JP2014198035A - 植物栽培温室 - Google Patents

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Abstract

【課題】ハウス内を冷房するのに細霧の気化熱を利用した簡易な細霧冷房設備を用いる一方、そのようにハウス内を細霧冷房するものであっても、ハウス内で作業に従事する作業員の作業環境(湿度及び温度)を好適範囲に維持できるようにする。
【解決手段】上部を透明な被覆材2で被覆してなるハウス本体1内を上下に通気可能な区画材6により天井側の上部室21と栽培室となる下部室22との上下2室に区画し、下部室22の側面11に防虫ネット3を張設し、上部室21内を細霧冷房装置7により細霧冷房し、上部室21内の空気をハウス外に排出する排気フアン5を有しているとともに、上部室21内の空気を排気フアン5で強制排気することで、下部室22内の空気が上部室21内に吸引され続いて下部室22内に外気が防虫ネット3を通して導入されるようにしていることにより、栽培室となる下部室22内を外気とほぼ同等の作業環境にできる。
【選択図】 図1

Description

本願発明は、草花、果菜、野菜等の植物を栽培するための植物栽培温室に関するものである。尚、本願が対象にしている植物栽培温室は、パイプ材やアングル材等で組立てた骨格体の外側を透明の被覆材(ビニールシートやガラス板)で被覆したものであって、一般に農業用ハウスと称されているものである。そして、以下の説明では、本願の植物栽培温室を農業用ハウス又は単にハウスということがある。
基本的な農業用ハウスは、骨格体(パイプ材やアングル材等で組立てたもの)の外側を透明な被覆材(ビニールシートやガラス板等)で覆って雨水の侵入を防止する一方で、ハウスの側面下部に防虫ネットを張設してハウス内の通気性を確保するようにしている。
又、従来から、ハウス内が過度に高温になるのを防止するために、ハウスの妻面に排気フアンを設けてハウス内の空気(熱気)を強制的に入れ替えるようにしたものもある。
ところで、上記のようなハウスにおいては、特に夏季の日照時には、透明な被覆材を通して日光による日射熱でハウス内が40℃以上の高温になることが通例であり、その場合には、高温による作物への悪影響が出る一方、作業に従事する作業員の作業環境が劣悪になる。従って、夏の高温時期には、多くの農家がハウス栽培を休止しているのが現状である。
他方、夏季の高温時にハウス内を冷凍機で冷やすものも散見されるが、その場合は、設備費が高価となり且つ運転コスト(電気代)も高くつくので、一般に普及していない。
又、近年、ハウス内を比較的簡易に冷却する設備として、ミスト状の水滴(細霧)をハウス内に飛散させてその気化熱により冷房するようにした細霧冷房設備がある。この細霧冷房設備は、ハウス内に点在させた多数の細霧噴出ノズルから一定時間ごとに細霧を噴出させてハウス内を細霧冷房するものであるが、日中はハウス内が日射熱により加温されることにより細霧が気化して、ハウス内全域が異常な高湿状態になる。そして、ハウス内が異常な高湿状態になると、作物に対する病気の発生や品質の低下が起こり、さらに長時間の作業ができない程度の高湿作業環境になる。
ところで、このような高湿状態を解消するには、ハウス内の換気(外気と入れ替え)を迅速に行う必要があるが、ハウス内の高湿状態をハウス内での作業実施可能な程度まで低下させるには、外気の入れ替えに時間を要し、さらにその間もハウス内が被覆材を透過する日射熱で加温され続けているので、ハウス内の作業環境はさほど改善できないのが現状である。
そこで、本願発明は、ハウス内を冷房するのに細霧の気化熱を利用した簡易な細霧冷房設備を用いる一方、そのようにハウス内を細霧冷房するものであっても、ハウス内における作業高さ位置の作業環境(湿度及び温度)を好適範囲に維持できるようにした植物栽培温室(農業用ハウス)を提供することを目的としている。
本願発明は、上記課題を解決するための手段として次の構成を有している。尚、本願発明は、植物を栽培するための植物栽培温室(農業用ハウス)を対象としたものであり、特に日差しの強い季節(主に夏季に使用されるが春季、秋季でも使用可能)の日中に好適なものである。
[本願請求項1の発明]
本願請求項1の発明の植物栽培温室は、上部を透明な被覆材で被覆してなるハウス本体内を上下に通気可能な区画材により天井側の上部室と栽培室となる下部室との上下2室に区画し、下部室の側面に防虫ネットを張設し、上部室内を細霧冷房装置により細霧冷房し、上部室内の空気をハウス外に排出する排気フアンを有しているとともに、上部室内の空気を排気フアンで強制排気することで、下部室内の空気が上部室内に吸引され続いて下部室内に外気が防虫ネットを通して導入されるように構成したものである。
ハウス本体は、パイプ材やアングル材等で組立てた骨格体の外側を透明の被覆材(ビニールシートやガラス板)で被覆して構成されたものである。
ハウス本体内を上下2室に区画する区画材は、上部室と下部室とを通気可能に区画するものであるが、その通気許容構造としては、区画材自体に通気性を有するネットを使用したり、あるいは不通気シートを使用する場合には該シートに所定面積割合の範囲で通気用開口を設けるとよい。この場合の通気用開口としては、例えば不通気シートに多数の穴を散在させたり(パンチングシートを使用)、平面方向(ハウスの幅方向又は長さ方向)に所定小幅の隙間(通気部)を設けたものを採用できる。又、この区画材は、栽培室となる下部室に上方(上部室側)からの日光を透過させる必要から、透光性を有した材質(ある程度、遮光性があってもよい)のものが採用される。
ハウス本体の下部寄りの側面には、通気を許容し小害虫の侵入(通過)を防止するための防虫ネットが張設されているが、最近では、オンシツコナジラミやスリップスなどの微小害虫の侵入も阻止するために、防虫ネットとして網目空間が0.4mm程度の微細目のものを多用している。尚、このような微細目の防虫ネットを使用すると、防虫の点では効果が良好となるが通常の風程度では通気性が非常に悪いものとなる。
上部室内を細霧冷房する細霧冷房装置は、水を微細な水滴(細霧)にして高温空気中に噴霧させることで、該細霧が空気中で蒸発するときの気化熱により空気を冷やすことができるようにしたものである。尚、この請求項1では、細霧冷房装置は、上部室内で直接細霧を発生させ得るようにしたものでもよく、あるいは上部室外で発生させた細霧を該上部室内に供給し得るようにしたものでもよい。又、ハウスが長いものでは、上部室の長さ方向に間隔をもって複数箇所に細霧冷房装置を設置することができる。
上部室内の空気は、排気フアンによって強制排気されるようになっているが、ハウスが長いものでは、上部室内の長さ方向の途中に補助送風フアンを設置して、上部室内の全長に亘って空気がスムーズに流れるようにすることができる。
この請求項1の植物栽培温室は、次のように機能する。まず、日中において日光がハウス内に照射すると、その日光が届く上部室内及び下部室内が日射熱でそれぞれ加温されるが、上記細霧冷房装置を作動させていると、上部室内で浮遊する細霧が上部室内の熱で蒸発(気化)してその気化熱により該上部室内を冷房することができる。そして、このように、上部室内の温度が細霧冷房によって冷却されると、該上部室側から下部室(栽培室)側への加熱伝導が起こりにくくなる。
他方、排気フアンを作動させると、上部室内の空気が外気中に強制排気されることで該上部室内が負圧になり、その不足空気を区画材の通気部分を通して下部室内から吸引するようになる。尚、このとき、上部室内は細霧が気化したことで高湿状態になっているが、上部室と下部室間には区画材が介在されており、さらに上部室内が負圧になっていることによりハウス内での空気の流れは下部室側から上部室側への一方通行となるので、該上部室内の高湿空気が下部室側に流入することはない。
そして、下部室内の空気が上部室側に流入することにより該下部室内が負圧になるが、その不足空気は下部室側面の防虫ネットを通してハウス外から外気を吸引するようになる。尚、下部室の内外に上記のような気圧差が生じると、防虫ネットの網目が微小なものでも(自然状態で通気性に乏しい性状でも)、空気が自然に高圧側(ハウス外)から低圧側(下部室内)に流動するようになる。又、このような空気の流れは、排気フアンの作動中は連続して行われるとともに、無風状態であってもハウス内の空気の入れ替えを確実に行える。
従って、この請求項1の植物栽培温室では、排気フアンの作動中は、ハウス内の下部室(栽培室)内には新しい外気が連続して吸引される(入れ替えられる)ことにより、下部室(栽培室)内も日射熱で加温されるものの、該下部室内の温度及び湿度は常時ハウス外の外気とほぼ同等となる。
[本願請求項2の発明]
本願請求項2の発明は、上記請求項1の植物栽培温室において、ハウス本体内を区画している区画材は、所定遮光率を有した遮光材であることを特徴としている。
ところで、ハウス内で作物を栽培するのに、栽培室(下部室)内にも所定の日射量が必要であるが、夏季のような日差しの強い季節では、栽培室内が過度に昇温するのを防止するために該栽培室への日射量をある程度制限することが望ましい。
そこで、この請求項2の植物栽培温室では、ハウス本体内を上下に区画する区画材として所定遮光率を有した遮光材を使用することで、下部室(栽培室)への過剰な日射量(それによる加温)を抑制するようにしている。
区画材による遮光機能は、例えば、区画材に遮光ネットや半透明の遮光シート(又は反射シート)を使用することで付与できる。尚、この区画材による好適な遮光率は、栽培作物の種類やハウス設置環境等に応じて変化させ得るが、上部室側から区画材上面に照射した日光量を例えば(特に限定するものではないが)50〜70%程度カットし得るものが採用できる。
[本願請求項3の発明]
本願請求項3の発明は、上記請求項1又は2の植物栽培温室において、細霧冷房装置は外気を吸引する吸気フアンと細霧噴出ノズルとを有し、該細霧冷房装置を上部室における一方のハウス妻面に設置する一方、排気フアンを上部室における細霧冷房装置の設置側ハウス妻面とは対面するハウス妻面に設置しているとともに、排気フアン部分での排気量を吸気フアン部分での吸気量より多くしていることを特徴としている。
この請求項3において、上部室における排気フアン部分での排気量を吸気フアン部分での吸気量より多くする方法としては、排気ファンの排気出力を吸気ファンの吸気出力より大きくすることが一般的であるが、排気ファンと吸気ファンとが同等の出力のものでも、例えば吸気ファンで吸気される部分に適度の吸気抵抗をもたせる(例えば細目のネットを通して吸気する)ことにより、上記排気量と吸気量に差をもたせるようにしたものでもよい。
この請求項3の植物栽培温室では、上部室における一方のハウス妻面部分で発生させた細霧を吸気フアンと排気フアンとで上部室内を強制的に移送させて広範囲に飛散させることができる。
又、吸気フアンで上部室内に外気を導入するものであっても、排気フアン部分での排気量を吸気フアン部分での吸気量より多くしている(上部室内が負圧となる)ので、その排気量と吸気量の差に見合う空気量を下部室側から上部室側に吸引でき、さらに下部室が負圧になることにより該下部室内に外気が防虫ネットを通して導入される。
[本願請求項4の発明]
本願請求項4の発明は、上記請求項1又は2の植物栽培温室において、上部室におけるハウス長さ方向の中間位置に所定小間隔を隔てて2つの隔壁を設けて、上部室内を前部室と中間室と後部室の前後3室に区画し、上記中間室内に細霧冷房装置で発生させた細霧を供給し、上記2つの隔壁に中間室内の細霧混じりの空気を前部室と後部室に振り分けて吹き出させる吹出フアンをそれぞれ設けている一方、前部室側のハウス妻面と後部室側のハウス妻面とにそれぞれ排気フアンを設けて該各排気フアンで前部室内と後部室内の各空気をそれぞれ大気中に強制排気するように構成しているとともに、各排気フアン部分での各排気量を各吹出フアン部分での各吹き出し空気量よりそれぞれ多くしていることを特徴としている。
この請求項4の植物栽培温室では、次のように機能する。尚、この請求項4の場合でも、ハウス本体の下部室内は、その側面に設けた防虫ネットの網目を通して外気と連通している。
各装置(細霧冷房装置、排気フアン、吹出フアン等)を作動させると、まず上部室における前後中間位置にある中間室内に細霧冷房装置から細霧が供給されて、該中間室内が細霧混じりの空気で高湿状態となる。そして、中間室内の細霧混じりの空気は、該中間室の前後各隔壁に設けた各吹出フアンにより上部室の前部室と後部室とに振り分けて吹き出される。このとき中間室内は空気吹き出しにより負圧になるが、該中間室内に不足する空気は区画材の通気部分を通して下部室側から補充される。
ところで、上部室の前部室内及び後部室内は、それぞれ日射熱によって加温されているので、中間室から前部室内及び後部室内に吹き出された空気(細霧混じりの空気)中の浮遊細霧は各室内の熱で蒸発(気化)してその気化熱により前部室内及び後部室内をそれぞれ冷房することができる。
そして、このように前部室内及び後部室内をそれぞれ細霧冷房した後、前部室内及び後部室内の空気は各側のハウス妻面に設けた前後の各排気フアンによりそれぞれ外気中に強制排気されるが、各排気フアンによる前部室及び後部室の各排気量は中間室(各吹出フアン)からの吹き出し空気量より多くしているので、前部室内及び後部室内がそれぞれ負圧になり、その各室で不足する空気を区画材の通気部分を通して下部室内からそれぞれ前部室内及び後部室内に吸引するようになる。
このとき、上記請求項1の上部室の場合と同様に、前部室内及び後部室内は細霧が気化したことで高湿状態になっているが、前部室及び後部室と下部室間にはそれぞれ区画材が介在されており、さらに前部室内及び後部室内が負圧になっていることによりハウス内での空気の流れは下部室側から上部室側への一方通行となるので、前部室内及び後部室内の高湿空気が下部室側に流入することはない。そして、下部室内の空気が前部室及び後部室側に流入することにより該下部室内が負圧になるが、そのときの不足空気は下部室側面の防虫ネットを通してハウス外から外気を吸引するようになる(無風状態であってもハウス内の空気の入れ替えを確実に行える)。
ところで、本願のように、ハウス本体の上部室内を細霧冷房するようにしたものにおいて、上記請求項3のように上部室の一方のハウス妻面から細霧を供給する一方、その対向側のハウス妻面から上部室内の空気を排出するようにしたものでは、上部室内における細霧供給側に近い場所での細霧冷房は活発に行われるが、上部室内における排気側に近づくほど未気化の細霧量が少なくなっていくのでそこでの細霧冷房効果が低下していく。
そこで、本願請求項4のように、上部室をハウス長さ方向に3分割して、上部室の中間室から細霧混じりの空気を前部室と後部室に吹き出させるようにすると、細霧冷房範囲が上部室内におけるハウス長さ方向の1/2ずつでよくなる。
[本願請求項1の発明の効果]
本願請求項1の発明の植物栽培温室は、次のような効果がある。
(1)ハウス内を上下に通気性を有した区画材で上下2室に区画するとともに、その上部室内を細霧冷房装置で発生させた細霧の気化により冷房できるので、該上部室内が日射熱で高温度まで加温されるのを抑制できる。このように、細霧冷房装置により上部室内の温度上昇が抑制できると、下部室空気が上部室の温度で加温されにくくなり、しかも低温となった上部室空気で下部室空気を冷やすことも可能となるので、夏季のような高温時においても栽培室となる下部室内が過度に加温されることがない(高温による作物育成環境や作業に従事する作業員の作業環境がそれぞれ悪くならない)。
(2)上部室冷房用の細霧冷房装置は、細霧の気化熱で冷房し得るものであるので、冷房装置として設備費が安価となるとともに運転コストも安価となる。
(3)ハウス内での空気の流れは、下部室(栽培室)側から上部室側への一方通行であるので、上部室内が細霧の気化による高湿状態になっても、その上部室側の高湿空気が下部室内に流入することがない。従って、冷房用に細霧冷房装置を使用したものであっても、栽培室となる下部室内が高湿にならないので、作物に対する病気の発生を抑止できるとともに、作業に従事する作業員の作業環境が悪化しない。
[本願請求項2の発明の効果]
本願請求項2の発明の植物栽培温室では、ハウス内を上下2室に区画している区画材に所定遮光率を有した遮光材を使用しているので、上記請求項1の効果に加えて、上部室側から区画材を通って下部室内に照射される照射熱量を軽減でき、下部室に対する温度上昇作用を抑制できるという効果がある。
[本願請求項3の発明の効果]
本願請求項3の発明の植物栽培温室では、上記請求項1及び2の効果に加えて、次の効果がある。
まず、上部室における一方のハウス妻面に吸気フアンを設け、上部室における他方のハウス妻面に排気フアンを設けているので、細霧冷房装置からの細霧が上部室内を強制的に移送せしめられて広範囲に飛散する。従って、細霧冷房装置を使用したものであっても、細霧が上部室内の広範囲の位置で気化されることにより、該細霧が1箇所で結露して滴り落ちることがない。
又、吸気フアンで上部室内に外気を導入するものであっても、排気フアン部分での排気量を吸気フアン部分での吸気量より多くしているので、その排気量と吸気量の差に見合う空気量を下部室側から上部室側に連続して吸引できる(そのとき下部室内が負圧になる)。従って、下部室内には防虫ネットを通して外気が連続して導入されるので、下部室内を外気とほぼ同等の温度及び湿度環境に維持でき、外気が高温となる季節(主として夏季であるが、春季や秋季の高温時)においてもハウス栽培が可能となる。
[本願請求項4の発明の効果]
本願請求項4の発明の植物栽培温室は、上部室内をハウス長さ方向に前部室と中間室と後部室の3室に区画し、その中間室内に細霧を供給する一方、該中間室内の細霧混じりの空気をそれぞれ前部室と後部室に振り分けて吹き出し、前部室内及び後部室内をそれぞれ細霧冷房した後、前部室内及び後部室内の空気をそれぞれ前後の各ハウス妻面から強制排気し得るようになっている。
このように、この請求項4の植物栽培温室では、ハウス長さ方向の中間位置(中間室)で発生させた細霧混じりの空気を前部室と後部室に振り分けて吹き出させることにより、細霧冷房範囲が上部室内におけるハウス長さ方向の1/2ずつでよくなる。
従って、この請求項4の発明の植物栽培温室では、上記請求項1及び2の効果に加えて、上部室内の細霧冷房範囲がハウス長さ方向の1/2ずつでよいので、上部室内での細霧冷房効率が良好になるとともに、該上部室内の全長に亘って細霧冷房による温度低下を平均化させる(均一温度に近づける)ことができるという効果がある。
本願第1実施例の植物栽培温室(ハウス)の斜視図である。 図1のハウスにおける長手方向の縦断面図(図1のII−II断面図)である。 図1のハウスにおける幅方向の縦断面図(図1のIII−III断面図)である。 本願第2実施例の植物栽培温室(ハウス)の斜視図である。 図4のハウスにおける長手方向の縦断面図(図1のV−V断面図)である。 図4のハウスにおける幅方向の縦断面図(図1のVI−VI断面図)である。
[実施例]
以下、図1〜図6を参照して、本願実施例を説明すると、図1〜図3には本願請求項1、2及び3に対応する第1実施例の植物栽培温室を示し、図4〜図6には本願請求項1、2及び4に対応する第2実施例の植物栽培温室を示している。
まず、第1実施例(図1〜図3)と第2実施例(図4〜図6)の各植物栽培温室の共通事項について説明すると、該各植物栽培温室は、パイプ材やアングル材等で組立てた骨格体の外側を透明の被覆材2で被覆してハウス本体1を構成している。尚、各図にはハウス本体1の骨格体(パイプ材やアングル材等)は図示省略している。
ハウス本体1の大きさ・形状は、特に限定するものではないが、ハウス妻面12(及び13)が例えば幅6〜10m、高さ4〜5m程度の面積で、前後長さが例えば30〜50m程度の大きさのカマボコ型に形成している。
ハウス本体1の外表は、屋根部に透明シートからなる被覆材2を使用し、左右の各側面11,11に防虫ネット3,3を使用し、前後の妻面12,13に透明シートを使用している。
屋根部の被覆材2には、雨水の透過を阻止するために防水性のあるビニールシートが採用されている。他方、前後の妻面12,13に使用するシートとしては、後述する区画材6より上方部分(12a,13a)は防水性のあるビニールシートを使用しているが、該区画材6より下方部分(12b,13b)は防水性のあるビニールシートでも通気性のある防虫ネットでもよい。尚、前後の妻面12,13の各下半部12b,13bには、開閉可能な出入口(扉)15,16(図1、図4参照)を設けるとよい。
下部室22の側面11,11に使用した防虫ネット3,3は、この実施例では、オンシツコナジラミやスリップスなどの微小害虫の侵入も阻止するために、網目空間が0.4mm程度の微細目のものを使用している。尚、このような微細目の防虫ネット3を使用すると、防虫の点では効果が良好となるが通常の風程度では通気性が非常に悪いものとなる。
ハウス本体1内は、上下に通気可能な区画材6により天井側の上部室21と栽培室となる下部室22との上下2室に区画している。この区画材6は、ハウス本体1内の前後方向の全長に設置されていて、上部室21と下部室22とがそれぞれハウス本体1の全長に亘って連続する状態で区画されている。
この区画材6の設置高さは、ハウス本体1内の下部室(栽培室)22として、人の歩行及び作業に邪魔にならないような高さ(例えば2〜2.5m程度の高さ)が確保できるような高さ位置に設定されている。
ところで、ハウス本体1における上部室21を被覆する部分(上面側の被覆材2全体、及び前後妻面の各上半部12a,13a)には、透明なビニールシートを使用しているので、該透明な被覆部分(2,12a,13a)での日光透過率(図2、図3又は図5、図6の各L0)が大きくなって、上部室21内への加温作用が大きくなる。
他方、ハウス内で作物を栽培するのに、下部室(栽培室)22内にも所定の日射量La(図2、図3又は図5、図6)が必要であるが、夏季のような日差しの強い季節では、下部室22内が過度に昇温するのを防止するために該下部室22内への日射量Laをある程度制限することが望ましい。そこで、この各実施例では、ハウス本体1内を上下に区画する上記区画材6を利用して、上部室21内に照射した日射量L1が下部室22側に透過する日射量Laを制限するようにしている。
この各実施例の区画材6としては、例えば、遮光ネットや半透明の遮光シート(又は反射シート)等の遮光材61を使用することができる。この区画材6(遮光材61)による好適な遮光率は、栽培作物の種類やハウス設置環境等に応じて変化させ得るが、上部室21側から区画材6上面に照射した照射量L1を例えば(特に限定するものではないが)50〜70%程度カットし得る(換言すると、該照射量L1の50〜30%だけ透過させ得る)ものが採用されている。即ち、図2及び図3(又は図5及び図6)において、上部室21を通って区画材6(遮光材61)上に照射した日射量L1は、その一部Lbが遮光材61によって遮光(又は反射)されて、残余の日射量Laのみが下部室22内に透過するようになっている。従って、被覆材2等を透過して遮光材61上に照射した照射量L1の一部Lbが該遮光材61で遮光(又は反射)されることにより、下部室22内に照射される照射量Laを減少できるので、下部室22内の作物Pに対する悪影響(例えば葉焼け)を防止したり、下部室22内への温度上昇作用を抑制できる。
又、上記区画材6は、上部室21と下部室22とが通気可能な状態で設置されているが、この各実施例では図1及び図3(又は図4及び図6)に示すように、左右に分割した2枚の遮光材(遮光シート)61,61間に所定間隔(例えば20〜40cm程度の間隔)の隙間62を設けて、該隙間62部分で通気可能としている。尚、遮光材61として遮光ネット(又はパンチングシート)を使用する場合は、該遮光ネットの網目(又はパンチングシートの穴)から通気させることができるので、上記隙間62を設けないものでもよい。
以下、第1実施例(図1〜図3)と第2実施例(図4〜図6)とを個別に説明する。
「図1〜図3の第1実施例」
この第1実施例の植物栽培温室において、ハウス本体1の上部室21内は細霧冷房装置7により細霧冷房し得るようになっている。この第1実施例の細霧冷房装置7は、外気を吸引する吸気フアン4と細霧を噴出させる細霧噴出ノズル71とを有している。
細霧冷房装置7の吸気フアン4は、一方のハウス妻面12における上部室21に対応する上半部12aに設けられている。尚、以下の説明では、前後の各ハウス妻面12,13において吸気フアン4を設置した側のハウス妻面を前側妻面12といい、該前側妻面12と対向する側のハウス妻面を後側妻面13ということがある。
上記吸気フアン4の外側は、前側妻面12の外面に設置したフード14で被覆されている。このフード14は、吸気フアン4を被覆する高さ位置から地表面に達する高さ範囲に設置している。又、このフード14の上半部14aには通気性のない透明シートが使用されている一方、該フード14の下半部14bにはハウス側面11の防虫ネット3と同様な細め(網目空間が0.4mm)の防虫ネットが使用されている。そして、上記吸気フアン4を作動させると、図2に示すように外気A0がフード下半部(防虫ネット)14bの網目からフード14内に吸引された後、吸気フアン4を通って符号A1で示すように上部室21の始端部21a内に吹き込まれるようになっている。
フード14内における上下中間高さ付近(遮光材61の高さ付近)には、細霧冷房装置7の細霧噴出ノズル71が設置されている。この細霧噴出ノズル71は、フード14内におけるハウス幅方向に所定間隔をもって複数個設けている。そして、この各細霧噴出ノズル71,71・・にはポンプ72からの水が圧送されて、該水が各細霧噴出ノズル71,71・・から細霧状態(符号F)で噴出されるようになっている。
各細霧噴出ノズル71,71・・から噴出された細霧Fは、フード14内を上向きに流れる空気中に混入して細霧混じりの空気となり、該細霧混じりの空気が吸気フアン4によって矢印AF(図3)で示すように上部室21の始端部21a内に吹き込まれる。
又、他方のハウス妻面(後側妻面)13における上部室21に対応する上半部13aには、上部室21内の空気を該上部室21の終端部21bから強制的に外気中に排出(図2の符号C)するための排気フアン5を設けている。
そして、吸気フアン4と排気フアン5を共に作動させると、吸気フアン4により外気A0がフード14内を通して上部室21の始端部21a内に吸引される一方、該上部室21内の空気が矢印B(図2)で示すように順次上部室21の終端部21b側に流動して、最終的に排気フアン5部分から矢印Cで示すように外気中に排出される。尚、上部室21内の空気は、吸気フアン4により外気が上部室始端部21aに吸引される一方、後側妻面13の排気フアン5により外気中に強制排気されるようになっているが、ハウスが長いものでは、上部室21内の長さ方向の適数箇所に補助送風フアン8,9(図2参照)を設置することにより、上部室21内の全長に亘って空気がスムーズに流れるようにすることができる。
ところで、本願請求項3の植物栽培温室では、後側妻面13における排気フアン5部分での排気量を上記妻面12における吸気フアン4部分での吸気量より多くしているが、上記排気量と上記吸気量に差をもたせるのに、この第1実施例では排気フアン5の排気出力と吸気フアン4の吸気出力に差をもたせることによって行っている。即ち、この第1実施例では、各フアン4,5の出力差は、特に限定するものではないが、吸気フアン4の吸気出力を例えば350〜400ワット程度とする一方、排気フアン5の排気出力を例えば700〜800ワット程度にすることができる。
他方、上記のように排気フアン5部分での排気量と吸気フアン4部分での吸気量とに差をもたせるのに、他の実施例では次のように構成することもできる。即ち、排気フアン5と吸気フアン4とを同等出力のものを採用する一方、吸気ファン4で吸気される部分に適度の吸気抵抗をもたせることにより、上記排気フアン5部分での排気量が吸気フアン4部分での吸気量より多くなるようにすることもできる。この場合、例えば図示例のように、吸気フアン4の外側を覆っているフード14の下半部14bのネットを極細目(例えば0.4mm)の網目にすることにより、該ネット部分で吸気抵抗を発生させて吸気フアン4部分での吸気量を減少させるようにすることもできる。
この第1実施例の植物栽培温室(ハウス)は、次のように機能する。
(a)ハウス本体1の上部室21は、日射熱L0で高温度まで加温される部分であるが、その上部室21内の始端部21aに細霧冷房装置7で発生させた細霧Fを供給することで、上部室21内を細霧の気化により冷房できるので、該上部室21内が日射熱L0で高温度まで加温されるのを抑制できる。このように、細霧冷房装置7により上部室21内の温度上昇作用が抑制できると、下部室22が上部室21の温度で加温されにくくなり、しかも低温となった上部室空気で下部室空気を冷やすことも可能となるので、夏季のような高温時においても栽培室となる下部室22内が過度に加温されることがない(高温による作物育成環境や作業に従事する作業員の作業環境がそれぞれ悪くならない)。
(b)上部室冷房用の細霧冷房装置7は、細霧による気化熱で冷房し得るものであるので、冷房装置として設備費が安価となるとともに運転コストも安価となる。
(c)ハウス内での空気の流れは、下部室(栽培室)22側から上部室21側への一方通行であるので、上部室21内が細霧の気化による高湿状態になっても、その上部室21側の高湿空気が下部室22内に流入することがない。従って、冷房用に細霧冷房装置7を使用したものであっても、栽培室となる下部室22内が高湿にならないので、作物に対する病気の発生を抑止できるとともに、作業に従事する作業員の作業環境が悪化しない。
(d)ハウス本体1内を上下2室に区画している区画材6に所定遮光率を有した遮光材61を使用しているので、上部室21側から区画材6を通って下部室22内に照射される照射熱量を軽減でき、下部室22に対する温度上昇作用を抑制できる。
(e)上部室21における、一方のハウス妻面12aに吸気フアン4を設け、他方のハウス妻面13aに排気フアン5を設けているので、細霧冷房装置7からの細霧Fが上部室21内を強制的に移送せしめられて広範囲に飛散する。従って、細霧冷房装置7を使用したものであっても、細霧が上部室21内の広範囲の位置で気化されることにより、該細霧が1箇所で結露して滴り落ちることがない。
(f)吸気フアン4で上部室21内に外気を導入するものであっても、排気フアン5部分での排気量を吸気フアン4部分での吸気量より多くしているので、その排気量と吸気量との差に見合う空気量を下部室22側から上部室21側に連続して吸引できるとともに、下部室22内が負圧になることで該下部室22内に防虫ネット3,3を通して外気の導入が連続して行われるので、下部室22内を外気とほぼ同等の温度及び湿度環境に維持できる。従って、外気が高温となる季節(主として夏季であるが、春季や秋季の高温時)においてもハウス栽培が可能となる。
ところで、上部室21内の空気を一方の妻面13に設けた排気フアン5で排気させるようにしたものでは、下部室22内における排気フアン5に近い側の空気が多量に吸引され易いが、下部室22の側面を覆っている防虫ネット3は極細目(約0.4mm)の網目であるので、空気の通過抵抗が大きく、従って下部室22の遠く(前側妻面12寄り)に位置するネット部分からも吸気するようになる。従って、下部室22内は広範囲に亘って外気との空気の入れ替えが行われる。
尚、上記した第1実施例(図1〜図3)の植物栽培温室は、本願請求項2及び3にも対応するものであるが、本願請求項1の状態のものも実施できる。即ち、本願請求項1では、細霧冷房装置7は、上部室21内を細霧冷房し得るものであればよく、例えば該細霧冷房装置7を上部室21内に設置して、該上部室21内で細霧を発生させるようにすることができる。その場合、複数個の細霧冷房装置7を、上部室21の長さ方向の複数箇所に分散して設置してもよい。
「図4〜図6の第2実施例」
この第2実施例の植物栽培温室では、ハウス本体1の上部室21におけるハウス長さ方向の中間位置に所定小間隔を隔てて2つの隔壁17,17を設けて、上部室21内を前部室21Aと中間室21Bと後部室21Cの前後3室に区画している。
中間室21Bの前後幅(両隔壁17,17間の間隔)は、特に限定するものではないが例えば1〜3m程度の範囲内で適宜幅に設定できる。中間室21Bを区画している前後の各隔壁17,17は、通気性のないシート状のものを使用できる。尚、中間室21Bの上面被覆部分2aは、該中間室21B内が日射熱で加温されるのを防止のために通気性の無い遮光フイルムを使用することが好ましい。
中間室21Bの前後各隔壁17,17には、それぞれ吹出フアン18A,18Bが設けられていて、該各吹出フアン18A,18Bにより中間室21B内の空気をそれぞれ前部室21Aと後部室21Cに振り分けて吹き出させるようにしている。この各吹出フアン18A,18Bには出力が同じものを使用しており、中間室21B内の空気を前部室21Aと後部室21Cとに均等量ずつ吹き出し得るようにしている。尚、各吹出フアン18A,18Bは、後述するように細霧冷房装置7の一部を構成するものである。
中間室21Bの下面部分には、図4及び図5に示すように前後両隔壁17,17の間隔に対応する部分に区画材6の無い隙間63を設けており、上記各吹出フアン18A,18Bで中間室21B内の空気を前部室21Aと後部室21Cに吹き出したときに不足する空気を該隙間63を通して下部室22内から補充し得るようにしている。
この第2実施例で使用されている細霧冷房装置7は、区画材6の上記隙間63部分から細霧Fを上向きに噴出させる複数個の細霧噴出ノズル71,71・・と、該各細霧噴出ノズル71,71・・に高圧水を圧送するポンプ72と、各細霧噴出ノズル71,71・・から中間室21B内に噴出させた細霧混じりの空気を符号FA,FAで示すように前部室21Aと後部室21Cに振り分けて吹き出させる2つの吹出フアン18A,18Bとを有している。
上部室21における前部室21A側のハウス妻面(前部妻面)12と後部室21C側にのハウス妻面(後部妻面)13には、それぞれ排気フアン5A,5Bを設けている。この各排気フアン5A,5Bは、前部室21A内及び後部室21C内の各空気を大気中に強制排気するためのものである。
各排気フアン5A,5B部分での排気量は、前後各隔壁17,17に設けた各吹出フアン18A,18B部分での吹き出し空気量より多くしている。そして、この第2実施例では、上記各フアンの出力差は、特に限定するものではないが、各排気フアン5A,5Bの排気出力を例えば700〜800ワット程度にする一方、各吹出フアン18A,18Bの吹出出力を例えば350〜400ワット程度にすることができる。
尚、図4〜図6の第2実施例では、前部妻面12に第1実施例のフード14が必要ないので、該前部妻面12のほぼ中央部に出入口15を設けることができる。そして、この第2実施例におけるその他の構成は、上記第1実施例のものとほぼ同様に構成されているので、この第2実施例で説明しない部分は上記第1実施例の説明を援用する。
この第2実施例(図4〜図6)の植物栽培温室では、次のように機能する。
各装置(細霧冷房装置7のポンプ72、排気フアン5A,5B、吹出フアン18A,18B等)を作動させると、まず上部室21における中間室21B内に各細霧噴出ノズル71,71・・から細霧Fが供給されて、該中間室21B内が細霧混じりの空気で高湿状態となる。そして、中間室21B内の細霧混じりの空気は、前後の各隔壁17,17に設けた各吹出フアン18A,18Bにより、図5に符号FA,FAで示すように前部室21Aと後部室21Cとに振り分けて吹き出される。このとき中間室21B内は空気吹き出しにより負圧になるが、該中間室21B内に不足する空気は区画材6の通気部分(隙間63)を通して下部室22側から補充される。
ところで、上部室21の前部室21A内及び後部室21C内は、それぞれ日射熱によって加温されているので、中間室21Bから前部室21A内及び後部室21C内に吹き出された細霧混じりの空気FA,FA中の浮遊細霧は各室内の熱で蒸発(気化)してその気化熱により前部室21A内及び後部室21C内をそれぞれ冷房することができる。
そして、このように前部室21A内及び後部室21C内をそれぞれ細霧冷房した後、前部室21A内及び後部室21C内の空気は各側のハウス妻面12,13に設けた前後の各排気フアン5A,5Bにより矢印C,C(図5)で示すようにそれぞれ外気中に強制排気されるが、各排気フアン5A,5Bによる前部室21A及び後部室21Cからの各排気量C,Cは、中間室21B(各吹出フアン18A,18B)からの空気吹出量FA,FAよりそれぞれ多くしているので、該前部室21A内及び後部室21C内がそれぞれ負圧になり、その不足空気を区画材6の通気部分を通して下部室22内から矢印A2,A2で示すようにそれぞれ前部室21A内及び後部室21C内に吸引するようになる。
このとき、前部室21A内及び後部室21C内は細霧が気化したことで高湿状態になっているが、前部室21A及び後部室21Cと下部室22間にはそれぞれ区画材6が介在されており、さらに前部室21A内及び後部室21C内が負圧になっていることによりハウス内での空気の流れは下部室22側から上部室21(前部室21A、中間室21B、後部室21C)側への一方通行となるので、前部室21A内及び後部室21C内の高湿空気が下部室22側に流入することはない。そして、下部室22内の空気が前部室21A及び後部室21C側に流入することにより該下部室22内が負圧になるが、その不足空気は下部室側面の各防虫ネット3,3を通して矢印A3,A3(図6)で示すようにハウス外から外気を吸引するようになる(無風状態であってもハウス内の空気の入れ替えを確実に行える)。
ところで、本願のように、ハウス本体1の上部室21内を細霧冷房するようにしたものにおいて、上記第1実施例(図1〜図3)のように上部室21の一方のハウス妻面12から細霧を供給する一方、その対向側のハウス妻面13から上部室21内の空気を排出するようにしたものでは、上部室21内における細霧供給側(符号21a側)に近い場所での細霧冷房は活発に行われるが、上部室21内における排気側(符号21b側)に近づくほど未気化の細霧量が少なくなっていくのでそこでの細霧冷房効果が低下していく。
そこで、本願第2実施例のように、上部室21をハウス長さ方向に3分割して、上部室21の中間室21Bから細霧混じりの空気FA,FAを前部室21Aと後部室21Cに吹き出させるようにすると、細霧冷房範囲が上部室21内におけるハウス長さ方向の1/2ずつでよくなる。
従って、この第2実施例の植物栽培温室では、細霧冷房範囲が上部室21内におけるハウス長さ方向の1/2ずつでよいので、上部室21内での細霧冷房効率が良好になるとともに、該上部室21内の全長に亘って細霧冷房による温度低下を平均化させる(均一温度に近づける)ことができる。
1はハウス本体、2は被覆材、3は防虫ネット、4は吸気フアン、5,5A,5Bは排気フアン、6は区画材、7は細霧冷房装置、11は側面、12,13は妻面、17は隔壁、18A,18Bは吹出フアン、21は上部室、21Aは前部室、21Bは中間室、21Cは後部室、22は下部室、61は遮光材、62,63は隙間、71は細霧噴出ノズルである。

Claims (4)

  1. 上部を透明な被覆材(2)で被覆してなるハウス本体(1)内を上下に通気可能な区画材(6)により天井側の上部室(21)と栽培室となる下部室(22)との上下2室に区画し、
    上記下部室(22)の側面(11)に防虫ネット(3)を張設し、
    上記上部室(21)内を細霧冷房装置(7)により細霧冷房し、
    上記上部室(21)内の空気をハウス外に排出する排気フアン(5)を有しているとともに、
    上記上部室(21)内の空気を排気フアン(5)で強制排気することで、上記下部室(22)内の空気が上記上部室(21)内に吸引され続いて上記下部室(22)内に外気が上記防虫ネット(3)を通して導入されるように構成している、
    ことを特徴とする植物栽培温室。
  2. 請求項1において、
    上記ハウス本体(1)内を区画している上記区画材(6)は、所定遮光率を有した遮光材である、
    ことを特徴とする植物栽培温室。
  3. 請求項1又は2において、
    上記細霧冷房装置(7)は、外気を吸引する吸気フアン(4)と細霧噴出ノズル(71)とを有し、
    上記細霧冷房装置(7)を上記上部室(21)における一方のハウス妻面(12)に設置する一方、
    上記排気フアン(5)を上記上部室(21)における細霧冷房装置(7)の設置側ハウス妻面(12)とは対面するハウス妻面(13)に設置しているとともに、
    上記排気フアン(5)部分での排気量を上記吸気フアン(4)部分での吸気量より多くしている、
    ことを特徴とする植物栽培温室。
  4. 請求項1又は2において、
    上記上部室(21)におけるハウス長さ方向の中間位置に所定小間隔を隔てて2つの隔壁(17,17)を設けて、上記上部室(21)内を前部室(21A)と中間室(21B)と後部室(21C)の前後3室に区画し、
    上記中間室(21B)内に細霧冷房装置(7)で発生させた細霧を供給し、
    上記2つの隔壁(17,17)に上記中間室(21B)内の細霧混じりの空気を上記前部室(21A)と上記後部室(21C)に振り分けて吹き出させる吹出フアン(18A,18B)をそれぞれ設けている一方、
    上記前部室(21A)側のハウス妻面(12)と上記後部室(21C)側のハウス妻面(13)とにそれぞれ排気フアン(5A,5B)設けて該各排気フアン(5A,5B)で上記前部室(21A)内と上記後部室(21C)内の各空気をそれぞれ大気中に強制排気するように構成しているとともに、
    上記各排気フアン(5A,5B)部分での各排気量を上記各吹出フアン(18A,18B)部分での各吹き出し空気量よりそれぞれ多くしている、
    ことを特徴とする植物栽培温室。
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