一定の実施形態の詳細な説明
1.例示的化合物の説明
本発明によって提供された化合物には、上に一般的に記載した化合物が含まれ、これらの化合物を、本明細書中に開示のこれらの各化合物の全てのクラス、サブクラス、および種によってさらに例示する。
1つの態様によれば、本発明は、式:
(式中、
Lは、2価、分岐または非分岐、飽和または不飽和のC2〜C6炭化水素鎖であり、Lの1つまたは複数のメチレン単位は、−O−、−S−、−NH−、−C(O)−、−C(=CH2)−、またはC3〜C6シクロアルキレンに独立して置換され、Lは、ハロゲン、フェニル、8〜10員二環式アリール環、窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員ヘテロアリール環、窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する8〜10員二環式ヘテロアリール環、または窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する5〜7員単環式または7〜10員二環式ヘテロシクリル環から選択される1つまたは複数の基に任意選択的に置換され、
R1は、水素、−OH、または−ORであり、各Rは、独立して、水素、C1〜6脂肪族またはC1〜6ヘテロ脂肪族から選択される任意選択的に置換された基、−NHR、−NH(OR)、−ONH2、または−NR2であり、
R2は−C(O)Xであり、Xは、独立して、R、−OR、水素、アリールオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヘテロアリールオキシ、ヒドラジン、6〜10員アリール環、窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員ヘテロアリール環であり、各Rは、独立して、水素またはC1〜6脂肪族またはC1〜6ヘテロ脂肪族から選択される任意選択的に置換された基であり、
R3は、置換または非置換、分岐または非分岐、飽和または不飽和のC10〜C25脂肪族であり、
Yは、−O−、−N−、−S−、−Se−、−S(O)−、−S(=N)−、−SO2−、−Se(O)−、または−Se(O)2−である)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供する。
いくつかの実施形態では、LとR1とでC1〜C3非置換非ハロゲン化アルキルを形成できないことを条件とする上記式の化合物を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、式I’:
(式中、
Lは、2価、分岐または非分岐、飽和または不飽和のC2〜C6炭化水素鎖であり、Lの1つまたは複数のメチレン単位は、−O−、−S−、−NH−、−C(O)−、−CF2−、−C(=CH2)−、−CH=CH−、または任意選択的に置換されたアリーレン、ヘテロアリーレン、C3〜C6シクロアルキレン、C3〜C6ヘテロシクロアルキレン、もしくは8〜10員二環式複素環部分に独立して置換され、
Lは、ハロゲン、C1〜C6アルキル、フェニル、ビフェニル、−ベンジル、−CH2−フェノール、−CH(フェニル)2、−OH、−NH2、−NHC(O)CH3、−NHC(O)NHCH2CH3、−C(O)NH2、−C(O)NHCH2CH3、−CH2C(O)OCH2フェニル、−(CH2)2SCH3、−(CH2)2C(O)NH2、−(CH2)2C(O)OH、8〜10員二環式アリール環、窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員ヘテロアリール環、窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する8〜10員二環式ヘテロアリール環、窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する5〜7員単環、または窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する7〜10員二環式ヘテロシクリル環から選択される1つまたは複数の基に任意選択的に置換され、
Mは、−C(O)−、−C(S)、または−SO2−であり、
R1は、水素、F、CF3、C1〜C4アルキル、−OH、−C(O)CH3、−NH(OR)、−NR2、−NHNR2、−SO2R、−NH−フェニル、−SO2−フェニル、−フェニル−NO2、または−ORであり、各Rは、独立して、水素、酸素、またはC1〜6脂肪族またはC1〜6ヘテロ脂肪族から選択される任意選択的に置換された基であり、
R2は−C(O)Xであり、Xは、独立して、R、−C(O)NHNH2、−OR、水素、アリールオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヘテロアリールオキシ、ヒドラジン、6〜10員アリール環、窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員ヘテロアリール環であり、各Rは、独立して、水素またはC1〜6脂肪族またはC1〜6ヘテロ脂肪族から選択される任意選択的に置換された基であり、
R3は、置換または非置換、分岐または非分岐、飽和または不飽和のC10〜C25脂肪族であり、
Yは、−O−、−N−、−S−、−Se−、−S(O)−、−S(=N)−、−SO2−、−Se(O)−、または−Se(O)2−である)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供する。
いくつかの実施形態では、LとR1とでC1〜C3非置換非ハロゲン化アルキルを形成できないことを条件とする式I’の化合物を提供する。
1つの態様によれば、本発明は、式I:
(式中、
Lは、2価、分岐または非分岐、飽和または不飽和のC2〜C6炭化水素鎖であり、Lの1つまたは複数のメチレン単位は、−O−、−S−、−NH−、−C(O)−、−C(=CH2)−、またはC3〜C6シクロアルキレンに独立して置換され、Lは、ハロゲン、フェニル、8〜10員二環式アリール環、窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員ヘテロアリール環、窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する8〜10員二環式ヘテロアリール環、または窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する5〜7員単環式または7〜10員二環式ヘテロシクリル環から選択される1つまたは複数の基に任意選択的に置換され、
R1は、水素、−OH、または−ORであり、各Rは、独立して、水素またはC1〜6脂肪族またはC1〜6ヘテロ脂肪族から選択される任意選択的に置換された基であり、
R2は−C(O)Xであり、Xは、独立して、R、−OR、水素、アリールオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヘテロアリールオキシ、ヒドラジン、6〜10員アリール環、窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員ヘテロアリール環であり、各Rは、独立して、水素またはC1〜6脂肪族またはC1〜6ヘテロ脂肪族から選択される任意選択的に置換された基であり、
R3は、置換または非置換、分岐または非分岐、飽和または不飽和のC10〜C25脂肪族である)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供する。
別の態様によれば、本発明は、式I:
(式中、
Lは、2価、分岐または非分岐、飽和または不飽和のC2〜C6炭化水素鎖であり、Lの1つまたは複数のメチレン単位は、−O−、−S−、−NH−、−C(O)−、−C(=CH2)−、またはC3〜C6シクロアルキレンに独立して置換され、Lは、ハロゲン、フェニル、8〜10員二環式アリール環、窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員ヘテロアリール環、窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する8〜10員二環式ヘテロアリール環、窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する5〜7員単環、または窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する7〜10員二環式ヘテロシクリル環から選択される1つまたは複数の基に任意選択的に置換され、
R1は、水素、−OH、または−ORであり、各Rは、独立して、水素またはC1〜6脂肪族またはC1〜6ヘテロ脂肪族から選択される任意選択的に置換された基であり、
R2は−C(O)Xであり、Xは、独立して、R、−OR、水素、アリールオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヘテロアリールオキシ、ヒドラジン、6〜10員アリール環、窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員ヘテロアリール環であり、各Rは、独立して、水素または任意選択的に置換されたC1〜6脂肪族であり、
R3は、置換または非置換、分岐または非分岐、飽和または不飽和のC10〜C25脂肪族である)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供する。
一定の実施形態では、本発明は、式Ia:
(式中、
Lは、2価、分岐または非分岐、飽和または不飽和のC2〜C6炭化水素鎖であり、Lの1つまたは複数のメチレン単位は、−O−、−S−、−NH−、−C(O)−、−C(=CH2)−、またはC3〜C6シクロアルキレンに独立して置換され、Lは、ハロゲン、フェニル、8〜10員二環式アリール環、窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員ヘテロアリール環、窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する8〜10員二環式ヘテロアリール環、窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する5〜7員単環、または窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する7〜10員二環式ヘテロシクリル環から選択される1つまたは複数の基に任意選択的に置換され、
R1は、水素、−OH、または−ORであり、各Rは、独立して、水素またはC1〜6脂肪族またはC1〜6ヘテロ脂肪族から選択される任意選択的に置換された基であり、
R2は−C(O)Xであり、Xは、独立して、R、−OR、水素、アリールオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヘテロアリールオキシ、ヒドラジン、6〜10員アリール環、窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員ヘテロアリール環であり、各Rは、独立して、水素またはC1〜6脂肪族またはC1〜6ヘテロ脂肪族から選択される任意選択的に置換された基である)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供する。
上で一般に定義するように、式Iおよび/またはI’のL基は、2価、分岐または非分岐、飽和または不飽和のC2〜C6炭化水素鎖であり、Lの1つまたは複数のメチレン単位は、−O−、−S−、−NH−、−C(O)−、−CF2−、−C(=CH2)−、−CH=CH−、または任意選択的に置換されたアリーレン、ヘテロアリーレン、C3〜C6シクロアルキレン、C3〜C6ヘテロシクロアルキレン、もしくは8〜10員二環式複素環部分に独立して置換され、
Lは、ハロゲン、C1〜C6アルキル、フェニル、ビフェニル、−ベンジル、−CH2−フェノール、−CH(フェニル)2、−OH、−NH2、−NHC(O)CH3、−NHC(O)NHCH2CH3、−C(O)NH2、−C(O)NHCH2CH3、−CH2C(O)OCH2フェニル、−(CH2)2SCH3、−(CH2)2C(O)NH2、−(CH2)2C(O)OH、8〜10員二環式アリール環、窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員ヘテロアリール環、窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する8〜10員二環式ヘテロアリール環、窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する5〜7員単環、または窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する7〜10員二環式ヘテロシクリル環から選択される1つまたは複数の基に任意選択的に置換される。
本発明の化合物中に含まれる異なる部分/基の特定の実施形態を、以下でより詳細に考察する。当業者は、他で示さない限り、各部分または基の各実施形態を本発明の化合物中の他の各部分または基の各実施形態と独立して組み合わせることができると認識するであろう。
1.L基の実施形態
一定の実施形態では、Lは、2価、分岐または非分岐、飽和または不飽和のC2〜6炭化水素鎖であり、Lのメチレン単位は、−O−、−S−、−NH−、−C(O)−、−CF2−、−C(=CH2)−、−CH=CH−、または任意選択的に置換されたアリーレン、ヘテロアリーレン、C3〜C6シクロアルキレン、C3〜C6ヘテロシクロアルキレン、もしくは8〜10員二環式複素環部分に独立して置換され、Lは、ハロゲン、C1〜C6アルキル、フェニル、−CH2(フェニル)、−CH2−フェノール、−CH(フェニル)2、−NH2、−NHC(O)CH3、−NHC(O)NHCH2CH3、−C(O)NH2、−C(O)NHCH2CH3、−CH2C(O)OCH2フェニル、−(CH2)2SCH3、−(CH2)2C(O)NH2、−(CH2)2C(O)OH、8〜10員二環式アリール環、窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員ヘテロアリール環、窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する8〜10員二環式ヘテロアリール環、窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する5〜7員単環、または窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する7〜10員二環式ヘテロシクリル環から選択される1つまたは複数の基に任意選択的に置換される。
当業者は、C2〜6炭化水素鎖内の多数の各メチレン単位を必要に応じて本発明の各部分に置換することができると認識するであろう。当業者はまた、かかる各部分は、相互に関して、C2〜6炭化水素鎖内で任意の組み合わせまたはサブコンビネーションで存在することができると認識するであろう。
C2、C3、C4、C5、またはC6炭化水素鎖、その種々の組み合わせ、およびサブコンビネーション内に各メチレン単位を置換する部分を種々の数で有する例示的なL基を以下に記載する。
(i)C2炭化水素のL基
一定の実施形態では、Lは、2価、分岐または非分岐、飽和または不飽和のC2炭化水素鎖であり、Lの1つまたは複数のメチレン単位は、−O−、−S−、−NH−、−C(O)−、−CF2−、−C(=CH2)−、−CH=CH−、または任意選択的に置換されたアリーレン、ヘテロアリーレン、C3〜C6シクロアルキレン、C3〜C6ヘテロシクロアルキレン、もしくは8〜10員二環式複素環部分に独立して置換される。
一定の実施形態では、Lは、2価、分岐または非分岐、飽和または不飽和のC2炭化水素鎖から選択され、Lの1つまたは複数のメチレン単位は、−NH−、−O−、−C(O)−、−CH=CH−、C3〜C6シクロアルキレン、C3〜C6ヘテロシクロアルキレン、8〜10員二環式複素環部分、任意選択的に置換されたアリーレン、および任意選択的に置換されたヘテロアリーレンに独立して置換され、Lは、ハロゲン、置換または非置換のC1〜C6アルキル、および−NHC(O)CH3から選択される1つまたは複数の基に任意選択的に置換される。
一定の実施形態では、Lは、2価、分岐または非分岐、飽和または不飽和のC2炭化水素鎖であり、1つのメチレン単位は−NH−に置換される。一定の実施形態では、L基は−NH(CH3)−である。一定の実施形態では、LはC2炭化水素鎖であり、Lの1つのメチレン単位は−NH−に置換され、−CH3にさらに置換される。一定の実施形態では、L基は−N(CH3)CH2−である。一定の実施形態では、LはC2炭化水素鎖であり、Lの1つのメチレン単位は置換されている。一定の実施形態では、Lのメチレン単位は−NHC(O)CH3と置換されている。一定の実施形態では、L基は−CH[NHC(O)CH3]CH2−である。一定の実施形態では、LはC2炭化水素鎖であり、Lの1つのメチレン単位は−O−に置換されている。一定の実施形態では、L基は−OCH2−である。一定の実施形態では、LはC2炭化水素鎖であり、Lの1つのメチレン単位は−C(O)−に置換されている。一定の実施形態では、L基は−CH2C(O)−である。一定の実施形態では、LはC2炭化水素鎖であり、Lの1つのメチレン単位は−O−に置換され、Lの1つのメチレン単位は−C(O)−に置換されている。一定の実施形態では、L基は−OC(O)−である。一定の実施形態では、メチレン単位−NH−は置換されている。一定の実施形態では、−NH−は任意選択的に置換されている。一定の実施形態では、−NH−は−CH3と置換されて−N(CH3)−を形成する。一定の実施形態では、LはC2炭化水素鎖であり、Lの1つのメチレン単位は−N(CH3)−に置換されている。一定の実施形態では、L基は−CH2N(CH3)−である。一定の実施形態では、Lは、−CH=CH−部分を含むC2炭化水素鎖である。一定の実施形態では、Lは−CH=CH−である。一定の実施形態では、LはC2炭化水素鎖であり、Lの1つのメチレン単位はC3〜C6シクロアルキレンに置換されている。一定の実施形態では、LはC2炭化水素鎖であり、Lの1つのメチレン単位は−C(O)−に置換され、1つのメチレン単位はC3〜C6シクロアルキレンに置換されている。一定の実施形態では、C3〜C6シクロアルキレンはC3シクロアルキレンである。一定の実施形態では、L基は
である。一定の実施形態では、L基は
である。一定の実施形態では、C3〜C6シクロアルキレンはC4シクロアルキレンである。一定の実施形態では、C3〜C6シクロアルキレンはC5シクロアルキレンである。一定の実施形態では、C3〜C6シクロアルキレンはC6シクロアルキレンである。一定の実施形態では、L基は
である。一定の実施形態では、Lは、2価、分岐または非分岐、飽和または不飽和のC2炭化水素鎖であり、1つのメチレン単位は−C(O)−に置換され、1つのメチレン単位はC3〜C6ヘテロシクロアルキレンに置換されている。一定の実施形態では、L基は
である。一定の実施形態では、LはC2炭化水素鎖であり、Lの1つのメチレン単位は10員二環式複素環部分に置換されている。一定の実施形態では、10員二環式複素環部分は1つのヘテロ原子を有する。一定の実施形態では、ヘテロ原子は窒素である。一定の実施形態では、L基は
である。一定の実施形態では、LはC2炭化水素鎖であり、Lの1つのメチレン単位は任意選択的に置換されたアリーレンに置換されている。一定の実施形態では、L基は
である。一定の実施形態では、LはC2炭化水素鎖であり、Lの1つのメチレン単位は任意選択的に置換されたアリーレンに置換され、Lの1つの単位は−NH−に置換されている。一定の実施形態では、L基は
である。一定の実施形態では、LはC2炭化水素鎖であり、Lの1つのメチレン単位は任意選択的に置換されたアリーレンに置換され、Lの1つの単位は−C(O)−に置換されている。一定の実施形態では、L基は
である。一定の実施形態では、アリーレンは置換されている。一定の実施形態では、アリーレンはヒドロキシ置換フェニレンである。一定の実施形態では、L基は
である。一定の実施形態では、LはC2炭化水素鎖であり、Lの1つのメチレン単位は任意選択的に置換されたヘテロアリーレンに置換されている。一定の実施形態では、ヘテロアリーレンはチオフェニルである。一定の実施形態では、ヘテロアリーレンはフラニルである。一定の実施形態では、ヘテロアリーレンはインドリルである。一定の実施形態では、L基は
である。一定の実施形態では、L基は
である。一定の実施形態では、L基は
である。一定の実施形態では、LはC2炭化水素鎖であり、Lの1つのメチレン単位は−NH−に置換されている。一定の実施形態では、L基は−CH2NH−である。一定の実施形態では、L基は−(CH2)2NO2であり、R1基は存在しない。
(ii)C3炭化水素のL基
一定の実施形態では、Lは、2価、分岐または非分岐、飽和または不飽和のC3炭化水素鎖であり、Lの1つまたは複数のメチレン単位は、−O−、−S−、−NH−、−C(O)−、−CF2−、−C(=CH2)−、−CH=CH−、または任意選択的に置換されたアリーレン、ヘテロアリーレン、C3〜C6シクロアルキレン、C3〜C6ヘテロシクロアルキレン、もしくは8〜10員二環式複素環部分に独立して置換される。
一定の実施形態では、Lは、2価、分岐または非分岐、飽和または不飽和のC3炭化水素鎖から選択され、Lの1つまたは複数のメチレン単位は、−NH−、−O−、−C(O)−、−CF2−、−C(=CH2)−、−CH=CH−、C3〜C6シクロアルキレン、8〜10員二環式複素環部分、任意選択的に置換されたアリーレン、および任意選択的に置換されたヘテロアリーレンに独立して置換され、Lは、ハロゲン、置換または非置換のC1〜C6アルキル、−フェニル、−CH(フェニル)2、−CH2(フェニル)、−NHC(O)CH3、およびNHC(O)NHCH2CH3から選択される1つまたは複数の基に任意選択的に置換される。
一定の実施形態では、LはC3炭化水素鎖であり、Lの1つのメチレン単位は−C(O)−に置換されている。一定の実施形態では、L基は−CH2CH2C(O)−である。一定の実施形態では、LはC3炭化水素鎖であり、Lの1つのメチレン単位は−C(O)−に置換され、1つのメチレン単位は−NH−に置換される。一定の実施形態では、L基は−C(O)CH2NH−である。一定の実施形態では、L基は−CH2NHC(O)−である。一定の実施形態では、LはC3炭化水素鎖であり、Lの1つのメチレン単位は−C(O)−に置換され、1つのメチレン単位は−NH−に置換され、1つのメチレン単位はC1〜6アルキルに置換されている。一定の実施形態では、L基は−CH[(CH2)3CH3]NHC(O)−である。一定の実施形態では、LはC3炭化水素鎖であり、Lの1つのメチレン単位は−C(O)−に置換され、1つのメチレン単位は−O−に置換される。一定の実施形態では、L基は−CH2OC(O)−である。一定の実施形態では、LはC3炭化水素鎖であり、Lの1つのメチレン単位は−C(O)−に置換され、1つのメチレン単位は−NH−に置換され、1つのメチレンは、−CH3、−(CH3)(CH3)(すなわち、ジメチル)、または−CH2CH3に任意選択的に置換されている。一定の実施形態では、L基は−C(O)NHC(CH3)−である。一定の実施形態では、L基は−C(O)NHCH(CH2CH3)−である。一定の実施形態では、L基は−C(O)NHCH[CH2CH(CH3)(CH3)]−である。一定の実施形態では、LはC3炭化水素鎖であり、Lの1つのメチレン単位は−C(O)−に置換され、1つまたは2つのメチレン単位は、−CH3に任意選択的に置換されている。一定の実施形態では、L基は−CH2CH(CH3)C(O)−である。一定の実施形態では、L基は−CH(CH3)CH2C(O)−である。一定の実施形態では、L基は−CH(CH3)CH(CH3)C(O)−である。一定の実施形態では、LはC3炭化水素鎖であり、Lの1つのメチレン単位は−C(O)−に置換され、1つのメチレンは、−(CH3)(CH3)(すなわち、ジメチル)に任意選択的に置換されている。一定の実施形態では、L基は−CH2C[(CH3)(CH3)]C(O)−(すなわち、3,3−ジメチル置換メチレンを含むC3炭化水素鎖)である。一定の実施形態では、L基は−C[(CH3)(CH3)]CH2C(O)−(すなわち、2,2−ジメチル置換メチレンを含むC3炭化水素鎖)である。一定の実施形態では、LはC3炭化水素鎖であり、Lの1つのメチレン単位は−C(O)−に置換され、1つのメチレンは、−NHC(O)(CH3)に任意選択的に置換されている。一定の実施形態では、L基は−CH2CH[NHC(O)CH3]C(O)−である。一定の実施形態では、LはC3炭化水素鎖であり、Lの1つのメチレン単位は−C(O)−に置換され、1つのメチレン単位は−NH−に置換され、1つのメチレンは、−CH(CH3)2に任意選択的に置換されている。一定の実施形態では、L基は−C(O)NHCH[CH(CH3)(CH3)]−である。一定の実施形態では、L基は−C(O)NHCH2−である。一定の実施形態では、LはC3炭化水素鎖であり、Lの1つのメチレン単位は−C(O)−に置換され、1つのメチレン単位は−O−に置換されている。一定の実施形態では、L基は−CH2OC(O)−である。一定の実施形態では、LはC3炭化水素鎖であり、Lの1つまたは2つのメチレン単位は−C(O)−に置換されている。一定の実施形態では、L基は−CH2CH2C(O)−である。一定の実施形態では、L基は−C(O)CH2C(O)−である。一定の実施形態では、LはC3炭化水素鎖であり、Lの1つのメチレン単位は−NH−に置換されている。一定の実施形態では、L基は−CH2CH2NH−である。一定の実施形態では、LはC3炭化水素鎖であり、Lの1つのメチレン単位は−O−に置換されている。一定の実施形態では、L基は−CH2OCH2−である。一定の実施形態では、LはC3炭化水素鎖であり、Lの1つのメチレン単位は−C(=CH2)−に置換されている。一定の実施形態では、LはC3炭化水素鎖であり、Lの1つのメチレン単位は−C(=CH2)−に置換され、1つのメチレン単位は−C(O)−に置換されている。当業者は、かかる−C(=CH2)−が炭化水素鎖骨格内に存在することができるか、このようにして形成された骨格鎖およびアルキリデン基に対して「エキソ」であり得ると認識するであろう。例として、炭化水素鎖内に−C=CH2−を有するかかるL基には、−CH=CHC(O)−または−CH=CHC(O)O−が含まれる。例として、炭化水素鎖内に置換−C=CH2−を有するかかるL基には、−CH=C(CH3)C(O)−、−CH=C(フェニル)−C(O)−、および−CH=CHCF2が含まれる。例として、アルキリデン分岐鎖を有するかかるL基には、−CH2C(=CH2)C(O)−が含まれる。一定の実施形態では、LはC3炭化水素鎖であり、Lの1つのメチレン単位は−C(O)−に置換され、1つのメチレン単位はフェニルに置換されている。一定の実施形態では、L基は−CH2CH(フェニル)C(O)−である。一定の実施形態では、L基は−CH(フェニル)CH2C(O)−である。一定の実施形態では、LはC3炭化水素鎖であり、Lの1つのメチレン単位は−C(O)−に置換され、1つのメチレン単位は−NHC(O)NHCH2CH3に置換されている。一定の実施形態では、L基は−CH2CH[NHC(O)NHCH2CH3]C(O)−である。一定の実施形態では、LはC3炭化水素鎖であり、Lの1つのメチレン単位は−C(O)−に置換され、1つのメチレン単位は−NH−に置換され、1つのメチレン単位はフェニルまたは−CH(フェニル)2に置換されている。一定の実施形態では、L基は−C(O)NHCH(フェニル)−である。一定の実施形態では、L基は−C(O)NHCH[CH(フェニル)2]−である。一定の実施形態では、LはC3炭化水素鎖であり、Lの1つのメチレン単位は−C(O)−に置換され、1つのメチレン単位は−NH−に置換され、1つのメチレン単位はベンジルに置換されている。一定の実施形態では、L基は−C(O)NHCH[CH2(フェニル)]−である。一定の実施形態では、LはC3炭化水素鎖であり、Lの1つのメチレン単位は−CF2−に置換されている。一定の実施形態では、L基は−(CH2)2CF2−である。一定の実施形態では、LはC3炭化水素鎖であり、Lの1つのメチレン単位はC3〜C6シクロアルキレンに置換される。一定の実施形態では、L基は
である。一定の実施形態では、LはC3炭化水素鎖であり、Lの1つのメチレン単位は−C(O)−に置換され、1つのメチレン単位は−NH−に置換され、1つのメチレン単位はC3〜C6シクロアルキレンに置換されている。一定の実施形態では、L基は
である。一定の実施形態では、LはC3炭化水素鎖であり、Lの1つのメチレン単位は−C(O)−に置換され、1つのメチレン単位は−NH−に置換され、1つのメチレン単位はC3〜C6アルキル基とさらに置換されている。一定の実施形態では、C3〜C6アルキル基はC3〜C6シクロアルキルである。一定の実施形態では、L基は
である。一定の実施形態では、LはC3炭化水素鎖であり、Lの1つのメチレン単位は任意選択的に置換されたアリーレンに置換されている。一定の実施形態では、LはC3炭化水素鎖であり、Lの1つのメチレン単位は−O−に置換され、1つのメチレン単位は任意選択的に置換されたアリーレンに置換されている。一定の実施形態では、アリーレンはフェニレンである。一定の実施形態では、L基は
である。一定の実施形態では、アリーレンは置換されている。一定の実施形態では、アリーレンはヒドロキシ置換フェニレンである。一定の実施形態では、L基は
である。一定の実施形態では、LはC3炭化水素鎖であり、Lの1つのメチレン単位は任意選択的に置換されたヘテロアリーレンに置換されている。一定の実施形態では、ヘテロアリーレンはチオフェニルである。一定の実施形態では、ヘテロアリーレンはフラニルである。一定の実施形態では、ヘテロアリーレンはインドリルである。一定の実施形態では、L基は
である。一定の実施形態では、L基は
である。一定の実施形態では、L基
である。一定の実施形態では、L基は
である。
(iv)C4炭化水素のL基
一定の実施形態では、Lは、2価、分岐または非分岐、飽和または不飽和のC4炭化水素鎖であり、Lの1つまたは複数のメチレン単位は、−O−、−S−、−NH−、−C(O)−、−CF2−、−C(=CH2)−、−CH=CH−、または任意選択的に置換されたアリーレン、ヘテロアリーレン、C3〜C6シクロアルキレン、C3〜C6ヘテロシクロアルキレン、もしくは8〜10員二環式複素環部分に独立して置換される。
一定の実施形態では、Lは、2価、分岐または非分岐、飽和または不飽和のC4炭化水素鎖から選択され、Lの1つまたは複数のメチレン単位は、−NH−、−O−、−C(O)−、−C(=CH2)−、−CH=CH−、C3〜C6シクロアルキレン、8〜10員二環式複素環部分、任意選択的に置換されたアリーレン、および任意選択的に置換されたヘテロアリーレンに独立して置換され、Lは、ハロゲン、および置換または非置換のC1〜C6アルキルから選択される1つまたは複数の基に任意選択的に置換される。
一定の実施形態では、Lは、2価、分岐または非分岐、飽和または不飽和のC4炭化水素鎖であり、Lの1つまたは複数のメチレン単位は、−NH−、−C(O)−、またはC3〜C6シクロアルキレンに独立して置換される。一定の実施形態では、LはC4炭化水素鎖であり、Lの1つのメチレン単位は−C(O)−に置換されている。一定の実施形態では、Lは−CH2CH2CH2C(O)−である。一定の実施形態では、Lは−CH(CH3)CH2C(O)−である。一定の実施形態では、LはC4炭化水素鎖であり、Lの2つのメチレン単位は−C(O)−に置換されている。一定の実施形態では、L基は−C(O)CH2CH2C(O)−である。一定の実施形態では、L基は−C(O)CH2CH(CH3)−である。一定の実施形態では、L基は−C(O)CH(CH3)CH2−である。一定の実施形態では、L基は・・・である。一定の実施形態では、LはC4炭化水素鎖であり、Lの1つのメチレン単位は−C(O)−に置換され、1つのメチレン単位は−NH−に置換され、1つのメチレン単位は−NH2に置換されている。一定の実施形態では、L基は−(CH2)2C(O)NH−である。一定の実施形態では、LはC4炭化水素鎖であり、Lの1つのメチレン単位はC3〜C6シクロアルキレンに置換されている。一定の実施形態では、Lは
である。一定の実施形態では、LはC4炭化水素鎖であり、Lの1つのメチレン単位は−O−に置換され、Lの1つのメチレン単位はC3〜C6シクロアルキレンに置換され、C3〜C6シクロアルキレンは、C1〜C6アルキル基にさらに置換されている。一定の実施形態では、L基は
である。一定の実施形態では、LはC4炭化水素鎖であり、Lの1つのメチレン単位は−C(O)−に置換され、Lは1〜4個のヘテロ原子を有する8〜10員二環式ヘテロアリール環に置換されている。例示的なかかる環には、1,3−ジオキソイソインドリニルが含まれる。一定の実施形態では、L基は
である。一定の実施形態では、LはC4炭化水素鎖であり、Lの1つのメチレン単位は−C(O)−に置換され、1つのメチレン単位は−NH−に置換されている。一定の実施形態では、Lは−NH(CH2)2C(O)−である。一定の実施形態では、L基は−C(O)NH(CH2)2−である。一定の実施形態では、L基は−NHC(O)(CH2)2−である。一定の実施形態では、LはC4炭化水素鎖であり、Lの1つのメチレン単位は−C(O)−に置換され、1つのメチレン単位は−NH−に置換され、1つのメチレンは−OHに置換されている。一定の実施形態では、L基は−C(O)NHCH[CH2(OH)]−である。一定の実施形態では、LはC4炭化水素鎖であり、Lの1つのメチレン単位は−C(O)−に置換され、1つのメチレン単位は−NH−に置換され、1つのメチレン単位は、−CH3、−CH2CH3、−(CH2)3CH3、−(CH3)2、−CH[(CH3)(CH3)]、−CH2CH[(CH3)(CH3)]、または
に置換されている。一定の実施形態では、L基は−CH2C(O)NHCH(CH3)−である。一定の実施形態では、L基は−CH2C(O)NHCH[CH(CH3)(CH3)]−である。一定の実施形態では、L基は−CH2C(O)NHCH(CH2CH3)−である。一定の実施形態では、L基は−CH2C(O)NHCH[CH2CH(CH3)(CH3)]−である。一定の実施形態では、L基は
である。一定の実施形態では、Lは−CH[(CH2)3CH3]NHC(O)CH2−である。一定の実施形態では、LはC4炭化水素鎖であり、Lの1つのメチレン単位は−C(O)−に置換され、1つのメチレン単位は−O−に置換されている。一定の実施形態では、Lは−C(O)O(CH2)2−である。一定の実施形態では、C4炭化水素鎖はアルケニレンである。一定の実施形態では、Lは−CH=CHC(O)NH−である。一定の実施形態では、LはC4炭化水素鎖であり、Lの1つのメチレン単位は任意選択的に置換されたアリーレンに置換されている。一定の実施形態では、アリーレンはフェニレンである。一定の実施形態では、アリーレンは置換されている。一定の実施形態では、アリーレンは置換フェニレンである。
(v)C5炭化水素のL基
一定の実施形態では、Lは、2価、分岐または非分岐、飽和または不飽和のC5炭化水素鎖であり、Lの1つまたは複数のメチレン単位は、−O−、−S−、−NH−、−C(O)−、−CF2−、−C(=CH2)−、−CH=CH−、または任意選択的に置換されたアリーレン、ヘテロアリーレン、C3〜C6シクロアルキレン、C3〜C6ヘテロシクロアルキレン、もしくは8〜10員二環式複素環部分に独立して置換される。
一定の実施形態では、Lは、2価、分岐または非分岐、飽和または不飽和のC5炭化水素鎖であり、Lの1つまたは複数のメチレン単位は、−NH−、−O−、−C(O)−、および任意選択的に置換されたアリーレンに独立して置換され、Lは、置換または非置換のC1〜C6アルキル、および−CH2C(O)OHから選択される1つまたは複数の基に任意選択的に置換される。
一定の実施形態では、LはC5炭化水素鎖であり、Lの1つのメチレン単位は−C(O)−に置換されている。一定の実施形態では、L基は−CH(CH3)CH(CH3)C(O)−である。一定の実施形態では、L基は−CH2C[(CH3)(CH3)]C(O)−である。一定の実施形態では、L基は−C[(CH3)(CH3)]CH2C(O)−である。一定の実施形態では、LはC5炭化水素鎖であり、Lの1つのメチレン単位は−C(O)−に置換され、1つのメチレン単位は−NH−に置換されている。一定の実施形態では、Lは−C(O)NH(CH2)3−である。一定の実施形態では、Lは−(CH2)2NHC(O)CH2−である。一定の実施形態では、LはC5炭化水素鎖であり、Lの2つのメチレン単位は−C(O)−に置換され、1つのメチレン単位は−NH−に置換されている。一定の実施形態では、Lは−(CH2)2C(O)NHNH−である。一定の実施形態では、LはC5炭化水素鎖であり、Lの1つのメチレン単位は−O−に置換されている。一定の実施形態では、L基は−OC[(CH3)(CH3)]CH2−である。一定の実施形態では、LはC5炭化水素鎖であり、Lの1つのメチレン単位は−C(O)−に置換され、1つのメチレン単位は−O−に置換されている。一定の実施形態では、L基は−CH2C(O)OCH2CH2−である。一定の実施形態では、LはC5炭化水素鎖であり、Lの1つのメチレン単位は−C(O)−に置換され、1つのメチレン単位は−NH−に置換され、1つのメチレンは−OHに置換されている。一定の実施形態では、L基は−C(O)NHCH[CH(CH3)(OH)]−である。一定の実施形態では、LはC5炭化水素鎖であり、Lの1つまたは2つのメチレン単位は−C(O)−に置換され、1つのメチレン単位は−NH−に置換され、1つのメチレン単位は−OHに置換されている。一定の実施形態では、L基は−C(O)NHCH[CH2C(O)OH]−である。一定の実施形態では、LはC5炭化水素鎖であり、Lの1つのメチレン単位は任意選択的に置換されたアリーレンに置換されている。一定の実施形態では、アリーレンはフェニレンである。一定の実施形態では、アリーレンは置換されている。一定の実施形態では、アリーレンは置換フェニレンである。
(iv)C6炭化水素のL基
一定の実施形態では、Lは、2価、分岐または非分岐、飽和または不飽和のC6炭化水素鎖であり、Lの1つまたは複数のメチレン単位は、−O−、−S−、−NH−、−C(O)−、−CF2−、−C(=CH2)−、−CH=CH−、または任意選択的に置換されたアリーレン、ヘテロアリーレン、C3〜C6シクロアルキレン、C3〜C6ヘテロシクロアルキレン、もしくは8〜10員二環式複素環部分に独立して置換される。
一定の実施形態では、Lは、2価、分岐または非分岐、飽和または不飽和のC6炭化水素鎖であり、Lの1つまたは複数のメチレン単位は、−NH−、−O−、−C(O)−、−C(=CH2)−、−CH=CH−、C3〜C6シクロアルキレン、8〜10員二環式複素環部分、任意選択的に置換されたアリーレン、および任意選択的に置換されたヘテロアリーレンに独立して置換され、Lは、ハロゲン、置換または非置換のC1〜C6アルキル、−CH2CH2C(O)OH、−(CH2)2C(O)NH2、−C(O)NH2、−NHC(O)CH3、−(CH2)2SCH3、−(CH2)3NHC(O)NH2、−(CH2)2C(O)OCH2−フェニル、−NHC(O)NHCH2CH3、および窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する5〜7員単環から選択される1つまたは複数の基に任意選択的に置換される。
一定の実施形態では、LはC6炭化水素鎖であり、Lの1つのメチレン単位は−NH−に置換されている。一定の実施形態では、L基は−CH[CH(CH3)(CH2CH3)]NH−である。一定の実施形態では、LはC6炭化水素鎖であり、Lの1つのメチレン単位は−C(O)−に置換され、1つのメチレン単位は−O−に置換されている。一定の実施形態では、L基は−CH2CH2C(O)OCH2CH2−である。一定の実施形態では、LはC6炭化水素鎖であり、Lの1つまたは2つのメチレン単位は−C(O)−に置換され、1つのメチレン単位は−NH−に置換され、1つのメチレン単位は−OHに置換されている。一定の実施形態では、L基は−C(O)NHCH[CH2CH2C(O)OH]−である。一定の実施形態では、LはC6炭化水素鎖であり、Lの1つのメチレン単位は−C(O)−に置換され、1つまたは2つのメチレン単位は−NH−に置換されている。一定の実施形態では、Lは−CH2C(O)NH(CH2)3−である。一定の実施形態では、Lは−CH[(CH2)2C(O)NH2]NH−である。一定の実施形態では、L基は−C(O)NHCH[CH(CH3)(CH3)]−である。一定の実施形態では、L基は−C(O)NHCH[CH(CH3)(CH3)]−である。一定の実施形態では、LはC6炭化水素鎖であり、Lの2つのメチレン単位は−C(O)−に置換され、1つのメチレン単位は−NH−に置換され、1つのメチレン単位は−NH2または−C(O)NHCH2CH3に置換されている。一定の実施形態では、L基は−C(O)NHCH[(CH2)2C(O)NH2]−である。一定の実施形態では、L基は−C(O)NHCH[C(O)NH2](CH2)2−である。一定の実施形態では、L基は−(CH2)2CH[NHC(O)NHCH2CH3]C(O)NH−である。一定の実施形態では、LはC6炭化水素鎖であり、Lの1つのメチレン単位は−C(O)−に置換され、1つのメチレン単位は−NH−に置換され、1つのメチレン単位は−S−に置換され、C1〜6アルキルにさらに置換される。一定の実施形態では、L基は−C(O)NHCH[(CH2)2SCH3]−である。一定の実施形態では、LはC6炭化水素鎖であり、Lの1つのメチレン単位は−C(O)−に置換され、1つのメチレン単位は−NH−に置換され、1つのメチレン単位は−O−に置換されている。一定の実施形態では、L基は−NHCH2C(O)OCH2CH2−である。一定の実施形態では、LはC6炭化水素鎖であり、Lの1つのメチレン単位は−C(O)−に置換され、1つのメチレン単位は−NH−に置換され、1つのメチレン単位はC1〜6アルキルにさらに置換されている。一定の実施形態では、L基は−C(O)NHCH[CH2CH(CH3)2]−である。一定の実施形態では、L基は−C(O)NHCH[CH(CH3)(CH2CH3)]−である。一定の実施形態では、L基は−C(O)NHCH[CH(CH3)(CH2CH3)]−である。一定の実施形態では、LはC6炭化水素鎖であり、Lの1つまたは2つのメチレン単位は−C(O)−に置換され、1つのメチレン単位は−NH−に置換されている。一定の実施形態では、L基は−CH2CH[NHC(O)CH3]C(O)−である。一定の実施形態では、L基は−CH2CH[NHC(O)CH3]C(O)−である。一定の実施形態では、LはC6炭化水素鎖であり、Lの1つまたは2つのメチレン単位は−C(O)−に置換され、1つのメチレン単位は−NH−に置換され、1つのメチレン単位は−O−に置換され、1つのメチレン単位は−OCH2−フェニルと置換されている。一定の実施形態では、L基は−C(O)NH−CH[(CH2)2C(O)OCH2−フェニル]−である。一定の実施形態では、LはC6炭化水素鎖であり、Lの1つまたは2つのメチレン単位は−NH−に置換され、1つのメチレン単位は−C(O)NH2と置換されている。一定の実施形態では、L基は−CH[(CH2)3NHC(O)NH2]NH−である。一定の実施形態では、L基は−(CH2)2CH[C(O)NH2]NH−である。一定の実施形態では、LはC6炭化水素鎖であり、Lの1つのメチレン単位は−NH−に置換され、1つのメチレン単位は−C(O)−に置換され、1つのメチレン単位は−C(O)NH2と置換されている。一定の実施形態では、LはC6炭化水素鎖であり、Lの2つのメチレン単位は−C(O)−に置換され、1つのメチレン単位は−NH−に置換され、1つのメチレン単位は−O−に置換され、1つのメチレンは−NHCH2CH3と置換されている。一定の実施形態では、L基は−CH2CH[NHC(O)NHCH2CH3]C(O)O−である。一定の実施形態では、LはC6炭化水素鎖であり、Lの1つのメチレン単位は任意選択的に置換されたアリーレンに置換されている。一定の実施形態では、アリーレンは置換されたフェニレンである。一定の実施形態では、アリーレンは置換されている。一定の実施形態では、アリーレンはフェニレンである。一定の実施形態では、LはC6炭化水素鎖であり、Lの1つのメチレン単位は−NH−に置換され、1つのメチレン単位は−C(O)−に置換され、1つのメチレン単位はモルホリン環に置換され、1つのメチレン単位は−CH3基にさらに置換されている。一定の実施形態では、L基は−C(O)[モルホリノ]NHCH[CH(CH3)(CH2)]−である。一定の実施形態では、式Iおよび/またはI’の化合物の−L−R1部分が−C(O)[モルホリノ]NHCH[CH(CH3)(CH2CH3)]−であり、R1が−CH3であることをさらに認識するであろう。
まとめると、例示的なL基のリストには、以下が含まれる:
ii.R1基の実施形態
上で一般に定義するように、式Iおよび/またはI’のR1基は、水素、F、CF3、C1〜C4アルキル、−OH、−C(O)CH3、−NH(OR)、−NR2、−NHNR2、−SO2R、−NH−フェニル、−SO2−フェニル、−フェニル−NO2、または−ORであり、各Rは、独立して、水素、酸素、またはC1〜6脂肪族またはC1〜6ヘテロ脂肪族から選択される任意選択的に置換された基である。
例示的なR1基には、以下:
が含まれ、各Rは、独立して、水素またはC1〜6脂肪族またはC1〜6ヘテロ脂肪族から選択される任意選択的に置換された基である。
一定の実施形態では、R1は水素である。一定の実施形態では、R1はFである。一定の実施形態では、R1はCF3である。一定の実施形態では、R1はC1〜C4アルキルである。一定の実施形態では、R1は−CH3である。一定の実施形態では、R1はメチルである。一定の実施形態では、R1は−OHである。一定の実施形態では、R1は−C(O)CH3である。一定の実施形態では、R1は−C(O)CF3である。一定の実施形態では、R1は−NH2である。一定の実施形態では、R1は−NH2NH2である。一定の実施形態では、R1は−NHCH2CH3である。一定の実施形態では、R1は−SO2−メチルである。一定の実施形態では、R1は
である。一定の実施形態では、R1は
である。一定の実施形態では、R1は
である。一定の実施形態では、R1は
である。一定の実施形態では、R1は−ORである。一定の実施形態では、R1は−OR(式中、Rは任意選択的に置換されたC1〜6脂肪族である)である。一定の実施形態では、R1は−OCH2CH3である。一定の実施形態では、R1は−NHR(式中、Rは本明細書中に定義の通りである)である。一定の実施形態では、R1は−NH(OR)(式中、Rは本明細書中に定義の通りである)である。一定の実施形態では、R1は−ONH2である。一定の実施形態では、R1は−NR2(式中、Rは本明細書中に定義の通りである)である。
iii.R2基の実施形態
上で一般に定義するように、式Iおよび/またはI’のR2基は−C(O)Xであり、Xは、独立して、R、−C(O)NHNH2、−OR、水素、アリールオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヘテロアリールオキシ、ヒドラジン、6〜10員アリール環、窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員ヘテロアリール環であり、各Rは、独立して、水素またはC1〜6脂肪族またはC1〜6ヘテロ脂肪族から選択される任意選択的に置換された基である。一定の実施形態では、R2は−C(O)Xであり、Xは、R、−OR、ヒドラジン、または水素から選択される。一定の実施形態では、R2は−C(O)Xである。一定の実施形態では、R2は−C(O)Hである。一定の実施形態では、R2は−C(O)OHである。一定の実施形態では、R2は−C(O)ORである。一定の実施形態では、R2は−C(O)NHNH2である。
iv.R3基の実施形態
上で一般に定義するように、式Iおよび/またはI’のR3基は、置換または非置換、分岐または非分岐、飽和または不飽和のC10〜C25脂肪族である。一定の実施形態では、R3は、置換または非置換、分岐または非分岐のC10〜C15脂肪族である。一定の実施形態では、R3は置換または非置換、分岐または非分岐のC10〜C15アルケニルである。一定の実施形態では、R3は置換または非置換、分岐または非分岐のC10〜C12脂肪族である。一定の実施形態では、R3は置換または非置換、分岐または非分岐のC12脂肪族である。一定の実施形態では、R3は非置換分岐C12脂肪族である。一定の実施形態では、R3は置換分岐C12脂肪族である。一定の実施形態では、R3は分岐C12アルケニル基である。一定の実施形態では、R3は−CH2CH=C(CH3)CH2CH2CH=C(CH3)CH2CH2CH=C(CH3)(CH3)である。一定の実施形態では、R3は、置換分岐C15脂肪族である。一定の実施形態では、R3は分岐C15アルケニル基である。一定の実施形態では、R3は−CH2CH=C(CH3)CH2CH2CH=C(CH3)CH2CH2CH=C(CH3)(CH3)である。一定の実施形態では、R3は、置換分岐C16脂肪族である。一定の実施形態では、R3は分岐C16アルケニル基である。一定の実施形態では、R3は−CH2CH=C(CH3)CH2CH2CH2CH(CH3)CH2CH2CH2CH(CH3)CH2CH2CH2CH(CH3)(CH3)である。一定の実施形態では、R3は置換分岐C20脂肪族である。一定の実施形態では、R3は分岐C20アルケニル基である。一定の実施形態では、R3は−CH2CH=C(CH3)CH2CH2CH2CH(CH3)CH2CH2CH2CH(CH3)CH2CH2CH2CH(CH3)(CH3)である。
v.Y基の実施形態
上で一般に定義するように、Y基は、−O−、−N−、−S−、−Se−、−S(O)−、−S(=N)−、−S(O)2−、−Se(O)−、−Se(O)2−、または−C(=S)−である。一定の実施形態では、Yは−S−である。一定の実施形態では、Yは−O−である。一定の実施形態では、Yは−N−である。一定の実施形態では、Yは−Se−である。一定の実施形態では、Yは−S(O)−である。一定の実施形態では、Yは−S(=N)−である。一定の実施形態では、Yは−S(O)2−である。一定の実施形態では、Yは−Se(O)−である。一定の実施形態では、Yは−Se(O)2−である。
6.立体化学実施形態
本明細書中に記載のように、化合物は1つまたは複数のキラル中心を含むことができるので、種々の立体異性体(例えば、鏡像異性体、ジアステレオマー、または幾何異性体)で存在し得る。したがって、本発明の化合物およびその薬学的組成物は、ラセミ化合物、各鏡像異性体(例えば、鏡像異性体的に純粋な)、各ジアステレオマー(例えば、ジアステレオマー的に純粋)、各幾何異性体(例えば、幾何異性体的に純粋)の形態であり得るか、立体異性体の混合物の形態であり得る。一定の実施形態では、本発明の化合物はラセミ化合物である。一定の実施形態では、本発明の化合物はエナンチオリッチな化合物である。一定の実施形態では、本発明の化合物は、ジアステレオマーがリッチな化合物である。一定の実施形態では、1つまたは複数の二重結合が存在し、本発明の化合物は幾何学的にリッチな化合物であり得る。一定の実施形態では、調製物の75%が同一の鏡像異性体またはジアステレオマーのものであるような本発明の化合物を提供する。一定の実施形態では、調製物の少なくとも80%、90%、95%、または97.5%が同一の鏡像異性体またはジアステレオマーのものであるような本発明の化合物を提供する。一定の実施形態では、かかる調製物が検出限度まで単一の鏡像異性体またはジアステレオマーからなる(すなわち、「エナンチオピュア」である)本発明の化合物を提供する。
提供した化合物中の各キラル中心が(R)配置または(S)配置で存在し得ることが当業者に明らかであろう。さらに、提供した化合物の立体異性体が存在する場合、かかる形態は相互に比較して任意の比で存在し得る。当業者は、立体異性体の比がかかる化合物を調製する方法に従って変化し得ることをさらに理解するであろう。本明細書中に提供した例示的な比は本発明を例示することを意味し、本発明を制限することを意味しない。
幾何異性に関して、本発明は、他で示さない限り、1つまたは複数の二重結合が存在するE異性体およびZ異性体の両方を意図する。いくつかの実施形態では、本発明は、他の幾何異性体を実質的に含まない単一の幾何異性体として、あるいは、種々の異性体の混合物(例えば、E異性体とZ異性体とのラセミ混合物)として化合物を含む。上記化合物自体に加えて、本発明はまた、これらの化合物の薬学的に許容可能な誘導体ならびに1つまたは複数の本発明の化合物および1つまたは複数の薬学的に許容可能な賦形剤または添加物を含む組成物を含む。
立体異性体が好ましい場合、いくつかの実施形態では、本明細書中に定義する場合、他の立体異性体を実質的に含まない立体異性体を提供することができる。一定の実施形態にしたがって、本発明は、他の立体異性体を実質的に含まない式I、I’、および/またはIaの化合物を提供する。
鏡像異性体と立体異性体との混合物を、周知の方法(キラル相ガスクロマトグラフィ、キラル相高速液体クロマトグラフィ、キラル塩複合体としての化合物の結晶化、キラル溶媒中での化合物の結晶化、または化合物、その前駆体、またはその誘導体の酵素分割など)によってその成分鏡像異性体または立体異性体に分割することができる。鏡像異性体および立体異性体を、周知の非対称合成方法によって立体異性体的または鏡像異性体的に純粋な中間体、試薬、および触媒から得ることもできる。
さらに、特に指定のないかぎり、本発明は、1つまたは複数の同位体が豊富な原子の存在下のみで本明細書中に明確に示される化合物と異なる化合物を含む。例えば、水素の重水素または三重水素との置換または炭素の13Cもしくは14C豊富な炭素との置換を含む本発明の構造を有する化合物は、本発明の範囲内である。かかる化合物は、例えば、分析ツール、生物学アッセイにおけるプローブ、または本発明の治療薬として有用である。一定の実施形態では、I、I’、および/またはIaのR1基は、1つまたは複数の重水素原子を含む。一定の実施形態では、I、I’、および/またはIaのR2基は、1つまたは複数の重水素原子を含む。一定の実施形態では、I、I’、および/またはIaのR3基は、1つまたは複数の重水素原子を含む。異性体の混合物を、当業者に公知の技術(カラムクロマトグラフィが含まれるが、これに限定されない)によって分離および/または精製することができる。
上で一般に記載するように、本発明は、式1aおよび/または1b:
(式中、各変数は上記に定義されており、クラスおよびサブクラスは上記および本明細書中に記載されている)に記載の立体化学を有する式I、I’、および/またはIaの化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供する。
本明細書中に開示の各ラセミ化合物についての各鏡像異性体も意図されることが認識されるであろう。例えば、当業者は、下記の化合物N−54:
はその各鏡像異性体:
も意図することを理解するであろう。
I.L基の立体化学およびR3基の立体化学
本発明の例示的なL基およびR3基の立体化学を以下に記載する。本明細書中に記載の実施形態の全ての組み合わせを意図することが認識されるであろう。いくつかの実施形態では、本発明は、下記のL基の1つおよびR3基の1つの任意の組み合わせを有する化合物を提供する。特定のL基またはR3基を一般に立体化学を特定することなく記載し、本発明がその基に関連する立体化学の全ての実施形態を意図することがさらに認識されるであろう。
A.L基の立体化学
L基の一般的定義
上および本明細書中に一般に記載されるように、Lは、2価、分岐または非分岐、飽和または不飽和のC2〜C6炭化水素鎖であり、Lの1つまたは複数のメチレン単位は、−O−、−S−、−NH−、−C(O)−、−CF2−、−C(=CH2)−、−CH=CH−、または任意選択的に置換されたアリーレン、ヘテロアリーレン、C3〜C6シクロアルキレン、C3〜C6ヘテロシクロアルキレン、もしくは8〜10員二環式複素環部分に独立して置換され、Lは、ハロゲン、C1〜C6アルキル、フェニル、ビフェニル、−ベンジル、−CH2−フェノール、−CH(フェニル)2、−OH、−NH2、−NHC(O)CH3、−NHC(O)NHCH2CH3、−C(O)NH2、−C(O)NHCH2CH3、−CH2C(O)OCH2フェニル、−(CH2)2SCH3、−(CH2)2C(O)NH2、
−(CH2)2C(O)OH、8〜10員二環式アリール環、窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員ヘテロアリール環、窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する8〜10員二環式ヘテロアリール環、窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する5〜7員単環、または窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する7〜10員二環式ヘテロシクリル環から選択される1つまたは複数の基に任意選択的に置換される。
1つのキラル中心(すなわち、L中にキラル中心なし)
いくつかの実施形態では、式1aまたは1b中に示す立体化学を有する式Iまたは式I’の化合物は、LのC2〜6炭化水素鎖中にキラル中心を含まない。例示的なかかる化合物には、例えば、化合物A((R)−鏡像異性体;実施例2)および対応する(S)−鏡像異性体が含まれる。
2つのキラル中心(すなわち、L中に1つのキラル中心)
いくつかの実施形態では、式1aまたは1b中に示す立体化学を有する式Iまたは式I’の化合物は、LのC2〜6炭化水素鎖中に1つのキラル中心を含む。一定の実施形態では、LのC2〜6炭化水素鎖中のキラル中心はC2に存在する。一定の実施形態では、LのC2〜6炭化水素鎖中のキラル中心はC3に存在する。一定の実施形態では、LのC2〜6炭化水素鎖中のキラル中心はC4に存在する。一定の実施形態では、LのC2〜6炭化水素鎖中のキラル中心はC5に存在する。一定の実施形態では、LのC2〜6炭化水素鎖中のキラル中心はC6に存在する。当業者は、LのC2〜6炭化水素鎖中のキラル中心が(R)配置または(S)配置のいずれかで存在し得ると認識するであろう。一定の実施形態では、LのC2〜6炭化水素鎖中のキラル中心は、(R)配置においてエナンチオピュアまたはエナンチオリッチである。一定の実施形態では、LのC2〜6炭化水素鎖中のキラル中心は、(S)配置においてエナンチオピュアまたはエナンチオリッチである。一定の実施形態では、LのC2〜6炭化水素鎖中のキラル中心は、(R):(S)のモル比約1:1で存在する。
式Iまたは式I’の化合物のC2〜6炭化水素鎖中に1つのキラル中心を含み、且つ式1aまたは1bに記載の立体化学を有するL基内に存在する例示的立体化学は、以下の式1l−(i)、1l−(ii)、1l−(iii)、1l−(iv)、1l−(v)、および/または1l−(vi)に示す通りである:
L基について上記の式1l−(v)および1l−(vi)に示す立体化学を有する例示的化合物には、以下が含まれる:化合物C−2(実施例5b)、化合物N−55(実施例9)、化合物N−57(実施例11)、化合物N−58(実施例12)、化合物N−8(実施例14)、化合物N−3(実施例15)、化合物N−5(実施例17)、化合物N−9(実施例20)、化合物N−12(実施例21)、化合物N−60(実施例23)、化合物N−50(実施例24)、化合物N−63(実施例29)、化合物N−66(実施例34)、化合物N−71(実施例46)、化合物N−91、および化合物N−92。
一定の実施形態では、式1l−(i)のL基を含む化合物および式1l−(ii)のL基を含む化合物が1:1のモル比で存在するように式1aに記載の立体化学を有する本発明の化合物を提供する。例示的なかかる化合物には、化合物C(実施例5および実施例5a)、化合物N−2、化合物N−18、化合物N−31(実施例62)、化合物N−34(実施例41a)、化合物N−37、化合物N−40(実施例32)、化合物N−41(実施例33)、化合物N−46(実施例35)、化合物N−47、化合物N−61(実施例27)、化合物N−64(実施例30)、化合物N−65(実施例31)、化合物N−77(実施例65)、化合物N−89、化合物N−93、および化合物N−94が含まれる。
一定の実施形態では、式1l−(i)のL基を含む化合物および式1l−(ii)のL基を含む化合物が1:1のモル比で存在するような式1bに記載の立体化学を有する本発明の化合物を提供する。
一定の実施形態では、式1l−(iii)のL基を含む化合物および式1l−(iv)のL基を含む化合物が1:1のモル比で存在するような式1aに記載の立体化学を有する本発明の化合物を提供する。例示的なかかる化合物には、化合物N−36;化合物N−78(実施例66);および化合物N−32(実施例67)が含まれる。
一定の実施形態では、式1l−(iii)のL基を含む化合物および式1l−(iv)のL基を含む化合物が1:1のモル比で存在するような式1bに記載の立体化学を有する本発明の化合物を提供する。
一定の実施形態では、式1l−(v)のL基を含む化合物および式1l−(vi)のL基を含む化合物が1:1のモル比で存在するような式1aに記載の立体化学を有する本発明の化合物を提供する。この型の例示的な化合物には、化合物N−88および化合物N−95が含まれる。
一定の実施形態では、式1l−(v)のL基を含む化合物および式1l−(vi)のL基を含む化合物が1:1のモル比で存在するような式1bに記載の立体化学を有する本発明の化合物を提供する。
3つのキラル中心(すなわち、L中に2つのキラル中心)
一定の実施形態では、式1aまたは1b中に示す立体化学を有する式Iまたは式I’の化合物は、LのC2〜6炭化水素鎖中に2つのキラル中心を含む。一定の実施形態では、LのC2〜6炭化水素鎖中の2つのキラル中心は、C1およびC2に存在する。一定の実施形態では、LのC2〜6炭化水素鎖中の2つのキラル中心は、C1およびC3に存在する。一定の実施形態では、LのC2〜6炭化水素鎖中の2つのキラル中心は、C1およびC4に存在する。一定の実施形態では、LのC2〜6炭化水素鎖中の2つのキラル中心は、C1およびC5に存在する。一定の実施形態では、LのC2〜6炭化水素鎖中の2つのキラル中心は、C1およびC6に存在する。一定の実施形態では、LのC2〜6炭化水素鎖中の2つのキラル中心は、C2およびC3に存在する。一定の実施形態では、LのC2〜6炭化水素鎖中の2つのキラル中心は、C2およびC4に存在する。一定の実施形態では、LのC2〜6炭化水素鎖中の2つのキラル中心は、C2およびC5に存在する。一定の実施形態では、LのC2〜6炭化水素鎖中の2つのキラル中心は、C2およびC6に存在する。一定の実施形態では、LのC2〜6炭化水素鎖中の2つのキラル中心は、C3およびC4に存在する。一定の実施形態では、LのC2〜6炭化水素鎖中の2つのキラル中心は、C3およびC5に存在する。一定の実施形態では、LのC2〜6炭化水素鎖中の2つのキラル中心は、C3およびC6に存在する。一定の実施形態では、LのC2〜6炭化水素鎖中の2つのキラル中心は、C4およびC5に存在する。一定の実施形態では、LのC2〜6炭化水素鎖中の2つのキラル中心は、C4およびC6に存在する。一定の実施形態では、LのC2〜6炭化水素鎖中の2つのキラル中心は、C5およびC6に存在する。
式Iまたは式I’の化合物のC2〜6炭化水素鎖中に2つのキラル中心を含み、且つ式1aまたは1bに記載の立体化学を有するL基内に存在する例示的立体化学は、以下の式2l−(i)、2l−(ii)、2l−(iii)、および2l−(iv)に示す通りである:
当業者は、LのC2〜6炭化水素鎖中の2つのキラル中心のいずれかが(R)配置または(S)配置で存在し得ることを認識するであろう。一定の実施形態では、LのC2〜6炭化水素鎖中の両方のキラル中心が(R)配置で存在する。一定の実施形態では、LのC2〜6炭化水素鎖中の両方のキラル中心が(S)配置で存在する。一定の実施形態では、LのC2〜6炭化水素鎖中の一方のキラル中心が(R)配置で存在し、LのC2〜6炭化水素鎖中の第2のキラル中心が(S)配置で存在する。
一定の実施形態では、LのC2〜6炭化水素鎖中の2つのキラル中心のうちの少なくとも1つが(R)配置または(S)配置においてエナンチオピュアまたはエナンチオリッチであるような式1aおよび/または1bに示す立体化学を有する式Iおよび/または式I’の化合物を提供する。
一定の実施形態では、LのC2〜6炭化水素鎖中の両方のキラル中心が独立して(R)配置または(S)配置においてエナンチオピュアまたはエナンチオリッチであるような式1aおよび/または1bに示す立体化学を有する式Iおよび/または式I’の化合物を提供する。
一定の実施形態では、LのC2〜6炭化水素鎖中の2つのキラル中心の1つが(R)配置または(S)配置においてエナンチオピュアまたはエナンチオリッチである一方で、 LのC2〜6炭化水素鎖中の他のキラル中心がラセミ体として存在するような式1aおよび/または1bに示す立体化学を有する式Iおよび/または式I’の化合物を提供する。
一定の実施形態では、LのC2〜6炭化水素鎖中の両方のキラル中心がラセミ体として存在するような式1aおよび/または1bに示す立体化学を有する式Iおよび/または式I’の化合物を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明の化合物を1つまたは複数の立体異性体の混合物として提供し、Lの全ての可能な立体異性体が存在する。いくつかの実施形態では、本発明の化合物を立体異性体の混合物として提供し、混合物は、約20:1、18:1、16:1、14:1、12:1、10:1、9:1、8:1、7:1、6:1、5:1、4:1、3:1、2:1、または1:1の比で存在する2つの立体異性体を含むことができる。
B.R3基の立体化学
上および本明細書中に一般に記載されるように、R3は、置換または非置換、分岐または非分岐、飽和または不飽和のC10〜C25脂肪族である。
いくつかの実施形態では、式1aまたは1b中に示す立体化学を有する式Iまたは式I’のR3は、式1r:
のものである。
いくつかの実施形態では、式1aまたは1b中に示す立体化学を有する式Iまたは式I’のR3は、一般式2r:
のものである。
一定の実施形態では、式1aまたは1bに示す立体化学を有する式Iまたは式I’のR3は式2rのものであり、2rは、任意の以下の式2r−(i)、2r−(ii)、2r−(iii)、または2r−(iv)のものである:
一定の実施形態では、R3中の2つのキラル中心のうちの少なくとも1つが(R)配置または(S)配置においてエナンチオピュアまたはエナンチオリッチであるような式1aおよび/または1bに示す立体化学を有する式Iおよび/または式I’の化合物を提供する。
一定の実施形態では、R3中の2つのキラル中心が独立して(R)配置または(S)配置においてエナンチオピュアまたはエナンチオリッチであるような式1aおよび/または1bに示す立体化学を有する式Iおよび/または式I’の化合物を提供する。
一定の実施形態では、R3中の第1のキラル中心が(R)配置または(S)配置においてエナンチオピュアまたはエナンチオリッチである一方で、R3中の第2のキラル中心がラセミ体として存在するような式1aおよび/または1bに示す立体化学を有する式Iおよび/または式I’の化合物を提供する。
一定の実施形態では、R3中の2つのキラル中心がラセミ体として存在するような式1aおよび/または1bに示す立体化学を有する式Iおよび/または式I’の化合物を提供する。
いくつかの実施形態では、R3は上記の式2rのものであり、全ての可能な式2rの立体異性体が存在するか、3つの式2rの立体異性体が存在するか、2つの式2rの立体異性体が存在するか、1つの式2rの立体異性体が存在するような式1aおよび/または1bに示す立体化学を有する式Iおよび/または式I’の化合物を提供する。
一定の実施形態では、R3は上記の式2rのものであり、2r−(i)および2r−(ii)中に示す立体化学を含む化合物のみが存在するような式1aおよび/または1bに示す立体化学を有する式Iおよび/または式I’の化合物を提供する。
一定の実施形態では、R3は上記の式2rのものであり、2r−(iii)および2r−(iv)中に示す立体化学を含む化合物のみが存在するような式1aおよび/または1bに示す立体化学を有する式Iおよび/または式I’の化合物を提供する。
一定の実施形態では、R3は上記の式2rのものであり、2r−(i)および2r−(ii)中に示す立体化学を含む化合物が1:1の比で存在するような式1aおよび/または1bに示す立体化学を有する式Iおよび/または式I’の化合物を提供する。一定の実施形態では、R3は上記の式2rのものであり、2r−(i)および2r−(ii)中に示す立体化学を含む化合物が1:1の比で存在しないような式1aおよび/または1bに示す立体化学を有する式Iおよび/または式I’の化合物を提供する。
一定の実施形態では、R3は上記の式2rのものであり、2r−(iii)および2r−(iv)中に示す立体化学を含む化合物が1:1の比で存在するような式1aおよび/または1bに示す立体化学を有する式Iおよび/または式I’の化合物を提供する。一定の実施形態では、R3は上記の式2rのものであり、2r−(iii)および2r−(iv)中に示す立体化学を含む化合物が1:1の比で存在しないような式1aおよび/または1bに示す立体化学を有する式Iおよび/または式I’の化合物を提供する。
一定の実施形態では、R3は上記の式2rのものであり、2r−(i)および2r−(ii)中に示す立体化学を含む化合物が1:1の比で存在し、且つ2r−(iii)および2r−(iv)中に示す立体化学を含む化合物が1:1の比で存在するような式1aおよび/または1bに示す立体化学を有する式Iおよび/または式I’の化合物を提供する。一定の実施形態では、R3は上記の式2rのものであり、2r−(i)および2r−(ii)中に示す立体化学を含む化合物が1:1の比で存在し、且つ2r−(iii)および2r−(iv)中に示す立体化学を含む化合物が1:1の比で存在しないような式1aおよび/または1bに示す立体化学を有する式Iおよび/または式I’の化合物を提供する。一定の実施形態では、R3は上記の式2rのものであり、2r−(i)および2r−(ii)中に示す立体化学を含む化合物が1:1の比で存在せず、且つ2r−(iii)および2r−(iv)中に示す立体化学を含む化合物が1:1の比で存在するような式1aおよび/または1bに示す立体化学を有する式Iおよび/または式I’の化合物を提供する。
一定の実施形態では、R3は上記の式2rのものであり、2r−(i)、2r−(ii)、2r−(iii)、および2r−(iv)にそれぞれ示す立体化学的配置が存在し、2r−(i)および2r−(ii)中に示す立体化学を含む化合物の合計[すなわち、R3が(R,R)または(S,S)のいずれかの「シス」配置で存在する化合物の総量]と2r−(iii)および2r−(iv)中に示す立体化学を含む化合物の合計[すなわち、R3が(R,S)または(S,R)のいずれかの「トランス」配置で存在する化合物の総量]との比が、約20:1、18:1、16:1、14:1、12:1、10:1、9:1、8:1、7:1、6:1、5:1、4:1、3:1、2:1、1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:12、1:14、1:16、1:18、または1:20であるような本発明の化合物を提供する。一定の実施形態では、2r−(i)および2r−(ii)中に示す立体化学を含む化合物の合計と2r−(iii)および2r−(iv)中に示す立体化学を含む化合物の合計との比は3:7である。一定の実施形態では、2r−(i)および2r−(ii)中に示す立体化学を含む化合物の合計と2r−(iii)および2r−(iv)中に示す立体化学を含む化合物の合計との比は1:2である。一定の実施形態では、2r−(i)および2r−(ii)中に示す立体化学を含む化合物の合計と2r−(iii)および2r−(iv)中に示す立体化学を含む化合物の合計との比は1:1である。例示的なかかる提供化合物は、実施例72(化合物N−53)および実施例73(化合物N−48)に見出される。
II.LとR3との組み合わせ例
LおよびR3の上記実施形態の全ての組み合わせが意図され、且つ、本発明が本明細書中に記載の組み合わせに制限されないと認識されるであろう。特定のL基またはR3基を立体化学を特定することなく一般的に記載しており、本発明がその基に関連する立体化学の全ての実施形態を意図することがさらに認識されるであろう。LとR3との組み合わせ例を以下に記載する。
Lがキラル中心を含まない組み合わせ
いくつかの実施形態では、本発明は、Lがキラル中心を含まないC2〜6炭化水素鎖であり、且つR3が式1rおよび/または2rのものである、式1aおよび/または1bに示す立体化学を有する式Iおよび/または式I’の化合物を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、Lがキラル中心を含まないC2〜6炭化水素鎖であり、且つR3が式1rのものである、式1aおよび/または1bに示す立体化学を有する式Iおよび/または式I’の化合物を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、Lがキラル中心を含まないC2〜6炭化水素鎖であり、且つR3が式2rのものである、式1aおよび/または1bに示す立体化学を有する式Iおよび/または式I’の化合物を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、式1a中に示す立体化学を有し、Lがキラル中心を含まないC2〜6炭化水素鎖であり、且つR3が式1rのものである、式Iまたは式I’の化合物を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、式1b中に示す立体化学を有し、Lがキラル中心を含まないC2〜6炭化水素鎖であり、且つR3が式1rのものである、式Iまたは式I’の化合物を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、式1a中に示す立体化学を有し、Lがキラル中心を含まないC2〜6炭化水素鎖であり、且つR3が式2rのものである、式Iまたは式I’の化合物を提供する。LおよびR3が上記の通りである一定の実施形態では、2rは、2r−(i)および2r−(ii)中に示す立体化学を含む化合物の混合物として存在する。LおよびR3が上記の通りである一定の実施形態では、2rは、2r−(iii)および2r−(iv)中に示す立体化学を含む化合物の混合物として存在する。LおよびR3が上記の通りである一定の実施形態では、2rは、2r−(i)、2r−(ii)、2r−(iii)および2r−(iv)中に示す立体化学を含む化合物の混合物として存在する。LおよびR3が上記の通りである一定の実施形態では、2rは、2r−(i)、2r−(ii)、2r−(iii)、または2r−(iv)中に示す立体化学を含む化合物として存在する。LおよびR3が上記の通りである一定の実施形態では、2r−(i)および2r−(ii)中に示す立体化学を含む化合物の合計と2r−(iii)および2r−(iv)中に示す立体化学を含む化合物の合計との比は、約20:1、18:1、16:1、14:1、12:1、10:1、9:1、8:1、7:1、6:1、5:1、4:1、3:1、2:1、1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:12、1:14、1:16、1:18、または1:20である。LおよびR3が上記の通りである一定の実施形態では、2r−(i)および2r−(ii)中に示す立体化学を含む化合物の合計と2r−(iii)および2r−(iv)中に示す立体化学を含む化合物の合計との比は約3:7である。LおよびR3が上記の通りである一定の実施形態では、2r−(i)および2r−(ii)中に示す立体化学を含む化合物の合計と2r−(iii)および2r−(iv)中に示す立体化学を含む化合物の合計との比は1:2である。LおよびR3が上記の通りである一定の実施形態では、2r−(i)および2r−(ii)中に示す立体化学を含む化合物の合計と2r−(iii)および2r−(iv)中に示す立体化学を含む化合物の合計との比は1:1である。
いくつかの実施形態では、本発明は、式1b中に示す立体化学を有し、Lがキラル中心を含まないC2〜6炭化水素鎖であり、且つR3が式2rのものである、式Iまたは式I’の化合物を提供する。
Lが1つのキラル中心を含む組み合わせ
いくつかの実施形態では、本発明は、Lがキラル中心を含むC2〜6炭化水素鎖であり、且つR3が式1rおよび/または2rのものである、式1aおよび/または1bに示す立体化学を有する式Iおよび/または式I’の化合物を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、Lがキラル中心を含むC2〜6炭化水素鎖であり、且つR3が式1rのものである、式1a中に示す立体化学を有する式Iまたは式I’の化合物を提供する。R3が上記の通りである一定の実施形態では、Lは、C1、C2、またはC3で(R)配置のキラル中心を含むC2〜6炭化水素鎖である。R3が上記の通りである一定の実施形態では、Lは、C1、C2、またはC3で(S)配置のキラル中心を含むC2〜6炭化水素鎖である。一定の実施形態では、本発明は、R3が上記の通りであり、且つLが(R)と(S)とのモル比がおよそ1:1で存在するキラル中心を含むC2〜6炭化水素鎖である化合物を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、Lがキラル中心を含むC2〜6炭化水素鎖であり、且つR3が式1rのものである、式1b中に示す立体化学を有する式Iまたは式I’の化合物を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、Lがキラル中心を含むC2〜6炭化水素鎖であり、且つR3が式2rのものである、式1a中に示す立体化学を有する式Iまたは式I’の化合物を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、Lがキラル中心を含むC2〜6炭化水素鎖であり、且つR3が式2rのものである、式1b中に示す立体化学を有する式Iまたは式I’の化合物を提供する。
Lが2つのキラル中心を含む組み合わせ
いくつかの実施形態では、本発明は、Lが2つのキラル中心を含むC2〜6炭化水素鎖であり、且つR3が式1rおよび/または2rのものである、式1aおよび/または1bに示す立体化学を有する式Iおよび/または式I’の化合物を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、Lが2つのキラル中心を含むC2〜6炭化水素鎖であり、且つR3が式1rのものである、式1a中に示す立体化学を有する式Iまたは式I’の化合物を提供する。R3およびLが上記の通りである一定の実施形態では、C2〜6炭化水素鎖中の2つのキラル中心がC1およびC2に存在し、2つのキラル中心の少なくとも1つがラセミ体である。R3およびLが上記の通りである一定の実施形態では、C2〜6炭化水素鎖中の2つのキラル中心がC1およびC3に存在し、2つのキラル中心の少なくとも1つがラセミ体である。R3およびLが上記の通りである一定の実施形態では、C2〜6炭化水素鎖中の2つのキラル中心がC2およびC3に存在し、2つのキラル中心の少なくとも1つがラセミ体である。R3およびLが上記の通りである一定の実施形態では、C2〜6炭化水素鎖中の2つのキラル中心がC1およびC2に存在し、両方のキラル中心が独立してエナンチオピュアである。R3およびLが上記の通りである一定の実施形態では、C2〜6炭化水素鎖中の2つのキラル中心がC1およびC3に存在し、両方のキラル中心が独立してエナンチオピュアである。R3およびLが上記の通りである一定の実施形態では、C2〜6炭化水素鎖中の2つのキラル中心がC2およびC3に存在し、両方のキラル中心が独立してエナンチオピュアである。R3およびLが上記の通りである一定の実施形態では、Lの全ての可能な立体異性体が存在するような化合物を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、Lが2つのキラル中心を含むC2〜6炭化水素鎖であり、且つR3が式1rのものである、式1b中に示す立体化学を有する式Iまたは式I’の化合物を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、Lが2つのキラル中心を含むC2〜6炭化水素鎖であり、且つR3が式2rのものである、式1a中に示す立体化学を有する式Iまたは式I’の化合物を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、Lが2つのキラル中心を含むC2〜6炭化水素鎖であり、且つR3が式2rのものである、式1b中に示す立体化学を有する式Iまたは式I’の化合物を提供する。
7.位置化学実施形態
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の位置異性体(例えば、「L」に関して)の混合物としての本発明の化合物を提供する。当業者は、位置異性体および/または位置異性体混合物に関する本明細書中に記載の全ての立体化学実施形態を意図すると認識するであろう。一定の実施形態では、位置異性体混合物は、約20:1、18:1、16:1、14:1、12:1、10:1、9:1、8:1、7:1、6:1、5:1、4:1、3:1、2:1、または1:1の比で存在する2つの位置異性体を含む。一定の実施形態では、1つまたは複数の位置異性体は、1つまたは複数の上記の立体異性体で存在し得る。
化合物の位置異性体混合物が相互に対して任意の比で存在する1つまたは複数の位置異性体を含むことができることが当業者に明らかであろう。
本明細書中に記載の例示的なかかる位置異性体混合物には以下が含まれる。(1)実施例60(組成物が約7:3の比の化合物N−28:化合物N−27の混合物を含み、化合物N−28および化合物N−27のそれぞれに存在するキラル炭素が(R)配置(すなわち、エナンチオピュア)で存在する)。一定の実施形態では、本発明はまた、化合物N−28および化合物N−27のキラル炭素が(S)配置であることを意図する。(2)実施例28(組成物が約6:4の比の化合物N−34:化合物N−33の混合物を含み、化合物N−34が約1:1比の(R)(R)鏡像異性体および(S)(R)鏡像異性体として存在し、化合物N−33が約1:1の比の(R)(R)鏡像異性体および(S)(R)鏡像異性体として存在する)。(3)実施例58(その立体化学が上記の実施例28に記載の立体化学と実質的に類似している)。
一定の実施形態では、本発明は、上記表1に示す任意の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供する。
他で示さない限り、本発明の化合物の全ての互変異性体は、本発明の範囲内である。さらに、特に指定のないかぎり、本明細書中に示した構造はまた、1つまたは複数の異性体が豊富な原子の存在のみが異なる化合物が含まれることを意味する。例えば、水素の重水素または三重水素への置換または炭素の13Cまたは14Cが豊富な炭素への置換を含む本発明の構造を有する化合物は、本発明の範囲内である。かかる化合物は、例えば、分析ツール、生物学アッセイにおけるプローブ、または本発明の治療薬として有用である。いくつかの実施形態では、式Iおよび/またはI’のR1基は、1つまたは複数の重水素原子を含む。異性体の混合物を、当業者に公知の技術(カラムクロマトグラフィが含まれるが、これに限定されない)によって分離および/または精製することができる。
種々の有用な形態のいずれか(例えば、薬学的に許容可能な塩として、特に結晶形態としてなど)の本発明の式I、I’、および/またはIaの化合物を提供することができる。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の本発明の化合物のプロドラッグを提供する。種々のプロドラッグ形態が当該分野で公知であり、例えば、Bundgaard(ed.),Design of Prodrugs,Elsevier(1985);Widder et al.(ed.),Methods in Enzymology,vol.4,Academic Press(1985);Kgrogsgaard−Larsen et al.(ed.);“Design and Application of Prodrugs”,Textbook of Drug Design and
Development,Chapter 5,113−191(1991);Bundgaard et al.,Journal of Drug Delivery Reviews,8:1−38(1992);Bundgaard et al.,J.Pharmaceutical Sciences,77:285 et seq.(1988);およびHiguchi and Stella(eds.),Prodrugs
as Novel Drug Delivery Systems,American
Chemical Society(1975)で考察されている。
上記のように、本発明は、AFCと構造が関連するイソプレニル化合物を提供する。AFCと同様に、一定の実施形態では、イソプレニル化合物は、カルボキシル末端−−CAAXモチーフ(式中、C=システイン、A=任意の脂肪族アミノ酸、およびX=任意のアミノ酸)を有するタンパク質のメチル化を還元する能力によって特徴づけられる(Rando、米国特許第5,202,456号を参照のこと)。阻害されるメチル化反応は、−−CAAXモチーフに関与する一連の翻訳後修飾の一部である。これらの修飾には、−−CAAXモチーフ(硫黄上)のシステインのポリイソプレニル化、カルボキシル末端の3つのアミノ酸(−−AAX)のタンパク質分解、およびシステインのカルボキシル基のメチル化が含まれる。
一定の実施形態では、提供した化合物は、Gタンパク質シグナル伝達カスケードを調整する。一定の実施形態では、提供した化合物は、ポリイソプレニル化シグナル伝達タンパク質(Gタンパク質など)とこれらが相互作用するタンパク質調節標的または他の細胞内シグナル伝達タンパク質との間の相互作用を変化させる。一定の実施形態では、提供した化合物は、炎症反応を調整する。一定の実施形態では、提供した化合物は、炎症を阻害し、したがって、抗炎症性である。一定の実施形態では、提供した化合物は、炎症を促進し、したがって、炎症誘発性である。
いくつかの実施形態では、提供した化合物は、Gタンパク質媒介性経路によって誘導された炎症性メディエーター(サイトカインなど)(例えば、プリン受容体)のレベルを調整する。いくつかの実施形態では、提供した化合物は、炎症誘発性メディエーター(炎症誘発性サイトカインなど)のレベルを阻害する。さらなる実施形態では、提供した化合物は、Gタンパク質媒介性経路によって誘導された炎症誘発性メディエーター(炎症誘発性サイトカインなど)のレベルを阻害する。
いくつかの実施形態では、提供した化合物は、他のシグナル伝達経路(例えば、Toll様受容体(「TLR」)およびTNFα受容体に関連する経路)によって誘導された炎症性メディエーター(サイトカインなど)のレベルを調整する。いくつかの実施形態では、提供した化合物は、他のシグナル伝達経路(例えば、Toll様受容体(「TLR」)およびTNFα受容体に関連する経路)によって誘導された炎症誘発性メディエーター(炎症誘発性サイトカインなど)のレベルを阻害する。
いくつかの実施形態では、提供した化合物は、TPAなどの化学物質によって誘導された炎症誘発性メディエーター(炎症誘発性サイトカインなど)のレベルを阻害する。
いくつかの実施形態では、提供した化合物は、アトピー性皮膚炎マウスモデルを使用して特徴づけられた炎症性メディエーター(サイトカインなど)のレベルを調整する。
いくつかの実施形態では、提供した化合物は、アトピー性皮膚炎マウスモデルを使用して特徴づけられた炎症誘発性メディエーター(炎症誘発性サイトカインなど)のレベルを阻害する。
いくつかの実施形態では、提供した化合物は、T−ヘルパーリンパ球の浸潤および蓄積を調整する。いくつかの実施形態では、提供した化合物は、CD3+マーカーを有するT−ヘルパーリンパ球を調整する。いくつかの実施形態では、提供した化合物は、Stat3c乾癬マウスモデルを使用して特徴づけたT−ヘルパーリンパ球の浸潤および蓄積を調整する。いくつかの実施形態では、提供した化合物は、T−ヘルパーリンパ球の浸潤および蓄積を阻害する。いくつかの実施形態では、提供した化合物は、CD3+マーカーを有するT−ヘルパーリンパ球の浸潤および蓄積を阻害する。いくつかの実施形態では、提供した化合物は、Stat3c乾癬マウスモデルを使用して特徴づけたT−ヘルパーリンパ球の浸潤および蓄積を阻害する。
いくつかの実施形態では、提供した化合物は、特異的な膜結合型S−アデノシルメチオニン依存性イソプレニル−S−イソプレニルメチルトランスフェラーゼ(「ICMT」)によってメチルエステル化反応を阻害して、Gタンパク質シグナル伝達経路における多数の重要な因子をカルボキシ末端ポリイソプレノイドシステイン修飾する。
いくつかの実施形態では、提供した化合物は、炎症を促進し、したがって、炎症誘発性である。
いくつかの実施形態では、提供した化合物は、好中球由来の酸化バーストを促進し、したがって、抗酸化剤である。
一定の実施形態では、提供した化合物の活性を、種々の細胞ベースまたは動物ベースのモデルが関与する種々のin vitroまたはin vivoアッセイを使用して特徴づけることができる。例えば、浮腫、紅斑、および/またはミエロペルオキシダーゼの阻害;炎症性サイトカイン;Stat3c−乾癬マウスモデル;メチルエステル化反応の阻害;および酸化バーストの阻害についての例示的アッセイ由来のデータをそれぞれ以下に記載する。
浮腫、紅斑、および/またはミエロペルオキシダーゼ(MPO)の阻害
提供した化合物が炎症反応を調整する能力を、例えば、例えば、実施例79に記載のように浮腫、紅斑、および/またはミエロペルオキシダーゼ(「MPO」)の阻害を評価するアッセイを使用して評価することができる。
一定の実施形態では、提供した化合物は、例えば、0.8mg/20μLの用量で投与した場合に浮腫アッセイにおいて少なくとも約30、35、40、50、60、70、80、90、または95%の阻害率を示す場合、炎症のインヒビターであると見なされる。一定の実施形態では、提供した化合物は、例えば、0.2mg/20μLの用量で投与した場合に浮腫アッセイにおいて少なくとも約5、10、15、20、25、30、35、40、50、60、70、または80%の阻害率を示す場合、炎症のインヒビターであると見なされる。一定の実施形態では、提供した化合物は、浮腫アッセイにおいてAFCを使用して認められたED50の少なくとも約1/0.5、1、1/1.5、1/2、1/2.5、1/3、1/3.5、1/4、1/4.5のED50が得られる場合に炎症のインヒビターであると見なされる。一定の実施形態では、提供した化合物は、例えば、0.8mg/20μlの用量で投与した場合に浮腫アッセイにおいて少なくとも約(−)10、(−)20、(−)30、(−)40、(−)50、(−)55、(−)60、(−)65、(−)70、(−)75、(−)80、(−)85、(−)90、または(−)95%の阻害率を示す場合、炎症誘発性であると見なされる。
一定の実施形態では、提供した化合物は、例えば、0.8mg/20μLの用量で投与した場合に紅斑アッセイにおいて少なくとも約25、30、35、40、50、60、70、80、90、または95%の阻害率を示す場合、炎症のインヒビターであると見なされる。一定の実施形態では、提供した化合物は、例えば、0.2mg/20μLの用量で投与した場合に紅斑アッセイにおいて少なくとも約5、10、15、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、または95%の阻害率を示す場合、炎症のインヒビターであると見なされる。一定の実施形態では、提供した化合物は、紅斑アッセイにおいてAFCを使用して認められたED50の少なくとも約1/0.5、1、1/1.5、1/2、1/2.5、1/3、1/3.5、1/4、1/4.5のED50が得られる場合に炎症のインヒビターであると見なされる。一定の実施形態では、提供した化合物は、例えば、0.8mg/20μlの用量で投与した場合に紅斑アッセイにおいて少なくとも約(−)10、(−)20、(−)30、(−)40、(−)50、(−)55、(−)60、(−)65、(−)70、(−)75、(−)80、(−)85、(−)90、または(−)95%の阻害率を示す場合、炎症誘発性であると見なされる。
一定の実施形態では、提供した化合物は、例えば、0.8mg/20μLの用量で投与した場合にMPO活性アッセイにおいて少なくとも約60、70、80、90、または95%の阻害率を示す場合、炎症のインヒビターであると見なされる。一定の実施形態では、提供した化合物は、例えば、0.2mg/20μLの用量で投与した場合にMPO活性アッセイにおいて少なくとも約5、10、15、20、25、30、35、40、50、60、70、または80%の阻害率を示す場合、炎症のインヒビターであると見なされる。一定の実施形態では、提供した化合物は、MPO活性アッセイにおいてAFCを使用して認められたED50の少なくとも約1/0.5、1/1、1/1.5、1/2、1/2.5、1/3、1/3.5、1/4、1/4.5、1/5、1/5.5、1/6、または1/6.5のED50が得られる場合に炎症のインヒビターであると見なされる。一定の実施形態では、提供した化合物は、例えば、0.8mg/20μlの用量で投与した場合にMPO活性アッセイにおいて少なくとも約(−)10、(−)20、(−)30、(−)40、(−)50、(−)55、(−)60、(−)65、(−)70、(−)75、(−)80、(−)85、(−)90、または(−)95%の阻害率を示す場合、炎症誘発性であると見なされる。
炎症性サイトカイン
提供した化合物が炎症反応を調整する能力を、例えば、炎症モデル(例えば、実施例80に記載のTPA誘導性マウス耳炎症モデル;実施例81に記載のヒト微小血管内皮細胞株(「HMEC−1」)におけるLPS−TLR4誘導性サイトカイン放出炎症モデル;実施例82に記載のヒト微小血管内皮細胞株(「HMEC−1」)におけるATPγS−プリン受容体誘導性サイトカイン放出炎症モデル;実施例83に記載の正常ヒト表皮角化細胞株(「NHEK」)におけるTPA誘導性サイトカイン放出炎症モデル;実施例84に記載のヒト臍帯静脈内皮細胞株(「HUVEC」)におけるTNFα誘導性サイトカイン放出炎症モデル;または実施例85に記載のオボアルブミン誘導性鱗状尾アトピー性皮膚炎マウスモデル)を使用して決定することができる炎症性サイトカイン(例えば、TNF−α、IL−1β、IL−8/KC、またはIL−6)レベルを測定するアッセイを使用して評価することができる。
(i)TPA誘導性マウス耳炎症モデル
一定の実施形態では、提供した化合物は、例えば、0.25%の投薬量で投与した場合にTPA誘導性マウス耳炎症モデルにおいて少なくとも約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、または95%のサイトカイン放出の阻害率を示す場合、炎症のインヒビターと見なされる。一定の実施形態では、提供した化合物は、例えば、0.25%の投薬量で投与した場合にTPA誘導性マウス耳炎症モデルにおいて少なくとも約0.01、0.05、0.10、0.15、0.20、0.25、0.30、0.35、または0.40μgサイトカイン/マウス耳のED50が得られる場合、炎症のインヒビターと見なされる。一定の実施形態では、提供した化合物は、例えば、0.50%の投薬量で投与した場合にTPA誘導性マウス耳炎症モデルにおいて少なくとも約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、または95%のサイトカイン放出の阻害率を示す場合、炎症のインヒビターと見なされる。一定の実施形態では、提供した化合物は、例えば、0.50%の投薬量で投与した場合にTPA誘導性マウス耳炎症モデルにおいて少なくとも約0.01、0.05、0.10、0.15、0.20、0.25、0.30、0.35、または0.40μgサイトカイン/マウス耳のED50が得られる場合、炎症のインヒビターと見なされる。一定の実施形態では、提供した化合物は、例えば、1.00%の投薬量で投与した場合にTPA誘導性マウス耳炎症モデルにおいて少なくとも約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、または95%のサイトカイン放出の阻害率を示す場合、炎症のインヒビターと見なされる。一定の実施形態では、提供した化合物は、例えば、1.00%の投薬量で投与した場合にTPA誘導性マウス耳炎症モデルにおいて少なくとも約0.01、0.05、0.10、0.15、0.20、0.25、0.30、0.35、または0.40μgサイトカイン/マウス耳のED50が得られる場合、炎症のインヒビターと見なされる。
(ii)LPS−TLR4誘導性サイトカイン放出炎症モデル
一定の実施形態では、提供した化合物は、例えば、0.25%の投薬量で投与した場合にLPS−TLR4誘導性サイトカイン放出モデルにおいてHMEC−1細胞を使用して決定したところ、少なくとも約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、または95%のサイトカイン放出の阻害率を示す場合、炎症のインヒビターと見なされる。一定の実施形態では、提供した化合物は、例えば、0.25%の投薬量で投与した場合にLPS−TLR4誘導性サイトカイン放出モデルにおいてHMEC−1細胞を使用して決定したところ、少なくとも約0.01、0.05、0.10、0.15、0.20、0.25、0.30、0.35、または0.40μgサイトカイン/マウス耳のED50が得られる場合、炎症のインヒビターと見なされる。一定の実施形態では、提供した化合物は、例えば、0.50%の投薬量で投与した場合にLPS−TLR4誘導性サイトカイン放出モデルにおいてHMEC−1細胞を使用して決定したところ、少なくとも約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、または95%のサイトカイン放出の阻害率を示す場合、炎症のインヒビターと見なされる。一定の実施形態では、提供した化合物は、例えば、0.50%の投薬量で投与した場合にLPS−TLR4誘導性サイトカイン放出モデルにおいてHMEC−1細胞を使用して決定したところ、少なくとも約0.01、0.05、0.10、0.15、0.20、0.25、0.30、0.35、または0.40μgサイトカイン/マウス耳のED50が得られる場合、炎症のインヒビターと見なされる。一定の実施形態では、提供した化合物は、例えば、1.00%の投薬量で投与した場合にLPS−TLR4誘導性サイトカイン放出モデルにおいてHMEC−1細胞を使用して決定したところ、少なくとも約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、または95%のサイトカイン放出の阻害率を示す場合、炎症のインヒビターと見なされる。一定の実施形態では、提供した化合物は、例えば、1.00%の投薬量で投与した場合にLPS−TLR4誘導性サイトカイン放出モデルにおいてHMEC−1細胞を使用して決定したところ、少なくとも約0.01、0.05、0.10、0.15、0.20、0.25、0.30、0.35、または0.40μgサイトカイン/マウス耳のED50が得られる場合、炎症のインヒビターと見なされる。
(iii)ATPγS−プリン受容体誘導性サイトカイン放出炎症モデル
一定の実施形態では、提供した化合物は、例えば、0.25%の投薬量で投与した場合にATPγS−プリン受容体誘導性サイトカイン放出モデルにおいてHMEC−1細胞を使用して決定したところ、少なくとも約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、または95%のサイトカイン放出の阻害率を示す場合、炎症のインヒビターと見なされる。一定の実施形態では、提供した化合物は、例えば、0.25%の投薬量で投与した場合にATPγS−プリン受容体誘導性サイトカイン放出モデルにおいてHMEC−1細胞を使用して決定したところ、少なくとも約0.01、0.05、0.10、0.15、0.20、0.25、0.30、0.35、または0.40μgサイトカイン/マウス耳のED50が得られる場合、炎症のインヒビターと見なされる。一定の実施形態では、提供した化合物は、例えば、0.50%の投薬量で投与した場合にATPγS−プリン受容体誘導性サイトカイン放出モデルにおいてHMEC−1細胞を使用して決定したところ、少なくとも約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、または95%のサイトカイン放出の阻害率を示す場合、炎症のインヒビターと見なされる。一定の実施形態では、提供した化合物は、例えば、0.50%の投薬量で投与した場合にATPγS−プリン受容体誘導性サイトカイン放出モデルにおいてHMEC−1細胞を使用して決定したところ、少なくとも約0.01、0.05、0.10、0.15、0.20、0.25、0.30、0.35、または0.40μgサイトカイン/マウス耳のED50が得られる場合、炎症のインヒビターと見なされる。一定の実施形態では、提供した化合物は、例えば、1.00%の投薬量で投与した場合にATPγS−プリン受容体誘導性サイトカイン放出モデルにおいてHMEC−1細胞を使用して決定したところ、少なくとも約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、または95%のサイトカイン放出の阻害率を示す場合、炎症のインヒビターと見なされる。一定の実施形態では、提供した化合物は、例えば、1.00%の投薬量で投与した場合にATPγS−プリン受容体誘導性サイトカイン放出モデルにおいてHMEC−1細胞を使用して決定したところ、少なくとも約0.01、0.05、0.10、0.15、0.20、0.25、0.30、0.35、または0.40μgサイトカイン/マウス耳のED50が得られる場合、炎症のインヒビターと見なされる。
(iv)TPA誘導性サイトカイン放出炎症モデル
一定の実施形態では、提供した化合物は、例えば、0.25%の投薬量で投与した場合にTPA誘導性サイトカイン放出モデルにおいてNHEK細胞を使用して決定したところ、少なくとも約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、または95%のサイトカイン放出の阻害率を示す場合、炎症のインヒビターと見なされる。一定の実施形態では、提供した化合物は、例えば、0.25%の投薬量で投与した場合にTPA誘導性サイトカイン放出モデルにおいてNHEK細胞を使用して決定したところ、少なくとも約0.01、0.05、0.10、0.15、0.20、0.25、0.30、0.35、または0.40μgサイトカイン/マウス耳のED50が得られる場合、炎症のインヒビターと見なされる。一定の実施形態では、提供した化合物は、例えば、0.50%の投薬量で投与した場合にTPA誘導性サイトカイン放出モデルにおいてNHEK細胞を使用して決定したところ、少なくとも約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、または95%のサイトカイン放出の阻害率を示す場合、炎症のインヒビターと見なされる。一定の実施形態では、提供した化合物は、例えば、0.50%の投薬量で投与した場合にTPA誘導性サイトカイン放出モデルにおいてNHEK細胞を使用して決定したところ、少なくとも約0.01、0.05、0.10、0.15、0.20、0.25、0.30、0.35、または0.40μgサイトカイン/マウス耳のED50が得られる場合、炎症のインヒビターと見なされる。一定の実施形態では、提供した化合物は、例えば、1.00%の投薬量で投与した場合にTPA誘導性サイトカイン放出モデルにおいてNHEK細胞を使用して決定したところ、少なくとも約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、または95%のサイトカイン放出の阻害率を示す場合、炎症のインヒビターと見なされる。一定の実施形態では、提供した化合物は、例えば、1.00%の投薬量で投与した場合にTPA誘導性サイトカイン放出モデルにおいてNHEK細胞を使用して決定したところ、少なくとも約0.01、0.05、0.10、0.15、0.20、0.25、0.30、0.35、または0.40μgサイトカイン/マウス耳のED50が得られる場合、炎症のインヒビターと見なされる。
(v)TNFα誘導性サイトカイン放出炎症モデル
一定の実施形態では、提供した化合物は、例えば、0.25%の投薬量で投与した場合にTNFα誘導性サイトカイン放出モデルにおいてHUVEC細胞を使用して決定したところ、少なくとも約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、または95%のサイトカイン放出の阻害率を示す場合、炎症のインヒビターと見なされる。一定の実施形態では、提供した化合物は、例えば、0.25%の投薬量で投与した場合にTNFα誘導性サイトカイン放出モデルにおいてHUVEC細胞を使用して決定したところ、少なくとも約0.01、0.05、0.10、0.15、0.20、0.25、0.30、0.35、または0.40μgサイトカイン/マウス耳のED50が得られる場合、炎症のインヒビターと見なされる。一定の実施形態では、提供した化合物は、例えば、0.50%の投薬量で投与した場合にTNFα誘導性サイトカイン放出モデルにおいてHUVEC細胞を使用して決定したところ、少なくとも約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、または95%のサイトカイン放出の阻害率を示す場合、炎症のインヒビターと見なされる。一定の実施形態では、提供した化合物は、例えば、0.50%の投薬量で投与した場合にTNFα誘導性サイトカイン放出モデルにおいてHUVEC細胞を使用して決定したところ、少なくとも約0.01、0.05、0.10、0.15、0.20、0.25、0.30、0.35、または0.40μgサイトカイン/マウス耳のED50が得られる場合、炎症のインヒビターと見なされる。一定の実施形態では、提供した化合物は、例えば、1.00%の投薬量で投与した場合にTNFα誘導性サイトカイン放出モデルにおいてHUVEC細胞を使用して決定したところ、少なくとも約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、または95%のサイトカイン放出の阻害率を示す場合、炎症のインヒビターと見なされる。一定の実施形態では、提供した化合物は、例えば、1.00%の投薬量で投与した場合にTNFα誘導性サイトカイン放出モデルにおいてHUVEC細胞を使用して決定したところ、少なくとも約0.01、0.05、0.10、0.15、0.20、0.25、0.30、0.35、または0.40μgサイトカイン/マウス耳のED50が得られる場合、炎症のインヒビターと見なされる。
(vi)オボアルブミン誘導性鱗状尾アトピー性皮膚炎(Dermatis)マウスモデル
一定の実施形態では、提供した化合物は、例えば、0.25%の投薬量で投与した場合にオボアルブミン誘導性アトピー性皮膚炎マウスモデルにおいて少なくとも約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、または95%のサイトカイン放出の阻害率を示す場合、炎症のインヒビターと見なされる。一定の実施形態では、提供した化合物は、例えば、0.25%の投薬量で投与した場合にオボアルブミン誘導性アトピー性皮膚炎マウスモデルにおいて少なくとも約0.01、0.05、0.10、0.15、0.20、0.25、0.30、0.35、または0.40μgサイトカイン/マウス耳のED50が得られる場合、炎症のインヒビターと見なされる。一定の実施形態では、提供した化合物は、例えば、0.50%の投薬量で投与した場合にオボアルブミン誘導性アトピー性皮膚炎マウスモデルにおいて少なくとも約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、または95%のサイトカイン放出の阻害率を示す場合、炎症のインヒビターと見なされる。一定の実施形態では、提供した化合物は、例えば、0.50%の投薬量で投与した場合にオボアルブミン誘導性アトピー性皮膚炎マウスモデルにおいて少なくとも約0.01、0.05、0.10、0.15、0.20、0.25、0.30、0.35、または0.40μgサイトカイン/マウス耳のED50が得られる場合、炎症のインヒビターと見なされる。一定の実施形態では、提供した化合物は、例えば、1.00%の投薬量で投与した場合にオボアルブミン誘導性アトピー性皮膚炎マウスモデルにおいて少なくとも約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、または95%のサイトカイン放出の阻害率を示す場合、炎症のインヒビターと見なされる。一定の実施形態では、提供した化合物は、例えば、1.00%の投薬量で投与した場合にオボアルブミン誘導性アトピー性皮膚炎マウスモデルにおいて少なくとも約0.01、0.05、0.10、0.15、0.20、0.25、0.30、0.35、または0.40μgサイトカイン/マウス耳のED50が得られる場合、炎症のインヒビターと見なされる。
Stat3c−乾癬マウスモデル
例えば、提供した化合物が炎症反応を調整する能力を、例えば、実施例86に記載のようにマウスモデル(例えば、Stat3c−乾癬マウスモデル)を使用して決定することができるCD3+T−ヘルパー細胞レベルを測定するアッセイを使用して評価することができる。一定の実施形態では、提供した化合物は、例えば、少なくとも0.3%の濃度で投与した場合に少なくとも約20、25、30、35、40、50、60、70、75、80、85、90、95、または100%のT−ヘルパー細胞数の減少率を示す場合、CD3+T−ヘルパー細胞の浸潤および蓄積のインヒビターと見なされる。
メチルエステル化反応の阻害
例えば、提供した化合物がICMTによってメチルエステル化反応を阻害する能力を、例えば、メチル化アセチルファルネシルシステイン(例えば、実施例87に記載のICMT基質)の還元を測定するアッセイを使用して評価することができる。一定の実施形態では、提供した化合物は、例えば、25μMの濃度で投与した場合に少なくとも約30、35、40、50、60、70、75、80、85、90、95、または100%のICMT基質としてのメチル化アセチル−ファルネシル−システインの減少率を示す場合、ICMTのインヒビターと見なされる。
酸化バーストの阻害
例えば、提供した化合物が好中球由来の酸化バーストを阻害する能力を、例えば、実施例88に記載のように、例えば、スーパーオキシド形成の減少を測定するアッセイを使用して評価することができる。一定の実施形態では、提供した化合物は、例えば、25μMの濃度で投与した場合に少なくとも約30、35、40、50、60、70、75、80、85、90、95、または100%のスーパーオキシド形成の減少率を示す場合、好中球由来の酸化バーストのインヒビターと見なされる。
2.合成方法
本発明は、本明細書中に提供した化合物の調製方法を提供する。当業者に認識されるように、本明細書中に記載の合成方法を、本発明の範囲を逸脱することなく修正することができる。例えば、異なる出発物質および/または異なる試薬を、本発明の合成方法で使用することができる。
本発明は、末端カルボン酸を有するN置換ファルネシルシステインアナログの調製プロセスを提供する。一定の実施形態では、本発明の化合物を、以下のスキームに示すように調製する。
開始するために、適切な化合物1を適切な求電子化合物2と反応させる。一定の実施形態では、適切な化合物1はS−トランスのトランス−ファルネシル−L−システインである。一定の実施形態では、求電子化合物2は無水物である。例示的な無水物には、無水コハク酸、マレイン酸無水物、3−メチレンジヒドロ−2,4−フランジオン、グルタル酸無水物、N−フタロイル−グルタミン酸無水物が含まれる。一定の実施形態では、求電子化合物2はイソシアナートである。一定の実施形態では、イソシアナートはエチル−3−イソシアナト−プロピオナートである。一定の実施形態では、求電子化合物2は、酸の活性化エステルである。例示的な酸の活性化エステルには、マレアミド酸、モノ−エチルフマラート、およびBOC−グルタミンが含まれる。一定の実施形態では、求電子化合物2は酸塩化物である。例示的な酸塩化物には、アジポイルクロリド、マレイルクロリド、およびセバコイルクロリドなどが含まれる。一定の実施形態では、求電子化合物2はスルホニルクロリドである。例示的なスルホニルクロリドには、シクロプロパンスルホニルクロリド、エチル3−(クロロスルホニル)プロパノアート、およびエチル 2−(クロロスルホニル)ベンゾアートなどが含まれる。一定の実施形態では、求電子化合物2は活性化酸である。例示的な活性化酸には、活性化因子で処理した酸が含まれる。当業者は、例示的な活性化因子(本明細書中に定義のリストが含まれるが、これらに限定されない)から適切な活性化因子を同定することができるであろう。典型的には、式Iの化合物を形成するのに適切な塩基の存在下で反応を行う。一定の実施形態では、塩基はK2CO3である。典型的には、適切な溶媒中で反応を行う。一定の実施形態では、適切な溶媒は、極性非プロトン性溶媒の混合物である。一定の実施形態では、単独または混合物の一部として使用する場合を問わず、極性非プロトン性溶媒には、DMF、DCM、NMP、およびTHFが含まれる。
上記スキームおよび/または工程では、種々の式のR1基、R2基、およびR3基は、本明細書中に記載の通りである。
いくつかの実施形態では、本発明は、例示的な本発明の化合物(例えば、化合物N−24、化合物N−38、および化合物N−34)の調製プロセスを提供する。いくつかの実施形態では、一定の本発明の化合物を、以下のスキームにしたがって調製する。
開始するために、適切な化合物3を適切な求電子化合物4と反応させて化合物5を得る。一定の実施形態では、適切な化合物3はS−トランスのトランス−ファルネシル−L−システインメチルエステルである。化合物5のヒドラジンとの反応により、化合物6が得られる。一定の実施形態では、適切な溶媒には、極性非プロトン性溶媒の混合物が含まれる。一定の実施形態では、単独または混合物の一部として使用する場合を問わず、極性非プロトン性溶媒には、DMF、DCM、NMP、およびTHFが含まれるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、本発明は、例示的な本発明の化合物(例えば、化合物N−67、化合物N−68、N−69、および化合物N−70)の調製プロセスを提供する。いくつかの実施形態では、一定の本発明の化合物を、以下のスキームにしたがって調製する。
市販の2−クロロトリチルクロリド樹脂を、Fmoc−Cys(SStBu)−OHにカップリングする。ジチオトレイトールを使用した7からのジチオ−tert−ブチル保護基の還元的除去の後、アルキルハライドを使用して遊離チオールに所望のR3側鎖をカップリングして、中間体8を得る。Fmoc保護基を、典型的には、20%ピペリジン/DMFを使用して除去し、その後の適切なFmoc保護された酸の得られた遊離アミンとのカップリングを活性化因子を使用して行う。当業者は、適切な活性化因子(本明細書中に定義のリストが含まれるが、これらに限定されない)を同定することができるであろう。Fmoc保護基を20%ピペリジン/DMFを使用して除去する。選択したN保護試薬の得られた遊離アミンとのカップリングを、典型的には、適切な塩基の存在下で行って、式9の化合物を形成する。一定の実施形態では、塩基はK2CO3である。ポリマー結合プレニルシステインアナログ10を、典型的には、至適化した切断条件(例えば、1%TFA CH2Cl2溶液中で3×1分間撹拌)を使用して、樹脂から放出させる。
いくつかの実施形態では、本発明は、例示的な本発明の化合物(例えば、化合物N−54、化合物N−32、N−78、および化合物N−77)の調製プロセスを提供する。いくつかの実施形態では、一定の本発明の化合物を、以下のスキームにしたがって調製する。
開始するために、適切な化合物3を、適切なFmoc保護アミノ酸と反応させてカップリング生成物11を得る。一定の実施形態では、適切な化合物3はS−トランスのトランス−ファルネシル−L−システインメチルエステルである。一定の実施形態では、適切なアミノ酸はα−アミノ酸(n=0)である。一定の実施形態では、適切なアミノ酸はβ−アミノ酸(n=1)である。一定の実施形態では、適切なアミノ酸はγ−アミノ酸(n=2)である。一定の実施形態では、適切なアミノ酸はδ−アミノ酸(n=3)である。化合物11の脱保護後に、適切な求電子物質と反応させて化合物12を得る。一定の実施形態では、求電子化合物は無水物である。一定の実施形態では、求電子化合物はイソシアナートである。一定の実施形態では、イソシアナートはエチルイソシアナートである。一定の実施形態では、求電子化合物は、無水物、酸塩化物、または活性化酸である。例示的な無水物には無水酢酸が含まれる。
3.組成物および処方物
本発明は、本明細書中に記載のイソプレニル化合物を含む組成物を提供する。いくつかの実施形態では、提供した組成物はさらなる成分を含む。いくつかの実施形態では、全てのかかるさらなる成分は薬学的に許容可能であり、提供した組成物は薬学的組成物である。いくつかの実施形態では、全てのかかるさらなる成分は美容的に許容可能であり、提供した組成物は化粧用組成物である。いくつかの実施形態では、全てのかかるさらなる成分は薬用化粧品的に許容可能であり、提供した組成物は薬用化粧品組成物である。
いくつかの実施形態では、本発明の薬学的組成物、化粧用組成物、または薬用化粧品組成物は、イソプレニル化合物、薬学的に許容可能な不活性成分(例えば、キャリア)、および任意選択的にさらなる有効成分を含む。一定の実施形態では、イソプレニル化合物は式I、I’、および/またはIaの化合物である。一定の実施形態では、イソプレニル化合物は式I、I’、および/またはIaの化合物である。一定の実施形態では、イソプレニル化合物は式I、I’、および/またはIaの化合物である。
一般に、1つまたは複数の本発明の化合物を、少なくとも1つの提供した本発明の化合物を必要に応じて1つまたは複数の薬学的に許容可能なキャリア(賦形剤(希釈剤および接合剤など)、および添加物(安定剤、防腐剤、溶解補助剤、および緩衝液など)が含まれる)と共に含む薬学的組成物に処方することができる。処方賦形剤には、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、ヒドロキシセルロース、アカシア、ポリエチレングリコール、マンニトン、塩化ナトリウム、およびクエン酸ナトリウムが含まれ得る。いくつかの実施形態では、本発明の組成物は薬学的に許容可能なキャリアを含む。いくつかの実施形態では、本発明の組成物は美容的に許容可能なキャリアを含む。いくつかの実施形態では、本発明の組成物は薬用化粧品的に許容可能なキャリアを含む。
薬学的キャリアは、典型的には、処置される被験体への投与に適切となるのに十分に高純度であり、且つ十分に低毒性である。薬学的キャリアは、さらに、活性薬剤(例えば、本発明のイソプレニル化合物)の安定性および生物学的利用能を維持する。薬学的キャリアは液体または固体であってよく、このキャリアを、所与の組成物の活性薬剤および他の成分と組み合わせた場合に所望の嵩、一貫性などが得られるように計画した投与様式を考慮して選択する。
本発明の一定の組成物中のキャリアは液体を含むことができ、特に、緩衝液、等張液、水溶液を含むことができる。
キャリア(薬学的に許容可能なキャリアが含まれる)には、下記の賦形剤(希釈剤および接合剤(例えば、結合剤)など)、および/または添加物(安定剤、防腐剤、溶解補助剤など)および/または緩衝液であり得るか、これらが含まれ得る。薬学的キャリアには、結合剤(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、またはアルファ化メイズデンプンなど);充填剤(例えば、リン酸水素カルシウム、硫酸カルシウム、エチルセルロース、ゼラチン、ラクトース、および他の糖、微結晶性セルロース、ペクチン、ポリアクリラートなど);錠剤分解物質(例えば、グリコーラート,デンプンナトリウム、デンプンなど);潤滑剤(例えば、コロイド状二酸化ケイ素、トウモロコシデンプン、硬化植物油、ポリエチレングリコール、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸金属塩、シリカ、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、ステアリン酸、タルクなど);または湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウムなど)が含まれるが、これらに限定されない。さらなる薬学的に許容可能なキャリアには、例えば、黄色ワセリン(ワセリン(商標))および石油が含まれる。
本発明の組成物のためのさらなる適切なキャリアには、アルコール、アミロース、動物油、抗刺激剤、キレート剤、着色剤、消臭剤、乳化剤、香料、ゼラチン、整髪剤、ヒドロキシメチルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、保湿剤(例えば、湿潤剤)、微結晶、鉱物油、天然高分子(例えば、コラーゲン、アラビアゴム、ポリオール、およびキサンタンなど)、有機オゾケライトワックスおよび無機ワックス、パラフィン、浸透促進剤、pH調整剤、防腐剤、噴射剤、塩溶液、ケイ酸、界面活性剤、タルク、溶解補助剤、増粘薬、粘性パラフィン、および水、ならびにその混合物が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、本発明のイソプレニル化合物は、許容可能なキャリアおよび/または賦形剤として作用する。一定の実施形態では、AFCは、許容可能なキャリアおよび/または賦形剤として作用する。いくつかの実施形態では、CTFA International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook,8th edition,edited by Wenninger and Canterbery,(The Cosmetic,Toiletry,and Fragrance Association,Inc.,Washington,D.C.,2000)(本明細書中で参考として援用される)に記載のように、化粧用組成物中のキャリアとして使用することが望ましいかもしれない。上記のキャリアも含まれる。
いくつかの実施形態では、組成物の薬学的に許容可能なキャリアには、徐放キャリアまたは遅延放出キャリアが含まれる。かかるキャリアは、イソプレニル化合物の投薬頻度が減少し、そして/または投薬量が減少し、取り扱いが容易であり、且つ処置、防止、または促進される疾患、障害、容態、および症候群などに対して長期間または遅延した効果が得られるより有効な投与を行うためにイソプレニル化合物を徐放または遅延放出することができる任意の材料であり得る。かかるキャリアの非限定的な例には、天然高分子および合成高分子のリポソーム、マイクロスポンジ、ミクロスフィア、またはマイクロカプセルなどが含まれる。皮膚層内の本組成物の化合物の局在化送達を増強することができるリポソームを、種々のリン脂質(コレステロール、ステアリルアミン、またはホスファチジルコリンなど)から形成することができる。
注射用または他の液体投与用の処方物について、少なくとも1つまたはそれを超える緩衝作用構成成分を含む水を一般に使用し、安定剤、防腐剤、および溶解補助剤も使用することができる。いくつかの実施形態では、提供した薬学的組成物は、等張液であるか、等張液を含む。
固体投与処方物について、種々の増粘剤、充填剤、増量剤、およびキャリア添加物のいずれか(デンプン、糖、および脂肪酸など)を使用することができる。本発明の局所用組成物を、皮膚または粘膜に局所的に適用することができ、この処方物は、任意の形態(ローション、オイル、クリーム、軟膏、ゲル、ローション、シャンプー、ミルク、清浄剤、保湿剤、スプレー、および皮膚パッチなどが含まれる)であり得る。
ほとんどの薬学的処方物について、非有効成分は、調製物のより大きな部分(重量または体積換算で)を構成するであろう。薬学的処方物について、長期間にわたって提供した化合物が効果的に送達されるように投薬量を処方することができるように種々の定量放出処方物、遅延放出処方物、または持続放出処方物および添加物のいずれかを使用することができることも意図される。例えば、特に皮下注射および筋肉内注射による投与のための持続放出処方物または遅延放出処方物を得るためにゼラチン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、および/または他のセルロース賦形剤を含めることができる。
実用的には、本発明の化合物を、従来の薬学的配合技術にしたがって薬学的キャリアとの混合物中の有効成分として組み合わせることができる。本発明の薬学的組成物を、種々の経路(例えば、経口、非経口(静脈内が含まれる)、尿道、膣、鼻腔内、局所(例えば、皮膚、経皮)、肺、肺深部、吸入、口内、舌下経路などが含まれる)のいずれかによる送達のために処方することができる。
皮膚投与(局所(すなわち、局部)など)のためのイソプレニル化合物を含む組成物の調製において、かかる組成物は、薬学的キャリア(例えば、滅菌および非滅菌の水溶液、アルコールなどの共通溶媒の非水溶液、またはイソプレニル化合物溶液を含む液体または固体オイル基剤)を含むことができる。かかる薬学的キャリア溶液はまた、緩衝液、希釈剤、および他の適切な添加物を含むことができる。
非経口投与(例えば、筋肉内投与または皮下投与)のためのイソプレニル化合物を含む組成物の調製では、かかる組成物は、薬学的キャリア(例えば、滅菌および非滅菌の水溶液、アルコールなどの共通溶媒の非水溶液、またはイソプレニル化合物溶液を含む液体または固体オイル基剤)を含むことができる。かかる薬学的キャリア溶液はまた、緩衝液、希釈剤、および他の適切な添加物を含むことができる。
経口使用に適切な代表的組成物には、例えば、含嗽剤、リンス、口腔噴霧剤、懸濁液、および歯科用ゲルなどが含まれる。当該分野で公知の典型的な経口キャリアを、本発明で使用することができる。好ましい薬学的および/または美容的キャリアは、水、エタノール、および水−エタノール混合物である。水−エタノール混合物を、一般に、それぞれ、約1:1〜約20:1、好ましくは約3:1〜約20:1、最も好ましくは約3:1〜約10:1の重量比で使用する。経口ビヒクルのpH値は、一般に、約4〜約7、好ましくは約5〜約6.5である。約pH4未満の経口局所ビヒクルは、一般に、口腔に刺激があり、約pH7を超える経口ビヒクルは、一般に、口当たりがよくない。
経口局所用の本発明の組成物はまた、その製品で通常使用されている従来の添加物を含むことができる。本明細書中で望ましい従来の添加物には、着色剤、乳化剤、フッ素供給化合物、湿潤剤、甘味剤、およびpH調整剤が含まれる。但し、かかる添加物は本発明の組成物の治療的、美容的、または薬用化粧品的に有利な性質を妨害しないものとする。本発明の組成物中で使用することができるさらなる成分には、本明細書中に記載のフッ素供給化合物、さらなる有効成分、新規の賦形剤、保護剤、および緩和薬が含まれる。
フッ素供給化合物は完全またはわずかに水溶性であり得、水中にフッ化物イオンまたはフッ化物含有イオンを放出する能力および組成物中の他の成分と反応しないことによって特徴づけられる。典型的なフッ素供給化合物には、アルカリ金属フッ化物、無機フッ化物塩(水溶性アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、重金属塩(例えば、モノ−およびジ−フルオロリン酸アンモニウム、フッ化アンモニウム、フルオロケイ酸アンモニウム、フッ化バリウム、フッ化銅、フッ化ナトリウム、ピロリン酸カルシウム、フッ化カリウム、フッ化ナトリウム、フルオロケイ酸ナトリウム、フルオロジルコン酸ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化第二スズ、フッ化第一スズ、およびフッ化亜鉛、モノフルオロホスファート(フッ化ナトリウムおよびフッ化第一スズ、モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化スズなど)、およびその組み合わせ)など)が含まれる。
本明細書中に提供した経口、局所用の本発明の組成物中のフッ素供給化合物の存在量は、使用したフッ素供給化合物の型、フッ素化合物の溶解性、最終的な経口用の本発明の組成物の性質に依存する。フッ素供給化合物の使用量は、無毒量でなければならない。一般に、フッ素供給化合物は、使用する場合、本明細書中に提供した経口局所用の本発明の組成物の約1重量%まで、約0.001重量%〜約0.1重量%、および約0.001重量%〜約0.05重量%の量で存在するであろう。
当該分野で周知の典型的な甘味剤(甘味料)には、天然甘味料および人工甘味料の両方である甘味剤が含まれ、これらを使用することができる。使用される甘味剤を、広範な材料(水溶性甘味剤、水溶性人工甘味剤、天然に存在する水溶性甘味剤由来の水溶性甘味剤、ジペプチドベースの甘味剤、およびタンパク質ベースの甘味剤(その混合物が含まれる)が含まれる)から選択することができる。
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、本明細書中に提供した本発明の組成物のイソプレニル化合物によって提供される効果に加えて、別の薬学的、美容的、または薬用化粧品的な効果を有する組成物を得ることを目的とする1つまたは複数のさらなる(本明細書中で定義の「適合性」)有効成分をさらに含むことができる。
本発明のさらなる有効成分には、1つまたは複数の任意に組み合わせた保護薬、軟化剤、収斂薬、刺激剤、角質溶解薬、日焼け止め、日焼け促進剤、抗生物質製剤、抗真菌薬、抗ウイルス薬、抗原虫剤、麻酔剤、ステロイド性抗炎症薬、非ステロイド性抗炎症薬、止痒薬、抗酸化剤、化学療法薬、抗ヒスタミン剤、ビタミン、ホルモン、フケ防止剤、抗皺剤、抗皮膚萎縮剤、硬化薬、清浄剤、腐食剤、および低色素沈着剤が含まれるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、本明細書中に提供した組成物の少なくとも1つのイソプレニル化合物は有効成分である。
したがって、1つまたは複数のさらなる有効成分をさらに含む本発明の組成物を、上皮関連容態のための処置としてのその使用に加えて、さらなる有効成分の適用が有利な任意の医学的、美容的、および/または薬用化粧品的容態の処置でさらに有効に使用することができる。
本明細書中に記載の保護剤は、散布粉剤、吸収剤、機械的保護薬、および硬膏の形態を取ることができる。散布粉剤は、上皮表面、潰瘍、および創傷を被覆および保護するために使用される比較的不活性な不溶性材料である。通常、これらの物質は、水分を吸収して乾燥剤として作用することができる微粉である。皮膚水分の吸収によって摩擦が減少し、また、一定の細菌の成長を阻止する。保護吸収剤として使用されるいくつかの材料には、ベントナイト、不溶性のビスマス塩、ホウ酸、炭酸カルシウム、(沈殿物)、セルロース、トウモロコシデンプン、ステアリン酸マグネシウム、タルク、二酸化チタン、酸化亜鉛、およびステアリン酸亜鉛が含まれる。
いくつかの実施形態では、保護剤を皮膚に投与して、材料および処方物ならびに適用される様式に応じて柔軟または半硬性であり得る粘着性の連続薄膜を形成することもできる。この材料は、いくつかの目的(外部環境からの遮断、化学的支持体を得ること、および他の薬物のためのビヒクルとして役立つことが含まれる)に役立ち得る。
いくつかの実施形態では、本発明の組成物中に含まれる保護剤は緩和薬である。緩和薬を、しばしば、領域を容易に被覆する粘性調製物の表面に適用し、薬物を添加することができる。多数の化学物質は緩和性を有する。
実用的には、本明細書中に提供した化合物を、従来の薬学的配合技術にしたがって薬学的キャリアとの混合物中の有効成分として組み合わせることができる。キャリアは、投与(例えば、経口、非経口(静脈内が含まれる)、尿道、膣、鼻腔内、皮膚、経皮、肺、肺深部、吸入、口内、または舌下など)に望ましい調製物の形態に応じて広範な種々の形態を取ることができる。
経口投薬形態のための組成物の調製では、任意の通常の薬学的媒質(例えば、水、グリコール、オイル、アルコール、香味物質、防腐剤、および着色剤など)を使用することができ、経口液体調製物の場合、例えば、懸濁液、エリキシル、および溶液など;またはキャリア(デンプン、糖、微結晶性セルロース、希釈剤、造粒剤、潤滑剤、接合剤、および崩壊剤など)を使用することができ、経口固体調製物の場合、例えば、粉末、硬質および軟質のカプセルおよび錠剤などを使用することができる。錠剤、丸薬、およびカプセルなどはまた、結合剤(トラガカントゴム、アカシア、トウモロコシデンプン、またはゼラチンなど);賦形剤(第二リン酸カルシウムなど);崩壊剤(トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、またはアルギン酸など);潤滑剤(ステアリン酸マグネシウムなど);および/または甘味剤(スクロース、ラクトース、またはサッカリンなど)を含むことができる。カプセルは、上記材料型に加えて、脂肪油などの液体キャリアを含むことができる。
いくつかの実施形態では、イソプレニル化合物、キャリア、および任意選択的にさらなる有効成分を、本明細書中にさらに記載されるように、溶液、乳濁液、またはゲル懸濁液の形態の組成物に処方する。
いくつかの実施形態では、イソプレニル化合物、薬学的キャリアまたは美容的キャリアおよび任意選択的に1つまたは複数のさらなる有効成分は、溶液の形態である。溶液を、溶質または溶解される物質(本発明のイソプレニル化合物および任意選択的に1つまたは複数の有効成分など)を溶媒キャリア(水または有機溶媒(アルコール(例えば、エタノールまたはイソプロパノール、アセトンなど)など))全体に均一に混合することによって調製することができる。
いくつかの実施形態では、溶液は、任意の生理学的に許容可能なpH(一般に、約pH4〜約pH7)であり得る生理食塩水、酢酸緩衝液、リン酸緩衝液、クエン酸緩衝液、酢酸緩衝液、または他の緩衝剤を用いて提供された化合物を適切に緩衝化することができる水溶液である。緩衝剤の組み合わせ(リン酸緩衝化生理食塩水、生理食塩水、および酢酸緩衝液など)も使用することができる。生理食塩水の場合、0.9%生理食塩水を使用することができる。酢酸緩衝液、リン酸緩衝液、クエン酸緩衝液、および酢酸緩衝液などの場合、50mM溶液を使用することができる。緩衝剤に加えて、適切な防腐剤を使用して、細菌および他の微生物の成長を防止または制限することができる。使用することができる1つのかかる防腐剤は0.05%塩化ベンザルコニウムである。
いくつかの実施形態では、イソプレニル化合物、キャリア、および他の任意選択的な成分を含む本発明の組成物を、乳濁液の形態で提供する。乳濁液は、2つの不混和性の液体キャリア(一方の相が他方の相全体に均一に分配され、且つ最大のコロイド粒子以上の直径を有する球体からなる)の組み合わせによって調製される二相系である。球体のサイズは極めて重要であり、系が最大の安定性を達成するようなサイズでなければならない。第3の物質(乳化剤)を組込まない限り、通常、二相の分離は起こらないであろう。したがって、本発明の文脈における塩基性乳濁液は、典型的には、2つ以上の成分(例えば、2つの不混和性液体キャリア、乳化剤、およびイソプレニル化合物)を含む。いくつかの実施形態では、プレニル化合物は、乳化剤であり得る。典型的には、乳濁液は、水相を非水相に組込む(またはその逆)。しかし、大部分が非水性の乳濁液(例えば、非水性不混和系グリセリンおよびオリーブ油の陰イオン性および陽イオン性界面活性剤)を調製することが可能である。例示的な乳化剤を本明細書中に記載する。
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、AFCを含む乳濁液を含む。いくつかの実施形態では、非液体ベースのビヒクルは、AFCの親油性のためにAFCを含む乳濁液で有用である。
いくつかの実施形態では、イソプレニル化合物を含む本発明の組成物を、ゲル懸濁液(ペースト、粉末、軟膏、クリーム、ローション、またはヒドロゲルなどを形成するための(半固体キャリア)または固体キャリア)の形態で提供する。ゲル−懸濁液として調製することができる例示的な軟膏には、上皮への外用を意図する半固体調製物が含まれる。一般に、軟膏基剤は、炭化水素基剤(油性)(基剤として白色ワセリンを使用することができる);吸着基剤(無水)(親水性石油または無水ラノリンを使用することができる);乳濁液基剤(水−油型);乳濁液基剤(油−水型);および水溶性基剤(しばしば、軟膏基剤としてポリエチレングリコールを使用する)に分類される。
本発明のさらなるイソプレニル組成物を、Remington’s Pharmaceutical Sciences,18th or 19th editions,published by the Mack Publishing Company of Easton,Pa.に記載の当該分野で公知のテクノロジーを使用して容易に調製することができる。
提供した本発明の化合物は乾燥した粒子の形態であることも可能であり、且つ意図される。一定の実施形態では、粒子は、粒子が肺表面に留まり、且つ吐き出されないのに十分な質量を有するが、肺に到達する前に気道表面上に沈着しないのに十分に小さいような約0.5μmと6.0μmとの間である。種々の異なる技術のいずれかを使用して、乾燥粉末微粒子を作製することができる(マイクロミリング、噴霧乾燥、および急速凍結エアゾールおよびその後の凍結乾燥が含まれるが、これらに限定されない)。微粒子を使用して、提供した化合物を肺深部に沈着させ、それにより、迅速且つ効率よく血流に吸収させることができる。さらに、かかるアプローチを使用する場合、時折、経皮、鼻腔内、または口腔粘膜送達経路のように、浸透促進剤が必要ない場合がある。種々の吸入器のいずれかを使用することができる(噴射剤ベースのエアゾール、ネブライザー、単一用量ドライパウダー吸入器、および複数回用量ドライパウダー吸入器が含まれる)。現在使用されている一般的デバイスには、喘息および慢性閉塞性肺疾患などの処置のための薬物を送達させるために使用される定量吸入器が含まれる。好ましいデバイスには、常に約6.0μm未満の粒径を有する細粉のクラウドまたはエアゾールが形成されるようにデザインされたドライパウダー吸入器が含まれる。
微粒子の粒径(平均粒径分布が含まれる)を、作製方法を用いて調節することができる。マイクロミリングのために、ミルヘッドのサイズ、ローターの速度、および処理時間などにより、微粒子の粒径を調節する。噴霧乾燥のために、ノズルサイズ、流速、および乾燥機の熱などにより、微粒子の粒径を調節する。急速凍結エアゾールおよびその後の凍結乾燥を用いた作製のために、ノズルサイズ、流速、およびエアゾール化される溶液の濃度などにより、微粒子の粒径を調節する。これらのパラメーターおよび他のパラメーターを使用して、微粒子の粒径を調節することができる。
いくつかの実施形態では、提供した本発明の化合物を、持続放出注射用処方物の注射、典型的には深部筋肉内注射(臀筋または三角筋など)を用いて治療的に投与することができる。いくつかの実施形態では、提供した本発明の化合物を、PEG(ポリ(エチレングリコール)3350など)、および任意選択的に1つまたは複数のさらなる賦形剤および防腐剤(賦形剤(塩、ポリソルベート80、およびpH調整のための水酸化ナトリウムまたは塩酸など)が含まれるが、これらに限定されない)を使用して処方する。いくつかの実施形態では、提供した本発明の化合物を、ポリ(オルトエステル)(ポリマー骨格中に任意の種々の比率で乳酸を有する自己触媒ポリ(オルトエステル)であり得る)および任意選択的に1つまたは複数のさらなる賦形剤を使用して処方する。1つの実施形態では、ポリ(D,L−ラクチド−コ−グリコリド)ポリマー(PLGAポリマー)、好ましくは親水性末端基を有するPLGAポリマー(Boehringer Ingelheim,Inc.(Ingelheim,Germany)のPLGA RG502Hなど)を使用する。
かかる処方物を、例えば、適切な溶媒(メタノールなど)中での提供した本発明の化合物のPLGAの塩化メチレン溶液との組み合わせおよびリアクター中での適切な混合条件下でのポリビニルアルコールの連続相溶液への添加によって作製することができる。一般に、多数の注射可能な生分解性ポリマー(好ましくは粘着性ポリマーでもある)のいずれかを、持続放出注射用処方物で使用することができる。米国特許第4,938,763号、同第6,432,438号、および同第6,673,767号の教示、ならびにこれらに開示された生分解性ポリマーおよび処方方法は、本明細書中で参考として援用される。処方物は、提供した化合物の濃度および量、ポリマーの生分解率、ならびに当業者に公知の他の要因に応じて、毎週、毎月、または他の周期での注射が必要とされるような処方物であり得る。
いくつかの実施形態では、本発明の組成物を、提供した化合物が賦形剤添加物との混合物であり、そして/または水性懸濁液の製造に適切な水性懸濁液として処方する。かかる添加物および/または賦形剤は、懸濁剤(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴム、およびアカシアゴム);分散剤または湿潤剤(天然に存在するホスファチド(レシチンなど)、アルキレンオキシドと脂肪酸との縮合生成物(例えば、ポリオキシエチレンステアラート)、エチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物(例えば、ヘプタデカエチルエネオキシセタノール)、エチレンオキシドと脂肪酸およびヘキシトール由来の部分エステルとの縮合生成物(ポリオキシエチレンソルビトールモノオレアートなど)、エチレンオキシドと脂肪酸およびヘキシトール無水物由来の部分エステルとの縮合生成物(例えば、ポリエチレンソルビタンモノオレアート)であり得る)である。水性懸濁液はまた、1つまたは複数の着色剤、1つまたは複数の香味物質、および1つまたは複数の甘味剤(スクロースまたはサッカリンなど)を含むことができる。
いくつかの実施形態では、本発明の組成物を、植物油(例えば、ラッカセイ油、オリーブ油、ゴマ油、ココナッツ油、または鉱物油(流動パラフィンなど))中での提供した化合物の懸濁によって油性懸濁液として処方する。油性懸濁液は、増粘剤(例えば、蜜蝋、固形パラフィン、またはセチルアルコール)を含むことができる。甘味剤(上記の甘味剤など)および香味物質を添加して、美味な経口組成物を得ることができる。かかる組成物を、抗酸化剤(例えば、アスコルビン酸)の添加によって保存することができる。
いくつかの実施形態では、分散性の粉末および/または顆粒として処方した本発明の組成物は、水の添加による水性懸濁液の組成物に適切である。かかる粉末および顆粒の提供した化合物を、分散剤または湿潤剤、懸濁剤、および1つまたは複数の防腐剤との混合物で提供する。適切な分散剤または湿潤剤および懸濁剤は、本明細書中に既に記載のものによって例示している。さらなる賦形剤(例えば、甘味料、香味物質、および着色剤)も存在し得る。
本発明の組成物はまた、水中油型乳濁液の形態であり得る。油相は、植物油(例えば、オリーブ油またはラッカセイ油)、または鉱物油(例えば、流動パラフィン)、またはその混合物であり得る。適切な乳化剤は、天然に存在するゴム(例えば、アカシアゴムまたはトラガカントゴム)、天然に存在するホスファチド(例えば、ダイズレシチン)、脂肪酸およびヘキシトール無水物由来のエステルまたは部分エステル(例えば、ソルビタンモノオレアート)、および部分エステルとエチレンオキシドとの縮合生成物(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート)であり得る。乳濁液はまた、甘味料および香味物質を含むことができる。
本発明の組成物を、シロップおよびエリキシルとして処方することもできる。シロップおよびエリキシルを、甘味剤(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール、またはスクロース)を使用して処方することができる。かかる処方物はまた、緩和薬、防腐剤、ならびに香味物質および着色剤を含むことができる。緩和薬は、特に粘膜または擦過組織の刺激を緩和するために主に使用される保護薬である。多数の化学物質は緩和性を有する。これらの物質には、アルギン酸塩、粘漿剤、ガム、デキストリン、デンプン、一定の糖、および高分子多価グリコールが含まれる。他には、アカシア、寒天、ベンゾイン、カルボマー、ゼラチン、グリセリン、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、プロピレングリコール、アルギン酸ナトリウム、トラガカント、およびヒドロゲルなどが含まれる。
4.投与および投薬形態
提供した本発明の組成物を、当該分野で公知の任意の手段によって処方し(錠剤、カプセル、カプレット、懸濁液、粉末、凍結乾燥調製物、座剤、眼球用点滴剤、皮膚パッチ、経口可溶性処方物、スプレー、およびエアゾールなどとしての処方物が含まれるが、これらに限定されない)、緩衝液、結合剤、賦形剤、安定剤、抗酸化剤、および当該分野で公知の他の薬剤と混合し、処方することができる。一般に、本発明の提供した化合物を細胞の表皮層を横切って導入する任意の投与経路を使用することができる。したがって、投与手段には、粘膜を介した投与、口内投与、経口投与、皮膚投与、吸入投与、肺投与、鼻腔投与、尿道投与、および膣投与などが含まれ得る。
一般に、治療有効量または薬学的有効量の本発明の複合体を含む組成物を、単位投薬形態での投与のために処方することができる。
経口投与
その投与の容易さのために、錠剤およびカプセルは、有利な経口単位投薬形態である。必要に応じて、提供した本発明の化合物を含む組成物を、標準的な水性または非水性技術によってコーティングすることができる。かかる治療的に有用な組成物中の活性化合物(すなわち、本発明のイソプレニル化合物)の量は、有効投薬量が得られるような量である。別の有利な投薬単位形態では、舌下薬学的組成物(シート、ウェハース、または錠剤など)を使用することができる。活性化合物を、例えば、液滴またはスプレーによって鼻腔内に投与することもできる。
錠剤、丸薬、およびカプセルなどはまた、本明細書中に記載の接合剤を含むことができる。いくつかの実施形態では、錠剤、丸薬、およびカプセルに特に有用であり得る接合剤には、トラガカントゴム、アカシア、トウモロコシデンプン、またはゼラチン;賦形剤(第二リン酸カルシウムなど);崩壊剤(トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、またはアルギン酸など);潤滑剤(ステアリン酸マグネシウムなど);および甘味剤(スクロース、ラクトース、またはサッカリンなど)が含まれる。投薬単位形態がカプセルである場合、上記型の材料に加えて、液体キャリア(脂肪油など)を含むことができる。
本発明の組成物は、経口用途に適切なさらなる形態(例えば、トローチ、ロゼンジ、丸薬、水性または油性懸濁液、溶液、分散性の粉末または顆粒、乳濁液、硬質または軟質カプセル、シロップまたはエリキシル、ペースト、またはゲルなど)であり得る。
錠剤は、錠剤の製造に適切な非毒性の薬学的に許容可能な添加物および/または賦形剤との混合物中に有効成分を含むことができる。これらの添加物または賦形剤は、例えば、充填剤、湿潤剤、不活性希釈剤(炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウム、またはリン酸ナトリウムなど);造粒剤および非発泡性崩壊剤(例えば、トウモロコシデンプンまたはアルギン酸);結合剤(例えば、デンプン、ゼラチン、またはアカシア);および潤滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、またはタルク)であり得る。
錠剤を、伝統的な方法(提供した化合物を含む粉末または顆粒の圧縮または成形などによる)によって調製することができる。圧縮錠を、適切な機械における接合剤、潤滑剤、不活性希釈剤、および/または界面活性剤/分散剤と任意選択的に混合した流動性形態(粉末または顆粒など)の提供した化合物の圧縮によって調製することができる。湿製錠剤を、適切な機械における不活性液体接合剤で湿らせた粉末状の提供した化合物の成形によって作製することができる。
錠剤をコーティングしなくても良いか、胃腸管内での崩壊および吸収を遅延させ、それにより、より長い期間にわたって徐放作用が得られるように公知の技術によってコーティングすることができる。例えば、時間遅延材料(モノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルなど)を使用することができる。錠剤を、制御放出のためにコーティングすることもできる。例えば、「遅延放出」投薬形態は、生成物または物質を投与直後以外の時間で放出させる。遅延放出系の例には、反復作用錠剤およびカプセルならびにバリアコーティングによって持続放出される腸溶コーティング錠剤が含まれる。
本発明の組成物を、提供した化合物を不活性固体希釈剤(例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、またはカオリン)と混合する硬質ゼラチンカプセルまたは有効成分を水または油の媒質(例えば、ピーナッツ油、流動パラフィン、またはオリーブ油)と混合する軟質ゼラチンカプセルとして経口使用のために処方することもできる。
いくつかの実施形態では、経口投与用の液体調製物も使用することができる。液体調製物は、溶液、シロップ、もしくは懸濁液、または使用前に水または別の適切なビヒクルで再構成するための乾燥生成物の形態であり得る。かかる液体調製物を、薬学的に許容可能な添加物(懸濁剤、乳化剤、非水性ビヒクル、および防腐剤など)を使用した従来の手段によって調製することができる。
液体ベースの経口投薬形態は、その固体対応物と同様に、通常、少なくとも0.1mgの提供した化合物を含む。当業者は、選択した添加物またはキャリアに応じて、流動物1オンスあたり適量の提供した化合物を含む液体処方物を適切に処方することができるであろう。
経口使用を意図する組成物を任意の公知の方法にしたがって調製することができ、かかる組成物は、薬学的に的確且つ味の良い組成物を得るための甘味剤、香味物質、着色剤、および防腐剤からなる群から選択される1つまたは複数の賦形剤を含むことができる。一般に、経口投与用処方物を、活性化合物(すなわち、提供した本発明の化合物またはその混合物)を液体または微粉化固体の賦形剤またはその両方と均一且つ十分に混合し、次いで、必要に応じて、得られた混合物を成形することによって調製する。
非経口投与
提供した本発明の化合物を、非経口投与することもできる。これらの活性ペプチドの溶液または懸濁液を、界面活性剤(ヒドロキシ−プロピルセルロースなど)と適切に混合した水中で調製することができる。分散物(グリセロール、液体ポリエチレングリコール、およびその混合物を含むオイルの分散物など)も調製することができる。これらの調製物は、任意選択的に、微生物の成長を防止するための防腐剤を含むことができる。投与直前に生理食塩水などで再構成し、それにより、防腐剤が必要ない凍結乾燥した単一の単位処方物も使用することができる。
注射に適切な薬学的形態には、例えば、滅菌水溶液または分散物および滅菌注射溶液または分散物の即時調製のための滅菌粉末(凍結乾燥処方物など)が含まれる。全ての場合において、この形態は無菌でなければならず、シリンジによって投与できる範囲の流動物でなければならない。この形態は、製造および保存条件下で無菌でなければならず、微生物(細菌および真菌など)の夾雑作用に対して保存することができる。キャリアは、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、または液体ポリエチレングリコール)、その適切な混合物、および植物油を含む溶媒または分散媒であり得る。
非経口投与される組成物を、ボーラスまたは連続注入のいずれかとしての注射が可能なように処方する。非経口適用のために(「非経口」は皮下注射、静脈内注射、筋肉内注射、胸骨内注射、または注入技術を意味する)、特に適切なビヒクルは、溶液(好ましくは、油性または水性溶液)、ならびに懸濁液、乳濁液、または埋没物からなる。注射用処方物を、単位投薬形態(アンプルなど)または複数回用量単位(防腐剤を添加)で調製することができる。注射用組成物は、油性または水性の添加物のいずれかを含む懸濁液、溶液、または乳濁液の形態であり得る。これらは、処方剤(懸濁剤、安定剤、および/または分散剤など)も含むことができる。イソプレニル化合物はまた、使用前に適切なビヒクルで再構成するための粉末形態で存在することができる。
本発明の組成物はまた、滅菌した注射用の水性または油性の懸濁液の形態であり得る。注射用組成物(滅菌した注射用の水性または油性の懸濁液など)を、適切な分散剤または湿潤剤および懸濁剤を使用して、公知の技術にしたがって処方することができる。滅菌注射用組成物はまた、非毒性の非経口で許容可能な希釈剤または溶媒(例えば、1,3ブタンジオール溶液として)を含む滅菌注射用溶液または懸濁液であり得る。そのうちで、使用することができる許容可能なビヒクルおよび溶媒は、水、リンゲル液、および等張塩化ナトリウム溶液である。いくつかの実施形態では、非経口投与に適切な本発明の処方物は活性化合物(すなわち、イソプレニル化合物)の滅菌水性調製物を含むことが都合が良く、この調製物は意図するレシピエントの血液と等張であることが好ましい。かかる調製物を、活性化合物を水またはグリシン緩衝液と混合し、得られた溶液を無菌且つ血液と等張にすることによって都合良く調製することができる。
さらに、無菌固定油を、溶媒または懸濁媒質として慣習的に使用することができる。水性懸濁液は、懸濁液の粘度を増大させる物質を含むことができ、この物質には、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、および/またはデキストランが含まれる。任意選択的に、懸濁液はまた、安定剤を含むことができる。あるいは、本発明の化合物を非経口脂質溶液に添加することができる。
口内投与
口内投与に適切な処方物には、風味付けした基剤(スクロース、アカシア、またはトラガカントなど)中にイソプレニル化合物を含む錠剤およびロゼンジならびに不活性基剤(ゼラチンおよびグリセリンまたはスクロースおよびアカシアなど)中にイソプレニル化合物を含む香剤が含まれる。
局所投与
皮膚への局所適用に適切な本発明の処方物は、軟膏、クリーム、ローション、ペースト、ゲル、スプレー、エアゾール、またはオイルの形態を取る。使用することができる添加物には、ワセリン、ラノリン、ポリエチレングリコール、アルコール、経皮増強剤、およびその2つ以上の組み合わせが含まれる。
いくつかの実施形態では、局所適用に適切な処方物により、経皮送達が果たされる。経皮薬学的デバイスには、パッチ、密封包帯、密封処方物、皮下噴霧、イオン導入システム、ゲル、および注入ポンプが含まれ、これら全てが当該分野で周知である。医薬品を含む経皮パッチは、一般に、医薬品を透過しないバッキング層、医薬品を格納するためのリザーバ、およびパッチの使用の際に、患者の皮膚への接着のために除去されるべき接着性カバーを含むことができる。
経皮投与に適切な処方物を、長期間にわたってレシピエントの表皮に密着したままにするように適合させた薬物添加した包帯または不連続のパッチとして提供することもできる。適切な経皮パッチの代表例には、例えば、NeuroDerm Ltd(Israel)によって開発され、そして/またはエストラジオールを送達させるために使用される経皮パッチ(例えば、Novogyne Pharmaceuticalsによって開発された経皮パッチ)が含まれる。経皮投与に適切な処方物を、皮膚を介したイオン導入法(皮膚に帯電イオンを「注入する」ための小電流(約15mA)の通電)によって送達させることもできる。これのために、投薬形態は、典型的には、活性化合物(すなわち、イソプレニル化合物)の適切に任意選択的に緩衝化された水溶液の形態を取る。
経皮投与に適切な処方物を、皮膚に挿入する針に接続した注入ポンプの使用によって送達させることもできる(例えば、インスリンを送達させるために使用されるMedtronicによって開発された処方物)。本明細書中に記載の経皮デバイスで使用した化合物の量は、多数の要因(デバイスのサイズおよびその放出特性、薬学的活性薬剤の量、およびデバイスの推定作用持続時間が含まれる)に応じて変化し得る。概して、化合物の量は、典型的には、約0.1%〜約10% w/vの範囲である。
吸入による投与
吸入による投与のために、本発明で用いる組成物を、加圧パッケージ中のエアゾールスプレーの形態または適切な噴射剤を使用したネブライザーとして送達させることができる。加圧エアゾールの場合、投薬単位を、本発明にしたがって一定用量を送達させるための弁を取りつけることによって決定することができる。
5.投薬量:治療有効量
患者への化合物の実際の投与量は、適応症の重症度および型、投与様式、特定の使用化合物、使用処方物、および所望の応答に応じて変化するであろう。
処置のための投薬量は、前述の手段のいずれかまたは当該分野で公知の任意の他の手段による所望の治療効果を得るのに十分な投与量である。したがって、治療有効量は、所望の効果(抗炎症効果が含まれるが、これに限定されない)を誘導するのに十分な化合物または薬学的組成物の量であり得る。当業者は、治療有効量を単回用量または複数回用量を用いて投与することができ、本明細書中に提供した組成物が治療有効量の単位用量を含むことができると認識するであろう。
一般に、提供した化合物は高活性である。例えば、選択した特定の化合物、所望の治療応答、投与経路、処方物、および当業者に公知の他の要因に応じて、化合物を約10μg/kg〜約100mg/kg体重で投与することができる。
5.投薬量:治療有効量
患者への化合物の実際の投与量は、適応症の重症度および型、投与様式、特定の使用化合物、使用処方物、および所望の応答に応じて変化するであろう。
処置のための投薬量は、前述の手段のいずれかまたは当該分野で公知の任意の他の手段による所望の治療効果を得るのに十分な投与量である。したがって、治療有効量は、所望の効果(抗炎症効果が含まれるが、これに限定されない)を誘導するのに十分な化合物または薬学的組成物の量であり得る。当業者は、治療有効量を単回用量または複数回用量を用いて投与することができ、本明細書中に提供した組成物が治療有効量の単位用量を含むことができると認識するであろう。
一般に、提供した化合物は高活性である。例えば、化合物を、所望の治療効果を得るために、約0.001mg/kg〜約100mg/kg、約0.01mg/kg〜約50mg/kg、約0.1mg/kg〜約40mg/kg、約0.5mg/kg〜約30mg/kg、約0.01mg/kg〜約10mg/kg、約0.1mg/kg〜約10mg/kg、または約1mg/kg〜約25mg/kgの治療薬/被験体体重/日で投与することができる。所望の投薬量を、たった1回で被験体に送達させることができる。所望の投薬量を、1日3回超、1日3回、1日2回、1日1回、1日おきに1回、3日に1回、1週間に1回、2週間に1回、3週間に1回、4週間に1回、2ヶ月に1回、6ヶ月に1回、12ヶ月に1回、2年に1回、3年に1回、4年に1回、5年に1回、10年に1回、または20年に1回送達させることができる。一定の実施形態では、所望の投薬量を、複数回の投与(例えば、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回、11回、12回、13回、14回、15回、またはそれを超える投与)を使用して送達させることができる。当業者は、一定の要因(選択した特定の化合物、所望の治療応答、投与経路、処方物、疾患または障害の重症度、以前の処置、被験体の一般的な健康状態および/または年齢、他の疾患の存在、および/または当業者に公知の他の要因が含まれるが、これらに限定されない)が被験体を有効に処置するために必要な投薬量およびタイミングに影響を及ぼし得ることを認識するであろう。
6.使用
一定の実施形態では、本発明は、他の薬学的に活性な薬剤に添加するか、組み合わせることができる新規のイソプレニル化合物、少なくとも1つのイソプレニル化合物または他のその薬学的に活性な薬剤との組み合わせを含む組成物、および/またはその調製方法、または、例えば、炎症に関連する一定の容態、疾患、もしくは障害の改善、処置、もしくは防止または炎症反応の抑制での使用方法を提供する。
特定の実施形態では、本発明は、炎症を阻害し、それにより、炎症に関連する疾患、容態、または障害の処置で有用な本明細書中に記載の抗炎症性化合物および組成物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、炎症を促進し、それにより、炎症反応の抑制に関連する疾患、容態、または障害の処置で有用な本明細書中に記載の炎症誘発性化合物および組成物を提供する。
一定の実施形態では、本発明は、炎症を調整する新規の化合物および組成物を提供する。1つの理論に拘束されることを望まないが、本明細書中に記載の化合物および組成物は炎症性メディエーター(例えば、サイトカイン)のレベルを調整すると考えられる。提供した化合物および組成物によって調整される炎症性メディエーターの非限定的な例には、IL−1α、IL−1β、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−11、IL−12/IL−23 p40、IL13、IL−17、IL−18、TGF−β、IFN−γ、GM−CSF、Groα、MCP−1、およびTNF−αが含まれるが、これらに限定されない。1つの理論に拘束されることを望まないが、本明細書中に記載の化合物および組成物は種々のシグナル伝達経路に関連する炎症性メディエーターのレベルを調整すると考えられる。炎症性メディエーター(サイトカインなど)を放出させるシグナル伝達経路の非限定的な例には、Gタンパク質媒介性、PPAR媒介性、Toll様受容体媒介性、およびTNF−α受容体媒介性の経路が含まれるが、これらに限定されない。1つの理論に拘束されることを望まないが、提供した化合物および組成物はT−ヘルパー細胞の浸潤および蓄積を調整すると考えられる。1つの理論に拘束されることを望まないが、提供した化合物および組成物は好中球由来の酸化バーストを阻害し、それにより、抗酸化剤であると考えられる。
一定の実施形態では、本発明は、Gタンパク質シグナル伝達カスケードを調整するタンパク質インヒビターが役割を果たすことが公知である1つまたは複数の疾患の重症度の処置または低減に関連する新規の化合物および組成物を提供する。1つの理論に拘束されることを望まないが、本明細書中に記載の化合物および組成物は特異的な膜結合型S−アデノシルメチオニン依存性イソプレニル−S−イソプレニルメチルトランスフェラーゼ(「ICMT」)によってメチルエステル化反応を阻害して、Gタンパク質シグナル伝達経路における多数の重要な因子をカルボキシ末端ポリイソプレノイドシステイン修飾すると考えられる。一定の実施形態では、提供した化合物および組成物は、ポリイソプレニル化シグナル伝達タンパク質(Gタンパク質およびこれと相互作用するタンパク質調節標的など)または他の細胞内シグナル伝達タンパク質の間の相互作用を変化させる。
一定の実施形態では、かかる化合物をin vitroで投与する。一定の実施形態では、かかる化合物をin vivoで投与する。
本発明の別の態様は、有効量の提供した化合物の投与による炎症を処置、防止、または緩和する方法に関する。
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の本発明の化合物を、単独または1つまたは複数の他の薬学的に活性な薬剤と共に使用して、皮膚を漂白する。いくつかのかかる実施形態では、イソプレニル化合物を局所適用する。
一般に、患者への本発明の提供した化合物の実際の投与量は、適応症の重症度および型、投与様式、特定の使用化合物、使用処方物、および所望の応答に応じて変化するであろう。
処置のための投薬量は、前述の手段のいずれかまたは当該分野で公知の任意の他の手段による所望の治療効果を得るのに十分な投与量である。したがって、有効量には、処置、防止、または促進される疾患、障害、容態、および症候群などに応じて所望の効果(特に、抗炎症効果または炎症誘発効果が含まれる)を誘導するのに十分な本発明の提供した化合物(または提供した化合物の混合物)または薬学的組成物の量が含まれる。
一般に、提供した本発明の化合物は高活性である。例えば、選択した特定の提供した化合物、所望の治療応答、投与経路、処方物、および当業者に公知の他の要因に応じて、提供した化合物を約10μg/kg〜約50mg/kg体重で投与することができる。
方法
(A)抗炎症性
具体的には、本発明は、本発明の組成物を必要とする患者に投与する工程を含む、炎症(急性または慢性)、炎症性疾患または障害(例えば、喘息、自己免疫疾患、およびCOPD(気腫、慢性気管支炎、および末梢気道疾患が含まれる)など)、免疫系の炎症反応、皮膚疾患(例えば、しゅさ、アトピー性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、乾癬に罹患する患者の急性皮膚刺激の軽減)、過敏性腸症候群(例えば、クローン病(Chron’s disease)および潰瘍性大腸炎など)、神経変性障害(パーキンソン病、アルツハイマー病、ハンチントン病、拳闘家認知症、ピック病、グアムパーキンソニズム痴呆コンプレックス、前頭側頭型痴呆、大脳皮質基底核変性、淡蒼球橋屈曲黒質変性、進行性核上麻痺、レヴィ小体型認知症(DLB)、および多系統萎縮症(MSA))、ならびに神経再生を促進するための脊髄損傷に関連する炎症およびin vivo遺伝子療法中の免疫系(immune sustem)による遺伝子操作された細胞の拒絶の阻害から選択される炎症性疾患または障害の処置またはその重症度の低減方法に関する。
いくつかの実施形態では、提供した本発明の化合物は、炎症反応を有効に阻害することができる。したがって、提供した化合物は、浮腫、紅斑、およびミエロペルオキシダーゼのインヒビターであり、したがって、本明細書中に記載の炎症性疾患または障害に関連する1つまたは複数の障害の処置に有用である。特に、本発明は、一定の化合物が同一クラスの他の化合物よりも優れたin vivo活性を有するという所見を含む。例えば、AFCと比較して、化合物Aは、浮腫阻害、紅斑阻害、およびMPO(ミエロペルオキシダーゼ)阻害が改善されている。したがって、かかる化合物を、1つまたは複数の炎症性疾患または障害に罹患しているか、罹患しやすい被験体に投与する。
いくつかの実施形態では、提供した抗炎症性の本発明の化合物は、炎症性メディエーター(炎症性サイトカイン(例えば、TNF、IL−1α、IL−1β、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−11、IL−12/IL−23、p40、IL13、IL−17、IL−18、TGF−β、IFN−γ、GM−CSF、Groα、MCP−1、およびTNF−α)など)のレベルまたは産生の減少によって炎症反応を有効に阻害することができる。したがって、提供した抗炎症性化合物は、炎症誘発性サイトカインのインヒビターであり、したがって、本明細書中に記載の炎症性疾患、容態、または障害に関連する1つまたは複数の障害の処置で有用である。特に、本発明は、動物および細胞ベースの炎症モデルにおいて炎症誘発性サイトカインのレベルまたは産生の阻害率によって測定したところ、一定の化合物が同一クラスの他の化合物よりも優れた活性を有するという所見を含む。したがって、かかる化合物を、1つまたは複数の炎症性疾患、容態、または疾患に罹患しているか、罹患しやすい被験体に投与する。
いくつかの実施形態では、コルチコステロイドまたはNSAIDSの副作用を生じることなく、化合物を使用して炎症性疾患または障害の処置を行う。
いくつかの実施形態では、提供した本発明の化合物は、好中球由来の酸化バースト応答を有効に阻害することができる。したがって、提供した化合物は酸化バースト応答のインヒビターであり、したがって、化学的因子または環境因子(例えば、皮膚のUV損傷)に原因する酸化的損傷に関連する症状の処置または改善で有用である。特に、本発明は、スーパーオキシド形成の減少率によって測定したところ、一定の化合物が同一クラスの他の化合物よりも優れた活性を有するという所見を含む。したがって、かかる化合物を、酸化的損傷に関連する容態に罹患した被験体に投与する。いくつかの実施形態では、かかる日焼け止めと本明細書中に提供したイソプレニル化合物との組み合わせは抗酸化効果(例えば、スーパーオキシド形成の阻害)を示す。
(B)免疫刺激性
いくつかの実施形態では、一定の本発明の化合物は炎症反応を促進することができ、したがって、炎症誘発性である。したがって、提供した炎症誘発性化合物は浮腫、紅斑、およびミエロペルオキシダーゼ(好中球浸潤のマーカー)の促進因子であり、したがって、本明細書中に記載の炎症反応の抑制に関連する1つまたは複数の障害の処置に有用である。したがって、かかる化合物を、炎症反応の抑制に関連する1つまたは複数の疾患、容態、または障害に罹患しているか、罹患しやすい被験体に投与する。
いくつかの実施形態では、本発明は、例えば、後天性免疫不全症候群(AIDS)の被験体が罹患する細菌またはウイルスの二次感染の処置から選択される炎症反応の抑制、重症火傷および心臓手術後の全身性炎症反応症候群の抑制、および多数の薬物(例えば、サリドマイド)の副作用にも関連する疾患、容態、または障害を処置するか重症度を低減する方法に関する。
(C)皮膚容態
いくつかの実施形態では、有効量の少なくとも1つのイソプレニル化合物、キャリア、および任意選択的にさらなる有効成分を含む組成物を必要とする被験体(ヒトが含まれる)の表面上に局所適用する工程を含む、皮膚容態を処置または防止する方法を本明細書中に提供する。別の態様では、少なくとも0.1mgの式Iの化合物を必要とする被験体(ヒトが含まれる)の表面上に局所適用する工程を含む、皮膚容態を処置または防止する方法を本明細書中に提供する。さらなる実施形態では、有効量の少なくとも1つのイソプレニル化合物、キャリア、および任意選択的にさらなる有効成分を含む組成物を必要とする被験体(ヒトが含まれる)の表面上に局所的に適用する工程を含む、それを必要とする被験体(ヒトが含まれる)の健康な皮膚を促進する方法を本明細書中に提供する。さらなる態様では、少なくとも0.1mgの式I’の化合物を必要とする被験体(ヒトが含まれる)の表面上に局所的に適用する工程を含む、それを必要とする被験体(ヒトが含まれる)の健康な皮膚を促進する方法を本明細書中に提供する。
さらなる実施形態では、本発明は、有効量の少なくとも1つのイソプレニル化合物、キャリア、および任意選択的にさらなる有効成分を含む組成物を投与する工程を含む、それを必要とする被験体(ヒトが含まれる)の炎症を処置または防止する方法を提供する。さらなる態様では、本発明は、少なくとも0.1mgの式I’の化合物を投与する工程を含む、それを必要とする被験体(ヒトが含まれる)の炎症を処置または防止する方法を提供する。
一定の実施形態では、本発明は、炎症反応の抑制に関連する疾患または容態の処置または防止における提供した化合物および/または組成物の使用を提供する。一定の実施形態では、本発明は、少なくとも1つのイソプレニル化合物、キャリア、および任意選択的にさらなる有効成分から構成される、処置を必要とする被験体(ヒトが含まれる)の炎症反応の抑制に関連する容態を処置または防止するための組成物を提供する。さらなる実施形態では、有効量の少なくとも1つのイソプレニル化合物、キャリア、および任意選択的にさらなる有効成分を含む組成物を投与する工程を含む、それを必要とする被験体(ヒトが含まれる)の炎症反応の抑制に関連する疾患または容態を処置または防止する方法を本明細書中に提供する。さらなる態様では、少なくとも0.1mgの式I’の化合物を投与する工程を含む、それを必要とする被験体(ヒトが含まれる)の炎症反応の抑制に関連する疾患または容態を処置または防止する方法を本明細書中に提供する。
本発明にしたがって式I、I’、および/またはIaの化合物を使用して処置することができる例示的な疾患、障害、または容態(例えば、しゅさ、乾癬、アトピー性皮膚炎、および脂漏性皮膚炎)を、以下でそれぞれ説明する。
しゅさ
しゅさは、米国で約1400万人が罹患している慢性の炎症性皮膚障害である(FoxAnalytics,The Dermatology Market Outlook
to 2011,B.I.LTD,Editor:London,UK,p.201;Crandall,M.A.Market Intelligence Report,K.Information,Editor,2008:New York.p359)。発症ピークは51歳と60歳との間であり、その発生数は今後実質的に増加するであろう。この容態は、一連の症状(顔面中央の紅斑、毛細血管拡張症、丘疹、肉芽腫性結節、腫瘤形成、および眼の変化が含まれる)によって特徴づけられる。根拠なく発赤および寛解が起こる。しゅさの公知の治療法は存在しない。しゅさに関連する例示的なサイトカインには、TNFα、ILβ、IL−6、IL−8、MCP−1、およびGroαが含まれ得る。
乾癬
乾癬は、全世界で約1億2500万人ならびに米国および欧州の一般集団のおよそ2〜3%が罹患している慢性炎症性皮膚疾患である。(Crandall,M.A.Market Intelligence Report,K.Information,Editor,2008:New York.P.359;Naldi,L.,Curr.Drug Targets Inflamm.Allergy,2004,3:121−128)。乾癬の病理発生は完全に解明されていないが、近年の進歩により、有望な治療アプローチとして炎症の重要なメディエーターのターゲティングが証明されている(Numerof et al.,BioDrugs,2006,20:93−103;Menter et al.,J.Am.Acad.Dermatol.,2009,60:643−659)。直接的な治療アプローチは、目的の特異的サイトカインを直接中和するための抗体または可溶性受容体(すなわち、生物製剤)の使用を含む。しかし、生物製剤によるサイトカイン由来治療は、製造に費用がかかり、有意な皮膚レベルを得るために高血中レベルに維持する必要があり、中和抗体(治療応答を減少させる)の産生を誘導し得、注射によって投与しなければならない。局所処置はあまり有効でないので、重篤な潜在的副作用を有する全身薬剤の市場が拡大している。コルチコステロイドは現在の局所処置の要であり続けているが、理想とは程遠い。長期間のステロイドの使用は、体内吸収の問題から皮膚萎縮およびその種々の臨床所見に至るまで安全性が懸念される。患者の60%しか処置されていないので、乾癬処置に関する今日の米国市場では十分なサービスが受けられない(Horn et al.,J.Am.Acad.Dermatol.2007,57:957−962)。
乾癬を、簡単に言えば、無秩序な炎症活動が表皮中の表皮Stat3cシグナル伝達経路を刺激し、それにより上皮過形成を生じる自己増強型ループと考えることができる。罹患した角化細胞は、サイトカインを分泌し、これが免疫系(T−ヘルパー細胞(THc)の浸潤および蓄積が含まれる)を刺激する。活性化された免疫細胞由来のサイトカインは、表皮Stat3c経路に正のフィードバックを起こして病態生理学を維持および増幅する。THcの浸潤および蓄積の阻害は、Stat3c発現および乾癬の発症を減少させるであろう。乾癬に関連する例示的なサイトカインには、TNFα、IL1α、ILβ、IL−2、IL−6、IL−8、IL−12、MCP−1、Groα、およびIFNγが含まれ得る。
いくつかの実施形態では、本発明の化合物は、T−ヘルパー細胞の浸潤および蓄積の驚くべき阻害を示す。
炎症性サイトカインおよび乾癬
いくつかの実施形態では、本発明は、少なくとも約0.1mgの式I、I’のイソプレニル化合物および/または記載のクラスおよびそのサブクラスを含む投薬形態を必要とする被験体に投与する工程を含み、サイトカインレベルおよび/または活性(例えば、TNF−αレベルおよび/または活性)が約20%を超えて減少する(例えば、K5.Stat3c乾癬マウスモデルを使用して決定した場合)、炎症性皮膚容態(乾癬など)を処置、緩和、調節、または防止する方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、少なくとも約0.1mgの式I、I’のイソプレニル化合物および/または記載のクラスおよびそのサブクラスを含む投薬形態を必要とする被験体に投与する工程を含み、サイトカインレベルおよび/または活性(例えば、IL−αレベルおよび/または活性)が約20%を超えて減少する(例えば、K5.Stat3c乾癬マウスモデルを使用して決定した場合)、炎症性皮膚容態(乾癬など)を処置、緩和、調節、または防止する方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、少なくとも約0.1mgの式I、I’のイソプレニル化合物および/または記載のクラスおよびそのサブクラスを含む投薬形態を必要とする被験体に投与する工程を含み、サイトカインレベルおよび/または活性(例えば、IL−βレベルおよび/または活性)が約20%を超えて減少する(例えば、K5.Stat3c乾癬マウスモデルを使用して決定した場合)、炎症性皮膚容態(乾癬など)を処置、緩和、調節、または防止する方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、少なくとも約0.1mgの式I、I’のイソプレニル化合物および/または記載のクラスおよびそのサブクラスを含む投薬形態を必要とする被験体に投与する工程を含み、サイトカインレベルおよび/または活性(例えば、IL−2レベルおよび/または活性)が約20%を超えて減少する(例えば、K5.Stat3c乾癬マウスモデルを使用して決定した場合)、炎症性皮膚容態(乾癬など)を処置、緩和、調節、または防止する方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、少なくとも約0.1mgの式I、I’のイソプレニル化合物および/または記載のクラスおよびそのサブクラスを含む投薬形態を必要とする被験体に投与する工程を含み、サイトカインレベルおよび/または活性(例えば、IL−6レベルおよび/または活性)が約20%を超えて減少する(例えば、K5.Stat3c乾癬マウスモデルを使用して決定した場合)、炎症性皮膚容態(乾癬など)を処置、緩和、調節、または防止する方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、少なくとも約0.1mgの式I、I’のイソプレニル化合物および/または記載のクラスおよびそのサブクラスを含む投薬形態を必要とする被験体に投与する工程を含み、サイトカインレベルおよび/または活性(例えば、IL−8レベルおよび/または活性)が約20%を超えて減少する(例えば、K5.Stat3c乾癬マウスモデルを使用して決定した場合)、炎症性皮膚容態(乾癬など)を処置、緩和、調節、または防止する方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、少なくとも約0.1mgの式I、I’のイソプレニル化合物および/または記載のクラスおよびそのサブクラスを含む投薬形態を必要とする被験体に投与する工程を含み、サイトカインレベルおよび/または活性(例えば、IL−12レベルおよび/または活性)が約20%を超えて減少する(例えば、K5.Stat3c乾癬マウスモデルを使用して決定した場合)、炎症性皮膚容態(乾癬など)を処置、緩和、調節、または防止する方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、少なくとも約0.1mgの式I、I’のイソプレニル化合物および/または記載のクラスおよびそのサブクラスを含む投薬形態を必要とする被験体に投与する工程を含み、サイトカインレベルおよび/または活性(例えば、IFC−γレベルおよび/または活性)が約20%を超えて減少する(例えば、K5.Stat3c乾癬マウスモデルを使用して決定した場合)、炎症性皮膚容態(乾癬など)を処置、緩和、調節、または防止する方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、少なくとも約0.1mgの式I、I’のイソプレニル化合物および/または記載のクラスおよびそのサブクラスを含む投薬形態を必要とする被験体に投与する工程を含み、サイトカインレベルおよび/または活性(例えば、MCP−1レベルおよび/または活性)が約20%を超えて減少する(例えば、K5.Stat3c乾癬マウスモデルを使用して決定した場合)、炎症性皮膚容態(乾癬など)を処置、緩和、調節、または防止する方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、少なくとも約0.1mgの式I、I’のイソプレニル化合物および/または記載のクラスおよびそのサブクラスを含む投薬形態を必要とする被験体に投与する工程を含み、サイトカインレベルおよび/または活性(例えば、Gro−αレベルおよび/または活性)が約20%を超えて減少する(例えば、K5.Stat3c乾癬マウスモデルを使用して決定した場合)、炎症性皮膚容態(乾癬など)を処置、緩和、調節、または防止する方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、少なくとも約0.1mgの式I、I’のイソプレニル化合物および/または記載のクラスおよびそのサブクラスを含む投薬形態を必要とする被験体に投与する工程を含み、K5.Stat3c乾癬マウスモデルを使用して決定した場合にCD3+T−ヘルパー細胞レベルの阻害活性を有する(約20%超)、炎症性皮膚容態(乾癬など)を処置、緩和、調節、または防止する方法を提供する。
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎(または湿疹)は、皮膚の慢性的な炎症および刺激によって特徴づけられる。その原因は様々であるが、事実上免疫学的原因に帰する。米国では、有病率は、小児で10%〜20%、成人で1%〜3%である。局所皮膚炎は、アレルギー性皮膚反応を誘発するツタウルシ、表面活性剤、および化粧品などの物質への曝露に原因する。本理論にれば、アトピー性皮膚炎は、吸入または摂取によって曝露されるアレルゲンなどの物質への曝露を増加させる皮膚バリアの欠損に原因すると考えられる。皮膚炎が起こる場合、コルチコステロイドが一次処置である。しかし、アトピー性皮膚炎は、小児に偏って影響を及ぼし、この集団における長期間のステロイド使用は安全性に問題がある。アトピー性皮膚炎に関連する例示的なサイトカインには、TNFα、IL1β、IL−6、IL−8、MCP−1、Groα、IL−4、IL−5、IL−10、IL−13、IL−17、およびIFNγが含まれるが、これらに限定されない。
炎症性サイトカインおよびアトピー性皮膚炎
1つの態様によれば、本発明は、少なくとも約0.1mgの式I、I’のイソプレニル化合物および/または記載のクラスおよびそのサブクラスを含む投薬形態を必要とする被験体に投与する工程を含み、サイトカインレベルおよび/または活性(例えば、TNF−αレベルおよび/または活性)が約20%を超えて減少する(例えば、オボアルブミン攻撃ft/ftアトピー性皮膚炎マウスモデルを使用して決定した場合)、炎症性皮膚容態(アトピー性皮膚炎など)を処置、緩和、調節、または防止する方法を提供する。
1つの態様によれば、本発明は、少なくとも約0.1mgの式I、I’のイソプレニル化合物および/または記載のクラスおよびそのサブクラスを含む投薬形態を必要とする被験体に投与する工程を含み、サイトカインレベルおよび/または活性(例えば、IL−αレベルおよび/または活性)が約20%を超えて減少する(例えば、オボアルブミン攻撃ft/ftアトピー性皮膚炎マウスモデルを使用して決定した場合)、炎症性皮膚容態(アトピー性皮膚炎など)を処置、緩和、調節、または防止する方法を提供する。
1つの態様によれば、本発明は、少なくとも約0.1mgの式I、I’のイソプレニル化合物および/または記載のクラスおよびそのサブクラスを含む投薬形態を必要とする被験体に投与する工程を含み、サイトカインレベルおよび/または活性(例えば、IL−βレベルおよび/または活性)が約20%を超えて減少する(例えば、オボアルブミン攻撃ft/ftアトピー性皮膚炎マウスモデルを使用して決定した場合)、炎症性皮膚容態(アトピー性皮膚炎など)を処置、緩和、調節、または防止する方法を提供する。
1つの態様によれば、本発明は、少なくとも約0.1mgの式I、I’のイソプレニル化合物および/または記載のクラスおよびそのサブクラスを含む投薬形態を必要とする被験体に投与する工程を含み、サイトカインレベルおよび/または活性(例えば、IL−2レベルおよび/または活性)が約20%を超えて減少する(例えば、オボアルブミン攻撃ft/ftアトピー性皮膚炎マウスモデルを使用して決定した場合)、炎症性皮膚容態(アトピー性皮膚炎など)を処置、緩和、調節、または防止する方法を提供する。
1つの態様によれば、本発明は、少なくとも約0.1mgの式I、I’のイソプレニル化合物および/または記載のクラスおよびそのサブクラスを含む投薬形態を必要とする被験体に投与する工程を含み、サイトカインレベルおよび/または活性(例えば、IL−6レベルおよび/または活性)が約20%を超えて減少する(例えば、オボアルブミン攻撃ft/ftアトピー性皮膚炎マウスモデルを使用して決定した場合)、炎症性皮膚容態(アトピー性皮膚炎など)を処置、緩和、調節、または防止する方法を提供する。
1つの態様によれば、本発明は、少なくとも約0.1mgの式I、I’のイソプレニル化合物および/または記載のクラスおよびそのサブクラスを含む投薬形態を必要とする被験体に投与する工程を含み、サイトカインレベルおよび/または活性(例えば、IL−8レベルおよび/または活性)が約20%を超えて減少する(例えば、オボアルブミン攻撃ft/ftアトピー性皮膚炎マウスモデルを使用して決定した場合)、炎症性皮膚容態(アトピー性皮膚炎など)を処置、緩和、調節、または防止する方法を提供する。
1つの態様によれば、本発明は、少なくとも約0.1mgの式I、I’のイソプレニル化合物および/または記載のクラスおよびそのサブクラスを含む投薬形態を必要とする被験体に投与する工程を含み、サイトカインレベルおよび/または活性(例えば、IL−12レベルおよび/または活性)が約20%を超えて減少する(例えば、オボアルブミン攻撃ft/ftアトピー性皮膚炎マウスモデルを使用して決定した場合)、炎症性皮膚容態(アトピー性皮膚炎など)を処置、緩和、調節、または防止する方法を提供する。
1つの態様によれば、本発明は、少なくとも約0.1mgの式I、I’のイソプレニル化合物および/または記載のクラスおよびそのサブクラスを含む投薬形態を必要とする被験体に投与する工程を含み、サイトカインレベルおよび/または活性(例えば、IFC−γレベルおよび/または活性)が約20%を超えて減少する(例えば、オボアルブミン攻撃ft/ftアトピー性皮膚炎マウスモデルを使用して決定した場合)、炎症性皮膚容態(アトピー性皮膚炎など)を処置、緩和、調節、または防止する方法を提供する。
1つの態様によれば、本発明は、少なくとも約0.1mgの式I、I’のイソプレニル化合物および/または記載のクラスおよびそのサブクラスを含む投薬形態を必要とする被験体に投与する工程を含み、サイトカインレベルおよび/または活性(例えば、MCP−1レベルおよび/または活性)が約20%を超えて減少する(例えば、オボアルブミン攻撃ft/ftアトピー性皮膚炎マウスモデルを使用して決定した場合)、炎症性皮膚容態(アトピー性皮膚炎など)を処置、緩和、調節、または防止する方法を提供する。
1つの態様によれば、本発明は、少なくとも約0.1mgの式I、I’のイソプレニル化合物および/または記載のクラスおよびそのサブクラスを含む投薬形態を必要とする被験体に投与する工程を含み、サイトカインレベルおよび/または活性(例えば、Gro−αレベルおよび/または活性)が約20%を超えて減少する(例えば、オボアルブミン攻撃ft/ftアトピー性皮膚炎マウスモデルを使用して決定した場合)、炎症性皮膚容態(アトピー性皮膚炎など)を処置、緩和、調節、または防止する方法を提供する。
脂漏性皮膚炎
脂漏性皮膚炎は、一般にふけ症と呼ばれ、皮膚の発赤、掻痒、および剥離を生じる疾患である。頭皮、顔面、体幹、および特に皮膚の皮脂腺が豊富な領域で罹患し、通常、皮膚に炎症および鱗屑が認められる。
脂漏性皮膚炎は、ほとんどの場合、30〜60歳の成人で生じ、女性より男性でより一般的である。正確な原因は知られていないが、脂漏性皮膚炎に罹患した患者は、感染に原因する好ましくない表皮応答を有することが多い。脂漏性皮膚炎は、神経障害(パーキンソン病および癲癇など)にも関連している。脂漏性皮膚炎の処置は、身体のその位置に依存する。処置はまた、患者の年齢に依存する。ふけ症を、しばしば、サリチル酸、処方薬である硫化セレン、ジンクピリチオン、ケトコナゾール、またはコールタールを含むシャンプーを使用して処置する。ステロイドローションを、青年および成人に使用することができる。脂漏性皮膚炎に関連する例示的なサイトカインには、TNFα、ILβ、IL−6、IL−8、MCP−1、およびGroαが含まれるが、これらに限定されない。
炎症性サイトカインならびにしゅさ、乾癬、アトピー性皮膚炎、および脂漏性皮膚炎
本明細書中に記載のように、本発明は、炎症性皮膚容態(例えば、しゅさ、乾癬、アトピー性皮膚炎、および脂漏性皮膚炎)を処置、緩和、調節、または防止する方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、式Iの化合物および/または組成物の投与(但し、少なくとも0.1mgの化合物を投与する)による炎症性皮膚容態(例えば、しゅさ、乾癬、アトピー性皮膚炎、および脂漏性皮膚炎)を処置、緩和、調節、または防止する方法を提供する。一定の実施形態では、本発明は、式I、I’の化合物および/または組成物および/または記載のクラスおよびそのサブクラスの投与(但し、少なくとも2mgの化合物を投与する)による炎症性皮膚容態(例えば、しゅさ、乾癬、アトピー性皮膚炎、および脂漏性皮膚炎)を処置、緩和、調節、または防止する方法を提供する。
1つの態様によれば、本発明は、少なくとも約0.1mgの式I、I’のイソプレニル化合物および/または記載のクラスおよびそのサブクラスを含む投薬形態を必要とする被験体に投与する工程を含み、炎症活性(例えば、MPO活性)が約30%を超えて減少する(例えば、MPO活性アッセイを使用して決定した場合)、炎症性皮膚容態(例えば、しゅさ、乾癬、アトピー性皮膚炎、および脂漏性皮膚炎)を処置、緩和、調節、または防止する方法を提供する。
1つの態様によれば、本発明は、少なくとも約0.1mgの式I、I’のイソプレニル化合物および/または記載のクラスおよびそのサブクラスを含む投薬形態を必要とする被験体に投与する工程を含み、炎症活性(例えば、MPO活性)が約60%を超えて減少する(例えば、MPO活性アッセイを使用して決定した場合)、炎症性皮膚容態(例えば、しゅさ、乾癬、アトピー性皮膚炎、および脂漏性皮膚炎)を処置、緩和、調節、または防止する方法を提供する。
1つの態様によれば、本発明は、少なくとも約0.1mgの式I、I’のイソプレニル化合物および/または記載のクラスおよびそのサブクラスを含む投薬形態を必要とする被験体に投与する工程を含み、炎症活性(例えば、紅斑活性)が約30%を超えて減少する(例えば、紅斑活性アッセイを使用して決定した場合)、炎症性皮膚容態(例えば、しゅさ、乾癬、アトピー性皮膚炎、および脂漏性皮膚炎)を処置、緩和、調節、または防止する方法を提供する。
1つの態様によれば、本発明は、少なくとも約0.1mgの式I、I’のイソプレニル化合物および/または記載のクラスおよびそのサブクラスを含む投薬形態を必要とする被験体に投与する工程を含み、炎症活性(例えば、浮腫活性)が約30%を超えて減少する(例えば、浮腫活性アッセイを使用して決定した場合)、炎症性皮膚容態(例えば、しゅさ、乾癬、アトピー性皮膚炎、および脂漏性皮膚炎)を処置、緩和、調節、または防止する方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、少なくとも約0.1mgの式I、I’のイソプレニル化合物および/または記載のクラスおよびそのサブクラスを含む投薬形態を必要とする被験体に投与する工程を含み、サイトカインレベルおよび/または活性(例えば、TNF−αレベルおよび/または活性)が約20%を超えて減少する(例えば、TPA誘導性マウス耳炎症モデルを使用して決定した場合)、炎症性皮膚容態(例えば、しゅさ、乾癬、アトピー性皮膚炎、および脂漏性皮膚炎)を処置、緩和、調節、または防止する方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、少なくとも約0.1mgの式I、I’のイソプレニル化合物および/または記載のクラスおよびそのサブクラスを含む投薬形態を必要とする被験体に投与する工程を含み、サイトカインレベルおよび/または活性(例えば、IL−1βレベルおよび/または活性)が約20%を超えて減少する(例えば、TPA誘導性マウス耳炎症モデルを使用して決定した場合)、炎症性皮膚容態(例えば、しゅさ、乾癬、アトピー性皮膚炎、および脂漏性皮膚炎)を処置、緩和、調節、または防止する方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、少なくとも約0.1mgの式I、I’のイソプレニル化合物および/または記載のクラスおよびそのサブクラスを含む投薬形態を必要とする被験体に投与する工程を含み、サイトカインレベルおよび/または活性(例えば、IL−8レベルおよび/または活性)が約20%を超えて減少する(例えば、TPA誘導性マウス耳炎症モデルを使用して決定した場合)、炎症性皮膚容態(例えば、しゅさ、乾癬、アトピー性皮膚炎、および脂漏性皮膚炎)を処置、緩和、調節、または防止する方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、少なくとも約0.1mgの式I、I’のイソプレニル化合物および/または記載のクラスおよびそのサブクラスを含む投薬形態を必要とする被験体に投与する工程を含み、サイトカインレベルおよび/または活性(例えば、IL−6レベルおよび/または活性)が約20%を超えて減少する(例えば、TPA誘導性マウス耳炎症モデルを使用して決定した場合)、炎症性皮膚容態(例えば、しゅさ、乾癬、アトピー性皮膚炎、および脂漏性皮膚炎)を処置、緩和、調節、または防止する方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、少なくとも約0.1mgの式I、I’のイソプレニル化合物および/または記載のクラスおよびそのサブクラスを含む投薬形態を必要とする被験体に投与する工程を含み、サイトカインレベルおよび/または活性(例えば、MCP−1レベルおよび/または活性)が約20%を超えて減少する(例えば、TPA誘導性マウス耳炎症モデルを使用して決定した場合)、炎症性皮膚容態(例えば、しゅさ、乾癬、アトピー性皮膚炎、および脂漏性皮膚炎)を処置、緩和、調節、または防止する方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、少なくとも約0.1mgの式I、I’のイソプレニル化合物および/または記載のクラスおよびそのサブクラスを含む投薬形態を必要とする被験体に投与する工程を含み、サイトカインレベルおよび/または活性(例えば、Groαレベルおよび/または活性)が約20%を超えて減少する(例えば、TPA誘導性マウス耳炎症モデルを使用して決定した場合)、炎症性皮膚容態(例えば、しゅさ、乾癬、アトピー性皮膚炎、および脂漏性皮膚炎)を処置、緩和、調節、または防止する方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、少なくとも約0.1mgの式I、I’のイソプレニル化合物および/または記載のクラスおよびそのサブクラスを含む投薬形態を必要とする被験体に投与する工程を含み、サイトカインレベルおよび/または活性(例えば、TNF−αレベルおよび/または活性)が約20%を超えて減少する(例えば、HMEC−1細胞株においてLPS−TLR4誘導性サイトカイン放出炎症モデルを使用して決定した場合)、炎症性皮膚容態(例えば、しゅさ、乾癬、アトピー性皮膚炎、および脂漏性皮膚炎)を処置、緩和、調節、または防止する方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、少なくとも約0.1mgの式I、I’のイソプレニル化合物および/または記載のクラスおよびそのサブクラスを含む投薬形態を必要とする被験体に投与する工程を含み、サイトカインレベルおよび/または活性(例えば、IL−1βレベルおよび/または活性)が約20%を超えて減少する(例えば、HMEC−1細胞株においてLPS−TLR4誘導性サイトカイン放出炎症モデルを使用して決定した場合)、炎症性皮膚容態(例えば、しゅさ、乾癬、アトピー性皮膚炎、および脂漏性皮膚炎)を処置、緩和、調節、または防止する方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、少なくとも約0.1mgの式I、I’のイソプレニル化合物および/または記載のクラスおよびそのサブクラスを含む投薬形態を必要とする被験体に投与する工程を含み、サイトカインレベルおよび/または活性(例えば、IL−8/KCレベルおよび/または活性)が約20%を超えて減少する(例えば、HMEC−1細胞株においてLPS−TLR4誘導性サイトカイン放出炎症モデルを使用して決定した場合)、炎症性皮膚容態(例えば、しゅさ、乾癬、アトピー性皮膚炎、および脂漏性皮膚炎)を処置、緩和、調節、または防止する方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、少なくとも約0.1mgの式I、I’のイソプレニル化合物および/または記載のクラスおよびそのサブクラスを含む投薬形態を必要とする被験体に投与する工程を含み、サイトカインレベルおよび/または活性(例えば、IL−6レベルおよび/または活性)が約20%を超えて減少する(例えば、HMEC−1細胞株においてLPS−TLR4誘導性サイトカイン放出炎症モデルを使用して決定した場合)、炎症性皮膚容態(例えば、しゅさ、乾癬、アトピー性皮膚炎、および脂漏性皮膚炎)を処置、緩和、調節、または防止する方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、少なくとも約0.1mgの式I、I’のイソプレニル化合物および/または記載のクラスおよびそのサブクラスを含む投薬形態を必要とする被験体に投与する工程を含み、サイトカインレベルおよび/または活性(例えば、MCP−1レベルおよび/または活性)が約20%を超えて減少する(例えば、HMEC−1細胞株においてLPS−TLR4誘導性サイトカイン放出炎症モデルを使用して決定した場合)、炎症性皮膚容態(例えば、しゅさ、乾癬、アトピー性皮膚炎、および脂漏性皮膚炎)を処置、緩和、調節、または防止する方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、少なくとも約0.1mgの式I、I’のイソプレニル化合物および/または記載のクラスおよびそのサブクラスを含む投薬形態を必要とする被験体に投与する工程を含み、サイトカインレベルおよび/または活性(例えば、Gro−αレベルおよび/または活性)が約20%を超えて減少する(例えば、HMEC−1細胞株においてLPS−TLR4誘導性サイトカイン放出炎症モデルを使用して決定した場合)、炎症性皮膚容態(例えば、しゅさ、乾癬、アトピー性皮膚炎、および脂漏性皮膚炎)を処置、緩和、調節、または防止する方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、少なくとも約0.1mgの式I、I’のイソプレニル化合物および/または記載のクラスおよびそのサブクラスを含む投薬形態を必要とする被験体に投与する工程を含み、サイトカインレベルおよび/または活性(例えば、TNF−αレベルおよび/または活性)が約20%を超えて減少する(例えば、HMEC−1細胞株においてATPγS−プリン受容体誘導性サイトカイン放出炎症モデルを使用して決定した場合)、炎症性皮膚容態(例えば、しゅさ、乾癬、アトピー性皮膚炎、および脂漏性皮膚炎)を処置、緩和、調節、または防止する方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、少なくとも約0.1mgの式I、I’のイソプレニル化合物および/または記載のクラスおよびそのサブクラスを含む投薬形態を必要とする被験体に投与する工程を含み、サイトカインレベルおよび/または活性(例えば、IL−1βレベルおよび/または活性)が約20%を超えて減少する(例えば、HMEC−1細胞株においてATPγS−プリン受容体誘導性サイトカイン放出炎症モデルを使用して決定した場合)、炎症性皮膚容態(例えば、しゅさ、乾癬、アトピー性皮膚炎、および脂漏性皮膚炎)を処置、緩和、調節、または防止する方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、少なくとも約0.1mgの式I、I’のイソプレニル化合物および/または記載のクラスおよびそのサブクラスを含む投薬形態を必要とする被験体に投与する工程を含み、サイトカインレベルおよび/または活性(例えば、IL−8/KCレベルおよび/または活性)が約20%を超えて減少する(例えば、HMEC−1細胞株においてATPγS−プリン受容体誘導性サイトカイン放出炎症モデルを使用して決定した場合)、炎症性皮膚容態(例えば、しゅさ、乾癬、アトピー性皮膚炎、および脂漏性皮膚炎)を処置、緩和、調節、または防止する方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、少なくとも約0.1mgの式I、I’のイソプレニル化合物および/または記載のクラスおよびそのサブクラスを含む投薬形態を必要とする被験体に投与する工程を含み、サイトカインレベルおよび/または活性(例えば、IL−6レベルおよび/または活性)が約20%を超えて減少する(例えば、HMEC−1細胞株においてATPγS−プリン受容体誘導性サイトカイン放出炎症モデルを使用して決定した場合)、炎症性皮膚容態(例えば、しゅさ、乾癬、アトピー性皮膚炎、および脂漏性皮膚炎)を処置、緩和、調節、または防止する方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、少なくとも約0.1mgの式I、I’のイソプレニル化合物および/または記載のクラスおよびそのサブクラスを含む投薬形態を必要とする被験体に投与する工程を含み、サイトカインレベルおよび/または活性(例えば、MCP−1レベルおよび/または活性)が約20%を超えて減少する(例えば、HMEC−1細胞株においてATPγS−プリン受容体誘導性サイトカイン放出炎症モデルを使用して決定した場合)、炎症性皮膚容態(例えば、しゅさ、乾癬、アトピー性皮膚炎、および脂漏性皮膚炎)を処置、緩和、調節、または防止する方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、少なくとも約0.1mgの式I、I’のイソプレニル化合物および/または記載のクラスおよびそのサブクラスを含む投薬形態を必要とする被験体に投与する工程を含み、サイトカインレベルおよび/または活性(例えば、Gro−αレベルおよび/または活性)が約20%を超えて減少する(例えば、HMEC−1細胞株においてATPγS−プリン受容体誘導性サイトカイン放出炎症モデルを使用して決定した場合)、炎症性皮膚容態(例えば、しゅさ、乾癬、アトピー性皮膚炎、および脂漏性皮膚炎)を処置、緩和、調節、または防止する方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、少なくとも約0.1mgの式I、I’のイソプレニル化合物および/または記載のクラスおよびそのサブクラスを含む投薬形態を必要とする被験体に投与する工程を含み、サイトカインレベルおよび/または活性(例えば、TNF−αレベルおよび/または活性)が約20%を超えて減少する(例えば、NHEK細胞株においてTPA誘導性サイトカイン放出炎症モデルを使用して決定した場合)、炎症性皮膚容態(例えば、しゅさ、乾癬、アトピー性皮膚炎、および脂漏性皮膚炎)を処置、緩和、調節、または防止する方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、少なくとも約0.1mgの式I、I’のイソプレニル化合物および/または記載のクラスおよびそのサブクラスを含む投薬形態を必要とする被験体に投与する工程を含み、サイトカインレベルおよび/または活性(例えば、IL−1βレベルおよび/または活性)が約20%を超えて減少する(例えば、NHEK細胞株においてTPA誘導性サイトカイン放出炎症モデルを使用して決定した場合)、炎症性皮膚容態(例えば、しゅさ、乾癬、アトピー性皮膚炎、および脂漏性皮膚炎)を処置、緩和、調節、または防止する方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、少なくとも約0.1mgの式I、I’のイソプレニル化合物および/または記載のクラスおよびそのサブクラスを含む投薬形態を必要とする被験体に投与する工程を含み、サイトカインレベルおよび/または活性(例えば、IL−8/KCレベルおよび/または活性)が約20%を超えて減少する(例えば、NHEK細胞株においてTPA誘導性サイトカイン放出炎症モデルを使用して決定した場合)、炎症性皮膚容態(例えば、しゅさ、乾癬、アトピー性皮膚炎、および脂漏性皮膚炎)を処置、緩和、調節、または防止する方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、少なくとも約0.1mgの式I、I’のイソプレニル化合物および/または記載のクラスおよびそのサブクラスを含む投薬形態を必要とする被験体に投与する工程を含み、サイトカインレベルおよび/または活性(例えば、IL−6レベルおよび/または活性)が約20%を超えて減少する(例えば、NHEK細胞株においてTPA誘導性サイトカイン放出炎症モデルを使用して決定した場合)、炎症性皮膚容態(例えば、しゅさ、乾癬、アトピー性皮膚炎、および脂漏性皮膚炎)を処置、緩和、調節、または防止する方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、少なくとも約0.1mgの式I、I’のイソプレニル化合物および/または記載のクラスおよびそのサブクラスを含む投薬形態を必要とする被験体に投与する工程を含み、サイトカインレベルおよび/または活性(例えば、MCP−1レベルおよび/または活性)が約20%を超えて減少する(例えば、NHEK細胞株においてTPA誘導性サイトカイン放出炎症モデルを使用して決定した場合)、炎症性皮膚容態(例えば、しゅさ、乾癬、アトピー性皮膚炎、および脂漏性皮膚炎)を処置、緩和、調節、または防止する方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、少なくとも約0.1mgの式I、I’のイソプレニル化合物および/または記載のクラスおよびそのサブクラスを含む投薬形態を必要とする被験体に投与する工程を含み、サイトカインレベルおよび/または活性(例えば、Gro−αレベルおよび/または活性)が約20%を超えて減少する(例えば、NHEK細胞株においてTPA誘導性サイトカイン放出炎症モデルを使用して決定した場合)、炎症性皮膚容態(例えば、しゅさ、乾癬、アトピー性皮膚炎、および脂漏性皮膚炎)を処置、緩和、調節、または防止する方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、少なくとも約0.1mgの式I、I’のイソプレニル化合物および/または記載のクラスおよびそのサブクラスを含む投薬形態を必要とする被験体に投与する工程を含み、サイトカインレベルおよび/または活性(例えば、TNF−αレベルおよび/または活性)が約20%を超えて減少する(例えば、HUVEC細胞株においてTNFα誘導性サイトカイン放出炎症モデルを使用して決定した場合)、炎症性皮膚容態(例えば、しゅさ、乾癬、アトピー性皮膚炎、および脂漏性皮膚炎)を処置、緩和、調節、または防止する方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、少なくとも約0.1mgの式I、I’のイソプレニル化合物および/または記載のクラスおよびそのサブクラスを含む投薬形態を必要とする被験体に投与する工程を含み、サイトカインレベルおよび/または活性(例えば、IL−1βレベルおよび/または活性)が約20%を超えて減少する(例えば、HUVEC細胞株においてTNFα誘導性サイトカイン放出炎症モデルを使用して決定した場合)、炎症性皮膚容態(例えば、しゅさ、乾癬、アトピー性皮膚炎、および脂漏性皮膚炎)を処置、緩和、調節、または防止する方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、少なくとも約0.1mgの式I、I’のイソプレニル化合物および/または記載のクラスおよびそのサブクラスを含む投薬形態を必要とする被験体に投与する工程を含み、サイトカインレベルおよび/または活性(IL−8/KCなど)が約20%を超えて減少する(HUVEC細胞株においてTNFα誘導性サイトカイン放出炎症モデルを使用して決定)、炎症性皮膚容態(例えば、しゅさ、乾癬、アトピー性皮膚炎、および脂漏性皮膚炎)を処置、緩和、調節、または防止する方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、少なくとも約0.1mgの式I、I’のイソプレニル化合物および/または記載のクラスおよびそのサブクラスを含む投薬形態を必要とする被験体に投与する工程を含み、サイトカインレベルおよび/または活性(例えば、IL−6レベルおよび/または活性)が約20%を超えて減少する(例えば、HUVEC細胞株においてTNFα誘導性サイトカイン放出炎症モデルを使用して決定した場合)、炎症性皮膚容態(例えば、しゅさ、乾癬、アトピー性皮膚炎、および脂漏性皮膚炎)を処置、緩和、調節、または防止する方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、少なくとも約0.1mgの式I、I’のイソプレニル化合物および/または記載のクラスおよびそのサブクラスを含む投薬形態を必要とする被験体に投与する工程を含み、サイトカインレベルおよび/または活性(例えば、MCP−1レベルおよび/または活性)が約20%を超えて減少する(例えば、HUVEC細胞株においてTNFα誘導性サイトカイン放出炎症モデルを使用して決定した場合)、炎症性皮膚容態(例えば、しゅさ、乾癬、アトピー性皮膚炎、および脂漏性皮膚炎)を処置、緩和、調節、または防止する方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、少なくとも約0.1mgの式I、I’のイソプレニル化合物および/または記載のクラスおよびそのサブクラスを含む投薬形態を必要とする被験体に投与する工程を含み、サイトカインレベルおよび/または活性(例えば、Gro−αレベルおよび/または活性)が約20%を超えて減少する(例えば、HUVEC細胞株においてTNFα誘導性サイトカイン放出炎症モデルを使用して決定した場合)、炎症性皮膚容態(例えば、しゅさ、乾癬、アトピー性皮膚炎、および脂漏性皮膚炎)を処置、緩和、調節、または防止する方法を提供する。
日焼け止め(UV損傷からの保護)
環境障害(日光由来の紫外(「UV」)線、タバコ煙曝露、高飽和脂肪食の消費、および環境汚染物質など)ならびに天然の加齢過程(フリーラジカルおよび活性酸素種(「ROS」)の生成への寄与)に原因する酸化ストレスは、特に皮膚の炎症反応を刺激する(Pilla et al.Intl J.Cosm.Sci.2005 v27 p17−34)。高レベルのROSは、皮膚に及ぼす有害作用(紅斑、浮腫、光老化、および皮膚癌が含まれる)に寄与する(Trouba et al.Antioxid.Redox Signal 2002 v4 p665−673)。炎症反応中の好中球浸潤は、酸素消費の増加およびROSの生成に関連する。細胞外炎症アゴニスト(fMLPなど)は、GPCR(ホルミルペプチド受容体(「FPR」)など)に結合して酸化バースト応答(すなわち、ROSの急速な放出)を誘発する。
一定の実施形態では、本発明は、式Iの化合物および/または組成物(但し、少なくとも0.1mgの化合物)の投与による、それを必要とする被験体の特に皮膚に対するUV損傷を処置、緩和、調節、または防止する方法を提供する。一定の実施形態では、本発明は、式Iの化合物および/または組成物の投与(但し、少なくとも2mgの化合物を投与する)による、それを必要とする被験体の特に皮膚に対するUV損傷を処置、緩和、調節、または防止する方法を提供する。
1つの態様によれば、本発明は、少なくとも約0.1mgの式I、I’のイソプレニル化合物および/または記載のクラスおよびそのサブクラスを含む投薬形態を必要とする被験体に投与する工程を含み、約20%を超えるスーパーオキシド形成の阻害活性を有する、それを必要とする被験体の特に皮膚に対するUV損傷を処置、緩和、調節、または防止する方法を提供する。
7.併用療法
提供した化合物を他の薬物または治療薬と組み合わせて使用することができることが意図される。
いくつかの実施形態では、本明細書中に記載のイソプレニル化合物を、同一の容態または疾患を処置することを意図する1つまたは複数の他の薬剤と組み合わせて投与する。本明細書中で使用する場合、通常は特定の疾患または容態を処置するために投与されるさらなる治療薬は、「処置される疾患または容態に適切な」として公知である。
例えば、いくつかの実施形態では、本発明の化合物またはその薬学的に許容可能な組成物を、炎症性疾患および/または障害を処置するための他の抗炎症薬と組み合わせて投与する。公知の抗炎症薬の例には、デキサメタゾン、インドメタシン、およびクロベタゾールが含まれるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、本発明のイソプレニル化合物を、異なる疾患、障害、または容態を処置することを意図する1つまたは複数の他の薬学的に活性な薬剤と組み合わせて投与する。例えば、いくつかの実施形態では、炎症を軽減するための本発明の化合物を投与する一方で、異なる生物学的結果を達成するために異なる薬学的に活性な薬剤を同時投与することが望ましいかもしれない。
一例を挙げれば、薬学的に活性な薬剤の経皮投与によってしばしば送達部位の皮膚が刺激されることが公知である。実際、送達を容易にするために皮膚刺激剤(例えば、SDS)を経皮デバイス(例えば、経皮パッチなど)の適用前または同時に投与することは珍しいことではない。出願人らは、別の薬学的に活性な薬剤の経皮投与と組み合わせた本明細書中に記載のイソプレニル化合物の添加または同時投与によって他の薬学的に活性な薬剤の経皮投与に関連する炎症および/または刺激を軽減することができることを見出した。
薬学的に活性な薬剤(すなわち、刺激剤)の同一性や送達様式にかかわらず、薬学的に活性な薬剤の単回または慢性注射が炎症を時折引き起こし得ることも公知である。本発明は、薬学的に活性な薬剤の単回注射または慢性注射に関連する炎症を軽減するための1つまたは複数の本発明の化合物の同時投与を意図する。
その送達が経皮や注射にかかわらずに皮膚刺激を引き起こし得る例示的な薬学的に活性な薬剤には、レバドパ、レバドパのプロドラッグ形態、インスリン、エストラジオール、エストロゲン、プロゲステロン、プロゲスチン、プロゲストゲン、テストステロン、ニコチン、ニトログリセリン、コリンエステラーゼインヒビター、刺激薬、抗鬱薬、および鎮痛薬が含まれる。
別の例を挙げれば、一定の薬剤(例えば、一般的に塩基性薬剤(例えば、NaOH)であるか、これを含む毛髪弛緩薬など)の適用は、皮膚刺激(例えば、頭皮の刺激および/または炎症)を引き起こし得る。本発明によれば、1つまたは複数のイソプレニル化合物を、かかる毛髪弛緩薬(または他の薬剤)と共に投与して、皮膚の刺激および/または炎症を軽減することができる。
本発明を、これらの好ましい実施形態を特に参照して詳述しているが、他の実施形態によって同一の結果を達成することができる。本発明の変更形態および修正形態は当業者に自明であり、全てのかかる修正形態および等価物を対象とすることを意図する。上記および/または添付書類中に引用した全てのリファレンス、出願、特許、および刊行物ならびに対応する出願の全ての開示は、本明細書中で参考として援用される。
以下の実施例に示すように、一定の例示的な実施形態では、以下の一般的手順にしたがって化合物を調製する。一般的方法によって一定の本発明の化合物の合成を示しているが、以下の一般的方法および当業者に公知の他の方法を本明細書中に開示のこれらの各化合物の全てのクラス、サブクラス、および種に適用することができると認識されるであろう。
出発物質として使用したAFC化合物(S−トランスのトランス−ファルネシル−L−システインが含まれる)を、当該分野で公知の方法にしたがって合成することができるか、Brown et al.,J Am Chem Soc,1991,113:3176−3177(その開示が本明細書中で参考として援用される)に開示の方法によって合成することができる。他の出発物質(S−トランスのトランス−ファルネシル−L−システインメチルエステルなど)を、当該分野で公知の方法にしたがって合成することができるか、Troutman et al.,Bioconjugate Chem,2005,16:1209−1217に開示の方法によって合成することができる。
以下の一般的な実験手順を、下記の実施例1〜78のために使用した。プロトン核磁気共鳴(1H−NMR)スペクトルをBruker 500MHz分光計で記録し、ジメチルスルホキシド(DMSO−d6)、メタノール(CD3OD)、またはクロロホルム(CDCl3)を1H−NMR溶媒として使用した。重水素化溶媒の残存プロトン吸収を、内部標準として使用した。全ての1H−NMR化学シフトをδ値(百万分率(ppm))として報告する。分裂パターンの略語を以下に示す:s、シングレット;d、ダブレット;t、トリプレット;q、カルテット;br、ブロード;m、マルチプレット;dd、ダブレットオブダブレット;dt、ダブレットオブトリプレット。HPLC分析を、phenomenex luna C18(2)50×4.6mmカラムを使用して行った。移動相は、60%水、0.05%トリフルオロ酢酸を含む40%アセトニトリル(流速2mL/分で最初に2.5分間、その後の0.05%TFAを含む100%アセトニトリルへの10分間にわたる勾配である。溶離物を214nmで観察する。
実施例1
(4−((R)−1−カルボキシ−2−((2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルチオ)エチルアミノ)−4−オキソブタン酸)(化合物B)の合成:S−トランスのトランス−ファルネシル−L−システイン(500mg、1.54mmol)のTHF溶液に、第1のK2CO3部分(2mmol)を添加し、得られた溶液を強く撹拌しながら5℃に冷却した。この撹拌溶液に、別のK2CO3部分(4mmol)を用いてpH9.0〜10.0に維持しながら無水コハク酸(308mg、3.1mmol)を滴下した。混合物を室温で2時間撹拌し、HPLC分析により反応完了が示された。次いで、反応混合物のpHを、2N HCl溶液の添加によってpH2.0に調整した。酸性溶液を、10mLの酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機抽出物を水、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、溶媒をロータリーエバポレーターで除去して粗化合物Bを得て、これを分取HPLCによってさらに精製して(535mg、82%)化合物Bを得た。1H−NMR(500MHz,CDCl3): δ 1.59(s,6H),1.66(s,6H),2.05(m,8H),2.60(m,2H),2.48(m,2H),2.86(dd,1H),2.94(dd,1H),3.10(dd,1H),3.12(dd,1H),4.68(dd,1H),5.06(m,2H),5.20(t,1H). 13C−NMR(125MHz,CDCl3): δ 16.0,16.1,17.7,25.7,26.5,26.7,29.4,29.8,30.5,32.6,39.6,39.7,52.2,119.3,123.8,124.3,131.3,135.4,140.3,173.4,174.2,176.8;ES−MS:以下の化学式について計算した質量:C22H35NO5S 425.6. 実測値(M+Na)m/z 448。
実施例2
((E)−4−((R)−1−カルボキシ−2−((2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルチオ)エチルアミノ)−4−オキソブト−2−エノール酸)(化合物A)の合成:S−トランスのトランス−ファルネシル−L−システイン(500mg,1.54mmol)のTHF溶液および第1のK2CO3部分(3mmol)を、強く撹拌しながら5℃に冷却した。この撹拌溶液に、別のK2CO3部分(3mmol)を用いてpH9.0〜10.0に維持しながらマレイン酸無水物(302mg,3.07mmol)を少しずつ添加した。混合物を室温で3時間撹拌し、HPLC分析により反応完了が示された。次いで、反応混合物のpHを、2N HCl溶液の添加によってpH2.0に調整した。酸性溶液を、15mLの酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機抽出物を水、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、次いで、濃縮して粗化合物Aを得て、これを分取HPLCでさらに精製して(552mg,85%)、化合物Aを得た。1H−NMR(500MHz,CD3OD):δ 1.50(bs,6H),1.57(s,3H),1.59(s,3H),1.85−2.10(m,8H),2.68(dd,J=6.5,14.5,1H),2.95(dd,J=4.5,14.0Hz,1H),3.07(dd,J=7.0,13.0Hz,1H),3.17(dd,J=8.5,13.5Hz,1H),4.59(dd,J=4.5,8.5),4.97−5.02(m,2H),5.12(t,J=7.5,1H),6.21(d,J=13.0Hz,1H),6.47(d,J=13.0Hz,1H). 13C−NMR(125MHz,CDCl3):δ 16.2,16.3,17.8,25.3,26.0,27.4,27.8,30.3,33.3,40.8,40.9,54.0,121.5,125.1,125.5,132.1,133.3,134.4,136.3,140.7,167.7,168.0,172.9;ES−MS:以下の化学式について計算した質量:C22H33NO5S 423.6. 実測値(M+Na)m/z 446。
実施例3
(4−((R)−1−カルボキシ−2−((2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルチオ)エチルアミノ)−2−メチレン−4−オキソブタン酸)(化合物F)の合成:S−トランスのトランス−ファルネシル−L−システイン(500mg、1.54mmol)を、THFと第1のK2CO3部分(3mmol)との混合物に溶解し、得られた溶液を強く撹拌しながら5℃に冷却した。この撹拌溶液に、別のK2CO3部分(3mmol)を用いてpH9.0〜10.0に維持しながら3−メチレンジヒドロ−2,5−フランジオン(302mg、3.07mmol)を少しずつ添加した。混合物を室温で3時間撹拌した。HPLC分析により反応完了が示された。次いで、反応混合物のpHを、2N HCl溶液の添加によってpH2.0に調整した。酸性溶液を、15mLの酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機抽出物を水、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、溶媒を減圧下で除去して粗化合物Fを得て、これを分取HPLCによってさらに精製して(552mg、82%)、化合物Fを得た。1H−NMR(500MHz,CDCl3):δ 1.59(s,6H),1.67(s,3H),1.68(s,3H),2.05(m,8H),2.88(dd,J =6.5,14.0,1H),2.95(dd,J =6.5,14.0,1H),3.17−3.15(m,2H),3.36(d,J=14Hz,1H),4.77(dd,J=6,12.5Hz,1H),5.09(bt,2H),5.22(t,J=7.5Hz,1H),5.93(s,1H),6.46(s,1H). 13C−NMR(125MHz,CDCl3):δ 16.0,16.2,17.7,25.7,26.7,29.9,32.8,39.6,39.7,40.2,52.0,119.4,123.7,131.3,132.0,135.4,140.3,170.3,171.5,176.0;ES−MS:以下の化学式について計算した質量:C23H35NO5S 437.6. 実測値(M+Na)m/z 446。
実施例4
(5−((R)−1−カルボキシ−2−((2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルチオ)エチルアミノ)−5−オキソペンタン酸)(化合物E)の合成:S−トランスのトランス−ファルネシル−L−システイン(500mg、1.54mmol)を、THF(6mL)と第1のK2CO3部分(3mmol)との混合物に溶解し、得られた溶液を強く撹拌しながら5℃に冷却した。この撹拌溶液に、別のK2CO3部分(3mmol)を用いてpH9.0〜9.5に維持しながらグルタル酸無水物(263mg、2.30mmol)をゆっくり添加した。混合物を室温で3時間撹拌し、TLCによって反応の完了が示された。次いで、反応混合物のpHを、2N塩酸の添加によってpH2.0に調整した。酸性溶液を酢酸エチル(10mL×3)で抽出した。合わせた有機抽出物を水、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、溶媒をロータリーエバポレーターで除去して粗化合物Eを得て、これを分取HPLCによってさらに精製して(459mg、68%)化合物Eを得た。1H−NMR(500MHz,CD3OD):δ 1.60(s,6H),1.70(s,3H),1.72(s,3H),2.02−1.95(m,4H),2.15−2.05(m,4H),2.32(t,2H),2.40(t,2H),2.75(m,2H),3.05(dd,1H),3.15(dd,1H),3.30(d,2H),4.60(dd,1H),5.14(t,2H),5.25(t,1H). 13C−NMR(125MHz,CD3OD):δ 16.1,17.7,18.4,22.2,26.3,27.4,27.7,35.7,40.6,53.3,121.5,125.2,125.4,131.8,136.1,140.1,173.7,175.3,177.6;ES−MS:以下の化学式について計算した質量:C23H37NO5S 439.6. 実測値(M+Na)m/z 462.3。
実施例5
(R)−5−((R)−1−カルボキシ−2−((2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルチオ)エチルアミノ)−2−(1,3−ジオキソイソインドリン−2−イル)−5−オキソペンタン酸)(化合物C−1)と(S)−5−((R)−1−カルボキシ−2−((2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルチオ)エチルアミノ)−2−(1,3−ジオキソイソインドリン−2−イル)−5−オキソペンタン酸)(化合物C−2)との混合物の合成:S−トランスのトランス−ファルネシル−L−システイン(500mg、1.54mmol)を、THF(6mL)と第1のK2CO3部分(3mmol)との混合物に溶解し、得られた溶液を強く撹拌しながら5℃に冷却した。この撹拌溶液に、別のK2CO3部分(2mmol)を用いてpH9.0〜10.0に維持しながらN−フタロイル−DL−グルタミン酸無水物(599mg、2.31mmol)を少しずつ添加した。混合物を室温で3時間撹拌し、TLC/HPLCによって反応の完了が示された。反応混合物のpHを、2N HCl溶液の添加によってpH2.0に調整した。酸性溶液を、15mLの酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機抽出物を水、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮して粗混合物を得た。得られた混合物を分取HPLCによってさらに精製して(734mg、82%)、化合物C−1(R−R異性体)と化合物C−2(S−R異性体)との混合物を得た。C−1とC−2との比は1:1である。1H−NMR(500MHz,CDCl3): δ 1.50(s,3H),1.52(s,3H),1.55(s,1.5H),1.56(s,1.5H),1.60(s,3H),1.86−1.98(m,8H),2.33−2.56(m,4H),2.75(dd,J=5.0,15.0Hz,1H),2.93(dd,J=5.0,15.0Hz,1H),3.03−3.13(m,2H),4.63(dd,J=5.0,10.0Hz,1H),4.92−5.00(m,2H),5.10(dd,J=5.0,15.0Hz,1H),6.87(d,J=5.0Hz,0.5H),6.99(d,J=5.0Hz,0.5H),7.63−7.65(m,2H),7.74−7.77(m,2H),9.30(ブロード,2H).
13C−NMR(125MHz,CDCl3): δ 16.06,16.17,16.19,17.76,25.20,25.41,25.78,26.48,26.73,29.74,29.76,32.48,32.63,32.79,32.93,39.66,39.72,51.13,51.19,51.90,52.11,119.38,123.76,123.81,124.36,131.38,131.60,131.61,134.39,134.45,135.31,135.34,140.18,140.21,167.78,167.91,172.55,172.72,173.17,173.35,174.46,174.62;ES−MS:以下の化学式について計算した質量:C31H40N2O7S 584.72. 実測値(M+)m/z 585.3,(M+Na)m/z 607.3.
実施例5a
(R)−5−((R)−1−カルボキシ−2−((2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルチオ)エチルアミノ)−2−(1,3−ジオキソイソインドリン−2−イル)−5−オキソペンタン酸)(化合物C−1)と(S)−5−((R)−1−カルボキシ−2−((2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルチオ)エチルアミノ)−2−(1,3−ジオキソイソインドリン−2−イル)−5−オキソペンタン酸)(化合物C−2)との混合物の別の合成: S−トランスのトランス−ファルネシル−L−システイン(325mg、1mmol)およびN−フタロイル−グルタミン酸無水物(すなわち、N−フタロイル−DL−グルタミン酸無水物(259mg、1mmol)を含むCH2Cl2(10mL)のラセミ混合物の溶液に、N,N−ジイソプロピル−エチル−アミン(0.87mL、5mmol)を添加した。溶液を、室温で2時間撹拌した。反応を1N HCl(10mL)で停止させ、pH2.0〜3.0に調整した。混合物を、酢酸エチル(15mL×3)で抽出した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮し、残渣を分取HPLCによって精製して(311mg、53%)化合物C−1と化合物C−2との混合物を得た。これは実施例5で得た異性体混合物と同一であり、C−1とC−2との比は1:1である。1H−NMR(500MHz,CDCl3): δ 1.50(s,3H),1.52(s,3H),1.55(s,1.5H),1.56(s,1.5H),1.60(s,3H),1.86−1.98(m,8H),2.33−2.56(m,4H),2.75(dd,J=5.0,15.0Hz,1H),2.93(dd,J=5.0,15.0Hz,1H),3.03−3.13(m,2H),4.63(dd,J=5.0,10.0Hz,1H),4.92−5.00(m,2H),5.10(dd,J=5.0,15.0Hz,1H),6.87(d,J=5.0Hz,0.5H),6.99(d,J=5.0Hz,0.5H),7.63−7.65(m,2H),7.74−7.77(m,2H),9.30(ブロード,2H). 13C−NMR(125MHz,CDCl3): δ 16.06,16.17,16.19,17.76,25.20,25.41,25.78,26.48,26.73,29.74,29.76,32.48,32.63,32.79,32.93,39.66,39.72,51.13,51.19,51.90,52.11,119.38,123.76,123.81,124.36,131.38,131.60,131.61,134.39,134.45,135.31,135.34,140.18,140.21,167.78,167.91,172.55,172.72,173.17,173.35,174.46,174.62;ES−MS:以下の化学式について計算した質量:C31H40N2O7S 584.72. 実測値(M+)m/z
585.3,(M+Na)m/z 607.3。
実施例5b
((S)−5−((R)−1−カルボキシ−2−((2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルチオ)エチルアミノ)−2−(1,3−ジオキソイソインドリン−2−イル)−5−オキソペンタン酸)(化合物C−2)の合成: S−トランスのトランス−ファルネシル−L−システイン(325mg、1mmol)およびN−フタロイル−L−グルタミン酸無水物(259mg、1mmol)を含むCH2Cl2(10mL)の溶液に、N,N−ジイソプロピル−エチル−アミン(0.87mL、5mmol)を添加した。溶液を、室温で2時間撹拌した。反応を1N HCl(10mL)で停止させ、pH2.0〜3.0に調整した。混合物を、酢酸エチル(15mL×3)で抽出した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮し、残渣を分取HPLCによって精製して(350mg、60%)、化合物C−2を得た。これは、実施例5および5aの化合物Cラセミ体のS−R立体異性体と同一である。1H−NMR(500MHz,CDCl3): δ 1.50(s,3H),1.52(s,3H),1.55(s,3H),1.60(s,3H),1.86−1.98(m,8H),2.33−2.43(m,2H),2.54−2.57(m,2H),2.78(dd,J=5.0,15.0Hz,1H),2.91(dd,J=5.0,15.0Hz,1H),3.06(dd,J=5.0,10.0Hz,1H),3.14(dd,J=5.0,10.0Hz,1H),4.65(dd,J=5.0,10.0Hz,1H),4.96(t,J=5.0Hz,1H),5.00(m,2H),5.11(t,J=5.0Hz,1H),6.79(d,J=10.0Hz,1H),7.63−7.65(m,2H),7.74−7.76(m,2H),8.00(ブロード,2H). 13C−NMR(125MHz,CDCl3): δ 16.06,16.18,17.76,25.19,25.78,26.47,26.73,29.77,32.59,32.79,39.65,39.72,51.10,51.85,119.37,123.76,123.80,124.36,131.39,131.62,134.40,135.36,140.24,167.75,172.78,173.05,174.51;ES−MS:以下の化学式について計算した質量:C31H40N2O7S 584.72. 実測値(M+)m/z 585.3,(M+Na)m/z 607.3。
実施例6
((R,14E,18E)−15,19,23−トリメチル−4,8−ジオキソ−3−オキサ−12−チア−7,9−ジアザテトラコサ−14,18,22−トリエン−10−カルボン酸)(化合物D)の合成: S−トランスのトランス−ファルネシル−L−システイン(325mg、1mmol)およびN,N−ジイソプロピル−エチル−アミン(650mg、5mmol)を、CH2Cl2(10mL)中で混合した。エチル−3−イソシアナト−プロピオナート(143、1mmol)を、反応混合物に添加した。反応溶液を室温で一晩撹拌し、溶媒を回転蒸発によって除去した。残渣を酢酸エチル(100mL)に溶解し、1N HCl溶液(50mL×2)で洗浄した。酢酸エチル溶液をNa2SO4で乾燥させ、粗反応混合物に濃縮した。得られた混合物をHPLCによって精製して(200mg,43%)、化合物Dを得た。1H−NMR(500MHz,MeOH−d4): δ 1.28(t,J=7.5Hz,3H),1.62(s,3H),1.63(s,3H),1.69(s,3H),1.70(s,3H),1.98(m,2H),2.06(m,6H),2.52(t,J=6.5,2H),2.79(dd,J=7.0,14.0Hz,1H),2.93(dd,J=4.5,13.5Hz,1H),3.17(dd,J=7.5,13.5Hz,1H),3.28(dd,J=8.5,13.5Hz,1H),3.41(t,J=6.5Hz,3H),4.16(q,J=7.5Hz,2H),4.50(dd,J=4.5,6.5Hz,1H),5.11(m,2H),5.23(t,J=7.5,1H). 13C−NMR(125MHz,MeOH−d4): δ 14.6,16.1,16.2,17.8,26.0,27.4,27.8,30.5,34.4,35.9,36.7,40.8,40.9,54.0,61.7,121.7,125.1,125.5,132.1,136.3,140.5,160.2,173.8,175.0;ES−MS:以下の化学式について計算した質量:C24H40N2O5S 468.7. 実測値(M+Na)m/z 491.3。
実施例7
((R)−2−(3−(2−カルボキシエチル)ウレイド)−3−((2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルチオ)プロパン酸)(化合物G)の合成: 100mL丸底フラスコ中で、実施例6の化合物D(100mg、0.21mmol)をTHF(10mL)に溶解した。LiOH(500mg、20mmol)を含む水(5mL)を反応溶液に添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。酢酸エチル(100mL)を、反応混合物に添加した。反応混合物を、1N HCl溶液(pH4.0)によって酸性化した。有機部分を分離し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮し、HPLCによって精製して(40mg、41%)、化合物Gを得た。1H−NMR(500MHz,MeOH−d4): δ 1.62(bs,6H),1.69(s,3H),1.70(s,3H),1.99(m,2H),2.08(m,6H),2.51(t,J=6.5,2H),2.79(dd,J=7.0,14.0Hz,1H),2.93(dd,J=4.5,8.1Hz,1H),3.17(dd,J=7.0,13.0Hz,1H),3.28(dd,J=9.0,15.0Hz,1H),3.40(t,J=6.5Hz,3H),4.50(dd,J=5.0,6.5Hz,1H),5.11(m,2H),5.23(t,J=7.5,1H). 13C−NMR(125MHz,MeOH−d4): δ 16.1,16.2,17.8,26.0,27.4,27.8,30.5,34.4,35.7,36.8,40.8,40.9,54.1,121.7,125.2,125.5,132.1,136.3,140.5,160.3,175.1,175.7;ES−MS:以下の化学式について計算した質量:C22H36N2O5S 440.6 . 実測値(M+Na)m/z 463.3。
実施例8
((1R,2S)−2−((R)−1−カルボキシ−2−((2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルチオ)エチルカルバモイル)シクロプロパンカルボン酸)(化合物I−1)と((1S,2R)−2−((R)−1−カルボキシ−2−((2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルチオ)エチルカルバモイル)シクロプロパンカルボン酸)(化合物I−2)との混合物としての化合物Iの合成:100mL丸底フラスコ中で、S−トランスのトランス−ファルネシル−L−システイン(325mg、1mmol)およびN,N−ジイソプロピル−エチル−アミン(650mg、5mmol)を、CH2Cl2(10mL)中で混合した。3−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,4−ジオン(112mg、1.0mmol)を、反応混合物に添加した。反応溶液を室温で一晩撹拌し、溶媒を回転蒸発によって除去した。残渣を酢酸エチル(100mL)に溶解し、1N HCl溶液(10mL)で洗浄した。酢酸エチル溶液をNa2SO4で乾燥させて濃縮粗混合物を得た。粗混合物を分取HPLCによって精製して(250mg、57%)、化合物I−1と化合物I−2との混合物を得た。これは、I−1とI−2との比が1:1である。1H−NMR(500MHz,CD3OD): δ 1.32(m,1H),1.56(m,1H),1.62(bs,6H),1.69(s,3H),1.71(s,3H),1.97(t,J=7.0Hz,2H),2.04−2.22(m,8H),2.73−2.78(m,1H),2.95−3.00(m,1H),3.13−3.18(m,1H),3.25−3.33(m,1H),4.60(m,1H),5.09(m,2H),5.19(t,J=7.5Hz,1H). 13C−NMR(125MHz,CDCl3): δ 12.5,12.6,16.2,16.3,17.8,22.6,22.8,24.1,24.2,26.0,27.4,27.8,30.2,33.4,33.5,40.8,40.9,53.6,121.6,125.1,125.5,132.1,136.2,140.5,172.3,173.7,173.9,174.5;ES−MS:以下の化学式について計算した質量:C23H35NO5S 437.6. 実測値(M+Na)m/z 460.3.
実施例9
((6S,9R,13E,17E)−6−(ヒドロキシメチル)−2,2,14,18,22−ペンタメチル−4,7−ジオキソ−3−オキサ−11−チア−5,8−ジアザトリコサ−13,17,21−トリエン−9−カルボン酸)(化合物N−55)の合成:100mL丸底フラスコ中で、N−Boc−L−セリン(1.0mmol)、カップリング試薬(520mgのPBOPまたは380mgのHATU、1mmol)、およびN,N−ジイソプロピル−エチル−アミン(650mg、5mmol)を、CH2Cl2(10mL)中で混合した。反応混合物を室温で30分間撹拌した。S−トランスのトランス−ファルネシル−L−システイン(325mg、1mmol)を、反応混合物に添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌し、CH2Cl2を回転蒸発によって除去した。得られた残渣を酢酸エチル(50mL)に溶解した。得られた有機溶液をNH4Cl飽和溶液(50mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮して粗混合物を得た。粗混合物を分取HPLCで精製して(51mg、10%)、化合物N−55を得た。1H−NMR(500MHz,CD3OD): δ 1.47(s,9H),1.62(bs,6H),1.69(s,3H),1.71(s,3H),1.99(t,J=7Hz,2H),2.05−2.22(m,6H),2.81(dd,J=7.5,14Hz,1H),3.01(dd,J=4,14.5Hz,1H),3.17(dd,J=7,13Hz,1H),3.27(dd,J=8,12.5Hz,1H),3.33(bs,2H),3.74−3.80(m,2H),4.22(t,J=5Hz,1H),4.63(dd,J=5,7.5Hz,1H),5.11(m,2H),5.23(t,J=7.5Hz,1H). 13C−NMR(125MHz,CDCl3): δ 16.2,16.3,17.8,26.0,27.4,27.8,28.7,30.4,33.6,40.8,40.9,53.3,58.0,59.6,63.4,80.9,121.6,125.2,125.5,132.1,136.3,140.6,157.8,173.0,173.8;ES−MS:以下の化学式について計算した質量:C26H44N2O6S 512.7. 実測値(M+Na)m/z 535.4。
実施例10
((6S,9R,13E,17E)−6−((S)−1−ヒドロキシエチル)−2,2,14,18,22−ペンタメチル−4,7−ジオキソ−3−オキサ−11−チア−5,8−ジアザトリコサ−13,17,21−トリエン−9−カルボン酸)(化合物N−56)の合成:100mL丸底フラスコ中で、N−Boc−L−トレオニン(1.0mmol)、カップリング試薬(520mgのPBOPまたは380mgのHATU、1mmol)、およびN,N−ジイソプロピル−エチル−アミン(650mg、5mmol)を、CH2Cl2(10mL)中で混合した。反応混合物を室温で30分間撹拌した。S−トランスのトランス−ファルネシル−L−システイン(325mg、1mmol)を反応混合物に添加し、室温で一晩撹拌した。CH2Cl2を回転蒸発によって除去した。得られた残渣を酢酸エチル(50mL)に溶解した。有機溶液をNH4Cl飽和溶液(50mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮して粗混合物を得た。粗混合物を分取HPLCで精製して(145mg、28%)、化合物N−56を得た。1H−NMR(500MHz,CD3OD): δ 1.21(d,J=6Hz,3H),1.48(s,9H),1.62(bs,6H),1.69(s,3H),1.71(s,3H),1.99(t,J=7.5Hz,2H),2.05−2.22(m,6H),2.82(dd,J=7.5,14Hz),3.01(dd,J=5,13.5Hz,1H),3.17(dd,J=7,13.5Hz,1H),3.29(dd,J=8.5,13.5Hz,1H),3.33(bs,2H),4.09−4.16(m,2H),4.65(dd,J=5,7Hz,1H),5.11(m,2H),5.23(t,J=7.5Hz,1H). 13C−NMR(125MHz,CDCl3): δ 16.2,16.3,17.8,19.9,26.0,27.4,27.8,28.6,30.4,33.5,40.8,40.9,53.4,61.3,63.0,68.7,80.8,121.6,125.15,125.5,132.12,136.26,140.6,157.9,173.2,173.6;ES−MS:以下の化学式について計算した質量:C27H46N2O6S 526.7. 実測値(M+Na)m/z 549.4。
実施例11
((6S,9R,13E,17E)−2,2,14,18,22−ペンタメチル−6−(2−(メチルチオ)エチル)−4,7−ジオキソ−3−オキサ−11−チア−5,8−ジアザトリコサ−13,17,21−トリエン−9−カルボン酸)(化合物N−57)の合成:100mL丸底フラスコ中で、N−Boc−L−メチオニン(1.0mmol)、カップリング試薬(520mgのPBOPまたは380mgのHATU、1mmol)、およびN,N−ジイソプロピル−エチル−アミン(650mg、5mmol)を、CH2Cl2(10mL)中で混合した。反応混合物を室温で30分間撹拌した。S−トランスのトランス−ファルネシル−L−システイン(325mg、1mmol)を、反応混合物に添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。CH2Cl2を回転蒸発によって除去した。得られた残渣を酢酸エチル(50mL)に溶解した。有機溶液をNH4Cl飽和溶液(50mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮して粗混合物を得た。粗混合物を分取HPLCによって精製して(290mg、52%)、化合物N−57を得た。1H−NMR(500MHz,CDCl3): δ 1.47(s,9H),1.62(bs,6H),1.69(s,3H),1.72(s,3H),1.90−1.93(m,1H),1.99(t,J=7.5Hz,2H),2.03−2.16(m,8H),2.50−2.68(m,2H),2.80(dd,J=8,14Hz,1H),3.02(dd,J=4.5,14Hz,1H),3.18(dd,J=7,13Hz,1H),3.27(dd,J=8,13Hz,1H),3.25(dd,J=5,8Hz,1H),4.60(dd,J=4.5,8,1H),5.10−5.15(m,2H),5.24(t,J=7.5,1H). 13C−NMR(125MHz,CDCl3): δ 15.3,16.2,16.3,17.8,26.0,27.4,27.8,28.8,30.3,31.0,33.0,33.4,40.8,40.9,53.3,55.1,80.8,121.6,125.2,125.5,132.1,136.3,140.6,157.8,173.6,174.6;ES−MS:以下の化学式について計算した質量:C28H48N2O5S2 556.3. 実測値(M+Na)m/z 279.2。
実施例12
((6S,9R,13E,17E)−6−イソブチル−2,2,14,18,22−ペンタメチル−4,7−ジオキソ−3−オキサ−11−チア−5,8−ジアザトリコサ−13,17,21−トリエン−9−カルボン酸)(化合物N−58)の合成:100mL丸底フラスコ中で、N−Boc−L−ロイシン(1.0mmol)、カップリング試薬(520mgのPBOPまたは380mgのHATU、1mmol)、およびN,N−ジイソプロピル−エチル−アミン(650mg、5mmol)を、CH2Cl2(10mL)中で混合した。反応混合物を室温で30分間撹拌した。S−トランスのトランス−ファルネシル−L−システイン(325mg、1mmol)を、反応混合物に添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌し、CH2Cl2を回転蒸発によって除去した。得られた残渣を酢酸エチル(50mL)に溶解した。有機溶液をNH4Cl飽和溶液(50mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮して粗混合物を得た。粗混合物を分取HPLCで精製して(200mg、37%)、化合物N−58を得た。1H−NMR(500MHz,CDCl3): δ 0.95(d,J=6.5Hz,3H),0.98(d,J=6.5Hz,3H),1.47(s,9H),1.62(bs,6H),1.51−1.59(m,1H),1.69(s,3H),1.72(s,3H),1.99(t,J=7.5Hz,2H),2.05−2.14(m,8H),2.79(dd,J=7.5,14.2,1H),3.00(dd,J=4.8,13.9Hz,1H),3.17(dd,J=7.6,13.0Hz,1H),3.25(dd,J=8.2,12.9Hz,1H),4.15(dd,J=5.4,9.8Hz,1H),4.60(dd,J=4.9,8.0Hz,1H),5.09−5.25(m,2H),5.23(t,J=7.6Hz,1H). 13C−NMR(125MHz,CDCl3): δ 16.2,16.3,17.8,22.0,23.5,25.9,27.4,27.8,28.8,30.4,33.6,40.8,40.9,42.3,53.3,54.6,80.6,121.6,125.2,125.5,132.1,136.2,140.6,157.8,173.6,175.6;ES−MS:以下の化学式について計算した質量:C29H50N2O5S
538.3. 実測値(M+Na)m/z 561.4。
実施例13
((6S,9R,13E,17E)−6−(R)−sec−ブチル−2,2,14,18,22−ペンタメチル−4,7−ジオキソ−3−オキサ−11−チア−5,8−ジアザトリコサ−13,17,21−トリエン−9−カルボン酸)(化合物N−59)の合成:100mL丸底フラスコ中で、N−Boc−L−イソロイシン(1.0mmol)、カップリング試薬(520mgのPBOPまたは380mgのHATU、1mmol)、およびN,N−ジイソプロピル−エチル−アミン(650mg、5mmol)を、CH2Cl2(10mL)中で混合した。反応混合物を室温で30分間撹拌した。S−トランスのトランス−ファルネシル−L−システイン(325mg、1mmol)を反応混合物に添加し、室温で一晩撹拌した。CH2Cl2を回転蒸発によって除去した。得られた残渣を酢酸エチル(50mL)に溶解した。有機溶液をNH4Cl飽和溶液(50mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮して粗混合物を得た。粗混合物を分取HPLCで精製して(210mg、39%)、化合物N−59を得た。1H−NMR(500MHz,CDCl3): δ 0.92(t,J=7.4Hz,3H),0.97(d,J=6.9Hz,3H),1.19(m,1H),1.47(s,9H),1.61(m,1H),1.62(bs,6H),1.69(s,3H),1.72(s,3H),1.82(m,1H),1.99(t,J=7.5Hz,2H),2.05−2.14(m,8H),2.78(dd,J=8.0,14.0,1H),3.01(dd,J=4.9,14.0Hz,1H),3.18(dd,J=7.4,13.1Hz,1H),3.27(dd,J=8.4,13.1Hz,1H),4.00(d,J=7.3Hz,1H),4.62(dd,J=4.9,8.0Hz,1H),5.10−5.17(m,2H),5.24(t,J=7.4Hz,1H). 13C−NMR(125MHz,CDCl3): δ 11.6,16.0,16.2,16.3,17.9,25.8,26.0,27.5,27.8,28.8,30.4,33.6,38.5,40.8,40.9,53.4,60.7,80.6,121.6,125.2,125.5,132.1,136.3,140.5,157.9,173.6,174.4;ES−MS:以下の化学式について計算した質量:C29H50N2O5S 538.3. 実測値(M+Na)m/z 561.4。
実施例14
((R)−2−((S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)ピロリジン−2−カルボキサミド)−3−((2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルチオ)プロパン酸)(化合物N−8)の合成:100mL丸底フラスコ中で、N−Boc−L−プロリン(1.0mmol)、カップリング試薬(520mgのPBOPまたは380mgのHATU、1mmol)、およびN,N−ジイソプロピル−エチル−アミン(650mg、5mmol)を、CH2Cl2(10mL)中で混合した。反応混合物を室温で30分間撹拌した。S−トランスのトランス−ファルネシル−L−システイン(325mg、1mmol)を、反応混合物に添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。CH2Cl2を回転蒸発によって除去した。得られた残渣を酢酸エチル(50mL)に溶解した。有機溶液をNH4Cl飽和溶液(50mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮して粗混合物を得た。粗混合物を分取HPLCで精製して(232mg、44%)、化合物N−8を得た。1H−NMR(500MHz,CDCl3): δ 1.46(s,9H),1.62(bs,6H),1.69(s,3H),1.72(s,3H),1.89(bs,1H),1.98(t,J=7.5Hz,2H),2.05−2.14(m,6H),2.24−2.26(m,1H),2.79(dd,J=8.0,14.0,1H),3.03(bd,J=13.0Hz,1H),3.15(dd,J=7.5,13.0Hz,1H),3.27(dd,J=8.0,13.0Hz,1H),3.40(m,1H),3.66(bs,1H),4.28(bs,1H),4.60(dd,J=4.9,8.0Hz,1H),5.11−5.14(m,2H),5.24(t,J=7.4Hz,1H). 13C−NMR(125MHz,CDCl3): δ 16.2,16.3,17.8,24.2,24.5,25.3,25.9,27.4,27.8,28.7,30.1,30.4,30.7,31.1,32.5,33.5,40.8,40.9,47.9,48.3,53.1,53.4,61.4,61.9,81.4,81.7,121.5,125.1,125.5,132.1,136.3,140.5,156.2,173.6,175.8;ES−MS:以下の化学式について計算した質量:C28H46N2O5S 522.3. 実測値(M+Na)m/z
545.3。
実施例15
((6S,9R,13E,17E)−2,2,6,14,18,22−ヘキサメチル−4,7−ジオキソ−3−オキサ−11−チア−5,8−ジアザトリコサ−13,17,21−トリエン−9−カルボン酸)(化合物N−3)の合成:100mL丸底フラスコ中で、N−Boc−L−アラニン(1.0mmol)、カップリング試薬(520mgのPBOPまたは380mgのHATU、1mmol)、およびN,N−ジイソプロピル−エチル−アミン(650mg、5mmol)を、CH2Cl2(10mL)中で混合した。反応混合物を室温で30分間撹拌した。S−トランスのトランス−ファルネシル−L−システイン(325mg、1mmol)を反応混合物に添加し、室温で一晩撹拌した。CH2Cl2を回転蒸発によって除去した。得られた残渣を酢酸エチル(50mL)に溶解した。有機溶液をNH4Cl飽和溶液(50mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮して粗混合物を得た。粗混合物を分取HPLCで精製して(170mg、35%)、化合物N−3を得た。1H−NMR(500MHz,CDCl3): δ 1.37(bt,3H),1.44(s,9H),1.60(bs,6H),1.68(bs,6H),1.99(t,J=8.2Hz,2H),2.04−2.10(m,6H),2.89(dd,J=6.3,13.9Hz,1H),3.01(dd,J=7.5,14.1Hz,1H),3.14−3.24(m,2H),4.31−4.39(m,1H),4.74−4.77(m,1H),5.08−5.10(m,2H),5.23(t,J=7.5Hz,1H). 13C−NMR(125MHz,CDCl3): δ 16.1,16.2,17.8,18.6,19.1,25.7,26.5,26.7,28.5,30.0,33.0,33.1,39.7,49.7,49.8,51.7,51.8,51.9,76.8,77.0,77.3,80.5,80.7,119.6,123.8,124.3,131.3,135.3,140.1,155.7,155.9,173.0,173.1;ES−MS:以下の化学式について計算した質量:C26H44N2O5S 496.7. 実測値(M+Na)m/z 519.4。
実施例16
((R,13E,17E)−2,2,14,18,22−ペンタメチル−4,7−ジオキソ−3−オキサ−11−チア−5,8−ジアザトリコサ−13,17,21−トリエン−9−カルボン酸)(化合物N−4)の合成: 100mL丸底フラスコ中で、N−Boc−L−グリシン(1.0mmol)、カップリング試薬(520mgのPBOPまたは380mgのHATU、1mmol)、およびN,N−ジイソプロピル−エチル−アミン(650mg、5mmol)を、CH2Cl2(10mL)中で混合した。反応混合物を室温で30分間撹拌し、S−トランスのトランス−ファルネシル−L−システイン(325mg、1mmol)を添加し、反応混合物を室温で一晩撹拌した。CH2Cl2を回転蒸発によって除去した。得られた残渣を酢酸エチル(50mL)に溶解した。有機溶液をNH4Cl飽和溶液(50mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮して粗混合物を得た。粗混合物を分取HPLCで精製して(78mg、18%)、化合物N−4を得た。1H−NMR(500MHz,CDCl3): δ 1.45(s,9H),1.60(bs,6H),1.67(s,3H),1.68(s,3H),1.97(t,J=7.5Hz,2H),2.01−2.15(m,6H),2.85(bd,J=13Hz,1H),3.01(bd,J=13Hz,1H),3.14−3.23(m,2H),3.81(d,J=16.5Hz),4.01(d,J=12Hz,1H),4.77(m,1H),5.09(m,2H),5.30(1H). 13C−NMR(125MHz,CDCl3): δ 16.0,16.1,17.7,25.7,26.5,26.7,28.4,30.0,32.9,39.7,39.7,43.8,51.7,80.7,119.5,123.8,124.3,131.4,135.4,140.1,156.3,169.8,172.9;ES−MS:以下の化学式について計算した質量:C25H42N2O5S 482.3. 実測値(M+Na)m/z 505.1。
実施例17
((6S,9R,13E,17E)−2,2,14,18,22−ペンタメチル−4,7−ジオキソ−6−フェニル−3−オキサ−11−チア−5,8−ジアザトリコサ−13,17,21−トリエン−9−カルボン酸)(化合物N−5)の合成:100mL丸底フラスコ中で、N−Boc−L−フェニルグリシン(1.0mmol)、カップリング試薬(520mgのPBOPまたは380mgのHATU、1mmol)、およびN,N−ジイソプロピル−エチル−アミン(650mg、5mmol)を、CH2Cl2(10mL)中で混合した。反応混合物を室温で30分間撹拌し、S−トランスのトランス−ファルネシル−L−システイン(325mg、1mmol)を添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。CH2Cl2を回転蒸発によって除去した。得られた残渣を酢酸エチル(50mL)に溶解した。有機溶液をNH4Cl飽和溶液(50mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮して粗混合物を得た。粗混合物を分取HPLCで精製して(118mg、21%)、化合物N−5を得た。1H−NMR(500MHz,CD3OD):δ 1.47(s,9H),1.62(s,6H),1.69(s,6H),1.99(t,J=7.0Hz,2H),2.03−2.13(m,6H),2.81(dd,J=8.1,13.9Hz,1H),3.01(dd,J=6.8,12.1Hz,1H),3.16(dd,J=7.6,13.2Hz,1H),3.26(dd,J=8.5,13.4Hz),4.62(bt,J=5.5),5.09−5.12(m,2H),5.22(t,J=7.9Hz,1H),7.29−7.37(m,3H),7.46(d,J=7.3Hz,2H). 13C−NMR(125MHz,CD3OD):δ 16.2,16.3,25.9,27.3,27.8,28.7,30.3,33.4,33.5,40.8,40.9,53.6,59.9,81.1,121.6,125.2,125.5,128.6,129.1,129.7,132.1,136.3,139.1,140.5,158.3,173.0,173.4;ES−MS:以下の化学式について計算した質量:C31H46N2O5S 558.8. 実測値(M+Na)m/z 581.4。
実施例18
((R,14E,18E)−2,2,15,19,23−ペンタメチル−4,8−ジオキソ−3−オキサ−12−チア−5,9−ジアザテトラコサ−14,18,22−トリエン−10−カルボン酸)(化合物N−6)の合成:100mL丸底フラスコ中で、N−Boc−L−β−アラニン(1.0mmol)、カップリング試薬(520mgのPBOPまたは380mgのHATU、1mmol)、およびN,N−ジイソプロピル−エチル−アミン(650mg、5mmol)を、CH2Cl2(10mL)中で混合した。反応混合物を室温で30分間撹拌した。S−トランスのトランス−ファルネシル−L−システイン(325mg、1mmol)を添加し、室温で一晩撹拌した。CH2Cl2を回転蒸発によって除去した。得られた残渣を酢酸エチル(50mL)に溶解した。有機溶液をNH4Cl飽和溶液(50mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮して粗混合物を得た。粗混合物を分取HPLCで精製して(171mg、35%)、化合物N−6を得た。1H−NMR(500MHz,CD3OD): δ 1.45(s,9H),1.60(s,3H),1.61(s,3H),1.69(s,3H),1.72(s,3H),1.99(t,J=7.6Hz,2H),2.01−2.15(m,6H),2.47(t,J=6.8Hz,2H),2.73(dd,J=8.8,13.9Hz,1H),3.01(dd,J=4.6,14.0Hz,1H),3.16(dd,J=7.3,13.2Hz,1H),3.28(dd,J=8.4,13.4Hz,1H),3.33(m,2H),4.61(dd,J=4.6,9.0Hz,1H),5.10−5.22(m,2H),5.24(t,J=7.7Hz,1H). 13C−NMR(125MHz,CD3OD): δ 16.2,16.3,17.8,25.9,27.4,27.8,28.8,30.2,33.5,37.0,38.0,40.8,40.9,53.3,80.2,121.6,125.1,125.5,132.1,136.3,140.6,158.3,174.0;ES−MS:以下の化学式について計算した質量:C26H44N2O5S 496.7. 実測値(M+Na)m/z 519.3。
実施例19
((R,15E,19E)−2,2,16,20,24−ペンタメチル−4,9−ジオキソ−3−オキサ−13−チア−5,10−ジアザペンタコサ−15,19,23−トリエン−11−カルボン酸)(化合物N−7)の合成: 100mL丸底フラスコ中で、N−Boc−L−アミノブタン酸(1.0mmol)、カップリング試薬(520mgのPBOPまたは380mgのHATU、1mmol)、およびN,N−ジイソプロピル−エチル−アミン(650mg、5mmol)を、CH2Cl2(10mL)中で混合した。反応混合物を室温で30分間撹拌した。S−トランスのトランス−ファルネシル−L−システイン(325mg、1mmol)を添加し、室温で一晩撹拌した。CH2Cl2を回転蒸発によって除去した。得られた残渣を酢酸エチル(50mL)に溶解した。有機溶液をNH4Cl飽和溶液(50mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮して粗混合物を得た。粗混合物を分取HPLCで精製して(142mg、32%)、化合物N−7を得た。1H−NMR(500MHz,CD3OD): δ 1.46(s,9H),1.62(s,3H),1.63(s,3H),1.69(s,3H),1.72(s,3H),1.77−1.80(m,2H),1.99(t,J=7.5Hz,2H),2.01−2.15(m,6H),2.31(t,J=7.5Hz,2H),2.73(dd,J=9.0,13.9Hz,1H),3.02(dd,J=4.5,14.0Hz,1H),3.11(t,J=6.8Hz,2H),3.17(dd,J=7.3,13.2Hz,1H),3.29(dd,J=8.4,13.2Hz,1H),4.60(dd,J=4.6,9.0Hz,1H),5.10−5.22(m,2H),5.24(t,J=7.8Hz,1H). 13C−NMR(125MHz,CD3OD): δ 16.2,16.3,17.8,25.9,27.3,27.4,27.8,28.8,30.2,33.5,34.1,40.7,40.8,40.9,53.3,80.0,121.6,125.1,125.5,132.1,136.3,140.5,158.6,174.0,175.7;ES−MS:以下の化学式について計算した質量:C27H46N2O5S 410.3. 実測値(M+Na)m/z 533.3。
実施例20
((6S,9R,13E,17E)−6−イソプロピル−2,2,14,18,22−ペンタメチル−4,7−ジオキソ−3−オキサ−11−チア−5,8−ジアザトリコサ−13,17,21−トリエン−9−カルボン酸)(化合物N−9)の合成:100mL丸底フラスコ中で、N−Boc−L−バリン(1.0mmol)、カップリング試薬(520mgのPBOPまたは380mgのHATU、1mmol)、およびN,N−ジイソプロピル−エチル−アミン(650mg、5mmol)を、CH2Cl2(10mL)中で混合した。反応混合物を室温で30分間撹拌した。S−トランスのトランス−ファルネシル−L−システイン(325mg、1mmol)を反応混合物に添加し、室温で一晩撹拌した。CH2Cl2を回転蒸発によって除去した。得られた残渣を酢酸エチル(50mL)に溶解した。有機溶液をNH4Cl飽和溶液(50mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮して粗混合物を得た。粗混合物を分取HPLCで精製して(276mg、53%)、化合物N−9を得た。1H−NMR(500MHz,CD3OD): δ 0.95(d,J=6.5Hz,3H),0.99(d,J=6.5Hz,3H),1.21(m,1H),1.47(s,9H),1.62(bs,6H),1.69(s,3H),1.71(s,3H),1.99(t,J=7.5Hz,2H),2.05−2.15(m,8H),2.78(dd,J=8.5,14.0,1H),3.00(dd,J=4.5,14.0Hz,1H),3.16(dd,J=7.5,13.2Hz,1H),3.27(dd,J=8.4,13.2Hz,1H),3.95(d,J=6.5Hz,1H),4.61(dd,J=4.8,8.0Hz,1H),5.10−5.14(m,2H),5.51(t,J=7.4Hz,1H). 13C−NMR(125MHz,CDCl3): δ 16.2,16.3,17.8,18.4,19.8,25.9,27.4,27.8,28.8,30.3,32.2,33.5,40.8,40.9,53.3,61.5,80.6,121.6,125.2,125.5,132.1,136.3,140.5,157.9,173.6,174.4;ES−MS:以下の化学式について計算した質量:C28H48N2O5S 524.7. 実測値(M+Na)m/z 547.4。
実施例21
((6R,9R,13E,17E)−6−ベンズヒドリル−2,2,14,18,22−ペンタメチル−4,7−ジオキソ−3−オキサ−11−チア−5,8−ジアザトリコサ−13,17,21−トリエン−9−カルボン酸)(化合物N−12)の合成:100mL丸底フラスコ中で、N−Boc−D−ジフェニル−アラニン(1.0mmol)、カップリング試薬(520mgのPBOPまたは380mgのHATU、1mmol)、およびN,N−ジイソプロピル−エチル−アミン(650mg、5mmol)を、CH2Cl2(10mL)中で混合した。反応混合物を室温で30分間撹拌した。S−トランスのトランス−ファルネシル−L−システイン(325mg、1mmol)を反応混合物に添加し、室温で一晩撹拌した。CH2Cl2を回転蒸発によって除去した。得られた残渣を酢酸エチル(50mL)に溶解した。有機溶液をNH4Cl飽和溶液(50mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮して粗混合物を得た。粗混合物を分取HPLCで精製して(306mg、68%)、化合物N−12を得た。1H−NMR(500MHz,CD3OD): δ 1.33(s,9H),1.62(s,3H),1.63(s,3H),1.65(s,3H),1.69(s,3H),1.99(t,J=7.0Hz,2H),2.03−2.16(m,8H),2.39(dd,J=6.5,14.0Hz,1H),2.52(dd,J=6.5,14.0Hz,1H),2.96−3.05(m,2H),4.28−4.36(m,1H),4.37(s,1H),5.01(d,J=11.0Hz,1H),5.10−5.20(m,2H),7.15−7.38(m,10H). 13C−NMR(125MHz,CDCl3): δ 16.2,16.3,26.0,27.4,27.8,28.6,30.3,33.2,40.7,40.9,53.3,53.4,55.1,58.6,80.6,121.5,125.2,125.5,127.7,127.9,129.4,129.6,129.7,132.1,136.3,140.3,142.4,142.5,157.4,173.1,173.5;ES−MS:以下の化学式について計算した質量:C38H52N2O5S 648.4. 実測値(M+Na)m/z 671.2。
実施例22
((R)−2−(1−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)シクロプロパンカルボキサミド)−3−((2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルチオ)プロパン酸)(化合物N−49)の合成:100mL丸底フラスコ中で、N−Boc−アミノ−シクロプロピオン酸(1.0mmol)、カップリング試薬(520mgのPBOPまたは380mgのHATU、1mmol)、およびN,N−ジイソプロピル−エチル−アミン(650mg、5mmol)を、CH2Cl2(10mL)中で混合した。反応混合物を室温で30分間撹拌した。S−トランスのトランス−ファルネシル−L−システイン(325mg、1mmol)を反応混合物に添加し、室温で一晩撹拌した。CH2Cl2を回転蒸発によって除去した。得られた残渣を酢酸エチル(50mL)に溶解した。有機溶液をNH4Cl飽和溶液(50mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮して粗混合物を得た。粗混合物を分取HPLCで精製して(158mg、31%)、化合物N−49を得た。1H−NMR(500MHz,CD3OD): δ 1.05−1.08(m,2H),1.41−1.46(m,2H),1.49(s,9H),1.62(s,3H),1.63(s,3H),1.69(s,3H),1.70(s,3H),1.99(t,J=8.2Hz,2H),2.05−2.16(m,6H),2.92(dd,J=5.5,13.5Hz,1H),3.01(dd,J=7.5,14.0Hz,1H),3.16(dd,J=7.5,13.0Hz,1H),3.27(dd,J=8.5,13.0Hz,1H),4.61(bs,1H),5.12(dd,J=7.5,15.5Hz,2H),5.23(t,J=7.5Hz,1H). 13C−NMR(125MHz,CDCl3): δ 16.1,16.3,17.8,25.9,27.4,27.8,30.7,33.7,40.8,40.9,53.7,53.8,121.6,125.1,125.5,132.1,136.3,140.6,158.1,173.6;ES−MS:以下の化学式について計算した質量:C27H44N2O5S 508.7. 実測値(M+Na)m/z 531.4。
実施例23
((6S,9R,13E,17E)−6−シクロヘキシル−2,2,14,18,22−ペンタメチル−4,7−ジオキソ−3−オキサ−11−チア−5,8−ジアザトリコサ−13,17,21−トリエン−9−カルボン酸((化合物N−60)の合成:100mL丸底フラスコ中で、N−Boc−L−シクロヘキシル−グリシン(1.0mmol)、カップリング試薬(520mgのPBOPまたは380mgのHATU、1mmol)、およびN,N−ジイソプロピル−エチル−アミン(650mg、5mmol)を、CH2Cl2(10mL)中で混合した。反応混合物を室温で30分間撹拌した。S−トランスのトランス−ファルネシル−L−システイン(325mg、1mmol)を反応混合物に添加し、室温で一晩撹拌した。CH2Cl2を回転蒸発によって除去した。得られた残渣を酢酸エチル(50mL)に溶解した。有機溶液をNH4Cl飽和溶液(50mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮して粗混合物を得た。粗混合物を分取HPLCで精製して(260mg、58%)、化合物N−60を得た。1H−NMR(500MHz,CD3OD): δ 1.05−1.30(m,6H),1.47(s,9H),1.61−1.77(m,5H),1.62(bs,6H),1.69(s,3H),1.76(s,3H),1.99(t,J=7.5Hz,2H),2.06−2.17(m,8H),2.78(dd,J=8.0,14.0,1H),3.01(dd,J=5.0,14.0Hz,1H),3.18(dd,J=7.5,13.0Hz,1H),3.27(dd,J=8.0,13.0Hz,1H),3.96(d,J=6.5Hz,1H),4.61(dd,J=5.0,8.0Hz,1H),5.12(dd,J=8.0,17.0Hz,2H),5.24(t,J=7.5Hz,1H). 13C−NMR(125MHz,CD3OD): δ 16.2,16.3,17.8,26.0,27.1,27.2,27.3,27.5,27.8,28.8,33.5,40.8,40.9,41.8,53.3,61.0,62.5,80.6,121.6,125.2,125.5,132.1,136.3,140.5,157.9,173.6,174.3;ES−MS:以下の化学式について計算した質量:C31H52N2O5S 564.8. 実測値(M+Na)m/z 587.4。
実施例24
((R)−2−((R)−2−(tert−ブトキシカルボニル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−カルボキサミド)−3−((2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルチオ)プロパン酸)(化合物N−50)の合成:100mL丸底フラスコ中で、N−Boc−(R)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−カルボン酸(1.0mmol)、カップリング試薬(520mgのPBOPまたは380mgのHATU、1mmol)、およびN,N−ジイソプロピル−エチル−アミン(650mg、5mmol)を、CH2Cl2(10mL)中で混合した。反応混合物を室温で30分間撹拌した。S−トランスのトランス−ファルネシル−L−システイン(325mg、1mmol)を反応混合物に添加し、室温で一晩撹拌した。CH2Cl2を回転蒸発によって除去した。得られた残渣を酢酸エチル(50mL)に溶解した。有機溶液をNH4Cl飽和溶液(50mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮して粗混合物を得た。粗混合物を分取HPLCで精製して(250mg、48%)、化合物N−50を得た。1H−NMR(500MHz,CD3OD): δ 1.33(s,9H),1.61(bs,6H),1.68(bs,6H),1.69−1.73(m,2H),1.99(t,J=7.5Hz,2H),2.06−2.17(m,8H),2.73(dd,J=7.5,14.0,1H),2.87(dd,J=5.0,14.0Hz,1H),3.16(dd,J=7.5,13.0Hz,1H),3.25(dd,J=8.0,13.0Hz,1H),3.25−3.30(m,2H),3.73(dd,J=5.5,14.0Hz,1H),4.55−4.61(m,2H),5.12(dd,J=8.0,17.0Hz,2H),5.20(t,J=7.5Hz,1H),7.39−7.88(m,3H),8.20−8.24(m,1H). 13C−NMR(125MHz,CD3OD): δ 16.2,16.3,17.9,26.0,27.4,27.8,28.1,28.7,30.4,30.5,30.9,33.4,36.6,37.9,40.8,40.9,53.3,56.9,57.7,121.5,124.8,125.1,125.5,126.5,126.6,127.3,128.6,128.7,128.8,129.3,129.9,132.1,133.5,134.7,135.5,136.3,140.6,157.5,173.7,174.2;ES−MS:以下の化学式について計算した質量:C33H48N2O5S 584.8. 実測値(M+Na)m/z 607.4。
実施例25
((R)−2−((S)−2−アセトアミド−3−ヒドロキシプロパンアミド)−3−((2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルチオ)プロパン酸)と((R)−2−((R)−2−アセトアミド−3−ヒドロキシプロパンアミド)−3−((2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルチオ)プロパン酸))(化合物N−23)との混合物の合成:100mL丸底フラスコ中で、N−アセチル−L−セリン(1.0mmol)、カップリング試薬(520mgのPBOPまたは380mgのHATU、1mmol)、およびN,N−ジイソプロピル−エチル−アミン(650mg、5mmol)を、CH2Cl2(10mL)中で混合した。反応混合物を室温で30分間撹拌した。S−トランスのトランス−ファルネシル−L−システイン(325mg、1mmol)を反応混合物に添加し、室温で一晩撹拌した。CH2Cl2を回転蒸発によって除去した。得られた残渣を酢酸エチル(50mL)に溶解した。有機溶液をNH4Cl飽和溶液(50mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮して粗混合物を得た。粗混合物を分取HPLCで精製して(160mg、35%)、化合物N−23のR−R異性体とS−R異性体との比が1:1の混合物を得た。これは、実施例5および5aの化合物Cに類似していた。1H−NMR(500MHz,CD3OD): δ 1.50(s,6H),1.57(s,3H),1.58(s,3H),1.85−2.03(m,11H),2.72−2.79(m,1H),2.87−2.96(m,1H),3.07−3.14(m,2H),3.65−3.69(m,1H),3.70−3.77(m,1H),4.33(dd,J=5.0,10.0Hz,1H),4.40(dd,J=5.0,10.0Hz,1H),4.98−5.02(m,2H),5.14(dd,J=5.0,15.0Hz,1H). 13C−NMR(125MHz,CD3OD): δ 16.12,16.28,17.79,22.61,22.71,25.95,27.52,27.80,30.74,30.78,35.19,35.25,40.79,40.90,55.57,55.94,56.87,57.17,63.18,63.37,121.78,121.80,125.24,125.48,132.09,136.15,140.03,140.11,171.84,171.91,173.35,173.54,177.14,177.15;ES−MS:以下の化学式について計算した質量:C23H38N2O5S 454.62. 実測値(M+)m/z 455.3,(M+Na)m/z 477.3。
実施例26
((R)−2−(3−アセトアミドプロパンアミド)−3−((2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルチオ)プロパン酸)(化合物N−43)の合成:100mL丸底フラスコ中で、N−アセチル−DL−β−アラニン(1.0mmol)、カップリング試薬(520mgのPBOPまたは380mgのHATU、1mmol)、およびN,N−ジイソプロピル−エチル−アミン(650mg、5mmol)を、CH2Cl2(10mL)中で混合した。反応混合物を室温で30分間撹拌した。S−トランスのトランス−ファルネシル−L−システイン(325mg、1mmol)を反応混合物に添加し、室温で一晩撹拌した。CH2Cl2を回転蒸発によって除去した。得られた残渣を酢酸エチル(50mL)に溶解した。有機溶液をNH4Cl飽和溶液(50mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮して粗混合物を得た。粗混合物を分取HPLCで精製して(250mg、57%)、化合物N−43を得た。1H−NMR(500MHz,CD3OD): δ 1.50(s,6H),1.57(s,3H),1.60(s,3H),1.83(s,3H),1.86−1.89(m,2H),1.95−2.05(m,6H),2.38(t,J=6.5Hz,2H),2.63(dd,J=9.0,14.0Hz,1H),2.92(dd,J=4.0,14.0Hz,1H),3.06(dd,J=7.0,13.0Hz,1H),3.21(m,1H),3.36(m,2H),4.50(dd,J=4.0,9.0Hz,1H),4.98−5.03(m,2H),5.13(t,J=7.5Hz,1H),5.61(d,J=10.0Hz,1H),6.17(d,J=17.0Hz,1H),6.28(dd,J=10.0,17.0Hz,1H). 13C−NMR(125MHz,CD3OD): δ 16.16,16.25,17.81,22.66,25.96,27.40,27.79,30.11,33.37,36.41,37.07,40.80,40.89,53.31,121.56,125.13,125.46,132.12,136.28,140.58,173.41,173.83,174.01;ES−MS:以下の化学式について計算した質量:C23H38N2O4S 438.62. 実測値(M+)m/z 439.3,(M+Na)m/z 461.2。
実施例27
((R)−2−((R)−2−アセトアミド−5−アミノ−5−オキソペンタンアミド)−3−((2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルチオ)プロパン酸)と((R)−2−((S)−2−アセトアミド−5−アミノ−5−オキソペンタンアミド)−3−((2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルチオ)プロパン酸)(化合物N−61)との混合物の合成:100mL丸底フラスコ中で、N−アセチル−L−グルタミン(1.0mmol)、カップリング試薬(520mgのPBOPまたは380mgのHATU、1mmol)、およびN,N−ジイソプロピル−エチル−アミン(650mg、5mmol)を、CH2Cl2(10mL)中で混合した。反応混合物を室温で30分間撹拌した。S−トランスのトランス−ファルネシル−L−システイン(325mg、1mmol)を、反応混合物に添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。CH2Cl2を回転蒸発によって除去した。得られた残渣を酢酸エチル(50mL)に溶解した。有機溶液をNH4Cl飽和溶液(50mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮して粗混合物を得た。粗混合物を分取HPLCで精製して(155mg、31%)、化合物N−61のR−R異性体とS−R異性体との比が1:1の混合物を得た。これは、実施例5および5aの化合物Cラセミ体に類似していた。1H−NMR(500MHz,CD3OD): δ 1.62(s,6H),1.69(s,3H),1.70(s,3H),1.98−2.12(m,13H),2.35(t,J=5.0Hz,2H),2.86(m,1H),3.03(m,1H),3.20−3.24(m,2H),4.43−4.46(m,2H),5.12−5.13(m,2H),5.26(m,1H). 13C−NMR(125MHz,CD3OD): δ 16.12,16.29,16.30,22.54,22.65,25.95,27.54,27.80,29.22,29.25,30.70,30.78,32.71,32.77,35.35,35.46,40.80,40.90,54.37,54.44,55.38,55.70,121.77,121.82,125.25,125.48,132.09,136.15,140.01,140.09,172.78,172.88,173.21,173.34,177.10,177.12,177.99,178.03;ES−MS:以下の化学式について計算した質量:C25H41N3O5S 495.68. 実測値(M+)m/z 496.4,(M+Na)m/z 518.4。
実施例28
((R)−2−((2S,3S)−2−アセトアミド−3−メチルペンタンアミド)−3−((2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルチオ)プロパン酸と(R)−2−((2R,3S)−2−アセトアミド−3−メチルペンタンアミド)−3−((2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルチオ)プロパン酸)(化合物N−62)との混合物の合成:100mL丸底フラスコ中で、N−アセチル−L−イソロイシン(1.0mmol)、カップリング試薬(520mgのPBOPまたは380mgのHATU、1mmol)、およびN,N−ジイソプロピル−エチル−アミン(650mg、5mmol)を、CH2Cl2(10mL)中で混合した。反応混合物を室温で30分間撹拌した。S−トランスのトランス−ファルネシル−L−システイン(325mg、1mmol)を反応混合物に添加し、室温で一晩撹拌した。CH2Cl2を回転蒸発によって除去した。得られた残渣を酢酸エチル(50mL)に溶解した。有機溶液をNH4Cl飽和溶液(50mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮して粗混合物を得た。粗混合物を分取HPLCで精製して(220mg、46%)、化合物N−62a(S−S−R鏡像異性体)と化合物N−62b(S−R−R鏡像異性体)との混合物を得た。これは、N−62aとN−62bとの比が1:1である。1H−NMR(500MHz,CD3OD): δ 0.80−0.86(m,6H),1.06−1.33(m,3H),1.50(s,6H),1.57(s,3H),1.60(s,3H),1.79−2.01(m,11H),2.71−2.77(m,1H),2.87−2.94(m,1H),3.09−3.11(m,2H),4.17−4.43(m,2H),4.99−5.00(m,2H),5.26(t,J=10.0Hz,1H). 13C−NMR(125MHz,CD3OD): δ 11.68,12.14,15.00,16.13,16.28,17.80,22.52,22.58,25.86,25.96,27.48,27.52,27.53,27.80,30.80,30.88,35.51,35.56,38.02,38.31,40.80,40.90,55.37,55.62,57.97,59.80,121.83,121.88,125.23,125.48,132.08,136.14,139.92,140.02,172.89,173.01,173.39,173.46,176.84,177.09;ES−MS:以下の化学式について計算した質量:C26H44N2O4S 480.70. 実測値(M+)m/z 481.4,(M+Na)m/z 503.4.
実施例29
((R)−2−((S)−5−(ベンジルオキシ)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−5−オキソペンタンアミド)−3−((2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルチオ)プロパン酸)(化合物N−63)の合成:100mL丸底フラスコ中で、N−Boc−L−グルタミン酸−ベンジル−エステル(1.0mmol)、カップリング試薬(520mgのPBOPまたは380mgのHATU、1mmol)、およびN,N−ジイソプロピル−エチル−アミン(650mg、5mmol)を、CH2Cl2(10mL)中で混合した。反応混合物を室温で30分間撹拌した。S−トランスのトランス−ファルネシル−L−システイン(325mg、1mmol)を反応混合物に添加し、室温で一晩撹拌した。CH2Cl2を回転蒸発によって除去した。得られた残渣を酢酸エチル(50mL)に溶解した。有機溶液をNH4Cl飽和溶液(50mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮して粗混合物を得た。粗混合物を分取HPLCで精製して(182mg、28%)、化合物N−63を得た。1H−NMR(500MHz,CDCl3): δ 1.44(s,9H),1.62(s,6H),1.67(s,3H),1.70(s,3H),1.97−2.07(m,10H),2.52−2.55(m,2H),2.90(dd,J=5.0,15.0Hz,1H),3.01(dd,J=5.0,15.0Hz,1H),3.18−3.25(m,2H),4.32(dd,J=10.0,15.0Hz,1H),4.74(m,1H),5.11−5.12(m,2H),5.14(s,2H),5.23(t,J=10.0Hz,1H),5.50(d,J=10.0Hz,1H),7.22(d,J=10.0Hz,1H),7.34−7.38(m,5H). 13C−NMR(125MHz,CDCl3): δ 15.99,16.18,17.74,25.72,26.50,26.73,27.85,28.32,29.90,32.84,39.73,52.02,53.61,66.70,80.44,119.49,123.68,124.31,128.34,128.61,131.38,135.25,135.62,140.01,155.76,171.70,173.27,173.51,207.33;ES−MS:以下の化学式について計算した質量:C35H52N2O7S 644.86. 実測値(M+)m/z 645.4,(M+Na)m/z 667.5。
実施例30
((R)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−((R)−1−カルボキシ−2−((2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルチオ)エチルアミノ)−4−オキソブタン酸と(S)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−((R)−1−カルボキシ−2−((2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルチオ)エチルアミノ)−4−オキソブタン酸)(化合物N−64)との混合物の合成:100mL丸底フラスコ中で、N−Boc−L−グルタミン酸(1.0mmol)、カップリング試薬(520mgのPBOPまたは380mgのHATU、1mmol)、およびN,N−ジイソプロピル−エチル−アミン(650mg、5mmol)を、CH2Cl2(10mL)中で混合した。反応混合物を室温で30分間撹拌した。S−トランスのトランス−ファルネシル−L−システイン(325mg、1mmol)を反応混合物に添加し、室温で一晩撹拌した。CH2Cl2を回転蒸発によって除去した。得られた残渣を酢酸エチル(50mL)に溶解した。有機溶液をNH4Cl飽和溶液(50mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮して粗混合物を得た。粗混合物を分取HPLCで精製して(136mg、17%)、化合物N−64のR−R異性体とS−R異性体との比が1:1の混合物を得た。これは、実施例5および5aの化合物Cラセミ体に類似していた。1H−NMR(500MHz,CDCl3): δ 1.36(s,9H),1.53(s,6H),1.59(s,3H),1.61(s,3H),1.88−2.03(m,10H),2.77−2.86(m,1H),2.94−2.97(m,1H),3.11−3.17(m,2H),4.45(m,1H),4.63(m,1H),5.01−5.03(m,2H),5.12−5.15(m,1H),5.89−5.90(m,1H),7.33(m,1H),8.70(ブロード,2H). 13C−NMR(125MHz,CDCl3): δ 15.00,15.13,16.68,24.71,25.43,25.67,27.29,28.70,28.79,28.85,31.43,36.68,38.62,38.67,49.38,51.36,79.65,79.85,118.23,118.33,122.69,123.27,130.33,134.31,134.34,134.37,139.32,154.89,170.77,172.68,172.79;ES−MS:以下の化学式について計算した質量:C27H44N2O7S 540.71. 実測値(M+Na)m/z 563.4。
実施例31
((R)−2−((S)−2−アセトアミド−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロパンアミド)−3−((2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルチオ)プロパン酸と(R)−2−((R)−2−アセトアミド−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロパンアミド)−3−((2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルチオ)プロパン酸)(化合物N−65)との混合物の合成:100mL丸底フラスコ中で、N−アセチル−DL−チロシン(1.0mmol)、カップリング試薬(520mgのPBOPまたは380mgのHATU、1mmol)、およびN,N−ジイソプロピル−エチル−アミン(650mg、5mmol)を、CH2Cl2(10mL)中で混合した。反応混合物を室温で30分間撹拌した。S−トランスのトランス−ファルネシル−L−システイン(325mg、1mmol)を、反応混合物に添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。CH2Cl2を回転蒸発によって除去した。得られた残渣を酢酸エチル(50mL)に溶解した。有機溶液をNH4Cl飽和溶液(50mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮して粗混合物を得た。粗混合物を分取HPLCで精製して(230mg、43%)、化合物N−65のR−R異性体とS−R異性体との比が1:1の混合物を得た。これは、実施例5および5aの化合物Cラセミ体に類似していた。1H−NMR(500MHz,CD3OD): δ 1.50(s,6H),1.56(s,3H),1.59(s,3H),1.79−1.80(m,3H),1.87−88(m,2H),1.96−2.03(m,8H),2.57−2.80(m,1H),2.87(m,1H),2.96−3.13(m,2H),4.43−4.48(m,1H),4.52−4.55(m,1H),5.00−5.01(m,2H),5.11(m,1H),6.59(d,J=8.0Hz,2H),6.97(d,J=8.0Hz,2H). 13C−NMR(125MHz,CD3OD): δ 16.26,16.29,17.82,22.43,25.97,27.42,27.79,30.18,30.29,33.38,33.43,38.21,38.46,40.80,40.89,53.21,53.49,56.12,56.17,116.13,116.16,121.55,121.59,125.15,125.47,129.06,129.12,131.33,131.36,132.11,136.26,140.54,157.24,157.30,173.08,173.65,173.70,173.82;ES−MS:以下の化学式について計算した質量:C29H42N2O5S
530.72. 実測値(M+)m/z 531.3,(M+Na)m/z 553.3。
実施例32
((R)−2−((S)−2−アセトアミドプロパンアミド)−3−((2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルチオ)プロパン酸と(R)−2−((R)−2−アセトアミドプロパンアミド)−3−((2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルチオ)プロパン酸)(化合物N−40)との混合物の合成:100mL丸底フラスコ中で、N−アセチル−DL−アラニン(1.0mmol)、カップリング試薬(520mgのPBOPまたは380mgのHATU、1mmol)、およびN,N−ジイソプロピル−エチル−アミン(650mg、5mmol)を、CH2Cl2(10mL)中で混合した。反応混合物を室温で30分間撹拌した。S−トランスのトランス−ファルネシル−L−システイン(325mg、1mmol)を、反応混合物に添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。CH2Cl2を回転蒸発によって除去した。得られた残渣を酢酸エチル(50mL)に溶解した。有機溶液をNH4Cl飽和溶液(50mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮して粗混合物を得た。粗混合物を分取HPLCで精製して(220mg、50%)、化合物N−40のR−R異性体とS−R異性体との比が1:1の混合物を得た。これは、実施例5および5aの化合物Cラセミ体に類似していた。1H−NMR(500MHz,CD3OD): δ 1.27(t,J=6.5Hz,3H),1.50(s,6H),1.57(s,3H),1.59(s,3H),1.86−2.03(m,11H),2.62−2.69(m,1H),2.86−2.91(m,1H),3.04−3.05(m,1H),3.15(m,1H),4.32−4.34(m,1H),4.46−4.47(m,1H),4.99−5.01(m,2H),5.11(m,1H). 13C−NMR(125MHz,CD3OD): δ 16.14,16.23,17.79,18.10,18.37,22.42,25.94,27.41,27.78,30.13,30.28,33.35,33.57,40.79,40.88,50.30,53.08,53.43,121.57,121.60,125.15,125.45,132.11,140.54,173.75;ES−MS:以下の化学式について計算した質量:C23H38N2O4S 438.62. 実測値(M+)m/z 439.2。
実施例33
((R)−2−((S)−2−アセトアミド−3−メチルブタンアミド)−3−((2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルチオ)プロパン酸と(R)−2−((R)−2−アセトアミド−3−メチルブタンアミド)−3−((2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルチオ)プロパン酸)(化合物N−41)との混合物の合成:100mL丸底フラスコ中で、N−アセチル−DL−バリン(1.0mmol)、カップリング試薬(520mgのPBOPまたは380mgのHATU、1mmol)、およびN,N−ジイソプロピル−エチル−アミン(650mg、5mmol)を、CH2Cl2(10mL)中で混合した。反応混合物を室温で30分間撹拌した。S−トランスのトランス−ファルネシル−L−システイン(325mg、1mmol)を、反応混合物に添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。CH2Cl2を回転蒸発によって除去した。得られた残渣を酢酸エチル(50mL)に溶解した。有機溶液をNH4Cl飽和溶液(50mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮して粗混合物を得た。粗混合物を分取HPLCで精製して(250mg、54%)、化合物N−41のR−R異性体とS−R異性体との比が1:1の混合物を得た。これは、実施例5および5aの化合物Cラセミ体に類似していた。1H−NMR(500MHz,CD3OD): δ 1.27(m,6H),1.50(s,6H),1.57(s,3H),1.59(s,3H),1.87−2.03(m,12H),2.61−2.67(m,1H),2.86−2.89(m,1H),3.05−3.06(m,1H),3.13−3.15(m,1H),4.21(dd,J=6.5,16.0Hz,1H),4.47−4.48(m,1H),4.99−5.03(m,2H),5.13(t,J=8.0Hz,1H). 13C−NMR(125MHz,CD3OD): δ 16.16,17.82,18.45,18.62,19.75,19.93,22.47,25.97,27.42,27.79,30.09,30.24,32.09,33.28,33.42,40.80,40.89,53.20,53.43,60.00,60.03,121.56,121.60,125.13,125.15,125.46,132.11,136.26,140.52,173.25,173.32,173.67,173.71,173.74;ES−MS:以下の化学式について計算した質量:C25H42N2O4S 466.68. 実測値(M+)m/z 467.3。
実施例34
((S)−4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−5−((R)−1−カルボキシ−2−((2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルチオ)エチルアミノ)−5−オキソペンタン酸)(化合物N−66)の合成:100mL丸底フラスコ中で、(S)−5−(ベンジルオキシ)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−5−オキソペンタン酸(674mg、2mmol)およびベンゾトリアゾール−1−イル−オキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスファート(PyBop、1040mg、2mmol)を含むTHF(5mL)の溶液に、N,N−ジイソプロピル−エチル−アミン(1.04mL、6mmol)を滴下した。10分後、S−トランスのトランス−ファルネシル−L−システイン(650mg、2mmol)をゆっくり添加した。溶液を、室温で4時間撹拌した。反応を1N HClによって停止させ、溶液をpH3.0に調整した。混合物を酢酸エチル(15mL×3)によって抽出した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣の半分を次の工程のために直接使用して粗化合物N−66を得た。MeOH(1mL)に溶解した上記で得たこの粗化合物N−66に、5N NaOH(2mL、10mmol)を添加した。反応物を室温で10分間静置した。反応を1N HClによって停止させ、溶液をpH2.0に調整した。混合物を酢酸エチル(15mL×3)によって抽出した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮した。次いで、残渣を分取HPLCによってさらに精製して(164mg、30%)、化合物N−66を得た。1H−NMR(500MHz,CDCl3):
δ 1.45(s,9H),1.62(s,6H),1.68(s,3H),1.70(s,3H),1.95−2.09(m,10H),2.46−2.54(m,2H),2.91(dd,J=5.0,15.0Hz,1H),3.04(dd,J=5.0,15.0Hz,1H),3.17−3.25(m,2H),4.56(dd,J=10.0,15.0Hz,1H),4.77−4.81(m,1H),5.12(m,2H),5.23(t,J=10.0Hz,1H),5.64(d,J=10.0Hz,1H),7.66(d,J=10.0Hz,1H),8.40(ブロード,2H). 13C−NMR(125MHz,CDCl3): δ 16.06,16.15,17.75,25.77,26.52,26.74,28.01,28.33,29.73,29.89,32.60,39.70,39.74,52.22,52.95,80.91,119.57,123.83,124.35,131.38,135.34,140.04,156.06,172.18,174.00,177.16;ES−MS:以下の化学式について計算した質量:C28H46N2O7S 554.74. 実測値(M+Na)m/z
577.4。
実施例35
((R)−2−((S)−2−アセトアミドブタンアミド)−3−((2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルチオ)プロパン酸と(R)−2−((R)−2−アセトアミドブタンアミド)−3−((2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルチオ)プロパン酸)(化合物N−46)との混合物の合成:100mL丸底フラスコ中で、N−アセチル−DL−2−アミノ−n−酪酸(174mg、1.2mmol)および4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド(DMTMM、332mg、1.2mmol)を含むCH2Cl2(5mL)の溶液に、N,N−ジイソプロピル−エチル−アミン(0.52mL、3mmol)を滴下した。10分後、S−トランスのトランス−ファルネシル−L−システイン(325mg、1mmol)をゆっくり添加した。溶液を室温で一晩撹拌した。混合物を酢酸エチル(60mL)で希釈し、0.5N HCl(15mL×1)、H2O(15mL×2)、およびブライン(15mL×2)によって洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣を分取HPLCによって精製して(290mg、64%)、化合物N−46のR−R異性体とS−R異性体との比が1:1の混合物を得た。これは、実施例5および5aの化合物Cラセミ体に類似していた。1H−NMR(500MHz,CD3OD): δ 0.86(m,3H),1.50(s,6H),1.57(s,3H),1.60(s,3H),1.72−2.03(m,13H),2.61−2.68(m,1H),2.87−2.89(m,1H),3.04(m,1H),3.12−3.21(m,1H),4.21−4.25(m,1H),4.45−4.48(m,1H),4.99−5.01(m,2H),5.13(t,J=7.5Hz,1H). 13C−NMR(125MHz,CD3OD):
δ 10.62,10.70,16.16,16.25,17.81,22.46,25.96,26.56,26.68,27.42,27.79,30.11,30.27,33.31,33.52,40.80,40.89,53.11,53.42,56.02,56.07,121.56,121.60,125.13,125.46,132.11,136.26,136.27,140.54,173.28,173.32,173.69,174.26,174.31;ES−MS:以下の化学式について計算した質量:C24H40N2O4S 452.65. 実測値(M+)m/z 453.3,(M+Na)m/z 475.2。
樹脂上へのFmoc−システイン−(S−ファルネシル)のローディングについての以下の一般的な実験手順を、下記の実施例36〜39のために使用した。2−クロロトリチルクロリド樹脂(ローディング効率=1.01mmol/g、1.0g、1.0mmol)を、窒素下で50mLペプチド合成容器(Torviq,Niles,MIのポリプロピレンシリンジ)に入れた。これに、無水CH2Cl2(20mL)を添加した。樹脂を5分間浸透し(shacked)、溶媒を除去した。個別のバイアル中で、Fmoc−Cys(StBu)−OH(1.1g、2.6mmol)および2,4,6−コリジン(290mg、2.8mmol)を無水CH2Cl2(20mL)に溶解した。この溶液を樹脂に移した。混合物を3時間ゆっくりかき混ぜた。次いで、1%2,4,6−コリジンのMeOH(20mL)溶液を添加し、混合物をさらに10分間かき混ぜた。混合物を排出し、樹脂をMeOH、CH2Cl2、およびDMFで洗浄した。ジチオトレイトール(1.1g、6.7mmol)をジイソプロピルエチルアミン/DMF溶液(4mL/20mL)に溶解し、樹脂に添加し、反応容器を一晩ゆっくりかき混ぜた。溶媒を排出し、樹脂をCH2Cl2およびDMFで洗浄した。2,4,6−コリジン(300mg、2.5mmol)を、ファルネシルブロミド(900mg、3.2mmol)を含むCH2Cl2(20mL)の溶液に添加した。この試薬溶液を樹脂に添加し、反応容器を室温で10時間ゆっくりかき混ぜた。次いで、溶媒を排出し、樹脂をDMFおよびCH2Cl2で洗浄した。
実施例36
((R)−2−((2S,3S)−3−メチル−2−(メチルスルホンアミド)ペンタンアミド)−3−((2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルチオ)プロパン酸)(化合物N−67)の合成:100mL丸底フラスコ中で、20%ピペリジンのDMF(10mL)溶液を樹脂上のファルネシルシステイン(0.5mmol)に添加し、容器を15分間かき混ぜた。樹脂をDMFおよびCH2Cl2で洗浄した。Fmoc−L−イソロイシン(354mg、1mmol)、PBOP(502mg、1mmol)、および2,4,6−コリジン(242mg、2mmol)を、DMF(5mL)に溶解した。反応混合物を5分間撹拌した。この溶液を樹脂に添加し、3時間かき混ぜた。次いで、溶媒を排出し、樹脂をDMFおよびCH2Cl2で洗浄した。20%ピペリジンのDMF(10mL)溶液を樹脂上のファルネシルシステイン(0.5mmol)に添加し、容器を15分間かき混ぜた。樹脂をDMFおよびCH2Cl2で洗浄した。メチルスルホニルクロリド(1mmol)および2,4,6−コリジン(242mg、2mmol)をDMF(5mL)に溶解した。この溶液を樹脂に添加し、3時間かき混ぜた。次いで、溶媒を排出し、樹脂をDMFおよびCH2Cl2で洗浄した。樹脂を0.5%トリフルオロ酢酸のCH2Cl2溶液で5分間2回処理した。溶液を丸底フラスコに回収し、樹脂を無水CH2Cl2で2回洗浄した。溶媒を回転蒸発によって除去した。生成物を分取HPLCによって精製して(45mg、25%)、化合物N−67を得た。1H−NMR(500MHz,CD3OD): δ 0.94(t,J=5.0Hz,3H),1.02(d,J=5.0Hz,3H),1.22(m,2H),1.62(s,3H),1.66(s,3H),1.67(s,3H),1.70(s,3H),1.77−1.82(m,1H),1.99(t,J=7Hz,2H),2.06−2.17(m,6H),2.74(dd,J=8.0,14.0Hz,1H),2.97(S,3H),3.08(dd,J=5.0,12.5Hz,1H),3.15(dd,J=7.0,13.0Hz,1H),3.30(dd,J=5.0,12.0Hz,1H),3.81(d,J=5.0Hz,1H),4.62(dd,J=5.0,10.0Hz,1H),5.10−5.16(m,2H),5.24(t,J=7.0Hz,1H). 13
C−NMR(125MHz,CD3OD): δ 11.3,16.0,16.3,25.7,26.0,27.4,27.8,39.2,40.8,40.9,41.3,52.2,62.8,121.5,125.1,125.5,132.1,136.3,140.6,173.6,174.0;ES−MS:以下の化学式について計算した質量:C25H44N2O5S2 516.8 . 実測値(M+)m/z 517。
実施例37
((R)−2−((2S,3S)−3−メチル−2−(フェニルスルホンアミド)ペンタンアミド)−3−((2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルチオ)プロパン酸)(化合物N−68)の合成:100mL丸底フラスコ中で、20%ピペリジンのDMF(10mL)溶液を樹脂上のファルネシルシステイン(0.5mmol)に添加し、容器を15分間かき混ぜた。樹脂をDMFおよびCH2Cl2で洗浄した。Fmoc−L−イソロイシン(354mg、1mmol)、PBOP(502mg、1mmol)、および2,4,6−コリジン(242mg、2mmol)を、DMF(5mL)に溶解した。反応混合物を5分間撹拌した。この溶液を樹脂に添加し、3時間かき混ぜた。次いで、溶媒を排出し、樹脂をDMFおよびCH2Cl2で洗浄した。20%ピペリジンのDMF(10mL)溶液を樹脂上のファルネシルシステイン(0.5mmol)に添加し、容器を15分間かき混ぜた。樹脂をDMFおよびCH2Cl2で洗浄した。フェニルスルホニルクロリド(1mmol)および2,4,6−コリジン(242mg、2mmol)をDMF(5mL)に溶解した。この溶液を樹脂に添加し、3時間かき混ぜた。次いで、溶媒を排出し、樹脂をDMFおよびCH2Cl2で洗浄した。樹脂を0.5%トリフルオロ酢酸のCH2Cl2溶液で5分間2回処理した。溶液を丸底フラスコに回収し、樹脂を無水CH2Cl2で2回洗浄した。溶媒を回転蒸発によって除去した。生成物を分取HPLCによって精製して(40mg、30%)、化合物N−68を得た。1H−NMR(500MHz,CD3OD): δ 0.74(t,J=7.5Hz,3H),0.80(d,J=7.0Hz,3H),1.00−1.06(m,2H),1.43−1.48(m,1H),1.50(s,3H),1.51(s,3H),1.57(s,3H),1.58(s,3H),1.87(t,J=7Hz,2H),1.97−2.07(m,6H),2.45(dd,J=7.5,13.5Hz,1H),2.62(dd,J=7.5,14.0Hz,1H),2.99(dd,J=8.0,13.0Hz,1H),3.06(dd,J=8.0,13.0Hz,1H),3.60(d,J=7.0Hz,1H),4.12(dd,J=5.5,7.5Hz,1H),4.99−5.02(m,2H),5.10(t,J=7.0Hz,1H),7.40−7.50(m,3H),7.73(d,J=8.0Hz,2H). 13C−NMR(125MHz,CD3OD): δ 11.4,15.8,16.2,16.3,17.8,25.5,26.0,27.4,27.8,30.4,33.3,39.4,40.8,40.9,53.4,62.4,121.6,125.2,125.5,128.3,130.1,132.1,133.6,136.3,140.5,142.2,173.0,173.5;ES−MS:以下の化学式について計算した質量:C30H46N2O5S2 578.8 . 実測値(M+)m/z 579.3。
実施例38
((R)−2−((2S,3S)−2−(シクロプロパンスルホンアミド)−3−メチルペンタンアミド)−3−((2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルチオ)プロパン酸)(化合物N−69)の合成:100mL丸底フラスコ中で、20%ピペリジンのDMF(10mL)溶液を樹脂上のファルネシルシステイン(0.5mmol)に添加し、容器を15分間かき混ぜた。樹脂をDMFおよびCH2Cl2で洗浄した。Fmoc−L−イソロイシン(354mg、1mmol)、PBOP(502mg、1mmol)、および2,4,6−コリジン(242mg、2mmol)を、DMF(5mL)に溶解した。反応混合物を5分間撹拌した。この溶液を樹脂に添加し、3時間かき混ぜた。次いで、溶媒を排出し、樹脂をDMFおよびCH2Cl2で洗浄した。20%ピペリジンのDMF(10mL)溶液を樹脂上のファルネシルシステイン(0.5mmol)に添加し、容器を15分間かき混ぜた。樹脂をDMFおよびCH2Cl2で洗浄した。シクロプロピルスルホニルクロリド(1mmol)および2,4,6−コリジン(242mg、2mmol)をDMF(5mL)に溶解した。この溶液を樹脂に添加し、3時間かき混ぜた。次いで、溶媒を排出し、樹脂をDMFおよびCH2Cl2で洗浄した。樹脂を0.5%トリフルオロ酢酸のCH2Cl2溶液で5分間2回処理した。溶液を丸底フラスコに回収し、樹脂を無水CH2Cl2で2回洗浄した。溶媒を回転蒸発によって除去した。生成物を分取HPLCによって精製して(40mg、26%)、化合物N−69を得た。1H−NMR(500MHz,CD3OD): δ 0.81(t,J=7.5Hz,3H),0.86(d,J=6.5Hz,3H),1.05−1.11(m,2H),1.50(bs,6H),1.42−1.52(m,4H),1.57(s,3H),1.59(s,3H),1.72−1.78(m,1H),1.89(t,J=7Hz,2H),1.94−2.04(m,6H),2.64(dd,J=8.0,13.0Hz,1H),2.87(dd,J=5.0,13.0Hz,1H),3.04(dd,J=7.5,13.0Hz,1H),3.14(dd,J=8.5,13.5Hz,1H),4.20(d,J=7.5Hz,1H),4.47(dd,J=5.0,8.5Hz,1H),4.98−5.03(m,2H),5.11(t,J=7.5Hz,1H),7.40−7.50(m,3H),7.73(d,J=8.0Hz,2H). 13C−NMR(125MHz,CD3OD): δ 11.5,15.9,16.2,16.3,17.8,22.5,25.8,26.0,27.4,27.8,30.3,33.3,38.3,40.8,40.9,53.5,59.2,121.6,125.2,125.5,132.1,136.3,140.5,173.2,173.7,173.8;ES−MS:以下の化学式について計算した質量:C27H46N2O5S2 542.8 . 実測値(M+)m/z 543.3。
実施例39
((R)−2−((2S,3S)−3−メチル−2−(モルホリン−4−カルボキサミド)ペンタンアミド)−3−((2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルチオ)プロパン酸)(化合物N−70)の合成:100mL丸底フラスコ中で、20%ピペリジンのDMF(10mL)溶液を樹脂上のファルネシルシステイン(0.5mmol)に添加し、容器を15分間かき混ぜた。樹脂をDMFおよびCH2Cl2で洗浄した。Fmoc−L−イソロイシン(354mg、1mmol)、PBOP(502mg、1mmol)、および2,4,6−コリジン(242mg、2mmol)を、DMF(5mL)に溶解した。反応混合物を5分間撹拌した。この溶液を樹脂に添加し、3時間かき混ぜた。次いで、溶媒を排出し、樹脂をDMFおよびCH2Cl2で洗浄した。20%ピペリジンのDMF(10mL)溶液を樹脂上のファルネシルシステイン(0.5mmol)に添加し、容器を15分間かき混ぜた。樹脂をDMFおよびCH2Cl2で洗浄した。4−モルホリンカルボニルクロリド(1mmol)および2,4,6−コリジン(242mg、2mmol)をDMF(5mL)に溶解した。この溶液を樹脂に添加し、3時間かき混ぜた。次いで、溶媒を排出し、樹脂をDMFおよびCH2Cl2で洗浄した。樹脂を0.5%トリフルオロ酢酸のCH2Cl2溶液で5分間2回処理した。溶液を丸底フラスコに回収し、樹脂を無水CH2Cl2で2回洗浄した。溶媒を回転蒸発によって除去した。生成物を分取HPLCによって精製して(40mg、30%)、化合物N−70を得た。1H−NMR(500MHz,CD3OD): δ 0.81(t,J=7.5Hz,3H),0.86(d,J=6.5Hz,3H),1.05−1.13(m,2H),1.50(bs,6H),1.57(s,3H),1.59(s,3H),1.72−1.78(m,1H),1.87(t,J=7Hz,2H),1.94−2.04(m,6H),2.66(dd,J=7.5,13.5Hz,1H),2.88(dd,J=5.0,14.0Hz,1H),3.05(dd,J=7.0,13.5Hz,1H),3.14(dd,J=8.0,13.0Hz,1H),3.30(t,J=5.0Hz,2H),3.55(t,J=5.0Hz,2H),4.07(d,J=8.0Hz,1H),4.47(dd,J=5.0,8.0Hz,1H),4.98−5.03(m,2H),5.12(t,J=7.5Hz,1H). 13C−NMR(125MHz,CD3OD): δ 11.4,16.0,16.2,16.3,17.8,26.0,26.1,27.4,27.8,30.4,33.6,38.2,40.8,40.9,45.5,53.5,67.6,121.6,125.2,125.5,132.1,136.3,140.5,159.6,173.8,174.9;ES−MS:以下の化学式について計算した質量:C29H49N3O5S 551.8. 実測値(M+)m/z 552.4。
実施例40
(4−((R)−1−ヒドラジニル−1−オキソ−3−((2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルチオ)プロパン−2−イルアミノ)−4−オキソブタン酸)(化合物N−24)の合成:100mL丸底フラスコ中で、S−トランスのトランス−ファルネシル−L−システインメチルエステル(430mg、1.27mmol)を含むTHF(10mL)溶液に無水コハク酸(635mg、6.34mmol)を添加した。溶液を室温で一晩撹拌した。溶媒を真空下で除去し、残渣を酢酸エチル(60mL)で溶解した。溶液を、H2O(15mL×2)およびブライン(15mL×1)によって洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮した。上記で得た残渣に、ヒドラジンを含むTHF(1Mヒドラジンを含むTHF、25mL)を添加した。反応物を室温で24時間静置し、溶媒を真空下で除去した。次いで、残渣を分取HPLCによってさらに精製して(122mg、22%)、化合物N−24を得た。1H−NMR(500MHz,DMSO−d6): δ 1.55(s,6H),1.62(s,3H),1.64(s,3H),1.91−2.06(m,8H),2.36−2.41(m,4H),2.71(dd,J=5.0,10.0Hz,1H),3.13−3.17(m,3H),4.39(dd,J=5.0,10.0Hz,1H),5.07(m,2H),5.16(t,J=10.0Hz,1H),8.18(d,J=10.0Hz,1H),9.27(s,1H). 13C−NMR(125MHz,DMSO−d6):
δ 15.75,15.79,17.55,25.50,25.85,26.14,28.63,29.17,29.89,32.68,39.90,39.99,50.93,120.15,123.64,124.10,130.65,134.54,138.40,169.30,170.86,173.96;ES−MS:以下の化学式について計算した質量:C22H37N3O4S 439.61. 実測値(M+)m/z 440.3,(M+Na)m/z 462.2。
実施例41
(N−[1−ヒドラジノカルボニル−2−(3,7,11−トリメチル−ドデカ−2,6,10−トリエニルスルファニル)−エチル]−3−メチル−スクシナミン酸)(化合物N−34)と(N−[1−ヒドラジノカルボニル−2−(3,7,11−トリメチル−ドデカ−2,6,10−トリエニルスルファニル)−エチル]−2−メチル−スクシナミン酸)(化合物N−33)との混合物の合成:100mL丸底フラスコ中で、S−トランスのトランス−ファルネシル−L−システインメチルエステル(339mg、1mmol)およびメチル無水コハク酸(171mg、1.5mmol)を、CH2Cl2(5mL)中で混合した。N,N−ジイソプロピル−エチル−アミン(0.52mL、3mmol)を反応混合物に添加した。反応溶液を、室温で一晩撹拌した。酢酸エチル(50mL)を添加し、次いで、飽和塩化アンモニウム水溶液(20mL×2)、DI水(20mL×2)、およびブライン(20mL×2)で連続的に洗浄した。酢酸エチル溶液をNa2SO4によって乾燥させ、真空下で濃縮して粗混合物を得た。粗混合物をHPLCによって精製して、2つの画分を得た。第1の画分を実施例41aに説明するように精製した。第2の画分を回収し、3−メチル(化合物N−34)位置異性体と2−メチル(化合物N−33)位置異性体との6:4混合物を得た。各位置異性体は、R−R異性体とS−R異性体との1:1の比の混合物である(150mg、33%)。1H−NMR(500MHz,MeOH−d4): δ 1.04−1.13(m,3H),1.50(s,6H),1.57(s,3H),1.59(s,3H),1.85−1.88(m,2H),1.93−2.03(m,6H),2.21−2.33(m,1H),2.48−2.63(m,2H),2.68−2.82(m,2H),3.05−3.14(m,2H),4.32−4.42(m,1H),4.98−5.02(m,1H),5.12(t,J=7.5Hz,1H). 13C−NMR(125MHz,MeOH−d4): δ 16.14,16.25,16.27,17.41,17.47,17.80,17.99,18.33,20.05,23.10,23.66,26.30,26.56,26.85,27.43,27.79,29.09,30.12,30.17,30.20,30.82,33.37,33.39,33.50,33.53,33.61,37.40,37.59,37.96,38.03,38.29,38.58,38.84,39.76,39.95,40.08,40.76,40.89,121.23,121.41,121.44,125.14,132.13,136.25,140.54,140.62,172.06,173.93,174.29,176.47,178.93,179.30;ES−MS:以下の化学式について計算した質量:C23H39N3O4S 453.3. 実測値(M+)m/z 454.3.
実施例41a
(N−[1−ヒドラジノカルボニル−2−(3,7,11−トリメチル−ドデカ−2,6,10−トリエニルスルファニル)−エチル]−3−(S)−メチル−スクシナミン酸)と(N−[1−ヒドラジノカルボニル−2−(3,7,11−トリメチル−ドデカ−2,6,10−トリエニルスルファニル)−エチル]−3−(R)−メチル−スクシナミン酸)(化合物N−34)との混合物の合成:100mL丸底フラスコ中で、S−トランスのトランス−ファルネシル−L−システインメチルエステル(339mg、1mmol)およびメチル無水コハク酸(171mg、1.5mmol)を、CH2Cl2(5mL)中で混合した。N,N−ジイソプロピル−エチル−アミン(0.52mL、3mmol)を反応混合物に添加した。反応溶液を、室温で一晩撹拌した。酢酸エチル(50mL)を添加し、次いで、飽和塩化アンモニウム水溶液(20mL×2)、DI水(20mL×2)、およびブライン(20mL×2)で連続的に洗浄した。酢酸エチル溶液をNa2SO4によって乾燥させ、真空下で濃縮して粗混合物を得た。粗混合物をHPLCによって精製して、2つの画分を得た。第2の画分を精製して、実施例41に説明した位置異性体の混合物を得た。第1の画分を単離して化合物N−34を得た(50mg、11%): 1H−NMR(500MHz,MeOH−d4): δ 1.05(d,J=7.0Hz,3H),1.09(d,J=7.0Hz,3H),1.50(s,6H),1.57(s,3H),1.59(s,3H),1.85−1.88(m,2H),1.94−2.03(m,6H),2.23−2.29(m,1H),2.50−2.64(m,2H),2.70−2.80(m,2H),3.07−3.11(m,2H),4.30−4.34(m,1H),4.98−5.02(m,1H),5.12(t,J=7.5Hz,1H). 13C−NMR(125MHz,MeOH−d4): δ 16.13,16.24,17.42,17.79,17.98,25.94,27.43,27.45,27.96,27.79,30.19,30.39,33.36,33.49,37.45,37.99,38.91,39.97,40.76,40.89,53.04,53.34,121.41,121.93,125.14,125.15,125.45,132.12,136.24,140.62,172.06,173.95,178.17;ES−MS:以下の化学式について計算した質量:C23H39N3O4S 453.3.
実測値(M+)m/z 454.3。
実施例42
(N1−((R)−1−ヒドラジニル−1−オキソ−3−((2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルチオ)プロパン−2−イル)スクシンアミド)(化合物N−38)の合成:100mL丸底フラスコ中で、スクシナミン酸(140mg、1.2mmol)、2−(7−アザ−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート(1.1mg、1.1mmol)、およびN,N−ジイソプロピル−エチル−アミン(0.52mL、3mmol)をTHF(5mL)中で混合した。反応溶液を室温で10分間撹拌した。S−トランスのトランス−ファルネシル−L−システインメチルエステル(339mg、1mmol)を反応混合物に添加した。反応溶液を、室温で一晩撹拌した。酢酸エチル(50mL)を添加し、次いで、飽和塩化アンモニウム水溶液(20mL×2)、DI水(20mL×2)、およびブライン(20mL×2)で連続的に洗浄した。酢酸エチル溶液をNa2SO4によって乾燥させ、真空下で濃縮して、粗混合物を得て、得られた粗混合物を1M NH2NH2を含むTHF(10mL、10mmol)に添加した。反応溶液を、室温で一晩撹拌した。THF溶液を真空下で濃縮して粗混合物を得た。粗混合物をHPLCによって精製して(153mg、35%)、化合物N−38を得た。1H−NMR(500MHz,MeOH−d4): δ 1.50(s,6H),1.57(s,3H),1.59(s,3H),1.85−1.88(m,2H),1.93−1.98(m,4H),1.99−2.03(m,2H),2.36−2.49(m,4H),2.71(dd,J=7.5,13.5Hz,1H),2.83(dd,J=5.5,13.5Hz,1H),3.09(d,J=8.0Hz,2H),4.37(t,J=7.5Hz,1H),5.00(m,2H),5.13(t,J=8.0Hz,1H). 13C−NMR(125MHz,MeOH−d4): δ 16.13,16.24,17.79,25.94,27.42,27.79,30.22,31.34,31.87,33.59,40.76,40.88,53.19,121.44,125.14,125.46,132.12,136.25,140.58,171.96,174.95,177.38;ES−MS:以下の化学式について計算した質量:C22H38N4O3S 438.3. 実測値(M+)m/z 439.3。
実施例43
((R)−2−(4−メトキシ−4−オキソブタンアミド)−3−((2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルチオ)プロパン酸)(化合物N−17)の合成:100mL丸底フラスコ中で、モノ−メチルスクシナート(132mg、1mmol)、2−(7−アザ−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート(1.1mg、1.1mmol)、およびN,N−ジイソプロピル−エチル−アミン(0.52mL、3mmol)をTHF(5mL)中で混合した。反応溶液を室温で10分間撹拌した。S−トランスのトランス−ファルネシル−L−システイン(325mg、1mmol)を反応混合物に添加した。反応溶液を、室温で一晩撹拌した。酢酸エチル(50mL)を添加し、次いで、飽和塩化アンモニウム水溶液(20mL×2)、DI水(20mL×2)、およびブライン(20mL×2)で連続的に洗浄した。酢酸エチル溶液をNa2SO4によって乾燥させ、真空下で濃縮して、粗化合物N−17を得た。粗化合物N−17をHPLCによって精製して(110mg、25%)、化合物N−17を得た。1H−NMR(500MHz,MeOH−d4): δ 1.50(s,6H),1.57(s,3H),1.58(s,3H),1.85−1.88(m,2H),1.91−1.96(m,4H),1.99−2.03(m,2H),2.46−2.54(m,4H),2.68(dd,J=7.5,13.5Hz,1H),2.90(dd,J=4.5,13.5Hz,1H),3.09−3.12(m,2H),3.21(s,3H),4.35(dd,J=4.5,7.0Hz,1H),4.98−5.02(m,2H),5.14(t,J=7.5Hz,1H). 13C−NMR(125MHz,MeOH−d4): δ 16.12,16.25,17.79,25.94,27.48,27.79,30.40,30.69,31.73,35.49,40.77,40.89,52.24,55.45,121.82,125.22,125.47,132.08,136.15,139.97,173.57,174.80,177.17;ES−MS:以下の化学式について計算した質量:C23H37NO5S 439.2 . 実測値(M+Na)m/z 462.2。
実施例44
((メチル 4−((R)−1−ヒドラジニル−1−オキソ−3−((2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルチオ)プロパン−2−イルアミノ)−4−オキソブタノアート))(化合物N−44)の合成:100mL丸底フラスコ中で、実施例43の粗化合物N−39(1mmol)、−(7−アザ−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート(1.1mg、1.1mmol)、およびN,N−ジイソプロピル−エチル−アミン(0.52mL、3mmol)をTHF(5mL)中で混合した。反応溶液を室温で10分間撹拌した。1Nヒドラジンを含むTHF(2mL、2mmol)を反応混合物に添加した。反応溶液を、室温で一晩撹拌した。酢酸エチル(50mL)を添加し、次いで、飽和塩化アンモニウム水溶液(20mL×2)、DI水(20mL×2)、およびブライン(20mL×2)で連続的に洗浄した。酢酸エチル溶液をNa2SO4によって乾燥させ、真空下で濃縮して粗混合物を得て、粗混合物をHPLCによって精製して(30mg、26%)、化合物N−44を得た。1H−NMR(500MHz,MeOH−d4): δ 1.50(s,6H),1.57(s,3H),1.59(s,3H),1.85−1.88(m,2H),1.93−1.98(m,4H),1.99−2.03(m,2H),2.42−2.45(m,2H),2.52−2.54(m,2H),2.54−2.59(m,1H),2.80(dd,J=6.5,13.5Hz,1H),3.09(d,J=8Hz,2H),3.57(s,3H),4.37(t,J=6.0Hz,1H),4.98−5.01(m,2H),5.12(t,J=7.5Hz,1H).
13C−NMR(125MHz,MeOH−d4): δ 16.14,16.25,17.80,25.95,27.43,27.79,30.07,30.20,31.24,33.60,40.76,40.89,52.34,53.08,121.43,125.14,125.46,132.13,136.25,140.60,172.00,174.35,174.98;ES−MS:以下の化学式について計算した質量:C23H39N3O4S 453.3. 実測値(M+Na)m/z 476.2。
実施例45
(4−ヒドラジニル−N−((R)−1−ヒドラジニル−1−オキソ−3−((2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルチオ)プロパン−2−イル)−4−オキソブタンアミド)(化合物N−25)の合成:100mL丸底フラスコ中で、S−トランスのトランス−ファルネシル−L−システインメチルエステル(339mg、1mmol)、ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスファート(PyBop、624mg、1.2mmol)、および4−メトキシ−4−オキソブタン酸(1.2mmol)を含むTHF(5mL)の溶液に、N,N−ジイソプロピル−エチル−アミン(0.52mL、3mmol)を添加した。溶液を室温で一晩撹拌した。混合物を酢酸エチル(60mL)で希釈し、0.5N HCl(10mL×1)、H2O(15mL×2)、およびブライン(10mL×1)によって洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣を、溶離液としてヘキサン/酢酸エチル(3/1)を使用したシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィによって精製した。上記の得られた生成物に、ヒドラジンを含むTHF(1Mヒドラジンを含むTHF、48mL)を添加した。反応物を室温で64時間静置し、溶媒を真空下で除去した。次いで、残渣を分取HPLCによってさらに精製して(300mg、68%)、化合物N−25を得た。1H−NMR(500MHz,CD3OD): δ 1.50(s,6H),1.57(s,3H),1.59(s,3H),1.85−2.03(m,8H),2.35−2.46(m,4H),2.60(dd,J=10.0,15.0Hz,1H),2.87(dd,J=5.0,15.0Hz,1H),3.08−3.10(m,2H),4.38(dd,J=5.0,10.0Hz,1H),4.99−5.01(m,2H),5.16(t,J=10.0Hz,1H). 13C−NMR(125MHz,CD3OD): δ 16.14,16.26,17.80,25.95,27.44,27.80,30.06,30.24,31.96,33.58,40.77,40.89,53.28,121.44,125.15,125.47,132.13,136.27,140.59,171.98,173.96,174.88;ES−MS:以下の化学式について計算した質量:C22H39N5O3S 453.64. 実測値(M+)m/z 454.3。
実施例46
((S)−3−アセトアミド−4−ヒドラジニル−N−((R)−1−ヒドラジニル−1−オキソ−3−((2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルチオ)プロパン−2−イル)−4−オキソブタンアミド)(化合物N−71)の合成:100mL丸底フラスコ中で、S−トランスのトランス−ファルネシル−L−システインメチルエステル(339mg、1mmol)、ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスファート(PyBop、624mg、1.2mmol)、およびN−アセチル−アスパラギン酸メチルエステル(1.2mmol)を含むTHF(5mL)溶液に、N,N−ジイソプロピル−エチル−アミン(0.52mL、3mmol)を添加した。溶液を室温で一晩撹拌した。混合物を酢酸エチル(60mL)で希釈し、0.5N HCl(10mL×1)、H2O(15mL×2)、およびブライン(10mL×1)によって洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣を、溶離液としてヘキサン/酢酸エチル(3/1)を使用したシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィによって精製した。上記の得られた生成物に、ヒドラジンを含むTHF(1Mヒドラジンを含むTHF、48mL)を添加した。反応物を室温で64時間静置し、溶媒を真空下で除去した。次いで、残渣を分取HPLCによってさらに精製して(330mg、65%)、化合物N−71を得た。1H−NMR(500MHz,DMSO−d6): δ 1.56(s,6H),1.62(s,3H),1.63(s,3H),1.81(s,3H),1.91−2.04(m,10H),2.38(dd,J=10.0,15.0Hz,1H),2.68−2.72(m,1H),3.12−3.14(m,2H),4.20(s,2H),4.28(s,2H),4.35−4.37(m,1H),4.51−4.52(m,1H),5.06−5.07(m,2H),5.15(t,J=10.0Hz,1H),7.95(d,J=10.0Hz,1H),8.13(d,J=10.0Hz,1H),9.10(s,1H),9.28(s,1H). 13C−NMR(125MHz,DMSO−d6):δ 15.78,17.56,22.67,25.50,25.88,26.14,28.63,32.53,37.80,48.72,50.99,120.07,123.66,124.09,130.65,134.53,138.45,168.94,168.98,169.08,170.10;ES−MS:以下の化学式について計算した質量:C24H42N6O4S 510.69. 実測値(M+)m/z 511.3。
実施例47
((2R,3S)−2−アセトアミド−N−((R)−1−ヒドラジニル−1−オキソ−3−((2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルチオ)プロパン−2−イル)−3−メチルペンタンアミド)と((2R、3R)−2−アセトアミド−N−((R)−1−ヒドラジニル−1−オキソ−3−((2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルチオ)プロパン−2−イル)−3−メチルペンタンアミド)(化合物N−72)との混合物の合成:100mL丸底フラスコ中で、S−トランスのトランス−ファルネシル−L−システインメチルエステル(339mg、1mmol)、ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスファート(PyBop、624mg、1.2mmol)、およびN−アセチル−L−イソロイシン(1.2mmol)を含むTHF(5mL)の溶液に、N,N−ジイソプロピル−エチル−アミン(0.52mL、3mmol)を添加した。溶液を室温で一晩撹拌した。混合物を酢酸エチル(60mL)で希釈し、0.5N HCl(10mL×1)、H2O(15mL×2)、およびブライン(10mL×1)によって洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣を、溶離液としてヘキサン/酢酸エチル(3/1)を使用したシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィによって精製した。上記の得られた生成物に、ヒドラジンを含むTHF(1Mヒドラジンを含むTHF、48mL)を添加した。反応物を室温で64時間静置し、溶媒を真空下で除去した。次いで、残渣を分取HPLCによってさらに精製して(245mg、50%)、化合物N−72のRSR異性体とRRR異性体との1:1の比の混合物が得られた。これは、実施例28の化合物N−62ラセミ体に類似しており、3つのキラル中心のうちの1つがラセミ体であり、他の2つがエナンチオピュアである。1H−NMR(500MHz,CD3OD): δ 0.79−0.87(m,6H),1.05−1.15(m,2H),1.50−1.59(m,13H),1.85−2.01(m,11H),2.57(m,1H),2.75−2.94(m,1H),3.07−3.10(m,2H),4.07−4.16(m,1H),4.36−4.37(m,1H),4.99−5.01(m,2H),5.12(t,J=10.0Hz,1H). 13C−NMR(125MHz,CD3OD):δ 11.54,11.95,15.27,15.95,16.15,16.25,16.30,17.80,22.32,22.46,25.95,26.01,27.27,27.44,27.46,27.80,30.12,30.19,30.90,33.38,33.66,37.97,40.78,40.89,52.91,53.03,59.29,59.67,121.39,121.41,125.13,125.14,125.46,126.15,132.12,136.27,140.56,140.64,171.70,171.73,173.64,173.72,173.88,174.39;ES−MS:以下の化学式について計算した質量:C26H46N4O3S 494.73. 実測値(M+)m/z 495.3。
実施例48
((R)−2−(3−(3−エトキシ−3−オキソプロピル)チオウレイド)−3−((2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルチオ)プロパン酸)(化合物N−73)の合成:100mL丸底フラスコ中で、エチル−3−イソチオシナトプロピオナート(159mg、1mmol)およびS−トランスのトランス−ファルネシル−L−システイン(325mg、1mmol)を含むTHF(5mL)の懸濁液に、N,N−ジイソプロピル−エチル−アミン(0.87mL、5mmol)を滴下した。溶液を室温で一晩撹拌した。混合物を酢酸エチル(60mL)で希釈し、0.5N HCl(10mL×1)、H2O(10mL×1)、およびブライン(10mL×1)によって洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣を分取HPLCによって精製して(220mg、45%)、化合物N−73を得た。1H−NMR(500MHz,CD3OD): δ 1.17(t,J=5.0Hz,3H),1.50(s,3H),1.51(s,3H),1.57(s,3H),1.59(s,3H),1.86−2.06(m,8H),2.54(t,J=5.0Hz,2H),2.77(dd,J=5.0,15.0Hz,1H),2.95−2.96(m,1H),3.05−3.06(m,1H),3.16−3.20(m,1H),3.68(ブロード,2H),4.06(q,J=5.0Hz,2 H),5.00−5.01(m,2H),5.09−5.14(m,2H). 13C−NMR(125MHz,CD3OD):δ 14.65,16.19,16.31,17.83,25.97,27.39,27.80,30.70,33.22,33.91,34.80,40.80,40.90,57.89,61.03,61.71,61.93,121.35,121.70,125.16,132.11,136.24,140.52,173.76,174.47,210.16;ES−MS:以下の化学式について計算した質量:C24H40N2O4S2 484.72. 実測値(M+)m/z 485.3,(M+Na)m/z 507.3。
実施例49
((R)−2−(3−(2−カルボキシエチル)チオウレイド)−3−((2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルチオ)プロパン酸)(化合物N−74)の合成:100mL丸底フラスコ中で、エチル−3−イソチオシナトプロピオナート(1mmol)およびS−トランスのトランス−ファルネシル−L−システイン(325mg、1mmol)を含むTHF(5mL)の懸濁液に、N,N−ジイソプロピル−エチル−アミン(0.87mL、5mmol)を滴下した。溶液を室温で一晩撹拌した。混合物を酢酸エチル(60mL)で希釈し、0.5N HCl(10mL×1)、H2O(10mL×1)、およびブライン(10mL×1)によって洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮して粗化合物N−74を得た。上記で得た粗化合物N−74をTHF(3mL)に溶解し、LiOH・H2O(126mg、3mmol)の水溶液(2mL)を0℃でゆっくり添加した。反応物を4時間静置した。次いで、溶液を酢酸エチル(60mL)で希釈し、0.5N HCl(10mL×1)、H2O(10mL×1)、およびブライン(10mL×1)によって洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮した。次いで、得られた残渣を分取HPLCによってさらに精製して(230mg、50%)、化合物N−74を得た。1H−NMR(500MHz,CD3OD): δ 1.50(s,3H),1.51(s,3H),1.57(s,3H),1.59(s,3H),1.86−2.04(m,8H),2.53(t,J=6.0Hz,2H),2.77(dd,J=6.5,14.0Hz,1H),2.94−2.95(m,1H),3.05−3.06(m,1H),3.15−3.17(m,1H),3.67(ブロード,2H),5.00−5.01(m,2H),5.09−5.14(m,2H). 13C−NMR(125MHz,CD3OD): δ 16.17,16.30,17.81,25.96,27.39,27.79,30.68,31.57,32.81,33.20,33.90,34.56,37.55,40.80,40.89,57.93,61.05,121.34,121.70,125.48,132.11,136.24,140.52,173.76,174.55,175.68;ES−MS:以下の化学式について計算した質量:C22H36N2O4S2 456.66. 実測値(M+)m/z 457.2,(M+Na)m/z 479.2。
実施例50
((R)−2−(3−(カルボキシメチル)ウレイド)−3−((2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルチオ)プロパン酸)(化合物N−15)の合成:100mL丸底フラスコ中で、エチル−イソシアナート−アセタート(1mmol)およびS−トランスのトランス−L−システイン(325mg、1mmol)を含むTHF(5mL)の懸濁液に、N,N−ジイソプロピル−エチル−アミン(0.87mL、5mmol)を滴下した。溶液を室温で一晩撹拌した。混合物を酢酸エチル(60mL)で希釈し、0.5N HCl(10mL×1)、H2O(10mL×1)、およびブライン(10mL×1)によって洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮して粗化合物N−15を得た。上記で得た粗化合物N−15をTHF(3mL)に溶解し、LiOH・H2O(126mg、3mmol)の水溶液(2mL)を0℃でゆっくり添加した。反応物を4時間静置した。次いで、溶液を酢酸エチル(60mL)で希釈し、0.5N HCl(10mL×1)、H2O(10mL×1)、およびブライン(10mL×1)によって洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮した。次いで、得られた残渣を分取HPLCによってさらに精製して(40mg、50%)、化合物N−15を得た。1H−NMR(500MHz,CD3OD): δ 1.62(bs,6H),1.68(s,3H),1.70(s,3H),1.99(t,J=7Hz,2H),2.06−2.17(m,6H),2.82(dd,J=7.0,14.0Hz,1H),2.95(dd,J=5.0,13.5Hz,1H),3.18(dd,J=7.0,13.0Hz,1H),3.28(dd,J=5.0,12.0Hz,1H),3.89(bs,2H),4.50−4.54(m,1H),5.10−5.15(m,2H),5.24(t,J=7.0Hz,1H). 13C−NMR(125MHz,CD3OD): δ 16.1,17.8,25.9,27.4,27.8,30.6,34.5,40.8,40.9,42.5,54.2,121.7,125.2,125.5,132.1,136.3,140.5,160.1,174.1,174.8;ES−MS:以下の化学式について計算した質量:C21H34N2O5S 426.6
. 実測値(M+Na)m/z 449.3。
実施例51
((R)−2−(2−メトキシ−2−オキソアセトアミド)−3−((2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルチオ)プロパン酸)(化合物N−10)の合成:100mL丸底フラスコ中で、S−トランスのトランス−ファルネシル−L−システイン(325mg、1mmol)、およびN,N−ジイソプロピル−エチル−アミン(650mg、5mmol)を、CH2Cl2(10mL)中で混合した。メチルクロロオキソアセタート(122mg、1mmol)を、反応混合物に添加した。反応溶液を、室温で一晩撹拌した。反応溶媒を回転蒸発によって除去した。残渣を酢酸エチル(100mL)に溶解し、NH4Cl飽和溶液(50mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮して粗混合物を得た。粗混合物を分取HPLCで精製して(66mg、15%)、化合物N−10を得た。1H−NMR(500MHz,CDCl3): δ 1.60(bs,6H),1.66(s,3H),1.67(s,3H),1.97(t,J=7Hz,2H),2.02−2.15(m,6H),2.95(dd,J=6.3,14.2Hz,1H),3.01(dd,J=4.7,14.2Hz,1H),3.16−3.27(m,2H),3.93(bs,3H),4.82(m,1H),5.09(m,2H),5.20(t,J=7.5Hz,1H). 13C−NMR(125MHz,CDCl3): δ 16.0,16.2,17.7,25.7,26.4,26.7,30.0,32.5,39.6,39.7,52.0,53.9,119.2,123.7,124.3,131.4,135.5,140.6,156.1,160.2,173.2;ES−MS:以下の化学式について計算した質量:C21H33NO5S 411.6 . 実測値(M+Na)m/z 434.2。
実施例52
((R)−2−(2−エトキシ−2−オキソアセトアミド)−3−((2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルチオ)プロパン酸)(化合物N−13)の合成:100mL丸底フラスコ中で、S−トランスのトランス−ファルネシル−L−システイン(325mg、1mmol)、およびN,N−ジイソプロピル−エチル−アミン(650mg、5mmol)を、CH2Cl2(10mL)中で混合した。エチルクロロオキソアセタート(122mg、1mmol)を、反応混合物に添加した。反応溶液を、室温で一晩撹拌した。反応溶媒を回転蒸発によって除去した。残渣を酢酸エチル(100mL)に溶解し、NH4Cl飽和溶液(50mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮して粗混合物を得た。粗混合物を分取HPLCで精製して(66mg、15%)、化合物N−13を得た。1H−NMR(500MHz,CDCl3): δ 1.40(t,J=7.0Hz,3H),1.60(bs,6H),1.66(s,3H),1.68(s,3H),1.97(t,J=7Hz,2H),2.02−2.15(m,6H),2.95(dd,J=6.5,14.0Hz,1H),3.02(dd,J=5.0,16.0Hz,1H),3.16−3.27(m,2H),4.37(q,J=7.0Hz,2H),4.81(m,1H),5.09(m,2H),5.19(t,J=7.5Hz,1H). 13C−NMR(125MHz,CDCl3): δ 14.0,16.0,16.2,17.7,25.7,26.4,26.7,30.0,32.5,39.6,39.7,52.2,63.6,119.3,123.7,124.3,131.3,135.5,140.5,156.5,160.0,174.1;ES−MS:以下の化学式について計算した質量:C22H35NO5S 425.2 . 実測値(M+Na)m/z 448.2。
実施例53
((R)−2−(カルボキシホルムアミド)−3−((2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルチオ)プロパン酸)(化合物N−19)の合成:100mL丸底フラスコ中で、S−トランスのトランス−ファルネシル−L−システイン(325mg、1mmol)、およびN,N−ジイソプロピル−エチル−アミン(650mg、5mmol)を、CH2Cl2(10mL)中で混合した。エチルクロロオキソアセタート(122mg、1mmol)を、反応混合物に添加した。反応溶液を、室温で一晩撹拌した。反応溶媒を回転蒸発によって除去した。残渣を酢酸エチル(100mL)に溶解し、NH4Cl飽和溶液(50mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮して粗混合物を得た。粗反応混合物およびLiOH(126mg、3mmol)を、THF(3mL)および水(3mL)中で混合した。反応溶液を、室温で4時間撹拌した。酢酸エチル(50mL)を添加し、次いで、1N HCl(20mL×2)およびブライン(20mL×2)で連続的に洗浄した。酢酸エチル溶液をNa2SO4によって乾燥させ、真空下で濃縮して粗混合物を得た。粗混合物をHPLCによって精製して(60mg、16%)、化合物N−19を得た。1H−NMR(500MHz,CD3OD): δ 1.60(bs,6H),1.68(s,3H),1.73(s,3H),1.99(t,J=7Hz,2H),2.02−2.15(m,6H),2.88(dd,J=8.5,14.0Hz,1H),3.08(dd,J=4.0,14.0Hz,1H),3.15(dd,J=5.5,13.5Hz,1H),3.28(dd,J=5.5,13.0Hz,1H),4.64(dd,J=4.0,7.5Hz,1H),5.09−5.13(m,2H),5.19(t,J=7.5Hz,1H). 13C−NMR(125MHz,CD3OD): δ 16.1,16.2,26.0,27.4,27.8,30.2,33.0,40.8,40.9,53.7,121.5,125.1,125.5,132.1,136.3,140.7,160.3,162.4,173.0;ES−MS:以下の化学式について計算した質量:C20H31NO5S 397.5. 実測値(M+Na)m/z 420.2。
実施例54
(1−[1−カルボキシ−2−(3,7,11−トリメチル−ドデカ−2,6,10−トリエニルスルファニル)−エチルカルバモイル]−シクロプロパンカルボン酸メチルエステル)(化合物N−52)の合成:100mL丸底フラスコ中で、1,1−シクロプロパンジカルボン酸モノメチルエステル(158mg、1.1mmol)、2−(7−アザ−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート(1.1mg、1.1mmol)、およびN,N−ジイソプロピル−エチル−アミン(0.52mL、3mmol)をTHF(5mL)中で混合した。反応溶液を室温で10分間撹拌した。S−トランスのトランス−ファルネシル−L−システイン(325mg、1mmol)を反応混合物に添加した。反応溶液を、室温で一晩撹拌した。酢酸エチル(50mL)を添加し、次いで、飽和塩化アンモニウム水溶液(20mL×2)、DI水(20mL×2)、およびブライン(20mL×2)で連続的に洗浄した。酢酸エチル溶液をNa2SO4によって乾燥させ、真空下で濃縮して粗化合物N−52を得た。粗化合物N−52をHPLCによって精製して(120mg、27%)、化合物N−52を得た。1H−NMR(500MHz,MeOH−d4): δ 1.45−1.48(m,4H),1.50(s,6H),1.57(s,3H),1.58(s,3H),1.85−1.89(m,2H),1.93−1.98(m,4H),2.01−2.05(m,2H),2.78−2.91(m,2H),3.06−3.15(m,2H),3.62(s,3H),4.56(t,J=5.0Hz,1H),4.97−5.02(m,2H),5.12(t,J=7.5Hz,1H). 13C−NMR(125MHz,MeOH−d4): δ 9.2,16.14,16.20,17.80,20.05,25.95,27.31,27.37,27.78,30.61,33.62,40.74,40.88,52.96,53.97,121.61,125.11,125.45,132.11,136.28,140.59,170.81,173.75,174.39;ES−MS:以下の化学式について計算した質量:C24H37NO5S 451.2 . 実測値(M+Na)m/z 474.2。
実施例55
(1−[1−カルボキシ−2−(3,7,11−トリメチル−ドデカ−2,6,10−トリエニルスルファニル)−エチルカルバモイル]−シクロプロパンカルボン酸)(化合物N−45)の合成: 100mL丸底フラスコ中で、実施例54の粗化合物N−52(1mmol)およびLiOH(126mg、3mmol)をTHF(3mL)および水(3mL)中で混合した。反応溶液を、室温で4時間撹拌した。酢酸エチル(50mL)を添加し、次いで、1N HCl(20mL×2)およびブライン(20mL×2)で連続的に洗浄した。酢酸エチル溶液をNa2SO4によって乾燥させ、真空下で濃縮して粗混合物を得た。粗混合物をHPLCによって精製して(200mg、46%)、化合物N−45を得た。1H−NMR(500MHz,MeOH−d4): δ 1.47(m,4H),1.50(s,6H),1.57(s,6H),1.85−1.89(m,2H),1.91−2.06(m,6H),2.78−2.90(m,2H),3.08−3.16(m,2H),3.25(s,1H),4.57(t,J=5.5Hz,1H),4.97−5.02(m,2H),5.12(t,J=7.5Hz,1H). 13C−NMR(125MHz,MeOH−d4): δ 9.2,16.16,16.21,17.81,20.40,25.96,26.59,27.38,27.78,30.66,33.58,40.75,40.88,53.94,121.63,125.12,125.46,132.11,136.28,140.60,171.59,173.70,175.97;ES−MS:以下の化学式について計算した質量:C23H35NO5S 437.2 . 実測値(M+Na)m/z 460.2。
実施例56
(2−[(1−ヒドラジノカルボニル−シクロプロパンカルボニル)−アミノ]−3−(3,7,11−トリメチル−ドデカ−2,6,10−トリエニルスルファニル)−プロピオン酸)(化合物N−75)の合成:100mL丸底フラスコ中で、実施例54の粗化合物N−52(1mmol)を、1M NH2NH2を含むTHF(10mL、10mmol)に添加した。反応溶液を、室温で一晩撹拌した。THF溶液を真空下で濃縮して粗混合物を得た。粗混合物をHPLCによって精製して(65mg、52%)、化合物N−75を得た。1H−NMR(500MHz,MeOH−d4): δ 1.17−1.27(m,4H),1.50(s,6H),1.57(s,3H),1.58(s,3H),1.85−1.88(m,2H),1.91−2.03(m,6H),2.70(dd,J=9.0,13.5Hz,1H),3.00(dd,J=3.5,13.5Hz,1H),3.06−3.15(m,2H),3.21(s,1H),4.32(dd,J=3.5,8.5Hz,1H),4.97−5.02(m,2H),5.14(t,J=7.5Hz,1H). 13C−NMR(125MHz,MeOH−d4): δ 9.2,14.87,15.72,16.15,16.28,17.82,25.97,27.49,27.80,30.16,30.53,34.90,40.77,40.89,56.22,121.67,125.21,125.47,132.09,136.17,140.11,171.68,172.35,177.58;ES−MS:以下の化学式について計算した質量:C24H37N3O4S 451.2. 実測値(M+Na)m/z 474.2。
実施例57
(2−(3−ヒドラジノカルボニル−プロピオニルアミノ)−3−(3,7,11−トリメチル−ドデカ−2,6,10−トリエニルスルファニル)−プロピオン酸)(化合物N−76)の合成:100mL丸底フラスコ中で、実施例43の粗化合物N−39(1mmol)を1M NH2NH2を含むTHF(10mL、10mmol)に添加した。反応溶液を、室温で一晩撹拌した。THF溶液を真空下で濃縮して粗混合物を得た。粗混合物をHPLCによって精製して(60mg、56%)、化合物N−76を得た。1H−NMR(500MHz,MeOH−d4): δ 1.50(s,6H),1.57(s,3H),1.58(s,3H),1.85−1.88(m,2H),1.91−1.96(m,4H),1.99−2.03(m,2H),2.35(t,J=7.5Hz,2H),2.47(t,J=7.5Hz,2H),2.68(dd,J=7.5,13.5Hz,1H),2.91(dd,J=4.0,13.5Hz,1H),3.09−3.12(m,2H),4.33(dd,J=4.5,7.5Hz,1H),4.97−5.00(m,2H),5.14(t,J=7.5Hz,1H). 13C−NMR(125MHz,MeOH−d4): δ 16.11,16.26,17.79,25.94,27.50,27.79,30.69,30.74,32.60,35.63,40.78,40.89,55.60,121.80,125.22,125.47,132.08,136.14,139.98,173.73,174.17,177.47;ES−MS:以下の化学式について計算した質量:C22H37N3O4S 439.3. 実測値(M+Na)m/z 462.2。
実施例58
(4−((R)−1−カルボキシ−2−((2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルチオ)エチルアミノ)−3−メチル−4−オキソブタン酸)(化合物N−22)と(4−((R)−1−カルボキシ−2−((2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルチオ)エチルアミノ)−2−メチル−4−オキソブタン酸)(化合物N−21)との混合物の合成: 100mL丸底フラスコ中で、S−トランスのトランス−ファルネシル−L−システイン(325mg、1mmol)およびN−メチル−コハク酸無水物(1mmol)を含むCH2Cl2(10mL)の溶液に、N,N−ジイソプロピル−エチル−アミン(0.87mL、5mmol)を添加した。溶液を、室温で2時間撹拌した。反応を1N HCl(10mL)によって停止させ、pH約2.0〜3.0に調整した。混合物を酢酸エチル(15mL×3)で抽出した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣を分取HPLCによってさらに精製して、位置異性体化合物(N−22(3−メチル異性体)およびN−21(2−メチル異性体))の6:4混合物を得た。これは、各位置異性体がR−R異性体とS−R異性体との1:1の比の混合物であり、実施例41の化合物N−34およびN−33の位置異性体混合物に類似している(296mg、収率67%)。1H−NMR(500MHz,CDCl3): δ 1.14−1.24(m,3H),1.53(s,6H),1.59(s,3H),1.61(s,3H),1.88−2.03(m,8H),2.29−2.66(m,2H),2.72−3.01(m,3H),3.07−3.16(m,2H),4.59(dd,J=5.0,10.0Hz,0.5H),4.69(dd,J=5.0,10.0Hz,0.5H),5.01(m,2H),5.13(dd,J=5.0,15.0Hz,1H),6.52(m,0.5H),6.70(m,0.5H),8.80(ブロード,2H). 13C−NMR(125MHz,CDCl3): δ 15.00,15.12,15.56,15.82,15.98,16.51,16.69,16.84,24.71,25.36,25.39,25.50,25.67,28.74,28.79,31.42,31.47,31.53,31.72,35.04,35.48,35.61,36.59,36.98,37.64,38.40,38.60,38.67,50.50,50.65,50.95,51.02,117.90,118.26,118.29,122.64,122.67,122.71,123.27,130.30,130.35,134.34,134.38,139.26,139.27,139.29,139.33,170.86,171.02,174.01,174.84,174.96,175.23,175.40,175.76,177.16,179.36,180.65;ES−MS:以下の化学式について計算した質量:C23H37NO5S 439.61. 実測値(M+)m/z 440.3,(M+Na)m/z 462.3。
実施例58a
((S)−4−((R)−1−カルボキシ−2−((2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルチオ)エチルアミノ)−3−メチル−4−オキソブタン酸)と((R)−4−((R)−1−カルボキシ−2−((2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルチオ)エチルアミノ)−3−メチル−4−オキソブタン酸)(化合物N−22)との混合物の合成: 100mL丸底フラスコ中で、S−トランスのトランス−ファルネシル−L−システイン(325mg、1mmol)およびN−メチル−コハク酸無水物(1mmol)を含むCH2Cl2(10mL)の溶液に、N,N−ジイソプロピル−エチル−アミン(0.87mL、5mmol)を添加した。溶液を、室温で2時間撹拌した。反応を1N HCl(10mL)によって停止させ、pH約2.0〜3.0に調整した。混合物を酢酸エチル(15mL×3)で抽出した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣を分取HPLCによってさらに精製して、実施例58の化合物N−22および化合物N−21の6:4位置異性体混合物を得た。この混合物を分取HPLCによってさらに精製して、化合物N−22のR−R異性体とS−R異性体との1:1の比の混合物を得た。これは、実施例5および5aの化合物Cラセミ体に類似している(135mg、31%)。1H−NMR(500MHz,CD3OD): δ 1.10−1.12(m,3H),1.50(s,6H),1.57(s,3H),1.60(s,3H),1.86−2.06(m,8H),2.22−2.28(m,1H),2.55−2.63(m,2H),2.76−2.81(m,1H),2.87−2.92(m,1H),3.02−3.06(m,1H),3.13−3.17(m,1H),4.45−4.50(m,1H),4.98−5.03(m,2H),5.13(t,J=7.5Hz,1H). 13C−NMR(125MHz,CD3OD): δ 16.15,16.24,17.22,17.80,18.41,25.96,27.40,27.79,30.10,33.56,33.65,37.33,37.93,38.57,40.02,40.79,40.89,53.11,53.28,121.60,125.14,125.46,132.12,136.27,140.48,140.50,173.98,174.59,178.25,179.26;ES−MS:以下の化学式について計算した質量:C23H37NO5S 439.61. 実測値(M+)m/z 440.3,(M+Na)m/z 462.2。
実施例59
((R)−2−(4−アミノ−4−オキソブタンアミド)−3−((2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルチオ)プロパン酸)(化合物N−26)の合成:100mL丸底フラスコ中で、S−トランスのトランス−ファルネシル−L−システインメチルエステル(339mg、1mmol)、4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド(DMTMM、332mg、1.2mmol)および4−アミノ−4−オキソブタン酸(140mg、1.2mmol)を含むCH2Cl2(5mL)の溶液に、N,N−ジイソプロピル−エチル−アミン(0.52mL、3mmol)を添加した。溶液を室温で一晩撹拌した。混合物を酢酸エチル(60mL)で希釈し、NH4Cl飽和溶液(10mL×1)、H2O(10mL×1)、およびブライン(10mL×1)で連続的に洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮した。得られた残渣をMeOH(3mL)に溶解し、室温で5N NaOH(3mL)を添加した。反応物を室温で10分間静置し、溶液をpH3.0に調整した。混合物を酢酸エチル(50mL×1)によって抽出した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、溶媒を真空下で除去した。次いで、残渣を分取HPLCによってさらに精製して(237mg、56%)、化合物N−26を得た。1H−NMR(500MHz,CD3OD): δ 1.50(s,3H),1.51(s,3H),1.57(s,3H),1.60(s,3H),1.86−2.04(m,8H),2.40−2.48(m,4H),2.63(dd,J=5.0,10.0Hz,1H),2.89(dd,J=5.0,15.0Hz,1H),3.02−3.06(m,1H),3.14−3.21(m,1H),4.48(dd,J=5.0,10.0Hz,1H),4.98−5.01(m,2H),5.13(t,J=10.0Hz,1H). 13C−NMR(125MHz,CD3OD): δ 16.15,16.24,17.81,25.96,27.41,27.80,30.19,31.67,31.97,33.48,40.80,40.89,53.43,121.61,125.15,125.47,132.12,136.28,140.52,174.10,174.70,177.43;ES−MS:以下の化学式について計算した質量:C22H36N2O4S 424.60. 実測値(M+)m/z 425.3。
実施例60
(4−((R)−1−カルボキシ−2−((2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルチオ)エチルアミノ)−3,3−ジメチル−4−オキソブタン酸)(化合物N−27)と(4−((R)−1−カルボキシ−2−((2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルチオ)エチルアミノ)−2,2−ジメチル−4−オキソブタン酸)(化合物N−28)との混合物の合成:100mL丸底フラスコ中で、S−トランスのトランス−ファルネシル−L−システイン(325mg、1mmol)および2,2−ジメチル無水コハク酸(1mmol)を含むCH2Cl2(10mL)の溶液に、N,N−ジイソプロピル−エチル−アミン(0.87mL、5mmol)を添加した。溶液を、室温で2時間撹拌した。次いで、反応を1N HCl(10mL)によって停止させ、pH2.0〜3.0に調整した。混合物を酢酸エチル(15mL×3)によって抽出した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣を分取HPLCによってさらに精製して、位置異性体化合物である化合物N−27と化合物N−28との混合物を得た。これは、N−28とN−27との比が7:3である(386mg、収率85%)。1H−NMR(500MHz,CD3OD): δ 1.16−1.23(m,6H),1.50(s,6H),1.57(s,3H),1.60(s,3H),1.86−2.06(m,8H),2.46−2.49(m,2H),2.61(m,1H),2.86(m,1H),3.05−3.06(m,1H),3.13−3.15(m,1H),4.44−4.47(m,1H),4.99−5.01(m,2H),5.13(t,J=10.0Hz,1H). 13C−NMR(125MHz,CD3OD): δ 16.16,16.26,17.81,25.80,25.83,25.89,25.96,27.41,27.80,30.15,30.72,33.29,33.45,40.80,40.90,41.67,41.89,44.91,46.19,53.19,53.34,121.59,121.61,125.15,125.47,132.12,136.27,140.48,140.53,173.41,174.92,179.71,181.16;ES−MS:以下の化学式について計算した質量:C24H39NO5S 453.64. 実測値(M+)m/z 454.3,(M+Na)m/z 476.2。
実施例61
((2S、3S)−4−((R)−1−カルボキシ−2−((2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルチオ)エチルアミノ)−2,3−ジメチル−4−オキソブタン酸)(化合物N−30a)、((2S、3R)−4−((R)−1−カルボキシ−2−((2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルチオ)エチルアミノ)−2,3−ジメチル−4−オキソブタン酸)(化合物N−30b)、((2R、3R)−4−((R)−1−カルボキシ−2−((2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルチオ)エチルアミノ)−2,3−ジメチル−4−オキソブタン酸)(化合物N−30c)、および((2R、3S)−4−((R)−1−カルボキシ−2−((2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルチオ)エチルアミノ)−2,3−ジメチル−4−オキソブタン酸)(化合物N−30d)との混合物の合成:100mL丸底フラスコ中で、S−トランスのトランス−ファルネシル−L−システイン(325mg、1mmol)および2,3−ジメチル無水コハク酸(1mmol)を含むCH2Cl2(10mL)の溶液に、N,N−ジイソプロピル−エチル−アミン(0.87mL、5mmol)を添加した。溶液を、室温で2時間撹拌した。次いで、反応を1N HCl(10mL)によって停止させ、pH2.0〜3.0に調整した。混合物を酢酸エチル(15mL×3)によって抽出した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣を分取HPLCによってさらに精製して、化合物N−30a、化合物N−30b、化合物N−30c、および化合物N−30dとの混合物を得た。これは、、N−30a:N−30b:N−30c:N−30dの比が1:1:1:1である(259mg、57%)。1H−NMR(500MHz,CD3OD): δ 1.05−1.10(m,6H),1.50(s,3H),1.51(s,3H),1.57(s,3H),1.60(s,3H),1.86−2.06(m,8H),2.49−2.65(m,3H),2.84−2.88(m,1H),3.06(m,1H),3.13−3.15(m,1H),4.43−4.48(m,1H),4.99−5.02(m,2H),5.11−5.14(m,1H).
13C−NMR(125MHz,CD3OD): δ 14.26,14.36,14.66,14.92,16.15,16.25,16.27,16.76,17.02,17.21,17.81,25.96,27.41,27.44,27.80,30.02,30.09,30.16,30.72,33.34,33.65,40.80,40.89,43.22,43.33,43.58,43.65,44.52,44.72,45.07,53.06,53.10,53.30,121.58,121.61,121.63,125.14,125.18,125.47,132.12,136.25,140.48,173.88,174.10,177.61,178.13,178.21,179.02,179.07,179.12;ES−MS:以下の化学式について計算した質量:C24H39NO5S 453.64. 実測値(M+)m/z 454.2,(M+Na)m/z 476.2.
実施例62
((S)−4−((R)−1−カルボキシ−2−((2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルチオ)エチルアミノ)−3−メチル−4−オキソブタン酸と(R)−4−((R)−1−カルボキシ−2−((2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルチオ)エチルアミノ)−3−メチル−4−オキソブタン酸)(化合物N−21)との混合物の合成:100mL丸底フラスコ中で、S−トランスのトランス−ファルネシル−L−システインメチルエステル(339mg、1mmol)、4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド(DMTMM、332mg、1.2mmol)、および(R)−4−メトキシ−2−メチル−4−オキソブタン酸(175mg、1.2mmol)を含むCH2Cl2(5mL)の溶液に、N,N−ジイソプロピル−エチル−アミン(0.52mL、3mmol)を添加した。溶液を、室温で4時間撹拌した。混合物を酢酸エチル(60mL)で希釈し、NH4Cl飽和溶液(10mL×1)、H2O(10mL×1)、およびブライン(10mL×1)で連続的に洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣を、溶離液としてヘキサン/酢酸エチル(3/1)を使用したシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィによって精製した。上記で得た生成物をTHF(4mL)に溶解し、LiOH・H2O(203mg、4.83mmol)の水溶液(2mL)を0℃でゆっくり添加した。反応物を0℃から室温で一晩静置した。次いで、溶液を酢酸エチル(60mL)で希釈し、0.5N HCl(10mL×1)、H2O(10mL×1)、およびブライン(15mL×1)で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮した。次いで、残渣を分取HPLCによってさらに精製して、化合物N−21のR−R異性体とS−R異性体との1:1の比の混合物を得た。これは、実施例5および5aの化合物Cラセミ体に類似していた(150mg、34%)。1H−NMR(500MHz,CD3OD): δ 1.08−1.12(m,3H),1.53(s,6H),1.57(s,3H),1.60(s,3H),1.86−2.05(m,8H),2.23−2.28(m,1H),2.55−2.63(m,2H),2.77−2.78(m,1H),2.85−2.86(m,1H),3.05−3.06(m,1H),3.14−3.18(m,1H),4.44−4.47(m,1H),4.99−5.01(m,2H),5.13(t,J=10.0Hz,1H). 13C−NMR(125MHz,CD3OD): δ 16.14,16.24,17.22,17.80,18.09,25.95,27.40,27.42,27.79,30.14,33.34,37.40,37.83,38.72,39.95,40.79,40.89,53.35,53.43,121.60,122.62,125.15,125.16,125.46,132.11,136.25,140.48,140.51,174.04,174.08,175.52,178.29,179.26;ES−MS:以下の化学式について計算した質量:C23H37NO5S 439.61. 実測値(M+)m/z 440.3,(M+Na)m/z 462.2。
実施例63
立体異性体((1S,2R)−2−((R)−1−カルボキシ−2−((2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルチオ)エチルカルバモイル)シクロヘキサンカルボン酸)(化合物N−51a)と((1R,2S)−2−((R)−1−カルボキシ−2−((2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルチオ)エチルカルバモイル)シクロヘキサンカルボン酸)(化合物N−51b)との混合物の合成:100mL丸底フラスコ中で、S−トランスのトランス−ファルネシル−L−システイン(325mg、1mmol)およびヘキサ−ヒドロ−フタル酸無水物(1mmol)を含むCH2Cl2(10mL)の溶液に、N,N−ジイソプロピル−エチル−アミン(0.87mL、5mmol)を添加した。溶液を、室温で2時間撹拌した。次いで、反応を1N HCl(10mL)によって停止させ、pH2.0〜3.0に調整した。混合物を酢酸エチル(15mL×3)によって抽出した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣を分取HPLCによってさらに精製して、化合物N−51aおよび化合物N−51bの7:3混合物を得た(352mg、73%)。1H−NMR(500MHz,CDCl3): δ 1.18−1.48(m,4H),1.53(s,6H),1.59(s,3H),1.61(s,3H),1.71−1.88(m,4H),1.88−2.00(m,8H),2.79−2.89(m,3H),3.01−3.18(m,3H),4.51−4.77(m,1H),5.01−5.03(m,2H),5.13(m,1H),6.39(m,0.5H),6.52(d,J=5.0Hz,0.5H). 13C−NMR(125MHz,CDCl3): δ 15.00,15.11,15.18,16.68,20.77,20.78,21.32,22.53,22.94,23.90,24.71,25.38,25.52,25.67,25.69,27.06,27.72,27.94,28.20,28.58,28.65,28.68,28.72,31.45,31.64,38.60,38.65,38.67,38.70,38.80,40.83,41.09,41.27,42.11,43.21,49.61,50.42,50.63,52.79,118.05,118.24,118.29,122.67,122.70,122.77,123.26,123.30,130.28,130.33,134.27,134.34,134.37,139.11,139.27,139.44,171.39,173.68,173.85,178.08,178.12,178.69;ES−MS:以下の化学式について計算した質量:C26H41NO5S 479.67. 実測値(M+)m/z 480.4,(M+Na)m/z 502.3.
実施例64
((R)−2−アクリルアミド−3−((2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルチオ)プロパン酸)(化合物N−42)の合成:100mL丸底フラスコ中で、3−クロロ−プロピオン酸(1.0mmol)、カップリング試薬(520mgのPBOPまたは380mgのHATU、1mmol)、およびN,N−ジイソプロピル−エチル−アミン(650mg、5mmol)を、CH2Cl2(10mL)中で混合した。反応混合物を室温で30分間撹拌した。S−トランスのトランス−ファルネシル−L−システイン(325mg、1mmol)を、反応混合物に添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。CH2Cl2を回転蒸発によって除去した。得られた残渣を酢酸エチル(50mL)に溶解した。有機溶液をNH4Cl飽和溶液(50mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮して粗混合物を得た。粗混合物を分取HPLCで精製して(120mg、32%)、化合物N−42を得た。1H−NMR(500MHz,CD3OD): δ 1.50(s,6H),1.57(s,3H),1.64(s,3H),1.85−1.88(m,2H),1.95−2.06(m,6H),2.67(dd,J=9.0,14.0Hz,1H),2.93(dd,J=4.5,14.0Hz,1H),3.06(dd,J=7.0,13.0Hz,1H),3.20(dd,J=9.0,14.0Hz,1H),4.58(dd,J=4.5,8.5Hz,1H),4.98−5.03(m,2H),5.13(t,J=7.5Hz,1H),5.61(d,J=10.0Hz,1H),6.17(d,J=17.0Hz,1H),6.28(dd,J=10.0,17.0Hz,1H). 13C−NMR(125MHz,CD3OD): δ 16.16,16.25,17.81,25.96,27.39,27.79,30.16,33.36,40.79,40.89,53.50,121.60,125.14,125.47,127.47,131.65,132.10,136.27,140.55,168.00,173.81;ES−MS:以下の化学式について計算した質量:C21H33NO3S 379.56. 実測値(M+Na)m/z 402.2。
実施例65
((R)−2−((S)−2−アセトアミド−4−ウレイドブタンアミド)−3−((2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルチオ)プロパン酸と(R)−2−((R)−2−アセトアミド−4−ウレイドブタンアミド)−3−((2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルチオ)プロパン酸)(化合物N−77)との混合物の合成:100mL丸底フラスコ中で、Fmoc−(D,L)−シトルリン−OH(1mmol)を、HATU(380mg、1mmol)およびN,N−ジイソプロピル−エチル−アミン(650mg、5mmol)を含むDMF(10mL)と混合した。周囲温度で30分間の撹拌後、S−トランスのトランス−ファルネシル−L−システインメチルエステル(340mg、1mmol)を添加し、反応混合物を16時間さらに撹拌した。ピペリジン(10mL)の添加によって反応を停止させ、2時間撹拌した。次いで、水(10mL)を添加して混合物から所望の生成物を粉砕し、その後に濾過した。分離された生成物である(2S)−2−[4−(カルバモイルアミノ)−2−アミノブタンアミド]−3−{[(2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエン−1−イル]スルファニル}プロパン酸(468mg、1mmol)を無水酢酸(3mL、過剰量)に溶解し、反応物を室温で2時間撹拌した。次いで、過剰な無水酢酸をロータリーエバポレーターで除去し、得られた生成物をTHF(5mL)に再懸濁し、LiOH(飽和水溶液、0.25mL)を添加し、得られた混合物を4時間撹拌した。混合物をHPLCによって精製して、化合物N−77のR−R異性体とS−R異性体の1:1ラセミ混合物を得た。これは実施例5および5aの化合物Cラセミ体に類似していた(209mg、収率41%)。1H−NMR(500MHz,MeOH−d4): δ 1.24−1.61(m,9H),1.63(br s,2H),1.89(s,3H),1.93(s,3H),1.91−2.05(m,2H),2.52−2.55(m,1H),2.81−2.83(m,1H),2.98−3.19(m,8H),4.32(t,J=4.5Hz,1H),4.46(t,J=6.5Hz,1H),5.11(br s,2H),5.23(br s,1H). 13C−NMR(125MHz,MeOH−d4): δ 16.1,16.2,23.2,26.0,27.4,27.8,30.2,30.3,33.8,40.2,40.3,48.5,54.4,54.5,121.7,125.1,125.5,132.1,136.3,140.5,162.4,173.3,174.5;ES−MS:以下の化学式について計算した質量:C26H44N4O5S 524.7. 実測値(M+)m/z 525.3。
実施例66
((S)−4−((R)−1−カルボキシ−2−((2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルチオ)エチルアミノ)−2−(3−エチルウレイド)−4−オキソブタン酸と(R)−4−((R)−1−カルボキシ−2−((2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルチオ)エチルアミノ)−2−(3−エチルウレイド)−4−オキソブタン酸)(化合物N−78)との混合物の合成:100mL丸底フラスコ中で、Fmoc−(D,L)−アスパラギン酸α−メチルエステル](1mmol)を、HATU(380mg、1mmol)およびN,N−ジイソプロピル−エチル−アミン(650mg、5mmol)を含むDMF(10mL)と混合した。周囲温度で30分間の撹拌後、S−トランスのトランス−ファルネシル−L−システインメチルエステル(340mg、1mmol)を添加し、反応混合物を16時間さらに撹拌した。ピペリジン(10mL)の添加によって反応を停止させ、2時間撹拌した。次いで、水(10mL)を添加して混合物から所望の生成物を粉砕し、その後に濾過した。分離された生成物である3−{[(1R)−1−カルボキシ−2−{[(2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエン−1−イル]スルファニル}エチル]カルバモイル}−2−アミノプロパン酸(440mg、1mmol)をエチルイソシアナート(3mL、過剰量)に溶解し、反応物を室温で2時間撹拌した。次いで、反応混合物をロータリーエバポレーターで濃縮し、得られた生成物をTHF(5mL)に再懸濁し、LiOH(飽和水溶液、0.25mL)を添加し、得られた混合物を4時間撹拌した。混合物をHPLCによって精製して(167mg、収率32%)、化合物N−78のR−R異性体とS−R異性体の1:1ラセミ混合物を得た。これは、実施例5および5aの化合物Cラセミ体に類似していた。1H−NMR(500MHz,MeOH−d4): δ 0.94(t,J=7.5Hz,3H),1.61(s,6H),1.63(s,6H),2.55−2.81(m,4H),2.83−2.86(m,1H),3.04(q,J=7.5Hz,2H),3.14−3.20(m,2H),4.46−4.49(m,2H),5.11(m,2H),5.23(t,J=7.5,1H).
13C−NMR(125MHz,MeOH−d4): δ 16.1,16.2,18.3,26.2,27.4,27.8,30.5,34.4,34.5,35.8,38.9,40.8,40.9,54.0,55.3,121.5,125.1,125.5,132.1,136.3,140.5,160.4,172.4,174.3,175.6;ES−MS:以下の化学式について計算した質量:C25H41N3O6S 511.7. 実測値(M+)m/z 512.3。
実施例67
((R)−2−アセトアミド−4−((R)−1−カルボキシ−2−((2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルチオ)エチルアミノ)−4−オキソブタン酸および(S)−2−アセトアミド−4−((R)−1−カルボキシ−2−((2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルチオ)エチルアミノ)−4−オキソブタン酸)(化合物N−32)の合成:100mL丸底フラスコ中で、Fmoc−(D,L)−アスパラギン酸α−メチルエステル(1mmol)を、HATU(380mg、1mmol)およびN,N−ジイソプロピル−エチル−アミン(650mg、5mmol)を含むDMF(10mL)と混合した。周囲温度で30分間の撹拌後、S−トランスのトランス−ファルネシル−L−システインメチルエステル(340mg、1mmol)を添加し、反応混合物を16時間さらに撹拌した。ピペリジン(10mL)の添加によって反応を停止させ、2時間撹拌した。次いで、水(10mL)を添加して混合物から所望の生成物を粉砕し、その後に濾過した。分離された生成物である3−{[(1R)−1−カルボキシ−2−{[(2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエン−1−イル]スルファニル}エチル]カルバモイル}−2−アミノプロパン酸(440mg、1mmol)を無水酢酸(3mL、過剰量)に溶解し、反応物を室温で2時間撹拌した。次いで、過剰な無水酢酸をロータリーエバポレーターで除去し、得られた生成物をTHF(5mL)に再懸濁し、LiOH(飽和水溶液、0.25mL)を添加し、得られた混合物を4時間撹拌した。混合物をHPLCによって精製して(322mg、収率67%)、化合物N−32のR−R異性体とS−R異性体の1:1ラセミ混合物を得た。これは、実施例5および5aの化合物Cラセミ体に類似していた。1H−NMR(500MHz,MeOH−d4): δ 1.29−1.68(m,12H),1.73(s,3H),1.89−1.93(m,4H),2.52−2.55(m,4H),2.81−2.83(m,1H),2.98−3.19(m,2H),4.32(s,1H),4.46(s,1H),5.11(br s,2H),5.23(br s,1H). 13C−NMR(125MHz,MeOH−d4):δ 16.1,16.3,17.8,22.6,23.2,26.0,27.4,27.8,30.2,30.3,33.8,40.2,40.3,48.5,52.4,121.7,125.1,125.5,132.1,136.3,140.5,162.4,172.0,173.2;ES−MS:以下の化学式について計算した質量:C24H38N2O6S 482.6. 実測値(M+)m/z 483.3。
実施例68
(2−{[(tert−ブトキシ)カルボニル]アミノ}−3−{[(2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエン−1−イル]オキシ}プロパン酸)(化合物N−54)のラセミ混合物の合成:100mL丸底フラスコ中で、N−Boc−(D,L)−セリン(410mg、2mmol)を、窒素流下および室温で強く撹拌(steering)しながら、DMF(無水物、10mL)およびNaH(鉱物油中に60%、100mg、過剰量)と混合した。30分後に過剰な発泡が鎮静し、トランスのトランス−ファルネシルブロミド(284mg、1mmol)を、10分間にわたって滴下した。反応溶液を室温で一晩撹拌し、次いで、塩化アンモニウム(飽和水溶液、20mL)で反応を停止させ、生成物を酢酸エチル(2×10mL)で抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮し、エタノール(1mL)に再懸濁して粗混合物を得た。粗混合物を分取HPLCで精製して(76mg、19%)、化合物N−54のR鏡像異性体とS鏡像異性体との1:1ラセミ混合物を得た。1H−NMR(500MHz,MeOH−d4): δ 1.47(s,9H),1.69(s,6H),1.83(s,6H),2.01(t,J=6.5Hz,2H),2.07−2.16(m,6H),3.67(dd,J=7.0,12.0Hz,1H),5.11−5.14(m,2H),5.23(t,J=7.5,1H). 13C−NMR(125MHz,MeOH−d4):δ 16.3,16.7,17.9,26.1,27.4,27.8,28.8,40.8,40.9,55.3,68.5,70.4,80.7,121.8,125.5,132.1,136.3,141.8,157.9,173.9;ES−MS:以下の化学式について計算した質量:C23H39NO5 409.6. 実測値(M+Na)m/z 432.3。
実施例69
((R)−2−(シクロプロパンスルホンアミド)−3−((2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルチオ)プロパン酸)(化合物N−79)の合成:100mL丸底フラスコ中で、シクロプロパンスルホニルクロリド(169mg、1.2mmol)およびS−トランスのトランス−ファルネシル−L−システイン(325mg、1mmol)を含むTHF(5mL)の懸濁液に、N,N−ジイソプロピル−エチル−アミン(0.52mL、3mmol)を滴下した。溶液を室温で一晩撹拌した。混合物を酢酸エチル(60mL)で希釈し、0.5N HCl(10mL×1)、H2O(10mL×2)、およびブライン(10mL×1)によって洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮した。次いで、残渣を分取HPLCによってさらに精製して(50mg、12%)、化合物N−79を得た。1H−NMR(500MHz,CD3OD): δ 0.86−0.89(m,2H),0.93−0.96(m,2H),1.50(s,3H),1.51(s,3H),1.57(s,3H),1.61(s,3H),1.86−1.89(m,2H),1.95−1.98(m,4H),2.00−2.04(m,2H),2.43−2.46(m,1H),2.66−2.68(m,1H),2.76−2.79(m,1H),3.09−3.13(m,1H),3.16−3.21(m,1H),4.02(t,J=5.0Hz,1H),4.99−5.01(m,2H),5.15(t,J=5.0Hz,1H). 13C−NMR(125MHz,CD3OD): δ 5.58,6.28,16.16,16.30,17.81,25.96,27.39,27.80,30.41,31.73,34.88,40.79,40.90,57.75,121.67,125.17,125.47,132.12,136.28,140.55,174.39;ES−MS:以下の化学式について計算した質量:C21H35NO4S2 429.64. 実測値(M+)m/z 430.2,(M+Na)m/z 452.2。
実施例70
((R)−2−(2−カルボキシエチルスルホンアミド)−3−((2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルチオ)プロパン酸)(化合物N−80)の合成:100mL丸底フラスコ中で、メチル3−(クロロスルホニル)プロパノアート(187mg、1mmol)およびS−トランスのトランス−ファルネシル−L−システインメチルエステル(339mg、1mmol)を含むTHF(5mL)の溶液に、N,N−ジイソプロピル−エチル−アミン(0.52mL、3mmol)を滴下した。溶液を0℃で30分間撹拌し、次いで、室温で一晩撹拌した。混合物を酢酸エチル(60mL)で希釈し、0.5N HCl(10mL×1)、H2O(10mL×1)、およびブライン(10mL×1)によって洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮した。得られた残渣をTHF(3mL)に溶解し、LiOH・H2O(420mg、10mmol)の水溶液(2mL)を0℃でゆっくり添加した。反応物を室温で一晩静置した。次いで、溶液を酢酸エチルで希釈し、0.5N HCl(10mL×1)、H2O(10mL×2)、およびブライン(15mL×1)によって洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮した。次いで、残渣を分取HPLCによってさらに精製して(100mg、22%)、化合物N−80を得た。1H−NMR(500MHz,CD3OD): δ 1.50(s,3H),1.51(s,3H),1.57(s,3H),1.61(s,3H),1.86−1.89(m,2H),1.95−2.00(m,4H),2.01−2.06(m,4H),2.65(dd,J=8.0,14.0Hz,1H),2.71−2.76(m,2H),2.84(dd,J=5.0,14.0Hz,1H),3.13(dd,J=7.5,13.5Hz,1H),3.24−3.29(m,1H),4.05(dd,J=5.0,8.0Hz,1H),4.98−5.03(m,2H),5.09−5.14(t,J=8.0Hz,1H). 13C−NMR(125MHz,CD3OD): δ 16.15,16.30,17.80,25.95,27.38,27.79,29.56,30.44,34.80,40.78,40.89,49.82,57.51,121.64,125.16,125.46,132.12,136.27,140.62,174.04,174.15;ES−MS:以下の化学式について計算した質量:C21H35NO6S2 461.64. 実測値(M+)m/z 462.2,(M+Na)m/z 484.2。
実施例71
(2−(N−((R)−1−カルボキシ−2−((2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルチオ)エチル)スルファモイル)安息香酸)(化合物N−81)の合成:100mL丸底フラスコ中で、メチル2−(クロロスルホニル)ベンゾアート(281mg、1.2mmol)およびS−トランスのトランス−ファルネシル−L−システイン(325mg、1mmol)を含むTHF(5mL)の溶液に、N,N−ジイソプロピル−エチル−アミン(0.52mL、3mmol)を滴下した。溶液を、室温で4時間撹拌した。混合物を酢酸エチル(60mL)で希釈し、NH4Cl飽和溶液(10mL×2)、H2O(10mL×1)、およびブライン(10mL×1)で連続的に洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮した。得られた残渣をTHF(3mL)に溶解し、LiOH・H2O(210mg、5mmol)の水溶液(2mL)を0℃でゆっくり添加した。反応物を室温で一晩静置した。反応を1N HClで停止させ、pH2.0に調整した。次いで、溶液を酢酸エチル(30mL×3)によって抽出した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮した。次いで、残渣を分取HPLCによってさらに精製して(290mg、57%)、化合物N−81を得た。1H−NMR(500MHz,CD3OD): δ 1.50(s,6H),1.55(s,3H),1.57(s,3H),1.86−1.89(m,2H),1.94−2.02(m,6H),2.71(dd,J=6.0,14.0Hz,1H),2.77(dd,J=5.5,14.0Hz,1H),3.01−3.08(m,2H),4.10(t,J=6.0Hz,1H),5.00−5.06(m,3H),7.56−7.62(m,2H),7.84(d,J=6.5Hz,1H),7.93(d,J=7.5Hz,1H). 13C−NMR(125MHz,CD3OD): δ 16.17,16.28,17.81,24.24,25.96,27.36,27.78,30.52,34.79,40.75,40.89,57.80,121.53,125.14,125.46,130.07,132.13,132.56,133.78,136.28,140.63,140.72,170.16,173.07;ES−MS:以下の化学式について計算した質量:C25H35NO6S2 509.68. 実測値(M+Na)m/z 532.1。
実施例72
(N−[1−カルボキシ−2−(3,7,11,15−テトラメチル−ヘキサデク−2−エニルスルファニル)−エチル]−スクシナミン酸メチルエステル)(化合物N−53)の合成:100mL丸底フラスコ中で、フィトール(トランス:シス(2:1)異性体混合物、34.9mL、100mmol)およびトリエチルアミン(1.4mL、10mmol)をトルエン(100mL)に添加し、反応混合物を−78℃に冷却した。三臭化リン(4.7mL、50mmol)を滴下した。添加完了後、反応混合物を室温に加温し、4時間撹拌した。水(100mL)を滴下して反応を停止させた。酢酸エチル(200mL)を添加し、次いで、水(50mL×2)およびブライン(50mL×2)で連続的に洗浄した。酢酸エチル溶液をNa2SO4によって乾燥させ、真空下で濃縮した。得られた残渣を次の反応のために直接使用した。L−塩酸システイン一水和物(1.90g、10.73mmol)および炭酸カリウム(2.96mg、21.45mmol)をエタノール(40mL)および水(40mL)に添加し、反応物を室温で30分間撹拌し、フィチルブロミド(2.56g、7.15mmol)を添加した。反応混合物を、アルゴン下にて室温で4時間撹拌した。得られた沈殿物を水、エタノールによって洗浄し、72時間真空乾燥させた。得られた白色固体は生成物であり、これを次の工程のために直接使用した。モノ−メチルスクシナート(132mg、1mmol)、2−(7−アザ−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート(1.1mg、1.1mmol)、およびN,N−ジイソプロピル−エチル−アミン(0.52mL、3mmol)をTHF(5mL)中で混合した。反応溶液を室温で10分間撹拌した。2−アミノ−3−(3,7,11,15−テトラメチル−ヘキサデク−2−エニルスルファニル)−プロピオン酸(399mg、1mmol)を反応混合物に添加した。反応溶液を、室温で一晩撹拌した。酢酸エチル(50mL)を添加し、次いで、飽和塩化アンモニウム水溶液(20mL×2)、DI水(20mL×2)、およびブライン(20mL×2)で連続的に洗浄した。酢酸エチル溶液をNa2SO4によって乾燥させ、真空下で濃縮して、化合物N−53の1:1トランス異性体と1:1シス異性体との粗混合物を得た。これは、トランス異性体とシス異性体との比が7:3である(200mg、40%)。1H−NMR(500MHz,MeOH−d4): δ 0.76−0.79(m,12H),1.00−1.46(m,19H),1.58 and 1.63(s,3H),1.91−1.99(m,2H),2.48−2.52(m,4H),2.60−2.64(m,1H),2.87(dd,J=4.5,14.0Hz,1H),3.04−3.07(m,1H),3.14−3.18(m,1H),3.57(s,3H),4.46−4.49(m,1H),5.12(t,J=7.5Hz,1H). 13C−NMR(125MHz,MeOH−d4): δ 20.12,20.17,20.23,23.05,23.14,23.59,25.52,25.94,25.96,26.30,26.31,26.64,29.19,30.20,30.40,31.26,32.87,33.54,33.79,33.82,33.88,33.94,33.97,37.62,37.71,38.41,38.50,40.56,40.95,52.27,53.40,53.53,121.43,121.89,140.87,141.01;ES−MS:以下の化学式について計算した質量:C28H51NO5S 513.3. 実測値(M+Na)m/z 536.3。
実施例73
(N−[1−カルボキシ−2−(3,7,11,15−テトラメチル−ヘキサデク−2−エニルスルファニル)−エチル]−スクシナミン酸)(化合物N−48)の合成:100mL丸底フラスコ中で、フィトール(トランス:シス(2:1)異性体混合物、34.9mL、100mmol)およびトリエチルアミン(1.4mL、10mmol)をトルエン(100mL)に添加し、反応混合物を−78℃に冷却した。三臭化リン(4.7mL、50mmol)を滴下した。添加完了後、反応混合物を室温に加温し、4時間撹拌した。水(100mL)を滴下して反応を停止させた。酢酸エチル(200mL)を添加し、次いで、水(50mL×2)およびブライン(50mL×2)で連続的に洗浄した。酢酸エチル溶液をNa2SO4によって乾燥させ、真空下で濃縮して、化合物N−48の1:1トランス異性体と1:1シス異性体との粗混合物を得た。これは、トランス異性体とシス異性体との比が7:3である。粗混合物(1mmol)およびLiOH(126mg、3mmol)をTHF(3mL)および水(3mL)中で混合した。反応溶液を、室温で4時間撹拌した。酢酸エチル(50mL)を添加し、次いで、1N HCl(20mL×2)およびブライン(20mL×2)で連続的に洗浄した。酢酸エチル溶液をNa2SO4によって乾燥させ、真空下で濃縮して部分精製された混合物を得、これをHPLCによって精製して2つの画分を得た。
第1の画分から化合物N−48の1:1トランス異性体と1:1シス異性体との混合物を得た。これは、トランス異性体とシス異性体との比が1:1である(50mg、20%)。1H−NMR(500MHz,MeOH−d4): δ 0.76−0.79(m,12H),1.00−1.46(m,19H),1.58 and 1.63(s,3H),1.90−1.93(m,2H),2.46−2.49(m,4H),2.62−2.66(m,1H),2.87(dd,J=4.5,14.0Hz,1H),3.04−3.07(m,1H),3.14−3.18(m,1H),4.46−4.49(m,1H),5.12(t,J=7.5Hz,1H). 13C−NMR(125MHz,MeOH−d4): δ 16.11,20.13,20.17,20.23,23.06,23.15,23.59,25.53,25.95,26.31,26.65,29.19,30.25,30.29,30.41,31.41,31.44,32.88,33.56,33.79,33.83,33.94,33.98,37.62,37.72,37.92,38.01,38.41,38.47,38.51,40.57,40.96,53.43,53.44,53.56,121.44,121.90,140.86,141.00,174.02,174.05,174.47,174.52,176.17,176.19;ES−MS:以下の化学式について計算した質量:C27H49NO5S 499.3. 実測値(M+Na)m/z 522.3。
第2の画分から化合物N−48のトランス異性体の1:1混合物を得た(45mg、23%)。1H−NMR(500MHz,MeOH−d4): δ 0.76−0.79(m,12H),1.00−1.46(m,19H),1.58(s,3H),1.90−1.93(m,2H),2.46−2.49(m,4H),2.63(dd,J=8.5,13.5Hz,1H),2.87(dd,J=4.5,14.0Hz,1H),3.02−3.07(m,1H),3.14−3.18(m,1H),4.46−4.49(m,1H),5.11(t,J=7.5Hz,1H). 13C−NMR(125MHz,MeOH−d4): δ 16.10,16.11,20.11,20.16,20.22,23.05,23.14,25.52,25.94,25.95,26.30,26.32,29.19,30.23,30.23,30.28,31.40,33.54,33.55,33.79,33.82,33.94,33.97,37.61,37.71,38.40,38.47,38.50,38.53,40.56,40.95,53.43,121.44,140.87,174.03,174.53,176.19;ES−MS:以下の化学式について計算した質量:C27H49NO5S 499.3. 実測値(M+Na)m/z 522.3。
実施例74
((R)−2−(3−ニトロプロパンアミド)−3−((2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルチオ)プロパン酸)(化合物N−97)の合成:3−ニトロプロピオン酸(143mg、1.2mmol)および4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド(DMTMM、332mg、1.2mmol)を含むCH2Cl2(5mL)の溶液に、N,N−ジイソプロピル−エチル−アミン(0.52mL、3mmol)を添加した。撹拌10分後、S−トランスのトランス−ファルネシル−L−システインメチルエステル(339mg、1.0mmol)をゆっくり添加した。溶液を室温で4時間撹拌し、次いで、酢酸エチル(60mL)で希釈した。溶液を、NH4Cl飽和溶液(10mL×1)、H2O(10mL×1)、およびブライン(10mL×1)で連続的に洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣を、溶離液としてヘキサン/酢酸エチル(3/1)を使用したシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィによって精製した。上記で得た生成物(408mg、0.93mmol)をTHF(4mL)に溶解し、LiOH・H2O(117mg、2.79mmol)の水溶液(3mL)を0℃でゆっくり添加した。反応物を0℃で30分間静置した。次いで、溶液を酢酸エチル(60mL)で希釈し、0.5N HCl(10mL×1)、H2O(10mL×2)、およびブライン(10mL×1)で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮した。次いで、残渣を分取HPLCによってさらに精製して(288mg、68%)、化合物N−97を得た。1H−NMR(500MHz,CD3OD) δ 1.51(s,6H),1.57(s,3H),1.59(s,3H),1.86−1.89(m,2H),1.96−2.04(m,6 H),2.64(dd,J=8.5,14.0Hz,1H),2.85−2.87(m,3H),3.06−3.07(m,1H),3.18(dd,J=8.5,13.5Hz,1H),4.50(dd,J=5.0,8.0Hz,1H),4.63(dd,J=5.0,11.0Hz,2H),4.99−5.01(m,2H),5.13(t,J=8.0Hz,1H). 13C−NMR(125MHz,CD3OD): δ 16.14,16.22,17.80,25.95,27.40,27.80,30.19,32.80,33.47,40.79,40.87,53.50,71.03,121.56,125.14,125.46,132.12,136.26,140.57,171.55,173.86;ES−MS:以下の化学式について計算した質量:C21H34N2O5S 426.57. 実測値(M+1)m/z 427.3,(M+23)m/z 449.3。
実施例75
((R)−2−(3−(フラン−2−イル)プロパンアミド)−3−((2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルチオ)プロパン酸)(化合物N−96)の合成:3−(2−フリル)プロピオン酸(168mg、1.2mmol)および4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド(DMTMM、332mg、1.2mmol)を含むCH2Cl2(5mL)の溶液に、N,N−ジイソプロピル−エチル−アミン(0.52mL、3mmol)を添加した。撹拌10分後、S−トランスのトランス−ファルネシル−L−システイン(325mg、1mmol)をゆっくり添加した。溶液を室温で一晩撹拌し、次いで、酢酸エチル(60mL)で希釈した。溶液を、0.5N HCl(10mL×1)、H2O(10mL×1)、およびブライン(10mL×1)によって洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣を分取HPLCによって精製して(333mg、74%)、化合物N−96を得た。1H−NMR(500MHz,CD3OD):
δ 1.50(s,6H),1.57(s,3H),1.59(s,3H),1.86−1.89(m,2H),1.95−2.06(m,6 H),2.51(t,J=8.0Hz,2H),2.57−2.62(m,1H),2.83−2.869(m,3H),3.05(dd,J=7.5,13.5Hz,1H),3.12−3.16(m,1H),4.49(dd,J=4.5,8.0Hz,1H),4.99−5.01(m,2H),5.13(t,J=7.5Hz,1H). 13C−NMR(125MHz,CD3OD): δ 16.15,16.24,17.80,24.96,25.95,27.39,27.79,30.11,33.41,35.08,40.79,40.89,53.30,106.28,111.19,121.61,125.14,125.46,132.12,136.27,140.49,142.36,155.72,174.00,174.78;ES−MS:以下の化学式について計算した質量:C25H37NO4S 447.63. 実測値(M+1)m/z 448.3,(M+23)m/z 470.2。
実施例76
((R)−2−(2−(5−ヒドロキシ−1H−インドール−3−イル)アセトアミド)−3−((2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルチオ)プロパン酸)(化合物N−39)の合成:24mLバイアル中に、5−ヒドロキシルインドール−3−酢酸(191mg、1.0mmol)、HATU(380mg、1mmol)、およびN,N−ジイソプロピル−エチル−アミン(650mg、5mmol)を、THF(10mL)中で混合した。反応混合物を室温で30分間撹拌した。S−トランスのトランス−ファルネシル−L−システイン(325mg、1mmol)を、反応混合物に添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。THFを回転蒸発によって除去した。得られた残渣を酢酸エチル(50mL)に溶解した。有機溶液を水(50mL)およびブライン(50mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮して粗混合物を得た。粗混合物を分取HPLCで精製して(210mg、42%)、化合物N−39を得た。1H−NMR(500MHz,CD3OD): δ 1.49(s,9H),1.56(S,3H),1.85−1.98(m,6H),2.62(dd,J=8.0,14.0Hz,1H),2.80(dd,J=4.5,14.0Hz,1H),2.88(dd,J=7.0,13.0Hz,1H),2.98(dd,J=8.5,13.0Hz,1H),3.55(dd,J=6.5,22.5Hz,2H),4.49(dd,J=5.0,8.0Hz,1H),4.98(bs,2H),6.57(d,J=8.5Hz,1H),6.84(s,1H),7.07(d,J=6.5Hz,2H). 13C−NMR(125MHz,CD3OD): δ 16.2,17.8,26.0,27.3,27.4,27.8,28.8,30.2,33.3,33.8,40.7,40.9,53.4,103.7,108.2,112.7,112.8,121.5,125.2,125.5,125.8,129.3,132.1,133.0,136.2,140.5,151.5,173.9,174.9;ES−MS:以下の化学式について計算した質量:C28H38N2O4S 498.3(M+). 実測値(M+1)m/z 499.2。
実施例77
((R)−2−(3−(チオフェン−2−イル)プロパンアミド)−3−((2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルチオ)プロパン酸)(化合物N−31)の合成:3−(2−チエニル)プロパン酸(187mg、1.2mmol)および4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド(DMTMM、332mg、1.2mmol)を含むCH2Cl2(5mL)の溶液に、N,N−ジイソプロピル−エチル−アミン(0.52mL、3mmol)を添加した。撹拌5分後、S−トランスのトランス−ファルネシル−L−システイン(325mg、1mmol)をゆっくり添加した。溶液を室温で4時間撹拌し、次いで、酢酸エチル(60mL)で希釈した。溶液を、NH4Cl飽和溶液(15mL×2)、H2O(10mL×1)、およびブライン(15mL×1)で連続的に洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣を分取HPLCによって精製して(310mg、67%)、化合物N−31を得た。1H−NMR(500MHz,CD3OD): δ 1.50(s,6H),1.57(s,3H),1.59(s,3H),1.86−1.89(m,2H),1.96−2.06(m,6 H),2.54(t,J=7.5Hz,2H),2.56−2.61(m,1H),2.87(dd,J=4.5,14.0Hz,1H),3.00−3.06(m,3H),3.11−3.15(m,1H),4.49(dd,J=5.0,8.5Hz,1H),5.00−5.01(m,2H),5.12(t,J=7.5Hz,1H). 13C−NMR(125MHz,CD3OD): δ 16.16,16.25,17.81,25.96,26.74,27.40,27.79,30.13,33.42,38.74,40.79,40.89,53.32,121.62,124.36,125.14,125.47,125.75,127.81,132.11,136.27,140.47,144.46,174.98,174.64;ES−MS:以下の化学式について計算した質量:C25H37NO3S2 463.70. 実測値(M+23)m/z 486.2。
実施例78
(2−[(2−アミノフェニル)ホルムアミド]−3−{[(2E,6E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエン−1−イル]スルファニル}プロパン酸)(化合物N−35)の合成: アントラニル酸(137mg、1mmol)を、HATU(380mg、1mmol)およびN,N−ジイソプロピル−エチル−アミン(650mg、5mmol)を含むDMF(10mL)と混合する。周囲温度で30分間の撹拌後、S−トランスのトランス−ファルネシル−L−システインメチルエステル(340mg、1mmol)を添加し、反応混合物を16時間さらに撹拌する。次いで、LiOH(飽和水溶液、0.25mL)を添加し、得られた混合物を4時間撹拌した。混合物をHPLCによって精製して(107mg、収率24%)、化合物N−35を得た。1H−NMR(500MHz,MeOH−d4): δ 1.42(s,6H),1.54(s,3H),1.58(s,3H),1.84−2.07(m,8H),2.76(dd,J=12.1Hz,J=14.2Hz,1H),2.93(s,J=7.4Hz,J=14.2Hz,1H),3.14(d,J=12.1Hz,2H),4.32(t,J=4.5Hz,1H),4.51(br.s,2H),4.59(t,J=7.5Hz,1H),4.98−5.00(m,2H),5.15(t,J=12.1Hz,1H),6.55(t,J=7.4Hz,1H),6.65(d,J=7.2Hz,1H),7.10(t,J=7.4Hz,1H),7.41(d,J=7.4Hz,1H). 13C−NMR(125MHz,MeOH−d4): δ 16.3,16.4,23.3,25.9,26.0,27.7,27.8,30.4,40.7,40.9,53.9,117.1,117.8,118.3,121.4,125.1,125.5,129.3,132.1,134.4,136.2,140.6,150.4,171.6,175.9;ES−MS:以下の化学式について計算した質量:C26H44N4O5S 444.6. 実測値(M+Na)m/z 466.3。
生物学的実施例
浮腫阻害、紅斑阻害、およびMPO阻害によって測定する場合の提供した化合物の生物学的活性(化合物の抗炎症性または炎症誘発性が含まれる)を測定するために使用したin vivoアッセイを以下に記載する。
実施例79
炎症マウスモデル−浮腫、紅斑、およびMPOバックグラウンド
接触刺激のマウス耳モデルは、局所適用された抗炎症薬が急性の化学的に誘導された皮膚刺激の発生を阻害するかどうかを決定するための適切なモデルとして確立されている(Van Arman,C.G.et al.,Clin Pharmacol Ther,1974,16: 900−4;Young et al.,J Invest Dermatol,1983,80: 48−52;Tramposch et al.,(Morgan DW,Marshall LA eds),Birkhaeuser Verlag: Basel,1999,pp 179−204;およびGordon et al.,J Invest Dermatol,2008,128:643−54)を参照のこと))。さらに、マウス耳モデルは、複数の作用機構を有する抗炎症薬の異なるクラスのメンバーを同定および比較するために種々のグループによって使用されている(Tramposch et al.,(Morgan DW,Marshall LA
eds),Birkhaeuser Verlag: Basel,1999,pp 179−204に概説)。一般的に使用されている炎症のエンドポイントは、浮腫(Young et al.,J Invest Dermatol,1983,80: 48−52)(耳の厚みの増加によってアッセイされる)、好中球浸潤(好中球マーカーであるミエロペルオキシダーゼ(「MPO」)のアッセイによって測定する(Bradley
et al.,Blood,1982,60: 618−22を参照のこと))、および紅斑(皮膚の発赤)である。接触刺激のためのこのマウスin vivoモデルを使用して、本実施例は、本発明の一定のイソプレニル化合物が、一般的に使用されている炎症エンドポイント(浮腫、紅斑、および好中球浸潤(MPO好中球マーカー)活性など)に及ぼす影響から明らかなように、局所適用した場合にin vivoで抗炎症活性または炎症誘発活性を示すことを証明している。本実施例を使用して、どの構造が生得的な皮膚炎の阻害に重要な物理的性質または化学的性質を有するかをさらに同定することができる。
(a)プロトコール−浮腫阻害
生きているマウスの耳にin vivoでの急性接触性炎症を誘導するためのプロトコールは他の場所に記載されている(Tramposch et al.,(Morgan
DW,Marshall LA eds),Birkhaeuser Verlag:
Basel,1999,pp 179−204に概説)。簡潔に述べれば、マウスを鎮静させ、その耳を1.2μg/20uL TPA(すなわち、テトラデカノイルホルボール−13−アセタート)で処置した。5分後、TPA処置した耳に、単回で8μg/20uL、2ug/20uL、または両方の用量のイソプレニル化合物を投与した。24時間後、マウスを屠殺し、浮腫を、各耳をマイクロメーターで読み取ることによって測定した。浮腫の阻害率を、化合物処置した耳の平均厚さを取り、これをTPAのみを投与した12の耳の平均厚さで割り、この値を100%から引くことによって決定した。これらの値を、同腹子コントロールの正常な非TPA処置マウス耳の厚さについて補正した。代表的な本発明の化合物についての浮腫の阻害率を証明する結果を図1に示す。ED50値を、Gordon et al.,J Invest Derm,2008,128: 643−654に記載のように計算した。AFCおよび化合物AについてのED50の結果を、図2に示す。
(b)プロトコール−紅斑阻害
皮膚炎の別の十分に報告されたバイオマーカーは紅斑と呼ばれる皮膚の発赤であり、これは種々の化学的障害および環境障害に応答した毛細血管の鬱血および拡大に原因する(Denig,N.I.et al.,Postgrad Med,1998;103: 199−200,207−8,212−3を参照のこと)。イソプレニル化合物による紅斑阻害の測定プロトコールを、Konica MinoltaのCR−400 色彩色差計(http://www.konicaminolta.com/instruments/products/color/colorimeters/cr400−410/index.html)を使用してインハウスで開発した。この装置を使用して、上記浮腫阻害の項に記載のTPA/化合物処置の24時間後に採取した6mm生検パンチ由来のΔa*発赤値を測定した。紅斑の阻害率を、化合物処置した耳の平均Δa*発赤値を求め、これをTPAのみを投与した12の耳の平均Δa*値で割り、この値を100%から引くことによって決定した。これらの値を、同腹子コントロールの非TPA処置マウス耳のΔa*値について補正した。代表的な本発明の化合物についての紅斑の阻害率を証明する結果を図1に示す。ED50値を、Gordon et al.,J Invest Derm,2008,128: 643−654に記載のように計算した。AFCおよび化合物AについてのED50の結果を、図2に示す。
(c)プロトコール−MPO阻害
イソプレニル化合物による皮膚好中球浸潤の阻害をアッセイするために、標準的方法を使用した(Bradley et al.,J Invest Dermatol,1982,78: 206−209;Young et al.,J Invest Dermatol,1983,80: 48−52;De Young et al,Agents Actions,1989,26: 335−41;およびRao et al.,Inflammation,1993,17: 723−41を参照のこと)。簡潔に述べれば、化合物で処置された耳ならびにTPAで処置された耳および非処置コントロール群の両方から採取した6mm生検パンチをホモジナイズした。分光光度的に測定した比色反応によってMPOレベルを定量した。各イソプレニル化合物による好中球浸潤の阻害率を、これらの化合物の存在下および非存在下での平均MPOレベルの比較によって決定した。MPOの阻害率を、浮腫阻害率の計算と同様に計算した。代表的な本発明の化合物についてのMPOの阻害率を証明する結果を図1に示す。ED50値を、Gordon et al.,J Invest Derm,2008,128:643−654に記載のように計算した。AFCおよび化合物AについてのED50の結果を、図2に示す。表1中の化合物についてのMPO活性アッセイから決定した活性範囲のまとめを、図3に示す。
炎症モデルを使用して決定したサイトカインレベルの阻害によって測定する場合の提供した化合物の生物学的活性(化合物の抗炎症性が含まれる)を測定するために使用したアッセイを以下に記載する。
実施例80
炎症のTPA誘導性マウス耳モデル−サイトカインレベルの阻害
マウス耳における急性炎症の誘導プロトコールは、他の場所に記載されており(Tramposch et al.,(Morgan DW,Marshall LA eds),Birkhaeuser Verlag: Basel,1999,pp 179−204に概説)、実施例79に記載のプロトコールに類似している。接触刺激のためのこのマウスin vivoモデルを使用して、本実施例は、実施例79で証明するように、一定のイソプレニル化合物は、局所適用した場合に、その一部が炎症誘発性サイトカイン(TNF−αおよびIL−1βなど)レベルを阻害し、それにより、浮腫、紅斑、および好中球浸潤(MPO好中球マーカー)活性の炎症エンドポイントに及ぼす影響がみとめられることによってin vivo抗炎症活性を示すことを証明している。簡潔に述べれば、10〜12週齢の雄Swiss Webster(ICR)マウス(Hilltop Lab Animals)を、これらの実験のために使用した(6動物/群)。マウスに、アセトンに溶解した1.2μg/20μlのTPAを各耳に投与して(溶媒ピペットを使用して、10μlをマウス耳の背面および腹面の両方に適用した(全部で20μl))、急性刺激を誘導した。5分後、いくつかの濃度の化合物Aを含むエタノールを適用した。処置24時間後、マウスを安楽死させ、6mmパンチ生検の検体を各耳から得て、液体窒素中で瞬間凍結し、使用するまで−80℃で保存した。耳生検の検体を、HTAB緩衝液を用いてBio−Pulverizer(MP Biomedicals、4m/sで2×45秒間)にてホモジナイズした。サンプルを、10,000rpmにて4℃で10分間遠心分離した。上清を、定量用タンパク質標準を使用したTNF−αおよびIL−1β産生の刺激についてのELISAによるサイトカインプロファイリングに供した。TPA誘導性マウス耳炎症モデルを使用した化合物Aについて得たTNF−αおよびIL−1βのED50の結果(μg/耳)を、図4に示す。
実施例81
HMEC−1細胞におけるLPS−TLR4誘導性炎症モデル−サイトカインレベルの阻害
リポ多糖(LPS)によるToll様受容体4(TLR4)の活性化により、重要な免疫反応および炎症反応を媒介するために必要な炎症誘発性サイトカインの放出が誘導される(Yong−Chen et al.,サイトカイン,2008,42: 145−151に概説)。本実施例は、本発明の一定のイソプレニル化合物がTLR4炎症シグナル伝達経路を阻害し、それにより、例えば、IL−8の炎症誘発性サイトカイン放出を減少させることを証明している。ヒト微小血管内皮細胞(HMEC)を、0.5% ウシ胎児血清(FBS)、上皮成長因子(EGF)(10ng/mL)、ヒドロコルチゾン(1μg/mL)、および100U/mLペニシリン/100μg/mLストレプトマイシンを補足したEC基本培地(EBM;Cambrex,Walkersville,MD)(補足培地と呼ぶ)中、37℃、5%CO2で培養した。アゴニスト/アンタゴニスト処置中のこれらの薬剤が免疫調節効果を示す可能性を回避するために、いくらかの期間、細胞を、EGFやヒドロコルチゾンを含まない0.5%FBSおよびペニシリン/ストレプトマイシンのみを補足したEBM(枯渇培地と呼ぶ)中に保持した。細胞を、12ウェルプレート中の補足培地に0.25×106細胞/ウェルの濃度でプレートした。細胞を接着させた後(6〜8時間)、培地を枯渇培地と交換した。24時間後、枯渇培地を除去し、三連で種々の濃度の化合物Aを含む新鮮な枯渇培地を適切なウェルに添加した。2時間後、炎症誘発反応を誘導するために、LPS(100μM)を個別のウェルに添加した(三連で)(Bender et al.,Exp Dermatol,2008,17: 752−60;およびSeiffert et al.,J Invest Dermatol,2006,126: 1017−27)。細胞培養物を、トリパンブルー排除および3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−5−(3−カルボキシメトキシフェニル)−2−(4−スルホフェニル)−2H−テトラゾリウムの減少(MTSアッセイ;Promega,Madison,WI)によって生存率について試験して、種々の処置濃度の化合物Aの細胞生存率を決定した。インキュベーション6時間後、上清を回収し、適切なタンパク質標準(BD Pharmigen)を使用したIL−8放出の刺激について酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)によってアッセイした。HMEC−1細胞におけるLPS−TLR4誘導性炎症モデルを使用した化合物Aを使用して得たIL−8レベル(pg/mL)を図5に示す。
実施例82
HMEC−1細胞におけるATPγS−プリン受容体誘導性炎症モデル−サイトカインレベルの阻害
細胞外シグナル伝達分子として役立つATPは、免疫反応および炎症反応に関与する種々の細胞(大血管および微小血管の内皮細胞(EC)が含まれる)上に発現するプリンP2受容体を活性化することが公知である。炎症性皮膚障害の病理生理学の間に、皮膚微小血管ECは、皮膚上などの炎症部位に炎症細胞(白血球が含まれる)を動員する。これは、その一部が炎症誘発性メディエーター(IL−6およびMCP−1など)の放出によって誘発される(Swerlick et al.,J Invest Dermatol,1993,100: 111S−115S)。ATPの非加水分解性アナログ(すなわち、ATPγS)が、P2プリン受容体シグナル伝達の調整によってヒト皮膚微小血管(microcascular)内皮細胞中の炎症誘発性サイトカイン産生を誘導することが以前に証明されている(Seiffert et al.,J Invest Dermatol,2006,126: 1017−27)。ATPγSを使用したヒト微小血管内皮細胞(HMEC)における炎症誘発性サイトカイン産生の誘導プロトコールは、以前に記載のように、試験化合物の抗炎症活性の研究のための細胞ベースのモデルとして役立つ。この細胞ベースのモデルを使用して、本実施例は、炎症誘発性メディエーター(IL−8およびMCP−1など)のATPγS誘導性プリン受容体媒介性放出の阻害からも明らかなように、本発明の一定のイソプレニル化合物が抗炎症活性を示すことを証明している。簡潔に述べれば、HMECを、0.5%ウシ胎児血清(FBS)、上皮成長因子(EGF)(10ng/mL)、ヒドロコルチゾン(1μg/mL)、および100U/mLペニシリン/100μg/mLストレプトマイシンを補足したEC基本培地(EBM;Cambrex,Walkersville,MD)中、37℃、5%CO2で培養した(補足培地と呼ぶ)。アゴニスト/アンタゴニスト処置中のこれらの薬剤が免疫調節効果を示す可能性を回避するために、いくらかの期間、細胞を、EGFやヒドロコルチゾンを含まない0.5%FBSおよびペニシリン/ストレプトマイシンのみを補足したEBM(枯渇培地と呼ぶ)中に保持した。細胞を、12ウェルプレート中の補足培地に0.25×106細胞/ウェルの濃度でプレートした。細胞を接着させた後(6〜8時間)、培地を枯渇培地と交換した。24時間後、枯渇培地を除去し、三連で種々の濃度の化合物Aを含む新鮮な枯渇培地を適切なウェルに添加した。2時間後、炎症誘発反応を誘導するために、ATPγS(100μM)を個別のウェルに添加した(三連で)(Bender et
al.,Exp Dermatol,2008,17: 752−60;and Seiffert et al.,J Invest Dermatol,2006,126: 1017−27)。細胞培養物を、トリパンブルー排除および3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−5−(3−カルボキシメトキシフェニル)−2−(4−スルホフェニル)−2H−テトラゾリウムの減少(MTSアッセイ;Promega,Madison,WI)によって生存率について試験して、種々の処置濃度の化合物Aの細胞生存率を決定した。インキュベーション6時間後、上清を回収し、適切なタンパク質標準(BD Pharmigen)を使用したMCP−1およびIL−8放出の刺激について酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)によってアッセイした。HMEC−1細胞におけるATPγS−プリン受容体誘導性炎症モデルを使用した化合物Aを使用して得たIL−8レベル(pg/mL)を図6に示す。HMEC−1細胞におけるATPγS−プリン受容体誘導性炎症モデルを使用した化合物Aを使用して得たMCP−1レベル(pg/mL)を図7に示す。
実施例83
NHEK細胞におけるTPA誘導性炎症モデル−サイトカインレベルの阻害
本実施例は、ヒト角化細胞株(NHEK)における炎症誘発性メディエーター(IL−8など)のTPA誘導性放出の阻害からも明らかなように、本発明の一定のイソプレニル化合物が抗炎症活性を示すことを証明しており、これは実施例80に記載のTPA誘導性in vivoマウス耳炎症モデルに及ぼす影響と類似している。NHEK細胞を、EGF(10ng/mL)、ヒドロコルチゾン(1μg/mL)、ウシインスリン(5μg/mL)、およびヒト下垂体抽出物(2mL)を補足した無血清環境下の角化細胞成長培地(KGM;Gibco,Carlsbad,California)中、37℃、5%CO2で培養した。アゴニスト/アンタゴニスト処置中のこれらの薬剤が任意の調節効果を示す可能性を回避するために、細胞を、EGFやヒドロコルチゾンを補足しないKGM(枯渇培地と呼ぶ)中に保持した。細胞を、12ウェルプレート中の補足培地に0.25×106細胞/mLの濃度でプレートした。細胞を接着させた後(6〜8時間)、培地を枯渇培地と交換した。24時間後、枯渇培地を除去し、三連で種々の濃度の化合物Aを含む新鮮な枯渇培地を適切なウェルに添加した。8時間後、培地を化合物Aを含まない培地と交換した。16時間後、トリパンブルー排除およびMTSアッセイによって細胞生存率を決定して、種々の処置濃度の化合物Aの生存率を決定した。細胞をTPA(5ng/mL)中で培養して、炎症誘発反応およびIL−8の放出を誘導した。インキュベーション5時間後、上清を回収し、IL−8放出の刺激についてELISAによってアッセイした。種々の濃度の化合物AをTPA添加の2時間前に三連で組織培養ウェルに添加し、TPAに曝露しなかった細胞にも同様に添加した。細胞生存率を、刺激期間の終了時に細胞を洗浄し、TPAや化合物Aを含まない新鮮な培地を添加する刺激の16時間後の二連の実験でのトリパンブルー排除およびMTSアッセイによって決定した。NHEK細胞におけるTPA誘導性炎症モデルを使用して、化合物Aを使用して得たIL−8レベル(pg/mL)を図8に示す。
実施例84
HUVEC細胞におけるTNFα誘導性炎症モデル−TNFα誘導性サイトカイン放出の阻害
TNF−αは、炎症誘発機能および免疫調節機能を有する多面的作用性サイトカインである。炎症におけるTNF−αの病因的役割は、TNF−αのTNF受容体との相互作用を介して媒介され、それにより、炎症誘発性サイトカイン(TNF−α(それ自体)およびIL−8など)が誘導される。本実施例は、ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)におけるTNF受容体媒介性シグナル伝達によって媒介される炎症誘発性サイトカイン(IL−8など)の減少からも明らかなように、本発明の一定のイソプレニル化合物が抗炎症活性を示すことを証明している。簡潔に述べれば、HUVEC細胞を、低血清環境下(2%
FBS)且つEGM−2 Bullet Kit(Lonza)を補足した内皮成長培地−2(EGM−2;Lonza;Walkersville,MD)中、37℃、5%CO2で培養した。アゴニスト/アンタゴニスト処置中のこれらの薬剤が任意の調節効果を示す可能性を回避するために、細胞を、血清や成長因子を補足しないEGM−2(枯渇培地)中に保持した。細胞を、96ウェルプレート中の補足培地に1×105細胞/mLの濃度でプレートした。細胞を接着させた後(6〜8時間)、培地を枯渇培地と交換した。24時間後、培地を除去し、種々の濃度のAFC、化合物A、および化合物Bを含む新鮮な枯渇培地を三連で適切なウェルに添加した。プレインキュベーションの30分後、細胞を組換えヒトTNF−α(1×104U/mL;Millipore,Billerica,MA)で刺激して、炎症誘発反応およびIL−8放出を誘導した。インキュベーション4時間後、上清を回収し、IL−8放出の刺激についてELISAによってアッセイした。細胞生存率をトリパンブルー排除およびMTSアッセイによって決定して、種々の処置濃度のAFC、化合物A、および化合物Bの生存率を決定した。HUVEC細胞におけるTNF−α誘導性炎症モデルを使用して、AFC、化合物A、および化合物Bを使用して得たIL−8レベル(pg/mL)を図9に示す。
実施例85
アトピー性皮膚炎についてのオボアルブミン攻撃鱗状尾マウスモデルに及ぼす影響
鱗状尾マウス系統は、表皮タンパク質フィラグリン遺伝子が変異しており、この変異はヒトアトピー性皮膚炎または湿疹の根底にある変異に匹敵し、この疾患のモデルである(Fallon et al.,Nat Genetics,2009,41:602−608)。オボアルブミンでのこれらのマウスの局所的攻撃により、アトピー性皮膚炎様容態(湿疹およびTH2およびサイトカイン(IL4、IL5、およびIL10)の皮膚レベルの増加を示す)を生じ、これは、通常はオボアルブミン適用の4〜5週間後に出現する。このモデルを使用して、本実施例は、アトピー性皮膚炎に関連する種々のエンドポイントの阻害および/または軽減における本発明のイソプレニル化合物の有効性を証明している。例示的エンドポイントには、薄片状の皮膚、TH2および他のサイトカイン(IL4、IL5、およびIL10など)の皮膚レベルが含まれるが、これらに限定されない。鱗状尾マウスのインタクトな皮膚へのオボアルブミンの皮膚適用プロトコールは、他の場所に記載されている(Fallon et al.,Nat Genetics,2009,41: 602−608)。簡潔に述べれば、3〜5週齢のオボアルブミン攻撃ft/ftマウス(6動物/群)の腹部を皮膚適用の24時間前に剪毛し、オボアルブミン懸濁液(50μgを含む50μlPBS)を、以前に記載の厳格なレジメンにしたがって腹部に適用する(Fallon et al.,Nat Genetics,2009,41:602−608)。以下の2組の実験を行う:第1の組では、マウスを、オボアルブミン適用前および適用中に本発明のイソプレニル化合物で前処置してAD表現型発生の防止および阻害効果を研究する。第2の組では、マウスを、オボアルブミン処置の4〜5週間後にこの表現型が出現した場合にイソプレニル化合物で処置して、症状の処置における化合物の影響を研究する。試験した各イソプレニル化合物について、種々の濃度で化合物を含むエタノールを適用して、用量依存性の影響を研究する。各実験後、マウスを安楽死させ、各腹部由来の6mmパンチ生検を採取し、液体窒素中で瞬間冷凍し、使用するまで−80℃で保存した。腹部皮膚検体を、HTAB緩衝液を用いてBio−Pulverizer(MP Biomedicals,4m/sで2×45秒間)にてホモジナイズする。サンプルを、10,000rpmにて4℃で10分間遠心分離した。上清を、定量用タンパク質標準を使用したTH2、IL4、IL5、およびIL10レベルについてのELISAによるサイトカインプロファイリングに供する。
乾癬マウスモデルを使用して決定したT−ヘルパーリンパ球浸潤の阻害によって測定する場合の提供した化合物の生物学的活性(化合物の抗乾癬性が含まれる)を測定するために使用したアッセイを以下に記載する。
実施例86
K5.Stat3cマウス乾癬モデル−ヘルパー−T−リンパ球浸潤の阻害
表皮基底角化細胞中のケラチン−5プロモーターの調節下でシグナル伝達性転写因子 3(STAT3C)を構成的に発現するトランスジェニックマウス(「K5.Stat3cマウス」)における完全な乾癬表現型を有する斑の自発的および損傷誘導性の出現は最近報告されている(Sano et al.(2005).Nat Med 11(1):43−9)。さらに、これらのK5.Stat3cマウス由来の皮膚は、免疫不全ヌードマウスに同種移植した場合、活性化T細胞を同時移植しない限り斑を発症しない。重症複合型免疫不全(SCID)マウスに移植した場合にヒト乾癬皮膚が生じるので(Wrone−Smith et al.,J Clin Invest,1996,98: 1878−1887;Nickoloff et al.,Am J Pathol,1999,155: 145−158)、表皮の変化と免疫系との間で相互作用する必要があることが確証されている。これらのCD3+T−ヘルパー細胞は、T−リンパ球の浸潤の調節による乾癬病理発生において極めて重要な役割を果たす。K5.Stat3c乾癬マウスモデルを使用したCD3+ヘルパー−T発現の研究プロトコールは、以前に記載されている(Sano et al.,Nat Med,2005,11: 43−9)。
このモデルを使用して、本発明は、K5.Stat3c乾癬マウスモデルにおけるT−ヘルパー細胞浸潤の阻害から明らかなように、本発明の一定のイソプレニル化合物が局所適用した場合に乾癬処置で有効であることを証明している。簡潔に述べれば、処置群あたり5匹のマウスを使用した。7〜9週齢のK5.Stat3cマウスの背側皮膚サンプルを、テープストリッピングの48時間前に剪毛した。次いで、マウスをアルベチンで麻酔し、30回のテープストリッピングに供した。化合物B、デキサメタゾン(Dex、ポジティブコントロール)、またはアセトンビヒクルコントロールを、剪毛領域に図10に示した時間および用量で局所的に適用した。5日目の屠殺30分前にマウスにBrdUを注射し、皮膚炎症性浸潤の組織学的評価のために皮膚切片を採取した。K5.Stat3c乾癬マウスモデルを使用して化合物Bを用いて得たCD3+T−ヘルパー細胞数の用量依存性の阻害を、図11に示す。
ICMTの阻害によって測定する場合の提供した化合物の生物学的活性(化合物の抗炎症性が含まれる)を測定するために使用したアッセイを以下に記載する。
実施例87
ICMT阻害
(Eddie由来の一般的に容認されたプロトコールおよびChris由来の図12)
Gタンパク質シグナル伝達経路では、調節相互作用を起こすために、多数のシグナル伝達タンパク質(事実上全てのGタンパク質が含まれる)を、最初に、チオエーテル結合中のC15ファルネシルまたはC20ゲラニルゲラニルポリイソプレノイド基のいわゆるCAAXボックス内のカルボキシル末端またはその付近に存在するシステイン残基または関連するシステイン含有配列への翻訳後付加によって修飾しなければならない。最終的にこれらの修飾に起因するカルボキシ末端ポリイソプレノイドシステインを、特異的な膜結合型S−アデノシルメチオニン依存性イソプレニル−S−イソプレニルメチルトランスフェラーゼ(ICMT)によるメチルエステル化に供することができる。これらの酵素反応を阻害するか、そうでなければポリイソプレニル化シグナル伝達タンパク質(Gタンパク質など)とこれらが相互作用するタンパク質調節標的または他の細胞内シグナル伝達タンパク質との間の相互作用を変化させることができる化合物を使用して、白血球応答を緩和し、理論的には、炎症関連容態を処置することができる(例えば、Volker,et al.,Methods Enzymol,1995,250: 216−225を参照のこと)。
本実施例は、ICMTの酵素活性の阻害およびそれによるGタンパク質メチル化の調整からも明らかなように、本発明の一定のイソプレニル化合物が抗炎症活性を示すことを証明している。
ICMT活性を有するマウス脳抽出物を調製し、[3H]−AFCメチル化レベルの阻害率を、以前に記載のヘプタン抽出法によって決定した(Volker et al.,Methods,1: 283−287)。簡潔に述べれば、5μlのタンパク質(脳抽出物約40μg)、2μl AFC、2μlのIPCアナログ、36μl緩衝液A、および5μl[3H]−SAM(最終濃度10μM)を含む反応混合物(最終体積50μl)を混合し、サンプルを15秒間ボルテックスし、次いで、37℃で30分間インキュベートした。次いで、50μlの20%ツウィーン20を用いて反応を停止させた(10秒間のボルテックス)。次に、500μlのヘプタンを添加し、次いで、反応混合物を10秒間ボルテックスし、その後に13,000rpmで5分間スピンした。次に、250μlの上層を取り出し、オープントップの1.5μl遠心管中にいれた。次いで、オープントップの管を真空遠心機(Speed Vac Concentrator 「Savant RH 4011」)中で30分間スピンしてヘプタンを蒸発させた。次いで、管を5mLシンチレーションバイアル(3mLのシンチレーション液を含む)(Ecoscint,National Diagnostics)にいれた。200μlの1M NaOHを各管に添加して塩基不安定性AFCMEを加水分解し、直ちに蓋をする。サンプルを37℃で一晩平衡化し、次いで、カクテルに分配する[3H]−MeOHレベルを、液体シンチレーション分光法(Beckman LS 6500)によって定量した。化合物N−64、化合物N−19、化合物A、化合物N−30、および化合物N−77を使用して得たICMT基質(メチル化アセチル−ファルネシル−システイン)の減少率を、図12に示す。
スーパーオキシド形成の減少によって決定される好中球由来の酸化バーストの阻害によって測定する場合の提供した化合物の生物学的活性(化合物の抗酸化剤の性質が含まれる)を測定するために使用したアッセイを以下に記載する。
実施例88
好中球由来の酸化バーストの阻害
環境障害(日光由来の紫外(「UV」)線、タバコ煙曝露、高飽和脂肪食の消費、および環境汚染物質など)ならびに天然の加齢過程(フリーラジカルおよび活性酸素種(「ROS」)の生成への寄与)に原因する酸化ストレスは、特に皮膚の炎症反応を刺激する(Pilla et al.,Intl J Cosm Sci,2005,27:17−34)。高レベルのROSは、皮膚に及ぼす有害作用(紅斑、浮腫、光老化、および皮膚癌が含まれる)に寄与する(Trouba et al.Antioxid.Redox
Signal 2002 v4 p665−673)。炎症反応中の好中球浸潤は、酸素消費の増加およびROSの生成に関連する。細胞外炎症アゴニスト(fMLPなど)は、GPCR(ホルミルペプチド受容体(「FPR」)など)に結合して酸化バースト応答(すなわち、ROSの急速な放出)を誘発する。好中球由来のかかる酸化バースト応答はまた、過敏性腸症候群(潰瘍性大腸炎が含まれる)に関連する(Keshavarzian et al.,J Lab Clin Med,1997,130: 216−225)。
本発明は、ROSのfMLP誘導性GPCR媒介性放出の阻害からも明らかなように、本発明の一定のイソプレニル化合物が抗酸化活性および抗炎症活性を示すことを証明している。
スーパーオキシド放出アッセイは、公開されたプロトコールに基づく(Goldstein et al.,J Clin Invest,1975,56:1155−63)。簡潔に述べれば、細胞を、シトクロムc(最終濃度75μM)、サイトカラシンB(5μg/mL)の混合物(SOD(10μg/mL)および化合物(0〜100μMの範囲)を含むか含まない)と共に37℃で10分間プレインキュベーションした。O2 −放出を開始するために、fMLP(0.2μM)を添加し、細胞を37℃で10分間インキュベートする。次いで、サンプルを氷上に5分間置き、次いで、3,000rpmにて4℃で遠心分離した。次いで、上清を550nmおよび556.5nmでの分光光度測定によって分析した。AFC、化合物C、化合物N−25、AFC−メチルエステル(AFC−ME)、およびAFC−アセトキシルメタン(AFC−AM)を用いて得たスーパーオキシド形成の減少率を図13に示す。
等価物
当業者は、日常的実験しか使用せずに、本発明が特定の実施形態を参照して記載されているが、これらの実施形態が本発明の原理および適用の例示のみを目的とすると理解すべきであることを認識するか確認することができる。したがって、例示的実施形態に対する多数の修正形態を得ることができ、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の精神および範囲を逸脱することなく他の配置を考案することができると理解すべきである。
特許請求の範囲中の「a」、「an」、および「the」などの冠詞は、逆に示すか、そうでなければ文脈から明らかでない限り、1つまたは1つを超えることを意味し得る。群の1つまたは複数のメンバーの間に「or」を含むクレームまたは記載は、逆に示すか、そうでなければ文脈から明らかでない限り、群のメンバーの1つ、1つを超える、または全てが、所与の生成物または過程中に存在するか、使用されるか、そうでなければ関連するという条件を満たすと見なされる。本発明は、群の正確に1つのメンバーが所与の生成物または過程中に存在するか、使用されるか、そうでなければ関連する実施形態を含む。本発明は、群のメンバーの1つを超えるか全てが所与の生成物または過程中に存在するか、使用されるか、そうでなければ関連する実施形態を含む。さらに、1つまたは複数の列挙したクレーム由来の1つまたは複数の限定、要素、節、記述用語などが別のクレームに導入される全ての変更形態、組み合わせ、および入れ替えを本発明が含むと理解すべきである。例えば、別のクレームに従属する任意のクレームを、同一の基本クレームに従属する任意の他のクレーム中に見出される1つまたは複数の限定を含むように修正することができる。
要素をリスト(例えば、マーカッシュ形式)として示す場合、要素の各下位集団も開示され、任意の要素を群から削除することができると理解すべきである。一般に、本発明または本発明の態様が特定の要素、特徴などを含むと言及される場合、本発明の一定の実施形態または本発明の態様が、かかる要素、特徴などからなるか、本質的になると理解すべきである。簡潔にするために、これらの実施形態は、本明細書中でその通りの言葉で具体的に記載されていない。用語「comprising」は、オープンエンド形式を意図し、さらなる要素または工程を含むことが可能であることに留意すべきである。
範囲を示す場合、終点が含まれる。さらに、他で示されるか、そうでなければ文脈および当業者の理解から明らかである限り、範囲として示した値は、本発明の異なる実施形態中に示した範囲内の任意の特定の値または部分的範囲を、文脈上そうでないと明確に示されない限り、範囲の下限の単位の1/10まで想定することができると理解すべきである。
さらに、先行技術の範囲内に含まれる本発明の任意の特定の実施形態を1つまたは複数のクレームのいずれかから明確に排除することができると理解すべきである。かかる実施形態は当業者に公知であると見なされるので、排除することを明確に示していない場合であっても、かかる実施形態を排除することができる。本発明の組成物の任意の特定の実施形態(例えば、任意のターゲティング部分、任意の疾患、障害、および/または容態、任意の結合剤、任意の投与方法、任意の治療適用など)を、先行技術の有無と無関係に、いかなる理由でも、1つまたは複数のクレームのいずれかから排除することができる。
上記および本明細書中を通して考察された刊行物を、本出願の出願日前に専らその開示のために提供する。先行技術の開示によって本発明者らがかかる開示に先行する権利を与えられないと承認すると解釈されない。
(項目1) 式I’:
(式中、
Lは、2価、分岐または非分岐、飽和または不飽和のC2〜C6炭化水素鎖であり、Lの1つまたは複数のメチレン単位は、−O−、−S−、−NH−、−C(O)−、−CF2−、−C(=CH2)−、−CH=CH−、または任意選択的に置換された、アリーレン、ヘテロアリーレン、C3〜C6シクロアルキレン、C3〜C6ヘテロシクロアルキレン、もしくは8〜10員二環式複素環部分で独立して置き換えられ、
Lは、ハロゲン、C1〜C6アルキル、フェニル、ビフェニル、−ベンジル、−CH2−フェノール、−CH(フェニル)2、−OH、−NH2、−NHC(O)CH3、−NHC(O)NHCH2CH3、−C(O)NH2、−C(O)NHCH2CH3、−CH2C(O)OCH2フェニル、−(CH2)2SCH3、−(CH2)2C(O)NH2、−(CH2)2C(O)OH、8〜10員二環式アリール環、窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員ヘテロアリール環、窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する8〜10員二環式ヘテロアリール環、窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する5〜7員単環、または窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する7〜10員二環式ヘテロシクリル環から選択される1つまたは複数の基で任意選択的に置換され、
Mは、−C(O)−、−C(S)、または−SO2−であり、
R1は、水素、F、CF3、C1〜C4アルキル、−OH、−C(O)CH3、−NH(OR)、−NR2、−NHNR2、−SO2R、−NH−フェニル、−SO2−フェニル、−フェニル−NO2、または−ORであり、各Rは、独立して、水素、酸素、またはC1〜6脂肪族またはC1〜6ヘテロ脂肪族から選択される任意選択的に置換された基であり、
R2は−C(O)Xであり、Xは、独立して、R、−C(O)NHNH2、−OR、水素、アリールオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヘテロアリールオキシ、ヒドラジン、6〜10員アリール環、窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員ヘテロアリール環であり、各Rは、独立して、水素またはC1〜6脂肪族またはC1〜6ヘテロ脂肪族から選択される任意選択的に置換された基であり、
R3は、置換または非置換、分岐または非分岐、飽和または不飽和のC10〜C25脂肪族であり、
Yは、−O−、−N−、−S−、−Se−、−S(O)−、−S(=N)−、−SO2−、−Se(O)−、または−Se(O)2−である)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
(項目2) LとR1とでC1〜C3非置換非ハロゲン化アルキルを形成できない、項目1に記載の化合物。
(項目3) Lは、2価、分岐または非分岐、飽和または不飽和のC2炭化水素鎖から選択され、Lの1つまたは複数のメチレン単位は、−NH−、−O−、−C(O)−、−CH=CH−、C3〜C6シクロアルキレン、C3〜C6ヘテロシクロアルキレン、8〜10員二環式複素環部分、任意選択的に置換されたアリーレン、および任意選択的に置換されたヘテロアリーレンで独立して置き換えられ、Lは、ハロゲン、置換または非置換のC1〜C6アルキル、および−NHC(O)CH3から選択される1つまたは複数の基で任意選択的に置換される、項目1に記載の化合物。
(項目4) Lは、
から選択される、項目3に記載の化合物。
(項目5) Lは、2価、分岐または非分岐、飽和または不飽和のC3炭化水素鎖から選択され、Lの1つまたは複数のメチレン単位は、−NH−、−O−、−C(O)−、−CF2−、−C(=CH2)−、−CH=CH−、C3〜C6シクロアルキレン、8〜10員二環式複素環部分、任意選択的に置換されたアリーレン、および任意選択的に置換されたヘテロアリーレンで独立して置き換えられ、Lは、ハロゲン、置換または非置換のC1〜C6アルキル、−フェニル、−CH(フェニル)2、−CH2(フェニル)、−NHC(O)CH3、およびNHC(O)NHCH2CH3から選択される1つまたは複数の基で任意選択的に置換される、項目1に記載の化合物。
(項目6) Lは、
から選択される、項目5に記載の化合物。
(項目7) Lは、2価、分岐または非分岐、飽和または不飽和のC4炭化水素鎖から選択され、Lの1つまたは複数のメチレン単位は、−NH−、−O−、−C(O)−、−C(=CH2)−、−CH=CH−、C3〜C6シクロアルキレン、8〜10員二環式複素環部分、任意選択的に置換されたアリーレン、および任意選択的に置換されたヘテロアリーレンで独立して置き換えられ、Lは、ハロゲン、および置換または非置換のC1〜C6アルキルから選択される1つまたは複数の基で任意選択的に置換される、項目1に記載の化合物。
(項目8) Lは、
から選択される、項目7に記載の化合物。
(項目9) Lは、2価、分岐または非分岐、飽和または不飽和のC5炭化水素鎖から選択され、Lの1つまたは複数のメチレン単位は、−NH−、−O−、−C(O)−、および任意選択的に置換されたアリーレンで独立して置き換えられ、Lは、置換または非置換のC1〜C6アルキル、および−CH2C(O)OHから選択される1つまたは複数の基で任意選択的に置換される、項目1に記載の化合物。
(項目10) Lは、−CH(CH3)CH(CH3)C(O)−、−CH2C[(CH3)(CH3)]C(O)−、−C[(CH3)(CH3)]CH2C(O)−、
−C(O)NH(CH2)3−、−(CH2)2NHC(O)CH2−、−(CH2)2C(O)NHNH、−OC[(CH3)(CH3)]CH2−、−CH2C(O)OCH2CH2−、−C(O)NHCH[CH(CH3)(OH)]−、および−C(O)NHCH[CH2C(O)OH]−から選択される、項目9に記載の化合物。
(項目11) Lは、2価、分岐または非分岐、飽和または不飽和のC6炭化水素鎖から選択され、Lの1つまたは複数のメチレン単位は、−NH−、−O−、−C(O)−、−C(=CH2)−、−CH=CH−、C3〜C6シクロアルキレン、8〜10員二環式複素環部分、任意選択的に置換されたアリーレン、および任意選択的に置換されたヘテロアリーレンで独立して置き換えられ、Lは、ハロゲン、置換または非置換のC1〜C6アルキル、−CH2CH2C(O)OH、−(CH2)2C(O)NH2、−C(O)NH2、−NHC(O)CH3、−(CH2)2SCH3、−(CH2)3NHC(O)NH2、−(CH2)2C(O)OCH2−フェニル、−NHC(O)NHCH2CH3、および窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する5〜7員単環から選択される1つまたは複数の基で任意選択的に置換される、項目1に記載の化合物。
(項目12) Lは、
である、項目11に記載の化合物。
(項目13) R1は、水素、メチル、−OH、または−OCH2CH3から選択される、項目1に記載の化合物。
(項目14) R1は−OHである、項目13に記載の化合物。
(項目15) R2は−C(O)Xであり、Xは、R、−OR、ヒドラジン、または水素から選択される、項目1に記載の化合物。
(項目16) R2は−C(O)Xである、項目15に記載の化合物。
(項目17) Xは−ORである、項目16に記載の化合物。
(項目18) Rは水素である、項目11に記載の化合物。
(項目19) R3は置換、分岐C12脂肪族である、項目1に記載の化合物。
(項目20) R3は分岐C12アルケニル基である、項目15に記載の化合物。
(項目21) R3は−CH2CH=C(CH3)CH2CH2CH=C(CH3)CH2CH2CH=C(CH3)2である項目16に記載の化合物。
(項目22) 前記化合物は、式Ia:
の化合物またはその薬学的に許容可能な塩である、項目1に記載の化合物。
(項目23) 以下:
から選択される化合物。
(項目24) 構造:
の化合物。
(項目25) 構造:
の化合物。
(項目26) 項目1から25のいずれか1項に記載の化合物および薬学的に許容可能なアジュバント、キャリア、またはビヒクルを含む組成物。
(項目27) さらなる治療薬と組み合わせた項目26に記載の組成物。
(項目28) 前記さらなる治療薬が、デキサメタゾン、インドメタシンおよびクロベタゾールからなる群から選択される、項目27に記載の組成物。
(項目29) 炎症性の疾患または障害の処置あるいはその重症度の低減を必要とする患者における炎症性の疾患または障害を処置するかその重症度を低減する方法であって、項目1から25までのいずれか1項に記載の化合物または項目26に記載の組成物を前記患者に投与する工程を含む、方法。
(項目30) 前記疾患または傷害が、炎症、神経再生を促進するための脊髄損傷に関連する炎症、喘息、自己免疫疾患、COPD、免疫系の炎症反応、皮膚疾患、過敏性腸症候群、in vivo遺伝子療法中の免疫系(immune sustem)による遺伝子操作された細胞の拒絶の阻害、および神経変性障害から選択され、前記方法が、本発明の組成物を必要とする患者に投与する工程を含む、項目29に記載の方法。
(項目31) 前記炎症が急性または慢性である、項目30に記載の方法。
(項目32) 前記慢性閉塞性肺疾患が、気腫、慢性気管支炎、および末梢気道疾患から選択される、項目30に記載の方法。
(項目33) 前記皮膚疾患が急性皮膚刺激を軽減する、項目30に記載の方法。
(項目34) 前記皮膚疾患が、しゅさ、アトピー性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、および乾癬から選択される、項目33に記載の方法。
(項目35) 前記過敏性腸症候群が、クローン病(Chron’s disease)、および潰瘍性大腸炎から選択される、項目30に記載の方法。
(項目36) 前記神経変性障害が、パーキンソン病、アルツハイマー病、ハンチントン病、拳闘家認知症、ピック病、グアムパーキンソニズム痴呆コンプレックス、前頭側頭型痴呆、大脳皮質基底核変性、淡蒼球橋屈曲黒質変性、進行性核上麻痺、レヴィ小体型認知症(DLB)、および多系統萎縮症(MSA)から選択される、項目30に記載の方法。