JP2014197101A - 撮像レンズおよび撮像レンズを備えた撮像装置 - Google Patents

撮像レンズおよび撮像レンズを備えた撮像装置 Download PDF

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秀雄 神田
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Abstract

【課題】全長の短縮化および高解像化を実現した撮像レンズおよびこの撮像レンズを備えた撮像装置を実現する。
【解決手段】撮像レンズLが、物体側から順に、両凸形状である第1レンズL1と、負の屈折力を有する第2レンズL2と、負の屈折力を有し、物体側に凹面を向けたメニスカス形状である第3レンズL3と、正の屈折力を有する第4レンズL4と、負の屈折力を有し、像側に凹面を向け、像側の面に極値点を有する非球面形状である第5レンズL5と、から構成される実質的に5個のレンズからなり、所定の条件式を満足する。
【選択図】図1

Description

本発明は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子上に被写体の光学像を結像させる固定焦点の撮像レンズ、およびその撮像レンズを搭載して撮影を行うデジタルスチルカメラやカメラ付き携帯電話機および情報携帯端末(PDA:Personal Digital Assistance)、スマートフォン、タブレット型端末および携帯型ゲーム機等の撮像装置に関する。
パーソナルコンピュータの一般家庭等への普及に伴い、撮影した風景や人物像等の画像情報をパーソナルコンピュータに入力することができるデジタルスチルカメラが急速に普及している。また、携帯電話、スマートフォン、またはタブレット型端末に画像入力用のカメラモジュールが搭載されることも多くなっている。このような撮像機能を有する機器には、CCDやCMOSなどの撮像素子が用いられている。近年、これらの撮像素子のコンパクト化が進み、撮像機器全体ならびにそれに搭載される撮像レンズにも、コンパクト性が要求されている。また同時に、撮像素子の高画素化も進んでおり、撮像レンズの高解像、高性能化が要求されている。例えば5メガピクセル以上、よりさらに好適には8メガピクセル以上の高画素に対応した性能が要求されている。
このような要求を満たすために、撮像レンズをレンズ枚数が比較的多い5枚または6枚構成とすることが考えられる。例えば、特許文献1には、物体側から順に正の屈折力を有する第1レンズ、負の屈折力を有する第2レンズ、負の屈折力を有する第3レンズ、正の屈折力を有する第4レンズ、負の屈折力を有する第5レンズからなる5枚構成の撮像レンズを提案している。
米国特許出願公開第2011/0249346号明細書
一方、特に携帯端末、スマートフォンまたはタブレット端末のような薄型化が進む装置に用いられる撮像レンズには、レンズ全長の短縮化の要求が益々高まっている。このために、上記特許文献1に記載の撮像レンズは全長をさらに短縮化することが求められる。
本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、その目的は、全長の短縮化を図りつつ、中心画角から周辺画角まで高い結像性能を実現することができる撮像レンズ、およびその撮像レンズを搭載して高解像の撮像画像を得ることができる撮像装置を提供することにある。
本発明の撮像レンズは、物体側から順に、両凸形状である第1レンズと、負の屈折力を有する第2レンズと、負の屈折力を有し、物体側に凹面を向けたメニスカス形状である第3レンズと、正の屈折力を有する第4レンズと、負の屈折力を有し、像側に凹面を向け、像側の面に極値点を有する非球面形状である第5レンズと、から構成される実質的に5個のレンズからなり、下記条件式(1)および(2)を満足する撮像レンズ。
−2<f/f45<0 (1)
0<f/f4<0.84 (2)
ただし、
f:全系の焦点距離
f45:第4レンズから第5レンズまでの合成焦点距離
f4:第4レンズの焦点距離
とする。
本発明の撮像レンズによれば、全体として5枚というレンズ構成において、第1レンズから第5レンズの各レンズ要素の構成を最適化したので、全長を短縮化しながらも、高解像性能を有するレンズ系を実現することができる。
なお、本発明の撮像レンズにおいて、「実質的に5個のレンズからなり、」とは、本発明の撮像レンズが、5個のレンズ以外に、実質的に屈折力を有さないレンズ、絞りやカバーガラス等レンズ以外の光学要素、レンズフランジ、レンズバレル、撮像素子、手振れ補正機構等の機構部分、等を持つものも含むことを意味する。また、上記のレンズの面形状や屈折力の符号は、非球面が含まれているものについては近軸領域で考えるものとする。
本発明の撮像レンズにおいて、さらに、次の好ましい構成を採用して満足することで、光学性能をより良好なものとすることができる。
また、本発明の撮像レンズにおいて、第2レンズが、像側に凹面を向けていることが好ましい。
また、本発明の撮像レンズにおいて、第4レンズが、物体側に凹面を向けたメニスカス形状であることが好ましい。
本発明の撮像レンズにおいて、第1乃至第5レンズの各焦点距離の絶対値のうち、第3レンズの焦点距離の絶対値が最大であることが好ましい。
本発明の撮像レンズは、以下の条件式(1−1)から(3−2)のいずれかを満足することが好ましい。なお、好ましい態様としては、条件式(1−1)から(3−2)のいずれか一つを満たすものでもよく、あるいは任意の組合せを満たすものでもよい。
−1.62<f/f45<−0.15 (1−1)
−1.3<f/f45<−0.3 (1−2)
0.05<f/f4<0.82 (2−1)
0.1<f/f4<0.8 (2−2)
−1<(R3f−R3r)/(R3f+R3r)<0 (3)
−0.5<(R3f−R3r)/(R3f+R3r)<−0.01 (3−1)
−0.1<(R3f−R3r)/(R3f+R3r)<−0.03 (3−2)
ただし、
f:全系の焦点距離
f45:第4レンズから第5レンズまでの合成焦点距離
f4:第4レンズの焦点距離
R3r:第3レンズの像側の面の近軸曲率半径
R3f:第3レンズの物体側の面の近軸曲率半径
とする。
本発明による撮像装置は、本発明の撮像レンズを備えたものである。
本発明の撮像レンズによれば、全体として5枚というレンズ構成において、各レンズ要素の構成を最適化し、特に第5レンズの形状を好適に構成したので、全長を短縮化しつつ、中心画角から周辺画角まで高い結像性能を有するレンズ系を実現できる。
また、本発明の撮像装置によれば、本発明の高い結像性能を有する撮像レンズによって形成された光学像に応じた撮像信号を出力するようにしたので、高解像の撮影画像を得ることができる。
本発明の一実施の形態に係る撮像レンズの第1の構成例を示すものであり、実施例1に対応するレンズ断面図である。 本発明の一実施の形態に係る撮像レンズの第2の構成例を示すものであり、実施例2に対応するレンズ断面図である。 本発明の一実施の形態に係る撮像レンズの第3の構成例を示すものであり、実施例3に対応するレンズ断面図である。 本発明の一実施の形態に係る撮像レンズの第4の構成例を示すものであり、実施例4に対応するレンズ断面図である。 本発明の一実施の形態に係る撮像レンズの第5の構成例を示すものであり、実施例5に対応するレンズ断面図である。 本発明の一実施の形態に係る撮像レンズの第6の構成例を示すものであり、実施例6に対応するレンズ断面図である。 本発明の実施例1に係る撮像レンズの諸収差を示す収差図であり、(A)は球面収差、(B)は正弦条件違反量、(C)は非点収差(像面湾曲)、(D)は歪曲収差、(E)は倍率色収差を示す。 本発明の実施例2に係る撮像レンズの諸収差を示す収差図であり、(A)は球面収差、(B)は正弦条件違反量、(C)は非点収差(像面湾曲)、(D)は歪曲収差、(E)は倍率色収差を示す。 本発明の実施例3に係る撮像レンズの諸収差を示す収差図であり、(A)は球面収差、(B)は正弦条件違反量、(C)は非点収差(像面湾曲)、(D)は歪曲収差、(E)は倍率色収差を示す。 本発明の実施例4に係る撮像レンズの諸収差を示す収差図であり、(A)は球面収差、(B)は正弦条件違反量、(C)は非点収差(像面湾曲)、(D)は歪曲収差、(E)は倍率色収差を示す。 本発明の実施例5に係る撮像レンズの諸収差を示す収差図であり、(A)は球面収差、(B)は正弦条件違反量、(C)は非点収差(像面湾曲)、(D)は歪曲収差、(E)は倍率色収差を示す。 本発明の実施例6に係る撮像レンズの諸収差を示す収差図であり、(A)は球面収差、(B)は正弦条件違反量、(C)は非点収差(像面湾曲)、(D)は歪曲収差、(E)は倍率色収差を示す。 本発明に係る撮像レンズを備えた携帯電話端末である撮像装置を示す図。 本発明に係る撮像レンズを備えたスマートフォンである撮像装置を示す図。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る撮像レンズの第1の構成例を示している。この構成例は、後述の第1の数値実施例(表1、表2)のレンズ構成に対応している。同様にして、後述の第2乃至第6の実施形態に係る撮像レンズに対応する第2乃至第6の構成例の断面構成を図2〜図6に示す。第2乃至第6の構成例は、後述の第2乃至第6の数値実施例(表3〜表12)のレンズ構成に対応している。図1〜図6において、符号Riは、最も物体側のレンズ要素の面を1番目として、像側(結像側)に向かうに従い順次増加するようにして符号を付したi番目の面の曲率半径を示す。符号Diは、i番目の面とi+1番目の面との光軸Z1上の面間隔を示す。なお、各構成例共に基本的な構成は同じであるため、以下では、図1に示した撮像レンズの構成例を基本にして説明し、必要に応じて図2〜図6の構成例についても説明する。また、図1〜6には、無限遠の距離にある物点からの軸上光束2および最大画角の光束3の各光路も合わせて示す。
本発明の実施の形態に係る撮像レンズLは、CCDやCMOS等の撮像素子を用いた各種撮像機器、特に、比較的小型の携帯端末機器、例えばデジタルスチルカメラ、カメラ付き携帯電話機、スマートフォン、タブレット型端末およびPDA等に用いて好適なものである。この撮像レンズLは、光軸Z1に沿って、物体側から順に、第1レンズL1と、第2レンズL2と、第3レンズL3と、第4レンズL4と、第5レンズL5とを備えている。
図13に、本発明の実施の形態にかかる撮像装置1である携帯電話端末の概観図を示す。本発明の実施の形態に係る撮像装置1は、本実施の形態に係る撮像レンズLと、この撮像レンズLによって形成された光学像に応じた撮像信号を出力するCCDなどの撮像素子100(図1参照)とを備えて構成される。撮像素子100は、この撮像レンズLの結像面(像面R14)に配置される。
図14に、本発明の実施の形態にかかる撮像装置501であるスマートフォンの概観図を示す。本発明の実施の形態に係る撮像装置501は、本実施の形態に係る撮像レンズLと、この撮像レンズLによって形成された光学像に応じた撮像信号を出力するCCDなどの撮像素子100(図1参照)とを有するカメラ部541を備えて構成される。撮像素子100は、この撮像レンズLの結像面(像面R14)に配置される。
第5レンズL5と撮像素子100との間には、レンズを装着するカメラ側の構成に応じて、種々の光学部材CGが配置されていても良い。例えば撮像面保護用のカバーガラスや赤外線カットフィルタなどの平板状の光学部材が配置されていても良い。この場合、光学部材CGとして例えば平板状のカバーガラスに、赤外線カットフィルタやNDフィルタ等のフィルタ効果のあるコートが施されたもの、あるいは同様の効果を有する材料を使用しても良い。
また、光学部材CGを用いずに、第5レンズL5にコートを施す等して光学部材CGと同等の効果を持たせるようにしても良い。これにより、部品点数の削減と全長の短縮を図ることができる。
この撮像レンズLはまた、開口絞りStを備えることが好ましい。図1に示す第1の実施形態に係る撮像レンズは、第1レンズL1と第2レンズL2の間に開口絞りStを配置した構成例であり、図2〜図6に示す第2〜第6の実施形態に係る撮像レンズは、第2レンズL2と第3レンズL3との間に開口絞りStを配置した構成例である。
この撮像レンズLにおいて、第1レンズL1は、正の屈折力を有し、光軸近傍で両凸形状である。このことにより、第1レンズL1の各面の曲率半径の絶対値を必要以上に小さくすることなく、第1レンズL1を十分な屈折力を有するものとでき、球面収差や非点収差を良好に補正しつつ、好適にレンズ全長を短縮化することができる。また、第1乃至第6の実施形態に示すように、第1レンズLの物体側の面の曲率半径の絶対値を、第1レンズL1の像側の面の曲率半径の絶対値よりも小さくした場合には、全長をより好適に短縮化することができる。また、第1レンズL1を非球面形状とすることにより、より好適に球面収差を補正することができる。
第2レンズL2は、光軸近傍において負の屈折力を有する。また、第2レンズL2を光軸近傍において像側に凹面を向けたものとすることが好ましい。この場合には、光線が第1レンズL1を通過する際に生じた球面収差および軸上の色収差を良好に補正することができ、全長の短縮化を実現しやすい。
第3レンズL3は、負の屈折力を有する。また、第3レンズL3は、第3レンズL3を光軸近傍において物体側に凹面を向けたメニスカス形状である。このことにより、第3レンズL3の各面が光軸近傍において像側に凹面を向けている場合よりも、画面全域での非点収差とコマ収差の発生を抑制しつつ、球面収差をバランス良く補正することができる。
また、第3レンズL3の焦点距離の絶対値|f3|は、第1レンズL1乃至第5レンズL5の焦点距離の絶対値|f1|〜|f5|のうち最大とされていることが好ましい。この場合には、第3レンズL3の面形状の変化による全系の焦点距離fへの影響をより好適に軽減でき、第3レンズL3を、諸収差の補正を優先した面形状に柔軟に設計することができる。
第4レンズL4は、光軸近傍において正の屈折力を有する。また、第1乃至第6の実施形態に示すように、第4レンズは、光軸近傍において物体側に凹面を向けたメニスカス形状とすることが好ましい。このことにより、第4レンズL4の各面が光軸近傍において像側に凹面を向けている場合よりも、第4レンズL4の各面に対する光線の入射角をより小さくすることができ、非点収差とコマ収差の発生を抑制しつつ、球面収差をバランス良く補正することができる。
第5レンズL5は、光軸近傍において負の屈折力を有する。撮像レンズの最も像面側に配置される第5レンズL5が負の屈折力を有することにより、全長を好適に短縮化することができる。また、正の屈折力を有する第4レンズL4の像側に負の屈折力を有する第5レンズを配置することにより、倍率の色収差や像面湾曲を好適に補正することができる。
また、第5レンズL5は、光軸近傍で像側に凹面を向け、像側の面に極値点を有する非球面形状である。このため、第5レンズL5の像側の面の光軸近傍では面形状の負の屈折力による全長短縮効果を得つつ、第5レンズL5の像側の面の極値点より半径方向外側では、面形状による正の屈折力により、正方向のディストーション(歪曲収差)の発生を抑制することができる。また、第5レンズL5は、光軸近傍で像側に凹面を向け、像側の面に極値点を有する非球面形状とすることにより、像面湾曲を良好に補正して、中心画角から周辺画角まで高解像性能を実現することができる。この効果を奏するために、第5レンズL5の像側の面の極値点は、第5レンズL5の像側の面と最大画角の主光線との交点より第5レンズの半径方向内側の任意の位置とすることができる。
なお、本明細書において、上記「極値点」とは、光軸から光軸に垂直な方向への距離をr(r>0)、距離rにおける光軸方向の位置を示す関数をfx(r)として、有効径内のレンズ面上の点を(r,fx(r))と表した場合に、関数fx(r)が極大値または極小値を取る点を意味する。なお、本明細書の各実施形態における全ての極値点は、該点における接平面が光軸に垂直となるような極値点である。
さらに、第5レンズL5が像側に凹面を向け、第5レンズL5の像側の面を少なくとも1つの極値点を有する非球面形状とすることにより、特に結像領域の周辺部において、光学系を通過する光線の結像面(撮像素子)への入射角が大きくなるのを抑制することができる。なお、ここでいう結像領域の周辺部は、最大画角の主光線と像面との交点の光軸からの高さの略5割より半径方向外側を意味する。
上記撮像レンズLによれば、全体として5枚というレンズ構成において、第1ないし第5レンズL5の各レンズ要素の構成を最適化したので、全長を短縮化しつつ、高解像性能を有するレンズ系を実現できる。
この撮像レンズLは、高性能化のために、第1レンズL1乃至第5レンズL5のそれぞれのレンズの少なくとも一方の面に、非球面を用いることが好適である。
また、撮像レンズLを構成する各レンズL1乃至L5は接合レンズでなく単レンズとすることが好ましい。各レンズL1乃至L5のいずれかを接合レンズとした場合よりも、非球面数が多いため、各レンズの設計自由度が高くなり、好適に全長の短縮化を図ることができるからである。
また、例えば第1〜第6の実施形態に係る撮像レンズのように全画角が60度以上となるように、上記撮像レンズLの第1レンズL1乃至第5レンズL5の各レンズ構成を設定した場合には、近距離撮影の機会が多い携帯電話端末などに撮像レンズLを好適に適用することができる。
次に、以上のように構成された撮像レンズLの条件式に関する作用および効果をより詳細に説明する。なお、この撮像レンズLは、後述の条件式(1)及び条件式(2)を満足する。また、以下の条件式(1)および条件式(2)を除く各条件式(条件式(1−1)〜条件式(3−2))について、撮像レンズLは、これらの条件式のいずれか1つまたは任意の組合せを満足することが好ましい。満足する条件式は撮像レンズLに要求される事項に応じて適宜選択されることが好ましい。
まず、全系の焦点距離fと第4レンズL4から第5レンズL5までの合成焦点距離f45は、以下の条件式(1)を満足する。
−2<f/f45<0 (1)
条件式(1)は、第4レンズL4から第5レンズL5までの合成焦点距離f45に対する全系の焦点距離fの比の好ましい数値範囲を規定する。条件(1)の下限以下とならないように、第4レンズL4と第5レンズL5による負の合成屈折力を抑えることにより、第1レンズL1から第3レンズL3からなる第1レンズ群の正の屈折力を必要以上に強くする必要がなく、高次の球面収差およびコマ収差の発生を抑制することができるため、全長の短縮化と高解像性能を好適に実現することができる。また、条件式(1)の上限以上とならないように、第4レンズL4と第5レンズL5による負の合成屈折力を確保することにより、全長の短縮化に有利である。上記効果をより高めるために、条件式(1−1)を満たすことがさらに好ましく、条件式(1−2)を満たすことがよりさらに好ましい。
−1.62<f/f45<−0.15 (1−1)
−1.3<f/f45<−0.3 (1−2)
また、全系の焦点距離fと第4レンズL4の焦点距離f4は、以下の条件式(2)を満足する。
0<f/f4<0.84 (2)
条件式(2)は、第4レンズL4の焦点距離f4に対する全系の焦点距離fの比の好ましい数値範囲を規定するものである。条件式(2)の下限以下とならないように、第4レンズL4の屈折力を確保することにより、全系の屈折力に対して第4レンズL4の正の屈折力が弱くなりすぎず、好適に倍率の色収差を補正することができる。条件式(2)の上限以上とならないように、第4レンズL4の屈折力を維持することにより、全系の屈折力に対して第4レンズL4の正の屈折力が強くなりすぎず、第4レンズL4の像側に配置された第5レンズL5の負の屈折力を諸収差の補正に有利になるようにバランスよく設定することができるため、倍率の色収差、非点収差、コマ収差およびディストーションを良好に補正することができる。また、上記効果をより高めるために、条件式(2−1)を満たすことがより好ましく、条件式(2−2)を満たすことがよりさらに好ましい。
0.05<f/f4<0.82 (2−1)
0.1<f/f4<0.8 (2−2)
第3レンズL3の物体側の面の近軸曲率半径R3fと第3レンズL3の像側の面の近軸曲率半径R3rは、以下の条件式(3)を満足することが好ましい。
−0.1<(R3f−R3r)/(R3f+R3r)<0 (3)
条件式(3)は、第3レンズL3の物体側の面の近軸曲率半径R3fと第3レンズL3の像側の面の近軸曲率半径R3rの好ましい数値範囲をそれぞれ規定する。条件式(3)の下限以下とならないように、第3レンズL3の物体側の面の近軸曲率半径R3fと第3レンズL3の像側の面の近軸曲率半径R3rを設定することで、球面収差の発生を抑制できる。条件式(3)の上限以上とならないように、第3レンズL3の物体側の面の近軸曲率半径R3fと第3レンズL3の像側の面の近軸曲率半径R3rを設定することで、球面収差と非点収差とコマ収差をバランス良く補正することができる。この効果をより高めるために、下記条件式(3−1)を満たすことがより好ましく、条件式(3−2)を満たすことがよりさらに好ましい。
−0.5<(R3f−R3r)/(R3f+R3r)<−0.01 (3−1)
−0.1<(R3f−R3r)/(R3f+R3r)<−0.03 (3−2)
以上説明したように、本発明の実施の形態に係る撮像レンズによれば、全体として5枚というレンズ構成において、各レンズ要素の構成を最適化したので、全長が短縮化され、高解像性能を有するレンズ系を実現できる。
上記撮像レンズは、物体側から順に正の屈折力を有する第1レンズ、負の屈折力を有する第2レンズ、負の屈折力を有する第3レンズ、正の屈折力を有する第4レンズ、負の屈折力を有する第5レンズから構成されており、第1レンズ乃至第3レンズで構成される正の屈折力を有する第1レンズ群と第4レンズおよび第5レンズで構成される負の屈折力を有する第2レンズ群として構成されている。このため、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群とを配置して撮像レンズを全体としてテレフォト型の構成にすることにより、好適に全長の短縮化を実現することができる。また、上記撮像レンズは、条件式(1)および(2)を満足して、第4レンズL4と第5レンズL5の屈折力を適切に設定することにより、全長の短縮化の効果をさらに高めている。例えば、第1レンズL1の物体側の面から像面までの光軸上の距離(レンズ全長)Lとし、全系の焦点距離fとすると、第1〜第6の実施形態において、全系の焦点距離fに対するレンズ全長の比率を示すテレフォト比L/fは、1.01〜1.025程度となっている。
これに対し、特許文献1に開示されたレンズ系は、第4レンズと第5レンズからなる第2レンズ群の屈折力を適切に設定していないため、レンズ全長を十分に短縮化することができていない。例えば、特許文献1に記載されたレンズ系のテレフォト比L/fは、1.027程度である。
また、適宜好ましい条件を満足することで、より高い結像性能を実現できる。また、本実施の形態に係る撮像装置によれば、本実施の形態に係る高性能の撮像レンズによって形成された光学像に応じた撮像信号を出力するようにしたので、中心画角から周辺画角まで高解像の撮影画像を得ることができる。
次に、本発明の実施の形態に係る撮像レンズの具体的な数値実施例について説明する。以下では、複数の数値実施例をまとめて説明する。
後掲の表1および表2は、図1に示した撮像レンズの構成に対応する具体的なレンズデータを示している。特に表1にはその基本的なレンズデータを示し、表2には非球面に関するデータを示す。表1に示したレンズデータにおける面番号Siの欄には、実施例1に係る撮像レンズについて、最も物体側のレンズ要素の面を1番目(開口絞りStを1番目)として、像側に向かうに従い順次増加するようにして符号を付したi番目の面の番号を示している。曲率半径Riの欄には、図1において付した符号Riに対応させて、物体側からi番目の面の曲率半径の値(mm)を示す。面間隔Diの欄についても、同様に物体側からi番目の面Siとi+1番目の面Si+1との光軸上の間隔(mm)を示す。Ndjの欄には、物体側からj番目の光学要素のd線(587.56nm)に対する屈折率の値を示す。νdjの欄には、物体側からj番目の光学要素のd線に対するアッベ数の値を示す。
この実施例1に係る撮像レンズは、第1レンズL1乃至第5レンズL5の両面がすべて非球面形状となっている。表1の基本レンズデータには、これらの非球面の曲率半径として、光軸近傍の曲率半径(近軸曲率半径)の数値を示している。
表2には実施例1の撮像レンズにおける非球面データを示す。非球面データとして示した数値において、記号“E”は、その次に続く数値が10を底とした“べき指数”であることを示し、その10を底とした指数関数で表される数値が“E”の前の数値に乗算されることを示す。例えば、「1.0E−02」であれば、「1.0×10-2」であることを示す。
非球面データとしては、以下の式(A)によって表される非球面形状の式における各係数Ai,KAの値を記す。Zは、より詳しくは、光軸から高さhの位置にある非球面上の点から、非球面の頂点の接平面(光軸に垂直な平面)に下ろした垂線の長さ(mm)を示す。
Z=C・h2/{1+(1−KA・C2・h21/2}+ΣAi・hi (A)
ただし、
Z:非球面の深さ(mm)
h:光軸からレンズ面までの距離(高さ)(mm)
C:近軸曲率=1/R
(R:近軸曲率半径)
Ai:第i次(iは3以上の整数)の非球面係数
KA:非球面係数
とする。
以上の実施例1の撮像レンズと同様にして、図2〜図6に示した撮像レンズの構成に対応する具体的なレンズデータを実施例2乃至実施例6として、表3〜表12に示す。これらの実施例1〜6に係る撮像レンズでは、第1レンズL1乃至第5レンズL5の両面がすべて非球面形状となっている。
図7(A)〜(E)はそれぞれ、実施例1の撮像レンズにおける球面収差、正弦条件違反量、非点収差、ディストーション(歪曲収差)、倍率色収差(倍率の色収差)図を示している。球面収差、正弦条件違反量、非点収差(像面湾曲)、ディストーション(歪曲収差)を表す各収差図には、d線(波長587.56nm)を基準波長とした収差を示す。球面収差図、倍率色収差図には、F線(波長486.1nm)、C線(波長656.27nm)についての収差も示す。また、球面収差図には、g線(波長435.83nm)についての収差も示す。非点収差図において、実線はサジタル方向(S)、破線はタンジェンシャル方向(T)の収差を示す。また、Fno.はFナンバーを、ωは半画角をそれぞれ示す。
同様に、実施例2乃至実施例6の撮像レンズについての諸収差を図8(A)〜(E)乃至図12(A)〜(E)に示す。
また、表13には、本発明に係る各条件式(1)〜(3)に関する値を、各実施例1〜6についてそれぞれまとめたものを示す。表13において、Fno.はFナンバー、fは全系の焦点距離、Bfは最も像側のレンズの像側の面から像面までの光軸上の距離(バックフォーカスに相当)、Lは第1レンズL1の物体側の面から像面までの光軸上の距離、2ωは全画角、f1〜f5は第1レンズL1〜第5レンズL5の各焦点距離である。Bfは空気換算長であり、すなわち、光学部材PPの厚みを空気換算して計算した値を示している。同様に、Lのうちバックフォーカス分は空気換算長を用いている。表13からわかるように、実施例1〜6は全て条件式(1)〜(3)を満足している。
なお、上記各表には、所定の桁でまるめた数値を記載している。各数値の単位としては、角度については「°」を用い、長さについては「mm」を用いている。しかし、これは一例であり、光学系は比例拡大または比例縮小しても使用可能なため他の適当な単位を用いることもできる。
以上の各数値データおよび各収差図から分かるように、各実施例について、全長を短縮化しながらも高い結像性能が実現されている。
なお、本発明の撮像レンズには、実施の形態および各実施例に限定されず種々の変形実施が可能である。例えば、各レンズ成分の曲率半径、面間隔、屈折率、アッベ数、非球面係数の値などは、各数値実施例で示した値に限定されず、他の値をとり得る。
また、各実施例では、すべて固定焦点で使用する前提での記載とされているが、フォーカス調整可能な構成とすることも可能である。例えばレンズ系全体を繰り出したり、一部のレンズを光軸上で動かしてオートフォーカス可能な構成とすることも可能である。また、本発明の撮像レンズは、光軸近傍でメニスカス形状とされた各レンズにおいて、光軸近傍でメニスカス形状の曲率半径の絶対値が大きい面を、光軸近傍で平面として構成してもよい。言い換えると、光軸近傍でメニスカス形状とされたレンズを、該レンズのメニスカス形状の曲率半径の絶対値が大きい面を光軸近傍で平面とした平凸形状のレンズまたは平凹形状のレンズとしてもよい。
L1 第1レンズ
L2 第2レンズ
L3 第3レンズ
L4 第4レンズ
L5 第5レンズ
St 開口絞り
Ri 物体側から第i番目のレンズ面の曲率半径
Di 物体側から第i番目と第i+1番目のレンズ面との面間隔
Z1 光軸
100 撮像素子(像面)

Claims (12)

  1. 物体側から順に、
    両凸形状である第1レンズと、
    負の屈折力を有する第2レンズと、
    負の屈折力を有し、物体側に凹面を向けたメニスカス形状である第3レンズと、
    正の屈折力を有する第4レンズと、
    負の屈折力を有し、像側に凹面を向け、像側の面が極値点を有する非球面形状である第5レンズと、
    から構成される実質的に5個のレンズからなり、下記条件式(1)および(2)を満足する撮像レンズ。
    −2<f/f45<0 (1)
    0<f/f4<0.84 (2)
    ただし、
    f:全系の焦点距離
    f45:前記第4レンズから前記第5レンズまでの合成焦点距離
    f4:前記第4レンズの焦点距離
    とする。
  2. さらに以下の条件式を満足する請求項1に記載の撮像レンズ。
    −1<(R3f−R3r)/(R3f+R3r)<0 (3)
    ただし、
    R3r:前記第3レンズの像側の面の近軸曲率半径
    R3f:前記第3レンズの物体側の面の近軸曲率半径
    とする。
  3. 前記第2レンズが、像側に凹面を向けている請求項1または2のいずれか1項記載の撮像レンズ。
  4. 前記第4レンズが、物体側に凹面を向けたメニスカス形状である請求項1から3のいずれか1項記載の撮像レンズ。
  5. 前記1乃至第5レンズの各焦点距離の絶対値のうち、前記第3レンズの焦点距離の絶対値が最大である請求項1から4のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
  6. さらに以下の条件式を満足する請求項1から5のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
    −1.62<f/f45<−0.15 (1−1)
  7. さらに以下の条件式を満足する請求項1から6のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
    0.05<f/f4<0.82 (2−1)
  8. さらに以下の条件式を満足する請求項1から7のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
    −0.5<(R3f−R3r)/(R3f+R3r)<−0.01 (3−1)
    ただし、
    R3r:前記第3レンズの像側の面の近軸曲率半径
    R3f:前記第3レンズの物体側の面の近軸曲率半径
    とする。
  9. さらに以下の条件式を満足する請求項1から8のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
    −1.3<f/f45<−0.3 (1−2)
  10. さらに以下の条件式を満足する請求項1から9のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
    0.1<f/f4<0.8 (2−2)
  11. さらに以下の条件式を満足する請求項1から10のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
    −0.1<(R3f−R3r)/(R3f+R3r)<−0.03 (3−2)
    ただし、
    R3r:前記第3レンズの像側の面の近軸曲率半径
    R3f:前記第3レンズの物体側の面の近軸曲率半径
    とする。
  12. 請求項1に記載された撮像レンズを備えた撮像装置。
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