JP2014196914A - 電気泳動用分離媒体の製造装置および電気泳動用分離媒体の製造方法 - Google Patents

電気泳動用分離媒体の製造装置および電気泳動用分離媒体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】所望の濃度勾配を有する電気泳動用分離媒体の製造装置および電気泳動用分離媒体の製造方法を提供する。【解決手段】電気泳動用分離媒体の製造装置であって、電気泳動用分離媒体の前駆体を含む第1溶液と、第1溶液とは前駆体の濃度が異なる第2溶液とが、混合比を線形に変化させながら混合され、得られた混合液が注入される注入容器10aと、注入容器10aの内部空間10xに配置されることで内部空間10xの容積を低減させ、内部空間10xに混合液を注入したときの混合液の液面高さの変化量に対する混合比の変化量を低減させる充填部材13と、を有する電気泳動用分離媒体の製造装置。【選択図】図2

Description

本発明は、電気泳動用分離媒体の製造装置および電気泳動用分離媒体の製造方法に関するものである。
近年、タンパク質の研究分野において「プロテオーム解析」が盛んに行われている。「プロテオーム」とは、特定の細胞、器官および臓器など、ある生物学的な系において存在しているタンパク質全体のことである。プロテオーム解析によれば、プロテオームに含まれる個々のタンパク質を特定することができ、例えば、正常細胞と癌細胞とのプロテオーム同士を比較することで、癌に特有のタンパク質を特定し、癌の治療方法を検討する、といった効果的な研究への応用が期待されている。
プロテオーム解析においては、タンパク質の分離手法として、ゲル電気泳動が広く用いられている。ゲル電気泳動では、通常、水と、水を担持する高分子量の担体分子と、を含むゲル状の分離媒体(電気泳動用分離媒体)を用いる。
分離媒体は平面視矩形を呈し、一端側にタンパク質の混合物などの分析対象物を付して用いる。分析対象物を付した分離媒体について、一端側と他端側とに電位差を生じさせると、荷電粒子であるタンパク質がゲル内を移動する。その際、ゲル中の担体分子がタンパク質の移動を遮る「分子ふるい効果」のため、タンパク質の電荷、分子量、形等の違いに基づいて、電圧印加時に単位時間当たりのタンパク質の移動距離が異なる。その結果、分析対象物に含まれる複数のタンパク質を個別に分離することができる。
このようなゲル電気泳動としては、ポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE:Polyacrylamide Gel Electrophoresis)や等電点電気泳動、これらを組み合わせた二次元電気泳動等が知られている。PAGEは、担体分子としてポリアクリルアミドを含むゲルを用い、タンパク質の分子量の差を検出する方法である。等電点電気泳動は、泳動方向にpHの勾配が形成された分離媒体を用い、タンパク質の等電点の差を検出する方法である。二次元電気泳動は、一次元目の電気泳動として等電点電気泳動を行った後、一次元目の泳動方向と直交する方向に、二次元目の電気泳動としてPAGEを行うことで、分解能を高めた方法である。
PAGEで用いる分離媒体においては、分解能を高めるため、泳動方向に包含するポリアクリルアミドの濃度に勾配を形成したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。このような濃度勾配が形成されたアクリルアミドゲルや、等電点電気泳動で用いるpH勾配ゲルは、例えば、担体分子の前駆体溶液を2種の濃度で用意し、連続的に送液量を変化させながら混合することで2種の前駆体溶液の混合比を変化させて混合溶液を注入容器に注入し、その後モノマーを重合させることで、指定の濃度勾配を有するゲルを製造することができる(例えば、特許文献2参照)。
特開昭63−298044号公報 特開平1−263548号公報
しかしながら、上述の方法では、様々な濃度勾配を有するゲルを作製する為には、目的の濃度勾配になるように2種の前駆体溶液の混合比をシミュレートし、送液量を正確に制御して注入容器に注ぎ込む必要がある。しかし、このような方法では、シミュレートした濃度勾配と実際に得られるゲルの濃度勾配とに誤差が生じやすく、所望の濃度勾配を有する分離媒体を容易に作製することが困難である。
また、pH勾配ゲルに関しては前駆体溶液状態のpHと重合後のゲルpHは異なるが、送液中の2種の前駆体混合溶液のpHを測定できないため、フィードバック制御によって所望のpH勾配を有するpH勾配ゲルを作製できないことも困難な理由として挙げることができる。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、所望の濃度勾配を有する電気泳動用分離媒体の製造装置および電気泳動用分離媒体の製造方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明の一形態は、電気泳動用分離媒体の製造装置であって、前記電気泳動用分離媒体の前駆体を含む第1溶液と、前記第1溶液とは前記前駆体の濃度が異なる第2溶液とが、混合比を線形に変化させながら混合され、得られた混合液が注入される注入容器と、前記注入容器の内部空間に配置されることで前記内部空間の容積を低減させ、前記内部空間に前記混合液を注入したときの前記混合液の液面高さの変化量に対する前記混合比の変化量を低減させる充填部材と、を有する電気泳動用分離媒体の製造装置を提供する。
本発明の一形態においては、前記充填部材は、複数の小片を有し、前記小片が集積されて前記充填部材を形成している構成としてもよい。
本発明の一形態においては、前記充填部材は、前記内部空間を仕切り、前記混合液が注入されない空間を形成する板材である構成としてもよい。
本発明の一形態においては、前記充填部材は、表面が親水性である構成としてもよい。
本発明の一形態においては、前記充填部材には、前記内部空間に前記充填部材を配置したときの、前記内部空間に注入した前記混合液の液面高さの変化量に対する前記混合比の変化量に関する情報が付されている構成としてもよい。
本発明の一形態は、電気泳動用分離媒体の製造方法であって、前記電気泳動用分離媒体の前駆体を含む第1溶液と、前記第1溶液とは前記前駆体の濃度が異なる第2溶液とが、混合比を線形に変化させながら混合し、得られた混合液を注入容器に注入する工程と、前記混合液に含まれる前記前駆体を重合させる工程と、を有し、前記注入する工程においては、前記注入容器の内部空間の容積を局所的に低減させておくことで、前記内部空間に前記混合液を注入したときの前記混合液の液面高さの変化量に対する前記混合比の変化量を低減させる電気泳動用分離媒体の製造方法を提供する。
本発明によれば、所望の濃度勾配を有する電気泳動用分離媒体の製造装置および電気泳動用分離媒体の製造方法を提供することができる。
第1実施形態に係る製造装置を有する製造システムの概略図である。 第1実施形態の製造装置の概略組立図である。 第1実施形態の製造装置の模式図である。 第1実施形態の分離媒体の製造方法の説明図である。 第1実施形態の分離媒体の製造方法の説明図である。 第1実施形態の製造装置を有する製造システムの変形例を示す図である。 第2実施形態の製造装置に係る製造装置を示す模式図である。 第3実施形態の製造装置に係る製造装置を示す模式図である。 第4実施形態の製造装置に係る製造装置を示す模式図である。 第4実施形態の製造装置に係る製造装置を示す模式図である。 第5実施形態の製造装置に係る製造装置10Fを示す模式図である。 実施例で用いた製造装置の内部空間および充填部材を示す模式図である。 実施例の結果を示すグラフである。 実施例の結果を示す写真である。
[第1実施形態]
以下、図を参照しながら、本実施形態に係る電気泳動用分離媒体の製造装置および電気泳動用分離媒体の製造方法について説明する。なお、以下の全ての図面においては、図面を見やすくするため、各構成要素の寸法や比率などは適宜異ならせてある。
以下の説明においては、まず本実施形態に係る電気泳動用分離媒体の製造装置および電気泳動用分離媒体の製造方法における製造目的物である電気泳動用分離媒体(以下、単に「分離媒体」と称することがある)について説明し、その後、電気泳動用分離媒体の製造装置および電気泳動用分離媒体の製造方法について説明する。
[分離媒体]
本実施形態に係る電気泳動用分離媒体の製造装置および電気泳動用分離媒体の製造方法は、目的物として、水と、水を担持する高分子量の担体分子と、を含むゲル状の分離媒体を製造する。製造される分離媒体においては、pHや担体分子の濃度に勾配を有する。
(1.pH勾配)
pHに勾配を有する分離媒体、例えば、通常知られた固定化pH勾配ゲル(IPGゲル:Immobilized pH gradient gel)は、(i)置換基を有していてもよいアクリルアミド(以下、アクリルアミド系モノマーと称することがある)と、(ii)アクリルアミド系モノマーと共重合可能な架橋剤と、(iii)アクリルアミド系モノマーと共重合可能であり、且つ水中で酸性を示す解離基(酸性基)または塩基性を示す解離基(塩基性基)を有するアクリルアミド誘導体と、を重合させて製造する。
(i)アクリルアミド系モノマーとしては、例えば、メタアクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドなどを挙げることができる。
(ii)架橋剤としては、例えば、ビスアクリルアミド、ピペラジンジアクリルアミド、ジアリルテトラジアミド、ビスアクリロイルシスタミンなど、アクリルアミド系モノマーが有するアクリル基やアミノ基に共重合可能な官能基を2以上有するモノマーを挙げることができる。
(iii)アクリルアミド誘導体が有する酸性基としては、カルボキシ基、スルホ基を挙げることができ、塩基性基としてはアミノ基を挙げることができる。
重合開始剤としては、例えば過硫酸アンモニウム(APS)を挙げることができる。また、重合促進剤としては、例えばテトラメチルエチレンジアミン(TEMED)を挙げることができる。
このような(i)アクリルアミド系モノマー、(ii)架橋剤、(iii)アクリルアミド誘導体を重合させることにより、アクリルアミド系モノマーと架橋剤とが重合した担体分子とし、さらに、担体分子の側鎖に酸性基または塩基性基を導入する。
重合においては、酸性基を有するアクリルアミド誘導体を溶解した前駆体溶液と、塩基性基を有するアクリルアミド誘導体を溶解した前駆体溶液とを用意する。ここで、酸性の前駆体溶液は、本発明における第1溶液に該当し、塩基性の前駆体溶液は、本発明における第2溶液に該当する。塩基性の前駆体溶液は、酸性の前駆体溶液とは、酸性基を有するアクリルアミド誘導体や塩基性基を有するアクリルアミド誘導体の濃度が異なっている。
酸性の前駆体溶液は、目的のpH勾配の始点と同等または低いpH(例えばpH3の酸性溶液)となるように調整し、塩基性の前駆体溶液は、目的のpH勾配の終点と同等または高いpH(例えばpH10の塩基性溶液)となるように調整する。さらに、一方にグリセロール(グリセリン)を加え高比重溶液とする。
このようにして調製した2種の前駆体溶液を、連続的に送液速度を変化させながら混合することで前駆体溶液の混合比を変化させながら、分離媒体の製造装置に流し入れる。その際、2種の前駆体溶液のうち、グリセロールを加えていない方の送液速度を漸増し、グリセロールを加えた高比重溶液の送液速度を漸減するようにして送液することで、前駆体溶液の混合液は徐々に比重が減少することとなる。すなわち、分離媒体の製造装置内においては、pH勾配とともに比重の勾配も形成されることとなり、前駆体のpH勾配が崩れにくくなる。
その後、分離媒体の製造装置内で、前駆体を重合させることで、酸性基と塩基性基の存在比に勾配を形成し、pH勾配を有する担体分子が得られる。担体分子は水を保持するため、全体としてゲル状となり、目的物である分離媒体が得られる。
(2.担体分子の濃度勾配)
担体分子の濃度に勾配を有する分離媒体については、(i)アクリルアミド系モノマーと、(ii)架橋剤と、の合計の濃度が異なる2種の前駆体溶液を用意し、さらに、一方にグリセロール(グリセリン)を加え高比重溶液とする。ここで、2種の前駆体溶液は、一方が本発明における第1溶液に該当し、他方が本発明における第2溶液に該当する。
これら2種の前駆体溶液を、上述したように連続的に送液速度を変化させながら混合することで前駆体溶液の混合比を変化させ、モノマーを重合させて製造する。これにより、担体分子の濃度に勾配が形成された分離媒体が得られる。
本実施形態に係る電気泳動用分離媒体の製造装置および電気泳動用分離媒体の製造方法を用いると、上記のような濃度勾配を有する分離媒体において、1つの分離媒体内で濃度勾配を変化させる分離媒体を容易に製造することができる。
[電気泳動用分離媒体の製造装置]
図1は、本実施形態に係る電気泳動用分離媒体の製造装置を有する製造システム100の概略図である。図に示すように製造システム100は、分離媒体の製造装置10Aと、前駆体溶液を貯留する貯留部20と、前駆体溶液を送液する送液装置30とを有する。
製造装置10Aは、内部に前駆体溶液が流し込まれ、重合させることで目的物である分離媒体が形成される容器である。詳しくは後述する。
貯留部20は、少なくとも2つの貯留部21,22を有している。貯留部21,22には、上述したような2種の前駆体溶液がそれぞれに貯留される。
送液装置30は、一端が貯留部21に接続され、貯留部21から前駆体溶液を排出する配管31aと、配管31aの途中に配設された送液ポンプ31と、一端が貯留部22に接続され、貯留部22から前駆体溶液を排出する配管32aと、配管32aの途中に配設された送液ポンプ32と、配管31a,32aの他端が接続されるミキサー33と、ミキサー33と製造装置10Aとを接続する配管34と、を有する。
送液ポンプ31,32は、合計の送液量を一定に保ちつつ、例えば送液ポンプ31は送液速度を漸増させ、送液ポンプ32は送液速度を漸減させることで、2種の前駆体溶液の仕込み量を変化させるように制御される。送液ポンプ31,32としては、ペリスタティックポンプやピエゾポンプのような、配管の外部から押圧することにより前駆体溶液に非接触で送液が可能であるポンプが好ましい。
ミキサー33は、前駆体溶液の送液経路内に設けられ、2種の前駆体溶液を混合する。ミキサー33としては、通常知られたスタティックミキサーを用いることができる。
図2,3は、製造装置10Aの模式図である。図2は、製造装置10Aの概略組立図である。図3(a)は、製造装置10Aの正面視における断面図であり、図3(b)は、製造装置10Aの側面視における断面図である。製造装置10Aは、第1部材11と第2部材12と充填部材13とを有している。
図2に示すように、第1部材11は、板状の主部11aと、主部11aの主面に設けられた2つの側壁11bおよび側壁11b同士を接続する底部11cと、を有している。第2部材12は、板状を呈する部材である。
また、主部11aには、形成されるゲルを保持するための保持シート50が配置される。保持シート50としては、例えば、lonza社製のゲルボンドフィルムを用いることができ、ゲルの保持面が第2部材12に対向するように配置されている。保持シート50は、第2部材12に配置されることとしてもよい。その場合、保持シート50におけるゲルの保持面が第1部材11の主部11aに対向するように配置される。
このような、第1部材11と第2部材12とは、第2部材12が第1部材11の側壁11bおよび底部11cと接するように第1部材11と脱着自在に接合されることで、注入容器10aを形成する。第1部材11と第2部材12との接合は、前駆体溶液が漏れ出すことが無ければ種々の方法を採用することができ、例えば、クリップ状の部材を用いた把持や、ボルト止めなどを選択することができる。
注入容器10aは、第1部材11と第2部材12とで囲まれた内部空間10xを有する容器である。内部空間10xは例えば直方体であり、内部空間10xの体積、すなわち注入容器10aの容積、は設計値または実測値から既知の値である。
これら第1部材11、第2部材12は、前駆体溶液による腐食や劣化が生じにくいまたは生じない材料を用いて形成することができる。このような形成材料としては、例えば、ガラスが挙げられる。
また、第1部材11、第2部材12は、光透過性を有する材料を用いて形成すると、分離媒体の製造時に内部の様子が観察できるため、操作が容易となり好ましい。
なお、図では、第1部材11は、第1部材11の側壁11bおよび底部11cが主部11aと一体となっていることとして示したが、これに限らない。例えば、主部11aとして、第2部材12と同様の板状の部材を用い、主部11aと第2部材12との間に、複数のスペーサと、正面視U字状としたシリコンチューブと、を配置して挟持することで、注入容器10aを構成することとしてもよい。このような構成の場合、板状部材である主部11aおよび第2部材12と、シリコンチューブと、で囲まれた空間が内部空間10xとなる。
このような構成によれば、形成される分離媒体の厚みをスペーサで規定しながら、シリコンチューブで前駆体溶液の漏れを防ぐことができる。
充填部材13は、注入容器10aの容積を調整する部材であり、内部空間10xに配置して用いる。本実施形態の充填部材13は、直方体状のブロックである。充填部材13は、例えば、第1部材11と第2部材12とに挟持され、図3(a)に示すように、内部空間10xにおいて一方の側壁11bに接し、図3(b)に示すように、主部11aに配置された保持シート50および第2部材12の内壁に接している。また、充填部材13は、両面テープのような粘着部材を用いて内部空間10xに配置することとしてもよい。
充填部材13の形成材料としては、例えば、金属、ガラス、セラミック、セルロース、樹脂材料などを挙げることができ、表面が親水性を示すように加工されていてもよい。
本実施形態の製造装置は、以上のような構成となっている。
[電気泳動用分離媒体の製造方法]
次に、製造装置10Aを用いた、濃度勾配を有する分離媒体の製造方法について説明する。以下の説明においては、泳動方向にpH勾配が変化するIPGゲルを製造する方法について説明する。本実施形態の製造方法においては、上記製造システム100を用いるものとし、適宜図1、2に示した符号を用いて説明する。
図4、5は、分離媒体の製造方法の説明図であり、各図(a)は、製造装置10Aの正面視における断面図、各図(b)は、形成されるIPGゲルのpH勾配を示すグラフである。各図(b)のグラフでは、横軸がIPGゲルにおける酸性端からの距離、縦軸がpHを示している。
まず、図4を用い、製造装置10Aとして、充填部材13を備えないもの(すなわち、注入容器10a)を用いて、pHが4から7に線形で変化するようなpH勾配を有する分離媒体を形成する場合を考える。例えば、貯留部21には酸性の前駆体溶液を貯留し、貯留部22には塩基性の前駆体溶液を貯留して、送液ポンプ31,32による送液速度は一定としたままで、送液ポンプ31の送液速度を線形で漸減、送液ポンプ32の送液速度を線形で漸増させて製造装置10Aに注入し、重合させる。これにより、線形のpH勾配を有する分離媒体を形成することができる。
このとき、図4(a)に示すように、製造装置10Aに注入した前駆体溶液Mの体積(すなわち形成されるIPGゲルの体積)をV、正面視における製造装置10A内の前駆体溶液Mの横幅をL、奥行きをL、高さをLとすると、図4(b)に示すpH勾配の傾きkは、k=(7−4)/Lとなる。
次に、充填部材13を備える製造装置10Aを用いる場合、前駆体溶液の送液速度を一定とすると、図5(a)に示すように、製造装置10Aに注入した前駆体溶液Mの量を一定とすると、前駆体溶液Mの高さLh2は、充填部材13の体積V分だけ図4(a)に示す高さLhから高くなる。Lh2とLとの差は、充填部材13の体積を製造装置10Aの底部の面積で除した値(V/(L×L))である。
このとき、図5(b)に示す領域AR1においては、図4の状態と比べ、製造装置10A内の容積の変更がないため、pH勾配の傾きkは、k=(7−4)/Lとなる。
一方、図5(b)に示す領域AR2においては、前駆体溶液の送液速度が一定であるのに対し、容積が低減しているため、前駆体溶液の液面高さの変化速度が速くなる。その結果、pH勾配の傾きkAは、kA=k×(L−LwA)/Lとなり、領域AR1よりもpH勾配の傾きが小さくなる。
このようにして、前駆体溶液を注入した後、重合開始剤の反応開始温度以上に加熱し、前駆体を重合させ、分離媒体を得る。分離媒体は、保持シート50に付着して形成され、製造装置10Aから第2部材12および充填部材13を取り外し分解することで、保持シート50ごと取り出すことが可能である。
得られた分離媒体は、そのまま用いることとしてもよく、適宜乾燥させて保存することとしてもよい。乾燥させた分離媒体は、水や電気泳動に用いる展開溶媒に浸漬することで、ゲル状になる。また、乾燥させた分離媒体は、保持シート50ごと短冊状に切削して用いることとしてもよい。このような短冊状の分離媒体は、二次元電気泳動の一次元目の分離媒体に好適に用いられる。
以上のようにして、電気泳動用分離媒体を製造することができる。
以上のような電気泳動用分離媒体の製造装置によれば、容易に濃度勾配を有する分離媒体を製造することが可能となる。
また、以上のような電気泳動用分離媒体の製造方法によれば、容易に濃度勾配を有する分離媒体を製造することが可能となる。
なお、本実施形態の製造装置10Aは、貯留部毎に送液ポンプに接続されることとして示したが、これに限らない。
図6は、本実施形態の製造装置が適用される製造システムの変形例を示す概略図であり、図1に対応する図である。図に示すように製造システム200は、分離媒体の製造装置10Aと、前駆体溶液を貯留する貯留部20と、前駆体溶液を送液する送液装置40と、を有する。
送液装置40は、一端が貯留部21に接続され、貯留部21から前駆体溶液を排出する配管41aと、配管41aの途中に配設された弁41と、一端が貯留部22に接続され、貯留部22から前駆体溶液を排出する配管42aと、配管42aの途中に配設された弁42と、配管41a,42aの他端が接続されるミキサー43と、ミキサー43と製造装置10Aとを接続する配管44と、配管44の途中に配設された送液ポンプ45と、を有する。
弁41,42は、例えば弁41は開度を漸増させ、弁42は開度を漸減させることで、2種の前駆体溶液の仕込み量を変化させるように制御される。弁41,42としては、通常知られた電磁弁を用いることができる。
ミキサー43は、前駆体溶液の送液経路内に設けられ、2種の前駆体溶液を混合する。ミキサー43としては、上述のミキサー33と同様のものを用いることができる。
送液ポンプ45は、合計の送液量を一定に保ちながら、ミキサー43で混合された前駆体溶液を送液する。送液ポンプ45としては、上述の送液ポンプ31,32と同様のものを用いることができる。
このような製造システム200においては、送液ポンプが共通化されているため、操作が容易である。また、上述の製造システム100と同様に、製造装置10Aにおいて、充填部材13を用いることで、容易に濃度勾配を有する分離媒体を製造することが可能となる。
[第2実施形態]
図7は、第2実施形態の製造装置に係る製造装置10Bを示す模式図であり、図5(a)に対応する図である。第1実施形態の製造装置10Aにおいては、充填部材13として直方体の部材を1つ有することとして示したが、本実施形態の製造装置10Bは、充填部材14として、複数の小片14aを用いることとしている。
このような充填部材14においては、図7(a)に示すように、充填部材14が全体として直方体状となるように小片14aを集積して配置してもよく、図7(b)に示すように、内部空間10xの高さ位置によって配置されている小片14aの数が異なるように配置することとしてもよい。
このような充填部材14を有する製造装置10Bにおいては、濃度勾配を段階的に多段に制御することが容易となる。例えば、図7(b)の製造装置10Bでは、領域AR1から領域AR4の4種に対応した4段階の濃度勾配を有する分離媒体を製造することができ、多段に濃度勾配が変化する分離媒体を容易に製造することが可能となる。
また、例えば複数の小片14aを用いた充填部材14で、予め内部空間10xの容積を低減させた状態(以下、「基準状態」と称する)としておくと、基準状態から小片14aの使用数を減らすことで、前駆体溶液が注入される空間の容積を基準状態から増やすように変化させることができる。製造装置10Bをこのように用いることで、所望の濃度勾配を有する分離媒体を製造しやすくなる。
[第3実施形態]
図8は、第3実施形態の製造装置に係る製造装置10Cを示す模式図であり、図5(a)に対応する図である。第1実施形態の製造装置10Aにおいては、充填部材13としてブロック状の部材を1つ有することとして示したが、本実施形態の製造装置10Cは、充填部材15として、複数の板材15aを用いることとしている。
このような充填部材15を有する製造装置10Cにおいては、板材15aの配置位置や板材15aの大きさ変更の自由度が高く、充填部材15による内部空間の容積制御の自由度が高まる。そのため、濃度勾配が変化する分離媒体を容易に製造することが可能となる。
また、充填部材15で、予め内部空間10xの容積を低減させた状態(以下、「基準状態」と称する)としておくと、基準状態から充填部材15を構成する板材15aの配置位置や大きさを変更することで、前駆体溶液が注入される空間の容積を基準状態から増やすように変化させることができる。製造装置10Cをこのように用いることで、所望の濃度勾配を有する分離媒体を製造しやすくなる。
[第4実施形態]
図9,10は、第4実施形態の製造装置に係る製造装置10Dを示す模式図であり、図5に対応する図である。第1実施形態の製造装置10Aにおいては、充填部材13として直方体状の部材であることとしたが、充填部材の機能としては、注入容器10aの内部空間の容積を制御することができれば、形状は限定されない。
例えば、図9(a)に示す製造装置10Dにおいては、充填部材16と前駆体溶液Mとの接触面が内部空間10xの高さ方向に対して傾斜している。このような製造装置10Dにおいては、図9(b)に示すように、濃度勾配が連続的に変化した分離媒体となる。このとき濃度勾配は、下に凸となるように変化する。
また、図10(a)に示す製造装置10Eにおいては、充填部材17と前駆体溶液Mとの接触面が下に凸の曲面となっている。このような製造装置10Eにおいては、図10(b)に示すように、濃度勾配が連続的に変化した分離媒体となる。このとき濃度勾配は、上に凸となるように変化する。
このように、製造装置10D,10Eにおいては、濃度勾配を連続的に変化させた分離媒体を容易に製造することが可能となる。
なお、図10に示した製造装置10Eにおいては、充填部材17と前駆体溶液Mとの接触面が下に凸の曲面となっていることとしたが、もちろん、前駆体溶液Mとの接触面が上に凸の曲面となっている充填部材を用いることとしてもよい。その場合、濃度勾配が下に凸となるように連続的に変化した分離媒体が得られる製造装置となる。
また、充填部材16や充填部材17は、部材の前駆体溶液Mとの接触面が全面にわたって斜面であったり曲面であったりすることとしているが、例えば、第1実施形態の充填部材13の角部を面取りして曲面としたもののように、充填部材の一部に斜面や曲面が形成されていることとしても構わない。
[第5実施形態]
図11は、第5実施形態の製造装置に係る製造装置10Fを示す模式図であり、図11(a)は概略斜視図、図11(b)は断面図である。
上述の実施形態の製造装置10A〜10Eにおいては、充填部材が注入容器10aの第1部材11と第2部材12とで挟持されることとしていたが、これに限らない。本実施形態の製造装置10Fにおいては、図11に示すように、充填部材18が第1部材11に設置され、第2部材12には接していない。保持シート50は、充填部材18に接し、第1部材11と第2部材12との中間位置付近に配置され、ゲルの保持面が第2部材12に対向している。
このような充填部材18を有する製造装置10Fにおいては、保持シート50に保持されるゲルが、正面視の幅方向において均質なものとなるため、歩留まりが高くなる。また、通常IPGゲルの厚みは数百μmであるため、充填部材18の厚みをわずかに変更するだけでも、ゲルの厚みに対しては十分な容積変化を生じさせることができ、pH勾配が変化する分離媒体を容易に製造することが可能となる。
なお、充填部材を配置した高さ位置において、注入容器10aにおける濃度勾配に対してどのように変化するかは、注入容器10aの内部空間10xの断面積に対する充填部材の断面積の比として算出することができる。そのため、充填部材の表面に、どのように濃度勾配するかの情報を付しておくことで、複数の充填部材から、所望の濃度勾配を形成するための適切な充填部材を選択しやすくなる。
濃度勾配の情報は、具体的な情報を充填部材の表面に付しておくこととしてもよく、濃度勾配の情報をバーコードや二次元コードなどに変換したうえで、充填部材の表面に付しておくこととしてもよい。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施の形態例について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
本実施形態においては、IPGゲルを製造することとして説明したが、本発明の製造装置および製造方法を用いて、PAGE用の濃度勾配ゲルを製造することもできる。PAGE用の濃度勾配ゲルにおいて、濃度勾配を変化させることで、例えばターゲットとする試料の分子量が特定分子量領域に集まっている場合に、広範囲の分子量分離が可能というグラジエントゲルのメリットを確保した上で、当該ターゲット試料を含む領域を拡大することによって泳動結果を見やすくすることが可能となる。
[実施例]
以下に本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(分離媒体の製造)
(実施例1)
アクリルアミド、メチレンビスアクリルアミド、複数種のアクリルアミドバッファー(Acrylamido buffer、Sigma−Aldrich社)、蒸留水を混ぜ合わせ、酸性の前駆体溶液(酸性溶液)および塩基性の前駆体溶液(塩基性溶液)を調整した。この際、酸性溶液は、pHが3.5となるように複数種のアクリルアミドバッファーを適宜混合し、塩基性溶液は、pHが10.2となるように複数種のアクリルアミドバッファーを適宜混合した。さらに、塩基性溶液にグリセロールを混ぜ合わせた。
得られた酸性溶液および塩基性溶液に対し、各々酢酸または水酸化ナトリウム溶液を加えpHが中性になるように調整した後、重合開始剤としてAPS、重合促進剤としてTEMEDをそれぞれの前駆体溶液に加えた。
次いで、酸性溶液及び塩基性溶液の2液を各々グラジエントミキサー(アドバンテック東洋株式会社製、型番CHG042AA)に2050μLずつセットし、混ぜ合わせる割合を連続的に変化させながら、保持シート(ゲルボンドフィルム、lonza社製)を内部に配置した製造装置に、11μL/秒の流速で流し込んだ。
図12は、実施例1で用いた製造装置の内部空間および充填部材を示す模式図である。図中の数字は各寸法を示しており、単位はmmである。充填部材の形成材料としては、親水性の高い材料であるポリイミド製のテープを用いた。製造装置の内部空間において、充填部材の垂直面と同じ高さ位置の領域をA領域、充填部材の斜面と同じ高さ位置の領域をB領域、底面から充填部材までの領域をC領域と称する。
酸性溶液及び塩基性溶液を製造装置に注入した後、さらに純水を重層し、50℃で1時間加熱することで、モノマーを重合させてゲル化させた。製造装置から保持シートに保持されたゲル(分離媒体)を取り出し、純水で洗浄し、未重合バッファーを取り除いた。その後、ゲル表面上に保護フィルムを張り付ける為にグリセロール水溶液に置換した。
グリセロール水溶液に置換後、保持シートに保持された分離媒体を取り出し、分離媒体が十分に乾燥するまで室温で放置した。分離媒体が十分に乾燥したことを確認した後、乾燥した分離媒体の表面に保護フィルムを接着し、その後、保護フィルムと保持シートに挟持された分離媒体を、短冊状に切断することで、実施例1の分離媒体1を製造した。
(比較例1)
製造装置が、充填部材を有さないこと以外は、実施例1と同様にして、比較例1の分離媒体2を製造した。充填部材を有さない製造装置に、酸性溶液及び塩基性溶液をそれぞれ2050μLずつ注入すると、製造装置の底部から約70mm程度の長さを有する分離媒体が得られる。
(分離媒体の評価1)
分離媒体1および分離媒体2を、それぞれ、尿素、チオ尿素、3-(3-cholamidepropyl)dimethylammonio-1-propanesulphonate(CHAPS)、ジチオトレイトール(DTT)、両性電解質(Ampholyte)および等電点が既知であるペプチド9種類を混ぜ合わせた溶液に浸漬し、16時間放置した。
浸漬後、分離媒体を取り出し、等電点電気泳動を行って、製造した分離媒体1,2のpH勾配の確認を行った。結果を表1及び図13に示した。
表1に示した9種の等電点は、等電点電気泳動を行った9種のペプチドの等電点である。
図13は、表1の結果をグラフ化したものであり、横軸は酸性端からの距離(単位:mm)、縦軸はpHを示している。図13のグラフから、実測値に基づいた分離媒体1,2のpH勾配を算出することができる。
表1に示すように、比較例1の分離媒体2において、pH8.8のペプチドは酸性端から47.3mmの位置に検出された。分離媒体2の泳動方向における全長を70mmとすると、塩基性端(製造装置下部)から、70−47.3=22.7mmの位置となる。
図12に示したように、実施例1で用いた製造装置において、A領域とB領域との境界は、製造装置下部から22mmの高さ位置である。そのため、比較例1の分離媒体2において22.7mmの位置に検出されたpH8.8のペプチドは、実施例1の分離媒体1において、A領域とB領域との境界近傍に検出されると予想できる。
そこで、実施例1の分離媒体1において、pH4〜8.8区間のpH勾配を算出する場合、ペプチドマーカーはA領域に存在し、pH8.8〜10.1区間のpH勾配を計算する場合、ペプチドマーカーはB領域に存在するものと仮定して計算した。
具体的には、分離媒体1のA領域のpH勾配は、充填部材の存在により、分離媒体2におけるpH4〜8.8区間のpH勾配を68/80倍した値となるものとして理論値を算出した。
同様に、分離媒体1のB領域のpH勾配は、分離媒体2におけるpH8.8〜10.1区間のpH勾配を(68+(12/2))/80倍した値となるものとして理論値を算出した。
表2は、図13のグラフから求められる分離媒体1,2におけるA領域およびB領域のpH勾配の実測値、および分離媒体1におけるA領域およびB領域のpH勾配の理論値をまとめたものである。
表2に示すように、実施例1においては、A領域、B領域ともに、pH勾配の傾きの実測値は、理論値に近い値となっており、本発明における製造装置を用いることで、pH勾配の制御が可能であることが示された。
(分離媒体の評価2)
以下、当該充填部材なしで作製したIPGゲルと充填部材ありで作製したIPGゲルを比較の為50mmに切り出して2次元電気泳動を行った結果を述べる。
まず、分離媒体1および分離媒体2を、それぞれ、尿素、チオ尿素、CHAPS、DTT、Ampholyte、およびマウス肝臓を混ぜ合わせたサンプルバッファーに浸漬し、16時間放置した。
浸漬後、分離媒体1,2を取り出し、一次元目の等電点電気泳動を行った。一次元目の電気泳動終了後、SDSを含む平衡化バッファーに分離媒体1,2を浸漬し、10分程度振とうさせ、平衡化を行った。平衡化後、分離媒体1,2をそれぞれPAGEゲルに接続し、定法に従って二次元目の電気泳動であるSDS−PAGEを行った。
二次元目の泳動終了後、イメージスキャナーで撮像し、スポットを可視化した結果を図14に示す。図14(a)は、一次元目の電気泳動に分離媒体2を用いた評価の結果、図14(b)は、一次元目の電気泳動に分離媒体1を用いた評価の結果である。
図14(a)において示した破線の両矢印と、図14(b)において示した実線の両矢印とは、同じ2つのスポットを結んでいる。図14(b)においては、図14(a)において示したものと同じ破線両矢印を重ねて示している。
図に示すように、図14(a)において示した破線の両矢印よりも、図14(b)において示した実線の両矢印の方が長くなっており、分離媒体1を用いて一次元目の電気泳動を行うと、分離媒体2を用いた場合と比べ、スポット間隔が広がっていることが確認出来た。
これらの結果から、本発明の有用性が確かめられた。
本発明は、生体サンプルの電気泳動において、高い分解能で生体サンプルの分離を行うことが可能な分離媒体として好適に利用可能である。
10A,10B,10C,10D,10E,10F…製造装置、10a…注入容器、10x…内部空間、13,14,15,16,17,18…充填部材、14a…小片、15a…板材

Claims (5)

  1. 電気泳動用分離媒体の製造装置であって、
    前記電気泳動用分離媒体の前駆体を含む第1溶液と、前記第1溶液とは前記前駆体の濃度が異なる第2溶液とが、混合比を線形に変化させながら混合され、得られた混合液が注入される注入容器と、
    前記注入容器の内部空間に配置されることで前記内部空間の容積を低減させ、前記内部空間に前記混合液を注入したときの前記混合液の液面高さの変化量に対する前記混合比の変化量を低減させる充填部材と、を有する電気泳動用分離媒体の製造装置。
  2. 前記充填部材は、複数の小片を有し、前記小片が集積されて前記充填部材を形成している請求項1に記載の電気泳動用分離媒体の製造装置。
  3. 前記充填部材は、前記内部空間を仕切り、前記混合液が注入されない空間を形成する板材である請求項1に記載の電気泳動用分離媒体の製造装置。
  4. 前記充填部材には、前記内部空間に前記充填部材を配置したときの、前記内部空間に注入した前記混合液の液面高さの変化量に対する前記混合比の変化量に関する情報が付されている請求項1から3のいずれか1項に記載の電気泳動用分離媒体の製造装置。
  5. 電気泳動用分離媒体の製造方法であって、
    前記電気泳動用分離媒体の前駆体を含む第1溶液と、前記第1溶液とは前記前駆体の濃度が異なる第2溶液とが、混合比を線形に変化させながら混合し、得られた混合液を注入容器に注入する工程と、
    前記混合液に含まれる前記前駆体を重合させる工程と、を有し、
    前記注入する工程においては、前記注入容器の内部空間の容積を局所的に低減させておくことで、前記内部空間に前記混合液を注入したときの前記混合液の液面高さの変化量に対する前記混合比の変化量を低減させる電気泳動用分離媒体の製造方法。
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