JP2014194687A - 監視装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】レーザ走査部13(光学式センサ)により検知エリア内の物体を検知し、その物体の位置情報の時間変化に基づいて物体の移動速度および移動方向を算出し、所定の移動条件を満たす物体を移動体と判定することで移動体を検知して検知エリア内への移動体の侵入を検知するエリアセンサ装置1(監視装置)は、検知した移動体が通過した位置の近傍を含んで設定される通過後検知範囲に物体が検知されたか否か、および、通過後検知範囲に物体が検知された場合にはその物体が予め定められている判定期間以上その位置に滞留したか否かを判定する判定部10e(判定手段)と、判定部10eによる判定結果を出力する出力部12(出力手段)と、を備える。
【選択図】図2
Description
移動体が移動する場合、その進路上に物体が存在していれば、移動体はその物体を避けて移動すると考えられる。このため、移動体が移動した位置を含んで設定される通過後検知範囲、より具体的に言えば、移動体がそのまま通過した場合には物体に接触していると考えられる範囲に物体が検知された場合、その物体は、移動体が通過する前には存在していなかったと考えられる。すなわち、通過後検知範囲に検知された物体は、移動体により置去りにされた物体であると考えられる。
また、検知エリア内における物体の置去りを検知したいというニーズに応えることができ、防犯サービスの質を向上させることができる。
請求項2記載の発明では、通過後検知範囲は、光学式センサにより検知エリアの物体を検知する際に移動体により遮られて検知が不可能となる検知不可範囲をさらに含んで設定されている。
物体の持去りに対応する場合、事前に物体の存在を検知しておく必要がある。しかし、従来のように背景データを登録する場合には、上記したように運用上の手間が多大に掛かる。そこで、監視装置は、移動体が通過する前後において、通過前検知範囲での物体の検知状態が変化したか否かを判定し、検知状態が変化した場合に、その判定結果を出力する。これにより、持去りおよび置去りの双方を検知することができる。
また、検知エリア内における物体の置去りを検知したいというニーズに応えることができ、防犯サービスの質を向上させることができる。
検知エリアを移動体が移動する場合、移動体に遮られることで、移動体よりも遠方側に存在する物体を光学式センサで検出すること(つまり、監視すること)ができなくなる。その場合、光学式センサで検出ができない検知不可範囲に物体が置去りにされたり、検知不可範囲の物体が持去られたりする可能性が考えられる。そこで、検知不可領域も含めて、通過前検知範囲として設定し、移動体の通過の前後で物体の検知状態を比較することにより、持去りあるいは置去りが発生したことを検知することができる。
以下、本発明の第1実施形態について、図1から図9を参照しながら説明する。
図1に示すように、本実施形態の監視装置を構成するエリアセンサ装置1は、走査エリアR0内を図1に示す矢印Sの方向に走査して物体の検出を行っており、その走査エリアR0内に、監視対象である検知エリアR1が設定されている。この図1において、例えば移動体MAに付されているP1(t1)等の記号は、時刻t1において位置P1に物体が検知されたことを意味しており、図1の場合では、移動体MAが時刻t1〜t7にてそれぞれ位置P1〜P7で検知されたことが示されている。以下、便宜的に、例えば時刻t1において位置P1で検知された物体を、P1(t1)の物体と称する。なお、図1に示されている物体MSは、検知エリアR1内に固定的に設けられている物体(例えば障害物)を示している。
記憶部11は、図示しないメモリ素子あるいはHDD等の記録装置などにより構成されており、コンピュータプログラムなどの各種の情報や、検知エリアR1内で検出した物体までの距離などの測距情報を記憶する。出力部12は、判定部10eによる判定結果を、例えば監視者に報知するといった態様にて出力する。
エリアセンサ装置1は、図4に示す侵入検知処理を実行しており、処理が開始されると、物体検知を開始し(A1)、続いて動体検知を開始し(A2)、その後移動体検知を開始する(A3)。ここで、「物体検知を開始」とは、図5に示す物体検知処理を適宜繰り返して実行することを意味しており、説明の簡略化のために図4のフローには示していないが、ステップA4以降においても物体検知処理はバックグラウンドで適宜実行されている。また、ステップA2の「動体検知を開始」およびステップA3の「移動体検知を開始」も同様の意味合いである。以下、物体検知処理、動体検知処理および移動体検知処理について、個別に説明する。なお、これらの処理は上記した物体検知部10a等により実行される処理であるが、説明の簡略化のため、エリアセンサ装置1を主体として説明する。
エリアセンサ装置1は、図5に示す物体検知処理を開始すると、1走査分の測距情報(N番目)を読み出す(B1)。ここで、測距情報とは、検知エリアR1内で検出された物体までの距離および走査角を含む情報であり、例えば図1の場合、時刻t1では、障害物である物体MSまでの距離がL1、走査角がθ1、移動体MAの距離がL2、走査角がθ2といった情報が測距情報として記憶されている。なお、測距情報は、数回分が記憶されており、ステップA1ではそのN番目の測距情報を読み出している。
続いて、エリアセンサ装置1は、全てのクラスタに対して物体であるかの判定をしていない場合には(B7:NO)、ステップB3に移行して未判定のクラスタに対して物体であるかの判定を行う。一方、全てのクラスタに対して物体であるかの判定をした場合には(B7:YES)、次の測距情報があるかを判定し(B8)、次の測距情報があれば(B8:YES)、走査情報(変数N)を更新(N+1にインクリメント)した後(B9)、ステップB1に移行して上記した処理を繰り返す。そして、全ての判定が終了した場合、つまり、次の測距情報がない場合には(B8:NO)、処理を終了する。ただし、上記したように、この物体検知処理(および、検知エリアR1の走査)は随時実行されている。
エリアセンサ装置1は、図6に示す動体検知処理を開始すると、物体検知処理で記憶した物体情報(N番目)を読み出した後(C1)、次のN+1番目の物体情報を読み出す(C2)。続いて、N番目の物体情報から対象物体を抽出し(C3)、N+1番目の物体情報に記憶されている物体との相関度を算出する(C4)。このステップC4では、物体の大きさが同じであるか、互いの位置が所定範囲内であるか(つまり、同一物体が移動したと見なせる範囲にあるか)などの情報に基づいて、相関度が算出される。
そして、エリアセンサ装置1は、他の対象物体が残っていれば(C9:YES)、ステップC3に移行する。一方、他の対象物体が残っていなければ(C9:NO)、走査情報(変数N)を更新(N+1にインクリメント)した後(C10)、ステップC2に移行して上記した処理を繰り返す。
エリアセンサ装置1は、図7に示す移動体検知処理を開始すると、動体検知処理で記憶した動体情報(Y〜Y+a番目)を読み出した後(D1)、移動体情報を算出する(D2)。この移動体情報は、動体IDが付与された物体に関する位置、大きさ、形状、移動速度、移動方向などの情報を含んでいる。なお、Yは動体情報を読み出す開始位置であり、aは動体情報読み出す範囲である。
エリアセンサ装置1は、全ての動体が完了したか、つまり、読み出した動体情報に含まれる全ての動体に対して移動体であるかの判定を行ったかをさらに判定し(D6)、完了していなければ(D6:NO)、ステップD2に移行して、上記したように移動体であるか否かの判定を繰り返す。
さて、上記した物体検知、動体検知、移動体検知を開始すると、エリアセンサ装置1は、図4に示す侵入検知処理において、移動体情報を読み出し(A4)、移動体が存在するか否かを判定する(A5)。そして、移動体が存在しなければ(A5)、ステップA4に移行して移動体が検知されるのを待機する。これに対して、エリアセンサ装置1は、移動体が存在する場合には(A5:YES)、移動体検知結果を出力した後(A6)、置去り検知処理を実行する(A7)。
エリアセンサ装置1は、物体Bが検出された通過後検知範囲R2を例えば通過後検知範囲R2aとして記憶し、その通過後検知範囲R2aに検出された物体Bが、所定の判定基準時間を超えて滞留し続けたかが観察される。そして、図9(f)に示す時刻t6において、判定基準時間を超えたものとする。
この場合、エリアセンサ装置1は、判定基準時間を超えた物体が検出されたことから(E2:YES)、置去りを報知する(E3)。つまり、物体Bが、移動体MAにより通過後検知範囲R2aに置去りにされた物体であると判定し、その判定結果を報知という態様にて出力する。
エリアセンサ装置1は、通過後検知範囲R2に検知され、且つ、判定期間以上その位置で物体が検知されたか否かを判定している。移動体が移動する場合、その進路上に物体が存在していれば、移動体はその物体を避けて移動すると考えられるため、通過後検知範囲R2に物体が検知された物体は、移動体が通過する前には存在しておらず、移動体により置去りにされた物体であると判断することができる。この場合、移動体が交差したような場合にはそれぞれの移動体がともに移動するため、判定期間を超えて物体が検出され続けることはないと考えられる。このため、通過後検知範囲R2に検知され、且つ、判定期間以上その位置で検知された物体が、移動体により置去さられた物体であると判断することができる。つまり、置去りを検知することができる。
また、背景データを登録する必要が無いことから、図1に示した障害物が撤去された図9のような状態であっても、すなわち、検知エリアR1内の状況が変化したとしても、手間を掛けることなく置去りを検知することができる。したがって、検知エリアR1内における物体の置去りを検知したいというニーズに応えることができ、防犯サービスの質を向上させることができる。
以下、本発明の第2実施形態について、図10から図13を参照しながら説明する。なお、エリアセンサ装置の構成は第1実施形態と共通する。
第2実施形態のエリアセンサ装置1は、図10に示す侵入検知処理を実行している。図10の侵入検知処理の場合、ステップF1〜ステップF6が図4のステップA1〜A6にそれぞれ対応しており、詳細な説明は省略するが、物体検知を開始し(F1)、動体検知を開始し(F2)、動体検知を開始し(F3)、移動体情報を読み出して(F4)、移動体が存在するかを判定し(F5)、移動体が存在する場合には(F5:YES)、移動体の検知結果を出力すると(F6)、複合検知処理を実行する(F7)。この複合検知処理は、物体の置去りおよび持去りの双方を検知可能な処理である。
通過前検知範囲R3を設定すると、エリアセンサ装置1は、通過前検知範囲R3の状態を記憶する(G2)。このステップG2では、少なくとも、通過前検知範囲R3に物体が存在しているか否かが、状態として記憶される。具体的には、図13(a)、(b)等に示すように、移動体MAの移動方向に設定された通過前検知範囲R3における物体の検知状態が記憶される。
例えば図13(a)、(b)で設定された通過前検知範囲R3には、移動体が通過する前後において物体が検知されていないので、エリアセンサ装置1は、通過前検知範囲R3の状態が変化していないと判定し(G4:NO)、そのままリターンする。
なお、図示は省略するが、通過前検知範囲R3に物体が検知されておらず、移動体の通過後にその通過前検知範囲R3に物体が検知された場合には、つまり、物体が「無し」の状態から「有り」の状態に変化した場合には(G5:NO)、移動体が物体を置去りにしたと判定して、置去りを報知することで判定結果を出力することになる(G6)。
このように、本実施形態のエリアセンサ装置1は、置去りと持去りとを複合的に検知している。
物体の持去りに対応する場合、事前に物体の存在を検知しておく必要がある。しかし、従来のように背景データを登録する場合には運用上の手間が多大に掛かってしまう。そこで、エリアセンサ装置1は、移動体が通過する前後において通過前検知範囲R3における物体の検知状態が変化したか否かを判定し、移動体が通過する前後において検出状態が「有り」から「無し」に変化した場合には持去りと判定し、物体の検出状態が「無し」から「有り」に変化した場合に置去りと判定し、その判定結果を出力する。これにより、持去りおよび置去りの双方を検知することができる。
移動体が通過する前後において検出状態がどのように変化したかによって持去りか置去りかを判定しているので、持去りと置去りとを複合的に検知する場合であっても処理の負荷が大きく増加することもない。
検知エリア内における物体の置去りを検知したいというニーズに応えることができ、防犯サービスの質を向上させることができる。
本発明は、一実施形態にて例示したものに限定されることなく、例えば以下のように変形あるいは拡張することができる。
第2実施形態では、通過前検知範囲R3として移動体の予測位置を含む範囲を設定したが、他の範囲を含めて設定してもよい。例えば、図14(a)に示すように、時刻t1にて検知された移動体MAが時刻t2における予測位置Pに位置した場合、エリアセンサ装置1は、移動体MAに遮られて、移動体MAよりも遠方側の領域R4に物体が存在するかを検知できなくなる。この領域R4のような、移動体により遮られて検知が不可能となる検知不可範囲を含めて、通過前検知範囲R3として設定してもよい。この場合、領域R4に物体Bが検知されていたとして、図14(b)に示すように移動体MAにより遮られ、図14(c)に示すように移動体MAが通過した後に物体Bが検知されなくなっていれば、つまり、移動体の通過前後において領域R4の状態が変化していれば、物体Bが移動体MAにより持去れたと判定することができる。
第1実施形態では、通過後検知範囲R2として移動体の移動軌跡を含む範囲を設定したが、移動体により遮られて検知が不可能となる検知不可範囲を含めて通過後検知範囲R2を設定してもよい。この場合、図15(b)のように、移動体MAが移動した後、物体Bが第1実施形態と同様に判定基準時間を超えて検知された場合に置去りと判断するとよい。
Claims (4)
- 光学式センサにより検知エリア内の物体を検知し、検知した物体の位置情報の時間変化に基づいて物体の移動速度および移動方向を算出し、予め定められている移動条件を満たす物体を移動体と判定することで移動体を検知して、検知エリア内への移動体の侵入を検知する監視装置において、
検知した移動体が通過した位置の近傍を含んで設定される通過後検知範囲に物体が検知されたか否か、および、前記通過後検知範囲に物体が検知された場合にはその物体が予め定められている判定期間以上その位置に滞留したか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による判定結果を出力する出力手段と、
を備えることを特徴とする監視装置。 - 前記通過後検知範囲は、前記光学式センサにより前記検知エリアの物体を検知する際に移動体により遮られて検知が不可能となる検知不可範囲をさらに含んで設定されている
ことを特徴とする請求項1記載の監視装置。 - 光学式センサにより検知エリア内の物体を検知し、検知した物体の位置情報
時間変化に基づいて物体の移動速度および移動方向を算出し、予め定められている移動条件を満たす物体を移動体と判定することで移動体を検知して、検知エリア内への移動体の侵入を検知する監視装置において、
検知した移動体が通過すると予測される位置の近傍を含んで設定される通過前検知範囲に物体が検知されたか否か、および、移動体が通過した後の前記通過前検知範囲に物体が検知されたか否かに基づいて、移動体が通過する前後において前記通過前検知範囲における物体の検知状態が変化したか否かを判定し、移動体が通過する前後において前記通過前検知範囲で物体の検出状態が有りから無しに変化した場合に持去りと判定し、物体の検出状態が無しから有りに変化した場合に置去りと判定する判定手段と、
前記判定手段により検知状態が変化したと判定されると、その判定結果を出力する出力手段と、
を備えることを特徴とする監視装置。 - 前記通過前検知範囲は、前記光学式センサにより前記検知エリアの物体を検知する際に移動体により遮られて物体の検知が不可能となる検知不可範囲をさらに含んで設定されている
ことを特徴とする請求項3記載の監視装置。
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