JP2014201538A - ピロールカルボン酸類の製造方法 - Google Patents

ピロールカルボン酸類の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】1H-ピロール類を二酸化炭素と反応させてピロール骨格にカルボキシル基を1MPa以下の低圧下で直接に導入し、二酸化炭素を炭素源として利用すると共に、医薬や農薬等の製造原料として有用なピロールカルボン酸類を容易に製造することができる新規なピロールカルボン酸類の製造方法の提供。
【解決手段】反応溶媒中で触媒の存在下に1H-ピロール類を二酸化炭素で直接カルボキシル化してピロール骨格にカルボキシル基を導入するに際し、前記触媒として塩基触媒を1H-ピロール類に対して過剰に使用し、1MPa以下の低圧下でピロール骨格にカルボキシル基を導入してピロールカルボン酸類を製造する。前記塩基触媒がリチウムt−ブトキシドである。
【選択図】なし

Description

この発明は、反応溶媒中で触媒の存在下に1H-ピロール類を二酸化炭素と反応させてピロール骨格にカルボキシル基を直接に導入し、二酸化炭素を炭素源として利用すると共に、医薬、農薬、化粧料等の製造原料として有用なピロールカルボン酸類を製造する新規なピロールカルボン酸類の製造方法に関する。
近年、各種のピロールカルボン酸類から誘導される種々のピロールカルボン酸誘導体に関して、幾つかの重要な生物学的活性、例えばD-アミノ酸酸化酵素阻害剤としての活性、グルコキナーゼ活性化作用やミネラルコルチコイド受容体拮抗作用等が発見され、糖尿病や、高血圧、狭心症、うっ血性心不全、腎症、動脈硬化、脳梗塞等の多種多様な疾患の予防薬や治療薬としての利用が期待されている(例えば、特許文献1〜6、非特許文献1参照)。
また、このような生物学的活性を有する各種のピロールカルボン酸誘導体の製造に用いられるピロールカルボン酸類についても、これまでに幾つかの製造方法が提案されており、1H-ピロール類に二酸化炭素を反応させてピロール骨格にカルボキシル基を直接に導入する直接カルボキシル化反応に関しても、例えば、特許文献1には、1H-ピロールと二酸化炭素とを、炭酸塩(n-C5H11NaCO3)又はグリニャール試薬の存在下に、二酸化炭素が超臨界状態(31℃以上で7.3MPa以上)又は亜超臨界状態(7.3MPa以上で25℃以上31℃未満又は31℃以上で3MPa以上7.3MPa未満)になる条件下で反応させてピロール2-カルボン酸を製造する方法が記載されており、また、特許文献2には、ピロール化合物を脱炭酸する作用を有する酵素活性物質(バチラス・メガテリウム菌体)及び炭酸塩(KHCO3)の存在下に、1H-ピロールに亜臨界二酸化炭素又は超臨界二酸化炭素を作用させてピロール2-カルボン酸を製造する方法が記載されている。更に、非特許文献1においては、トルエン−ヘキサンの溶媒中ジメチルアルミニウムクロライド(Me2AlCl; aluminum-based Lewis acid触媒)の存在下に、室温下に3.0MPaの条件で1H-ピロール (3d)をカルボキシル化する方法が開示されている。
しかしながら、これら特許文献1及び2の直接カルボキシル化反応においては、いずれも3MPa(約30atm)以上の加圧下で反応させることが必須であり、反応容器としてステンレス製オートクレーブ等の高圧高温に耐えられる耐圧反応容器が必要になり、小規模でのピロールカルボン酸類の製造は可能であるものの、大規模な操業を必要とする工業的なピロールカルボン酸類の製造には不向きである。
ところで、持続可能な社会にとっては再生可能な資源の利用が不可欠であるとし、これまでにも二酸化炭素を炭素源として利用する幾つかの試みが提案されているが、一方で、二酸化炭素を炭素源として利用することについては、魅力的ではあるものの、二酸化炭素が炭素の最も酸化された状態にあることから、この二酸化炭素を別の物質に変換させるためには大きなエネルギーが必要になり、簡単ではないことも指摘されている(非特許文献2参照)。このため、二酸化炭素を比較的小さなエネルギーで、かつ、大規模に有用な別の物質に変換させる新たな技術の開発が期待されている。
特開2002-265,440号公報 特開2003-093,088号公報 特表2009-511,462号公報 WO2009/099080号公報 特開2010-077,166号公報 特開2010-111,657号公報
Koji Nemoto, Satoru Onozawa, Naoki Egusa, Naoya Morohashi, and Tetsutaro Hattori, Tetrahedron Letters, Vol.50 (2009) pp.4512-4514 Toshiyasu Sakakura, Jun-Chul Choi, and Hiroyuki Yasuda, Chemical Reviews, 2007, Vol. 107, No. 6 pp2365-2387
そこで、本発明者らは、3MPa(30atm)を超える特別な耐圧反応容器等を用いることなく、1H-ピロール類に二酸化炭素を反応させてピロール骨格にカルボキシル基を1MPa以下の低圧下で直接に導入し、目的のピロールカルボン酸類を比較的高い収率で製造することについて鋭意検討した結果、触媒として塩基触媒を1H-ピロール類に対して過剰に使用することにより達成できることを見出し、本発明を完成した。
従って、本発明の目的は、1H-ピロール類を二酸化炭素と反応させてピロール骨格にカルボキシル基を1MPa以下の低圧下で直接に導入し、二酸化炭素を炭素源として利用すると共に、医薬や農薬等の製造原料として有用なピロールカルボン酸類を容易に製造することができる新規なピロールカルボン酸類の製造方法を提供することにある。
すなわち、本発明の要旨は以下の通りである。
(1) 反応溶媒中で触媒の存在下に1H-ピロール類を二酸化炭素で直接カルボキシル化してピロール骨格にカルボキシル基を導入するに際し、前記触媒として塩基触媒を1H-ピロール類に対して過剰に使用し、1MPa以下の低圧下でピロール骨格にカルボキシル基を導入してピロールカルボン酸類を製造することを特徴とするピロールカルボン酸類の製造方法。
(2) 前記反応溶媒が、非プロトン性極性溶媒である前記(1)に記載のピロールカルボン酸類の製造方法。
(3) 前記塩基触媒が、アルカリ金属のアルコキシドである前記(1)又は(2)に記載のピロールカルボン酸類の製造方法。
(4) 前記アルカリ金属のアルコキシドが、リチウムt-ブトキシド(LiOtBu)である前記(3)に記載のピロールカルボン酸類の製造方法。
(5) 前記塩基触媒の使用量が、1H-ピロール類の2〜6倍当量である前記(1)〜(4)のいずれかに記載のピロールカルボン酸類の製造方法。
(6) 前記塩基触媒の使用量が、ピロールの3〜5倍当量である前記(5)に記載のピロールカルボン酸類の製造方法。
(7) 1H-ピロール類が、ピロール骨格の2位に又は2位及び5位に、電子供与性の置換基を有する前記(1)〜(6)のいずれかに記載のピロールカルボン酸類の製造方法。
(8) 前記直接カルボキシル化反応により得られた反応生成物を回収するに際し、前記反応生成物のカルボキシル基をハロゲン化アルキルによりアルキル化して回収する前記(1)〜(7)のいずれかに記載のピロールカルボン酸類の製造方法。
(9) 前記ハロゲン化アルキルがヨウ化アルキルである前記(8)に記載のピロールカルボン酸類の製造方法。
本発明によれば、1H-ピロール類と二酸化炭素とを1MPa以下の低圧下で直接に反応させてピロール骨格にカルボキシル基を容易に導入することができ、二酸化炭素を炭素源として利用できるだけでなく、医薬や農薬等の製造原料として有用なピロールカルボン酸類を工業的に容易に製造することができる。
以下、本発明のピロールカルボン酸類の製造方法について、詳細に説明する。
本発明者らは、先の出願(特願2012-214,919号出願)に係る発明「インドール3-カルボン酸類の製造方法」において、過剰の塩基触媒を用いた二酸化炭素による1H-インドール類の直接カルボキシル化反応の反応機構について詳細に検討を行った。そして、その検討の中で、1H-ピロール類の直接カルボキシル化反応も、インドール類の場合と同様の反応機構によりカルボキシル化反応が進むものと考え、本発明に到達した。なお、N-置換ピロール類については、本発明の直接カルボキシル化反応が進まなかった。
すなわち、インドール類の直接カルボキシル化反応は、J. Bergman, L. Venemalm, J. Org. Chem. 57 (1992), p2495に記載された考え方からして、下記の反応機構の通り、インドール(1a)にリチウムt-ブトキシド(LiOtBu)が作用すると、先ずインドール(1a)の脱プロトンがN-Hプロトンで起こって中間体(3)が生成し、次いで二酸化炭素(CO2)をトラップして中間体のN-カルボキシル化物(5)が生成し、これらの中間体(3)、(5)は想定される他の中間体(4)及びC-3カルボキシル化物(6)と間で平衡関係にあり、これらの中間体(3)〜(6)が高められた反応温度でインドール3-カルボン酸(2a)を生成する方向に動くと考えられる。
Figure 2014201538
本発明において、反応原料として使用し得る1H-ピロール類については、ピロール骨格のいずれかの位置にカルボキシル基を導入する余地があれば特に制限されるものではないが、1H-ピロールを始めとして、メチル基等のアルキル基、フェニル基等のアリール基、水酸基、メトキシ基等のアルコキシ基、アミノ基、モノメチルアミノ基やジメチルアミノ基等のアルキル置換アミノ基等の電子供与性の置換基を有する化合物や、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基、アセチル基やベンゾイル基等のアシル基、ニトロ基、スルホン酸基等の電子求引性の置換基を有する化合物や、前記電子供与性又は電子求引性の置換基に更に他の置換基が置換した置換基を有する化合物を挙げることができ、反応性の観点からは、好ましくはピロール骨格の2位に、又は、2位及び5位に電子供与性の置換基を有する1H-ピロール類である。本発明によれば、広範囲の1H-ピロール類について、そのピロール骨格の1〜5位にカルボキシル基を導入することができる。
また、本発明において、触媒として使用する塩基触媒については、反応原料として使用する1H-ピロール類により適宜選択できるものであるが、インドール類の直接カルボキシル化反応の場合と同様に、好ましくはアルカリ金属のアルコキシド又は炭酸塩であるのがよく、特に好適な具体例としては、リチウムt-ブトキシド(LiOtBu)を例示することができる。
ここで、前記塩基触媒の使用量については、少なくとも1H-ピロール類の使用量に対して過剰であることが必要であり、その下限については、好ましくは1H-ピロール類の2倍当量以上であり、より好ましくは3倍当量以上であり、また、その上限については、特に制限されるものではないが、1H-ピロール類の6倍当量を超えて使用しても収率の向上効果が期待できない。この塩基触媒の使用量については、1H-ピロール類の種類によっても異なるが、3〜5倍当量の使用で収率の向上効果がほぼ飽和すると考えられる。
また、本発明において、使用する反応溶媒については、特に制限されるものではないが、反応系の加温又は加熱時に比較的低揮発性であり、好ましくは50℃以上、より好ましくは60℃以上に加熱できるものがよく、また、非プロトン性極性溶媒であるのがよく、好適な具体例としては、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMA)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N-メチルピロリドン(NMP)、ヘキサメチルホスホルアミド、ニトロメタン等の溶媒を例示することができる。
本発明において、反応溶媒中で塩基触媒の存在下に1H-ピロール類を二酸化炭素と反応させる際の反応条件については、特に制限されるものではないが、工業的な反応設備や製造プロセス等を考慮すると、反応温度が通常室温以上300℃以下、好ましくは50℃以上200℃以下程度であって、反応時間が1時間以上36時間以下、好ましくは2時間以上24時間以下であるのがよい。また、反応系内への二酸化炭素の供給については、反応系内を二酸化炭素の雰囲気にしたり、あるいは、不活性ガス等の他の気体との混合ガスの雰囲気にすることにより行うことができ、この際の反応時の二酸化炭素の圧力(不活性ガス等の他の気体との混合ガスとして用いた場合には混合ガスの圧力)については、工業的な反応設備や製造プロセス等を考慮すると、下限が0.05MPa以上で上限が1MPa程度以下であるのがよく、好ましくは0.05MPa以上0.5MPa以下であるのがよく、より好ましくは実質的に大気圧(1atm; 0.1MPa)程度であるのがよい。本発明の製造方法は、反応時の二酸化炭素の圧力を大幅に低減できることに大きな利点がある。
また、本発明においては、必要により前記塩基触媒以外の他の触媒を併用してもよく、この目的で使用するのに好適な併用触媒としては、例えば、パラジウム(Pd)、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)等の各種の遷移金属の酢酸塩や、これら各種の遷移金属を中心原子とする例えばアセチルアセトナト錯体等の各種の錯体等を挙げることができる。
本発明のピロールカルボン酸類の製造方法において、1H-ピロール類と二酸化炭素との反応系においては、ピロール骨格にカルボキシル基が導入されるカルボキシル化反応と、このピロール骨格に導入されたカルボキシル基がピロール骨格から脱離する脱カルボキシル化反応とが競争的に起こっていると考えられるところ、1H-ピロール類に対して過剰の塩基触媒が存在する条件下では上記の脱カルボキシル化反応が抑制され、結果としてカルボキシル化反応が促進されるものと考えられる。
本発明においては、反応原料として使用する1H-ピロール類、特にその置換基の種類にもよるが、前記直接カルボキシル化反応により得られたピロールカルボン酸類には比較的不安定な化合物が存在するので、反応混合物中から反応生成物のピロールカルボン酸類を回収するに際し、必要により例えば反応生成物のカルボキシル基をアルキル化してアルコキシカルボニル基に変えて保護し、分離してから、あるいは、分離後に精製してからアルキル基を外して目的物のピロールカルボン酸類を回収してもよい。この目的で用いるアルキル化剤としては、好適にはハロゲン化アルキルであり、特にヨウ化メチル等のヨウ化アルキルが好ましい。
以下、実施例及び比較例に基づいて、本発明の方法をより具体的に説明する。
〔実施例1〕
1H-ピロール類として2-フェニルピロールを用い、反応容器に2-フェニルピロール28.6mg(0.2 mmol, 1 equiv.)とリチウムt-ブトキサイド(LiOtBu)80mg(1 mmol, 5 equiv.)とを仕込み、この反応容器内を高真空下で脱気した後、二酸化炭素で膨らませた風船を用いて反応容器内の雰囲気を大気圧下の二酸化炭素雰囲気に置き換えた。その後、反応容器内にDMF(1 mL)を添加し、得られた混合物を100℃及び24時間の条件で撹拌下に反応させた。
反応終了後、得られた反応混合物を室温にまで冷却し、次いでヨウ化メチル(MeI)60μL(1 mmol, 5 equiv.)を添加し、60℃で2時間加熱してメチル化反応を行った。
反応終了後、反応混合物を再び室温にまで冷却し、5mLの水と1mLの2N-塩酸とで希釈し、次いで10mLの酢酸エチル(EtOAc)を用いて反応生成物の抽出を3回繰り返した。得られた有機相を10mLの塩水(Brine)で2回洗浄した後、無水硫酸マグネシウム(MgSO4)を用いて乾燥させた。その後、酢酸エチルを減圧下に留去し、残渣を用意したTLC(EtOAc:n-Hexane=3:7)で精製し、目的物のカルボキシル化生成物を得た。
この実施例1で得られた目的物のメチル1-メチル-5-フェニル-1H-ピロール-2-カルボキシレート(モノカルボキシル化生成物)と、ジメチル1-メチル-5-フェニル-1H-ピロール-2,4-ジカルボキシレート(ジカルボキシル化生成物)とについて、それぞれ2-フェニルピロールに基づく収率を求めると共に、1H-NMR(500MHz, CDCl3)分析、13C-NMR(100MHz, CDCl3)分析、及びMS(DART, CHCl3)分析により確認をした。なお、上記のメチル化反応において、NHフリーの生成物は5質量%未満の痕跡程度であった。
以下に、得られた結果を示すと共に、この実施例1における反応式を示す。
〔モノカルボキシル化生成物〕
収率:37質量%(16 mg)
1H-NMR(500MHz, CDCl3):7.33-7.43(m, 5H), 6.99(d, J=4Hz, 1H), 6.17(d, J=4Hz, 1H), 3.85(s, 3H), 3.80(s, 3H)
MS(DART, CHCl3):216.0932(M+H)
〔ジカルボキシル化生成物〕
収率:46質量%(25 mg)
1H-NMR(500MHz, CDCl3):7.29-7.39(m, 5H), 6.46(d, J=1.7Hz, 1H), 3.84(s, 3H), 3.78(s, 3H), 3.67(s, 3H)
13C-NMR(100MHz, CDCl3):165.03, 162.07, 138.55, 131.35, 130.60, 129.41, 128.59, 125.49, 120.12, 110.56, 52.11, 51.77, 34.38
MS(DART, CHCl3):274.0911(M+H)
Figure 2014201538
〔実施例2〕
1H-ピロール類として2,5-ジメチルピロールを用い、反応容器に2,5-ジメチルピロール38mg(0.4 mmol, 2 equiv.)とリチウムt-ブトキサイド(LiOtBu)160mg(2 mmol, 5 equiv.)とを仕込んだ以外は、実施例1と同様にして目的物のカルボキシル化生成物を得た。
得られた目的物のジメチル2,5-ジメチル-1H-ピロール-3,4-ジカルボキシレート(ジカルボキシル化生成物1)と、ジメチル1,2,5-トリメチルピロール-3,4-ジカルボキシレート(ジカルボキシル化生成物2)とについて、それぞれ2,5-ジメチルピロールに基づく収率を求めると共に、1H-NMR(400MHz, CDCl3)分析により確認をした。
以下に、得られた結果を示すと共に、実施例2における反応式を示す。
〔ジカルボキシル化生成物1〕
収率:35質量%
1H-NMR(400MHz, CDCl3):8.42(brs, 1H), 3.78(s, 6H), 2.31(s, 6H)
〔ジカルボキシル化生成物2〕
収率:6質量%
1H-NMR(400MHz, CDCl3):3.72(s, 6H), 3.33(s, 3H), 2.30(s, 3H)
Figure 2014201538
〔実施例3、4及び比較例1〕
1H-ピロール類として2,5-ジメチルピロールを用い、実施例3では2,5-ジメチルピロールに対して5倍当量のリチウムt-ブトキサイド(LiOtBu)を、実施例4では2,5-ジメチルピロールに対して3倍当量のリチウムt-ブトキサイド(LiOtBu)を、また、比較例1では1倍当量のリチウムt-ブトキサイド(LiOtBu)をそれぞれ仕込み、また、ヨウ化メチルによるメチル化を行わなかったことを除いて、上記実施例1と同様にして目的物のカルボキシル化生成物を得た。
1H-ピロール類として用いた2,5-ジメチルピロールの回収率(副生成物を含む)と、得られた主生成物である2,5-ジメチルピロール-3,4-ジカルボキシレート(ジカルボキシル化生成物;ジ体)及び2,5-トリメチル-ピロール-3-モノカルボキシレート(モノカルボキシル化生成物;モノ体)の2,5-ジメチルピロールに基づく収率とを、NMR分析により求めた。
以下に、得られた結果を表1に示すと共に、これら実施例3、4及び比較例1における反応式を示す。
Figure 2014201538
Figure 2014201538
〔実施例5〕
1H-ピロール類としてピロール2-カルバルドイミン(pyrrole-2-carbaldimine)を用い、反応容器にピロール2-カルバルドイミン40mg(0.2 mmol, 1 equiv.)とリチウムt-ブトキサイド(LiOtBu)80mg(1 mmol, 5 equiv.)とを仕込み、また、メチル化反応が終了して室温にまで冷却した後に10分間激しく撹拌しながら2mLの2N-塩酸水溶液を加える処理を行った以外は、上記実施例1と同様にして目的物のカルボキシル化生成物を得た。
この実施例5で得られた目的物のメチル1-メチル-5-ホルミルピロール-2-カルボキシレート(モノカルボキシル化生成物)について、ピロール2-カルバルドイミンに基づく収率を求めると共に、1H-NMR(600MHz, CDCl3)分析、及び13C-NMR(150MHz, CDCl3)分析により確認をした。
以下に、得られた結果を示すと共に、この実施例5における反応式を示す。
〔モノカルボキシル化生成物〕
収率:50質量%(25mg)
1H-NMR(600MHz, CDCl3):9.72(s, 1H, CHO), 6.92(d, J=4Hz, 1H), 6.87(d, J=4Hz, 1H), 4.28(s, 3H), 3.87(s, 3H)
13C-NMR(150MHz, CDCl3):181.3, 161.3, 135.4, 129.7, 121.9, 116.8, 51.8, 34.5
Figure 2014201538
〔実施例6〕
1H-ピロール類として(E)-メチル-3-(1H-ピロール-2-イル)アクリレートを用い、反応容器にこの1H-ピロール化合物60mg(0.4 mmol, 2 equiv.)とリチウムt-ブトキサイド(LiOtBu)160mg(2 mmol, 5 equiv.)とを仕込んだ以外は、上記実施例1と同様にして、ピロール骨格の2位にメトキシカルボニル基が導入された目的物のカルボキシル化生成物を得た。
この実施例6で得られた目的物のモノカルボキシル化生成物について、原料のピロール化合物に基づく収率を求めると共に、1H-NMR(400MHz, CDCl3)分析、及び13C-NMR(100MHz, CDCl3)分析により確認をした。
以下に、得られた結果を示すと共に、この実施例5における反応式を示す。
〔モノカルボキシル化生成物〕
収率:48質量%
1H-NMR(400MHz, CDCl3): 7.54(d, J=16Hz, 1H), 6.87(d, J=6Hz, 1H), 6.52(d, J=6Hz, 1H), 6.24(d, J=16Hz, 1H), 3.93(s, 3H), 3.75(s, 3H), 3.72(s, 3H)
13C-NMR(100MHz, CDCl3):167.3, 161.4, 135.2, 132.4, 131.4, 127.0, 125.5, 118.0, 117.6, 112.2, 111.9, 109.9, 109.3, 51.7, 51.3, 32.4
Figure 2014201538
〔実施例7〜9〕
1H-ピロール類として1H-ピロールを用い、実施例7では1H-ピロールに対して5倍当量のリチウムt-ブトキサイド(LiOtBu)を、実施例8では1H-ピロールに対して3倍当量のリチウムt-ブトキサイド(LiOtBu)を、また、実施例9では1倍当量のリチウムt-ブトキサイド(LiOtBu)をそれぞれ仕込み、また、実施例9では反応温度を60℃とし、更に、ヨウ化メチルによるメチル化を行わなかったことを除いて、上記実施例1と同様にして目的物のカルボキシル化生成物を得た。
1H-ピロール類として用いた1H-ピロールの回収率(副生成物を含む)と、得られたカルボキシル化生成物であるピロール-1-カルボキシレート(モノカルボキシル化生成物;N-置換体)及び1H-ピロール-2-カルボキシレート(モノカルボキシル化生成物;2-置換体)の1H-ピロールに基づく収率とを、NMR分析により求めた。
以下に、得られた結果を表2に示すと共に、これら実施例7〜9における反応式を示す。
Figure 2014201538
Figure 2014201538
〔実施例10〕
1H-ピロール類としてメチル1H-ピロール-2-カルボキシレートを用い、反応容器にメチル1H-ピロール-2-カルボキシレート50mg(0.4 mmol, 2 equiv.)とリチウムt-ブトキサイド(LiOtBu)160mg(2 mmol, 5 equiv.)とを仕込んだ以外は、上記実施例1と同様にして1個のメトキシカルボニル基が導入されて合計2個のメトキシカルボニル基を有する目的物のカルボキシル化生成物を得た。
この実施例10で得られた目的物のカルボキシル化生成物について、原料のピロール化合物に基づく収率を求めると共に、1H-NMR(400MHz, CDCl3)分析により確認をした。なお、メトキシカルボニル基が導入された置換位置については特定できなかった。
以下に、得られた結果を示すと共に、この実施例10における反応式を示す。
〔モノカルボキシル化生成物〕
収率:10質量%
1H-NMR(400MHz, CDCl3): 7.31(d, J=16Hz, 1H), 3.92(s, 3H), 3.81(s, 3H), 3.79(s, 3H)
Figure 2014201538

Claims (9)

  1. 反応溶媒中で触媒の存在下に1H-ピロール類を二酸化炭素で直接カルボキシル化してピロール骨格にカルボキシル基を導入するに際し、
    前記触媒として塩基触媒を1H-ピロール類に対して過剰に使用し、1MPa以下の低圧下でピロール骨格にカルボキシル基を導入してピロールカルボン酸類を製造することを特徴とするピロールカルボン酸類の製造方法。
  2. 前記反応溶媒が、非プロトン性極性溶媒である請求項1に記載のピロールカルボン酸類の製造方法。
  3. 前記塩基触媒が、アルカリ金属のアルコキシドである請求項1又は2に記載のピロールカルボン酸類の製造方法。
  4. 前記アルカリ金属のアルコキシドが、リチウムt-ブトキシド(LiOtBu)である請求項3に記載のピロールカルボン酸類の製造方法。
  5. 前記塩基触媒の使用量が、1H-ピロール類の2〜6倍当量である請求項1〜4のいずれかに記載のピロールカルボン酸類の製造方法。
  6. 前記塩基触媒の使用量が、ピロールの3〜5倍当量である請求項5に記載のピロールカルボン酸類の製造方法。
  7. 1H-ピロール類が、ピロール骨格の2位に又は2位及び5位に、電子供与性の置換基を有する請求項1〜6のいずれかに記載のピロールカルボン酸類の製造方法。
  8. 前記直接カルボキシル化反応により得られた反応生成物を回収するに際し、前記反応生成物のカルボキシル基をハロゲン化アルキルによりアルキル化して回収する請求項1〜7のいずれかに記載のピロールカルボン酸類の製造方法。
  9. 前記ハロゲン化アルキルがヨウ化アルキルである請求項8に記載のピロールカルボン酸類の製造方法。
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