JP2014204491A - ブラシレス直流モータ - Google Patents
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Abstract
Description
また、励磁コイルに所定の電流を流している限り、ロータを所定の向きに回転させるトルクが発生し続ける。換言すると、ロータを前記所定の向きとは逆向きに回転させるトルクが発生しないため、ブラシレス直流モータを高効率で駆動させることができる。
この状態において、第1収容部に固定される磁石間、及び第2収容部に固定される磁石間で閉じた磁気回路が形成され、励磁コイルに電流が流れない限りロータのトルクが小さく比較的安定した状態になる。したがって、励磁コイルに流す電流を適宜制御することで、ロータを所定角度で保持し易くなり、ブラシレス直流モータをステッピング駆動させることができる。
<ブラシレス直流モータの構成>
図1は、本実施形態に係るブラシレス直流モータの構成を示す断面図である。
ブラシレス直流モータ1は、励磁コイル20に流れる電流に応じた磁束と、ステータ10の内面に固定される4つの磁石41a,41b,42a,42bの磁束と、の合成磁束によってトルクを発生させ、ロータ30を左回りに回転駆動させる機能を有している。
ブラシレス直流モータ1は、ロータ30がステータ10に収容されたインナロータ型構造を呈し、ステータ10の内部(回転軸Kを基準として径方向内側)にロータ30が回転自在に軸支されている。なお、回転軸Kには、負荷(図示せず)が連結される。
ステータ10は、径方向内側にロータ30を収容する磁性体(例えば、ケイ素鋼板)であり、コイル巻回部11と、第1収容部12と、第2収容部13と、第1接続部14と、第2接続部15と、を有している。
コイル巻回部11は、左右方向に延びる棒状部材であり、励磁コイル20が巻回されている。
第1収容部12は、断面視でC字状を呈し、回転軸Kと平行に(つまり、紙面手前側・奥側に)延びている。第1収容部12は、第1接続部14を介してコイル巻回部11の左端に接続されている。
つまり、各接続部14,15を介してコイル巻回部11と一体成形された第1収容部12及び第2収容部13は、ロータ30を左右から挟み込むように、回転軸Kを中心とする円柱状の収容空間を形成している。
なお、第1収容部12は、上下両端に向かうにつれて肉薄に形成されている。これによって、第1収容部12の上端付近・下端付近を通る磁束の量を制限できる(第2収容部13についても同様)。
ロータ30は、ブラシレス直流モータ1内での磁束分布に応じたトルクによって左回りに回転可能な回転子であり、第1収容部12と第2収容部13との間の円柱状の収容空間に収容されている
。ロータ30は、基部31と、延出部32,33と、が一体成形された磁性体(例えば、鉄心)である。
なお、軽量化を図るため、基部31には、複数個(回転軸K付近に4個、端部付近にそれぞれ2個)の孔hが空けられている。
なお、延出部32,33の肉厚は、先端に向かうにつれて薄くなっている。延出部32,33の形状及び肉厚は、自身を通り抜ける磁束が最大になった状態で延出部32,33内が磁気飽和状態になるように設定されている。これによって、必要以上の磁束が延出部32,33内を通ることを防止できる。
磁石41a,42aは、断面視で円弧状をなす永久磁石であり、第1収容部12の内面に固定されている。磁石41aは、N極が第1収容部12の内面に密着し、S極がロータ30に対向している。一方、磁石42aは、S極が第1収容部12の内面に密着し、N極がロータ30に対向している。
なお、図1に示すように、磁石41aの上端は第1収容部12の上端に略一致し、磁石42aの下端は第1収容部12の下端に略一致している。また、磁石41aの下端と、磁石42aの上端と、は周方向において所定距離L4だけ離間している。
図2は、ブラシレス直流モータを駆動させるモータ駆動装置の構成図である。なお、図2では、ブラシレス直流モータ1のロータ30のみを模式的に示し、ステータ10及び各磁石については図示を省略した。
モータ駆動装置100は、直流電源101に並列接続されるコンデンサ102と、コンデンサ102の出力側に接続されるスイッチング素子S1〜S4と、抵抗R及び励磁コイル20と、位置センサHと、制御装置103と、を備えている。
図2に示す励磁コイル20は、図1で説明したように、ブラシレス直流モータ1のステータ10に巻回されている。
制御装置103は、外部から入力される指令信号(駆動指令、停止指令、速度変更指令)、位置センサHから入力される検出信号などに応じて、予め設定されたプログラムに従ってスイッチング素子S1〜S4のオン/オフを制御する。
なお、制御装置103が、搬送波(例えば、正弦波)と基本波(例えば、三角波)との比較結果に応じたPWM(Pulse Width Modulation)制御を行うことで、励磁コイル20に所定の矩形波電圧を印加するようにしてもよい。
図3は、各磁石による磁束と、励磁コイル20を流れる電流によって生じる磁束と、の合成磁束によってトルクが発生する様子を示す説明図(断面図)である。
図3(a)を初期状態とし、ロータ30の回転角(機械角)を0°とする。この場合において励磁コイル20に電流は流れていない(図4(b):時刻t0)。
図3(a)に示すように、磁石41aは、周方向で隣り合う磁石42aと延出部32を介して磁気的に接続され、黒矢印で示す磁気回路が形成される。その結果、磁石41a,42a間で延出部32を介して磁束が強め合う。同様に、磁石41b,42b間で延出部33を介して磁束が強め合う。
この状態において延出部32,33は、励磁コイル20によって発生する磁束が基部31を通り抜けるようにするための経路をつくる機能を果たしている。
同様に、磁気抵抗が小さい磁石42b付近では磁束分布が密になり、磁気抵抗が小さい磁石41b付近では磁束分布が疎になる。
つまり、延出部32,33は、周方向で隣り合う磁石(41a,42a)、(41b,42b)を磁気的に接続する機能を果たしている。
また、第1収容部12及び延出部32が下端に向かうにつれて肉薄になっている。したがって、図3(c)に示す状態において、前記した下端付近では略磁束飽和状態になる。これによって、必要以上に磁束が生じることを防止し、所定のトルクを発生させることができる。
当該安定状態ではトルクが比較的小さくなるが、(図4(c):時刻t2)、この場合にでも正(左回り)のトルクが維持される。延出部32は磁石41aに向けて吸引され、延出部33が磁石41bに向けて吸引されるからである。
具体的には、磁石41aのN極から出た磁束が、第1接続部14、コイル巻回部11、第2接続部15、及び第2収容部13を介して磁石41bのS極に入り、磁石41bのN極から出た磁束が、延出部32、基部31、及び延出部33に入る磁気回路が形成される。
この状態において延出部32,33は、励磁コイル20によって発生する磁束が基部31を通り抜けるようにするための経路をつくる機能を果たしている。
同様に、磁気抵抗が小さい磁石41a付近では磁束分布が密になり、磁気抵抗が小さい磁石41b付近では磁束分布が疎になる。
なお、ロータ30の回転角が90°よりも大きい場合については説明を省略する。
本実施形態に係るブラシレスモータは、ロータ30が回転する向き(左回り)に延びる延出部32,33をロータ30の両端に設けている。これによって、励磁コイル20に流れる電流で生じる磁束を延出部32,33を介して基部31に流し、例えば、図3(b),(c),(e)に示す磁気回路を形成できる。
また、延出部32,33が延びる長さL3は、周方向で隣り合う磁石間の距離L4よりも長くなっている。したがって、周方向で隣り合う磁石を延出部32,33が跨ぐことで、磁石間の磁気的接続を促し、ブラシレス直流モータ1を高効率で駆動させることができる。
また、負トルクの発生に伴う脈動が生じないため、容易かつ安定的にブラシレス直流モータ1を制御できるとともに、ブラシレス直流モータ1の振動や騒音を抑制できる。
図6(a)は、比較例に係る隅取モータの構成図(断面模式図)である。図6(a)に示す隈取モータ1Aは、ステータ10Aに巻回された励磁コイル20Aの電流の変化に伴ってステータ10A内の磁束(白抜き矢印を参照)を変化させ、当該磁束の変化を打ち消すように隈取コイル50Aに誘起電流(黒矢印を参照)を流す。
比較例に係る隈取モータ1Aの場合、一周期のうち隈取コイル50Aに誘起電流が流れない時間帯が生じる。当該時間帯では、励磁コイル20Aに流れる電流に起因するトルクによって、ロータ30Aを逆回転させる負トルクが発生する(図6(b)参照)。したがって、隈取モータ1Aは、本実施形態に係るブラシレス直流モータ1と比較して運転効率が非常に低くなる。
さらに、トルク脈動を抑制するために高周波電圧を印加するために隈取モータ1Aの駆動回路が大型化したり、所望の実トルクを得るために昇圧回路(図示せず)が必要になるため、隈取モータ1Aの駆動回路が高コストになってしまう。
以上、本発明に係るブラシレス直流モータ1について前記実施形態により説明したが、本発明の実施形態はこれらの記載に限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。
例えば、前記実施形態では、延出部32,33が回転軸Kを中心として基部31から左回りに延びるように形成する場合について説明したが、これに限らない。すなわち、延出部が基部31から右回りに延びるようにしてもよい。この場合において磁石の極性、及び、コイルを巻回する向きを、前記実施形態とは逆にすることで、ロータ30を右回りに回転させることができる。
この場合でも、延出部32,33の先端に近接する磁極との間で磁束が通りやすくなるため、前記実施形態と同様の作用・効果を奏することができる。
また、前記実施形態では、ステータ10の内面に複数(4個)の磁石を設置する場合について説明したが、これに限らない。すなわち、磁石を省略して励磁コイル20に流れる電流によって回転磁界をつくるようにしてもよい。
10 ステータ
11 コイル巻回部
12 第1収容部(収容部)
13 第2収容部(収容部)
14 第1接続部
15 第2接続部
20 励磁コイル
30 ロータ
31 基部
32,33 延出部
41a,41b,42a,42b 磁石
K 回転軸
Claims (3)
- 励磁コイルが巻回されるステータと、
前記ステータに収容され、所定の向きに回転可能なロータと、
前記ロータの回転軸を中心として異極が対向するように、周方向において所定間隔で前記ステータの内面に固定される複数対の磁石と、を備え、
前記ロータは、
自身の回転に応じて前記複数対の磁石に近接可能に配置され、径方向に延びる基部と、
前記基部の両端から前記所定の向きに延びる延出部と、を有し、
それぞれの前記磁石は、
周方向で隣り合う他の磁石と前記延出部を介して磁気的に接続された状態で、自身が発生源となる磁束が、前記他の磁石が発生源となる磁束と強め合うように配置されること
を特徴とするブラシレス直流モータ。 - 前記延出部が、前記基部の両端から前記所定の向きに延びる長さは、周方向で隣り合う前記磁石間の距離よりも長いこと
を特徴とする請求項1に記載のブラシレス直流モータ。 - 前記ステータは、
前記励磁コイルが巻回されるコイル巻回部と一体形成され、前記ロータを収容する収容部を備え、
前記収容部は、
二対の前記磁石それぞれの一方が固定され、第1接続部を介して前記コイル巻回部の一端に接続される第1収容部と、
二対の前記磁石それぞれの他方が固定され、第2接続部を介して前記コイル巻回部の他端に接続される第2収容部と、を有し、
前記第1収容部の端部と、前記第2収容部の端部と、が互いに離間していること
を特徴とする請求項1又は請求項2に記載のブラシレス直流モータ。
Priority Applications (1)
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JP2013076791A JP2014204491A (ja) | 2013-04-02 | 2013-04-02 | ブラシレス直流モータ |
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Citations (3)
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JPS61191248A (ja) * | 1985-02-18 | 1986-08-25 | Yaskawa Electric Mfg Co Ltd | 歯ピツチの大きい集中巻誘導子機 |
JPH11506299A (ja) * | 1995-05-30 | 1999-06-02 | トーレク,ビルモス | 自己始動ブラシレス電気モータ |
JP2002199679A (ja) * | 2000-12-28 | 2002-07-12 | Denso Corp | 磁石装備電機子をもつ誘導子型電気機械 |
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2013
- 2013-04-02 JP JP2013076791A patent/JP2014204491A/ja active Pending
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