JP2014196212A - 製鋼スラグの蒸気エージング方法 - Google Patents

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【課題】製鋼スラグの遅れ膨張を効果的に抑えることができるとともに、高価な設備を用いることなく実施することができる蒸気エージング方法を提供する。【解決手段】装入された製鋼スラグを転動させることができる装置Aを用い、該装置A内に装入された製鋼スラグを連続的又は間欠的に転動させながら、装置A内に蒸気を供給して製鋼スラグを蒸気エージングする。製鋼スラグを転動させつつ蒸気エージングすることにより、製鋼スラグの脆弱部や脆弱化しうる部分を崩壊させつつ、蒸気とスラグとの膨張反応を促進することができ、蒸気エージング後の製鋼スラグの遅れ膨張を効果的に抑えることができる。【選択図】図1

Description

この発明は、製鋼スラグの膨張性を低減するために行う蒸気エージング処理方法に関する。
冷却して破砕された製鋼スラグは固い石質であり、道路用の路盤材や骨材用途に用いることが可能である。ただし、破砕直後のスラグ粒は内部に未反応の石灰分やMgO分を含み、それが雨水などの水分と反応して体積膨張し、構造物を破壊に至らしめるため、使用前にエージング処理して反応を終結させる必要がある。このために、蒸気を用いて高温で水との反応を促進する手法(蒸気エージング)が広く採られている。
蒸気エージングの主流をなす手法は、例えば、特許文献1に示されるように、底面に蒸気配管を配置した容器内で製鋼スラグをベッドに積み、蒸気配管のノズルから製鋼スラグ層に蒸気を吹き込む方法である。
また、スラグの顕熱を利用して蒸気を生成させる方法も提案されており、例えば、特許文献2には、700℃程度の熱スラグを圧力容器に入れ、散水してスラグを冷却するとともに蒸気を発生させ、この蒸気を用いて膨張反応を促進する方法が示されている。また、同文献には、散水を回転ドラム内で行うことで水と熱スラグの反応を促進する方法も示されている。
道路用にスラグを用いる場合のスラグの膨張性の要件として、JIS−A−5015「道路用鉄鋼スラグ」には、附属書2の鉄鋼スラグの水浸膨張試験方法による水浸膨張率が1.5%以下であるものと規定されている。
特許第2814481号公報 特開2009−227490号公報
JIS−A−5015「道路用鉄鋼スラグ」附属書2による水浸膨脹試験は、80℃で6時間保持した後、装置内で放冷するという操作を1日1回、10日間繰り返すものであり、スラグの膨張性について、この試験での水浸膨張率1.5%以下という規定は制定当時には有効であった。しかし、近年、道路維持費用の低減のために道路の耐用年数が実質的に延び、20年間以上用いることも求められるようになり、この規定では不足する傾向になっている。ところが、長期間使用を想定して、JIS−A−5015「道路用鉄鋼スラグ」附属書2による水浸膨張試験を10日で止めずに持続させると、緩慢になっていた膨張速度が、ある時点から急激に増大して大きな膨張を起こす事象が、かなりの頻度で起きることが確認された。以下、この現象を「遅れ膨張」と呼ぶ。この遅れ膨張は大気中で雨水等の水分でエージングしたものだけではなく、蒸気エージングを実施したスラグについても発生した。
図3は、製鋼スラグ(転炉スラグ)を蒸気雰囲気下(100℃)にて転動することなく4日間保持した同じロットのサンプル4本を供試体とし、JIS−A−5015「道路用鉄鋼スラグ」附属書2での80℃水浸膨張試験を1日当たり6時間で終了せずに80℃連続水浸したときの膨張率を測定した結果を示しており、図3中の矢印で示した部分で、それまでの膨脹速度から急激に膨張率が増大して膨脹が起きたことを示している。つまり、図3中の4本のうち、3本でそのような急膨脹が発生しており、同一ロットで蒸気エージングした場合でもばらつきが見られている。
上記のような急激に膨張率が増大して膨張が起きた水浸膨張供試体を試験後に解体すると、スラグの供試体内部に黒ないしはこげ茶色の膨潤した粒子が見つかり、その径が10mmを超える場合もしばしば見られた。分析によれば、この粒子はFeOを含むCaOであった。何よりも実際、水浸膨張規格を合格したスラグでも完璧ではなく、施工後数年経てから道路表面に膨張を引き起こすことがある。
エージングした製鋼スラグ粒子について水銀圧入試験を実施すると、表面から水銀が浸入していく空孔や隙間がかなりあることが確認された。図4は、各種の製鋼スラグ(転炉スラグ)を対象とし、未エージングスラグと特許文献1の方法で蒸気エージング(ベッドに積んで静置状態での蒸気エージング)したスラグについて、水銀圧入試験によって細孔容積を測定した結果を示しており、総じて、未エージングスラグに較べて蒸気エージングしたスラグの細孔容積は増加している。
また、粒子にインクを真空含浸し、大気圧に戻して風乾した後に、ハンマーの一撃で粒子を破断させると、その破断面の観察から粒子内部にまでインクが浸入した粒子がいくつも見つかり、スラグ粒子が肉眼では判別できないような幅狭のクラックを相当程度有していることが分かった。図5は、その破断面でのインクの浸入部(インクによる着色部)を撮影した写真である。
また、水浸膨張試験の供試体を作製する際には、道路工事で締め固めすることを想定して、規定の錘を規定回数落として突き固めするが、突き固め前後で粒度分布が細粒側に推移し、粒が破壊されていることが分かった。
以上のことから、遅れ膨張については以下のように考えられた。すなわち、スラグ粒子はエージング後も脆弱な部分を持っており、路盤材使用時の突き固めでクラックが発生したり、それが進展したりする。或いはエージング後も残留している膨張性により、浸漬(水浸膨張試験の浸漬)中途でクラックが進展する。進展したクラックの内部に未反応の粗大な膨張物質があると、浸漬の最中から大きな膨張(遅れ膨張)が始まる。つまり、蒸気エージング後でも脆弱な部分が残っているために、膨張性安定化は十分でなく、遅れ膨張で路盤を破壊させる可能性がある。この場合、イレギュラーの遅れ膨張を配慮して、例えば、路盤材として使用する際も蒸気エージングした製鋼スラグの配合率を大きく低減して、他の非膨張性の材料と混合希釈しなくてはならず、経済性は悪化する。
特許文献1に示されるような製鋼スラグをベッドに積んで蒸気で反応させる技術では、エージング中のスラグ粒子は静止したままであり、受ける応力が小さいため、スラグ粒子の脆弱部分の膨張物質が反応するには、細いクラックや気孔を通過、拡散した水分と膨張源が反応して、膨張により破壊するのを待たねばならない。これでは、危険部位をすべて排除するのに時間がかかるため、実際には反応が終了しない。こうして残留した脆弱部が、エージング後の搬出、運搬、積み置きなどのハンドリングの中で壊れれば、エージング後に新たに膨張源が露出するし、新たな脆弱部の発生も起こる。
また、特許文献2のように、熱スラグを用いる場合は製品の粒度調整が困難であり、大塊状のスラグを圧力容器に投入して散水することになる。この場合、エージング後に粒度調整のためにスラグを破砕することになり、ここでまた未反応の膨張源が露出するとともに、脆弱部を形成するため、製品段階での膨張性を残すことになる。また、特許文献2の技術は、圧力容器を回転させて連続運転するものであるため、容器の耐久性を確保する必要がある、圧力保持をしつつ原料の装入・排出が可能な機構を設ける必要がある、などの面で設備的な負担が多くなり(高価な設備となる)、経済性の面でその実用化は難しい。
したがって本発明の目的は、以上のような従来技術の課題を解決し、製鋼スラグの遅れ膨張を効果的に抑えることができるとともに、高価な設備を用いることなく実施することができる製鋼スラグの蒸気エージング方法を提供することにある。
本発明者は、蒸気によるエージングの際に、スラグ粒子の脆弱部を率先して破壊して取り除き、内在する潜在的膨張源を速やかに反応させるという着想のもとに、製鋼スラグを転動させつつ蒸気エージングすることにより、製鋼スラグの脆弱部や脆弱化しうる部分を崩壊させつつ、蒸気とスラグとの膨張反応を促進する処理法を創案した。
すなわち、上記課題を解決するための本発明の要旨は以下のとおりである。
[1]装入された製鋼スラグを転動させることができる装置(A)を用い、該装置(A)内に装入された製鋼スラグを連続的又は間欠的に転動させながら、装置(A)内に蒸気を供給して製鋼スラグを蒸気エージングすることを特徴とする製鋼スラグの蒸気エージング方法。
[2]上記[1]の蒸気エージング方法において、装置(A)内に装入された製鋼スラグを連続的又は間欠的に転動させながら、装置(A)内に蒸気を供給して蒸気エージングした後、製鋼スラグの転動を停止した状態で、装置(A)内に蒸気を供給してさらに蒸気エージングすることを特徴とする製鋼スラグの蒸気エージング方法。
[3]上記[2]の蒸気エージング方法において、装置(A)内に装入された製鋼スラグを連続的又は間欠的に転動させながら、装置(A)内に蒸気を供給して蒸気エージングした後、製鋼スラグの転動を停止した状態で、装置(A)内に蒸気を供給してさらに3時間以上蒸気エージングすることを特徴とする製鋼スラグの蒸気エージング方法。
[4]上記[1]〜[3]のいずれかの蒸気エージング方法において、装置(A)は、製鋼スラグを装入する横型の回転ドラムを有し、該回転ドラム内には、複数の蒸気吐出口を有する蒸気配管がドラム回転軸方向に沿って配置され、回転ドラムの回転により転動する製鋼スラグ層に対して、前記蒸気配管から蒸気を吹き込むことを特徴とする製鋼スラグの蒸気エージング方法。
製鋼スラグを転動させつつ蒸気エージングすることにより、製鋼スラグの脆弱部や脆弱化しうる部分を崩壊させつつ、蒸気とスラグとの膨張反応を促進することができ、蒸気エージング後の製鋼スラグの遅れ膨張を効果的に抑えることができる。このため、製鋼スラグを膨張安定化の信頼性の高いスラグとして、高配合率で路盤材や骨材に利用することが可能となる。また、常圧容器である回転ドラムなどのような簡易な設備で実施することができる。
本発明の一実施形態とその実施に供される装置Aを示す説明図 図1の装置Aを構成する回転ドラムの内部(ドラム径方向断面)を示す説明図 80℃連続水浸膨張試験における製鋼スラグの水浸膨張率を示すグラフ 未エージングの製鋼スラグと蒸気エージングした製鋼スラグについて、水銀圧入試験によって細孔容積を測定した結果を示すグラフ 蒸気エージングした製鋼スラグ粒子にインクを真空含浸し、大気圧に戻して風乾した後に、ハンマーの一撃で粒子を破断させたものについて、破断面のインクの浸入部(インクによる着色部)を撮影した写真
本発明法では、装入された製鋼スラグを転動させることができる装置Aを用い、この装置A内に装入された製鋼スラグを連続的又は間欠的に転動させながら、装置A内に蒸気を供給して製鋼スラグを蒸気エージングする(スラグを蒸気と反応させる)ものである。装置Aに装入される製鋼スラグは、通常は、冷却済みの常温のスラグである。
本発明において処理対象となる製鋼スラグとしては、溶銑予備処理、脱炭吹錬、鋳造などの工程で発生する製鋼系スラグ(例えば、脱炭スラグ、脱燐スラグ、脱硫スラグ、脱珪スラグ、造塊スラグなど)、電気炉スラグなどが挙げられる。これらスラグのなかでも、脱炭スラグや脱燐スラグが、膨脹性を低減した後に路盤材や骨材に使用できる範囲が拡大できるため、特に好ましい。
図1及び図2は、本発明の一実施形態とその実施に供される装置Aを示すもので、図1は全体説明図、図2は、図1の装置Aを構成する回転ドラムの内部(ドラム径方向断面)を示す説明図である。
この実施形態では、装置Aは、製鋼スラグを装入する横型の回転ドラム1を有し、この回転ドラム1内には、複数の蒸気吐出口20を有する蒸気配管2がドラム回転軸方向に沿って配置され、回転ドラム1の回転により転動する製鋼スラグSに対して、前記蒸気配管2(蒸気吐出口20)から蒸気を吹き込むようになっている。回転ドラム1は駆動装置(図示せず)で回転する。蒸気配管2は、回転ドラム1の回転支持部7の回転軸上の開孔部(図示せず)を通じて回転ドラム1内に導かれている。蒸気配管2は、回転ドラム1の回転に関わりなく、回転ドラムから独立して所定の位置(例えば、図1及び図2に示すような位置)を保つよう支持される。必要に応じて、蒸気配管2は回転ドラム1内に複数本配置してもよい。
回転ドラム1内では、広い範囲で製鋼スラグSに蒸気を接触させることが、スラグの昇温にも反応にも有利であるため、蒸気配管2の長手方向の複数箇所に蒸気吐出口20を設けている。
回転ドラム1は、その一端側にスラグ装入口3が、他端側にスラグ排出口4がそれぞれ設けられており、装入された製鋼スラグSがスラグ装入口3側からスラグ排出口4側に移動できるよう、スラグ装入口3側からスラグ排出口4側に向けて下向きに少し傾斜している。蒸気配管2は、転動する製鋼スラグSが接触しないように、スラグ層の上側に配置するのがよいが、スラグ層に蒸気が混ざり込みやすいように、転動した製鋼スラグSが巻き上げ後に落下してくる位置に蒸気が吹きかけられるように配置するのが望ましい。
回転ドラム1の大きさなどに特に制限はないが、一般に内径0.5〜5m、長さ1.5〜80m程度が適当である。
蒸気エージングするために搬入用ベルトコンベア5で搬送されてきた製鋼スラグSは、スラグ装入口3から回転ドラム1内に連続的に装入され、この製鋼スラグSは回転ドラム1内を移動する過程で、ドラムの回転により転動しつつ、蒸気配管2(蒸気吐出口20)から吹き込まれる蒸気と反応してエージング処理され、処理後の製鋼スラグSはスラグ排出口4から順次搬出用ベルトコンベア6に排出される。
回転ドラム1は、連続して回転しても間欠で回転してもよく、回転速度は、ドラムの径にもよるが、平均速度で3〜40rpm程度が好ましい。
また、製鋼スラグSの水分が過剰になると造粒が進み、さらに増えると転動しなくなるので、スラグの含水比で11mass%以下とするのが好ましい。また、供給する蒸気量は、必要に応じて吹込量を調整すればよい。
本発明のように蒸気エージング中の製鋼スラグSに転動動作を加えることにより、スラグ粒は転動の周方向に巻き上げられ、一定角以上に上がると崩落して下に落ちる。また、スラグ層内で隣接する粒子どうしがぶつかりながら運動するため、粒子の表面部の脆弱部分は磨滅したり、剥離して崩壊していく。その度に新たな破面が生成し、未反応の膨張源が露出して蒸気と反応する。大きく露出すれば反応面積や水分供給での律速とはならず、速やかに水分と反応する。やがて、脆弱部分の数が低下すれば、粒子突起部のすり減りだけとなり、粗大な膨張源が露出される確率も低下して膨張源の反応は終息していく。以上により、遅れ膨張の原因となる未反応の膨張源が、実害のない程度まで減少することになる。
本発明では、装置A内で製鋼スラグの転動を終えた後も、転動を停止した状態で一定時間の蒸気供給を行うことにより、転動過程の終了直前に露出した部分の反応も終息できるため、膨張安定化の信頼性がより向上する。したがって、装置A内に装入された製鋼スラグを連続的又は間欠的に転動させながら、装置A内に蒸気を供給して蒸気エージングした後、製鋼スラグの転動を停止した状態で、装置A内に蒸気を供給してさらに蒸気エージングするようにしてもよい。この場合には、上記したような回転ドラム1に対する製鋼スラグSの装入・排出を連続的に行う連続処理ではなく、バッチ処理になる。
転動しての蒸気エージング後の停止した状態での蒸気エージングは3時間以上であることが好ましい。80℃連続水浸膨脹試験で水浸開始後12時間は、特に膨脹が急で、これは、エージングの最後または水浸試料の突固め時に新たに露出した膨脹源の反応によると考えられる。膨脹反応は、10℃上昇する毎に、速度は約2倍になるため、80℃の12時間の反応は、100℃では3時間程度で終わることになる。同様に、転動で新たに破面が現れた場合も3時間保持で安定化すると考えられ、停止状態での保持は3時間以上とすることが好ましい。
蒸気エージングする製鋼スラグの粒度は、転動による粒の崩壊を配慮して、製品として使用する目標粒度よりも大きいことが好ましい。路盤材利用や製鋼スラグ水和固化体の骨材向けの場合は製品粒度が30mm以下若しくは25mm以下の場合が多いので、例えば、製品粒度が30mm以下の場合には粒度50mm以下で、製品粒度が25mm以下の場合には粒度40mm以下で、それぞれ装置Aに供給すればよい。本発明の蒸気エージングが完了した時点以降、破砕処理は行わないが、最大粒径調整のための分級処理は行ってもよい。
粒径40mm以下に破砕した脱炭スラグを供試材とした。
本発明例では、図1及び図2に示すよう回転ドラム1(内径0.6m×長さ1.5m)を備えた装置Aを用い、回転ドラム1の内部には、3箇所に口径5mmの蒸気吐出口20を設けた蒸気配管2を配置した。回転ドラム1の外側には断熱材を巻き付け、断熱構造とした。回転ドラム1に製鋼スラグ100kgを入れ、回転ドラム1を回転させて製鋼スラグを30rpmで転動させつつ蒸気配管2(蒸気吐出口20)を通じて製鋼スラグに蒸気を吹き込んだ(蒸気吹き込み量15kg/h)。
比較例2では、特許文献1の方法に従い、ベッド(厚さ15cm)に堆積させた静置の製鋼スラグ層の下から蒸気を供給して、蒸気エージングを実施した。
蒸気エージングしたスラグを水浸膨張試験に供した。この水浸膨張試験では、水浸膨張率をスラグ単味(他の材料は加えない)で評価した。1水準4供試体で測定し、浸漬温度は80℃で一定とした。JIS−A−5015に定められた水浸膨張率測定方法は、80℃に保持するのは6時間/日で、これを10日間繰り返すが、同じ材料を80℃連続水浸保持した場合、JIS条件での水浸膨張率の値に約4日間で到達する。すなわち、80℃に保持するのは6時間/日で、これを10日間繰り返す場合と、80℃連続水浸保持を約4日間とする場合とで、ほぼ同等の膨張率を示す。実施例では、JIS条件よりもさらに長期の安定性を評価するために、80℃連続水浸4日後以降も水浸を続け、15日後まで測定した。
この80℃連続水浸膨張試験の結果を、蒸気エージング処理条件とともに表1に示す。
比較例1は未エージング材であり、極めて大きな膨張が持続した。
比較例2は、ベッドに堆積させた製鋼スラグを蒸気エージングしたものである。80℃連続水浸膨張評価で、4日後では水浸膨張率の平均値(各4試験実施したときの平均値)、レンジ(各4試験実施したときの最大値と最小値の幅。以下同様)はともに小さいが、遅れ膨張の発生により10日後、15日後ではレンジが大きく増大した。
発明例1は、製鋼スラグに転動を与えて蒸気エージングを実施したものである。蒸気による100℃保持温度は比較例2に比べて大きく短縮しているが、水浸膨張率の平均値の推移は比較例とほぼ同様である。ただし、レンジは大きく低下しており、遅れ膨張のない、より均一な膨張を示した。
発明例2は、製鋼スラグに転動を与えて蒸気エージングを実施し、最後の4時間は転動を止め、静止したままで蒸気を吹き込みつつ保持したものである。その結果、水浸膨張率のレンジは更に低下し、より均一でばらつきの小さい信頼性の高い膨張安定化が達成されたことを示す。
A 装置
1 回転ドラム
2 蒸気配管
3 スラグ装入口
4 スラグ排出口
5 搬入用ベルトコンベア
6 搬出用ベルトコンベア
7 回転支持部
20 蒸気吐出口
S 製鋼スラグ

Claims (4)

  1. 装入された製鋼スラグを転動させることができる装置(A)を用い、該装置(A)内に装入された製鋼スラグを連続的又は間欠的に転動させながら、装置(A)内に蒸気を供給して製鋼スラグを蒸気エージングすることを特徴とする製鋼スラグの蒸気エージング方法。
  2. 装置(A)内に装入された製鋼スラグを連続的又は間欠的に転動させながら、装置(A)内に蒸気を供給して蒸気エージングした後、製鋼スラグの転動を停止した状態で、装置(A)内に蒸気を供給してさらに蒸気エージングすることを特徴とする請求項1に記載の製鋼スラグの蒸気エージング方法。
  3. 装置(A)内に装入された製鋼スラグを連続的又は間欠的に転動させながら、装置(A)内に蒸気を供給して蒸気エージングした後、製鋼スラグの転動を停止した状態で、装置(A)内に蒸気を供給してさらに3時間以上蒸気エージングすることを特徴とする請求項2に記載の製鋼スラグの蒸気エージング方法。
  4. 装置(A)は、製鋼スラグを装入する横型の回転ドラムを有し、該回転ドラム内には、複数の蒸気吐出口を有する蒸気配管がドラム回転軸方向に沿って配置され、回転ドラムの回転により転動する製鋼スラグ層に対して、前記蒸気配管から蒸気を吹き込むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の製鋼スラグの蒸気エージング方法。
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