JP2014202521A - 三次元測定システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ラインセンサ25A〜25Cの集光領域内において、ラインセンサに対して相対位置不変に配置された空気揺らぎ算出用点光源50と、この光源からの光に基づいてラインセンサで検出された輝度分布信号の輝度重心位置を記憶した記憶部53とを備える。プローブ演算部32は、ワーク測定時において、空気揺らぎ算出用点光源からの光に基づいてラインセンサで検出された輝度分布信号の輝度重心位置と記憶部に記憶された輝度重心位置との差分を空気揺らぎ量として算出し、測定用光源(LED1〜9)からの光に基づいてラインセンサで検出された輝度分布信号の輝度重心位置に対して、空気揺らぎ量をシフトさせて補正輝度重心位置を算出し、この補正輝度重心位置から測定用点光源の座標を演算する。
【選択図】図2
Description
また、ばらつきの影響を排除するために平均値を算出することも可能であるが、ばらつきを十分排除した結果を得るためには、輝度分布の取得を複数回行う必要があるため、スループットの低下を招く。
続いて、測定用光源からの光に基づいて第1ラインセンサおよび第2ラインセンサで検出された第1輝度分布信号および第2輝度分布信号の輝度重心位置に対して、空気揺らぎ量をシフトさせて第1補正輝度重心位置および第2補正輝度重心位置が算出される。
こののち、これら第1補正輝度重心位置および第2補正輝度重心位置から三角測量法を用いて測定用点光源の座標が演算されるから、空気の揺らぎによる影響を排除して、測定用点光源の位置を高精度に測定することができる。従って、測定精度の向上が期待できる。また、ばらつきの影響を排除するために平均値を算出する必要のないので、スループットの向上が可能である。
図1および図2に示すように、本実施形態の三次元測定システムは、プローブ10と、撮像部20と、プローブ10および撮像部20を制御するとともに、撮像部20からの検出信号を基にプローブ10の位置およびプローブ10の接触子17の位置を演算する演算制御装置30と、表示装置40とを備える。ここで、撮像部20および演算制御装置30によって位置検出装置が構成されている。
プローブ本体11は、測定者が両手で掴めるように、一端が結合され、他端が次第に離れるように弓状に湾曲したのち再び結合した2本のアーム12,13を有する形状に形成されている。また、プローブ本体11の正面において、アーム12,13の一端結合部14と、アーム12,13の他端結合部15を挟んだ両側部とには、測定用光源としての3個のLED(発光ダイオード)1〜3,4〜6,7〜9がそれぞれ配置されている。つまり、プローブ本体11には、合計9個のLED1〜9が配置されている。これらのLED1〜9は、演算制御装置30からのパルス信号に同期して予め設定された順番で点灯されるように構成されている。
スタイラス16は、プローブ本体11のアーム12,13の他端結合部15から一端結合部14とは反対側に突出して設けられ、先端に球状の接触子17を有する。従って、プローブ本体11に対してLED1〜9と接触子17とが所定の位置関係で配置されているため、LED1〜9の座標を求めることにより、これらの座標から接触子17の座標を求めることができる。
検出部23A〜23Cは、図4に示すように、集光領域28から入射した光を1軸上に集光させるシリンドリカルレンズ24A〜24Cと、このシリンドリカルレンズ24A〜24Cによって集光された光を受光し、1軸上における輝度分布を表す輝度分布信号を出力するラインセンサ25A〜25Cとから構成されている。ラインセンサ25A〜25Cは、例えば、CCD(charge coupled device)を一列に配列した構成である。
制御基板27は、演算制御装置30からのパルス信号に同期して、フレームグラバ26を介して各検出部23A〜23Cのラインセンサ25A〜25Cの画像を取り込み、輝度分布信号として演算制御装置30へ送る。
タイミング制御部31は、プローブ10のLED1〜9を順番に点灯させるパルス信号を常時発信すると同時に、これに同期して、撮像部20に対してもラインセンサ25A〜25Cの輝度分布信号の取り込みを制御するパルス信号を常時発信する。
プローブ演算部32は、撮像部20からの輝度分布信号を取り込んだのち、この輝度分布信号の輝度重心位置を求め、この輝度重心位置からプローブ10の位置を演算する。つまり、各LED1〜9の座標を演算する。
測定点演算部33は、プローブ演算部32によって演算されたプローブ10の位置(LED1〜9の座標)と、プローブ10のLED1〜9に対する接触子17の位置とから、三次元測定システムにおける接触子17の座標を算出する。
記憶部53に、空気揺らぎ算出用点光源50からの光に基づいて各検出部23A〜23Cで検出された輝度分布信号の輝度重心位置を記憶させる。
これには、ワーク測定前において、空気揺らぎ算出用点光源50を点灯させる。すると、これに同期して、撮像部20の各検出部23A〜23Cにおいて、空気揺らぎ算出用点光源50からの光に基づいて、輝度分布信号が検出されたのち、プローブ演算部32に送られる。プローブ演算部32では、輝度分布信号から輝度重心位置を算出し、これを記憶部53に記憶させる。
なお、これを、本測定前に複数回測定し、平均値化すれば、ばらつきの影響を低減できる。
ワーク測定作業において、まず、空気の揺らぎ量を算出するために、次の処理を行う。
(a)空気揺らぎ算出用点光源50を点灯させる。すると、これに同期して撮像部20の各検出部23A〜23Cにおいて、空気揺らぎ算出用点光源50からの光に基づいて、輝度分布信号が検出されたのち、プローブ演算部32に送られる。プローブ演算部32では、輝度分布信号から輝度重心位置を算出する。例えば、図7に示す輝度分布信号が各検出部23A〜23Cにおいて検出されると、プローブ演算部32では、これら輝度分布信号の輝度重心位置Gb1,Gb2,Gb3を算出し、この輝度重心位置Gb1,Gb2,Gb3と記憶部53に記憶された輝度重心位置Ga1,Ga2,Ga3との差分を空気揺らぎ量Gs1,Gs2,Gs3として算出する。
Gs1=Gb1−Ga1
Gs2=Gb2−Ga2
Gs3=Gb3−Ga3
G1'=G1−Gs1
G2'=G2−Gs2
G3'=G3−Gs3
本実施形態によれば、ワーク測定時において、空気揺らぎ算出用点光源50からの光に基づいて各検出部23A〜23Cで検出された輝度分布信号の輝度重心位置Gb1,Gb2,Gb3と、記憶部53に記憶された輝度重心位置Ga1,Ga2,Ga3との差分が空気揺らぎ量Gs1,Gs2,Gs3として算出される。
続いて、測定用光源であるLED1〜9からの光に基づいて、各検出部23A〜23Cで検出された輝度分布信号の輝度重心位置G1,G2,G3に対して、空気揺らぎ量Gs1,Gs2,Gs3をシフトさせて補正輝度重心位置G1',G2',G3'が算出される。
こののち、これら補正輝度重心位置G1',G2',G3'からLED1〜9の座標が演算されるから、空気の揺らぎによる影響を排除して、測定用点光源であるLED1〜9の座標を高精度に測定することができる。従って、測定精度の向上が期待できる。また、ばらつきの影響を排除するため、平均値を算出する必要のないので、スループットの向上が可能である。
例えば、図9に示すように、プローブ本体11に、光をワークに向けて射出する発光器18Aと、ワークからの反射光を受光する受光器18Bと、この受光器18Bにおいて光を受光した位置からプローブ本体11に対するワークの位置情報を演算する演算器(図示省略)とを備えた非接触測定器18を内蔵させた構成のプローブ10を用いてもよい。
この場合、測定点演算部33は、プローブ演算部32によって求められたプローブ10の位置と、非接触測定器18によって求められた測定点の位置とから、三次元測定システムに対する非接触測定器18の光照射位置の座標を求める。
なお、非接触式のプローブでは、ワークに接触させる必要がないため、より複雑な形状をもつワークを測定することが可能となるが、そのためにプローブの様々な姿勢を検出できるように、より多くのLED、例えば、40個のLED1,2,3…が搭載されている。ただ、プローブの姿勢を検出するためには、必ずしも全てのLEDが検出できなくてもよく、少なくとも3個のLEDが検出できればプローブの姿勢を求めることができる。
第1実施形態において説明したプローブ10は、測定者が手で持って測定を行う。測定中は、複数のLED1〜9が順次点灯し、これに同期して、検出部23A〜23CがLED1〜9を撮像して、プローブ10の位置を算出する構成である。
従って、プローブ10の位置を正確に算出するには、複数のLED1〜9が点灯している間、プローブ10を固定するのが望ましい。しかし、プローブ10は測定者が手で持って測定を行うため、プローブ10の姿勢を安定させることが難しく、その結果、測定精度の低下を招くという課題が残る。
そのため、図10に示すように、プローブ10内に、加速度センサ60を組み込む。また、プローブ演算部32において、測定中(つまり、タイミング制御部31からパルス信号が送信されている間)、加速度センサ60からの信号を取り込み、その信号からプローブ10の振動が予め設定した一定以上の振動か否かを判定し、プローブ10の振動が予め設定した一定以上の振動であると判定された場合に、自動的に再測定を実行するように構成されている。
第1実施形態において、撮像部20のケース22は、三脚21によって略水平に支持された姿勢であったが、ケース22の姿勢を変化させた場合、例えば、ケース22を垂直あるいは斜めに支持した場合、シリンドリカルレンズ24A〜24Cとラインセンサ25A〜25Cとの位置関係が変化し、その結果、測定誤差が生じるといった課題が生まれる。
そのため、シリンドリカルレンズ24A〜24Cとラインセンサ25A〜25Cとは、図11に示すように組み込まれている。図11において、信号処理基板70には、固定板71が重ね合わされ、かつ、ねじ72によって信号処理基板70に固定されている。固定板71の中央には矩形状の収納孔71Aが形成され、この収納孔71A内にラインセンサ25(25A〜25C)が嵌め込まれ、その上から押さえ板73およびシリンドリカルレンズ24(24A〜24C)を内部に収納したレンズ境筒74が順に重ね合わされ、この状態でねじ75によって固定板71に固定されている。
また、押さえ板73のラインセンサ25(25A〜25C)と接する面には、図12に示すように、ゴムシート73Aが貼着されているため、ラインセンサ25(25A〜25C)のガラス面に傷がつかないような構造になっている。
図13に示す構造は、ラインセンサ25(25A〜25C)を固定板71の収納孔71Aの一方向へ付勢する板ばね76を収納した例、図14に示す構造は、ラインセンサ25(25A〜25C)を固定板71の収納孔71Aの一方向へ付勢する送りねじ77を固定板71に螺合した例、図15に示す構造は、ラインセンサ25(25A〜25C)を固定板71の収納孔71Aの一方向へ付勢する偏芯ねじ78を設けた例である。
また、図13〜図15に示す例において、ラインセンサ25(25A〜25C)が固定板71の収納孔71Aの一方向へ付勢された状態において、ラインセンサ25(25A〜25C)と固定板71の収納孔71Aとの接合面を接着剤79で固定する構造を採用すれば、位置ずれをより確実に防げる。
第3実施形態では、撮像部20のケース22の姿勢変化に対して、シリンドリカルレンズ24(24A〜24C)とラインセンサ25(25A〜25C)とが位置ずれを起こさないように、構造的に工夫した例である。
これに対し、撮像部20のケース22を横にした姿勢と縦にした姿勢において、ラインセンサ25(25A〜25C)によって検出される輝度分布信号が、図16に示すようになったとすると、第4実施形態では、これを自動的に調整する例である。
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は、本発明に含まれる。
前記各実施形態において、プローブ10に測定用光源として9個のLED1〜9を配置したが、必ずしも複数でなくてもよく、少なくとも1個あればよい。例えば、プローブ10にLED1〜9を設けることなく、測定用光源をワークの測定位置に移動させて測定するようにすれば、測定用光源としては1個でもよい。
10…プローブ、
11…プローブ本体、
16…スタイラス、
17…接触子、
18…非接触測定器、
18A…発光器、
18B…受光器、
20…撮像部、
23A,23B,23C…検出部、
24A,24C…シリンドリカルレンズ(第1光学系)、
24B…シリンドリカルレンズ(第2光学系)、
25A,25C…ラインセンサ(第1ラインセンサ)、
25B…ラインセンサ(第2ラインセンサ)、
30…演算制御装置、
32…プローブ演算部(位置演算部)、
33…測定点演算部、
50…空気揺らぎ算出用点光源、
53…記憶部。
Claims (3)
- 任意の位置に移動可能な測定用点光源と、前記測定用点光源からの光を受光し、該測定用点光源の位置を検出する位置検出装置とを備え、
前記位置検出装置は、互いに離間して配置され前記測定用点光源からの光を第1軸上に集光する一対の第1光学系と、この各第1光学系によって前記第1軸上に集光された光を受光し第1軸上における輝度分布を表す第1輝度分布信号を出力する一対の第1ラインセンサと、前記測定用点光源からの光を前記第1軸とは直交する第2軸上に集光する第2光学系と、この第2光学系によって前記第2軸上に集光された光を受光し第2軸上における輝度分布を表す第2輝度分布信号を出力する第2ラインセンサ、前記第1輝度分布信号および第2輝度分布信号に基づいて前記測定用点光源の座標を演算する位置演算部を含んで構成された三次元測定システムにおいて、
前記第1ラインセンサおよび第2ラインセンサの集光領域内において、前記第1ラインセンサおよび第2ラインセンサに対して相対位置不変に配置された空気揺らぎ算出用点光源と、
ワーク測定前において、前記空気揺らぎ算出用点光源からの光に基づいて前記第1ラインセンサおよび第2ラインセンサで検出された輝度分布信号の輝度重心位置を記憶した記憶部とを備え、
前記位置演算部は、
ワーク測定時において、前記空気揺らぎ算出用点光源からの光に基づいて前記第1ラインセンサおよび第2ラインセンサで検出された輝度分布信号の輝度重心位置と前記記憶部に記憶された輝度重心位置との差分を空気揺らぎ量として算出し、
前記測定用光源からの光に基づいて前記第1ラインセンサおよび第2ラインセンサで検出された輝度分布信号の輝度重心位置に対して、前記空気揺らぎ量をシフトさせて補正輝度重心位置を算出し、
この補正輝度重心位置から三角測量法を用いて前記測定用点光源の座標を演算する、
ことを特徴とする三次元測定システム。 - 請求項1に記載の三次元測定システムにおいて、
前記測定用点光源は、任意の位置に移動可能なプローブに取り付けられ、
前記プローブは、前記測定用点光源が取り付けられたプローブ本体と、このプローブ本体に一体的に設けられ先端にワークと接触する接触子を有するスタイラスとを含んで構成され、
前記プローブの測定用点光源に対する接触子の位置情報と、前記位置演算部によって演算された測定用点光源の座標とから、三次元測定システムに対する接触子の位置情報を演算する測定点演算部を備える、
ことを特徴とする三次元測定システム。 - 請求項1に記載の三次元測定システムにおいて、
前記測定用点光源は、任意の位置に移動可能なプローブに取り付けられ、
前記プローブは、前記測定用点光源が取り付けられたプローブ本体と、このプローブ本体に設けられ光を照射するとともに光の照射位置を検出可能な非接触位置検出器とを含んで構成され、
前記非接触位置検出器によって検出された光の照射位置と、前記位置演算部によって演算された測定用点光源の座標とから、三次元測定システムに対する光の照射位置情報を演算する測定点演算部を備える、
ことを特徴とする三次元測定システム。
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