JP2014197946A - キャンドモータおよびこれを備えた液中ポンプ - Google Patents
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Abstract
Description
することが可能である。すなわち、コンデンサはステータ室における比較的温度の低い下方ステータ巻線端の下側に配置されていることで、発熱源であるステータ巻線からの熱の影響を低減することができる。
[全体概要]
図1は、第1の実施形態に係るコンデンサ内蔵型のキャンドモータ1の断面図である。このキャンドモータ1は、一例として深井戸用の液中ポンプに用いられる。図1に示すように、このキャンドモータ1は、円筒状のモータフレーム11と、このモータフレーム11の内部に設置される円筒状のキャン21とを備え、ステータ51とコンデンサ41がモータフレーム11とキャン21との間のステータ室31に設置され、コンデンサ41はステータ51の下方側に配置されている、ことが特徴の一つである。
円筒状のモータフレーム11とキャン21とは同心状に配置され、両者の間にステータ室31が形成される。モータフレーム11の内周面であって、ステータ室31の上下両端開口部には、それぞれ負荷側(上方)と反負荷側(下方)のフレーム側板13a,13bが溶接部aによって固定されている。更に、両フレーム側板13a,13bの内周面に、円筒状のキャン21の上下両端部の外周面が溶接部bによって固定されている。これにより、ステータ室31が完全に密封されたキャンド構造となり、外部からの液体等の侵入が防止される。
ンドモータとは異なり、樹脂封入が不要であるため、空間となっている。
次に、本実施形態の特徴点の一つである、コンデンサ41の設置位置について説明する。本実施形態においては、コンデンサ41は円筒状の外形を有しており、下方のステータ巻線端55bと下方フレーム側板13bとの間に配置されている。図1の実施形態では、直接的に下方フレーム側板13b上に固定されている。このため、コンデンサ41はステータ室31の空間の下端領域に配置されることとなる。この点で、従来のキャンドモータとは大きく異なっている。すなわち、従来のキャンドモータでは、コンデンサが上方フレーム側板と上方ステータ巻線端との間に配置されていた。
また、上方フレーム側板13aには、コネクタ端子71が取り付けられている。このコネクタ端子71は、外部電源(図示略)からステータ51とコンデンサ41に電力を供給するためのものである。本実施形態のコネクタ端子71には、2本の電源線が接続されており、コンデンサ41を外部(地上)に設置する形式(電源線が最低3本必要)と比較して、電源線の数を減らすことが可能である。なお、図1に示すキャンドモータ1では、コネクタ端子71の位置は従来のものと共通しているが、一方でコンデンサ41の位置はステータ51の下方となっている。このため、コンデンサ41へ接続する導線がステータ51を通過する必要があるが、その詳細は後述する。なお、図中の符号81aと81bは、上方及び下方フレーム側板13a、13bと上方及び下方ブラケット15a、15bとの間をシールするためのOリングを示しており、符号83はロータ主軸をシールする軸封装置を示し、符号85は調圧装置を示している。
[断熱構造]
次に、図2に基づいて、第2の実施形態に係るキャンドモータ101について説明する。図2は、図1に開示したキャンドモータ1に追加した断熱構造103を説明する図である。ここで、図2(A)は断熱材111を示す平面図であり、図2(B)はこの断熱材1
11による断熱構造を施したキャンドモータ101の部分断面図である。下方ステータ巻線端55bと下方フレーム側板13bとの間に断熱材111を配置することで、下方ステータ巻線端55bからの輻射熱の影響を避けることができる。特に、断熱材111に絶縁性を有する部材を用いれば、確実な絶縁も得ることが可能となる。
図3は、図2に開示した断熱構造103の変形例を示す図である。図3に示すように、本断熱構造123の断熱材121は、単純なリング形状を有するものであり、図2に開示したような足部113は設けられていない。その一方で、モータフレーム11の内周面近傍に、2つの円筒状部材125が上下方向に配置されて、これらの円筒状部材125の間に断熱材121が挟まれている。各円筒状部材125はステータ51の下面及び下方フレーム側板13bの上面に挟まれているため、所定の力で断熱材121を挟み込んでいる。これにより、断熱材121はコンデンサ41から所定の隙間を持って離れており、且つ一定の姿勢で支持されることとなる。なお、図2においても、2つの円筒状部材125が記載されているが、足部113が設けられている図2の実施形態の場合には、円筒状部材125を設けることは必須ではない。
また、本実施形態のキャンドモータ101においては、コンデンサ41を下方フレーム側板13bに固定する構造にも特徴がある。すなわち、図3に示すように、下方フレーム側板13bの上面には、所定の直径の段付き凹部127が形成されている。この段付き凹部127の直径は,コンデンサ41の外径とほぼ等しく、コンデンサ41が嵌り込むようになっている。このため、コンデンサ41をモータフレーム11及びキャン21に対して同心状に位置決めすることが容易となる。また、コンデンサ41が一旦下方フレーム側板
13bに固定された後は、段付き凹部127の作用によって容易には下方フレーム側板13bから外れなくなる。なお、段付き凹部127は円形状に形成されているが、コンデンサ41を位置決めするための構造としてはこれに限定されるものではない。例えば、下方フレーム側板13bの上面に、円周方向に沿って3つ以上の突起を形成しても、段付き凹部127と同様の機能を実現することは可能である。
次に、図4及び図5に基づいて、キャンドモータ1,101に適用される回路図について説明する。本実施形態に係るキャンドモータ1,101は単相PSCモータである。このキャンドモータ1,101のステータ巻線は、主巻線56と補巻線57の各一組で構成されている。そして、各巻線56、57に一次電源線(図示略)と接続するためのコネクタ端子71、巻線保護用のプロテクタP、コンデンサ41がそれぞれ導線等を介して結線されている。図4は、コネクタ端子71およびプロテクタPを負荷側(上方)のステータ巻線へ結線し、コンデンサ41を反負荷側(下方)のステータ巻線に結線する場合の回路図である。この図4に示すように、補巻線57は主巻線56と並列に接続されており、コンデンサ41は補巻線57と直列に接続されている。
´はステータ51を通過して負荷側に取り出され、コネクタ端子71の他の一端(8)に結線されている。そして、補巻線の他の一端(4)とコンデンサ41の他の導線(6)とが結線されている。
次に、図6に基づいて、導線59がステータ51(より正しくは、ステータコア)を通過する構造について説明する。図6に示すように、ステータコア52には、内周面に沿ってステータコアスロット58aが形成されると共に、外周面の所定箇所に切欠き58bが形成されている。これらステータコアスロット58aおよび切欠き58bは、ステータコア52の長手方向に沿って貫通している。
図7は、本実施形態のキャンドモータ1,101に用いられる円筒状のコンデンサ41である。当該コンデンサは、容量を変更する場合でも内外径は変わらず、長手方向の寸法のみが変わる。また、コンデンサ41の外殻はプラスチック製である。
上述のキャンドモータ1,101は、例えば、深井戸用の液中ポンプに連結して使用することが可能である。すなわち、当該キャンドモータ1,101を液中ポンプの下端に連結して、液中ポンプに駆動力を付与することができる。
11 モータフレーム
13a 上方フレーム側板(負荷側)
13b 下方フレーム側板(反負荷側)
15a 上方ブラケット(負荷側)
15b 下方ブラケット(反負荷側)
17a ボルト(負荷側)
17b ボルト(反負荷側)
19a ラジアル軸受(負荷側)
19b ラジアル軸受(反負荷側)
19c スラスト軸受
21 キャン
31 ステータ室
41 コンデンサ
43 ネジ
51 ステータ
55 ステータ巻線
55a 上方ステータ巻線端(負荷側)
55b 下方ステータ巻線端(反負荷側)
58a ステータコアスロット
58b 切欠き
59 導線
61 ロータ
63 ロータ主軸
65 封入液
71 コネクタ端子
81a Oリング(負荷側)
81b Oリング(反負荷側)
83 軸封装置
85 調圧機構
111、121 断熱材
113 足部
127 段付き凹部
Claims (12)
- 液中ポンプを駆動するためのコンデンサ内蔵型のキャンドモータであって、
円筒状のモータフレームと、このモータフレームの内部に設置される円筒状のキャンとを備え、
ステータとコンデンサは前記モータフレームとキャンとの間のステータ室に設置され、前記コンデンサは前記ステータの下方側に配置されている、キャンドモータ。 - 前記コンデンサは、前記ステータ室の下端開口部を封止するための下方フレーム側板に固定されている、請求項1に記載のキャンドモータ。
- 前記コンデンサは、接着剤又はネジによって前記下方フレーム側板に固定されている、請求項2に記載のキャンドモータ。
- 前記コンデンサと前記ステータとの間にリング状の断熱材を設けた、請求項1から3の何れか一項に記載のキャンドモータ。
- 前記断熱材は絶縁性材料からなる、請求項4に記載のキャンドモータ。
- 前記断熱材は、前記コンデンサに対して隙間を維持するための足部を備えている、請求項4又は5に記載のキャンドモータ。
- 前記断熱材は、前記コンデンサとステータの間に配置される2つの円筒状部材に挟まれて固定される、請求項4から6の何れか一項に記載のキャンドモータ。
- 前記ステータ室の上端には、上端開口部を封止するための上方フレーム側板が固定され、この上方フレーム側板に電力供給用のコネクタ端子が取り付けられている、請求項1から7の何れか一項に記載のキャンドモータ。
- 前記コネクタ端子とコンデンサとは、少なくとも1本の導線で直接接続されており、この導線は前記ステータを通過している、請求項8に記載のキャンドモータ。
- 前記ステータには、ステータコアスロット又はステータコア外周部切り欠き部が形成され、これらステータコアスロット又は切り欠き部の少なくとも1つを前記導線が通過している、請求項9に記載のキャンドモータ。
- 前記コンデンサはドーナツ形状を有しており、前記下方フレーム側板の上面には、前記コンデンサの外径に対応する直径の段付き凹部が形成されている、請求項1から10の何れか一項に記載のキャンドモータ。
- 請求項1から11の何れか一項に記載のキャンドモータと、このキャンドモータに連結されるポンプ本体とを備える、液中ポンプ。
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