少なくとも一部を吸収して波長変換する波長変換部材と、前記半導体レーザー素子からのレーザー光を集光して、前記波長変換部材を照射する集光レンズと、を含む発光装置と、前記発光装置からの光を反射する反射面と、を備えた車両用灯具の灯具ユニットにおいて、波長変換部材が予め定められた箇所から脱落した場合であっても、半導体レーザー素子からのレーザー光が反射面で反射され、灯具ユニット外へ直接照射されるのを抑制することができる車両用灯具の灯具ユニットを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、レーザー光を放出する半導体レーザー素子と、予め定められた箇所に固定され、レーザー光の少なくとも一部を吸収して波長変換する波長変換部材と、前記半導体レーザー素子からのレーザー光を集光して、前記波長変換部材を照射する集光レンズと、を含む発光装置と、前記発光装置からの光を反射する反射面と、を備えた車両用灯具の灯具ユニットにおいて、前記波長変換部材が前記予め定められた箇所から脱落した状態で、前記集光レンズで集光される前記半導体レーザー素子からのレーザー光の集光点は、前記反射面上に位置しており、前記反射面上の前記集光点を含む少なくとも一部の領域は、前記半導体レーザー素子からのレーザー光が前記集光点に集光しない状態で透明で、かつ、前記半導体レーザー素子からのレーザー光が前記集光点に集光した状態で不透明部が発生して、前記集光点に集光する前記半導体レーザー素子からのレーザー光を吸収する透明材料で覆われていることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、レーザー光を放出する半導体レーザー素子と、予め定められた箇所に固定され、レーザー光の少なくとも一部を吸収して波長変換する波長変換部材と、前記半導体レーザー素子からのレーザー光を集光して、前記波長変換部材を照射する集光レンズと、を含む発光装置と、前記発光装置からの光を反射する反射面と、を備えた車両用灯具の灯具ユニットにおいて、波長変換部材が予め定められた箇所から脱落した場合であっても、複雑な機構を用いること無く、半導体レーザー素子からのレーザー光が反射面で反射され、灯具ユニット外へ直接照射されるのを抑制することができる車両用灯具の灯具ユニットを提供することが可能となる。
これは、波長変換部材が予め定められた箇所から脱落した場合、半導体レーザー素子からのレーザー光が集光点に集光することで透明部材に不透明部(例えば、焦げ)が発生し、当該不透明部(例えば、焦げ)が集光点に集光する半導体レーザー素子からのレーザー光を吸収することによるものである。
半導体レーザー素子からのレーザー光が前記集光点に集光しない状態で透明で、かつ、半導体レーザー素子からのレーザー光が集光点に集光した状態で不透明部(例えば、焦げ)が発生して、集光点に集光する半導体レーザー素子からのレーザー光を吸収する透明材料としては、炭素を含むケイ素系材料、例えば、シロキサン結合(−Si−O−Si−結合)を主鎖とし置換基(例えば、メチル基またはフェニル基)を側鎖とした分子構造のシリコーン樹脂、その他分子構造のシリコーン樹脂、シリコーン複合剤を用いることができる。
なお、透明材料は焦げ発生の起点となる吸収点を含んでいてもよい。このようにすれば、不透明部(焦げ)の発生を加速させることが可能となる。
本発明によれば、レーザー光を放出する半導体レーザー素子と、予め定められた箇所に固定され、レーザー光の少なくとも一部を吸収して波長変換する波長変換部材と、前記半導体レーザー素子からのレーザー光を集光して、前記波長変換部材を照射する集光レンズと、を含む発光装置と、前記発光装置からの光を反射する反射面と、を備えた車両用灯具の灯具ユニットにおいて、波長変換部材が予め定められた箇所から脱落した場合であっても、半導体レーザー素子からのレーザー光が反射面で反射され、灯具ユニット外へ直接照射されるのを抑制することができる車両用灯具の灯具ユニットを提供することが可能となる。
灯具ユニット100の縦断面図である。 ガラス基板上に塗布したシリコーン樹脂(厚み:1mm)に対して、青色レーザー光(レーザー出力:1W程度、レーザースポット径:Φ0.03mm)を照射した場合に発生した黒い焦げ28aの例である。 発熱量を変化させた場合のシリコーン温度の変化(シミュレーション結果)を、縦軸がシリコーン温度、横軸が発熱量である座標系にプロットしたグラフである。 熱源サイズ(レーザー光のスポットサイズに対応)を変化させた場合のシリコーン温度の変化(シミュレーション結果)を、縦軸がシリコーン温度、横軸が熱源サイズである座標系にプロットしたグラフである。 レーザー光の照射時間を変化させた場合のシリコーン温度の変化(シミュレーション結果)を、縦軸がシリコーン温度、横軸が時間である座標系にプロットしたグラフである。 特許文献1に記載された車両用灯具200の縦断面図である。
以下、本発明の一実施形態である車両用灯具の灯具ユニット100(以下、単に灯具ユニット100と称する)について図面を参照しながら説明する。
図1は灯具ユニット100の縦断面図である。
灯具ユニット100は、プロジェクタ型の灯具ユニットで、図1に示すように、発光装置10、投影レンズ20、反射面22、これらを保持する保持部材24等を備えている。なお、灯具ユニット100はプロジェクタ型の灯具ユニットに限定されず、反射型の灯具ユニットであってもよい。
発光装置10は、半導体レーザー素子12、波長変換部材14、集光レンズ16、これらを保持するホルダ18等を備えている。
波長変換部材14は、レーザー光の少なくとも一部を吸収して波長変換する波長変換部材である。波長変換部材14は、ホルダ18の上部開口端を覆った状態でホルダ18上部の予め定められた箇所にシリコーンや低融点ガラス等の透明な接着剤により接着されて、固定されている。
波長変換部材14としては、例えば、セリウムCe等の付活剤が導入されたYAGとアルミナAlとの複合体(例えば、焼結体)で、外形が矩形でかつ互いに略平行に配置された下面及び上面を含む板状又は層状のものを用いることができる。波長変換部材14の厚みは、目的の色度に応じて、適宜の厚みとすることができる。波長変換部材14は、これを透過する半導体レーザー素子12からのレーザー光と半導体レーザー素子12からのレーザー光による発光との混色による白色光(疑似白色光)を放出する。
波長変換部材14は、上記に限られず、例えば、セリウムCe等の付活剤が導入されたYAGとガラスバインダーとの複合体であってもよいし、その他の材料を用いたものであってもよい。波長変換部材14の厚みは、その全域にわたって略均一であってもよいし、部分的に異なっていてもよい。波長変換部材14の下面及び上面は、平面であってもよいし、曲面であってもよいし、凹凸及び/又は曲面を含む面であってもよい。波長変換部材14は、直方体以外の、円柱形状であってもよいし、その他の形状であってもよい。なお、波長変換部材14の下面及び/又は上面は拡散層で覆われていてもよい。
半導体レーザー素子12は、レーザー光を放出する半導体発光素子である。半導体レーザー素子12としては、例えば、発光波長が青系(450nm程度)のレーザー光を放出するレーザーダイオード等の半導体レーザー素子を用いることができる。本実施形態では、図1に示すように、半導体レーザー素子12は、パッケージ化されて、キャンタイプの半導体レーザー光源12Aを構成している。
半導体レーザー素子12の発光波長は、青系(450nm程度)に限定されず、例えば、近紫外域(405nm程度)であってもよいし、それ以外の波長であってもよい。半導体レーザー素子12の発光波長が近紫外域(405nm程度)の場合、波長変換部材14として、青、緑、赤の3色の蛍光体、もしくは、青、黄色の2色の蛍光体が用いられる。
図1に示すように、半導体レーザー素子12(半導体レーザー光源12A)は、ホルダ18内においてホルダ18の下端側に固定されている。
集光レンズ16は、半導体レーザー素子12からのレーザー光Rayを集光して、波長変換部材14を照射する集光レンズである。集光レンズ16は、ホルダ18内において波長変換部材14と半導体レーザー素子12との間に固定されている。波長変換部材14が予め定められた箇所から脱落した状態で、集光レンズ16で集光される半導体レーザー素子12からのレーザー光Rayの集光点Pは、反射面22上に位置している。
半導体レーザー素子12からのレーザー光Rayは、集光レンズ16で集光されて、半導体レーザー素子12から離間した位置に配置された波長変換部材14を照射する。スポットサイズは、例えば、長手が約100μm、短手が約20〜30μmの楕円形状に調整されている。レーザー光Rayが照射された波長変換部材14は、これを透過するレーザー光とレーザー光による発光との混色による白色光(疑似白色光)をその上面から放出する。
投影レンズ20は、アクリル等の透明樹脂製で、前方側表面(凸面)、後方側表面(例えば、平面又は凸面)及び後方側表面側の後側焦点Fを含む非球面レンズである。
投影レンズ20、例えば、後側焦点Fが反射面22の第2焦点F2(又はその近傍)に位置した状態で保持部材24に保持されたレンズホルダ26に固定されて、車両前後方向に延びる光軸AX上に配置されている。
反射面22は、発光装置10からの光を反射し、投影レンズ20を透過させて前方に照射し、車両前面に正対した仮想鉛直スクリーン(車両前面から約25m前方に配置されている)上に基本配光パターン(例えば、ロービーム用配光パターンの少なくとも一部)を形成するように構成された反射面である。具体的には、反射面22は、光軸AXを含む断面形状が第1焦点F1及び第2焦点F2を含む楕円形状で、その離心率が鉛直断面から水平断面へ向けて徐々に大きくなるように設定された回転楕円系反射面(回転楕円面又はこれに類する自由曲面等)である。反射面22は、その周縁下端部において保持部材24に固定されている。
反射面22は、上向き(半球方向)に放出される発光装置10からの光が入射するように、発光装置10(波長変換部材14)の側方から上方にかけての範囲(但し、反射面22からの反射光が通過する車両前方側領域を除く)をドーム状に覆っている。
反射面22上の集光点Pを含む少なくとも一部の領域は、半導体レーザー素子12からのレーザー光が集光点Pに集光しない状態(すなわち、波長変換部材14が予め定められた箇所に固定されている状態)で透明で、かつ、半導体レーザー素子12からのレーザー光が集光点Pに集光した状態(すなわち、波長変換部材14が予め定められた箇所から脱落した状態)で不透明部(例えば、焦げ)が発生して、集光点Pに集光する半導体レーザー素子12からのレーザー光を吸収する透明材料28で覆われている。このような性質を持つ透明材料28としては、炭素を含むケイ素系材料、例えば、シロキサン結合(−Si−O−Si−結合)を主鎖とし置換基(例えば、メチル基またはフェニル基)を側鎖とした分子構造のシリコーン樹脂、その他分子構造のシリコーン樹脂、シリコーン複合剤を用いることができる。
次に、シリコーン樹脂(透明材料28)の効果を確認するために行った実施例について説明する。
実施例では、ガラス基板上に塗布したシリコーン樹脂(厚み:1mm)に対して、青色レーザー光(レーザー出力:1W程度、レーザースポット径:Φ0.03mm)を照射した。その結果、シリコーン樹脂(透明材料28)に、図2に示すような不透明部28a(黒い焦げ)が発生した。
本願の発明者は、シリコーンがレーザー光をどの程度吸収するかを調べるため、熱シミュレーションを行った。
シミュレーション条件は次のとおりである。シリコーン樹脂はガラス基板上に塗布されている。熱源はシリコーン樹脂である。発熱サイズはΦ0.03mm(レーザー光のスポットを想定)である。
図3は上記シミュレーション条件の下、発熱量を変化させた場合のシリコーン温度の変化(シミュレーション結果)を、縦軸がシリコーン温度、横軸が発熱量である座標系にプロットしたグラフである。
図3を参照すると、発熱量が増加するとシリコーン温度がこれに比例して上昇することが分かる。
シリコーンの分解温度は500℃以上である。このため、発熱量が0.3W以上でないと不透明部28a(黒い焦げ)は発生しない。
しかしながら、シリコーン樹脂の透過率は90%以上である。このため、レーザー出力が1Wの場合、吸収される熱量は多く見積もって0.1Wである。この熱量がシミュレーション結果の発熱量と考えると、200℃程度温度が上昇する。しかしながら、シリコーンの分解温度は500℃以上であるため、200℃程度温度が上昇しても不透明部28a(黒い焦げ)は発生しない。
よって、何らかの影響でシリコーンの透過率が70%以下になったと考えられる。
上記実施例でシリコーン樹脂に、図2に示すような不透明部28a(黒い焦げ)が発生した原因を考察すると(メカニズムは解明できていないが)、シリコーン樹脂にレーザー光が照射された瞬間にシリコーン樹脂表面の一部が分解され、吸収点が生じ、これを起点に熱が吸収され分解を繰り返す連鎖反応が生じたものと考えられる。
また、本願の発明者は、熱源サイズ(集光点のサイズ)とシリコーンの温度との関係を調べるため、熱シミュレーションを行った。
シミュレーション条件は次のとおりである。シリコーン樹脂はガラス基板上に塗布されている。熱源はシリコーン樹脂である。発熱量は1Wである。
図4は上記シミュレーション条件の下、熱源サイズ(レーザー光のスポットサイズに対応)を変化させた場合のシリコーン温度の変化(シミュレーション結果)を、縦軸がシリコーン温度、横軸が熱源サイズである座標系にプロットしたグラフである。
図4を参照すると、熱源サイズが小さくなると急激にシリコーン温度が上昇する(累乗関数的に急激に上昇する)ことが分かる。温度が上昇すると、不透明部28a(黒い焦げ)が発生する速度が速くなる。速やかに不透明部28a(黒い焦げ)を発生させるためには、熱源サイズ(集光点のサイズ)を最少にするのが望ましいが、目的の速度(温度)に応じて熱源サイズ(集光点のサイズ)を変更してもよい。
また、本願の発明者は、レーザー光の照射時間とシリコーン温度との関係を調べるため、熱シミュレーションを行った。
シミュレーション条件は次のとおりである。シリコーン樹脂はガラス基板上に塗布されている。熱源はシリコーン樹脂である。発熱サイズはΦ0.03mm(レーザー光のスポットを想定)である。
図5は上記シミュレーション条件の下、レーザー光の照射時間を変化させた場合のシリコーン温度の変化(シミュレーション結果)を、縦軸がシリコーン温度、横軸が時間である座標系にプロットしたグラフである。
図5を参照すると、1msec程度で不透明部28a(黒い焦げ)が発生するのに充分な温度(約1800℃)まで上昇することが分かる。なお、連鎖反応で不透明部28a(黒い焦げ)が発生すると考えると、速度は多少変化すると予想される。
なお、透明材料28中に予め不透明部28a(黒い焦げ)の起点となる吸収点を作成することにより、さらに不透明部28a(黒い焦げ)の発生を加速させることが可能である。この吸収点としては、例えば、金属微粒子、有機物微粒子、カーボン微粒子、蛍光体微粒子、酸化物微粒子などを用いることができる。
保持部材24は、投影レンズ20の後側焦点Fから発光装置10に向かって延びるミラー面30を含んでいる。ミラー面30の前端縁30aは、投影レンズ20の球面収差による影響を抑制し、カットオフラインを明瞭なものとする観点から、直線ではなく、投影レンズ20の球面収差に応じて湾曲した形状とされている。
ミラー面30に入射した発光装置10からの光は、上向きに反射されて、投影レンズ20で屈折してカットオフライン以下に照射される。すなわち、上向きに反射される発光装置10からの光がミラー面30の前端縁30a(カットオフライン)を境に折り返される形となる。
上記構成の灯具ユニット100においては、波長変換部材14が予め定められた箇所に固定されている場合、半導体レーザー素子12からのレーザー光Rayは、集光レンズ16で集光されて、半導体レーザー素子12から離間した位置に配置された波長変換部材14を照射する。そして、レーザー光Rayが照射された波長変換部材14は、これを透過するレーザー光とレーザー光による発光との混色による白色光(疑似白色光)をその上面から放出する。波長変換部材14からの光は、反射面22(透明材料28で覆われた領域を含む)で反射され、投影レンズ20を透過して前方に照射されて、仮想鉛直スクリーン上に基本配光パターン(例えば、カットオフラインを含むロービーム用配光パターンの少なくとも一部)を形成する。
一方、上記構成の灯具ユニット100においては、波長変換部材14等に作用する熱応力、波長変換部材14とホルダ18との接合部の劣化、振動等に起因して、波長変換部材14が予め定められた箇所から脱落した場合、半導体レーザー素子12からのレーザー光Rayは、集光レンズ16により反射面22上の集光点Pに集光する。その結果、透明材料28に不透明部28a(黒い焦げ)が発生し、集光点Pに集光する半導体レーザー素子12からのレーザー光Rayが吸収される。これにより、波長変換部材14が予め定められた箇所から脱落した場合、半導体レーザー素子12からのレーザー光Rayが、反射面22で反射されて、投影レンズ20を透過して前方へ直接照射されるのを抑制することが可能となる。
以上説明したように、本実施形態の灯具ユニット100によれば、レーザー光を放出する半導体レーザー素子12と、予め定められた箇所に固定され、レーザー光の少なくとも一部を吸収して波長変換する波長変換部材14と、半導体レーザー素子12からのレーザー光を集光して、波長変換部材14を照射する集光レンズ16と、を含む発光装置10と、発光装置10からの光を反射する反射面22と、を備えた車両用灯具の灯具ユニット100において、波長変換部材14が予め定められた箇所から脱落した場合であっても、複雑な機構を用いること無く、半導体レーザー素子12からのレーザー光が反射面22で反射され、灯具ユニット100外へ直接照射されるのを抑制することができる車両用灯具の灯具ユニットを提供することが可能となる。
これは、波長変換部材14が予め定められた箇所から脱落した場合、半導体レーザー素子12からのレーザー光が集光点Pに集光することで透明部材28に不透明部28a(黒い焦げ)が発生し、当該不透明部28a(黒い焦げ)が集光点Pに集光する半導体レーザー素子12からのレーザー光を吸収することによるものである。
また、本実施形態の灯具ユニット100によれば、半導体レーザー素子12の出力が高くなると、それに従って不透明部28a(黒い焦げ)の発生速度が向上するため、新たな機構を加えること無く、迅速にレーザー光を遮断することが可能となる。
また、集光点Pが反射面22上に位置しており、波長変換部材14に照射されるレーザー光の密度が低くなるため、波長変換部材14の消光を抑制することが可能となる。
さらに、反射面22が透明材料28で覆われているため、反射面22を保護することが可能となる。
上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎない。これらの記載によって本発明は限
定的に解釈されるものではない。本発明はその精神または主要な特徴から逸脱することなく他の様々な形で実施することができる。
10…発光装置、12…半導体レーザー素子、12A…半導体レーザー光源、14…波長変換部材、16…集光レンズ、18…ホルダ、20…投影レンズ、22…反射面、24…保持部材、26…レンズホルダ、28…透明材料、30…ミラー面、30a…前端縁、100…灯具ユニット

Claims (4)

  1. レーザー光を放出する半導体レーザー素子と、予め定められた箇所に固定され、レーザー光の少なくとも一部を吸収して波長変換する波長変換部材と、前記半導体レーザー素子からのレーザー光を集光して、前記波長変換部材を照射する集光レンズと、を含む発光装置と、
    前記発光装置からの光を反射する反射面と、を備えた車両用灯具の灯具ユニットにおいて、
    前記波長変換部材が前記予め定められた箇所から脱落した状態で、前記集光レンズで集光される前記半導体レーザー素子からのレーザー光の集光点は、前記反射面上に位置しており、
    前記反射面上の前記集光点を含む少なくとも一部の領域は、前記半導体レーザー素子からのレーザー光が前記集光点に集光しない状態で透明で、かつ、前記半導体レーザー素子からのレーザー光が前記集光点に集光した状態で不透明部が発生して、前記集光点に集光する前記半導体レーザー素子からのレーザー光を吸収する透明材料で覆われていることを特徴とする車両用灯具の灯具ユニット。
  2. 前記不透明部は焦げであることを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具の灯具ユニット。
  3. 前記透明材料は、炭素を含むケイ素系材料であることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用灯具の灯具ユニット。
  4. 前記透明材料は焦げ発生の起点となる吸収点を含むことを特徴とする請求項2又は3に記載の車両用灯具の灯具ユニット。
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