JP2014198784A - グリース組成物 - Google Patents

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秀章 服部
Hideaki Hattori
秀章 服部
吉田 幸生
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吉田  幸生
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Abstract

【課題】高温高真空下においても、金属腐食性が低く、低蒸発性および耐飛散性に優れ、真空環境を良好に維持可能なグリース組成物を提供する。【解決手段】本発明のグリース組成物は、下記一般式(1)で表される化合物からなるイオン液体を含む基油と、Z+A−(1)(一般式(1)において、Z+はカチオンであり、2つの異なる側鎖を有する環状4級アンモニウムイオンである。A−はアニオンであり、共役アミドイオンである。)ウレア化合物を含む増ちょう剤とを含み、前記ウレア化合物の原料であるアミンおよびイソシアネートをいずれも含まず、滴点が230℃以上であることを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、グリース組成物に関する。
機械の進歩やメンテナンスフリーに対する意識の向上に伴い、グリース組成物を用いた潤滑における使用条件はますます過酷になっている。特に高温、高真空環境で長期間安定なグリース組成物は、機械の寿命延長に直結するため、その性能向上が求められている。
また、近年進歩が目覚しい電子機器部品やその製造設備、例えば、半導体製造装置や液晶製造装置などにおいては、グリース組成物に含まれる揮発成分や分解物、微細な飛沫の発生による汚染が問題となることから、低蒸発性、耐飛散性、低アウトガス性のグリース組成物の開発が盛んに行われている。
そこで、高温、高真空環境下でも安定でかつ低蒸発性を示し、耐飛散性、低アウトガス性に優れるグリース組成物として、パーフルオロアルキルポリエーテル(以下「PFAE」という。)を基油としたグリース組成物が提案されている。しかし、高温摩擦環境下では、PFAEが分解しやすいため、その使用条件には限界がある。従って、現状ではグリース組成物の補給周期を短くするか、部品の交換周期を短くして対応している。
一方、近年、カチオンとアニオンとから構成されたイオン液体が優れた熱安定性と低蒸発性を有し、空気中でも安定な液体となることが報告され(例えば、非特許文献1参照)、注目されている。イオン液体は、その熱安定性(難揮発性、難燃性)、高イオン密度(高イオン伝導性)、大熱容量、低粘性などの特徴を活かして様々な用途、例えば太陽電池などの電解液、抽出分離溶媒、反応溶媒、潤滑油(例えば、特許文献1〜3参照)などとして、応用研究が積極的になされている。
そして、このようなイオン液体を基油としたグリース組成物が提案されている(例えば、特許文献2参照)。イオン液体は、分子間が分子性液体のように分子間引力で結びついているのではなく、強力なイオン結合で結びついているため、揮発し難く、難燃性であり、熱や酸化に対して安定な液体である。そのため、イオン液体を基油としたグリース組成物は、高温環境下における使用においても長寿命であり、優れた低蒸発性を有し、かつ不燃性であるので、過酷な条件であっても良好な潤滑性を示すことができ、またメンテナンスフリーの要求にも答え得るものである。
国際公開第2005/035702号 特開2005−154755号公報 特開2006−291011号公報
J.Chem.Soc.,Chem.Commun.(1992),p.965−967
しかしながら、イオン液体は室温大気圧中で吸湿しやすい特徴を有し、このようなイオン液体を基油とするグリース組成物を真空装置で使用すると、水分の蒸発に伴いグリース組成物が飛散し、クリーンな環境を汚染するという問題がある。フッ素系増ちょう剤であるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を用いても、PTFEとイオン液体とのなじみが悪く、PTFEの内部にイオン液体を十分に保持することができないため、水分の揮発とともにイオン液体あるいはグリース組成物そのものが飛散しやすいという問題がある。
そこで、本発明は、高温高真空下においても、金属腐食性が低く、低蒸発性および耐飛散性に優れ、真空環境を良好に維持可能なグリース組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記問題を解決するため、鋭意検討を重ねた結果、高温高真空下においても、金属腐食性が低く、低蒸発性に優れ、水分を吸収しても真空下で飛散しにくいグリース組成物とするためには、イオン液体を含む基油を用い、増ちょう剤として、いわゆるプリメイドのウレア化合物を用いた場合に良好な結果を得ることができることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
本発明のグリース組成物は、下記一般式(1)で表される化合物からなるイオン液体を含む基油と、
(1)
(一般式(1)において、Zはカチオンであり、2つの異なる側鎖を有する環状4級アンモニウムイオンである。Aはアニオンであり、共役アミドイオンである。)
ウレア化合物を含む増ちょう剤とを含み、
前記ウレア化合物の原料であるアミンおよびイソシアネートをいずれも含まず、
滴点が230℃以上であることを特徴とする。
さらに、本発明のグリース組成物において、前記一般式(1)で表される化合物からなるイオン液体における前記Aが、下記一般式(2)で表される構造を有するアニオンの中から選ばれることが好ましい。
(一般式(2)において、nは1から4までの整数であり、mは1から4までの整数であり、それらは同一でも異なっていてもよい。)
本発明のグリース組成物において、前記一般式(1)で表される化合物からなるイオン液体における前記Zが、下記一般式(3)で表される構造を有するカチオンの中から選ばれることが好ましい。
(一般式(3)において、nは1または2であり、Xはメチレンまたは酸素であり、R、Rはエーテル基、エステル基、ニトリル基、シリル基を有していてもよい炭素数1から12までのアルキル基から選ばれる基である。RとRは、互いに異なる。)
本発明のグリース組成物において、前記一般式(1)で表される化合物の分子量が、410以上570以下であることが好ましい。
また、本発明のグリース組成物において、前記イオン液体の40℃動粘度が、1mm/s以上100mm/s以下であることが好ましい。
本発明のグリース組成物において、前記イオン液体の流動点が、0℃以下であることが好ましい。
さらに、本発明のグリース組成物において、前記ウレア化合物が、ジウレア化合物を95質量%以上含むことが好ましい。
本発明のグリース組成物において、前記増ちょう剤が、グリース組成物全量に対して3質量%以上50質量%以下含まれることが好ましい。
本発明のグリース組成物において、さらに、酸化防止剤、油性剤、極圧剤、清浄分散剤、粘度指数向上剤、防錆剤、金属不活性化剤および消泡剤のうちの少なくともいずれかを配合したことが好ましい。
また、本発明のグリース組成物が、真空機器および半導体製造装置の潤滑に用いられることが好ましい。
本発明によれば、高温高真空下においても、金属腐食性が低く、低蒸発性および耐飛散性に優れ、真空環境を良好に維持可能なグリース組成物を提供することができる。
本発明のグリース組成物は、下記一般式(1)で表される化合物からなるイオン液体を含む基油と、
(1)
(一般式(1)において、Zはカチオンであり、2つの異なる側鎖を有する環状4級アンモニウムイオンである。Aはアニオンであり、共役アミドイオンである。)
ウレア化合物を含む増ちょう剤とを含み、前記ウレア化合物の原料であるアミンおよびイソシアネートをいずれも含まず、滴点が230℃以上であることを特徴とする。
以下、グリース組成物の各成分について、詳細に説明する。
[基油]
基油は、下記一般式(1)で表される化合物からなるイオン液体を含む。
(1)
(一般式(1)において、Zはカチオンであり、2つの異なる側鎖を有する環状4級アンモニウムイオンである。Aはアニオンであり、共役アミドイオンである。)
前記一般式(1)において、Aが、下記一般式(2)で表される構造を有するアニオンの中から選ばれることが好ましい。
(一般式(2)において、nは1から4までの整数であり、mは1から4までの整数であり、それらは同一でも異なっていてもよい。)
上記一般式(2)において、nは1から4までの整数であり、イオン液体の後述する分子量の観点から、1または2であることがより好ましい。
前記一般式(2)で表される構造を有するアニオンとしては、例えば、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド、ビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)アミド、ビス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)アミド、ビス(ノナフルオロブタンスルホニル)アミド、トリフルオロメタンスルホニル(ペンタフルオロエタンスルホニル)アミド、ペンタフルオロエタンスルホニル(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)アミド、ヘプタフルオロプロパンスルホニル(ノナフルオロブタンスルホニル)アミド、トリフルオロメタンスルホニル(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)アミド、ペンタフルオロエタンスルホニル(ノナフルオロブタンスルホニル)アミド、トリフルオロメタンスルホニル(ノナフルオロブタンスルホニル)アミドが挙げられる。
これらの中でも、イオン液体の分子量の観点から、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド、ビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)アミド、トリフルオロメタンスルホニル(ペンタフルオロエタンスルホニル)アミドが好ましく、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミドが特に好ましい。
前記一般式(2)で表される構造を有するアニオン以外のアニオンとしては、Cl、Br、I、RSO 、R0SO 、RCO 、NO 、BF 、PF 、SCN、N(CN) 、C(CN) 、PF(C 、B(C 、B(CN) 等が知られている。しかしながら、これらは、高度に共役した分子構造ではないため、前記一般式(2)で表される構造を有するアニオンに比べ、熱安定性に劣るおそれがある。
前記一般式(1)におけるZが、下記一般式(3)で表される構造を有するカチオンの中から選ばれるものであることが好ましい。
(一般式(3)において、nは1または2であり、Xはメチレンまたは酸素であり、R、Rはエーテル基、エステル基、ニトリル基、シリル基を有していてもよい炭素数1から12までのアルキル基から選ばれる基である。RとRは、互いに異なる。)
一般式(3)において、アルキル基の炭素数は、1から12までであるが、イオン液体の低粘度化や耐熱性(高温酸化安定性)の向上という観点から、1から6までであることがより好ましく、1から4までであることが特に好ましい。
前記一般式(3)で表される構造を有するカチオンとしては、下記一般式(3a)〜(3c)から選ばれるいずれかであることが好ましい。
(前記一般式(3a)〜(3c)において、R〜R12は、それぞれ独立に、水素原子、エーテル結合を有していてもよい炭素数1から8までのアルキル基および炭素数1から8までのアルコキシル基から選ばれる官能基であり、R〜R12は、同一でも異なっていてもよい。ただし、RとRは、互いに異なる。)
前記一般式(3)におけるRとRまたは(3a)〜(3c)におけるRとRとが互いに同じ場合、イオン化液体が室温で固体となり、グリース組成物に用いた場合、グリース組成物としての潤滑性が損なわれ、広い温度範囲で使用することが困難となる。
前記一般式(3)で表される構造を有するカチオンとしては、例えば、1−ブチル−1−メチルピロリジニウム、1−ペンチル−1メチルピロリジニウム、1−ヘキシル−1−メチルピロリジニウム、1−ヘプチル−1メチルピロリジニウム、1−オクチル−1メチルピロリジニウム、1−ノニル−1メチルピロリジニウム、1−デシル−1メチルピロリジニウム、1−ウンデシル−1メチルピロリジニウム、1−ドデシル−1メチルピロリジニウム、1−(2−メトキシエチル)−1−メチルピロリジニウム、1−(2−メトキシ−2−オキソエチル)−1−メチルピロリジニウム、1−シアノメチル−1−メチルピロリジニウム、1−トリメチルシリルメチル−1−メチルピロリジニウム、1−ブチル−1−メチルピペリジニウム、1−ペンチル−1−メチルピペリジニウム、1−ヘキシル−1−メチルピペリジニウム、1−ヘプチル−1−メチルピペリジニウム、1−オクチル−1−メチルピペリジニウム、1−ノニル−1−メチルピペリジニウム、1−デシル−1−メチルピペリジニウム、1−ウンデシル−1−メチルピペリジニウム、1−ドデシル−1−メチルピペリジニウム、1−(2−メトキシエチル)−1−メチルピペリジニウム、1−(2−メトキシ−2−オキソエチル)−1−メチルピペリジニウム、1−シアノメチル−1−メチルピペリジニウム、1−トリメチルシリルメチル−1−メチルピペリジニウム、1−ブチル−1−メチルモルホリニウム、1−ペンチル−1−メチルモルホリニウム、1−ヘキシル−1−メチルモルホリニウム、1−ヘプチル−1−メチルモルホリニウム、1−オクチル−1−メチルモルホリニウム、1−ノニル−1−メチルモルホリニウム、1−デシル−1−メチルモルホリニウム、1−ウンデシル−1−メチルモルホリニウム、1−ドデシル−1−メチルモルホリニウム、1−(2−メトキシエチル)−1−メチルモルホリニウム、1−(2−メトキシ−2−オキソエチル)−1−メチルモルホリニウム、1−シアノメチル−1−メチルモルホリニウム、1−トリメチルシリルメチル−1−メチルモルホリニウムが挙げられる。
これらの中でも、イオン液体の低粘度化や耐熱性(高温酸化安定性)の向上という観点から、1−ブチル−1−メチルピロリジニウム、1−ペンチル−1メチルピロリジニウム、1−ヘキシル−1−メチルピロリジニウム、1−(2−メトキシエチル)−1−メチルピロリジニウム、1−ブチル−1−メチルピペリジニウム、1−(2−メトキシエチル)−1−メチルピペリジニウム、1−(2−メトキシエチル)−1−メチルモルホリニウムが好ましく、1−ブチル−1−メチルピロリジニウム、1−(2−メトキシエチル)−1−メチルピロリジニウム、1−(2−メトキシエチル)−1−メチルピペリジニウムが特に好ましい。
前記一般式(3)で表される構造を有するカチオン以外のカチオンとしては、イミダゾリウム、ピリジニウム、グアジニウム、脂肪族4級アンモニウム、脂肪族4級ホスホニウム、脂肪族スルホニウムなどが知られているが、ルイス酸性が高いため、前記一般式(3)で表される構造を有するカチオンに比べ、高温金属腐食性が強いという問題を生じる可能性がある。前記一般式(3)で表される構造を有するカチオンは、ルイス酸性が適切であり、高温金属腐食性が低い。
一般式(1)で表される化合物の分子量は、410以上570以下であることが好ましく、410以上470以下であることがより好ましく、420以上440以下であることが特に好ましい。分子量が前記範囲内である場合には、電荷密度およびカチオンのアルキル鎖が適当な範囲となり、イオン液体の低粘度化や耐熱性(高温酸化安定性)の向上を図ることができる。
また、前記イオン液体の40℃における動粘度は、蒸発損失、および粘性抵抗による動力損失を抑えるという観点から、1mm/s以上100mm/s以下であることが好ましく、10mm/s以上70mm/s以下であることがより好ましく、20mm/s以上40mm/s以下であることが特に好ましい。
さらに、前記イオン液体の流動点は、低温時に粘性抵抗が増大することを抑える点から、0℃以下であることが好ましく、−10℃以下であることがより好ましく、−20℃以下であることが特に好ましい。
本発明のグリース組成物に含まれる基油は、前記一般式(1)で表されるイオン液体を1種以上含む。
また、本発明のグリース組成物に含まれる基油は、前記一般式(1)で表されるイオン液体のみからなるものであってもよいし、他のイオン液体を含んでいてもよい。この場合、発明の効果の観点から、前記一般式(1)で表されるイオン液体は、当該基油基準で80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましい。当該基油が、前記一般式(1)で表されるイオン液体のみからなることが特に好ましい。
[増ちょう剤]
本発明のグリース組成物においては、所定のウレア化合物を含む増ちょう剤を用いることにより、イオン液体が水分を吸収しても真空下で飛散し難くなり、グリース組成物を耐飛散性に優れたものとすることができる。
本発明のグリース組成物において、ウレア化合物を含む増ちょう剤は、基油であるイオン液体中に原料であるアミンおよびイソシアネートを直接添加することにより生成させたものではなく、別途合成して不純物を取り除いたウレア化合物(プリメイドのウレア化合物ともいう)を含む増ちょう剤である。したがって、この増ちょう剤には、ウレア化合物の原料であるアミンおよびイソシアネートは実質的に含まれていない。また、本発明のグリース組成物にも、ウレア化合物の原料であるアミンおよびイソシアネートは実質的に含まれていない。
グリース組成物に増ちょう剤として、ウレア化合物を含む場合、上述したようにウレア化合物の原料であるアミンおよびイソシアネートを直接イオン液体に添加することで、ウレア化合物を生成させることができるが、この場合、未反応のアミンおよびイソシアネートがグリース組成物中に残留することとなる。未反応のアミンやイソシアネートは、グリース組成物を真空装置で使用した際に、アウトガスとなって、真空環境を汚染するおそれがある。
本発明においては、別途合成して不純物を取り除いたウレア化合物(プリメイドのウレア化合物)を含む増ちょう剤を用いるので、アウトガスが発生しにくく(低アウトガス性)、真空環境の汚染を抑制できるので、真空環境を良好に維持することができる。
ウレア化合物としては、モノウレア化合物、ジウレア化合物、トリウレア化合物、テトラウレア化合物が挙げられる。
本発明のグリース組成物に含まれる増ちょう剤において、ウレア化合物は、モノウレア化合物、ジウレア化合物およびトリウレア化合物からなる群から選ばれる1種以上を含むことが好ましい。熱安定性の観点から、ウレア化合物は、ジウレア化合物を95質量%以上含むことが好ましく、97質量%以上含むことがより好ましく、99質量%以上含むことが特に好ましい。
ジウレア化合物としては、例えば下記一般式(4)で表される化合物が挙げられる。
11NHCONHR12NHCONHR13 (4)
式中、R11、R13はそれぞれ独立に、炭素数6から22まで、好ましくは炭素数10から22まで、より好ましくは炭素数15から22までの1価の鎖式炭化水素基、炭素数6から12まで、好ましくは炭素数6から8までの1価の脂環式炭化水素基、または炭素数6から12まで、好ましくは炭素数6から9までの1価の芳香族炭化水素基を示す。R12は炭素数6から15までの2価の芳香族炭化水素基を示す。
前記一般式(4)におけるR12で示される炭素数6から15までの2価の芳香族炭化水素基としては、フェニレン基、ジフェニルメタン基、トリレン基などが挙げられる。
また、前記一般式(4)におけるR11、R13で示される炭素数6から22までの1価の鎖式炭化水素基としては、直鎖状もしくは分岐状の飽和または不飽和のアルキル基が含まれ、例えば、各種へキシル基、各種へプシル基、各種オクチル基、各種ノニル基、各種デシル基、各種ウンデシル基、各種ドデシル基、各種トリデシル基、各種テトラデシル基、各種ペンタデシル基、各種へキサデシル基、各種へプタデシル基、各種オクタデシル基、各種オクタデセニル基、各種ノナデシル基、各種イコデシル基などの直鎖状アルキル基、分岐状アルキル基が挙げられる。
また、前記一般式(4)におけるR11、R13で示される炭素数6から22までの1価の脂環式炭化水素基としては、シクロヘキシル基または炭素数7から12までのアルキル基置換シクロヘキシル基が含まれ、例えば、シクロヘキシル基の他に、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシル基、エチルシクロヘキシル基、ジエチルシクロヘキシル基、プロピルシクロヘキシル基、イソプロピルシクロヘキシル基、1−メチループロピルシクロヘキシル基、ブチルシクロヘキシル基、アミルシクロヘキシル基、アミルーメチルシクロヘキシル基、ヘキシルシクロヘキシル基などが挙げられる。これらの中でも、製造上の理由で、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、エチルシクロヘキシル基などが好ましい。
また、前記一般式(4)におけるR11、R13で示される炭素数6から12までの1価の芳香族炭化水素基としては、フェニル基、トルイル基、ベンジル基、エチルフェニル基、メチルベンジル基、キシリル基、プロピルフェニル基、クメニル基、エチルベンジル基、メチルフェネチル基、ブチルフェニル基、プロピルベンジル基、エチルフェネチル基、ペンチルフェニル基、ブチルベンジル基、プロピルフェネチル基、へキシルフェニル基、ペンチルペンジル基、プチルフェネチル基、へプチルフェニル基、へキシルベンジル基、ペンチルフェネチル基、オクチルフェニル基、ブチルベンジル基、ヘキシルフェネチル基、ノニルフェニル基、オクチルベンジル基が挙げられる。
本発明においては、前記ジウレア化合物の末端基であるR11、R13の各炭化水素基の割合、すなわち、R11,R13を形成するための原料アミン(または、混合アミン)の組成は、特に制限はないが、鎖式炭化水素基を有するアミンや脂環式炭化水素基を有するアミン、あるいはこれらの混合物が基油の溶出性を抑える観点より好ましい。
特に、溶出性を抑える観点より、前記式(4)において、R11およびR13で表される炭化水素基のうち、10質量%以上が炭素数6から12までの1価の脂環式炭化水素基であることが好ましい。この割合は、30質量%以上であることがより好ましく、50質量%以上であることがさらに好ましい。
上記ジウレア化合物は、通常ジイソシアネー卜とモノアミンを反応させることによって得ることができ、ジイソシアネー卜としては、ジフェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート等が挙げられ、有害性が小さい点でジフェニルメタンジイソシアネートが好ましい。モノアミンとしては、前記一般式(4)におけるR11、R13で示される鎖式炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基などに対応するアミンが挙げられ、例えば、オクチルアミン、ドデシルアミン、オクタデシルアミン、オクタデセニルアミンなどの鎖式炭化水素アミンやシクロヘキシルアミンなどの脂環式炭化水素アミン、アニリン,トルイジンなどの芳香族炭化水素アミン、およびそれらを混合した混合アミンが挙げられる。
このようなジウレア化合物としては、製造に用いるモノアミンのうち、モノアミンの全量に対して、80質量%以上が炭素数4以上、22以下の脂肪族アミンであることが冷媒への基油の溶出を防ぐ点で好ましく、炭素数6以上、20以下がより好ましい。炭素数がこの範囲内である脂肪族モノアミンのより好ましい割合は、50質量%以下であり、さらに好ましくは30質量%以下である。また、前記した脂肪族アミンのうち、炭素数6以上、20質量%以下の成分が60質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましい。
増ちょう剤は、グリース組成物全量に対して、3質量%以上50質量%以下含まれることが好ましい。増ちょう剤量が少なすぎると軟らかすぎてグリース化しない場合があり、多すぎると硬くなり潤滑不良を起こす場合がある。硬さと軟らかさのバランスから5質量%以上45質量%以下であることがより好ましく、10質量%以上40質量%以下であることが特に好ましい。
[その他]
本発明のグリース組成物は、さらに所定の添加剤を配合することにより種々の用途に使用することができる。添加剤としては、酸化防止剤、油性剤、極圧剤、清浄分散剤、粘度指数向上剤、防錆剤、金属不活性化剤および消泡剤などを挙げることができる。これらは一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明のグリース組成物は、高温高真空下においても、金属腐食性が低く、低蒸発性および耐飛散性に優れ、真空環境を良好に維持可能であることから、高温、高荷重、清浄性が要求される特殊環境用途に使用できる。
例えば、真空機器および半導体製造装置、液晶製造装置、電子計算機等に組み込まれたリニアガイド、ボールねじ、転がり軸受けの潤滑用として好適である。
以下に、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。なお、イオン液体およびグリース組成物の諸特性は、下記の方法に従って測定した。
〔イオン液体の特性〕
(1)動粘度
JIS K 2283に規定される「石油製品動粘度試験方法」に準拠して測定した。
(2)流動点
JIS K 2269に準拠して測定した。
(3)5%質量減少温度
示差熱質量分析装置(SII社製 EXSTAR TG/DTA6200)を用いて、基油を10℃/minの割合で昇温し、初期質量から5質量%減少した温度を測定して、5%質量減少温度とした。基油として、5%質量減少温度が高いほど、低蒸発性、耐熱性に優れると言える。
〔グリースの特性〕
(1)ちょう度番号
JIS K 2220−2003 表1に基づく分類に準拠した。
(2)滴点
JIS K 2220−2003 8.に規定される試験方法に準拠して測定した。
(3)5%質量減少温度
示差熱質量分析装置(SII社製 EXSTAR TG/DTA6200)を用いて、グリース組成物を10℃/minの割合で昇温し、初期質量から5質量%減少した温度を測定して、5%質量減少温度とした。グリース組成物として、5%質量減少温度が高いほど、低蒸発性、耐熱性に優れると言える。
(4)高温金属腐食性
JIS K 2220−2003 21.(湿潤試験)用のSPCC鋼板を溶剤で洗浄後、グリース組成物を1.0mm厚に塗布し、200℃で30分間加熱した後のグリース組成物の状態を評価した。
A:グリース状を維持している。
B:固化した。
(5)耐飛散性:
真空蒸着装置(株式会社エイエルエステクノロジー社製 ラボ用昇華精製装置 P−100MKIII−R)を用いて確認した。試料容器の中にグリース組成物を2g置き、蒸着管の中に容器を入れて、温度120℃、真空度1〜10Paで3時間保持した後、蒸着管内部表面にグリース飛散物の有無で評価した。
A:表面にグリース飛散物がない。
B:表面にグリース飛散物がある。
(6)低アウトガス性:
TPD−MS(加熱発生ガス質量分析)装置(質量分析装置:HIDEN ANALYTICAL社製 QIC−20,電気管状炉:アサヒ理化製作所社製 ARF1−200−30KC)を用い、真空度1×10−5Pa、温度120℃でグリース組成物より発生するアウトガス(分子量200以下、窒素、酸素、二酸化炭素以外の成分)を確認した。
A:アウトガス成分あり。
B:アウトガス成分なし。
〔イオン液体(基油)の合成〕
(1)イオン液体1a:1−ブチル−1−メチルピロリジニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド
1Lフラスコに窒素雰囲気下で1−メチルピロリジン(50g、0.587mol)、2−プロパノール70mLを加えた。この中へ1−ブロモブタン(96g、0.704mol)を滴下した後、40℃に昇温して6時間反応させた。反応終了後、酢酸エチルで再結晶化を行い、ろ過により得られた結晶を酢酸エチルで数回洗浄した。その後、真空ポンプで減圧しながら40℃で数時間乾燥することで、1−ブチル−1−メチルピロリジニウムブロミド(ハロゲン体)を得た(113g、0.509mol)。
次に、1Lフラスコへ上記ハロゲン体(113g、0.509mol)と純水110mLを準備し、これにリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(151g、0.526mol)を純水150mLに溶解させた水溶液を滴下した。この反応混合物を室温下約1時間攪拌した後、1L分液ロートに移し塩化メチレン230mLを加えて抽出し、集めた塩化メチレン溶液は純水で数回洗浄した。洗浄後、水層を1〜2mL程度採取して、0.5M硝酸銀水溶液約1mLと反応させ沈殿の有無を確認した(もし、白色沈殿が見られれば臭化物イオンが完全に除去できていないので、これが見えなくなるまで洗浄を繰り返す。)。水洗浄の完了後、ロータリーエバポレータで濃縮し、活性炭を少量加えて、室温下1日間攪拌した。この混合物を中性アルミナのカラムに通し、真空ポンプで加熱攪拌(60℃、4時間)することでイオン液体1a(212g、0.502mol)を得た。
(2)イオン液体1b:1−(2−メトキシエチル)−1−メチルピロリジニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド
イオン液体1aの合成において、1−ブロモブタンを用いる代わりに、2−ヨードエチルメチルエーテル(131g、0.705mol)を用いたこと以外は同様に操作して1−(2−メトキシエチル)−1−メチルピロリジニウムヨージド(146g、0.538mol)を得た。この4級塩をイオン液体1aの合成において、1−ブチル−1−メチルピロリジニウムブロミドの代わりに用いたこと以外は同様に操作して目的化合物(212g、0.500mol)を得た。
(3)イオン液体1c:1−(2−メトキシエチル)−1−メチルピペリジニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド
イオン液体1bの合成において、1−メチルピロリジンを用いる代わりに、1−メチルピペリジン(58g、0.585mol)を用いて、60℃で反応させたこと以外は同様に操作して1−(2−メトキシエチル)−1−メチルピペリジニウムヨージド(161g、0.563mol)を得た。この4級塩をイオン液体1aの合成において、1−ブチル−1−メチルピロリジニウムブロミドの代わりに用いたこと以外は同様に操作して目的化合物(241g、0.549mol)を得た。
(4)イオン液体1d:1−(2−メトキシエチル)−1−メチルモルホリニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド
イオン液体1aの合成において、1−メチルピロリジンを用いる代わりに、1−メチルモルホリン(59g、0.583mol)を用い、1−ブロモブタンを用いる代わりに、2−ヨードエチルメチルエーテル(131g、0.764mol)を用いて、80℃で反応させたこと以外は同様に操作して1−(2−メトキシエチル)−1−メチルモルホリニウムヨージド(145g、0.505mol)を得た。この4級塩をイオン液体1aの合成において、1−ブチル−1−メチルピロリジニウムブロミドの代わりに用いたこと以外は同様に操作して目的化合物(202g、0.459mol)を得た。
(5)イオン液体1e:1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド
1Lフラスコに窒素雰囲気下で1−メチルイミダゾール(173g、2.100mol)、1−クロロブタン(234g、2.528mol)を加え、90℃で数時間反応させた。反応終了後、酢酸エチルとアセトニトリルで再結晶化を行い、ろ過により得られた結晶を真空ポンプで減圧しながら40℃で数時間乾燥することで、1−ブチル−1−メチルイミダゾリウムクロリド(352g、2.016mol)を得た。この4級塩をイオン液体1aの合成において、1−ブチル−1−メチルピロリジニウムブロミドの代わりに用いたこと以外は同様に操作して目的化合物(837g、1.996mol)を得た。
〔ウレア化合物(増ちょう剤)の合成〕
(6)ウレア化合物2a(主成分のジウレア):1,1’−(メチレンジ−4,1−フェニレン)ビス(3−p−トルイルウレア)
1Lフラスコにp−トルイジン(21.4g、200mmol)、THF400mLを加えた。氷浴で内温を15℃以下に冷やした後、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(25g、100mmol)を30分かけてゆっくり滴下した。滴下終了後、氷浴を外し室温で1時間反応させて得られる混合物を加圧ろ過器に移してろ過を行い、ケークをTHFで数回洗浄した。このケークを加熱真空乾燥することにより目的とするウレア化合物2a(46g、99mmol)を得た。
(7)ウレア化合物2b(主成分のジウレア): 1,1’−(メチレンジ−4,1−フェニレン)ビス(3−n−オクチルウレア)
ウレア化合物2aの合成において、p−トルイジンを用いる代わりに、n‐オクチルアミン(25.8g、200mmol)を用いたこと以外は同様に操作して目的化合物(49g、96mmol)を得た。
(8)ウレア化合物2c(主成分のジウレア): 1,1’−(メチレンジ−4,1−フェニレン)ビス(3−シクロへキシルウレア)
ウレア化合物2aの合成において、p−トルイジンを用いる代わりに、シクロヘキシルアミン(21.4g、200mmol)を用いたこと以外は同様に操作して目的化合物(44g、95mmol)を得た。
〔グリースの製造〕
(1)実施例1
300mLセパラブルフラスコに、上述のイオン液体1a(73g)を準備し、室温強攪拌下、ウレア化合物2a(27g)を添加した後、140℃に昇温して一時間撹拌した。冷却後、この反応混合物を3本ロールミルに数回通すことにより、グリース組成物(98g)を得た。
(2)実施例2
実施例1におけるグリース1aの合成において、イオン液体1aを85g、ウレア化合物2aを15g用いたこと以外は同様に操作してグリース組成物(99g)を得た。
(3)実施例3
実施例1におけるグリース1aの合成において、イオン液体1aを68.5g、ウレア化合物2aを31.5g用いたこと以外は同様に操作してグリース組成物(99g)を得た。
(4)実施例4
実施例1におけるグリース1aの合成において、イオン液体1aを用いる代わりにイオン液体1b(75g)を用い、ウレア化合物2aを用いる代わりに、ウレア化合物2b(25g)を用いたこと以外は同様に操作してグリース組成物(98g)を得た。
(5)実施例5
実施例1におけるグリース1aの合成において、イオン液体1aを用いる代わりにイオン液体1c(76g)を用い、ウレア化合物2aを用いる代わりに、ウレア化合物2c(24g)を用いたこと以外は同様に操作してグリース組成物(99g)を得た。
(6)実施例6
実施例1におけるグリース1aの合成において、イオン液体1aを用いる代わりにイオン液体1d(77.5g)を用い、ウレア化合物2aを用いる代わりに、ウレア化合物2d(22.5g)を用いたこと以外は同様に操作してグリース組成物(98g)を得た。
(7)比較例1
300mLセパラブルフラスコへ上記イオン液体1a(68g)を準備し、室温強攪拌下、PTFE(住友3M製TF9207Z、32g)をゆっくりと添加した。更にこの反応混合物を3本ロールミルに数回通すことにより、イオン液体グリース組成物(99g)を得た。
(8)比較例2
300mLセパラブルフラスコへイオン液体1a(73g)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(三井化学社製コスモネートPH、14.5g)を加え、攪拌しながら80℃へ昇温した。p−トルイジン(12.5g)を滴下した後、更に160℃へ昇温して1時間保持した。冷却後、この反応混合物を3本ロールミルに数回通すことにより、イオン液体グリース組成物(99g)を得た。
(9)比較例3
実施例1におけるグリース1aの合成において、イオン液体1aを用いる代わりにイオン液体1e(73g)を用い、ウレア化合物2a(27g)を用いたこと以外は同様に操作してグリース組成物(98g)を得た。
得られたイオン液体および実施例1〜6および比較例1〜3で得られたグリース組成物の特性について得られた結果を表1〜3に示す。
表1〜3に示す評価結果から実施例1〜6のグリース組成物は高温環境下における使用において長寿命であり、高温で金属を腐食しにくい上、高真空下で耐飛散性、低アウトガス性に優れる。一方、比較例1は、増ちょう剤にPTFEを使用しているため耐飛散性が劣り、比較例2は、イオン液体中でウレア化合物を生成させているためアウトガス性が悪く、また比較例3はイミダゾリウム系カチオンのイオン液体を基油に用いているため、耐金属腐食性が悪く、グリース組成物としては適切でないことがわかる。

Claims (10)

  1. 下記一般式(1)で表される化合物からなるイオン液体を含む基油と、
    (1)
    (一般式(1)において、Zはカチオンであり、2つの異なる側鎖を有する環状4級アンモニウムイオンである。Aはアニオンであり、共役アミドイオンである。)
    ウレア化合物を含む増ちょう剤とを含み、
    前記ウレア化合物の原料であるアミンおよびイソシアネートをいずれも含まず、
    滴点が230℃以上であることを特徴とするグリース組成物。
  2. 請求項1に記載のグリース組成物において、
    前記一般式(1)で表される化合物からなるイオン液体における前記Aが、下記一般式(2)で表される構造を有するアニオンの中から選ばれることを特徴とするグリース組成物。

    (一般式(2)において、nは1から4までの整数であり、mは1から4までの整数であり、それらは同一でも異なっていてもよい。)
  3. 請求項1または請求項2に記載のグリース組成物において、
    前記一般式(1)で表される化合物からなるイオン液体における前記Zが、下記一般式(3)で表される構造を有するカチオンの中から選ばれることを特徴とするグリース組成物。

    (一般式(3)において、nは1または2であり、Xはメチレンまたは酸素であり、R、Rはエーテル基、エステル基、ニトリル基、シリル基を有していてもよい炭素数1から12までのアルキル基から選ばれる基である。RとRは、互いに異なる。)
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のグリース組成物において、
    前記一般式(1)で表される化合物の分子量が、410以上570以下であることを特徴とするグリース組成物。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のグリース組成物において、
    前記イオン液体の40℃動粘度が、1mm/s以上100mm/s以下であることを特徴とするグリース組成物。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のグリース組成物において、
    前記イオン液体の流動点が、0℃以下であることを特徴とするグリース組成物。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載のグリース組成物において、
    前記ウレア化合物が、ジウレア化合物を95質量%以上含むことを特徴とするグリース組成物。
  8. 請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載のグリース組成物において、
    前記増ちょう剤が、グリース組成物全量に対して3質量%以上50質量%以下含まれることを特徴とするグリース組成物。
  9. 請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載のグリース組成物において、
    さらに、酸化防止剤、油性剤、極圧剤、清浄分散剤、粘度指数向上剤、防錆剤、金属不活性化剤および消泡剤のうちの少なくともいずれかを配合したことを特徴とするグリース組成物。
  10. 請求項1から請求項9のいずれか一項に記載のグリース組成物が、真空機器および半導体製造装置の潤滑に用いられることを特徴とするグリース組成物。
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