JP2014204491A - ブラシレス直流モータ - Google Patents

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Abstract

【課題】低コストかつ高効率運転が可能なブラシレス直流モータを提供する。【解決手段】ブラシレス直流モータ1は、励磁コイル20が巻回されるステータ10と、ステータに収容され、所定の向きに回転可能なロータ30と、ロータ30の回転軸を中心として異極が対向するように、周方向において所定間隔でステータ10の内面に固定される複数対の磁石41a,41b,42a,42bと、を備え、それぞれの磁石は、周方向で隣り合う他の磁石と延出部32,33を介して磁気的に接続された状態で、自身が発生源となる磁束が、他の磁石が発生源となる磁束と強め合うように配置される。【選択図】図1

Description

本発明は、ブラシレス直流モータに関する。
従来、自動車等の電動ポンプには、ブラシ及び整流子を有するブラシ付直流モータが主に用いられていた。ブラシ付直流モータは低コストかつ構造が単純であるという利点を有するものの、整流子との機械的接触によってブラシが経年劣化し、ブラシ・整流子間の電気的接続に不具合が生じ得るという欠点がある。
これに対し、前記したブラシ及び整流子に代えて、スイッチング素子のオン/オフを電気的に制御することで矩形波電圧をコイルに印加するブラシレス直流モータが知られている。ブラシレス直流モータを用いることで、その使用期間に関わらず、前記した電気的接続の信頼性を維持できる。
ところで、従来のブラシレス直流モータは、互いに位相の異なる矩形波電圧を三相コイルに印加することで回転磁界を発生させる構成になっていた。この場合、三相コイルに正負の電圧を印加するため6個のスイッチング素子(例えば、FET:Field effect transistor)が必要になり、ブラシ付直流モータよりも製造コストが高くなる。
例えば、特許文献1には、隈取コイルが巻回されるステータと、このステータのロータ収容孔に挿入されて回転駆動するロータと、ステータを励磁する励磁コイルと、を備えた隈取モータについて記載されている。
特許第5090855号公報
しかしながら、特許文献1に記載の隈取モータは、一周期のうち隈取コイルに誘起電流が流れない期間ではロータに負トルクが発生する(詳細については後記する)。したがって、当該隈取モータは低コストで製造できるものの、運転効率が非常に低いという問題があった。
そこで本発明は、低コストかつ高効率運転が可能なブラシレス直流モータを提供することを課題とする。
前記課題を解決するための手段として、本発明に係る直流ブラシレスモータは、励磁コイルが巻回されるステータと、前記ステータに収容され、所定の向きに回転可能なロータと、前記ロータの回転軸を中心として異極が対向するように、周方向において所定間隔で前記ステータの内面に固定される複数対の磁石と、を備え、前記ロータは、自身の回転に応じて前記複数対の磁石に近接可能に配置され、径方向に延びる基部と、前記基部の両端から前記所定の向きに延びる延出部と、を有し、それぞれの前記磁石は、周方向で隣り合う他の磁石と前記延出部を介して磁気的に接続された状態で、自身が発生源となる磁束が、前記他の磁石が発生源となる磁束と強め合うように配置されることを特徴とする。
このような構成によれば、ロータが回転して基部の両端と一対の磁石とが近接した状態になると、この一対の磁石は、周方向で隣り合う他の磁石との間でステータ及び延出部を介して磁気的に接続される。その結果、前記した一対の磁石が発生源となる磁束はそれぞれ、前記他の磁石が発生源となる磁束と強め合う。
このような安定状態から励磁コイルに印加される電圧の変化に応じて所定の向きに電流が流れると、この電流に伴って生じる磁束が、前記した一対の磁石及びロータを通り抜ける。そうすると、磁気抵抗が小さい箇所では、励磁コイルを流れる電流に伴う磁束と、磁石を発生源とする磁束と、が強め合って他の箇所よりも磁束が密に分布する。このような磁気抵抗の違いによってロータを所定の向き(延出部が基部から延びる向き)に回転させるトルクを発生させることができる。
前記した回転によって基部の両端は、それまで延出部と磁気的に接続していた他の磁石に近接し、新たな安定状態ができる。さらに、励磁コイルに所定の電圧が印加されて励磁コイルに電流が流れると、この電流に伴って生じる磁束が、他の対の磁石(ロータの回転方向において前記した一対の磁石と隣り合う磁石)及びロータを通り抜ける。そうすると、磁気抵抗の違いによってロータを所定の向き(延出部が基部から延びる向き)に回転させるトルクが発生し続ける。
したがって、本発明によれば、励磁コイルには単相の電圧を印加してロータの回転角に応じた正・負の電流を流せばよく、前記した電圧を制御するための制御回路を単純化できる。また、ブラシレス直流モータ自体の構成も単純であるため、低コストで製造できる。
また、励磁コイルに所定の電流を流している限り、ロータを所定の向きに回転させるトルクが発生し続ける。換言すると、ロータを前記所定の向きとは逆向きに回転させるトルクが発生しないため、ブラシレス直流モータを高効率で駆動させることができる。
また、前記直流ブラシレスモータにおいて、前記延出部が、前記基部の両端から前記所定の向きに延びる長さは、周方向で隣り合う前記磁石間の距離よりも長いことが好ましい。
このような構成によれば、延出部の長さは、周方向で隣り合う磁石間の距離よりも長いため、ロータを回転させると、延出部の根元が一対の磁石の一部と径方向で重なり合い、延出部の先端が他の磁石の一部と径方向で重なり合った状態になる。したがって、前記した一対の磁石と他の磁石との磁気的な接続が促され、ロータを回転させるトルクが発生し易くなる。その結果、ブラシレス直流モータを高効率で駆動させることができる。
また、前記直流ブラシレスモータにおいて、前記ステータは、前記励磁コイルが巻回されるコイル巻回部と一体形成され、前記ロータを収容する収容部を備え、前記収容部は、二対の前記磁石それぞれの一方が固定され、第1接続部を介して前記コイル巻回部の一端に接続される第1収容部と、二対の前記磁石それぞれの他方が固定され、第2接続部を介して前記コイル巻回部の他端に接続される第2収容部と、を有し、前記第1収容部の端部と、前記第2収容部の端部と、が互いに離間していることを特徴とする。
このような構成によれば、第1収容部の端部と、第2収容部の端部と、が互いに離間しているため、当該箇所がロータを介して磁気的に接続されない限り、第1収容部に固定される磁石と、第2収容部に固定される磁石と、の間で磁気回路が形成されない。
この状態において、第1収容部に固定される磁石間、及び第2収容部に固定される磁石間で閉じた磁気回路が形成され、励磁コイルに電流が流れない限りロータのトルクが小さく比較的安定した状態になる。したがって、励磁コイルに流す電流を適宜制御することで、ロータを所定角度で保持し易くなり、ブラシレス直流モータをステッピング駆動させることができる。
本発明によれば、低コストかつ高効率運転が可能なブラシレス直流モータを提供できる。
本発明の一実施形態に係るブラシレス直流モータの構成を示す断面図である。 ブラシレス直流モータを駆動させるモータ駆動装置の構成図である。 各磁石による磁束と、励磁コイルを流れる電流によって生じる磁束と、の合成磁束によってトルクが発生する様子を示す説明図(断面図)であり、(a)は回転角0°かつコイル電流が流れていないで状態であり、(b)は回転角0°でコイル電流が流れている状態であり、(c)はコイル電流が流れて60°回転した状態であり、(d)は回転角60°かつコイル電流が流れていないで状態であり、(e)は(d)の状態からさらに30°回転した状態であり、(f)は回転角90°でコイル電流が流れている状態である。 (a)は励磁コイルに印加する電圧の時間的変化を示す波形図であり、(b)は励磁コイルに流れる電流の時間的変化を示す波形図であり、(c)はロータを回転させるトルクの時間的変化を示す波形図である。 ブラシレス直流モータが備えるロータに作用するトルクの時間的変化を示す波形図である。 (a)は比較例に係る隈取モータの構成図であり、(b)は比較例に係る隈取モータが備えるロータに作用するトルクの時間的変化を示す波形図である。
本発明を実施するための形態(以下、実施形態と記す)について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、向きを説明する場合、図1に示す上下左右に基づいて説明する。
≪実施形態≫
<ブラシレス直流モータの構成>
図1は、本実施形態に係るブラシレス直流モータの構成を示す断面図である。
ブラシレス直流モータ1は、励磁コイル20に流れる電流に応じた磁束と、ステータ10の内面に固定される4つの磁石41a,41b,42a,42bの磁束と、の合成磁束によってトルクを発生させ、ロータ30を左回りに回転駆動させる機能を有している。
ブラシレス直流モータ1は、ロータ30がステータ10に収容されたインナロータ型構造を呈し、ステータ10の内部(回転軸Kを基準として径方向内側)にロータ30が回転自在に軸支されている。なお、回転軸Kには、負荷(図示せず)が連結される。
図1に示すように、ブラシレス直流モータ1は、励磁コイル20が巻回されたステータ10と、ステータ10に収容され、左回りに回転可能なロータ30と、周方向において略等間隔でステータ10の内面に固定される磁石41a,41b,42a,42bと、を備えている。
(ステータ)
ステータ10は、径方向内側にロータ30を収容する磁性体(例えば、ケイ素鋼板)であり、コイル巻回部11と、第1収容部12と、第2収容部13と、第1接続部14と、第2接続部15と、を有している。
コイル巻回部11は、左右方向に延びる棒状部材であり、励磁コイル20が巻回されている。
第1収容部12は、断面視でC字状を呈し、回転軸Kと平行に(つまり、紙面手前側・奥側に)延びている。第1収容部12は、第1接続部14を介してコイル巻回部11の左端に接続されている。
第2収容部13は、断面視で逆C字状を呈し、回転軸Kと平行に延びている。第2収容部13は、第2接続部15を介してコイル巻回部11の右端に接続されている。
つまり、各接続部14,15を介してコイル巻回部11と一体成形された第1収容部12及び第2収容部13は、ロータ30を左右から挟み込むように、回転軸Kを中心とする円柱状の収容空間を形成している。
なお、第1収容部12は、上下両端に向かうにつれて肉薄に形成されている。これによって、第1収容部12の上端付近・下端付近を通る磁束の量を制限できる(第2収容部13についても同様)。
また、第1収容部12の上端と、第2収容部13の上端と、は左右方向において所定距離L4だけ離間している。同様に、第1収容部12の下端と、第2収容部13の下端と、は左右方向において所定距離L4だけ離間している。これによって、励磁コイル20の電流に伴う磁束が必ずロータ30を通り抜けるようにしている(図3(b)の白抜き矢印を参照)。換言すると、励磁コイル20の電流に伴って生じる磁束が、ステータ10内のみで閉じないようにしている。なお、前記した磁束の詳細については後記する。
(ロータ)
ロータ30は、ブラシレス直流モータ1内での磁束分布に応じたトルクによって左回りに回転可能な回転子であり、第1収容部12と第2収容部13との間の円柱状の収容空間に収容されている
。ロータ30は、基部31と、延出部32,33と、が一体成形された磁性体(例えば、鉄心)である。
基部31は、2対の磁石(41a,41b)、(42a,42b)が第1収容部12及び第2収容部13に固定された状態で、両端がその回転角(機械角)に応じて各磁石と近接可能な長さで径方向に延びている。また、基部31の両端面は、第1収容部12及び第2収容部13の内面に対応した形状(断面視で円弧状)になっている。
なお、軽量化を図るため、基部31には、複数個(回転軸K付近に4個、端部付近にそれぞれ2個)の孔hが空けられている。
延出部32,33は、基部31の両端から、ロータ30が回転する向き(つまり、左回り)に延びている。延出部32,33は、その外側面が基部31の一端と面一となるように、断面視で円弧状に形成されている。
なお、延出部32,33の肉厚は、先端に向かうにつれて薄くなっている。延出部32,33の形状及び肉厚は、自身を通り抜ける磁束が最大になった状態で延出部32,33内が磁気飽和状態になるように設定されている。これによって、必要以上の磁束が延出部32,33内を通ることを防止できる。
延出部32,33が延びる長さL3は、周方向で隣り合う磁石(例えば、磁石41a,42a)間の距離L4よりも長くなっている。ロータ30を回転させると、延出部32,33の根元が一対の磁石(41a,41b)と径方向で重なり合い(図3(b)参照)、延出部32,33の先端が他の磁石(42a,42b)と径方向で重なり合う状態ができる。したがって、一対の磁石(41a,41b)と他の磁石(42a,42b)との磁気的な接続を促し、ロータ30を回転させるトルクが発生し易くなる。
(磁石)
磁石41a,42aは、断面視で円弧状をなす永久磁石であり、第1収容部12の内面に固定されている。磁石41aは、N極が第1収容部12の内面に密着し、S極がロータ30に対向している。一方、磁石42aは、S極が第1収容部12の内面に密着し、N極がロータ30に対向している。
なお、図1に示すように、磁石41aの上端は第1収容部12の上端に略一致し、磁石42aの下端は第1収容部12の下端に略一致している。また、磁石41aの下端と、磁石42aの上端と、は周方向において所定距離L4だけ離間している。
磁石41b,42bは、断面視で円弧状をなす永久磁石であり、第2収容部13の内面に固定されている。磁石41b,42bは、回転軸Kを通りコイル巻回部11に垂直な線を基準として、磁石41a,42aと線対称になるように配置されている。
<モータ駆動装置の構成>
図2は、ブラシレス直流モータを駆動させるモータ駆動装置の構成図である。なお、図2では、ブラシレス直流モータ1のロータ30のみを模式的に示し、ステータ10及び各磁石については図示を省略した。
モータ駆動装置100は、直流電源101に並列接続されるコンデンサ102と、コンデンサ102の出力側に接続されるスイッチング素子S1〜S4と、抵抗R及び励磁コイル20と、位置センサHと、制御装置103と、を備えている。
それぞれのスイッチング素子S1〜S4(例えば、FET)には、転流による破壊を防止するための還流ダイオードD1〜D4が逆並列に接続されている。また、第1レグを構成するスイッチング素子S1,S2の接続点と、第2レグを構成するスイッチング素子S3,S4の接続点と、が配線aを介して接続されている。また、前記した配線aにおいて、抵抗R及び励磁コイル20が直列接続されている。
図2に示す励磁コイル20は、図1で説明したように、ブラシレス直流モータ1のステータ10に巻回されている。
位置センサHは、例えばホール素子であり、時々刻々と変化するロータ30の回転角を検出し、制御装置103に出力する機能を有している。
制御装置103は、外部から入力される指令信号(駆動指令、停止指令、速度変更指令)、位置センサHから入力される検出信号などに応じて、予め設定されたプログラムに従ってスイッチング素子S1〜S4のオン/オフを制御する。
例えば、制御装置103によってスイッチング素子S1,S4がオン、スイッチング素子S2,S3がオフに切り替えられると、励磁コイル20に正の電圧が印加される(図4(a)参照)。一方、制御装置103によってスイッチング素子S1,S4がオフに、スイッチング素子S2,S3がオンに切り替えられると、励磁コイル20に負の電圧が印加される。
なお、スイッチング素子S1〜S4のオン/オフを切り替える際、回路の短絡を防止するため、第1レグのスイッチング素子S1,S2、又は、第2レグのスイッチング素子S3,S4を両方オフにする期間が設けられる(図4(a)のコイル印加電圧:ゼロの期間)。制御装置103は、このように正負の矩形波電圧を励磁コイル20に印加することによって励磁コイル20に電流を流し、これに伴って生じるトルクでロータ30を回転駆動させる。
なお、制御装置103が、搬送波(例えば、正弦波)と基本波(例えば、三角波)との比較結果に応じたPWM(Pulse Width Modulation)制御を行うことで、励磁コイル20に所定の矩形波電圧を印加するようにしてもよい。
<作用>
図3は、各磁石による磁束と、励磁コイル20を流れる電流によって生じる磁束と、の合成磁束によってトルクが発生する様子を示す説明図(断面図)である。
図3(a)を初期状態とし、ロータ30の回転角(機械角)を0°とする。この場合において励磁コイル20に電流は流れていない(図4(b):時刻t0)。
この状態において、ロータ30の基部31の一端が磁石41aのS極に近接し、他端が磁石41bのN極に近接している。また、延出部32の先端が径方向で磁石42aと重なり、延出部33の先端が径方向で磁石42bと重なっている。
図3(a)に示すように、磁石41aは、周方向で隣り合う磁石42aと延出部32を介して磁気的に接続され、黒矢印で示す磁気回路が形成される。その結果、磁石41a,42a間で延出部32を介して磁束が強め合う。同様に、磁石41b,42b間で延出部33を介して磁束が強め合う。
つまり、延出部32,33は、周方向で隣り合う磁石(41a,42a)、(41b,42b)を磁気的に接続し、磁束の流入を誘導する機能を果たしている。その結果、ロータ30を左回りに回すトルクと、右回りに回すトルクと、がつり合う安定状態(安定点)ができる。
次に、制御装置103(図2参照)が、励磁コイル20に印加する電圧を(+V1)→(−V1)に切り替えると(図4(a):時刻t0の直後)、当該電圧の変化を打ち消すように、励磁コイル20に電流が流れる(図4(b)参照)。つまり、図3(b)に示す向きで励磁コイル20に電流が流れることによって、ステータ10及びロータ30内に白抜き矢印で示す磁束が生じる。
具体的には、磁石42bのN極から出た磁束が、ステータ10の第2接続部15、コイル巻回部11、第1接続部14、及び第1収容部12を順次通って磁石42aのS極に入り、磁石42aのN極から出が磁束が、ロータ30の延出部32、基部31、及び延出部33を順次通って磁石42bのS極に入る磁気回路が形成される。
この状態において延出部32,33は、励磁コイル20によって発生する磁束が基部31を通り抜けるようにするための経路をつくる機能を果たしている。
図3(b)に示すように、磁石41aのN極から出て磁石42aのS極に入る磁束(黒矢印)と、励磁コイル20に流れる電流で生じる磁束(磁石42aのS極に入る:白抜き矢印)と、が磁石42a付近で合流する。したがって、磁気抵抗が小さい磁石42a付近では磁束分布が密になり、磁気抵抗が大きい磁石41a付近では磁束分布は疎になる。
同様に、磁気抵抗が小さい磁石42b付近では磁束分布が密になり、磁気抵抗が小さい磁石41b付近では磁束分布が疎になる。
このような磁気抵抗の違いによって、延出部32を磁石42aに向けて移動させ、延出部33を磁石42bに向けて移動させるトルクが生じ(図4(c)の時刻t0直後)、ロータ30が左回りに回転する。
ロータ30が左回りに約60°回転して図3(c)の状態になると、基部31の一端と磁石41aとが離間するとともに、周方向において延出部32の先端が磁石41bに達する。この状態において磁石41bと磁石42bとが、延出部32及び基部31を介して磁気的に接続され、黒矢印で示す磁束が生じる。また、第1収容部12側でも2つの磁石41a,42aによって黒矢印で示す磁束が生じる。
つまり、延出部32,33は、周方向で隣り合う磁石(41a,42a)、(41b,42b)を磁気的に接続する機能を果たしている。
一方、励磁コイル20には電流が流れ続けている(図4(b):時刻t1)。これによって、磁石42bのN極から出た磁束が、第2接続部15、コイル巻回部11、第1接続部14、及び第1収容部12を順次通って磁石42aのS極に入り、磁石42aのN極から出た磁束が基部31を介して磁石42bのS極に入る磁気回路が形成される。
図3(c)に示す状態でも、磁気抵抗が小さい磁石42a,42b付近では磁束分布が密になり、磁気抵抗が大きい磁石41a,41b付近では磁束分布が疎になる。したがって、ロータ30を左回りに回転させるトルクが維持される(図4(c)の時刻t1)。
また、第1収容部12及び延出部32が下端に向かうにつれて肉薄になっている。したがって、図3(c)に示す状態において、前記した下端付近では略磁束飽和状態になる。これによって、必要以上に磁束が生じることを防止し、所定のトルクを発生させることができる。
次に、励磁コイル20に流れる電流がゼロになり(図4(b)参照)、図3(d)に示すように誘起磁束がなくなった状態でも、前記した磁気抵抗の差によってトルクが働きつづける(図4(c)参照)。換言すると、磁束分布を図3(e)に示す安定状態にしようとするマクスウェル応力がトルクとして作用し、ロータ30を左回りに回転させ続ける。
ロータ30が左回りに90°(図3(d)に示す状態から左回りに30°)回転すると、図3(e)に示すように、基部31の一端が磁石42aのN極に近接し、他端が磁石42bのS極に近接する。また、励磁コイル20には電流が流れておらず(図4(b):時刻t2)、それぞれの磁石付近の磁気抵抗は略均一になる(2つの黒矢印を参照)。
当該安定状態ではトルクが比較的小さくなるが、(図4(c):時刻t2)、この場合にでも正(左回り)のトルクが維持される。延出部32は磁石41aに向けて吸引され、延出部33が磁石41bに向けて吸引されるからである。
次に、制御装置103によって励磁コイル20に電圧が印加され、図3(f)に示す向きにコイル電流が流れると(図4(b)の時刻t2直後)、ステータ10及びロータ30内に白抜き矢印で示す磁束が生じる。
具体的には、磁石41aのN極から出た磁束が、第1接続部14、コイル巻回部11、第2接続部15、及び第2収容部13を介して磁石41bのS極に入り、磁石41bのN極から出た磁束が、延出部32、基部31、及び延出部33に入る磁気回路が形成される。
この状態において延出部32,33は、励磁コイル20によって発生する磁束が基部31を通り抜けるようにするための経路をつくる機能を果たしている。
図3(f)に示すように、磁石42bのN極から出て磁石41bのS極に入る磁束(黒矢印)と、励磁コイル20の電流に伴って生じる磁束(磁石41bのS極に入る:白抜き矢印)と、が磁石41b付近で合流する。したがって、磁気抵抗が小さい磁石41b付近では磁束分布が密になり、磁気抵抗が大きい磁石42b付近では磁束分布は疎になる。
同様に、磁気抵抗が小さい磁石41a付近では磁束分布が密になり、磁気抵抗が小さい磁石41b付近では磁束分布が疎になる。
このような磁気抵抗の違いによって、延出部32を磁石41bに向けて移動させ、延出部33を磁石41aに向けて移動させるトルクが生じ(図4(c)の時刻t2直後)、ロータ30が左回りに回転し続ける。
このように、ブラシレス直流モータ1は、励磁コイル20に印加する電圧を打ち消すように流れる電流で磁束を発生させ、それぞれの磁石41a,41b,42a,42bが作る磁束との合成磁束によってトルクを発生させ、ロータ30を左回りに回転させる。
なお、ロータ30の回転角が90°よりも大きい場合については説明を省略する。
また、ロータ30の回転角が0°(図3(a)参照)、90°(図3(e)参照)、180°、及び270°である場合、励磁コイル20に電流が流れていない状態においてロータ30のトルク(左回り・右回り)がつり合っている。したがって、90°毎の回転角でロータ30の位置を保持可能であり、ブラシレス直流モータ1をステッピング駆動させることができる。
<効果>
本実施形態に係るブラシレスモータは、ロータ30が回転する向き(左回り)に延びる延出部32,33をロータ30の両端に設けている。これによって、励磁コイル20に流れる電流で生じる磁束を延出部32,33を介して基部31に流し、例えば、図3(b),(c),(e)に示す磁気回路を形成できる。
また、延出部32,33が延びる長さL3は、周方向で隣り合う磁石間の距離L4よりも長くなっている。したがって、周方向で隣り合う磁石を延出部32,33が跨ぐことで、磁石間の磁気的接続を促し、ブラシレス直流モータ1を高効率で駆動させることができる。
また、第1収容部12及び第2収容部13の内周面に設置された4つの磁石によって、図3(a)、(e)で示すように、ロータ30が90°回転する毎に磁気的に安定した状態ができる。したがって、ロータ30の回転角0°、90°、180°、及び270°の安定点で保持することが可能であり(図4(c)参照)、ブラシレス直流モータ1をステッピング駆動することができる。
また、本実施形態では、励磁コイル20に単相電圧を印加して正弦波状の電流を流す構成となっている。したがって、4個のスイッチング素子を用意すればよく、三相電圧を印加する(6個のスイッチング素子が必要。)場合と比較して、スイッチング素子の個数を少なくし、制御回路を単純化できる。また、1つの励磁コイル20に単相電圧を印加すればよいため、複数(例えば、3個)の励磁コイルを備える場合と比較して、ブラシレス直流モータ1の駆動装置の製造コストを大幅に低減できる。
また、本実施形態では、ロータ30の回転角0°、90°、180°、及び270°の状態を含めて、常に正のトルク(左回りのトルク)を発生させることができる(図4(c)参照)。つまり、励磁コイル20に流れる電流が全てロータ30のトルクに寄与するため、無駄な電流供給期間を設ける必要がなく、ブラシレス直流モータ1を高効率で駆動させることができる。
また、負トルクの発生に伴う脈動が生じないため、容易かつ安定的にブラシレス直流モータ1を制御できるとともに、ブラシレス直流モータ1の振動や騒音を抑制できる。
<比較例>
図6(a)は、比較例に係る隅取モータの構成図(断面模式図)である。図6(a)に示す隈取モータ1Aは、ステータ10Aに巻回された励磁コイル20Aの電流の変化に伴ってステータ10A内の磁束(白抜き矢印を参照)を変化させ、当該磁束の変化を打ち消すように隈取コイル50Aに誘起電流(黒矢印を参照)を流す。
比較例に係る隈取モータ1Aの場合、一周期のうち隈取コイル50Aに誘起電流が流れない時間帯が生じる。当該時間帯では、励磁コイル20Aに流れる電流に起因するトルクによって、ロータ30Aを逆回転させる負トルクが発生する(図6(b)参照)。したがって、隈取モータ1Aは、本実施形態に係るブラシレス直流モータ1と比較して運転効率が非常に低くなる。
また、比較例では、ロータ30Aが断面視で概ね円形であるとともに、磁石を備えない構成であるため、ロータ30Aを所定の回転角で保持したり、ステッピング駆動したりすることができない。
さらに、トルク脈動を抑制するために高周波電圧を印加するために隈取モータ1Aの駆動回路が大型化したり、所望の実トルクを得るために昇圧回路(図示せず)が必要になるため、隈取モータ1Aの駆動回路が高コストになってしまう。
これに対して本実施形態に係るブラシレス直流モータ1では、図5に示すように、ロータ30にかかるトルクが常に正であるため(つまり、左回りのトルクが継続的に発生するため)、比較例よりも高効率で駆動させることができる。また、ブラシレス直流モータ1は、回転角90°毎に角度保持することが可能であるとともに、ステッピング駆動させることが可能である。
また、ブラシレス直流モータ1は、比較例のように高周波で駆動する必要がないため、駆動回路を小型化できる。さらに、ブラシレス直流モータ1では、ロータ30を回転させるトルクが常に正であるため、十分な実トルクが得られる。ししたがって、昇圧回路を設ける必要もなく、比較例よりも製造コストを大幅に低減できる。
≪変形例≫
以上、本発明に係るブラシレス直流モータ1について前記実施形態により説明したが、本発明の実施形態はこれらの記載に限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。
例えば、前記実施形態では、延出部32,33が回転軸Kを中心として基部31から左回りに延びるように形成する場合について説明したが、これに限らない。すなわち、延出部が基部31から右回りに延びるようにしてもよい。この場合において磁石の極性、及び、コイルを巻回する向きを、前記実施形態とは逆にすることで、ロータ30を右回りに回転させることができる。
また、前記実施形態では、第1収容部12と第2収容部13とが左右方向で離間している場合について説明したが、これに限らない。すなわち、第1収容部12及び第2収容部13によって断面視で環状の収容部を形成してもよい。この場合でも、前記実施形態と同様に、ロータ30の回転角に応じた磁気回路が、延出部32,33及び基部31を介して形成される。
また、前記実施形態では、径方向に延びる基部31と、この基部31の両端から延びるロータ30と、が一組である場合について説明したが、これに限らない。例えば、周方向において角度90°をなすように2つの基部を一体形成し、各基部の両端からロータ30が回転する向き(左回り)に延びる4つの延出部を形成してもよい。この場合において、中心軸を基準として対向する磁石を4対(つまり、8個)設け、それぞれの磁石を離間させる。
また、前記実施形態では、基部31の先端から延出部32,33が延びる長さL3が、周方向で隣り合う磁石間の距離L4よりも長い場合について説明したが、これに限らない。すなわち、延出部32,33の長さを、周方向で隣り合う磁極間の距離L4と同一又は距離L4よりも若干短くしてもよい。
この場合でも、延出部32,33の先端に近接する磁極との間で磁束が通りやすくなるため、前記実施形態と同様の作用・効果を奏することができる。
また、前記実施形態では、周方向において互いに隣り合う磁石(例えば、磁石41a,42a)間の距離が全てL4である場合について説明したが、これに限らない。すなわち、磁石間の距離が異なっていてもよい。
また、前記実施形態では、ステータ10の内面に複数(4個)の磁石を設置する場合について説明したが、これに限らない。すなわち、磁石を省略して励磁コイル20に流れる電流によって回転磁界をつくるようにしてもよい。
1 ブラシレス直流モータ
10 ステータ
11 コイル巻回部
12 第1収容部(収容部)
13 第2収容部(収容部)
14 第1接続部
15 第2接続部
20 励磁コイル
30 ロータ
31 基部
32,33 延出部
41a,41b,42a,42b 磁石
K 回転軸

Claims (3)

  1. 励磁コイルが巻回されるステータと、
    前記ステータに収容され、所定の向きに回転可能なロータと、
    前記ロータの回転軸を中心として異極が対向するように、周方向において所定間隔で前記ステータの内面に固定される複数対の磁石と、を備え、
    前記ロータは、
    自身の回転に応じて前記複数対の磁石に近接可能に配置され、径方向に延びる基部と、
    前記基部の両端から前記所定の向きに延びる延出部と、を有し、
    それぞれの前記磁石は、
    周方向で隣り合う他の磁石と前記延出部を介して磁気的に接続された状態で、自身が発生源となる磁束が、前記他の磁石が発生源となる磁束と強め合うように配置されること
    を特徴とするブラシレス直流モータ。
  2. 前記延出部が、前記基部の両端から前記所定の向きに延びる長さは、周方向で隣り合う前記磁石間の距離よりも長いこと
    を特徴とする請求項1に記載のブラシレス直流モータ。
  3. 前記ステータは、
    前記励磁コイルが巻回されるコイル巻回部と一体形成され、前記ロータを収容する収容部を備え、
    前記収容部は、
    二対の前記磁石それぞれの一方が固定され、第1接続部を介して前記コイル巻回部の一端に接続される第1収容部と、
    二対の前記磁石それぞれの他方が固定され、第2接続部を介して前記コイル巻回部の他端に接続される第2収容部と、を有し、
    前記第1収容部の端部と、前記第2収容部の端部と、が互いに離間していること
    を特徴とする請求項1又は請求項2に記載のブラシレス直流モータ。
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Citations (3)

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JPS61191248A (ja) * 1985-02-18 1986-08-25 Yaskawa Electric Mfg Co Ltd 歯ピツチの大きい集中巻誘導子機
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JP2002199679A (ja) * 2000-12-28 2002-07-12 Denso Corp 磁石装備電機子をもつ誘導子型電気機械

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