JP2014205812A - 樹脂組成物、樹脂フィルム及び半導体装置とその製造方法 - Google Patents

樹脂組成物、樹脂フィルム及び半導体装置とその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、ウエハを一括してモールド(ウエハモールド)することができ、特に、大口径、薄膜ウエハに対して良好なモールド性を有し、同時に、モールド後において低反り性及び良好なウエハ保護性能を与え、更に、モールド工程を良好に行うことができ、ウエハレベルパッケージに好適に用いることができる樹脂組成物及び樹脂フィルムを提供する。
【解決手段】 下記(A)、(B)及び(C)成分を含有することを特徴とする樹脂組成物。
(A)下記一般式(1)で表される重量平均分子量が3000から500000であるシリコーン樹脂、
【化1】
Figure 2014205812

(B)熱硬化性樹脂、
(C)フィラー。
【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂組成物、樹脂フィルム及び半導体装置とその製造方法に関する。
近年の半導体装置の製造に用いられるウエハのサイズは大口径化、薄膜化が進んでおり、これらをウエハレベルで封止する技術が求められている。そこで、従来の固形タイプのエポキシ樹脂のトランスファー成形方法の他、液状タイプのエポキシ樹脂を用いた圧縮成形方法が提案されている(特許文献1)。
しかしながら、トランスファー成形では狭部に樹脂を流動させるためワイヤ変形を起こすことが懸念され、封止面積の増大に伴う充填不良も起こしやすくなるという問題がある。また、圧縮成形法ではウエハの端面部分での成形範囲の細かい制御が難しい上、成形機へ液状封止樹脂を流し込む際の流動性と物性とを最適化することが容易ではないという問題があった。その上、近年のウエハサイズの大口径化、ウエハの薄膜化により、これまで問題にならなかったモールド後のウエハの反りが問題となってきており、更には良好なウエハ保護性能も求められる。そのため、ウエハ表面への充填不良等の問題を生じさせずにウエハを一括してモールドすることができ、モールド後において低反り性及び良好なウエハ保護性能を有するウエハモールド材の開発が望まれていた。
国際公開第2009/142065号パンフレット
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、ウエハを一括してモールド(ウエハモールド)することができ、特に、大口径、薄膜ウエハに対して良好なモールド性を有し、同時に、モールド後において低反り性及び良好なウエハ保護性能を与え、更に、モールド工程を良好に行うことができ、ウエハレベルパッケージに好適に用いることができる樹脂組成物及び樹脂フィルムを提供すること、また該樹脂フィルムによりモールドされた半導体装置、及びその半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、
下記(A)、(B)及び(C)成分を含有することを特徴とする樹脂組成物を提供する。
(A)下記一般式(1)で表される重量平均分子量が3000から500000であるシリコーン樹脂、
Figure 2014205812
[式中、R〜Rは同一でも異なっていてもよい炭素原子数1〜8の1価炭化水素基を示す。また、mは1〜300の整数、nは2または3であり、aは正数、bは0又は正数である。XおよびYは下記一般式(2)または(3)で示される2価の有機基である。
Figure 2014205812
(式中、Zは
Figure 2014205812
のいずれかより選ばれる2価の有機基であり、pは0又は1である。また、Rは炭素原子数1〜4のアルキル基又はアルコキシ基であり、Rは水素原子またはメチル基、エチル基を表し、相互に同一でも異なっていてもよい。hは0、1、2のいずれかである。)]
Figure 2014205812
(B)熱硬化性樹脂、
(C)フィラー。
このような樹脂組成物であれば、フィルム状に形成することが可能であるため、ウエハを一括してモールド(ウエハモールド)でき、かつ、大口径、薄膜ウエハに対して良好なモールド性能、密着性、低反り性、ウエハ保護性、及び信頼性に優れたものとなり、ウエハレベルパッケージに好適に用いることができる樹脂組成物となる。
また、前記(B)成分の量が、前記(A)成分100質量部に対し5〜100質量部であり、全質量に対する前記(C)成分の質量分率が、30〜90質量%であることが好ましい。
このような樹脂組成物であれば、フィルム状に形成することが容易であるため、ウエハを容易に一括してモールド(ウエハモールド)でき、かつ、大口径、薄膜ウエハに対してさらに良好なモールド性能、密着性、低反り性、ウエハ保護性、及び信頼性に優れたものとなり、ウエハレベルパッケージにさらに好適に用いることができる樹脂組成物となる。
また、前記熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂であることが好ましい。
熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を用いれば、ウエハへの密着性、ウエハ保護性が一層良好となるため、ウエハレベルパッケージにさらに好適に用いることができる。
更に、エポキシ樹脂硬化剤及びエポキシ樹脂硬化促進剤から選ばれる少なくとも一方を含有するものであることが好ましい。
エポキシ樹脂硬化剤及びエポキシ樹脂硬化促進剤から選ばれる少なくとも一方を含有することにより、硬化反応を適切かつ均一に進めることができるため好都合である。
前記フィラーがシリカであることが好ましい。
フィラーがシリカであれば、ウエハ保護性をさらに向上させることができ、耐熱性、耐湿性、強度等をさらに向上させ、信頼性を上げることができるため好都合である。
また、本発明は、前記樹脂組成物を用いて形成されたものであることを特徴とする樹脂フィルムを提供する。
フィルム状に形成された樹脂フィルムであれば、大口径、薄膜ウエハに対して良好なモールド性能を有するものとなり、ウエハを一括してモールドする際に、樹脂を流し込む必要がないため、ウエハ表面への充填不良等の問題を生じさせることがない。また、前記樹脂組成物を用いて形成された樹脂フィルムであれば、ウエハに対する密着性、ウエハ保護性を同時に併せ持つウエハモールド材となる。
さらに本発明は、前記樹脂フィルムを半導体ウエハに貼り付け、該半導体ウエハをモールドする工程と、該モールドされた半導体ウエハを個片化する工程とを有することを特徴とする半導体装置の製造方法を提供する。
このように、前記樹脂フィルムでモールドされた半導体ウエハは反りが少なく十分に保護されたものとなるので、これを個片化することで歩留まり良く高品質な半導体装置を製造することができる。
さらに本発明は、前記樹脂フィルムを加熱硬化した加熱硬化皮膜でモールドされた半導体ウエハを個片化してなり、前記加熱硬化皮膜を有するものであることを特徴とする半導体装置を提供する。
このように、樹脂フィルムを加熱硬化した加熱硬化皮膜でモールドされた半導体ウエハは反りが少なく十分に保護されたウエハであり、これを個片化することで得られる半導体装置は反りのない高品質な半導体装置とすることができる。
本発明の樹脂組成物は、フィルム状に加工することが可能であるため、大口径、薄膜ウエハに対して良好なモールド性能を有するものとなる。また、密着性、低反り性、ウエハ保護性に優れ、ウエハを一括してモールドすることが可能となるため、ウエハレベルパッケージに好適に用いることができる樹脂フィルムとなる。
また、本発明の半導体装置及びその製造方法であれば、歩留まり良く高品質な半導体装置を提供することができる。
前述のように、ウエハ表面への充填不良等の問題を生じさせずにウエハを一括してモールドすることができ、モールド後において密着性、低反り性及び良好なウエハ保護性能を有するウエハモールド材の開発が望まれていた。
そこで、本発明者らは、上記課題を達成するため鋭意検討を重ねた結果、下記(A)シリコーン樹脂がウエハへの密着性、硬化後の低反り性に優れた樹脂組成物を与えることを見出し、更に下記(B)熱硬化性樹脂がウエハへの密着性、ウエハ保護性を付与し、更に下記(C)フィラーがウエハ保護性並びに硬化後の樹脂組成物の信頼性を向上するため、これらの成分からなる樹脂組成物より得られた樹脂フィルムが、ウエハに対する密着性、ウエハ保護性を同時に併せ持つウエハモールド材となることを見出して、本発明を完成させたものである。
以下、本発明の樹脂組成物並びにそれから得られる樹脂フィルム、半導体装置及びその製造方法について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明の樹脂組成物は、
(A)シリコーン樹脂、
(B)熱硬化性樹脂、
(C)フィラー
を含有する。
<樹脂組成物>
[(A)シリコーン樹脂]
本発明において、(A)成分のシリコーン樹脂はフィルム形成能を与えるものとして機能する。
また、得られた樹脂フィルムをウエハモールド材として用いた場合、ウエハへの密着性、低反り性、良好なモールド性を与える。
この(A)成分のシリコーン樹脂は、下記一般式(1)で表される重量平均分子量が3000から500000であるシリコーン樹脂である。
Figure 2014205812
[式中、R〜Rは同一でも異なっていてもよい炭素原子数1〜8の1価炭化水素基を示す。また、mは1〜300の整数、nは2または3であり、aは正数、bは0又は正数である。XおよびYは下記一般式(2)または(3)で示される2価の有機基である。
Figure 2014205812
(式中、Zは
Figure 2014205812
のいずれかより選ばれる2価の有機基であり、pは0又は1である。また、Rは炭素原子数1〜4のアルキル基又はアルコキシ基であり、Rは水素原子またはメチル基、エチル基を表し、相互に同一でも異なっていてもよい。hは0、1、2のいずれかである。)]
Figure 2014205812
本発明のシリコーン樹脂は、上記式(1)で表される繰返し単位を含有し、テトラヒドロフランを溶出溶媒としてGPCで測定したポリスチレン換算の重量平均分子量が3,000から500,000、好ましくは5,000から200,000である重合体である。aは正数、bは0又は正数であり、0<a/(a+b)≦1を満たし、好ましくは、0.1≦a/(a+b)≦0.6を満たす。各単位はランダムに結合していても、ブロック重合体として結合していてもよい。
上記式(1)において、mは1〜300の整数、nは2または3である。また、XおよびYは上記式(2)または(3)で示される2価の有機基である。RからRは、互いに独立に、炭素数1〜8、好ましくは1〜6の1価炭化水素基であり、メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、及びフェニル基などが挙げられる。中でもメチル基及びフェニル基が原料の入手の容易さから好ましい。
上記式(2)において、Rは、互いに独立に、炭素数1〜4、好ましくは1〜2のアルキル基又はアルコキシ基であり、メチル、エチル基、プロピル基、tert−ブチル基、メトキシ基、及びエトキシ基などが挙げられる。hは0、1または2であり、好ましくは0である。
上記式(2)において、Zは、下記に示す基のいずれかより選ばれる2価の基である。pは0又は1である。
Figure 2014205812
上記式(2)において、Rは水素原子、メチル基またはエチル基であり、好ましくは水素原子である。
また、上記式(1)のXにおいて、前記一般式(3)の割合が10モル%から50モル%であることが好ましい。
((A)シリコーン樹脂の製造方法)
本発明のシリコーン樹脂は、下記一般式(4)、下記一般式(5)、下記一般式(6)及び下記一般式(7)で表される化合物から選択される化合物を用いて金属触媒存在下、付加重合することにより製造することができる。
尚、上記式(1)において、b=0のときは、下記式(4)で表わされる化合物を用いることなく製造される。
Figure 2014205812
Figure 2014205812
(式中、R〜Rは同一でも異なっていてもよい炭素原子数1〜8の1価炭化水素基を示し、mは1〜300の整数である)
Figure 2014205812
(式中、Zは
Figure 2014205812
のいずれかより選ばれる2価の有機基であり、pは0又は1である。また、Rは炭素原子数1〜4のアルキル基又はアルコキシ基であり、Rは水素原子またはメチル基、エチル基を表し、相互に同一でも異なっていてもよい。hは0、1、2のいずれかである。)
Figure 2014205812
金属触媒は、例えば、白金(白金黒を含む)、ロジウム、パラジウム等の白金族金属単体;HPtCl・xHO、HPtCl・xHO、NaHPtCl・xHO、KHPtCl・xHO、NaPtCl・xHO、KPtCl・xHO、PtCl・xHO、PtCl、NaHPtCl・xHO(式中、xは0〜6の整数が好ましく、特に0又は6が好ましい)等の塩化白金、塩化白金酸及び塩化白金酸塩;アルコール変性塩化白金酸(例えば、米国特許第3,220,972号に記載のもの);塩化白金酸とオレフィンとの錯体(例えば、米国特許第3,159,601号明細書、米国特許第3,159,662号明細書、及び米国特許第3,775,452号明細書に記載のもの);白金黒やパラジウム等の白金族金属をアルミナ、シリカ、カーボン等の担体に担持させたもの;ロジウム−オレフィン錯体;クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(所謂ウィルキンソン触媒);及び、塩化白金、塩化白金酸又は塩化白金酸塩とビニル基含有シロキサン(特にビニル基含有環状シロキサン)との錯体を使用することができる。
触媒の使用量は触媒量であればよく、白金族金属として、反応に供する原料化合物の総量に対して0.0001〜0.1質量%、好ましくは0.001〜0.01質量%であることが好ましい。付加反応は溶剤が存在しなくても実施可能であるが、必要に応じて溶剤を使用しても良い。溶剤としては、例えばトルエン、キシレン等の炭化水素系溶剤が好ましい。反応温度は、触媒が失活せず、かつ、短時間で重合の完結が可能である温度であればよく、例えば40〜150℃、特に60〜120℃が好ましい。反応時間は、重合物の種類及び量により適宜選択すればよく、例えば0.5〜100時間、特に0.5〜30時間が好ましい。溶剤を使用した場合には、反応終了後に減圧留去に供して溶剤を留去する。
反応方法は特に制限されるものではないが、例えば、式(4)で表わされる化合物と、式(5)で表わされる化合物と、式(6)で表わされる化合物と、式(7)で表わされる化合物とを反応させる場合、先ず、式(6)及び式(7)で表わされる化合物を混合して加温した後、前記混合液に金属触媒を添加し、次いで式(4)および式(5)で表される化合物を0.1〜5時間かけて滴下するのが良い。
各化合物の配合比は、上記式(4)および式(5)で表される化合物が有するヒドロシリル基のモル数の合計と、上記式(6)および式(7)で表される化合物が有するアルケニル基のモル数の合計が、アルケニル基の合計モル数に対するヒドロシリル基の合計モル数が0.67〜1.67、好ましくは0.83〜1.25となるように配合するのがよい。重合体の重量平均分子量はo−アリルフェノールのようなモノアリル化合物、又は、トリエチルヒドロシランのようなモノヒドロシランやモノヒドロシロキサンを分子量調整剤として使用することにより制御することが可能である。
[(B)熱硬化性樹脂]
(B)成分は、本発明の樹脂組成物にウエハへの密着性、保護性を向上させるものである。本発明において熱硬化性樹脂は特に限定されず、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂等を挙げることができるが、中でもエポキシ樹脂が好ましい。エポキシ樹脂はシリコーン樹脂(A)が含有するエポキシ基と架橋反応することができる。従って、熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂であると、樹脂組成物を硬化させる際に、熱硬化性樹脂とシリコーン樹脂(A)とが架橋反応するため、樹脂のウエハへの密着性、保護性、信頼性がより向上する。
エポキシ樹脂は、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、又はそれらに水素添化したもの、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のグリシジルエーテル系エポキシ樹脂、ヘキサヒドロフタル酸グリシジルエステル、ダイマー酸グリシジルエステル等のグリシジルエステル系エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン等のグリシジルアミン系エポキシ樹脂等が挙げられ、好ましくは、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂が挙げられる。これらの市販品としては、例えば、商品名で、jER1001(三菱化学製)、エピクロン830S(DIC製)、jER517(三菱化学製)、EOCN103S(日本化薬製)等が挙げられる。
また、熱硬化性樹脂としてフェノール樹脂を用いることもできる。該フェノール樹脂としては、例えば、フェノールやビスフェノールA、p−t−ブチルフェノール、オクチルフェノール、p−クミルフェノール等のアルキルフェノール、p−フェニルフェノール、クレゾール等を原料として調製したレゾール型フェノール樹脂及び/又はノボラック型フェノール樹脂が挙げられる。熱硬化性樹脂は1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
熱硬化性樹脂の配合量は特に限定されないが、(A)成分100質量部に対して5〜100質量部であるのがよく、好ましくは5〜50質量部である。熱硬化性樹脂の配合量が上記範囲内であれば、樹脂組成物の密着性、保護性がさらに向上する。また、該樹脂組成物の硬化物は信頼性に優れた硬化物となるため好ましい。
また、本発明の樹脂組成物は、前記エポキシ樹脂に加え、更にエポキシ樹脂硬化剤及び/又はエポキシ樹脂硬化促進剤を含有することができる。エポキシ樹脂硬化剤及び/又はエポキシ樹脂硬化促進剤を含有することにより、硬化反応を適切かつ均一に進めることができる。エポキシ樹脂硬化剤の配合量は(A)成分100質量部に対して1〜50質量部、好ましくは2〜20質量部であるのがよく、エポキシ樹脂硬化促進剤の配合量は、(A)成分100質量部に対して0.1〜10質量部、好ましくは0.2〜5質量部であるのがよい。
エポキシ樹脂硬化剤は、通常使用されるものであればよく、特に限定されないが、耐熱性の観点から芳香族系硬化剤や脂環式硬化剤がより好ましい。該エポキシ樹脂硬化剤としては、例えば、アミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤、三フッ化ホウ素アミン錯塩、フェノール樹脂等が挙げられる。アミン系硬化剤としては、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン等の脂肪族アミン系硬化剤、イソホロンジアミン等の脂環式アミン系硬化剤、ジアミノジフェニルメタン、フェニレンジアミン等の芳香族アミン系硬化剤、ジシアンジアミド等が挙げられる。中でも、芳香族アミン系硬化剤が好ましい。酸無水物系硬化剤としては、例えば、無水フタル酸、ピロメリット酸無水物、トリメリット酸無水物、ヘキサヒドロ無水フタル酸等が挙げられる。上記エポキシ樹脂硬化剤は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
エポキシ樹脂硬化促進剤は、例えば、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、及びこれらの化合物のエチルイソシアネート化合物、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール等のイミダゾール化合物、1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7(DBU)、1,5−ジアザビシクロ(4.3.0)ノネン−5(DBN)、DBUの有機酸塩、DBUのフェノール樹脂塩、DBU誘導体のテトラフェニルボレート塩等のDBU系化合物、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリス(p−メチルフェニル)ホスフィン、トリス(p−メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(p−エトキシフェニル)ホスフィン、トリフェニルホスフィン・トリフェニルボレート、テトラフェニルホスフィン・テトラフェニルボレート等のトリオルガノホスフィン類、四級ホスホニウム塩、トリエチレンアンモニウム・トリフェニルボレート等の第三級アミン、及びそのテトラフェニルホウ素酸塩等が挙げられる。上記エポキシ樹脂硬化促進剤は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
[(C)フィラー]
(C)成分は、本発明の樹脂組成物に、ウエハ保護性を与え、更に、耐熱性、耐湿性、強度等を向上させ、信頼性を上げることができる。フィラーとしては、例えばタルク、焼成クレー、未焼成クレー、マイカ、ガラス等のケイ酸塩、酸化チタン、アルミナ、溶融シリカ(溶融球状シリカ、溶融破砕シリカ)、結晶シリカ粉末等の酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ハイドロタルサイト等の炭酸塩、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の水酸化物、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウム等の硫酸塩又は亜硫酸塩、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナトリウム等のホウ酸塩、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素等の窒化物等を挙げることができる。これらのフィラーは1種単独で混合しても、2種以上を併せて混合してもよい。これらの中でも溶融シリカ、結晶シリカ等のシリカ粉末が好ましい。前記シリカ粉末としては、例えば、ヒュームドシリカ、沈降性シリカ等の補強性シリカ;石英等の結晶性シリカが挙げられる。具体的には、日本アエロジル社製のAerosil R972、R974、R976;(株)アドマテックス社製のSE−2050、SC−2050、SE−1050、SO−E1、SO−C1、SO−E2、SO−C2、SO−E3、SO−C3、SO−E5、SO−C5;信越化学工業(株)製のMusil120A、Musil130A等が例示される。
フィラーの平均粒径は、特に限定されないが、0.01μm以上20μm以下が好ましく、特には0.01μm以上10μm以下が好ましい。無機充填剤の平均粒子径が上記下限値以上であれば、無機充填剤が凝集しにくくなり、強度が高くなるため好ましい。また上記上限値以下であれば、チップ間への樹脂の流動性が高くなり、充填性が良好になるため好ましい。なお、平均粒径はレーザー光回折法による粒度分布測定装置によって求めることができ、質量平均値D50(即ち、累積質量が50%となるときの粒子径又はメジアン径)として測定することができる。
フィラーの含有量は、本発明の樹脂組成物の総質量に対し30質量%以上90質量%以下、好ましくは50質量%以上85質量%以下とすることが好ましい。フィラーの含有量が上記上限値以下であればフィルム系性能が高くなり、樹脂の流動性が高くなり、充填性が良好となるため好ましい。また、上記下限値以上であれば、十分に効果を奏する。
シランカップリング剤
本発明の樹脂組成物はシランカップリング剤を含んでもよい。シランカップリング剤を含むことにより、樹脂組成物の被接着体への密着性を更に高めることができる。シランカップリング剤としては、エポキシシランカップリング剤、芳香族含有アミノシランカップリング剤等が挙げられる。これらは単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。シランカップリング剤の含有量は、特に限定されないが、本発明の接着剤組成物の総質量の0.01質量%以上5質量%以下とすることが好ましい。
また、本発明の樹脂組成物は、上記以外の成分を含んでいてもよい。例えば、シリコーン樹脂(A)と熱硬化性樹脂(B)の相溶性を向上するため、あるいは樹脂組成物の貯蔵安定性又は作業性等の各種特性を向上するために、各種添加剤を適宜添加してもよい。例えば、脂肪酸エステル・グリセリン酸エステル・ステアリン酸亜鉛・ステアリン酸カルシウム等の内部離型剤、フェノール系、リン系、もしくは硫黄系酸化防止剤等を添加することができる。その他の任意成分は、無溶剤で本発明の樹脂組成物に添加してもよいが、有機溶剤に溶解又は分散し、溶液又は分散液として調製してから添加してもよい。溶剤は樹脂組成物の分散液を調製するための溶剤として以下に説明する有機溶剤を使用することができる。
・有機溶剤
上記その他の任意成分は、無溶剤で本発明の接着剤組成物に添加してもよいが、有機溶剤に溶解又は分散し、溶液又は分散液(以下、単に「溶液」という)として調製してから添加してもよい。この有機溶剤としては、N,N−ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、N,N−ジメチルホルムアミド、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、N−メチル−2−ピロリドン、トルエン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が挙げられ、好ましくはメチルエチルケトン、シクロペンタノン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートが挙げられる。これらの有機溶剤は、1種類を単独で用いても、2種類以上を併用してもよい。
<樹脂フィルム>
本発明の樹脂組成物はフィルム状に形成されることが好ましい。このような樹脂フィルムであれば、特に、大口径、薄膜ウエハに対して良好なモールド性を有するものとなり、ウエハを一括してモールドする際に、樹脂を流し込む必要がない。そのため、従来のトランスファー成形で生じうるワイヤ変形、ウエハ表面への充填不良や、圧縮成形法で生じうる成形範囲の制御の難しさ、液状封止樹脂の流動性と物性の問題は根本的に解消することができる。
更に、樹脂フィルムの厚みは、100μm以上700μm以下であることが好ましい。このような厚みであれば、低反り性、保護性に優れる樹脂フィルムとなるため好ましい。
従って、本発明は、前記樹脂組成物から形成される樹脂フィルムを提供する。該樹脂フィルムとして、例えば、本発明の樹脂組成物から形成される樹脂フィルムと、樹脂フィルムを被覆する保護層とを有する樹脂フィルムが挙げられる。該保護層は、後に説明するものを用いることができる。以下、本発明の樹脂フィルムの製造方法の一例について説明する。
(樹脂フィルムの製造方法)
予め本発明の(A)シリコーン樹脂、(B)熱硬化性樹脂、(C)フィラー、必要に応じて、その他の任意成分、及び有機溶剤を混合して液状に調整した樹脂組成物溶液を作製し、該樹脂組成物溶液をリバースロールコータ、コンマコータ等を用いて、保護層に塗布する。前記樹脂組成物溶液が塗布された保護層をインラインドライヤに通し、80〜160℃で2〜20分間かけて有機溶剤を除去することにより乾燥させ、次いでロールラミネータを用いて別の保護層と圧着し、積層することにより、本発明の樹脂フィルムが得られる。
・保護層(保護フィルム/剥離フィルム)
前記保護層は、本発明の樹脂組成物からなる樹脂フィルムの形態を損なうことなく剥離できるものであれば特に限定されないが、通常、ポリエチレン(PE)フィルム、ポリプロピレン(PP)フィルム、ポリメチルペンテン(TPX)フィルム、離型処理を施したポリエステルフィルム等のプラスチックフィルム等が挙げられる。
(モールドされるウエハ)
本発明の樹脂フィルムにより一括してモールドされるウエハとしては、特に制限されないが、表面に半導体素子(チップ)が積載されたウエハであっても、表面に半導体素子が作製された半導体ウエハであってもよい。本発明の樹脂フィルムは、モールド前にはこのようなウエハ表面に対する充填性が良好であり、また、モールド後には低反り性を有し、このようなウエハの保護性に優れる。また、本発明の樹脂フィルムは特に制限されないが、例えば直径8インチ(200mm)、12インチ(300mm)といった大口径のウエハや薄膜ウエハをモールドするのに好適に用いることができる。
(ウエハのモールド方法)
本発明の樹脂フィルムを用いたウエハのモールド方法については特に限定されないが、例えば、樹脂フィルム上に貼られた一方の保護フィルムを剥がし、(株)タカトリ製の真空ラミネーター(製品名:TEAM−100RF)を用いて、真空チャンバー内を真空度50〜1,000Pa、例えば100Paに設定し、80〜130℃、例えば100℃で他方の剥離フィルム及び樹脂フィルムを上記ウエハに密着させ、常圧に戻した後、上記基板を25℃に冷却して上記真空ラミネーターから取り出し、他方の剥離フィルムを剥離することで行うことができる。
<半導体装置>
更に、本発明では前記樹脂フィルムを加熱硬化した加熱硬化皮膜でモールドされた半導体ウエハを個片化したものであり、加熱硬化皮膜を有することを特徴とする半導体装置を提供する。本発明により反りが少なく十分に保護されたウエハを個片化することで得られる半導体装置は歩留まりの良い高品質な半導体装置となる。
<半導体装置の製造方法>
また、本発明では樹脂フィルムの一方の保護フィルムを樹脂フィルムから剥離し、表面に露出した樹脂フィルムを半導体ウエハに貼り付け、他方の剥離フィルムを樹脂フィルムから剥離して半導体ウエハをモールドする工程と、モールドされた半導体ウエハを個片化する工程とを有することを特徴とする半導体装置の製造方法を提供する。
以下、合成例、実施例及び比較例を示して本発明を更に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。
[合成例1〜3]
合成例において、各重合体の重量平均分子量は、GPCカラム TSKgel Super HZM−H(東ソー社製)を用い、流量0.6ミリリットル/分、溶出溶媒テトラヒドロフラン、カラム温度40℃の分析条件で、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。
実施例、比較例において使用した化合物を以下に示す。
Figure 2014205812
Figure 2014205812
Figure 2014205812
Figure 2014205812
Figure 2014205812
[合成例1]
撹拌機、温度計、窒素置換装置及び還流冷却器を具備した3Lフラスコ内に、上記式(S−1)で示される化合物210g(0.35モル)および上記式(S−2)で示される化合物27.9g(0.15モル)、を加えた後、トルエン2000gを加え、70℃に加温した。その後、塩化白金酸トルエン溶液(白金濃度0.5wt%)1.0gを投入し、上記式(S−3)で示される化合物77.8g(0.4モル)および上記式(S−4)で示される化合物(x=40)309.4g(0.1モル)を1時間かけて滴下した(ヒドロシリル基の合計モル数/アルケニル基の合計モル数=1/1)。滴下終了後、100℃まで加温し6時間熟成した後、反応溶液からトルエンを減圧留去して得られた生成物のGPCにより測定したポリスチレン換算の重量平均分子量は36,000であった。得られた樹脂は下記式に示したもので、これを樹脂(1)とし、実施例、比較例に供した。
Figure 2014205812
[合成例2]
撹拌機、温度計、窒素置換装置及び還流冷却器を具備した3Lフラスコ内に、上記式(S−1)で示される化合物300g(0.5モル)を加えた後、トルエン2100gを加え、70℃に加温した。その後、塩化白金酸トルエン溶液(白金濃度0.5wt%)1.0gを投入し、上記式(S−3)で示される化合物77.8g(0.4モル)および上記式(S−4)で示される化合物(x=100)753.4g(0.1モル)を2時間かけて滴下した(ヒドロシリル基の合計モル数/アルケニル基の合計モル数=1/1)。滴下終了後、100℃まで加温し6時間熟成した後、反応溶液からトルエンを減圧留去して得られた生成物のGPCにより測定したポリスチレン換算の重量平均分子量は52,000であった。得られた樹脂は下記式に示したもので、これを樹脂(2)とし、実施例、比較例に供した。
Figure 2014205812
[合成例3]
撹拌機、温度計、窒素置換装置及び還流冷却器を具備した3Lフラスコ内に、上記式(S−1)で示される化合物150g(0.25モル)および上記式(S−2)で示される化合物46.5g(0.25モル)、を加えた後、トルエン1000gを加え、70℃に加温した。その後、塩化白金酸トルエン溶液(白金濃度0.5wt%)0.5gを投入し、上記式(S−3)で示される化合物48.6g(0.25モル)および上記式(S−4)で示される化合物(x=8)181.5g(0.25モル)を1時間かけて滴下した(ヒドロシリル基の合計モル数/アルケニル基の合計モル数=1/1)。滴下終了後、100℃まで加温し6時間熟成した後、反応溶液からトルエンを減圧留去して得られた生成物のGPCにより測定したポリスチレン換算の重量平均分子量は27000であった。得られた樹脂は下記式に示したもので、これを樹脂(3)とし、実施例に供した。
Figure 2014205812
[比較合成例1]
撹拌機、温度計、窒素置換装置及び還流冷却器を具備した3Lフラスコ内に、上記式(S−5)で示される化合物151g(0.35モル)および上記式(S−2)で示される化合物27.9g(0.15モル)、を加えた後、トルエン2000gを加え、70℃に加温した。その後、塩化白金酸トルエン溶液(白金濃度0.5wt%)1.0gを投入し、上記式(S−3)で示される化合物77.8g(0.4モル)および上記式(S−4)で示される化合物(x=40)309.4g(0.1モル)を1時間かけて滴下した(ヒドロシリル基の合計モル数/アルケニル基の合計モル数=1/1)。滴下終了後、100℃まで加温し6時間熟成した後、反応溶液からトルエンを減圧留去して得られた生成物のGPCにより測定したポリスチレン換算の重量平均分子量は38,000であった。得られた樹脂は下記式に示したもので、これを樹脂(4)とし、比較例に供した。
Figure 2014205812
[実施例1〜6及び比較例1〜3]
<樹脂組成物の調製>
下記表1に記載した組成で、(A)上記合成例1〜3で合成したシリコーン樹脂(上記樹脂(1)〜(3))、(B)熱硬化性樹脂、(C)フィラーを配合した。更に固形成分濃度が70質量%となる量のシクロペンタノンを添加し、ボールミルを使用して撹拌し、混合及び溶解分散して、樹脂組成物の分散液を調製した。なお、表1中の配合量を示す数値の単位は「質量部」である。比較例1は(B)熱硬化性樹脂を含まない樹脂組成物であり、比較例2は(C)フィラーを含まない樹脂組成物であり、比較例3は本発明のシリコーン樹脂(A)とは異なるシリコーン樹脂(上記樹脂(4))を含む樹脂組成物である。
樹脂組成物の調製に用いた各成分を下記に示す。
(B)熱硬化性樹脂
・EOCN−103S(商品名)(日本化薬製、エポキシ当量:209〜219)
ここで、エポキシ当量とは各成分一分子あたりが有するエポキシ基の当量をいう。
更に、以下に示すエポキシ樹脂硬化剤及びエポキシ樹脂硬化促進剤を使用した。
・エポキシ樹脂硬化剤:
リカジットHH(商品名)(新日本理化製、ヘキサヒドロ無水フタル酸)
・エポキシ樹脂硬化促進剤:
キュアゾール2P4MHZ(商品名)(四国化成製、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール)
(C)フィラー
・シリカ(アドマテックス製、平均粒径5.0μm)
剥離フィルム(1):E7304(東洋紡績(株)製、75μm、剥離力200mN/50mm)
剥離フィルム(2):E7302(東洋紡績(株)製、75μm、剥離力90mN/50mm)
保護フィルム:ポリエチレンフィルム(100μm)
Figure 2014205812
[実施例1]
(樹脂フィルムの形成)
フィルムコーターとしてダイコーターを用い、E7304を剥離フィルム(1)として用いて、表1の実施例1に示す樹脂組成物を剥離フィルム上に塗布した。次いで、100℃に設定された熱風循環オーブン(長さ4m)を5分間で通過させることにより、膜厚100μmの樹脂フィルムを上記剥離フィルム(1)上に形成した。次に樹脂フィルムの上から、ポリエチレンフィルム(厚さ100μm)をラミネートロールを用いて線圧力10N/cmにて貼り合わせて、剥離フィルム(1)/樹脂フィルム/保護フィルムからなる積層フィルム(1)を作製した。剥離フィルム(1)の代りにE7302を剥離フィルム(2)として用いる以外は上記と同様にして積層フィルム(2)を作製した。更に、得られた積層フィルム(1),(2)のそれぞれのポリエチレンフィルムを取り除き、樹脂フィルム同士を重ね合わせ、60℃に加温された熱ロールラミネーターに投入し、膜厚が200μmの剥離フィルム(1)/樹脂フィルム/剥離フィルム(2)からなる複合フィルムを形成した。
[実施例2〜6、比較例1〜3]
実施例1と同様の方法にて、膜厚が200μmの複合フィルムを作製した。
なお、実施例6では、実施例2と同じ樹脂組成物で、膜厚が500μmの樹脂フィルムを作製した。
[樹脂フィルムのウエハへのモールド]
ウエハ厚み100μmの直径8インチ(200mm)シリコンウエハを用意した。実施例1〜6及び比較例1〜3の複合フィルムについて、剥離フィルム(2)を剥離し、真空ラミネーター((株)タカトリ製、製品名:TEAM−100RF)を用いて、真空チャンバー内を真空度100Paに設定し、100℃で、樹脂フィルムを上記シリコンウエハに貼り付けた。常圧に戻した後、上記シリコンウエハを25℃に冷却して上記真空ラミネーターから取り出し、残りの剥離フィルム(1)を剥離した。
得られた樹脂フィルム付ウエハは、イナートオーブンにて、180℃,2時間加熱することにより樹脂の硬化を行った。
[評価1:ウエハ反り量]
樹脂フィルム硬化後のウエハ反り量を測定し、得られた値を表2に示す。
[評価2:ウエハサポート性]
ウエハサポート性はウエハの端を支持した際のウエハのたわみ量を測定し、20mm以内を良好とし、20mmを超えた場合を不良と判断した結果を表2に示す。
[評価3:密着力]
各樹脂フィルム(25μm)を真空フィルムラミネーター(温度:100℃、圧力:100Pa、TEAM−100、(株)タカトリ製)を用いて、直径6インチ半導体ウエハ(厚み625μm、信越化学工業(株)製)に貼り合わせた。次いで、ダイシングブレードを備えるダイシングソー(DAD685、DISCO社製)を使用して2mm×2mm角の大きさに切断した。別途用意した、15mm×15mm角のシリコンウエハ(ベース基板)上に、樹脂フィルムを介して150℃、50mNの荷重にて2mm×2mm角のチップ貼り合せた。その後、180℃にて2時間加熱して樹脂フィルムを硬化させ、試験片を得た。試験片は各5個ずつ製造し、以下の接着力測定試験に供した。
ボンドテスター(Dage series 4000−PXY:Dage社製)を用いて、半導体チップ(2mm×2mm)がベース基板(15mm×15mm角のシリコンウエハ)から剥離する時にかかる抵抗力を測定し、樹脂フィルム層の密着力を評価した。テスト条件は、テストスピード200μm/sec、テスト高さ50μmで行った。結果を表2に示す。表2に示される数値は、各々5個の試験体における測定値の平均であり、数値が高いほど接着シートの接着力が高いことを示す。
[評価4:信頼性]
硬化後の樹脂フィルム付ウエハをダイシングブレードを備えるダイシングソー(DAD685、DISCO社製、スピンドル回転数は40,000rpm、切断速度は20mm/sec)を使用して10mm×10mm角の試験片を得た。得られた試験片(各10片づつ)をヒートサイクル試験(−25℃で10分間保持、125℃で10分間保持を1,000サイクル繰り返す)に供し、ヒートサイクル試験後の樹脂フィルムのウエハからの剥離状態を確認した。全く剥離を生じなかったものを良好、1つでも剥離を生じたものを不良として判定した結果を表2に示す。
Figure 2014205812
以上の結果、本発明の樹脂組成物から得られる樹脂フィルムは、比較例と比べて全体的にウエハの反り量が少なく、ウエハサポート性、密着性、信頼性に優れることがわかった。
以上、説明したように本発明の樹脂組成物であれば、フィルム状に形成することが可能であるためウエハを一括してモールド(ウエハモールド)できるものであり、大口径、薄膜ウエハに対して良好なモールド性を有するものであることが示された。また、本発明の樹脂組成物より得られる樹脂フィルムは、低反り性及びウエハ保護性に優れ、密着性、信頼性にも優れることが示された。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。

Claims (8)

  1. 下記(A)、(B)及び(C)成分を含有することを特徴とする樹脂組成物。
    (A)下記一般式(1)で表される重量平均分子量が3000から500000であるシリコーン樹脂、
    Figure 2014205812
    [式中、R〜Rは同一でも異なっていてもよい炭素原子数1〜8の1価炭化水素基を示す。また、mは1〜300の整数、nは2または3であり、aは正数、bは0又は正数である。XおよびYは下記一般式(2)または(3)で示される2価の有機基である。
    Figure 2014205812
    (式中、Zは
    Figure 2014205812
    のいずれかより選ばれる2価の有機基であり、pは0又は1である。また、Rは炭素原子数1〜4のアルキル基又はアルコキシ基であり、Rは水素原子またはメチル基、エチル基を表し、相互に同一でも異なっていてもよい。hは0、1、2のいずれかである。)]
    Figure 2014205812
    (B)熱硬化性樹脂、
    (C)フィラー。
  2. 前記(B)成分の量が、前記(A)成分100質量部に対し5〜100質量部であり、全質量に対する前記(C)成分の質量分率が、30〜90質量%であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂であることを特徴とする請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
  4. 更に、エポキシ樹脂硬化剤及びエポキシ樹脂硬化促進剤から選ばれる少なくとも一方を含有するものであることを特徴とする請求項3に記載の樹脂組成物。
  5. 前記フィラーがシリカであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂組成物を用いて形成されたものであることを特徴とする樹脂フィルム。
  7. 請求項6に記載の樹脂フィルムを半導体ウエハに貼り付け、該半導体ウエハをモールドする工程と、該モールドされた半導体ウエハを個片化する工程とを有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  8. 請求項6に記載の樹脂フィルムを加熱硬化した加熱硬化皮膜でモールドされた半導体ウエハを個片化してなり、前記加熱硬化皮膜を有するものであることを特徴とする半導体装置。
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