JP2014204975A - 開脚手術用ドレープ - Google Patents

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Ayako Nakatsu
亜矢子 中津
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謙二 大久保
直紀 田中
Naoki Tanaka
直紀 田中
英樹 手塚
Hideki Tezuka
英樹 手塚
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Abstract

【課題】婦人科における膣から行われる手術など、開脚した状態で脚を上下左右に動かす手術において用いた場合であっても、患部(股関節部分)およびその周辺、さらに両脚を覆うことが可能であり、かつ患者の脚を高く上げた場合であっても浮き上がることがない開脚用ドレープを提供すること。
【解決手段】開脚された状態の患者の股関節部分を覆うための開脚用ドレープにおいて、基布と、患者の両脚を別々に覆うための2枚の脚布と、から構成し、前記基布を、患者の股関節部分に位置する位置に開窓部を有するとともに、「ハ」の字型の切れ込み部を有するようにし、前記2枚の脚布をそれぞれ、前記切れ込み部に沿うように前記基布と接続させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、婦人科において膣から行われる手術などをする際に用いられる開脚用ドレープに関する。
婦人科における膣から行われる手術などは、患者の脚を開くとともに開いた脚を高く上方に上げておく姿勢で行われることも多く、このような姿勢の患者の患部周辺を覆うために開脚用ドレープが用いられている。
図7は、従来の開脚用ドレープの一例を示す図である。
この開脚用ドレープ70は、患者の股関節部分および胴体部分を覆うための第1のドレープ71と、患者の両脚を片脚ずつ別々に覆うための筒状の第2のドレープ72とから構成されている。
このような開脚用ドレープ70で患者を覆った場合、胴体部分を覆うための第1のドレープと脚を覆うための第2のドレープとは別体であるため、これらの間に隙間が生じその隙間から患者の肌が露出することがあり衛生上好ましくない。
このような問題を解決するために、近年においては、一体型のドレープも開発されている。
図8は、従来の開脚用ドレープの他の一例を示す正面図である。
この開脚用ドレープ80は、患者の胴体部分を覆うための第1のドレープ81を準備し、これを中央の線82に沿って下から1本の切り込みを入れ、図中の矢印方向に、図中の点線83に沿って谷折りをすることにより、当該第1のドレープ81を両側に開き、当該開いた部分に第2のドレープ84を宛がい、第1のドレープ81と第2のドレープ84とをつなぎ合わせることにより構成されている。
このような開脚用ドレープ80によれば、第1のドレープ81と第2のドレープ84とが重なり合う三角形部分(符号85、86)が、いわゆるマチとなり、当該部分で開いた状態の患者の脚を覆うことができるとともに、第1のドレープ81と第2のドレープ84とは一体となっているため、患部近傍に隙間が生じることもない。
しかしながら、開いた患者の脚を上げた姿勢とした場合、当該ドレープの下方部分(図中の符号87で示した斜線部分)が患者の脚に引っ張られて上に浮き上がってしまい、当該浮き上がった部分から患者の肌が露出することがあり、問題となっていた。
ところで、上記で説明した従来の開脚ドレープ70および80はともに、患部を露出するための開窓部73、88が設けられている。
このような開窓部73、88は、患部を露出させ、必要な手術野を確保できればよく、したがってその形状は、円形(73)または楕円形(88)である場合がほとんどであり、特にその形状を工夫することはないのが現状であった。
しかしながら、開脚用ドレープの場合、開窓部は患者の股関節部分に位置することとなるが、そもそも当該開窓部の近傍である患者の股関節部分は平坦ではないため、当該部分を開窓部に貼り付けておくことが困難であった。さらに、手術中には患者の脚を上下に動かしたり、開閉したりすることが多いため、貼り付けた部分が股関節から剥がれてしまうことが多かった。このように開窓部の近傍が患者の身体から剥がれてしまうと、その隙間に血液等が侵入して不快感を感じる原因となるとともに、衛生面からも好ましくはない。
なお、出願人は婦人科において用いられる開脚用ドレープとして特許文献1を把握している。
特開2007−321324号公報
本発明は、このような状況に鑑みなされたものであり、以下の課題の何れか一方または双方を解決することを課題とする。
(1)婦人科における膣から行われる手術など、開脚した状態で脚を上下左右に動かす手術において用いた場合であっても、患部(股関節部分)およびその周辺、さらに両脚を覆うことが可能であり、かつ患者の脚を高く上げた場合であっても浮き上がることがない開脚用ドレープを提供すること。
(2)婦人科における膣から行われる手術など、開脚した状態で脚を上下左右に動かす手術において用いた場合であっても、患部と、患部周辺に貼り付けた開窓部とが剥がれてしまうことがない開脚用ドレープを提供すること。
上記課題を解決するための本願第1の発明は、開脚された状態の患者の股関節部分を覆うための開脚用ドレープであって、当該開脚用ドレープは、基布と、患者の両脚を別々に覆うための2枚の脚布と、からなり、前記基布は、患者の股関節部分に位置する位置に開窓部を有するとともに、「ハ」の字型の切り込み部を有し、前記2枚の脚布はそれぞれ、前記切り込み部に沿うように前記基布と接続されていることを特徴とする。
上記課題を解決するための本願第2の発明は、開脚された状態の患者の股関節部分を覆うための開脚用ドレープであって、その患者の股関節部分に位置する位置には、楕円を括れさせた形状の開窓部を有していることを特徴とする。
ここで、上記本願第1の発明にあっては、前記開窓部が、楕円を括れさせた形状の開窓部であることが好ましい。
さらに、上記何れの発明においても、前記開窓部の周辺におけるドレープの裏面側には、当該開窓部を患者の所定の股関節部分に固定するための粘着部が設けられており、さらに、この粘着部は、開窓部の下方に向かって所定の長さ延長されており、この延長された部分のみは、ドレープとは接着されていないことが好ましい。
さらに、上記の発明にあっては、前記脚布が筒型形状であってもよい。
本願第1の発明にかかる開脚用ドレープによれば、患者の胴体部分を覆うための基布と患者の脚を覆うための脚布とからなり、かつこれらは接続されているので、これらが別個独立したタイプの従来のドレープのように患者の股関節部分に隙間が生じることはなく、患者の所望の部位をきれいに覆うことができる。また、当該開脚ドレープは、「ハ」の字型の切り込み部を有し、前記2枚の脚布はそれぞれ、前記切り込み部に沿うように前記基布と接続されているので、患者の脚を大きく開きさらに高く上げたとしても、その下端部が浮き上がる(めくり上がる)ことなく脚の動きに追従することができ、患者の所望の部位をきれいに覆うことができる。
一方で、本願第2の発明にかかる開脚用ドレープによれば、開窓部の形状が楕円を括れさせた形状であるため、この括れた部分の分だけ、従来の円形または楕円形の開窓部と比べて、患者との接触面積(患者の身体と接着できる面積)を大きくすることができ、その結果、患者の患部周辺に貼り付けた開窓部が剥がれてしてしまうことを防止することができる。さらに、患者の両脚の付け根の部分(内ももの部分)は、開窓部が最も剥がれやすい部分であるところ、本願第2の発明によれば、当該部分に括れ部分を接着することができるため効果的である。なお、当該括れ部分を患者の両脚の付け根部分に貼り付けた場合、患者の両脚が開かれるとこれに伴って括れ部分は左右に引っ張られるため、開窓部の形状は自然と楕円形状になり、従って当該括れ部が手術野を狭くしてしまうことはない。
また、上記本願第1の発明にかかる開脚用ドレープにおいて、上記本願第2の発明の特徴である開窓部を設けることにより、第1の発明にかかる開脚用ドレープに第2の発明の効果を追加することができる。
さらに、本願発明において、前記開窓部の周辺におけるドレープの裏面側に、当該開窓部を患者の所定の股関節部分に固定するための粘着部を設け、この粘着部を開窓部の下方に向かって所定の長さ延長し、この延長された部分のみ、ドレープと一体化しないことにより、当該延長した部分は、いわゆる「フラップ」形状となり、この部分を患者の身体に貼り付けることにより、開窓部と患者との接着面積を大きくすることができ、当該部分によって患者の臀部付近まで接着することができるため、開窓部が剥がれてしまうことを防止することができる。また、もし仮に、患者の脚を高く上げる際に基布が引っ張られた場合であっても、フラップ部があれば粘着部が剥がれることはない。一方で、当該部分は、ドレープとは接着されていないため、当該部分に位置するドレープが患者の身体に合わせて(臀部の方向に)折り込まれてしまうことを防止することができ、ドレープは重力によって自然に垂れ下がることができるため、手術に支障をきたすことはない。
さらにまた、本発明において、前記脚布を筒型形状とすることにより、例えば三角形状とするのにくらべ、患者の脚をスムーズに上げることが可能となる。
本願第1の発明である開脚用ドレープの正面図である。 本願第1の発明である開脚用ドレープの脚布を持ち上げた状態の斜視図である。 本願第1の発明である開脚用ドレープの使用状態を示す斜視図である。 本願第1の発明である開脚用ドレープの裏面図である。 本願第2の発明である開脚用ドレープの開窓部の正面図である。 本願の開脚用ドレープの開窓部およびその近傍の裏面図である。 従来の開脚用ドレープの一例を示す図である。 従来の開脚用ドレープの他の一例を示す正面図である。
図1は、本願第1の発明である開脚用ドレープの正面図であり、図2は、本願第1の発明である開脚用ドレープの脚布を持ち上げた状態の斜視図であり、図3は、本願第1の発明である開脚用ドレープの使用状態を示す斜視図である。
まず、図3に示すように、本願の開脚用ドレープ1は、患者の股関節部分を覆うためのドレープであり、例えば、婦人科における膣から行われる手術など、患者が開脚した状態で脚を上下左右に動かす手術において好適に用いることができるものである。
このような本願の開脚用ドレープ1は、患者の胴体部分を覆うための基布2と、患者の両脚を別々に覆うための2枚の脚布3a、3bとから構成される。ここで、基布2は、患者の股関節部分に位置する位置に開窓部4を有しているとともに「ハ」の字型の切り込み部5a、5bを有している。そして、前記2枚の脚布3a、3bは、基布2が有する切り込み部5a、5bに沿うように基布2と接続されている(特に図2や図3参照。)。
このような本願第1の発明にかかる開脚用ドレープ1によれば、患者の胴体部分を覆うための基布2と患者の脚を覆うための脚布3a、3bとは、直接に接続されているので、これらが別個独立したタイプの従来のドレープのように患者の股関節部分に隙間が生じることはなく、当該部分をきれいに覆うことができる。また、本願の開脚用ドレープ1は、基布2と脚布3a、3bとを単純に接続したのではなく、図2や図3に示すように、基布2に「ハ」の字型の切り込み部5a、5bを設け、前記2枚の脚布3a、3bのそれぞれを前記切り込み部5a、5bに沿うように配置しつつこれらを接続しているので、当該ドレープに何らの変形を加えることなく、当該ドレープの基本的な形状として、患者の胴体部分を覆うための基布2に対して、患者の脚を覆うための2枚の脚布3a、3bが、水平方向(図2の矢印参照)にある程度の角度を有しつつ、垂直方向にもある程度の角度を有している状態とすることができる。これによって、患者の脚を大きく開き(水平方向に開き)さらに高く上げた(垂直方向に上げた)としても、本願の開脚用ドレープ1の下端部6が浮き上がる(めくり上がる)ことなく、当該ドレープ1を脚の動きに追従せしめることができるので、患者の所望の部位をきれいに覆うことが可能となる。
このような本願第1の発明である開脚用ドレープ1を構成する基布2について説明する。
図4は、図1に示した開脚用ドレープ1の裏面図である。この図により、基布2の全体形状や切り込み部5a、5bが形成されている位置などが容易に理解できるだろう。
本願の開脚用ドレープ1を構成する基布2の材質については、特に限定されることはなく、従来公知のドレープにおいて用いられている各種材料、例えば、各種樹脂材料や、不織布、綿などを適宜選択して用いることができる。
また、基布2の全体形状についても特に限定されることはなく、患者の胴体部分および股関節部分を覆うことができればいかなる形状であっても良い。例えば、単純に長方形形状としても良いが、図4に示すように、その下側の両隅部を三角に切り落とした形状とすることが好ましい。当該切り落とした三角形状部分(図4の点線で示した部分参照)は、使用した場合には、患者の脚の裏側に位置する部分であり、「患者を覆う」というドレープ本来の機能を実質的に果たしておらず、この部分が存在していると執刀医や看護師が踏んでしまったりすることがあり、手術の邪魔になる場合があるからである。
また、基布2が有する切り込み部5a、5bは、当該切り込み部5a、5bに沿って2枚の脚布3a、3bが接続されることからも分かるように、患者の両脚の付け根(股関節近傍)に位置する位置に設ける必要があり、したがって、開窓部4近傍から、基布2の下端に向かって、「ハ」の字になるように形成されるものである。ここで、切り込み部5a、5bの傾き具合、つまり、基布2の下端辺7と平行な線7´に対する角度θ(図4参照)については、特に限定されることはなく、患者の両脚をどの程度開脚して手術を行うことが多いのか等を考慮して適宜設計可能であるが、例えば角度θを30〜80°程度とすることが好ましく、50〜70°がさらに好ましく、60〜65°が最も好ましい。
次に、本願第1の発明である開脚用ドレープ1を構成する脚布3a、3bについて説明する。
脚布3a、3bは、前述の通り、基布2に設けられる「ハ」の字状の切り込み部5a、5bに沿うように、基布2に接続されるものであり、患者の脚を覆うことを目的としている。したがって、当該目的を果たす形状および大きさであれば特に限定はされない。しかしながら、形状にあっては、図1〜3に示すような筒型形状とすることが好ましい。このような形状とすることにより、患者の脚を確実に覆うことができるとともに、脚を上下左右に動かす際の自由度が脚布によって制限されることがないからである。なお、筒型形状の脚布3a、3bの形成方法については特に限定することはないが、例えば図2から分かるように、一枚の矩形状のドレープを半分に折り込み(図2の符号8が折り込み線)、折り込むことにより山型となった一端を基布2の切り込み部に沿って基布2の接続するとともに、接続した一端と対向する他端にあっては、向かい合うドレープ同士を接着するようにしてもよい(図2の符号9が接着部分)。この場合、患者の脚の裏側部分は開放されていることになるが、当該開放部分から患者の脚を容易に覆うことができる。
ここで、基布2と脚布3a、3bとの接続方法については特に限定されることはなく、従来のドレープにおいて用いられている各種接続方法を任意に選択することができる。例えば、両面テープや接着剤を用いる方法や、ヒートシールを用いる方法、材質によっては縫い合わせる方法などを挙げることができる。
脚布3a、3bの材質についても、本願は特に限定することはなく、前述した基布2と同様の材質を適宜選択して用いることができる。また、脚布3a、3bは、必ずしも単一の材質で形成しなければならないことはなく、例えば図1および図3に示すように、患者の股関節部分に近い側(基布2との接続部分近傍)を不織布で形成し(図1の符号10)、これよりも先端側(患者の脚の先端方向側)を透明な樹脂で形成(図1の符号11)してもよい。このような脚布3a、3bによれば、手術中に患者の脚と体位固定具のハンドルやレバーを目視により確認することができる。
本願第1の発明である開脚用ドレープ1を構成する開窓部4にあっては、基布2において患者の股関節部分に位置する位置に形成されており、患部を露出せしめ術野を確保する機能を果たすことができればよく、その形状や大きさは特に限定されることはない。しかしながら、後述する本願第2の発明にかかる開脚用ドレープの特徴部分である開窓部が設けられていることが好ましい(詳細は後述する。)。
また、本願第1の発明である開脚用ドレープ1は、上述した基布2や脚布3a、3b等のみから構成されていることに限定されず、必要に応じて適宜他の構成が追加されていてもよい。例えば図1〜3に示すように、開窓部4の下側に、手術中に用いられる生理食塩水などの薬品や患者の体液などを受け止めるための袋体12が設けられていてもよく、さらには、図3に示すように、当該袋体12の先端部に、当該袋体内に溜まった液体を排出するためのチューブ13が設けられていてもよい。
次に、本願第2の発明である開脚用ドレープについて説明する。
図5は、本願第2の発明である開脚用ドレープの開窓部の正面図である。
本願第2の発明である開脚用ドレープは、患者の股関節部に位置する位置に開窓部50を有しており、当該開窓部50の形状に特徴を有している。より具体的には、図5に示すように、開窓部50が楕円を括れさせた形状であることに特徴を有している。
開窓部50に括れ部分51(図5の斜線部分参照)を設けることにより、従来の円形または楕円形の開窓部と比べて、患者との接触面積(患者の身体と接着できる面積)を大きくすることができ、その結果、患者の患部周辺に貼り付けた開窓部50が剥がれてしてしまうことを防止することができる。さらに、患者の両脚の付け根の部分(内ももの部分)は、開窓部50が最も剥がれやすい部分であるところ、本願第2の発明によれば、当該部分に括れ部分51を接着することができるため効果的である。なお、当該括れ部分51を患者の両脚の付け根部分に貼り付けた場合、患者の両脚が開かれるとこれに伴って括れ部分51は左右に引っ張られるため(図5の矢印参照)、開窓部の形状は自然と楕円形状になり、従って当該括れ部が手術野を狭くしてしまうことはない。
ここで、開窓部50の括れ部分51の括れ具合、つまりどれ程括れさせるか(図中の符号xの大きさ)については、本願は特に限定することはなく、開窓部50全体の大きさ等を考慮して適宜決定することができるが、例えば1〜15mm程度とすることが好ましく、2〜10mm程度がさらに好ましく、3〜7mmが最も好ましい。
本願第2の発明にあっては、上述の開窓部50の形状に特徴を有しており、ドレープの形状、構造等については特に限定はされることはなく、従来公知のいかなる開脚用ドレープにおいても採用可能である。そして、本願第2の発明は、当然に前記本願第1の発明である開脚用ドレープ1と組み合わせることが可能であり(図1〜4に示した本願第1の発明である開脚用ドレープの開窓部4は、本願第2の発明の特徴を有している)、これらを組み合わせた開脚用ドレープ1は、上述した本願第1および第2の発明の作用効果を両方とも発揮することができ、特に好ましい態様である。
次に本願第1および第2の発明における開脚用ドレープの開窓部の裏面側について説明する。
図6は、本願発明にかかる開脚用ドレープの開窓部およびその近傍の裏面図である。
図6に示すように、開窓部60の周辺におけるドレープ61の裏面側には、開窓部60を患者の所定の股関節部分に固定するための粘着部62が設けられている。当該粘着部62と患者の患部周辺の皮膚とを接着することにより、開窓部60を患者の患部の位置に固定することが可能となる。
そして、このような開窓部60の裏面において、本願発明は前記粘着部62を開窓部60の下方にむかって所定の長さ延長し、この延長された部分63のみは、ドレープ61とは接着されていない点に特徴を有している。
このように、粘着部の下方部分にいわゆるフラップ63を設けることにより、この部分を患者の身体に貼り付けることで、開窓部60と患者との接着面積を大きくすることができる。また、当該部分によって患者の臀部付近まで接着することにより、開窓部60(粘着部62)の剥離を防止することができる。また、もし仮に、患者の脚を高く上げる際にドレープ61が引っ張られた場合であっても、前記延長された部分、つまりフラップ63があれば粘着部62が剥がれることはない。一方で、当該部分63は、ドレープ61とは接着されていないため、当該部分63に位置するドレープ61が患者の身体に合わせて(臀部の方向に)折り込まれてしまうことを防止することができ、ドレープ61は重力によって自然に垂れ下がることができるため、手術に支障をきたすことはない。
このような役割を果たす延長された部分(フラップ)63の延長分の長さyについては、特に限定することはなく、当該部分が上記の機能を発揮することができる程度に自由に設計可能であるが、例えば、10〜100mmとすることが好ましく、20〜60mmがより好ましく、25〜45mmが最も好ましい。
1 開脚用ドレープ
2 基布
3a、3b 脚布
4、50、60 開窓部
5a、5b 切り込み部
6 開脚用ドレープの下端部
7 基布の下端辺
8 脚布の折り込み線
9 脚布の接着部分
10 脚布の不織布部分
11 脚布の透明樹脂部分
12 袋体
13 チューブ
51 括れ部分
61 開窓部周辺のドレープ
62 粘着部
63 粘着部であって延長された部分(フラップ)

Claims (3)

  1. 開脚された状態の患者の股関節部分を覆うための開脚手術用ドレープであって、
    当該開脚手術用ドレープは、
    患者の胴体部分を覆うための基布と、患者の両脚を別々に覆うための2枚の脚布と、からなり、
    前記基布は、患者の股関節部分に位置する位置に開窓部を有するとともに、「ハ」の字型の切り込み部を有し、
    前記2枚の脚布はそれぞれ、前記切り込み部に沿うように前記基布と接続されているとともに、患者の脚の裏側部分は開放されている
    ことを特徴とする開脚手術用ドレープ。
  2. 請求項1に記載の開脚手術用ドレープであって、
    前記開窓部の周辺におけるドレープの裏面側には、当該開窓部を患者の所定の股関節部分に固定するための粘着部が設けられており、
    さらに、この粘着部は、開窓部の下方に向かって所定の長さ延長されており、この延長された部分のみは、ドレープとは接着されていないことを特徴とする開脚手術用ドレープ。
  3. 請求項1または2に記載の開脚手術用ドレープであって、
    前記脚布が筒型形状であることを特徴とする開脚手術用ドレープ。
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