JP2014193961A - レジスト膜の製造方法、電気配線板、光導波路及び光電気複合基板 - Google Patents

レジスト膜の製造方法、電気配線板、光導波路及び光電気複合基板 Download PDF

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Abstract

【課題】付着した異物を除去することができるレジスト膜の製造方法を提供すること。
【解決手段】被写体上にレジスト層を形成する工程(A)、該レジスト層を硬化してレジスト膜とする工程(B)の後に、該レジスト膜をアルカリ性溶液で洗浄する工程(C)を有するレジスト膜の製造方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、レジスト膜の製造方法、及び該製造方法によって得られる電気配線板、光導波路及び光電気複合基板に関する。
近年の情報化社会の発展は目覚しく、民生機器ではパソコン、タブレット型端末、携帯電話などの高性能化、高機能化が進められている。また、産業用機器としては無線基地局、光通信装置、サーバ、ルータなどのネットワーク関連機器など、大型、小型を問わず、同じように機能の向上が求められている。
このために、半導体チップ搭載基板やマザーボードを始め、フレキシブル基板も、高密度配線化、高機能化が進んでいる。
さらに、電気配線板からの電磁放射ノイズ(EMI)対策、外界からの電波混入による耐性、高速伝送及び大容量伝送の観点から、光信号を用いる光インタコネクション技術の開発が進められている。特に、ルータやサーバ装置内のボード間あるいはボード内の短距離信号伝送に光を用いるための光伝送路としては、光ファイバに比べ、配線の自由度が高く、かつ高密度化が可能な光導波路を用いることが望ましい。中でも、加工性や経済性に優れたポリマー材料を用いた光導波路が有望である。また光導波路と電気配線板を複合形成した光電気複合基板の開発も進められている。
一般に、電気配線板は、絶縁樹脂基板上に金属からなる電気配線を形成し、さらに、電気配線保護用のレジスト膜を形成してなる。電気配線は、各種IC、他の電気配線板との電気的接続のため、該レジスト膜の一部が開口された状態となる。このようなレジスト膜の製造方法としては、電気配線上に、液状又はフィルム状のレジスト層を、塗布やラミネートにより形成し、フォトリソグラフィー加工によってパターン化し、レジスト膜とする方法が一般的に行われている(特許文献1参照)。
一方、光導波路は、クラッド層に埋設された、光信号を伝搬するコアパターンからなり、下部クラッド層、コアパターン、上部クラッド層を順次形成し光導波路とする方法が一般的に行われている。コアパターンの形成は、下部クラッド層上にコアパターン形成用樹脂層を形成し、露光し、現像することによって行われている。
また、特許文献2に記載の光導波路のように、クラッド層を露光し、現像することによってパターン化した光導波路もある(特許文献2参照)。この場合に、前述の電気配線板のレジスト膜形成方法と同様の手法で、光導波路のクラッド層、コア層も形成できることから広義にはレジスト膜とみることができる。
また、光電気複合基板は、電気配線板と光導波路とを複合したものであり(特許文献3参照)、電気配線板に光導波路をビルドアップ形成するなどして得られる。この場合も、上記光導波路の製造過程と同様であり、それぞれの層を形成する際に、下層に対して上層をレジスト膜とみることができる。
特開2004−319660号公報 特開2005−326602号公報 特開2010−54617号公報
上述したような電気配線板に用いるレジスト膜を露光及び現像によって製造する過程で、また、光導波路のクラッド層又はコアパターンを露光及び現像によって形成する過程で、現像液中に浮遊する異物や、現像された樹脂塊が、レジスト層上に再付着し、異物不良になるという課題があった。また、現像後に、外界のほこりや塵等がレジスト層に付着し、異物不良になるという課題があった。さらに、電気配線板や光導波路、それらを複合した電気配線板を、例えばダイシングソー等で切削加工すると、切削片がレジスト膜に付着し、異物不良になるという課題があった。
本発明は、これらの課題を解決するためになされたもので、レジスト膜に付着した異物を除去し、異物不良を低減することができるレジスト膜の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、被写体上にレジスト層を形成し、硬化してレジスト膜とした後に、アルカリ性溶液で前記レジスト膜を洗浄する工程を行うことによって、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、被写体上にレジスト層を形成する工程(A)、該レジスト層を硬化してレジスト膜とする工程(B)の後に、該レジスト膜をアルカリ性溶液で洗浄する工程(C)を有するレジスト膜の製造方法、を提供するものである。
本発明の製造方法によれば、付着した異物を除去することができるため、異物の少ない電気配線板、光導波路、及び光電気複合基板を得ることができる。
以下、本発明のレジスト膜の製造方法について詳しく説明する。
本発明のレジスト膜の製造方法は、被写体上にレジスト層を形成する工程(A)、該レジスト層を硬化してレジスト膜とする工程(B)の後に、該レジスト膜をアルカリ性溶液で洗浄する工程(C)を有することを特徴とする。なお、本発明において、レジスト層は硬化前の状態を示し、レジスト膜は硬化後の状態を示す。
[工程(A)]
本発明の製造方法における工程(A)は、被写体上にレジスト層を形成する工程である。ここで被写体とは、本発明の製造方法を用いる対象に応じて種々のものがある。本発明の製造方法は、電気配線板、光導波路、及び光電気複合基板に好適であるので、これらの態様を例に被写体について、以下詳述する。
(電気配線板)
本発明の製造方法が電気配線板に用いられる場合には、電気配線板自体が被写体であり、レジスト膜はいわゆるソルダーレジストであって、電気配線板保護用のレジスト膜である。
電気配線板は、基板上又は基板中に導電性の回路である電気配線が形成されたものである。電気配線板に用いられる基板としては、シリコン基板、ガラス基板、ガラスエポキシ樹脂基板、プラスチック基板、樹脂層付き基板、プラスチックフィルム、樹脂層付きプラスチックフィルム、FR−4基板等が好適に用いられる、電気配線としては、Au、Ag、Cu、Ni、Cr等の各種金属、導電樹脂等が回路として加工されたものが挙げられる。
金属の回路加工方法としては、特に限定はないが、電気配線を形成する面に金属層を形成し、さらにエッチングレジストを形成し、金属層の不要な箇所をエッチングで除去する方法(サブトラクト法)、めっきレジストを形成し、電気配線を形成する面の必要な箇所にのみめっきにより電気配線を形成する方法(アディティブ法)、電気配線を形成する面に薄い金属層(シード層)を形成し、さらにめっきレジストを形成し、その後、電気めっきで必要な電気配線を形成した後、薄い金属層をエッチングで除去する方法(セミアディティブ法)がある。
電気配線の形成方法はいずれの方法を用いてもよい。さらに電気配線には、Au、Ni、Pd、Ag等の各種金属を、めっき等を用いて電気配線保護金属膜付きの電気配線としてもよい。また、電気配線保護金属膜のめっき工程は、レジスト膜を形成(硬化)した後に行ってもよい。
(光導波路)
本発明の製造方法が光導波路に用いられる場合には、光導波路の製造過程で、種々の被写体とレジスト膜の組み合わせがある。光導波路は、クラッド層に埋設された光信号伝搬用のコアパターンからなり、一般的には、基板上に下部クラッド層を設け、該下部クラッド層上にコアパターンを形成し、さらに上部クラッド層をコアパターン形成面側から積層することによって形成することができる。このような製造過程においては、(α)基材が被写体であって、下部クラッド層がレジスト膜である組み合わせ、(β)下部クラッド層が被写体であって、コア層又はコアパターンがレジスト膜である組み合わせ、及び(γ)コアパターンが被写体であって、上部クラッド層がレジスト膜である組み合わせ、が挙げられる。すなわち、本発明の製造方法が光導波路に用いられる場合には、基材、下部クラッド層、及びコアパターンがそれぞれ被写体となり得る。また、光導波路にあっては、レジスト膜が下部クラッド層、コア層、上部クラッド層の少なくともいずれかの層であり、これらのうちの複数の層がレジスト膜であってもよい。
なお、コアパターンの光軸上に光路変換ミラーを設けて光路変換ミラー付きの光導波路としてもよい。光路変換ミラーは、光導波路(コアパターン)に45°の傾斜面を設ければ形成でき、ダイシングソーやレーザアブレーションによる切削加工で傾斜面を形成できる。空気反射ミラーでも、傾斜面に反射金属膜が形成された金属反射ミラーでもよい。金属反射ミラーは、蒸着、めっき、スパッタ等を用いて形成できる。光導波路は、クラッド層及びコアパターンのレジスト膜から形成されるため、レジスト膜形成面積及び体積が大きくなる傾向がある。そのため、電気配線板と比較して本発明の効果が顕著にあらわれやすい。
(光電気複合基板)
本発明の製造方法が光電気複合基板に用いられる場合には、光電気複合基板の製造過程で、種々の被写体とレジスト膜の組み合わせがある。
光電気複合基板は、電気配線板と光導波路とが複合化された基板であり、上記の電気配線板に接着層等を介して光導波路を貼り合わせたものや、上記の光導波路上に電気配線板をビルドアップ形成したものや、上記の電気配線板上に光導波路をビルドアップ形成したものである。したがって、このような製造過程において、各層を積層形成する際に、下層側が被写体であり、これに積層形成する上層がレジスト膜を構成する。
光電気複合基板は、光導波路を含むため前述と同様に、レジスト膜形成面積及び体積が大きくなる傾向がある。そのため、電気配線板と比較して本発明の効果が顕著にあらわれやすい。
(レジスト層)
工程(A)において形成されるレジスト層については特に限定はないが、光又は熱で硬化し得るレジスト層であることが好ましい。特に光によって硬化する感光性樹脂組成物からなる層であることが、生産性の観点から好適である。なお、光及び熱のいずれでも硬化し得るレジスト層を用いる場合も含まれる。
レジスト層の具体例としては、電気配線保護用のソルダーレジスト、カバーレジスト、ビルドアップ材、プリプレグ、光導波路形成用のクラッド層形成用樹脂、コアパターン形成層樹脂等が好適に挙げられる。
また、上記レジスト層は、カルボキシル基又はフェノール性のヒドロキシル基を有する化合物を含むレジスト層であることが好ましい。これらの基はアルカリ性溶液によりイオン化する官能基であるので、アルカリ現像性を付与することができ、アルカリ現像が容易に行えるためである。また、レジスト層を硬化させて得られるレジスト膜にカルボキシル基又はフェノール性のヒドロキシル基を付与することができ、後に詳述する、レジスト膜をアルカリ性溶液で洗浄する工程(C)が好適に進行する。
以上の観点から、レジスト層はカルボキシル基を有する化合物を含むレジスト層であることがより好ましい。さらに、光硬化及び/又は熱硬化した後のレジスト膜にカルボキシル基を容易に残存させることができるため、ネガ型のレジスト層であることが好ましい。
レジスト層を構成する材料に関しては、後に詳述する。
[工程(B)]
本発明の製造方法における工程(B)は、工程(A)によって形成されたレジスト層を硬化してレジスト膜とする工程である。レジスト層を硬化する方法としては、特に限定はないが、紫外線や可視光線等を用いてレジスト層に含まれる光重合成分を光重合させる光硬化、レジスト層に熱を加え、レジスト層に含まれる熱重合成分を架橋させる熱硬化、及び光硬化と熱硬化を併用する方法が好適に挙げられる。
なお、レジスト層は後述するように、パターン化するに際し、露光し、アルカリ現像を行うが、このようなアルカリ現像のために露光し、光硬化することは、当該工程(B)における硬化には該当しない。したがって、後述する工程(D)を経たアルカリ現像後のパターン化されたレジスト層は、光によって一部硬化されているが、本発明においては、硬化前のレジスト層に該当する。
本発明におけるレジスト膜には、カルボキシル基やフェノール性のヒドロキシル基等のアルカリ性溶液によりイオン化する官能基が存在することが好ましい。アルカリ性溶液による洗浄時に、レジスト膜表面付近のカルボキシル基又はフェノール性のヒドロキシル基がイオン化し、陰イオン又はアルカリ溶液中に含まれるカチオンと塩を形成する。このような陰イオンや塩は、イオン化していないカルボキシル基と比較して親水性が高いため、アルカリ性溶液により、レジスト膜の表面が膨潤し、又はレジスト膜の表面の濡れ性が高くなる。このことによって、異物とレジスト膜との間にアルカリ性溶液が入り込みやすくなり、容易に異物を除去できる。また、異物が、レジスト層又はレジスト膜の破片等による異物であると、その異物もアルカリ性溶液により、その表面が膨潤し、又はレジスト膜の表面の濡れ性が高くなり、さらに除去しやすくなる。なお、レジスト層を硬化し、レジスト膜にした後にアルカリ性溶液によって洗浄することによって、レジスト膜の剥離が抑制される。
[工程(C)]
本発明の製造方法における工程(C)は、工程(B)によって形成されたレジスト膜をアルカリ性溶液で洗浄する工程である。
アルカリ性溶液で洗浄することによって、外部からの異物や、樹脂塊、切削加工によって発生した切削くず等を効率的に除去できる。本工程で用いるアルカリ性溶液としては、少なくともアルカリ性溶液を含んでいればよく、アルカリ性溶液を単独で用いることもできるし、またアルカリ性溶液と1種類以上の有機溶剤からなるアルカリ性準水系を用いることもできる。以下、アルカリ性溶液単独の場合及びアルカリ性準水系を用いる場合を総称して、「アルカリ性洗浄液」と称する場合がある。
なお、一般に外部からの異物や、樹脂塊、切削加工によって発生した切削くず等は、最大幅が10μm〜150μm程度のものであり、繊維形状の場合は、その長さが当該範囲内のものである。
(アルカリ性溶液)
アルカリ性溶液の塩基としては、特に制限はないが、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物;炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩;炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属重炭酸塩;リン酸カリウム、リン酸ナトリウム等のアルカリ金属リン酸塩;ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム等のアルカリ金属ピロリン酸塩;四ホウ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム等のナトリウム塩;炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウムなどのアンモニウム塩;水酸化テトラメチルアンモニウム、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ジアミノプロパノール−2−モルフォリン等の有機塩基の水溶液などが挙げられる。
より好ましくは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムが、剥離など、レジスト膜への影響が少ないため好適である。
これらアルカリ性溶液の塩基は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
アルカリ性溶液のpHはアルカリ性を示す範囲であることが必要であるが、レジスト膜に対して、剥離や変性などのダメージを与えないとの点からはpHは小さい方が好ましい。一方で洗浄効果を効率的に得るためには、ある程度pHが高い方が有利である。以上の観点から、アルカリ性溶液のpHは8〜14であることが好ましく、9〜13であることがさらに好ましい。
(アルカリ性洗浄液)
アルカリ性洗浄液は、上述のように、前記アルカリ性溶液と1種類以上の有機溶剤からなるアルカリ性準水系のアルカリ性洗浄液であってもよい。
ここで用いられる有機溶剤としては、本発明の効果を阻害しない範囲であれば、特に制限はなく、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール等のアルコール;アセトン、メチルエチルケトン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン等のケトン;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテルなどが挙げられる。
これらの有機溶剤は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。また、有機溶剤の濃度は、通常、2〜90質量%であることが好ましい。
また、アルカリ性洗浄液中には、界面活性剤、消泡剤等を少量混入させてもよい。
アルカリ性洗浄液のpHは、上述のアルカリ性溶液のpHと同様に、レジスト膜への影響と洗浄性の観点から、pH8〜13であることが好ましく、pH9〜12であることがさらに好ましい。
また、アルカリ性洗浄液の温度はレジスト膜へのダメージの少ない範囲で適宜調節すればよく、通常15〜80℃、好ましくは20〜50℃である。また、アルカリ性水溶液中には、表面活性剤、消泡剤等を混入させてもよい。
(アルカリ性洗浄液による洗浄方法)
アルカリ性洗浄液による洗浄方法として、特に制限はないが、例えば、スプレー法、ディップ法、パドル法、スピン法、ブラッシング法、スクラッピング法等が挙げられる。また必要に応じてこれらの洗浄方法を併用してもよい。また、上記の洗浄方法に加え、レジスト膜及び/又はアルカリ性洗浄液に、揺動、振動、超音波振動を加えるとさらに効果的に異物等が除去できる。
本発明のレジスト膜の製造方法では、工程(C)の後に、さらにレジスト膜を洗浄する工程(G)を有することが好ましい。
[工程(G)]
工程(G)で用いる洗浄液(以下、「レジスト膜洗浄液」と記す場合がある。)としては、特に限定はないが、純水、酸性溶液、2価以上の金属イオンを含む溶液が好ましい。これらのレジスト膜洗浄液は、純水、酸性溶液、2価以上の金属イオンを含む洗浄液のいずれかを用いればよく、1種類でも、それらを順に組み合わせても、複数回繰り返してもよい。
また、2価の金属イオンを含む洗浄液は、アルカリ性現像液と混ぜ合わせてアルカリ性現像液兼レジスト層洗浄液として用いてもよい。
レジスト膜洗浄液として純水を用いることで、工程(C)のアルカリ性洗浄液で洗浄した時にレジスト膜に浸入したアルカリ性洗浄液成分(例えば、金属イオン)を除去することができる。
また、レジスト膜洗浄液として、酸性溶液を用いれば、アルカリ性洗浄液を中和すると共に、レジスト膜に浸入したアルカリ性洗浄液成分(例えば、金属イオン)を除去することができる。
さらに、レジスト膜洗浄液として、2価以上の金属イオンを含む溶液を用いると、レジスト膜洗浄液中等に含まれる1価のイオンを効率的により安定な2価以上のイオンに置換できる。特に、レジスト膜がカルボキシル基を有する化合物を含む場合には、カルボキシル基と2価以上の塩は、カルボキシル基と1価の塩に比べてより安定な塩であるため、耐湿性等が向上する。
(酸性溶液)
工程(G)で好適に用いられる酸性溶液の酸としては特に制限はなく、例えば、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸等の無機酸;ギ酸、酢酸、マロン酸、コハク酸等のカルボン酸;乳酸、サリチル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸等のヒドロキシ酸などが挙げられ、これらの水溶液であることが好ましい。これらの中でも、硫酸、塩酸(塩化水素)、及び硝酸が、酸性度が高いという観点から好ましく、さらに揮発性が低い、酸化力が小さいという観点から硫酸がより好ましい。なお、これらの酸は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
当該酸性溶液のpHは、0を超え5以下であることが好ましい。0を超えるものであれば、酸性度、腐食性が強すぎることがなく、5以下であれば、レジスト膜内に残存した金属イオンを、除去しやすくなる。以上の観点から、酸性溶液のpHは0.1〜4であることがさらに好ましく、0.3〜3であることが特に好ましい。酸性溶液の温度はpHに合わせて調節される。また酸性溶液中には、有機溶剤、表面活性剤、消泡剤などを混入させてもよい。
(2価以上の金属イオンを含む溶液)
工程(G)で好適に用いられる2価以上の金属イオンを含む溶液の2価以上の金属イオンとしては、特に制限はなく、例えば、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、亜鉛イオン、マンガン(II)イオン、コバルト(II)イオン、鉄(II)イオン、銅(II)イオン、鉄(III)イオン、アルミニウムイオン等が挙げられる。
これらの中でも生成する塩の安定性の観点から、2価の金属イオンであることが好ましく、マグネシウム又はカルシウムであることが特に好ましい。
これらの金属イオンは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
レジスト膜洗浄液に金属イオンを含ませる方法としては、特に制限はないが、例えば、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸亜鉛、硫酸マンガン、硫酸コバルト、硫酸鉄、硫酸銅、硫酸アルミニウム等の金属硫酸塩;塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化亜鉛、塩化マンガン、塩化コバルト、塩化鉄、塩化銅、塩化アルミニウム等の金属塩化物塩;炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、炭酸マンガン、炭酸コバルト、炭酸鉄、炭酸銅、炭酸アルミニウム等の金属炭酸塩;水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化亜鉛、水酸化マンガン、水酸化酸コバルト、水酸化鉄、水酸化銅、水酸化アルミニウム等の金属水酸化物、酸化マグネシウム、酸化カルシウム等の金属酸化物などを純水等に混合又は溶解させる方法などが挙げられる。
また、2価以上の金属イオンを含む溶液として、前記金属イオンを元来含む水を用いてもよい。このような水としては、特に制限はないが、例えば、水道水、井戸水などが挙げられる。
レジスト膜洗浄液に含まれる2価以上の金属イオンの量は、1〜50000質量ppmであることが好ましい。1質量ppm以上であれば、レジスト膜の少なくとも表層付近に残存した不安定な1価の塩を、安定な2価以上の塩に効果的に変換することができ、50000質量ppm以下であれば、レジスト膜の少なくとも表層付近に過剰な金属イオンが残留することがない。以上の観点から、レジスト膜洗浄液に含まれる2価以上の金属イオンの量は、10〜10000質量ppmであることがさらに好ましく、30〜5000質量ppmであることが特に好ましい。
また、2価以上の金属イオンを含む洗浄液は、アルカリ性洗浄液と混ぜ合わせてアルカリ性洗浄液兼レジスト膜洗浄液として用いてもよい。具体例としては、前述したレジスト膜洗浄液に、前述した2価以上の金属イオンを含む塩を溶解させて得られる。
また、2価以上の金属イオンを含むアルカリ性洗浄液兼レジスト膜洗浄液としてもよい。具体例としては、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化亜鉛、水酸化マンガン、水酸化酸コバルト、水酸化鉄、水酸化銅、水酸化アルミニウム等の、溶解するとアルカリ性を呈する塩を溶解させた水溶液や、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸亜鉛、硫酸マンガン、硫酸コバルト、硫酸鉄、硫酸銅、硫酸アルミニウム等の金属硫酸塩、又は塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化亜鉛、塩化マンガン、塩化コバルト、塩化鉄、塩化銅、塩化アルミニウム等の金属塩化物塩、又は炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、炭酸マンガン、炭酸コバルト、炭酸鉄、炭酸銅、炭酸アルミニウム等の金属炭酸塩に、前述した溶解するとアルカリ性を呈する塩を混ぜて任意のpHのアルカリ性に呈した水溶液等が好適に挙げられる。
上記レジスト膜洗浄液を用いたレジスト膜洗浄方法として、特に制限はないが、例えば、スプレー法、ディップ法、パドル法、スピン法、ブラッシング法、スクラッピング法等が挙げられる。また必要に応じてこれらの洗浄方法を併用してもよい。
[工程(H)]
本発明のレジスト膜の製造方法では、工程(G)の後に、乾燥工程(H)を有することが好ましい。乾燥方法としては特に限定はないが、常温でのエアブロー、及び60℃〜200℃に加温しての加熱乾燥などの方法を挙げることができる。
本発明のレジスト膜の製造方法では、前記工程(A)により形成したレジスト層を、硬化してレジスト膜とする工程(B)の前に、露光及びアルカリ現像によりパターン化したレジスト層を形成する工程(D)、該パターン化したレジスト層を洗浄する工程(E)、及び該パターン化したレジスト層を乾燥する工程(F)をさらに有することが好ましい。
以下、これらの工程(D)、(E)及び(F)について説明する。
[工程(D)]
本発明の製造方法における工程(D)は、前記工程(A)により形成したレジスト層から、露光及びアルカリ現像によりパターン化したレジスト層を形成する工程である。
本発明において、当該工程(D)は必須の事項ではないが、現像工程を経ることで任意の箇所に、任意の形状のレジスト膜を形成することができる。具体的な方法としては、露光の際に、パターン露光し、未硬化部のレジスト層をアルカリ性現像液で除去すればよい。
以上の観点から、レジスト層は、感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂層であるとよく、露光工程で、活性光線を照射した部分が光硬化するネガ型のレジスト層であると、残存するレジスト層内にカルボキシル基を有するレジスト層が得られやすく、後のアルカリ性洗浄液によって効果的に異物の除去ができるため好ましい。
レジスト層を露光する方法としては、特に制限はないが、例えば、アートワークと呼ばれるネガマスクパターンを通して活性光線を画像状に照射する方法、レーザ直接描画を用いてフォトマスクを通さずに直接活性光線を画像上に照射する方法などが挙げられる。
活性光線の光源としては、例えば、超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、水銀蒸気アークランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、カーボンアークランプ等の紫外線を有効に放射する光源が挙げられる。また他にも写真用フラッド電球、太陽ランプなどの可視光を有効に放射する光源が挙げられる。
レジスト層を露光する際の活性光線の照射量は、0.01〜10J/cm2であることが好ましい。0.01J/cm2以上であれば、硬化反応が十分に進行し、現像工程によりパターンが流失することがなく、10J/cm2以下であれば露光量過多によりパターンが太ることがなく、微細なパターンが形成でき好適である。以上の観点から、0.05〜5J/cm2であることがさらに好ましく、0.1〜3J/cm2であることが特に好ましい。
アルカリ性現像液の塩基としては、特に制限はないが、前述したアルカリ性溶液と同様の溶液を用いることができる。
(レジスト層を構成する材料)
次に、本発明におけるレジスト層を構成する好適な材料について、以下詳述する。
本発明におけるレジスト層は、(a)カルボキシル基含有アルカリ可溶性ポリマー、(b)重合性化合物及び(c)光重合開始剤を含むレジスト層であることが好ましい。このような材料を用いることにより、光硬化又は熱硬化によってレジスト層をアルカリ性溶液にある程度耐性のあるレジスト膜に変化させることができる。
((a)カルボキシル基含有アルカリ可溶性ポリマー)
(a)成分のカルボキシル基含有アルカリ可溶性ポリマーとしては、特に制限はないが、例えば、下記(1)〜(6)で表されるポリマーなどが挙げられる。
(1)分子中にカルボキシル基とエチレン性不飽和基を有する化合物と、それ以外のエチレン性不飽和基を有する化合物を共重合して得られるカルボキシル基含有アルカリ可溶性ポリマー。
(2)分子中にカルボキシル基とエチレン性不飽和基を有する化合物と、それ以外のエチレン性不飽和基を有する化合物との共重合体の側鎖にエチレン性不飽和基を部分的に導入して得られるカルボキシル基含有アルカリ可溶性ポリマー。
(3)分子中にエポキシ基とエチレン性不飽和基を有する化合物と、それ以外のエチレン性不飽和基を有する化合物の共重合体に、分子中にカルボキシル基とエチレン性不飽和基を有する化合物を反応させ、生成したヒドロキシル基含有化合物のヒドロキシル基に多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有アルカリ可溶性ポリマー。
(4)エチレン性不飽和基を有する酸無水物と、それ以外のエチレン性不飽和基を有する化合物の共重合体に、分子中にヒドロキシル基とエチレン性不飽和基を有する化合物を反応させて得られるカルボキシル基含有アルカリ可溶性ポリマー。
(5)2官能エポキシ樹脂と、ジカルボン酸又は2官能フェノール化合物の重付加体に、多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有アルカリ可溶性ポリマー。
(6)2官能オキセタン化合物と、ジカルボン酸又は2官能フェノール化合物の重付加体のヒドロキシル基に、多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有アルカリ可溶性ポリマー。
上記(1)〜(6)に記載されるカルボキシル基含有アルカリ可溶性ポリマーの中でも、アルカリ性現像液への溶解性の観点から、上記(1)〜(4)で表されるカルボキシル基含有アルカリ可溶性ポリマーであることが好ましい。なお、これらのポリマーは(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリルポリマーである。ここで、(メタ)アクリロイル基とはアクリロイル基及び/又はメタクリロイル基を意味し、(メタ)アクリルポリマーとは、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、及びこれらの誘導体を単量体とし、これを重合してなるポリマーをいう。
該(メタ)アクリルポリマーは、上記単量体の単独重合体であってもよいし、また、これらのモノマーの2種以上を重合させた共重合体であってもよい。さらには、本発明の効果を阻害しない範囲で、上記のモノマーと、必要に応じて(メタ)アクリロイル基以外のエチレン性不飽和基を有する上記以外のモノマーとを含む共重合体であってもよい。また、複数の(メタ)アクリルポリマーの混合物であってもよい。
(a)成分のカルボキシル基含有アルカリ可溶性ポリマーの重量平均分子量は、1,000〜3,000,000であることが好ましい。1,000以上であれば分子量が大きいため樹脂組成物とした場合の硬化物の強度が十分であり、3,000,000以下であれば、アルカリ性の現像液に対する溶解性や(b)重合性化合物との相溶性が良好である。
以上の観点から、(a)成分の重量平均分子量は3,000〜2,000,000とすることがさらに好ましく、5,000〜1,000,000であることが特に好ましい。
なお、本発明における重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定し、標準ポリスチレン換算した値である。
(a)成分のカルボキシル基含有アルカリ可溶性ポリマーは、現像によりパターンを形成する工程において、アルカリ性現像液により現像可能となるように酸価を規定することが好ましい。例えば、アルカリ性現像液を用いる場合には、酸価が20〜300mgKOH/gであることが好ましい。
酸価が20mgKOH/g以上であれば現像が容易で、300mgKOH/g以下であれば耐現像液性が低下することがない。以上の観点から、酸価は30〜250mgKOH/gであることがさらに好ましく、40〜200mgKOH/gであることが特に好ましい。
なお、耐現像液性とは、現像により除去されずにパターンとなるレジスト膜が、現像液によって侵されない性質をいう。
また、アルカリ性現像液に、アルカリ性水溶液と1種以上の有機溶剤からなるアルカリ性準水系現像液を用いる場合には、酸価が10〜260mgKOH/gであることが好ましい。酸価が10mgKOH/g以上であれば現像が容易で、260mgKOH/g以下であれば耐現像液性が低下することがない。以上の観点から、酸価は20〜250mgKOH/gであることがさらに好ましく、30〜200mgKOH/gであることが特に好ましい。
(a)成分の配合量は、(a)成分及び(b)成分の総量に対して、10〜85質量%であることが好ましい。10質量%以上であれば、光導波路形成用感光性樹脂組成物の硬化物の強度や可撓性が十分で、85質量%以下であれば、露光時に(b)成分によって絡め込まれて容易に硬化し、耐現像液性が不足することがない。以上の観点から、(a)成分の配合量は20〜80質量%であることがさらに好ましく、25〜75質量%であることが特に好ましい。
((b)重合性化合物)
(b)成分の重合性化合物としては、特に制限はなく、例えば、エチレン性不飽和基などの重合性置換基を有する化合物や分子内に2つ以上のエポキシ基を有する化合物などが好適に挙げられる。
具体的には、(メタ)アクリレート、ハロゲン化ビニリデン、ビニルエーテル、ビニルエステル、ビニルピリジン、ビニルアミド、アリール化ビニルなどが挙げられるが、これらのうち透明性の観点から、(メタ)アクリレートやアリール化ビニルであることが好ましい。(メタ)アクリレートとして、単官能のもの、2官能のもの又は3官能以上の多官能のもののいずれも用いることができる。
単官能(メタ)アクリレートとしては、特に制限はなく、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチルヘプチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどの脂肪族(メタ)アクリレート;シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートなどの脂環式(メタ)アクリレート;フェニル(メタ)アクリレート、ノニルフェニル(メタ)アクリレート、p−クミルフェニル(メタ)
アクリレート、o−ビフェニル(メタ)アクリレート、1−ナフチル(メタ)アクリレート、2−ナフチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(o−フェニルフェノキシ)プロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(1−ナフトキシ)プロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(2−ナフトキシ)プロピル(メタ)アクリレートなどの芳香族(メタ)アクリレート;2−テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、N−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−N−カルバゾールなどの複素環式(メタ)アクリレート;これらのエトキシ化体;これらのプロポキシ化体;これらのエトキシ化プロポキシ化体;これらのカプロラクトン変性体などが挙げられる。
これらの中でも、透明性及び耐熱性の観点から、上記脂環式(メタ)アクリレート;上記複素環式(メタ)アクリレート;これらのエトキシ化体;これらのプロポキシ化体;これらのエトキシ化プロポキシ化体;これらのカプロラクトン変性体であることが好ましい。
2官能(メタ)アクリレートとしては、特に制限はなく、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノール(メタ)アクリレートなどの脂肪族(メタ)アクリレート;シクロヘキサンジメタノール(メタ)アクリレート、エトキシ化シクロヘキサンジメタノール(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノール(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールFジ(メタ)アクリレートなどの脂環式(メタ)アクリレート;ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAFジ(メタ)アクリレート、フルオレン型ジ(メタ)アクリレートなどの芳香族(メタ)アクリレート;イソシアヌル酸ジ(メタ)アクリレートなどの複素環式(メタ)アクリレート;これらのエトキシ化体;これらのプロポキシ化体;これらのエトキシ化プロポキシ化体;これらのカプロラクトン変性体;ネオペンチルグリコール型エポキシ(メタ)アクリレートなどの脂肪族エポキシ(メタ)アクリレート;シクロヘキサンジメタノール型エポキシ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールF型エポキシ(メタ)アクリレートなどの脂環式エポキシ(メタ)アクリレート;レゾルシノール型エポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノールF型エポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAF型エポキシ(メタ)アクリレート、フルオレン型エポキシ(メタ)アクリレートなどの芳香族エポキシ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
これらの中でも、透明性及び耐熱性の観点から、上記脂環式(メタ)アクリレート;上記芳香族(メタ)アクリレート;上記複素環式(メタ)アクリレート;これらのエトキシ化体;これらのプロポキシ化体;これらのエトキシ化プロポキシ化体;これらのカプロラクトン変性体;上記脂環式エポキシ(メタ)アクリレート;上記芳香族エポキシ(メタ)アクリレートであることが好ましい。
3官能以上の多官能(メタ)アクリレートとしては、特に制限はなく、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどの脂肪族(メタ)アクリレート;イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレートなどの複素環式(メタ)アクリレート;これらのエトキシ化体;これらのプロポキシ化体;これらのエトキシ化プロポキシ化体;これらのカプロラクトン変性体;フェノールノボラック型エポキシ(メタ)アクリレート、クレゾールノボラック型エポキシ(メタ)アクリレートなどの芳香族エポキシ(メタ)アクリ
レートが挙げられる。
これらの中でも、透明性及び耐熱性の観点から、上記複素環式(メタ)アクリレート;これらのエトキシ化体;これらのプロポキシ化体;これらのエトキシ化プロポキシ化体;これらのカプロラクトン変性体;上記芳香族エポキシ(メタ)アクリレートであることが好ましい。
上述の単官能(メタ)アクリレート、2官能(メタ)アクリレート、3官能以上の多官能(メタ)アクリレートは、それぞれ、単独又は2種類以上組み合わせて使用することができる。また、官能基数の異なる(メタ)アクリレートを組み合わせて用いることもできる。さらにその他の重合性化合物と組み合わせて使用することもできる。
また、前記(メタ)アクリレート以外に好ましい(b)重合性化合物として、(a)カルボキシル基含有アルカリ可溶性ポリマーとの相溶性の観点から、分子内に2つ以上のエポキシ基を有する化合物を含むものも挙げられる。エポキシ基は熱硬化によってカルボキシル基と反応し、アルカリ性溶液への可溶性は失活するが、全てのカルボキシル基が完全に失活しなければ本発明の効果は得られる。
分子内に2つ以上のエポキシ基を有する化合物の具体例としては、ヒドロキノン型エポキシ樹脂、レゾルシノール型エポキシ樹脂、カテコール型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、テトラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂などの2官能フェノールグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水添2,2’−ビフェノール型エポキシ樹脂、水添4,4’−ビフェノール型エポキシ樹脂などの水添2官能フェノールグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン−フェノール型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン−クレゾール型エポキシ樹脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂などの3官能以上の多官能フェノールグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;ポリエチレングリコール型エポキシ樹脂、ポリプロピレングリコール型エポキシ樹脂、ネオペンチルグリコール型エポキシ樹脂、1,6−ヘキサンジオール型エポキシ樹脂などの2官能脂肪族アルコールグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;シクロヘキサンジオール型エポキシ樹脂、シクロヘキサンジメタノール型エポキシ樹脂、トリシクロデカンジメタノール型エポキシ樹脂などの2官能脂環式アルコールグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;トリメチロールプロパン型エポキシ樹脂、ソルビトール型エポキシ樹脂、グリセリン型エポキシ樹脂などの3官能以上の多官能脂肪族アルコールグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;フタル酸ジグリシジルエステルなどの2官能芳香族グリシジルエステル;テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステルなどの2官能脂環式グリシジルエステル;N,N−ジグリシジルアニリン、N,N−ジグリシジルトリフルオロメチルアニリンなどの2官能芳香族グリシジルアミン;N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4−ジアミノジフェニルメタン、1,3−ビス(N,N−グリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,o−トリグリシジル−p−アミノフェノールなどの3官能以上の多官能芳香族グリシジルアミン;アリサイクリックジエポキシアセタール、アリサイクリックジエポキシアジペート、アリサイクリックジエポキシカルボキシレート、ビニルシクロヘキセンジオキシドなどの2官能脂環式エポキシ樹脂;2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加体などの3官能以上の多官能脂環式エポキシ樹脂;トリグリシジルイソシアヌレートなどの3官能以上の多官能複素環式エポキシ樹脂;オルガノポリシロキサン型エポキシ樹脂などのケイ素含有2官能又は3官能以上の多官能エポキシ樹脂などが挙げられる。
これらの中でも、透明性及び耐熱性の観点から、上記2官能フェノールグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;上記水添2官能フェノールグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;上記3官能以上の多官能フェノールグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;上記2官能脂環式アルコールグリシジルエーテルフェノールグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;上記2官能芳香族グリシジルエステルフェノールグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;上記2官能脂環式グリシジルエステルフェノールグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;上記2官能脂環式エポキシ樹脂;上記多官能脂環式エポキシ樹脂;上記多官能複素環式エポキシ樹脂;上記2官能又は多官能ケイ素含有エポキシ樹脂であることが好ましい。
以上の化合物は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができ、さらにその他の重合性化合物と組み合わせて使用することもできる。
(b)成分の重合性化合物の配合量は、(a)成分及び(b)成分の総量に対して、15〜90質量%であることが好ましい。15質量%以上であれば、(a)成分のカルボキシル基含有アルカリ可溶性ポリマーを絡みこんで硬化することが容易で、耐現像液性が不足することがなく、90質量%以下であれば、硬化フィルムのフィルム強度や可撓性が十分である。以上の観点から、(b)成分の配合量は20〜80質量%であることがさらに好ましく、25〜75質量%であることが特に好ましい。
((c)光重合開始剤)
(c)成分の光重合開始剤として、紫外線などの活性光線の照射によって重合を開始させるものであれば特に制限はなく、例えば、(b)成分の重合性化合物としてエチレン性不飽和基を有する化合物を用いる場合、光ラジカル重合開始剤などが挙げられる。
光ラジカル重合開始剤としては、特に制限はなく、例えば、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オンなどのベンゾインケタール;1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)ベンジル]フェニル}−2−メチルプロパン−1−オンなどのα−ヒドロキシケトン;フェニルグリオキシル酸メチル、フェニルグリオキシル酸エチル、オキシフェニル酢酸2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル、オキシフェニル酢酸2−(2−オキソ−2−フェニルアセトキシエトキシ)エチルなどのグリオキシエステル;2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリン−4−イルフェニル)−ブタン−1−オン、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イルフェニル)−ブタン−1−オン、1,2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−(4−モルフォリン)−2−イルプロパン−1−オンなどのα−アミノケトン;1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ),2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル],1−(O−アセチルオキシム)などのオキシムエステル;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドなどのホスフィンオキシド;2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体などの2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体;ベンゾフェノン、N,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、N,N’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノンなどのベンゾフェノン化合物;2−エチルアントラキノン、フェナントレンキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、2,3−ベンズアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−メチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナントラキノン、2−メチル−1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルアントラキノンなどのキノン化合物;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテルなどのベンゾインエーテル;ベンゾイン、メチルベンゾイン、エチルベンゾインなどのベンゾイン化合物;ベンジルジメチルケタールなどのベンジル化合物;9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9、9’−アクリジニルヘプタン)などのアクリジン化合物:N−フェニルグリシン、クマリンなどが挙げられる。
また、前記2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体において、2つのトリアリールイミダゾール部位のアリール基の置換基は、同一で対称な化合物を与えてもよく、相違して非対称な化合物を与えてもよい。
以上の光ラジカル重合開始剤は、単独で又は2種類以上組み合わせて用いることができ
る。さらに、適切な増感剤と組み合わせて用いることもできる。
また、(b)成分の重合性化合物としてエポキシ樹脂を用いる場合、(c)成分の光重合開始剤として、光カチオン重合開始剤などが挙げられる。
光カチオン重合開始剤として、例えばp−メトキシベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロホスフェートなどのアリールジアゾニウム塩;ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート等のジアリールヨードニウム塩;トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニル−4−チオフェノキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニル−4−チオフェノキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニル−4−チオフェノキシフェニルスルホニウムペンタフルオロヒドロキシアンチモネート等のトリアリールスルホニウム塩;トリフェニルセレノニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルセレノニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルセレノニウムヘキサフルオロアンチモネート等のトリアリールセレノニウム塩;ジメチルフェナシルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジエチルフェナシルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート等のジアルキルフェナシルスルホニウム塩;4−ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−ヒドロキシフェニルベンジルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート等のジアルキル−4−ヒドロキシ塩;α−ヒドロキシメチルベンゾインスルホン酸エステル、N−ヒドロキシイミドスルホネート、α−スルホニロキシケトン、β−スルホニロキシケトン等のスルホン酸エステルなどが挙げられる。
これらの中で、硬化性、耐熱性の観点から、上記トリアリールスルホニウム塩であることが好ましい。これらの熱及び光カチオン重合開始剤は、単独で又は2種類以上組み合わせて用いることができる。さらに適切な増感剤と組み合わせて用いることもできる。
(c)成分の重合開始剤の配合量は、(a)成分及び(b)成分の総量100質量部に対して、0.1〜10質量部であることが好ましい。0.1質量部以上であれば、硬化が十分であり、10質量部以下であれば光導波路用のレジスト膜(クラッド層やコア層)として用いる場合に十分な光透過性が得られる。以上の観点から、(c)成分の配合量は0.3〜7質量部であることがさらに好ましく、0.5〜5質量部であることが特に好ましい。
また、この他に必要に応じて、本発明に用いられるレジスト層形成用感光性樹脂組成物中には、酸化防止剤、黄変防止剤、紫外線吸収剤、可視光吸収剤、着色剤、可塑剤、安定剤、充填剤などのいわゆる添加剤を添加してもよい。
[工程(E)]
本発明の製造方法における工程(E)は、前記工程(D)により形成したパターン化したレジスト層を洗浄する工程である。
当該洗浄は、前述の工程(G)に示したレジスト膜洗浄液と同様の洗浄液を用いて、同様の方法で洗浄することができる。すなわち、純水、酸性溶液、及び2価以上の金属イオンを含む溶液から選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましい。
[工程(F)]
前記工程[E]の洗浄工程の後に、該パターン化したレジスト層を乾燥する工程を有することが好ましい。乾燥方法としては特に限定はないが、常温でのエアブロー、及び60℃〜150℃に加温しての加熱乾燥などの方法を挙げることができる。
(電気配線板、光導波路、及び光電気複合基板の加工)
本発明の好適な態様である、電気配線板、光導波路、及び光電気複合基板におけるレジスト膜のアルカリ性洗浄液による洗浄工程は、レジスト膜形成後であれば特に限定はないが、一部の外形を加工した後に行うと、加工時に発生したレジスト膜の破片や、レジスト膜に付着した異物等を効率的に除去できる点で好ましい。
電気配線板、光導波路、及び光電気複合基板の外形加工の方法としては、特に限定はなく、ダイシングソーやレーザアブレーションによる切削加工、刃型や金型を用いた打ち抜き加工が挙げられる。特にダイシングソーヤレーザアブレーションを用いると加工精度よく加工できるためより好ましい。
また、光導波路、光電気複合基板の場合、レジスト膜のアルカリ性洗浄液による洗浄工程は、光路変換ミラーを形成した後に行うことが好ましい。光路変換ミラー加工工程で発生した異物を効率的に除去することができるからである。
なお、光路変換ミラーは、コアパターンの光軸上に傾斜面からなり、コアパターンを伝搬する光信号を略90度に変換する機構であれば特に限定はなく、下部クラッド層、コアパターン、上部クラッド層を形成した後に、上部クラッド層側から、45度の角度を有するダイシングブレードを用いて、切削加工し、45度の傾斜面を形成する方法や、レーザアブレーションを用いて同じく45度の傾斜面を切削する方法が挙げられる。
本発明のレジスト膜の製造方法は、電気配線板、光導波路、及び光電気複合基板の製造方法に適するものであり、当該製造方法により製造されたレジスト膜を有する電気配線板、光導波路、及び光電気複合基板は、異物が少ないという特徴を有する。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されない。
[評価方法]
クラッド層形成用樹脂フィルム、絶縁樹脂層形成用樹脂フィルムのベースポリマーである(メタ)アクリルポリマー(I)の重量平均分子量及び酸価は、以下の方法により測定した。
(1)重量平均分子量
ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)(東ソー(株)製、製品名「SD−8022」、「DP−8020」及び「RI−8020」)を用いて測定した。なお、カラムは、日立化成(株)製、商品名「Gelpack GL−A150−S」及び「Gelpack GL−A160−S」を使用した。
(2)酸価
得られたポリマー溶液に0.1mol/Lの水酸化カリウム水溶液を滴下し、中和に要した水酸化カリウム水溶液量から算出した。このとき、指示薬として添加したフェノールフタレインが無色からピンク色に変色した点を中和点とした。
(3)切削くずの除去率の評価方法
切削加工した後の製品に付着したレジスト膜起因の切削くずの個数A、アルカリ溶液による洗浄を行った後にも残存した切削くずの個数Bをカウントし、式;(A−B)/A(%)にて切削くずの除去率を算出した。なお、切削くずは光学顕微鏡を用いて、200倍の倍率で観察して個数をカウントしたものである。
(4)樹脂塊の除去率の評価方法
レジスト層を露光及び硬化によってレジスト膜とした後の製品に付着したレジスト起因の樹脂塊の個数A、アルカリ溶液による洗浄を行った後にも残存した樹脂塊の個数Bをカウントし、式;(A−B)/A(%)にて樹脂塊の除去率を算出した。なお、樹脂塊は光学顕微鏡を用いて、200倍の倍率で観察して個数をカウントしたものである。
(5)基板片の除去率の評価方法
切削加工した後の製品に付着した基板起因の基板片(切削くず)の個数A、アルカリ溶液による洗浄を行った後にも残存した基板片(切削くず)の個数Bをカウントし、式;(A−B)/A(%)にて基板片の除去率を算出した。なお、基板片は光学顕微鏡を用いて、200倍の倍率で観察して個数をカウントしたものである。
製造例1
[クラッド層形成用樹脂フィルムの作製]
(1)ベースポリマー;(メタ)アクリルポリマー(I)の作製
撹拌機、冷却管、ガス導入管、滴下ろうと、及び温度計を備えたフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート46質量部、及び乳酸メチル23質量部を秤量し、窒素ガスを導入しながら撹拌を行った。液温を65℃に上昇させ、メチルメタクリレート47質量部、ブチルアクリレート33質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート16質量部、メタクリル酸14質量部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)3質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート46質量部、及び乳酸メチル23質量部の混合物を3時間かけて滴下後、65℃で3時間撹拌し、さらに95℃で1時間撹拌を続けて、(メタ)アクリルポリマー(I)溶液(固形分45質量%)を得た。
得られた(メタ)アクリルポリマー(I)の重量平均分子量(標準ポリスチレン換算)は3.9×104であり、酸価は79mgKOH/gであった。
(2)クラッド層形成用樹脂ワニスの調合
(i)ベースポリマーとして、上記(I)溶液(固形分45質量%)84質量部(固形分38質量部)、(ii)光硬化成分として、ポリエステル骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート(新中村化学工業(株)製、商品名「U−200AX」)33質量部、及びポリプロピレングリコール骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート(新中村化学工業(株)製、商品名「UA−4200」)15質量部、(iii)熱硬化成分として、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート型三量体をメチルエチルケトンオキシムで保護した多官能ブロックイソシアネート溶液(固形分75質量%)(住化バイエルウレタン(株)製、商品名「スミジュールBL3175」)20質量部(固形分15質量部)、(iv)光重合開始剤として、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(チバ・ジャパン(株)製、商品名「イルガキュア2959」)1質量部、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(チバ・ジャパン(株)製、商品名「イルガキュア819」)1質量部、及び希釈用有機溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート23質量部を撹拌しながら混合し混合物を得た。そして、その混合物を孔径2μmのポリフロンフィルタ(アドバンテック東洋(株)製、商品名「PF020」)を用いて加圧濾過後、減圧脱泡し、クラッド層形成用樹脂ワニスを得た。
(3)クラッド層形成用樹脂フィルムの作製
上記で得られたクラッド層形成用樹脂ワニスを、PETフィルム(東洋紡績(株)製、商品名「コスモシャインA4100」、厚み50μm)の非処理面上に、塗工機((株)ヒラノテクシード製、製品名「マルチコーターTM−MC」)を用いて塗布し、100℃で20分乾燥後、保護フィルムとして表面離型処理PETフィルム(帝人デュポンフィルム(株)製「ピューレックスA31」、厚み25μm)を貼付け、クラッド層形成用樹脂フィルムを得た。
なお、クラッド層形成用樹脂フィルムから形成されるクラッド層の厚みは、塗工機のギャップを調節することで任意に調整可能である。また、PETフィルムに塗工後のクラッド層の膜厚と、硬化後の膜厚とは同一であった。本実施例で用いたクラッド層形成用樹脂フィルムの膜厚についても実施例中に記載する。実施例中に記載するクラッド層形成用樹脂フィルムの膜厚は塗工後の膜厚とする。
(4)コア層形成用樹脂フィルムの作製
(i)ベースポリマーとして、フェノキシ樹脂(商品名:フェノトートYP−70、東都化成株式会社製)26質量部、(ii)光重合性化合物として、9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン(商品名:A−BPEF、新中村化学工業株式会社製)36質量部、及びビスフェノールA型エポキシアクリレート(商品名:EA−1020、新中村化学工業株式会社製)36質量部、(iii)光重合開始剤として、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド(商品名:イルガキュア819、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)1質量部、及び1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(商品名:イルガキュア2959、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)1質量部、有機溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート40質量部を用いたこと以外は上記製造例と同様の方法及び条件でコア層形成用樹脂ワニスBを調合した。その後、上記製造例と同様の方法及び条件で加圧濾過さらに減圧脱泡した。
上記で得られたコア層形成用樹脂ワニスBを、PETフィルム(商品名:コスモシャインA1517、東洋紡績(株)製、厚さ:16μm)の非処理面上に、上記製造例と同様な方法で塗布乾燥し、次いで保護フィルムとして離型PETフィルム(商品名:ピューレックスA31、帝人デュポンフィルム(株)、厚さ:25μm)を離型面が樹脂側になるように貼り付け、コア層形成用樹脂フィルムを得た。このとき樹脂層の厚みは、塗工機のギャップを調節することで任意に調整可能であり、本実施例では使用したコア層形成用樹脂フィルム厚みに付いては、実施例中に記載する。実施例中に記載するコア層形成用樹脂フィルムの膜厚は塗工後の膜厚とする。
実施例1(光導波路におけるレジスト膜の作製)
<下部クラッド層の形成>
基板として100mm×100mmポリイミドフィルム(ポリイミド;ユーピレックスRN(宇部日東化成(株)製)、厚み;25μm)上に、上記製造例1(3)で得られた15μm厚みのクラッド層形成用樹脂フィルムの保護フィルムを剥離した後に、真空加圧式ラミネータ((株)名機製作所製、MVLP−500)を用い、500Pa以下に真空引きした後、圧力0.4MPa、温度110℃、加圧時間30秒の条件にて加熱圧着して、ラミネートした。続いて、紫外線露光機((株)オーク製作所製、EXM−1172)を用いて、クラッド層形成用樹脂フィルムの支持フィルム側から紫外線(波長365nm)を3J/cm2で照射して光硬化した。その後、支持フィルムを剥離し、170℃1時間加熱して下部クラッド層を熱硬化した。
<コアパターンの形成>
次いで、上記で形成した下部クラッド層形成面側から、上記製造例1(4)で得られた45μm厚みのコア層形成用樹脂フィルムを、保護フィルムを剥離した後に、ロールラミネータ(日立化成テクノプラント(株)製、HLM−1500)を用い、圧力0.4MPa、温度50℃、ラミネート速度0.2m/minの条件でラミネートした。次に、上記の真空加圧式ラミネータ((株)名機製作所製、MVLP−500)を用い、500Pa以下に真空引きした後、圧力0.4MPa、温度70℃、加圧時間30秒の条件にて加熱圧着した。
続いて、開口部(45μm×80mm)が、250μmピッチで8箇所設けられたネガ型フォトマスクを開口部が下部クラッド層上になるように、ネガ型フォトマスクを介して、支持フィルム側から上記紫外線露光機を用いて、紫外線(波長365nm)を0.8J/cm2で照射し、80℃で5分間露光後加熱を行った。その後、支持フィルムであるPETフィルムを剥離し、現像液(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/N,N−ジメチルアセトアミド=8/2、質量比)を用いてエッチングした。続いて、洗浄液(イソプロパノール)を用いて洗浄し、100℃で10分間加熱乾燥し、コアパターンを形成した。
<上部クラッド層の形成>
上記製造例1(3)で得られた75μm厚みのクラッド層形成用樹脂フィルムの保護フィルムを剥離した後に、真空加圧式ラミネータ((株)名機製作所製、MVLP−500)を用い、500Pa以下に真空引きした後、圧力0.4MPa、温度110℃、加圧時間30秒の条件にて加熱圧着して、ラミネートした。続いて、紫外線露光機((株)オーク製作所製、EXM−1172)を用いて、開口部(90mm×90mm)を有するネガ型フォトマスクを介して開口部内にコアパターンが内包されるように位置を合わせ、クラッド層形成用樹脂フィルムの支持フィルム側から紫外線(波長365nm)を350mJ/cm2で照射した。その後、支持フィルムを剥離し、アルカリ性現像液として1重量%炭酸カリウム水溶液を用いて現像し、レジスト層洗浄液として1質量%塩化カルシウム水溶液で、30秒洗浄し、さらに純水にて30秒洗浄した(第1表中では「CaCl2+水」と記載)。次いで、100℃で5分乾燥した。さらに上部クラッド層形成面側から上記紫外線露光機を用いて3.0J/cm2照射して光硬化し、その後、170℃1時間加熱して上部クラッド層とコアパターンを熱硬化した(第1表中では「光硬化+熱硬化」と記載)。
得られた光導波路の表面には、上部クラッド層起因の樹脂塊の異物が付着していた。
<光路変換ミラー及び外形加工>
上部クラッド層形成面側から、コアパターンに対して垂直にダイシングソー(DAC552、(株)ディスコ社製)を用いて下部クラッド層中心までの深さの対向した45°の傾斜面からなる光路変換ミラーを2箇所設けた(光路変換ミラー間距離:40mm)。
得られた光導波路の上部クラッド層形成面側から、ダイシングソー(DAC552、(株)ディスコ社製)を用いてコアパターンの端面に露出するように長さが50mmで両端面を形成した。
得られた光路変換ミラー付きの光導波路には、切削で発生したクラッドの切削くずの異物が付着していた。
<光導波路のアルカリ性洗浄液による洗浄>
上記で得られた光路変換ミラー付きの光導波路を、pH10に調整したアルカリ性洗浄液(水酸化ナトリウム水溶液)を用いて洗浄し、レジスト膜洗浄液として(1質量%塩化カルシウム水溶液)で、30秒洗浄し、さらに純水にて30秒洗浄した(第1表中では「CaCl2+水」と記載)。次いで、100℃で5分乾燥レジスト膜を製造した。評価結果を第1表に示す。クラッドの切削くずは98%除去でき良好であった。また、上部クラッド層現像時に付着した樹脂塊の除去率は65%であり良好であった。
実施例2
実施例1においてpH12に調整したアルカリ性洗浄液(水酸化カリウム水溶液)を用いて洗浄した以外は同様の方法でレジスト膜を製造した。評価結果を第1表に示す。クラッドの切削くずは97%除去でき良好であった。また、上部クラッド層現像時に付着した樹脂塊の除去率は55%であり良好であった。
実施例3
実施例1においてpH8に調整したアルカリ性洗浄液(炭酸カリウム水溶液)を用いて洗浄した以外は同様の方法でレジスト膜を製造した。評価結果を第1表に示す。クラッドの切削くずは95%除去でき良好であった。また、上部クラッド層現像時に付着した樹脂塊の除去率は59%であり良好であった。
実施例4
実施例1においてpH9に調整したアルカリ性洗浄液(炭酸ナトリウム水溶液)を用いて洗浄した以外は同様の方法でレジスト膜を製造した。評価結果を第1表に示す。クラッドの切削くずは92%除去でき良好であった。また、上部クラッド層現像時に付着した樹脂塊の除去率は51%であり良好であった。
実施例5
レジスト層洗浄液及びレジスト膜洗浄液として、純水に濃塩酸を加えてpHを2に調整した塩酸を調製した。実施例1において、レジスト層洗浄液及びレジスト膜洗浄液として当該塩酸を用いたこと以外は実施例1と同様の方法でレジスト膜を製造した。評価結果を第1表に示す。クラッドの切削くずは98%除去でき良好だった。また、上部クラッド層現像時に付着した樹脂塊の除去率は70%であり良好であった。
実施例6
実施例5において、レジスト層洗浄液及びレジスト膜洗浄液である塩酸のpHを4に調整したこと以外は、実施例5と同様の方法でレジスト膜を製造した。評価結果を第1表に示す。クラッドの切削くずは96%除去でき良好だった。また、上部クラッド層現像時に付着した樹脂塊の除去率は57%であり良好であった。
実施例7
レジスト層洗浄液及びレジスト膜洗浄液として、純水に濃硝酸を加えてpHを3に調整した硝酸を調製した。実施例1において、レジスト層洗浄液及びレジスト膜洗浄液として当該硝酸を用いたこと以外は実施例1と同様の方法でレジスト膜を製造した。評価結果を第1表に示す。クラッドの切削くずは96%除去でき良好だった。また、上部クラッド層現像時に付着した樹脂塊の除去率は57%であり良好であった。
実施例8
実施例1において、レジスト層洗浄液及びレジスト膜洗浄液を共に純水としたこと以外は実施例1と同様の方法でレジスト膜を製造した。評価結果を第1表に示す。クラッドの切削くずは96%除去でき良好だった。また、上部クラッド層現像時に付着した樹脂塊の除去率は77%であり良好であった。
実施例9
実施例1において、上部クラッド層及びコアパターンの光硬化のみを行い、熱硬化を行わず、レジスト膜の洗浄の後に、実施例1と同様の条件で熱硬化して、レジスト膜を製造した。評価結果を第1表に示す。クラッドの切削くずは94%除去でき良好だった。また、上部クラッド層現像時に付着した樹脂塊の除去率は80%であり良好であった。
比較例1
実施例1において、上部クラッド層の光硬化及び熱硬化を共に行わなかったこと以外は実施例1と同様の方法でレジスト膜を製造した。評価結果を第1表に示す。レジスト膜洗浄液を用いてクラッドの切削くずの除去を試みたところ、上部クラッド層が剥離した。
比較例2
実施例1において、アルカリ性洗浄液での洗浄を行わなかったこと以外は実施例1と同様の方法でレジスト膜を製造した。評価結果を第1表に示す。クラッドの切削くずの除去率は45%であった。また、上部クラッド層現像時に付着した樹脂塊の除去率は10%であった。
実施例10(電気配線板におけるレジスト膜の作製)
<電気配線の形成>
金属箔付きの基板として100mm×100mmの片面銅箔ポリイミドフィルム(新日鉄住金(株)製、商品名:MC12−25−00CEM(銅箔は古河電気工業(株)製、商品名:F2−WS))の銅箔面に保護フィルムを剥離した感光性ドライフィルム(日立化成(株)製、商品名:フォテック、厚さ:25μm)をロールラミネータ(日立化成テクノプラント(株)製、HLM−1500)を用い圧力0.4MPa、温度110℃、ラミネート速度1.0m/minの条件でラミネートした。その後、紫外線露光機((株)オーク製作所製、EXM−1172)を用いて、開口部(30mm×150μm×5箇所、250μm間隔)を有するネガ型フォトマスクを介して紫外線(波長365nm)を350mJ/cm2で照射した。その後、ドライフィルムの支持フィルムを剥離し、現像液(1%炭酸ナトリウム水溶液)を用いて、未硬化のドライフィルムを現像除去し、次いで塩化第二鉄水溶液にて、銅箔をエッチングした。さらに剥離液(3%水酸化ナトリウム水溶液)にて、硬化したドライフィルムを剥離除去し、電気配線板を得た。
<レジスト膜の形成>
上記製造例1(3)で得られた25μm厚みのクラッド層形成用樹脂フィルムを電気配線保護用のレジスト膜形成用樹脂フィルムとして用いた。まずクラッド層形成用樹脂フィルムの保護フィルムを剥離した後に、真空加圧式ラミネータ((株)名機製作所製、MVLP−500)を用い、500Pa以下に真空引きした後、圧力0.4MPa、温度110℃、加圧時間30秒の条件にて加熱圧着して、ラミネートした。続いて、紫外線露光機((株)オーク製作所製、EXM−1172)を用いて、開口部(90mm×90mm)を有するネガ型フォトマスクを介して開口部内に電気配線が内包されるように位置を合わせ、クラッド層形成用樹脂フィルムの支持フィルム側から紫外線(波長365nm)を350mJ/cm2で照射した。その後、支持フィルムを剥離し、アルカリ性現像液として1質量%炭酸カリウム水溶液を用いて現像し、レジスト層洗浄液として1質量%塩化カルシウム水溶液で、30秒洗浄し、さらに純水にて30秒洗浄した(第1表中では「CaCl2+水」と記載)。次いで、100℃で5分乾燥した。さらに上部クラッド層形成面側から上記紫外線露光機を用いて3.0J/cm2照射して光硬化し、その後、170℃1時間加熱してレジスト層を熱硬化した。
得られた電気配線板の表面には、レジスト膜起因の樹脂塊の異物が付着していた。
<外形加工>
ダイシングソー(DAC552、(株)ディスコ社製)を用いて、レジスト膜成面側から、50mm×50mmのサイズで基板及びレジスト膜を切断し外形加工を行った。電気配線板には、切削で発生した基板及びレジスト膜の切削くずの異物が付着していた。
<電気配線板のアルカリ性洗浄液による洗浄>
上記で得られた電気配線板を、pH10に調整したアルカリ性洗浄液(水酸化ナトリウム水溶液)を用いて洗浄し、レジスト膜洗浄液として(1質量%塩化カルシウム水溶液)で、30秒洗浄し、さらに純水にて30秒洗浄した。次いで、100℃で5分乾燥した。レジスト膜の切削くずの除去率は97%であった。また、レジスト膜に付着した基板片の除去率は90%であった。レジスト膜現像時に付着した樹脂塊の除去率は60%であった。
実施例11
実施例10において、レジスト膜洗浄液として1質量%塩化マグネシウム水溶液を用い(第1表中では「MgCl2+水」と記載)、アルカリ性洗浄液としてpH12に調整した水酸化カリウム水溶液を用いて洗浄したこと以外は実施例10と同様の方法でレジスト膜を製造した。評価結果を第1表に示す。レジスト膜の切削くずの除去率は99%であった。また、レジスト膜に付着した基板片の除去率は85%であった。レジスト層現像時に付着した樹脂塊の除去率は60%であり良好であった。
実施例12
実施例10においてpH8に調整したアルカリ性洗浄液(炭酸カリウム水溶液)を用いて洗浄したこと以外は実施例10と同様の方法でレジスト膜を製造した。評価結果を第1表に示す。レジスト膜の切削くずの除去率は98%であった。また、レジスト膜に付着した基板片の除去率は85%であった。レジスト層現像時に付着した樹脂塊の除去率は58%であった。
実施例13
実施例10においてpH9に調整したアルカリ性洗浄液(炭酸ナトリウム水溶液)を用いて洗浄したこと以外は実施例10と同様の方法でレジスト膜を製造した。評価結果を第1表に示す。レジスト膜の切削くずの除去率は95%であった。また、レジスト膜に付着した基板片の除去率は87%であった。レジスト層現像時に付着した樹脂塊の除去率は55%であった。
比較例3
実施例10において、レジスト層の光硬化及び熱硬化を共に行わなかったこと以外は実施例10と同様の方法でレジスト膜を製造した。評価結果を第1表に示す。アルカリ性洗浄液を用いてレジスト膜の切削くずの除去を試みたところ、レジスト層が剥離した。
比較例4
実施例10において、アルカリ性洗浄液での洗浄を行わなかったこと以外は実施例10と同様の方法でレジスト膜を製造した。評価結果を第1表に示す。レジスト膜の切削くずの除去率は42%であった。また、また、レジスト膜に付着した基板片の除去率は35%であり、上部クラッド層現像時に付着した樹脂塊の除去率は4%であった。
実施例14(光電気複合基板におけるレジスト膜の作製)
実施例10で得られた外形加工前のレジスト膜付きの電気配線板のレジスト膜形成面と反対の面に、実施例1と同様の方法で光導波路を形成し、光路変換ミラー及び外形加工を行い、光電気複合基板を得た。
上記で得られた光電気複合基板を、pH10に調整したアルカリ性洗浄液(水酸化ナトリウム水溶液)を用いて洗浄し、レジスト膜洗浄液として(1質量%塩化カルシウム水溶液)で、30秒洗浄し、さらに純水にて30秒洗浄した。次いで、100℃で5分乾燥した。レジスト膜の切削くずの除去率は97%であり(第1表中では「レジスト膜クズ」と記載)、レジスト膜に付着した基板片の除去率は90%であった。また、クラッドの切削くずの除去率は95%であり(第1表中では「クラッドクズ」と記載)、レジスト膜現像時に付着した樹脂塊の除去率は60%であった(第1表中では「レジスト膜塊」と記載)。上部クラッド層現像時に付着した樹脂塊の除去率は56%であり良好であった(第1表中では「クラッド塊」と記載)。
Figure 2014193961
本発明のレジスト膜の製造方法を用いることで、レジスト膜に付着した異物や、切削加工によって発生したレジスト膜起因の異物を効率よく除去できるため、異物不良の少ない光導波路、電気配線板、光電気複合基板を得られる。このため、各種電気信号処理装置、各種光学装置、光インタコネクション等の幅広い分野に適用可能である。

Claims (24)

  1. 被写体上にレジスト層を形成する工程(A)、該レジスト層を硬化してレジスト膜とする工程(B)の後に、該レジスト膜をアルカリ性溶液で洗浄する工程(C)を有するレジスト膜の製造方法。
  2. 前記工程(A)により形成したレジスト層を、露光及びアルカリ現像によりパターン化したレジスト層を形成する工程(D)、該パターン化したレジスト層を洗浄する工程(E)、及び該パターン化したレジスト層を乾燥する工程(F)をさらに有する請求項1に記載のレジスト膜の製造方法。
  3. 前記工程(A)により形成したレジスト層が、感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂層である請求項1又は2に記載のレジスト膜の製造方法。
  4. 前記工程(E)で用いるレジスト層洗浄液が、純水、酸性溶液、及び2価以上の金属イオンを含む溶液から選ばれる少なくとも1種を用いる請求項2又は3に記載のレジスト膜の製造方法。
  5. 前記工程(C)で用いるアルカリ性溶液のpHが8〜14である請求項1〜4のいずれかに記載のレジスト膜の製造方法。
  6. 前記工程(C)で用いるアルカリ性溶液が、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムから選ばれる少なくとも1種の水溶液である請求項1〜5のいずれかに記載のレジスト膜の製造方法。
  7. 前記工程(B)における硬化が、光硬化及び熱硬化の少なくともいずれかである請求項1〜6のいずれかに記載のレジスト膜の製造方法。
  8. 前記工程(A)により形成したレジスト層がネガ型のレジスト層である請求項1〜7のいずれかに記載のレジスト膜の製造方法。
  9. 前記工程(C)のアルカリ性溶液で洗浄した後に、さらにレジスト膜を洗浄する工程(G)、及び乾燥する工程(H)を有する請求項1〜8のいずれかに記載のレジスト膜の製造方法。
  10. 前記工程(G)で用いるレジスト膜洗浄液が、純水、酸性溶液、及び2価以上の金属イオンを含む溶液から選ばれる少なくとも1種を用いる請求項9に記載のレジスト膜の製造方法。
  11. 前記2価以上の金属イオンが、カルシウムイオン及びマグネシウムイオンから選ばれる少なくとも1種である請求項4又は10に記載のレジスト膜の製造方法。
  12. 前記酸性溶液のpHが0超〜5である請求項4又は10に記載のレジスト膜の製造方法。
  13. 前記酸性溶液が、塩酸、硫酸、及び硝酸から選ばれる少なくとも1種の水溶液である請求項12に記載のレジスト膜の製造方法。
  14. 前記レジスト層が、カルボキシル基を有する化合物を含むレジスト層である請求項1〜13のいずれかに記載のレジスト膜の製造方法。
  15. 前記レジスト層が、(a)カルボキシル基含有アルカリ可溶性ポリマー、(b)重合性化合物及び(c)光重合開始剤を含むレジスト層である請求項1〜14のいずれかに記載のレジスト膜の製造方法。
  16. 前記被写体が、電気配線板であって、前記レジスト膜が、電気配線保護用のレジスト膜である請求項1〜15のいずれかに記載のレジスト膜の製造方法。
  17. 前記レジスト膜を洗浄する工程(C)が、前記電気配線板の少なくとも一部の外形加工後に行われる請求項16に記載のレジスト膜の製造方法。
  18. 前記レジスト膜が、光導波路の下部クラッド層、コア層、上部クラッド層の少なくともいずれかの層である請求項1〜15のいずれかに記載のレジスト膜の製造方法。
  19. 前記レジスト膜を洗浄する工程が、前記光導波路の少なくとも一部の外形加工後に行われる請求項18に記載のレジスト膜の製造方法。
  20. 前記光導波路が、光路変換ミラー付きの光導波路であって、前記レジスト膜を洗浄する工程(C)が、前記光路変換ミラーの形成後に行われる請求項18又は19に記載のレジスト膜の製造方法。
  21. 前記外形加工及び前記光路変換ミラーの形成の少なくともいずれかが、ダイシングソーによる切削加工によって行われる請求項19又は20に記載のレジスト膜の製造方法。
  22. 請求項16又は17に記載の製造方法により得られたレジスト膜を有する電気配線板。
  23. 請求項18〜21のいずれかに記載の製造方法により得られたレジスト膜を有する光導波路。
  24. 請求項1〜21のいずれかに記載の製造方法により得られたレジスト膜を有する光電気複合基板。
JP2013070646A 2013-03-28 2013-03-28 レジスト膜の製造方法、電気配線板、光導波路及び光電気複合基板 Pending JP2014193961A (ja)

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