JP2014207399A - テラヘルツ帯光素子導波路 - Google Patents

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Abstract

【課題】効率良く活性層から放熱を行い、安定した導波を可能にするテラヘルツ帯光素子導波路を提供する。
【解決手段】テラヘルツ帯電磁波の導波路とする活性層13は、テラヘルツ帯電磁波の波長に対応する導波路幅を有し、層厚み方向に延設された間隙によって分割され、間隙に活性層13よりも熱伝導率の高い放熱層14を埋設しており、放熱層14は、テラヘルツ帯電磁波の波長の1/10以下の幅を有し、活性層13の層厚み方向の端部を基板10に積層された電極用金属15に接しており、テラヘルツ帯光素子を有働したときに活性層13の分割された各部(活性層13a〜13d)に発生する熱を放熱層14へ吸収し、放熱層14の端部に接している電極用金属15、また下部コンタクト層11を介して電極用金属16へ伝導する。また、テラヘルツ帯電磁波が導波路を伝搬するときには該電磁波の伝搬状態を乱すことが無い。
【選択図】図3

Description

この発明は、光素子(半導体デバイス)内においてテラヘルツ帯の光導波を行うテラヘルツ帯光素子導波路に関するものである。
テラヘルツ帯の周波数で動作する発光素子、変調素子、受光素子などの半導体デバイスには、当該周波数の導波路が設けられている。
図1は、従来の導波路の概略構成を示す説明図である。この図は、半導体デバイス中に形成された導波路部分の断面形状を示しており、図1(a)はSISP(semi-insulating surface plasmon)導波路の断面を示し、図1(b)はMM(metal-metal)導波路の断面を示している。
図1(a)の導波路は、例えばS.I.GaAsによって形成された基板101の上面に、n+GaAs等からなる高濃度ドープの薄膜半導体層102を積層させている。薄膜半導体層102の上面には活性層103が積層され、この活性層103の上面に金属層104が積層されている。活性層103は、テラヘルツ帯の光等を伝導するコアを形成するもので、図中上下方向から金属層104と薄膜半導体層102によって挟まれている。また、薄膜半導体層102の上面には、活性層103から適当な間隔を設けて例えば電極となる金属層105,106が積層されている。
図1(b)の導波路は、例えばn+GaAsによって形成された基板201の上面に金属層202を積層させ、この金属層202の上面に活性層203を積層させている。活性層203の上面には金属層204が積層されており、金属層202と金属層204によって活性層203を図中上下方向から挟み、当該活性層203を導波路としている。
図1(a)および図1(b)に示した導波路は、いずれもコアとなる活性層を上下方向から金属層などで挟むことにより、活性層内に導波光を効率良く閉じ込めて所定方向へ導くように構成されており、これらの構造は良好な光閉じ込め係数(optical confinement factor)Γが得られることから、例えばテラヘルツ帯量子カスケードレーザの導波路として採用されている(例えば、非特許文献1参照)。
図2は、従来の導波路を有する半導体デバイスの動作を示す説明図である。この図は、例えば、GaAs系材料の基板301の上方に、金属層301、活性層303、金属層304を順に積層して、MM導波路を形成させた半導体デバイスの概略断面を表したもので、当該半導体デバイスの導波路が発熱した状態を表す概略断面図である。
テラヘルツ帯の光は100[μm]以上の波長を有することから、図示した導波路、即ち活性層303は、上記の波長に対応させて100〜200[μm]程度の幅員を有しており、吸収損失を抑えるため幅広に形成されている。
半導体デバイスに電力を供給して当該デバイスを駆動すると、活性層303に流れる電流によって発熱が生じる。活性層303は前述のように幅広に形成されていることから、図2に示した発熱部分Aのように導波路(活性層303)の断面において横広の楕円状に発熱する。
導波路には上記のように発熱部分Aが横方向に広がって生じることから、特に導波路の断面中心部で発生した熱は図2の矢印Bが示す方向へ逃げる。換言すると、有効な放熱は、活性層303の縦(上下)方向に限られてしまうため、当該半導体デバイス内に熱が滞留し易くなる。
B.S.Williams, S.Kumar, H.Callebaut, Q.Hu, J.L.Reno:Appl.Phys.Lett.83,5142(2003).
従来のテラヘルツ帯光素子導波路は上記のように構成されているので、導波路の中心部分では、活性層に使用する材料の性質や多層膜構造などにより熱伝導率に異方性が生じ、上下(積層)方向の熱伝導率が低いため放熱効率が好ましくない。そのため、活性層コアが高温になり、導波特性などの劣化が生じやすくなるという問題点があった。
この発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、効率良く活性層から放熱を行い、安定した導波を可能にするテラヘルツ帯光素子導波路を提供することを目的とする。
この発明に係るテラヘルツ帯光素子導波路は、基板に積層される活性層をテラヘルツ帯電磁波の導波路とし、前記活性層は、前記テラヘルツ帯電磁波の波長に対応する導波路幅を有し、層厚み方向に延設された間隙によって分割され、前記間隙に該活性層よりも熱伝導率の高い放熱層を埋設しており、前記放熱層は、前記テラヘルツ帯電磁波の波長の1/10以下の幅を有し、前記活性層の層厚み方向の端部を前記基板に積層された金属に接しており、前記テラヘルツ帯光素子を駆動したときに前記活性層の分割された各部に発生する熱を前記放熱層へ吸収し、前記放熱層の端部に接している金属へ伝導し、前記テラヘルツ帯電磁波が前記導波路を伝搬するときに該電磁波の伝搬状態を乱すことが無い、ことを特徴とする。
また、前記放熱層は、前記活性層の層厚み方向において該活性層の層厚さの50%以上の大きさを有する、ことを特徴とする。
また、前記放熱層に接する金属は、該テラヘルツ帯光素子の電極用金属である、ことを特徴とする。
この発明によれば、電力を供給したテラヘルツ帯光素子の温度上昇を抑制することができ、冷却装置等を備えるコストを抑えることができる。
従来の導波路の概略構成を示す説明図である。 従来の導波路を有する半導体デバイスの動作を示す説明図である。 この発明の実施例1によるテラヘルツ帯光素子導波路の概略構成を示す説明図である。 図3のテラヘルツ帯光素子導波路の導波状態を示す説明図である。 この発明の実施例2によるテラヘルツ帯光素子導波路の概略構成を示す説明図である。
以下、この発明の実施の一形態を説明する。
(実施例1)
図3は、この発明の実施例1によるテラヘルツ帯光素子導波路の概略構成を示す説明図である。この図は、実施例1によるデバイス1に設けられた導波路部分の縦断面を示したもので、詳しくは当該導波路の延設方向に直交する断面構造を表している。
デバイス1は、半絶縁性の例えばSI−GaAsからなる基板10に、MBE成長法などの生成工程を実施することによって半導体化合物などを積層して形成されている。
基板10の上面には、n−GaAsからなる下部コンタクト層11が積層されている。
下部コンタクト層11は、例えば0.8[μm]の厚さに形成され、その上面に活性層13が積層されている。また、下部コンタクト層11は、例えば活性層13の側方となる位置に下部電極用金属16を積層・配設している。
活性層13の上面には、厚さ0.1[μm]のn−GaAsからなる上部コンタクト層17が積層され、上部コンタクト層17の上面には、上部電極用金属15が積層・配設されている。また、活性層13の側面はSiO2層12によって覆われている。
上記のSiO2層12は、上記の活性層13の側面から下部コンタクト層11の上面にわたって積層されている。なお、前述の下部電極用金属16は、詳しくはSiO2層12の上面に配設されており、当該SiO2層12の下層となる下部コンタクト層11に電気接続されている。
また、例えば上部電極用金属15ならびに下部電極用金属16は、デバイス1の外部に露出する部位を有している。
活性層13は、例えば、厚さ4.9[nm]のi−AlxGal−xAs(x=0.15)層、厚さ7.9[nm]のi−GaAs層、厚さ2.5[nm]のi−AlxGal−xAs(x=0.15)層、厚さ6.6[nm]のi−GaAs層、厚さ4.1[nm]のi−AlxGal−xAs(x=0.15)層、厚さ15.6[nm]のn−GaAs層、厚さ3.3[nm]のi−AlxGal−xAs(x=0.15)層、厚さ9.0[nm]のi−GaAs層を積層させたものを1周期とし、これを170周期繰り返し積層して構成されている。
活性層13は、上部コンタクト層17とともに積層方向に沿って(図中、上下方向に境界部分が延びるように)分割されており、デバイス1の活性層13は例えば4分割されている。また、活性層13は、基板10の上面を正面視したとき導波路の延設方向に沿って分割されている。
活性層13の分割された各部を活性層13a〜13dとしたとき、これらの部分は、それぞれ例えば25[μm]の幅を有している。換言すると、活性層13の積層方向と直交し、また、導波路の延設方向と直交する方向(導波路の幅方向)の大きさが25[μm]となるように形成されている。
また、活性層13a〜13dの各分割境界には間隙が設けられている。この間隙は、活性層13の層厚み方向に延設されており、活性層13a〜13dを構成する半導体化合物等よりも熱伝導率の高い例えばi−GaAsが埋め込まれ、活性層13の層厚み方向に延設された放熱層14が埋設されている。
放熱層14は、例えば、導波路断面において5[μm]の幅(詳しくは、活性層13の積層方向と直交するとともに導波路の延設方向と直交する方向の大きさ)を有しており、デバイス1の導波路幅、即ち活性層13を伝搬するテラヘルツ帯の電磁波(以下、テラヘルツ光と記載する)の波長に比べて十分小さい幅に形成されている。デバイス1の導波路内に形成される放熱層14は、導波路を伝搬するテラヘルツ光の波長の1/10以下の幅を有する。
また、放熱層14は、活性層13の深さ方向(層厚み方向)において当該活性層13の厚さの50[%]以上の大きさに形成され、図3においては、活性層13の全体の厚さと同様な深さ(積層方向の大きさ)を有するように形成されている。
図4は、図3のテラヘルツ帯光素子導波路の導波状態を示す説明図である。この図は、デバイス1の概略断面を示したもので、当該デバイス1に駆動電力が供給されたとき、デバイス1の導波路に電流が流れることにより活性層13が発熱する状態を表している。なお、説明を明確にするため図3に示した一部分を省略している。
4つに分割された活性層13a〜13dからなる活性層13の総幅、詳しくは活性層13a〜13dの各間に設けられた3つの放熱層14を含めた総幅は、概ね115[μm]程度である。
例えば、波長が100[μm]程度のテラヘルツ光を伝搬するモードを伝搬モードCとする。伝搬モードCにおいては、図4に示したように活性層13の概ね縦断面全体を電磁波が伝搬する。ここで、放熱層14は、前述のように幅が5[μm]であり、テラヘルツ光の波長に比べて十分小さいことから、導波路を伝搬するテラヘルツ光(電磁波)の電界分布を当該放熱層14が乱すことは無い。
デバイス1に電力が供給され、当該デバイス1が稼動状態となって伝搬モードCによる動作を行うとき、導波路内をテラヘルツ光が伝搬することによって活性層13a〜13dに電流が流れる。この電流によって活性層13a〜13dが発熱し、各活性層13a〜1dにそれぞれ発熱領域Eが生じる。発熱領域Eに生じた熱は、近傍の放熱層14へ伝わり、放熱層14の端部へ向かって(図中、上下方向へ)伝導する。放熱層14は、前述のように熱伝導率の高い材料によって形成されていることから、活性層13a〜13dの各発熱領域Eから熱を引き抜くようにして当該活性層13a〜13dの放熱を行い、過度の温度上昇を抑制する。
放熱層14の上端部は上部電極用金属15に接しており、活性層13a〜13dから吸収した熱を上部電極用金属15へ伝導して放熱する。
また、放熱層14の下端部は下部コンタクト層11を介して下部電極用金属16などに接していることから、活性層13a〜13dから吸収した熱を下部電極用金属16や基板10などに放熱する。
以上のように、この実施例1によれば、活性層13を複数に分割し、この分割境界に熱伝導率の高い放熱層14を備えることにより、テラヘルツ光素子を駆動したときに生じる熱をデバイス1の電極用金属等へ放熱することができ、光学特性を維持したまま熱特性を大きく改善することができる。また、例えばテラヘルツ帯量子カスケードレーザなどのテラヘルツ帯デバイスを、高温になる動作状態で稼動させることも可能になる。また、冷却装置等を簡略化、もしくは省略することができる。また、量子カスケードレーザ等のCW動作を容易に実現することができる。
なお、図3、図4に示したデバイス1は、活性層13を4分割しているが、2つ以上に活性層13を分割し、この分割数に応じた数の放熱層14を設けて、分割された各部に発生した熱を十分放熱することができるように構成してもよい。
また、図3、図4に示したデバイス1は、当該活性層13の厚さ(積層方向の大きさ)全体に間隙を設け、これに放熱層14を形成しているが、放熱層14の深さ(積層方向の大きさ)を、活性層13の厚さの50[%]以上となるように形成し、活性層13に発生した熱を十分吸収し、また適当な部位へ放熱することができるように構成してもよい。
(実施例2)
図5は、この発明の実施例2によるテラヘルツ帯光素子導波路の概略構成を示す説明図である。この図は、実施例2によるデバイス2に設けられた導波路部分の縦断面を示したもので、詳しくは当該導波路の延設方向に直交する断面構造を表している。
デバイス2は、例えばn−GaAsからなる基板20に、MBE成長法などの生成工程を実施することによって半導体化合物などを積層して形成されている。
基板20は、裏面(底面)に下部電極用金属21を積層・配設している。また、上面には、光封じ込め用金属22が積層されている。この光封じ込め用金属22は、導波路の底面部分として形成されたとき、テラヘルツ帯の電磁波を高率で反射し、当該電磁波を吸収しない特性を有するものである。
光封じ込め用金属22の上面には、厚さ0.05[μm]のn−GaAsからなる下部コンタクト層23が積層されている。
下部コンタクト層23の上面には活性層24が積層され、活性層24の上面には厚さ0.1[μm]のn−GaAsからなる上部コンタクト層26が積層されている。
上部コンタクト層26の上面には、上部電極用金属27が積層・配設されている。
また、例えば上部電極用金属27ならびに下部電極用金属21は、デバイス2の外部へ露出する部位を有している。
活性層24は、例えば、厚さ4.9[nm]のi−AlxGal−xAs(x=0.15)層、厚さ7.9[nm]のi−GaAs層、厚さ2.5[nm]のi−AlxGal−xAs(x=0.15)層、厚さ6.6[nm]のi−GaAs層、厚さ4.1[nm]のi−AlxGal−xAs(x=0.15)層、厚さ15.6[nm]のn−GaAs層、厚さ3.3[nm]のi−AlxGal−xAs(x=0.15)層、厚さ9.0[nm]のi−GaAs層を積層させたものを1周期とし、これを170周期繰り返し積層して構成されている。
活性層24は、上部コンタクト層26とともに積層方向に沿って(図中、上下方向に境界部分が延びるように)分割されており、デバイス2の活性層24は例えば4分割されている。また、活性層24は、基板20の上面を正面視したとき導波路の延設方向に沿って分割されている。
活性層24の分割された各部を活性層24a〜24dとしたとき、これらの部分は、それぞれ例えば25[μm]の幅を有している。換言すると、活性層24の積層方向と直交し、また、導波路の延設方向と直交する方向の大きさが25[μm]となるように形成されている。
また、活性層24a〜24dの各分割境界部分には、5[μm]の間隙が設けられている。この間隙は、活性層24の層厚み方向に延設されており、活性層24a〜24dを構成する半導体化合物等よりも熱伝導率の高い例えばi−GaAsが埋め込まれ、活性層24の層厚み方向に延設された放熱層25が埋設されている。
ここで例示する放熱層25は、活性層24の積層方向と直交するとともに導波路の延設方向と直交する方向(導波路の幅方向)について5[μm]の大きさ(幅)を有しており、デバイス2の導波路幅、即ち活性層24を伝搬するテラヘルツ光の波長に比べて十分小さい幅に形成されている。デバイス2の導波路内に形成される放熱層25は、導波路を伝搬するテラヘルツ光の波長の1/10以下の幅を有する。
デバイス2の導波路へ誘導されたテラヘルツ光が、例えば100[μm]程度の波長を有するとき、放熱層25が上記のように幅5[μm]に形成されている(テラヘルツ光の波長の1/10以下の幅に形成されている)場合には、実施例1で説明したものと同様に、当該放熱層25によってテラヘルツ光の電界分布が乱れることなく導波路内を伝搬させることができる。
また、放熱層25は、活性層24の深さ方向(層厚み方向)において当該活性層24の厚さの50[%]以上の大きさに形成され、図5においては、活性層24の全体の厚さと同様な深さ(積層方向の大きさ)を有するように形成されている。
デバイス2の活性層24は前述のように4分割されているが、2つ以上に分割して分割数に応じた数の放熱層25を備える構成としてもよい。
前述のように構成されたデバイス2に電力を供給すると、当該電力によってデバイス2が稼動して導波路をテラヘルツ光が伝搬する。このとき、前述の実施例1で説明した活性層13a〜13dと同様に、デバイス2の導波路即ち活性層24a〜24dにそれぞれ電流が流れて発熱が生じる。この活性層24a〜24dに生じた熱は、各活性層24a〜24dの間に設けられた熱伝導率の高い放熱層25に吸収される。活性層24a〜24dからそれぞれの放熱層25へ伝導した熱は、例えば、放熱層25の上端部に接している上部電極用金属27へ伝導して放熱する。また、放熱層25の下端部に接している下部コンタクト層23、さらに光封じ込め用金属22、基板20、下部電極用金属21などに伝導して放熱する。
以上のように、この実施例2によれば、上面と底面にそれぞれ電極を有する構造のデバイス2においても、活性層24を複数に分割し、この分割境界に熱伝導率の高い放熱層25を備えることにより、テラヘルツ帯光素子を駆動したときに生じる熱を上記の電極用金属などへ放熱することができ、光学特性を維持したまま熱特性を大きく改善することができる。また、例えばテラヘルツ帯量子カスケードレーザなどのテラヘルツ帯デバイスを、高温になる動作状態で稼動させることも可能になり、冷却装置等を簡略化、もしくは省略することができる。また、量子カスケードレーザ等のCW動作を容易に実現することができる。
なお、図5に示したデバイス2は、活性層24を4分割しているが、2つ以上に活性層24を分割し、この分割数に応じた数の放熱層25を設けて、分割された各部に発生した熱を十分放熱することができるように構成してもよい。
また、図5のデバイス2は、活性層24の全体の厚さ(積層方向の大きさ)全体に間隙を設け、これに放熱層25を形成しているが、放熱層25の深さ(積層方向の大きさ)を、活性層24の厚さの50[%]以上となるように形成し、活性層24に発生した熱を十分吸収し、また適当な部位へ放熱することができるように構成してもよい。
実施例1および実施例2で説明した構成により、テラヘルツ帯デバイスが発熱したとき、高温になるデバイス内から熱を効率よく放熱することができ、電子冷却による動作や室温動作が可能になる。また、上記のように冷却に関する構成等を簡便化することができることから、テラヘルツ帯量子カスケードレーザの特性を大幅に向上させることも可能になり、例えばコヒーレントテラヘルツ光源の小型化を図ることも可能になることから、セキュリティや環境モニタリング、また生体医療診断、毒物や劇物検出、無線通信、電波天文学、分光応用などの各分野で使用される機器等を発展させることができる。
1,2デバイス
10,20,101,201,301基板
11,23下部コンタクト層
12SiO2
13,24,303活性層
14,25放熱層
15,27,304上部電極用金属
16,21,302下部電極用金属
17,26上部コンタクト層
22光封じ込め用金属
102薄膜半導体
103,203活性層
104,105,106,202,204金属層

Claims (3)

  1. 基板に積層される活性層をテラヘルツ帯電磁波の導波路とするテラヘルツ帯光素子導波路であって、
    前記活性層は、
    前記テラヘルツ帯電磁波の波長に対応する導波路幅を有し、
    層厚み方向に延設された間隙によって分割され、
    前記間隙に該活性層よりも熱伝導率の高い放熱層を埋設しており、
    前記放熱層は、
    前記テラヘルツ帯電磁波の波長の1/10以下の幅を有し、
    前記活性層の層厚み方向の端部を前記基板に積層された金属に接しており、
    前記テラヘルツ帯光素子を駆動したときに前記活性層の分割された各部に発生する熱を前記放熱層へ吸収し、前記放熱層の端部に接している金属へ伝導し、
    前記テラヘルツ帯電磁波が前記導波路を伝搬するときに該電磁波の伝搬状態を乱すことが無い、
    ことを特徴とするテラヘルツ帯光素子導波路。
  2. 前記放熱層は、
    前記活性層の層厚み方向において該活性層の層厚さの50%以上の大きさを有する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のテラヘルツ帯光素子導波路。
  3. 前記放熱層に接する金属は、該テラヘルツ帯光素子の電極用金属である、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のテラヘルツ帯光素子導波路。
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