JP2008118770A - 機電一体モータ - Google Patents

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Abstract

【課題】コイルに電源を供給する際の電気的損失が少なく、構造が簡単で小型化に対応した機電一体モータを提供することにある。
【解決手段】ステータとロータとを収納するモータケースと、前記ステータに巻装されたコイルに給電する電源回路を収納するインバータケースとを結合してなる機電一体モータにおいて、前記コイルのコイル端子と前記電源回路の出力端子とを、前記モータケースのモータ側結合部分と前記インバータケースのインバータケース側結合部分との間に挟み込み、前記モータ側結合部分と前記インバータケース側結合部分とを固定具で締結することにより、前記コイル端子と前記出力端子とを電気接続することを特徴とする機電一体モータである。
【選択図】図1

Description

本発明は、ステータとロータとを収納するモータケースと、前記ステータに巻装されたコイルに給電するインバータやコントローラ等の電源回路を収納する電源回路ケースとを結合してなる機電一体モータに関するものである。
一般にモータは、幅広い分野の機器や装置の駆動等に用いられているが、これらの機器や装置の技術的進歩のために、さらなる小型化、高効率化、低コスト化及び耐久性の向上等が求められている。
ところで従来の機電一体モータとしては、例えば特許文献1に開示されたものが知られており、この機電一体モータでは、ステータとロータとを収納するモータケース(モータハウジング)と、そのステータに巻装されたコイルに給電する電源回路としてのコントローラを収納する電源回路ケース(エンドケース)とが結合されるとともに、それらステータとコントローラとの間に、円盤状のコイル端保持部材と円盤状の接続ユニットとが端面同士で対向して介装され、接続ユニットが、その接続ユニットの外周面の周方向に対し傾斜したカム溝とモータケースの内周面の突部との掛合による案内状態で回転されながらモータケース内に進入することにより、コイル端保持部材の端面から導出されたステータのコイルの複数のコイル端子が、接続ユニットに埋設された複数の接続端子板の一端部の、接続ユニットの端面に露出した複数のコイル側接続端子にそれぞれ当接して接続ユニットの回転方向に折り曲げられ、コイル側接続端子とコイル端保持部材との間に挟み込まれて、複数のコイル端子と複数のコイル側接続端子との電気的な接続が行われている。
一方この機電一体モータでは、接続ユニットに埋設された接続端子板の他端部の、接続ユニットからコントローラ側に突出した複数の給電側接続端子が、電源回路ケースの内周面に固設されるとともにコントローラの配線に接続された出力端子としての複数の接続パターンに、モータケースと電源回路ケースとの結合により摺接して、給電側接続端子とコントローラとの電気的な接続が行われている。
特開2003−235201号
しかしながら、上記従来のモータは、コイル端保持部材の端面から導出された複数のコイル端子を、そのコイル端保持部材と、接続ユニットの端面に露出したコイル側接続端子とで挟み込み、回転固定することにより電気的に接続する構造であるので、各コイル端子とコイル側接続端子との間の接触面圧を均一にすることは難しく、設計が極めて複雑になるという問題がある。
また、コイル端保持部材及び接続ユニットとの両方の端面の精度を緩和する場合には、複数のコイル端子と複数のコイル側接続端子との間の均一な面圧が得られなくなり、特に大電流を通電する場合には、十分な接触面圧を確保できないため接触部が発熱して損失が大きくなるという問題がある。
さらに、コントローラと接続端子板との電気的な接続は、給電側接続端子と接続パターンとの摺接であるため、使用環境下での振動、モータ自身の回転振動又は発熱による給電側接続端子の変形等により電気的な接続が不安定となるという問題がある。
加えて、接続ユニットを介するので、コントローラの配線とコイル端子とを直に接続する場合に比べ電気的な接続箇所が増えて電気的損失が大きくなると共に、接続ユニットの部品を追加するために収容領域が増してモータが大型化するという問題があり、また構造が複雑化しているためにモータの製造コストが増加するという問題もある。
それゆえ本発明は、コイルに電源回路から給電する際の電気的損失が少なく、構造が簡単で小型化に対応した機電一体モータを提供することを目的としている。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の機電一体モータは、ステータとロータとを収納するモータケースと、前記ステータに巻装されたコイルに給電する電源回路を収納する電源回路ケースとを結合してなる機電一体モータにおいて、前記コイルのコイル端子と前記電源回路の出力端子とを、前記モータケースのモータケース側結合部分と前記電源回路ケースの電源回路ケース側結合部分との間に挟み込み、前記モータケース側結合部分と前記電源回路ケース側結合部分とを固定具で締結することにより、前記コイル端子と前記出力端子とを電気的に接続することを特徴とするものである。
かかる機電一体モータにあっては、ステータに巻装されたコイルのコイル端子と、電源回路の出力端子とを、モータケース側結合部分と電源回路ケース側結合部分との間に導出し、モータケースと電源回路ケースとを結合する際にそれらコイル端子と出力端子とが互いに重なり合うように配置し、モータケース側結合部分と電源回路側結合部分とを固定具で締結することにより、コイル端子と出力端子とが電気的に接続される。
従って、本発明の機電一体モータによれば、モータケースと電源回路ケースとを結合する作業と、ステータのコイルのコイル端子と電源回路の出力端子とを電気的に接続する作業とを一括して行うことができるので、組立を容易にし得て、作業工数を削減することができる。また、固定具をモータケースと電源回路ケースとの結合と、コイル端子と出力端子との電気的接続とに共用できるので、部品点数を削減し得て、モータの小型化も可能にすることができる。そして、コイル端子と出力端子とを直接接続しているので、電気的な接続箇所を減少させ得て、電気的な損失を低減させることができる。
さらに、モータケース側結合部分と電源回路ケース側結合部分とは、ケース内部に入れる部材と比較すれば大きく、しかも外部に露出しているため、高精度な機械加工が容易であるので、押圧構造の設計を簡単なものとすることができる。また、コイル端子と出力端子とは、モータケース側結合部分と電源回路ケース側結合部分とで挟まれて固定具で締結されるので、各端子間での安定した電気的接続を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態を実施例によって、図面に基づき詳細に説明する。ここに、図1は、本発明の機電一体モータの第1実施例の軸線を含む断面を示す断面図、図2(a),(b)は、その第1実施例の機電一体モータの、図1中のA1−A1線およびA2−A2線にそれぞれ沿う断面図であり、図中、符号1は、本発明の各実施例の機電一体モータを示す。
図1および図2(a),(b)に示す第1実施例の機電一体モータ1は、モータケース3と、電源回路ケースとしてのインバータケース5とを具え、モータケース3は図1では右方の軸線方向端部にモータケース側結合部分7を有し、インバータケース5は図1では左方の軸線方向端部の外周付近にインバータケース側結合部分9を有する。インバータケース側結合部分9の端面には複数個の固定用穴11が貫通され、モータケース側結合部分7の端面には固定用穴11に対応する位置にネジ穴13が設けられ、固定用穴11に挿通されてネジ穴13に締めこまれた固定具としてのネジ15によりモータケース側結合部分7とインバータケース側結合部分9とが締結されて、モータケース3とインバータケース5とが互いに固定されている。
モータケース3は、底部21を有する円筒で、その内側に内周面の円周方向に沿って複数のステータ17が固設されている。さらに、ステータ17の半径方向内方には、ステータ17に隙間をもってロータ19が設けられ、このロータ19は、モータケース底部21及びインバータケース5に嵌設されたベアリング23を介してモータケース3とインバータケース5とに回転可能に支持されている。各ステータ17には、コイル25が巻装され、各コイル25の始端部と終端部とはそれぞれコイル端子27とされるとともに二本で一対とされている。
インバータケース5の内側には、ベアリング23の半径方向外方に配置されたコンデンサ29と、コンデンサ29を囲むようにその半径方向外方に配置されたパワーモジュール31とからなる、電源回路としてのインバータ33が設けられており、ここで、パワーモジュール31は、コイル25と同数個設けられている。さらに、コンデンサ29には、インバータケース5の一部分を貫いて外部接続コネクタ35が接続され、各パワーモジュール31には、コイル25に給電するための、出力端子としての交流端子37が二個ずつ対で設けられている。
図1および図2(a),(b)に示すように、各コイル端子27は、モータケース側結合部分7に対し軸線方向に対向する位置に導出され、一方、各交流端子37は、インバータケース側結合部分9に対し軸線方向に対向する位置に導出されており、モータケース側結合部分7とインバータケース側結合部分9とを固定用穴11とネジ穴13とが整列する所定の周方向相対位置で組み合わせることで、図2(a)中実線で示す各コイル端子27と図2(a)中破線で示す各交流端子37とは各固定用穴11およびネジ穴13を挟んで各対が配置されて互いに重なり合い、さらに、モータケース側結合部分7とインバータケース側結合部分9とがネジ15で締結されることで、それらコイル端子27と交流端子37とは電気的に接続される。従って、ここでは各ネジ15に対し、一対の端子同士を接続する一つの接続箇所を設けている。
この第1実施例の機電一体モータ1によれば、モータケース3とインバータケース5とを結合する作業と、複数の端子を電気的に接続する作業とを一括して行うことができるので、組立を容易にし得て、作業工数を削減することができる。またネジ15をモータケース3とインバータケース5との結合と、コイル端子27と交流端子37との電気的接続とに共用できるので、部品点数を削減し得て、モータ1の小型化も可能にすることができる。そして、コイル端子27と交流端子37とを接続媒体を介さずに直接接続しているので、電気的な接続箇所を減少させ得て、電気的な損失を低減させることができる。
さらに、モータケース側結合部分7とインバータケース側結合部分9とは、ケース内部に入れる部材と比較すれば大きく、しかも外部に露出しているため、高精度な機械加工が容易であるので、押圧構造の設計を簡単なものとすることができる。また、コイル端子27と交流端子37とは、モータケース側結合部分7とインバータケース側結合部分9とで挟まれてネジ15で締結されるので、各コイル端子27と各交流端子37との間での安定した電気的接続を得ることができる。
図3(a)は、本発明の機電一体モータの第2実施例の軸線を含む断面を示す断面図、図3(b)は、その第2実施例の機電一体モータの、図3(a)中のB―B線に沿う断面図である。
図3(a),(b)に示すように、この第2実施例の機電一体モータ1においては、インバータケース5がモータケース3の外周を隙間を持って覆うように延在し、その隙間に配置された、コンデンサ29とパワーモジュール31とからなるインバータ33が、モータケース3の外周面もしくはインバータケース5の内周面の何れか一方(図示例ではモータケース3の外周面)に固設されている。そしてそれらモータケース3とインバータケース5の何れにインバータ33が固設されているかに応じて、図示しない外部接続コネクタ35がモータケース3もしくはインバータケース5に設置されている。その他の構成及び作用は、先の第1実施例の機電一体モータ1(図1参照)と同様である。
この第2実施例の機電一体モータ1によれば、インバータ33をモータケース3の半径方向外方に配置することで、機電一体モータ1の軸線方向の寸法を短縮し得るので、機電一体モータ1を薄型化及び小型化することができる。さらに、インバータケース5の構造を単純化し得るので、インバータケース5の設計及び製作が容易になり、低コスト化に対応することができる。
図4(a)は、本発明の機電一体モータの第3実施例の、図1中のC−C線に沿うと同様の断面図、図4(b)は、その第3実施例の機電一体モータの、図4(a)中のD−D線に沿う断面を拡大して示す断面図である。
図4(a),(b)に示すように、この第3実施例の機電一体モータ1においては、コイル端子27及び交流端子37は、ネジ15の締結方向の、そのネジ15およびそこに介装したワッシャ16(図4(a)では図示せず)の投影面内に導出され、モータケース側結合部分7とインバータケース側結合部分9とはネジ15で締結されている。その他の構成及び作用は、先の第1実施例の機電一体モータ1(図1参照)と同様である。
この第3実施例の機電一体モータ1によれば、ネジ15の締結による押圧力を、コイル端子27及び交流端子37に直接印加できるので、コイル端子27と交流端子37との間の電気的接続部の面圧を十分に確保し得て、不安定な接続による接触抵抗及び電気的損失を低減でき、また大電流を通電させることも可能となる。さらに各電気的接続部の押圧力を各ネジ15で管理できるので、モータケース側結合部分7及びインバータケース側結合部分9の全周に亘る均一な剛性が不要となり、インバータケース5の薄肉化及び樹脂材料等の適用が可能となって、機電一体モータ1をさらに小型軽量化することができる。
図5(a)は、本発明の機電一体モータの第4実施例の、図1中のC−C線に沿うと同様の断面図、図5(b)は、その第4実施例の機電一体モータの、図5(a)中のE−E線に沿う断面を拡大して示す断面図である。
図5(a),(b)に示すように、この第4実施例の機電一体モータ1においては、モータケース側結合部分7とインバータケース側結合部分9とが、先の第1実施例の機電一体モータ1におけるネジ数より少ない本数(図示例では四本)のネジ15で締結され、コイル端子27及び交流端子37は、ネジ15の締結方向の、そのネジ15およびそこに介装したワッシャ16の投影面内から外れて、互いに隣接する二本のネジ15の間に位置している。その他の構成及び作用は、先の第1実施例の機電一体モータ1(図1参照)と同様である。
この第4実施例の機電一体モータ1によれば、モータケース側結合部分7及びインバータケース側結合部分9のそれぞれの軸線方向端面である結合面は、ケース内部の部材より大きく、しかも外部に露出していることから、それらの結合面に均一な平面精度を確保することは容易であるため、モータケース側結合部分7とインバータケース側結合部分9とを締結するネジ15の本数を先の第1実施例より減少させているので、さらに作業工数を低減させることができ、またネジ15の必要スペースを減少させることができるので、機電一体モータ1をより小型化することができる。
図6(a),(b)は、本発明の機電一体モータの第5実施例を示す、図1中のA1−A1線およびA2−A2線にそれぞれ沿うと同様の断面図である。
図6(a),(b)に示すように、この第5実施例の機電一体モータ1においては、先の第4実施例の機電一体モータ1と同様の構成において、モータケース側結合部分7及びインバータケース側結合部分9の、互いに隣接する対のコイル端子27及び交流端子37の間の位置に周方向に交互に、固定用孔11及びネジ穴13と、水路部40とを設けるとともに、モータケース側結合部分7とインバータケース側結合部分9との間に、それらの結合部分7,9の端面の外周縁部と各固定用孔11および各ネジ穴13と各水路部40とを囲繞するように、防水手段としてのパッキン39(図中斜線で示す)を設けたものである。その他の構成及び作用は、先の第4実施例の機電一体モータ1(図5参照)と同様である。
この第5実施例の機電一体モータ1によれば、モータケース側結合部分7とインバータケース側結合部分9との結合により、コイル端子27と交流端子37とが電気的に接続されるとともにモータケース3及びインバータケース5が防水性を具えることができるので、モータケース3及びインバータケース5の内部を外部環境に対してシーリングすることができ、さらにモータケース3及びインバータケース5の内部に水路部40を設けて、それらをモータケース側結合部分7とインバータケース側結合部分9との間で連結することができることから、機電一体モータ1を大型化することなく効率的な冷却手段を得ることができ、コイル端子27と交流端子37との電気的接続部をその水路部40内の冷却水で冷却し得て、電気的接続部の電流密度を増大させることができる。
図7(a)は、本発明の機電一体モータの第6実施例の要部を示す、図1と同様の位置での拡大断面図、図7(b)は、その第6実施例の機電一体モータを示す、図7(a)中のF−F線に沿う断面図である。
図7(a),(b)に示すように、この第6実施例の機電一体モータ1においては、先の第4実施例と同様の構成において、コイル端子27及び交流端子37を予め絶縁被膜36で被覆し、コイル端子27と交流端子37との少なくとも一方(図示例では交流端子37)に他方へ向けて突起38を設け、コイル端子27と交流端子37との他方(図示例ではコイル端子27)を少なくとも一回曲折して纏め、両端子27,37をモータケース側結合部分7とインバータケース側結合部分9との間に挟み込み、モータケース側結合部分7とインバータケース側結合部分9とをネジ15で締結することにより、コイル端子27と交流端子37との少なくとも一方に設けられた突起38が、他方の絶縁被膜36を破り、コイル端子27と交流端子37とが電気的に接続するようにしている。その他の構成及び作用は、先の第4実施例の機電一体モータ1(図5参照)と同様である。
この第6実施例の機電一体モータ1によれば、モータケース側結合部分7及びインバータケース側結合部分9に絶縁対策を施す必要がないので、押圧構造の設計を簡単なものとすることができると共に、組立も容易なものとすることができる。
さらに、コイル端子27と交流端子37との接触面積を簡単に拡大できるので、電気的接続部の接触抵抗及び電気的損失を減少させることができ、また、コイル端子27と交流端子37との間のケース3,5間の合わせ面方向の位置ズレの許容量が増大するので、この点でも押圧構造の設計を簡単なものとすることができると共に、組立も容易なものとすることができる。
図8(a)は、本発明の機電一体モータの第7実施例を示す、図5(a)と同様の断面図、図8(b)は、その第7実施例の機電一体モータを示す、図8(a)中のG−G線に沿う断面を拡大して示す断面図である。
図8(a),(b)に示すように、この第7実施例の機電一体モータ1においては、先の第4実施例と同様の構成において、モータケース側結合部分7の、コイル端子27を保持する位置に、中央部に凹部を持つ溝41が形成される一方、インバータケース側結合部分9の、交流端子37を保持する位置に、中央部に凸部を持つ溝43が形成され、さらに、フランジ状の淵部を具えて溝41の中央部の凹部と溝43の中央部の凸部とにそれぞれ嵌着される形状に成形された絶縁部材45と絶縁部材46とが、溝41と溝43とに沿ってそれぞれ延在している。そして、それら絶縁部材45,46にそれぞれ嵌着されたコイル端子27と交流端子37とが、それら絶縁部材45,46を介してモータケース側結合部分7及びインバータケース側結合部分9にそれぞれ保持されている。その他の構成及び作用は、先の第4実施例の機電一体モータ1(図5参照)と同様である。
この第7実施例の機電一体モータ1によれば、コイル端子27及びモータケース側結合部分7の間と、交流端子37及びインバータケース側結合部分9の間とのそれぞれの沿面距離を、絶縁部材45,46によって延長することができるので、機電一体モータ1の高電圧化に対応することができる。しかもコイル端子27と交流端子37とが、絶縁部材45,46を介してモータケース側結合部分7及びインバータケース側結合部分9にそれぞれ嵌着されて仮保持されるので、組立も容易なものとすることができる。
なお、上述した実施例では、内側にロータ、外側にステータが配置してあるインナーロータ型の機電一体モータとして説明しているが、内側にステータ、外側にロータが配置してあるアウターロータ型の機電一体モータでもかまわない。また、上述した実施例は、モータケース側結合部分とインバータケース側接続部分との締結にネジを用いると説明したが、モータの大きさ及び必要とされる締結トルクに対応し、例えば、ボルト及びナット、ビス、接続へルール又は万力等を用いてもかまわない。また、電源回路としてインバータに代えてブラシレス直流モータ用のコントローラを設けても良い。また、絶縁方法は、前述した実施例に限定されるものではなく、例えば、絶縁性を有するパッキンをモータケース側結合部分及びインバータケース側結合部分に設け、それぞれパッキンを介してコイル端子及び交流端子を挟み込み、絶縁性及び防水性を有する構造としても良い。
かくして本発明の機電一体モータによれば、モータケースと電源回路ケースとを結合する作業と、ステータのコイルのコイル端子と電源回路の出力端子とを電気的に接続する作業とを一括して行うことができるので、組立を容易にし得て、作業工数を削減することができる。また、固定具をモータケースと電源回路ケースとの結合と、コイル端子と出力端子との電気的接続とに共用できるので、部品点数を削減し得て、モータの小型化も可能にすることができる。そして、コイル端子と出力端子とを直接接続しているので、電気的な接続箇所を減少させ得て、電気的な損失を低減させることができる。
さらに、モータケース側結合部分と電源回路ケース側結合部分とは、ケース内部に入れる部材と比較すれば大きく、しかも外部に露出しているため、高精度な機械加工が容易であるので、押圧構造の設計を簡単なものとすることができる。また、コイル端子と出力端子とは、モータケース側結合部分と電源回路ケース側結合部分とで挟まれて固定具で締結されるので、各端子間での安定した電気的接続を得ることができる。
なお、本発明の機電一体モータにおいては、前記コイル端子及び前記出力端子を、前記固定具の締結方向のその固定具の投影面内に導き、前記モータケース側結合部分と前記電源回路ケース側結合部分とを前記固定具で締結することにより、前記コイル端子と前記出力端子とを電気的に接続することとしても良く、このようにすれば、固定具の押圧力をコイル端子及び出力端子に直接印加できるので、電気的接続部の面圧を十分に確保し得て、不安定な接続による接触抵抗及び電気的損失を低減でき、また大電流を通電させることも可能となる。さらに各電気的接続部の押圧力を各固定具で管理できるので、モータケース側結合部分及び電源回路ケース側結合部分の全周に亘る均一な剛性が不要となって、電源回路ケースの薄肉化及び樹脂材料等の適用が可能となり、モータをさらに小型軽量化することができる。
また、本発明の機電一体モータにおいては、モータケース側結合部分と電源回路ケース側結合部分との結合面に均一な平面精度を確保することは上述のように容易であるので、前記コイル端子と前記出力端子との接続箇所の数よりも少ない数の前記固定具で、前記モータケース側結合部分と前記電源回路ケース側結合部分とを締結することにより、前記コイル端子と前記出力端子とを電気的に接続することとしても良く、このようにすれば、さらに部品及び作業工数を低減させることができ、また固定具の必要スペースを減少させることができるので、モータをさらに小型化することができる。
さらに、本発明の機電一体モータにおいては、前記モータケース側結合部分と前記電源回路ケース側結合部分との間に、防水手段を具えていても良く、このようにすれば、モータケース側結合部分と電源回路ケース側結合部分との結合により、コイル端子と出力端子とが電気的に接続されるとともに防水性も具えることができるので、外部環境に対しケース内部をシーリングすることができ、さらにモータケース側結合部分と電源回路ケース側結合部分との内部に例えば冷却水用の水路を設けて、それらをモータケース側結合部分と電源回路ケース側結合部分との間で連結することができるので、コイル端子と出力端子との電気的接続部をその冷却水で冷却し得て、電気的接続部の電流密度を増大させることができる。
さらに、本発明の機電一体モータにおいては、少なくとも一回曲折して纏めた前記コイル端子を、前記出力端子とともに前記モータケース側結合部分と前記電源回路ケース側結合部分との間に挟み込み、前記モータケース側結合部分と前記電源回路ケース側結合部分とを前記固定具で締結することにより、前記コイル端子と前記出力端子とを電気的に接続することとしても良く、このようにすれば、コイル端子と出力端子との接触面積を拡大できるので、電気的接続部の接触抵抗及び電気的損失を減少させることができ、また、コイル端子と出力端子との間のケース間の合わせ面方向の位置ズレの許容量が増大するので、押圧構造の設計を簡単なものとすることができると共に、組立も容易にすることができる。
さらに、本発明の機電一体モータにおいては、前記出力端子と前記コイル端子とを予め絶縁被膜で被覆するとともに、それら出力端子とコイル端子との少なくとも一方に他方に向いた突起を設けて、それら出力端子とコイル端子とを前記モータケース側結合部分と前記電源回路ケース側結合部分との間に挟み込み、前記モータケース側結合部分と前記電源回路ケース側結合部分とを前記固定具で締結することにより、前記突起で前記絶縁被膜を破って前記コイル端子と前記出力端子とを電気的に接続することとしても良く、このようにすれば、モータケース側結合部分と電源回路ケース側結合部分とに絶縁対策を施す必要がないので、押圧構造の設計を簡単なものとすることができると共に、組立も容易なものとすることができる。
さらに、本発明の機電一体モータにおいては、前記コイル端子および前記出力端子と前記モータケース側結合部分との間および、前記コイル端子および前記出力端子と前記電源回路ケース側結合部分との間にそれぞれ絶縁部材を設けて、それらコイル端子と出力端子とを前記モータケース側結合部分と前記電源回路ケース側結合部分との間に前記絶縁部材を介して挟み込み、前記モータケース側結合部分と前記電源回路ケース側結合部分とを前記固定具で締結することにより、前記コイル端子と前記出力端子とを電気的に接続することとしても良く、このようにすれば、コイル端子と出力端子とをモータケース側結合部分と電源回路ケース側結合部分との間にそれぞれ絶縁部材を介して挟み込むことから、コイル端子及び出力端子とモータケース側結合部分との間および、コイル端子及び出力端子と電源回路ケース側結合部分と間の絶縁された沿面距離を延長することができるので、コイルへの供給電圧の高電圧化に対応することができる。
本発明の機電一体モータの第1実施例の軸線を含む断面を示す断面図である。 (a),(b)は、その第1実施例の機電一体モータの、図1中のA1−A1線およびA2−A2線にそれぞれ沿う断面図である。 (a)は、本発明の機電一体モータの第2実施例の軸線を含む断面を示す断面図、(b)は、その第2実施例の機電一体モータの、図3(a)中のB―B線に沿う断面図である。 (a)は、本発明の機電一体モータの第3実施例の、図1中のC−C線に沿うと同様の断面図、(b)は、その第3実施例の機電一体モータの、図4(a)中のD−D線に沿う断面を拡大して示す断面図である。 (a)は、本発明の機電一体モータの第4実施例の、図1中のC−C線に沿うと同様の断面図、(b)は、その第4実施例の機電一体モータの、図5(a)中のE−E線に沿う断面を拡大して示す断面図である。 (a),(b)は、本発明の機電一体モータの第5実施例を示す、図1中のA1−A1線およびA2−A2線にそれぞれ沿うと同様の断面図である。 (a)は、本発明の機電一体モータの第6実施例の要部を示す、図1と同様の位置での拡大断面図、(b)は、その第6実施例の機電一体モータを示す、図7(a)中のF−F線に沿う断面図である。 (a)は、本発明の機電一体モータの第7実施例を示す、図5(a)と同様の断面図、(b)は、その第7実施例の機電一体モータを示す、図8(a)中のG−G線に沿う断面を拡大して示す断面図である。
符号の説明
1 機電一体モータ
3 モータケース
5 インバータケース
7 モータケース側結合部分
9 インバータケース側結合部分
11 固定用穴
13 ネジ穴
15 ネジ
16 ワッシャ
17 ステータ
19 ロータ
21 モータケース底部
23 ベアリング
25 コイル
27 コイル端子
29 コンデンサ
31 パワーモジュール
33 インバータ
35 外部接続コネクタ
36 絶縁被膜
37 交流端子
38 突起
39 パッキン
40 水路部
41 溝
43 溝
45 絶縁部材
46 絶縁部材

Claims (7)

  1. ステータとロータとを収納するモータケースと、前記ステータに巻装されたコイルに給電する電源回路を収納する電源回路ケースとを結合してなる機電一体モータにおいて、
    前記コイルのコイル端子と前記電源回路の出力端子とを、前記モータケースのモータケース側結合部分と前記電源回路ケースの電源回路ケース側結合部分との間に挟み込み、
    前記モータケース側結合部分と前記電源回路ケース側結合部分とを固定具で締結することにより、前記コイル端子と前記出力端子とを電気的に接続することを特徴とする機電一体モータ。
  2. 前記コイル端子及び前記出力端子を、前記固定具の締結方向のその固定具の投影面内に導き、
    前記モータケース側結合部分と前記電源回路ケース側結合部分とを前記固定具で締結することにより、前記コイル端子と前記出力端子とを電気的に接続することを特徴とする、請求項1記載の機電一体モータ。
  3. 前記コイル端子と前記出力端子との接続箇所の数よりも少ない数の前記固定具で、前記モータケース側結合部分と前記電源回路ケース側結合部分とを締結することにより、前記コイル端子と前記出力端子とを電気的に接続することを特徴とする、請求項1記載の機電一体モータ。
  4. 前記モータケース側結合部分と前記電源回路ケース側結合部分との間に、防水手段を具えることを特徴とする、請求項3記載の機電一体モータ。
  5. 少なくとも一回曲折して纏めた前記コイル端子を、前記出力端子とともに前記モータケース側結合部分と前記電源回路ケース側結合部分との間に挟み込み、
    前記モータケース側結合部分と前記電源回路ケース側結合部分とを前記固定具で締結することにより、前記コイル端子と前記出力端子とを電気的に接続することを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項に記載の機電一体モータ。
  6. 前記出力端子と前記コイル端子とを予め絶縁被膜で被覆するとともに、それら出力端子とコイル端子との少なくとも一方に他方に向いた突起を設けて、それら出力端子とコイル端子とを前記モータケース側結合部分と前記電源回路ケース側結合部分との間に挟み込み、
    前記モータケース側結合部分と前記電源回路ケース側結合部分とを前記固定具で締結することにより、前記突起で前記絶縁被膜を破って前記コイル端子と前記出力端子とを電気的に接続することを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項に記載の機電一体モータ。
  7. 前記コイル端子および前記出力端子と前記モータケース側結合部分との間および、前記コイル端子および前記出力端子と前記電源回路ケース側結合部分との間にそれぞれ絶縁部材を設けて、それらコイル端子と出力端子とを前記モータケース側結合部分と前記電源回路ケース側結合部分との間に前記絶縁部材を介して挟み込み、
    前記モータケース側結合部分と前記電源回路ケース側結合部分とを前記固定具で締結することにより、前記コイル端子と前記出力端子とを電気的に接続することを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項に記載の機電一体モータ。
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