JP2014211356A - 逆マグネトロン型冷陰極電離真空装置 - Google Patents

逆マグネトロン型冷陰極電離真空装置 Download PDF

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Abstract

【課題】少なくとも10-9Pa以下、10-10Pa台の圧力を測定することができる逆マグネトロン型冷陰極電離真空装置を提供することを目的とする。
【解決手段】真空容器102と、真空容器102内に設けられた筒状の陰極2と、陰極2の筒の中心軸上に設けられ、一対の昇温用電源接続部1a, 1bを備えた陽極1と、真空容器102の外側に着脱可能に設けられ、陰極2の筒の中心軸方向に磁界を生成する磁石6a, 6bとを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、逆マグネトロン型冷陰極電離真空装置に関するものである。
従来、磁場を用いる冷陰極電離真空計は、基本的に真空容器内に配置された陽極と陰極の間に数kV〜10kVの高圧直流電圧を印加し、その放電電流が真空容器内の圧力に略比例することを利用して圧力を測定するものである。圧力が低くなると放電電流が弱くなると共に放電が持続出来なくなることから、2つの電極を磁場空間に置き、電子の拡散を防止する構造を取ることにより電子走行距離を延ばし、真空度の測定限界の改善を図っている。
磁場を利用するこの種の真空計は、ペニング型真空計、マグネトロン型真空計、及び逆マグネトロン型真空計が知られている(特許文献1、2、3参照)。
特開平11−86777号公報 特開2007−322266号公報 特開2009−128276号公報
ところで、最近、最先端の真空装置、例えば、電界放射型電子源を使う放射光装置や電子顕微鏡では、電子源の劣化を防ぐために、少なくとも10-9Pa以下、10-10Pa台の極高真空が必要になってきている。これに対応して、当該極高真空に対応できる真空計や真空ポンプの実用化が強く要望されている。
しかしながら、現在、上記した各真空計の圧力の測定限界は、ペニング型では10-7Pa台であり、マグネトロン型では10-8Pa台である。また、低圧力の測定に優れた逆マグネトロン型真空計でも、現在のところ、1×10-9Paより低い圧力を計ることは困難である。
一方、上述の構造を有する冷陰極真空計は、真空ポンプとしての応用が可能である。特に、冷陰極真空計は、放電強度(対応するイオン電流)が大きく、気体のイオン化効率が高いため、真空容器内の残留気体を電離し、イオンとして捕らえて排気するイオンポンプへの応用が可能である。
しかしながら、これらの真空ポンプに関しても、真空計と同等の圧力限界を有し、要望に応えられないでいる。逆マグネトロン型セル構造に関しては、市場に出ているものは皆無である。
本発明は、少なくとも10-9Pa以下、10-10Pa台の圧力を測定し、さらに、少なくとも当該圧力まで排気できる逆マグネトロン型冷陰極電離真空装置を提供することを目的とするものである。
本発明の一観点によれば、真空容器と、前記真空容器内に設けられた筒状の陰極と、前記陰極の筒の中心軸上に設けられ、一対の昇温用電源接続部を備えた陽極と、前記真空容器の外側に着脱可能に設けられ、前記陰極の筒の前記中心軸方向に磁界を生成する磁石とを有することを特徴とする逆マグネトロン型冷陰極電離真空装置が提供される。
ところで、本願発明者の実験により、冷陰極真空計及び真空ポンプにおいて、陰極表面に付着する酸化膜を含む汚染層が、より低い圧力への対応を妨げていることが分かったが、特に、低い圧力の測定に優れた逆マグネトロン型冷陰極電離真空計や真空ポンプでは、その汚染層を除く方法が分からなかった。
本願発明者は、圧力測定又は排気を行う前に陰極自体の通電によらず陰極を十分に加熱することができる方法を見出し、これにより、陰極の表面が酸化膜で被われていたとしても、圧力を測定する前に陰極表面の酸化膜を含む汚染層を除くことができた。
本発明によれば、真空容器と、前記真空容器内に設けられた筒状の陰極と、前記陰極の筒の中心軸上に設けられ、一対の昇温用電源接続部を備えた陽極と、前記真空容器の外側に着脱可能に設けられ、前記陰極の筒の前記中心軸方向に磁界を生成する磁石とを有する。
本発明では、陽極が一対の昇温用電源接続部を備えているので、一対の昇温用電源接続部間に昇温用電源を接続し、電力を印加して陽極を昇温させることができる。
これにより、圧力測定又は排気を行う前に、磁石を真空容器から外して陰極の筒の内側に前記磁界を生成せずに、陽極から熱電子が発生する温度以上に陽極を昇温するとともに、陽極と陰極の間に電子衝撃用電源を接続し、逆電圧を印加することで、陽極から発生した熱電子を逆電界により陰極に衝突させて陰極を加熱することができる。
上述の陰極の加熱により、圧力測定又は排気を行う前に陰極表面の酸化膜を含む汚染層を除くことができる。このため、圧力測定又は排気を行う際に陰極の金属面が表出し、放電により生成した残留ガスのイオンを陰極金属内に取り込むことができる。加えて、筒状の陰極の表面積は大きいので、イオンを捕獲できる容量も大きい。また、陰極表面の酸化膜を含む汚染層からのガス分子の放出を防止できる。
これにより、真空計からの自己ガス放出を抑えて高精度に真空度測定を可能にし、加えて従来より低い圧力まで排気するポンプとして働かせることができる。
(本発明に至るまでの経緯)
従来、磁場を利用する冷陰極電離真空計は、主に3種類ある。
ペニング型真空計は、1937年にペニングが初めて実用化したもので、円筒状の陽極を、その中心軸を磁界方向と一致させて配置し、2枚の円板で構成された陰極を、それぞれ、円板面が陽極円筒の両開口端を塞ぐように配置した構造になっている。
マグネトロン型真空計は、ペニング型真空計の後に開発され、円筒状の陽極の中心軸上に、棒状の陰極を配置した構造を有する。
逆マグネトロン型真空計は、マグネトロン型真空計とは逆に、円筒状の陰極の中心軸上に、棒状の陽極を配置した構造を有する。
これらの冷陰極電離真空計は、熱陰極フィラメントを持たないので、フィラメント切れや熱による真空の擾乱が無く、堅牢であることなどから、長期運転施設や工業界で好んで使われている。
上述した3つの冷陰極真空計の圧力特性について、ペニング型とマグネトロン型では、圧力Pと放電電流Iの関係がI=KPn(Kは比例常数)で示され、n=1に近いため、圧力Pと放電電流Iの関係が線形である。これに対して、逆マグネトロン型では、n=1.1〜1.3となるため、圧力Pと放電電流Iの関係が全圧力領域で非直線である。
いずれの冷陰極電離真空計においても、圧力が低くなると、磁界中に保持される電子の量が非常に少なくなるため、非直線性が強まり、n=1から大きく外れてきて、圧力の測定が難しくなる。
圧力の測定限界について、ペニング型では10-7Pa台であり、マグネトロン型では10-8Pa台である。そして、低い圧力の測定に優れた逆マグネトロン型真空計でも、現在のところ、1×10-9Paより低い圧力を計ることは困難である。
ところで、上述の構造を有する冷陰極電離真空計は、放電強度(対応するイオン電流)が熱陰極電離真空計の100倍以上大きく、気体のイオン化効率が高いため、真空容器内の残留気体を電離し、イオンとして捕らえて排気するイオンポンプへの応用が可能である。特に、気体のイオン化効率が高い性質を最大限に活かすべく、ペニング型の放電セルを多数並べたスパッタイオンポンプが開発された。スパッタイオンポンプでは、陰極の金属(多くはチタン)に残留ガスのイオンが高速で衝突して陰極に捕獲されるとともに、衝突したイオンによって陰極の金属原子がはじき出されて陰極を含む陽極の全てに飛び散り、その金属原子に残留ガスが化学吸着して排気される。
スパッタイオンポンプの排気速度は放電セルの個数に応じて大きくなるので、放電セルを多数並べることで、排気速度が大きいイオンポンプを設計することができる。放電セル1個当たりの排気速度は、およそ窒素ガスに対して1〜3リッター/秒である。
現在、市場に出ているスパッタイオンポンプの大多数はペニング型セル構造であり、マグネトロン型セル構造は数例しかない。逆マグネトロン型セル構造は皆無である。
ペニング型セルの放電では、円筒状の陽極の両開口端に配置された円板状の陰極の中心部にイオンが集中する特性がある。したがって、圧力が低くなって生成するイオンの数が減っても、陰極の中心部ではイオンが集中し、常時、陰極を構成する金属に衝突することになる。このため、陰極の金属原子が、常時、スパッタされることになる。また、排気のため放電を開始したときに陰極の金属表面が酸化膜で覆われていたとしても、放電開始と同時にイオンの集中する中心部分で酸化膜がスパッタされ、除去されて、陰極の金属が表出し、金属がスパッタされはじめる。これにより、ポンプ機能が有効に発揮される。
マグネトロン型セルの放電では、棒状の陰極の周りに生成したイオンが棒状の陰極の中点近傍に集中する特性がある。したがって、放電開始と同時に陰極の中点近傍を覆っていた酸化膜は容易に除去され、直ちに陰極の金属が表出し、金属がスパッタされはじめる。放電強度がペニング型セルより大きいので、マグネトロン型スパッタイオンポンプはより低い圧力が得られる真空ポンプとして実用化されてきた。
これに対して、逆マグネトロン型セルでは、現在まで真空ポンプとして実用化した例は皆無であるが、逆マグネトロン型セルでは10-9Pa台まで放電を持続できるため、逆マグネトロン型セルを備えたスパッタイオンポンプは超高真空を実現できる可能性を持った真空ポンプとして有望である。
その反面、逆マグネトロン型セルでは、放電により発生したイオンが円筒状の陰極の表面全体に発散する。したがって、イオンが陰極の表面全体に分散されて衝突し、このため、陰極の表面が酸化されていた場合、イオンは酸化膜を叩くのみで、酸化膜は除去されない。一方で、酸化膜に衝突したイオンは、酸化膜表面から1イオン衝突当たり、酸化膜が除去された金属表面よりも多くのガス分子を放出するため、排気よりガス放出の方が多くなると考えられる。
逆マグネトロン型セルの場合、放電が10-9Pa台まで維持できるものの、超高真空に対応したスパッタイオンポンプとして実用化されないのは、上述の理由によると考えられる。上記の事情は、逆マグネトロン型セルを備えた真空計についても言えることである。
本願発明者は、陰極表面の酸化物により排気能力が著しく低下することの原因を鋭意調査した結果、次のようなことが分かった(参考文献1参照)。すなわち、従来構造の単セルを備えたタンタル陰極製のペニング型真空ポンプを使用し、放電開始の前に陰極を加熱しないで、アルゴンを排気し、その後、陰極を800℃以上に昇温したところ、排気したアルゴンの100%が放出されてしまった。すなわち、排気したアルゴンの100%がタンタル表面の酸化膜を含む汚染層に捕獲されていたことが分かった。
さらに、この知見を基に、放電開始の前にタンタル陰極の温度を800℃以上に加熱して陰極表面の汚染層を除いた後に放電を開始して排気を行ったところ、ポンプの排気能力が著しく増大すること、また、再度800℃を越える昇温を行っても、一度排気されたアルゴンの再放出は低減することを確認できた。このことは、陰極表面の汚染層がなくなったため、ガスの余計な再放出がなくなったこと、発生した残留ガスのイオンが陰極の金属内部に捕獲されたため、放出されにくくなったこと、かつ、発生した残留ガスのイオンによって陰極の金属原子がはじき出されて排気作用を発揮できたことを示しており、イオンポンプとして有効に動作していることを確認できた。
本願発明者は、まず、マグネトロン型の放電セルを使用して証明実験を行ったところ、陰極に電流を流して加熱し、昇温することで、排気速度が著しく増大することを証明できた(参考文献3)。
この観点から、逆マグネトロン型の放電セルの場合も、円筒陰極自体を800℃以上に加熱して表面の清浄化を行えば、真空ポンプとして有効に動作させることができると考えた。
しかし、逆マグネトロン型セルの場合は、陰極を通電により加熱しようとすると、ペニング型セルやマグネトロン型セルに比べて陰極の表面積が大きいため、陰極表面全体の温度を800℃以上に昇温することは極めて困難であることが分かった。このため、逆マグネトロン型スパッタイオンポンプの開発はあまり進展していない。また、有効な改良発明もまだなされていない。例えば、参考文献2(図5)に示された改良発明では、線材を加工し、半径を順次変化させたスパイラル形状の陰極を球形に形成して、通電による陰極活性化を行ってはいるが、陰極内側の空間で発生したイオンの多くが、スパイラル形状の線材の隙間を通り抜けて、真空容器の壁に衝突してしまうため、イオンポンプとしての機能を十分に発揮できていない。
ところで、最近の電界放射型電子源を使う放射光装置や電子顕微鏡では、電子源の劣化を防ぐために、少なくとも10-9Pa以下、10-10Pa台の極高真空が必要になってきている。
その様な真空装置では、現在、非蒸発型ゲッターポンプ(NEG (Non-Evaporate Getter)ポンプ)が好んで使用されているが、NEGポンプはヘリウムやアルゴンなどの不活性ガスは一切排気できないため、NEGポンプとともにヘリウムとアルゴンを排気する別の真空ポンプが必要とされ、使用されている。
アルゴンなどを排気する真空ポンプとして、これまでは、複数のペニング型セルを備えた小型のスパッタイオンポンプを用いることが多かった。しかし、前述したように、ペニング型セルのイオンポンプは、圧力が下がって10-8Pa程度になると放電強度が著しく低下し、排気速度が殆どゼロになってしまう欠点がある。以上のような背景からも、10-9Pa以下の圧力まで不活性ガスを排気することができるイオンポンプの実用化が待たれている。
このような事情により、本願発明者は、超高真空で働く真空計やイオンポンプとして最も有望であると考えられる逆マグネトロン型セル構造について改良する種々の実験を行い、本発明に至った。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る単セル型の逆マグネトロン型冷陰極電離真空装置の構成を示す図である。なお、逆マグネトロン型冷陰極電離真空装置は次の部分を除き、断面図で示されているが、陽極1は、側面図で示されている。
図2は、図1の逆マグネトロン型冷陰極電離真空装置に用いる放電セル101を分解して示す斜視図である。
図5(a)、(b)は、図1の逆マグネトロン型冷陰極電離真空装置に用いる磁界発生手段104の構成を示す図である。なお、磁界発生手段104、放電セル101及び真空容器102は、次の部分を除き、図1のI-I線に沿う断面図で示されているが、放電セル101の陽極1及び真空容器102のフランジ3は、I-I線から左側を見た側面図で示されている。
第1実施形態に係る単セル型の逆マグネトロン型冷陰極電離真空装置は、電子衝撃により陰極を加熱する構成となっている。なお、本構成は、冷陰極電離真空計のほか、スパッタイオンポンプとしても用いることができる。
第1実施形態に係る単セル型の逆マグネトロン型冷陰極電離真空装置は、図1に示すように、陽極1と陰極2で構成された放電セル101と、放電セル101を収納する真空容器102と、磁界を生成し、放電セル101に磁界を印加する磁界発生手段104とを有する。
放電セル101においては、図2に示すように、陰極2は円筒状を有し、陰極2の円筒の中心軸CA上に陽極1が配置されている。
陽極1は、熱電子を放出し易い導電体からなる螺旋状のコイル11を、コイル11と同じ或いは異なる導電体からなる棒部材12の周りにかつ螺旋状の部分が棒部材12に接触しないように配置し、コイル11の一端を棒部材12の一端に接触させて固定し、構成される。コイル11の他端1aと棒部材12の他端1bが、1対の昇温用電源接続部となっている。
陰極2は、2枚のドーナツ状円板部材21a, 21bを、それぞれ、円筒部材20の両開口端を塞ぐように円筒部材20の開口端に溶接し、構成される。
円筒陰極2の両開口端をドーナツ状円板部材21a, 21bで塞いだ理由は、次のとおりである。すなわち、ドーナツ状円板部材21a, 21bの中央部の穴から、残留ガスを陽極1と陰極2の間の空間に導くためである。一方で、陽極1からの輻射熱を放電セル101内に閉じ込めて、輻射加熱の効率を上げるためであり、また、陽極1と陰極2の間の空間で生成したイオンがその空間の外に拡散するのを防ぐためである。
なお、陰極2は、ドーナツ状円板部材21a, 21bを用いずに円筒部材20単独で構成されてもよい。
放電セル101は、図1に示すように、真空容器102内に設置される。真空容器102は、図5に示すように両側部が外側に湾曲した方形筒状を有し、方形筒の片端部が開口するとともに、開口端の外側周囲にフランジ(ナイフエッジ)3を有する。真空容器102は、フランジ3を介して別の真空装置(図示せず)に接続される。一方、方形筒の他端部には真空端子部103が、真空容器102内の気密が保たれるように溶接により取り付けられている。真空端子部103は、真空容器102の仕切り壁となる金属板を有し、3つの真空端子5a, 5b, 5cが絶縁物4a, 4b, 4cにより金属板と電気的絶縁性を保ちつつ、金属板を貫通して設けられている。
真空容器102内に設置された放電セル101の陰極2に、真空端子5aの真空容器102側の内部端子が接続・固定され、放電セル101の陽極1の一対の昇温用電源接続部1a, 1bに、それぞれ真空端子5b, 5cの各内部端子が接続・固定されている。
磁界発生手段104は、図1及び図5(a)、(b)に示すように、磁石6a, 6bと、磁石6a, 6bを囲むように配置され、磁石6a, 6bの磁力線の漏れを防ぐヨーク7とを有する。磁石6a, 6bは真空容器102の外側に置かれて、陰極1の円筒の中心軸方向に沿って磁界が発生するように、真空容器102を挟み、磁極Nと磁極Sとを対向させて設けられている。磁石6a, 6bが真空容器102の外側に配置されているので、真空を破らないで容易に磁石6a, 6bを取り外すことができる。
これにより、陰極加熱時に放電セル101に磁界を印加せず、圧力測定時に磁界を印加することができる。なお、図5中、符号3aは、真空容器102を別の真空装置にボルトなどで取り付けるための穴である。
次に、本第1実施形態の逆マグネトロン型冷陰極電離真空装置の動作について、図3、図4、図5(a)、(b)及び図6(a)、(b)を参照して説明する。
図3は陰極加熱時の電源の接続及び磁石の配置を示す図であり、図6(a)は対応する陰極加熱時の電源の接続等価回路である。図4は、圧力測定時の電源及び電流計の接続及び磁石の配置を示す図であり、図6(b)は対応する圧力測定時の電源及び電流計の接続等価回路である。
まず、本第1実施形態の逆マグネトロン型冷陰極電離真空装置を、排気し、真空度を計測すべき図示しない別の真空容器に取り付ける。別の真空容器には低圧から排気できる真空ポンプを接続する。
次いで、本第1実施形態の逆マグネトロン型冷陰極電離真空装置において、図4に示すように、放電用電源14の正側を大気側の真空端子5bに接続し、負側は電流計15を通して真空端子5aに接続する。このとき、放電用電源14の負側及び電流計15の一端をグランド(接地)に接続する。放電用電源14や電流計15を接続する配線ケーブル16a, 16bは、高圧及び微小電流に対応したものを使用する。ここで、電流計15は、好ましくは、テスターなど、一般的な電流計に使われる基準抵抗の両端の電圧を計測する方法(シャント型電流計)ではなく、微小電流を測ることができるオペアンプを用いたフィードバック型電流計が用いられる。この場合、図6(b)の陽極1の電源接続部1a、図6(c)の陰極2と接続された真空端子5aの電位は、オペアンプによりほぼグランド電位に制御される。その電位は、実用上、グランド電位からオフセット±1mV、大きくて±1V以下となる。なお、図4中、符号106は、真空度計測及び排気に用いる放電用電源14と電流計15の集合である。
上記接続の際、放電用電源14及び電流計15に接続された配線ケーブル16a, 16bをまとめて接続ソケットにセットし、接続ソケットを真空端子5a, 5b, 5cに差し込むことで放電用電源14及び電流計15に真空端子5a, 5b, 5cが接続されるようにしておくと、接続が容易になる。
これにより、陰極2と陽極1の電源接続部1aの間に電流計15と放電用電源14が直列接続される。放電用電源14及び電流計15の接続構成の等価回路を、図6(b)に示す。
さらに、放電セル101を挟んで磁石6a, 6bをセットし、陰極2の中心軸に沿って磁界を生成する。
なお、以上の電源及び電流計の接続構成及び磁石6a, 6bの配置を、以降の説明において放電用構成と称する。
放電用電源14、電流計15及び磁石6a, 6bのセットが終わったら、低圧から排気できる真空ポンプをオンする。さらに、逆マグネトロン型冷陰極電離真空装置の放電用電源14をオンし、ピラニー真空計などで圧力をモニターしながら排気を始める。
次いで、圧力が10-3Pa以下になったら、図5(a)に示すように、放電セル101に磁界を印加しないように、磁石6a, 6bを取り外す。
次いで、放電用電源14及び電流計15とを真空端子5a〜5cから取り外した後、図3に示すように、昇温用電源8の正側を大気側の真空端子5cに接続し、負側を大気側の真空端子5bに接続する。これにより、陽極1の一対の昇温用電源接続部1a, 1b間に昇温用電源8が接続される。また、電子衝撃用電源9の正側を大気側の真空端子5aに接続し、負側を大気側の真空端子5bに接続する。これにより、陰極2と陽極1の昇温用電源接続部1aの間に電子衝撃用電源9が接続される。昇温用電源8などを接続する配線ケーブル13a, 13b, 13cは、大電流に対応したものを使用する。なお、図3中、符号105は、陰極加熱に用いる昇温用電源8と電子衝撃用電源9の集合を示す。このときも前述の接続ソケットを用いると、昇温用電源8及び電子衝撃用電源9の真空端子5a, 5b, 5cへの接続が容易になる。
この電源の接続構成の等価回路を、図6(a)に示す。なお、以上の電源の接続構成を、以降の説明において陰極加熱用構成と称する。
次いで、昇温用電源8をオンにし、電圧を徐々に上昇させて陽極1に徐々に大きい電流を流していく。最終的には、電圧1V〜10Vで、電流3A〜10Aが目安となる。陽極1は自身の電気抵抗により電力を消費して発熱し、自身が徐々に昇温する。
次いで、電子衝撃用電源9をオンにして電圧500V〜1000Vを印加し、電子が陽極1から陰極2に向かうような電界を発生させる。電力を消費し昇温している陽極1の温度が凡そ1000℃以上になると陽極1から熱電子が発生し、電界により加速されて陰極2の方に移動し陰極2に衝突する。これに対応して、陽極1と陰極2の間に電流が流れる。電流は50mA〜150mA程度が目安となる。このとき、磁界を印加していないため、電子は陰極2方向への移動を妨げられずに直進して陰極2に衝突する。これにより、陰極2が加熱される。陰極加熱の時間は、5分乃至30分が目安となる。
なお、陰極2の加熱時に磁界を印加すると、熱電子が磁界からローレンツ力を受けて熱電子の軌道が曲げられ、陽極1の方に戻ってしまう。このため、熱電子が陰極2に到達できず、陰極2を加熱することができないことになる。よって、陰極2の加熱時には磁界を印加しない。
上述の陰極2の加熱により陰極2の温度が800℃以上になると、陰極2の表面に酸化膜を含む汚染層が被着していた場合、汚染層が除去される。
陰極2を十分に加熱した後、昇温用電源8及び電子衝撃用電源9をオフにする。これにより、陰極2の加熱が終了する。
次に、昇温用電源8及び電子衝撃用電源9を真空端子5a〜5cから取り外した後、上述した図4に示す放電用構成に接続しなおす。
次いで、図1において、放電用電源14をオンにし、陽極1と陰極2の間に、電圧を印加し、電子が陰極2から陽極1に向かうような電界を形成する。電圧は3kV〜10kVを印加する。
これにより、陰極2から電子が電界放出により発生し、その電磁界にしたがって残留ガス分子と衝突し電磁界により得たエネルギで残留ガス分子をイオン化する。残留ガスのイオンは、陰極2に向かって加速されて陰極2に衝突し、一部は金属内部に叩き込まれ、また残りの一部は陰極2から金属原子をはじき飛ばす。残留ガスのイオン自体は陰極2に捕獲される。陰極2からはじき飛ばされた金属原子は、浮遊する残留ガスのイオンと化学吸着して陰極に再捕獲されることで排気される。陰極2に捕獲されたイオンにより電流が流れ、電流計15により計測される。電流は、真空度に応じて10-14A〜10-3A程度流れる。また、ガス分子がイオン化された時生ずる電子は、陽極に向かって加速されるが、電子は磁界を横切るように運動するので、磁界から強い力を受けて、トロコイド運動をしながら陽極の周りを長い時間を掛けて動き回り、電離効率を高めるように振る舞う。
以上のようにして、圧力の測定が行われる。一方で、放電セルが動作中に、イオン化した残留ガス分子は、陰極2に衝突して埋め込まれ、捕獲されるとともに、陰極2からはじき出された金属原子に化学吸着し、排気される。このように、圧力測定中に残留ガスの排気も同時に行われる。すなわち、本第1実施形態の逆マグネトロン型冷陰極電離真空計は、真空計としても、真空ポンプとしても機能させることができる。
(本発明の第1実施形態の逆マグネトロン型放電セルの性能調査)
次に、図1乃至図6に示す逆マグネトロン型放電セルの性能調査とその調査結果について説明する。
まず、性能調査に用いた放電セル101は次のとおりである。
陽極1を構成する棒部材は、直径1.0mm、長さ20mmのタンタル材を用いた。また、螺旋状のコイル11は、直径0.4mmのトリエーテッドタングステン(トリウム0.5%を含んだタングステン合金)線を、外径5mmで螺旋状に8ターン巻き、全長20mm螺旋に加工したものを用いた。トリエーテッドタングステンは熱電子を放出し易い金属であり、本発明における陰極用コイル11の材料として好ましい。
また、陰極2の円筒部材20は、厚さ0.2mm、幅18mmのタンタル製の板を外径30mm、高さ18mmの円筒に加工したものを用いた。ドーナツ状円板部材21a, 21bは、厚さ0.2mmのタンタル板を円板状に切り出し、円板の中央に直径8mmの穴を開けてドーナツ状に加工し、上述の円筒端にスポット溶接したものを用いた。
放電セル101を収納する真空容器102は、ベリリウム銅合金製である。真空容器102の材料としてベリリウム銅合金を用いた理由は、電子衝撃加熱時に陽極1及び陰極2から放射される熱が真空容器壁に吸収されにくくするためである。これにより、陽極1からの熱を効率良く利用して陰極2の加熱及び昇温を容易にすることができる。
磁界発生手段104において、磁石6a, 6bは、サマリウムコバルト磁石であり、ヨーク31は、厚さ10mmの純鉄をカタカナ文字の「ロ」の字の形状に加工したものである。ヨーク31には、真空容器102を挟むように内側に向き相互に対向する面にそれぞれ1個ずつ磁石6a, 6bが自身の磁力により吸着し、装着されている。中心部の磁界の強さは0.28テスラである。
陰極加熱時に、図3に示す陰極加熱用構成のように電源を接続する。昇温用電源8は、直流6kVを出力可能であり、高絶縁ケーブルを介して、陽極1の一対の電源接続部1a, 1bに接続される。電子衝撃用電源9は、少なくとも、4V×9Aを出力できるものである。また、圧力測定時に図4に示す放電用構成のように電源及び電流計を接続する。電流計15は低ノイズケーブルを介し陰極2に接続される。ただし、電子衝撃時に陽極1と陰極2に与える電圧は、6kVでは高すぎるので、700Vまで降下させて用いた。
次に、図7に示す評価試験装置を用いて、スループット法と称される評価試験方法により放電セル101の性能調査を行った。
まず、評価試験装置について説明する。
共にベリリウム銅合金製の第1真空容器M1と第2真空容器M2が、窒素に対するコンダクタンスC=1.0×10-3m3/sを有する直径φ3.3mmの小穴の開いた板をガス流路に配置した配管で連結され、これにより第1真空容器M1と第2真空容器M2の間を流通するガスの流量が制限されるようにした。
第2真空容器M2には、アルゴンガス(Ar)又は水素ガス(H2)を切り替えて供給できるガスボンベが接続され、第2真空容器M2を通して第1真空容器M1にアルゴンガス(Ar)又は水素ガス(H2)を別々に供給できるようになっている。また、第2真空容器M2には、ダイヤフラムポンプでバックアップされるターボ分子ポンプ(TMP)が接続されており、第2真空容器M2内が直接排気されるとともに、第2真空容器M2を通して第1真空容器M1が排気される。また、第2真空容器M2には、極高真空計G2が接続され、第2真空容器M2内の真空度を測定できるようになっている。
第1真空容器M1には、非蒸発型ゲッターポンプ(NEG Pump)と称される排気ポンプが接続されており、第1真空容器M1が直接排気されるとともに、オリフィスを介して第2真空容器M2が排気される。非蒸発型ゲッターポンプにより、第1真空容器M1内を真空度10-10Pa台に排気可能である。また、第1真空容器M1には、極高真空計G1が接続され、第1真空容器M1内の真空度を測定できるようになっている。また、第1真空容器M1に、本願発明に係る真空容器に逆マグネトロン型放電セルを収納した真空計(TEST IMG(Inverted Magnetron type Gauge))が接続されて、その性能調査を行うことができるようになっている。
次に、本発明の逆マグネトロン型電離真空装置の性能調査について、図7及び図8を参照して説明する。図8は、本発明の第1実施形態に係る逆マグネトロン型真空ポンプの性能を調査した結果を示すグラフである。縦軸は、リニア目盛で表したアルゴンガス排気速度S(×10-3m3/s=L/s)を示し、横軸は、対数目盛で表した圧力P1(Pa)を示す。
以下では、図7に示す評価試験装置を用いて、本発明の逆マグネトロン型電離真空装置の真空計としての性能と、真空ポンプとしての性能とを併せて調査した。
本評価試験装置においては、逆マグネトロン型電離真空装置の真空計としての特性と真空ポンプとしての排気速度とが次のようにして計測される。
すなわち、アルゴンガスボンベから第2真空容器M2につながるガス配管の途中に設けられたバルブVを緩めて、アルゴンガスを少しずつ第2真空容器M2に満たしていき、圧力P2を増大させる。このときの第1真空容器M1と第2真空容器M2内の各圧力P1とP2を第1極高真空計G1と第2極高真空計G2で計測する。NEGポンプはアルゴンガスを排気しないので、本発明の逆マグネトロン型電離真空装置のアルゴンに対する排気速度Sを次の式で求めることができる。
2>P1のとき、オリフィス(コンダクタンスをC(m3/s)で表す。)を介して第2真空容器M2から第1真空容器M1に流れ込むガス流量は、C(P2−P1)(Pa・m3/s)で表すことができる。
そして、このガス流量を、真空ポンプとして働く本発明の逆マグネトロン型電離真空装置が排気している結果として、第1真空容器M1内の圧力がP1となっているのであるから、このポンプの排気速度をS(m3/s)とすると、
C(P2−P1)=SP1・・・・・・・・・・・・・・(1)
の式が成り立つ。即ち、
S=C(P2/P1−1)・・・・・・・・・・・・・・(2)
となり、本発明の逆マグネトロン型電離真空装置が真空ポンプとして働いたときに、圧力P1での排気速度Sを求めることができる。
まず、本発明の逆マグネトロン型電離真空装置(TEST IMG)を、図7の評価装置に装着し、全体を約200℃で6時間程度加熱した後、排気を続けて行うと、第1真空容器M1の圧力P1は10-9Pa台まで下がった。
到達した圧力P1からアルゴンガスを導入しながら、第1真空容器M1の圧力P1及び第2真空容器M2の圧力P2を測定した。第1真空容器M1の圧力P1の測定は、上述した放電用構成にして本発明の逆マグネトロン型電離真空装置(TEST IMG)により行った。
調査結果によれば、常に、P2<P1となり、本発明の逆マグネトロン型電離真空装置は、アルゴンガスに対して全く排気作用を示さず、ガス源になってしまっていることが分かった。即ち、図8に示した△印(「Non」と表現)が本試験の結果であり、陰極2を昇温加熱しなかった場合は、アルゴンに対して全く排気作用が無いことが分かる。
次に、上述の陰極加熱用構成で、陰極2を加熱し、温度約800℃まで昇温して表面清浄化処理を10分間行った。陰極2の加熱は、陽極1に3.5V×7Aの電力を流し、陽極1と陰極2間に電子衝撃電圧700 V印加し、約50mA相当の電子で陰極2を衝撃することで行った。この加熱状態を図8では「Low」と表現し、測定値を○印で示している。
陰極2の加熱によりおよそ700℃まで昇温し、陰極2から脱ガスした後、上述の放電用構成に戻し、放電セルに陰極2の中心部の磁界の強さが0.28テスラの磁界を印加するとともに、陽極1と陰極2間に6kVを印加し、放電を開始した。圧力が10-9Pa台に到達した後、アルゴンガスを第2真空容器M2に導入しながら圧力に従って変動するイオン電流を適宜測定し、圧力P1(Pa)に対するアルゴンガス排気速度S(L/s)を求めた。
調査結果によれば、圧力は、常時、P2>P1となり、図8の○印で示すように、最大の排気速度S=0.5L/sを持つ真空ポンプとして働くことが分かった。なお、図8のグラフでは、1×10-8Pa以上の排気速度Sだけをプロットしてある。その理由は、10-9Pa台では残留ガスの主成分は水素であり、アルゴンに対する排気速度が正確に求められないためである。
次に、もう一度、陰極加熱用構成に戻し、陰極2を加熱し、温度約1000℃まで昇温して表面清浄化処理を10分間行った。陰極2の加熱は、4V×9Aの電力を印加し、陽極1と陰極2間に電子衝撃電圧700 Vを印加し、約100mA相当の電子で陰極2を衝撃することにより行った。この加熱状態を図8では「High」と表現し、測定値を□印で示している。
その後、圧力P1に対するアルゴンガス排気速度Sを求めたところ、図8の□印で示すように、10-6Pa台で最大の排気速度S=1.1L/sが得られた。
以上の調査結果から、陰極2の加熱温度が高いほど排気速度Sが増すことが分かった。このことは、逆マグネトロン型冷陰極電離真空装置において、真空ポンプとして動作させる前に、陰極2の表面を真空中において昇温する、好ましくは800℃以上に昇温することによって、排気可能な圧力を下げることができることを示している。
次に、真空計としての性能調査について、図7及び図9を参照して説明する。
図9は、本発明の第1実施形態に係る逆マグネトロン型冷陰極電離真空装置の性能を調査した結果を示すグラフである。縦軸は、対数目盛で表した陰極電流(A)を示し、横軸は、対数目盛で表した圧力P1(Pa)を示す。なお、以下では、陰極電流をイオン電流と称する場合もある。
まず、残留ガスがアルゴンガスの場合について、真空計としての性能調査を行った。この場合、図8の排気速度を求めたときの調査から真空計としての性能調査を行うことができる。調査方法及び調査結果は、次の通りである。
調査では、図8の□印の排気速度を求める際に、第1極高真空計G1から得られる圧力P1に対する陰極電流を求め、図9に△印でプロットした。
図9によれば、アルゴンガスの導入は水素ガスが主成分である10-9Paから高い圧力で行われたが、得られた陰極電流特性は非常に安定しており、圧力測定範囲において放電を続けながら連続して測定することが可能であった。
次に、10-9Paよりも低い圧力での陰極電流特性を得るため、加熱により、NEGの活性化と、逆マグネトロン型真空装置の陰極2の表面清浄化処理を行った。そして、到達した圧力7×10-10Paから、その残留ガスの主成分と同じ水素を第2真空容器M2に導入しながら、圧力P1に対する逆マグネトロン型真空装置のイオン電流Iiを求め、図9に〇印でプロットした。水素のイオン電流特性は、アルゴンのイオン電流特性と滑らかにつながっており、しかも、熱陰極型電離真空計の窒素換算圧と完全に一致している。よって、本発明の逆マグネトロン型真空装置は、10-9Pa以下の圧力を高精度で計測できる真空計として動作することが証明された。
以上の調査において、特筆すべきことは、水素であっても、アルゴンガスであっても、さらに、2つのガスの間には20倍もの質量の差があったとしても、イオン電流特性と滑らかにつながっていることは、真空計として非常に安定で正確な圧力測定を行うことができることを示している。
さらに、イオン電流特性の非直線性については、コンピュータのソフトで補正することが可能であるため、本発明の逆マグネトロン型冷陰極電離真空装置は、ガス種による差異によらず、しかも、高精度の熱陰極型電離真空計に匹敵する真空計であるといえる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る逆マグネトロン型冷陰極電離真空装置及びその変形例について、図10、図11,図3、図4及び図6(a)〜(c)を参照して説明する。
図10は、第2実施形態に係る逆マグネトロン型冷陰極電離真空装置を示す図である。
第2実施形態において、第1実施形態と異なる点は、以下のとおりである。
すなわち、第1実施形態では、陽極を昇温する電源として直流電源を用いているが、第2実施形態では、その代わりに、トランス8aを介して交流を用いている。
また、第1実施形態では、陰極加熱及び圧力測定(排気)において必要とされる放電セルへの電源及び電流計の接続を、それぞれ図3及び図4に示すように、別々に繋ぎ換えて行っているが、第2実施形態では、陰極加熱及び圧力測定(排気)において必要なすべての電源及び電流計を、スイッチS1〜S3を介して接続しておき、陰極加熱及び圧力測定(排気)に応じてスイッチS1〜S3を切り替えることで、図3に示す陰極加熱用構成及び図4に示す放電用構成と同じ接続を得るようにしている。
陰極加熱においては、スイッチS3を接続端子T6に接続し、スイッチS2を接続端子T4に接続し、スイッチS1を接続端子T2に接続することで、図3に示す陰極加熱用構成と同じ接続構成が得られる。等価回路を図6(a)に示す。
また、圧力測定(排気)においては、スイッチS3を接続端子T5に接続し、スイッチS2を接続端子T3に接続し、スイッチS1を接続端子T1に接続することで、図4に示す放電用構成と同じ接続構成が得られる。等価回路を図6(b)に示す。
図11は、図10に示す接続構成の変形例を示す。
図11において、図10の接続構成と異なる点は以下のとおりである。
すなわち、図10では、放電用電源14aの正側を、スイッチS2を介してトランス8aの2次側配線を経由して陽極1に接続し、また、電流計15を、スイッチS1を介して陰極2に接続しているのに対して、図11では、放電用電源14aの負側を、スイッチS4を介して陰極2に接続し、電流計15をトランスの2次側配線を経由して陽極1に接続したことである。
陰極加熱においては、スイッチS5を接続端子T10に接続し、スイッチS4を接続端子T7に接続することで、図3に示す陰極加熱用構成と等価な接続構成が得られる。等価回路を図6(a)に示す。
また、圧力測定(排気)においては、スイッチS5を接続端子T9に接続し、スイッチS4を接続端子T8に接続することで、図4に示す放電用構成と等価な接続構成が得られる。等価回路を図6(c)に示す。
図11における接続構成によれば、図10の接続構成と比較して、切換えスイッチが2つでよいこと、また、トランス8aの2次側に放電用電源8aを接続していないため、トランス8aの絶縁耐圧が低くてよいこと、さらに、一つの電流計15で、圧力測定(排気)時においてイオン電流を測定できるとともに、陰極2の加熱時において陽極1のコイルから放出される電子電流も測定できることが長所として挙げられる。
(第3実施形態)
図12は、第3実施形態に係る逆マグネトロン型冷陰極電離真空装置を示す図である。なお、逆マグネトロン型冷陰極電離真空装置は次の部分を除き、断面図で示されているが、陽極1は、側面図で示されている。
第3実施形態に係る逆マグネトロン型冷陰極電離真空装置において、第1実施形態に係る逆マグネトロン型冷陰極電離真空装置と異なる点は、図12に示すように、放電セルの陰極2の円筒の中心軸に沿う磁界を印加する磁気回路において、放電セルの周りに真空容器102の形状に対応させて方形筒状磁石7aを用いたことである。
これにより、磁石用ヨークが不要となり、構造が簡単になる。
(第4実施形態)
図13は、第4実施形態に係る逆マグネトロン型冷陰極電離真空装置における、特に放電セルを示す図である。なお、その放電セルは、次の部分を除き、断面図で示されているが、陽極1は、側面図で示されている。
第4実施形態に係る放電セルは、図13に示すように、第1実施形態の放電セルを複数個、隣接する陰極2同士を円筒側面が接触するように並べ、陽極1の支持体を兼ねた接続導体部材107により、陽極1を電気的に直列接続した構造を有する。この放電セルを図示しない真空容器に収納することにより、第4実施形態に係る逆マグネトロン型冷陰極電離真空装置が構成される。
接続導体部材104は、アルミナセラミック材を円柱状又は角柱状に加工した心部材31の表面に、図13に示すように並べた放電セルの陽極1同士が電気的に直列接続されるように、タンタルやモリブデンなどからなる導電体32が間隔33を空けて被覆されている。その間隔33はほぼ陽極1の両端子1a, 1b間の距離に相当し、隣接する導電体32同士を絶縁する絶縁ギャップとなる。
また、絶縁ギャップ33に隣接する導電体32の端部では、心部材31の表面から0.1mm乃至1mm隙間34ができるように、かつその隙間34が導電体32の端部から3〜10mm程度の長さで形成されるように被覆されている。この隙間34は、放電セルの放電を繰り返し、時間が経つうちにスパッタされた陰極を構成する金属が心部材31に付着したとしても、隙間34では金属の付着を防止して導電体32間の絶縁が保たれるようにするものである。
以上のように、第4実施形態に係る逆マグネトロン型冷陰極電離真空装置によれば、真空容器内に放電セルを複数個並べて置くことで、放電セルの個数に応じて排気速度を増大させることができる。
(第5実施形態)
以下では、第5実施形態に係る放電セルを構成する陽極の変形例について説明する。
(第1変形例)
図14は、第5実施形態に係る逆マグネトロン型冷陰極電離真空装置に用いられる放電セル101aを構成する陽極の第1変形例を示す斜視図である。陰極2a内側の陽極1aが見えるように、一部を切り欠いて描いてある。
第5実施形態に係る陽極の第1変形例において、第1実施形態と異なる点は、放電セル101aの陽極に、棒状部材とスパイラル状部材を備えた陽極1の代わりに、図14に示すような2重螺旋構造のフィラメントを備えた陽極1aを用いたことである。陽極1aは、タングステンなどの高融点フィラメントだけで形成することができる。
(第2変形例)
図15は、第5実施形態に係る逆マグネトロン型冷陰極電離真空計に用いられる放電セル101bを構成する陽極の第2変形例を示す斜視図である。陰極2b内側の陽極1bが見えるように、一部を切り欠いて描いてある。
放電セル101bでは、陽極1bがアルファベットのU字構造となっている。陽極1bは、第1変形例と同様に、タングステンなどの高融点フィラメントだけで形成することができる。
(第3変形例)
第3の変形例として、図1において、スパイラル状の電極部材を備えた陽極の代わりに、棒状の陽極を用いてもよい。
円筒状の陰極の中心軸上に棒状の陽極を設けた本発明のような逆マグネトロン型放電セルの構成では、陰極表面の清浄化のため陰極自体に通電して陰極を加熱することは困難であるが、第1実施形態や第2実施形態で説明したような電源接続とし、間接的に陰極を加熱するようにすることで、円筒状の陰極でも容易に加熱することができる。
なお、この棒状の陽極を備えた放電セルは、円筒状の陽極の中心軸上に棒状の陰極極を設けた従来型のマグネトロン型放電セルと類似した構成になるが、本発明の逆マグネトロン型放電セルは、これとは全く異なるものである。
(第6実施形態)
第6実施形態に係る逆マグネトロン型冷陰極電離真空装置は、圧力を測定する前に陰極の表面を清浄にする加熱を、陽極1から発生する赤外線のみで行うようにしたものである。
第6実施形態に係る逆マグネトロン型冷陰極電離真空装置において、逆マグネトロン型冷陰極電離真空装置と異なる点は、図3の電子衝撃用電源9を必要としないことである。陽極1は、図1の放電セルと同様に、タングステンなどの高融点金属で製作しておけばよい。なお、逆マグネトロン型冷陰極電離真空装置を動作させるときは、図10又は図114の接続構成とする。
この構成で、圧力を測定する前に陰極2の表面を清浄にするときに、昇温用電源8をオンにし、陽極1の一対の電源接続部1a, 1b間に直流電力を印加する。このとき、陰極2と陽極1の間には電圧は印加されない。また、電界により加速させた電子を用いずに、輻射熱のみによって陰極2を加熱しているため、加熱時に磁石6a, 6bを取り外す必要性がなく、磁石6a, 6bは、図5(a)、(b)のいずれの状態でもよい。
この状態を維持することで、陽極1は発熱し、陽極1から赤外線が放射される。そして、その赤外線により陰極2が加熱されて、陰極2の表面の汚染層が除去される。
また、排気又は圧力測定を行うときは、磁石6a, 6bを取り付けた状態で放電用電源14をオンして、第1実施形態で説明したように、放電セルを放電させて、イオン電流を測定する。
以上のように、第6実施形態に係る逆マグネトロン型冷陰極電離真空装置によれば、排気又は圧力を測定する前に、赤外線により陰極2が加熱されて、陰極2の表面の汚染層が除去されるため、第1実施形態に係る逆マグネトロン型冷陰極電離真空装置と同様に、10-9Pa以下の圧力を高精度で計測できる真空計として、及び、10-9Pa以下の圧力まで排気できる真空ポンプとして用いることができる。
なお、第6実施形態に係る逆マグネトロン型冷陰極電離真空装置では、陰極2の表面を清浄にする加熱において陽極1を発熱させているだけなので、陰極2の清浄化を行いながら、真空ポンプとして或いは真空計としての動作を行うことも可能である。
本発明の第1及び第6実施形態に係る単セル型の逆マグネトロン型冷陰極電離真空装置の放電セルの構成を示す図である。 図1の逆マグネトロン型冷陰極電離真空装置に用いる放電セルを分解して示す斜視図である。 図1の逆マグネトロン型冷陰極電離真空装置における陰極加熱用構成について示す図である。 図1の逆マグネトロン型冷陰極電離真空装置における放電用構成について示す図である。 (a)は、図1の逆マグネトロン型冷陰極電離真空装置に用いる磁界発生手段について陰極加熱用構成に対応する配置を示す図であり、(b)は、同じく放電用構成に対応する配置を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る逆マグネトロン型冷陰極電離真空装置において、(a)は陰極加熱時の電源の接続等価回路であり、(b)及び(c)は圧力測定時及び排気時の電源及び電流計の接続等価回路である。 本発明の第1実施形態に係る逆マグネトロン型冷陰極電離真空装置の性能を調査した評価試験装置の構成を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る逆マグネトロン型冷陰極電離真空装置の性能を調査した結果を示すグラフである(その1)。 本発明の第1実施形態に係る逆マグネトロン型冷陰極電離真空装置の性能を調査した結果を示すグラフである(その2)。 本発明の第2実施形態に係る単セル型の逆マグネトロン型冷陰極電離真空装置の構成を示す図である。 図10の変形例について示す図である。 本発明の第3実施形態に係る単セル型の逆マグネトロン型冷陰極電離真空装置の構成を示す図である。 本発明の第4実施形態に係る複数セル型の逆マグネトロン型冷陰極電離真空装置の構成を示す図である。 図2の放電セルの第1変形例について示す斜視図である。 図2の放電セルの第2変形例について示す斜視図である。
1 陽極
1a、1b 一対の昇温用電源接続部
2 陰極
3 フランジ(ナイフエッジ)
3a ボルト穴
4a, 4b, 4c 絶縁物
5a、5b、5c 真空端子
6a、6b 磁石
7 磁石用ヨーク
8、8a 昇温用電源
9、9a 電子衝撃用電源
11 螺旋状のコイル
12 棒部材
13a, 13b, 13c, 16a, 16b 配線ケーブル
14、14a 放電用電源
15 電流計
20 円筒部材
21a、21b 円板陰極
31 心部材
32 導電体皮膜
33 絶縁ギャップ
34 隙間
101、101a、101b 放電セル
102 真空容器
103 真空端子部
104 磁界印加手段
105 陰極加熱に用いる昇温用電源8と電子衝撃用電源9の集合
106 真空度計測及び排気に用いる放電用電源14と電流計15の集合
107 接続導体部材
CA 陰極2の円筒の中心軸
S1〜S5 切換えスイッチ
T1〜T10 接続端子

Claims (8)

  1. 真空容器と、
    前記真空容器内に設けられた筒状の陰極と、
    前記陰極の筒の中心軸上に設けられ、一対の昇温用電源接続部を備えた陽極と、
    前記真空容器の外側に着脱可能に設けられ、前記陰極の筒の前記中心軸方向に磁界を生成する磁石と
    を有することを特徴とする逆マグネトロン型冷陰極電離真空装置。
  2. 前記一対の昇温用電源接続部間に接続され、前記陽極を昇温させる昇温用電源と、前記陽極と前記陰極の間に接続され、前記昇温した陽極から放出された熱電子を前記陰極の方に加速し、前記陰極に衝突させる電子衝撃用電源と、前記陽極と前記陰極の間に接続され、前記陽極と前記陰極の間に存在するガスを放電させる放電用電源とを有することを特徴とする請求項1に記載の逆マグネトロン型冷陰極電離真空装置。
  3. 前記陽極と前記陰極の間に接続された圧力測定用電流計を備え、
    前記圧力測定用電流計は、一端が前記陰極に接続されて他端が接地され、又は、一端が前記陽極に接続されて他端が接地されることを特徴とする請求項1に記載の逆マグネトロン型冷陰極電離真空装置。
  4. 一つの前記陽極と一つの前記陰極とが一つのセルを構成し、複数の前記セルが前記真空容器内に収納され、
    前記複数のセルは、前記陽極同士が電気的に直列に接続されていることを特徴とする請求項1記載の逆マグネトロン型冷陰極電離真空装置。
  5. 前記陽極は、棒部材と、前記棒部材を中心に配置された螺旋状のコイルとを備え、前記棒部材の一端部と前記コイルの一端部が接続され、前記棒部材の他端部と前記コイルの他端部が前記一対の昇温用電源接続部となっていることを特徴とする請求項1記載の逆マグネトロン型冷陰極電離真空装置。
  6. 前記陽極は、U字形状を有し、前記U字の両端部が前記一対の昇温用電源接続部となっていることを特徴とする請求項1記載の逆マグネトロン型冷陰極電離真空装置。
  7. 前記陽極は、棒部材を有し、前記棒部材の両端部が前記一対の昇温用電源接続部ことを特徴とする請求項1記載の逆マグネトロン型冷陰極電離真空装置。
  8. 前記陽極の材料は、タングステン又はタングステン合金であることを特徴とする請求項1記載の逆マグネトロン型冷陰極電離真空装置。
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