JP2014207822A - 導電構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】相対的に移動する2つの部材間の電気的接続を安定的に確保することができる導電構造を提供する。【解決手段】ハウジング10に設けられた磁石110と、軸20に設けられた柔軟性を有する保持部材120と、保持部材120に保持された磁性流体130と、を備え、磁性流体130を保持した保持部材120が、磁石110に引き寄せられることによってハウジング10と軸20が電気的に接続される。【選択図】図1

Description

本発明は、相対的に移動する2つの部材を電気的に接続する導電構造に関する。
従来、相対的に移動する2つの部材を電気的に接続するための技術が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。特許文献1には、スピンドルモータのアース手段に関し、静止軸部材と、この静止軸部材に対して回転するロータハブに設けられたポールピースとの間の環状隙間に導電性磁性流体を充填することによって、両部材間の電気的導通を確保する技術が開示されている。
特開2002−191152号公報 特開平11−86247号公報
上述の特許文献1に記載の技術では、導電性磁性流体は、静止軸部材とポールピースとの隙間に充填されて、磁気的に保持される。しかしながら、ロータハブの回転中に軸振れが生じると、静止軸部材とポールピースとの隙間の間隔が大きくなるため、磁性流体が静止軸部材やポールピースと接触しない状態が生じる可能性がある。その結果、両部材間の電気的導通が損なわれる虞がある。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、相対的に移動する2つの部材を電気的に接続する導電構造において、両部材間の電気的接続を安定的に確保することができる導電構造を提供することにある。
本発明は、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
すなわち、本発明の導電構造は、
相対的に移動する第1部材と第2部材を電気的に接続する導電構造であって、
前記第1部材に設けられた、磁場を形成する磁場形成部材と、
前記第2部材に設けられた、磁性流体を吸い込んで保持可能な、柔軟性を有する保持部材と、
前記保持部材に保持された磁性流体と、
を備え、
前記磁性流体を保持した前記保持部材が、前記磁場形成部材に引き寄せられることによって前記第1部材と前記第2部材が電気的に接続されることを特徴とする。
保持部材に吸い込まれて保持された磁性流体には、磁場形成部材が形成する磁場からの磁力が作用する。そのため、磁性流体を吸い込んで保持した保持部材は、当該磁力によって、磁性流体と共に磁場形成部材に引き寄せられる。本発明によれば、このようにして、第2部材に設けられた保持部材が、第1部材に設けられた磁場形成部材に引き寄せられることによって、第1部材と第2部材が電気的に接続される。ここで、保持部材は、柔軟性を有するため、磁場形成部材に引き寄せられるときに変形することができる。ゆえに、第1部材と第2部材の相対的な移動中において、両部材間の間隔や相対的な位置関係が変化しても、磁性流体を吸い込んで保持した保持部材は、両部材間の間隔や相対的な位置関係
の変化に応じて変形することによって、磁場形成部材に引き寄せられる状態が維持される。その結果、第1部材と第2部材が電気的に接続された状態が維持される。したがって、本発明によれば、相対的に移動する2つの部材間の電気的接続を安定的に確保することができる。
ここで、磁場形成部材は導電性を有し、保持部材は、磁性流体を保持する保持部と、第2部材に電気的に接続された導電部を備え、磁場形成部材に引き寄せられた保持部材の導電部が、該磁場形成部材と接触することによって第1部材と第2部材が電気的に接続されるようにしてもよい。これにより、第1部材と第2部材は、磁場形成部材と導電部を介して電気的に接続される。また、導電部の接触部分は、保持部材が保持する磁性流体に作用する磁力によって、磁場形成部材に対して押圧される。その結果、磁場形成部材と導電部の接触が安定して維持されるため、相対的に移動する2つの部材間の電気的接続を安定的に確保することができる。
また、磁場形成部材と磁性流体は導電性を有し、磁場形成部材に引き寄せられた保持部材が、該磁場形成部材と接触することによって第1部材と第2部材が電気的に接続されるようにしてもよい。これにより、第1部材と第2部材は、磁場形成部材と保持部材に保持された磁性流体を介して電気的に接続される。また、保持部材の接触部分は、保持部材が保持する磁性流体に作用する磁力によって、磁場形成部材に対して押圧される。その結果、磁場形成部材と保持部材の接触が安定して維持されるため、相対的に移動する2つの部材間の電気的接続を安定的に確保することができる。
また、第1部材は、磁場形成部材と保持部材との間に配置された導電部材を備え、保持部材は、磁性流体を保持する保持部と、第2部材に電気的に接続された導電部を備え、磁場形成部材に引き寄せられた保持部材の導電部が、導電部材と接触することによって第1部材と第2部材が電気的に接続されるようにしてもよい。これにより、第1部材と第2部材は、導電部材と導電部を介して電気的に接続される。また、導電部の接触部分は、保持部材が保持する磁性流体に作用する磁力によって、導電部材に対して押圧される。その結果、導電部材と導電部の接触が安定して維持されるため、相対的に移動する2つの部材間の電気的接続を安定的に確保することができる。
また、第1部材は、磁場形成部材と保持部材との間に配置された導電部材を備え、磁性流体は導電性を有し、磁場形成部材に引き寄せられた保持部材が、導電部材と接触することによって第1部材と第2部材が電気的に接続されるようにしてもよい。これにより、第1部材と第2部材は、導電部材と保持部材に保持された磁性流体を介して電気的に接続される。また、保持部材の接触部分は、保持部材が保持する磁性流体に作用する磁力によって、導電部材に対して押圧される。その結果、導電部材と保持部材の接触が安定して維持されるため、相対的に移動する2つの部材間の電気的接続を安定的に確保することができる。
本発明によれば、相対的に移動する2つの部材を電気的に接続する導電構造において、両部材間の電気的接続を安定的に確保することができる。
本発明の実施例1に係る導電構造の模式的断面図である。 本発明の実施例2に係る導電構造の模式的断面図である。 本発明の実施例3に係る導電構造の模式的断面図である。 本発明の実施例4に係る導電構造の模式的断面図である。 本発明の実施例5に係る導電構造の模式的断面図である。 本発明の実施例6に係る導電構造の模式的断面図である。 本発明の実施例7に係る導電構造の模式的断面図である。 本発明の実施例8に係る導電構造の模式的断面図である。 本発明の実施例9に係る導電構造の模式的断面図である。 本発明の実施例10に係る導電構造の模式的断面図である。 実施例1に係る保持部材の変形例を示す模式的断面図である。 実施例2に係る保持部材の変形例を示す模式的断面図である。 実施例3に係る保持部材の変形例を示す模式的断面図である。 実施例4に係る保持部材の変形例を示す模式的断面図である。 実施例5に係る保持部材の変形例を示す模式的断面図である。 実施例6に係る保持部材の変形例を示す模式的断面図である。 実施例7に係る保持部材の変形例を示す模式的断面図である。 実施例8に係る保持部材の変形例を示す模式的断面図である。 実施例9に係る保持部材の変形例を示す模式的断面図である。 実施例1に係る保持部材が導電性磁性流体を保持しているときの変形例を示す模式的断面図である。 実施例2に係る保持部材が導電性磁性流体を保持しているときの変形例を示す模式的断面図である。 実施例3に係る保持部材が導電性磁性流体を保持しているときの変形例を示す模式的断面図である。 実施例4に係る保持部材が導電性磁性流体を保持しているときの変形例を示す模式的断面図である。 実施例5に係る保持部材が導電性磁性流体を保持しているときの変形例を示す模式的断面図である。 実施例6に係る保持部材が導電性磁性流体を保持しているときの変形例を示す模式的断面図である。 実施例7に係る保持部材が導電性磁性流体を保持しているときの変形例を示す模式的断面図である。 実施例8に係る保持部材が導電性磁性流体を保持しているときの変形例を示す模式的断面図である。 実施例9に係る保持部材が導電性磁性流体を保持しているときの変形例を示す模式的断面図である。 実施例1に係る磁石の正面図である。 実施例1に係る他の磁石の正面図である。 実施例1に係る他の磁石の正面図である。 実施例1に係る導電構造に更に導電部材が設けられているときの模式的断面図である。 実施例2に係る導電構造に更に導電部材が設けられているときの模式的断面図である。 実施例3に係る導電構造に更に導電部材が設けられているときの模式的断面図である。 実施例4に係る導電構造に更に導電部材が設けられているときの模式的断面図である。 実施例5に係る導電構造に更に導電部材が設けられているときの模式的断面図である。 実施例6に係る導電構造に更に導電部材が設けられているときの模式的断面図である。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に
詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。なお、以下に説明する実施例においては、磁場形成部材が設けられた部材(軸、ハウジング含む)が本発明に係る第1部材に相当し、保持部材が設けられた部材(軸、ハウジング含む)が本発明に係る第2部材に相当する。
[実施例1]
図1を参照して、本発明の実施例1に係る導電構造について説明する。なお、本実施例に係る導電構造100は、一般産業用の機器、鉄道、自動車等の各種装置における回転構造部において、相対的に回転する2つの部材間を電気的に接続するために適用可能である。これにより、回転によって発生する静電気を除去するためのアースとして利用したり、相対的に回転する2つの部材間に電流を流すために利用したりすることができる。
<導電構造の構成>
図1を参照して、本発明の実施例1に係る導電構造の構成について説明する。なお、図1は、本実施例に係る導電構造100の構成を示す模式的断面図である。
相対的に回転(いずれか一方が固定された状態で他方が回転する場合の他、両者が回転する場合も含む)する2つの部材としてのハウジング10と、ハウジング10の軸孔内に配置された軸20は、それぞれ鉄などの金属や、カーボン等の導電性を有する物質により構成されている。そして、導電構造100は、ハウジング10の軸孔内周面に設けられた磁場形成部材としての磁石110と、軸20に設けられた保持部材120と、保持部材120に吸い込まれて保持された磁性流体130と、軸20に電気的に接続された状態で保持部材120の磁石110側の面に設けられた導電部140とから構成される。
磁石110は、導電性を有する環状の永久磁石であり、その一端としての内周面が軸20側に位置する自由端(非固定端)となるように、その他端としての外周面がハウジング10の軸孔内周面に電気的に接続された状態で固定されている。磁石110によって、磁石110の周囲に磁場が形成される。
環状の保持部材120は、その一端としての外周面がハウジング10側に位置する自由端となるように、その他端としての内周面が軸20の外周面に固定される。保持部材120は、磁性流体130を吸い込んで保持可能な、柔軟性を有する材料から構成される。このような性質を有する材料としては、フェルトなどの布、紙、ポーラスシリコン等を挙げることができる。なお、保持部材120は、磁性流体130を吸い込んで保持した状態でも十分な柔軟性を有する。また、本実施例においては、保持部材120の全体が、磁性流体130を吸い込んで保持している。なお、ゴムや樹脂など、材料自体の性質では磁性流体130を吸い込んで保持することができないものであっても、発泡性の構造にすることによって、磁性流体130を毛細管現象によって吸い込んで保持することが可能になる。
ここで、保持部材120が固定される位置は、磁石110によって形成される磁場内であって、磁性流体130を吸い込んで保持した保持部材120が磁石110に引き寄せられる位置である。より詳細には、この位置は、保持部材120に保持された磁性流体130に作用する磁力によって、保持部材120が磁性流体130と共に磁石110に引き寄せられる位置である。このような位置に固定されることにより、保持部材120は、磁性流体130に作用する磁力によって、自由端側を変形しながら磁石110に引き寄せられる。
導電部140は、保持部材120における磁石110側の面全体に、軸20に電気的に接続された状態で設けられる。導電部140は、導電性を有する膜であり、金属薄膜やカ
ーボン材料などから構成される。このようにして導電部140を設けることにより、保持部材120と導電部140が一体として柔軟性を有するように構成される。ここで、本実施例においては、保持部材120と導電部140が全体として本発明に係る保持部材を構成する。そして、保持部材120と導電部140が、それぞれ本発明に係る保持部と導電部に相当する。
以上のような構成を備える導電構造100においては、図1に示されるように、保持部材120が保持した磁性流体130に作用する磁力によって、保持部材120が磁性流体130と共に磁石110に引き寄せられる。これにより、保持部材120が変形して、導電部140の自由端側が磁石110に接触する。その結果、ハウジング10と軸20が、磁石110と導電部140を介して電気的に接続される。つまり、ハウジング10と軸20との間に、電流が流れる経路が形成される。
ここで、保持部材120は、その全体に磁性流体130を吸い込んで保持しているため、磁石110が形成する磁場から作用する磁力は、保持部材120の全体に作用する。また、保持部材120は、柔軟性を有する材料から構成されているため、磁石110の表面形状に沿うように変形することができる。そのため、保持部材120は、導電部140と磁石110との接触面積が広くなるように変形しながら磁石110に引き寄せられる。これにより、導電部140は、磁石110に対して面接触する。また、このようにして面接触している導電部140の接触部分は、保持部材120に保持されている磁性流体130に作用する回転軸線方向(以下、「軸方向」という)の磁力によって、磁石110に対して軸方向に押圧される。
<導電構造の使用状態及び作用効果>
次に、図1を参照して、本実施例に係る導電構造100の使用時の状態について説明する。
ハウジング10と軸20の相対的な回転時においては、磁石110と導電部140との接触部分が回転摺動する。ここで、導電部140は、磁石110に対して面接触している。また、導電部140の接触部分は、磁石110に対して押圧されている。そのため、導電部140の接触部分が磁石110に対して回転摺動しているときであっても、導電部140と磁石110との接触は安定して維持される。その結果、相対的に回転しているハウジング10と軸20の電気的接続を安定して確保することができる。
ここで、ハウジング10と軸20が相対的に回転しているときは、両部材に偏心や軸方向の相対的な往復運動などの、不規則な運動が発生することがある。
偏心が発生すると、両部材は軸20の径方向に相対的に移動する。これにより、ハウジング10と軸20との間の隙間(間隔)が変化する。ここで、保持部材120は柔軟性を有するため、両部材間の隙間の変化に応じて、導電部140と磁石110との面接触を保ちながら変形することができる。つまり、両部材間の隙間が小さくなるときには、保持部材120は撓むように変形し、この隙間が大きくなるときには、保持部材120が平らになるように変形する。保持部材120がこのように変形することにより、保持部材120が磁石110に引き寄せられる状態が維持されるため、導電部140と磁石110の接触が維持される。その結果、ハウジング10と軸20の電気的接続を安定して確保することができる。
なお、偏心の発生時においては、磁石110に対する導電部140の押圧状態によっては、ハウジング10と軸20との間の隙間の変化に応じて、導電部140の接触部分が磁石110に対して径方向に摺動することができる。この場合においても、磁石110に引き寄せられる保持部材120から作用する押圧力によって、導電部140と磁石110と
の接触は安定して維持される。したがって、ハウジング10と軸20の電気的接続を安定して確保することができる。
一方、ハウジング10と軸20との間に軸方向の相対的な往復運動が発生すると、磁石110と保持部材120との軸方向における位置関係が変化する。ここで、保持部材120は柔軟性を有するため、両部材の位置関係の変化に応じて、導電部140と磁石110との面接触を保ちながら変形することができる。つまり、保持部材120は、導電部140と磁石110との面接触を保ちながら、相対的に移動する磁石110に追随して揺動するように変形する。保持部材120がこのように変形することにより、保持部材120が磁石110に引き寄せられる状態が維持されるため、導電部140と磁石110の接触が維持される。その結果、ハウジング10と軸20の電気的接続を安定して確保することができる。
なお、ハウジング10と軸20が相対的に回転している場合において、偏心と軸方向の相対的な往復運動が同時に発生するときであっても、保持部材120が変形することによって、導電部140と磁石110との接触は安定して維持される。その結果、ハウジング10と軸20の電気的接続を安定して確保することができる。
また、本実施例においては、保持部材120は、磁性流体130を吸い込んで保持しているため、磁性流体130をより確実に保持することができる。これにより、磁性流体130が飛散することが抑制されるため、磁性流体130が減少することによって保持部材120に作用する磁力が低下することが抑制される。その結果、ハウジング10と軸20との電気的接続を、長期に亘って安定的に確保することができる。したがって、導電構造100の寿命を延ばすことができる。また、磁性流体130は保持部材120内に保持されるため、導電構造100を磁石110と保持部材120に分割する際に、磁性流体130が流出することが抑制される。そのため、導電構造100の装着や交換作業が容易になる。
また、本実施例においては、導電部140の接触部分は、磁石110に引き寄せられている保持部材120によって、磁石110に対して押圧される。そのため、磁石110の磁気特性や磁性流体130の磁性を変更することによって、導電部140の接触部分に作用する押圧力を調節することができる。このようにして押圧力を調節することにより、例えば、導電部140と磁石110との摺動摩擦を低下させて、導電部140の摩耗を低減させることができる。
また、本実施例においては、保持部材120は、導電部140と磁石110との接触面積が広くなるように変形しながら磁石110に引き寄せられているため、導電部140が磁石110に対して面接触している。これにより、導電部140の接触部分の面積が広くなるため、当該接触部分を流れる電流の電流密度が低下する。その結果、ハウジング10と軸20の間を流れる電流による発熱が低減されるため、大きい電流を安定して流すことができる。
また、本実施例においては、導電部140を介してハウジング10と軸20とが電気的に接続される。そのため、保持部材120や磁性流体130が導電性である必要が無くなるため、これらの材料の選択肢を増やすことができる。また、導電部140の導電性を変更することによって、ハウジング10と軸20との間に流れる電流の特性を変化させることができる。
[実施例2]
次に、図2を用いて、本発明の実施例2に係る導電構造について説明する。上述の実施
例1とは異なり、本実施例においては、軸側に磁場形成部材が設けられており、ハウジング側に保持部材が設けられている。なお、実施例1と同一の構成部分については同一の符号を付して、その説明は適宜省略する。なお、図2は、本実施例に係る導電構造101の構成を示す模式的断面図である。
本実施例においては、軸20の外周面に磁場形成部材としての磁石111が設けられている。磁石111は、導電性を有する環状の永久磁石であり、その一端としての外周面がハウジング10側に位置する自由端となるように、その他端としての内周面が軸20の外周面に電気的に接続された状態で固定されている。また、ハウジング10の軸孔内周面には、磁性流体130を吸い込んで保持する、柔軟性を有する環状の保持部材121が設けられている。保持部材121は、その一端としての内周面が軸20側に位置する自由端となるように、その他端としての外周面がハウジング10の軸孔内周面に固定される。また、保持部材121の磁石111側の面全体には、ハウジング10の軸孔内周面に電気的に接続された状態で導電部141が設けられている。なお、本実施例における磁石111、保持部材121、導電部141の位置、材料や性質等は、それぞれ導電構造100における磁石110、保持部材120、導電部140と同様である。ゆえに、上述の実施例と同様に、本実施例においても、保持部材121と導電部141が全体として本発明に係る保持部材を構成し、保持部材121と導電部141が、それぞれ本発明に係る保持部と導電部に相当する。
以上のような構成を備える導電構造101においては、図2に示されるように、保持部材121が保持した磁性流体130に作用する磁力によって、保持部材121が磁性流体130と共に磁石111に引き寄せられる。これにより、保持部材121が変形して、導電部141の自由端側が磁石111に接触する。その結果、ハウジング10と軸20が、磁石111と導電部141を介して電気的に接続される。
また、柔軟性を有する保持部材121は、導電部141と磁石111との接触面積が広くなるように変形しながら磁石111に引き寄せられるため、導電部141は、磁石111に対して面接触する。また、導電部141の接触部分は、保持部材121に保持されている磁性流体130に作用する軸方向の磁力によって、磁石111に対して軸方向に押圧される。
以上のような構成を有する導電構造101によれば、ハウジング10と軸20の相対的な回転時において、上述の実施例1に係る導電構造100と同様の効果が発揮される。つまり、導電部141の接触部分が磁石111に対して回転摺動しているときであっても、導電部141と磁石111との接触は安定して維持される。また、両部材に偏心が発生しても、両部材間の隙間の変化に応じて、柔軟性を有する保持部材121が、導電部141と磁石111との面接触を保ちながら変形するため、導電部141と磁石111の接触が維持される。更にまた、両部材間に軸方向の相対的な往復運動が発生しても、両部材の位置関係の変化に応じて、保持部材121が、導電部141と磁石111との面接触を保ちながら変形するため、導電部141と磁石111の接触が維持される。以上より、相対的に回転するハウジング10と軸20の電気的接続を安定して確保することができる。
また、本実施例によれば、上述の実施例1において説明した、各構成部品の材料や性質等に由来する他の作用効果と同様の作用効果が発揮される。
[実施例3]
次に、図3を用いて、本発明の実施例3に係る導電構造について説明する。上述の実施例とは異なり、本実施例に係る導電構造は、対向した状態で相対的に平行移動する2つの部材に適用される。なお、上述の実施例と同一の構成部分については同一の符号を付して
、その説明は適宜省略する。また、図3は、本実施例に係る導電構造102の構成を示す模式的断面図である。
相対的に平行移動(いずれか一方が固定された状態で他方が平行移動する場合の他、両者が平行移動する場合も含む)する2つの部材としての第1部材11と第2部材21は、それぞれ鉄などの金属や、カーボン等の導電性を有する物質により構成されている。導電構造102は、第1部材11に設けられた磁場形成部材としての磁石112と、第2部材21に設けられた柔軟性を有する保持部材122と、保持部材122に吸い込まれて保持された磁性流体130と、第2部材21に電気的に接続された状態で保持部材122の磁石112側に設けられた導電部142とから構成される。
磁石112は、導電性を有する板状の永久磁石であり、その一端が第2部材21側に位置する自由端となるように、その他端が第1部材11の側面に電気的に接続された状態で固定される。同じく板状の保持部材122は、その一端が第1部材11側に位置する自由端となるように、その他端が第2部材21の側面に固定される。また、導電部142は、保持部材122における磁石112側の面全体に、第2部材21に電気的に接続された状態で設けられる。なお、本実施例における磁石112、保持部材122、導電部142の位置、材料や性質等は、それぞれ上述の実施例における磁石、保持部材、導電部と同様である。ゆえに、上述の実施例と同様に、本実施例においても、保持部材122と導電部142が全体として本発明に係る保持部材を構成し、保持部材122と導電部142が、それぞれ本発明に係る保持部と導電部に相当する。
以上のような構成を備える導電構造102においては、図3に示されるように、保持部材122が保持した磁性流体130に作用する磁力によって、保持部材122が磁性流体130と共に磁石112に引き寄せられる。これにより、保持部材122が変形して、導電部142の自由端側が磁石112に接触する。その結果、第1部材11と第2部材21が、磁石112と導電部142を介して電気的に接続される。
また、柔軟性を有する保持部材122は、導電部142と磁石112との接触面積が広くなるように変形しながら磁石112に引き寄せられるため、導電部142は、磁石112に対して面接触する。また、導電部142の接触部分は、保持部材122に保持されている磁性流体130に作用する図3におけるY軸方向の磁力によって、磁石112に対してY軸方向に押圧される。なお、この方向は、第1部材11と第2部材21の対向方向(X軸方向)に垂直な方向である。
以上のような構成を有する導電構造102によれば、第1部材11と第2部材21の相対的な平行移動時において、導電部142と磁石112との接触は安定して維持される。両部材が、図3におけるY軸方向に平行移動する場合は、両部材間のY軸方向の位置関係が変化する。ここで、保持部材122は、位置関係の変化に応じて、導電部142と磁石112との面接触を保ちながら変形するため、導電部142と磁石112の接触が維持される。また、両部材が、図3におけるZ軸方向に平行移動する場合は、導電部142の接触部分が磁石112に対して摺動するが、導電部142の接触部分は磁石112に対して押圧されているため、導電部142と磁石112との接触は安定して維持される。以上より、相対的に平行移動する第1部材11と第2部材21の電気的接続を安定して確保することができる。なお、両部材が、図3におけるX軸方向に移動する場合は、両部材間の隙間が変化する。ここで、柔軟性を有する保持部材122は、両部材間の隙間の変化に応じて、導電部142と磁石112との面接触を保ちながら変形するため、導電部142と磁石112の接触が維持される。
また、本実施例によれば、上述の実施例において説明した、各構成部品の材料や性質等
に由来する他の作用効果と同様の作用効果が発揮される。
[実施例4]
次に、図4を用いて、本発明の実施例4に係る導電構造について説明する。上述の実施例とは異なり、本実施例に係る導電構造は、保持部材に設けられた導電部が、磁場形成部材に対して径方向に押圧されるように構成される。なお、上述の実施例と同一の構成部分については同一の符号を付して、その説明は適宜省略する。なお、図4は、本実施例に係る導電構造200の構成を示す模式的断面図である。
導電構造200は、ハウジング10に埋め込まれて設けられた磁場形成部材としての磁石210と、軸20の外周面に設けられた柔軟性を有する保持部材220と、保持部材220に吸い込まれて保持された磁性流体130と、軸20の外周面に電気的に接続された状態で保持部材220に設けられた導電部240とから構成される。
磁石210は、導電性を有する円筒形状の永久磁石であり、ハウジング10に電気的に接続された状態でハウジング10に固定されている。なお、磁石210は、磁石210の内周面とハウジング10の内周面とが略平坦となるように固定されている。磁石210によって、磁石210の周囲に磁場が形成される。
環状の保持部材220は、その一端としての外周面がハウジング10側に位置する自由端となるように、その他端としての内周面が軸20の外周面に対して固定される。ここで、保持部材220の自由端側は軸方向に湾曲している。保持部材220の性質や材料等は、上述の実施例における保持部材と同様である。また、保持部材220が固定される位置は、磁石210によって形成される磁場内であって、磁性流体130を吸い込んで保持した保持部材220が磁石210に引き寄せられるような位置である。このような位置に固定されることにより、保持部材220の自由端側が、磁性流体130に作用する磁力によって磁石210に引き寄せられる。
導電部240は、保持部材220における磁石210側の面全体に、軸20に電気的に接続された状態で設けられる。ここで、「磁石210側」とは、図4に示されるように、保持部材220の湾曲部分における外周側である。なお、導電部240の性質や材料等は、上述の実施例における導電部と同様である。ゆえに、上述の実施例と同様に、本実施例においても、保持部材220と導電部240が全体として本発明に係る保持部材を構成し、保持部材220と導電部240が、それぞれ本発明に係る保持部と導電部に相当する。
以上のような構成を備える導電構造200においては、保持部材220が保持した磁性流体130に作用する磁力によって、保持部材220が磁性流体130と共に磁石210に引き寄せられる。これにより、保持部材220の自由端側が変形して、導電部240の自由端側の面が磁石210に接触する。その結果、ハウジング10と軸20が、磁石210と導電部240を介して電気的に接続される。
また、柔軟性を有する保持部材220は、導電部240と磁石210との接触面積が広くなるように変形しながら磁石210に引き寄せられる。そのため、導電部240は、磁石210に対して面接触する。また、導電部240の接触部分は、保持部材220に保持されている磁性流体130に作用する径方向の磁力によって、磁石210に対して径方向に押圧される。
以上のような構成を有する導電構造200によれば、ハウジング10と軸20の相対的な回転時において、上述の実施例1に係る導電構造100と同様の効果が発揮される。つまり、導電部240の接触部分が磁石210に対して回転摺動しているときであっても、
導電部240と磁石210との接触は安定して維持される。また、両部材に偏心が発生しても、両部材間の隙間の変化に応じて、柔軟性を有する保持部材220が、導電部240と磁石210との面接触を保ちながら変形するため、導電部240と磁石210の接触が維持される。更にまた、両部材間に軸方向の相対的な往復運動が発生しても、両部材の位置関係の変化に応じて、保持部材220が、導電部240と磁石210との面接触を保ちながら変形するため、導電部240と磁石210の接触が維持される。以上より、相対的に回転するハウジング10と軸20の電気的接続を安定して確保することができる。
また、本実施例によれば、上述の実施例において説明した、各構成部品の材料や性質等に由来する他の作用効果と同様の作用効果が発揮される。
[実施例5]
次に、図5を用いて、本発明の実施例5に係る導電構造について説明する。上述の実施例4とは異なり、本実施例においては、軸側に磁場形成部材が設けられており、ハウジング側に保持部材が設けられている。なお、上述の実施例と同一の構成部分については同一の符号を付して、その説明は適宜省略する。なお、図5は、本実施例に係る導電構造201の構成を示す模式的断面図である。
本実施例においては、磁場形成部材としての円筒形状の磁石211が、軸20の外周側に埋め込まれて設けられている。なお、磁石211の外周面と軸20の外周面とが略平坦となるように構成されている。また、ハウジング10の軸孔内周面には、環状の保持部材221が固定される。保持部材221は、その一端としての内周面が軸20側に位置する自由端となるように、その他端としての外周面が、ハウジング10の外周面に対して固定される。ここで、保持部材221の自由端側は軸方向に湾曲している。また、導電部241は、保持部材221における磁石211側の面全体に、ハウジング10に電気的に接続された状態で設けられる。ここで、「磁石211側」とは、図5に示されるように、保持部材221の湾曲部分における内周側である。なお、本実施例における磁石211、保持部材221、導電部241の材料や性質等は、それぞれ上述の実施例における磁石、保持部材、導電部と同様である。ゆえに、上述の実施例と同様に、本実施例においても、保持部材221と導電部241が全体として本発明に係る保持部材を構成し、保持部材221と導電部241が、それぞれ本発明に係る保持部と導電部に相当する。
以上のような構成を備える導電構造201においては、保持部材221が保持した磁性流体130に作用する磁力によって、保持部材221が磁性流体130と共に磁石211に引き寄せられる。これにより、保持部材221の自由端側が変形して、導電部241の自由端側が磁石211に接触する。その結果、ハウジング10と軸20が、磁石211と導電部241を介して電気的に接続される。
また、柔軟性を有する保持部材221は、導電部241と磁石211との接触面積が広くなるように変形しながら磁石211に引き寄せられる。そのため、導電部241は、磁石211に対して面接触する。また、導電部241の接触部分は、保持部材221に保持されている磁性流体130に作用する径方向の磁力によって、磁石211に対して径方向に押圧される。
ここで、本実施例と実施例4との関係は、ハウジング10に設けられている構成と、軸20に設けられている構成とが入れ替わっているという点において、上述の実施例2と実施例1との関係と同様である。そのため、本実施例においても、実施例4と同様に、ハウジング10と軸20の相対的な回転時において、柔軟性を有する保持部材221が変形することにより、導電部241と磁石211との接触が安定して維持される。その結果、本実施例によれば、相対的に回転するハウジング10と軸20の電気的接続を安定して確保
することができる。
また、本実施例によれば、上述の実施例において説明した、各構成部品の材料や性質等に由来する他の作用効果と同様の作用効果が発揮される。
[実施例6]
次に、図6を用いて、本発明の実施例6に係る導電構造について説明する。本実施例に係る導電構造は、上述の実施例3と同様に、対向した状態で相対的に平行移動する2つの部材に適用される。ただし、本実施例においては、実施例3とは異なり、保持部材に設けられた導電部が、磁場形成部材に対して対向した2つの部材の対向方向に平行な方向に押圧されるように構成される。なお、上述の実施例と同一の構成部分については同一の符号を付して、その説明は適宜省略する。また、図6は、本実施例に係る導電構造202の構成を示す模式的断面図である。
導電構造202は、第1部材11内の側面側に埋め込まれて設けられた磁場形成部材としての磁石212と、第2部材21に設けられた柔軟性を有する保持部材222と、保持部材222に吸い込まれて保持された磁性流体130と、第2部材21に電気的に接続された状態で保持部材222の磁石212側に設けられた導電部242とから構成される。
磁石212は、導電性を有する板状の永久磁石であり、第1部材11に電気的に接続された状態で、第1部材の側面側に固定される。なお、磁石212は、磁石212の側面と第1部材11の側面とが略平坦となるように固定されている。また、板状の保持部材222は、その一端が第1部材11側に位置する自由端となるように、その他端が第2部材21の側面に固定される。ここで、保持部材222の自由端側は図6におけるY軸方向、すなわち、第1部材11と第2部材21の対向方向に垂直な方向に湾曲している。また、保持部材222における磁石212側の面全体に、第2部材21に電気的に接続された状態で導電部242が設けられる。ここで、「磁石212側」とは、図6に示されるように、保持部材222の湾曲している部分における磁石212側である。なお、本実施例における磁石212、保持部材222、導電部242の位置、材料や性質等は、それぞれ上述の実施例における磁石、保持部材、導電部と同様である。ゆえに、上述の実施例と同様に、本実施例においても、保持部材222と導電部242が全体として本発明に係る保持部材を構成し、保持部材222と導電部242が、それぞれ本発明に係る保持部と導電部に相当する。
以上のような構成を備える導電構造202においては、図6に示されるように、保持部材222が保持した磁性流体130に作用する磁力によって、保持部材222の磁石212側が、磁性流体130と共に磁石212に引き寄せられる。これにより、保持部材222の自由端側が変形して、導電部242の自由端側が磁石112に接触する。その結果、第1部材11と第2部材21が、磁石212と導電部242を介して電気的に接続される。
また、柔軟性を有する保持部材222は、導電部242と磁石212との接触面積が広くなるように変形しながら磁石212に引き寄せられる。そのため、導電部242は、磁石212に対して面接触する。また、導電部242の接触部分は、保持部材222に保持されている磁性流体130に作用する図6におけるX軸方向の磁力によって、磁石212に対してX軸方向に押圧される。なお、この方向は、第1部材11と第2部材21の対向方向(X軸方向)に平行な方向である。
以上のような構成を有する導電構造202によれば、第1部材11と第2部材21の相対的な平行移動時において、導電部242と磁石212との接触は安定して維持される。
両部材が、図6におけるY軸方向に平行移動する場合は、両部材間のY軸方向の位置関係が変化する。ここで、保持部材222は、位置関係の変化に応じて、導電部242と磁石212との面接触を保ちながら変形するため、導電部242と磁石212の接触が維持される。また、両部材が、図6におけるZ軸方向に平行移動する場合は、導電部242の接触部分が磁石212に対して摺動するが、導電部242の接触部分は磁石212に対して押圧されているため、導電部242と磁石212との接触は安定して維持される。以上より、相対的に平行移動する第1部材11と第2部材21の電気的接続を安定して確保することができる。なお、両部材が、図6におけるX軸方向に移動する場合は、両部材間の隙間が変化する。ここで、柔軟性を有する保持部材222は、両部材間の隙間の変化に応じて、導電部242と磁石212との面接触を保ちながら変形するため、導電部242と磁石212の接触が維持される。
また、本実施例によれば、上述の実施例において説明した、各構成部品の材料や性質等に由来する他の作用効果と同様の作用効果が発揮される。
[実施例7]
次に、図7を用いて、本発明の実施例7に係る導電構造について説明する。上述の実施例4とは異なり、本実施例に係る導電構造は、保持部材に設けられた導電部の自由端側の端面が、磁場形成部材に対して押圧されるように構成される。なお、上述の実施例と同一の構成部分については同一の符号を付して、その説明は適宜省略する。なお、図7は、本実施例に係る導電構造300の構成を示す模式的断面図である。
導電構造300は、磁石210と、軸20の外周面に設けられた柔軟性を有する保持部材320と、保持部材320に吸い込まれて保持された磁性流体130と、保持部材320に設けられた導電部340とから構成される。
環状の保持部材320は、その一端としての外周面がハウジング10側に位置する自由端となるように、その他端としての内周面が軸20の外周面に固定される。ここで、保持部材320の自由端側は固定端側に比してより肉厚に形成されている。導電部340は、軸20に電気的に接続された状態で、保持部材320の表面全体(軸20に固定された軸孔の内周面は除く)に設けられる。なお、保持部材320と導電部340の性質や材料等は、上述の実施例における保持部材と導電部と同様である。ゆえに、上述の実施例と同様に、本実施例においても、保持部材320と導電部340が全体として本発明に係る保持部材を構成し、保持部材320と導電部340が、それぞれ本発明に係る保持部と導電部に相当する。
以上のような構成を備える導電構造300においては、図7に示されるように、保持部材320が保持した磁性流体130に作用する磁力によって、保持部材320が磁性流体130と共に磁石210に引き寄せられる。これにより、保持部材320の自由端側の端面が変形して、導電部340の自由端側の端面が磁石210に面接触する。その結果、ハウジング10と軸20が、磁石210と導電部340を介して電気的に接続される。
また、柔軟性を有する保持部材320は、導電部340と磁石210との接触面積が広くなるように変形しながら磁石210に引き寄せられる。そのため、導電部340は、磁石210に対して面接触する。また、導電部340の接触部分は、保持部材320に保持されている磁性流体130に作用する径方向の磁力によって、磁石210に対して径方向に押圧される。
以上のような構成を有する導電構造300によれば、ハウジング10と軸20の相対的な回転時において、上述の実施例4に係る導電構造200と同様の効果が発揮される。つ
まり、導電部340の接触部分が磁石210に対して回転摺動しているときであっても、導電部340と磁石210との接触は安定して維持される。また、両部材に偏心が発生しても、両部材間の隙間の変化に応じて、柔軟性を有する保持部材320が、導電部340と磁石210との面接触を保ちながら変形するため、導電部340と磁石210の接触が維持される。なお、この場合において、ハウジング10と軸20との間の隙間は環状隙間であるから、環状隙間の一部分において間隔が広がっても、他の部分においては間隔が小さくなる。そのため、導電部340は、少なくとも環状隙間が小さくなっている部分において、磁石210との接触を保つことができる。なお、保持部材320の外径を、ハウジング10の軸孔の内径より十分に大きくすれば、ハウジング10と軸20との間の隙間が変化しても、保持部材320が変形することによって導電部340と磁石210との接触が維持される。
また、ハウジング10と軸20に軸方向の相対的な往復運動が発生しても、両部材の位置関係の変化に応じて、保持部材320が、導電部340と磁石210との面接触を保ちながら変形するため、導電部340と磁石210の接触が維持される。以上より、相対的に回転するハウジング10と軸20の電気的接続を安定して確保することができる。
また、本実施例によれば、上述の実施例において説明した、各構成部品の材料や性質等に由来する他の作用効果と同様の作用効果が発揮される。
[実施例8]
次に、図8を用いて、本発明の実施例8に係る導電構造について説明する。上述の実施例7とは異なり、本実施例においては、軸側に磁場形成部材が設けられており、ハウジング側に保持部材が設けられている。なお、上述の実施例と同一の構成部分については同一の符号を付して、その説明は適宜省略する。なお、図8は、本実施例に係る導電構造301の構成を示す模式的断面図である。
環状の保持部材321は、その一端としての内周面が軸20側に位置する自由端となるように、その他端としての外周面がハウジング10の内周面に固定される。ここで、保持部材321の自由端側は固定端側に比してより肉厚に形成されている。導電部341は、ハウジング10に電気的に接続された状態で、保持部材321の表面全体(ハウジング10に固定された外周面は除く)に設けられる。なお、保持部材321と導電部341の性質や材料等は、上述の実施例における保持部材や導電部と同様である。ゆえに、上述の実施例と同様に、本実施例においても、保持部材321と導電部341が全体として本発明に係る保持部材を構成し、保持部材321と導電部341が、それぞれ本発明に係る保持部と導電部に相当する。
以上のような構成を備える導電構造301においては、図8に示されるように、保持部材321が保持した磁性流体130に作用する磁力によって、保持部材321が磁性流体130と共に磁石211に引き寄せられる。これにより、保持部材321の自由端側の端面が変形して、導電部341の自由端側の端面が磁石211に接触する。その結果、ハウジング10と軸20が、磁石211と導電部341を介して電気的に接続される。なお、導電部341の接触部分は、保持部材321に保持されている磁性流体130に作用する径方向の磁力によって、磁石211に対して径方向に押圧される。
ここで、本実施例と実施例7との関係は、ハウジング10に設けられている構成と、軸20に設けられている構成とが入れ替わっているという点において、上述の実施例2と実施例1や、実施例5と実施例4との関係と同様である。そのため、本実施例においても、上述した実施例と同様に、ハウジング10と軸20の相対的な回転時において、導電部341と磁石211との接触が安定して維持される。その結果、本実施例によれば、相対的
に回転するハウジング10と軸20の電気的接続を安定して確保することができる。
また、本実施例によれば、上述の実施例において説明した、各構成部品の材料や性質等に由来する他の作用効果と同様の作用効果が発揮される。
[実施例9]
次に、図9を用いて、本発明の実施例9に係る導電構造について説明する。本実施例に係る導電構造は、上述の実施例6と同様に、対向した状態で相対的に平行移動する2つの部材に適用される。ただし、本実施例においては、実施例6とは異なり、保持部材に設けられた導電部の自由端側の端面が、磁場形成部材に対して対向した2つの部材の対向方向に平行な方向に押圧されるように構成される。なお、上述の実施例と同一の構成部分については同一の符号を付して、その説明は適宜省略する。また、図9は、本実施例に係る導電構造302の構成を示す模式的断面図である。
導電構造302は、磁石212と、第2部材21に固定された板状の保持部材322と、保持部材322に吸い込まれて保持された磁性流体130と、第2部材21に電気的に接続された状態で保持部材322の表面全体(第2部材21に固定された端面は除く)に設けられた導電部342とから構成される。なお、保持部材322は、その一端が第1部材11側に位置する自由端となるように、その他端が第2部材21の側面に固定される。ここで、保持部材322の自由端側は固定端側に比してより肉厚に形成されている。また、保持部材322、導電部342の位置、材料や性質等は、上述の実施例における保持部材や導電部と同様である。ゆえに、上述の実施例と同様に、本実施例においても、保持部材322と導電部342が全体として本発明に係る保持部材を構成し、保持部材322と導電部342が、それぞれ本発明に係る保持部と導電部に相当する。
以上のような構成を備える導電構造302においては、図9に示されるように、保持部材322が保持した磁性流体130に作用する磁力によって、保持部材322が磁性流体130と共に磁石212に引き寄せられる。これにより、保持部材322の自由端側の端面が変形して、導電部342の自由端側の端面が磁石212に面接触する。その結果、第1部材11と第2部材21が、磁石212と導電部342を介して電気的に接続される。
また、柔軟性を有する保持部材322は、導電部342と磁石212との接触面積が広くなるように変形しながら磁石212に引き寄せられる。そのため、導電部342は、磁石212に対して面接触する。また、導電部342の接触部分は、保持部材322に保持されている磁性流体130に作用する図9におけるX軸方向の磁力によって、磁石212に対してX軸方向に押圧される。なお、この方向は、第1部材11と第2部材21の対向方向(X軸方向)に平行な方向である。
以上のような構成を有する導電構造302によれば、第1部材11と第2部材21のY軸方向とZ軸方向の相対的な平行移動時において、上述の導電構造202と同様に、導電部342と磁石212との接触が安定して維持される。これにより、相対的に平行移動する第1部材11と第2部材21の電気的接続を安定して確保することができる。
また、本実施例によれば、上述の実施例において説明した、各構成部品の材料や性質等に由来する他の作用効果と同様の作用効果が発揮される。
[実施例10]
次に、図10を用いて、本発明の実施例10に係る導電構造について説明する。本実施例に係る導電構造は、上述の実施例において説明した導電構造を2つ備え、更にこれら2つの導電構造に挟まれる空間内に導電性の液体や粉体が封入される。なお、上述の実施例
と同一の構成部分については同一の符号を付して、その説明は適宜省略する。また、図10は、本実施例に係る導電構造500の構成を示す模式的断面図である。なお、図10における矢印Gが鉛直方向を示している。
導電構造500は、実施例2に係る導電構造101の各構成に加えて、磁石115、磁性流体130を吸い込んで保持した保持部材125、保持部材125に設けられた導電部145、及び導電性流体510を備えている。なお、磁石115、保持部材125及び導電部145は、それぞれ磁石111、保持部材121及び導電部141と同一の構成を、図13における上下を逆にして配置したものである。なお、磁石115、磁性流体130を保持した保持部材125及び導電部145が導電構造105を構成している。
導電性流体510は、導電構造500における導電構造101と導電構造105の間の空間に充填されている。つまり、導電性流体510は、磁石115と保持部材125の鉛直方向上方に充填されている。ここで、導電性流体510は、低融点合金や金属から構成される。また、導電性流体510は、導電性グリスやカーボン粉末等の、導電性と流動性を有する他の材料(粉体を含む)でもよい。ここで、導電構造105においては、磁石115に引き寄せられる保持部材125によって、導電部145が磁石115に対して押圧されている。そのため、導電部145と磁石115との接触部分においてシール性が発揮されるため、導電性流体510を封入することが可能になる。また、このシール性は、ハウジング10と軸20との相対的な回転時においても、十分に発揮される。
本実施例によれば、ハウジング10と軸20が、導電構造101及び105を介して電気的に接続されると共に、更に導電性流体510を介して電気的に接続されるため、両部材間を流れる電流の電流密度が低下する。その結果、ハウジング10と軸20の間を流れる電流による発熱が低減されるため、大きい電流を安定して流すことができる。
[保持部材の他の例]
次に、本発明に適用可能な保持部材の他の例を図11から図19を用いて説明する。なお、図11から図19に示される保持部材は、自由端側の端部に形成された一部分のみが、磁性流体を吸い込んで保持可能な、柔軟性を有する材料で構成される。なお、上述の実施例と同一の構成部分については同一の符号を付して、その説明は適宜省略する。
図11に示される導電構造は、上述の実施例1に係る導電構造100の保持部材120が、保持部材120aに置き換えられたものである。保持部材120aは、全体的な形状や固定位置等は保持部材120と同様である。保持部材120aは、自由端側の端部に形成された保持部120cのみが、磁性流体を吸い込んで保持可能な、柔軟性を有する材料で構成される。この材料は保持部材120の材料と同様である。そして、保持部材120aの固定端側の固定部120bは、硬質な材料から構成される。
このような構成においても、保持部120cが保持した磁性流体130に作用する磁力によって、保持部120cが磁石110に引き寄せられる。これにより、柔軟性を有する保持部120cが変形することにより、導電部140の自由端側が磁石110に接触する。その結果、ハウジング10と軸20が、磁石110と導電部140を介して電気的に接続される。また、導電部140の接触部分は、保持部120cに保持されている磁性流体130に作用する軸方向の磁力によって、磁石110に対して軸方向に押圧される。
以上より、保持部材120aが用いられる場合であっても、導電構造100と同様に、ハウジング10と軸20の電気的接続が安定して確保される。
以下同様に、図12に示される導電構造は、上述の実施例2に係る導電構造101にお
ける保持部材121が、固定端側に設けられた固定部121bと、自由端側の端部に形成された保持部121cとを備える保持部材121aに置き換えられたものである。図13に示される導電構造は、上述の実施例3に係る導電構造102における保持部材122が、固定端側に設けられた固定部122bと、自由端側の端部に形成された保持部122cとを備える保持部材122aに置き換えられたものである。図14に示される導電構造は、上述の実施例4に係る導電構造200における保持部材220が、固定端側に設けられた固定部220bと、自由端側の端部に形成された保持部220cとを備える保持部材220aに置き換えられたものである。図15に示される導電構造は、上述の実施例5に係る導電構造201における保持部材221が、固定端側に設けられた固定部221bと、自由端側の端部に形成された保持部221cとを備える保持部材221aに置き換えられたものである。図16に示される導電構造は、上述の実施例6に係る導電構造202における保持部材222が、固定端側に設けられた固定部222bと、自由端側の端部に形成された保持部222cとを備える保持部材222aに置き換えられたものである。図17に示される導電構造は、上述の実施例7に係る導電構造300における保持部材320が、固定端側に設けられた固定部320bと、自由端側の端部に形成された保持部320cとを備える保持部材320aに置き換えられたものである。図18に示される導電構造は、上述の実施例8に係る導電構造301における保持部材321が、固定端側に設けられた固定部321bと、自由端側の端部に形成された保持部321cとを備える保持部材321aに置き換えられたものである。図19に示される導電構造は、上述の実施例9に係る導電構造302における保持部材322が、固定端側に設けられた固定部322bと、自由端側の端部に形成された保持部322cとを備える保持部材322aに置き換えられたものである。
図12から図19に示される各導電構造においては、保持部材の自由端側に設けられた、磁性流体を吸い込んで保持可能な、柔軟性を有する保持部が磁性流体を保持している。これにより、図12から図19に示される各導電構造によれば、元の導電構造と同様に、2つの相対的に移動する部材間の電気的接続が安定して確保される。
[磁性流体の他の例]
次に、本発明に適用可能な磁性流体の他の例として、導電性磁性流体が採用されるときの構成を図20から図28を用いて説明する。なお、図20から図28に示される保持部材は、その全体に導電性磁性流体を吸い込んで保持している。なお、上述の実施例と同一の構成部分については同一の符号を付して、その説明は適宜省略する。
図20に示される導電構造は、上述の実施例1に係る導電構造100の保持部材120が保持している磁性流体130が、導電性磁性流体131に置き換えられたものである。この導電構造においては、保持部材120の全体が導電性磁性流体131を吸い込んで保持しているため、保持部材120が導電性を有する。そのため、保持部材120には導電部140が設けられていない。
この構成においても、保持部材120が保持する導電性磁性流体131に作用する磁力によって、保持部材121が磁石110に引き寄せられる。これにより、保持部材120が変形して、保持部材120が直接的に磁石110に接触する。その結果、ハウジング10と軸20が、磁石110と導電性磁性流体131を保持する保持部材120を介して電気的に接続される。なお、保持部材120における磁石110との接触部分は、導電性磁性流体131に作用する軸方向の磁力によって、磁石110に対して軸方向に押圧される。
以上より、保持部材120が導電性磁性流体131を保持している場合であっても、導電構造100と同様に、ハウジング10と軸20の電気的接続が安定して確保される。な
お、この場合においては、保持部材120における磁石110との接触面に吸い込まれている導電性磁性流体131が、当該接触面における潤滑剤として機能する。そのため、当該接触面における保持部材120と磁石110との摺動抵抗が低減される。
以下同様に、図21に示される導電構造は、上述の実施例2に係る導電構造101における保持部材121が、磁性流体130に換えて導電性磁性流体131を保持しており、且つ、導電部141が設けられていないものである。図22に示される導電構造は、上述の実施例3に係る導電構造102における保持部材122が、磁性流体130に換えて導電性磁性流体131を保持しており、且つ、導電部142が設けられていないものである。図23に示される導電構造は、上述の実施例4に係る導電構造200における保持部材220が、磁性流体130に換えて導電性磁性流体131を保持しており、且つ、導電部240が設けられていないものである。図24に示される導電構造は、上述の実施例5に係る導電構造201における保持部材221が、磁性流体130に換えて導電性磁性流体131を保持しており、且つ、導電部241が設けられていないものである。図25に示される導電構造は、上述の実施例6に係る導電構造202における保持部材222が、磁性流体130に換えて導電性磁性流体131を保持しており、且つ、導電部242が設けられていないものである。図26に示される導電構造は、上述の実施例7に係る導電構造300における保持部材320が、磁性流体130に換えて導電性磁性流体131を保持しており、且つ、導電部340が設けられていないものである。図27に示される導電構造は、上述の実施例8に係る導電構造301における保持部材321が、磁性流体130に換えて導電性磁性流体131を保持しており、且つ、導電部341が設けられていないものである。図28に示される導電構造は、上述の実施例9に係る導電構造302における保持部材322が、磁性流体130に換えて導電性磁性流体131を保持しており、且つ、導電部342が設けられていないものである。
図21から図28に示される各導電構造においては、保持部材の全体が導電性磁性流体131を吸い込んで保持しており、また、保持部材には導電部が設けられていない。そのため、保持部材が直接的に磁石に接触することによって、元の導電構造と同様に、2つの相対的に移動する部材間の電気的接続が安定して確保される。
[磁場形成部材の他の例]
次に、本発明に適用可能な磁場形成部材の他の例を図29から図37を用いて説明する。なお、上述の実施例と同一の構成部分については同一の符号を付して、その説明は適宜省略する。
図29から図31は、上述の実施例1に用いられる磁場形成部材としての磁石110の構成を示す正面図である。図29に示す磁石110は、一方の面がN極で他方の面がS極で構成された環状の永久磁石を、同心状に、且つ一方の面側においてN極とS極が交互に並ぶように、複数個(図29では3個)組み合わせたものである。このような構成とすることにより、磁石110は、導電構造100に適用された際に、保持部材120が磁石100に対して面接触するような磁場を形成することができる。
なお、磁石110の他に、図30及び図31に示される磁石を採用してもよい。図30に示される磁石110aは、一方の面がN極で他方の面がS極で構成された細長い永久磁石を、一方の面側においてN極とS極が交互に並ぶように、複数個(図30では6個)組み合わせたものであり、全体として環状になっている。また、図31に示される磁石110bは、一方の面がN極で他方の面がS極で構成された扇形の永久磁石を、一方の面側においてN極とS極が交互に並ぶように、複数個(図31では8個)組み合わせたものである。何れの磁石も、導電構造100に適用された際に、保持部材120が面接触するような磁場を形成することができる。
なお、上述の実施例2及び実施例10に用いられる磁石111や磁石115も、図29から図31に示されるような構成と同様の構成とすることができる。
[変形例]
図32から図37を用いて説明する変形例は、上記の実施例において、第1部材が、磁場形成部材と保持部材との間に配置される導電部材を更に備える構成を示している。なお、図32から図37は、このような構成を示す模式的断面図である。なお、上述の実施例と同一の構成部分については同一の符号を付して、その説明は適宜省略する。
図32に示される導電構造は、上述の実施例1に係る導電構造100におけるハウジング10が、磁石110と保持部材120との間に配置された導電部材110dを更に備えるものである。円筒形状の導電部材110dは、金属やカーボン材料等の導電性を有する材料から構成されており、ハウジング10の軸孔の内周面に電気的に接続された状態で固定されている。この導電構造においては、保持部材120が磁石110に引き寄せられると、保持部材120に設けられた導電部140が導電部材110dに接触する。その結果、ハウジング10と軸20が、導電部材110dと導電部140を介して電気的に接続される。なお、導電部140における導電部材110dとの接触部分は、保持部材120に保持されている磁性流体130に作用する軸方向の磁力によって導電部材110dに対して軸方向に押圧される。
以上より、ハウジング10が、磁石110と保持部材120との間に配置された導電部材110dを備える場合であっても、導電構造100と同様に、ハウジング10と軸20の電気的接続が安定して確保される。なお、この場合においては、ハウジング10と軸20が、磁石110を介さずに電気的に接続されるため、磁石110が導電性である必要がなくなる。そのため、磁石110の材料の選択肢を増やすことができる。
以下同様に、図33に示される導電構造は、上述の実施例2に係る導電構造101において、軸20が、磁石111と保持部材121との間に配置された円筒形状の導電部材111dを備えるものである。図34に示される導電構造は、上述の実施例3に係る導電構造102において、第1部材11が、磁石112と保持部材122との間に配置された板状の導電部材112dを備えるものである。図35に示される導電構造は、上述の実施例4に係る導電構造200において、ハウジング10が、磁石210と保持部材220との間に配置された円筒形状の導電部材210dを備えるものである。なお、この導電部材210dは、実施例7に係る導電構造300にも同様に適用することができる。図36に示される導電構造は、上述の実施例5に係る導電構造201において、軸20が、磁石211と保持部材221との間に配置された円筒形状の導電部材211dを備えるものである。なお、この導電部材211dは、実施例8に係る導電構造301にも同様に適用することができる。図37に示される導電構造は、上述の実施例6に係る導電構造202において、第1部材11が、磁石212と保持部材222との間に配置された板状の導電部材212dを備えるものである。なお、この導電部材212dは、実施例9に係る導電構造302にも同様に適用することができる。
図33から図37に示される各導電構造においては、保持部材の導電部が導電部材に接触することによって、元の導電構造と同様に、2つの相対的に移動する部材間の電気的接続が安定して確保される。また、磁場形成部材が導電性である必要がなくなるため、磁場形成部材の材料の選択肢を増やすことができる。
なお、図20から図28を用いて説明した、実施例1から9に係る導電構造において磁性流体130を導電性磁性流体131に置き換えると共に導電部を省いた構成のそれぞれ
に対しても、対応する導電部材を同様に適用することができる。このようにして構成された導電構造においては、磁石に引き寄せられた保持部材が、導電部材と接触することによって第1部材と第2部材が電気的に接続される。
なお、図32から図37に示される各導電構造においては、導電部材が磁石に接触しているが、導電部材の設置態様はこれに限定されず、例えば磁場形成部材との間に隙間を設けて設置してもよい。つまり、導電部材は、第1部材に設けられ、且つ磁場形成部材と保持部材との間に配置される限りにおいて、任意の態様で設置することができる。
また、上述の実施例においては、磁場形成部材として磁石を採用しているが、例えば電磁石等の他の磁場形成部材を用いてもよい。また、上述の実施例1、2、4、5、7及び8に係る導電構造においては、磁石と保持部材の両方が環状(円筒形状含む)に形成されているが、磁石と保持部材の一方が環状であれば、他方は矩形状などの他の形状であってもよい。このような構成であっても、相対的に回転する2部材間の電気的接続は維持される。
10 ハウジング
11 第1部材
20 軸
21 第2部材
100、101、102、200、201、202、300、301、302 導電構造
110、111、112、210、211、212 磁石
120、121、122、220、221、222、320、321、322 保持部材
130 磁性流体
131 導電性磁性流体
140、141、142、240、241、242、340、341、342 導電部
110d、111d、112d、210d、211d、212d 導電部材

Claims (18)

  1. 相対的に移動する第1部材と第2部材を電気的に接続する導電構造であって、
    前記第1部材に設けられた、磁場を形成する磁場形成部材と、
    前記第2部材に設けられた、磁性流体を吸い込んで保持可能な、柔軟性を有する保持部材と、
    前記保持部材に保持された磁性流体と、
    を備え、
    前記磁性流体を保持した前記保持部材が、前記磁場形成部材に引き寄せられることによって前記第1部材と前記第2部材が電気的に接続されることを特徴とする導電構造。
  2. 前記磁場形成部材は導電性を有し、
    前記保持部材は、前記磁性流体を保持する保持部と、前記第2部材に電気的に接続された導電部を備え、
    前記磁場形成部材に引き寄せられた前記保持部材の前記導電部が、該磁場形成部材と接触することによって前記第1部材と前記第2部材が電気的に接続されることを特徴とする請求項1に記載の導電構造。
  3. 前記磁場形成部材と前記磁性流体は導電性を有し、
    前記磁場形成部材に引き寄せられた前記保持部材が、該磁場形成部材と接触することによって前記第1部材と前記第2部材が電気的に接続されることを特徴とする請求項1に記載の導電構造。
  4. 前記第1部材は、前記磁場形成部材と前記保持部材との間に配置された導電部材を備え、
    前記保持部材は、前記磁性流体を保持する保持部と、前記第2部材に電気的に接続された導電部を備え、
    前記磁場形成部材に引き寄せられた前記保持部材の前記導電部が、前記導電部材と接触することによって前記第1部材と前記第2部材が電気的に接続されることを特徴とする請求項1に記載の導電構造。
  5. 前記第1部材は、前記磁場形成部材と前記保持部材との間に配置された導電部材を備え、
    前記磁性流体は導電性を有し、
    前記磁場形成部材に引き寄せられた前記保持部材が、前記導電部材と接触することによって前記第1部材と前記第2部材が電気的に接続されることを特徴とする請求項1に記載の導電構造。
  6. 前記磁場形成部材は、その一端が前記第2部材側に位置する自由端となるように、その他端が前記第1部材に固定されて設けられ、
    前記保持部材は、その一端が前記第1部材側に位置する自由端となるように、その他端が前記第2部材に固定されて設けられたことを特徴とする請求項2から5の何れか1項に記載の導電構造。
  7. 前記磁場形成部材は、前記第1部材に埋め込まれて設けられ、
    前記保持部材は、その一端が前記第1部材側に位置する自由端となるように、その他端が前記第2部材に固定されて設けられたことを特徴とする請求項2から5の何れか1項に記載の導電構造。
  8. 前記第1部材と前記第2部材は、何れか一方が有する軸孔内に他方が配置された状態で
    相対的に回転する2部材であって、
    前記第1部材と前記第2部材が電気的に接続されたときの接触部において、前記磁性流体に回転軸線方向の磁力が作用することを特徴とする請求項2から5の何れか1項に記載の導電構造。
  9. 前記第1部材と前記第2部材は、何れか一方が有する軸孔内に他方が配置された状態で相対的に回転する2部材であって、
    前記第1部材と前記第2部材が電気的に接続されたときの接触部において、前記磁性流体に径方向の磁力が作用することを特徴とする請求項2から5の何れか1項に記載の導電構造。
  10. 前記第1部材と前記第2部材は、対向した状態で相対的に平行移動する2部材であって、
    前記第1部材と前記第2部材が電気的に接続されたときの接触部において、前記磁性流体に前記第1部材と前記第2部材の対向方向に垂直な方向の磁力が作用することを特徴とする請求項2から5の何れか1項に記載の導電構造。
  11. 前記第1部材と前記第2部材は、対向した状態で相対的に平行移動する2部材であって、
    前記第1部材と前記第2部材が電気的に接続されたときの接触部において、前記磁性流体に前記第1部材と前記第2部材の対向方向に平行な方向の磁力が作用することを特徴とする請求項2から5の何れか1項に記載の導電構造。
  12. 前記保持部材は、その一端が前記第1部材側に位置する自由端となるように、その他端が前記第2部材に固定されて設けられ、該保持部材の自由端側が前記回転軸線方向に湾曲していることを特徴とする請求項9に記載の導電構造。
  13. 前記保持部材は、その一端が前記第1部材側に位置する自由端となるように、その他端が前記第2部材に固定されて設けられ、該保持部材の自由端側が前記対向方向に垂直な方向に湾曲していることを特徴とする請求項11に記載の導電構造。
  14. 前記保持部材は、その一端が前記第1部材側に位置する自由端となるように、その他端が前記第2部材に固定されて設けられ、該保持部材の自由端側が固定端側に比してより肉厚に形成されていることを特徴とする請求項9または11に記載の導電構造。
  15. 前記磁場形成部材または前記保持部材の何れか一方が環状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の導電構造。
  16. 前記磁場形成部材と前記保持部材の両方が環状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の導電構造。
  17. 前記磁場形成部材と前記保持部材の鉛直方向上方に導電性流体が充填されることを特徴とする請求項16に記載の導電構造。
  18. 前記保持部材は、その一端が前記第1部材側に位置する自由端となるように、その他端が前記第2部材に固定されて設けられ、前記保持部が、前記保持部材の自由端側の端部に形成されていることを特徴とする請求項2または4に記載の導電構造。
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