JP2014208395A - 微小構造体、電子素子、及び微小構造体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
従って、上記の微小構造体は、例えば、比較的大きい単位体積あたりの表面積を必要とされる電子素子を構成する部材などとして用いられ得る。電子素子としては、例えばガスセンサ素子が挙げられ、ガスセンサ素子においては、ガス検知感度を優れたものとするために、ガスと反応する表面の面積ができる限り大きい微小構造体が必要とされる。
一端が前記基材を向き他端側へ延びるほど前記基材から離れるように配された第一棒状部と、該第一棒状部の一部から延びる第二棒状部とを備えていることを特徴とする。
本発明の微小構造体は、前記第一棒状部の一部から延びる複数の前記第二棒状部を備えていることが好ましい。
本発明の微小構造体においては、前記複数の第二棒状部が、前記第一棒状部の一端側から他端側へ向けて見たときに、前記第一棒状部の一部から放射状に延びていることが好ましい。
本発明の微小構造体は、前記金属としての銅及びスズを含み、銅とスズとの原子数比が、Cu:Sn=75:25〜87:13であることが好ましい。
前記金属の塩を含むめっき液に浸漬した前記基材にめっき処理を施す工程を有することを特徴とする。
図1は、本実施形態の微小構造体の一例を模式的に表した模式図である。図1(a)は、基材表面に垂直な方向に切断した微小構造体の断面を模式的に表し、図1(b)は、微小構造体側から基材側へ向けて微小構造体を見た様子を模式的に表している。
一端が前記基材6を向き他端側へ延びるほど前記基材6から離れるように配された第一棒状部1と、該第一棒状部1の一部から延びる第二棒状部2とを備えているものである。
本実施形態の微小構造体5においては、例えば図1に示すように、前記第一棒状部1の一端側から他端側へ向けて見たときに、前記複数の第二棒状部2が、前記第一棒状部1の一部から外方へ向けて放射状に延びている。
また、第一棒状部1の太さが、通常、10〜1000nmであり、第二棒状部2の太さが、通常、10〜1000nmである。
即ち、前記微小構造体5は、第一棒状部1の一部から放射状に延びる複数の第二棒状部2を含む第二棒状部群2’を備えている。
前記微小構造体5は、第二棒状部群2’の複数を、第一棒状部1の長手方向に沿って、備えている。複数の第二棒状部群2’は、第一棒状部1の長手方向に沿って、間隔を空けて配されている。
前記複数の第二棒状部群2’は、例えば図1に示すように、基材6から離れた第二棒状部群2’ほど、より短い第二棒状部2を有している。
第二棒状部群2’の数は、第一棒状部1の長さに比例するように、より多い方が好ましい。
前記第二棒状部2は、棒状に形成され、一端が第一棒状部1の一部に接しており、他端側へ向かうほど第一棒状部1から離れるように配されている。また、前記第二棒状部2においては、通常、前記一端側よりも前記他端側が細くなっている。
前記第一棒状部1の一部から延びる第二棒状部2の数は、3〜6本であることがさらに好ましく、4本であることが最も好ましい。
即ち、前記第二棒状部群2’においては、互いに互いに隣り合う第二棒状部2の間の角度が、70〜110°であることが好ましい。
第二棒状部2と第三棒状部3との間の角度は、通常、70〜110°である。即ち、斯かる角度は、鋭角及び直角で表したときに、70〜90°である。
前記微小構造体5の構成成分は、少なくとも金属又はケイ素を含むものであれば、特に限定されず、該構成成分としては、例えば、単一種の金属、合金、単一種金属の酸化物、異なる金属酸化物の混合物、ケイ素などが挙げられる。
また、前記微小構造体5に含まれる金属としては、具体的には、La(ランタン)、Ce(セリウム)、Pr(プラセオジム)、ネオジム(Nd)、Er(エルビウム)、Yb(イッテルビウム)、Lu(ルテチウム)などのランタノイド元素などが挙げられる。
前記第4族元素としては、具体的には例えば、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)などが挙げられる。
前記第5族元素としては、具体的には例えば、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)などが挙げられる。
前記第6族元素としては、具体的には例えば、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)などが挙げられる。
前記第7族元素としては、具体的には例えば、マンガン(Mn)などが挙げられる。
前記第8族元素としては、具体的には例えば、鉄(Fe)などが挙げられる。
前記第9族元素としては、具体的には例えば、コバルト(Co)などが挙げられる。
前記第10族元素としては、具体的には例えば、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)などが挙げられる。
前記第11族元素としては、具体的には例えば、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)などが挙げられる。
前記第12族元素としては、具体的には例えば、亜鉛(Zn)、カドミウム(Cd)、水銀(Hg)などが挙げられる。
前記第13族の金属元素としては、具体的には例えば、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)などが挙げられる。
前記第14族の金属元素としては、具体的には例えば、スズ(Sn)、鉛(Pb)などが挙げられる。
前記第15族の金属元素としては、具体的には例えば、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)などが挙げられる。
前記微小構造体5に含まれる複数種の金属(合金)としては、前記第11族元素と前記第14族の金属元素とが好ましい。
例えば、前記微小構造体5に含まれる複数種の金属(合金)としては、PbS、PbSe、PbTe、SnBi、SnMn、ErSn3、AgSn、SnPr、SnAl、SnZn、SnAgCu、SnAg、SnCe、SnLa、SnPb、SnCu、SnLu、CdYb、CdNi、CdCaなどが挙げられる。
また、前記微小構造体5を構成する成分としては、具体的には例えば、InAs、InAs、GaPなどが挙げられる。
前記微小構造体5は、銅及びスズを含んでいることが好ましい。即ち、前記微小構造体5は、銅及びスズの合金(SnCu)を含んでいることが好ましく、銅及びスズの合金を95質量%以上含んでいることが好ましい。
なお、前記微小構造体5に含まれる金属酸化物は、1種単独の金属の酸化物であってもよく、2種以上の金属の酸化物であってもよい。詳しくは、微小構造体5に含まれる金属酸化物は、銅及びスズの(複合)酸化物であることが好ましい。
前記基材6は、例えば、板状に形成され、厚みが0.1mmであって、一方の面の面積が0.001〜1cm2である。
前記基材本体6bは、例えば、ケイ素(シリコン)で形成されている。
前記金属の塩を含むめっき液に浸漬した前記基材6にめっき処理を施す工程(以下、めっき工程ともいう)を有するものである。
前記有機酸塩としては、酢酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩などが挙げられる。
なお、前記めっき工程においては、例えば、めっき液に加える複数種の金属の組み合わせを変えることにより、第二棒状部2の数を増やしたり、減らしたりすることができる。
なお、前記めっき工程において、加える電圧を上げること、電圧を加える時間を長くすること、又は、電流密度を上げることにより、第一棒状部1及び第二棒状部2の長さをより長くすることができる。
なお、前記めっき工程においては、例えば、標準電極(Ag/AgClなど)を用いた電位制御法もしくは電流制御法が採用される。
前記めっき工程においては、電圧を加える時間と、電圧を加えない時間とを交互に繰り返すパルスめっき処理を行うこともできる。
前記めっき工程においてパルスめっき処理を行うことにより、微小構造体5の単位体積あたりの表面積をより大きくできるという利点がある。
前記パルスめっき処理において、電圧を加えない時間に対する電圧を加える時間の比が、0.001以上であることにより、微小構造体5の単位体積あたりの表面積をより大きくできるという利点がある。また、電圧を加えない時間に対する電圧を加える時間の比が、0.999以下であることにより、微小構造体5の単位体積あたりの表面積をより大きくできるという利点がある。
前記めっき液のポリエチレングリコール濃度は、10〜100mg/Lであることが好ましく、25〜75mg/Lであることがより好ましい。なお、斯かる濃度は、めっき液に含まれる各分子量のポリエチレングリコールの総量を示す。
即ち、前記めっき工程の後には、必要に応じて、微小構造体5を構成する金属を酸化させるために酸化工程を行う。
前記酸化処理においては、例えば、酸素ガスの存在下(大気中など)で加熱する方法、酸素プラズマを用いた方法、陽極酸化による方法、酸化剤による酸化方法などが採用される。
具体的には、前記電子素子10は、例えば図2に示すように、板状の前記基材6と、複数の前記微小構造体5とを備えている。
さらに、前記電子素子10は、例えば図3に示すように、板状の前記基材6を支持する支持材8と、複数の微小構造体5を基材6との間で挟み込むように配された電極7とを備えている。
また、前記電子素子10は、例えば図3に示すように、基材6及び微小構造体5を加熱するための金属製ヒータ9を備えている。
そして、前記電子素子10は、金属製ヒータ9によって基材6及び微小構造体5を加熱によって一定温度に保ちつつ、支持材8によって基材6を支持するように構成されている。
前記支持材8は、例えば、ガラスによって形成されている。
具体的には、前記電子素子10の製造においては、複数の微小構造体5が基材6の表面に形成されたものに対して、例えば図3に示すように、微小構造体5が形成された基材6の表面側と反対側に金属製ヒータ9と支持材8とを貼り付けることができる。
さらに、電子素子10の製造においては、複数の微小構造体5の間にある空間を、有機溶剤に溶解する材料(ポリマー等)でいったん満たすことができる。即ち、厚膜レジスト法などを用いて、有機溶剤に溶解する材料によって複数の微小構造体5をいったん埋めることができる。その後、空間を満たした材料の表面に対して、蒸着法やスパッタ法によって、電極7となる金属(Auなど)の薄膜を形成することができる。
そして、空間を満たした材料を有機溶剤によって溶解させて除去することにより、図3に示すような、電極7と支持材8と金属製ヒータ9とを備えた電子素子10を製造することができる。
また、前記ガスセンサの用途としては、エンジン制御機器部品、触媒機能監視機器部品、車内空気換気機器部品等の自動車部品用途が挙げられる。
また、前記ガスセンサの用途としては、大気観測、汚染ガス観測、気象観測等の大気環境観測用途が挙げられる。
また、前記ガスセンサの用途としては、室内空気換気機器、エアコン制御機器、料理補助機器等の室内アメニティ機器用途が挙げられる。
また、前記ガスセンサの用途としては、燃焼監視機器、化学反応監視機器、包装工程監視機器、発酵工程監視機器等の工業生産監視用途が挙げられる。
また、前記ガスセンサの用途としては、呼気分析機器、運動生理評価機器、疾患発見機器等の医療機器用途が挙げられる。
本実施形態の電池用電極としては、例えば、リチウムイオン二次電池の正極が挙げられる。即ち、本実施形態の電池用電極は、例えば、リチウムイオン二次電池の正極にて利用される。
本実施形態の電池用電極は、上記のようにして微小構造体5を作製しつつ、一般的な方法によって製造することができる。
下記のようにして微小構造体を製造した。
「めっき工程」
・基材
シリコン製基材本体の片面側にモリブデン表面層(層厚み50nm)が形成されてなるもの
(2cm×2cm×0.5mm(厚み))
・めっき液
下記の表1に示す組成を有するめっき液
めっき液温度:55℃
めっき液のpH:3.5
めっき電位:−0.6V
めっき時間:30分
標準電極(Ag/AgCl)を用いた電位制御法を採用
・アノード側電極材:白金(Pt)
実施例1で製造した微小構造体を、走査型電子顕微鏡によって観察した。
微小構造体における第一棒状部の長手方向に沿って微小構造体を切断した断面の写真を図4に示す。また、微小構造体側から基材へ向けて微小構造体を観察した写真を図5に示す。
微小構造体における第一棒状部の3点に対して、エネルギー分散型X線分析(EDXA)による元素分析を行った。そして、求めた元素比を平均した。
その結果、Cu:Sn=81:19(原子%)となった。従って、微小構造体は、銅−スズ合金(Cu3Sn)のε相(斜方晶)であると考えられる。
実施例1で製造した微小構造体に対して、酸化工程を行い、実施例2の微小構造体を製造した。
「酸化工程」
常圧下の空気中にて150℃で1時間放置することにより、酸化工程を行った。
これにより、銅酸化物及びスズ酸化物を含む微小構造体を製造した。
めっき液の組成におけるポリエチレングリコール濃度を25mg/Lにした点、めっき処理条件を下記のように変更した点以外は、実施例1と同様にして、微小構造体を製造した。
・めっき処理条件
めっき液温度:55℃
めっき液のpH:3.5
めっき電位(電流密度 10mA/cm2):−0.60V
直流電流
めっき時間:60分
標準電極を用いた電位制御法(電流制御法)を採用
めっき液の組成におけるポリエチレングリコール濃度を50mg/Lにした点以外は、実施例3と同様にして、微小構造体を製造した。
めっき液の組成におけるポリエチレングリコール濃度を75mg/Lにした点以外は、実施例3と同様にして、微小構造体を製造した。
めっき液の組成におけるポリエチレングリコール濃度を25mg/Lにした点、めっき処理条件を下記のように変更した点以外は、実施例1と同様にして、微小構造体を製造した。
・めっき処理条件
めっき液温度:55℃
めっき液のpH:3.5
パルス条件:V1/V2=8/992(ミリ秒)
めっき電位:−0.8V/−0.6V
めっき時間:60分
標準電極(Ag/AgCl)を用いた電位制御法を採用
・アノード側電極材:白金(Pt)
めっき液の組成におけるポリエチレングリコール濃度を50mg/Lにした点以外は、実施例6と同様にして、微小構造体を製造した。
めっき液の組成におけるポリエチレングリコール濃度を75mg/Lにした点以外は、実施例6と同様にして、微小構造体を製造した。
図8及び図9から認識されるように、実施例4で製造した微小構造体は、上記の第一棒状部、第二棒状部、及び、第三棒状部を備えている。また、基材上に、複数の微小構造体が形成されている。
また、実施例4で製造した微小構造体の一部を取り出して、元素分析を行った結果を図10に図示する。
実施例4で製造した微小構造体に対して、酸化工程を行い、実施例9の微小構造体を製造した。
「酸化工程」
常圧下の空気中にて100℃で1時間放置することにより、酸化工程を行った。
これにより、銅酸化物及びスズ酸化物を含む微小構造体を製造した。
実施例4で製造した微小構造体に対して、酸化工程を行い、実施例10の微小構造体を製造した。
「酸化工程」
常圧下の空気中にて200℃で1時間放置することにより、酸化工程を行った。
これにより、銅酸化物及びスズ酸化物を含む微小構造体を製造した。
実施例4で製造した微小構造体に対して、酸化工程を行い、実施例11の微小構造体を製造した。
「酸化工程」
常圧下の空気中にて280℃で1時間放置することにより、酸化工程を行った。
これにより、銅酸化物及びスズ酸化物を含む微小構造体を製造した。
図11の各写真における右上の数値は、酸素(O)、銅(Cu)、及びスズ(Sn)の元素分析値を示す。
2:第二棒状部、
3:第三棒状部、
5:微小構造体、
6:基材、
7:電極、
8:支持材、
9:金属製ヒータ、
10:電子素子。
Claims (10)
- 基材の表面に形成され金属を含む微小構造体であって、
一端が前記基材を向き他端側へ延びるほど前記基材から離れるように配された第一棒状部と、該第一棒状部の一部から延びる第二棒状部とを備えている微小構造体。 - 前記第一棒状部の長手方向に対する、前記第二棒状部の長手方向の角度が、70〜110°である請求項1に記載の微小構造体。
- 前記第一棒状部の一部から延びる複数の前記第二棒状部を備えている請求項1又は2に記載の微小構造体。
- 前記複数の第二棒状部が、前記第一棒状部の一端側から他端側へ向けて見たときに、前記第一棒状部の一部から放射状に延びている請求項3記載の微小構造体。
- 前記金属が、複数種の金属である請求項1〜4のいずれか1項に記載の微小構造体。
- 前記第二棒状部の一部から延びる第三棒状部をさらに備えている請求項1〜5のいずれか1項に記載の微小構造体。
- 前記金属としての銅及びスズを含み、銅とスズとの原子数比が、Cu:Sn=75:25〜87:13である請求項1〜6のいずれか1項に記載の微小構造体。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載された微小構造体の複数を含む電子素子。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載された微小構造体の複数を含む電池用電極。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載された微小構造体の製造方法であって、
前記金属の塩を含むめっき液に浸漬した前記基材にめっき処理を施す工程を有する微小構造体の製造方法。
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