JP2014200040A - 振動片の周波数調整方法、振動子の製造方法、振動片、発振器、電子機器および移動体 - Google Patents
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Abstract
【課題】共振周波数を容易に微調整することができる振動片の周波数調整方法、所望な共振周波数で振動する振動子を容易に製造可能な振動子の製造方法、所望な共振周波数に調整可能な振動片、かかる振動片を備える信頼性の高い発振器、電子機器および移動体を提供すること。【解決手段】本発明の振動片の周波数調整方法は、圧電基板(振動基板)191と、圧電基板191の上面に設けられた導電性を有する一対の電極層193、195と、電極層193、195の表面上に設けられた被酸化材料を含む質量部21、22(被酸化層)と、を有する振動片190に対して酸化処理を施すことにより、質量部21、22に酸化による質量増加を生じさせ、振動片190の共振周波数を調整することを特徴とする。【選択図】図3
Description
本発明は、振動片の周波数調整方法、振動子の製造方法、振動片、発振器、電子機器および移動体に関するものである。
水晶等の圧電材料を用いた圧電デバイスは、圧電振動子、共振器、フィルターといった振動デバイスとして多くの分野で用いられている。
このうち、圧電振動子(振動デバイス)は、時刻源や制御信号等のタイミング源、リファレンス信号源等として、電子機器類に多用されている。圧電振動子は、圧電振動片と、圧電振動片の振動領域の両主面に設けられた励振電極と、を備えている。圧電振動子を前述したような時刻源等として用いるためには、圧電振動子を目的とする共振周波数で正確に発振させる必要がある。
このうち、圧電振動子(振動デバイス)は、時刻源や制御信号等のタイミング源、リファレンス信号源等として、電子機器類に多用されている。圧電振動子は、圧電振動片と、圧電振動片の振動領域の両主面に設けられた励振電極と、を備えている。圧電振動子を前述したような時刻源等として用いるためには、圧電振動子を目的とする共振周波数で正確に発振させる必要がある。
そこで、圧電振動子を製造した後、共振周波数を調整する処理を施すことが提案されている。例えば、特許文献1には、圧電振動片の形状に合わせた開口孔を有するマスクを用いて、圧電振動片に金属膜を蒸着し、周波数を調整する方法が開示されている。圧電振動片に金属膜を蒸着することにより、圧電振動片の質量が増加するため、周波数が低くなる。これを利用し、蒸着する金属膜の厚さを適宜設定することにより、周波数の変化量を調整し、もって圧電振動片の周波数を所望の周波数に調整することが可能になる。
一方、圧電振動片の表面に設けられた励振電極に対し、イオンミリング等の方法によって一部を削り取り、励振電極の質量を減少させる方法も知られている。このような方法によっても、圧電振動片の周波数を変化させ、所望の周波数に調整することが可能である。
一方、圧電振動片の表面に設けられた励振電極に対し、イオンミリング等の方法によって一部を削り取り、励振電極の質量を減少させる方法も知られている。このような方法によっても、圧電振動片の周波数を変化させ、所望の周波数に調整することが可能である。
このような圧電振動片の周波数は、圧電振動片の質量変化に対して非常に敏感である。このため、圧電振動片の周波数を微調整する場合には、圧電振動片の質量を極めて厳密に変化させる必要がある。しかしながら、金属膜を蒸着したり励振電極の一部を削り取ったりする方法は、単位時間当たりの質量変化量を比較的大きくすることは容易であるが、微小な質量を変化させるのに著しい困難を伴う。また、圧電振動片の周波数が高くなればなるほど、単位質量当たりの周波数変化量が相対的に大きくなるため、高周波に対応した圧電振動片では、この問題が特に顕著である。
本発明の目的は、共振周波数を容易に微調整することができる振動片の周波数調整方法、所望な共振周波数で振動する振動子を容易に製造可能な振動子の製造方法、所望な共振周波数に調整可能な振動片、かかる振動片を備える信頼性の高い発振器、電子機器および移動体を提供することにある。
本発明の目的は、共振周波数を容易に微調整することができる振動片の周波数調整方法、所望な共振周波数で振動する振動子を容易に製造可能な振動子の製造方法、所望な共振周波数に調整可能な振動片、かかる振動片を備える信頼性の高い発振器、電子機器および移動体を提供することにある。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
本発明の振動片の周波数調整方法は、基板と、
前記基板の表面に設けられている被酸化材料を含む被酸化層と、
を含む振動片に対して酸化処理を施すことにより、前記被酸化層に酸化による質量増加を生じさせ、前記振動片の共振周波数を調整することを特徴とする。
これにより、被酸化層の質量を微妙に調整することができるので、共振周波数を容易に微調整することができる。
[適用例1]
本発明の振動片の周波数調整方法は、基板と、
前記基板の表面に設けられている被酸化材料を含む被酸化層と、
を含む振動片に対して酸化処理を施すことにより、前記被酸化層に酸化による質量増加を生じさせ、前記振動片の共振周波数を調整することを特徴とする。
これにより、被酸化層の質量を微妙に調整することができるので、共振周波数を容易に微調整することができる。
[適用例2]
本発明の振動片の周波数調整方法では、前記被酸化層の一部を除去した後、酸化処理を施すことが好ましい。
これにより、被酸化層の一部を除去する工程において、振動片の共振周波数を大まかに粗調整した後、酸化処理を施す工程により、共振周波数を微調整するといった2段階で周波数を調整することができる。これにより、高周波に対応した振動片であっても、共振周波数を目的とする値に短時間で正確に調整することができる。また、被酸化層の一部を除去する工程では、被酸化層の質量を減少させたり、あるいは、酸化処理を施す工程では、被酸化層の質量を増加させたりすることができるので、仮に、酸化処理を施す工程において誤って被酸化層の質量を増加させ過ぎたりした場合でも、再び被酸化層の一部を除去する工程を行うことによって、再調整を行うことができる。
本発明の振動片の周波数調整方法では、前記被酸化層の一部を除去した後、酸化処理を施すことが好ましい。
これにより、被酸化層の一部を除去する工程において、振動片の共振周波数を大まかに粗調整した後、酸化処理を施す工程により、共振周波数を微調整するといった2段階で周波数を調整することができる。これにより、高周波に対応した振動片であっても、共振周波数を目的とする値に短時間で正確に調整することができる。また、被酸化層の一部を除去する工程では、被酸化層の質量を減少させたり、あるいは、酸化処理を施す工程では、被酸化層の質量を増加させたりすることができるので、仮に、酸化処理を施す工程において誤って被酸化層の質量を増加させ過ぎたりした場合でも、再び被酸化層の一部を除去する工程を行うことによって、再調整を行うことができる。
[適用例3]
本発明の振動片の周波数調整方法では、前記被酸化層は、クロムまたはニッケルを含むものであることが好ましい。
これらの金属元素を含む被酸化材料は、酸化反応後の化学的安定性に富んでおり、酸化物の質量が経時的に変化し難いことから、被酸化層の構成材料として有用である。
本発明の振動片の周波数調整方法では、前記被酸化層は、クロムまたはニッケルを含むものであることが好ましい。
これらの金属元素を含む被酸化材料は、酸化反応後の化学的安定性に富んでおり、酸化物の質量が経時的に変化し難いことから、被酸化層の構成材料として有用である。
[適用例4]
本発明の振動子の製造方法は、基板とその表面に設けられている被酸化材料を含む被酸化層とを含む振動片に対し、前記被酸化層の一部を除去する被酸化層除去工程と、
ベースとリッドとを備え、前記ベースと前記リッドとの間に形成される空間に前記被酸化層除去工程後の前記振動片を収納する工程と、
前記被酸化層に酸化処理を施すことにより、前記被酸化層に酸化による質量増加を生じさせ、前記振動片の共振周波数を調整する酸化工程と、
前記空間を封止する工程と、
を含むことを特徴とする。
これにより、被酸化層除去工程により振動片の共振周波数を大まかに粗調整した後、共振周波数を微調整するといった2段階で周波数を調整することができるので、高周波に対応した振動片であっても、共振周波数を目的とする値に短時間で正確に調整することができる。その結果、所望の共振周波数で振動する振動子を容易に製造することができる。
本発明の振動子の製造方法は、基板とその表面に設けられている被酸化材料を含む被酸化層とを含む振動片に対し、前記被酸化層の一部を除去する被酸化層除去工程と、
ベースとリッドとを備え、前記ベースと前記リッドとの間に形成される空間に前記被酸化層除去工程後の前記振動片を収納する工程と、
前記被酸化層に酸化処理を施すことにより、前記被酸化層に酸化による質量増加を生じさせ、前記振動片の共振周波数を調整する酸化工程と、
前記空間を封止する工程と、
を含むことを特徴とする。
これにより、被酸化層除去工程により振動片の共振周波数を大まかに粗調整した後、共振周波数を微調整するといった2段階で周波数を調整することができるので、高周波に対応した振動片であっても、共振周波数を目的とする値に短時間で正確に調整することができる。その結果、所望の共振周波数で振動する振動子を容易に製造することができる。
[適用例5]
本発明の振動片は、基板と、
前記基板の表面に設けられている励振電極と、
前記基板の表面上に設けられ、被酸化材料を含む質量部と、
を備えていることを特徴とする。
これにより、質量部に含まれた被酸化材料が酸化することにより、質量部の質量が増加することとなり、その増加量に応じて共振周波数を調整することができる。したがって、本発明の振動片は、所望な共振周波数に調整可能な振動片であるといえる。
本発明の振動片は、基板と、
前記基板の表面に設けられている励振電極と、
前記基板の表面上に設けられ、被酸化材料を含む質量部と、
を備えていることを特徴とする。
これにより、質量部に含まれた被酸化材料が酸化することにより、質量部の質量が増加することとなり、その増加量に応じて共振周波数を調整することができる。したがって、本発明の振動片は、所望な共振周波数に調整可能な振動片であるといえる。
[適用例6]
本発明の振動片では、前記質量部は、前記基板の振動領域に対応して設けられていることが好ましい。
これにより、質量部の質量変更を振動片の共振周波数に効率よく反映させることができるようになるので、共振周波数をより容易かつ正確に調整することができる。
本発明の振動片では、前記質量部は、前記基板の振動領域に対応して設けられていることが好ましい。
これにより、質量部の質量変更を振動片の共振周波数に効率よく反映させることができるようになるので、共振周波数をより容易かつ正確に調整することができる。
[適用例7]
本発明の発振器は、本発明の振動片と、発振回路と、を備えていることを特徴とする。
これにより、所望な発振周波数で発振する信頼性の高い発振器が得られる。
[適用例8]
本発明の電子機器は、本発明の振動片を備えていることを特徴とする。
これにより、信頼性の高い電子機器が得られる。
[適用例9]
本発明の移動体は、本発明の振動片を備えていることを特徴とする。
これにより、信頼性の高い移動体が得られる。
本発明の発振器は、本発明の振動片と、発振回路と、を備えていることを特徴とする。
これにより、所望な発振周波数で発振する信頼性の高い発振器が得られる。
[適用例8]
本発明の電子機器は、本発明の振動片を備えていることを特徴とする。
これにより、信頼性の高い電子機器が得られる。
[適用例9]
本発明の移動体は、本発明の振動片を備えていることを特徴とする。
これにより、信頼性の高い移動体が得られる。
以下、本発明の振動片の周波数調整方法、振動子の製造方法、振動片、発振器、電子機器および移動体について、添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
[振動子]
≪第1実施形態≫
まず、本発明の振動片の第1実施形態を備える振動子について説明する。
図1は、本発明の振動片の第1実施形態を備える振動子を示す平面図、図2は、図1中のA−A線断面図、図3は、図1に示す振動片の平面図である。なお、以下の説明では、図2中の上側を「上」、下側を「下」として説明する。
図1、2に示すように、振動子1は、パッケージ110と、パッケージ110内に収容された振動片(本発明の振動片)190と、を有している。
[振動子]
≪第1実施形態≫
まず、本発明の振動片の第1実施形態を備える振動子について説明する。
図1は、本発明の振動片の第1実施形態を備える振動子を示す平面図、図2は、図1中のA−A線断面図、図3は、図1に示す振動片の平面図である。なお、以下の説明では、図2中の上側を「上」、下側を「下」として説明する。
図1、2に示すように、振動子1は、パッケージ110と、パッケージ110内に収容された振動片(本発明の振動片)190と、を有している。
(振動片)
図3(a)、(b)に示すように、振動片190は、平面視形状が長方形(矩形)の板状をなす圧電基板(振動基板)191と、圧電基板191の表面に形成された導電性を有する一対の電極層193、195と、を有している。なお、図3(a)は、振動片190の上面を上方から見た平面図であり、図3(b)は、振動片190の下面を上方から見た透過図(平面図)である。
図3(a)、(b)に示すように、振動片190は、平面視形状が長方形(矩形)の板状をなす圧電基板(振動基板)191と、圧電基板191の表面に形成された導電性を有する一対の電極層193、195と、を有している。なお、図3(a)は、振動片190の上面を上方から見た平面図であり、図3(b)は、振動片190の下面を上方から見た透過図(平面図)である。
圧電基板191は、主として厚み滑り振動をする水晶素板である。
本実施形態では、圧電基板191としてATカットと呼ばれるカット角で切り出された水晶素板を用いている。なお、ATカットとは、水晶の結晶軸であるX軸とZ軸とを含む平面(Y面)をX軸回りにZ軸から反時計方向に約35度15分程度回転させて得られる主面(X軸とZ’軸とを含む主面)を有するように切り出されていることをいう。
また、圧電基板191は、その長手方向が水晶の結晶軸であるX軸と一致している。
本実施形態では、圧電基板191としてATカットと呼ばれるカット角で切り出された水晶素板を用いている。なお、ATカットとは、水晶の結晶軸であるX軸とZ軸とを含む平面(Y面)をX軸回りにZ軸から反時計方向に約35度15分程度回転させて得られる主面(X軸とZ’軸とを含む主面)を有するように切り出されていることをいう。
また、圧電基板191は、その長手方向が水晶の結晶軸であるX軸と一致している。
電極層193は、圧電基板191の上面に形成された励振電極193aと、圧電基板191の下面に形成されたボンディングパッド193bと、励振電極193aとボンディングパッド193bとを電気的に接続する配線193cと、を有している。
一方、電極層195は、圧電基板191の下面に形成された励振電極195aと、圧電基板191の下面に形成されたボンディングパッド195bと、励振電極195aおよびボンディングパッド195bを電気的に接続する配線195cと、を有している。
一方、電極層195は、圧電基板191の下面に形成された励振電極195aと、圧電基板191の下面に形成されたボンディングパッド195bと、励振電極195aおよびボンディングパッド195bを電気的に接続する配線195cと、を有している。
励振電極193aおよび励振電極195aは、圧電基板191を介して互いに対向して設けられ、互いにほぼ同じ形状をなしている。すなわち、圧電基板191を平面視したとき(圧電基板191の厚さ方向からみたとき)、励振電極193aおよび励振電極195aは、互いに重なるように位置し、かつ、互いの輪郭が一致するように形成されている。
また、ボンディングパッド193b、195bは、圧電基板191の下面の図3中右側の端部に互いに離間して形成されている。
なお、上記説明では、ATカットの水晶素板を例に説明しているが、このカット角は特に限定されるものではなく、ZカットやBTカット等であってもよい。また、圧電基板191の形状は、特に限定されず、二脚音叉、H型音叉、三脚音叉、くし歯型、直交型、角柱型等の形状であってもよい。
また、ボンディングパッド193b、195bは、圧電基板191の下面の図3中右側の端部に互いに離間して形成されている。
なお、上記説明では、ATカットの水晶素板を例に説明しているが、このカット角は特に限定されるものではなく、ZカットやBTカット等であってもよい。また、圧電基板191の形状は、特に限定されず、二脚音叉、H型音叉、三脚音叉、くし歯型、直交型、角柱型等の形状であってもよい。
(パッケージ)
図1および図2に示すように、パッケージ110は、上面に開放する凹部121を有するベース120と、凹部121の開口を塞ぐリッド130(蓋体)とを有している。このようなパッケージ110では、リッド130により塞がれた凹部121の内側が前述した振動片190を収納する収納空間Sとして用いられる。
ベース120は、板状の基部123と、基部123の上面に設けられた枠状の側壁124と、を有し、これによりベース120の上面の中央部に開放する凹部121が形成されている。
ベース120の構成材料としては、絶縁性を有していれば特に限定されず、例えば、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア等の酸化物系セラミックス、窒化珪素、窒化アルミ、窒化チタン等の窒化物系セラミックス、炭化珪素等の炭化物系セラミックス等の各種セラミックス等を用いることができる。
図1および図2に示すように、パッケージ110は、上面に開放する凹部121を有するベース120と、凹部121の開口を塞ぐリッド130(蓋体)とを有している。このようなパッケージ110では、リッド130により塞がれた凹部121の内側が前述した振動片190を収納する収納空間Sとして用いられる。
ベース120は、板状の基部123と、基部123の上面に設けられた枠状の側壁124と、を有し、これによりベース120の上面の中央部に開放する凹部121が形成されている。
ベース120の構成材料としては、絶縁性を有していれば特に限定されず、例えば、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア等の酸化物系セラミックス、窒化珪素、窒化アルミ、窒化チタン等の窒化物系セラミックス、炭化珪素等の炭化物系セラミックス等の各種セラミックス等を用いることができる。
基部123の上面には、一対の接続電極141、151が形成されている。一方、基部123の下面には、一対の外部実装電極142、152が形成されている。そして、基部123には、その厚さ方向に貫通する貫通電極143、153が形成されており、貫通電極143を介して接続電極141と外部実装電極142とが電気的に接続され、貫通電極153を介して接続電極151と外部実装電極152とが電気的に接続されている。
接続電極141、151、外部実装電極142、152および貫通電極143、153の構成材料としては、特に限定されず、例えば、金(Au)、金合金、白金(Pt)、アルミニウム(Al)、アルミニウム合金、銀(Ag)、銀合金、クロム(Cr)、クロム合金、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、ニオブ(Nb)、タングステン(W)、鉄(Fe)、チタン(Ti)、コバルト(Co)、亜鉛(Zn)、ジルコニウム(Zr)等の金属材料を用いることができる。
また、側壁124の上面には、枠状のメタライズ層170が設けられている。このメタライズ層170は、後述するろう材180との密着性を高めるものである。これにより、ろう材180によるベース120とリッド130との接合強度を高めることができる。
メタライズ層170の構成材料としては、ろう材180との密着性を高めることができるものであれば、特に限定されないが、例えば、前述した接続電極141、151等の構成材料で挙げたような金属材料を用いることができる。
メタライズ層170の構成材料としては、ろう材180との密着性を高めることができるものであれば、特に限定されないが、例えば、前述した接続電極141、151等の構成材料で挙げたような金属材料を用いることができる。
リッド130は、金属平板を加工したものであって、主に平板状をなしている。
また、リッド130の構成材料(金属材料)としては、特に限定されないが、ベース120の構成材料と線膨張係数が近似する金属材料を用いることが好ましい。したがって、例えば、ベース120をセラミックス基板とした場合には、リッド130の構成材料としてはコバール等のFe−Ni−Co系合金、42アロイ等のFe−Ni系合金等の合金を用いることが好ましい。
リッド130をベース120に対して接合する方法としては、特に限定されないが、例えば、リッド130をベース120上に載置した状態で、リッド130の縁部にレーザーを照射し、メタライズ層170およびろう材180を加熱、溶融させ、これにより、リッド130をベース120に接合する方法が挙げられる。
また、リッド130の構成材料(金属材料)としては、特に限定されないが、ベース120の構成材料と線膨張係数が近似する金属材料を用いることが好ましい。したがって、例えば、ベース120をセラミックス基板とした場合には、リッド130の構成材料としてはコバール等のFe−Ni−Co系合金、42アロイ等のFe−Ni系合金等の合金を用いることが好ましい。
リッド130をベース120に対して接合する方法としては、特に限定されないが、例えば、リッド130をベース120上に載置した状態で、リッド130の縁部にレーザーを照射し、メタライズ層170およびろう材180を加熱、溶融させ、これにより、リッド130をベース120に接合する方法が挙げられる。
このようなリッド130の下面には、ろう材180が設けられている。本実施形態では、ろう材180は、リッド130の下面の全域に亘って設けられている。なお、ろう材180は、リッド130の下面の外周部のみに設けられていてもよい。
そして、リッド130は、ろう材180とメタライズ層170との溶着によりベース120に接合されている。
ろう材180としては、特に限定されず、例えば、金ろう、銀ろうなどを用いることができるが、銀ろうを用いるのが好ましい。また、ろう材180の融点としては、特に限定されないが、例えば、800℃以上1000℃以下程度であるのが好ましい。
そして、リッド130は、ろう材180とメタライズ層170との溶着によりベース120に接合されている。
ろう材180としては、特に限定されず、例えば、金ろう、銀ろうなどを用いることができるが、銀ろうを用いるのが好ましい。また、ろう材180の融点としては、特に限定されないが、例えば、800℃以上1000℃以下程度であるのが好ましい。
このようなパッケージ110の収納空間Sには、前述した振動片190が収納されている。収納空間Sに収納された振動片190は、一対の導電性接着剤161、162を介してベース120に片持ち支持されている。
導電性接着剤161は、接続電極141とボンディングパッド193bとに接触して設けられており、これにより、接続電極141とボンディングパッド193bとを電気的に接続している。同様に、導電性接着剤162は、接続電極151とボンディングパッド195bとに接触して設けられており、これにより、接続電極151とボンディングパッド195bとを電気的に接続している。
なお、導電性接着剤161、162は、それぞれ導電性金属材料で代替することもできる。導電性金属材料としては、特に限定されないが、例えば、前述した接続電極141、151等の構成材料で挙げたような金属材料が挙げられる。
導電性接着剤161は、接続電極141とボンディングパッド193bとに接触して設けられており、これにより、接続電極141とボンディングパッド193bとを電気的に接続している。同様に、導電性接着剤162は、接続電極151とボンディングパッド195bとに接触して設けられており、これにより、接続電極151とボンディングパッド195bとを電気的に接続している。
なお、導電性接着剤161、162は、それぞれ導電性金属材料で代替することもできる。導電性金属材料としては、特に限定されないが、例えば、前述した接続電極141、151等の構成材料で挙げたような金属材料が挙げられる。
(質量部)
図4は、図3中のB−B線断面図である。
振動片190は、さらに、図3、4に示すように、電極層193の上面に設けられた層状の質量部(被酸化層)21と、電極層195の下面に設けられた質量部(被酸化層)22と、を有している。
図4は、図3中のB−B線断面図である。
振動片190は、さらに、図3、4に示すように、電極層193の上面に設けられた層状の質量部(被酸化層)21と、電極層195の下面に設けられた質量部(被酸化層)22と、を有している。
図4に示す質量部21、22の構成材料は、酸化し得る被酸化材料を含むものであれば特に限定されない。被酸化材料としては、例えば、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、タングステン(W)、銀(Ag)、アルミニウム(Al)等が挙げられ、これらの1種または2種以上の混合物(化合物)が用いられる。このうち、被酸化材料は、クロムまたはニッケルの単体またはこれらのいずれかを含む混合物(合金を含む)であるのが好ましい。これらの金属元素を含む被酸化材料は、特に、酸化反応後の化学的安定性に富んでおり、酸化物の質量が経時的に変化し難いことから、質量部21、22の構成材料として有用である。また、質量部21、22の構成材料は、このような被酸化材料を好ましくは30質量%以上、より好ましくは50質量%以上含むものとされる。なお、質量部21、22の構成材料は、被酸化性材料の他に、例えば、上記とは別の金属元素やSi、C、Bといった非金属元素を含んでいてもよい。
このような質量部21、22を設けることにより、質量部21、22では、酸化処理に伴って被酸化材料の酸化反応が生じる。このため、質量部21、22の質量は、被酸化材料に結合した酸素の質量分だけ、酸化処理の前後で変化することとなる。したがって、酸化処理における酸化反応の程度を適宜設定することにより、質量部21、22の質量の変更量を制御し、もって振動片190の共振周波数を調整することができる。すなわち、質量部21、22は、振動片190の共振周波数を調整する錘として機能する。
なお、質量部21は、圧電基板191の上面側のうち、いずれの位置に設けられていてもよいが、好ましくは圧電基板191の振動領域に対応して設けられる。また、質量部22も、圧電基板191の下面側のうち、いずれの位置に設けられていてもよいが、好ましくは圧電基板191の振動領域に対応して設けられる。これにより、質量部21、22の質量変更が振動片190の共振周波数に効率よく反映されることとなり、共振周波数をより容易かつ正確に調整することができる。
図4に示す圧電基板191は、平面視における中心部近傍が振動領域に相当し、この振動領域の振動を励起する電極層193、195も振動領域に対応して配置されている。したがって、本実施形態に係る質量部21は、圧電基板191の上面側であって、かつ電極層193の上面に設けられている。また、質量部22は、圧電基板191の下面側であって、かつ電極層195の下面に設けられている。質量部21、22をこのように配置することで、質量部21、22の質量変更を特に振動片190の共振周波数の変化に反映させ易くなり、共振周波数の調整がより容易になる。
また、質量部21、22の層構成は、単層であっても複数層であってもよい。複数層である場合、各層の組成は互いに同じでもよく、異なっていてもよい。各層の組成が異なっている場合、少なくとも最外層が被酸化材料を含んでいることが好ましい。これにより、被酸化材料の酸化反応が他の層によって阻害されるおそれがなくなる。
一方、質量部21、22の平面視形状は、特に限定されず、図3に示す四角形の他、真円、楕円、長円のような円形、三角形、五角形、六角形のような多角形等であってもよい。
一方、質量部21、22の平面視形状は、特に限定されず、図3に示す四角形の他、真円、楕円、長円のような円形、三角形、五角形、六角形のような多角形等であってもよい。
質量部21、22の平均厚さは、必要とする被酸化材料の量に応じて適宜設定され、特に限定されるものではないが、一例として3nm以上3000nm以下程度であるのが好ましく、5nm以上2000nm以下程度であるのがより好ましい。質量部21、22の平均厚さを前記範囲内に設定することで、振動片190のクリスタルインピーダンス(CI)値を著しく上昇させることなく、共振周波数の調整幅を十分に確保することができる。
また、質量部21、22の平面視における大きさも、必要とする被酸化材料の量に応じて適宜設定され、特に限定されるものではないが、一例として圧電基板191の面積の1%以上50%以下程度であるのが好ましく、3%以上40%以下程度であるのがより好ましい。質量部21、22の平面視における大きさを前記範囲内に設定することで、やはり、振動片190のクリスタルインピーダンス(CI)値を著しく上昇させることなく、共振周波数の調整幅を十分に確保することができる。
なお、上述した質量部21、22は、いずれも酸化処理前の状態について説明したものである。仮に、酸化処理前における振動片190がすでに目的とする共振周波数を有する場合、周波数の調整は不要であるため、酸化処理が施されていない質量部21、22を備えた振動片190がパッケージ110内に収納されることとなる。したがって、本発明の振動片は、酸化処理によって共振周波数を調整し得る調整能を潜在的に有するものであると言える。
一方、酸化処理前における振動片190の共振周波数が目的とする値から外れている場合、周波数の調整が必要になる。このため、質量部21、22には酸化処理が施されることとなり、質量部21、22は、被酸化材料の酸化物を含むものとなる。したがって、共振周波数の調整が図られた場合は、被酸化材料の酸化物を含む質量部21、22を備えた振動片190がパッケージ110内に収納されることとなる。
≪第2実施形態≫
次に、本発明の振動片の第2実施形態について説明する。
図5は、本発明の振動片の第2実施形態を示す平面図である。
以下、第2実施形態について説明するが、以下の説明では、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、前述した実施形態と同様の構成には、同一符号を付してある。
第2実施形態に係る振動子1は、電極層193、195の平面視形状と質量部21、22の配置が異なる以外、第1実施形態と同様である。
次に、本発明の振動片の第2実施形態について説明する。
図5は、本発明の振動片の第2実施形態を示す平面図である。
以下、第2実施形態について説明するが、以下の説明では、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、前述した実施形態と同様の構成には、同一符号を付してある。
第2実施形態に係る振動子1は、電極層193、195の平面視形状と質量部21、22の配置が異なる以外、第1実施形態と同様である。
図5に示す電極層193、195は、その形状が、質量部21、22が配置されている領域を避けるような形状になっている。すなわち、図5に示す圧電基板191の上面の中央部には、質量部21が配置されており、電極層193には質量部21が配置された領域に対応した窓部1930が形成されている。同様に、図5に示す圧電基板191の下面の中央部には、質量部22が配置されており、電極層195には質量部22が配置された領域に対応した窓部1950が形成されている。
このような第2実施形態においても、第1実施形態と同様の作用、効果が得られる。
このような第2実施形態においても、第1実施形態と同様の作用、効果が得られる。
また、第2実施形態では、窓部1930、1950に質量部21、22を配置するようにした結果、電極層193と質量部21との間および電極層195と質量部22との間が、それぞれ離間している。このため、質量部21、22と電極層193、195との間で金属元素が相互に拡散するおそれがなくなる。その結果、金属元素の拡散に伴って電極層193、195の長期安定性が阻害される可能性が抑えられ、より信頼性の高い振動子1が得られる。
なお、電極層193と質量部21との間、および、電極層195と質量部22との間は、それぞれ離間していなくてもよい。この場合、電極層193と質量部21および電極層195と質量部22は、それぞれ構造的にも電気的にも一体化したものとなる。したがって、質量部21、22は励振電極としての機能も有することとなる。
また、質量部21は、電極層193全面を覆うように設けられていてもよい。同様に、質量部22は、電極層195全面を覆うように設けられていてもよい。
また、質量部21は、電極層193全面を覆うように設けられていてもよい。同様に、質量部22は、電極層195全面を覆うように設けられていてもよい。
≪第3実施形態≫
次に、本発明の振動片の第3実施形態について説明する。
図6は、本発明の振動片の第3実施形態を示す平面図である。
以下、第3実施形態について説明するが、以下の説明では、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、前述した実施形態と同様の構成には、同一符号を付してある。
次に、本発明の振動片の第3実施形態について説明する。
図6は、本発明の振動片の第3実施形態を示す平面図である。
以下、第3実施形態について説明するが、以下の説明では、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、前述した実施形態と同様の構成には、同一符号を付してある。
振動片190は、圧電基板191と、圧電基板191上に設けられた図示しない電極層と、を有している。
この圧電基板191は、Zカット水晶板で構成されている。なお、Zカット水晶板は、光学軸を厚さ方向とする水晶基板である。
圧電基板191は、図6に示すように、基部30と、基部30から延出する一対の振動腕31、32と、を有している。
この圧電基板191は、Zカット水晶板で構成されている。なお、Zカット水晶板は、光学軸を厚さ方向とする水晶基板である。
圧電基板191は、図6に示すように、基部30と、基部30から延出する一対の振動腕31、32と、を有している。
振動腕31、32は、基部30から互いに平行となるように延出している。なお、以下の説明では、振動腕31、32のうち、基部30側を基端といい、その反対側を先端という。これら振動腕31、32は、それぞれ長手形状をなし、その基端が固定端となり、先端が自由端となる。また、振動腕31、32の先端部には、その幅がやや広くなったハンマーヘッド33、34になっている。このような振動腕31、32は、互いに同様の構成(形状、大きさ)をなしている。
振動腕31、32には、それぞれ図示しない一対の電極層が形成されている。これらの一対の電極層間に交番電圧を印加すると、振動腕31、32が互いに接近、離間を繰り返すように面内方向に所定の周波数で振動する。
振動腕31、32には、それぞれ図示しない一対の電極層が形成されている。これらの一対の電極層間に交番電圧を印加すると、振動腕31、32が互いに接近、離間を繰り返すように面内方向に所定の周波数で振動する。
また、ハンマーヘッド33には、質量部21が配置され、ハンマーヘッド34には、質量部22が配置されている。このような質量部21、22を設け、質量部21、22の質量を適宜変更することにより、もって振動片190の共振周波数を目的とする値に調整することができる。
したがって、第3実施形態においても、第1実施形態と同様の作用、効果が得られる。すなわち、本発明は、振動片の形態によらず、効果を奏する。
したがって、第3実施形態においても、第1実施形態と同様の作用、効果が得られる。すなわち、本発明は、振動片の形態によらず、効果を奏する。
[発振器]
次に、本発明の発振器の実施形態について説明する。
図7は、本発明の発振器の実施形態を示す断面図である。
以下、発振器について説明するが、以下の説明では振動子との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。
次に、本発明の発振器の実施形態について説明する。
図7は、本発明の発振器の実施形態を示す断面図である。
以下、発振器について説明するが、以下の説明では振動子との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。
図7に示す発振器10は、振動片190と、振動片190を駆動するためのICチップ(チップ部品)80と、を有している。以下、発振器10について、前述した振動子との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。なお、前述した振動子と同様の構成には、同一符号を付してある。
パッケージ9は、凹部911を有する箱状のベース91と、凹部911の開口を塞ぐ板状のリッド92と、を有している。
パッケージ9は、凹部911を有する箱状のベース91と、凹部911の開口を塞ぐ板状のリッド92と、を有している。
ベース91の凹部911は、ベース91の上面に開放する第1凹部911aと、第1凹部911aの底面の中央部に開放する第2凹部911bと、第2凹部911bの底面の中央部に開放する第3凹部911cとを有している。
第1凹部911aの底面には、接続端子95が形成されている。また、第3凹部911cの底面には、ICチップ80が配置されている。ICチップ80は、振動片190の駆動を制御するための駆動回路(発振回路)を有している。ICチップ80によって振動片190の駆動を制御することにより、振動片190から所定の周波数の信号を取り出すことができる。
第1凹部911aの底面には、接続端子95が形成されている。また、第3凹部911cの底面には、ICチップ80が配置されている。ICチップ80は、振動片190の駆動を制御するための駆動回路(発振回路)を有している。ICチップ80によって振動片190の駆動を制御することにより、振動片190から所定の周波数の信号を取り出すことができる。
また、第2凹部911bの底面には、ワイヤーを介してICチップ80と電気的に接続された複数の内部端子93が形成されている。これら複数の内部端子93には、ベース91に形成された図示しないビアを介してパッケージ9の底面に形成された外部端子(実装端子)94に電気的に接続された端子と、図示しないビアやワイヤーを介して接続端子95に電気的に接続された端子とが含まれている。
なお、図7の構成では、ICチップ80が収納空間内に配置されている構成について説明したが、ICチップ80の配置は、特に限定されず、例えばパッケージ9の外側(ベース91の底面)に配置されていてもよい。
なお、図7の構成では、ICチップ80が収納空間内に配置されている構成について説明したが、ICチップ80の配置は、特に限定されず、例えばパッケージ9の外側(ベース91の底面)に配置されていてもよい。
[振動子の製造方法]
次に、本発明の振動子の製造方法の実施形態を適用した振動子の製造方法、および、本発明の振動片の周波数調整方法の実施形態について説明する。
図8は、図2に示す振動子を製造する方法について説明するための断面図である。
本実施形態に係る振動子の製造方法は、振動片(本発明の振動片)190のうち、質量部(被酸化層)21、22の一部を除去する被酸化層除去処理を施す被酸化層除去工程と、パッケージ110の収納空間Sに被酸化層除去処理を施した振動片190を収納する収納工程と、質量部21、22に酸化処理を施すことにより、質量部21、22において酸化による質量増加を生じさせ、振動片190の共振周波数を調整する酸化工程と、パッケージ110の収納空間Sを封止し、振動子1を得る封止工程と、を有する。以下、各工程について順次説明する。
次に、本発明の振動子の製造方法の実施形態を適用した振動子の製造方法、および、本発明の振動片の周波数調整方法の実施形態について説明する。
図8は、図2に示す振動子を製造する方法について説明するための断面図である。
本実施形態に係る振動子の製造方法は、振動片(本発明の振動片)190のうち、質量部(被酸化層)21、22の一部を除去する被酸化層除去処理を施す被酸化層除去工程と、パッケージ110の収納空間Sに被酸化層除去処理を施した振動片190を収納する収納工程と、質量部21、22に酸化処理を施すことにより、質量部21、22において酸化による質量増加を生じさせ、振動片190の共振周波数を調整する酸化工程と、パッケージ110の収納空間Sを封止し、振動子1を得る封止工程と、を有する。以下、各工程について順次説明する。
[1]被酸化層除去工程
まず、振動片190の質量部21の一部を除去する(図8(a)参照)。また、図示しないが質量部22の一部も除去する。除去する方法は、特に限定されず、例えば、レーザー加工法、電子線加工法、イオンミリング法、プラズマCVM法等が挙げられる。質量部21、22の一部が除去されると、質量部21、22の質量が減少するため、それに応じて振動片190の共振周波数が上昇する。なお、後述する工程では、質量部21、22の酸化により質量部21、22の質量が増加し、それに応じて振動片190の共振周波数が低下するので、本工程では、それを見越して、目的とする共振周波数よりもやや大きい周波数になるよう、質量部21、22の質量を減少させるようにすればよい。すなわち、後述する工程においては、共振周波数の微調整が可能であるため、本工程では、微調整における調整幅をできるだけ狭くするべく、共振周波数を大まかに調整(粗調整)するようにすればよい。
なお、前述したように、本工程を行う前において、すでに粗調整が不要な状態にある場合、例えば、本工程前の振動片190の共振周波数が目的とする共振周波数よりもやや大きい周波数になっている場合は、本工程を省略してもよい。
まず、振動片190の質量部21の一部を除去する(図8(a)参照)。また、図示しないが質量部22の一部も除去する。除去する方法は、特に限定されず、例えば、レーザー加工法、電子線加工法、イオンミリング法、プラズマCVM法等が挙げられる。質量部21、22の一部が除去されると、質量部21、22の質量が減少するため、それに応じて振動片190の共振周波数が上昇する。なお、後述する工程では、質量部21、22の酸化により質量部21、22の質量が増加し、それに応じて振動片190の共振周波数が低下するので、本工程では、それを見越して、目的とする共振周波数よりもやや大きい周波数になるよう、質量部21、22の質量を減少させるようにすればよい。すなわち、後述する工程においては、共振周波数の微調整が可能であるため、本工程では、微調整における調整幅をできるだけ狭くするべく、共振周波数を大まかに調整(粗調整)するようにすればよい。
なお、前述したように、本工程を行う前において、すでに粗調整が不要な状態にある場合、例えば、本工程前の振動片190の共振周波数が目的とする共振周波数よりもやや大きい周波数になっている場合は、本工程を省略してもよい。
[2]収納工程
次に、図8(b)に示すように、ベース120の凹部121内に被酸化膜除去処理を施した振動片190を載置する。次いで、凹部121をリッド130により塞ぐ。これにより、収納空間Sが形成される。
なお、この際には、ベース120とリッド130との間を完全には塞がないで、一部未封止の箇所を残す(仮封止)するようにしてもよい。これにより、未封止部を介して収納空間S内の気体を排気したり、別の気体で置換したりすることができる。
仮封止の方法は、前述した接合方法が挙げられる。
次に、図8(b)に示すように、ベース120の凹部121内に被酸化膜除去処理を施した振動片190を載置する。次いで、凹部121をリッド130により塞ぐ。これにより、収納空間Sが形成される。
なお、この際には、ベース120とリッド130との間を完全には塞がないで、一部未封止の箇所を残す(仮封止)するようにしてもよい。これにより、未封止部を介して収納空間S内の気体を排気したり、別の気体で置換したりすることができる。
仮封止の方法は、前述した接合方法が挙げられる。
[3]酸化工程
次に、質量部21、22に酸化処理を施す。これにより、質量部21、22の質量が増加し、その結果、振動片190の共振周波数を低下させる調整を行うことができる。酸化処理に伴う質量の増加では、レーザー加工やイオンミリングといった従来の質量変更方法に比べて、非常に微小な質量を増加させることができる。このため、高周波に対応した振動片190であっても、共振周波数の微調整が可能になる。
次に、質量部21、22に酸化処理を施す。これにより、質量部21、22の質量が増加し、その結果、振動片190の共振周波数を低下させる調整を行うことができる。酸化処理に伴う質量の増加では、レーザー加工やイオンミリングといった従来の質量変更方法に比べて、非常に微小な質量を増加させることができる。このため、高周波に対応した振動片190であっても、共振周波数の微調整が可能になる。
酸化処理としては、例えば、酸素含有ガスに質量部21、22を曝す処理が挙げられる。この場合、図8(c)に示すように、酸素含有ガスを収納空間Sに充填するようにすればよい。これにより、酸化処理における酸化の程度を制御し易いので、質量部21、22の質量の変更量を制御し易いという利点が得られる。特に、図8(c)に示すように収納空間Sが仮封止されている場合、収納空間S内の気体はほとんど入れ替わらず、酸素含有ガスと質量部21、22との反応確率を予想し易いので、かかる点からも質量部21、22の質量の変更量を制御し易いと言える。また、必要に応じて、質量部21、22を加熱することにより、酸化処理を促進するようにしてもよい。なお、酸化反応を停止させる場合には、収納空間Sを、酸素を含有しないガスで置換するようにすればよい。
このような方法で酸化させると、質量部21、22では、表面側から徐々に酸化反応が進行する。このため、酸化処理後の質量部21、22は、被酸化材料の酸化物で覆われた状態となり、その後は耐酸化性を有する。したがって、酸化処理後の質量部21、22では、その後、意図せず酸素含有ガスに触れたとしても、加熱しなければ酸化反応の速度は十分に遅いため、共振周波数への影響を最小限に抑えることができる。
酸素含有ガスとしては、例えば、空気の他、酸素を含むあらゆるガスが挙げられる。酸素とともに用いられるガスとしては、例えば、窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガス等が挙げられる。
酸素含有ガスの酸素濃度は、質量部21、22の質量の変更すべき量や温度等に応じて適宜設定されるが、一例として0.1体積%以上100体積%以下であるのが好ましく、1体積%以上50体積%以下であるのがより好ましい。これにより、十分な酸化速度が得られるとともに、酸化速度を制御し易くなるので共振周波数を微調整し易くなる。
酸素含有ガスの酸素濃度は、質量部21、22の質量の変更すべき量や温度等に応じて適宜設定されるが、一例として0.1体積%以上100体積%以下であるのが好ましく、1体積%以上50体積%以下であるのがより好ましい。これにより、十分な酸化速度が得られるとともに、酸化速度を制御し易くなるので共振周波数を微調整し易くなる。
また、質量部21、22を加熱する際の温度は、40℃以上500℃以下程度であるのが好ましく、50℃以上400℃以下程度であるのがより好ましい。
一方、収納空間Sを通過するように、酸素含有ガスを継続的に流動(フロー)させるようにしてもよい。
なお、本工程では、振動片190の共振周波数を確認しつつ、酸化処理を施すのが好ましい。これにより、共振周波数を目的とする値に確実に調整することができる。
一方、収納空間Sを通過するように、酸素含有ガスを継続的に流動(フロー)させるようにしてもよい。
なお、本工程では、振動片190の共振周波数を確認しつつ、酸化処理を施すのが好ましい。これにより、共振周波数を目的とする値に確実に調整することができる。
図9は、質量部21、22の酸化の程度(酸化率)と、振動片190の共振周波数の調整量との関係の一例を示すグラフである。
図9から明らかなように、質量部21、22の酸化の程度(酸化率)が進行すると、それに伴って共振周波数の低下量が徐々に増大する。質量部21、22の酸化の程度と共振周波数の低下量には、ほぼ比例関係が認められるので、これを利用することで、共振周波数の低下量を所望の値に調整することができる。
図9から明らかなように、質量部21、22の酸化の程度(酸化率)が進行すると、それに伴って共振周波数の低下量が徐々に増大する。質量部21、22の酸化の程度と共振周波数の低下量には、ほぼ比例関係が認められるので、これを利用することで、共振周波数の低下量を所望の値に調整することができる。
なお、本実施形態では、被酸化材料が電極層193、195とは別の質量部21、22として用いられているが、本発明はかかる形態に限定されず、被酸化材料は例えば電極層193、195の構成材料の一部であってもよい。この場合、電極層193、195の表面に被酸化材料が露出している必要がある。これにより、この露出部位において酸化反応が生じる。
このような電極層193、195は、例えば、圧電基板191上に被酸化材料の層と貴金属材料の層とを順次積層し、次いで、これに加熱処理を施し、貴金属材料の層に被酸化材料を拡散させることにより形成される。この方法によれば、酸化処理に伴って電極層193、195全体の質量を偏りなく変更することができるので、質量変化の分布(バランス)が最適化されることとなる。よって、振動安定性の高い振動片190を得ることができる。
図14は、52MHzのATカット水晶振動子に周波数調整を行ったときの実験結果を示すグラフであって、金電極の中を拡散し金の表面に露出したCrを酸化させてCr2O3に変化させることによる周波数調整量の実測結果(○)と、シミュレーション(計算)によってCrの酸化程度を変更していったときの周波数調整量のシミュレーション結果(■)を示している。
酸化処理前後で行ったCrのXPS分析(X線光電子分光分析)により、表面の露出した5.8原子%のCrは、すべてCr2O3になっていたことが分かった。この事例では、CrをCr2O3にすることで酸素分の質量が増加し、−13.8ppmの周波数調整を行うことができた。この事例では、酸化処理を大気中での275℃×2時間の熱処理とした。酸化処理は、前述したように、酸素を含む雰囲気(例えば大気)への暴露や放置によっても行うことができる。
また、Crの酸化程度を変更していったときの周波数調整量のシミュレーションに関して、CrをCr2O3に変化させたことによる酸素分の質量増加に伴う周波数変化を計算したところ、実測結果(○:−13.8pmm)とシミュレーション結果(■:−13ppm)はよく一致していることを確認した。
また、Crの酸化程度を変更していったときの周波数調整量のシミュレーションに関して、CrをCr2O3に変化させたことによる酸素分の質量増加に伴う周波数変化を計算したところ、実測結果(○:−13.8pmm)とシミュレーション結果(■:−13ppm)はよく一致していることを確認した。
このようなシミュレーション結果からすると、Crと結合する酸素の割合を少なくしていくと、周波数調整量を少なくできることが明らかである。したがって、酸化程度を調整することで、周波数調整量を制御することができると認められる。酸化程度を調整するには、酸素を含む雰囲気に暴露する温度や時間、雰囲気中の酸素濃度を制御することにより行うことができる。
[4]封止工程
次に、ベース120とリッド130との間を完全に塞ぐ(図8(d)参照)。これにより、収納空間Sは封じ切られ、外部から隔離されるので、振動片190の保持環境を一定に維持することができる。その結果、振動子1が得られる。この際、振動片190の共振周波数は、酸化工程において調整された周波数で固定されることとなる。この封止の際にも、前述した接合方法が用いられる。
次に、ベース120とリッド130との間を完全に塞ぐ(図8(d)参照)。これにより、収納空間Sは封じ切られ、外部から隔離されるので、振動片190の保持環境を一定に維持することができる。その結果、振動子1が得られる。この際、振動片190の共振周波数は、酸化工程において調整された周波数で固定されることとなる。この封止の際にも、前述した接合方法が用いられる。
なお、質量部21、22の酸化反応は、温度や被酸化材料の組成等によっては、長時間に及ぶ場合がある。この場合、封止後における質量部21、22の酸化反応をあらかじめ見越した上で、収納空間Sに充填される酸素含有ガスに含まれる酸素量を調整しておけばよい。すなわち、本工程後、収納空間Sに存在する酸素は、被酸化材料の未酸化物がある限り、経時的に質量部21、22の酸化に消費されるので、それを踏まえ、質量部21、22の質量の変更すべき量に応じて収納空間Sに充填される酸素量を調整した上で収納空間Sを封じ切ることにより、経時的に振動片190の共振周波数を目的とする値に調整することができる。
また、本工程後、酸素が消費されることを利用することにより、経時的に収納空間S内の酸素濃度を非常に低濃度に抑えることができる。その結果、収納空間S内の酸素が消費され尽くした後は、酸化による共振周波数の変化が抑えられるので、周波数安定性の高い振動子1が得られる。なお、これを利用すれば、収納空間Sに充填するガスとして酸素が含まれた安価な不活性ガスを用いた場合でも、経時的に周波数の安定化を図ることができるという点で、本発明は有用である。
以上のような方法によれば、被酸化層除去工程により、振動片190の共振周波数を大まかに粗調整した後、酸化工程により、共振周波数を微調整するといった2段階で周波数を調整することができる。これにより、高周波に対応した振動片190であっても、共振周波数を目的とする値に短時間で正確に調整することができる。また、酸化工程は、酸素含有ガスを収納空間Sに充填するという非常に簡単な操作により行うことができる。このため、レーザー加工やイオンミリングのように大型で高価な装置が不要であるという利点がある。
また、被酸化層除去工程を収納工程より前に行うことで、除去された被酸化層がパッケージ110内に残ることが防止される。
また、被酸化層除去工程を収納工程より前に行うことで、除去された被酸化層がパッケージ110内に残ることが防止される。
さらに、本発明によれば、被酸化層除去工程により質量部21、22の質量を減少させたり、酸化工程により質量部21、22の質量を増加させたりすることができる。したがって、仮に、酸化工程において誤って質量部21、22の質量を増加させ過ぎたりした場合でも、再び被酸化層除去工程を行うことによって、再調整が可能であるという利点を本発明は有している。
[電子機器]
次いで、本発明の振動片を備える電子機器(本発明の電子機器)について、図10〜図12に基づき、詳細に説明する。
図10は、本発明の振動片を備える電子機器を適用したモバイル型(またはノート型)のパーソナルコンピューターの構成を示す斜視図である。この図において、パーソナルコンピューター1100は、キーボード1102を備えた本体部1104と、表示部100を備えた表示ユニット1106とにより構成され、表示ユニット1106は、本体部1104に対しヒンジ構造部を介して回動可能に支持されている。このようなパーソナルコンピューター1100には、フィルター、共振器、基準クロック等として機能する振動子1が内蔵されている。
次いで、本発明の振動片を備える電子機器(本発明の電子機器)について、図10〜図12に基づき、詳細に説明する。
図10は、本発明の振動片を備える電子機器を適用したモバイル型(またはノート型)のパーソナルコンピューターの構成を示す斜視図である。この図において、パーソナルコンピューター1100は、キーボード1102を備えた本体部1104と、表示部100を備えた表示ユニット1106とにより構成され、表示ユニット1106は、本体部1104に対しヒンジ構造部を介して回動可能に支持されている。このようなパーソナルコンピューター1100には、フィルター、共振器、基準クロック等として機能する振動子1が内蔵されている。
図11は、本発明の振動片を備える電子機器を適用した携帯電話機(PHSも含む)の構成を示す斜視図である。この図において、携帯電話機1200は、複数の操作ボタン1202、受話口1204および送話口1206を備え、操作ボタン1202と受話口1204との間には、表示部100が配置されている。このような携帯電話機1200には、フィルター、共振器等として機能する振動子1が内蔵されている。
図12は、本発明の振動片を備える電子機器を適用したディジタルスチルカメラの構成を示す斜視図である。なお、この図には、外部機器との接続についても簡易的に示されている。ここで、通常のカメラは、被写体の光像により銀塩写真フィルムを感光するのに対し、ディジタルスチルカメラ1300は、被写体の光像をCCD(Charge Coupled Device)等の撮像素子により光電変換して撮像信号(画像信号)を生成する。
ディジタルスチルカメラ1300におけるケース(ボディー)1302の背面には、表示部が設けられ、CCDによる撮像信号に基づいて表示を行う構成になっており、表示部は、被写体を電子画像として表示するファインダーとして機能する。また、ケース1302の正面側(図中裏面側)には、光学レンズ(撮像光学系)やCCDなどを含む受光ユニット1304が設けられている。
撮影者が表示部に表示された被写体像を確認し、シャッターボタン1306を押下すると、その時点におけるCCDの撮像信号が、メモリー1308に転送・格納される。また、このディジタルスチルカメラ1300においては、ケース1302の側面に、ビデオ信号出力端子1312と、データ通信用の入出力端子1314とが設けられている。そして、図示されるように、ビデオ信号出力端子1312にはテレビモニター1430が、デ−タ通信用の入出力端子1314にはパーソナルコンピューター1440が、それぞれ必要に応じて接続される。さらに、所定の操作により、メモリー1308に格納された撮像信号が、テレビモニター1430や、パーソナルコンピューター1440に出力される構成になっている。このようなディジタルスチルカメラ1300には、フィルター、共振器等として機能する振動子1が内蔵されている。
なお、本発明の振動片を備える電子機器は、図10のパーソナルコンピューター(モバイル型パーソナルコンピューター)、図11の携帯電話機、図12のディジタルスチルカメラの他にも、例えば、インクジェット式吐出装置(例えばインクジェットプリンター)、ラップトップ型パーソナルコンピューター、テレビ、ビデオカメラ、ビデオテープレコーダー、カーナビゲーション装置、ページャー、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニター、電子双眼鏡、POS端末、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシミュレーター等に適用することができる。
[移動体]
次に、本発明の振動片を備える移動体(本発明の移動体)について説明する。
図13は、本発明の移動体の一例としての自動車を概略的に示す斜視図である。自動車1500には、振動子1が搭載されている。振動子1は、キーレスエントリー、イモビライザー、カーナビゲーションシステム、カーエアコン、アンチロックブレーキシステム(ABS)、エアバック、タイヤ・プレッシャー・モニタリング・システム(TPMS:Tire Pressure Monitoring System)、エンジンコントロール、ハイブリッド自動車や電気自動車の電池モニター、車体姿勢制御システム等の電子制御ユニット(ECU:electronic control unit)に広く適用できる。
次に、本発明の振動片を備える移動体(本発明の移動体)について説明する。
図13は、本発明の移動体の一例としての自動車を概略的に示す斜視図である。自動車1500には、振動子1が搭載されている。振動子1は、キーレスエントリー、イモビライザー、カーナビゲーションシステム、カーエアコン、アンチロックブレーキシステム(ABS)、エアバック、タイヤ・プレッシャー・モニタリング・システム(TPMS:Tire Pressure Monitoring System)、エンジンコントロール、ハイブリッド自動車や電気自動車の電池モニター、車体姿勢制御システム等の電子制御ユニット(ECU:electronic control unit)に広く適用できる。
以上、本発明について、好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。
また、本発明においては、上述した実施形態に任意の構成物が付加されていてもよく、各実施形態が適宜組み合わされていてもよい。
また、本発明においては、上述した実施形態に任意の構成物が付加されていてもよく、各実施形態が適宜組み合わされていてもよい。
また、前記各実施形態に係る振動片は、弾性表面波素子であってもよい。
また、振動片に設けられた質量部は必要に応じて設けられればよく、省略することもできる。この場合、本発明の振動片の周波数調整方法では、被酸化材料を含む電極層を被酸化層とし、これに酸化処理を施すことにより、振動片の周波数を調整するようにすればよい。
また、振動片に設けられた質量部は必要に応じて設けられればよく、省略することもできる。この場合、本発明の振動片の周波数調整方法では、被酸化材料を含む電極層を被酸化層とし、これに酸化処理を施すことにより、振動片の周波数を調整するようにすればよい。
1……振動子 10……発振器 110……パッケージ 120……ベース 121……凹部 123……基部 124……側壁 130……リッド 141……接続電極 142……外部実装電極 143……貫通電極 151……接続電極 152……外部実装電極 153……貫通電極 161……導電性接着剤 162……導電性接着剤 170……メタライズ層 180……ろう材 190……振動片 191……圧電基板 193……電極層 1930……窓部 193a……励振電極 193b……ボンディングパッド 193c……配線 195……電極層 1950……窓部 195a……励振電極 195b……ボンディングパッド 195c……配線 21、22……質量部 30……基部 31、32……振動腕 33、34……ハンマーヘッド 80……ICチップ 9……パッケージ 91……ベース 911……凹部 911a……第1凹部 911b……第2凹部 911c……第3凹部 92……リッド 93……内部端子 94……外部端子 95……接続端子 100……表示部 1100……パーソナルコンピューター 1102……キーボード 1104……本体部 1106……表示ユニット 1200……携帯電話機 1202……操作ボタン 1204……受話口 1206……送話口 1300……ディジタルスチルカメラ 1302……ケース 1304……受光ユニット 1306……シャッターボタン 1308……メモリー 1312……ビデオ信号出力端子 1314……入出力端子 1430……テレビモニター 1440……パーソナルコンピューター 1500……自動車 S……収納空間
Claims (9)
- 基板と、
前記基板の表面に設けられている被酸化材料を含む被酸化層と、
を含む振動片に対して酸化処理を施すことにより、前記被酸化層に酸化による質量増加を生じさせ、前記振動片の共振周波数を調整することを特徴とする振動片の周波数調整方法。 - 前記被酸化層の一部を除去した後、酸化処理を施す請求項1に記載の振動片の周波数調整方法。
- 前記被酸化層は、クロムまたはニッケルを含む請求項1または2に記載の振動片の周波数調整方法。
- 基板とその表面に設けられている被酸化材料を含む被酸化層とを含む振動片に対し、前記被酸化層の一部を除去する被酸化層除去工程と、
ベースとリッドとを備え、前記ベースと前記リッドとの間に形成される空間に前記被酸化層除去工程後の前記振動片を収納する工程と、
前記被酸化層に酸化処理を施すことにより、前記被酸化層に酸化による質量増加を生じさせ、前記振動片の共振周波数を調整する酸化工程と、
前記空間を封止する工程と、
を含むことを特徴とする振動子の製造方法。 - 基板と、
前記基板の表面に設けられている励振電極と、
前記基板の表面上に設けられ、被酸化材料を含む質量部と、
を備えていることを特徴とする振動片。 - 前記質量部は、前記基板の振動領域に対応して設けられている請求項5に記載の振動片。
- 請求項5または6に記載の振動片と、発振回路と、を備えていることを特徴とする発振器。
- 請求項5または6に記載の振動片を備えていることを特徴とする電子機器。
- 請求項5または6に記載の振動片を備えていることを特徴とする移動体。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013075325A JP2014200040A (ja) | 2013-03-29 | 2013-03-29 | 振動片の周波数調整方法、振動子の製造方法、振動片、発振器、電子機器および移動体 |
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JP (1) | JP2014200040A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018125579A (ja) * | 2017-01-30 | 2018-08-09 | 京セラクリスタルデバイス株式会社 | 音叉型水晶素子及び音叉型水晶素子が実装された水晶デバイス並びに音叉型水晶素子の製造方法 |
CN112868178A (zh) * | 2018-10-17 | 2021-05-28 | 日本碍子株式会社 | 接合体及弹性波元件 |
-
2013
- 2013-03-29 JP JP2013075325A patent/JP2014200040A/ja active Pending
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