JP2001299508A

JP2001299508A - 敷き布団

Info

Publication number: JP2001299508A
Application number: JP2000118115A
Authority: JP
Inventors: Hideya Kinoshita; 英也木下; Noriyuki Yamaguchi; 憲幸山口
Original assignee: Bridgestone Corp
Current assignee: Bridgestone Corp
Priority date: 2000-04-19
Filing date: 2000-04-19
Publication date: 2001-10-30

Abstract

(57)【要約】【課題】敷き布団自体に温度調整機能を付与して就寝
時の快適感を高める。【解決手段】敷き布団本体２の上面に蓄熱性フォーム
３を設けた敷き布団１。蓄熱性フォーム３は蓄熱性粒子
を配合したＳＢＲ又はウレタンフォームよりなる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、温度調整機能を付
与して夏期或いは冬期における就寝時の快適感を高めた
敷き布団に関する。

【０００２】

【従来の技術】敷き布団にあっては、従来、蒸れ等を防
止して就寝時の快適感を高めるために、通気性の高い硬
綿や除膜ウレタンフォームが芯材として使用されてき
た。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、硬綿に
ついては長期使用により硬度劣化や寸法変化による「へ
たり」の問題があり、ウレタンフォームでは熱がこもり
易く、夏期には暑苦しいという欠点がある。いずれの場
合においても、従来の敷き布団では、それ自体には温度
調整機能はなく、このため冬期においては、就寝直後に
は冷たく感じられ、また夏期においては就寝後体温や外
気温と共に敷き布団の温度も上昇するため蒸れや暑さを
感じて寝苦しいといった欠点があった。

【０００４】本発明は上記従来の問題点を解決し、敷き
布団自体に温度調整機能を付与して就寝時の快適感を高
めた敷き布団を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明の敷き布団は、敷
き布団本体と、該敷き布団本体の上面に設けられた蓄熱
性フォームとを備えてなることを特徴とする。

【０００６】本発明の敷き布団は、蓄熱性フォームを備
えるため、この蓄熱性フォームにより、敷き布団自体に
温度調整機能を付与して冬期の温度低下、夏期の温度上
昇を防止して、快適に使用することができる。

【０００７】即ち、通常、就寝時の快適感を高めるため
には、就寝後寝付くまでの誘眠時間（通常３０分程
度）、冬期の冷たい感触や、夏期の蒸れなどを防止でき
れば良く、蓄熱性フォームであれば、この程度の時間内
において良好な温度調整機能を発揮するため、快適に使
用することができる。

【０００８】この蓄熱性フォームとしては、蓄熱性粒子
を配合したフォームが好ましく、蓄熱性粒子は、比較的
吸熱容量が大きくこの蓄熱性粒子をフォームに分散させ
ることにより軟質で吸熱容量の比較的大きな蓄熱性フォ
ームが得られる。

【０００９】このフォームとしてはＳＢＲフォーム、メ
カニカルフロスフォーム又はウレタンフォーム等が好適
であり、蓄熱性フォーム内の蓄熱性粒子の配合量は２０
〜８０重量％、蓄熱性フォームの厚さは２〜１００ｍｍ
であることが好ましい。

【００１０】蓄熱性粒子としては、シェル内に潜熱蓄熱
剤を内包したマイクロカプセルが好適である。この潜熱
蓄熱剤は、通常、液体−固体の相変化を利用して吸熱作
用又は放熱作用を発揮するものであり、吸熱容量が大き
い。敷き布団用としては、特に６〜３５℃にて相変化す
る素材の潜熱蓄熱剤を用いることが好ましい。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下に図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。

【００１２】図１は本発明の敷き布団の実施の形態を示
す斜視図である。

【００１３】図１（ａ）の敷き布団１は、敷き布団本体
２の上面に、幅方向に帯状の凹溝２Ａが設けられ、この
凹溝２Ａに蓄熱性フォーム３が嵌め込まれている。

【００１４】敷き布団本体２は、通常の敷き布団の大き
さとされ、幅５００〜１５００ｍｍ、長さ１０００〜２
０００ｍｍ、厚さ５０〜１４０ｍｍの範囲で、子供用、
大人用、シングル用、セミダブル用、ダブル用等の用途
に応じて適宜決定される。敷き布団本体２の素材は、通
常の敷き布団と同様の素材で良く、例えば、ウレタンフ
ォームとスチレンフォームとの積層品とされる。

【００１５】この蓄熱性フォーム３は敷き布団本体２の
全面的に設けても良く、即ち、全面的に蓄熱性フォーム
が積層されるように設けても良く、また、図１（ａ）に
示す如く、部分的に設けても良い。部分的に設ける場
合、温度調整機能が最も要求される部分に設けることが
好ましい。一般的には、腰部〜足先に温度調整機能を付
与して冬期は暖かく、夏期は涼しく保つことが好適であ
ることから、図１（ａ）の如く、部分的に蓄熱性フォー
ム３を設ける場合、蓄熱性フォーム３側が就寝者の足側
となるように、即ち、敷き布団本体２の短辺２ａ，２ｂ
のうち、短辺２ａが頭部側に、短辺２ｂが足側となるよ
うにするのが好ましい。

【００１６】また、蓄熱性フォーム３は、敷き布団本体
２に一体的に設けても良く、取り外し可能に設けても良
い。取り外し可能に設ける場合には、蓄熱性フォーム３
の裏面と敷き布団本体２の凹溝２Ａの溝底面とにマジッ
クテープ（商品名）等の平面ファスナを取り付けて固定
するようにしても良い。

【００１７】蓄熱性フォーム３を取り外し可能とするこ
とにより、夏期と冬期とで蓄熱性フォーム３を交換して
気候に応じて最適な温度調整機能を得るようにすること
ができる。

【００１８】また、蓄熱性フォーム３を敷き布団本体２
に一体的に用いる場合、図１（ｂ）に示す如く、敷き布
団本体２の表裏両面にそれぞれ夏期用蓄熱性フォーム３
Ａと冬期用蓄熱性フォーム３Ｂとを設け、季節により表
裏交換して使用するようにしても良い。

【００１９】蓄熱性フォーム３としては蓄熱性粒子を配
合したフォームが好ましく、この蓄熱性粒子としては、
シェル内に潜熱蓄熱剤を内包したマイクロカプセルが好
適である。

【００２０】潜熱蓄熱剤としては、例えば、パラフィン
系炭化水素、天然ワックス、石油ワックス、ポリエチレ
ングリコール、無機化合物の水和物等を使用することが
でき、敷き布団用途としては、これらのうち、体温より
も若干低い温度例えば６〜３５℃の範囲内、特に約２８
℃付近に固体−液体の相転移温度を有するように材料を
選択するのが好ましい。この材料としては、例えばヘキ
サデカン（融点１８℃）、オクタデカン（融点２５
℃）、ノナデカン（融点３２℃）などが挙げられる。

【００２１】上記シェルの材料としては、その耐熱温度
が上記潜熱型蓄熱剤の融点に比べて十分に高い、例えば
３０℃以上、好ましくは５０℃以上の材質であって、例
えば、メラミン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等が
挙げられる。このうち特に好ましい材質は、ポリオキシ
メチレンウレアである。

【００２２】マイクロカプセルの好ましい外径は１〜５
００μｍであり、より好ましくは５〜１００μｍであ
る。また、内包される潜熱蓄熱剤の量は、潜熱効果の点
からは多いほうが好ましいが、多過ぎると潜熱蓄熱剤の
体積変化によりマイクロカプセルが破損する恐れがあ
る。このため、マイクロカプセル全体の重量に対する潜
熱蓄熱剤の量は、３０〜９０重量％とすることが好まし
く、６０〜８０重量％とすることがより好ましい。

【００２３】マイクロカプセルの製造方法としては、界
面重合法、ｉｎ−ｓｉｔｕ重合法、コアセルベート法等
の従来公知の製造方法から、潜熱蓄熱剤及びシェルの材
質等に応じて適切な方法を選択すればよい。

【００２４】このマイクロカプセルとしては、市販品を
用いることができ、好適なものとして、Frisby Technol
ogies 社の商品名 THERMASORB４３，６５，８３，９５
等を用いることができる。

【００２５】このような蓄熱性粒子の蓄熱性フォーム中
の配合量は、２０〜８０重量％、特に２５〜７５重量％
であることが好ましく、蓄熱性粒子の含有量が２０重量
％未満では蓄熱効果が不十分となる場合があり、８０重
量％を超えると、弾性等の特性が低下するため好ましく
ない。

【００２６】基材となるフォームとしては特に制限はな
く、ＳＢＲフォーム、メカニカルフロスウレタンフォー
ム、ウレタンフォーム等を用いることができる。

【００２７】この蓄熱性フォーム３はその厚さが薄過ぎ
ると十分な温度調整機能を得ることができない場合があ
ることから、２ｍｍ以上の厚さであることが好ましい。
ただし、この厚さが過度に厚いと、蓄熱性フォーム３を
設けた部分において、相対的に敷き布団本体２の厚さが
薄くなって敷き布団としての機能が損なわれる場合があ
るので、蓄熱性フォーム３の厚さは２〜１００ｍｍ程度
とするのが好ましい。

【００２８】蓄熱性フォーム３は、通常のフォーム製造
に当たり、フォーム原料中に所定量の蓄熱性粒子を配合
することにより容易に製造することができる。

【００２９】この蓄熱性フォーム３には通気性を確保す
るために、適宜厚さ方向に開孔を設けても良い。

【００３０】なお、この蓄熱性フォーム３の密度は２０
〜５００ｋｇ／ｍ^３程度であることが好ましい。

【００３１】

【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をよ
り具体的に説明する。

【００３２】実施例１ Frisby Technologies 社の商品名 THERMASORB８３を３
０重量％配合して製造したＳＢＲフォームよりなる蓄熱
性フォームを用いて、図１に示す本発明の敷き布団を製
造した。このマイクロカプセルは、ポリオキシメチレン
ウレアからなるシェルに融点２８℃の潜熱蓄熱剤がマイ
クロカプセル全体重量に対して７５重量％内包されたも
のであって、その平均粒径は２８μｍである。また、敷
き布団本体は、密度３０ｋｇ／ｍ^３、ＪＩＳ硬度１５ｋ
ｇｆのポリウレタンフォームである。蓄熱性フォーム及
び敷き布団本体の寸法は次の通りである。

【００３３】蓄熱性フォーム：７００ｍｍ×９８０ｍｍ×５ｍｍ敷き布団本体（凹溝以外）：７００ｍｍ×２０００ｍｍ
×１３０ｍｍ製造された敷き布団をモニター（男女各２０名）に実際
の就寝時に使用させて寝易さ（冬期においては低温感が
なく、夏期においては蒸れ、暑苦しさがない。）のアン
ケート調査を行い、結果（寝易いと回答した人数）を表
１に示した。

【００３４】比較例１実施例１において、蓄熱性フォームを用いず、ポリウレ
タンフォームのみで同一形状の敷き布団とし、この敷き
布団について、実施例１と同様に寝易さの調査を行い、
結果を表１に示した。

【００３５】

【表１】

【００３６】表１より明らかなように、本発明の敷き布
団は、その優れた温度調整機能により、寝易さが格段に
改善されていることが確認された。

【００３７】

【発明の効果】以上詳述した通り、本発明によれば、温
度調整機能を有し、季節を問わず快適に使用することが
できる敷き布団が提供される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の敷き布団の実施の形態を示す斜視図で
ある。

【符号の説明】

１敷き布団２敷き布団本体３，３Ａ，３Ｂ蓄熱性フォーム

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】敷き布団本体と、該敷き布団本体の上面
に設けられた蓄熱性フォームとを備えてなることを特徴
とする敷き布団。
【請求項２】請求項１において、該蓄熱性フォーム
は、蓄熱性粒子が配合されたフォームであることを特徴
とする敷き布団。
【請求項３】請求項２において、該蓄熱性フォームが
蓄熱性粒子を配合したＳＢＲフォーム、メカニカルフロ
スウレタンフォーム又はウレタンフォームであることを
特徴とする敷き布団。
【請求項４】請求項１ないし３において、該蓄熱性フ
ォームの厚さが２〜１００ｍｍであることを特徴とする
敷き布団。
【請求項５】請求項２ないし４のいずれか１項におい
て、該蓄熱性フォーム内の蓄熱性粒子の配合量が２０〜
８０重量％であることを特徴とする敷き布団。
【請求項６】請求項２ないし４のいずれか１項におい
て、該蓄熱性粒子はシェル内に潜熱蓄熱剤が内包された
マイクロカプセルであることを特徴とする敷き布団。
【請求項７】請求項６において、該潜熱蓄熱剤は液体
−固体の相変化を発生するものであることを特徴とする
敷き布団。
【請求項８】請求項７において、該相変化が６〜３５
℃にて発生することを特徴とする敷き布団。