JP2014202289A - ロータリーバルブ - Google Patents

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Abstract

【課題】流体圧力によるスラスト方向の荷重を低減させることで同じ容量に対して安価かつ小型のベアリングを使用可能とし、また、これまで使用可能なベアリングが無いため対応出来なかった大型化や高圧化にも対応できるようにしたロータリーバルブを提供する。【解決手段】バルブ本体2と、バルブ本体2に回転可能に収容されるローター3と、ローター3又はバルブ本体2に設けられた摺動面と摺動する弁体4P,4Tとを備え、ローター3の回転によりローター3の流路と弁体の流路3FPを連通又は閉止することで流体の流路切換を行うロータリーバルブにおいて、ローター3とバルブ本体2とにより空間10,20を形成し、該空間を水密又は気密に密閉するシールを配置し、該空間を作動流体の供給ポート(Pポート)又は作動流体の排出ポート(Tポート)に連通した。【選択図】図1

Description

本発明は、電動機や空気圧機器などの回転駆動機器によりローターを回転させ油圧作動油,水,海水等の流体の流路切換を行うロータリーバルブに関する。
従来から、流体を取り扱う機器において電動機やロータリーアクチュエータ等の回転駆動機器によりローターを回転させ油圧作動油,水,海水等の流体の流路切換を行うロータリーバルブが多用されている。ロータリーバルブは、電動機やロータリーアクチュエータ等の駆動軸芯廻りに回転する平坦な圧接面を持ち、ローターの流路穴とバルブ本体(固定座)のポート穴との交差の有無でバルブ流路の切換を行うものである。ロータリーバルブは、ローターとバルブ本体(固定座)との圧接面にシール機構を備えており、シール機構のシール性を向上させるためにローター(回転弁体)をバルブ本体に強く押し付けてシール面圧を上げるようにしているので、大きなスラスト力が発生する。また、バルブ構造により流路圧力やバルブ内圧力によって大きなスラスト力が発生するため、シール性や摩擦による操作力の増大などの問題がある。
上述したロータリーバルブの一例として、特許文献1には、ロータリーアクチュエータにより回転される回転子を固定座に押し付けることにより、回転子がすべての流路を一体で固定座とシールする構造が開示されているが、この構造では、シール面積が大きくなり、均一なシール面圧を得るために大きなシール力が必要となっている。また、特許文献2には、モータにより回転される弁体(回転子)を弁箱の弁座面(固定座)に押し付けることにより、弁体がすべての流路を一体で弁座面とシールする構造が開示されているが、この構造では、シール性を向上させるため、複雑な構造になっている。
このため、従来から高圧用ロータリーバルブでは図7(a),(b),(c),(d)に示す構造のバルブが使用されてきた。図7(a)はロータリーバルブのポート部分を示す断面図、図7(b)は図7(a)のZ−Z線断面図、図7(c)は図7(a)のY−Y線断面図、図7(d)は図7(c)のX−X線断面図である。図7(a)〜(d)に示すように、ロータリーバルブ1は、バルブ本体2と、バルブ本体2内に収容されるとともに回転駆動手段Mにより回転されるローター(回転弁体)3と、ローター3の摺動面3Sと摺動する複数の弁体4T,4Pとを備えている。ローター3はバルブ本体2に固定されたベアリング5を介して軸線Cの周りに回転可能に支持されている。ローター3の摺動面3Sは、回転駆動手段Mに連結された軸部3aに対して垂直かつ平坦になっており、ローター3が回転することにより、摺動面3Sが複数の弁体4T,4Pと摺動するようになっている。
バルブ本体2は、圧力流体が供給されるPポート(圧力ポート)と、Pポートの流体をバルブを介して出力するAポート(出力ポート)と、Aポートの流体をバルブを介して戻すTポート(タンクポート)の3種類のポートを備えている。
図7(a)〜(d)に示すロータリーバルブでは、Pポート弁体4PとTポート弁体4Tなど各ポートの弁体が、それぞれバルブ本体2と切り離され、個別にスライドするため、適切な圧接面のシール力、即ち、シール面圧が得られる。
図8は、図7に示すロータリーバルブ1の油圧記号を示す図である。図8に示すように、ロータリーバルブ1は、外部のモータやロータリーアクチュエータからなる回転駆動手段Mにより、ローター3を回転させると、PポートとAポートが連通してTポートが閉止される第一のポジションと、Pポート,Aポート,Tポートの全てが閉止される第二のポジションと、AポートとTポートが連通してPポートが閉止される第三のポジションからなる3ポジションをとることができる、3ポート3ポジションの切換弁である。
ロータリーバルブのローター(回転弁体)を回転駆動するモータやアクチュエータとして、任意の角度位置に停止させる機能を備えた回転駆動機構Mを採用すれば、図9の油圧記号で示すような所謂無限ポジションと呼ばれる中間開度を備えたバルブとしても利用できる。
また、ローターの流路を変更することで、第二ポジションをPポート,Aポート,Tポートのすべてに連通するような流路構造にすることも容易に可能であり、この場合は第二ポジションが図10に示す油圧記号として表現される。
図7(a)〜(d)は、図8乃至図10に示す油圧記号のAポートとTポートが連通する第三のポジションにある位置関係を示している。
図7(c)に示すように、ローター3は、外径D4の軸部3aでシール6により弁内部(流体側)と弁外部(大気側)を分離し、流体をシールながら回転する。大気側のローター端部には、モータやロータリーアクチュエータなどの回転駆動手段Mが接続されている。ローター3は外径D1の大径部を有しており、図7(b)に示すように、外径D1の大径部を貫通するように軸方向の流路3FPが180度位置に2箇所形成されている。そして、大径部はバルブ本体2のAポートに連通するAポート弁室7内に収容されている。
図7(c)に示すように、バルブ本体2には外部流体流路と接続するPポートがバルブ本体2の側面の対向する位置2箇所に形成されており、Pポートはバルブ本体2の内部で回転軸方向に曲がり、Pポート弁体4Pへと連通している。図7(b)に示すように、バルブ本体2の側面にPポートと90度位相で外部流体流路と接続するTポートが2箇所形成されており、Tポートはバルブ本体2の内部で回転軸方向に曲がり、Tポート弁体4Tへと連通している。
PポートおよびTポートから軸方向に曲がってローター大径部に向かって延びる流路上には、Pポート弁体4PおよびTポート弁体4Tが配置されている。Pポート弁体4PおよびTポート弁体4Tは円筒形状をなし、弁体4P,4Tの外周部に図示しないOリングを配置して弁体外周面が流路内周に僅かな隙間をもって移動可能に且つ水密(気密)に収容されている。
Pポート弁体4PおよびTポート弁体4Tのローター側の端面はローター3の摺動面3Sに面接触するようになっており、Pポート弁体4PおよびTポート弁体4Tの反ローター側とバルブ本体2との間にはバネ8が介装されており、摺動面3Sに作動流体の圧力がない状態でもPポート弁体4PおよびTポート弁体4Tがローター3の摺動面3Sに押圧状態となるように構成されている。
実開平2−143573号公報 特開平11−44369号公報
図7(a)〜(d)に示すような従来のロータリーバルブ1においては、第三のポジションでは、図7(c)に示すように、ローター(回転弁体)3の流路が形成されていない摺動面3SとPポート弁体4Pの円筒側面が接触し、ここでPポートの流体が閉止されている。そして、図7(b)に示すように、Tポートに連通しているTポート弁体4Tがローター3の外径D1の大径部に形成した流路3FPに連通し、Tポート弁体4Tの中空部とローター3に形成した流路3FPによりTポートとAポートを連通している状態である。
このとき、Pポート圧力P、Tポート圧力0(大気圧)のとき、発生するスラスト力は、Pポート弁体4Pの外径がDpでN個の弁体があるとき、Pポート弁体4Pとローター(回転弁体)3の摺動面3Sとが接触して流れを閉止するため、バルブ内圧力は、A=T=0となり、ローター3とPポート弁体部分の圧接面で発生する力fは、
f=(π/4)×Dp×P
となる。
力fはPポート弁体のN個分だけ作用するため、ローター3に作用するスラスト力、すなわちベアリング5が受けるスラスト力Fは、
F=(π/4)×Dp×P×N
となる。
次に、図8乃至図10の油圧記号におけるPポートとAポートが接続される第一のポジションにある位置関係を図11に示す。
図11の位置は図7の位置からローターが90度回転して、図11(c)に示すように、Pポート弁体4Pとローター3の大径部に形成した流路3FPが連通する位置である。この時、PポートがAポートと連通する。一方、図11(b)に示すように、Tポート弁体側はTポート弁体4Tとローター3の摺動面3Sにより流路が閉止される。このため、Aポート弁室7はPポート圧力の高圧空間になる。
ローター大径部の外径D1、ローター軸径D4、Tポート弁体4Tの外径がDtでM個の弁体があるとき、Tポート弁体4Tとローター(回転弁体)3の摺動面3Sとが接触して流れを閉止するため、バルブ内圧力(Aポート弁室)は、P=Aとなる。
ローター3に右向きに作用する力F1は、ローター大径部面積(D1部)から軸径面積(D4部)とTポート弁体4TのM個の面積を引いた総面積と内圧Pの積であり、
F1=(π/4)×(D1−D4−M×Dt)×P
となる。
一方、ローター3に左向きに作用する力F2は、ローター大径部面積(D1部)と内圧Pの積となり、
F2=(π/4)×D1×P
となる。
ローターに作用するスラスト力、すなわちベアリングが受けるスラスト力Fは、
F=(π/4)×(D1−D4−M×Dt)×P−(π/4)×D1×P
=−(π/4)×(D4+M×Dt)×P
となる。
次に、数値計算例を説明する。
ロータリーバルブが図7に示した回転位置のとき、すなわち、図8の油圧記号における第三のポジションのとき、
例えば、N=M=2個
Dp=Dt=φ30mm=φ0.030m
D4=φ45mm=φ0.045m
P=21MPa=21×10Pa
のとき、スラスト力Fは、
F=(π/4)×0.030×21×10×2
=29.7×10[N]
となる。
次に、ロータリーバルブが図11に示した回転位置のとき、
F=−(π/4)×(0.045+2×0.030)×21×10
=−63.1×10[N]
となる。
このように、従来のロータリーバルブにおいては、スラストベアリングに大きな負荷が掛かると同時に、弁の開閉によりベアリング荷重が大きな変動を伴う。供給圧力をより高圧で使用したい場合や、バルブを大容量化するためにローター径や弁体の径を大きくする場合には、さらに大きな荷重がベアリングに作用することになる。
本発明は、上述の事情に鑑みなされたもので、流体圧力によるスラスト方向の荷重を低減させることで同じ容量に対して安価かつ小型のベアリングを使用可能とし、また、これまで使用可能なベアリングが無いため対応出来なかった大型化や高圧化にも対応できるようにしたロータリーバルブを提供することを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明のロータリーバルブは、バルブ本体と、該バルブ本体に回転可能に収容されるローターと、該ローター又は前記バルブ本体に設けられた摺動面と摺動する弁体とを備え、ローターの回転によりローターの流路と弁体の流路を連通又は閉止することで流体の流路切換を行うロータリーバルブにおいて、前記ローターと前記バルブ本体とにより空間を形成し、該空間を水密又は気密に密閉するシールを配置し、該空間を作動流体の供給ポート又は作動流体の排出ポートに連通したことを特徴とする。
本発明のロータリーバルブは、圧力流体である作動流体が供給される供給ポート(Pポート)と、供給ポートの作動流体を弁体とローターの流路を介して出力する出力ポート(Aポート)と、出力ポートの作動流体をローターと弁体の流路を介して戻す排出ポート(Tポート)を備えている。ローターが回転することにより、ローター又はバルブ本体に設けられた摺動面と弁体とが摺動し、ローターを所定の位置で停止させることにより、ローターの流路と弁体の流路を連通又は閉止することで流体の流路切換を行う。この場合、ロータリーバルブは、PポートとAポートが連通してTポートが閉止される第一のポジションと、Pポート,Aポート,Tポートの全てが閉止される第二のポジションと、AポートとTポートが連通してPポートが閉止される第三のポジションからなる3ポジションをとることができる。
本発明のロータリーバルブにおいては、第三のポジションでは、ローターの流路が形成されていない面とPポートの弁体が接触し、ここでPポートの流体が閉止される。そして、Tポートの弁体の流路がローターの流路に連通し、TポートとAポートが連通する。このとき、Pポート圧力P、Tポート圧力0(大気圧)であるとき、Pポートの弁体とローターの流路が形成されていない面とが接触して流体の流れを閉止するため、ローターとPポートの弁体部分の圧接面に圧力Pが作用してローターにスラスト力が加わる。一方、ローターとバルブ本体とにより形成される空間がPポートに連通しているため、この空間に圧力Pが作用し、この空間を形成しているローターの部分に圧力Pが作用してローターにスラスト力が加わる。Pポートに連通する空間により形成されるスラスト力は、前記ローターとPポートの弁体部分の圧接面で生ずるスラスト力を減殺するように働くため、ローターに作用するスラスト力の絶対値を低減することができる。
本発明のロータリーバルブが第一のポジションにある場合には、PポートがAポートと連通し、Tポートの弁体とローターの流路が形成されていない面が接触し、Tポートの流体が閉止される。Tポートの弁体とローターの流路が形成されてない面とが接触して流れを閉止するため、バルブ内圧力は、P=Aとなる。このため、ローターには流体に接した面に圧力Pが作用してローターにスラスト力が加わる。このとき、ローターとバルブ本体とにより形成される空間がTポートに連通しているため、この空間を形成しているローターの部分には前記圧力Pが作用することがなく、このローターの部分ではスラスト力が発生しない。したがって、ローターに作用するスラスト力の絶対値を低減することができる。
本発明の好ましい態様によれば、前記ローターは前記流路を有する大径部と、該大径部より小径の部分であって外部回転駆動手段に連結される軸部とを備え、前記大径部に段部を設けて小径部を形成し、前記段部および小径部と前記バルブ本体とにより前記空間を形成し、該空間を作動流体の排出ポートに連通したことを特徴とする。
本発明によれば、大径部に段部を設けて小径部を形成し、段部および小径部とバルブ本体とにより空間を形成し、この空間を作動流体の排出ポートに連通することにより、大径部の外径をD1,小径部の外径をD2とすると、(π/4)(D −D )の面積に流体の圧力Pが作用することがなく、この面積にはスラスト力が発生しない。したがって、ローターに作用するスラスト力の絶対値を低減することができる。
本発明の好ましい態様によれば、前記ローターは前記流路を有する大径部と、該大径部より小径の部分であって外部回転駆動手段に連結される軸部とを備え、該軸部に段部を設けて小径部を形成し、前記段部および小径部と前記バルブ本体とにより前記空間を形成し、該空間を作動流体の供給ポートに連通したことを特徴とする。
本発明によれば、ローターの軸部に段部を設けて小径部を形成し、段部および軸部とバルブ本体とにより空間を形成し、この空間を作動流体の供給ポートに連通することにより、軸部の外径をD4,小径部の外径をD3とすると、(π/4)(D −D )の面積に流体の圧力Pが作用してローターにスラスト力が加わる。このスラスト力は、ローターに圧力Pの流体が接することにより生ずるスラスト力を減殺するように働くため、ローターに作用するスラスト力の絶対値を低減することができる。
本発明の好ましい態様によれば、前記ローターは前記流路を有する大径部と、該大径部より小径の部分であって外部回転駆動手段に連結される軸部とを備え、前記大径部における前記摺動面側と反対側の面と前記バルブ本体の側面とにより前記空間を形成し、該空間を作動流体の排出ポートに連通したことを特徴とする。
本発明によれば、ローターの大径部における摺動面側と反対側の面とバルブ本体の側面とにより空間を形成し、この空間を作動流体の排出ポートに連通することにより、空間の径をD5とすると、(π/4)D5の面積に流体の圧力Pが作用することがなく、この面積にはスラスト力が発生しない。したがって、ローターに作用するスラスト力の絶対値を低減することができる。
本発明のロータリーバルブは、流体圧力によるローターに作用するスラスト力をバランスさせることで、ベアリングに作用するスラスト力の絶対値を低減し、且つローター回転に伴うスラスト力の変動を小さくすることができる。
したがって、ベアリングを小型なものを選定することができるため、バルブ本体を小さくすることができる。また、より高圧の流体に適用することが可能であり、大流量を通過することを許容するためにバルブを大型化することも容易に実現できる。
図1は、本発明のロータリーバルブの第1の実施形態を示す図であり、図1(a)は本発明のロータリーバルブのポート部分を示す断面図、図1(b)は図1(a)のZ−Z線断面図、図1(c)は図1(a)のY−Y線断面図、図1(d)は図1(c)のX−X線断面図である。 図2は、図8乃至図10の油圧記号におけるPポートとAポートが接続される第一のポジションにある位置関係を示す図である。 図3は、本発明のロータリーバルブの第2の実施形態を示す図である。 図4は、図8乃至図10の油圧記号におけるPポートとAポートが接続される第一のポジションにある位置関係を示した図である。 図5は、本発明のロータリーバルブの第3の実施形態を示す図である。 図6は、図8乃至図10の油圧記号におけるPポートとAポートが接続される第一のポジションにある位置関係を示した図である。 図7は従来のロータリーバルブを示す図であり、図7(a)はロータリーバルブのポート部分を示す断面図、図7(b)は図7(a)のZ−Z線断面図、図7(c)は図7(a)のY−Y線断面図、図7(d)は図7(c)のX−X線断面図である。 図8は、図7に示すロータリーバルブの油圧記号を示す図である。 図9は、図7に示すロータリーバルブの油圧記号を示す図である。 図10は、図7に示すロータリーバルブの油圧記号を示す図である。 図11は、図8乃至図10の油圧記号におけるPポートとAポートが接続される第一のポジションにある位置関係を示した図である。
以下、本発明に係るロータリーバルブの実施形態を図1乃至図6を参照して説明する。図1乃至図6において、同一または相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
図1は、本発明のロータリーバルブの第1の実施形態を示す図である。
図1(a)は本発明のロータリーバルブのポート部分を示す断面図、図1(b)は図1(a)のZ−Z線断面図、図1(c)は図1(a)のY−Y線断面図、図1(d)は図1(c)のX−X線断面図である。図1(a)〜(d)に示すように、ロータリーバルブ1は、バルブ本体2と、バルブ本体2内に収容されるとともに回転駆動手段Mにより回転されるローター(回転弁体)3と、ローター3の摺動面3Sと摺動する複数の弁体4T,4Pとを備えている。ローター3はバルブ本体2に固定されたベアリング5を介して軸線Cの周りに回転可能に支持されている。ローター3の摺動面3Sは、回転駆動手段Mに連結された軸部3aに対して垂直かつ平坦になっており、ローター3が回転することにより、摺動面3Sが複数の弁体4T,4Pと摺動するようになっている。
バルブ本体2は、圧力流体が供給されるPポート(圧力ポート)と、Pポートの流体をバルブを介して出力するAポート(出力ポート)と、Aポートの流体をバルブを介して戻すTポート(タンクポート)の3種類のポートを備えている。
図1に示すように、ローター3は外径D4の軸部に設けられた第4シール14により弁内部(流体側)と弁外部(大気側)を分離し、流体をシールしながら回転する。大気側のローター端部には、モータやロータリーアクチュエータなどの回転駆動手段Mが接続されている。ローター3の回転駆動手段側は、外径D4の軸部から段部が形成されて外径D3の軸部へ小径に形成されている。バルブ本体2も同様に内径D4から内径D3に小径になっており、ローター3とバルブ本体2との間にはPポートバランス室10で示す空間が形成されている。ローター3の径D4の軸部のバルブ本体側内径部には第4シール14が設けられ、ローター3の径D3の軸部のバルブ本体側内径部には第3シール13が設けられ、Pポートバランス室10の空間が密閉されるようになっている。そして、バルブ本体2には、この空間とPポートとを連通するPポート連通孔10hが形成され、Pポートバランス室10の空間にPポートの圧力が導入されるようになっている。すなわち、Pポートバランス室10には常にPポートの圧力がかかるようになっている。
ローター3は外径D1の大径部を有し、外径D1の大径部を貫通する流路3FPが180度位置に2箇所形成されている。そして、外径D1の大径部はバルブ本体2のAポートに連通するAポート弁室7内に収容されている。
図1(c)に示すように、バルブ本体2には外部流体流路と接続するPポートがバルブ本体2の側面の対向する位置2箇所に形成されており、Pポートはバルブ本体2の内部で回転軸方向に曲がり、Pポート弁体4Pへと連通している。図1(b)に示すように、バルブ本体2の側面にPポートと90度位相で外部流体流路と接続するTポートが2箇所形成されており、Tポートはバルブ本体2の内部で回転軸方向に曲がり、Tポート弁体4Tへと連通している。
PポートおよびTポートから軸方向に曲がってローター大径部へ延びる流路上には、Pポート弁体4PおよびTポート弁体4Tが配置されている。Pポート弁体4PおよびTポート弁体4Tは円筒形状をなし、弁体4P,4Tの外周部に図示しないOリングを配置して弁体外周面が流路内周に僅かな隙間をもって移動可能に且つ水密(気密)に収容されている。
Pポート弁体4PおよびTポート弁体4Tのローター側の端面はローター3の摺動面3Sに面接触するようになっており、Pポート弁体4PおよびTポート4Tの反ローター側とバルブ本体2との間にはバネ8が介装されており、摺動面3Sに作動流体の圧力がない状態でもPポート弁体4PおよびTポート弁体4Tがローター3の摺動面3Sに押圧状態となるように構成されている。
ローター3は、外径D1の大径部から段部が形成されて外径D2に細くなっている。バルブ本体2も同様に内径D1から内径D2に小径になっており、ローター3とバルブ本体2との間にはTポートバランス室20で示す空間が形成されている。ローター3の外径D1の大径部のバルブ本体側内径部には、第1シール11が設けられ、ローター3の外径D2の大径部のバルブ本体側内径部には、第2シール12が設けられている。これにより、Tポートバランス室20で示す空間が密閉されるようになっている。そして、バルブ本体2には、この空間とTポートとを連通するTポート連通孔20hが形成され、Tポートバランス室20の空間がTポートに連通するようになっている。すなわち、Tポートバランス室20にはTポートの圧力がかかるようになっている。
図1に示すロータリーバルブ1においては、第三のポジションでは、図1(c)に示すように、ローター(回転弁体)3の流路が形成されていない摺動面3SとPポート弁体4Pの円筒側面が接触し、ここでPポートの流体が閉止されている。そして、図1(b)に示すように、TポートのTポート弁体4Tが外径D1の大径部に形成した流路3FPに連通し、Tポート弁体4Tの中空部とローター3に形成した流路3FPによりTポートとAポートが連通している状態である。
このとき、Pポート圧力P、Tポート圧力0(大気圧)で、Pポート弁体4Pの外径がDpでN個の弁体があるとき、Pポート弁体4Pとローター(回転弁体)3の摺動面3Sとが接触して流れを閉止するため、バルブ内圧力は、A=T=0となり、ローター3に作用するスラスト力Fは以下のようになる。
ローター3とPポート弁体部分の圧接面で発生するfがPポート弁体N個分だけ作用するため、図中右向きに
F1=(π/4)×Dp×N×P
の力が作用する。
Pポートバランス室10に圧力Pが作用しているため、段部の軸方向面積に圧力Pが作用し、図中左向きに
F2=(π/4)×(D4−D3)×P
の力が作用する。
F1とF2がローター3へ作用するスラスト力になるため、
F=(π/4)×Dp×N×P−(π/4)×(D4−D3)×P
=(π/4)×(Dp×N−D4+D3)×P
のスラスト力がベアリングへ作用する。
次に、図8乃至図10の油圧記号におけるPポートとAポートが接続される第一のポジションにある位置関係を図2に示す。
図2の位置は図1の位置からローターが90度回転して、Pポート弁体4Pとローター3の大径部に形成した流路3FPが連通する位置である。PポートがAポートと連通し、Tポート弁体側はTポート弁体4Tとローター3の摺動面3Sにより流路が閉止される。このため、Aポート弁室7はPポート圧力の高圧空間になる。なお、ローター3の外径D1の大径部の左側面には、ローター3の大径部に形成したAポート連通孔3hによりAポートと同じ圧力がかかっている。
Tポート弁体4Tの外径がDtでM個の弁体があるとき、Tポート弁体4Tとローター(回転弁体)3の摺動面3Sとが接触して流れを閉止するため、バルブ内圧力は、P=Aとなる。
ローター3に図中右方向にかかる力は、バルブ内圧Pで右方向から押される力、即ち、ローター外径D1から軸径D3の差分の面積に、Tポート弁体4Tの圧力がかからない面積を除いた面積に圧力Pがかかる力F1である。
F1=(π/4)×(D1−D3−M×Dt)×P
そして、図中左向きに径部D2の面積に圧力Pが作用する力と、Pポートバランス室10によって左向きに作用する力F2は、
F2=(π/4)×(D2+D4−D3)×P
である。
F1とF2がローターへ作用するスラスト力になるため、
F=(π/4)×(D1−D3−M×Dt)×P−(π/4)×(D2+D4−D3)×P
=π/4×(D1−D2−D4−M×Dt)×P
のスラスト力がベアリングへ作用する。
次に、数値計算例を説明する。
例えば、N=M=2個
Dp=Dt=φ30mm=φ0.030m
D1=φ135mm=φ0.135m
D2=φ120mm=φ0.120m
D3=φ15mm=φ0.015m
D4=φ45mm=φ0.045m
P=21MPa=21×10Pa
のとき、スラスト力Fは、以下の(1)又は(2)になる。
(1)図1に示すローター位置のとき
F=(π/4)×(0.030×2−0.045+0.015)×21×10
=0[N]
(2)図2に示すローター位置のとき
F=(π/4)×(0.135−0.120−0.045−0.030×2)×21×10
=0[N]
となる。(1)および(2)からわかるように、各部の寸法を最適に設定することにより、流体圧力によるスラスト力を平衡させることが出来る。
図3は、本発明のロータリーバルブの第2の実施形態を示す図である。
図3(a)は本発明のロータリーバルブのポート部分を示す断面図、図3(b)は図3(a)のZ−Z線断面図、図3(c)は図3(a)のY−Y線断面図、図3(d)は図3(c)のX−X線断面図である。図3(a)〜(d)に示すように、ロータリーバルブ1は、バルブ本体2と、バルブ本体2内に収容されるとともに回転駆動手段Mにより回転されるローター(回転弁体)3と、ローター3の摺動面3Sと摺動する複数の弁体4T,4Pとを備えている。ローター3はバルブ本体2に固定されたベアリング5を介して軸線Cの周りに回転可能に支持されている。ローター3の摺動面3Sは、回転駆動手段Mに連結された軸部3aに対して垂直かつ平坦になっており、ローター3が回転することにより、摺動面3Sが複数の弁体4T,4Pと摺動するようになっている。
バルブ本体2は、圧力流体が供給されるPポート(圧力ポート)と、Pポートの流体をバルブを介して出力するAポート(出力ポート)と、Aポートの流体をバルブを介して戻すTポート(タンクポート)の3種類のポートを備えている。
図3に示すように、ローター3は外径D4の軸部に設けられた第4シール14により弁内部(流体側)と弁外部(大気側)を分離し、流体をシールしながら回転する。大気側のローター端部には、モータやロータリーアクチュエータなどの回転駆動手段Mが接続されている。ローター3の回転駆動手段側は、外径D4の軸部から段部が形成されて外径D3の軸部に細くなっている。バルブ本体2も同様に内径D4から内径D3に小径になっており、ローター3とバルブ本体2との間にはPポートバランス室10で示す空間が形成されている。ローター3の径D4の軸部のバルブ本体側内径部には第4シール14が設けられ、ローター3の径D3の軸部のバルブ本体側内径部には第3シール13が設けられ、Pポートバランス室10の空間が密閉されるようになっている。そして、この空間とPポートとを連通するPポート連通孔10hが形成され、Pポートバランス室10の空間にPポートの圧力が導入されるようになっている。すなわち、Pポートバランス室10にはPポートの圧力がかかるようになっている。
ローター3は外径D1の大径部を有し、外径D1の大径部を貫通する流路3FPが180度位置に2箇所形成されている。そして、外径D1の大径部はバルブ本体2のAポートに連通するAポート弁室7内に収容されている。
PポートおよびTポートから軸方向に曲がってローター大径部へ延びる流路上には、Pポート弁体4PおよびTポート弁体4Tが配置されている。図3(c)に示すように、バルブ本体2には外部流体流路と接続するPポートがバルブ本体2の側面の対向する位置2箇所に形成されており、Pポートはバルブ本体2の内部で回転軸方向に曲がり、Pポート弁体4Pへと連通している。また、図3(b)に示すように、バルブ本体2の側面にPポートと90度位相で外部流体流路と接続するTポートが2箇所形成されており、Tポートはバルブ本体2の内部で回転軸方向に曲がり、Tポート弁体4Tへと連通している。
PポートおよびTポートから軸方向に曲がってローター大径部へ延びる流路上には、Pポート弁体4PおよびTポート弁体4Tが配置されている。Pポート弁体4PおよびTポート弁体4Tは、円筒形状をなし、弁体4P,4Tの外周部に図示しないOリングを配置して弁体外周面が流路内周に僅かな隙間をもって移動可能に且つ水密に収容されている。
Pポート弁体4PおよびTポート弁体4Tのローター側の端面はローター3の摺動面3Sに面接触するようになっており、Pポート弁体4PおよびTポート4Tの反ローター側とバルブ本体2との間にはバネ8が介装されており、摺動面3Sに作動流体の圧力がない状態でもPポート弁体4PおよびTポート弁体4Tがローター3の摺動面3Sに押圧状態となるように構成されている。
ローター3には、外径D1の大径部から段部が形成されて軸径D5の小径の突出部が形成されている。軸径D5の小径部はバルブ本体2の軸中心に形成された内径D5の凹み部2aに嵌合され、ローター3の端部とバルブ本体2の凹み部2aによりTポートバランス室21で示す空間が形成されている。嵌合部のバルブ本体内径には第5シール15が設けられ、Tポートバランス室21で示す空間が密閉されるようになっている。そして、この空間はバルブ本体2に形成されたTポート連通孔21hによりTポートに連通するようになっている。すなわち、Tポートバランス室21にはTポートの圧力がかかるようになっている。バルブ本体2には、Aポートからローター大径部に流体を導くAポート内部流路25が複数形成されている。複数のAポート内部流路25は軸線Cのまわりに等角度間隔で配置されている。Tポート連通孔21hは、図中破線で示すようにバルブ本体2のAポート内部流路25を避けるように形成されている。
図3において、Pポート圧力P、Tポート圧力0のとき、第3シール13のシール径がD3、第4シール14のシール径がD4であるから、Pポート弁体4Pの外径がDpでN個の弁体があるとき、Pポート弁体4Pとローター(回転弁体)3の摺動面3Sとが接触して流れを閉止するため、バルブ内圧力は、A=T=0となる。
ローター3に作用するスラスト力Fは、ローター3とPポート弁体部分の圧接面とPポートバランス室10で発生し、その大きさは、Pポート弁体部分の軸方向受圧面積と内圧Pの積とPポートバランス室10の受圧面積と内圧Pの積の差となるため、
F=(π/4)×Dp×N×P−(π/4)×(D4−D3)×P
=(π/4)×(Dp×N−D4+D3)×P
次に、図8乃至図10の油圧記号におけるPポートとAポートが接続される第一のポジションにある位置関係を図4に示す。
図4の位置は図3の位置からローターが90度回転して、Pポート弁体4Pとローター3の大径部に形成した流路3FPが連通する位置である。PポートがAポートと連通し、Tポート弁側はTポート弁体4Tとローター3の摺動面3Sにより流路が閉止される。このため、Aポート弁室7はPポート圧力の高圧空間になる。
Tポート弁体4Tの外径がDtでM個の弁体があるとき、Tポート弁体4Tとローター3の摺動面3Sとが接触して流れを閉止するため、バルブ内圧力は、P=Aとなる。
ローター3に図中右方向にかかる力は、バルブ内圧Pで右方向から押される力、即ち、ローター外径D1から軸径D3の差分の面積に、Tポート弁体4Tの圧力がかからない面積を除いた面積に圧力Pがかかる力F1である。
F1=(π/4)×(D1−D3−M×Dt)×P
そして、図中左向きにローター外径D1から軸径D5の差分の面積に圧力Pが作用する力と、Pポートバランス室10によって左向きに作用する力F2は、
F2=(π/4)×(D1−D5+D4−D3)×P
したがって、ベアリングに作用するスラスト力Fは
F=(π/4)×(D5−D4−M×Dt)×P
となる。
次に、数値計算例を説明する。
例えば、N=M=2個
Dp=Dt=φ30mm=φ0.030m
D3=φ15mm=φ0.015m
D4=φ45mm=φ0.045m
D5=φ62mm=φ0.062m
P=21MPa=21×10Pa
のとき、スラスト力Fは、以下の(1)又は(2)になる。
(1)図3に示すローター位置のとき
F=(π/4)×(0.030×2−0.045+0.015)×21×10
=0[N]
(2)図4に示すローター位置のとき
F=(π/4)×(0.062−0.045−0.030×2)×21×10
=313[N]
となる。(1)および(2)からわかるように、各部の寸法を最適に設定することにより、流体圧力によるスラスト力を低減させることが出来る。
図5は、本発明のロータリーバルブの第3の実施形態を示す図である。
本実施形態のロータリーバルブは、第2の実施形態の変形例として、面シールによりバランス室を形成するもので、一部を除き、図3および図4に示すロータリーバルブの構成と同様である。
図5(a)は本発明のロータリーバルブのポート部分を示す断面図、図5(b)は図5(a)のZ−Z線断面図、図5(c)は図5(a)のY−Y線断面図、図5(d)は図5(c)のX−X線断面図である。図5(a)〜(d)に示すように、ロータリーバルブ1は、バルブ本体2と、バルブ本体2内に収容されるとともに回転駆動手段Mにより回転されるローター(回転弁体)3と、ローター3の摺動面3Sと摺動する複数の弁体4T,4Pとを備えている。ローター3はバルブ本体2に固定されたベアリング5を介して軸線Cの周りに回転可能に支持されている。ローター3の摺動面3Sは、回転駆動手段Mに連結された軸部3aに対して垂直かつ平坦になっており、ローター3が回転することにより、摺動面3Sが複数の弁体4T,4Pと摺動するようになっている。
バルブ本体2は、圧力流体が供給されるPポート(圧力ポート)と、Pポートの流体をバルブを介して出力するAポート(出力ポート)と、Aポートの流体をバルブを介して戻すTポート(タンクポート)の3種類のポートを備えている。
図5において、ローター3の外径D1の大径部における摺動面3Sとは反対側の面3RSは平坦面になっており、中心部にリング状の第6シール16が設けられている。バルブ本体2のAポート側の中心部は円柱状に突出し、ローター3に設けられた第6シール16と面接触するように構成され、第6シール16の内側にTポートバランス室22で示す空間が形成されている。そして、Tポートバランス室22で示す空間はバルブ本体2に形成されたTポート連通孔22hによりTポートに連通するようになっている。すなわち、このTポートバランス室22にはTポートの圧力がかかるようになっている。バルブ本体2にはAポートからローター大径部に流体を導くAポート内部流路25が複数形成されている。複数のAポート内部流路25は軸線Cのまわりに等角度間隔で配置されている。Tポート連通孔22hは、図中破線で示すようにバルブ本体2のAポート内部流路25を避けるように形成されている。その他の構成は、図3および図4に示すロータリーバルブと同様である。
次に、図8乃至図10の油圧記号におけるPポートとAポートが接続される第一のポジションにある位置関係を図6に示す。
図6の位置は図5の位置からローターが90度回転して、Pポート弁体4Pとローター3の大径部に形成した流路3FPが連通する位置である。
このとき、ローターの圧力バランスは、図3および図4で説明した径D5の軸部が径D6の面シールになったものと置き換えることができるので、図5に示すローター位置におけるローターに作用する力、すなわちベアリングに作用するスラスト力は、
F=(π/4)×(Dp×N−D4+D3)×P
となる。
図6に示すローター位置におけるローターに作用する力、すなわちベアリングに作用するスラスト力は、
F=(π/4)×(D6−D4−M×Dt)×P
となる。
数値計算例は省略するが、第二の実施形態と同様に従来の圧力バランス室を設けない場合に比べて、ベアリングに作用するスラスト力を低減することができる。
第6シール16から構成される平面シールとしては、メカニカルシール等を適用することができ、またローター内部にシール部材を設けてバネ力などでシール部材をバルブ本体の面に力を付勢するように構成することも可能である。
また、図5および図6に示す実施形態においては、バルブ本体側に円柱状の突出部を形成したが、ローター側の摺動面の反対側に軸を伸ばす形で、図3および図4に示す実施形態のように小径部を形成し、バルブ本体側の壁面と面シールによって空間(Tポートバランス室)を形成するように構成してもよい。
これまで本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術思想の範囲内において、種々の異なる形態で実施されてよいことは勿論である。
例えば、実施形態では、シールをバルブ本体の内径に溝を加工してはめ込む内径シールとしているが、ローター側の外径に溝を加工してはめ込む外周シールであっても同様の効果が得られる。
また、実施形態では、弁体をバルブ本体(固定側)の流路に嵌装するように配置し、平坦な摺動面(圧接面)をローター(回転側)に配置しているが、弁体をローター(回転側)に配置し、バルブ本体(固定側)に摺動面を有する平坦面とすることも可能である。
実施形態において弁体をローターに押し付けているばね力は、ローター回転時の弁体のスティックスリップ等の現象を防止するためのものであって、このばね力は流体圧力によるスラスト力に比べてはるかに小さいため、本発明に影響を与えるものではない。
本発明のロータリーバルブは、流体の方向切換弁に関し、特に、海水淡水化システムなどの大流量化や高圧化を必要とする流体を取り扱うシステムに適用可能であり、これまで使用できなかった分野の切換弁にも適用可能とするものである。
1 ロータリーバルブ
2 バルブ本体
3 ローター(回転弁体)
3a 軸部
3FP 流路
3h Aポート連通孔
3S 摺動面
4T Tポート弁体
4P Pポート弁体
5 ベアリング
7 Aポート弁室
8 バネ
10 Pポートバランス室
10h Pポート連通孔
11 第1シール
12 第2シール
13 第3シール
14 第4シール
15 第5シール
16 第6シール
20,21,22 Tポートバランス室
20h,21h,22h Tポート連通孔
25 Aポート内部流路

Claims (4)

  1. バルブ本体と、該バルブ本体に回転可能に収容されるローターと、該ローター又は前記バルブ本体に設けられた摺動面と摺動する弁体とを備え、ローターの回転によりローターの流路と弁体の流路を連通又は閉止することで流体の流路切換を行うロータリーバルブにおいて、
    前記ローターと前記バルブ本体とにより空間を形成し、該空間を水密又は気密に密閉するシールを配置し、該空間を作動流体の供給ポート又は作動流体の排出ポートに連通したことを特徴とするロータリーバルブ。
  2. 前記ローターは前記流路を有する大径部と、該大径部より小径の部分であって外部回転駆動手段に連結される軸部とを備え、前記大径部に段部を設けて小径部を形成し、前記段部および小径部と前記バルブ本体とにより前記空間を形成し、該空間を作動流体の排出ポートに連通したことを特徴とする請求項1に記載のロータリーバルブ。
  3. 前記ローターは前記流路を有する大径部と、該大径部より小径の部分であって外部回転駆動手段に連結される軸部とを備え、該軸部に段部を設けて小径部を形成し、前記段部および小径部と前記バルブ本体とにより前記空間を形成し、該空間を作動流体の供給ポートに連通したことを特徴とする請求項1に記載のロータリーバルブ。
  4. 前記ローターは前記流路を有する大径部と、該大径部より小径の部分であって外部回転駆動手段に連結される軸部とを備え、前記大径部における前記摺動面側と反対側の面と前記バルブ本体の側面とにより前記空間を形成し、該空間を作動流体の排出ポートに連通したことを特徴とする請求項1に記載のロータリーバルブ。
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