JP2014205773A - 射出成形体 - Google Patents
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Abstract
【課題】 透明性、耐衝撃性、耐熱性等の性能を兼ね備えたポリエステル樹脂組成物からなる射出成形体を提供する。【解決手段】 ジカルボン酸単位とジオール単位とを含みジオール単位中1〜80モル%が環状アセタール骨格を有するジオール単位であるポリエステル樹脂を含むポリエステル樹脂組成物を用いてなる射出成形体。【選択図】 なし
Description
本発明は、環状アセタール骨格を有するジオール単位を含むポリエステル樹脂組成物からなる射出成形体に関するものである。
アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂等の非晶性熱可塑性樹脂は、成形性や透明性に優れることから、工業用の部品や玩具、食器や雑貨等の射出成形体に広く用いられている。しかし、アクリル樹脂やポリスチレン樹脂は耐衝撃性に劣り、またポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂はそれらに含まれるモノマーやオリゴマーに対して安全衛生上の懸念が示されていることから用途が限定されている。
一方、ポリエステル樹脂、特にポリエチレンテレフタレート(以下「PET」と言うことがある)は耐衝撃性や安全衛生性に優れる樹脂材料であるが、結晶性を有するため、射出成形の際、結晶化による白化が生じやすい問題や離型性不良の問題がある。これに対し、ポリエステル樹脂の中でも1,4−シクロヘキサンジメタノールで一部共重合された変性PETやイソフタル酸で一部変性された変性PETといった低結晶性ポリエステル樹脂は成形性や透明性が良く、耐衝撃性、安全衛生性を共に求められる用途でアクリル樹脂やポリスチレン樹脂に代わり使用されることが多い。しかしながら、これらの変性PETは耐熱温度が60℃程度と低く、使用環境が制限されるという課題があり、更には剛性が小さいため、他の非晶性樹脂と比べて製品設計上、大きさや厚さも制限を受けることがある。
本発明の目的は、前記の如き状況に鑑み、透明性、耐衝撃性、耐熱性等の性能を兼ね備えたポリエステル樹脂組成物からなる射出成形体を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討の結果、環状アセタール骨格を有するジオール単位を含むポリエステル樹脂を含むポリエステル樹脂組成物からなる射出成形体が耐熱性、透明性、耐衝撃性、剛性、安全衛生性に優れることを見いだし、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、ジカルボン酸単位とジオール単位とを含みジオール単位中1〜80モル%が環状アセタール骨格を有するジオール単位であるポリエステル樹脂を含むポリエステル樹脂組成物を用いてなる射出成形体である。
本発明の射出成形体は、耐熱性、透明性、耐衝撃性、剛性等の性能を兼ね備えたポリエステル樹脂組成物から製造するため、広く種々の用途や使用環境等で使用することができ、且つ大型や薄型の製品を提供することができる。
以下に本発明について詳細に説明する。本発明の射出成形体に用いるポリエステル樹脂組成物に含まれる環状アセタール骨格を有するジオール単位を含むポリエステル樹脂は、ジカルボン酸単位とジオール単位とを含みジオール単位中1〜80モル%が環状アセタール骨格を有するジオール単位であるポリエステル樹脂である。環状アセタール骨格を有するジオール単位は下記の一般式(1)または(2)で表される化合物に由来する単位が好ましい。
R1、R2、及びR3はそれぞれ独立して、炭素数が1〜10の脂肪族炭化水素基、炭素数が3〜10の脂環式炭化水素基、及び炭素数が6〜10の芳香族炭化水素基からなる群から選ばれる炭化水素基を表す。一般式(1)及び(2)の化合物としては3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、または5−メチロール−5−エチル−2−(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−1,3−ジオキサンが特に好ましい。
環状アセタール骨格を有するジオール単位は1〜80モル%が好ましく、5〜60モル%がより好ましく、更に好ましくは10〜50モル%である。環状アセタール骨格を有するジオール単位が1モル%より少ない場合は得られる射出成形体の剛性や耐熱性が十分発現しない場合があり、80モル%を超える場合は結晶性が高くなり透明性に劣る場合がある。
環状アセタール骨格を有するジオール単位は1〜80モル%が好ましく、5〜60モル%がより好ましく、更に好ましくは10〜50モル%である。環状アセタール骨格を有するジオール単位が1モル%より少ない場合は得られる射出成形体の剛性や耐熱性が十分発現しない場合があり、80モル%を超える場合は結晶性が高くなり透明性に劣る場合がある。
また、環状アセタール骨格を有するジオール単位以外のジオール単位としては特に制限はされないが、エチレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族ジオール類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール等のポリエーテルジオール類;1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,2−デカヒドロナフタレンジメタノール、1,3−デカヒドロナフタレンジメタノール、1,4−デカヒドロナフタレンジメタノール、1,5−デカヒドロナフタレンジメタノール、1,6−デカヒドロナフタレンジメタノール、2,7−デカヒドロナフタレンジメタノール、テトラリンジメタノール、ノルボルナンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、ペンタシクロドデカンジメタノール等の脂環式ジオール類;4,4’−(1−メチルエチリデン)ビスフェノール、メチレンビスフェノール(ビスフェノールF)、4,4’−シクロヘキシリデンビスフェノール(ビスフェノールZ)、4,4’−スルホニルビスフェノール(ビスフェノールS)等のビスフェノール類;上記ビスフェノール類のアルキレンオキシド付加物;ヒドロキノン、レゾルシン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルベンゾフェノン等の芳香族ジヒドロキシ化合物;及び上記芳香族ジヒドロキシ化合物のアルキレンオキシド付加物等が例示できる。本発明の射出成形体の機械的性能、経済性等の面からエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオールおよび1,4−シクロヘキサンジメタノールが好ましく、特にエチレングリコールが好ましい。例示したジオール単位は単独で使用する事もできるし、複数を併用する事もできる。
また、本発明の射出成形体に用いるポリエステル樹脂組成物に含まれる環状アセタール骨格を有するジオール単位を含むポリエステル樹脂のジカルボン酸単位としては、特に制限はされないが、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、デカンジカルボン酸、ノルボルナンジカルボン酸、トリシクロデカンジカルボン酸、ペンタシクロドデカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸;テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2−メチルテレフタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、テトラリンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸が例示できる。本発明のポリエステル樹脂の機械的性能、及び耐熱性の面からテレフタル酸、イソフタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸および2,7−ナフタレンジカルボン酸といった芳香族ジカルボン酸が好ましく、特にテレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、およびイソフタル酸が好ましい。中でも、経済性の面からテレフタル酸がもっとも好ましい。例示したジカルボン酸は単独で使用することもできるし、複数を併用することもできる。
本発明の射出成形体に用いるポリエステル樹脂組成物には環状アセタール骨格を有するジオール単位を含むポリエステル樹脂以外の樹脂を含んでも良く、特に制限はされないが、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、イソフタル酸変性PET、1,4-シクロヘキサンジメタノール変性PET、ポリプロピレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリテトラメチルシクロブタン−1,4-シクロヘキサンジメタチルテレフタレート、ポリ1,4−シクロヘキサンジメチルテレフタレート、ポリアリレート、液晶ポリエステル等の環状アセタール骨格を有するジオール単位を含まないポリエステル樹脂類、ポリカーボネート樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリメチルメタクリレート−スチレン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、環状ポリオレフィン等のポリオレフィン樹脂、ポリイミド樹脂、ナイロン樹脂等が例示できる。本発明の射出成形体の機械的性能、経済性等の面から環状アセタール骨格を有するジオール単位を含まないポリエステル樹脂類が好ましく、特にポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、イソフタル酸変性PET、1,4-シクロヘキサンジメタノール変性PETが好ましい。例示した樹脂は単独で使用する事もできるし、複数を併用する事もできる。
環状アセタール骨格を有するジオール単位を含むポリエステル樹脂とそれ以外の樹脂の重量比は100:0〜1:99が好ましく、より好ましくは100:0〜20:80、特に好ましくは100:0〜50:50である。
環状アセタール骨格を有するジオール単位を含むポリエステル樹脂とそれ以外の樹脂の重量比は100:0〜1:99が好ましく、より好ましくは100:0〜20:80、特に好ましくは100:0〜50:50である。
本発明の射出成形体に用いるポリエステル樹脂組成物に含まれる環状アセタール骨格を有するジオール単位を含むポリエステル樹脂を製造する方法に特に制限はなく、従来公知の方法を適用することが出来る。例えばエステル交換法、直接エステル化法等の溶融重合法または溶液重合法を挙げることが出来る。エステル交換触媒、エステル化触媒、エーテル化防止剤、また重合に用いる重合触媒、熱安定剤、重合調整剤等も従来既知のものを用いることが出来る。エステル交換触媒として、マンガン、コバルト、亜鉛、チタン、カルシウム等の化合物、またエステル化触媒として、マンガン、コバルト、亜鉛、チタン、カルシウム等の化合物、またエーテル化防止剤としてアミン化合物等が例示される。重縮合触媒としてはゲルマニウム、アンチモン、スズ、チタン等の化合物が例示される。また熱安定剤としてリン酸、亜リン酸、フェニルホスホン酸等の各種リン化合物を加えることも有効である。
本発明の射出成形体に用いるポリエステル樹脂組成物には、要求に応じて光安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、可塑剤、増量剤、艶消し剤、乾燥調節剤、帯電防止剤、沈降防止剤、界面活性剤、流れ改良剤、乾燥油、ワックス類、フィラー、着色剤、補強剤、表面平滑剤、レベリング剤、硬化反応促進剤などの各種添加剤、成形助剤を添加することができる。添加方法は、特に限定されないが、樹脂の重合反応を添加剤等の存在下で行い含有させる方法、または重合工程において重合装置から抜き出しを行う前の溶融状態の樹脂に添加剤等を添加する方法、樹脂をペレット化した後に添加剤等をドライブレンドする方法、更にそのドライブレンドしたものを押出機等で溶融混練する方法、押出機等を用いて溶融した樹脂に添加剤を添加する方法が採用される。
本発明の射出成形体は、既存の成形方法、成形装置により作製することができ、多色成形、多層成形、インサート成形、ガスアシスト成形等を採用しても良い。成形温度、金型温度、射出圧力、型締圧力、射出速度、射出時間、冷却保持時間、アニール条件等の射出成形の諸条件は、樹脂組成、添加剤、製品形状等により適宜選択される。
本発明の射出成形体の耐熱性は、ASTM D648(荷重0.455MPa)に準じて測定される荷重たわみ温度が70℃以上であることが好ましく、より好ましくは75℃以上、更に好ましくは80℃以上である。荷重たわみ温度が70℃以上であれば、密閉車内や温水洗浄等の使用環境による成形体の変形を抑えられる。
本発明の射出成形体の透明性は、ASTM D1003に準じて測定される全光線透過率が80%以上であることが好ましく、より好ましく85%以上、更に好ましくは87℃以上である。全光線透過率が70%未満の場合、使用用途が限定され好ましくない。
また同条件で測定される曇価は50%以下であることが好ましく、より好ましくは10%以下、更に好ましくは5%以下、特に好ましくは3%以下である。曇価が50%以下であれば、本発明の射出成形体を容器等に用いた場合に内容物の視認が可能になる。
また同条件で測定される曇価は50%以下であることが好ましく、より好ましくは10%以下、更に好ましくは5%以下、特に好ましくは3%以下である。曇価が50%以下であれば、本発明の射出成形体を容器等に用いた場合に内容物の視認が可能になる。
本発明の射出成形体の耐衝撃性は、JIS K7110に準じて測定されるIZOD衝撃強度が15J/m以上であることが好ましく、より好ましく18J/m以上、更に好ましくは20J/m以上である。IZOD衝撃強度が15J/m以上であれば、落下等の軽微な衝撃による成形体の破損を抑えられる。
本発明射出成形体の剛性は、ASTM D790に準じて測定される曲げ弾性率が2.0GPa以上であることが好ましく、より好ましく2.2GPa以上、更に好ましくは2.4GPa以上である。曲げ弾性率が2.0GPa以上であれば、大面積や薄肉の物品が自重で変形したり僅かな力で形状を保てなかったりすることを抑えられる。
また、本発明射出成形体は、酸、アルカリ、アルコールや香料等の油などに対する耐応力腐食性に優れるため、様々な形態、用途に用いることができる。
本発明の射出成形体は食品カップ、ジャー容器、リップ容器、コンパクトケース、キャップ、ボトルプリフォーム等の包装材料、ダイアライザー、コネクター、注射器、バイアル等の医療器具・医療包材、食品保存容器、ジューサー、クリアケース、石鹸ケース、ペンキャップ、ペンボディ、歯ブラシ、ヘアブラシ、サングラス、保護メガネ、照明器具カバー等の生活雑貨、レンズ、レンズカバー、拡散板、導光板、前面板、光学ディスク等の光学部材、ランプレンズ、室内灯カバー、窓材、スイッチ類等の車両・機械部品、間仕切り、保護板、部品トレー等の什器・産業用部材、アイロンタンク、電子レンジドアカバー、洗濯機カバー、食洗機カバー、集塵ボックス、冷蔵庫ボックス、コネクター、リレーケース、時計ケース等の家電・電子部品など種々の用途に用いることができ、特に、刃物、工具、歯ブラシ、ヘアブラシ等の柄、およびサングラス、保護メガネ等のフレームなどの剛性を必要とする用途に好適に用いることができる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例によりその範囲を限定されるものではない。
本実施例及び比較例で使用した原料を以下に示す。
(1)ポリエチレンテレフタレート(PET):日本ユニペット(株)製、商品名:UNIPET RT553C
(2)1,4−シクロヘキサンジメタノール変性PET(PETG):イーストマンケミカル製、商品名:イースター 5011
(3)ポリブチレンテレフタレート(PBT):三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製、商品名:ノバデュラン 5077
(4)ポリカーボネート(PC):三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製、商品名:ユーピロン E−2000
(5)タルク:松村産業社(株)製、商品名:ハイコンタルク R−10
(1)ポリエチレンテレフタレート(PET):日本ユニペット(株)製、商品名:UNIPET RT553C
(2)1,4−シクロヘキサンジメタノール変性PET(PETG):イーストマンケミカル製、商品名:イースター 5011
(3)ポリブチレンテレフタレート(PBT):三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製、商品名:ノバデュラン 5077
(4)ポリカーボネート(PC):三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製、商品名:ユーピロン E−2000
(5)タルク:松村産業社(株)製、商品名:ハイコンタルク R−10
〔評価方法〕
次に本実施例及び比較例中の射出成形体の評価方法は以下の通りである。
(1)耐熱性
荷重たわみ温度(HDT)を、ASTM D648に準じて射出成形体を48時間調湿後、荷重0.455MPaの条件で測定した。使用した装置は東洋精機製作所製自動HDT試験装置(型式:3A−2)である。
(2)透明性
全光線透過率及び曇価を、ASTM D1003に準じて3.2mm厚の射出成形体を48時間調湿後、23℃、相対湿度50%の雰囲気下で測定した。使用した測定装置は、日本電色工業社製の色差・濁度測定装置(型式:COH−400)である。
(3)耐衝撃性
IZOD衝撃強度を、JIS K7110に準じて3.2mm厚の射出成形体を48時間調湿後、23℃、相対湿度50%の雰囲気下でノッチ付の条件で測定した。使用した測定装置は、上島製作所製アイゾット衝撃試験機(型式:IM−1100)である。
(4)剛性
曲げ弾性率を、ASTM D790に準じて3.2mm厚の射出成形体を48時間調湿後測定した。使用した測定装置は、東洋精機製作所製曲げ試験自動化システム(型式:ベンドグラフII)である。
次に本実施例及び比較例中の射出成形体の評価方法は以下の通りである。
(1)耐熱性
荷重たわみ温度(HDT)を、ASTM D648に準じて射出成形体を48時間調湿後、荷重0.455MPaの条件で測定した。使用した装置は東洋精機製作所製自動HDT試験装置(型式:3A−2)である。
(2)透明性
全光線透過率及び曇価を、ASTM D1003に準じて3.2mm厚の射出成形体を48時間調湿後、23℃、相対湿度50%の雰囲気下で測定した。使用した測定装置は、日本電色工業社製の色差・濁度測定装置(型式:COH−400)である。
(3)耐衝撃性
IZOD衝撃強度を、JIS K7110に準じて3.2mm厚の射出成形体を48時間調湿後、23℃、相対湿度50%の雰囲気下でノッチ付の条件で測定した。使用した測定装置は、上島製作所製アイゾット衝撃試験機(型式:IM−1100)である。
(4)剛性
曲げ弾性率を、ASTM D790に準じて3.2mm厚の射出成形体を48時間調湿後測定した。使用した測定装置は、東洋精機製作所製曲げ試験自動化システム(型式:ベンドグラフII)である。
〔環状アセタール骨格を有するジオール単位を含むポリエステル樹脂の製造〕
充填塔式精留塔、分縮器、全縮器、コールドトラップ、攪拌機、過熱装置、窒素導入管を備えた150リットルのポリエステル樹脂製造装置を用いて常法に従い、表1および2に記載のジカルボン酸単位とグリコール単位からなるポリエステル樹脂を得た。
尚、表中の略記の意味は下記の通りである。
・PTA:テレフタル酸
・NDCA:2,6−ナフタレンジカルボン酸
・SPG:3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエテチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン
・DOG:5−メチロール−5−エチル−2−(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−1,3−ジオキサン
・EG:エチレングリコール
充填塔式精留塔、分縮器、全縮器、コールドトラップ、攪拌機、過熱装置、窒素導入管を備えた150リットルのポリエステル樹脂製造装置を用いて常法に従い、表1および2に記載のジカルボン酸単位とグリコール単位からなるポリエステル樹脂を得た。
尚、表中の略記の意味は下記の通りである。
・PTA:テレフタル酸
・NDCA:2,6−ナフタレンジカルボン酸
・SPG:3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエテチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン
・DOG:5−メチロール−5−エチル−2−(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−1,3−ジオキサン
・EG:エチレングリコール
〔実施例1〜9,比較例1〜2〕
表1、2に示す環状アセタール骨格を有するジオール単位を含むポリエステル樹脂を、単独で、あるいは、表3〜5に記載する割合で他の樹脂と溶融混練して得たポリエステル樹脂組成物を乾燥後、住友重機械工業製射出成型機(型式:SE130DU)を用いて射出成形体を得た。評価結果を表3〜5に示す。
表1、2に示す環状アセタール骨格を有するジオール単位を含むポリエステル樹脂を、単独で、あるいは、表3〜5に記載する割合で他の樹脂と溶融混練して得たポリエステル樹脂組成物を乾燥後、住友重機械工業製射出成型機(型式:SE130DU)を用いて射出成形体を得た。評価結果を表3〜5に示す。
本発明の射出成形体は、耐熱性、透明性、耐衝撃性、剛性、安全衛生性を持つことから、広く種々の用途や使用環境等に使用でき、且つ大型や薄型の製品を提供することができことから、本発明の工業的意義は大きい。
Claims (7)
- ジカルボン酸単位とジオール単位とを含みジオール単位中1〜80モル%が環状アセタール骨格を有するジオール単位であるポリエステル樹脂を含むポリエステル樹脂組成物を用いてなる射出成形体。
- 該環状アセタール骨格を有するジオール単位が一般式(1):
または一般式(2):
で表されるジオールに由来するジオール単位である請求項1に記載の射出成形体。 - 該環状アセタール骨格を有するジオール単位が3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカンに由来するジオール単位、または5−メチロール−5−エチル−2−(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−1,3−ジオキサンに由来するジオール単位である請求項1〜2のいずれかに記載の射出成形体。
- 環状アセタール骨格を有するジオール単位以外のジオール単位がエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオールおよび1,4−シクロヘキサンジメタノールからなる群選ばれる1種以上のジオールに由来するジオール単位である請求項1〜3のいずれかに記載の射出成形体。
- ジカルボン酸単位がテレフタル酸、イソフタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸および2,7−ナフタレンジカルボン酸からなる群選ばれる1種以上のジカルボン酸に由来するジカルボン酸単位である請求項1〜4のいずれかに記載の射出成形体。
- ジカルボン酸単位とジオール単位とを含みジオール単位中1〜80モル%が環状アセタール骨格を有するジオール単位であるポリエステル樹脂以外に、ジオール単位中に環状アセタール骨格を有するジオール単位を含まないポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリメチルメタクリレート−スチレン樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種以上の樹脂を含むことを特徴とする請求項1〜5に記載の射出成形体。
- ジオール単位中に環状アセタール骨格を有するジオール単位を含まないポリエステル樹脂がポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、イソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレート、1,4-シクロヘキサンジメタノール変性ポリエチレンテレフタレートからなる群から選ばれる少なくとも1種以上の樹脂であることを特徴とする請求項6に記載の射出成形体。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2017051913A1 (ja) * | 2015-09-25 | 2017-03-30 | 三菱瓦斯化学株式会社 | 細胞培養用基材およびそれを用いた細胞培養方法、細胞培養器、並びに基材としての使用 |
EP3387041B1 (en) | 2015-12-08 | 2019-11-06 | SABIC Global Technologies B.V. | Translucent laser weldable thermoplastic compositions and laser-welded products |
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2013
- 2013-04-12 JP JP2013083800A patent/JP2014205773A/ja active Pending
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