JP2014207749A - 受電装置およびそれを備える車両、送電装置、ならびに電力伝送システム - Google Patents

受電装置およびそれを備える車両、送電装置、ならびに電力伝送システム Download PDF

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Abstract

【課題】送電部および受電部の近傍に侵入した異物を、誤検知を抑制しつつ簡易な構成で検知可能とする。【解決手段】異物検出部160は、送電部および受電部の近傍に侵入した異物170を検出する。異物検出部160は、送信アンテナ172と、受信アンテナ173,174と、ミキサ175,176と、ローカル発信器177と、位相差検知部178と、判定部179とを含む。受信アンテナ173,174は、送信アンテナ172から送信される電波の反射波を受信する。位相差検知部178は、受信アンテナ173,174によって受信される受信波の間の位相差を検知する。判定部179は、受信波の間の位相差に基づいて異物を検知する。【選択図】図7

Description

この発明は、受電装置およびそれを備える車両、送電装置、ならびに電力伝送システムに関し、特に、受電装置の受電部および送電装置の送電部の近傍に侵入した異物を検出する技術に関する。
国際公開第2013/001812号パンフレット(特許文献1)は、給電装置から受電装置へ非接触で電力を供給する電力伝送システムにおいて、一次コイルと二次コイルとの間への異物を確実に検知可能とする技術を開示する。この電力伝送システムにおいては、たとえば、給電装置は、送電用の一次コイルと、一次コイルを覆うカバーと、カバー上の物体(異物)の動きを検知可能な動き検知手段とを備える。
動き検知手段は、ドップラーセンサによって構成される。ドップラーセンサは、送信アンテナと、送信アンテナに隣接して配置される受信アンテナとを含む。ドップラーセンサは、受信電波の周波数と送信電波の周波数との差分であるドップラー周波数を算出することによって、物体の移動速度(動き)を検知する。これにより、一次コイルと受電装置の二次コイルとの間への異物の侵入を確実に検知することができるとされる(特許文献1参照)。
国際公開第2013/001812号パンフレット 国際公開第2012/090341号パンフレット 特開2009−87158号公報
異物の目標検知領域に対してセンサの検出領域を合わせこむには、センサの配置箇所、送信/受信アンテナのアンテナパターン、電波の送受信方向、送信電波の大きき等の調整が必要である。1つのセンサ(たとえばドップラーセンサ)では、このような調整の自由度が低く、アンテナの設置自由度も低くなる。また、1つのセンサでは、検知対象物の反射強度が大きい場合には、マルチパスの影響等によって誤検出をする可能性も高まる。
ドップラーセンサを複数配置することによって誤検出を回避することも考えられるが、その場合には、複数のドップラーセンサにより検出される、分解された速度ベクトルに基づいて物体の移動速度(動き)を算出する必要があり、処理が複雑になる。また、ドップラーセンサは、電波法によって使用可能な周波数が規定されており、使用に際して制約が多い。
それゆえに、この発明の目的は、送電装置から非接触で受電する受電装置において、受電部の近傍に侵入した異物を、誤検知を抑制しつつ簡易な構成で検知可能とすることである。
また、この発明の別の目的は、受電装置へ非接触で送電する送電装置において、送電部の近傍に侵入した異物を、誤検知を抑制しつつ簡易な構成で検知可能とすることである。
また、この発明の別の目的は、送電装置から受電装置へ非接触で電力を伝送する電力伝送システムにおいて、送電部および受電部の近傍に侵入した異物を、誤検知を抑制しつつ簡易な構成で検知可能とすることである。
この発明によれば、受電装置は、送電装置から電力を受ける受電装置であって、受電部と、異物検出部とを備える。受電部は、送電装置の送電部から非接触で受電する。異物検出部は、受電部の近傍に侵入した異物を検出する。異物検出部は、送信部と、複数の受信部と、検知部とを含む。送信部は、電波を送信する。複数の受信部は、送信部から送信される電波の反射波を受信する。検知部は、複数の受信部によって受信される受信波の間の位相差に基づいて異物を検知する。
好ましくは、複数の受信部は、複数の受信部によって設定される検知領域および受電部を送電部の設置面に沿って平面視したときに、検知領域が受電部を含むように配置される。
さらに好ましくは、送信部および複数の受信部は、送信部および複数の受信部を送電部の設置面に沿ってさらに平面視したときに、送信部および複数の受信部が検知領域の外部に位置するように配置される。
また、好ましくは、送信部は、無指向性の送信アンテナを含む。送信アンテナは、送信アンテナを送電部の設置面に沿ってさらに平面視したときに、送信アンテナが検知領域の内部に位置するように配置される。
さらに好ましくは、複数の受信部は、複数の受信アンテナ対を含む。検知部は、複数の判定部と、回路とを含む。複数の判定部は、複数の受信アンテナ対に対応して設けられ、各判定部は、対応の受信アンテナ対において受信される受信波間の位相差に基づいて異物の有無を判定する。回路は、複数の判定部の判定結果に基づいて異物の検知結果を出力する。
さらに好ましくは、送信アンテナは、複数の周波数の電波を送信する。複数の受信部は、複数の周波数の電波をそれぞれ受信する。
好ましくは、受電部の固有周波数と送電部の固有周波数との差は、受電部の固有周波数または送電部の固有周波数の±10%以下である。
また、好ましくは、受電部と送電部との結合係数は0.3以下である。
また、好ましくは、受電部は、受電部と送電部との間に形成される磁界と、受電部と送電部との間に形成される電界との少なくとも一方を通じて、送電部から受電する。磁界および電界は、受電部と送電部との間に形成され、かつ、特定の周波数で振動する。
また、この発明によれば、車両は、送電装置から電力を受ける受電装置を備える。受電装置は、受電部と、異物検出部とを含む。受電部は、送電装置の送電部から非接触で受電する。異物検出部は、受電部の近傍に侵入した異物を検出する。異物検出部は、送信部と、複数の受信部と、検知部とを含む。送信部は、電波を送信する。複数の受信部は、送信部から送信される電波の反射波を受信する。検知部は、複数の受信部によって受信される受信波の間の位相差に基づいて異物を検知する。
好ましくは、複数の受信部は、複数の受信部によって設定される検知領域および車体を送電部の設置面に沿って平面視したときに、車体の領域内に検知領域が含まれるように配置される。
また、この発明によれば、送電装置は、受電装置へ電力を供給する送電装置であって、送電部と、異物検出部とを備える。送電部は、受電装置の受電部へ非接触で送電する。異物検出部は、送電部の近傍に侵入した異物を検出する。異物検出部は、送信部と、複数の受信部と、検知部とを含む。送信部は、電波を送信する。複数の受信部は、送信部から送信される電波の反射波を受信する。検知部は、複数の受信部によって受信される受信波の間の位相差に基づいて異物を検知する。
好ましくは、複数の受信部は、複数の受信部によって設定される検知領域を送電部の設置面に沿って平面視したときに、検知領域が送電部を含むように配置される。
また、この発明によれば、電力伝送システムは、送電装置から受電装置へ非接触で電力を伝送する電力伝送システムであって、送電部と、受電部と、異物検出部とを備える。送電部は、受電装置へ非接触で送電する。受電部は、送電部から非接触で受電する。異物検出部は、送電部および受電部の近傍に侵入した異物を検出する。異物検出部は、送信部と、複数の受信部と、検知部とを含む。送信部は、電波を送信する。複数の受信部は、送信部から送信される電波の反射波を受信する。検知部は、複数の受信部によって受信される受信波の間の位相差に基づいて異物を検知する。
好ましくは、複数の受信部は、複数の受信部によって設定される検知領域および受電部を送電部の設置面に沿って平面視したときに、検知領域が送電部および受電部を含むように配置される。
この発明においては、送信部から送信される電波の反射波を受信する受信部が複数設けられるので、1つのセンサ(1つの送信部と1つの受信部)の場合に比べて誤検知を低減できる。また、複数の受信部によって受信される受信波の間の位相差に基づいて異物を検知するので、送信部および受信部を備えるドップラーセンサを複数備える場合に比べて、処理を簡易化できる。したがって、この発明によれば、侵入した異物を、誤検知を抑制しつつ簡易な構成で検知することができる。
この発明の実施の形態1による電力伝送システムの全体構成図である。 車両の底面を示した図である。 受電装置の分解斜視図である。 受電部および送電装置の送電部を示す斜視図である。 受電部が送電部と対向するように車両が停車した状態を示す斜視図である。 受電部が送電部と対向した状態における車両の一部を示す側面図である。 異物検出部の構成を機能的に示すブロック図である。 送信アンテナおよび受信アンテナによる異物の検知領域を示した図である。 車両ECUにより実行される異物有無の判定処理を説明するためのフローチャートである。 送電部および受電部の構成を示した図である。 送電部および受電部の他の構成例を示した図である。 送電装置から車両への電力伝送時の等価回路図である。 電力伝送システムのシミュレーションモデルを示す図である。 送電部および受電部の固有周波数のズレと電力伝送効率との関係を示す図である。 固有周波数を固定した状態で、エアギャップを変化させたときの電力伝送効率と、送電部に供給される電流の周波数との関係を示すグラフである。 電流源または磁流源からの距離と電磁界の強度との関係を示した図である。 検知領域内に異物が侵入したときの受信波の位相差および低域通過処理を行なった位相差の波形を示した図である。 実施の形態1の変形例1における異物有無の判定処理を説明するためのフローチャートである。 実施の形態1の変形例2における、送信アンテナおよび受信アンテナの配置および異物の検知領域を示した図である。 実施の形態2における異物検出部の構成を機能的に示すブロック図である。 実施の形態2における送信アンテナおよび受信アンテナによる異物の検知領域を示した図である。 実施の形態3における異物検出部の構成を機能的に示すブロック図である。 異物検出部の他の構成を示す機能ブロック図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下に複数の実施の形態について説明するが、各実施の形態で説明された構成を適宜組み合わせることは出願当初から予定されている。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
[実施の形態1]
(電力伝送システムの構成)
図1は、この発明の実施の形態1による電力伝送システムの全体構成図である。図1を参照して、この電力伝送システムは、車両100と、送電装置200とを備える。車両100は、受電部110と、整流回路125と、蓄電装置130と、動力生成装置140と、車両ECU(Electronic Control Unit)150と、異物検出部160とを含む。送電装置200は、高周波電源220と、送電部230とを含む。
車両100の受電部110は、送電装置200の送電部230から送出される電力を非接触で受電して整流回路125へ出力する。この実施の形態1では、地中または地表に送電部230が設けられ、受電部110は、車体下部のたとえば車両後方側に設けられる。なお、受電部110の配設箇所はこれに限定されるものではなく、地中または地表に送電部230が設けられる場合に、受電部110は、車体下部の車両前方側は中央部に設けてもよい。受電部110は、一例として、コイルおよびキャパシタを含む共振回路によって構成される。受電部110の具体的な構成については、送電装置200の送電部230とともに後ほど説明する。
整流回路125は、受電部110から受ける交流電力を直流電力に変換し、その変換された直流電力を蓄電装置130へ出力することによって蓄電装置130を充電する。蓄電装置130は、再充電可能な直流電源であり、たとえばリチウムイオンやニッケル水素などの二次電池によって構成される。蓄電装置130は、整流回路125から出力される電力を蓄えるほか、動力生成装置140によって発電される電力も蓄える。そして、蓄電装置130は、その蓄えられた電力を動力生成装置140へ供給する。なお、蓄電装置130として大容量のキャパシタも採用可能である。
動力生成装置140は、蓄電装置130に蓄えられる電力を用いて車両100の走行駆動力を発生する。特に図示しないが、動力生成装置140は、たとえば、蓄電装置130から電力を受けるインバータ、インバータによって駆動されるモータ、モータによって駆動される駆動輪等を含む。なお、動力生成装置140は、蓄電装置130を充電するための発電機と、その発電機を駆動可能なエンジンを含んでもよい。
異物検出部160は、受電部110および送電装置200の送電部230の近傍に侵入した異物(図示せず)を検出するためのセンサ装置である。なお、異物とは、異物検出部160の検出範囲に本来存在しないものであり、たとえば、所定間隔を空けて非接触で電力伝送を行なう電力伝送システムの送電部と受電部との間に存在する金属片(飲料缶やお金等)や動物等が想定される。
異物検出部160は、電波式の物体検出センサであり、送信部から電波を送信し、受信部によって受信される、送信部から送信された電波の反射波に基づいて物体(異物)を検出する。異物検出部160は、この実施の形態1では、受電部110の配置に対応して、車体下部の車両後方側に設置される。そして、異物検出部160が異物を検知可能な領域を示す検知領域および受電部110を地面に投影したときに、異物検出部160は、その検知領域が受電部110を含むように配置される。すなわち、異物検出部160は、送電部230から受電部110への電力伝送時に受電部110に対向する送電部230を検知領域に含むように配置される。異物検出部160の配置および構成については、後ほど詳しく説明する。
車両ECU150は、蓄電装置130から充電状態(SOC:State Of Charge)に関する充電情報を受け、その充電情報に基づいて送電装置200による蓄電装置130の充電を制御する。また、車両ECU150は、異物検出部160の検知信号に基づいて異物の有無を判定し、異物が存在すると判定された場合には、受電部110による受電を停止するための制御を実行するとともに、利用者に対してその旨を報知する。たとえば、車両ECU150は、図示しない通信手段によって、送電装置200から車両100への送電を停止するための送電停止指令を送電装置200へ送信する。
送電装置200においては、高周波電源220は、たとえば系統電源210から電力を受けて高周波の交流電力を生成する。送電部230は、高周波電源220から高周波の交流電力の供給を受け、車両100の受電部110へ非接触で電力を伝送する。一例として、送電部230は、コイルおよびキャパシタを含む共振回路によって構成される。なお、送電部230の具体的な構成についても、車両100の受電部110とともに後ほど説明する。
図2は、車両100の底面を示した図である。この図2を参照して、「D」は鉛直方向下方を示す。「L」は車両左方向を示し、「R」は車両右方向を示す。また、「F」は車両前方向を示し、「B」は車両後方向を示す。車両100の底面とは、車両100のタイヤが地面と接地された状態において、車両100の鉛直方向下方から車両100を見たときに見える面である。そして、受電部110を含む受電装置111、および異物検出部160は、車両100の底面に設けられる。
なお、受電装置111および異物検出部160が底面に設けられるとは、フロアパネルに直付けされている場合や、フロアパネルやサイドメンバ、クロスメンバ等から懸架されている場合を含む。また、受電部110が底面に設けられるとは、受電装置111が底面に設けられた状態において、受電装置111の筐体内に受電部110が収容されていることを意味する。
受電部110(受電装置111)は、この実施の形態1では、車体中央部P1よりも車両後方向B側であって、車体の幅方向の略中央に配置される。
異物検出部160は、送信アンテナ172と、受信アンテナ173,174とを含む。送信アンテナ172および受信アンテナ173,174は、受電装置111の近傍に配設され、この実施の形態1では、受電装置111の車両後方向B側に配設される。また、この実施の形態1では、送信アンテナ172は、車体の幅方向の略中央部に配設され、受信アンテナ173,174は、それぞれ送信アンテナ172の車両右方向R側および車両左方向L側に配設される。
送信アンテナ172は、車両ECU150(図1)からの指令に基づいて、異物検知用に所定周波数の電波を送信する。受信アンテナ173,174は、送信アンテナ172から送信された電波の反射波を受信し、その受信結果を車両ECU150へ送信する。
図3は、受電装置111の分解斜視図である。図3を参照して、受電装置111は、受電部110と、受電部110を内部に収容する筐体116とを備える。受電部110は、コイルユニット114と、キャパシタ115とを含む。コイルユニット114は、フェライトコア113と、コイル(二次コイル)112とを含む。フェライトコア113は、板状に形成される。コイル112は、フェライトコア113の周面に巻回される。なお、フェライトコア113を樹脂性の固定部材内に収容し、コイル112をこの固定部材の周面に巻きつけることで、コイル112をフェライトコア113に装着するようにしてもよい。そして、コイル112は、整流回路125(図1)に電気的に接続される。キャパシタ115は、コイル112に電気的に接続される。なお、受電部110において、キャパシタ115は、必須の構成ではない。
筐体116は、開口部を有する有底状のシールド117と、シールド117の開口部を閉塞するように配置された蓋部118とを備える。シールド117は、フロアパネル106と対向する天板部と、天板部から鉛直方向下方Dに垂れ下がる環状の周壁部とを含む。シールド117は、たとえば、銅などの金属材料から形成される。蓋部118は、シールド117の開口部を閉塞するように形成され、たとえば樹脂材料などから形成される。
図4は、受電部110および送電装置200の送電部230を示す斜視図である。図4を参照して、送電部230は、筐体236の内部に収容される。送電部230は、コイルユニット234と、キャパシタ235とを含む。コイルユニット234は、フェライトコア233と、コイル(一次コイル)232とを含む。フェライトコア233は、板状に形成される。コイル232は、フェライトコア233の周面に巻回される。なお、フェライトコア233を樹脂性の固定部材内に収容し、コイル232をこの固定部材の周面に巻きつけることで、コイル232をフェライトコア233に装着するようにしてもよい。そして、コイル232は、高周波電源220(図1)に接続される。キャパシタ235は、コイル232に電気的に接続される。なお、送電部230においても、キャパシタ235は、必須の構成ではない。
筐体236は、鉛直方向上方Uに向けて開口する開口部が形成されたシールド237と、このシールド237の開口部を閉塞するように配置された図示しない蓋部とを含む。シールド237は、たとえば、銅などの金属材料から形成される。
受電部110と送電部230との間で電力を伝送する際には、受電部110と送電部230とが鉛直方向に対向する。なお、この実施の形態1において、受電部110の大きさと送電部230の大きさとは、実質的に同じ大きさとされているが、たとえば送電部230を受電部110よりも大きく形成してもよい。
図5は、受電部110が送電部230と対向するように車両100が停車した状態を示す斜視図であり、図6は、受電部110が送電部230と対向した状態における車両100の一部を示す側面図である。図5および図6を参照して、受電部110は、送電部230の上方に配置され、送電部230と対向する。
(異物検出部の構成)
図7は、異物検出部160の構成を機能的に示すブロック図である。図7を参照して、異物検出部160は、発信器171と、送信アンテナ172と、受信アンテナ173,174と、ミキサ175,176と、ローカル発信器177と、位相差検出器178と、判定部179とを含む。
発信器171は、高周波のRF(Radio Frequency)信号を生成し、その生成したRF信号を送信アンテナ172へ出力する。発信器171により生成されるRF信号の周波数は、たとえば2.4GHz程度である。送信アンテナ172は、異物170を検知する所定の検知領域を含む領域に向けて、発信器171から受けるRF信号を送信する。なお、この実施の形態1では、送信アンテナ172は、指向性のアンテナである。
検知領域内に異物170が存在すると、送信アンテナ172から送信されたRF信号は、異物170によって反射される。そして、受信アンテナ173,174の各々は、送信アンテナ172から送信されたRF信号の反射波を受信する。
ミキサ175は、受信アンテナ173によって受信されるRF信号を示す信号RF1をローカル発信器177の出力と混合し、RF信号よりも低周波のIF(Intermediate Frequency)信号である信号IF1を出力する。ミキサ176は、受信アンテナ174によって受信されるRF信号を示す信号RF2をローカル発信器177の出力と混合し、信号IF2を出力する。信号IF1,IF2の周波数は、たとえば40MHz程度である。すなわち、信号IF1,IF2の周波数が40MHz程度となるように、ローカル発信器177の周波数が設定される。
位相差検出器178は、信号IF1,IF2間の位相差Δφを検出する。なお、ミキサ175,176およびローカル発信器177によって受信波の周波数変換を行なっても、位相情報は周波数変換後の信号に受け継がれるので、位相差検出器178は、信号RF1,RF2間の位相差Δφを検出しているとも言える。なお、位相差検出器178には、市販の位相差検出器あるいは位相比較器を用いることができ、アナログ方式のものであってもよいし、デジタル方式のものであってもよい。
判定部179は、位相差検出器178によって検出された位相差Δφに基づいて、検知領域内における異物170の有無を判定する。以下、受信アンテナ173,174により受信される受信波の位相差Δφに基づく異物170の検出原理について説明する。
受信波である信号RF1,RF2の位相をそれぞれφ1,φ2とすると、位相φ1,φ2は次式によって表わされる。
φ1=φ01−4π×R1/λ …(1)
φ2=φ02−4π×R2/λ …(2)
ここで、φ01は信号RF1の初期位相を示し、φ02は信号RF2の初期位相を示す。また、R1は、送信アンテナ172→異物170→受信アンテナ173の空間伝播距離を示し、R2は、送信アンテナ172→異物170→受信アンテナ174の空間伝播距離を示す。λは電波の波長を示す。
式(1),(2)より、位相差Δφは次式のようになる。
Δφ=φ1−φ2=(φ01−φ02)−4π(R1−R2)/λ …(3)
位相差Δφの時間微分は次式によって表わされる。
dφ/dt=4π(V2−V1)/λ …(4)
ここで、V1は、異物170の受信アンテナ173への接近速度を示し、V2は、異物170の受信アンテナ174への接近速度を示す。したがって、位相差Δφの時間変化の周波数をfとすると、dφ/dt=ω=2πfであるから、周波数fは次式によって表わされる。
f=2×(V2−V1)/λ …(5)
式(5)より、異物170の移動時には周波数fが変化し、異物170の静止時には周波数fは0の直流値を持つ。したがって、位相差Δφの周波数fを検出することによって、検知領域内を移動する異物170を検出することができる。なお、式(5)から、V1とV2との速度差が大きいほど周波数fは大きくなり、異物の検出感度は高くなるので、受信アンテナ173,174の間隔は広くとるのが好ましい。また、式(3)より、位相差Δφを初期位相差Δφ0(=φ01−φ02)と比較することによって、検知領域内への侵入後に静止した異物170の有無も検出可能である。
なお、ミキサ175,176および位相差検出器178は、市販のIC(Integrated Circuit)等によって構成され、判定部179は、車両ECU150(図1)内に設けられる。
図8は、送信アンテナ172および受信アンテナ173,174による異物の検知領域を示した図である。図8を参照して、この図は、各アンテナおよびそれらの検知領域を車両100の鉛直方向上方から平面視したときのものである。
領域A1は、検知領域を定めるための基準領域を示し、領域A2は、送信アンテナ172の検出領域を示す。領域A3は、受信アンテナ173の検出領域を示し、領域A4は、受信アンテナ174の検出領域を示す。
領域A2〜A4が重複する斜線領域が異物検出部160の検知領域であり、受信アンテナ173,174により受信される受信波の位相差Δφに基づいて異物170の有無が検知される。そして、検知領域(斜線領域)内に受電部110(受電部110に対向する送電部230)が含まれるように、送信アンテナ172および受信アンテナ173,174が配設され、かつ、領域A1〜A4が設定される。
なお、検知領域(斜線領域)は、図示されない車体の領域内に含まれる。すなわち、車体の領域内に検知領域(斜線領域)が含まれるように、送信アンテナ172および受信アンテナ173,174が配設され、かつ、領域A1〜A4が設定される。
図9は、車両ECU150により実行される異物有無の判定処理を説明するためのフローチャートである。なお、このフローチャートについては、予め格納されたプログラムがメインルーチンから呼び出されて実行されることにより実現される。あるいは、全部または一部のステップについて、専用のハードウェア(電子回路)を構築して処理を実現することも可能である。
図9を参照して、処理が開始されると、車両ECU150は、位相差検出器178(図7)からの位相差Δφを初期位相差Δφ0として読み込む(ステップS10)。次いで、車両ECU150は、位相差検出器178からの位相差Δφを読み込む(ステップS20)。そして、車両ECU150は、ステップS20において読み込んだ位相差Δφの時間変化の周波数fを算出する(ステップS30)。周波数fの算出には、フーリエ変換等の公知の手法を用いることができる。
次いで、車両ECU150は、算出された周波数fが0であるか否かを判定する(ステップS40)。なお、周波数fが0であるとは、厳密に0の場合だけでなく、値の小さい所定のしきい値よりも周波数fが低い場合も含む。周波数fが0でないと判定されると(ステップS40においてNO)、車両ECU150は、周波数fが所定のしきい値f1よりも高いか否かを判定する(ステップS50)。このしきい値f1は、検知領域内を移動する異物の有無を判定するための判定値であり、上記の式(5)に基づいて予め設定される。
そして、周波数fがしきい値f1よりも高いと判定されると(ステップS50においてYES)、車両ECU150は、検知領域内を移動する異物が存在するものと判定する(ステップS60)。ステップS50において周波数fがしきい値f1以下であると判定されると(ステップS50においてNO)、車両ECU150は、検知領域内に異物はないものと判定する(ステップS70)。
一方、ステップS40において周波数fが0であると判定されると(ステップS40においてYES)、車両ECU150は、ステップS20において読み込まれた位相差ΔφとステップS10において読み込まれた初期位相差Δφ0との差の絶対値が所定のしきい値TH1よりも大きいか否かを判定する(ステップS80)。このしきい値TH1は、検知領域内に侵入して停止した異物の有無を判定するための判定値である。
そして、位相差Δφと初期位相差Δφ0との差の絶対値がしきい値TH1よりも大きいと判定されると(ステップS80においてYES)、車両ECU150は、検知領域内に侵入して停止した異物が存在するものと判定する(ステップS90)。位相差Δφと初期位相差Δφ0との差の絶対値がしきい値TH1以下であると判定されたときは(ステップS80においてNO)、車両ECU150は、ステップS70へ処理を移行し、検知領域内に異物はないものと判定される。
上記のステップS60、S70またはS80に続いて、車両ECU150は、異物有無の判定処理の終了が指示されたか否かを判定する(ステップS100)。そして、判定処理が継続されるときは(ステップS100においてNO)、ステップS20へ処理が戻され、位相差検出器178から位相差Δφが再度読み込まれる。
(非接触電力伝送の原理)
図10は、送電部230および受電部110の構成を示した図である。図10を参照して、送電部230は、コイル232(以下「共振コイル」とも称し、「共鳴コイル」等と適宜称してもよい。)と、キャパシタ235と、コイル238(以下「電磁誘導コイル」とも称する。)とを含む。
電磁誘導コイル238は、電磁誘導により共振コイル232と磁気的に結合可能である。電磁誘導コイル238は、高周波電源220(図1)から供給される交流電力を、電磁誘導によって共振コイル232に伝達する。共振コイル232は、電磁誘導コイル238から伝達された電力を、車両100の受電部110へ非接触で転送する。
受電部110は、コイル112(以下「共振コイル」とも称し、「共鳴コイル」等と適宜称してもよい。)と、キャパシタ115と、コイル120(以下「電磁誘導コイル」とも称する。)とを含む。
共振コイル112は、送電部230の共振コイル232から非接触で電力を受電する。電磁誘導コイル120は、電磁誘導により共振コイル112と磁気的に結合可能である。電磁誘導コイル120は、共振コイル112により受電された電力を電磁誘導により取出して整流回路125(図1)へ出力する。
なお、図10においては、受電部110および送電部230がそれぞれ電磁誘導コイル120,238を有する構成を示したが、図11に示される構成のように、受電部110および送電部230が電磁誘導コイルを備えない構成とすることも可能である。この場合には、送電部230においては、共振コイル232が高周波電源220(図1)に接続され、受電部110においては、共振コイル112が整流回路125(図1)に接続される。
なお、送電部230において、キャパシタ235(239)は、共振コイル232に直列に接続されて共振コイル232とLC共振回路を形成するが、キャパシタ235(239)は、共振コイル232に並列に接続してもよい。また、受電部110においても、キャパシタ115(121)は、共振コイル112に直列に接続されて共振コイル112とLC共振回路を形成するが、キャパシタ115(121)は、共振コイル112に並列に接続してもよい。
図12は、送電装置200から車両100への電力伝送時の等価回路図である。図12を参照して、送電装置200において、送電部230の電磁誘導コイル238は、共振コイル232と所定の間隔をおいて、たとえば共振コイル232と略同軸上に設けられる。電磁誘導コイル238は、電磁誘導により共振コイル232と磁気的に結合し、高周波電源220から供給される高周波電力を電磁誘導により共振コイル232へ供給する。
共振コイル232は、キャパシタ235とともにLC共振回路を形成する。なお、後述するように、車両100の受電部110においてもLC共振回路が形成される。共振コイル232およびキャパシタ235によって形成されるLC共振回路の固有周波数と、受電部110のLC共振回路の固有周波数との差は、前者の固有周波数または後者の固有周波数の±10%以下である。そして、共振コイル232は、電磁誘導コイル238から電磁誘導により電力を受け、車両100の受電部110へ非接触で送電する。
なお、電磁誘導コイル238は、高周波電源220から共振コイル232への給電を容易にするために設けられるものであり、図11に示したように、電磁誘導コイル238を設けずに共振コイル232に高周波電源220を直接接続してもよい。また、キャパシタ235は、共振回路の固有周波数を調整するために設けられるものであり、共振コイル232の浮遊容量を利用して所望の固有周波数が得られる場合には、キャパシタ235を設けない構成としてもよい。
一方、車両100において、受電部110の共振コイル112は、キャパシタ115とともにLC共振回路を形成する。上述のように、共振コイル112およびキャパシタ115によって形成されるLC共振回路の固有周波数と、送電装置200の送電部230における、共振コイル232およびキャパシタ235によって形成されるLC共振回路の固有周波数との差は、前者の固有周波数または後者の固有周波数の±10%である。そして、共振コイル112は、送電装置200の送電部230から非接触で受電する。
電磁誘導コイル120は、共振コイル112と所定の間隔をおいて、たとえば共振コイル112と略同軸上に設けられる。電磁誘導コイル120は、電磁誘導により共振コイル112と磁気的に結合し、共振コイル112によって受電された電力を電磁誘導により取出して電気負荷122へ出力する。なお、電気負荷122は、受電部110によって受電された電力を受ける電気機器であり、具体的には、整流回路125(図1)以降の電気機器を包括的に表わしたものである。
なお、電磁誘導コイル120は、共振コイル112からの電力の取出しを容易にするために設けられるものであり、図11に示したように、電磁誘導コイル120を設けずに共振コイル112を電気負荷122に直接接続してもよい。また、キャパシタ115は、共振回路の固有周波数を調整するために設けられるものであり、共振コイル112の浮遊容量を利用して所望の固有周波数が得られる場合には、キャパシタ115を設けない構成としてもよい。
送電装置200において、高周波電源220から電磁誘導コイル238へ高周波の交流電力が供給され、電磁誘導コイル238を用いて共振コイル232へ電力が供給される。そうすると、共振コイル232と車両100の共振コイル112との間に形成される磁界を通じて共振コイル232から共振コイル112へエネルギ(電力)が移動する。共振コイル112へ移動したエネルギ(電力)は、電磁誘導コイル120を用いて取出され、車両100の電気負荷122へ伝送される。
上述のように、この電力伝送システムにおいては、送電装置200の送電部230の固有周波数と、車両100の受電部110の固有周波数との差は、送電部230の固有周波数または受電部110の固有周波数の±10%以下である。このような範囲に送電部230および受電部110の固有周波数を設定することで電力伝送効率を高めることができる。一方、上記の固有周波数の差が±10%よりも大きくなると、電力伝送効率が10%よりも小さくなり、電力伝送時間が長くなるなどの弊害が生じる可能性がある。
なお、送電部230(受電部110)の固有周波数とは、送電部230(受電部110)を構成する電気回路(共振回路)が自由振動する場合の振動周波数を意味する。なお、送電部230(受電部110)を構成する電気回路(共振回路)において、制動力または電気抵抗を実質的に零としたときの固有周波数は、送電部230(受電部110)の共振周波数とも呼ばれる。
図13および図14を用いて、固有周波数の差と電力伝送効率との関係とを解析したシミュレーション結果について説明する。図13は、電力伝送システムのシミュレーションモデルを示す図である。また、図14は、送電部および受電部の固有周波数のズレと電力伝送効率との関係を示す図である。
図13を参照して、電力伝送システム89は、送電部90と、受電部91とを備える。送電部90は、第1コイル92と、第2コイル93とを含む。第2コイル93は、共振コイル94と、共振コイル94に設けられたキャパシタ95とを含む。受電部91は、第3コイル96と、第4コイル97とを備える。第3コイル96は、共振コイル99とこの共振コイル99に接続されたキャパシタ98とを含む。
共振コイル94のインダクタンスをインダクタンスLtとし、キャパシタ95のキャパシタンスをキャパシタンスC1とする。また、共振コイル99のインダクタンスをインダクタンスLrとし、キャパシタ98のキャパシタンスをキャパシタンスC2とする。このように各パラメータを設定すると、第2コイル93の固有周波数f1は、下記の式(6)
によって示され、第3コイル96の固有周波数f2は下記の式(7)によって示される。
f1=1/{2π(Lt×C1)1/2} … (6)
f2=1/{2π(Lr×C2)1/2} … (7)
ここで、インダクタンスLrおよびキャパシタンスC1,C2を固定して、インダクタンスLtのみを変化させた場合において、第2コイル93および第3コイル96の固有周波数のズレと電力伝送効率との関係を図14に示す。なお、このシミュレーションにおいては、共振コイル94および共振コイル99の相対的な位置関係は固定とし、さらに、第2コイル93に供給される電流の周波数は一定である。
図14に示すグラフのうち、横軸は固有周波数のズレ(%)を示し、縦軸は一定周波数の電流における電力伝送効率(%)を示す。固有周波数のズレ(%)は、下記の式(8)によって示される。
(固有周波数のズレ)={(f1−f2)/f2}×100(%) … (8)
図14から明らかなように、固有周波数のズレ(%)が0%の場合には、電力伝送効率は100%近くとなる。固有周波数のズレ(%)が±5%の場合には、電力伝送効率は40%程度となる。固有周波数のズレ(%)が±10%の場合には、電力伝送効率は10%程度となる。固有周波数のズレ(%)が±15%の場合には、電力伝送効率は5%程度となる。すなわち、固有周波数のズレ(%)の絶対値(固有周波数の差)が、第3コイル96の固有周波数の10%以下の範囲となるように第2コイル93および第3コイル96の固有周波数を設定することで、電力伝送効率を実用的なレベルに高めることができることがわかる。さらに、固有周波数のズレ(%)の絶対値が第3コイル96の固有周波数の5%以下となるように第2コイル93および第3コイル96の固有周波数を設定すると、電力伝送効率をさらに高めることができるのでより好ましい。なお、シミュレーションソフトしては、電磁界解析ソフトウェア(JMAG(登録商標):株式会社JSOL製)を採用している。
再び図12を参照して、送電部230および受電部110は、送電部230と受電部110との間に形成される磁界および電界の少なくとも一方を通じて、非接触で電力を授受する。送電部230と受電部110との間に形成される磁界および/または電界は、特定の周波数で振動する。そして、送電部230と受電部110とを電磁界によって共振(共鳴)させることで、送電部230から受電部110へ電力が伝送される。
ここで、送電部230の周囲に形成される特定の周波数の磁界について説明する。「特定の周波数の磁界」は、典型的には、電力伝送効率と送電部230に供給される電流の周波数と関連性を有する。そこで、まず、電力伝送効率と、送電部230に供給される電流の周波数との関係について説明する。送電部230から受電部110に電力を伝送するときの電力伝送効率は、送電部230および受電部110間の距離などの様々な要因よって変化する。たとえば、送電部230および受電部110の固有周波数(共振周波数)をf0とし、送電部230に供給される電流の周波数をf3とし、送電部230および受電部110の間のエアギャップをエアギャップAGとする。
図15は、固有周波数f0を固定した状態で、エアギャップAGを変化させたときの電力伝送効率と、送電部230に供給される電流の周波数f3との関係を示すグラフである。図15を参照して、横軸は、送電部230に供給される電流の周波数f3を示し、縦軸は、電力伝送効率(%)を示す。効率曲線L1は、エアギャップAGが小さいときの電力伝送効率と、送電部230に供給される電流の周波数f3との関係を模式的に示す。この効率曲線L1に示すように、エアギャップAGが小さい場合には、電力伝送効率のピークは周波数f4,f5(f4<f5)において生じる。エアギャップAGを大きくすると、電力伝送効率が高くなるときの2つのピークは、互いに近づくように変化する。そして、効率曲線L2に示すように、エアギャップAGを所定距離よりも大きくすると、電力伝送効率のピークは1つとなり、送電部230に供給される電流の周波数が周波数f6のときに電力伝送効率がピークとなる。エアギャップAGを効率曲線L2の状態よりもさらに大きくすると、効率曲線L3に示すように電力伝送効率のピークが小さくなる。
たとえば、電力伝送効率の向上を図るため手法として次のような手法が考えられる。第1の手法としては、エアギャップAGにあわせて、送電部230に供給される電流の周波数を一定として、キャパシタ235やキャパシタ115のキャパシタンスを変化させることで、送電部230と受電部110との間での電力伝送効率の特性を変化させる手法が考えられる。具体的には、送電部230に供給される電流の周波数を一定とした状態で、電力伝送効率がピークとなるように、キャパシタ235およびキャパシタ115のキャパシタンスを調整する。この手法では、エアギャップAGの大きさに関係なく、送電部230および受電部110に流れる電流の周波数は一定である。
また、第2の手法としては、エアギャップAGの大きさに基づいて、送電部230に供給される電流の周波数を調整する手法である。たとえば、電力伝送特性が効率曲線L1となる場合には、周波数f4またはf5の電流を送電部230に供給する。周波数特性が効率曲線L2,L3となる場合には、周波数f6の電流を送電部230に供給する。この場合においては、エアギャップAGの大きさに合わせて送電部230および受電部110に流れる電流の周波数を変化させることになる。
第1の手法では、送電部230を流れる電流の周波数は、固定された一定の周波数となり、第2の手法では、送電部230を流れる周波数は、エアギャップAGによって適宜変化する周波数となる。第1の手法や第2の手法などによって、電力伝送効率が高くなるように設定された特定の周波数の電流が送電部230に供給される。送電部230に特定の周波数の電流が流れることで、送電部230の周囲には、特定の周波数で振動する磁界(電磁界)が形成される。受電部110は、受電部110と送電部230との間に形成され、かつ特定の周波数で振動する磁界を通じて送電部230から電力を受電している。したがって、「特定の周波数で振動する磁界」とは、必ずしも固定された周波数の磁界とは限らない。なお、上記の例では、エアギャップAGに着目して、送電部230に供給される電流の周波数を設定するようにしているが、電力伝送効率は、送電部230および受電部110の水平方向のズレ等のように他の要因によっても変化するものであり、当該他の要因に基づいて、送電部230に供給される電流の周波数を調整する場合がある。
なお、上記では、送電部230および受電部110にコイル(たとえばヘリカルコイル)を採用したが、コイルに代えて、メアンダラインなどのアンテナなどを採用してもよい。メアンダラインなどのアンテナなどを採用した場合には、送電部230に特定の周波数の電流が流れることで、特定の周波数の電界が送電部230の周囲に形成される。そして、この電界を通して、送電部230と受電部110との間で電力伝送が行なわれる。
この電力伝送システムにおいては、電磁界の「静電磁界」が支配的な近接場(エバネッセント場)を利用することで、送電および受電効率の向上が図られている。
図16は、電流源または磁流源からの距離と電磁界の強度との関係を示した図である。図16を参照して、電磁界は3つの成分から成る。曲線k1は、波源からの距離に反比例した成分であり、「輻射電磁界」と称される。曲線k2は、波源からの距離の2乗に反比例した成分であり、「誘導電磁界」と称される。また、曲線k3は、波源からの距離の3乗に反比例した成分であり、「静電磁界」と称される。なお、電磁界の波長を「λ」とすると、「輻射電磁界」と「誘導電磁界」と「静電磁界」との強さが略等しくなる距離は、λ/2πと表わすことができる。
「静電磁界」は、波源からの距離とともに急激に電磁波の強度が減少する領域であり、この実施の形態に係る電力伝送システムでは、この「静電磁界」が支配的な近接場(エバネッセント場)を利用してエネルギ(電力)の伝送が行なわれる。すなわち、「静電磁界」が支配的な近接場において、近接する固有周波数を有する送電部230および受電部110(たとえば一対のLC共振コイル)を共鳴させることにより、送電部230から他方の受電部110へエネルギ(電力)を伝送する。この「静電磁界」は遠方にエネルギを伝播しないので、遠方までエネルギを伝播する「輻射電磁界」によってエネルギ(電力)を伝送する電磁波に比べて、共鳴法は、より少ないエネルギ損失で送電することができる。
このように、この電力伝送システムにおいては、送電部230と受電部110とを電磁界によって共振(共鳴)させることで、送電部230と受電部110との間で非接触によって電力が伝送される。送電部230と受電部110との間に形成されるこのような電磁場は、たとえば、近接場共振(共鳴)結合場という場合がある。送電部230と受電部110との間の結合係数(κ)は、たとえば、0.3以下程度であり、好ましくは、0.1以下である。当然のことながら、結合係数(κ)を0.1〜0.3程度の範囲も採用することができる。結合係数(κ)は、このような値に限定されるものでなく、電力伝送が良好となる種々の値をとり得る。
なお、結合係数(κ)は、送電部230と受電部110との間の距離によって変動する。電力伝送時における送電部230と受電部110との間のエアギャップが小さいときには、結合係数(κ)は、たとえば、0.8〜0.6程度である。なお、当然のことながら、送電部230と受電部110との間の距離によっては、結合係数(κ)は、0.6以下となる。そして、送電部230と受電部110とが離れた状態で電力伝送が実施されると、結合係数(κ)は、0.3以下となる。
なお、電力伝送における、上記のような送電部230と受電部110との結合を、たとえば、「磁気共鳴結合」、「磁界(磁場)共鳴結合」、「磁場共振(共鳴)結合」、「近接場共振(共鳴)結合」、「電磁界(電磁場)共振結合」、「電界(電場)共振結合」等という。「電磁界(電磁場)共振結合」は、「磁気共鳴結合」、「磁界(磁場)共鳴結合」、「電界(電場)共振結合」のいずれも含む結合を意味する。
送電部230と受電部110とが上記のようにコイルによって形成される場合には、送電部230と受電部110とは、主に磁界(磁場)によって結合し、「磁気共鳴結合」または「磁界(磁場)共鳴結合」が形成される。なお、送電部230と受電部110とに、たとえば、メアンダライン等のアンテナを採用することも可能であり、この場合には、送電部230と受電部110とは、主に電界(電場)によって結合し、「電界(電場)共鳴結合」が形成される。
以上のように、この実施の形態1においては、送信アンテナ172から送信される電波の反射波を受信する複数(2つ)の受信アンテナ173,174が設けられるので、1つのセンサ(1つの送信部と1つの受信部)の場合に比べて誤検知を低減できる。また、受信アンテナ173,174によって受信される受信波の間の位相差Δφに基づいて異物を検知するので、送信部および受信部を備えるドップラーセンサを複数備える場合に比べて、処理を簡易化できる。したがって、この実施の形態1によれば、侵入した異物を、誤検知を抑制しつつ簡易な構成で検知することができる。
また、この実施の形態1においては、受信アンテナ173,174は、受信アンテナ173,174によって設定される検知領域および受電部110を車両100の鉛直方向上方から平面視したときに、検知領域が受電部110を含むように配置される。したがって、この実施の形態1によれば、送電部230から受電部110への電力伝送時に送電部230および受電部110の近傍に侵入した異物を検知することができる。
また、送信アンテナ172および受信アンテナ173,174は、送信アンテナ172および受信アンテナ173,174を車両100の鉛直方向上方から平面視したときに、送信アンテナ172および受信アンテナ173,174が検知領域の外部に位置するように配置される。このような配置により、送信アンテナ172および受信アンテナ173,174の配置の自由度は高い。
また、受信アンテナ173,174は、受信アンテナ173,174によって設定される検知領域および車体を車両100の鉛直方向上方から平面視したときに、車体の領域内に検知領域が含まれるように配置される。したがって、この実施の形態1によれば、車両100の周囲を通過する人等を異物として誤検知することを防止することができる。
また、この実施の形態1によれば、ドップラーセンサに比べて使用周波数が低いので、センサのコストを低減することができる。また、送信回路および受信回路を共通の筐体に収容し、送信アンテナおよび受信アンテナについては自由に配置できるので、車両搭載性も良い。さらに、ドップラーセンサを複数備える場合には使用周波数を異ならせる必要があるところ、この実施の形態1では、そのような対応は不要である。
[実施の形態1の変形例1]
上記の実施の形態1では、受信アンテナ173,174により受信される受信波の位相差Δφの周波数fを算出するものとしたが、位相差Δφの周波数fの算出処理に代えて、位相差Δφに対して低域通過処理が行ない、その処理結果を用いて異物の有無を判定することも可能である。
図17は、検知領域内に異物が侵入したときの受信波の位相差Δφおよび低域通過処理を行なった位相差Δφfの波形を示した図である。図17を参照して、時刻t1において、検知領域内に異物が侵入すると、受信アンテナ173,174により受信される受信波の位相差Δφは、異物の移動速度に応じた周波数fで振動する。低域通過処理後の位相差Δφfについては、位相差Δφが振動し始めると値が小さくなり、振動が本格的になると値はさらに小さくなる。そして、時刻t2おいて、位相差Δφfがしきい値TH2を下回ると、検知領域内に異物が侵入したものと判定される。
検知領域内で異物が静止すると、位相差Δφfの値は上昇するが、その値は、検知領域に異物が侵入する前の位相差を示す初期位相差Δφ0とは異なる。そこで、位相差Δφfと初期位相差Δφ0との差の絶対値がしきい値TH1よりも大きいときは、検知領域内に侵入して静止した異物が存在するものと判定される。位相差Δφfと初期位相差Δφ0との差の絶対値がしきい値TH1以下となれば、異物は検知領域外に出ていったものと判定される。
図18は、この変形例1における異物有無の判定処理を説明するためのフローチャートである。なお、このフローチャートについても、予め格納されたプログラムがメインルーチンから呼び出されて実行されることにより実現される。あるいは、全部または一部のステップについて、専用のハードウェア(電子回路)を構築して処理を実現することも可能である。
図18を参照して、処理が開始されると、車両ECU150は、位相差検出器178(図7)からの位相差Δφを初期位相差Δφ0として読み込む(ステップS110)。次いで、車両ECU150は、位相差検出器178からの位相差Δφを読み込む(ステップS120)。そして、車両ECU150は、位相差Δφに対して低域通過処理を実行する(ステップS130)。
この低域通過処理は、位相差Δφの直流成分を抽出し、直流成分以外をカットすることを目的として実行される。すなわち、上記の式(5)によって示されるように、検知領域内に異物が侵入すると、位相差Δφが周波数fで振動する。そこで、低域通過処理後の位相差Δφfの値が小さいときは、検知領域内に異物(動体物)が侵入したものと判定することができる。また、低域通過処理後の位相差Δφfと初期位相差Δφ0との差が大きいときは、検知領域内に侵入した後に静止した異物が検知領域内に存在するものと判定することができる。
ステップS130において位相差Δφに対して低域通過処理が実施されると、車両ECU150は、低域通過処理後の位相差ΔφfとステップS10において読み込まれた初期位相差Δφ0との差の絶対値がしきい値TH1よりも大きいか否かを判定する(ステップS140)。位相差Δφfと初期位相差Δφ0との差の絶対値がしきい値TH1以下であると判定されると(ステップS140においてNO)、車両ECU150は、検知領域内に異物はないものと判定する(ステップS180)。
ステップS140において、位相差Δφfと初期位相差Δφ0との差の絶対値がしきい値TH1よりも大きいと判定されると(ステップS140においてYES)、車両ECU150は、低域通過処理後の位相差Δφfが所定のしきい値TH2よりも小さいか否かを判定する(ステップS150)。このしきい値TH2は、検知領域内への異物(移動体)の侵入を判定するための判定値である。
そして、位相差Δφfがしきい値TH2よりも小さいと判定されると(ステップS150においてYES)、車両ECU150は、検知領域内を移動する異物が存在するものと判定する(ステップS160)。一方、ステップS150において、位相差Δφfがしきい値TH2以上であると判定されると(ステップS150においてNO)、車両ECU150は、検知領域内に侵入して停止した異物が存在するものと判定する(ステップS170)。
上記のステップS160、S170またはS180に続いて、車両ECU150は、異物有無の判定処理の終了が指示されたか否かを判定し(ステップS190)、判定処理が継続されるときは(ステップS190においてNO)、車両ECU150は、ステップS120へ処理を戻す。
この変形例1によれば、周波数演算により位相差Δφの周波数fを求めることなく、簡易な処理(位相差Δφの低域通過処理)を用いて異物の有無を判定することができる。
[実施の形態1の変形例2]
この変形例2は、受信アンテナ173,174の配置が上記の実施の形態1と異なる。
図19は、この変形例2における、送信アンテナ172および受信アンテナ173,174の配置および異物の検知領域を示した図である。図19を参照して、受信アンテナ173,174は、領域A1の対角に配置される。そして、領域A2〜A4が重複する斜線領域において、受信アンテナ173,174により受信される受信波の位相差Δφに基づいて異物170の有無が検知される。
この変形例2によれば、上記の実施の形態1に比べて異物の検知領域を拡大することができる。なお、この変形例2に上記の変形例1を組合わせることも可能である。
[実施の形態2]
上記の実施の形態1およびその変形例1,2では、一対の受信アンテナ173,174により電波を受信することによって異物を検出するものとしたが、以下の実施の形態では、二対の受信アンテナが設けられ、誤検出のさらなる低減が図られる。
図20は、実施の形態2における異物検出部の構成を機能的に示すブロック図である。図20を参照して、異物検出部160Aは、図7に示した実施の形態1における異物検出部160の構成において、受信アンテナ180,181、ミキサ182,183、ローカル発信器184、位相差検出器185、判定部186、およびAND回路187をさらに含み、送信アンテナ172に代えて送信アンテナ191を含む。
送信アンテナ191は、無指向性のアンテナである点において上述の送信アンテナ172と異なる。そして、送信アンテナ191は、発信器171から受けるRF信号を周囲に対して送信する。
受信アンテナ180,181の各々は、送信アンテナ191から送信されたRF信号の反射波を受信する。ミキサ182は、受信アンテナ180によって受信されるRF信号を示す信号RF3をローカル発信器184の出力と混合し、IF信号である信号IF3を出力する。ミキサ183は、受信アンテナ181によって受信されるRF信号を示す信号RF4をローカル発信器184の出力と混合し、信号IF4を出力する。信号IF3,IF4の周波数も、信号IF1,IF2と同様にたとえば40MHz程度である。すなわち、信号IF3,IF4の周波数が40MHz程度となるように、ローカル発信器184の周波数が設定される。
位相差検出器185は、信号IF3,IF4間(信号RF3,RF4間)の位相差Δφ2を検出する。なお、位相差検出器185も、位相差検出器178と同様に市販の位相差検出器あるいは位相比較器を用いることができ、アナログ方式のものであってもよいし、デジタル方式のものであってもよい。
判定部186は、位相差検出器185によって検出された位相差Δφ2に基づいて、検知領域内における異物170の有無を判定する。AND回路187は、判定部179,186の出力の論理積を演算し、その演算結果を最終的な判定結果として出力する。すなわち、この異物検出部160Aでは、二対の受信アンテナによる検出結果の論理積を異物の有無の最終的な検出結果とすることによって、誤検出の低減が図られている。
図21は、実施の形態2における送信アンテナ191および受信アンテナ173,174,180,181による異物の検知領域を示した図である。図21を参照して、この図も、上記の図8や図19と同様に、各アンテナおよびそれらの検知領域を車両100の鉛直方向上方から平面視したときのものである。
受信アンテナ173,174,180,181は、検知領域を定めるための基準領域を示す領域A1のコーナーに配設される。領域A3〜A6は、それぞれ受信アンテナ173,174,180,181の検出領域を示す。
領域A2は、送信アンテナ191の検出領域を示す。領域A2は、領域A1を含む。すなわち、領域A2が領域A1を含むように無指向性の送信アンテナ191が配設される。具体的には、送信アンテナ191は、斜線で示される異物検知領域の内部に位置するように配置される。
送信アンテナ191および受信アンテナ173,174,180,181のこのような配置のもと、受信アンテナ173,174により受信される受信波の位相差Δφ1に基づき異物の有無が判定される領域A2〜A4の重複領域と、受信アンテナ180,181により受信される受信波の位相差Δφ2に基づき異物の有無が判定される領域A2,A5,A6の重複領域とが重複する斜線領域、すなわち領域A2〜A6が重複する斜線領域において、異物の有無が検知される。
以上のように、この実施の形態2によれば、二対の受信アンテナを用いて異物を検知するので、誤検出のさらなる低減を図ることができる。
また、送信アンテナ191は無指向性であり、異物の検知領域および送信アンテナ191を車両100の鉛直方向上方から平面視したときに、送信アンテナ191が検知領域の内部に位置するように送信アンテナ191が配置される。したがって、この実施の形態2では、受信アンテナの配置の自由度は極めて高い。
[実施の形態3]
上記の実施の形態2では、送信アンテナ191から送信される電波の周波数は1つであり、受信アンテナ173,174と受信アンテナ180,181とでは、同一周波数の電波が受信される。この実施の形態3では、送信アンテナ191から2種類の周波数の電波が送信され、受信アンテナ173,174と受信アンテナ180,181とで異なる周波数の電波が受信される。
図22は、実施の形態3における異物検出部の構成を機能的に示すブロック図である。図22を参照して、異物検出部160Bは、図20に示した実施の形態2における異物検出部160Aの構成において、発信器171に代えて、発信器188,189と、ミキサ190とを備える。
発信器188は、高周波のRF信号を生成する。発信器188により生成されるRF信号の周波数は、たとえば2.4GHz程度である。ミキサ190は、発信器188により生成されるRF信号を発信器189からの信号と混合して送信アンテナ191へ出力する。発信器189が生成する信号の周波数は、たとえば数十MHz程度である。これにより、たとえば、発信器188により生成されるRF信号の周波数を2475MHzとし、発信器189により生成される信号の周波数を20MHzとすると、ミキサ190からは、2475MHz±20MHz=2455MHz,2495MHzの2種類のRF信号が出力される。
そして、受信アンテナ173,174から成る受信部は、一方の周波数成分を有するRF信号から算出される位相差Δφ1に基づいて異物を検出するように設計され、受信アンテナ180,181から成る受信部は、他方の周波数成分を有するRF信号から算出される位相差Δφ2に基づいて異物を検出するように設計される。
なお、この実施の形態3における送信アンテナ191および受信アンテナ173,174,180,181の配置および領域A1〜A6の設定については、図21に示した実施の形態2と同じである。
あるいは、図23に示すように、受信アンテナ173,174,180,181に代えて、より指向性の高い受信アンテナ173A,174A,180A,181Aを用いて検知領域を設定してもよい。
この実施の形態3によれば、受信アンテナ173,174と受信アンテナ180,181とで空間的に異なる検知領域を形成することができ、アンテナの設置自由度が向上する。また、受信アンテナ173,174から成る受信部と、受信アンテナ180,181から成る受信部とで異なる周波数を用いることによって、混信を確実に防止して誤検出の可能性をさらに低減することができる。
なお、上記の実施の形態2,3において、AND回路187に代えて、論理和を演算するOR回路を用いてもよい。この場合は、誤検出の可能性はやや高まるけれども、異物の検知範囲を広くとることができる。
なお、上記の各実施の形態においては、受電装置111(受電部110)は、車両100の底面に固設されるものとしたが、受電装置111(受電部110)は可動式のものであってもよい。すなわち、送電装置200からの受電時に受電装置111(受電部110)が待機位置から受電位置へ移動するタイプのものにおいて、受電装置111(受電部110)の受電位置において、送電部230、受電部110および異物の検知領域を車両100の鉛直方向上方から平面視したときに検知領域が送電部230および受電部110を含むように、送信アンテナおよび受信アンテナを配置するようにしてもよい。さらに、待機位置の受電装置111(受電部110)も検知領域が含むように、送信アンテナおよび受信アンテナを配置するようにしてもよい。
また、上記の各実施の形態においては、送信アンテナおよび受信アンテナを含む異物検出部160(160A,160B)は、車両100に設けられるものとしたが、送電装置200側に異物検出部を設けてもよい。また、車両100と送電装置200との双方に異物検出部を設けてもよい。
また、上記の各実施の形態においては、2つの受信アンテナによって受信される受信波の間の位相差に基づいて異物を検知するものとしたが、受信アンテナの数は3つ以上であってもよい。また、上記の実施の形態2,3では、二対の受信アンテナを用いて異物を検知するものとしたが、三対以上の受信アンテナを用いて異物を検知してもよい。
また、上記の各実施の形態では、送電部230と受電部110とを電磁界によって共振(共鳴)させることで、送電部230から受電部110へ非接触で電力が伝送されるものとしたが、電磁誘導により送電部230から受電部110へ非接触で電力を伝送してもよい。なお、送電部230と受電部110との間で電磁誘導により電力が伝送される場合には、送電部230と受電部110との結合係数κは、1.0に近い値となる。
また、上記の各実施の形態では、送電装置200から非接触で受電する受電装置111が車両100に搭載される場合について説明したが、この発明の適用範囲は、必ずしも受電装置が車両に搭載されるものに限定されるものではなく、車両以外に搭載される受電装置にも適用可能である。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
100 車両、102 前輪、104 後輪、106 フロアパネル、110 受電部、111 受電装置、112,120,232,238 コイル、113,233 フェライトコア、114,234 コイルユニット、115,235 キャパシタ、116,236 筐体、117,237 シールド、118 蓋部、122 電気負荷、125 整流回路、130 蓄電装置、140 動力生成装置、150 車両ECU、160,160A,160B 異物検出部、171,188,189 発信器、172,191 送信アンテナ、173,174,180,181,173A,174A,180A,181A 受信アンテナ、175,176,182,183,190 ミキサ、177,184 ローカル発信器、178,185 位相差検出器、179,186 判定部、187 AND回路、200 送電装置、210 系統電源、220 高周波電源、230 送電部。

Claims (15)

  1. 送電装置から電力を受ける受電装置であって、
    前記送電装置の送電部から非接触で受電するための受電部と、
    前記受電部の近傍に侵入した異物を検出するための異物検出部とを備え、
    前記異物検出部は、
    電波を送信する送信部と、
    前記送信部から送信される電波の反射波を受信する複数の受信部と、
    前記複数の受信部によって受信される受信波の間の位相差に基づいて異物を検知する検知部とを含む、受電装置。
  2. 前記複数の受信部は、前記複数の受信部によって設定される検知領域および前記受電部を前記送電部の設置面に沿って平面視したときに、前記検知領域が前記受電部を含むように配置される、請求項1に記載の受電装置。
  3. 前記送信部および前記複数の受信部は、前記送信部および前記複数の受信部を前記送電部の設置面に沿ってさらに平面視したときに、前記送信部および前記複数の受信部が前記検知領域の外部に位置するように配置される、請求項2に記載の受電装置。
  4. 前記送信部は、無指向性の送信アンテナを含み、
    前記送信アンテナは、前記送信アンテナを前記送電部の設置面に沿ってさらに平面視したときに、前記送信アンテナが前記検知領域の内部に位置するように配置される、請求項2に記載の受電装置。
  5. 前記複数の受信部は、複数の受信アンテナ対を含み、
    前記検知部は、
    前記複数の受信アンテナ対に対応して設けられ、各々が対応の受信アンテナ対において受信される受信波間の位相差に基づいて異物の有無を判定する複数の判定部と、
    前記複数の判定部の判定結果に基づいて異物の検知結果を出力する回路とを含む、請求項4に記載の受電装置。
  6. 前記送信アンテナは、複数の周波数の電波を送信し、
    前記複数の受信部は、前記複数の周波数の電波をそれぞれ受信する、請求項5に記載の受電装置。
  7. 前記受電部の固有周波数と前記送電部の固有周波数との差は、前記受電部の固有周波数または前記送電部の固有周波数の±10%以下である、請求項1に記載の受電装置。
  8. 前記受電部と前記送電部との結合係数は0.3以下である、請求項1に記載の受電装置。
  9. 前記受電部は、前記受電部と前記送電部との間に形成される磁界と、前記受電部と前記送電部との間に形成される電界との少なくとも一方を通じて、前記送電部から受電し、
    前記磁界および前記電界は、前記受電部と前記送電部との間に形成され、かつ、特定の周波数で振動する、請求項1に記載の受電装置。
  10. 送電装置から電力を受ける受電装置を備える車両であって、
    前記受電装置は、
    前記送電装置の送電部から非接触で受電するための受電部と、
    前記受電部の近傍に侵入した異物を検出するための異物検出部とを含み、
    前記異物検出部は、
    電波を送信する送信部と、
    前記送信部から送信される電波の反射波を受信する複数の受信部と、
    前記複数の受信部によって受信される受信波の間の位相差に基づいて異物を検知する検知部とを含む、車両。
  11. 前記複数の受信部は、前記複数の受信部によって設定される検知領域および車体を前記送電部の設置面に沿って平面視したときに、前記車体の領域内に前記検知領域が含まれるように配置される、請求項10に記載の車両。
  12. 受電装置へ電力を供給する送電装置であって、
    前記受電装置の受電部へ非接触で送電するための送電部と、
    前記送電部の近傍に侵入した異物を検出するための異物検出部とを備え、
    前記異物検出部は、
    電波を送信する送信部と、
    前記送信部から送信される電波の反射波を受信する複数の受信部と、
    前記複数の受信部によって受信される受信波の間の位相差に基づいて異物を検知する検知部とを含む、送電装置。
  13. 前記複数の受信部は、前記複数の受信部によって設定される検知領域を前記送電部の設置面に沿って平面視したときに、前記検知領域が前記送電部を含むように配置される、請求項12に記載の送電装置。
  14. 送電装置から受電装置へ非接触で電力を伝送する電力伝送システムであって、
    前記受電装置へ非接触で送電するための送電部と、
    前記送電部から非接触で受電するための受電部と、
    前記送電部および前記受電部の近傍に侵入した異物を検出するための異物検出部とを備え、
    前記異物検出部は、
    電波を送信する送信部と、
    前記送信部から送信される電波の反射波を受信する複数の受信部と、
    前記複数の受信部によって受信される受信波の間の位相差に基づいて異物を検知する検知部とを含む、電力伝送システム。
  15. 前記複数の受信部は、前記複数の受信部によって設定される検知領域および前記受電部を前記送電部の設置面に沿って平面視したときに、前記検知領域が前記送電部および前記受電部を含むように配置される、請求項14に記載の電力伝送システム。
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