JP2014196630A - 置き畳 - Google Patents

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Abstract

【課題】置き畳として、使用者に快適な接触温冷感を与えられるような保温機能と保冷機能とを備えるとともに各機能を容易に使い分けできる構造とし、それでいて各機能の効果を十分に発揮できるようにする。【解決手段】断熱性を有する畳床用芯材1の一面側に第1の潜熱蓄熱体3A及び畳表4Aをそれぞれ順に積層する一方、他面側にも第2の潜熱蓄熱体3B及び畳表4Bをそれぞれ順に積層する。そして、それぞれの潜熱蓄熱体3A,3Bに用いる潜熱蓄熱材の融点及び凝固点を互いに異ならせ、第1の潜熱蓄熱体3Aの潜熱蓄熱材の融点及び凝固点を23℃〜32℃とし、第2の潜熱蓄熱体3Bの潜熱蓄熱材の融点及び凝固点を15℃〜25℃とする。【選択図】図1

Description

本発明は、夏季には表面温度を低く保ち、冬季には表面温度を高く保つことができるようにした接触温冷感に優れた置き畳に関する。
近年、省エネルギー性に優れているという点で、潜熱蓄熱材による蓄熱効果を有する建材が注目されている。
潜熱蓄熱材とは、その凝固時及び融解時に外部とやりとりされる潜熱を熱エネルギーとして利用する蓄熱材であって、この蓄熱材として適切な融点、凝固点、融解熱、凝固熱、熱容量等を有する物質を建材に含有させることによって、室温を一定の温度に保つ恒温機能を建材に与えることができるとされている。
このような潜熱蓄熱材を利用した建材として、従来、例えば特許文献1に示されるように、建物の床板、天井板、壁板等に用いられ、上記潜熱蓄熱材が含有された内装材が知られている。この内装材には、芯材となる板材を挟んでその一側には夏季に適した融点を有する潜熱蓄熱材が、また他側には冬季に適した融点を有する潜熱蓄熱材がそれぞれ含有されている。そして、季節に応じて適切な側が室内に面するようにこの内装材を施工することによって、夏季には室内の過熱を防止し、冬季には室内の過度の冷え込みを防止するように季節に応じて保冷及び保温機能のうち一方を選択して使用することができる。
一方、特許文献2には、蓄熱材を有する蓄熱体ユニットが取り付けられた置き畳が提案されている。この特許文献2の技術によると、蓄熱材の保温機能によって置き畳の表面温度を高く保ち、使用者に快適な接触温感を与えることができる。
その上、置き畳は比較的軽量な床材であり、取り外しての持ち運びが容易であるので、日当たりの良い部屋、又は暖房空間へと運び入れることによって蓄熱を効率的に行うことができる。
特開2007−63829号公報 特開2005−308268号公報
しかし、上記特許文献1のように潜熱蓄熱材を内装材に含有させた場合、この内装材は建物の床板、天井板、壁板等として固定されてしまうので、冷暖房器具の力を借りなくては効率的に蓄熱及び蓄冷を行うことは容易ではない。
同じ理由により、例えば気温の変動が激しい季節の変わり目に、その日の室温に応じて表裏を反転させて使用することも容易ではない。
さらに、この特許文献1によれば、例えば室内に面する側の潜熱蓄熱材が発熱した場合、生じた熱の一部が芯材を介して室外側へと拡散してしまう。蓄熱を行う場合も同様で、室内に面する側に与えた熱が室外側へと拡散してしまう可能性も考えられる。
一方、上記特許文献2のように置き畳に蓄熱体ユニットを取り付けた場合、利用季節に応じた蓄熱体ユニットが選択されるため、ある特定の季節にしか効果を期待することはできないという問題が生じる。
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、置き畳の構造に改良を加えることで、使用者に快適な接触温冷感を与えられるような保温機能と保冷機能とを備えるとともに各機能を容易に使い分けできる構造とし、それでいて各機能の効果を効果的に発揮できるようにすることにある。
上記の目的を達成するために、この発明では、断熱性を有する芯材を挟んでその両面側に潜熱蓄熱体及び畳表をそれぞれ順に積層し、それぞれの潜熱蓄熱体に互いに異なる融点を有する潜熱蓄熱材を用いるようにした。
具体的には、請求項1の発明では、
建物の床面に取り外し可能に設置される両面使用可能な置き畳であって、
断熱性を有する芯材と、
上記芯材の一面側にそれぞれ順に積層された第1の潜熱蓄熱体及び畳表と、
上記芯材の他面側にそれぞれ順に積層された第2の潜熱蓄熱体及び畳表とを備え、
上記第1の潜熱蓄熱体に用いられる潜熱蓄熱材の融点が、第2の潜熱蓄熱体に用いられる潜熱蓄熱材の融点とは異なることを特徴とする。
この請求項1の発明では、置き畳を構成する芯材の一面側及び他面側のそれぞれに積層配置される第1及び第2の潜熱蓄熱体の潜熱蓄熱材の融点が互いに異なるので、それらの潜熱蓄熱材として、互いに異なる季節に適するように調整された潜熱蓄熱材を配置することができる。加えて、置き畳の一面側及び他面側の両方に畳表を備えたため、その表裏両面を使用することができ、季節に応じて置き畳の表裏を反転させるだけで潜熱蓄熱材を使い分けることができる。そして、室内に面する側に位置する潜熱蓄熱材の凝固による発熱、又は融解による吸熱を利用して畳表の表面温度を保つことができるため、使用者にとって快適な接触温冷感を与えることができる。
例えば、この置き畳の芯材の一面側の第1の潜熱蓄熱体は、夏季に適した融点を有する潜熱蓄熱材を備えたものとし、他面側の第2の潜熱蓄熱体としては、冬季に適した融点を有する潜熱蓄熱材を備えたものとした場合、この置き畳を冬季に使うためには他面側の第2の潜熱蓄熱体が室内に面するように設置すればよい。この場合、蓄熱を行うに当たっては空気調和装置等による室内暖房を利用してもよいし、日中の太陽光を利用してもよい。後者を利用するに当たっては、この置き畳を取り外して日当たりの良い部屋へ運び入れることもできる。蓄熱された潜熱蓄熱材からの発熱により室内に面する側の畳表が保温されることによって、使用者にとって快適な接触温感を与えることができる。
その上、断熱性を有する芯材を用いたことで置き畳の一面側と他面側を行き来するような熱の移動を防止することができるため、蓄熱、蓄冷、発熱、吸熱等の際のエネルギーの無駄を削減し、潜熱蓄熱材の性能を効率良く、かつ十分に発揮することができる。
請求項2の発明は、
請求項1に記載された置き畳において、
上記第1の潜熱蓄熱体の潜熱蓄熱材の融点及び凝固点が23℃〜32℃であり、
上記第2の潜熱蓄熱体の潜熱蓄熱材の融点及び凝固点が15℃〜25℃であることを特徴とする。
請求項2の発明では、第1の潜熱蓄熱体の潜熱蓄熱材の融点及び凝固点を夏季の室温に望ましい程度の温度とし、第2の潜熱蓄熱体の潜熱蓄熱材の融点及び凝固点を冬季の室温に望ましい程度の温度としている。本発明に係る置き畳が有する恒温機能は、上記第1及び第2の潜熱蓄熱材の内部温度が融点又は凝固点に達した際に効果を発揮するものであるとともに、この内部温度は置き畳が設置される部屋の室温に近づくように変化するものであるから、設置される地域の夏季及び冬季の平均室温等を考慮して第1及び第2の潜熱蓄熱体の潜熱蓄熱材の融点及び凝固点を上記の範囲の中から選ぶことによって、それぞれの潜熱蓄熱材を夏季及び冬季に適したものとすることができる。
請求項3の発明は、
請求項1又は2に記載された置き畳において、
上記畳表の表面に滑り止め材が塗布されていることを特徴とする。
請求項3の発明では、一面側及び他面側に位置する畳表の表面にそれぞれ滑り止め材が塗布されているため、この置き畳を床面上に置いて使用する際に、第1及び第2の畳表のうち、いずれの畳表が床面に接したとしても置き畳は滑り難くなり、床面上に位置止めされる。したがって、この置き畳を両面使用可能なものとして問題なく使用することができる。
請求項4の発明は、
請求項1から3のいずれか1つに記載された置き畳において、
上記第1及び第2の畳表の素材、色又は織り方の少なくとも1つが互いに異なっていることを特徴とする。
請求項4の発明では、例えば夏季に用いる側の畳表の色を寒色系にすることによって使用者に視覚的な冷涼感を与えることができる。あるいは、畳表の編み目を粗くして通気性を向上させることによって、使用者に爽やかな接触感を与えることもできる。このようにして、畳表の素材、色又は織り方を適切に選ぶことによって、より一層、夏季及び冬季にふさわしい置き畳とすることができる。
この発明では、両面使用可能な置き畳の一面側及び他面側のそれぞれに、互いに異なる季節に適するように調整された融点の異なる潜熱蓄熱材を、断熱性を有する芯材を挟むようにして配置したことにより、季節に応じて置き畳の表裏を反転させるだけで2種の潜熱蓄熱材を使い分けることができる上に、熱エネルギーの無駄を削減することで各潜熱蓄熱材の性能を効果的に発揮することができる。
図1は、本発明の実施形態に係る置き畳の構造を示す断面図である。 図2は、置き畳の使用状態を示す図1相当図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物あるいはその用途を制限することを意図するものでは全くない。
図1は本発明の実施形態に係る置き畳Aを示す。この置き畳Aは、例えばフローリングのような床面F(図2参照)上に1枚又は複数枚を敷き詰めるように配置して使用するための畳であって、薄くて軽く、人の手で容易に持ち運ぶことができる重さ及び大きさになっている。特に本実施形態に係る置き畳Aは、図2に示すように表裏問わず両面使用できる置き畳であって、いずれかの面が床面Fに接するように設置されて使用される。
図1に示すように、上記置き畳Aは、その厚さ方向の中央部に畳床用芯材1(芯材)を備えている。この畳床用芯材1としては、矩形薄板状のもので、例えばインシュレーションボードや発泡樹脂等、通常の置き畳にも用いられる芯材が使用されている。この芯材1は、適度な剛性と弾性を有し、置き畳A表裏側間で伝熱するのを妨げる断熱性能に優れた芯材であることが必要である。
上記畳床用芯材1の一面側(図1上側)には第1の潜熱蓄熱体3Aが配置されて一体的に積層されている。この第1の潜熱蓄熱体3Aの上側(畳床用芯材1と反対側)には第1の畳表4Aが一体的に積層され、この畳表4Aは、例えば周縁部が置き畳Aの周囲側面に達するように、畳床用芯材1ないし第1の潜熱蓄熱体3Aの全体を被覆し、かつ畳床用芯材1に対し縫い付け等によって固定されている。
一方、上記畳床用芯材1の他面側(図1下側)にも、上記一面側と同様に第2の潜熱蓄熱体3Bが一体的に積層されている。この第2の潜熱蓄熱体3Bの上側(やはり畳床用芯材1と反対側)には第2の畳表4Bが一体的に積層され、この畳表4Bは、例えば周縁部が置き畳Aの周囲側面に達するように畳床用芯材1ないし第2の潜熱蓄熱体3Bの全体を被覆し、かつ畳床用芯材1に対し縫い付け等によって固定されている。
上記第1及び第2の潜熱蓄熱体3A,3Bは、いずれも、畳床用芯材1の一面側及び他面側に積層可能な大きさを有する薄板状で可撓性を有する封入用の袋状容器(図示せず)を有し、この容器は例えばアルミニウム等の伝熱材料からなる。第1の潜熱蓄熱体3Aの容器内部には第1の潜熱蓄熱材(図示せず)が封入され、第2の潜熱蓄熱体3Bの容器内部には第2の潜熱蓄熱材(図示せず)が封入されている。尚、これら第1及び第2の潜熱蓄熱体3A,3Bの材料としては、上記アルミニウムの他に例えばポリエチレンやポリオレフィン、PET、ABS等を用いることができるが、充填される第1及び第2の潜熱蓄熱材で溶解又は膨潤しないものを用いる必要がある(潜熱蓄熱材としてのパラフィンはオレフィン等を膨潤させる)。
また、PET及びポリエチレンの複合体にアルミニウムを蒸着したものや構成材料にアルミ箔を含むフィルム等、第1及び第2の潜熱蓄熱材に対するバリヤ性を持つフィルムからなる袋状容器を用いることができる。
そして、上記第1の潜熱蓄熱体3Aの容器内に封入されている潜熱蓄熱材(以下、第1の潜熱蓄熱材という)の融点は、第2の潜熱蓄熱体3Bの容器内に封入されている潜熱蓄熱材(以下、第2の潜熱蓄熱材という)の融点とは異なっており、第1の潜熱蓄熱材の融点及び凝固点は23℃〜32℃であり、第2の潜熱蓄熱材の融点及び凝固点は15℃〜25℃とされている。尚、第1の潜熱蓄熱材の融点及び凝固点、並びに第2の潜熱蓄熱材の融点及び凝固点は、上記以外の温度であってもよい。
上記第1の潜熱蓄熱材としては、例えばn−オクタデカン、n−ヘキサデカンといった飽和炭化水素が主原料のノルマルパラフィンが用いられる。このノルマルパラフィンは繰り返し利用可能な蓄熱材であり、その成分を調整することによって低ないし中温度域から融点及び凝固点を選ぶことができる。このノルマルパラフィンを保冷のために用いる場合、夏季に適した融点を持つように調整することが望ましい。本実施形態では、常圧下で23℃〜32℃の融点及び凝固点を持つように調整されたノルマルパラフィンが、第1の潜熱蓄熱材として第1の潜熱蓄熱体3Aに封入されている。基本的には、この第1の潜熱蓄熱材は、内部温度の変化に伴って23℃〜32℃を境として凝固と融解を繰り返す。内部温度の低下によって凝固した際には凝固熱として外部に熱を放出し、内部温度の上昇によって融解した際には融解熱として外部から熱を吸収する。
また、上記第2の潜熱蓄熱材としては、第1の潜熱蓄熱材と同じように例えばノルマルパラフィンが用いられる。このノルマルパラフィンを保温のために用いる場合、冬季に適した融点及び凝固点を持つように調整することが望ましい。本実施形態では、常圧下で15℃〜25℃の融点及び凝固点を持つように調整されたノルマルパラフィンが、第2の潜熱蓄熱材として第2の潜熱蓄熱体3Bに封入されている。基本的には、この第2の潜熱蓄熱材は、内部温度の変化に伴って15℃〜25℃を境として凝固と融解を繰り返す。第1の潜熱蓄熱材と同様に、内部温度の低下によって凝固した際には凝固熱として外部に熱を放出し、内部温度の上昇によって融解した際には融解熱として外部から熱を吸収する。
ノルマルパラフィン以外の第1及び第2の潜熱蓄熱材としては、無機水和塩(塩化カルシウム六水和塩、硫酸ナトリウム十水和塩等)、脂肪酸類(パルミチン酸、ミリスチン酸等)、芳香族炭化水素化合物(ベンゼン、p−キシレン等)、エステル化合物(パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル等)、アルコール類(ステアリルアルコール等)、ポリアルキレングリコール等、有機系、無機系問わず種々のものを使用することができる。
さらに、図示しないが、上記第1及び第2の畳表4A,4Bのそれぞれには、床面Fと接することになる側の表面に公知の滑り止め材が塗布されている。
また、上記第1及び第2の畳表4A,4Bの素材、色又は織り方の少なくとも1つを互いに異ならせてもよい。上記第1の畳表4Aとしては、例えば、い草を麻糸や木綿糸等で荒く編んだ青緑色の畳表が用いられ、上記第2の畳表4Bとしては、例えば短冊状に切断した和紙をこより状に紡いだものを細かく編んだ亜麻色の畳表が用いられている。これら以外であっても、第1及び第2の畳表4A,4Bとして、様々な素材、色又は織り方からなる畳表を適宜用いることができる。
本実施形態に係る置き畳Aを、夏季の様に外気温が高く室温が上昇し易い時期に用いる場合には、図2(a)に示すように、その置き畳Aを室内の床面F上に、畳床用芯材1の一面側に位置する第1の潜熱蓄熱体3Aの側が上側になって第1の畳表4Aが室内に面し第2の畳表4Bが床面Fに接するように置いて使用する。
この場合、例えば室内を空気調和装置で冷房しているときに、室内の温度によって置き畳Aは上側面(室内側の面)が冷却され、その上側に位置する第1の潜熱蓄熱体3A内の第1の潜熱蓄熱材も冷却されて凝固する。その後、冷房運転が終わり、室温の上昇に伴って、第1の潜熱蓄熱材の内部温度も室温に近づくように上昇を始めると、その内部温度が融点まで上昇した時点で第1の潜熱蓄熱材は融解を開始するとともに、室内の熱が第1の潜熱蓄熱材へと吸収されていく。第1の潜熱蓄熱材の温度は融解が続く限り一定に保たれるため、この潜熱蓄熱材が封入された第1の潜熱蓄熱体3Aを介して置き畳A表面の第1の畳表4Aの表面温度は低く保たれる。その結果、空気調和装置の運転停止後も使用者に快適な接触冷感を与えることができる。
また、置き畳Aは薄くて軽く、人の手で容易に持ち運ぶことができるため、上記のような空気調和装置で冷却する方法の他に、床面Fに置かれた置き畳Aを取り外して、第1の潜熱蓄熱材が有する凝固点よりも低い室温を有する居室へと運び入れて冷却させるようにしてもよい。こうした居室としては、例えば北側居室のような建物内でも比較的冷涼な空間等が考えられる。この場合、北側居室へと運び入れられた置き畳Aは、冷却される側の面が室内に面するように設置されて室温により冷却され、それにともない室内側に位置する第1の潜熱蓄熱材も冷却されて凝固する。このような冷却作業が終了すると、その後、置き畳Aを再び取り外して、第1の潜熱蓄熱材が有する融点よりも高い室温を有する別の居室へと運び入れて設置すると、第1の潜熱蓄熱材の内部温度はその居室の室温に近づくように上昇を始め、その内部温度が融点まで上昇した時点で融解を開始する。その融解とともに室内の熱が第1の潜熱蓄熱材へと吸収されて第1の潜熱蓄熱材の温度は融解が続く限り一定に保たれるため、第1の潜熱蓄熱体3Aを介して置き畳A表面の第1の畳表4Aの表面温度は低く保たれる。その結果、空気調和装置による冷房を用いずとも保冷効果を発揮して、使用者に快適な接触冷感を与えることができる。
他方、冬季の様に外気温が低く室温が低下し易い時期に用いる場合には、図2(b)に示すように、置き畳Aを図2(a)の状態から表裏を反転させて、第2の畳表4Bの側が室内に面し第1の畳表4Aが床面Fに接するように置いて使用する。
このとき、例えば室内を空気調和装置等の暖房機器で暖房しているときに、室内の温度によって置き畳Aは上側面(室内側の面)が加熱され、その上側に位置する第2の潜熱蓄熱体3B内の第2の潜熱蓄熱材も加熱されて融解状態となる。その後、暖房機器の運転が終わり、室温の低下に伴って、第1の潜熱蓄熱材の内部温度も室温に近づくように下降を始めると、その内部温度が凝固点まで下降した時点で第2の潜熱蓄熱材は凝固を開始するとともに発熱し、発せられた熱が室内へと放出されていく。第2の潜熱蓄熱材の温度は凝固が続く限り一定に保たれるため、この潜熱蓄熱材が封入された第2の潜熱蓄熱体3Bを介して置き畳A表面の第2の畳表4Bの表面温度は高く保たれる。その結果、暖房機器の運転停止後も使用者に快適な接触温感を与えることができる。
また、上記のような室内暖房で加熱する方法の他に、床面Fに置かれた置き畳Aを取り外して、第2の潜熱蓄熱材が有する融点よりも高い室温を有する居室へと運び入れて加熱させる方法も考えられる。こうした居室としては、例えば南側居室のような日当たりが良く比較的暖かい空間等が考えられる。この場合、南側居室へと運び入れられた置き畳Aは、加熱される側の面が室内に面するように設置され、室温又は太陽光によって加熱される。太陽光を用いて加熱する場合は、加熱される側の面が直射日光にさらされるように置き畳Aを設置することが好ましい。室温又は太陽光によって置き畳Aの室内側の面が加熱され、それにともない室内側に位置する第2の潜熱蓄熱材も加熱されて融解する。こうした加熱作業の終了後、置き畳Aを再び取り外して、第2の潜熱蓄熱材が有する凝固点よりも低い室温を有する別の居室へと運び入れて設置すると、第2の潜熱蓄熱材の内部温度はその居室の室温に近づくように下降を始め、その内部温度が凝固点まで下降した時点で凝固を開始する。その凝固とともに第2の潜熱蓄熱材は熱を放出し、第2の潜熱蓄熱材の内部温度は凝固が続く限り一定に保たれるため、第2の潜熱蓄熱体3Bを介して第2の畳表4Bの表面温度は高く保たれる。その結果、暖房機器による暖房を用いずとも保温効果を発揮して、使用者に快適な接触温感を与えることができる。
また、置き畳Aには、上記第1及び第2の潜熱蓄熱体3A,3Bが、断熱性能を有する畳床用芯材1を挟んでその両側に配置されているので、例えば、上記のように第2の潜熱蓄熱体3Bを有する側が室内に面するように置き畳Aを床面Fに設置した場合、畳床用芯材1の断熱性能によって室内に面する側から床面Fに接する側への熱の移動を抑制することができる。それゆえに、蓄熱によって第2の潜熱蓄熱材に与えた熱、及び第2の潜熱蓄熱材から発した熱が、第1の潜熱蓄熱体3A側へ伝導されてしまうような事態を畳床用芯材1の断熱作用によって防止することができる。第1の潜熱蓄熱体3Aについても同様で、蓄冷によって第1の潜熱蓄熱材に与えた冷熱、及び第1の潜熱蓄熱材から発した冷熱が、第2の潜熱蓄熱体3B側へと伝導される事態を畳床用芯材1の断熱作用によって防止することができる。このように断熱性能を有する畳床用芯材1を用いることによって、本実施形態に係る置き畳Aの蓄冷及び蓄熱機能、並びに保冷及び保温機能を効果的に発揮することができる。
さらに、置き畳Aにおける第1及び第2の畳表4A,4Bのそれぞれには、床面Fと接することになる側の表面に滑り止め塗装が施されている。ゆえに、この置き畳Aを床面F上に置いて使用する際に、第1及び第2の畳表4A,4Bのうち、いずれが床面Fに接したとしても置き畳Aは滑り難くなり、床面F上に位置止めされる。したがって、この置き畳Aを両面使用可能なものとして問題なく使用することができる。
また、置き畳Aにおける第1の畳表4Aとしては、い草を荒く編んだ青緑色の畳表が用いられている。ゆえに、夏季に、図2(a)に示すように、置き畳Aを第1の畳表4Aの側が室内に面するように置いて使用する場合には、寒色系の色合いによる視覚的な冷涼感と、荒く編んだことによって接触面積を少なくして通気性に優れた爽やかな接触感とを使用者に与えることができる。
一方、第2の畳表4Bとしては和紙を細かく編んだ亜麻色の畳表が用いられている。ゆえに、夏季に、図2(a)に示すように置き畳Aを第2の畳表4Bが床面Fに接するように置いて使用する場合には、和紙が有する耐カビ性によって第2の畳表4Bと床面Fとの接触面におけるカビの増殖を抑止することができる。
また、冬季に、図2(b)に示すように置き畳Aを第2の畳表4Bの側が室内に面するように置いて使用する場合には、暖色系の色合いに由来する視覚的な温かみを使用者に与えるとともに、細かく編んだことによって使用者の足裏と十分に接触するため保温性を向上させることができる。さらに、黒色系の畳表を使用すれば、吸熱性や放熱性を向上させることもできる。その上、和紙は紫外線に強い素材であることから、日中の太陽光を用いて蓄熱させた際に生じ得る畳表の日焼けによる色あせを防止することができる。
また、上記第1及び第2の畳表4A,4Bの色等を互いに変えることによって、この置き畳Aの表裏どちらの面が夏季又は冬季に適する面であるのかを容易に判別することもできる。
<その他の実施形態>
尚、上記実施形態では、第1及び第2の潜熱蓄熱体3A,3Bとして、薄板袋状の容器を使用しているが、その他、例えばポリスチレン等の合成樹脂からなるカプセル内に潜熱蓄熱材を封入し、樹脂などに分散させたものを潜熱蓄熱体としてもよい。
また、潜熱蓄熱材を用いた第1及び第2の潜熱蓄熱体3A,3Bが畳床用芯材1と第1及び第2の畳表4A,4Bとの間に積層状態で配置できる構造であれば、潜熱蓄熱体3A,3Bの形状及び配設方法、並びにその潜熱蓄熱材の封入又は含有方法を限定せずに適用することができる。
また、上記実施形態では、畳表4A,4Bの表面に滑り止め材を塗布しているが、この滑り止め材の塗布は必須ではない。しかし、置き畳Aを床面F上に置いて使用する態様を考慮すると、滑り止め材を塗布することが好ましい。
A 置き畳
1 畳床用芯材(芯材)
3A 第1の潜熱蓄熱体
3B 第2の潜熱蓄熱体
4A 第1の畳表
4B 第2の畳表
F 床面

Claims (4)

  1. 建物の床面に取り外し可能に設置される両面使用可能な置き畳であって、
    断熱性を有する芯材と、
    上記芯材の一面側にそれぞれ順に積層された第1の潜熱蓄熱体及び畳表と、
    上記芯材の他面側にそれぞれ順に積層された第2の潜熱蓄熱体及び畳表とを備え、
    上記第1の潜熱蓄熱体に用いられる潜熱蓄熱材の融点が、第2の潜熱蓄熱体に用いられる潜熱蓄熱材の融点とは異なることを特徴とする置き畳。
  2. 請求項1に記載された置き畳において、
    上記第1の潜熱蓄熱体の潜熱蓄熱材の融点及び凝固点が23℃〜32℃であり、
    上記第2の潜熱蓄熱体の潜熱蓄熱材の融点及び凝固点が15℃〜25℃であることを特徴とする置き畳。
  3. 請求項1又は2に記載された置き畳において、
    上記畳表の表面に滑り止め材が塗布されていることを特徴とする置き畳。
  4. 請求項1から3のいずれか1つに記載された置き畳において、
    上記第1及び第2の畳表の素材、色又は織り方の少なくとも1つが互いに異なっていることを特徴とする置き畳。
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