JP2002191152A - スピンドルモータ及びこれを備えた記録媒体駆動装置 - Google Patents

スピンドルモータ及びこれを備えた記録媒体駆動装置

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JP2002191152A
JP2002191152A JP2000388580A JP2000388580A JP2002191152A JP 2002191152 A JP2002191152 A JP 2002191152A JP 2000388580 A JP2000388580 A JP 2000388580A JP 2000388580 A JP2000388580 A JP 2000388580A JP 2002191152 A JP2002191152 A JP 2002191152A
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shaft member
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stationary shaft
spindle motor
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JP2000388580A
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English (en)
Inventor
Kunihiro Shida
州弘 志田
Shigeji Sumi
茂治 角
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Nidec Corp
Original Assignee
Nidec Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エア動圧軸受手段を採用した場合においても
ロータハブと静止軸部材とを電気的に導通することがで
きるスピンドルモータを提供すること。 【解決手段】 静止軸部材36と、静止軸部材36に対
して回転自在であるロータハブ54と、ロータハブ54
と静止軸部材36との間に介在されたラジアルエア動圧
軸受部62,64及びスラストエア動圧軸受部66,6
8と、ロータハブ54に装着されたロータマグネット7
8と、ロータマグネット78に対向して配設されたステ
ータ80とを具備するスピンドルモータ。ロータハブ5
4には静止軸部材36との間の電気的導通を行うための
アース手段88が装着され、このアース手段88は導電
性磁性流体を含んでいる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スピンドルモータ
及びこれを備えた記録媒体駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】記録媒体駆動装置としての例えばハード
ディスク駆動装置は、収容室を規定する装置ハウジング
と、装置ハウジングに装着されたスピンドルモータと、
スピンドルモータに取り付けられた磁気ディスクと、磁
気ディスクに記録情報を書き込む及び/又は記録情報を
読み取る磁気ヘッドとを備えている。近年、このハード
ディスク駆動装置によって取り扱われるプログラム量、
データ量等が増大し、ハードディスク駆動装置の記憶容
量のアップ、記録情報の書き込み・読み出し速度の高速
化がますます要求され、この対応手段の一つとして、ス
ピンドルモータの高速回転化が進んでいる。そして、こ
の高速回転化に伴い、スピンドルモータを回転自在に支
持するための軸受手段も玉軸受からオイル動圧軸受手段
に換わろうとしている。オイル動圧軸受手段は、動圧流
体としてオイルを用い、高圧のオイル層を介してロータ
ハブを回転自在に支持する。このようなオイル動圧軸受
手段を採用した場合、玉軸受に比してより高速回転、例
えば20000rpmまで対応することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、近い将来、
プログラム量、データ量が更に増大することが予想さ
れ、これに伴って、スピンドルモータの回転数も200
00rpm以上の高速回転が求められるようになる。こ
のような高速回転になると、動圧流体としてオイルを用
いた場合、オイルの粘性抵抗に起因して回転中の軸損が
大きくなり、20000rpm以上の高速回転に対応す
ることが困難となる。また、オイルの粘性特性は温度に
よって大きく変化し、周囲温度が大きく変化する環境に
おいてはロータハブを安定して回転自在に支持すること
が難しくなる。
【0004】そこで、更なる高速回転化に対応するため
に、動圧流体として空気を用いるエア動圧軸受手段を採
用することも考えられる。動圧流体として空気を用いた
場合、オイルに比して粘性抵抗が非常に小さい(空気の
粘性抵抗はオイルの粘性抵抗の約1/1000程度であ
る)ので回転中の軸損が小さく、また温度が変化しても
粘性特定が大きく変化せず、ロータハブを高速で安定し
て回転支持することが可能となる。
【0005】しかしながら、軸受手段としてエア動圧軸
受手段を採用した場合、磁気ディスクが取り付けられた
ロータハブが圧縮エア層を介して支持されるので、次の
通りの問題が新たに発生する。一般に、磁気ディスクが
高速回転すると、装置ハウジング内の空気との摩擦によ
って回転するディスクに静電気が発生する。このように
静電気が発生すると、回転中ロータハブが圧縮エア層を
介して支持されるので、発生した静電気が磁気ディスク
から装置ハウジング側に流れず、磁気ディスクに貯まる
ようになる。このようにして磁気ディスクに静電気が貯
まると、貯まった静電気が磁気ディスクに記録された情
報(磁気的に記録されている)に悪影響を及ぼし、記録
された情報が破損するおそれがある。
【0006】このような静電気の問題は、ハードディス
ク駆動装置の磁気ヘッドがMRヘッドから構成されてい
る場合にも発生する。即ち、MRヘッドは静電気に対し
て耐久性を有しておらず、それ故に、磁気ディスクに静
電気が貯まるとMRヘッドが破損するおそれがある。本
発明の目的は、エア動圧軸受手段を採用した場合におい
てもロータハブと静止軸部材とを電気的に導通すること
ができるスピンドルモータを提供することである。
【0007】また、本発明の他の目的は、回転中に記録
媒体に発生する静電気を装置ハウジング側に確実にアー
スすることができる記録媒体駆動装置を提供することで
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、静止軸部材
と、前記静止軸部材に対して回転自在であるロータハブ
と、前記ロータハブと前記静止軸部材との間に介在され
たエア動圧軸受手段と、前記ロータハブに装着されたロ
ータマグネットと、前記ロータマグネットに対向して配
設されたステータとを具備するスピンドルモータにおい
て、前記ロータハブには前記静止軸部材との間の電気的
導通を行うためのアース手段が装着され、前記アース手
段は導電性磁性流体を含んでいることを特徴とするスピ
ンドルモータである。
【0009】本発明に従えば、ロータハブにアース手段
が設けられているので、回転中に記録媒体、例えば磁気
ディスクに発生した静電気はこのアース手段を介して静
止軸部材に流れ、これによって、記録媒体に静電気が貯
まるのを防止することができる。また、アース手段は導
電性磁性流体を含んでいるので、回転するロータハブと
静止している静止軸部材との間の電気的導通を確保する
ことができ、記録媒体に発生した静電気をロータハブ及
びアース手段を介して静止軸部材に流すことができる。
【0010】また、本発明では、前記アース手段は、導
電性磁性流体を磁気的に保持するための磁力を発生する
マグネットと、このマグネットの軸線方向外側端面に配
設された第1ポールピースとを備え、前記静止軸部材の
所定部位には、前記第1のポールピースに対向して保持
域が設けられ、前記静止軸部材の前記保持域と前記第1
ポールピースとの間に前記導電性磁性流体が充填され、
前記保持域の少なくとも軸線方向外側端部には、前記保
持域の軸線方向中央部に向けて半径方向外方に傾斜して
延びる保持テーパ部が設けられていることを特徴とす
る。
【0011】本発明に従えば、アース手段はマグネット
及びこのマグネットの軸線方向外側端面に配設された第
1ポールピースを備え、この第1ポールピースと静止軸
部材の保持域との間に導電性磁性流体が充填される。ま
た、この保持域の少なくとも軸線方向外側端部には、保
持域の軸線方向中央部に向けて半径方向外方に傾斜する
保持テーパ部が設けられている。従って、充填された導
電性磁性流体は、マグネットからの磁力によって静止軸
部材の保持域との間に磁気的に保持される。また、この
導電性磁性流体の軸線方向外側界面は保持テーパ部に位
置し、外側の気圧によってこの外側界面に軸線方向内方
への力が作用し、充填された導電性磁性流体は毛細管現
象によって内側に保持域の軸線方向中央部に向けて保持
される。このように導電性磁性流体には磁力及び毛細管
現象が作用するので、ロータハブの高速回転により発生
する遠心力による軸線方向外方への磁性流体の流動が抑
えられ、これによって導電性磁性流体の飛散等を防止
し、ロータハブと静止軸部材との間の導通を長期にわた
って安定して保つことができる。また、保持域の保持テ
ーパ部は補給用溜め部として機能し、保持された導電性
磁性流体が蒸発等して減少したとき、この保持テーパ部
の磁性流体が毛細管現象によって保持域の軸線方向中央
部に向けて補給され、このような補給作用によって長期
にわたって導通状態を維持することができる。
【0012】また、本発明では、前記アース手段の前記
マグネットの軸線方向内側端面には第2ポールピースが
配設され、前記第1ポールピースの肉厚は前記第2ポー
ルピースの肉厚より厚く形成され、前記第1ポールピー
スと前記静止軸部材の前記保持域との間に導電性磁性流
体が充填されていることを特徴とする。本発明に従え
ば、アース手段のマグネットの軸線方向内側端面に第2
ポールピースが設けられているので、マグネット、第1
ポールピース、静止軸部材及び第2ポールピースを通る
磁気回路が形成され、この磁気回路の第1ポールピース
と静止軸部材との間に導電性磁性流体が充填される。ま
た、第1ポールピースの肉厚は第2ポールピースの肉厚
よりも厚いので、導電性磁性流体を保持するための第1
ポールピースの内周面の軸線方向の長さが長く、これに
よって導電性磁性流体の導通層の厚を厚くすることがで
き、第1ポールピースと静止軸部材との間を導電性磁性
流体を介して確実に導通することができる。
【0013】また、本発明では、前記保持テーパ部は前
記静止軸部材の前記保持域の軸線方向外側端部及び軸線
方向内側端部に設けられ、前記保持域の軸線方向中央部
が前記第1ポールピースの内周面に向けて突出している
ことを特徴とする。本発明に従えば、静止軸部材の保持
域の軸線方向外側端部及び軸線方向内側端部に保持テー
パ部が設けられ、保持された導電性磁性流体の軸線方向
外側界面は軸線方向外側の保持テーパ部に位置し、また
その軸線方向内側界面は軸線方向内側の保持テーパ部に
位置する。それ故に、導電性磁性流体は、外側界面に作
用する外側の気圧及び内側界面に作用する内側の気圧に
よって保持域の軸線方向中央部に向けて保持され、高速
回転中に生じる遠心力による両側への流動が抑えられ
る。
【0014】また、本発明では、前記静止軸部材の前記
保持域の軸線方向外側端部に設けられた前記保持テーパ
部の傾斜角度は、その軸線方向内側端部に設けられた前
記保持テーパ部の傾斜角度よりも小さいことを特徴とす
る。本発明に従えば、スピンドルモータを記録媒体駆動
装置に組み込んで用いる場合、記録媒体駆動装置内の中
央部が負圧傾向になるので、導電性磁性流体の軸線方向
外側界面に作用する外側の気圧はその軸線方向内側界面
に作用する内側の気圧より小さくなるが、保持テーパ部
の傾斜角度を上述したようにすることによって、導電性
磁性流体の両界面に作用する外気圧の差を補償すること
ができる。
【0015】また、本発明では、前記第1ポールピース
の内周面には、その軸線方向中央部に向けて半径方向外
方に傾斜して延びる戻りテーパ部が設けられ、前記戻り
テーパ部の傾斜角度は前記静止軸部材の前記保持テーパ
部の傾斜角度よりも小さいことを特徴とする。本発明に
従えば、第1ポールピースの内周面に軸線方向中央部に
向けて半径方向外方に傾斜する戻りテーパ部が設けられ
ているので、ロータハブの回転によって第1ポールピー
スが回動すると、発生する遠心力によって導電性磁性流
体は戻りテーパ部に沿って軸線方向中央部に向けて戻さ
れるようになり、これによって、導電性磁性流体の飛散
等を一層効果的に抑えて長期にわたって安定した導通状
態を保つことができる。また、第1ポールピースの戻り
テーパ部の傾斜角度が静止軸部材の保持テーパ部の傾斜
角度よりも小さいので、静止軸部材の外周面と第1ポー
ルピースの内周面との間に所定の環状のテーパ空間が形
成される。
【0016】また、本発明では、前記第1ポールピース
の内周面は合成樹脂層によって覆われていることを特徴
とする。本発明に従えば、第1ポールピースの内周面が
合成樹脂層によって覆われているので、第1ポールピー
スが相対的移動する際の磁性流体との間のトルク負荷を
小さくすることができる。尚、このような合成樹脂層と
してはフッ素系樹脂を用いることができる。また、本発
明は、収容室を規定する装置ハウジングと、前記装置ハ
ウジングに装着されたスピンドルモータと、前記スピン
ドルモータによって所定方向に回転駆動される記録媒体
と、前記記録媒体に記録情報を書き込む及び/又は記録
情報を読み出すための書込み及び/又は読出し手段とを
具備し、前記スピンドルモータ、前記記録媒体並びに前
記書込み及び/又は読出し手段が前記収容室に収容さ
れ、前記スピンドルモータは、前記装置ハウジングに装
着された静止軸部材と、前記静止軸部材に対して回転自
在であるロータハブと、前記ロータハブと前記静止軸部
材との間に介在されたエア動圧軸受手段と、前記ロータ
ハブに装着されたロータマグネットと、前記ロータマグ
ネットに対向して配設されたステータとを備えた記録媒
体駆動装置において、前記スピンドルモータの前記ロー
タハブには前記静止軸部材との間の電気的導通を行うた
めのアース手段が装着されており、前記アース手段は導
電性磁性流体を磁気的に保持するための磁力を発生する
マグネットと、このマグネットの軸線方向外側端面に配
設された第1ポールピースとを備えており、前記静止軸
部材の所定部位には、前記第1のポールピースに対向し
て保持域が設けられ、前記静止軸部材の前記保持域と前
記第1ポールピースとの間に前記導電性磁性流体が充填
されており、前記保持域の少なくとも軸線方向外側端部
には、前記保持域の軸線方向中央部に向けて半径方向外
方に傾斜して延びる保持テーパ部が設けられていること
を特徴とする。
【0017】本発明に従えば、スピンドルモータのアー
ス手段の第1ポールピースと装置ハウジングに装着され
た静止軸部材の保持域との間に導電性磁性流体が充填さ
れ、静止軸部材の保持域の少なくとも収容室側端部に
は、保持域の軸線方向中央部に向けて半径方向外方に傾
斜する保持テーパ部が設けられている。従って、保持域
に充填される導電性磁性流体の収容室側界面は保持テー
パ部に位置し、収容室の気圧によってこの収容室界面に
軸線方向内方への力が作用し、充填された導電性磁性流
体は毛細管現象によって内側に保持域の中央部に向けて
保持され、導電性磁性流体に作用する磁力及び毛細管現
象によって導電性磁性流体の飛散等が防止され、この導
電性磁性流体層を介してロータハブと静止軸部材との導
通状態を保つことができる。また、保持域の保持テーパ
部は補給用溜め部として機能し、導電性磁性流体が蒸発
等して減少したとき、この保持テーパ部の導電性磁性流
体が毛細管現象によって保持域の中央部に向けて補給さ
れる。このように保持テーパ部が磁性流体の飛散防止機
能及び磁性流体の補給機能を有するので、長期にわたっ
て安定してロータハブと静止軸部材との導通状態を維持
することができ、記録媒体に発生した静電気をロータハ
ブ、アース手段及び静止軸部材を介して装置ハウジング
にアースすることができる。
【0018】更に、本発明では、前記スピンドルモータ
の前記アース手段の前記マグネットの軸線方向内側端面
には第2ポールピースが配設され、前記第1ポールピー
スの肉厚は前記第2ポールピースの肉厚より厚く形成さ
れ、前記第1ポールピースと前記静止軸部材の前記保持
域との間に導電性磁性流体が充填され、前記保持テーパ
部は前記静止軸部材の前記保持域の軸線方向外側端部及
び軸線方向内側端部に設けられ、前記保持域の軸線方向
中央部が前記第1ポールピースの内周面に向けて突出し
ていることを特徴とする。
【0019】本発明に従えば、スピンドルモータの静止
軸部材の保持域の軸線方向外側端部及び軸線方向内側端
部に保持テーパ部が設けられ、保持された導電性磁性流
体の軸線方向外側界面は軸線方向外側の保持テーパ部に
位置し、またその軸線方向内側界面は軸線方向内側の保
持テーパ部に位置する。それ故に、導電性磁性流体は、
外側界面に作用する外側の気圧及び内側界面に作用する
内側の気圧によって保持域の軸線方向中央部に向けて保
持され、第1ポールピースと静止軸部材との間に安定し
た導電性磁性流体層が形成され、記録媒体に発生した静
電気をロータハブ、アース手段(第1ポールピース及び
導電性磁性流体層)及び静止軸部材を介して装置ハウジ
ングにアースすることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明に従うスピンドルモ
ータ及び本発明に従う記録媒体駆動装置の一実施形態に
ついて説明する。図1は、本発明に従う記録媒体駆動装
置の一実施形態を簡略的に示す断面図であり、図2は、
本発明に従うスピンドルモータの一実施形態を示す断面
図であり、図3は、図2のスピンドルモータにおけるア
ース手段の一部及びその近傍を示す部分拡大断面図であ
る。
【0021】図1において、図示の記録媒体駆動装置は
直方体状の装置ハウジング2を備え、装置ハウジング2
は下部ハウジング4とカバー部材6から構成されてい
る。下部ハウジング4はベース部8と、このベース部8
の4側壁部から上方に延びる側壁部10を有し、側壁部
10によって規定される矩形状の上面開口を覆うように
カバー部材6が下部ハウジング4取り付けられ、下部ハ
ウジング4及びカバー部材6が実質上密閉された収容室
12を規定する。
【0022】装置ハウジング2の収容室12内には、記
録媒体としての磁気ディスク14と、磁気ディスク14
を回転駆動するためのスピンドルモータ16と、記録情
報を書き込み及び/又は読み出すための書込み及び/又
は読出し手段としての磁気ヘッド18と、磁気ヘッド1
8を磁気ディスク14に対して所要の通りに移動させる
ためのヘッド移動機構20が収容されている。ヘッド移
動機構20は、各磁気ディスク14の上下に配設された
アーム部材22を備え、これらアーム部材22の先端部
に磁気ヘッド18が装着されている。ヘッド移動機構2
0は、更に、ボイスコイルモータの如きアクチュエータ
24を備え、かかるアクチュエータ24によってアーム
部材22が磁気ディスク18に近接及び離隔する方向に
旋回される。
【0023】このような記録媒体駆動装置では、スピン
ドルモータ16が後述する如く回転することによって、
磁気ディスク14が所定方向に回転駆動される。アクチ
ュエータ24はアーム部材22を旋回し、それらに装着
された磁気ヘッド18は対応する磁気ディスク14の略
径方向に移動し、かくして磁気ヘッド18の作用によっ
て記録すべき記録情報が磁気ディスク14に磁気的に記
録され、また磁気ディスク14に記録された記録情報が
磁気ヘッド18によって読み取られる。
【0024】次に、図2を参照して、図示のスピンドル
モータ16について説明すると、このスピンドルモータ
16は略円形状のブラケット32を備え、このブラケッ
ト32のブラケット本体34の略中央部に静止軸部材3
6が一体的に設けられている。このブラケット32(ブ
ラケット本体34及び静止軸部材36)は、例えば鉄、
ステンレス鋼等の導電性及び磁性を有する材料から形成
される。静止軸部材36は、ブラケット本体34と別体
に形成してブラケット本体34に例えば圧入によって固
定するようにしてもよい。静止軸部材36は、ブラケッ
ト本体34から実質上垂直に延びる軸本体部38と、こ
の軸本体部38の上端から延びる先端軸部40を有し、
軸本体部38は先端軸部40よりも外径が大きく形成さ
れている。静止軸部材36の軸本体部38には、下端か
ら上端に向けて(図2において下から上に向けて)下環
状部材42、スリーブ部材44及び上環状部材46がこ
の順序で装着され、上環状部材42及び下環状部材46
の外周部は、スリーブ部材44から半径方向外方に突出
している。この形態では、静止軸部材36の一部を構成
する下環状部材42、スリーブ部材44及び上環状部材
46を確実に固定するために、固定機構48が設けられ
ている。固定機構48は押圧プレート50を備え、押圧
プレート50を通して固定用ねじ52を軸本体部38の
上端面に螺着することによって、下環状部材42、スリ
ーブ部材44及び上環状部材46が軸本体部38に確実
に取り付けられる。静止軸部材36が設けられたブラケ
ット32は、記録媒体駆動装置の装置ハウジング2のベ
ース部8に取付用ねじ(図示せず)によって図2に示す
ように取り付けられる。尚、ブラケット32を省略し、
静止軸部材36を装置ハウジング2のベース部8に直接
的に装着するようにしてもよい。
【0025】静止軸部材36にロータハブ54が回転自
在に支持されている。ロータハブ54は円筒スリーブ状
のハブ本体56を有し、このハブ本体56の下部には半
径方向外方に突出する環状フランジ58が一体的に設け
らている。このハブ本体56は、例えばアルミニウム又
はアルミ合金等の導電性材料から形成される。環状フラ
ンジ58には、複数枚(この形態では、例えば3枚)の
ハードディスクの如き磁気ディスク14(図1参照)が
環状スペーサ(図示せず)を介して載置され、ロータハ
ブ54にクランプ手段(図示せず)を装着することによ
って、これら磁気ディスク14はハブ本体56を被嵌す
るようにして環状フランジ58とクランプ手段との間に
挟持される。尚、ロータハブ54に取り付けられる磁気
ディスク14の枚数は、記録媒体駆動装置の記憶容量に
関連して1枚、2枚又は4枚以上の適宜の枚数に設定す
ることができる。
【0026】ハブ本体56の内周面には、静止軸部材3
6のスリーブ部材44に対応して軸受スリーブ60が例
えば圧入によって装着されている。図2に示すように、
軸受スリーブ60の内周面はスリーブ部材44の外周面
に対向して位置し、その下端面は下環状部材42の内側
端面外周部に対向して位置し、またその上端面は上環状
部材46の内側端面外周部に対向して位置する。このロ
ータハブ54は、エア動圧軸受手段を介して静止軸部材
36に回転自在に支持されている。この実施形態では、
エア動圧軸受手段は一対のラジアルエア動圧軸受部6
2,64と一対のスラストエア動圧軸受部66,68か
ら構成されている。ロータハブ54に作用するラジアル
荷重を支持するためのラジアルエア動圧軸受部62,6
4は、静止軸部材36のスリーブ部材44の外周面とロ
ータハブ54の軸受スリーブ60の内周面との間に軸線
方向(図2において上下方向)に間隔をおいて設けら
れ、この形態では軸受スリーブ60の内周面に形成され
た軸受グルーブ70,72から構成されている。この軸
受グルーブ70,72は、軸受スリーブ60の内周面に
設けることに代えて、又はこれに加えてスリーブ部材4
4の外周面に設けるようにしてもよい。また、ロータハ
ブ54に作用するスラスト荷重を支持するためのスラス
トエア動圧軸受部66,68のうち上側の軸受部66
は、上環状部材46の内側端面と軸受スリーブ60の上
端面との間に設けられ、この形態では上環状部材46の
内側端面に形成された軸受グルーブ74から構成されて
いる。また、下側のスラストエア動圧軸受部68は、下
環状部材42の内側端面と軸受スリーブ60の下端面と
の間に設けられ、この形態では下環状部材42の内側端
面に形成された軸受グルーブ76から構成されている。
軸受グルーブ74,76は、上環状部材46及び下環状
部材42の内側端面に設けることに代えて、又はこれに
加えて軸受スリーブ60の上端面及び下端面に設けるよ
うにしてもよい。
【0027】ロータ本体56の下端部外周面には、環状
のロータマグネット78が装着されている。また、この
ロータマグネット78に対向してその半径方向外側にス
テータ80が配設されている。ステータ80はコアプレ
ートを積層することによって形成されるステータコア8
2と、このステータコア82に所要の通りに巻かれたコ
イル84から構成され、かかるステータコア82がブラ
ケット本体34の外周部に設けられた周側壁86の内周
面に取り付けられている。
【0028】かく構成されているので、コイル84に駆
動電流を供給すると、ステータコア82が所要の通りに
磁化され、ステータコア82とロータマグネット78と
の相互磁気作用によってロータハブ54及びこれに取付
られた磁気ディスク14(図1参照)が所定方向に回転
駆動される。ロータハブ54がかく回転駆動すると、一
対のラジアルエア動圧軸受部62,64においては、ス
リーブ部材44と軸受スリーブ60との間隙に存在する
空気が軸受グルーブ70,72の作用によって圧縮され
てその圧力が高められ、また一対のスラストエア動圧軸
受部66,68においては、軸受スリーブ60と上環状
部材46及び下環状部材42との間隙に存在する空気が
軸受グルーブ74,76の作用によって圧縮されてその
圧力が高められ、かくしてハブ本体54は圧縮空気層を
介して回転自在に支持される。
【0029】このスピンドルモータ16においては、ロ
ータハブ54と静止軸部材36との間の電気的導通を確
保するために、更に、次の通りに構成されている。図2
とともに図3を参照して、静止軸部材36の先端軸部4
0とロータハブ54との間にアース手段88が配設され
ている。図示のアース手段88は、リング状のマグネッ
ト90と、このマグネット90の軸線方向両端面、即ち
収容室12側端面及びモータ内部側端面に配設された第
1及び第2ポールピース92,94とから構成されてい
る。マグネット90は、上記軸線方向(図2及び図3に
おいて上下方向)に着磁されており、例えば軸線方向外
側端部(第1ポールピース92に接触する部位)が例え
ばN極に、またその軸線方向内側端部(第2ポールピー
ス94に接触する部位)が例えばS極に着磁される。第
1及び第2ポールピース92,94は、鉄、ステンレス
鋼等の磁性及び導電性を有する材料から形成される。
【0030】この形態では、第2ポールピース94、マ
グネット90及び第1ポールピース90が軸線方向外側
に向けて、即ちモータ内部から収容室12側に向けてこ
の順序で配設され、第1ポールピース92をハブ本体5
6の上端部に装着されたブッシュ部材96に例えば圧入
することによって、アース手段88のこれらの部材がロ
ータハブ56に取り付けられる。ブッシュ部材96は、
アルミニウム又はアルミ合金等の導電性材料から形成さ
れ、上述したようにアース手段88を取り付けることに
よって、第1ポールピース92とブッシュ部材96との
間の電気的な導通状態が確保される。そして、図3に示
すように、第1ポールピース92と静止軸部材36の先
端軸部40の所定部位との間に導電性磁性流体98が充
填される。導電性磁性流体98は、第1ポールピース9
2と静止軸部材36の先端軸部40との間隙に環状に充
填されて導電層を形成し、第1ポールピース92と静止
軸部材36の先端軸部40とを電気的に導通するととも
に、この両者間の間隙をシールする。尚、アース手段8
8及びそれに関連する構成については、後に更に詳述す
る。
【0031】この形態では、アース手段88は、更に、
キャップ部材100(図2に図示すが、図3においては
省略して示している)を含んでいる。キャップ部材10
0はリング状プレートから構成され、その外周部が第1
ポールピース92の外側端面に例えば接着剤によって固
着され、その内周部は静止軸部材2の先端軸部40の端
面を覆うように半径方向内方に延びている。このキャッ
プ部材100と第1ポールピース92との間には環状空
間が存在しており、仮にアース手段88の導電性磁性流
体98が飛散しても、飛散した磁性流体98はこの環状
空間に捕捉される。次に、主として図3を参照してアー
ス手段88及びそれに関連する構成について説明する
と、図示の形態では、導電性磁性流体98を保持するた
めの第1ポールピース92はマグネット90及び第2ポ
ールピース94よりも肉厚が厚く、例えば1.5〜2.
5mm程度に形成される。尚、マグネット90の肉厚は
例えば0.2〜0.5mm程度に、また第2ポールピー
ス94の肉厚は例えば0.1mm程度に形成され、この
ように構成することによって、アース手段88全体の軸
線方向の厚さを薄くすることができ、このことに関連し
てモータの薄型化を達成することができる。
【0032】第1及び第2ポールピース92,94の内
周部はマグネット90より半径方向内方に突出し、この
形態では、第1ポールピース92の内周面は静止軸部材
36の先端軸部40の外周面に沿って図2及び図3にお
いて上下方向に実質上垂直に延びている。第1ポールピ
ース92の内周面に対向する静止軸部材36の先端軸部
40の外周面の所定部位には保持域102が設けられ、
第1ポールピース92の内周面と静止軸部材36の保持
域102との間に導電性磁性流体98が充填される。か
く構成されるので、マグネット90からの磁束は、第1
ポールピース92、導電性磁性流体98、静止軸部材3
6及び第2ポールピース94を通ってマグネット90に
戻り、導電性磁性流体98を磁気的に保持するための磁
気回路が形成される。
【0033】この形態では、静止軸部材16の保持域1
02の上記軸線方向外側端部、即ち収容室12側端部
(図2及び図3において上側端部)及び軸線方向内側端
部、即ちモータ内部側端部(図2及び図3において下側
端部)に保持テーパ部104,106が設けられてい
る。軸線方向外側(収容室12側)の保持テーパ部10
4は保持域102の軸線方向中央部108に(図2及び
図3において下方に)向けて半径方向外方に(換言する
と、第1ポールピース92の内周面に近接する方向に)
傾斜して延び、また軸線方向内側(モータ内部側)の保
持テーパ部106は保持域102の軸線方向中央部60
に(図2及び図3において上方に)向けて半径方向外方
に傾斜して延びており、上記保持域102の軸線方向中
央部60は第1ポールピース92の内周面に向けて半径
方向外方に突出している。このように構成されているの
で、第1ポールピース92と静止軸部材36の先端軸部
40との間の磁場は、保持域102の軸線方向中央部1
08が最も強く、その軸線方向両側に向かうに従って徐
々に弱くなり、導電性磁性流体98は、図3に示すよう
に、保持域102の中央部108に向けて磁気的に保持
される。
【0034】第1ポールピース92と静止軸部材36の
先端軸部40の保持域102との間に導電性磁性流体9
8を所定量充填すると、図3に示す状態となる。即ち、
導電性磁性流体98の軸線方向外側界面、即ち収容室1
2側界面(図2及び図3において上側の界面)は保持テ
ーパ部104に位置し、収容室12内の気圧がこの外側
界面に作用し、この保持テーパ部104に位置する導電
性磁性流体98は毛細管現象によって保持域102の中
央部108に向けて保持される。また、導電性磁性流体
98の軸線方向内側界面、即ちモータ内部側界面(図2
及び図3において下側界面)は他方の保持テーパ部10
6に位置し、モータ内部からの気圧がこの内側界面に作
用し、保持テーパ部106に位置する導電性磁性流体9
8は毛細管現象によって保持域102の軸線方向中央部
108に向けて保持される。このように、保持された導
電性磁性流体98は毛細管現象によって保持域102の
中央部108に向けて保持され、ロータハブ54が高速
回転したとしても遠心力による磁性流体98の飛散が抑
えられ、第1ポールピース92と静止軸部材36の先端
軸部40との間の電気的導通状態を安定して保つことが
できる。尚、保持された導電性磁性流体98に毛細管現
象が作用するように、第1ポールピース92の内周面と
静止軸部材36の保持域102との間は微小間隙に、例
えば0.05mm程度に設定される。
【0035】この形態では、図3から理解される如く、
一方の保持テーパ部104に位置する軸線方向外側界面
から他方の保持テーパ部106に位置する軸線方向内側
界面までの導電性磁性流体98が導電層として機能する
とともに、シール層(第1ポールピース92と静止軸部
材36との環状空間をシールする部分)として機能する
ので、この導電層(及びシール層)の層厚を比較的厚く
し、充分な電気的導通を得ることができるとともに、充
分な耐圧を得ることができる。また、保持テーパ部10
4,106によって生成される環状空間は導電性磁性流
体98の溜め部として機能し、磁性流体98が蒸発等に
よって減少すると、この保持テーパ部104,106に
存在する磁性流体98が毛細管現象によって保持域10
2の軸線方向中央08部1に向けて補給され、この補給
によって長期にわたって安定して電気的導通及びシール
を得ることができる。
【0036】このようなスピンドルモータ16では、軸
線方向外側の保持テーパ部104と軸線方向内側の保持
テーパ部106を次の通りに構成するのが望ましい。ロ
ータハブ54が高速回転すると、ロータハブ54の上方
空間が負圧傾向になり、このことに関連して、保持され
た導電性磁性流体98の軸線方向外側界面(収容室12
側界面)に作用する気圧はその軸線方向内側界面(モー
タ内部側界面)に作用する気圧より小さくなる。このよ
うに気圧差が生じると、導電性磁性流体98の両界面に
作用する気圧による力がアンバランスになるが、このよ
うな気圧差によるアンバランスを少なくするために、外
側(収容室12側)の保持テ−パ部104の傾斜角度α
1を内側(モータ内部側)の保持テーパ部106の傾斜
角度α2より小さくする(α1<α2)のが望ましい。
このようなアース手段88においては、導電性磁性流体
98を保持する第1ポールピース98の内周面を合成樹
脂層、例えばフッ素系樹脂(商品名「テフロン」として
市販されているもの)の層で覆うようにしてもよい。こ
のように構成すると、第1ポールピース92に対する導
電性磁性流体98の流動抵抗を小さくすることができ、
ロータハブ54の回転時のトルク負荷を抑えることがで
きる。
【0037】このアース手段88を備えたスピンドルモ
ータ16では、ロータハブ54と静止軸部材36がアー
ス手段88(第1ポールピース92及び導電性磁性流体
98)を介して電気的に導通しているので、ロータハブ
54の高速回転によって磁気ディスク14(図1参照)
の静電気が発生すると、発生した静電気は磁気ディスク
14、ロータハブ54(ハブ本体56及びブッシュ部材
96)、アース手段88を介して静止軸部材36に流
れ、更にブラケット32を通して記録媒体駆動装置の装
置ハウジング4にアースされ、かくして静電気による悪
影響を回避することができる。
【0038】図4は、アース手段の変形形態の一部及び
それに関連する構成を示しており、この変形形態ではア
ース手段の第1ポールピースに修正が施されている。
尚、図4において、図2及び図3に示す部材と実質上同
一の部材には同一の参照番号を付し、その説明を省略す
る。図4において、この変形例では、アース手段88A
の第1ポールピース92Aの内周面に戻りテーパ部11
2,114が設けられている。一方の戻りテーパ部11
2は保持域102の軸線方向外側(収容室12側)の保
持テーパ部104に対向して設けられ、この戻りテーパ
部112は第1ポールピース92Aの軸線方向中央部
(即ち、保持域102の中央部108)に向けて半径方
向外方に傾斜し、その傾斜角度は保持テーパ部104の
傾斜角度より小さく設定されている。また、他方の戻り
テーパ部114は保持域102の軸線方向内側(モータ
内部側)の保持テーパ部106に対向して設けられ、戻
りテーパ部114は第1ポールピース92Aの軸線方向
中央部に向けて半径方向外方に傾斜し、その傾斜角度は
保持テーパ部106の傾斜角度より小さく設定されてい
る。この変形形態のその他の構成は、図2及び図3に示
す実施形態と実質上同一である。
【0039】このように構成しても、静止軸部材36の
保持域102と第1ポールピース92Aの内周面との空
間は、軸線方向中央部に向けて先細となるテーパ状とな
り、図2及び図3に示す実施形態と同様の効果が達成さ
れる。加えて、第1ポールピース92Aの内周面に戻り
テーパ部112,114が設けられているので、ロータ
ハブ54の回転によって第1ポールピース92Aが回転
すると、その内周面付近の導電性磁性流体98には、発
生する遠心力によって戻りテーパ部112,114に沿
って軸線方向中央部に向かう力が作用し、これによって
導電性磁性流体98は軸線方向中央部に向けて戻され、
磁性流体98の飛散を一層効果的に防止し、導電性磁性
流体98による導電層をより安定して形成することがで
きる。
【0040】図5は、静止軸部材の変形形態の一部及び
それに関連する構成を示しており、この図5において、
図2及び図3に示す部材と実質上同一の部材には同一の
番号を付し、その説明を省略する。図5において、この
変形例では、静止軸部材36Bの保持域102Bの軸線
方向外側端部に保持テーパ部104Bが設けられ、この
保持テーパ部104Bは図2及び図3における保持テー
パ部104と実質上同一の構成であるが、この保持域1
02Bの軸線方向内側端部(モータ内部側端部)には保
持テーパ部が設けられていない。このような静止軸部材
36Bの保持域102Bとアース手段88の第1ポール
ピース92との間に導電性磁性流体98を充填すると、
図5に示すように、導電性磁性流体98は第1ポールピ
ース92の内周面と静止軸部材36Bの保持域102B
との間に保持され、その一部はマグネット98の内周面
と保持域102Bの間にも保持され、かかる部位に保持
された導電性磁性流体98が主として補充用として第1
ポールピース92の内周面に向けて補充される。
【0041】静止軸部材36Bをこのように構成して
も、導電性磁性流体98の軸線方向外側界面(収容室1
2側界面)が保持域102Bの保持テーパ部104Bに
位置し、収容室12内の圧力がこの外側界面に作用す
る。それ故に、この保持テーパ部104Bに位置する導
電性磁性流体98は毛細管現象によって保持域102B
の軸線方向内側に向けて保持され、導電性磁性流体98
の外部への飛散を上述したと同様に防止し、導電性磁性
流体98による導電層を安定して形成することができ
る。
【0042】以上、本発明に従うスピンドルモータ及び
これを備えた記録媒体駆動装置の実施形態について説明
したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものでは
なく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形乃至
修正が可能である。例えば、図示の実施形態では、アー
ス手段88(88A)のマグネット90の軸線方向両端
面にポールピース92(92A),94を設けている
が、これに限定されず、マグネット90の軸線方向外側
端面のみに第1ポールピース92(92A)を設けるよ
うにしてもよい。この場合、アース手段88(88A)
の磁気回路はマグネット90、第1ポールピース92
(92A)及び静止軸部材36(36B)を通して形成
される。
【0043】また、例えば、図示の実施形態では、第1
ポールピース92(92A)を直接的にロータハブ54
に取り付けているが、必ずしもこのように構成する必要
はなく、マグネット90及びポールピース92,94を
鉄、ステンレス鋼等の導電性材料から形成されたホルダ
(図示せず)に装着し、このホルダをロータハブ54に
取り付けるようにしてもよい。
【0044】
【発明の効果】本発明の請求項1のスピンドルモータに
よれば、ロータハブにアース手段が設けられているの
で、回転中に記録媒体に発生した静電気はこのアース手
段を介して静止軸部材に流れ、これによって、記録媒体
に静電気が貯まるのを防止することができる。また、ア
ース手段は導電性磁性流体を含んでいるので、回転する
ロータハブと静止している静止軸部材との間の電気的導
通を確保することができる。
【0045】また、本発明の請求項2のスピンドルモー
タによれば、導電性磁性流体はマグネットからの磁力に
よって静止軸部材の保持域との間に磁気的に保持され、
この導電性磁性流体の外側界面は保持テーパ部に位置す
るので、外側の気圧によってこの外側界面に軸線方向内
方への力が作用し、導電性磁性流体は毛細管現象によっ
て内側に向けて保持され、こっれによって導電性磁性流
体の飛散等を防止し、ロータハブと静止軸部材との間の
導通を長期にわたって安定して保つことができる。
【0046】また、本発明の請求項3のスピンドルモー
タによれば、アース手段のマグネットの内側端面に第2
ポールピースが設けられているので、マグネット、第1
ポールピース、静止軸部材及び第2ポールピースを通る
磁気回路が形成される。また、第1ポールピースの肉厚
は第2ポールピースの肉厚よりも厚いので、第1ポール
ピースの内周面の軸線方向の長さが長く、これによって
導電性磁性流体の導通層の厚を厚くすることができる。
また、本発明の請求項4のスピンドルモータによれば、
導電性磁性流体の外側界面は外側の保持テーパ部に位置
し、またその内側界面は内側の保持テーパ部に位置する
ので、導電性磁性流体は、外側界面に作用する外側の気
圧及び内側界面に作用する内側の気圧によって保持域の
軸線方向中央部に向けて保持され、高速回転中に生じる
遠心力による両側への流動を抑えることができる。
【0047】また、本発明の請求項5のスピンドルモー
タによれば、保持域の外側端部の保持テーパ部の傾斜角
度はその内側端部の保持テーパ部の傾斜角度よりも小さ
いので、導電性磁性流体の両界面に作用する外気圧の差
を補償することができる。また、本発明の請求項6のス
ピンドルモータによれば、第1ポールピースの内周面に
戻りテーパ部が設けられているので、発生する遠心力に
よって導電性磁性流体は戻りテーパ部に沿って軸線方向
中央部に向けて戻され、導電性磁性流体の飛散等を一層
効果的に抑えて長期にわたって安定した導通状態を保つ
ことができる。
【0048】また、本発明の請求項7のスピンドルモー
タによれば、第1ポールピースの内周面が合成樹脂層に
よって覆われているので、導電性磁性流体との間のトル
ク負荷を小さくすることができる。
【0049】また、本発明の請求項8の記録媒体駆動装
置によれば、スピンドルモータのアース手段の第1ポー
ルピースと装置ハウジングに装着された静止軸部材の保
持域との間に導電性磁性流体が充填されているので、記
録媒体に発生した静電気はロータハブ、アース手段及び
静止軸部材を介して装置ハウジング側にアースされ、静
電気による悪影響を回避することができる。また、静止
軸部材の保持域の保持テーパ部は補給用溜め部として機
能するので、長期にわたって安定してロータハブと静止
軸部材との導通状態を維持することができる。更に、本
発明の請求項9の記録媒体駆動装置によれば、アース手
段の第1ポールピースと静止軸部材との間に一層安定し
た導電性磁性流体層を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う記録媒体駆動装置の一実施形態を
簡略的に示す断面図である。
【図2】本発明に従うスピンドルモータの一実施形態を
示す断面図である。
【図3】図2のスピンドルモータにおけるアース手段の
一部及びその近傍を示す部分拡大断面図である。
【図4】変形形態のアース手段を備えたスピンドルモー
タの一部を示す、図3に対応する部分拡大断面図であ
る。
【図5】変形形態の静止軸部材を備えたスピンドルモー
タの一部を示す、図3に対応する部分拡大断面図であ
る。
【符号の説明】
2 装置ハウジング 12 収容室 14 磁気ディスク 16 スピンドルモータ 18 磁気ヘッド 32 ブラケット 36,36B 静止軸部材 54 ロータハブ 62,64 ラジアルエア動圧軸受部 66,68 スラストエア動圧軸受部 78 ロータマグネット 80 ステータ 88,88A アース手段 90 マグネット 92,92A 第1ポールピース 94 第2ポールピース 98 導電性磁性流体 102,102B 保持域 104,104B,106 保持テーパ部 112,114 戻りテーパ部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H02K 5/15 H02K 5/15 7/08 7/08 A 7/14 7/14 C 21/14 21/14 M Fターム(参考) 3J011 AA20 BA02 BA08 CA02 JA03 KA04 MA24 5D109 BA01 BA15 BA18 BA20 BA31 5H605 AA04 AA12 BB05 BB14 CC04 CC05 DD03 EB03 EB06 EB27 EB28 EB30 FF13 FF14 5H607 AA06 BB01 BB07 BB14 BB25 CC01 DD16 GG01 GG09 GG12 GG19 GG28 KK01 KK03 5H621 AA04 GA01 GB03 HH01 HH08 JK02 JK07 JK10 JK17 JK19

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 静止軸部材と、前記静止軸部材に対して
    回転自在であるロータハブと、前記ロータハブと前記静
    止軸部材との間に介在されたエア動圧軸受手段と、前記
    ロータハブに装着されたロータマグネットと、前記ロー
    タマグネットに対向して配設されたステータとを具備す
    るスピンドルモータにおいて、 前記ロータハブには前記静止軸部材との間の電気的導通
    を行うためのアース手段が装着され、前記アース手段は
    導電性磁性流体を含んでいることを特徴とするスピンド
    ルモータ。
  2. 【請求項2】 前記アース手段は、導電性磁性流体を磁
    気的に保持するための磁力を発生するマグネットと、こ
    のマグネットの軸線方向外側端面に配設された第1ポー
    ルピースとを備え、前記静止軸部材の所定部位には、前
    記第1のポールピースに対向して保持域が設けられ、前
    記静止軸部材の前記保持域と前記第1ポールピースとの
    間に前記導電性磁性流体が充填され、前記保持域の少な
    くとも軸線方向外側端部には、前記保持域の軸線方向中
    央部に向けて半径方向外方に傾斜して延びる保持テーパ
    部が設けられていることを特徴とする請求項1記載のス
    ピンドルモータ。
  3. 【請求項3】 前記アース手段の前記マグネットの軸線
    方向内側端面には第2ポールピースが配設され、前記第
    1ポールピースの肉厚は前記第2ポールピースの肉厚よ
    り厚く形成され、前記第1ポールピースと前記静止軸部
    材の前記保持域との間に導電性磁性流体が充填されてい
    ることを特徴とする請求項2記載のスピンドルモータ。
  4. 【請求項4】 前記保持テーパ部は前記静止軸部材の前
    記保持域の軸線方向外側端部及び軸線方向内側端部に設
    けられ、前記保持域の軸線方向中央部が前記第1ポール
    ピースの内周面に向けて突出していることを特徴とする
    請求項2又は3記載のスピンドルモータ。
  5. 【請求項5】 前記静止軸部材の前記保持域の軸線方向
    外側端部に設けられた前記保持テーパ部の傾斜角度は、
    その軸線方向内側端部に設けられた前記保持テーパ部の
    傾斜角度よりも小さいことを特徴とする請求項4記載の
    スピンドルモータ。
  6. 【請求項6】 前記第1ポールピースの内周面には、そ
    の軸線方向中央部に向けて半径方向外方に傾斜して延び
    る戻りテーパ部が設けられ、前記戻りテーパ部の傾斜角
    度は前記静止軸部材の前記保持テーパ部の傾斜角度より
    も小さいことを特徴とする請求項4又は5記載のスピン
    ドルモータ。
  7. 【請求項7】 前記第1ポールピースの内周面は合成樹
    脂層によって覆われていることを特徴とする請求項2〜
    6のいずれかに記載のスピンドルモータ。
  8. 【請求項8】 収容室を規定する装置ハウジングと、前
    記装置ハウジングに装着されたスピンドルモータと、前
    記スピンドルモータによって所定方向に回転駆動される
    記録媒体と、前記記録媒体に記録情報を書き込む及び/
    又は記録情報を読み出すための書込み及び/又は読出し
    手段とを具備し、 前記スピンドルモータ、前記記録媒体並びに前記書込み
    及び/又は読出し手段が前記収容室に収容され、 前記スピンドルモータは、前記装置ハウジングに装着さ
    れた静止軸部材と、前記静止軸部材に対して回転自在で
    あるロータハブと、前記ロータハブと前記静止軸部材と
    の間に介在されたエア動圧軸受手段と、前記ロータハブ
    に装着されたロータマグネットと、前記ロータマグネッ
    トに対向して配設されたステータとを備えた記録媒体駆
    動装置において、 前記スピンドルモータの前記ロータハブには前記静止軸
    部材との間の電気的導通を行うためのアース手段が装着
    されており、 前記アース手段は導電性磁性流体を磁気的に保持するた
    めの磁力を発生するマグネットと、このマグネットの軸
    線方向外側端面に配設された第1ポールピースとを備え
    ており、 前記静止軸部材の所定部位には、前記第1のポールピー
    スに対向して保持域が設けられ、前記静止軸部材の前記
    保持域と前記第1ポールピースとの間に前記導電性磁性
    流体が充填されており、 前記保持域の少なくとも軸線方向外側端部には、前記保
    持域の軸線方向中央部に向けて半径方向外方に傾斜して
    延びる保持テーパ部が設けられていることを特徴とする
    記録媒体駆動装置。
  9. 【請求項9】 前記スピンドルモータの前記アース手段
    の前記マグネットの軸線方向内側端面には第2ポールピ
    ースが配設され、前記第1ポールピースの肉厚は前記第
    2ポールピースの肉厚より厚く形成され、前記第1ポー
    ルピースと前記静止軸部材の前記保持域との間に導電性
    磁性流体が充填され、前記保持テーパ部は前記静止軸部
    材の前記保持域の軸線方向外側端部及び軸線方向内側端
    部に設けられ、前記保持域の軸線方向中央部が前記第1
    ポールピースの内周面に向けて突出していることを特徴
    とする請求項8記載の記録媒体駆動装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014207822A (ja) * 2013-04-15 2014-10-30 イーグル工業株式会社 導電構造

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