JP2014205989A - 橋脚補強構造及び橋脚補強方法 - Google Patents

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Shinichiro Nozawa
伸一郎 野澤
小林 将志
Masashi Kobayashi
将志 小林
幸治 友竹
Koji Tomotake
幸治 友竹
光一朗 水野
Koichiro Mizuno
光一朗 水野
宏治 醍醐
Koji Daigo
宏治 醍醐
哲郎 丸山
Tetsuo Maruyama
哲郎 丸山
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Abstract

【課題】 既存の橋脚の補強を、簡単で安価に短期間で施工することが可能な橋脚補強構造及び橋脚補強方法を提供する。
【解決手段】
フーチング11及びフーチング11上に柱状又は壁状のく体12を有する橋脚10を補強する橋脚補強構造1において、く体12の周囲の少なくとも一部に設置される補強材2,3と、補強材2,3の設置されたく体12の周囲及びフーチング11上の少なくとも一部に打設される硬化材4と、を備えることを特徴とする。

【選択図】図2

Description

本発明は、橋脚補強構造及び橋脚補強方法に関する。
従来、橋脚の周囲の地中に鋼板を挿入すると共に、橋脚と鋼板の間に固化材を充填することで既存の橋脚を補強するものが特許文献1に開示されている。
特開2007−297826号公報
従来の橋脚の補強構造では、鋼板を配置することにより、十分に補強されるが、鋼板を配置したまま使用するために、コストがかかる構造であった。
また、図23に示すように、柱状鉄筋2をフーチング11に打ち込むことで補強する構造がある。しかしながら、柱状鉄筋2をフーチング11に打ち込むためには、通常、水中又は地中に埋もれているフーチング11を削孔する必要があり、施工時間とコストがかかる構造であった。
本発明の目的は、このような問題点を解決するためになされたものであり、既存の橋脚の補強を、簡単で安価に施工することが可能な橋脚補強構造及び橋脚補強方法を提供することである。
本発明に係る橋脚補強構造は、フーチング及び前記フーチング上に柱状又は壁状のく体を有する橋脚を補強する橋脚補強構造において、前記く体の周囲の少なくとも一部に設置される補強材と、前記補強材の設置された前記く体の周囲及び前記フーチング上の少なくとも一部に打設される硬化材と、を備えることを特徴とする。
また、本発明に係る橋脚補強構造では、前記補強材は、鋼材であることを特徴とする。
また、本発明に係る橋脚補強構造では、前記補強材は、複合材であることを特徴とする。
また、本発明に係る橋脚補強構造では、前記補強材は、設置前にあらかじめユニット化されていることを特徴とする。
また、本発明に係る橋脚補強構造では、前記補強材と前記型枠は、設置前にあらかじめユニット化されていることを特徴とする。
また、本発明に係る橋脚補強構造では、前記補強材は、前記フーチング上の少なくとも一部に設置されることを特徴とする。
また、本発明に係る橋脚補強構造では、前記硬化材は、前記フーチングの側面の少なくとも一部に打設されることを特徴とする。
また、本発明に係る橋脚補強構造では、前記補強材は、前記フーチングの側面の少なくとも一部に設置されることを特徴とする。
さらに、本発明に係る橋脚補強方法は、フーチング及び前記フーチング上に柱状又は壁状のく体を有する橋脚を補強する橋脚補強方法において、前記く体の周囲を囲むように締切部材を設置する工程と、前記く体と前記締切部材との間隙を掘削する工程と、前記く体の周囲の少なくとも一部に補強材を設置する工程と、前記補強材が設置された前記く体の周囲及び前記フーチング上の少なくとも一部に硬化材を打設する工程と、を有することを特徴とする。
さらに、本発明に係る橋脚補強方法は、フーチング及び前記フーチング上に柱状又は壁状のく体を有する橋脚を補強する橋脚補強方法において、前記橋脚の周囲を浚渫する工程と、前記く体の周囲の少なくとも一部に補強材を設置する工程と、前記補強材が設置された前記く体の周囲に型枠を設置する工程と、前記型枠内及び前記フーチング上の少なくとも一部に硬化材を打設する工程と、を有することを特徴とする。
また、本発明に係る橋脚補強方法では、前記補強材を設置する工程は、前記フーチング上の少なくとも一部に前記補強材を設置する工程を含むことを特徴とする。
また、本発明に係る橋脚補強方法では、前記補強材を設置する工程は、前記補強材を設置前にあらかじめユニット化する工程を含むことを特徴とする。
また、本発明に係る橋脚補強方法では、前記補強材を設置する工程及び前記型枠を設置する工程は、前記補強材と前記型枠を設置前にあらかじめユニット化する工程を含むことを特徴とする。
また、本発明に係る橋脚補強方法では、前記硬化材を打設する工程は、前記フーチングの側面の少なくとも一部に前記硬化材を打設する工程を含むことを特徴とする。
また、本発明に係る橋脚補強方法では、前記補強材を設置する工程は、前記フーチングの側面の少なくとも一部に前記補強材を設置する工程を含むことを特徴とする。
本発明に係る橋脚補強構造は、フーチング及び前記フーチング上に柱状又は壁状のく体を有する橋脚を補強する橋脚補強構造において、前記く体の周囲の少なくとも一部に設置される補強材と、前記補強材の設置された前記く体の周囲及び前記フーチング上の少なくとも一部に打設される硬化材と、を備えるので、既存の橋脚の補強を、フーチング上に補強するのみで、簡単で安価に施工することが可能となる。
また、本発明に係る橋脚補強構造では、前記補強材は、鋼材であるので、低コストで強固に補強することが可能となる。
また、本発明に係る橋脚補強構造では、前記補強材は、複合材であるので、簡単に設置することが可能となる。
また、本発明に係る橋脚補強構造では、前記補強材は、設置前にあらかじめユニット化されているので、工場等であらかじめ所定の形状にユニット化され、現場での設置時間を短縮することが可能となる。
また、本発明に係る橋脚補強構造では、前記補強材と前記型枠は、設置前にあらかじめユニット化されているので、工場等であらかじめ所定の形状にユニット化され、現場での設置時間を短縮することが可能となる。
また、本発明に係る橋脚補強構造では、前記補強材は、前記フーチング上の少なくとも一部に設置されるので、補強強度を増強させることが可能となる。
また、本発明に係る橋脚補強構造では、前記硬化材は、前記フーチングの側面の少なくとも一部に打設されるので、補強強度を増強させることが可能となる。
また、本発明に係る橋脚補強構造では、前記補強材は、前記フーチングの側面の少なくとも一部に設置されるので、補強強度を増強させることが可能となる。
さらに、本発明に係る橋脚補強方法は、フーチング及び前記フーチング上に柱状又は壁状のく体を有する橋脚を補強する橋脚補強方法において、前記く体の周囲を囲むように締切部材を設置する工程と、前記く体と前記締切部材との間隙を掘削する工程と、前記く体の周囲の少なくとも一部に補強材を設置する工程と、前記補強材が設置された前記く体の周囲及び前記フーチング上の少なくとも一部に硬化材を打設する工程と、を有するので、既存の橋脚の補強を、簡単で安価に施工することが可能となる。
さらに、本発明に係る橋脚補強方法は、フーチング及び前記フーチング上に柱状又は壁状のく体を有する橋脚を補強する橋脚補強方法において、前記橋脚の周囲を浚渫する工程と、前記く体の周囲の少なくとも一部に補強材を設置する工程と、前記補強材が設置された前記く体の周囲に型枠を設置する工程と、前記型枠内及び前記フーチング上の少なくとも一部に硬化材を打設する工程と、を有するので、既存の橋脚の補強を、簡単で安価に施工することが可能となる。
また、本発明に係る橋脚補強方法では、前記補強材を設置する工程は、前記フーチング上の少なくとも一部に前記補強材を設置する工程を含むので、補強強度を増強させることが可能となる。
また、本発明に係る橋脚補強方法では、前記補強材を設置する工程は、前記補強材を設置前にあらかじめユニット化する工程を含むので、工場等であらかじめ所定の形状にユニット化され、現場での設置時間を短縮することが可能となる。
また、本発明に係る橋脚補強方法では、前記補強材を設置する工程及び前記型枠を設置する工程は、前記補強材と前記型枠を設置前にあらかじめユニット化する工程を含むので、工場等であらかじめ所定の形状にユニット化され、現場での設置時間を短縮することが可能となる。
また、本発明に係る橋脚補強方法では、前記硬化材を打設する工程は、前記フーチングの側面の少なくとも一部に前記硬化材を打設する工程を含むので、補強強度を増強させることが可能となる。
また、本発明に係る橋脚補強方法では、前記補強材を設置する工程は、前記フーチングの側面の少なくとも一部に前記補強材を設置する工程を含むので、補強強度を増強させることが可能となる。
第1実施形態の橋脚補強構造1を示す図である。 図1に示した第1実施形態の橋脚補強構造1の面Aでの断面を示す図である。 図1に示した第1実施形態の橋脚補強構造1の面Bでの断面を示す図である。 第1実施形態の橋脚補強構造の施工方法のフローチャートを示す図である。 第1実施形態の橋脚補強構造1を施工する際の締切部材5を設置する工程を示す図である。 第1実施形態の橋脚補強構造1を施工する際のく体12と締切部材5との間隙を掘削する工程を示す図である。 第1実施形態の橋脚補強構造1を施工する際の鉄筋を設置する工程を示す図である。 第1実施形態の橋脚補強構造1を施工する際の硬化材4を打設する工程を示す図である。 第1実施形態の橋脚補強構造1を施工する際のく体12と締切部材5との間隙を埋め戻す工程を示す図である。 第2実施形態の橋脚補強構造1を示す図である。 第2実施形態の橋脚補強構造1の施工方法のフローチャートを示す図である。 第2実施形態の橋脚補強構造1を施工する際の既存の橋脚10の周囲を浚渫する工程を示す図である。 第2実施形態の橋脚補強構造1を施工する際の鉄筋を設置する工程を示す図である。 第2実施形態の橋脚補強構造1を施工する際の型枠ユニット6を沈設する工程を示す図である。 第2実施形態の橋脚補強構造1を施工する際の第2硬化材4bを打設する工程を示す図である。 第3実施形態の橋脚補強構造1を示す図である。 第4実施形態の橋脚補強構造1を示す図である。 第5実施形態の橋脚補強構造1を示す図である。 第6実施形態の橋脚補強構造1を示す図である。 第7実施形態の橋脚補強構造1を示す図である。 第8実施形態の橋脚補強構造1を示す図である。 第9実施形態の橋脚補強構造1を示す図である。 橋脚補強構造の参考例を示す図である。
本実施形態の橋脚補強構造について、以下説明する。
図1は、第1実施形態の橋脚補強構造1を示す図である。図2は、図1に示した第1実施形態の橋脚補強構造の面Aでの断面を示す図である。図3は、図1に示した第1実施形態の橋脚補強構造の面Bでの断面を示す図である。
橋脚補強構造1は、既存の橋脚10の補強を行う。既存の橋脚10は、フーチング11と、く体12を有する。フーチング11は、後述するように、地中Lに埋設され土台となる部分である。く体12は、地中Lに設置されるフーチング11から地中L及び水中Wを通って上方に延び、図示しない橋本体を支持する柱となる部分である。フーチング11とく体12は、一体に形成される。
橋脚補強構造1は、柱状鉄筋2と、帯鉄筋3と、硬化材4と、を有する。橋脚補強構造1は、橋脚10のフーチング11の上方及びく体12の周囲に設けられる。
柱状鉄筋2は、く体12の周囲に沿って、く体12の周囲に設置される第1柱状鉄筋2aと、フーチング11の上方に沿って、設置される第2柱状鉄筋2bと、を有する。
帯鉄筋3は、く体12の周囲に沿って、く体12の周囲に設置される。帯鉄筋3は、柱状鉄筋2に連結されてもよい。
なお、補強材としての柱状鉄筋2及び帯鉄筋3は、それぞれ補強強度に応じて、種類等を選択して用いてもよい。例えば、補強材としては、鉄筋、PC鋼棒、PC鋼より線等の鋼材を用いる。また、材質は鉄に限らず、樹脂及び繊維補強樹脂等でもよい。さらに、補強材としての柱状鉄筋2及び帯鉄筋3は、設置前にあらかじめユニット化していてもよい。
硬化材4は、く体12の周囲の少なくとも一部に打設される第1硬化材4a及びフーチング11の上方の少なくとも一部に打設される第2硬化材4bを有する。したがって、柱状鉄筋2及び帯鉄筋3が設置されている箇所は、それらの部材を囲むように打設される。硬化材4としては、コンクリート等を使用することが好ましい。
このような橋脚補強構造1とすることで、既存の橋脚10の補強を、短期間で安価に施工することが可能となる。
次に、第1実施形態の橋脚補強構造1の施工方法について説明する。
図4は、第1実施形態の橋脚補強構造1の施工方法のフローチャートを示す図である。第1実施形態の橋脚補強構造1を施工するには、図4のフローチャートに記載されたように、以下の工程を実行する。
まず、ステップ1で、既存の橋脚のく体12の周囲に締切部材5を設置する(ST1)。図5は、第1実施形態の橋脚補強構造1を施工する際の締切部材5を設置する工程を示す図である。締切部材5は、く体12から所定の間隙をあけて、水中W及び地中L内に設置される。締切部材5の上端は、水面より上方に設置する。締切部材5は、フーチング11に当接するまで埋め込むことが好ましい。
次に、ステップ2で、フーチング11上方のく体12と締切部材5との間隙を掘削する(ST2)。図6は、第1実施形態の橋脚補強構造1を施工する際のく体12と締切部材5との間隙を掘削する工程を示す図である。掘削は、例えば、高圧ジェット水等によって掘削した後、吸引することで、水、泥、及び土等を除去することが好ましい。
次に、ステップ3で、鉄筋としての柱状鉄筋2及び帯鉄筋3を設置する(ST3)。図7は、第1実施形態の橋脚補強構造1を施工する際の鉄筋を設置する工程を示す図である。
柱状鉄筋2及び帯鉄筋3は、く体12の周囲に第1柱状鉄筋2a及び帯鉄筋3が設置され、フーチング11の上方に第2柱状鉄筋2bが設置される。柱状鉄筋2と帯鉄筋3は、あらかじめ連結された後、く体12と締切部材5との間隙に挿入されて設置されてもよい。
次に、ステップ4で、硬化材4を打設する(ST4)。図8は、第1実施形態の橋脚補強構造1を施工する際の硬化材4を打設する工程を示す図である。硬化材4は、く体12の周囲に第1硬化材4aとして打設され、フーチング11の上方に第2硬化材4bとして打設される。
次に、ステップ5で、フーチング11上方のく体12と締切部材5との間隙を埋め戻す(ST5)。図9は、第1実施形態の橋脚補強構造1を施工する際のく体12と締切部材5との間隙を埋め戻す工程を示す図である。埋め戻しは、主に土を使用し、固めることが好ましい。
最後に、ステップ6で、締切部材5を撤去する(ST6)。図2に示すように、締切部材5を撤去すると埋め戻した土の上方が水で満たされる。
このように、橋脚補強構造1を施工することで、既存の橋脚10の補強を短期間で安価に施工することが可能となる。
次に、第2実施形態の橋脚補強構造1について説明する。
図10は、第2実施形態の橋脚補強構造1を示す図である。
第2実施形態の橋脚補強構造1では、硬化材4の周囲に型枠ユニット6を備える点で、第1実施形態の橋脚補強構造1と異なる。その他の点は、第1実施形態の橋脚補強構造1と同様なので説明は省略する。
第2実施形態の橋脚補強構造1では、硬化材4の周囲に型枠ユニット6が備えられる。第2実施形態の橋脚補強構造1の施工方法は、第1実施形態の橋脚補強構造1の施工方法と異なり、締切部材5を用いずに施工する。そのため、硬化材4を打設する際にこの型枠ユニット6を用いるのである。型枠ユニット6は、あらかじめ所定の形状にユニット化された状態で、運搬されることが好ましい。型枠ユニット6は、工場等であらかじめ所定の形状にユニット化されているので、現場での設置時間を短縮することが可能となる。
次に、第2実施形態の橋脚補強構造1の他の施工方法について説明する。
図11は、第2実施形態の橋脚補強構造1の施工方法のフローチャートを示す図である。第2実施形態の橋脚補強構造1を施工するには、図11のフローチャートに記載されたように、以下の工程を実行する。
まず、ステップ11で、既存の橋脚10の周囲を浚渫する(ST11)。図12は、第2実施形態の橋脚補強構造1を施工する際の既存の橋脚10の周囲を浚渫する工程を示す図である。この方法では、浚渫船等を用いて既存のフーチング11上を含む橋脚10の周囲の図12において破線で示した領域の土砂を取り去ることが好ましい。
次に、ステップ12で、鉄筋としての柱状鉄筋2及び帯鉄筋3を設置する(ST12)。図13は、第2実施形態の橋脚補強構造1を施工する際の鉄筋を設置する工程を示す図である。
柱状鉄筋2及び帯鉄筋3は、く体12の周囲に第1柱状鉄筋2a及び帯鉄筋3が設置され、フーチング11の上方に第2柱状鉄筋2bが設置される。柱状鉄筋2と帯鉄筋3は、あらかじめ連結された後、く体12の周囲及びフーチング11の上方に設置されてもよい。
次に、ステップ13で、型枠ユニット6を沈設する(ST13)。図14は、第2実施形態の橋脚補強構造1を施工する際の型枠ユニット6を沈設する工程を示す図である。型枠ユニット6は、あらかじめ所定の形状にユニット化された状態で、沈設されることが好ましい。
次に、ステップ14で、第2硬化材4bを打設する(ST14)。図15は、第2実施形態の橋脚補強構造1を施工する際の第2硬化材4bを打設する工程を示す図である。第2硬化材4bは、フーチング11の上方に打設される。第2硬化材4bは、フーチング11、く体12、及び型枠ユニット6で形成される空間に打設される。この際、空間に溜まっている水は、第2硬化材4bより比重が軽いので、第2硬化材4bによって上方に押し出され、空間の下方から第2硬化材4bが溜まっていくこととなる。
なお、第2硬化材4bを打設する際、フーチング11、く体12、及び型枠ユニット6で形成される空間に溜まっている水は、ポンプ等によって吸引されてもよい。
最後に、ステップ15で、第1硬化材4aを打設する(ST15)。図10に示すように、第2実施形態の橋脚補強構造1の第1硬化材4aは、く体12の周囲に打設され、ステップ14において打設された第2硬化材4bの上方に打設される。
このように、橋脚補強構造1を施工することで、第1実施形態で説明した締切部材の設置と撤去の工程が必要ないので、既存の橋脚10の補強をさらに短期間で安価に施工することが可能となる。
図16は、第3実施形態の橋脚補強構造1を示す図である。
橋脚補強構造1は、柱状鉄筋2、帯鉄筋3及び硬化材4を設置する長さを補強強度にあわせて設定すればよい。例えば、図16に示すように、フーチング11上の第2柱状鉄筋2b及び第2硬化材4bは、補強強度にあわせて長さを短くしてもよい。
このように、鉄筋としての柱状鉄筋2、帯鉄筋3及び硬化材4は、補強強度に応じて、種類及び設置箇所等を選択して用いてもよいので、さらに短期間で安価に施工することが可能となる。
図17は、第4実施形態の橋脚補強構造1を示す図である。
第4実施形態の橋脚補強構造1は、第4実施形態の橋脚補強構造1の第2柱状鉄筋2bの先端に定着体7を設置した構造である。
第2柱状鉄筋2bの先端に定着体7を設置することで、第2柱状鉄筋2bと硬化材4を強固に定着させることが可能となる。
図18は、第5実施形態の橋脚補強構造1を示す図である。
橋脚補強構造1は、補強強度に応じて、図18に示すように、フーチング11上に第2帯鉄筋3bを用いてもよい。
このように、フーチング11上に第2柱状鉄筋2b及び第2帯鉄筋3bを設置した後、第2硬化材4bを打設することにより、補強強度を高めることが可能となる。
図19は、第6実施形態の橋脚補強構造1を示す図である。
橋脚補強構造1は、補強強度に応じて、図19に示すように、フーチング11の側面に第3柱状鉄筋2c及び第3硬化材4cを用いてもよい。
このように、フーチング11の側面に第3柱状鉄筋2cを設置した後、第3硬化材4cを打設することにより、補強強度をさらに高めることが可能となる。
なお、補強強度が足りない場合には、フーチング11の側面に図示しない第3帯鉄筋を設置してよい。また、補強強度が足りている場合には、フーチング11の側面に第3硬化材4cのみを打設してもよい。
図20は、第7実施形態の橋脚補強構造1を示す図である。
第7実施形態の橋脚補強構造1は、図2に示した第1実施形態の橋脚補強構造1に加えて、アンカー8を用いた構造である。第7実施形態の橋脚補強構造1のアンカー8以外の構造は、第1実施形態の橋脚補強構造1と同様なので、アンカー8以外の構造の説明は省略する。
アンカー8は、く体12にあらかじめ打ち込まれ、硬化材4を打設することで、く体12と橋脚補強構造1とを一体化するためのものである。アンカー8を使用する代わりに、く体12にブラスト処理を施してもよい。
なお、アンカー8をフーチング11に打設してもよい。
アンカー8は、図4に示したフローチャートのステップ3の前や図11に示したフローチャートのステップ12の前にく体12に打ち込むことが好ましい。
このように、アンカー8を打ち込むことによって、く体12と橋脚補強構造1とが一体化され、補強強度を増強させることが可能となる。
図21は、第8実施形態の橋脚補強構造1を示す図である。
第8実施形態の橋脚補強構造1は、図21に示すように、く体12の周囲に補強材としての鋼板91を設置し、く体12と鋼板91の間にモルタル等の充填材92を充填させる構造である。フーチング11の上方に設置した第2柱状鉄筋2bは、フレア溶接等によってあらかじめ鋼板91に固着して、ユニット化してもよい。
強度の強い鋼板91を用いることで、第1柱状鉄筋2a及び帯鉄筋3を用いる必要がなくなり、既存の橋脚10の補強を短期間で安価に施工することが可能となる。また、充填材92の強度は、配合を工夫し、既設橋脚のコンクリート強度と同等以上となっている。
図22は、第9実施形態の橋脚補強構造1を示す図である。
第9実施形態は、図22に示すように、く体12の周囲及びフーチング11の上方のそれぞれ少なくとも一部の橋脚補強構造1に空間1aを形成したものである。
空間1aを形成することで、く体11上の桁を点検する点検設備等の障害物を回避することが可能となる。
本実施形態の橋脚補強構造1は、フーチング11及びフーチング11上に柱状又は壁状のく体12を有する橋脚10を補強する橋脚補強構造において、く体12の周囲の少なくとも一部に設置される柱状鉄筋2又は帯鉄筋3と、柱状鉄筋2又は帯鉄筋3の設置されたく体12の周囲及びフーチング11上の少なくとも一部に打設される硬化材4と、を備えるので、既存の橋脚10の補強を、簡単で安価に施工することが可能となる。
また、本実施形態の橋脚補強構造1では、柱状鉄筋2及び帯鉄筋3のうち少なくとも1つは、鋼材であるので、低コストで強固に補強することが可能となる。
また、本実施形態の橋脚補強構造1では、柱状鉄筋2及び帯鉄筋3のうち少なくとも1つは、複合材であるので、簡単に設置することが可能となる。
また、本発明に係る橋脚補強構造では、柱状鉄筋2及び帯鉄筋3のうち少なくとも1つは、設置前にあらかじめユニット化されているので、工場等であらかじめ所定の形状にユニット化され、現場での設置時間を短縮することが可能となる。
また、本発明に係る橋脚補強構造では、柱状鉄筋2及び帯鉄筋3のうち少なくとも1つと型枠6は、設置前にあらかじめユニット化されているので、工場等であらかじめ所定の形状にユニット化され、現場での設置時間を短縮することが可能となる。
また、本実施形態の橋脚補強構造1では、柱状鉄筋2及び帯鉄筋3のうち少なくとも1つは、フーチング11上の少なくとも一部に設置されるので、補強強度を増強させることが可能となる。
また、本実施形態の橋脚補強構造1では、硬化材4は、フーチング11の側面の少なくとも一部に打設されるので、補強強度を増強させることが可能となる。
また、本実施形態の橋脚補強構造1では、柱状鉄筋2及び帯鉄筋3のうち少なくとも1つは、フーチング11の側面の少なくとも一部に設置されるので、補強強度を増強させることが可能となる。
また、本実施形態の橋脚補強構造1では、く体12の少なくとも一部に打ち込まれ、硬化材4を打設することで一体化されるアンカー8を備えるので、く体12と橋脚補強構造1とが一体化され、補強強度を増強させることが可能となる。
さらに、本実施形態の橋脚補強方法は、フーチング11及びフーチング11上に柱状又は壁状のく体12を有する橋脚10を補強する橋脚補強方法において、く体12の周囲を囲むように締切部材5を設置する工程と、く体12と締切部材5との間隙を掘削する工程と、く体12の周囲の少なくとも一部に柱状鉄筋2及び帯鉄筋3のうち少なくとも1つを設置する工程と、柱状鉄筋2及び帯鉄筋3のうち少なくとも1つが設置されたく体12の周囲及びフーチング11上の少なくとも一部に硬化材4を打設する工程と、を有するので、既存の橋脚10の補強を、簡単で安価に施工することが可能となる。
さらに、本発明に係る橋脚補強方法は、フーチング11及びフーチング11上に柱状又は壁状のく体12を有する橋脚10を補強する橋脚補強方法において、橋脚10の周囲を浚渫する工程と、く体12の周囲の少なくとも一部に補強材91を設置する工程と、補強材91が設置されたく体12の周囲に型枠6を設置する工程と、型枠6内及びフーチング11上の少なくとも一部に硬化材4を打設する工程と、を有するので、既存の橋脚10の補強を、簡単で安価に施工することが可能となる。
また、本実施形態の橋脚補強方法では、柱状鉄筋2又は帯鉄筋3を設置する工程は、フーチング11上の少なくとも一部に柱状鉄筋2又は帯鉄筋3を設置する工程を含むので、補強強度を増強させることが可能となる。
また、本実施形態の橋脚補強方法では、柱状鉄筋2及び帯鉄筋3のうち少なくとも1つを設置する工程は、フーチング11上の少なくとも一部にあらかじめユニット化された柱状鉄筋2及び帯鉄筋3のうち少なくとも1つを設置する工程を含むので、工場等であらかじめ所定の形状にユニット化され、現場での設置時間を短縮することが可能となる。
また、本実施形態の橋脚補強方法では、柱状鉄筋2及び帯鉄筋3のうち少なくとも1つを設置する工程及び型枠6を設置する工程は、柱状鉄筋2及び帯鉄筋3のうち少なくとも1つと型枠6を設置前にあらかじめユニット化する工程を含むので、工場等であらかじめ所定の形状にユニット化され、現場での設置時間を短縮することが可能となる。
また、本実施形態の橋脚補強方法では、硬化材4を打設する工程は、フーチング11の側面の少なくとも一部に硬化材4を打設する工程を含むので、補強強度を増強させることが可能となる。
また、本実施形態の橋脚補強方法では、柱状鉄筋2及び帯鉄筋3のうち少なくとも1つを設置する工程は、フーチング11の側面の少なくとも一部に柱状鉄筋2及び帯鉄筋3のうち少なくとも1つを設置する工程を含むので、補強強度を増強させることが可能となる。
以上、本発明の種々の実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態のみに限られるものではなく、それぞれの実施形態の構成を適宜組み合わせて構成した実施形態も本発明の範疇となるものである。
1…橋脚補強構造
2…柱状鉄筋(補強材)
3…帯鉄筋(補強材)
4…硬化材
5…締切部材
6…型枠ユニット
7…定着体
8…アンカー
91…鋼板(補強材)
92…充填材
10…橋脚
11…フーチング
12…く体



Claims (15)

  1. フーチング及び前記フーチング上に柱状又は壁状のく体を有する橋脚を補強する橋脚補強構造において、
    前記く体の周囲の少なくとも一部に設置される補強材と、
    前記補強材の設置された前記く体の周囲及び前記フーチング上の少なくとも一部に打設される硬化材と、
    を備える
    ことを特徴とする橋脚補強構造。
  2. 前記補強材は、鋼材である
    ことを特徴とする請求項1に記載の橋脚補強構造。
  3. 前記補強材は、複合材である
    ことを特徴とする請求項1に記載の橋脚補強構造。
  4. 前記補強材は、設置前にあらかじめユニット化されている
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載の橋脚補強構造。
  5. 前記補強材と前記型枠は、設置前にあらかじめユニット化されている
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載の橋脚補強構造。
  6. 前記補強材は、前記フーチング上の少なくとも一部に設置される
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1つに記載の橋脚補強構造。
  7. 前記硬化材は、前記フーチングの側面の少なくとも一部に打設される
    ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1つに記載の橋脚補強構造。
  8. 前記補強材は、前記フーチングの側面の少なくとも一部に設置される
    ことを特徴とする請求項7に記載の橋脚補強構造。
  9. フーチング及び前記フーチング上に柱状又は壁状のく体を有する橋脚を補強する橋脚補強方法において、
    前記く体の周囲を囲むように締切部材を設置する工程と、
    前記く体と前記締切部材との間隙を掘削する工程と、
    前記く体の周囲の少なくとも一部に補強材を設置する工程と、
    前記補強材が設置された前記く体の周囲及び前記フーチング上の少なくとも一部に硬化材を打設する工程と、
    を有する
    ことを特徴とする橋脚補強方法。
  10. フーチング及び前記フーチング上に柱状又は壁状のく体を有する橋脚を補強する橋脚補強方法において、
    前記橋脚の周囲を浚渫する工程と、
    前記く体の周囲の少なくとも一部に補強材を設置する工程と、
    前記く体の周囲の少なくとも一部に型枠を設置する工程と、
    前記型枠内及び前記フーチング上の少なくとも一部に硬化材を打設する工程と、
    を有する
    ことを特徴とする橋脚補強方法。
  11. 前記補強材を設置する工程は、前記フーチング上の少なくとも一部に前記補強材を設置する工程を含む
    ことを特徴とする請求項9又は10に記載の橋脚補強方法。
  12. 前記補強材を設置する工程は、前記補強材を設置前にあらかじめユニット化する工程を含む
    ことを特徴とする請求項9乃至11のいずれか1つに記載の橋脚補強方法。
  13. 前記補強材を設置する工程及び前記型枠を設置する工程は、前記補強材と前記型枠を設置前にあらかじめユニット化する工程を含む
    ことを特徴とする請求項12に記載の橋脚補強方法。
  14. 前記硬化材を打設する工程は、前記フーチングの側面の少なくとも一部に前記硬化材を打設する工程を含む
    ことを特徴とする請求項9乃至13のいずれか1つに記載の橋脚補強方法。
  15. 前記補強材を設置する工程は、前記フーチングの側面の少なくとも一部に前記補強材を設置する工程を含む
    ことを特徴とする請求項14に記載の橋脚補強方法。
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