JP2014203683A - 電気接続構造及び端子 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、耐電食性が向上された、異種金属間の電気接続構造に係る技術を提供する。【解決手段】電気接続構造30は、銅又は銅合金を含む銅部材10と、銅部材10に接続されると共に銅部材10よりもイオン化傾向の大きな金属を含む金属部材11と、銅部材10のうち少なくとも金属部材11に接続された接続部12と異なる部分に形成された耐水層13と、を備え、耐水層13は、銅部材10に親和性を有する親和性基を有すると共に塩基性基を有する塩基性化合物と、塩基性基と反応する酸性基を有すると共に疎水基を有する酸性化合物と、を含む。【選択図】図1

Description

本発明は、異種金属同士の電気接続構造に係る技術に関する。
従来、異種金属同士の電気接続構造として特許文献1に記載のものが知られている。特許文献1には、銅又は銅合金からなる銅端子と、アルミニウム又はアルミニウム合金からなるアルミニウム単芯線とが、冷間圧接により接続された技術が開示されている。上記の構成により、銅端子とアルミニウム単芯線とが冷間圧接されている冷間圧接面においては、銅端子とアルミニウム単芯線とは金属結合により接続されている。この結果、冷間圧接面におけるアルミニウム単芯線の電食が抑制されることが期待された。
国際公開2006/106971号公報
しかしながら上記の構成によると、銅端子とアルミニウム単芯線とが接続した部分の外面において、銅端子とアルミニウム端子の双方に跨って水が付着した場合、この水に、いわゆる腐食電流が流れることが懸念される。この腐食電流について以下に説明する。
まず、アルミニウム単芯線のうち水と接触した部分においては、アルミニウムは、電子をアルミニウム単芯線に放出して、Al3+イオンとして水中に溶出する。このようにしてアルミニウム単芯線で電子が発生する。
一方、水と銅端子とが接触した部分においては、水に溶けている酸素(いわゆる溶存酸素)が銅端子から電子を受け取る。これにより、水が酸性の場合には、溶存酸素とHイオンと電子とが反応することによりH0が発生し、水が中性又はアルカリ性の場合には、溶存酸素とH0と電子とが反応することによりOHイオンが発生する。このようにして銅端子で電子が消費される。
上記のようにアルミニウム単芯線で電子が発生し、銅端子で電子が消費されることにより、アルミニウム単芯線と銅端子との間で水を介して回路が形成され、この回路中を腐食電流が流れる。これにより、水とアルミニウム単芯線とが接触した部分において、アルミニウムが電食により水の中に溶出することが懸念される。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、耐電食性が向上された、異種金属間の電気接続構造に係る技術を提供することを目的とする。
本発明は、電気接続構造であって、銅又は銅合金を含む銅部材と、前記銅部材に接続されると共に前記銅部材よりもイオン化傾向の大きな金属を含む金属部材と、前記銅部材のうち少なくとも前記金属部材に接続された接続部と異なる部分に形成された耐水層と、を備え、前記耐水層は、前記銅部材に親和性を有する親和性基を有すると共に塩基性基を有する塩基性化合物と、前記塩基性基と反応する酸性基を有すると共に疎水基を有する酸性化合物と、を含む。
本発明によれば、耐水層は疎水基を有するので、耐水層に付着した水が銅部材にまで到達することを抑制することができる。これにより、水を介して腐食電流が流れることを抑制できるので、金属部材の耐食性を向上させることができる。
また、耐水層に含まれる親和性基は銅部材に対する親和性を有するので、銅部材の表面に塩基性化合物を確実に結合させることができる。この塩基性化合物の塩基性基は酸性化合物の酸性基と反応するので、塩基性化合物と酸性化合物とは強固に結合される。これにより、酸性化合物に含まれる疎水基は、塩基性化合物を介して銅部材に強固に結合される。このように本発明によれば、銅部材と耐水層とを強固に結合させることができるので、耐水層が銅部材から離脱することを抑制することができる。この結果、金属部材の耐食性を向上させることができる。
本発明の実施態様としては以下の態様が好ましい。前記耐水層は、前記銅部材のうち前記接続部と異なる部分を覆っていることが好ましい。
上記の態様によれば、銅部材の表面に水が付着することを確実に抑制できるので、金属部材の耐食性を確実に向上させることができる。
前記銅部材には、イオン化傾向が前記金属部材よりも前記銅部材に近いメッキ用金属がメッキされたメッキ層が形成されており、前記耐水層は、少なくとも前記銅部材のうち前記メッキ層が形成されていない領域に形成されていることが好ましい。
上記の態様によれば、金属部材とメッキ層とのイオン化傾向の差、及び銅部材とメッキ層とのイオン化傾向の差は、金属部材と銅部材とのイオン化傾向の差よりも小さくなっている。これにより、電食が起こりにくくなるので耐電食性が向上する。
前記親和性基は、含窒素複素環基であることが好ましい。
上記の態様によれば、含窒素複素環基は塩基性を有するので、親和性基が酸性を有する場合に、銅部材又は金属部材が親和性基との反応によって溶出することを抑制することができる。
前記含窒素複素環基は前記塩基性基を兼ねることが好ましい。上記の態様によれば、塩基性化合物が含窒素複素環基の他に塩基性を有する官能基を有する場合に比べて、塩基性化合物の構造を単純なものとすることができる。
前記塩基性化合物は下記一般式(1)で示される化合物であることが好ましい。
Figure 2014203683

[一般式(1)中、Xは水素原子又は有機基を表し、Yは水素原子又は低級アルキル基を表す。]
上記の態様によれば、銅部材の表面に緻密な塩基性化合物の層を形成することができる。これにより、銅部材の表面に水が付着することを確実に抑制することができる。
前記Xは下記一般式(2)で表されるアミノ基であることが好ましい。
Figure 2014203683

[一般式(2)中、Rは炭素数1〜3のアルキル基を表す。]
上記の態様によれば、Xの有するアミノ基と酸性化合物とを反応させることができる。
前記塩基性化合物は式(3)で表されるベンゾトリアゾールであることが好ましい。
Figure 2014203683
上記の態様によれば、塩基性化合物の構造を単純なものとすることができるので、銅部材の表面に緻密な塩基性化合物の層を形成することができる。これにより、銅部材の表面に水が付着することを確実に抑制することができる。
前記酸性基は、カルボキシル基、リン酸基、ホスホン酸基、及びスルホニル基からなる群から選ばれる1又は2以上の基を含むことが好ましい。
上記の態様によれば、塩基性化合物と酸性化合物とを確実に反応させることができる。
前記疎水基は炭素数3以上の有機基であることが好ましい。
上記の態様によれば、水が銅部材の表面に到達することを確実に抑制することができる。
前記金属部材はアルミニウム又はアルミニウム合金を含むことが好ましい。
上記の態様によれば、アルミニウム又はアルミニウム合金は比較的に比重が小さいので、電気接続構造を軽量化できる。
また、本発明は、銅又は銅合金を含む銅部材からなる端子であって、前記端子に接続されると共に前記銅部材よりもイオン化傾向の大きな金属を含む金属部材からなる芯線を備えた電線に接続されるものであって、前記銅部材のうち少なくとも前記金属部材に接続された接続部と異なる部分に形成された耐水層を備え、
前記耐水層は、前記銅部材に親和性を有する親和性基を有すると共に塩基性基を有する塩基性化合物と、前記塩基性基と反応する酸性基を有すると共に疎水基を有する酸性化合物と、を含む。
上記の態様によれば、電線に接続される端子の耐食性を向上させることができる。
本発明によれば、電気接続構造の耐電食性を向上させることができる。
図1は本発明の実施形態1に係る電気接続構造を示す拡大断面図である。 図2は銅部材と金属部材とを重ねた状態を示す斜視図である。 図3は一対の治具で銅部材と金属部材とを挟み付けている状態を示す拡大断面図である。 図4は電気接続構造を示す拡大断面図である。 図5は本発明の実施形態2に係る端子付き電線を示す側面図である。である。 図6は端子付き電線を示す拡大平面図である。である。 図7は塩水噴霧試験の前後における芯線とワイヤーバレル部との間の電気抵抗値を示すグラフである。 図8は塩水噴霧試験の前後における端子付き電線の引張試験の結果を示すグラフである。 図9は本発明の実施形態3に係る電気接続構造を示す平面図である。
<実施形態1>
本発明に係る実施形態1を、図1ないし図5を参照しつつ説明する。本実施形態は、銅部材10と、銅よりもイオン化傾向の大きな金属を含む金属部材11と、の電気接続構造30である。
(金属部材11)
図1に示すように、金属部材11は、銅よりもイオン化傾向の大きな金属を含む。金属部材11に含まれる金属としては、マグネシウム、アルミニウム、マンガン、亜鉛、クロム、鉄、カドミウム、コバルト、ニッケル、スズ、鉛等、又はこれらの合金を例示することができる。本実施形態においては、金属部材11はアルミニウム又はアルミニウム合金を含む板材を所定の形状にプレス加工してなる。
(銅部材10)
銅部材10は、銅又は銅合金を含む。本実施形態においては、銅部材10は銅又は銅合金を含む板材を所定の形状にプレス加工してなる。
(接続構造)
金属部材11と銅部材10との接続方法としては、抵抗溶接、超音波溶接、ロウ接(ロウ付け、及びはんだ付けを含む)、冷間圧接、圧接、ボルト締め等、必要に応じて任意の接続方法を適宜に選択できる。本実施形態においては、金属部材11と銅部材10とは、一対の治具14に挟み付けられることにより圧接されている。金属部材11と銅部材10とが圧接により接続された接続部12において、金属部材11と銅部材10とは電気的に接続されている。
(耐水層13)
銅部材10のうち接続部12と異なる部分には、耐水層13が形成されている。耐水層13は、銅部材10の表面のうち、金属部材11と接触している接続部12と異なる部分に形成されている。銅部材10の表面とは、銅部材10の上面、下面、及び側面等、外部に露出する全ての表面をいう。本実施形態に係る耐水層13は、少なくとも銅部材10に形成されている。
耐水層13は、銅部材10に親和性を有する親和性基を有すると共に塩基性基を有する塩基性化合物と、塩基性基と反応する酸性基を有すると共に疎水基を有する酸性化合物と、を含む。
塩基性化合物に含まれる親和性基は、銅部材10の表面に対して親和性を有する。親和性を有するとは、親和性基に含まれる電子が、銅部材10の表面に、配位結合、イオン結合等により結合する場合を含むと共に、親和性基に含まれる電子と銅部材10の表面との間の何らかの相互作用(例えばクーロン力等)により、親和性基が銅部材10の表面に単なる物理吸着よりも強く吸着する場合を含む。
親和性基は、銅部材10の表面に露出した銅原子に対して親和性を有してもよく、また、銅部材10の表面に形成された銅酸化物に対して親和性を有してもよく、また、銅部材10に含まれる銅以外の金属又は金属化合物に対して親和性を有してもよい。
上記のように、親和性基が銅部材10の表面に結合又は吸着することにより、加熱によって塩基性化合物又は酸性化合物が揮発したり、溶剤により塩基性化合物又は酸性化合物が溶出したりすることを抑制することができる。これにより、耐水層13が銅部材10の表面から離脱することが抑制されるようになっている。この結果、耐水層13が長期間にわたって安定して銅部材10の表面に保持される。
塩基性化合物に含まれる塩基性基は、酸性化合物に含まれる酸性基と反応することにより化学結合する。これにより、塩基性化合物と酸性化合物とが強固に結合する。
酸性化合物に含まれる疎水基により、耐水層は疎水性を備える。疎水基としては、分子構造の少なくとも一部が疎水性を有していればよい。つまり、酸性化合物は、分子構造の一部に親水性を有する親水性基を有していてもよい。この疎水基の疎水性によって、銅部材10の表面へ水が浸入することを抑制することができるようになっている。
親和性基は、例えば下記に示す化合物を用いることにより、塩基性化合物に導入可能である。このような化合物としては、例えば、アミノカルボン酸、ポリアミン、アミノアルコール、複素環式塩基類、オキシム類、シッフ塩基、テトラピロール類などを例示することができる。これらの化合物は、配位結合可能な非共有電子対を複数有している。これらは、単独で用いても良いし、2種以上組み合わせて用いても良い。
各種化合物としては、より具体的には、アミノカルボン酸としては、エチレンジアミン二酢酸、エチレンジアミン二プロピオン酸、エチレンジアミン四酢酸、N−ヒドロキシメチルエチレンジアミン三酢酸、N−ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、ジアミノシクロヘキシル四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、N,N−ビス(2−ヒドロキシベンジル)エチレンジアミン二酢酸、ヘキサメチレンジアミンN,N,N,N−四酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、イミノ二酢酸、ジアミノプロパン四酢酸、ニトリロ三酢酸、ニトリロ三プロピオン酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、ポリ(p−ビニルベンジルイミノ二酢酸)などを例示す
ることができる。
ポリアミンとしては、エチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、トリアミノトリエチルアミン、ポリエチレンイミンなどを例示することができる。アミノアルコールとしては、トリエタノールアミン、N−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、ポリメタリロイルアセトンなどを例示することができる。
複素環式塩基としては、ジピリジル、o−フェナントロリン、オキシン、8−ヒドロキシキノリン、ベンゾトリアゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾールなどを例示することができる。オキシム類としては、ジメチルグリオキシム、サリチルアドキシムなどを例示することができる。シッフ塩基としては、ジメチルグリオキシム、サリチルアドキシム、ジサリチルアルデヒド、1,2−プロピレンジイミンなどを例示することができる。
テトラピロール類としては、フタロシアニン、テトラフェニルポルフィリンなどを例示することができる。
上記化合物には、適宜ヒドロキシル基やアミノ基などを導入することも可能である。上記化合物は、塩として存在可能なものもある。この場合、塩の形態で用いても良い。また、上記化合物またはその塩の水和物や溶媒和物を用いても良い。さらに、上記化合物には、光学活性体のものも含まれているが、任意の立体異性体、立体異性体の混合物、ラセミ体などを用いても良い。
塩基性化合物はベンゾトリアゾール及びベンゾトリアゾール誘導体の双方又は一方を含む構成としてもよい。ベンゾトリアゾール誘導体は、下記一般式(1)
Figure 2014203683


[一般式(1)中、Xは水素原子又は有機基を表し、Yは水素原子又は低級アルキル基を表す。]で表される。
一般式(1)で表されたベンゾトリアゾール誘導体においては、親和性基は含窒素複素環基である。
また、上記のXで表される有機基は、下記一般式(2)
Figure 2014203683

[一般式(2)中、Rは炭素数1〜3のアルキル基を表す。]で表される。
塩基性化合物の塩基性基としては、アミノ基、又は含窒素複素環基を用いることができる。含窒素複素環基を含む塩基性化合物としては、としては、ピロール、ピロリジン、イミダゾール、チアゾール、ピリジン、ピペリジン、ピリミジン、インドール、キノリン、イソキノリン、プリン、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾトリアゾール、ベンゾチアゾール等、又はこれらの誘導体を用いることができる。
酸性化合物の疎水基としては、直鎖若しくは分岐アルキル基、ビニル基、アリル基、シクロアルキル基、アリール基等を含む。これらは、1種のみ有していても良いし、2種以上が組み合わされて有していても良い。この際、直鎖若しくは分岐アルキル基、ビニル基、アリル基、シクロアルキル基、アリール基等にフッ素原子が導入されていれば、より疎水性に優れる。また、疎水基は、アミド結合、エーテル結合、エステル結合を含んでいてもよい。また、疎水基の分子鎖中に二重結合、又は三重結合を含んでいてもよい。
アルキル基としては、直鎖アルキル基、分岐アルキル基、またはシクロアルキル基を例示することができる。
直鎖アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、プロピル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基等が挙げられる。直鎖アルキル基の炭素数は1〜100が好ましく、3〜30がより好ましく、5〜25が更に好ましく、10〜20が特に好ましい。
分岐アルキル基としては、イソプロピル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、tert−ブチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、1,2−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、5−メチルヘキシル基、6−メチルヘプチル基、2−メチルヘキシル基、2−エチルヘキシル基、2−メチルヘプチル基、2−エチルヘプチル基、が挙げられる。分岐アルキル基の炭素数は1〜100が好ましく、3〜30がより好ましく、5〜25が更に好ましく、10〜20が特に好ましい。
シクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、メチルシクロペンチル基、ジメチルシクロペンチル基、シクロペンチルメチル基、シクロペンチルエチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基等が挙げられる。シクロアルキル基の炭素数は3〜100が好ましく、3〜30がより好ましく、5〜25が更に好ましく、10〜20が特に好ましい。
アリール基としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、2−フェニルフェニル基、3−フェニルフェニル基、4−フェニルフェニル基、9−アントリル基、メチルフェニル基、ジメチルフェニル基、トリメチルフェニル基、エチルフェニル基、メチルエチルフェニル基、ジエチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基等が挙げられる。アリール基の炭素数は6〜100が好ましく、7〜30がより好ましく、8〜20が更に好ましく、10〜20が特に好ましい。
また、上記したYは、水素原子又は低級アルキル基が好ましく、メチル基が更に好ましい。
酸性化合物に含まれる酸性基としては、カルボキシル基、リン酸基、ホスホン酸基、及びスルホニル基からなる群から選ばれる1又は2以上の基を用いることができる。
塩基性化合物及び酸性化合物の一方及び双方は、公知の溶剤に溶解された構成としてもよい。溶剤としては、例えば、水、有機溶剤、ワックス又はオイル等を用いることができる。有機溶剤としては、例えば、n−ヘキサン、イソヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶剤、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶剤、アセトンなどのケトン系溶剤、トルエン、キシレンなどの芳香族系溶剤、メタノール、エタノール、プロプルアルコール、イソプロピルアルコールなどのアルコール系溶剤などが挙げられる。また、ワックスとしては、例えば、ポリエチレンワックス、合成パラフィン、天然パラフィン、マイクロワックス、塩素化炭化水素等を示すことができる。また、オイルとしては、例えば、潤滑油、作動油、熱媒オイル、シリコンオイルなどを挙げることができる。
銅部材10に塩基性化合物を塗布する方法としては、銅部材10を塩基性化合物又は塩基性化合物を含む溶剤に浸漬してもよく、銅部材10に塩基性化合物を刷毛で塗布してもよく、塩基性化合物又は塩基性化合物を溶剤に溶解させた溶液を銅部材10にスプレーしてもよい。また、スクイズコーター等による塗布処理、浸漬処理またはスプレー処理の後に、エアナイフ法やロール絞り法により塗布量の調整、外観の均一化、膜厚の均一化を行うことも可能である。塗布する場合、密着性、耐食性を向上させるため、必要に応じて加温または圧縮などの処理を施すことができる。
また、塩基性化合物が塗布された後に銅部材10に酸性化合物を塗布する方法としては、銅部材10に塩基性化合物を塗布する方法と同様の方法を用いることができる。
塩基性化合物を銅部材10に塗布する工程を実行した後に、過剰に塗布された塩基性化合物を公知の溶剤により洗浄する工程を実行してもよい。また、酸性化合物を銅部材10に塗布する工程を実行した後に、過剰に塗布された酸性化合物を公知の溶剤により洗浄する工程を実行してもよい。
塩基性化合物の塩基性基と、酸性化合物の酸性基との化学反応を促進させるために、超音波を照射してもよく、また、公知の撹拌装置により酸性化合物又は酸性化合物溶液を撹拌してもよい。
(製造工程)
続いて、本実施形態の製造工程の一例を示す。なお、製造工程は以下の記載に限定されない。
まず、銅合金を含む板材を所定の形状にプレス加工することにより銅部材10を形成する。次に、アルミニウム合金を含む板材を所定の形状にプレス加工することにより金属部材11を形成する。
続いて、銅部材10を、塩基性化合物を溶剤に溶解させた液体の中に浸漬した後、室温にて風乾する。
次に、銅部材10を、酸性化合物を溶剤に溶解させた液体の中に浸漬する。このとき、超音波の照射、又は公知の撹拌手段により、酸性化合物溶液を撹拌してもよい。また、塩基性基と酸性基との反応を促進するために加熱してもよい。
その後、銅部材10を室温にて風乾することにより、銅部材10の表面に耐水層13を形成する。
続いて、図2に示すように銅部材10と金属部材11とを積層させた後、図3に示すように一対の治具14で挟むことにより、銅部材10と金属部材11とを圧接する。図2において、耐水層13は網掛けで示されている。これにより銅部材10と金属部材11とが電気的に接続される(図4参照)。このとき、銅部材10と金属部材11とが接続される接続部12においては、高い圧力が治具14によって加えられるため、表面処理剤が接続部12から排除される。これにより、銅部材10と金属部材11との間に耐水層13が介在しなくなるので、銅部材10と金属部材11との電気的な接続信頼性が向上する。
(本実施形態の作用、効果)
続いて、本実施形態の作用、効果について説明する。図1に示すように、本実施形態に係る電気接続構造30においては、銅部材10の表面(上面、下面、及び側面を含む外部に露出した全表面)のうち、少なくとも金属部材11に接続された接続部12と異なる部分には耐水層13が形成されている。これにより、銅部材10と金属部材11の双方に跨って水15が付着した場合に、銅部材10に形成された耐水層13により銅部材10と水15とが直接に接触することが抑制される。
また、本実施形態によれば、接続部12には耐水層13は形成されていないので、銅部材10と金属部材11との電気的な接続信頼性が低下することを抑制することができる。
本実施形態によれば、耐水層13に含まれる酸性化合物は疎水基を有するので、銅部材10と金属部材11の双方に跨って水が付着した場合に、耐水層13に付着した水が銅部材10にまで到達することを抑制することができる。これにより、銅部材10と水とが直接に接触することが抑制される。すると、水15に含まれる溶存酸素が銅部材10に供給されることが抑制される。これにより、銅部材10から溶存酸素が電子を受け取って、HO、又はOHイオンが生成することによって電子が消費される反応が抑制される。この結果、銅部材10と金属部材11との間で水15を介した回路が形成されることが抑制されるので、金属部材11、水15、及び銅部材10の間で腐食電流が流れることを抑制できる。本実施形態によれば、金属部材11に耐水層13を形成するのではなく、金属部材11に接続された銅部材10に耐水層13を形成するという構成により、金属部材11の耐食性を向上させることができる。
また、耐水層13に含まれる塩基性化合物は親和性基を有する。この親和性基は銅部材10に対する親和性を有するので、銅部材10の表面に塩基性化合物を確実に結合させることができる。この塩基性化合物の塩基性基は酸性化合物の酸性基と反応するので、塩基性化合物と酸性化合物とは強固に結合される。これにより、酸性化合物に含まれる疎水基は、塩基性化合物を介して銅部材に強固に結合される。このように本実施形態によれば、銅部材10と耐水層13とを強固に結合させることができるので、耐水層13が銅部材10から離脱することを抑制することができる。この結果、金属部材11の耐食性を向上させることができる。
また、本実施形態によれば、耐水層13は、銅部材10のうち接続部12と異なる部分を覆っている。これにより、銅部材10の表面に水が付着することを確実に抑制できるので、金属部材11の耐食性を確実に向上させることができる。また、接続部12において、銅部材10と金属部材11との電気抵抗が増大することを抑制することができる。
<実施形態2>
続いて、本発明の実施形態2について、図5ないし図8を参照しつつ説明する。
本実施形態は、銅又は銅合金を含む端子40(銅部材に相当)と、銅よりもイオン化傾向の大きな金属を含む芯線41(金属部材に相当)を備えた電線42と、を備えた端子付き電線50である。なお、実施形態1と重複する説明については省略する。
(電線42)
電線42は、芯線41の外周を合成樹脂製の絶縁被覆43で包囲してなる。芯線41を構成する金属としては、銅よりもイオン化傾向の大きな金属を用いることが可能であって、例えば、マグネシウム、アルミニウム、マンガン、亜鉛、クロム、鉄、カドミウム、コバルト、ニッケル、スズ、鉛等、又はこれらの合金を例示することができる。本実施形態においては、芯線41はアルミニウム又はアルミニウム合金を含む。本実施形態に係る芯線41は複数の金属細線を撚り合わせてなる撚り線である。芯線41としては、金属棒材からなる、いわゆる単芯線を用いてもよい。アルミニウム又はアルミニウム合金は比較的に比重が小さいので、端子付き電線153を全体として軽量化することができる。
(端子40)
図5に示すように、端子40は、電線42の端末から露出する芯線41に接続されるワイヤーバレル部44と、ワイヤーバレル部44の後方に形成されて絶縁被覆43を保持するインシュレーションバレル部45と、ワイヤーバレル部44の前方に形成されて雄端子のタブ(図示せず)が挿入される本体部46と、を備える。
端子40は、銅又は銅合金からなる金属板材を所定の形状にプレス加工してなる。端子40の表面及び裏面には、イオン化傾向がアルミニウムよりも銅に近いメッキ用金属にメッキ層47が形成されている。メッキ用金属としては、例えば、亜鉛、ニッケル、スズ等を用いることができる。本実施形態では、芯線とワイヤーバレル部との接触抵抗を低減させることができることから、メッキ用金属としてスズが用いられている。
図11に示すように、端子40の端面48においては、銅又は銅合金を含む銅部材が露出している。この端面48には、耐水層49が形成されている。本実施形態においては、少なくともワイヤーバレル部44の端面48には耐水層49が形成されている。また、ワイヤーバレル部44の前方及び後方においては、芯線41がワイヤーバレル部44から露出した状態になっている。
上記の耐水層49は、例えば、電線42に端子40を圧着した後に、少なくとも端子40と、電線42から露出した芯線41とを、塩基性化合物又は塩基性化合物溶液に浸漬した後、酸性化合物又は酸性化合物溶液に浸漬し、これを乾燥させることにより形成することができる。
(本実施形態の作用、効果)
端子40は、銅部材からなる板材を所定形状にプレス加工することにより形成される。そのため、板材がメッキされているか否かにかかわらず、プレス後のワイヤーバレル部44の端面48においては、板材を構成する銅又は銅合金が露出する。ワイヤーバレル部44の端面48において銅又は銅合金が露出した状態であると、ここに水が付着することにより、芯線41に含まれるアルミニウム又はアルミニウム合金とのイオン化傾向の差により、電食が促進され、芯線41からアルミニウムが溶出することが懸念される。
また、芯線41を圧着する時にメッキ層47が剥離して銅部材が露出した場合、露出した銅部材に水が付着することにより、電食により芯線41からアルミニウムが溶出することが懸念される。
この点に鑑み、本実施形態においては、少なくともワイヤーバレル部44の端面48に耐水層49が形成されているので、ワイヤーバレル部44の端面48において銅又は銅合金が露出していない。これにより、芯線41の電食を抑制することができる。
また、端子40の端面48に耐水層49が形成されていることにより、芯線41の電食を一層抑制することができる。
また、本実施形態においては、芯線41を圧着した後に耐水層49を形成する。これにより、芯線41を圧着する時にメッキ層47が剥離しても、露出した銅部材の表面に耐水層49を形成することができる。これにより、芯線41の電食を確実に抑制することができる。
また、本実施形態によれば、銅部材には、イオン化傾向が金属部材よりも銅部材に近いメッキ用金属(本実施形態ではスズ)がメッキされたメッキ層47が形成されており、耐水層49は、少なくとも銅部材のうちメッキ層47が形成されていない領域に形成されている。これにより、芯線41とメッキ層47とのイオン化傾向の差、及び端子40の銅部材とメッキ層47とのイオン化傾向の差は、芯線41と銅部材とのイオン化傾向の差よりも小さくなっている。これにより、芯線41の電食が起こりにくくなるので耐電食性が向上する。
(耐食性試験)
続いて、本発明の電気接続構造に係るモデル実験について説明する。このモデル実験により、銅部材に耐水層49が形成されることで金属部材の耐食性が向上することが認められた。
(試験例1)
銅合金を含む銅部材からなる厚さ0.25mmの金属板材をプレス加工することにより、上記した端子40を形成した。この端子40のワイヤーバレル部44に、アルミニウム合金からなる断面積0.75mmの芯線41を備えた電線42の芯線41を圧着した。これにより端子付き電線50を形成した。
端子付き電線50の、端子40及び芯線41を、塩基性化合物であるベンゾトリアゾール(城北化学工業株式会社製、BT−120)の1質量%水溶液に50℃、5分間超音波により撹拌しながら浸漬した後、室温で風乾した。その後、20℃の水に10秒間浸漬して洗浄し、80℃で3時間乾燥した。
その後、端子40及び芯線41を、酸性化合物であるリン酸化合物(キレスト株式会社製、キレスライトP−18C)に、超音波により撹拌しながら、50℃、5分間浸漬した後、室温で風乾した。
上記のように作成した端子付き電線50に対してJIS Z2371に準拠して塩水噴霧試験を実行した。塩水の濃度は5.0質量%とした。この塩水を噴霧しながら、後述する試験例3において芯線の腐食が発現するまで試験を実施した。その後、端子付き電線50につき、端子40と芯線41との間の電気抵抗を調べた。結果を表1にまとめると共に図7にグラフを示した。
その後、端子付き電線50に対して引張試験を実施した。引張速度は100mm/分とした。結果を表1にまとめると共に、図8にグラフを示した。
(試験例2)
端子付き電線50を、塩基性化合物溶液に浸漬する工程を実行せず、酸性化合物溶液に浸漬する工程のみを実行したこと以外は、試験例1と同様にして端子付き電線50を形成した。この試験例2に係る端子付き電線5について、端子40と芯線41との間の電気抵抗を調べると共に、引張試験を実施した。結果を表1にまとめると共に図7及び図8にグラフを示した。
(試験例3)
端子付き電線50を、塩基性化合物溶液に浸漬する工程を実行せず、また、酸性化合物溶液に浸漬する工程を実行しなかったこと以外は、試験例1と同様にして端子付き電線50を形成した。この試験例3に係る端子付き電線50について、端子40と芯線41との間の電気抵抗を調べると共に、引張試験を実施した。結果を表1にまとめると共に、図7及び図8にグラフを示した。
Figure 2014203683
本実施形態においては、試験例1が実施例であり、試験例2及び試験例3が比較例となっている。試験例1においては、芯線41と端子40との間の電気抵抗は、塩水噴霧試験前の電気抵抗値は0.19mΩであり、試験後の電気抵抗値は0.26mΩであった。このように試験例1では、塩水噴霧試験の前後において、電気抵抗値は、ほとんど増加しなかった。
また、塩水噴霧試験前の電線固着力は81.64Nであり、試験後の電線固着力は78.42Nであった。このように試験例1では、塩水噴霧の前後において、電線固着力はほとんど減少しなかった。
一方、試験例2においては、芯線41と端子40との間の電気抵抗は、塩水噴霧試験前の電気抵抗値は0.19mΩであったが、試験後の電気抵抗値は1.80mΩであり、塩水噴霧試験前の電気抵抗値の9.5倍に増大した。これは、リン酸化合物が銅部材の表面に付着することにより腐食電流が抑制される効果は得られるのであるが、その効果は十分でなかったためと考えられる。この結果、芯線41が電食されることにより芯線41とワイヤーバレル部44との間にわずかな隙間が形成され、芯線41と端子40との間の電気抵抗が増加したと考えられる。
また、塩水噴霧試験前の電線固着力は80.44Nであり、試験後の電線固着力は67.06Nであり、塩水噴霧試験前の電気抵抗値に対して16.6%も減少した。これは、芯線41が電食されたためにワイヤーバレル部44との間にわずかな隙間が形成され、この結果、固着力が低下したためと考えられる。
更に、試験例3においては、芯線41と端子40との間の電気抵抗は、塩水噴霧試験前の電気抵抗値は0.20mΩであったが、試験後の電気抵抗値は10.00mΩであり、塩水噴霧試験前の電気抵抗値の50.0倍に増加した。これは、芯線が電食されたためと考えられる。
また、塩水噴霧試験前の電線固着力は80.00Nであり、試験後の電線固着力は0.00Nであった。これは、芯線41が電食されたために、ワイヤーバレル部44が芯線41を保持することができなくなったためと考えられる。
上記のように、銅部材からなる端子40の表面に耐水層49が形成されることにより、金属部材からなる芯線41の耐食性を向上させることができる。
本実施形態では、疎水基は炭素数3以上のアルキル基である。これにより、水が端子40の銅部材の表面に到達することを確実に抑制することができる。
また、本実施形態においては、芯線41はアルミニウム又はアルミニウム合金を含む。アルミニウム又はアルミニウム合金は比較的に比重が小さいので、端子付き電線50を軽量化することができる。
また、本実施形態においては、親和性基は、含窒素複素環基である。この含窒素複素環基は塩基性を有するので、親和性基が酸性を有する場合に、端子40又は芯線41が親和性基との反応によって溶出することを抑制することができる。
また、本実施形態によれば、含窒素複素環基は塩基性基を兼ねる。これにより、塩基性化合物が含窒素複素環基の他に塩基性を有する官能基を有する場合に比べて、塩基性化合物の構造を単純なものとすることができる。
また、本実施形態においては、塩基性化合物は下記一般式(1)で示される化合物である。
Figure 2014203683

[一般式(1)中、Xは水素原子又は有機基を表し、Yは水素原子又は低級アルキル基を表す。]
これにより、端子40の端面48から露出する銅部材の表面に緻密な塩基性化合物の層を形成することができるので、銅部材の表面に水が付着することを確実に抑制することができる。
また、例えば、塩基性化合物が比較的に炭素鎖の長い置換基を有する場合、置換基同士が干渉することにより、塩基性化合物が銅部材の表面に密集して付着することができない。このため、銅部材の表面に、塩基性化合物の層が比較的に疎な状態で形成されるおそれがある。すると、塩基性化合物の層の隙間から、水が銅部材の表面に到達してしまうことが懸念される。本実施形態によれば、塩基性化合物はベンゾトリアゾールとされている。これにより、塩基性化合物の構造を単純なものとすることができる。これにより、銅部材の表面に緻密な塩基性化合物の層を形成することができる。この結果、銅部材の表面に水が付着することを確実に抑制することができる。
また、本実施形態によれば、酸性基は、カルボキシル基、リン酸基、ホスホン酸基、及びスルホニル基からなる群から選ばれる1又は2以上の基を含む。これにより、塩基性化合物と酸性化合物とを確実に反応させることができる。
<実施形態3>
次に、本発明の実施形態3を、図9を参照しつつ説明する。本実施形態は、銅又は銅合金を含む銅部材からなる銅芯線60を備えた銅電線61と、銅よりもイオン化傾向の大きなアルミニウム又はアルミニウム合金を含む金属部材からなるアルミニウム芯線62(芯線に相当)を備えたアルミニウム電線63と、が接続されたものである。銅芯線60の外周は合成樹脂製の絶縁被覆64で覆われており、アルミニウム芯線の外周は合成樹脂製の絶縁被覆65で覆われている。なお、実施形態1と重複する説明については省略する。
本実施形態においては、銅芯線60と、アルミニウム芯線62とは、スプライス端子66により電気的に接続されている。スプライス端子66は、銅芯線60及びアルミニウム芯線62の双方に巻き付くように圧着されるワイヤーバレル部67を備える。
スプライス端子66は、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、鉄合金等、必要に応じて任意の金属から適宜に選択できる。スプライス端子66の表面には、イオン化傾向がアルミニウムよりも銅に近いメッキ用金属によりメッキ層(図示せず)が形成されていてもよい。メッキ用金属としては、例えば、亜鉛、ニッケル、スズ等を用いることができる。
銅芯線60、アルミニウム芯線62、及びスプライス端子66が、塩基性化合物に浸漬された後に酸性化合物に浸漬されることにより、銅芯線60、アルミニウム芯線62、及びスプライス端子66の表面に耐水層68が形成されるようになっている。これにより、アルミニウム芯線62が電食により溶出することを抑制することができる。
なお、銅芯線60とアルミニウム芯線62とは、スプライス端子66によって接続される場合に限られない。例えば、銅芯線60とアルミニウム芯線62とは、抵抗溶接、超音波溶接、冷間圧接、加熱圧着等、必要に応じて任意の手法により接続することができる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)耐水層は、銅部材のうち接続部と異なる全ての部分を覆わなくてもよい。
(2)本実施形態においては、メッキ層を構成するメッキ用金属としてスズを用いたが、これに限られず、メッキ層を構成するメッキ用金属としては、ニッケル、亜鉛等、必要に応じて任意の金属を選択できる。
(3)電気接続構造は、任意の電気接続構造に適用できる。特に、自動車等の車両における電気接続構造に好適に用いることができる。例えば、銅部材からなる電線と金属部材からなる車体との接続構造、銅部材からなる雄端子と金属部材からなる雌端子との接続構造、金属部材からなる雄端子と銅部材からなる雌端子との接続構造、銅部材からなるバスバーと金属部材からなるバスバーとの接続構造等、必要に応じて任意の電気接続構造に適用することができる。
10:銅部材
11:金属部材
13,49,68:耐水層
30:電気接続構造
47:メッキ層
40:端子
42:電線
60:銅芯線
62:アルミニウム芯線

Claims (12)

  1. 銅又は銅合金を含む銅部材と、
    前記銅部材に接続されると共に前記銅部材よりもイオン化傾向の大きな金属を含む金属部材と、
    前記銅部材のうち少なくとも前記金属部材に接続された接続部と異なる部分に形成された耐水層と、を備え、
    前記耐水層は、前記銅部材に親和性を有する親和性基を有すると共に塩基性基を有する塩基性化合物と、前記塩基性基と反応する酸性基を有すると共に疎水基を有する酸性化合物と、を含む電気接続構造。
  2. 前記耐水層は、前記銅部材のうち前記接続部と異なる部分を覆っている請求項1に記載の電気接続構造。
  3. 前記銅部材には、イオン化傾向が前記金属部材よりも前記銅部材に近いメッキ用金属がメッキされたメッキ層が形成されており、
    前記耐水層は、少なくとも前記銅部材のうち前記メッキ層が形成されていない領域に形成されている請求項1または請求項2に記載の電気接続構造。
  4. 前記親和性基は、含窒素複素環基である請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の電気接続構造。
  5. 前記含窒素複素環基は前記塩基性基を兼ねる請求項4に記載の電気接続構造。
  6. 前記塩基性化合物は下記一般式(1)で示される化合物である請求項5に記載の電気接続構造。
    Figure 2014203683

    [一般式(1)中、Xは水素原子又は有機基を表し、Yは水素原子又は低級アルキル基を表す。]
  7. 前記Xは下記一般式(2)で表されるアミノ基である請求項6に記載の電気接続構造。
    Figure 2014203683

    [一般式(2)中、Rは炭素数1〜3のアルキル基を表す。]
  8. 前記塩基性化合物は式(3)で表されるベンゾトリアゾールである請求項6に記載の電気接続構造。
    Figure 2014203683
  9. 前記酸性基は、カルボキシル基、リン酸基、ホスホン酸基、及びスルホニル基からなる群から選ばれる1又は2以上の基を含む請求項1ないし請求項8のいずれか一項に記載の電気接続構造。
  10. 前記疎水基は炭素数3以上のアルキル基である請求項1ないし9のいずれか一項に記載の電気接続構造。
  11. 前記金属部材はアルミニウム又はアルミニウム合金を含む請求項1ないし請求項10のいずれか一項に記載の電気接続構造。
  12. 銅又は銅合金を含む銅部材からなる端子であって、
    前記端子に接続されると共に前記銅部材よりもイオン化傾向の大きな金属を含む金属部材からなる芯線を備えた電線に接続されるものであって、
    前記銅部材のうち少なくとも前記金属部材に接続された接続部と異なる部分に形成された耐水層を備え、
    前記耐水層は、前記銅部材に親和性を有する親和性基を有すると共に塩基性基を有する塩基性化合物と、前記塩基性基と反応する酸性基を有すると共に疎水基を有する酸性化合物と、を含む端子。
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