JP2014202790A - コロナ放電装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】放電生成物の主たる排出方向を被帯電体の移動方向に沿った上流側又は下流側のいずれかに設定することが可能なコロナ放電装置及び画像形成装置を提供する。【解決手段】感光体ドラム11の回転方向と交差する方向に沿って放電ワイヤ126a,126bを配置し、この放電ワイヤ126a,126bによって感光体ドラム11の表面を帯電する。また、放電ワイヤ126a,126bを張り渡し、感光体ドラム11と対向する面に開口部を有するシールドケース120を備え、シールドケース120と感光体ドラム11との間に形成される間隙Gを、感光体ドラム11の回転方向に沿った上流側と下流側とで異なるよう遮蔽板131によって設定し、放電生成物の主たる排出方向を感光体ドラム11の回転方向に沿った上流側又は下流側のいずれかに設定可能とした。【選択図】図4
Description
この発明は、コロナ放電装置及び画像形成装置に関するものである。
現像剤で構成される画像を記録用紙に形成する画像形成装置においては、例えば、感光体等の潜像保持体を帯電させる工程又は除電する工程や、記録用紙に未定着像を転写させる工程などにおいてコロナ放電を行うコロナ放電装置を使用するものがある。
かかるコロナ放電装置に関する技術としては、例えば、次に示すようなものが既に提案されている。
特許文献1は、送風ファン及びダクトを大きくしたり、性能を上げたりすることなく、帯電装置付近、特にシールドケース内の絶縁体壁近くに滞留するオゾンを排気することを可能とするため、シールドケースは、帯電する感光体の移動方向の下流側の側面であって、帯電器の両端部に備えられた絶縁体とグリッド電極の開口部との間に設けられた通気孔と、グリッド電極が設けられた放電開口部に対峙する面に空気流を取り込むために設けられた空気取り込み口とを有し、空気取り込み口からシールドケース内にシールドケースの長手方向に対して略垂直に空気流が流入し、その空気流が通気孔から抜けるように構成したものである。
特許文献2は、埃やトナー等の付着物が放電電極に付着し難くなるようにすることを目的として、帯電器は、長手方向に延びる放電電極と、放電電極の周囲を覆う形状を有し、放電電極の長手方向に沿って長孔が形成されているとともに、長孔とは異なる位置に、放電電極の周囲に空気を導入し排出するための導入口および排出口が形成された枠体と、枠体の内側を長孔に沿って移動可能に配置され、長孔に沿って移動する際に放電電極を摺動することにより放電電極を清掃する清掃部材と、清掃部材に対して長孔を通じて接続されることにより、枠体の外側を長孔に沿って清掃部材と一体的に移動可能な操作部材と、 を備えるように構成したものである。
この発明が解決しようとする課題は、放電生成物の主たる排出方向を被帯電体の移動方向に沿った上流側又は下流側のいずれかに設定することが可能なコロナ放電装置及び画像形成装置を提供することにある。
請求項1に記載された発明は、被帯電体の移動方向と交差する方向に沿って配置され、前記被帯電体を放電により帯電する放電電極と、
前記放電電極を張り渡し、前記被帯電体と対向する面に開口部を有する覆い部材と、
前記覆い部材と前記被帯電体との間に形成される間隙を、前記被帯電体の移動方向に沿った上流側と下流側とで異なるよう設定する間隙設定部材と、
を備えたことを特徴とするコロナ放電装置である。
前記放電電極を張り渡し、前記被帯電体と対向する面に開口部を有する覆い部材と、
前記覆い部材と前記被帯電体との間に形成される間隙を、前記被帯電体の移動方向に沿った上流側と下流側とで異なるよう設定する間隙設定部材と、
を備えたことを特徴とするコロナ放電装置である。
請求項2に記載された発明は、前記間隙設定部材は、絶縁性を有する板状部材からなることを特徴とする請求項1に記載のコロナ放電装置である。
請求項3に記載された発明は、前記間隙設定部材は、前記覆い部材が兼ねていることを特徴とする請求項1に記載のコロナ放電装置である。
請求項4に記載された発明は、前記放電電極を複数備え、
前記間隙設定部材は、前記覆い部材と前記被帯電体との間に形成される間隙を、前記被帯電体の移動方向に沿った一方向に向うに従って順次大きくなるよう設定されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のコロナ放電装置である。
前記間隙設定部材は、前記覆い部材と前記被帯電体との間に形成される間隙を、前記被帯電体の移動方向に沿った一方向に向うに従って順次大きくなるよう設定されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のコロナ放電装置である。
請求項5に記載された発明は、被帯電体と、
前記被帯電体を放電により帯電するコロナ放電装置とを備え、
前記コロナ放電装置として、請求項1乃至4のいずれかに記載のコロナ放電装置を用いたことを特徴とする画像形成装置である。
前記被帯電体を放電により帯電するコロナ放電装置とを備え、
前記コロナ放電装置として、請求項1乃至4のいずれかに記載のコロナ放電装置を用いたことを特徴とする画像形成装置である。
請求項1に記載された発明によれば、放電生成物の主たる排出方向を被帯電体の移動方向に沿った上流側又は下流側のいずれかに設定することが可能となる。
請求項2に記載された発明によれば、間隙設定部材と被帯電体との間でリークが発生するのを抑制することができる。
請求項3に記載された発明によれば、部品点数を減少させることができる。
請求項4に記載された発明によれば、放電電極を複数備えた場合であっても、放電生成物の主たる排出方向を被帯電体の移動方向に沿った上流側又は下流側のいずれかに設定することが可能となる。
請求項5に記載された発明によれば、放電生成物の主たる排出方向を被帯電体の移動方向に沿った上流側又は下流側のいずれかに設定することが可能な画像形成装置を提供することができる。
以下に、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[実施の形態1]
図1及び図2は、実施の形態1に係るコロナ放電装置を適用した画像形成装置を示すものである。図1はその画像形成装置の全体の概要を示し、図2はその画像形成装置における要部(作像装置など)を拡大して示している。
図1及び図2は、実施の形態1に係るコロナ放電装置を適用した画像形成装置を示すものである。図1はその画像形成装置の全体の概要を示し、図2はその画像形成装置における要部(作像装置など)を拡大して示している。
<画像形成装置の全体の構成>
実施の形態1に係る画像形成装置1は、例えばカラープリンタとして構成されたものである。この画像形成装置1は、現像剤4を構成するトナーで現像されるトナー像を形成する複数の作像装置10と、各作像装置10で形成されたトナー像をそれぞれ保持して最終的に被記録材の一例としての記録用紙5に二次転写する二次転写位置まで搬送する中間転写装置20と、中間転写装置20の二次転写位置に供給すべき所要の記録用紙5を収容して搬送する給紙装置50と、中間転写装置20で二次転写された記録用紙5上のトナー像を定着させる定着装置40等を備えている。
実施の形態1に係る画像形成装置1は、例えばカラープリンタとして構成されたものである。この画像形成装置1は、現像剤4を構成するトナーで現像されるトナー像を形成する複数の作像装置10と、各作像装置10で形成されたトナー像をそれぞれ保持して最終的に被記録材の一例としての記録用紙5に二次転写する二次転写位置まで搬送する中間転写装置20と、中間転写装置20の二次転写位置に供給すべき所要の記録用紙5を収容して搬送する給紙装置50と、中間転写装置20で二次転写された記録用紙5上のトナー像を定着させる定着装置40等を備えている。
この画像形成装置1は、例えば、記録用紙5に形成すべき原稿画像を入力する画像入力装置60を追加して装備させた場合にはカラー複写機として構成することができる。図中の1aは画像形成装置の筐体を示し、この筐体1aは支持構造部材、外装カバー等で形成されている。また、図中の一点鎖線は、筐体1a内において記録用紙5が搬送される主な搬送経路を示す。
作像装置10は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の4色のトナー像と特別色S1,S2の2種類のトナー像とをそれぞれ専用に形成する6つの作像装置10Y,10M,10C,10K,10S1,10S2で構成されている。この6つの作像装置10(S1,S2,Y,M,C,K)は、筐体1aの内部空間において1列に並べた状態となるよう配置されている。上記特別色(S1,S2)の現像剤4(S1,S2)としては、例えば、上記4色では表現が困難又は不可能であった色材等で構成されるものが使用され、具体的には、上記4色以外の色のトナー、上記4色のトナーと同一の色であって彩度が異なるトナー、光沢を向上させる透明トナー、点字用の発泡性トナー、蛍光色トナー等である。また、各作像装置10(S1,S2,Y,M,C,K)は、扱う現像剤の種類が異なる点を除けば、以下に示すようにほぼ共通した構成のものである。
各作像装置10(S1,S2,Y,M,C,K)は、図1や図2に示されるように、回転する像保持体(被帯電体)の一例としての感光体ドラム11を備えており、この感光体ドラム11の周囲に、次のような各装置が主に配置されている。主な装置とは、感光体ドラム11の像形成が可能な周面(像保持面)を所要の電位に帯電させる帯電装置12と、感光体ドラム11の帯電された周面に画像の情報(信号)に基づく光LBを照射して電位差のある(各色用の)静電潜像を形成する静電潜像形成手段としての露光装置13と、その静電潜像を対応する色(S1,S2,Y,M,C,K)の現像剤4のトナーで現像してトナー像にする現像手段としての現像装置14(S1,S2,Y,M,C,K)と、その各トナー像を中間転写装置20に転写する一次転写装置15と、一次転写後における感光体ドラム11の像保持面に残留して付着するトナー等の付着物を帯電させる清掃前帯電装置16と、その再帯電された付着物を取り除いて清掃するドラム清掃装置17、感光体ドラム11の清掃後における像保持面を除電する除電器18等である。
感光体ドラム11は、接地処理される円筒状又は円柱状の基材の周面に感光材料からなる光導電性層(感光層)を有する像保持面を形成したものである。この感光体ドラム11は、図示しない回転駆動装置から動力が伝達されて矢印Aで示す方向に回転するように支持されている。
帯電装置12は、感光体ドラム11に接触しない状態で配置されるコロナ放電装置からなる非接触型の帯電装置で構成される。帯電装置12の構成については、後に詳述する。
露光装置13は、画像形成装置1に入力される画像の情報に応じて構成される光(矢付き点線)LBを、帯電された後の感光体ドラム11の周面に対して照射して静電潜像を形成するものである。露光装置13には、潜像形成時になると画像形成装置1に任意の手段で入力される画像の情報(信号)が送信される。
現像装置14(S1,S2,Y,M,C,K)はいずれも、図2に示されるように、開口部と現像剤4の収容室が形成された筐体140の内部に、現像剤4を保持して感光体ドラム11と向き合う2箇所の現像領域までそれぞれ搬送する2つの現像ロール141,142と、現像剤4を攪拌しながら現像ロール141を通過させるよう搬送する2つのスクリューオーガー等の攪拌搬送部材143,144と、現像ロール141に保持される現像剤の量(層厚)を規制する層厚規制部材145などを配置して構成されたものである。この現像装置14には、その現像ロール141,142と感光体ドラム11の間に現像用電圧が図示しない電源装置から供給される。また、現像ロール141,142や攪拌搬送部材143,144は、図示しない回転駆動装置からの動力が伝達されて所要の方向に回転する。さらに、上記4色の現像剤4(Y,M,C,K)と前記2つの特別色の現像剤4(S1,S2)としては、非磁性トナーと磁性キャリアを含む二成分現像剤が使用される。
一次転写装置15は、感光体ドラム11の周面に接触して回転するとともに一次転写用電圧が供給される一次転写ロールを備えた接触型の転写装置である。一次転写用電圧としては、トナーの帯電極性と逆の極性を示す直流の電圧が図示しない電源装置から供給される。
ドラム清掃装置17は、図2に示されるように、一部が開口する容器状の本体170と、一次転写後の感光体ドラム11の周面に所要の圧力で接触するように配置されて残留トナー等の付着物を取り除いて清掃する清掃板171と、清掃板171よりも感光体ドラム11の回転方向上流側で感光体ドラムの周面に接触して回転するよう配置される回転ブラシロール172と、清掃板171で取り除いたトナー等の付着物を回収して図示しない回収システムに送り出すよう搬送するスクリューオーガー等の送出部材173等で構成されている。清掃板171としては、ゴム等の材料からなる板状の部材(例えばブレード)が使用される。
中間転写装置20は、図1に示されるように、各作像装置10(S1,S2,Y,M,C,K)の下方の位置に存在するように配置される。この中間転写装置20は、感光体ドラム11と一次転写装置15(一次転写ロール)の間となる一次転写位置を通過しながら矢印Bで示す方向に回転する中間転写ベルト21と、中間転写ベルト21をその内面から所望の状態に保持して回転自在に支持する複数のベルト支持ロール22〜27と、ベルト支持ロール26に支持されている中間転写ベルト21の外周面(像保持面)側に配置されて中間転写ベルト21上のトナー像を記録用紙5に二次転写させる二次転写装置30と、二次転写装置30を通過した後に中間転写ベルト21の外周面に残留して付着するトナー、紙粉等の付着物を取り除いて清掃するベルト清掃装置28とで主に構成されている。
中間転写ベルト21としては、例えばポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂等の合成樹脂にカーボンブラック等の抵抗調整剤などを分散させた材料で製作される無端状のベルトが使用される。また、ベルト支持ロール22は駆動ロールとして構成され、ベルト支持ロール23,25,27は中間転写ベルト21の走行位置などを保持する従動ロールとして構成され、ベルト支持ロール24は張力付与ロールとして構成され、ベルト支持ロール26は二次転写のバックアップロールとして構成されている。
二次転写装置30は、図1に示されるように、中間転写装置20におけるベルト支持ロール26に支持されている中間転写ベルト21の外周面部分である二次転写位置を通過しながら矢印Cで示す方向に回転する二次転写ベルト31と、二次転写ベルト31をその内面から所望の状態に保持して回転自在に支持する複数の支持ロール32〜36とで構成されている。二次転写ベルト31としては、例えば前述した中間転写ベルト21とほぼ同じ構成で製作される無端状のベルトが使用される。ベルト支持ロール32は、ベルト支持ロール26に支持されている中間転写ベルト21の外周面に対して二次転写ベルト31を所要の圧力で押し当てるように配置される。ベルト支持ロール32は駆動ロールとして構成され、ベルト支持ロール36は張力付与ロールとして構成されている。また、二次転写装置30のベルト支持ロール32又は中間転写装置20の支持ロール26には、トナーの帯電極性と逆極性又は同極性を示す直流の電圧が二次転写用電圧として供給される。
定着装置40は、記録用紙5の導入口及び排出口が形成された筐体41の内部に、矢印で示す方向に回転するとともに表面温度が所定の温度に保持されるよう加熱手段によって加熱される定着ベルトを備えた加熱回転体42と、この加熱回転体42の軸方向にほぼ沿う状態で所要の圧力で接触して従動回転するドラム形態の加圧用回転体43などを配置して構成されたものである。この定着装置40では、加熱回転体42と加圧用回転体43が接触する接触部が所要の定着処理(加熱及び加圧)を行う定着処理部になる。
給紙装置50は、中間転写装置20及び二次転写装置30の下方側の位置に存在するように配置される。この給紙装置50は、所望のサイズ、種類等の記録用紙5を積載した状態で収容する単数(又は複数)の用紙収容体51と、用紙収容体51から記録用紙5を1枚ずつ送り出す送出装置52とで主に構成されている。用紙収容体51は、例えば、筐体1aの正面(使用者が操作時に向き合う側面)側に引き出すことができるように取り付けられている。
給紙装置50と二次転写装置30との間には、給紙装置50から送り出される記録用紙5を二次転写位置まで搬送する複数の用紙搬送ロール対53〜57や図示しない搬送ガイド材で構成される給紙搬送路が設けられている。給紙搬送路において二次転写位置の直前の位置に配置される用紙搬送ロール対57は、例えば記録用紙5の搬送時期を調整するロール(レジストロール)として構成されている。また、二次転写装置30と定着装置40との間には、二次転写装置30の二次転写ベルト31から送り出される二次転写後の記録用紙5を定着装置40まで搬送するためのベルト形態等の用紙搬送装置58が設けられている。さらに、筐体1aに形成される用紙の排出口に近い部分には、定着装置40から送り出される定着後の記録用紙5を筐体1aの外部に排出するための用紙排出ロール対59が設けられている。
なお、前述したカラー複写機として構成する場合において装備される画像入力装置60は、プリント対象の画像情報を有する原稿の画像を読み取る画像読取装置であり、例えば、図1に示されるように筐体1aの上部に配置される。この画像入力装置60は、読み込むべき画像の情報を有する原稿6を載せる透明ガラス板等からなる原稿載せ板(プラテンガラス)61と、原稿載せ板61上に置かれた原稿6を移動しながら照明する光源62と、光源62と共に移動しながら原稿6からの反射光を受光して所定の方向に反射させる反射ミラー63と、反射ミラー63に対して所定の速度でかつ所定の距離を移動する第1反射ミラー64及び第2反射ミラー65と、原稿6からの反射光を受光して読み取って電気信号に変換するCCD等からなる画像読取素子66と、画像読取素子66に反射光を結像させる結像レンズ67等で主に構成されている。図1中の符号68は、原稿載せ板61を塞ぐ開閉カバーである。
また、画像入力装置60で読み取られて入力される原稿の画像情報は、画像処理装置70により必要な画像処理が施される。まず、画像入力装置60では、読み取った原稿の画像情報を例えば赤(R)、緑(G)及び青(B)の3色の画像データ(例えば、各8bitのデータ)として画像処理装置70に送信する。一方、画像処理装置70は、画像入力装置60から送信された画像データについて、シェーディング補正、位置ずれ補正、明度/色空間変換、ガンマ補正、枠けし、色/移動編集等の予め定められた画像処理を施す。また、画像処理装置70では、画像処理した画像信号を前記4色(Y,M,C,K)の各画像信号にそれぞれ変更した後、露光装置13に送信する。また、画像処理装置70では、前記2つの特別色(S1,S2)のための画像信号も生成する。
<画像形成装置の基本的な動作>
以下、画像形成装置1による基本的な画像形成動作について説明する。
以下、画像形成装置1による基本的な画像形成動作について説明する。
ここでは、最初に、前記4つの作像装置10(Y,M,C,K)を使用して、4色(Y,M,C,K)のトナー像を組み合わせて構成されるフルカラー画像を形成するときの画像形成動作を代表して説明する。
画像形成装置1は、画像形成動作(プリント)の要求の指令情報を受けると、4つの作像装置10(Y,M,C,K)、中間転写装置20、二次転写装置30、定着装置40等が始動する。
そして、各作像装置10(Y,M,C,K)においては、まず各感光体ドラム11が矢印Aで示す方向に回転し、各帯電装置12が各感光体ドラム11の表面を所要の極性(実施の形態1ではマイナス極性)及び電位にそれぞれ帯電させる。続いて、露光装置13が、帯電後の感光体ドラム11の表面に対し、画像形成装置1に入力される画像の情報を各色成分(Y,M,C,K)に変換して得られる画像の信号に基づいて発光される光LBを照射し、その表面に所要の電位差で構成される各色成分の静電潜像をそれぞれ形成する。
続いて、各現像装置14(Y,M,C,K)が、感光体ドラム11に形成された各色成分の静電潜像に対し、所要の極性(マイナス極性)に帯電された対応する色(Y,M,C,K)のトナーをそれぞれ供給して静電的に付着させて現像を行う。この現像により、各感光体ドラム11に形成された各色成分の静電潜像は、その対応する色のトナーでそれぞれ現像された4色(Y,M,C,K)のトナー像として顕像化される。
続いて、各作像装置10(Y,M,C,K)の感光体ドラム11上に形成された各色のトナー像が一次転写位置まで搬送されると、一次転写装置15が、その各色のトナー像を中間転写装置20の矢印Bで示す方向に回転する中間転写ベルト21に対して順番に重ね合わせるような状態で一次転写させる。
また、一次転写が終了した各作像装置10では、清掃前帯電装置16が一次転写後の感光体ドラム11の表面に残留するトナー等の付着物を再帯電した後、ドラム清掃装置17が再帯電された付着物を掻き取るように除去して感光体ドラム11の表面を清掃し、最後に、除電器18が清掃後の感光体ドラム11の表面を除電する。これにより、各作像装置10は次の作像動作が可能な状態にされる。
続いて、中間転写装置20では、中間転写ベルト21の回転により一次転写されたトナー像を保持して二次転写位置まで搬送する。一方、給紙装置50では、作像動作に合わせて所要の記録用紙5を給紙搬送路に送り出す。給紙搬送路では、レジストロールとしての用紙搬送ロール対57が記録用紙5を転写時期に合わせて二次転写位置に送り出して供給する。
二次転写位置においては、二次転写装置30が、中間転写ベルト21上のトナー像を記録用紙5に一括して二次転写させる。また、二次転写が終了した中間転写装置20では、ベルト清掃装置28が、二次転写後の中間転写ベルト21の表面に残留したトナー等の付着物を取り除いて清掃する。
続いて、トナー像が二次転写された記録用紙5は、中間転写ベルト21と二次転写ベルト31から剥離された後に搬送装置58により定着装置40まで搬送される。定着装置40では、回転する加熱回転体42と加圧回転体43との間の接触部に二次転写後の記録用紙5を導入して通過させることにより、必要な定着処理(加熱及び加圧)をして未定着のトナー像を用紙5に定着させる。最後に、定着が終了した後の記録用紙5は、その片面への画像の形成を行うだけの画像形成動作のときは、用紙排出ロール対59により、例えば筐体1aの外部に設置される図示しない排出収容部にむけて排出される。
以上の動作により、4色のトナー像を組み合わせて構成されるフルカラー画像が形成された記録用紙5が出力される。
次に、画像形成装置1において、例えば上記した通常の画像形成を行う際に、前記特別色S1,S2の現像剤で構成される特別色トナー像を併せて形成するときの動作について説明する。
この場合は、まず、作像装置10S1,10S2において前述した作像装置10(Y,M,C,K)の場合と同様の作像動作が行われ、これにより作像装置10S1,10S2における各感光体ドラム11に特別色トナー像(S1,S2)がそれぞれ形成される。続いて、作像装置10S1,10S2で形成された各特別色トナー像は、前述した4色のトナー像に関する画像形成動作の場合と同様に、中間転写装置20の中間転写ベルト21に一次転写された後に、二次転写装置30により中間転写ベルト21から記録用紙5に(他の色のトナー像と併せて)二次転写される。最後に、特別色トナー像と他の色のトナー像が二次転写された記録用紙5は、定着装置40において定着処理がなされた後、筐体1aの外部に排出される。
以上の動作により、前述した4色のトナー像を組み合わせて構成されるフルカラー画像の全面又は一部に対して2つの特別色トナー像が重なり合って存在するように形成された記録用紙5が出力される。
この他、画像形成装置1が画像入力装置60を装備するカラー複写機である場合は、その基本的な画像形成動作が次のように行われる。
すなわち、この場合は、画像入力装置60に原稿6がセットされ、その画像形成動作(コピー)の要求の指令情報を受けると、画像入力装置60において原稿6の原稿画像が読み取られた後、その読み取られた原稿画像の情報が画像処理装置70において前述したような画像処理を施されて画像の信号として生成され、しかる後、その画像の信号が各作像装置10(S1,S2,Y,M,C,K)における露光装置13に送信される。これにより、各作像装置10では、その原稿6の画像情報に基づいた静電潜像の形成とトナー像の形成がそれぞれ行われる。それ以後は、前述した画像形成動作(プリント)の場合と同様の動作が行われ、最終的に、そのトナー像からなる画像が記録用紙5に形成されて出力される。
なお、上記画像形成装置1としては、各作像装置10(S1,S2,Y,M,C,K)で形成されたトナー像を中間転写装置20の中間転写ベルト21を介さずに直接記録用紙5上に転写するように構成したものであっても良い。
<帯電装置の構成>
図3は実施の形態1に係るコロナ放電装置の一例としての帯電装置を示す斜視構成図である。
図3は実施の形態1に係るコロナ放電装置の一例としての帯電装置を示す斜視構成図である。
帯電装置12は、図2に示されるように、被帯電体としての感光体ドラム11に接触しない状態で対向して配置されるコロナ放電装置からなる非接触型の帯電装置で構成される。帯電装置12は、図3及び図4に示されるように、感光体ドラム11の軸方向に沿って配置される覆い部材としてのシールドケース120を備えている。シールドケース120は、感光体ドラム11の軸方向に沿って延在する長方形状の天板121と、この天板121の長手方向Dに沿って延びる長辺部から下方に垂れ下がった状態の側板122、123とを有した外観形状からなり、感光体ドラム11と対向する下端部に開口部の一例としての第1の開口部124を備えている。シールドケース120の長手方向Dにおける両端部(短辺部)には、図示しない支持部材がそれぞれ取り付けられており、この支持部材には、シールドケース120の内部空間を通過して感光体ドラム11の軸方向に沿ってほぼ直線状に張り渡した状態で単数又は複数本(図示例では2本)の第1及び第2の放電ワイヤ(放電電極)126a,126bが取り付けられている。また、帯電装置12は、シールドケース120の下部開口部124に、第1及び第2の放電ワイヤ126a,126bと感光ドラム11の周面との間に存在した状態で取り付けられる格子状のグリッド電極127(電界調整板)を備えている、いわゆるスコロトロン型のコロナ放電器を構成している。また、シールドケース120は、2本の放電ワイヤ126a,126bが配置される空間を仕切る隔壁(仕切り部材)128を内部に備えている。なお、2本の放電ワイヤ126a,126bのうち、感光ドラム11の移動方向Aに沿った上流側に配置される放電ワイヤが第1の放電ワイヤ126aであり、感光ドラム11の移動方向Aに沿った下流側に配置される放電ワイヤが第2の放電ワイヤ126bである。
また、帯電装置12は、第1及び第2の放電ワイヤ126a,126bが感光ドラム11の周面と所要の間隔(例えば放電ギャップ)をあけて対向する状態でかつ感光体ドラム11の回転軸の方向に沿ってその像形成対象領域に少なくとも存在する状態になるよう配置される。また、帯電装置12は、画像形成時になると、図示しない電源装置から第1及び第2の放電ワイヤ126a,126b(と感光体ドラム11との間)に帯電用の電圧が印加されるようになっている。なお、帯電装置12は、グリッド電極127に図示しない電源装置から感光体ドラム11の帯電電位を調節するための電圧が印加される。また、帯電装置12は、必要に応じてシールドケース120にグリッド電極127と等しい電圧が印加される。
さらに、帯電装置12は、その使用に伴って第1及び第2の放電ワイヤ126a,126bやグリッド電極127、あるいはシールドケース120に、用紙5の紙粉、コロナ放電により生成される放電生成物、トナーの外添剤等の物質(不要物)が付着して汚染されることでコロナ放電が十分に又は均一に行われなくなって帯電むら等の帯電不良が発生することがある。このため、帯電装置12には、放電ワイヤ126a,126b、グリッド電極127及びシールドケース120に不要物が付着することを防止又は抑制するため放電ワイヤ126a,126bとグリッド電極127とシールドケース120に対して空気を吹きつけるための図示しない送風装置が併設されている。また、帯電装置12は、シールドケース120の上面に図示しない送風装置からの空気を送風ダクト130を介して送り込むための第2の開口部129を備えている。第2の開口部129は、その開口形状が長方形になるよう形成されている。送風装置の送風ダクト130は、シールドケース120の長手方向に沿って配置されており、その先端部がシールドケース120の感光体ドラム11の回転方向に沿った上流側及び下流側に位置する側板122,123の外側面を覆うよう配置されている。
ところで、上記の如く構成される帯電装置12は、画像形成時になると、第1及び第2の放電ワイヤ126a,126bに所要の極性及び電圧の帯電用の高電圧を印加することによりコロナ放電を発生させ、コロナ放電によって発生する荷電粒子(イオン)により感光体ドラム11の画像形成面である周面を目標とする帯電電位に帯電させる。このとき、感光体ドラム11の周面は、図2に示されるように、帯電に先立ち、帯電装置12より感光体ドラム11の回転方向に沿った上流側に配置された除電器18による露光を受けて残留電荷が除去され、表面電位がゼロ電位となる。
帯電装置12によって感光体ドラム11の画像形成面を帯電するにあたり、帯電装置12の第1及び第2の放電ワイヤ126a,126bとシールドケース120に印加される電圧と感光体ドラム11表面との電位差により帯電装置12の放電ワイヤ126a,126b及びシールドケース120と感光体ドラム11との間に電界が形成される。この電界による電気的な力と、感光体ドラム11が回転駆動されることにより感光体ドラム11の周面に沿って発生する空気の流れ(層流)による物理的な力とからなる2つの力によって帯電装置12から感光体ドラム11に向う空気の流れ(イオン流)が発生する。この空気の流れは、帯電装置12と感光体ドラム11との間に形成される電界による電気的な力の影響が支配的であり、帯電装置12と感光体ドラム11との電位差が大きい程強い流れとなる。
すなわち、感光体ドラム11の表面電位は、帯電装置12の感光体ドラム11の回転方向に沿った上流側ではゼロ電位であるのに対して、帯電装置12の下流側では所要の帯電電位となるため、帯電装置12と感光体ドラム11との間の電位差は、帯電装置12の感光体ドラム11の回転方向に沿った上流側の方が下流側よりも大きく、帯電装置12から感光体ドラム11の周面へと流れる空気は、感光体ドラム11の回転方向に沿った上流側により多く(強く)流れることとなる。
そのため、帯電装置12の開口面124と対峙する背面側に設けられた第2の開口部129から空気を送り込むよう構成した場合であっても、シールドケース120の開口部124から感光体ドラム11の回転方向に沿った上流側及び下流側に排気される際に、感光体ドラム11の回転方向に沿った上流側に主として排気される。
ところで、実施の形態1において、帯電装置12の感光体ドラム11の移動方向に沿った上流側は、図2に示されるように、清掃装置17の清掃板171によって仕切られた閉空間を構成しており、帯電装置12からコロナ放電に伴って排出されるオゾン(O3)や窒素酸化物(NOX)等の放電生成物は、帯電装置12と清掃装置17との間に位置する閉空間に滞留する。その結果、感光体ドラム11の表面に帯電装置12から排出された放電生成物が付着し、高温高湿環境下において、感光体ドラム11の周面に付着した放電生成物が吸湿することにより、感光体ドラム11の周面に形成された静電潜像が流れて画像が乱れる所謂デリーションと呼ばれる画質欠陥が発生する要因となる。
そこで、実施の形態1では、図4に示されるように、帯電装置12と感光体ドラム11との間に形成される電界の影響により生じる空気の流れを考慮し、シールドケース120と感光体ドラム11との間に形成される間隙Gを、感光体ドラム11の回転方向に沿った上流側と下流側とで異なるよう設定する間隙設定部材としての遮蔽板131を備えている。更に説明すると、この実施の形態では、シールドケース120の上流側に配置された側板122と感光体ドラム11との間隙を遮蔽板131によって狭くすることで、感光体ドラム11の回転方向に沿った下流側の間隙G2よりも上流側の間隙G1が狭く(小さく)なるよう設定している。
この遮蔽板131としては、例えば、厚さ100〜300μm程度のPET製シート等の合成樹脂からなる絶縁性の板状部材を用いている。遮蔽板131は、排気ダクト130の外側面に設けている。また、遮蔽板131は、シールドケース120の長手方向に沿った全長にわたって設けられている。その結果、遮蔽板131の感光体ドラム11側の端部(下端部)は、感光体ドラム11の表面との間に所要の間隙G1を介して対向するよう配置されている。
また、帯電装置12の感光体ドラム11の回転方向に沿った下流側には、図2に示されるように、帯電装置12から排出される放電生成物や現像装置14から放出される浮遊トナー等を吸引する吸引ダクト132が設けられている。
<帯電装置の動作>
画像形成装置1では、図1に示されるように、画像形成動作の開始に伴って、各作像装置10(S1,S2,Y,M,C,K)において、感光体ドラム11を矢印方向Aに沿って回転駆動すると共に、感光体ドラム11の周面を帯電装置12によって所要の電位に帯電した後、感光体ドラム11の周面に露光装置13により画像露光を施して、画像情報に応じた静電潜像を形成する。
画像形成装置1では、図1に示されるように、画像形成動作の開始に伴って、各作像装置10(S1,S2,Y,M,C,K)において、感光体ドラム11を矢印方向Aに沿って回転駆動すると共に、感光体ドラム11の周面を帯電装置12によって所要の電位に帯電した後、感光体ドラム11の周面に露光装置13により画像露光を施して、画像情報に応じた静電潜像を形成する。
このとき、上記帯電装置12では、図2に示されるように、放電ワイヤ126a,126bに図示しない高圧電源によって高電圧を印加し、放電ワイヤ126a,126bから感光体ドラム11に向けてコロナ放電を生じさせる。そして、感光体ドラム11の周面は、コロナ放電によって生成される荷電粒子により所要の電位に帯電される。その際、感光体ドラム11の帯電電位は、グリッド電極127に印加される電圧により調整される。また、帯電装置12からコロナ放電によって生成される放電生成物は、帯電装置12の放電ワイヤ126a,126b及びシールドケース120と感光体ドラム11の周面との間に形成される電界による電気的な力、感光体ドラム11の回転駆動による周面に沿った空気の流れ(層流)により決定される方向に流れ、帯電装置12と感光体ドラム11の表面との間の電位差が相対的に大きい感光体ドラム11の回転方向に沿った上流側に移動する傾向がある。
ところで、この実施の形態では、図4に示されるように、帯電装置12の感光体ドラム11の回転方向上流側において、シールドケース120の側板122と感光体ドラム11との間隙G1を感光体ドラム11の回転方向に沿った下流側の間隙G2よりも小さく設定する遮蔽板131を設けているため、帯電装置12からコロナ放電によって生成された放電生成物は、遮蔽板131と感光体ドラム11との間に形成された狭い間隙G1によって上流側への移動が規制され、その殆どは、感光体ドラム11の回転方向に沿った下流側に位置するシールドケース120と感光体ドラム11との間に形成された相対的に広い間隙G2を通して、感光体ドラム11の回転方向に沿った下流側へと排出される。
図9は帯電装置12からコロナ放電によって生成された放電生成物が放出される状態をコンピュータを用いた数値解析によりシミュレーションした結果を示した模式図である。なお、模式図中の濃淡は、放電生成物の濃度を示している。
図9から明らかなように、帯電装置12の感光体ドラム11の回転方向上流側に遮蔽板131を配置することで、放電生成物が感光体ドラム11の回転方向上流側に移動することがほぼ阻止されている。
また、図10(a)(b)は帯電装置12のシールドケース120と感光体ドラム11との間隙を、感光体ドラム11の回転方向に沿った上流側及び下流側で等しく設定した場合(図10(a))と、感光体ドラム11の回転方向に沿った上流側の間隙を下流側よりも狭く設定した場合(図10(b))とで、帯電装置12のシールドケース120の直下におけるオゾンの濃度を感光体ドラム11の回転方向に沿った5箇所にわたり実際に測定した結果をそれぞれ示したグラフ図である。
図10(a)から明らかなように、帯電装置12のシールドケース120と感光体ドラム11との間隙を感光体ドラム11の回転方向に沿った上流側及び下流側で等しく設定した場合には、シールドケース120の長手方向に沿ったIN1(一方の端部)、IN2(一方の端部寄り)、OUT1(他方の端部)の3箇所において、シールドケース120の上流側におけるオゾン濃度が下流側と比較して相対的に高く、シールドケース120の長手方向に沿ったCEN(中央)、OUT2(他方の端部寄り)の2箇所において、シールドケース120の上流側におけるオゾン濃度が下流側と比較して低いものの全体的に高い値を示している。
これに対して、図10(b)から明らかなように、帯電装置12のシールドケース120と感光体ドラム11との間隙を感光体ドラム11の回転方向に沿った上流側が下流側よりも狭くなるように設定した場合は、シールドケース120の長手方向に沿ったIN1(一方の端部)、IN2(一方の端部寄り)、CEN(中央)、OUT2(他方の端部寄り)、OUT1(他方の端部)の5箇所すべてにおいて、シールドケース120の上流側におけるオゾン濃度が下流側に比較して大幅に低く、オゾンの殆どがシールドケース120の下流側に排出されていることが判る。なお、図10中、右側が感光体ドラムの回転方向に沿った下流側に対応している。
帯電装置12の感光体ドラム11の回転方向に沿った下流側は、図2に示されるように、開放された空間となっており、しかも、吸気ダクト132が配置されているため、感光体ドラム11の回転方向に沿った下流側へと排出された放電生成物は、吸気ダクト132の先端に設けられた開口部から吸引され、吸気ダクト131の図示しない出口部に設けられたフィルターを介して機外に排出される。
このように、上記実施の形態では、帯電装置12のコロナ放電によって生成される放電生成物は、帯電装置12の感光体ドラム11の回転方向に沿った上流側よりも下流側へ主として排出されるため、帯電装置12の上流側に位置する閉空間に放電生成物が滞留することを抑制することができ、放電生成物が感光体ドラム11の周面に付着することによる高温高湿時のデリーションと呼ばれる画質欠陥が発生するのを抑制することが可能となる。
また、遮蔽板132は、絶縁性の材料からなるため、感光体ドラム11の表面に近接させて配置した場合であっても、感光体ドラム11との間に異常放電が発生することがない。
[実施の形態2]
図5はこの発明の実施の形態2に係るコロナ放電装置を示す断面構成図である。この実施の形態では、間隙設定部材をシールドケースと別の部材として設けるのではなく、シールドケースをそのまま間隙設定部材として用いるよう構成している。
図5はこの発明の実施の形態2に係るコロナ放電装置を示す断面構成図である。この実施の形態では、間隙設定部材をシールドケースと別の部材として設けるのではなく、シールドケースをそのまま間隙設定部材として用いるよう構成している。
この実施の形態2に係る帯電装置12は、図5に示されるように、シールドケース120の感光体ドラム11の回転方向に沿った上流側及び下流側にそれぞれ配置される側板122,123のうち、上流側に位置する側板122が下流側の側板123よりも長く形成されており、感光体ドラム11の回転方向に沿った上流側に位置する側板122と感光体ドラム11との間隙G1を、感光体ドラム11の回転方向に沿った下流側に位置する側板123と感光体ドラム11との間隙G2よりも狭く設定している。
この場合、シールドケース120には、グリッド電極127と同様の電圧が印加されているため、シールドケース120の側板122を感光体ドラム11に近接させて配置すると、当該シールドケース120の側板122と感光体ドラム11との間でリークが発生する虞れがあるため、リークの発生を抑制できる範囲内でシールドケース120の側板122を感光体ドラム11に近接させて配置している。
この実施の形態では、別部材としての遮蔽板が不要となるため、部品点数を減少させることが可能となる。
その他の構成及び作用は、前記実施の形態1と同様であるので、その説明を省略する。
[実施の形態3]
図6はこの発明の実施の形態3に係るコロナ放電装置を示す断面構成図である。この実施の形態では、間隙設定部材を排気ダクトの外側面に配置した遮蔽板から構成するのではなく、排気ダクトが間隙設定部材を兼用するよう構成している。
図6はこの発明の実施の形態3に係るコロナ放電装置を示す断面構成図である。この実施の形態では、間隙設定部材を排気ダクトの外側面に配置した遮蔽板から構成するのではなく、排気ダクトが間隙設定部材を兼用するよう構成している。
実施の形態3に係る帯電装置12は、図6に示されるように、シールドケース120の感光体ドラム11の回転方向に沿った上流側に配置される排気ダクト130の側壁130aを下流側の側壁130bよりも長く形成しており、感光体ドラム11の回転方向に沿った上流側に位置する排気ダクト131の側壁122と感光体ドラム11との間隙G1を、感光体ドラム11の回転方向に沿った下流側に位置する排気ダクトの側壁123と感光体ドラム11との間隙G2よりも狭く設定している。
実施の形態3では、間隙設定部材としての機能を排気ダクト130の側壁130aが兼ねるため、別部材としての遮蔽板が不要となり、部品点数を減少させることが可能となる。排気ダクト130を合成樹脂等の絶縁材料によって形成すると、感光体ドラム11の周面に近接して配置した場合であってもリークが発生することを抑制することが可能となる。
その他の構成及び作用は、前記実施の形態1と同様であるので、その説明を省略する。
[実施の形態4]
図8はこの発明の実施の形態4に係るコロナ放電装置を示す断面構成図である。
図8はこの発明の実施の形態4に係るコロナ放電装置を示す断面構成図である。
実施形態4に係る帯電装置12は、図8に示されるように、放電電極としての放電ワイヤ126a,126b,126cを複数本(図示例では3本)備えており、放電ワイヤ126a,126b,126cの外周をシールドケース120により覆っている。また、シールドケース120の内部空間は、隣接する放電ワイヤ126a,126b,126cの間に配置された第1及び第2の仕切り隔壁128A,128Bにより仕切られている。
この帯電装置12では、複数本(図示例では3本)の放電ワイヤ126a,126b,126cを有することにより、それぞれの放電ワイヤ126a,126b,126c同士が形成する電界、及び放電ワイヤ126a,126b,126cとシールドケース120との間に形成される電界が合成されて複雑な電界が形成される。そのため、上記帯電装置12では、外部への放電生成物の排出が困難となるだけではなく、シールドケース120の内部で各放電ワイヤ126a,126b,126cの周囲に空気の渦が発生することによりシールドケース120が汚染されて、画像に白筋が現われるなどの帯電異常が発生する虞れがある。
そこで、この実施形態では、シールドケース120の上流側に配置された側板122と第1及び第2の仕切り隔壁128a,128bに、当該側板122及び仕切り隔壁128a、128bと感光体ドラム11の表面との間に形成される間隙が所要の条件を満たすように設定する間隙設定部材としての第1乃至第3の遮蔽板131a,131b,131cを設けている。
そして、シールドケース120と感光体ドラム11との間に形成される間隙は、感光体ドラム11の回転方向に沿った上流側の側壁122が最も小さく、感光体ドラム11の回転方向に沿った下流側に向かうに従い順次大きくなる(G1<G2<G3<G4)よう設定している。
帯電装置12では、図7に示されるように、複数本の放電ワイヤ126a,126b,126cを有することにより、それぞれの放電ワイヤ126a,126b,126c同士が形成する電界、及び放電ワイヤ126a,126b,126cとシールドケース120との間に複雑な電界が形成されるため、帯電装置12外への放電生成物の排出が困難となるだけではなく、シールドケース120の内部で空気の渦が発生することによってシールドケース120の内面が放電生成物によって汚染され、放電ワイヤ126a,126b,126cからのコロナ放電が均一に行われず、画像に白筋が現れるなどの帯電異常が発生する虞れを有している
実施の形態4では、第1乃至第3の放電ワイヤ126a,126b,126cによって発生する放電生成物は、シールドケース120の背面側に設けられた開口部129から吹き付けられた空気の流れとともに、シールドケース120と感光体ドラム11との間に形成された間隙G1,G2,G3,G4を介して放出される。この間隙Gは、感光体ドラム11の回転方向に沿った下流側に向かうに従い順次大きくなる(G1<G2<G3<G4)よう設定されている。そのため、第1の放電ワイヤ126aでは、感光体ドラム11の回転方向に沿った上流側に位置する間隙G1から下流側に位置する間隙G2へと向かう空気の流れが形成される。同様に、第2及び第3の放電ワイヤ126aでは、感光体ドラム11の回転方向に沿った上流側に位置する間隙から下流側に位置する間隙へと向かう空気の流れが形成される。
このように、実施形態に係る帯電装置12では、シールドケース120と感光体ドラム11との間に全体として感光体ドラム11の回転方向下流側に向けた空気の流れが形成され、第1乃至第3の放電ワイヤ126a,126b,126cによって発生する放電生成物を、感光体ドラム11の回転方向下流側に向けた空気の流れによって帯電装置12の外部へと排出することが可能となる。
その他の構成及び作用は、前記実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
[実施の形態5]
図8はこの発明の実施の形態5に係るコロナ放電装置を示す断面構成図である。
図8はこの発明の実施の形態5に係るコロナ放電装置を示す断面構成図である。
実施形態5に係る帯電装置12は、図8に示されるように、シールドケース120と感光体ドラム11との間に形成される間隙のうち、感光体ドラム11の回転方向に沿った上流側よりも下流側の間隙が小さく(狭く)なるよう設定したものである。
感光体ドラム11の周囲に配置される帯電装置12や清掃装置17などの配置上、帯電装置12の感光体ドラム回転方向に沿った上流側に図示しない吸引ダクトを配置する場合には、帯電装置12から排出される放電生成物を感光体ドラム11の回転方向に沿った上流側への排出を促進する必要がある。この場合には、感光体ドラム11の回転方向に沿った上流側よりも下流側の間隙G2が小さく(狭く)なるよう設定している。
その他の構成及び作用は、前記実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
なお、前記実施の形態では、放電電極としての放電ワイヤが複数本の場合について説明したが、放電ワイヤの数は、単数(1本)であっても良いことは勿論である。
また、前記実施の形態では、コロナ放電装置を帯電装置として用いた場合について説明したが、これに限定されるものではなく、コロナ放電装置としては、感光体ドラムや中間転写ベルトからトナー像を転写する転写装置や除電装置等として用いられるものであっても良い。
1a…画像形成装置本体、11…感光体ドラム、12…帯電装置、120…シールドケース、122,123…側板、125…放電ワイヤ、130…遮蔽板。
Claims (5)
- 被帯電体の移動方向と交差する方向に沿って配置され、前記被帯電体を放電により帯電する放電電極と、
前記放電電極を張り渡し、前記被帯電体と対向する面に開口部を有する覆い部材と、
前記覆い部材と前記被帯電体との間に形成される間隙を、前記被帯電体の移動方向に沿った上流側と下流側とで異なるよう設定する間隙設定部材と、
を備えたことを特徴とするコロナ放電装置。 - 前記間隙設定部材は、絶縁性を有する板状部材からなることを特徴とする請求項1に記載のコロナ放電装置。
- 前記間隙設定部材は、前記覆い部材が兼ねていることを特徴とする請求項1に記載のコロナ放電装置。
- 前記放電電極を複数備え、
前記間隙設定部材は、前記覆い部材と前記被帯電体との間に形成される間隙を、前記被帯電体の移動方向に沿った一方向に向うに従って順次大きくなるよう設定されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のコロナ放電装置。 - 被帯電体と、
前記被帯電体を放電により帯電するコロナ放電装置とを備え、
前記コロナ放電装置として、請求項1乃至4のいずれかに記載のコロナ放電装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
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