JP2014200649A - 大震災時における公的大規模避難所のシャワー設備 - Google Patents
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Abstract
【課題】大震災時に大規模停電、水道水の大規模断水が起こった時に汲み上げられたプール用水等を1000人単位の大規模避難所の人々にシャワーの利用を可能とする避難所用シャワー設備を提供する。
【解決手段】1人1回の使用量を限定するための計量槽9と、その水を利用者が自分流に比較的自由に使用するための2次的受槽、即ち利用槽10を連続設置し、利用槽10を1m以上の高さに設置し、軽量槽9と利用槽10は、シャワー室の外部に隣接して設置する。
【選択図】図3
【解決手段】1人1回の使用量を限定するための計量槽9と、その水を利用者が自分流に比較的自由に使用するための2次的受槽、即ち利用槽10を連続設置し、利用槽10を1m以上の高さに設置し、軽量槽9と利用槽10は、シャワー室の外部に隣接して設置する。
【選択図】図3
Description
本発明は平成23年3月11日の東日本大震災時のごとき非常時において、大規模停電、大規模断水となった時に本願発明者等による特許第4587020号「非常時用自転車駆動ペリスタルティック(Peristaltic)ポンプ装置」によって汲み上げられた河川、沼、海水等自然の水及び公立私立の学校等のプール水、ビル等の地下貯水用水等の水を非常時用シャワー用水として特に地方公共団体の大規模避難所のシャワー設備に供する技術に関する。当然のことながら前記以外にシャワー用水があれば、それも使用可能である。
近年我国においては、平成7年の阪神淡路大震災、平成23年3月11日の東日本大震災と歴史的な大震災が続いております。大規模避難所の生活において食料、飲料水の不足は論を待ちませんがトイレ、シャワー等の水の不足が深刻な問題でした。ここで特にプール用水をシャワー用水化することに関しての先願の特許、実用新案の諸技術について記載する。
特開平9−71979 特開平9−221926 実用新案登録第3065687号 特開2002−316148 特開2003−190989 特開2004−148256 特開2006−218401
しかしながら特許文献1に開示したものは、プール用水を目的に応じた水質の水に分けるよう停電時でも作動可能なエンジン式ポンプを使用し、飲料水製造レベルの濾過機器を使用し濾過するとあるだけで、燃料が無くなれば終わりである。しかるに本願特許は、人間が避難所に居るかぎり継続可能である。特許文献2には、プール水を精密濾過して飲料水にすると記載されているが、精密濾過には高圧化するポンプが必要で、殺菌には何らの記載も無い。特許文献3にはプール等の水源から取水ポンプで濾過だけで飲料水化すると記載されているが、濾過だけで飲料水化するには相当な精密濾過装置が必要であり、殺菌については何ら記載されていない。特許文献4には殺菌を光触媒コーティングの透明ガラス球と紫外線によることが記載されているだけである。特許文献5には微細濾過器による濾過を殺菌は光触媒とオゾンによることが記載されているが、そのようなものは大災害時には存在しない。特許文献6には殺菌消毒は二酸化塩素ガスを適量濾過水に混合して行うと記載されているが、適量の濃度範囲及び殺菌所要時間の開示はない。特許文献7には殺菌、殺藻剤として可溶性ガラスに銀を含有したものが記載されているだけである。そしてそれらを生活用水として使用すると記載されているだけである。
大震災時における大規模停電、大規模断水時において、地方公共団体の大規模避難所、即ち1000人規模のものについては、その公共団体近傍の学校が当てられることが多々ある。学校は大抵プールを所有する。そのプール用水を使用し避難して来た人々に全員シャワーを提供したい。シャワーは子供から老若男女が使用し、時には口に入ったり、目、耳、鼻に入るので、その水質には避難所とはいえ、ある程度のものが要求され、またシャワー設備も適切なものが必要となる。その水質検査については、本願発明者等が平成24年11月26日に出願した[発明の名称]「大震災時においてプール用水、河川水等をシャワー用水にする方法」に記載した。
シャワー設備としては、先ず水源であるが、大規模避難所として公私立学校を想定し、そのプール用水を利用した場合について記載する。他の場合はそれに準ずればよい。
大規模避難所の利用日限は最短で1週間乃至1ヶ月で時にはより長期化する場合もある。平常時と異なり水源の絶対量が限定される。よって、1人1回のシャワー用水の使用量を制限しないとならない、またシャワーであるから非常時とはいえ男女別の着衣の脱着のスペースが必要である。またシャワーであるから床面の防水等、水廻りの設備が必要となる、よって本願発明がなされた。
シャワー設備としては、先ず水源であるが、大規模避難所として公私立学校を想定し、そのプール用水を利用した場合について記載する。他の場合はそれに準ずればよい。
大規模避難所の利用日限は最短で1週間乃至1ヶ月で時にはより長期化する場合もある。平常時と異なり水源の絶対量が限定される。よって、1人1回のシャワー用水の使用量を制限しないとならない、またシャワーであるから非常時とはいえ男女別の着衣の脱着のスペースが必要である。またシャワーであるから床面の防水等、水廻りの設備が必要となる、よって本願発明がなされた。
シャワー用水はトイレ用水と異なり、利用者の目と口に入る場合があるので、その水質は公衆衛生上充分なものでなければならない。即ち上水試験方法による水質検査及び長期保存の可能な高度サラシ粉による殺菌である。細菌のうちで最もしぶとい従属栄養細菌も高度サラシ粉1ppm濃度では30分以上攪拌、5ppm濃度で23分以上攪拌、10ppm濃度では13分以上攪拌、20ppm濃度では10分以上攪拌、30ppm濃度では8分以上攪拌すれば、一般のプール用水と同等の衛生基準になることが実験的に得られたので、以上の如くシャワー用水を衛生的に作ればよい。
以上得られたシャワー用水を多数の避難者に1週間乃至1ヶ月と比較的長期間提供するためには、大震災時は他所よりの用水の供給も無いと考え、限られた例えばプール等の水源量の場合、1人1回のシャワー用水の使用量の制限が必須要件となる。シャワーにはどの程度の水が使われるのか実験を行った。一般の普通の家庭のシャワーを使用し、通常どおり放水したところ、10回テストして10l乃至12l/分の結果を得た。シャワー使用時間を非常時であるから大体10分乃至15分とすれば、先の使用量の平均を取って11l/分として、110l/回・人、乃至165l/回・人、平均して約140l/回・人となる。先に記載の本願発明者等による特許第4587020号「非常時用自転車駆動ペリスタルティック(Peristaltic)ポンプ装置」にて図1の1参照の如く、一般的に2台の自転車にて揚水した場合の水量は1.5m3/時で図1の2の上部水槽が3m3の場合、2時間で満杯となっても、避難者20人で1人1回20回で終了となる。よって1000人単位の大規模避難所のシャワー設備を目的とした場合は、1回1人のシャワー使用量を、例えば50l/回・人、程度に制限することが必須条件となる。故に使用水量の制限または限定装置の発明が必要である。
それは大規模停電においても作動するものでなければならない。従ってその装置はリミットスイッチ等を使用した電動のものではなく、単に機械的力で動くものでなければならない。故に図2記載の計量槽とその下部の受槽即ち利用槽の連継設置を考案した。該計量槽は1人1回限定使用水量50乃至60lの水槽よりとなり、槽内への注水及び下部の利用槽への放水により上下する計量槽の最上水面に浮かぶ浮玉部の上下によって、生じる浮力をレバー作動によって拡大し、その力によって開閉するバルブ機構を有する。上部設置の計量槽と下部設置の利用槽の関連も図2に開示する。計量槽上部には浮玉部を有し、それに連なるバルブレバー部ユニットがある。バルブレバー部ユニットとは、浮玉部の浮力をレバーと支点の適宜設置により拡大し、ボールタップバルブの開閉を目的とした機構で、浮力:F1の或る支点までの距離をL1とすれば、F1×L1の偶力はその支点から距離L2にある点の力F2はF1×L1=F2×L2で表され、力の方向はF1と逆となる。また、もう一点の支点を作ればF3×L3=F2×L2となり、F3はF2と逆方向となる。この様にして浮玉部の浮力F1を拡大し、方向を適切としてボールタップバルブの開閉を行う機構である。計量槽に上部水槽タンクよりのシャワー用水が配管枝管を通って注水口より注水される場合、限定水量例えば50lになると水面に浮き上がった浮玉部の浮力はバルブレバー部ユニットにより拡大され、注水口に付けられたボールタップバルブを閉じて、計量槽へのシャワー用水の注水を停止する。次にシャワー室内の避難者がシャワー用水を利用する場合は上部の吊り紐輪を下に引けばレバー機構により計量槽底部の排水弁が開き、短時間に計量槽のシャワー用水は下のシャワー利用者よりも1m以上高い位置にある受槽、即ち利用槽に落下する。そして浮玉部は浮力を失し下部に降る。よってボールタップバルブが開口して配管枝管を通って注水口よりシャワー用水は計量槽に注水される。その時間当たりの注水量は比較的小さなもので計量槽が限定水量に達するには5分以上の時間を要する。当然のことながら、利用者が吊り紐輪を離せば計量槽底部の排水弁は自重またはその他の機構によって比較的瞬時に閉ざされ、計量槽に規定通りのシャワー用水量が充たされるのに寄与する。
シャワー利用者は、シャワー室内のシャワーバルブを開いて、受槽即ち利用槽中のシャワー用水を自分のやりたいやり方で、比較的自由に利用出来る。とは言っても大規模避難所なので、利用時間等は管理者の指示に従う必要がある。計量槽底部の排水弁は比較的重量のある椀形のものを排水弁レバー機構により開閉するとか、スプリング機構等により機能する。
シャワー室は利用者の必要性上、男女別であるのは当然である。脱衣所とシャワー利用室は、裸で往来は出来ないから、背中合わせで、くっついていることが必要である。また冬季は温水シャワーとしたいので、湯気等の脱衣所への侵入のないように、間に扉が必要である。前出の計量槽、利用槽は合わせて設置したら、重大な事故の原因となる可能性があるので、外部に隣接する必要がある。以上を図3にて開示する。
また大規模避難所であるから、多数のシャワー室が必要となる。よって大震災時迄の収納に便利なため、本願出願人等の考案になる、実用新案登録第3117401号の如く、ベニヤ平板と蝶番によるもので、折畳み収納に便なるものが必要要件である。図4と図5に開示する。
大規模避難所のシャワー室は当然のことながら、シャワー室床部の防水、排水の機能が必要であるが、多人数で使用するので、衛生上容易に清掃が出来なければならない。よって、シャワー室の床部に30cm以上の深さを持った、2乃至5ミリメーターの厚さのポリエチレンまたは塩化ビニール等の平板で製作した角槽の設置が必要である。該角槽は底部に排水のための排水ノズルの穴を持ち、該角槽の側面は積み重ね収容に便利なように底部に向かって5乃至10度の傾斜を持つことが必須である。角槽と排水ノズルを図6と図7に開示する。また角槽は2乃至3ミリメーターの厚さの軟質の塩化ビニールシートの熔接で製作してもよい。それを図8に開示する。これは取り外し、収納に便利である。
図1に開示した2台の自転車によって、回転させたペリスタルティックポンプによって、約1.5m3/時間の割合で、プールの水を上部水槽に2時間で約3m3揚水したその水を、1人1回50lと限定した計量槽にて計量し、下部の利用槽に落してシャワー利用者に各人のペースで時間的に余裕を持って自由に使用させることが出来る。
図1のペリスタルティックポンプとして、Watson−MarlowのWM−720を使用した場合には、自転車2台で回転させて約6m上の上部水槽迄、1.5m3/時の水量で揚水可能である。上部水槽を3m3以上のものとすれば約2時間の運転で満杯となる。1人1回のシャワー用水の使用量を50lと限定し、計量槽をそれに合わせて設計する。上部水槽約3m3の水は60人分となる。シャワー室を5室設備すれば1室を12人で使用すればよい。よって1人シャワーの利用時間は10分間取れることになる。以上は非常に詰めた設定である。実際は上部水槽をより大きなものにするとかシャワー室を増加させる等、余裕を持って設備する。
大震災発生時、大規模停電、大規模断水になっても、地方公共団体例えば小学校、中学校が1000人単位の大型避難所になった場合、そこにある長さ25m、巾10m、深さ1mのプールを本願発明で利用すれば、全水量250m3として、1人1回50lのシャワー用水の使用制限をすれば、1000人で1人5回、3日に1回のシャワー時間とすれば、5×3=15(日)で約半月は充分に利用可能である。
1 自転車前輪支持部材
2 上部水槽
3 プール
4 ペリスタルテイックポンプ吸水口
5 ペリスタルテイックポンプ吐水口
6 自転車によるポンプ駆動ドラム
7 殺菌剤調整槽
8 ポンプ始動補助ハンドル
9 計量槽
10 利用槽
11 浮玉部
12 バルブレバー部ユニット
13 ボールタップバルブ
14 配管枝管
15 配管枝管よりの給水管.
16 シャワー利用室外側
17 シャワー利用室内側
18 シャワー利用室側板
19 吊り紐輪
20 レバー桟構
21 排水弁
22 排水弁レバー桟構
23 シャワーバルブ
24 シャワーノズル
25 脱衣所
26 シャワー利用室
27 ベニヤ平板
28 蝶番
29 角槽
30 排水ノズルの穴
31 排水ノズル
32 ゴム製椀型吸着部材
33 図7の矢印面視覚図
34 塩化ビニールシート角槽
35 シャワー室よりの排水管
36 下水溝
2 上部水槽
3 プール
4 ペリスタルテイックポンプ吸水口
5 ペリスタルテイックポンプ吐水口
6 自転車によるポンプ駆動ドラム
7 殺菌剤調整槽
8 ポンプ始動補助ハンドル
9 計量槽
10 利用槽
11 浮玉部
12 バルブレバー部ユニット
13 ボールタップバルブ
14 配管枝管
15 配管枝管よりの給水管.
16 シャワー利用室外側
17 シャワー利用室内側
18 シャワー利用室側板
19 吊り紐輪
20 レバー桟構
21 排水弁
22 排水弁レバー桟構
23 シャワーバルブ
24 シャワーノズル
25 脱衣所
26 シャワー利用室
27 ベニヤ平板
28 蝶番
29 角槽
30 排水ノズルの穴
31 排水ノズル
32 ゴム製椀型吸着部材
33 図7の矢印面視覚図
34 塩化ビニールシート角槽
35 シャワー室よりの排水管
36 下水溝
Claims (8)
- 大震災時にて、大規模停電時における大規模避難所のシャワー設備において、既存のプール等シャワー用水水源の水量が限定されている場合は1人1回の使用量を限定することが必須要件である。よって、1人1回の使用量の計量槽と、その水を利用者が自分流に比較的自由に使用するための2次的受槽、即ち利用槽を連続設置することを特徴とした避難所用シャワー設備。
- 請求項1の利用槽は利用者により、1m以上の高さに設置することを特徴とした避難所用シャワー設備。
- 請求項の1と2の計量槽と利用槽は比較的狭いシャワー室の外部に隣接して設備することを特徴とした避難所用シャワー設備。
- 請求項1の計量槽の用水の計量は計量槽の大きさにより、注水が限定量となった時点で、水面最上部に浮いた浮玉部の浮力とそれを拡大するバルブレバー部ユニットによって開閉するバルブによって計量槽の水量を限定することを特徴とした避難所用シャワー設備。
- シャワー室は隣接する脱衣室を設置することを特徴とした避難所用シャワー設備。
- 請求項5のシャワー室と脱衣室は、収納に便利なように折畳み式であることを特徴とした避難所用シャワー設備。
- シャワー室の床部には、防水及び清掃のために比較的浅い、所謂プラスチックで出来た角型槽を附すことを特徴とした避難所用シャワー設備。
- 請求項7の床部角型槽は、全側面にテーパーを付け積み重ね、収納に便利なことを特徴とした角型槽であることを特徴とする。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013089751A JP2014200649A (ja) | 2013-04-05 | 2013-04-05 | 大震災時における公的大規模避難所のシャワー設備 |
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JP2013089751A JP2014200649A (ja) | 2013-04-05 | 2013-04-05 | 大震災時における公的大規模避難所のシャワー設備 |
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---|---|
JP2014200649A true JP2014200649A (ja) | 2014-10-27 |
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JP (1) | JP2014200649A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105003094A (zh) * | 2015-07-20 | 2015-10-28 | 张卫 | 抗震式淋浴房 |
-
2013
- 2013-04-05 JP JP2013089751A patent/JP2014200649A/ja active Pending
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CN105003094A (zh) * | 2015-07-20 | 2015-10-28 | 张卫 | 抗震式淋浴房 |
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