JP2014205737A - 化合物及びそれを用いた電子素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】光電変換効率が高い有機薄膜太陽電池を製造することが可能な高分子化合物を提供する。
【解決手段】式(1)で表される構成単位を含む化合物を提供する。
Figure 2014205737

(1)〔式中、R及びRは、同一又は相異なり、1つ以上のハロゲン原子で置換されている炭素数1〜30のアルキル基を表す。Yは、酸素原子、硫黄原子又は−N(R)−を表す。Rは水素原子又は置換基を表す。環Z及び環Zは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい芳香族炭素環又は置換基を有していてもよい複素環を表す。〕
【選択図】なし

Description

本発明は、高分子化合物並びにそれを用いた有機光電変換素子及び有機薄膜トランジスタに関する。
近年、地球温暖化防止のため、大気中に放出されるCO2の削減が求められている。例えば、家屋の屋根にpn接合型のシリコン系太陽電池などを用いるソーラーシステムへの切り替えが提唱されているが、上記シリコン系太陽電池に用いられる単結晶、多結晶及びアモルファスシリコンは、その製造工程において高温及び高真空条件が必要であるという問題がある。
一方、有機光電変換素子の一態様である有機薄膜太陽電池は、シリコン系太陽電池の製造プロセスに用いられる高温及び高真空プロセスが省略でき、塗布プロセスのみで安価に製造できる可能性があり、近年注目されている。有機薄膜太陽電池に用いられる高分子化合物としては、繰り返し単位(A)及び、繰り返し単位(B)からなる高分子化合物が提案されている(特許文献1)。
Figure 2014205737
特表2009−506519号公報
しかしながら、前記高分子化合物を含む有機層を含有する有機薄膜太陽電池は、光電変換効率が必ずしも十分高くない。
本発明は、光電変換効率が高い有機薄膜太陽電池を製造することが可能な高分子化合物を提供することを目的とする。
即ち、本発明は
〔1〕式(1)で表される構成単位と式(2)で表される構成単位とを含む化合物を提供するものである。
Figure 2014205737
(1)
〔式(1)中、RおよびRは、同一又は相異なり、1つ以上のハロゲン原子で置換されている炭素数1〜30のアルキル基を表す。Yは、酸素原子、硫黄原子又は−N(R)−を表す。Rは水素原子又は置換基を表す。環Z及び環Zは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい芳香族炭素環又は置換基を有していてもよい複素環を表す。〕
Figure 2014205737
(2)
〔式(2)中、RおよびRは、同一又は相異なり、炭素原子および水素原子のみからなる炭素数1〜30のアルキル基を表す。Yは、酸素原子、硫黄原子又は−N(R)−を表す。Rは水素原子又は置換基を表す。環Z及び環Zは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい芳香族炭素環又は置換基を有していてもよい複素環を表す。〕
本発明はさらに下記〔2〕〜〔8〕の化合物を提供するものである。
〔2〕Rの炭素数およびRの炭素数が、それぞれ独立に、3〜15である前記〔1〕に記載の化合物。
〔3〕Rの炭素数およびRの炭素数が、それぞれ独立に、8〜25である前記〔1〕または〔2〕に記載の化合物。
〔4〕前記化合物における式(1)で表される構成単位の数を、前記化合物における式(1)で表される構成単位の数と前記化合物における式(2)で表される構成単位の数との合計数で割り算したときの値が、0.1〜0.9である前記〔1〕〜〔3〕のいずれか一項に記載の化合物。
〔5〕さらに、式(3)で表される構成単位を含む前記〔1〕〜〔4〕のいずれか一項に記載の化合物。
Figure 2014205737
(3)
〔式(3)中、Arは、式(1)で表される構成単位及び式(2)で表される構成単位とは異なり、置換基を有していてもよいアリーレン基又は2価の複素環基を表す。〕
〔6〕Arが、式(3−1)〜式(3−8)のいずれかで表される構成単位である前記〔5〕に記載の化合物。
Figure 2014205737
〔式(3−1)〜式(3−8)中、R21〜R38は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。X21〜X29は、それぞれ独立に、硫黄原子、酸素原子又はセレン原子を表す。〕
〔7〕光吸収末端波長が700nm以上である前記〔1〕〜〔6〕のいずれか一項に記載の化合物。
〔8〕ポリスチレン換算の数平均分子量が3000以上である前記〔1〕〜〔7〕のいずれか一項に記載の化合物。
本発明はさらに下記〔9〕および下記〔12〕の薄膜、下記〔10〕〜〔11〕の組成物、下記〔13〕のインク、下記〔14〕の電子素子、下記〔15〕の有機光電変換素子、下記〔16〕の太陽電池モジュール、下記〔17〕のイメージセンサーおよび下記〔18〕の有機薄膜トランジスタを提供するものである。
〔9〕前記〔1〕〜〔8〕のいずれか一項に記載の化合物を含む薄膜。
〔10〕前記〔1〕〜〔9〕のいずれか一項に記載の化合物と電子受容性化合物とを含む組成物。
〔11〕電子受容性化合物が、フラーレン誘導体である前記〔10〕に記載の組成物。
〔12〕前記〔10〕又は〔11〕に記載の組成物を含む薄膜。
〔13〕前記〔10〕又は〔11〕に記載の組成物と溶媒とを含むインク。
〔14〕前記〔1〕〜〔8〕のいずれか一項に記載の化合物を含む電子素子。
〔15〕第1の電極と第2の電極とを有し、該第1の電極と該第2の電極との間に活性層を有し、該活性層に前記〔1〕〜〔8〕のいずれか一項に記載の化合物を含有する有機光電変換素子。
〔16〕前記〔15〕に記載の有機光電変換素子を含む太陽電池モジュール。
〔17〕前記〔15〕に記載の有機光電変換素子を含むイメージセンサー。
〔18〕ゲート電極と、ソース電極と、ドレイン電極と、活性層とを有し、該活性層に前記〔1〕〜〔8〕のいずれか一項に記載の化合物を含有する有機薄膜トランジスタ。
本発明の化合物を含む有機層を有する有機薄膜太陽電池は、光電変換効率が高いため、本発明は極めて有用である。
以下、本発明を詳細に説明する。
<高分子化合物>
本発明の化合物は式(1)で表される構成単位と式(2)で表される構成単位とを含む。
Figure 2014205737
(1)
〔式(1)中、RおよびRは、同一又は相異なり、1つ以上のハロゲン原子で置換されている炭素数1〜30のアルキル基を表す。Yは、酸素原子、硫黄原子又は−N(R)−を表す。Rは水素原子又は置換基を表す。環Z及び環Zは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい芳香族炭素環又は置換基を有していてもよい複素環を表す。〕
Figure 2014205737
(2)
〔式(2)中、RおよびRは、同一又は相異なり、炭素原子および水素原子のみからなる炭素数1〜30のアルキル基を表す。Yは、酸素原子、硫黄原子又は−N(R)−を表す。Rは水素原子又は置換基を表す。環Z及び環Zは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい芳香族炭素環又は置換基を有していてもよい複素環を表す。〕
式(1)中、RおよびRは、同一又は相異なり、アルキル基中の水素原子が1つ以上のハロゲン原子で置換されている炭素数1〜30のアルキル基を表す。RおよびRで表される1つ以上のハロゲン原子で置換されている炭素数1〜30のアルキル基は、直鎖状でもよく、分岐状でもよく、環状でもよい。1つ以上のハロゲン原子で置換されている炭素数1〜30のアルキル基は、ハロゲン原子以外の置換基を有していても良い。このような1つ以上のハロゲン原子で置換されている炭素数1〜30のアルキル基の具体例としては、例えば、ハロゲン原子で置換されているメチル基、ハロゲン原子で置換されているエチル基、ハロゲン原子で置換されているプロピル基、ハロゲン原子で置換されているブチル基、ハロゲン原子で置換されているペンチル基、ハロゲン原子で置換されているイソペンチル基、ハロゲン原子で置換されているヘキシル基、ハロゲン原子で置換されているイソヘキシル基、ハロゲン原子で置換されている3−メチルペンチル基、ハロゲン原子で置換されているヘプチル基、ハロゲン原子で置換されているオクチル基、ハロゲン原子で置換されているノニル基、ハロゲン原子で置換されているデシル基、ハロゲン原子で置換されているウンデシル基、ハロゲン原子で置換されているドデシル基、ハロゲン原子で置換されているテトラデシル基、ハロゲン原子で置換されているヘキサデシル基、ハロゲン原子で置換されているオクタデシル基、ハロゲン原子で置換されているエイコシル基等の直鎖状アルキル基、ハロゲン原子で置換されているイソプロピル基、ハロゲン原子で置換されているイソブチル基、ハロゲン原子で置換されているsec−ブチル基、ハロゲン原子で置換されているtert−ブチル基、ハロゲン原子で置換されている2−メチルブチル基、ハロゲン原子で置換されている1−メチルブチル基、ハロゲン原子で置換されている2−メチルペンチル基、ハロゲン原子で置換されている1−メチルペンチル基、ハロゲン原子で置換されている2−エチルヘキシル基、ハロゲン原子で置換されている3,7−ジメチルオクチル基、ハロゲン原子で置換されているイソオクチル基等の分岐鎖状アルキル基、ハロゲン原子で置換されているシクロペンチル基、ハロゲン原子で置換されているシクロヘキシル基及びハロゲン原子で置換されているアダマンチル基等の環状アルキル基が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、好ましくはフッ素原子、塩素原子であり、さらに好ましくはフッ素原子である。アルキル基中の水素原子はすべてがハロゲン原子で置換されていても良いし、一部がハロゲン原子で置換されていても良いが、一部の水素原子がハロゲン原子に置換されているほうが化合物の溶解性を高める観点で好ましい。
光電変換効率を高める観点から、RおよびRの炭素数として好ましくは1〜20であり、さらに好ましくは3〜15である。
は、酸素原子、硫黄原子又は−N(R)−を表す。Rは水素原子又は置換基を表す。置換基としてはハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基およびアリール基が挙げられる。
で表されるハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。
で表されるアルキル基としては炭素数1〜30の基が挙げられ、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、2−メチルブチル基、1−メチルブチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、3−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、1−メチルペンチル基、ヘプチル基、オクチル基、イソオクチル基、2−エチルヘキシル基、3,7−ジメチルオクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基及びエイコシル基が挙げられる。
で表されるアルコキシ基のうちのアルキル基部分は、直鎖状であっても分岐状であってもよく、環状であってもよい。アルコキシ基の炭素数は、通常1〜20であり、好ましくは1〜15である。アルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基、ラウリルオキシ基、トリフルオロメトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基、パーフルオロブトキシ基、パーフルオロヘキシルオキシ基、パーフルオロオクチルオキシ基、メトキシメチルオキシ基及び2−メトキシエチルオキシ基が挙げられる。
で表されるアリール基としては芳香族炭化水素から芳香環上の水素原子1個を除いた基を意味し、その炭素数は通常6〜60である。アリール基は、置換基を有していてもよく、置換基としては、アルコキシ基(例えば、炭素数1〜20)が挙げられる。アリール基の具体例としては、フェニル基、C1〜C12アルコキシフェニル基(C1〜C12アルコキシは、炭素数1〜12のアルコキシであることを示す。C1〜C12アルコキシは、好ましくはC1〜C8アルコキシであり、より好ましくはC1〜C6アルコキシである。C1〜C8アルコキシは、炭素数1〜8のアルコキシであることを示し、C1〜C6アルコキシは、炭素数1〜6のアルコキシであることを示す。C1〜C12アルコキシ、C1〜C8アルコキシ及びC1〜C6アルコキシの具体例としては、上記アルコキシ基で説明し例示したものが挙げられる。以下も同様である。)、C1〜C12アルキルフェニル基(C1〜C12アルキルは、炭素数1〜12のアルキルであることを示す。C1〜C12アルキルは、好ましくはC1〜C8アルキルであり、より好ましくはC1〜C6アルキルである。C1〜C8アルキルは、炭素数1〜8のアルキルであることを示し、C1〜C6アルキルは、炭素数1〜6のアルキルであることを示す。C1〜C12アルキル、C1〜C8アルキル及びC1〜C6アルキルの具体例としては、上記アルキル基で説明し例示したものが挙げられる。以下も同様である。)、1−ナフチル基及び2−ナフチル基が挙げられる。
として好ましくは、酸素原子または硫黄原子であり、さらに好ましくは酸素原子である。
環Z及び環Zは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい芳香族炭素環又は置換基を有していてもよい複素環を表す。
環Z及び環Zで表される、置換基を有していてもよい芳香族炭素環としては、例えば、置換基を有していてもよいベンゼン環、置換基を有していてもよいナフタレン環、置換基を有していてもよいアントラセン環、置換基を有していてもよいピレン環又は置換基を有していてもよいアズレン環などが挙げられる。環Z及び環Zで表される、置換基を有していてもよい芳香族炭素環として好ましくは、置換基を有していてもよいベンゼン環又は置換基を有していてもよいナフタレン環であり、さらに好ましくは置換基を有していてもよいベンゼン環である。
環Z及び環Zで表される、置換基を有していてもよい複素環としては、例えば、置換基を有していてもよいピリジン環、置換基を有していてもよいピリミジン環、置換基を有していてもよいピリダジン環、置換基を有していてもよいピラジン環、置換基を有していてもよいキノリン環、置換基を有していてもよいイソキノリン環、置換基を有していてもよいキノキサリン環、置換基を有していてもよいキナゾリン環、置換基を有していてもよいアクリジン環、置換基を有していてもよいフェナントロリン環、置換基を有していてもよいチオフェン環、置換基を有していてもよいベンゾチオフェン環、置換基を有していてもよいジベンゾチオフェン環、置換基を有していてもよいチオフェンオキシド環、置換基を有していてもよいベンゾチオフェンオキシド環、置換基を有していてもよいジベンゾチオフェンオキシド環、置換基を有していてもよいチオフェンジオキシド環、置換基を有していてもよいベンゾチオフェンジオキシド環、置換基を有していてもよいジベンゾチオフェンジオキシド環、置換基を有していてもよいフラン環、置換基を有していてもよいベンゾフラン環、置換基を有していてもよいジベンゾフラン環、置換基を有していてもよいチアゾール環、置換基を有していてもよいピロール環、置換基を有していてもよいベンゾピロール環、置換基を有していてもよいインドール環、置換基を有していてもよいジベンゾピロール環、置換基を有していてもよいセレン環、置換基を有していてもよいベンゾセレン環、置換基を有していてもよいシロール環、置換基を有していてもよいベンゾシロール環、置換基を有していてもよいジベンゾシロール環、置換基を有していてもよいボロール環、置換基を有していてもよいベンゾボロール環及び置換基を有していてもよいジベンゾボロール環が挙げられる。環Z及び環Zで表される、置換基を有していてもよい複素環は、置換基を有していてもよいチオフェン環、置換基を有していてもよいフラン環及び置換基を有していてもよいセレン環が好ましく、置換基を有していてもよいチオフェン環及び置換基を有していてもよいフラン環がより好ましく、置換基を有していてもよいチオフェン環がさらに好ましい。
環Z及び環Zで表される置換基を有していてもよい芳香族炭素環又は置換基を有していてもよい複素環が有していてもよい置換基としては、例えば、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基およびアリール基が挙げられる。ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基およびアリール基の定義及び具体例は、前述のRで表されるハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基およびアリール基の定義及び具体例と同じである。
高分子化合物の有機溶媒に対する溶解性を高めることができるので、環Z及び環Zで表される置換基を有していてもよい芳香族炭素環又は置換基を有していてもよい複素環は、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基及び置換基を有していてもよいアリール基からなる群から選ばれる1種以上の置換基を有することが好ましい。
このような式(1)で表される構成単位としては例えば、下記式(A)〜(J)の構造が挙げられる。
Figure 2014205737
(A)〜(J)が有しているR、R、およびYの組み合わせは下記の表1及び表2に示す組み合わせが例示される。
Figure 2014205737
Figure 2014205737
これらの中でも好ましくは(A−4)〜(J−4)、(A−5)〜(J−5)、(A−6)〜(J−6)であり、さらに好ましくは(B−4)、(B−5)、(B−6)であり、さらに好ましくは(B−4)である。
式(2)中、RおよびRは、同一又は相異なり、炭素原子および水素原子のみからなる炭素数1〜30のアルキル基を表す。このようなアルキル基は、分岐状でも良く、直鎖状でもよく、環状でもよい。このような炭素原子および水素原子のみからなる炭素数1〜30のアルキル基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、3−メチルペンチル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基等の直鎖状アルキル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、2−メチルブチル基、1−メチルブチル基、2−メチルペンチル基、1−メチルペンチル基、2−エチルヘキシル基、3,7−ジメチルオクチル基、イソオクチル基等の分岐鎖状アルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基及びアダマンチル基等の環状アルキル基が挙げられる。光電変換効率を高める観点から、RおよびRの炭素数として好ましくは5〜30であり、さらに好ましくは8〜25である。
は、酸素原子、硫黄原子又は−N(R)−を表す。Rは前記Rと同じ意味を表す。
環Z及び環Zは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい芳香族炭素環又は置換基を有していてもよい複素環を表す。環Z及び環Zで表される置換基を有していてもよい芳香族炭素環又は置換基を有していてもよい複素環としては、前記環Z及び環Zと同じ意味を表す。
このような式(2)で表される構成単位としては例えば、下記式(A’)〜(J’)の構造が挙げられる。
Figure 2014205737
(A’)〜(J’)が有しているR、R、およびYの組み合わせは下記の表3及び表4に示す組み合わせが例示される。
Figure 2014205737
Figure 2014205737
これらの中でも好ましくは、(A’−7)〜(J’−7)、(A’−12)〜(J’−12)、(A’−14)〜(J’−14)であり、さらに好ましくは(B’−7)、(B’−12)、(B’−14)である。
本発明の化合物は式(1)で表される構成単位と式(2)で表される構成単位とを含むことを特徴とするが、さらに下記式(3)で表される構成単位を含んでいても良い。
Figure 2014205737
(3)
式(3)中、Arは、式(1)で表される構成単位及び式(2)で表される構成単位とは異なり、置換基を有していてもよいアリーレン基又は2価の複素環基を表す。式(3)として好ましくは2価の複素環基であり、さらに好ましくは下記式(3−1)〜式(3−8)で表される構成単位である。
Figure 2014205737
式(3−1)〜式(3−8)中、R21〜R38は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。置換基としては、前記Rが置換基である場合として説明したものとおなじものが例示される。X21〜X29は、それぞれ独立に、硫黄原子、酸素原子又はセレン原子を表す。このような式(3−1)〜式(3−8)の中でも好ましくは、式(3−1)、式(3−2)であり、さらに好ましくは式(3−2)である。式(3−2)中のR23、R24、及びX21の具体例としては下記の表5の組み合わせが例示される。
Figure 2014205737
これらの中でも(3−2−1)〜(3−2−3)が好ましく、さらに好ましくは式(3−2−1)である。
本発明の化合物における式(1)で表される構成単位の数を、前記化合物における式(1)で表される構成単位の数と前記化合物における式(2)で表される構成単位の数との合計数で割り算したときの値が、0.1〜0.9であると光電変換効率を向上させる観点で好ましく、0.2〜0.8であるとさらに好ましく、0.3〜0.6であると特に好ましい。
本発明の化合物は高分子化合物であることが好ましく、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、GPCと呼称することもある)で測定した標準ポリスチレン換算の数平均分子量が3000〜10000000であることが好ましい。数平均分子量が3000より小さいと形成された膜に欠陥が生じる場合があり、数平均分子量が10000000より大きいと、溶媒への溶解性が低下してしまい、電子素子作製時に例えば塗布法により膜を形成する場合の塗布性が低下する場合がある。当該高分子化合物の数平均分子量は、このような観点から、さらに好ましくは8000〜5000000であり、特に好ましくは10000〜1000000である。
電子素子作製をより容易にできるので、本発明の化合物は、溶媒への溶解度が高いことが望ましい。具体的には、本発明の化合物が、該高分子化合物を0.01重量%以上含む溶液を作製し得る溶解性を有することが好ましく、0.1重量%以上含む溶液を作製し得る溶解性を有することがより好ましく、0.4重量%以上含む溶液を作製し得る溶解性を有することがさらに好ましい。
本発明の化合物の製造方法は、特に制限されるものではないが、高分子化合物の合成をより容易にできるので、及びStilleカップリング反応、Suzukiカップリング反応を用いる製造方法、などを用いることができるが、Stilleカップリング反応を用いる製造方法が好ましい。
Stilleカップリング反応を用いる製造方法としては、例えば、下記式(400):
300−E−Q400 (400)
で表される1種類以上の化合物と前記式(200)で表される1種類以上の化合物と前記式(300)で表される1種類以上の化合物とを、パラジウム触媒の存在下で反応させる工程を有する方法が挙げられる。
式(400)中、Eは、式(1)で表される構造単位を表す。Q300及びQ400は、それぞれ独立に、置換スタンニル基を表す。
置換スタンニル基としては、例えば、−SnR100 で表される基等が挙げられる。
ここでR100は1価の有機基を表す。1価の有機基としては、例えば、アルキル基及びアリール基が挙げられる。
100であるアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、2−メチルブチル基、1−メチルブチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、3−メチルペンチル基、2一メチルペンチル基、1−メチルペンチル基、ヘプチル基、オクチル基、イソオクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基及びエイコシル基等の鎖状アルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基及びアダマンチル基等のシクロアルキル基が挙げられる。R100であるアリール基の具体例としては、フェニル基及びナフチル基が挙げられる。
置換スタンニル基としては、好ましくは−SnMeで表される基、−SnEtで表される基、−SnBuで表される基及び−SnPhで表される基であり、さらに好ましくは−SnMeで表される基、−SnEtで表される基及び−SnBuで表される基である。上記置換スタンニル基の好ましい例において、Meはメチル基を表し、Etはエチル基を表し、Buはブチル基を表し、Phはフェニル基を表す。
Stilleカップリング反応を用いる具体的な製造方法としては、触媒として、例えば、パラジウム触媒を用い、任意の溶媒中で反応させる製造方法が挙げられる。
Stilleカップリング反応に使用するパラジウム触媒としては、例えば、Pd(0)触媒及びPd(II)触媒が挙げられる。該パラジウム触媒としては、具体的には、パラジウム[テトラキス(トリフェニルホスフィン)]、パラジウムアセテート類、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、パラジウムアセテート、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム、及びビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウムが挙げられる。該パラジウム触媒としては、反応(重合)操作の容易さ、及び反応(重合)速度の観点からは、パラジウム[テトラキス(トリフェニルホスフィン)]、及びトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムが好ましい。
Stilleカップリング反応に使用するパラジウム触媒の添加量は、特に限定されず、触媒としての有効量であればよい。パラジウム触媒の添加量は、式(400)で表される化合物1モルに対して、通常、0.0001モル〜0.5モル、好ましくは0.0003モル〜0.2モルである。
Stilleカップリング反応において、必要に応じて配位子、助触媒を用いることもできる。配位子としては、例えば、トリフェニルホスフィン、トリ(o−トリル)ホスフィン、トリ(o−メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(2−フリル)ホスフィン等のリン化合物、トリフェニルアルシン、トリフェノキシアルシン等の砒素化合物が挙げられる。助触媒としては、例えば、ヨウ化銅、臭化銅、塩化銅、2−テノイル酸銅(I)などが挙げられる。
配位子又は助触媒を用いる場合、配位子又は助触媒の添加量は、パラジウム触媒1モルに対して、通常、0.5モル〜100モルであり、好ましくは0.9モル〜20モル、さらに好ましくは1モル〜10モルである。
Stilleカップリング反応は、通常、溶媒中で行われる。溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N、N−ジメチルアセトアミド、トルエン、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。溶媒としては、高分子化合物の溶解性を良好にできるので、トルエン及びテトラヒドロフランが好ましい。
Stilleカップリング反応を行う温度は、前記溶媒にもよるが、通常、50℃〜160℃程度である。Stilleカップリング反応を行う温度は、高分子化合物の分子量をより高くできるので、60℃〜120℃が好ましい。また、温度を溶媒の沸点近くまで昇温し、還流させてもよい。
前記反応を行う時間(反応時間)は、目的の重合度に達したときを終点としてもよい。
反応時間は、通常、0.1時間〜200時間程度である。反応時間は、効率の観点から、1時間〜30時間程度が好ましい。
Stilleカップリング反応は、アルゴンガス、窒素ガス等の不活性雰囲気下、Pd触媒が失活しない反応系で行う。Stilleカップリング反応は、例えば、アルゴンガスや窒素ガス等で、十分脱気された系で行う。具体的には、重合容器(反応系)内の空気を窒素ガスで十分置換して、脱気した後、この重合容器に、式(300)で表される化合物、式(200)で表される化合物、式(400)で表される化合物及びパラジウム触媒を仕込み、さらに、重合容器内の空気を窒素ガスで十分置換して脱気した後、あらかじめ窒素ガスでバブリングすることにより、脱気した溶媒、例えば、トルエンを加えた後、必要に応じて配位子、助触媒を加え、その後、加熱、昇温し、例えば、還流温度で8時間、不活性雰囲気を保持しながら重合する。
本発明の化合物の末端基として重合活性基がそのまま残っていた場合には、電子素子の作製に用いた場合に、得られた電子素子の特性が悪化したり、寿命が短くなったりするおそれがある。よって高分子化合物の末端基は、安定な基で保護されていてもよい。
本発明の化合物は、主鎖の共役構造と連続した共役結合を有しているものが好ましく、また、例えば、ビニレン基を介してアリール基又は複素環基と結合している構造であってもよい。
本発明の化合物は、例えば、本発明の化合物を含有する有機層を有する光電変換素子の光電変換効率をより高めることができるので、光吸収末端波長(λth)が長波長であることが好ましい。該光吸収末端波長は、700nm以上であることが好ましく、800nm以上であることがより好ましく、900nm以上であることが特に好ましい。
光吸収末端波長は、光吸収波長の長波長側の末端の波長値として表される。
本発明における光吸収末端波長の数値は、具体的には以下の方法で求められた値によって表されている。
光吸収波長の測定には、紫外光、可視光、近赤外光の波長領域で動作する分光光度計(例えば、日本分光製、紫外可視近赤外分光光度計JASCO−V670)を用いる。JASCO−V670を用いる場合、測定可能な波長範囲が200nm〜1500nmであるため、該波長範囲で測定を行う。まず、測定に用いる基板の吸収スペクトルを測定する。
基板としては、石英基板、ガラス基板等を用いる。次いで、その基板の上に高分子化合物を含む溶液若しくは高分子化合物を含む溶融体を載せて高分子化合物を含む薄膜を形成する。溶液からの成膜では、成膜後乾燥を行う。その後、薄膜と基板との積層体の吸収スペクトルを得る。薄膜と基板との積層体の吸収スペクトルと基板の吸収スペクトルとの差を、薄膜の吸収スペクトルとして得る。
該薄膜の吸収スペクトルは、縦軸を高分子化合物の吸光度とし、横軸を波長として示される。最も大きい吸収ピークの吸光度が0.5〜2程度になるよう、薄膜の膜厚を調整することが望ましい。
本発明のおける光吸収末端波長は、下記に示す第1基準線と第2基準線との交点から求めることができる。
<第1基準線>
吸収波形(吸収スペクトル)全体の中で、一番長波長寄りの吸収ピーク点(極大値)の吸光度を100%とする。
前記吸収ピーク点の50%の吸光度を示す横軸(波長軸)に平行な直線と該吸収波形とが交わる2つの交点のうち、前記吸収ピーク点よりも長波長寄りにある交点を第1の点とする。
前記吸収ピーク点の25%の吸光度を示す波長軸に平行な直線と該吸収波形とが交わる2つの交点のうち、前記吸収ピーク点よりも長波長寄りにある交点を第2の点とする。
第1の点と第2の点とを結ぶ直線を、第1基準線とする。
<第2基準線>
吸収波形全体の中で、一番長波長寄りの吸収ピーク点(極大値)の吸光度を100%とする。
前記吸収ピーク点の10%の吸光度を示す波長軸に平行な直線と該吸収波形とが交わる2つの交点のうち、前記吸収ピーク点よりも長波長寄りにある交点の波長を基準点として、基準点の波長より100nm長波長にある吸収波形上の点を第3の点とする。また、基準点の波長より150nm長波長にある吸収波形上の点を第4の点とする。第3の点と第4の点を結ぶ直線を第2基準線とする。
<光吸収末端波長の値>
第1基準線と第2基準線との交点における波長の値を、光吸収末端波長の値とする。
本発明の化合物は、高い電子及び/又はホール輸送性を発揮し得ることから、本発明の化合物を含む薄膜を電子素子に用いた場合、電極から注入された電子、ホール、或いは、光吸収によって発生した電荷を輸送することができる。これらの特性を活かして光電変換素子、有機薄膜トランジスタ、有機エレクトロルミネッセンス素子等の種々の電子素子に好適に用いることができる。以下、これらの電子素子に本発明の化合物を適用する際の具体的な態様である組成物、薄膜、及びこれらを用いた電子素子について個々に説明する。
<組成物>
本発明の組成物は、本発明の化合物と電子受容性化合物とを含む。本発明の組成物において、電子受容性化合物の割合が、本発明の化合物100重量部に対して、10重量部〜1000重量部であることが好ましく、20重量部〜500重量部であることがより好ましい。
電子受容性化合物としては、例えば、炭素材料、酸化チタン等の金属酸化物、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタン及びその誘導体、ベンゾキノン及びその誘導体、ナフトキノン及びその誘導体、アントラキノン及びその誘導体、テトラシアノアントラキノジメタン及びその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレン及びその誘導体、ジフェノキノン誘導体、8−ヒドロキシキノリン及びその誘導体の金属錯体、ポリキノリン及びその誘導体、ポリキノキサリン及びその誘導体、ポリフルオレン及びその誘導体、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(バソクプロイン)等のフェナントロリン誘導体、フラーレン及びフラーレン誘導体が挙げられ、酸化チタン、カーボンナノチューブ、フラーレン及びフラーレン誘導体が好ましく、フラーレン及びフラーレン誘導体が特に好ましい。
フラーレン及びフラーレン誘導体としては、例えば、炭素原子数が60であるC60フラーレン、炭素原子数が70であるC70フラーレン、炭素原子数が76であるC76フラーレン、炭素原子数が78であるC78フラーレン、炭素原子数が84であるC84フラーレン、及びこれらの誘導体が挙げられる。フラーレン誘導体は、フラーレンの少なくとも一部が修飾された化合物を表す。
フラーレン誘導体としては、例えば、下記式(13)で表される化合物、下記式(14)で表される化合物、下記式(15)で表される化合物及び下記式(16)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2014205737
式(13)〜式(16)中、C60は、炭素原子数60のフラーレンを表し、C70は、炭素原子数70のフラーレンを表す。Cはフラーレンに含まれる炭素原子である。Rは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基又はエステル構造を有する基を表す。複数個あるRは、同一であっても相異なってもよい。Rは置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表す。複数個あるRは、同一であっても相異なっていてもよい。
及びRで表される置換基を有していてもよいアルキル基及び置換基を有していてもよいアリール基の定義及び具体例は、Rで表される置換基を有していてもよいアルキル基及び置換基を有していてもよいアリール基の定義及び具体例と同じである。
で表されるヘテロアリール基は、芳香族複素環式化合物から水素原子2個を除いた基を意味する。ヘテロアリール基の炭素原子数は、通常、3〜60である。ヘテロアリール基としては、例えば、チエニル基、ピロリル基、フリル基、ピリジル基、キノリル基及びイソキノリル基が挙げられる。ヘテロアリール基が有していてもよい置換基の定義及び具体例は、Rで表される置換基の定義及び具体例と同じである。
で表されるエステル構造を有する基は、例えば、下記式(17)で表される基が挙げられる。
Figure 2014205737
式(17)中、u1は、1〜6の整数を表す。u2は、0〜6の整数を表す。u3は0又は1の整数を表す。u4は、0又は1の整数を表す。ただし、u3とu4との和は1である。Rは、フッ素原子で置換されていてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基又は置換基を有していてもよいヘテロアリール基を表す。
で表される置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基及び置換基を有していてもよいヘテロアリール基の定義及び具体例は、Rで表される置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基及び置換基を有していてもよいヘテロアリール基の定義及び具体例と同じである。
式(17)中、u3は0が好ましく、u4は1が好ましい。
60フラーレンの誘導体の具体例としては、以下のような化合物が挙げられる。
Figure 2014205737
70フラーレンの誘導体の具体例としては、以下のような化合物が挙げられる。
Figure 2014205737
また、フラーレン誘導体の例としては、[6,6]フェニル−C61酪酸メチルエステル(C60PCBM、[6,6]−Phenyl C61 butyric acid methyl ester)、[6,6]フェニル−C71酪酸メチルエステル(C70PCBM、[6,6]−Phenyl C71 butyric acid methyl ester)、[6,6]フェニル−C85酪酸メチルエステル(C84PCBM、[6,6]−Phenyl C85 butyric acid methyl ester)及び[6,6]チエニル−C61酪酸メチルエステル([6,6]−Thienyl C61 butyric acid methyl ester)が挙げられる。
<薄膜>
本発明の薄膜(有機薄膜)の第1の態様は、本発明の化合物を含む薄膜である。
本発明の薄膜の第2の態様は、本発明の組成物を含む薄膜である。薄膜の厚さは、1nm〜100μmが好ましく、より好ましくは2nm〜1000nmであり、さらに好ましくは5nm〜500nmであり、より好ましくは20nm〜200nmである。
<電子素子>
本発明の電子素子は、第1の電極と第2の電極とを有し、該第1の電極と該第2の電極との間に活性層を有し、該活性層に本発明の化合物、又は、本発明の組成物を含有する。電子素子としては、例えば、光電変換素子、有機薄膜トランジスタ及び有機エレクトロルミネッセンス素子が挙げられる。
<光電変換素子>
本発明の光電変換素子は、少なくとも一方が透明又は半透明である一対の電極の間に、本発明の化合物を含む1層以上の活性層を有する。
本発明の化合物を有する層を備える光電変換素子の好ましい形態としては、少なくとも一方が透明又は半透明である一対の電極と、p型の有機半導体とn型の有機半導体との有機組成物から形成される活性層を有する。ここで本発明の化合物を、p型の有機半導体として用いることが好ましい。
本発明の化合物を用いて製造される光電変換素子は、通常、基板上に形成される。この基板は、電極を形成し、有機物の層を形成する際に化学的に変化しないものであればよい。基板の材料としては、例えば、ガラス、プラスチック、高分子フィルム、シリコンが挙げられる。不透明な基板の場合には、反対の電極(即ち、基板から遠い方の電極)が透明又は半透明であることが好ましい。
本発明の化合物を有する光電変換素子の他の態様は、少なくとも一方が透明又は半透明である一対の電極の間に、本発明の化合物を含む第1の活性層と、該第1の活性層に隣接して、フラーレン誘導体等の電子受容性化合物を含む第2の活性層を含む光電変換素子である。
透明又は半透明の電極としては、例えば、導電性の金属酸化物膜、半透明の金属薄膜等が挙げられる。透明又は半透明である電極の材料の具体例としては、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、及びそれらの複合体であるインジウムスズオキサイド(ITO)、インジウム亜鉛オキサイド(IZO)等からなる導電性材料、NESA、金、白金、銀及び銅が挙げられ、ITO、IZO及び酸化スズが好ましい。電極の作製方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法及びメッキ法が挙げられる。
電極材料として、ポリアニリン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体等の有機の透明導電膜を用いてもよい。
透明又は半透明の電極と対向する他方の電極は透明でなくてもよく、該電極の電極材料としては、金属、導電性高分子等を用いることができる。不透明な電極材料の具体例としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウム、スカンジウム、バナジウム、亜鉛、イットリウム、インジウム、セリウム、サマリウム、ユーロピウム、テルビウム、イッテルビウム等の金属、これらの金属のうちの2つ以上の金属の合金、これらの金属のうちの1種以上の金属と、金、銀、白金、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン及び錫からなる群から選ばれる1種以上の金属との合金、グラファイト及びグラファイト層間化合物、ポリアニリン及びその誘導体、並びに、ポリチオフェン及びその誘導体が挙げられる。合金の具体例としては、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、インジウム−銀合金、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−マグネシウム合金、リチウム−インジウム合金及びカルシウム−アルミニウム合金が挙げられる。
光電変換効率を向上させるための手段として活性層以外の付加的な中間層を用いてもよい。中間層に用いられる材料としては、フッ化リチウム等のアルカリ金属のハロゲン化物、アルカリ土類金属のハロゲン化物、酸化チタン等の酸化物、PEDOT(ポリ−3,4−エチレンジオキシチオフェン)などが挙げられる。
<活性層>
活性層は、本発明の化合物を一種単独で含んでいても二種以上を組み合わせて含んでいてもよい。活性層のホール輸送性を高めるため、電子供与性化合物及び/又は電子受容性化合物として、本発明の化合物以外の化合物を活性層中に混合して用いることもできる。なお、活性層に含まれる本発明の化合物が、電子供与性化合物であるか、又は電子受容性化合物であるかは、化合物のエネルギー準位から相対的に決定される。
電子供与性化合物としては、本発明の化合物のほか、例えば、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体、オリゴチオフェン及びその誘導体、ポリビニルカルバゾール及びその誘導体、ポリシラン及びその誘導体、側鎖又は主鎖に芳香族アミン残基を有するポリシロキサン誘導体、ポリアニリン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体、ポリピロール及びその誘導体、ポリフェニレンビニレン及びその誘導体、ポリチエニレンビニレン及びその誘導体が挙げられる。
電子受容性化合物としては、本発明の化合物のほか、前述の化合物が挙げられる。
活性層中に本発明の化合物とフラーレン誘導体とを含む場合、フラーレン誘導体の割合が、本発明の化合物100重量部に対して、10重量部〜1000重量部であることが好ましく、20重量部〜500重量部であることがより好ましい。
活性層の厚さは、通常、1nm〜100μmであることが好ましく、より好ましくは2nm〜1000nmであり、さらに好ましくは5nm〜500nmであり、より好ましくは20nm〜200nmである。
前記活性層は、如何なる方法で製造してもよく、例えば、高分子化合物を含む溶液からの成膜、真空蒸着法による成膜方法が挙げられる。
<光電変換素子の製造方法>
光電変換素子の好ましい製造方法は、第1の電極と第2の電極とを有し、該第1の電極と該第2の電極との間に活性層を有する光電変換素子の製造方法であって、該第1の電極上に本発明の化合物と溶媒とを含む溶液又は本発明の組成物と溶媒とを含むインクを塗布法により塗布して活性層を形成する工程、該活性層上に第2の電極を形成する工程を有する。
溶液又はインクからの成膜に用いる溶媒は、本発明の化合物又は本発明の組成物を溶解させ得る溶媒であればよい。該溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン、デカリン、ビシクロヘキシル、ブチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン等の炭化水素、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロブタン、ブロモブタン、クロロペンタン、ブロモペンタン、クロロヘキサン、ブロモヘキサン、クロロシクロヘキサン、ブロモシクロヘキサン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等のエーテルが挙げられる。本発明の化合物は、通常、前記溶媒に0.1重量%以上溶解させることができる。
溶液又はインクを用いて成膜する場合、例えば、スリットコート法、ナイフコート法、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットコート法、ディスペンサー印刷法、ノズルコート法、キャピラリーコート法等の塗布法を用いることができ、スリットコート法、キャピラリーコート法、グラビアコート法、マイクログラビアコート法、バーコート法、ナイフコート法、ノズルコート法、インクジェットコート法、スピンコート法が好ましい。
成膜性をより良好にすることができるので、25℃における溶媒の表面張力が15mN/mより大きいことが好ましく、15mN/mより大きく100mN/mよりも小さいことがより好ましく、25mN/mより大きく60mN/mよりも小さいことがさらに好ましい。
<有機薄膜トランジスタ>
本発明の化合物は、有機薄膜トランジスタにも用いることができる。有機薄膜トランジスタとしては、ソース電極及びドレイン電極と、これらの電極間の電流経路となる有機半導体層(活性層)と、この電流経路を通る電流量を制御するゲート電極とを備えた構成を有するものが挙げられ、有機半導体層が上述した有機薄膜(薄膜)によって構成されるものである。このような有機薄膜トランジスタとしては、例えば、電界効果型、静電誘導型等が挙げられる。
電界効果型有機薄膜トランジスタは、ソース電極及びドレイン電極、これらの間の電流経路となる有機半導体層(活性層)、この電流経路を通る電流量を制御するゲート電極、並びに、有機半導体層とゲート電極との間に配置される絶縁層を備えることが好ましい。
特に、ソース電極及びドレイン電極が、有機半導体層(活性層)に接して設けられており、さらに有機半導体層に接した絶縁層を挟んでゲート電極が設けられていることが好ましい。電界効果型有機薄膜トランジスタにおいては、有機半導体層が、本発明の化合物を含む有機薄膜によって構成される。
静電誘導型有機薄膜トランジスタは、ソース電極及びドレイン電極、これらの間の電流経路となる有機半導体層(活性層)、並びに電流経路を通る電流量を制御するゲート電極を有し、このゲート電極が有機半導体層中に設けられていることが好ましい。特に、ソース電極、ドレイン電極及び有機半導体層中に設けられたゲート電極が、有機半導体層に接して設けられていることが好ましい。ここで、ゲート電極の構造としては、ソース電極からドレイン電極へ流れる電流経路が形成され、且つゲート電極に印加した電圧で電流経路を流れる電流量が制御できる構造であればよく、例えば、くし形電極が挙げられる。静電誘導型有機薄膜トランジスタにおいても、有機半導体層が、本発明の化合物を含む有機薄膜によって構成される。
<有機エレクトロルミネッセンス素子>
本発明の化合物は、有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)に用いることもできる。有機EL素子は、少なくとも一方が透明又は半透明である一対の電極間に発光層を有する。有機EL素子は、発光層の他にも、正孔輸送層、電子輸送層を含んでいてもよい。本発明の化合物は、該発光層、正孔輸送層、電子輸送層のいずれかの層中に含まれる。発光層中には、本発明の化合物の他にも、電荷輸送材料(電子輸送材料と正孔輸送材料の総称を意味する。)を含んでいてもよい。有機EL素子としては例えば、陽極と発光層と陰極とを有する素子、さらに陰極と発光層の間に、該発光層に隣接して電子輸送材料を含有する電子輸送層を有する陽極と発光層と電子輸送層と陰極とを有する素子、さらに陽極と発光層の間に、該発光層に隣接して正孔輸送材料を含む正孔輸送層を有する陽極と正孔輸送層と発光層と陰極とを有する素子、陽極と正孔輸送層と発光層と電子輸送層と陰極とを有する素子等が挙げられる。
<電子素子の用途>
本発明の化合物を用いた光電変換素子は、透明又は半透明の電極側から太陽光等の光を入射させることにより、電極間に光起電力が発生し、有機薄膜太陽電池として動作させることができる。有機薄膜太陽電池を複数集積することにより有機薄膜太陽電池モジュールとして用いることもできる。
また、本発明の化合物を用いた光電変換素子は、一対の電極間に電圧を印加した状態、あるいは無印加の状態で、透明又は半透明の電極側から光を入射させることにより、光電流が流れ、有機光センサーとして動作させることができる。有機光センサーを複数集積することにより有機イメージセンサーとして用いることもできる。
上述の有機薄膜トランジスタは、例えば電気泳動ディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ等の画素の制御、画面輝度の均一性制御、画面書き換え速度の制御のために用いられる画素駆動素子等として用いることができる。
<太陽電池モジュール>
有機薄膜太陽電池は、従来の太陽電池モジュールと基本的には同様のモジュール構造をとりうる。太陽電池モジュールは、一般的には金属、セラミック等の支持基板の上にセルが構成されており、セルの上を充填樹脂や保護ガラス等で覆い、支持基板の反対側から光を取り込む構造をとるが、支持基板に強化ガラス等の透明材料を用い、その上にセルを構成してその透明の支持基板側から光を取り込む構造とすることも可能である。具体的には、スーパーストレートタイプ、サブストレートタイプ、ポッティングタイプと呼ばれるモジュール構造、アモルファスシリコン太陽電池などで用いられる基板一体型モジュール構造等が知られている。本発明の化合物を用いて製造される有機薄膜太陽電池も使用目的、使用場所及び環境を考慮して、適宜これらのモジュール構造を選択できる。
代表的なスーパーストレートタイプあるいはサブストレートタイプのモジュールは、片側又は両側が透明で反射防止処理が施された対向する2枚の支持基板の間に一定間隔にセルが配置され、隣り合うセル同士が金属リード又はフレキシブル配線等によって接続され、外縁部に集電電極が配置されており、この集電電極を用いて発生した電力を外部に取り出す構造となっている。基板とセルとの間には、セルの保護、集電効率向上のため、目的に応じエチレンビニルアセテート(EVA)等様々な種類のプラスチック材料をフィルム又は充填樹脂の形で用いてもよい。また、外部からの衝撃が少ないところなど表面を硬い素材で覆う必要のない場所において使用する場合には、表面保護層を透明プラスチックフィルムで構成し、又は上記充填樹脂を硬化させることによって保護機能を付与し、片側の支持基板をなくすことが可能である。
支持基板の周囲は、内部の密封性及びモジュールの剛性を確保するため金属製のフレームでサンドイッチ状に固定し、支持基板とフレームとの間は封止材料で密封シールする。
また、セル自体、支持基板、充填材料及び封止材料に可撓性の素材を用いれば、曲面の上に太陽電池を構成することもできる。
ポリマーフィルム等のフレキシブル支持体を用いた太陽電池の場合、ロール状に巻き取られた支持体を送り出しながら順次セルを形成し、所望のサイズに切断した後、周縁部をフレキシブルで防湿性のある素材でシールすることにより電池本体を作製できる。また、Solar Energy Materials and Solar Cells, 48,p383−391記載の「SCAF」とよばれるモジュール構造とすることもできる。更に、フレキシブル支持体を用いた太陽電池は曲面ガラス等に接着固定して使用することもできる。
以下、本発明をさらに詳細に説明するために実施例を示す。本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(NMR測定)
NMR測定は、化合物を重クロロホルムに溶解させ、NMR装置(JEOL社製、Alpha FT−NMR)を用いて行った。
合成例1
(化合物2の合成)
Figure 2014205737
フラスコ内の気体を窒素で置換した100mL三つ口フラスコに、WO2011/052709A1に記載の方法で合成した化合物1を2.35g(11.3mmol)と脱水テトラヒドロフランを80mL入れて均一な溶液とした。フラスコを−20℃に保ちながら、反応液に事前に調整した1.0Mの4,4,4−トリフルオロブチルマグネシウムブロマイドのテトラヒドロフラン溶液を26.0mL(26.0mmol)加えた。その後、30分かけて温度を−5℃まで上げ、そのままの温度で反応液を30分攪拌した。その後、10分かけて温度を0℃に上げ、そのままの温度で反応液を1.5時間攪拌した。その後、反応液に水を加えて反応を停止し、酢酸を加えて溶液を弱酸性にした後に、酢酸エチルを加え、反応生成物を含む有機層を抽出した。酢酸エチル溶液である有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、有機層をろ過後、ろ液の溶媒を留去し、化合物2を含む粗精製物を得た。
合成例2
(化合物3の合成)
Figure 2014205737
フラスコ内の気体を窒素で置換した300mLフラスコに、化合物2を含むオイル状物質、トルエンを100mL入れて均一な溶液とした。該溶液にp−トルエンスルホン酸ナトリウム1水和物を0.365g(1.92mmol)入れて120℃で2時間攪拌を行った。反応液を室温(25℃)まで冷却後、水50mLを加え、さらにトルエンを加えて反応生成物を含む有機層を抽出した。トルエン溶液である有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、有機層をろ過後、溶媒を留去した。得られた粗生成物を、展開溶媒がヘキサンであるシリカゲルカラムで生成し、化合物3を4.08g(9.84mmol)得た。
1H NMR (CDCl3): δ1.58-1.76 (m, 4H), 1.92-2.13 (m, 8H), 6.67 (d, 1H), 6.69 (d, 1H), 7.01 (d, 1H), 7.09 (d, 1H).
合成例3
(化合物4の合成)
Figure 2014205737
フラスコ内の気体を窒素で置換した300mLフラスコに、化合物3を3.55g(8.56 mmol)、脱水テトラヒドロフランを180mL入れて均一な溶液とした。該溶液を−78℃に保ち、該溶液に1.6Mのn−ブチルリチウムのヘキサン溶液を12.3mL(19.7mmol)を10分かけて滴下した。滴下後、反応液を−78℃で30分攪拌し、次いで、室温(25℃)で2.5時間攪拌した。その後、フラスコを−78℃に冷却し、反応液にトリブチルスズクロリドを6.96g(21.4mmol)加えた。添加後、反応液を−78℃で30分攪拌し、次いで、室温(25℃)で3時間攪拌した。その後、反応液に水100mlを加えて反応を停止し、酢酸エチルを加えて反応生成物を含む有機層を抽出した。酢酸エチル溶液である有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、有機層をろ過後、ろ液をエバポレーターで濃縮し、溶媒を留去した。得られたオイル状の物質を展開溶媒がヘキサンであるシリカゲルカラムで精製した。シリカゲルカラムのシリカゲルには、あらかじめ5wt%のトリエチルアミンを含むヘキサンに5分間浸し、その後、ヘキサンで濯いだシリカゲルを用いた。精製後、化合物4を7.18g(7.23mmol)得た。
1H NMR (CDCl3): δ 0.90 (m, 18H), 1.07-2.10 (m, 48H), 6.66 (s, 1H), 6.70 (s, 1H).
実施例1
(高分子化合物Aの合成)
Figure 2014205737
フラスコ内の気体をアルゴンで置換した200mLフラスコに、国際公開第2011/052709号に記載された方法で合成した化合物5を356mg(0.273mmol)、上記合成例3で合成した化合物4を180.5mg(0.182mmol)、国際公開第2011/052709号に記載された方法で合成した化合物6を150mg(0.455mmol)、トルエンを18ml入れて均一な溶液とした。得られたトルエン溶液を、アルゴンで30分バブリングした。その後、トルエン溶液に、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムを6.24mg(0.0068mmol)、トリス(2−トルイル)ホスフィンを12.5mg(0.041mmol)加え、100℃で6時間攪拌した。その後、反応液にフェニルブロミドを50mg加え、さらに2時間攪拌した。その後、フラスコを25℃に冷却し、反応液をメタノール300mLに注いだ。ポリマーを濾過後、乾燥させ、得られたポリマーをo−ジクロロベンゼン9mLに溶解させ、アルミナ/シリカゲルカラムに通した。得られた溶液をメタノールに注いでポリマーを析出させ、ポリマーを濾過後、乾燥させ、精製された重合体を313mg得た。以下、この重合体を高分子化合物Aと呼称する。
実施例2
(インク及び有機薄膜太陽電池の作製及び評価)
スパッタ法によりITO膜を150nmの厚みで付けたガラス基板を、オゾンUV装置を用いて表面処理を行った。次に、高分子化合物A及びフェニルC61−酪酸メチルエステル(フラーレンC60PCBM)(フロンティアカーボン社製)を、高分子化合物Aに対するフラーレンC60PCBMの重量比が3となるよう、オルトジクロロベンゼンに溶解させ、インク1を製造した。インク1中、高分子化合物Aの重量とフラーレンC60PCBMの重量との合計は、インク1の重量に対して2.0重量%であった。該インク1をスピンコートによりガラス基板の酸化インジウムスズ(ITO)膜上に塗布して、高分子化合物Aを含む有機膜を作製した。該有機膜の膜厚は、約100nmであった。有機膜の光吸収末端波長を測定したところ、890nmであった。その後、有機膜上に、真空蒸着機によりフッ化リチウムを厚さ2nmで蒸着し、次いでアルミニウムを厚さ100nmで蒸着し、有機薄膜太陽電池を作製した。得られた有機薄膜太陽電池の形状は、2mm×2mmの正方形であった。得られた有機薄膜太陽電池にソーラシミュレーター(分光計器製、商品名OTENTO-SUNII:AM1.5Gフィルター、放射照度100mW/cm2)を用いて一定の光を照射し、発生する電流と電圧を測定して光電変換効率、短絡電流密度、開放電圧、フィルファクターを求めた。Jsc(短絡電流密度)は12.0mA/cmであり、Voc(開放端電圧)は0.80Vであり、FF(フィルファクター(曲線因子))は0.693であり、光電変換効率(η)は6.51%であった。
(高分子化合物Bの合成)
合成例1
Figure 2014205737
フラスコ内の気体をアルゴンで置換した200mLフラスコに、国際公開第2011/052709号に記載された方法で合成した化合物5を400mg(0.306mmol)、国際公開第2011/052709号に記載された方法で合成した化合物6を100mg(0.303mmol)トルエンを13ml入れて均一な溶液とした。得られたトルエン溶液を、アルゴンで30分バブリングした。その後、トルエン溶液に、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムを4.16mg(0.0045mmol)、トリス(2−トルイル)ホスフィンを8.3mg(0.027mmol)加え、100℃で6時間攪拌した。その後、反応液にフェニルブロミドを50mg加え、さらに2時間攪拌した。その後、フラスコを25℃に冷却し、反応液をメタノール300mLに注いだ。ポリマーを濾過後、乾燥させ、得られたポリマーをo−ジクロロベンゼン9mLに溶解させ、アルミナ/シリカゲルカラムに通した。得られた溶液をメタノールに注いでポリマーを析出させ、ポリマーを濾過後、乾燥させ、精製された重合体を247mg得た。以下、この重合体を高分子化合物Bと呼称する。
比較例1
(インク及び有機薄膜太陽電池の作製及び評価)
高分子化合物Aの代わりに高分子化合物Bを用いた以外は実施例2と同様にして有機薄膜太陽電池を作成し、実施例2と同様の方法で光電変換効率、短絡電流密度、開放電圧、フィルファクターを求めた。Jsc(短絡電流密度)は3.54mA/cmであり、Voc(開放端電圧)は0.75Vであり、FF(フィルファクター(曲線因子))は0.704であり、光電変換効率(η)は1.87%であった。
Figure 2014205737

Claims (18)

  1. 式(1)で表される構成単位と式(2)で表される構成単位とを含む化合物。
    Figure 2014205737
    (1)
    〔式(1)中、RおよびRは、同一又は相異なり、1つ以上のハロゲン原子で置換されている炭素数1〜30のアルキル基を表す。Yは、酸素原子、硫黄原子又は−N(R)−を表す。Rは水素原子又は置換基を表す。環Z及び環Zは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい芳香族炭素環又は置換基を有していてもよい複素環を表す。〕
    Figure 2014205737
    (2)
    〔式(2)中、RおよびRは、同一又は相異なり、炭素原子および水素原子のみからなる炭素数1〜30のアルキル基を表す。Yは、酸素原子、硫黄原子又は−N(R)−を表す。Rは水素原子又は置換基を表す。環Z及び環Zは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい芳香族炭素環又は置換基を有していてもよい複素環を表す。〕
  2. の炭素数およびRの炭素数が、それぞれ独立に、3〜15である請求項1に記載の化合物。
  3. の炭素数およびRの炭素数が、それぞれ独立に、8〜25である請求項1又は2に記載の化合物。
  4. 前記化合物における式(1)で表される構成単位の数を、前記化合物における式(1)で表される構成単位の数と前記化合物における式(2)で表される構成単位の数との合計数で割り算したときの値が、0.1〜0.9である請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物。
  5. さらに、式(3)で表される構成単位を含む請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物。
    Figure 2014205737
    (3)
    〔式(3)中、Arは、式(1)で表される構成単位及び式(2)で表される構成単位とは異なり、置換基を有していてもよいアリーレン基又は2価の複素環基を表す。〕
  6. Arが、式(3−1)〜式(3−8)のいずれかで表される構成単位である請求項5に記載の化合物。
    Figure 2014205737
    〔式(3−1)〜式(3−8)中、R21〜R38は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。X21〜X29は、それぞれ独立に、硫黄原子、酸素原子又はセレン原子を表す。〕
  7. 光吸収末端波長が700nm以上である請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物。
  8. ポリスチレン換算の数平均分子量が3000以上である請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の化合物を含む薄膜。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の化合物と電子受容性化合物とを含む組成物。
  11. 電子受容性化合物が、フラーレン誘導体である請求項10に記載の組成物。
  12. 請求項10又は11に記載の組成物を含む薄膜。
  13. 請求項10又は11に記載の組成物と溶媒とを含むインク。
  14. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の化合物を含む電子素子。
  15. 第1の電極と第2の電極とを有し、該第1の電極と該第2の電極との間に活性層を有し、該活性層に請求項1〜8のいずれか一項に記載の化合物を含有する有機光電変換素子。
  16. 請求項15に記載の有機光電変換素子を含む太陽電池モジュール。
  17. 請求項15に記載の有機光電変換素子を含むイメージセンサー。
  18. ゲート電極と、ソース電極と、ドレイン電極と、活性層とを有し、該活性層に請求項1〜8のいずれか一項に記載の化合物を含有する有機薄膜トランジスタ。
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