JP2014192465A - 電気回路配線基板の製造方法 - Google Patents

電気回路配線基板の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2014192465A
JP2014192465A JP2013068828A JP2013068828A JP2014192465A JP 2014192465 A JP2014192465 A JP 2014192465A JP 2013068828 A JP2013068828 A JP 2013068828A JP 2013068828 A JP2013068828 A JP 2013068828A JP 2014192465 A JP2014192465 A JP 2014192465A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
electric circuit
circuit wiring
metal oxide
substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013068828A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Ota
浩史 太田
Yoshihisa Usami
由久 宇佐美
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Corp filed Critical Fujifilm Corp
Priority to JP2013068828A priority Critical patent/JP2014192465A/ja
Publication of JP2014192465A publication Critical patent/JP2014192465A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Chemically Coating (AREA)
  • Non-Metallic Protective Coatings For Printed Circuits (AREA)
  • Manufacturing Of Printed Wiring (AREA)

Abstract

【課題】レーザ焼結によって形成された導電膜からなる電気回路配線上に、湿式処理をすることなく、密着性に優れた絶縁膜を形成することができる電気回路配線基板の製造方法の提供。
【解決手段】第2のレーザ光による金属酸化物粒子を含む第2の膜のレーザ焼結によって形成された導電膜からなる電気回路配線を有する基板上に、レーザパワーが5.0〜14.0Wである第1のレーザ光のエネルギを吸収する絶縁材料として金属酸化物粒子を含む第1の膜が形成された、第1のレーザ光を透過する支持体を、導電膜と第1の膜とが対面するように重ね、支持体の側から第1のレーザ光を照射して、金属酸化物粒子からなる絶縁層を第1の膜から電気回路配線上に転写して形成する。
【選択図】図3

Description

本発明は、電気回路配線基板の製造方法に係り、詳しくは、連続発振レーザ光の照射により基板上に形成された電気回路配線上にレーザ熱転写により絶縁層を形成することにより電気回路配線基板を製造する電気回路配線基板の製造方法に関する。
従来、電気回路配線等が形成されたプリント配線基板に絶縁膜等の保護膜を形成する方法としては、プリント配線基板にソルダーレジスト被膜の形成する方法が行われている。このようなソルダーレジスト被膜の形成としては、スクリーン印刷技術が従来から用いられており、使用される熱硬化型ソルダーレジストとしては、主として印刷性の理由からビスフェノールA型のエポキシ樹脂が用いられている(例えば、特許文献1及び2参照)。
また、本出願人は、基板上のめっき配線上に、レーザ露光により絶縁膜を転写するための感光性ソルダーレジストフィルム及び永久パターン形成方法を提案している(例えば、特許文献3参照)。この特許文献3に開示の方法では、フィルム上の感光性ソルダーレジスト層にパターンレーザ露光し、転写、現像(ウエット)して、絶縁膜を形成している。
一方、基板上に、電気回路配線を構成する金属膜等の導電膜を形成する方法として、金属粒子や金属酸化物粒子の分散体を印刷法により基板に塗布し、光照射処理して焼結させることによって導電膜や回路基板における配線等の電気的導通部位を形成する技術が知られている(例えば、特許文献4及び5参照)。
上記方法も、特許文献3に開示の従来のめっき処理や従来の高熱・真空プロセス(スパッタ)による配線作製法に比べて、簡便・省エネルギ・省資源であることから次世代エレクトロニクス開発において大きな期待を集めている。
例えば、特許文献4においては、基板の表面上に酸化銅ナノ粒子を含有するフィルムを堆積させ、フィルムの少なくとも一部を露光して、露光部分を導電性にする方法が開示されている。
また、特許文献5(特に、実施例)においては、金属または複合金属からなるコロイド粒子を含有する微粒子層に所定の条件(線速、出力など)でレーザ照射を行う導電パターンの形成方法が開示されている。
なお、半導体素子の製造の分野において、半導体層や電極層や絶縁層を、レーザ光を用いた熱転写(レーザ熱転写)によって基板上に形成する方法も提案されている(例えば、特許文献6参照)。
特許文献6に開示のレーザ熱転写による半導体層や電極層や絶縁層の形成は、レーザ光が透過可能な支持体上に全面的にアブレーション層や光熱変換層を介して形成された半導体材料や導電材料や絶縁材料からなる転写層(半導体層、導電層,絶縁層)を持つドナー基板を用いて行われている。特許文献1には、また、ドナー基板にアブレーション層や光熱変換層を設ける代わりに、ブレーション可能な材料や光熱変換材料を含有する転写層を直接基板上に形成したドナー基板を用いることも開示されている。
このようなレーザ熱転写による半導体層や電極層や絶縁層の形成では、予めドナー基板を作製する必要があるものの、被処理基板への半導体層や電極層や絶縁層の形成に、真空プロセスや湿式プロセスは不要であり、半導体層や電極層や絶縁層を形成する工程の簡略化等を図ることができる。
特開昭50(1975)−6408号公報 特開2013−8986号公報 特開2006−285178号公報 特表2010−528428号公報 特開2004−143571号公報 特開2007−35742号公報
ところで、特許文献4及び5に開示のレーザ光等の露光焼結による電気回路配線の形成においても、近年、低コスト化の観点から、酸化銅粒子など金属酸化物粒子を含む組成物を用いて導電特性に優れる金属を含有する導電膜を形成する方法の開発が要求されている。
また、近年、電子機器の小型化、高機能化の要求に対応するため、プリント配線板などにおいては配線のより一層の微細化及び高集積化が進んでいる。それに伴って、基板と導電膜との密着性のより一層の向上も要求されている。
また、半導体基板やプリント配線基板等の実装において、従来のめっき処理や、スパッタ等の高熱・真空プロセスで形成された導電パターンであっても、特許文献4及び5に開示のレーザ光等の露光焼結による導電パターンであっても、これを回路基板として使用するには、はんだ付け等のプロセスが必要であり、現実には、特許文献1、2及び3に開示されているようなソルダーレジストがないと実装が困難である。
このような特許文献1及び2に開示の従来のソルダーレジストを導電パターン上に塗布して硬化させるには、塗布機や硬化機が必要である。また、従来のソルダーレジストを導電パターン上にスクリーン印刷でパターニングして塗布するには、印刷用原版を起こす必要がある。
しかしながら、小規模な回路作成の現場において、塗布機や硬化機等の装置を揃えたり、印刷用原版を外注するのは、効率的でなかったり、コストがかかるという問題があった。
また、特許文献3に開示の感光性ソルダーレジストフィルムを用いる場合には、湿式現像処理が必要なるため、処理が面倒であり、簡便・省エネルギ・省資源であるとは言えないという問題があった。
また、特許文献6に開示のレーザ熱転写による電極層及び絶縁層の形成方法を用いることにより、特許文献1、2及び3に開示の問題点はある程度解消できるものの、ドナー基板の転写される導電層及び絶縁層と基板との間にアブレーション層や光熱変換層を形成しておく必要があり、コストがかかり、また、簡便・省エネルギ・省資源でないという問題があった。
また、アブレーション材料や光熱変換材料は、有機バインダーと赤外域の波長の光を吸収するカーボンや赤外吸収色素であり、転写される導電層を構成する導電材料として開示されているクロムやAg等の金属や導電性高分子等とも異なり、絶縁層を構成する絶縁材料として開示されているポリビニルフェノール(PVP)とも異なるため、ドナー基板にアブレーション層や光熱変換層を形成せずに、導電層及び絶縁層にアブレーション材料や光熱変換材料を含有させる場合であっても、コストがかかり、簡便・省エネルギ・省資源でないし、基板と導電層との密着性や、導電層と絶縁層の密着性が十分に図れない場合があるという問題があった。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであって、レーザ焼結によって形成された導電膜からなる電気回路配線上に、湿式処理をすることなく密着性に優れた絶縁膜を形成することができる電気回路配線基板の製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、上記目的に加え、このような絶縁膜を電気回路配線上に、湿式処理を不要として、低コストで、簡便にかつ省エネルギ、かつ省資源を図りながら形成することができ、その結果、電気回路配線上に絶縁膜を形成した電気回路配線基板を、低コストで、簡便にかつ省エネルギ、かつ省資源を図りながら製造することができる電気回路配線基板の製造方法を提供することを他の目的とする。
また、本発明は、さらに、金属酸化物から金属への還元が効率よく進行し、基板に対する密着性に優れた電気回路配線を製造することができる電気回路配線基板の製造方法を提供することを他の目的とする。
本発明者らは、従来技術の問題点について鋭意検討した結果、金属酸化物粒子を含む前駆体膜をレーザ焼結することによって形成された導電膜からなる電気回路配線上に、前駆体膜と同じ金属酸化物粒子をレーザのエネルギを吸収する光熱変換性能を持つ絶縁材料として含む絶縁膜をレーザ熱転写することにより、上記課題を解決し、上記目的を達成できること知見し、本発明に至ったものである。
すなわち、本発明の電気回路配線基板の製造方法は、レーザパワーが5.0〜14.0Wである第1のレーザ光のエネルギを吸収する絶縁材料として金属酸化物粒子を含む第1の膜が形成された、第1のレーザ光を透過する支持体を、第2のレーザ光による、金属酸化物粒子を含む第2の膜のレーザ焼結によって形成された導電膜からなる電気回路配線を有する基板上に、導電膜と第1の膜とが対面するように重ね、支持体の側から第1のレーザ光を照射して、金属酸化物粒子からなる絶縁層を第1の膜から電気回路配線上に転写して形成することを特徴とする。
ここで、電気回路配線は、第2のレーザ光によってレーザパターニングされたものであることが好ましい。
また、第1のレーザ光は、支持体と電気回路配線との距離を一定に維持しながら支持体の側から第1の膜に照射されることが好ましい。
また、第1のレーザ光のエネルギは、支持体の変形を生じさせないエネルギであることが好ましい。
また、第2のレーザ光の波長が1.0〜12.0μmで、そのレーザパワーが0.6〜4.0Wであり、第1のレーザ光の波長が1.0〜12.0μmで、そのレーザパワーが6.0〜12.0Wであることが好ましい。
また、基板は、ポリイミドを含み、支持体は、ポリカーボネートを含むことが好ましい。
また、第2の膜の厚みは、5.0〜20μmであり、第1の膜の厚みは、20〜40μmであり、絶縁層の厚みは、10〜20μmであることが好ましい。
また、金属酸化物粒子に含まれる金属原子が、Au、Ag、Cu、Pt、Pd、In、Ga、Sn、Ge、Sb、Pb、Zn、Bi、Fe、Ni、Co、Mn、Tl、Cr、V、Ru、Rh、Ir、Mo、W、Ti及びAlからなる群から選択される少なくとも一つの金属元素であることが好ましく、また、金属原子は、Cuであることがより好ましい。
また、絶縁層は、電気回路配線上に一様に形成されることが好ましく、または、電気回路配線に応じて導電膜上にパターニングされて形成されることが好ましい。
また、絶縁層は、支持体側から第1の膜に対して、第1のレーザ光である連続発振レーザ光を相対的に走査させつつ照射し、第1のレーザ光の照射領域における第1の膜を支持体から剥離し、第1の膜の金属酸化物粒子を電気回路配線上に転写することによって形成されたものであることが好ましい。
ここで、第1のレーザ光の走査の速度が800〜1500mm/sであり、第1の膜の膜面の一地点あたりの照射時間が50〜100μsであることが好ましい。
また、電気回路配線は、金属酸化物粒子を含む分散液を基板上に塗布して、金属酸化物粒子を含む前駆体膜を形成した後、前駆体膜に対して、第2のレーザ光である連続発振レーザ光を相対的に走査させつつ照射し、第2のレーザ光の照射領域における金属酸化物粒子を還元した金属を含有する導電膜を形成することにより得られたものであることが好ましい。
ここで、第2のレーザ光の走査の速度が5〜40mm/sであり、前駆体膜表面の一地点あたりの照射時間が1.5〜12msであることが好ましい。
なお、本発明者らは、特許文献4及び5を参照して、酸化銅粒子に代表される金属酸化物粒子を含む層に対して、連続発振レーザ光を所定のパターン状に走査することにより導電膜の作製を行ったところ、特許文献5で具体的に開示される条件では、金属酸化物粒子の還元が十分に進行せず、得られる層の基板に対する密着性も劣ることが確認された。
また、本発明のプリント配線基板は、本発明の製造方法により製造された電気回路配線基板であることを特徴とする。
本発明によれば、レーザ焼結によって形成された導電膜からなる電気回路配線上に、湿式処理をすることなく密着性に優れた絶縁膜を形成することができる。
また、本発明によれば、上記効果に加え、このような絶縁膜を電気回路配線上に、湿式処理を不要として、低コストで、簡便にかつ省エネルギ、かつ省資源を図りながら形成することができ、その結果、電気回路配線上に絶縁膜を形成した電気回路配線基板を、低コストで、簡便にかつ省エネルギ、かつ省資源を図りながら製造することができる。
さらに、本発明によれば、金属酸化物から金属への還元が効率よく進行し、基板に対する密着性に優れた電気回路配線を製造することができる。
本発明に係る電気回路配線基板の製造方法の一例を説明するための概念図である。 図2は、図1に示す電気回路配線基板の製造方法に用いられるドナー基板の一実施形態を示す模式的部分断面図である。 (A)〜(E)は、それぞれ図1に示す電気回路配線基板の製造方法の一実施形態の手順を説明するための模式的部分断面図である。 図1に示す電気回路配線基板の製造方法に用いられる被処理基板作製プロセスの配線形成用レーザ光の照射工程の一実施形態を示す模式的斜視図である。
以下に、本発明に係る電気回路配線基板の製造方法を添付の図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
まず、従来技術に対する本発明に係る電気回路配線基板の製造方法(以下、本発明法ともいう)の特徴について説明する。
上述したように、本発明の特徴は、電気回路配線を被覆する絶縁層形成に、電気回路配線を構成する導電膜形成と同じ金属酸化物粒子を含む膜を用いる点と、絶縁層形成のための転写用膜では、導電膜形成のための前駆体膜でレーザ焼結によって金属に還元される金属酸化物粒子を、還元せずに転写用レーザ光のエネルギを吸収する絶縁材料として用いると共に、自分自身が絶縁層を構成する絶縁材料として用いてレーザ熱転写によって転写する点にある。転写された絶縁層には、絶縁性、被覆性、均一性、密着性等が要求されるために、本発明では転写用レーザ光の種類や状態や照射の条件を制御している。例えば、より具体的には、転写用レーザ光の波長、走査速度、照射時間及びレーザパワー等を、所定値に制御する。このように条件を制御することにより、所望の効果が得られる。
図1は、本発明に係る電気回路配線基板の製造方法の一実施形態を説明するための概念図である。
まず、図1に示すように、ドナー基板20の、転写用レーザ光28を透過する支持体22上に形成された金属酸化物粒子を含む転写用膜(被照射物)24を被処理基板10の電気回路配線(導電膜)14上、詳しくは、導電膜14及び前駆体膜16からなる配線層18上に重ね、転写用レーザ光学系26(以下、単に、レーザ光学系26ともいう)から出射される連続発振レーザ光である転写用レーザ光28(以下、単に、レーザ光28ともいう)を支持体22側から照射すると、金属酸化物が、転写用レーザ光28のエネルギを吸収し、例えば、光熱変換して熱エネルギに変換し、転写用膜24、即ち転写用膜24内の金属酸化物自身を支持体22から剥離し、電気回路配線14上に転写して絶縁層32(図3(D)参照)を形成することが行われる。しかし、転写用レーザ光28の照射の状態によっては、転写が十分に行われなかったり、ドナー基板20の支持体22が変形したりして、被覆性や均一性が不十分となり、絶縁性や密着性等が不十分となる。転写用レーザ光28の種類や状態によっては、金属酸化物粒子を還元してしまい、絶縁層32自体の絶縁性が失われ、絶縁層32としての機能を果たさなくなってしまう。このため、金属酸化物粒子の適切な転写が行われるように、転写用レーザ光28の種類や状態や照射の条件を制御している。
その結果、電気回路配線上に形成される絶縁層の絶縁性、被覆性、均一性、密着性等が向上する。また、被処理基板の電気回路配線の導電膜以外の前駆体膜は、絶縁層と同じ金属酸化物が含まれているので、前駆体膜と絶縁層との界面付近で両者の金属酸化物が混じり合うことにより絶縁層の密着性が向上する。
本発明の電気回路配線基板の製造方法の好適実施形態は、予め準備されたドナー基板の支持体上の転写用膜を、被処理基板の電気回路配線に重ね合わせる工程(重ね合わせ工程)と、転写用膜に支持体側から転写用レーザ光を照射する工程(第1照射工程)との少なくとも2つを有する。
なお、本発明においては、ドナー基板及び被処理基板を予め準備する際に、ドナー基板として、既に支持体上に転写用膜が形成された、予め作製されたドナー基板を用いても良いが、重ね合わせ工程の前に支持体上に転写用膜を形成してドナー基板を作製する工程(ドナー基板作製工程)を行っても良い。なお、電気回路配線が形成された被処理基板としても、既に基板状に電気回路配線が形成された、予め作製された被処理基板を用いても良いが、重ね合わせ工程の前に、基板上に電気回路配線を形成して被処理基板を作製するプロセス(被処理基板作製プロセス)を行っても良い。
以下に、本発明法の上記ドナー基板作製工程、被処理基板作製プロセス、重ね合わせ工程及び第1照射工程の各工程及びプロセスで使用される材料・手順について、図2、図3及び図4を参照してそれぞれ詳述する。
図2は、図1に示す電気回路配線基板の製造方法に用いられるドナー基板の一実施形態を示す模式的部分断面図であり、図3(A)〜図3(E)は、それぞれ図1に示す電気回路配線基板の製造方法の一実施形態の手順を説明するための模式的部分断面図であり、図4は、図1に示す電気回路配線基板の製造方法に用いられる被処理基板作製プロセス、特に、基板上に電気回路配線を形成する配線形成用レーザ光の照射工程の一実施形態を示す模式的斜視図である。
[ドナー基板作製工程]
ドナー基板20を予め準備する工程であるドナー基板作製工程は、金属酸化物の粒子を含む分散液を支持体22上に塗布して、金属酸化物の粒子を含む転写用膜24を形成する工程である。本工程を実施することにより、図1及び図2に示すように、転写用レーザ光28が照射される転写用膜24が支持体22上に形成されたドナー基板20を作成することができる。
以下では、まず、本工程で使用される材料について詳述し、その後、工程の手順について詳述する。
(金属酸化物粒子)
金属酸化物粒子としては、金属原子を含む酸化物の粒子であって、レーザ焼結によって還元されて金属粒子からなる導電膜を形成できると共に、絶縁性を有し、転写用レーザ光のエネルギを吸収して熱エネルギに変換、即ち光熱変換でき、自身のアブレーションを生じさせ、自身の転写が可能となるが、転写用レーザ光の照射エネルギでは還元されないものであれば、その種類は限定されない。中でも、導電膜の形成性及び光熱変換性が優れる点で、金属酸化物粒子が、Au、Ag、Cu、Pt、Pd、In、Ga、Sn、Ge、Sb、Pb、Zn、Bi、Fe、Ni、Co、Mn、Tl、Cr、V、Ru、Rh、Ir、Mo、W、Ti及びAlからなる群から選択される少なくとも一つの金属元素を含むことが好ましく、Au、Ag、Cu、Pt、Pd、In、Ga、Sn、Ge、Sb、Pb、Zn、Bi、Fe、Ni及びCoからなる群から選択される少なくとも一つの金属元素を含むことがより好ましい。
特に、レーザ焼結によって還元されやすく、生成した金属が比較的安定であり、かつ、転写用レーザ光のエネルギを吸収し易く、アブレーションによる転写を容易に可能とし、その状態では絶縁性が良好に保たれるので、酸化銅粒子がさらに好ましい。
なお、「酸化銅」とは、酸化されていない銅を実質的に含まない化合物であり、具体的には、X線回折による結晶解析において、酸化銅由来のピークが検出され、かつ金属由来のピークが検出されない化合物のことを指す。銅を実質的に含まないとは、限定的ではないが、銅の含有量が酸化銅粒子に対して1質量%以下であることをいう。
酸化銅としては、酸化銅(I)または酸化銅(II)が好ましく、安価に入手可能であること、低抵抗であることから酸化銅(II)であることがさらに好ましい。
金属酸化物粒子の平均粒子径は特に制限されないが、200nm以下が好ましく、100nm以下がより好ましい。下限も特に制限されないが、10nm以上が好ましい。
平均粒子径が10nm以上であれば、粒子表面の活性が高くなりすぎず、取扱い性に優れ、安定した絶縁性を維持できるため好ましい。また、200nm以下であれば、金属酸化物粒子を含有する溶液を塗布すること、例えば、インクジェット用インクとして用い印刷法により全面、若しくは電気回路配線の配線パターンに応じた転写用膜の形成を行うことが容易となると共に、レーザ焼結による金属への還元が十分となり、得られる導電層の導電性が良好であるにもかかわらず、レーザ熱転写においては、安定した絶縁性を維持できるため好ましい。
なお、平均粒子径は、平均一次粒径のことを指す。平均粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)観察または走査型電子顕微鏡(SEM)観察により、少なくとも50個以上の金属酸化物粒子の粒子径(直径)を測定し、それらを算術平均して求める。なお、観察図中、金属酸化物粒子の形状が真円状でない場合、長径を直径として測定する。
(金属酸化物粒子を含む分散液)
分散液には、上記金属酸化物粒子が含まれる。また、必要に応じて、溶媒が含まれていてもよい。溶媒は、金属酸化物粒子の分散媒として機能する。
溶媒の種類は特に制限されないが、例えば、水や、アルコール類、エーテル類、エステル類などの有機溶媒などを使用することができる。なかでも、金属酸化物粒子の分散性がより優れる点から、水、1〜3価のヒドロキシル基を有する脂肪族アルコール、この脂肪族アルコール由来のアルキルエーテル、この脂肪族アルコール由来のアルキルエステル、またはこれらの混合物が好ましく用いられる。
なお、分散液には、必要に応じて、他の成分(例えば、バインダー樹脂、金属粒子など)が含まれていてもよい。
(支持体)
本工程においてドナー基板に使用される支持体としては、転写用膜を支持することができ、転写用レーザ光を透過することができ、転写用レーザ光が照射されても変形しがたいものであれば、特に制限的ではなく、従来公知のものを用いることができる。支持体に使用される材料としては、例えば、樹脂、ガラス等が挙げられる。この支持体は、転写用レーザ光を透過することができれば良く、転写用レーザ光の透過率は、特に制限的ではないが、例えば、50%以上であるのが好ましく、より好ましくは70%以上であるのが良い。
より具体的には、ポリカーボネート、低密度ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、ABS樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂(ポリエチレンテレフタレート)、ポリアセタール樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、セルロース誘導体等の樹脂基板;ソーダガラス、ホウケイ酸ガラス、シリカガラス、石英ガラス等のガラス基板;ITO(インジウム錫酸化物)等の無機基板等が挙げられる。これらの中でも、樹脂基板が好ましく使用される。
中でも、支持体となる樹脂基板としては、例えば、ポリカーボネート、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ナイロン、ポリブタジエン、ポリビニルベンジルクロライドからなる群から選択される少なくとも一つを有する樹脂基板が好ましい。特に、ポリカーボネートがより好ましい。
このような樹脂基板を支持体に使用すると、支持体が転写用レーザ光(特に、波長9.0〜12.0μmのレーザ光。例えば、炭酸ガスレーザ等)を吸収することがほとんどなく、支持体が高温となることがなく、変形することがない。結果として、転写用レーザ光のエネルギを支持体上の転写用膜内の金属酸化物に効率よく吸収させることができ、転写用膜内の金属酸化物を効率よく適切に剥離転写させることができ、被処理基板の電気回路配線上に絶縁性、被覆性、均一性、密着性等の良好な絶縁層を形成することができる。
(工程の手順)
上記分散液を支持体上に付与して転写用膜を形成するが、分散液を付与する方法は特に制限されず、公知の方法を採用できる。例えば、スクリーン印刷法、ディップコーティング法、スプレー塗布法、スピンコーティング法、インクジェット法などの塗布法が挙げられる。
塗布の形状は特に制限されず、支持体全面を覆う面状であっても、パターン状(例えば、配線状、ドット状)であってもよい。
本工程においては、必要に応じて、分散液を支持体22へ塗布した後に乾燥処理を行い、溶媒を除去してもよい。乾燥処理の方法としては温風乾燥機などを用いることができ、温度としては、金属酸化物粒子の還元が生じないような温度が好ましく、40℃〜200℃で加熱処理を行なうことが好ましく、50℃以上150℃未満で加熱処理を行なうことがより好ましく、70℃〜120℃で加熱処理を行うことがさらに好ましい。
(転写用膜)
転写用膜は、金属酸化物粒子を含み、後述する転写用レーザ光の照射により金属酸化物粒子が転写用レーザ光の光エネルギを吸収して熱エネルギに光熱変換して、金属酸化物粒子自身のアブレーションを生じさせ、金属酸化物粒子自身を被処理基板の電気回路配線上に剥離転写させて、絶縁層となるものである。即ち、転写用膜は、絶縁層を形成する転写用ソルダーレジストとして機能するものである。
転写用膜には金属酸化物粒子が含まれ、特に、主成分として含まれることが好ましい。ここで主成分とは、転写用膜全質量中、金属酸化物粒子の占める質量が80質量%以上であることを意図し、85質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましい。上限は特に制限されないが、100質量%が挙げられる。
転写用膜には、アブレーション性付与のために金属酸化物粒子以外の成分(例えば、バインダー樹脂)が含まれていてもよい。
転写用膜の厚みは特に制限されず、形成される絶縁膜の用途に応じて適宜最適な厚みが選択される。なかでも、後述する光照射による金属酸化物粒子の剥離転写がより優れる点で、5.0〜200μmが好ましく、10.0〜100μmがより好ましく、20.0〜40.0μmがさらに好ましい。
なお、転写用膜は基板全面に設けられていてもよく、パターン状に設けられていてもよい。
こうして、本工程においては、支持体22上に転写用膜が形成されたドナー基板20を作成することができる。
[被処理基板作製プロセス]
本発明法において、基板上に電気回路配線14が形成された被処理基板10を作製する被処理基板作製プロセスは、ドナー基板20の転写用膜24と同じ金属酸化物粒子を含む分散液を基板12上に塗布して、金属酸化物粒子を含む前駆体膜16を形成する駆体膜形成工程と、図4に示すように、配線形成用レーザ光学系42から出射された連続発振レーザ光である配線形成用レーザ光44(以下、単にレーザ光44ともいう)を前駆体膜16に照射して前駆体膜16に含まれる金属酸化物粒子を還元した金属からなる導電膜14を形成して電気回路配線14とする工程(第2照射工程)との少なくとも2つを有するものである。本プロセスは、基板12上に、前駆体膜16に含まれる金属酸化物粒子の還元金属からなる導電膜14からなる電気回路配線14と、レーザ光44が照射されず、金属酸化物粒子が還元されずにそのまま残った前駆体膜16とを有する被処理基板10を作成するものである。
こうして、本プロセスにおいては、図3(A)に示すように、基板12上に電気回路配線14が形成された被処理基板10を作成することができるが、この被処理基板作製プロセスについては、後に詳述するので、ここでは、詳細な説明を省略する。
[重ね合わせ工程]
重ね合わせ工程は、図3(B)に示すように、上記被処理基板作製プロセス等で予め作製された被処理基板10の電気回路配線14を含む配線層18と、上記ドナー基板作製工程等で予め作製されたドナー基板20の転写用膜24とを、対面するように所定間隔を離間させて位置させることにより、被処理基板10の配線層18(電気回路配線14)上にドナー基板20の転写用膜24を重ね合わせる工程である。
ここで、図3(B)に示す例では、一例として、ドナー基板20と被処理基板10とは、配線層18(電気回路配線14)と転写用膜24とが所定間隔を離間した状態で重ね合わせられているが、本発明はこれに限定されず、配線層18と転写用膜24とが接触した状態で重ね合わせられていても良い。なお、この際におけるドナー基板20と被処理基板10とを接触させるか離間させるか、また、離間させる際の間隔は、転写用膜24の種類、レーザ光28の種類、強度(レーザパワー)、照射条件、被処理基板10の構成、特に導電膜(電気回路配線)14及び前駆体膜16からなる配線層18等に応じて、適宜、設定すればよい。
なお、ドナー基板20と被処理基板10とを接触して離間させて重ね合わせる場合には、配線層18の表面と転写用膜24の表面との距離が全面的に亘って等しくなるように、ドナー基板10と被処理基板10とを対面させて重ね合わせるのが好ましい。特に、被処理基板10の配線層18の表面に凹凸がある場合には、例えば、配線層18の導電膜(電気回路配線)14と前駆体膜16とで高さが異なる場合には、凹凸の少ない方、例えば、前駆体膜16の表面と、転写用膜24の表面との距離が、全面的に等しくなるように、ドナー基板20と被処理基板20とを位置させるのが良い。
また、ドナー基板20と被処理基板10とを接触して重ね合わせて積層する場合でも、離間して対面させる場合でも、配線層18の表面と、転写用膜24の表面との距離が、全面的に等しくなるようにドナー基板20と被処理基板10とを対面させるのが好ましい。すなわち、この場合には、ドナー基板20と被処理基板10との対向面が、全面的に密着するように積層するのが好ましい。
これにより、転写用膜24の金属酸化物粒子の後述するレーザ熱転写(図3(C)参照)を、ドナー基板20(転写用膜24の表面)の全面で均一に行って、全面的に均一かつ適正な絶縁層32(図3(D)及び(E)参照)を形成して、高品質な電気回路配線基板30を、より安定して製造することが可能になる。
[第1照射工程]
第1照射工程は、図3(C)に示すように、上記重ね合わせ工程で被処理基板10の配線層18の導電膜(電気回路配線)14上に重ね合わせられたドナー基板20の転写用膜24に対して、転写用レーザ光学系26(以下、単に、レーザ光学系26という)から出射される転写用レーザ光28を相対的に走査させつつドナー基板20の支持体22側から照射して、図3(D)に示すように、レーザ光28の照射領域内の転写用膜24を被処理基板10の電気回路配線14上に剥離転写して絶縁層を32形成する剥離転写工程である。詳しくは、レーザ光28の照射領域における転写用膜24内の金属酸化物がレーザ光28の光エネルギを吸収して熱エネルギに光熱変換し、転写用膜24内の金属酸化物自身を、例えばアブレーションによって、支持体22から剥離させ、被処理基板10の電気回路配線14を覆うように、配線層18の導電膜14及び前駆体膜16上に転写して絶縁層を32形成する。
こうして、図3(E)に示すように、基板12上の電気回路配線14を覆うように、配線層18(導電膜14及び前駆体膜16)上に密着された絶縁層32を持つ電気回路配線基板30を製造することができる。こうして製造された電気回路配線基板30においては、絶縁性、被覆性、均一性、密着性等に優れた絶縁層32を持つものである。
本工程では、レーザ光学系26からドナー基板20に支持体22側からレーザ光28を照射して、転写される転写用膜24に応じてレーザ光28を変調しつつ、図示しない走査機構により、レーザ光学系26と、重ね合わされたドナー基板20及び被処理基板10とを相対的に移動させることにより、レーザ光28でドナー基板20の転写用膜24を2次元的に走査する。
図示例においては、一例として、図示しない走査機構により、図中矢印x方向にレーザ光28を走査(矢印x方向に走査線を画成=主走査)した後、矢印x方向と直交するy方向(図3(C)の紙面に垂直な方向)に所定量だけレーザ光Lを移動(副走査)して、再度、図中矢印x方向にレーザ光Lを走査することを繰り返すことにより、レーザ光28でドナー基板20を2次元的に走査することができる。
図3(C)は、例えば、図示しない走査機構により、レーザ光学系26を移動させて、レーザ光28でドナー基板20の転写用膜24を2次元的に走査する例であるが、本発明はこれに限定されず、レーザ光と被照射物である転写用膜24とを相対的に走査させることができれば、如何なる走査機構を用いても良い。
例えば、被照射物である重ね合わされたドナー基板20及び被処理基板10をレーザ光28の走査面である転写用膜24の表面に対して水平方向に移動可能なx−y軸ステージ上に載置して、レーザ光学系26及びレーザ光28を固定した状態でステージを移動させることにより、レーザ光28によって転写用膜24の表面に走査させる方法等が挙げられる。
もちろん、レーザ光28と、被照射物である転写用膜24とが共に移動する態様であってもよい。例えば、レーザ光学系26に図示しない光偏向器等を設け、図3(C)に示すように、レーザ光28を矢印x方向(若しくは、矢印x方向に直交するy方向)に偏向(主走査)しつつ、レーザ光学系26とドナー基板10及び被処理基板20とを、矢印y方向(もしくは、x方向)に相対的に移動することにより、レーザ光28によって2次元的にドナー基板を走査してもよい。
また、レーザ光28の2次元的な走査によってレーザ熱転写を行う本発明によれば、レーザ光28のオン/オフ(on/off)制御やレーザパワー(強度)の調節など、レーザ光28の変調を行うことによって、被処理基板20の所望の位置、即ち、電気回路配線14の位置に、電気回路配線14の配線パターンに応じたパターンを持つ絶縁層32を形成できる。
(絶縁層)
ここで、絶縁層32は、被処理基板10の電気回路配線14の導電膜14を絶縁できるように覆うものであるので、少なくとも配線層18の導電膜14及びその周辺の前駆体膜16上に形成される必要があるが、電気回路配線14を絶縁できるように覆うことができれば、その形状は特に制限的ではなく、電気回路配線14の配線パターンに応じたパターンを持つ形状であっても良いし、直線状であっても、曲線状であってもよく、配線層18の全面を覆う形状であってもよい。
本発明において形成される絶縁層32の厚みは、特に制限されず、使用される用途に応じて適宜最適に調整される。なかでも、プリント配線基板等の電気回路配線基板の用途の点からは、5〜40μmであるのが好ましく、10〜20μmであるのがより好ましい。その理由は、5μm未満では、薄くなり過ぎて、絶縁性、被覆性、均一性が不足し、絶縁膜32としての機能を十分に果たすことができない恐れがあり、40μm超では、厚くなり過ぎて、実装時に部品と干渉するからである。
なお、絶縁層32の厚みは、絶縁層32の任意の点における厚みを3箇所以上測定し、その値を算術平均して得られる値(平均値)である。
(転写用レーザ光学系)
本発明に用いられる転写用レーザ光学系26は、ドナー基板20の転写用膜24を、その中の金属酸化物粒子を還元することなく剥離転写できるレーザ光28を出射するものである。このようなレーザ光学系26としては、所定の照射条件を満たす連続発振レーザ光を照射することができれば、特に制限的ではなくどのようなものでも良いが、例えば、レーザ光28を照射するレーザ光源、各種のレンズやミラー等の光学素子、レーザ光の変調手段などを組み合わせてなる、公知のレーザ光学系(レーザビーム光学系)を用いることができる。もちろん、公知のレーザ光源等を含むレーザ照射装置から構成される光学系や、このようなレーザ光学系を持つ公知のレーザ光照射装置を用いることができる。
本発明に用いられるレーザ28を出射するレーザ光源としては、AlGaAs、InGaAsP、GaN系等の半導体レーザ、Nd:YAGレーザ、ArF、KrF、XeCl等のエキシマレーザ、色素レーザ、ルビーレーザ等の固体レーザ、He-Ne、He-Xe、He-Cd、CO2、Ar等の気体レーザ、自由電子レーザ等を挙げることができる。なかでも、CO2レーザ(炭酸ガスレーザ)が好ましい。
例えば、このようなレーザを持つレーザ光照射装置としては、キーエンス社MD−V9900Aシリーズなどを挙げることができる。
レーザ光28の波長は、特に制限的ではなく、転写用膜24内の金属酸化物粒子が光のエネルギを吸収して熱エネルギに光熱変換して、例えば、金属酸化物粒子を還元することなく、そのままアブレーション状態として、金属酸化物粒子含む転写用膜24を被処理基板10の電気回路配線14上に剥離転写して絶縁層32を形成できれば、どのような波長であっても良いが、例えば、熱エネルギに変換され易い赤外光を用いることができる。中でも、レーザ光28の波長は、1.0μm以上が好ましく、1.0〜12μmがより好ましく、9.0〜12μmがさらに好ましい。上記範囲であれば、金属酸化物粒子が還元することなく、アブレーション状態となり、金属酸化物粒子含む転写用膜24の剥離転写が進行しやすい。
本工程において、レーザ光28のレーザパワーは、ドナー基板20の転写用膜24内の金属酸化物粒子にレーザ光の光エネルギを吸収させて熱エネルギに光熱変換させ、金属酸化物粒子を還元することなく、そのままアブレーション状態として、転写用膜24を剥離転写できる点で、5.0〜14Wである必要があり、6.0〜12Wであるのが好ましい。
その理由は、レーザ光のレーザパワーが5.0W未満の場合には、転写用膜24内の金属酸化物粒子に吸収されるレーザ光のエネルギが不足し、転写用膜24の剥離転写を適切に行うことができない恐れがあり、14W超の場合には、過加熱となり、転写用膜24内の金属酸化物粒子に吸収されるレーザ光のエネルギが過大となり、金属酸化物粒子の還元が生じ、形成される絶縁層32自体の絶縁性が劣化したり、支持体2が変形したりして、転写用膜24の剥離転写を適切に行うことができない恐れがあり、いずれの場合も、絶縁性、被覆性、均一性、密着性等に優れた絶縁層32を形成することができないからである。
本工程において、レーザ光28の走査の速度は、500〜2000mm/sであるのが好ましく、800〜1500mm/sであるのがより好ましい。その理由は、2000mm/s超では、転写用膜24内の金属酸化物粒子に吸収されるレーザ光のエネルギが不足し、転写用膜24の剥離転写を適切に行うことができない恐れがあり、500mm/s未満では、転写用膜24内の金属酸化物粒子に吸収されるレーザ光のエネルギが過大となり、金属酸化物粒子の還元が生じ、形成される絶縁層32自体の絶縁性が劣化したり、支持体2が変形し、転写用膜24の剥離転写を適切に行うことができない恐れがあり、いずれの場合も、絶縁性、被覆性、均一性、密着性等に優れた絶縁層32を形成することができないからである。
本工程において、転写用膜24の膜面の一地点あたりのレーザ光28の照射時間は、10.0〜500μsであるのが好ましく、50〜100μsであるのがより好ましい。その理由は、10.0μs未満では、転写用膜24内の金属酸化物粒子に吸収させるレーザ光のエネルギが不足し、転写用膜24の剥離転写を適切に行うことができない恐れがあり、500μs超では、転写用膜24内の金属酸化物粒子に吸収されるレーザ光のエネルギが過大となり、金属酸化物粒子の還元が生じ、形成される絶縁層32自体の絶縁性が劣化したり、支持体2が変形し、転写用膜24の剥離転写を適切に行うことができない恐れがあり、いずれの場合も、絶縁性、被覆性、均一性、密着性等に優れた絶縁層32を形成することができないからである。転写用膜24の膜面は、支持体22との接着面としても、開放された表面としても良い。
ここで、照射時間は、レーザ光が照射される転写用膜24の膜面上の任意の一地点においてレーザ光28が照射される時間を意味する。照射時間は、レーザ光28の走査速度とそのビーム径より計算できる。例えば、転写用膜24の膜面上に照射されるレーザ光28の走査する方向におけるビーム径の幅が60μmで、その走査速度が2m/sである場合、照射時間は30μsと計算される。
なお、本工程におけるレーザ光28のより好ましいレーザ照射条件としては、レーザ光28のレーザパワーをX軸(横軸)とし、レーザ光28の走査速度をY軸(縦軸)とする2次元XY座標において、レーザパワーX及び走査速度Yが、図4で表される4つの線分で囲まれた範囲内に存在することが好ましい。レーザパワーX及び走査速度Yが図示例の範囲内にある場合、レーザ光28が照射される転写用膜24の金属酸化物粒子に吸収されるレーザ光のエネルギが適切なものとなり、絶縁性、被覆性、均一性、密着性等に優れた絶縁層32を形成することができる。
転写用膜24の膜面に照射されるレーザ光28のビームスポット径は、特に制限されず、形成される膜の幅に応じて適宜調整される。例えば、導電膜をプリント配線基板の配線として用いる場合、細線な配線を形成できる点で、ビームスポット径は、30〜150μmが好ましく、50〜100μmがより好ましい。
また、転写用膜24の膜面におけるレーザ光28のエネルギ密度、即ちビームスポットのエネルギ密度は、3.0〜50J/cm2であるのが好ましく、5.0〜25J/cm2であるのがより好ましい。
これにより、より確実に転写用膜24をレーザ熱転写して、適正な絶縁層32を形成し、目的とする性能を確実に発現する電気回路配線基板30を、安定して製造することが可能になる。
上記のレーザ光の照射処理を実施する雰囲気は、特に制限されず、大気雰囲気下、不活性雰囲気下、または還元性雰囲気下などが挙げられる。なお、不活性雰囲気とは、例えば、アルゴン、ヘリウム、ネオン、窒素等の不活性ガスで満たされた雰囲気であり、また、還元性雰囲気とは、水素、一酸化炭素等の還元性ガスが存在する雰囲気を指す。
なお、レーザ光28の最適な照射条件としては、上述したレーザ光28の走査速度(線速)、レーザ光28の強度(レーザパワー)、レーザ光28のビームスポット径、そのエネルギ密度、支持体12におけるレーザ光28の透過率、転写用膜24の厚さ、絶縁層32の厚さ等に応じて、それらの組み合わせに適正なレーザ熱転写が可能な照射条件を、適宜、設定しても良い。
本工程において製造された電気回路配線基板をプリント配線基板として構成する場合、絶縁層32の表面に、更に、他の絶縁層(絶縁樹脂層、層間絶縁膜、ソルダーレジスト等)を積層して、その表面にさらなる配線(金属パターン)を形成してもよい。
絶縁膜の材料は特に制限されないが、例えば、エポキシ樹脂、アラミド樹脂、結晶性ポリオレフィン樹脂、非晶性ポリオレフィン樹脂、フッ素含有樹脂(ポリテトラフルオロエチレン、全フッ素化ポリイミド、全フッ素化アモルファス樹脂など)、ポリイミド樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、液晶樹脂など挙げられる。
これらの中でも、密着性、寸法安定性、耐熱性、電気絶縁性等の観点から、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、または液晶樹脂を含有するものであることが好ましく、より好ましくはエポキシ樹脂である。具体的には、味の素ファインテクノ(株)製、ABF GX−13などが挙げられる。
また、配線保護のために用いられる絶縁層の材料の一種であるソルダーレジストについては、例えば特開平10−204150号公報や、特開2003−222993号公報等に詳細に記載され、これらの公報に記載の材料を本発明にも適用しても良い。ソルダーレジストは、市販品を用いてもよく、具体的には、例えば、太陽インキ製造(株)製PFR800、PSR4000(商品名)、日立化成工業(株)製 SR7200G、などが挙げられる。
上記で得られた電気回路配線基板は、種々の用途に使用することができる。例えば、プリント配線基板、TFT、FPC、RFIDなどが挙げられる。
次に、上述した被処理基板作製プロセスについて、詳細に説明する。
上述したように、本被処理基板作製プロセスは、基板上に電気回路配線が形成された被処理基板を作成するプロセスであり、前駆体膜を形成する工程(前駆体膜形成工程)と、前駆体膜に配線形成用連続発振レーザ光を照射する工程(照射工程)との少なくとも2つを有する。
本プロセスの特徴は、絶縁膜32を形成するための転写用膜24内の金属酸化物粒子と同一の金属酸化物粒子を含む前駆体膜16に配線形成用レーザ光44を照射して導電膜14を形成する点と、配線形成用レーザ光44の照射条件(レーザパワー、走査速度、及び照射時間等)、並びにレーザ光44と被照射物である前駆体膜16との走査条件を制御する点が挙げられる。より具体的には、後者では、走査速度、照射時間及びレーザパワーを所定値以上に制御する。このように条件を制御することにより、所望の効果が得られる機構は以下のように説明される。
まず、転写用膜24と同じ金属酸化物粒子を含む前駆体膜(被照射物)に対して、配線形成用レーザ光を照射すると、金属酸化物から金属の還元反応が進行する。しかし、配線形成用レーザ光を照射し過ぎると、生成した金属が再度金属酸化物へと戻ってしまう。これは、金属酸化物が配線形成用レーザ光を吸収して金属への還元反応が一旦進行したとしても、冷却時の冷却速度が遅いと再び酸化銅へ逆戻りしてしまうためと推測される。そこで、レーザパワーや走査速度等の照射条件を制御することにより、酸化銅への逆戻りが進行しないように制御している。
さらに、所定照射量以上の配線形成用レーザ光を前駆体膜に照射することにより、前駆体膜の一部が加熱溶融されて基板と界面付近で両者が混じり合うことにより、製造される電気回路配線と基板との間にアンカー構造が形成され、電気回路配線の密着性が向上する。
以下に、各工程で使用される材料・手順についてそれぞれ詳述する。
[前駆体膜形成工程]
前駆体膜形成工程は、金属酸化物粒子を含む分散液を基板12上に塗布して、金属酸化物粒子を含む前駆体膜16を形成して、配線形成用基板40を作製する工程である。本工程を実施することにより、後述する配線形成用レーザ光44が照射される前駆体膜16が基板12上に形成される。
本工程で使用される材料について詳述し、その後、工程の手順について詳述する。
上述したように、本前駆体膜形成工程において、基板12上に形成される前駆体膜16は、ドナー基板20の支持体22上に形成される転写用膜24と同一の金属酸化物粒子を含むものであるので、本前駆体膜形成工程は、支持体22上に転写用膜24を形成するドナー基板作製工程と、前駆体膜16が基板12上に形成されるのに対し、転写用膜24が支持体22上に形成される点以外は、基本的に同様な構成を有するので、同様な部分については説明を省略し、相違している部分を主に説明する。
(基板)
本工程で使用される基板としては、公知のものを用いることができる。基板に使用される材料としては、例えば、樹脂、紙、ガラス、シリコン系半導体、化合物半導体、金属酸化物、金属窒化物、木材、またはこれらの複合物が挙げられる。
より具体的には、上述したドナー基板の支持体に用いられる樹脂基板と同様な樹脂基板;非塗工印刷用紙、微塗工印刷用紙、塗工印刷用紙(アート紙、コート紙)、特殊印刷用紙、コピー用紙(PPC用紙)、未晒包装紙(重袋用両更クラフト紙、両更クラフト紙)、晒包装紙(晒クラフト紙、純白ロール紙)、コートボール、チップボール、段ボール等の紙基板;上述したドナー基板の支持体に用いられるガラス基板と同様なガラス基板;アモルファスシリコン、ポリシリコン等のシリコン系半導体基板;CdS、CdTe、GaAs等の化合物半導体基板;銅板、鉄板、アルミ板等の金属基板;アルミナ、サファイア、ジルコニア、チタニア、酸化イットリウム、酸化インジウム、ITO(インジウム錫酸化物)、IZO(インジウム亜鉛酸化物)、ネサ(酸化錫)、ATO(アンチモンドープ酸化錫)、フッ素ドープ酸化錫、酸化亜鉛、AZO(アルミドープ酸化亜鉛)、ガリウムドープ酸化亜鉛、窒化アルミニウム、炭化ケイ素等のその他無機基板;紙−フェノール樹脂、紙−エポキシ樹脂、紙−ポリエステル樹脂等の紙−樹脂複合物、ガラス布−エポキシ樹脂、ガラス布−ポリイミド系樹脂、ガラス布−フッ素樹脂等のガラス−樹脂複合物等の複合基板等が挙げられる。これらの中でも、ポリエステル樹脂基板、ポリエーテルイミド樹脂基板、紙基板、ガラス基板が好ましく使用される。
なかでも、基板としては、例えば、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、セルロースエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、シリコーン、ポリビニルエチルエーテル、ポリサルファイド、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、及びポリアクリレートからなる群から選択される少なくとも一つを有する樹脂基板が好ましい。
このような樹脂基板を使用すると、基板がレーザ光(特に、波長2μm以上のレーザ光。例えば、炭酸ガスレーザ)を吸収することがほとんどなく、基板が高温となることがない。結果として、レーザ光を吸収して還元生成された金属の急冷が効率よく進行し、酸化銅への戻りを抑制することができる。
(工程の手順)
本工程では、基板12と支持体22の違いはあるが、上記転写用膜24の形成の場合と同様に、上記分散液を基板12上に付与して前駆体膜16を形成する。
本工程においては、必要に応じて、分散液を基板12へ塗布した後に乾燥処理を行い、溶媒を除去してもよい。残存する溶媒を除去することにより、後述する第2照射工程において、溶媒の気化膨張に起因する微小なクラックや空隙の発生を抑制することができ、導電膜14の導電性及び導電膜14と基板12との密着性の点で好ましい。
(前駆体膜)
前駆体膜は、転写用膜に含まれる金属酸化物粒子と同じ金属酸化物粒子を含み、後述する光照射により金属酸化物粒子が金属に還元され、導電膜になる。
前駆体膜には、金属酸化物粒子が含まれ、特に、主成分として含まれることが好ましい。ここで主成分とは、前駆体膜全質量中、金属酸化物粒子の占める質量が80質量%以上であることを意図し、85質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましい。上限は特に制限されないが、100質量%が挙げられる。
前駆体膜には、金属酸化物粒子以外の成分(例えば、バインダー樹脂)が含まれていてもよい。
前駆体膜の厚みは特に制限されず、形成される導電膜の用途に応じて適宜最適な厚みが選択される。なかでも、後述する光照射による金属酸化物粒子の還元効率がより優れる点で、0.5〜200μmが好ましく、1.0〜100μmがより好ましく、5.0〜20μmがさらに好ましい。
なお、前駆体膜は基板全面に設けられていてもよく、パターン状に設けられていてもよい。
[第2照射工程]
第2照射工程は、図4に示すように、上記前駆体膜形成工程で得られた配線形成用基板40上の前駆体膜に対して、配線形成用レーザ光44を相対的に走査させつつ照射して、レーザ光44の照射領域における金属酸化物粒子を還元して金属を含有する導電膜14を形成する導電膜形成工程である。レーザ光44の照射を行うことにより、金属酸化物粒子がレーザ光44の光エネルギを吸収して金属酸化物から金属への還元反応が進行すると共に、吸収されたレーザ光44の光エネルギが熱に変換(光熱変換)され、前駆体膜16内部に熱が浸透することにより、内部においても金属酸化物から金属への還元反応が進行する。つまり、上記処理を施すことにより、金属酸化物粒子が還元されて得られる金属粒子同士が互いに融着してグレインを形成し、さらにグレイン同士が接着・融着して導電膜14を形成する。
図4には、基板12上に配置された前駆体膜16に対して、レーザ光学系42からレーザ光44を照射する実施形態を示す。図4においては、図示しない走査機構によりレーザ光源42を矢印の方向に移動させ、前駆体膜16の表面を2次元的に走査させつつ、前駆体膜16の表面の所定の領域に照射を行う。レーザ光42が照射された領域では、金属酸化物から金属への還元反応が進行し、金属を含む導電膜14が形成され、基板12上に前駆体膜16と導電膜14とが形成されている被処理基板10が作製される。
図4において、導電膜14は、直線状のパターンであるが、その形状は、図4に示す実施形態に限定されず、例えば、曲線状であってもよく、基板12全面に渡って導電膜16が形成されてもよい。
図4には、図示しない走査機構によりレーザ光学系42が移動される実施形態が例示されているが、本実施形態に限定されず、図3(C)に示す上述した第1照射工程の場合と同様に、レーザ光44と被照射物である前駆体膜16とが相対的に走査されればよい。なお、レーザ光と被照射物との相対的走査や変調に関しては、図3(C)に示すレーザ光28及び被照射物である転写用膜24を、それぞれ図4に示すレーザ光44及び被照射物である前駆体膜16に置き換えればよい。
(配線形成用レーザ光学系)
本発明に用いられる配線形成用レーザ光学系42は、配線形成用基板40の前駆体膜16内の金属酸化物粒子を還元できるレーザ光44を出射するものである。このようなレーザ光学系42としては、所定の照射条件を満たす連続発振レーザ光を照射することができれば、特に制限的ではなくどのようなものでも良いが、例えば、レーザ光44を照射するレーザ光源を含むものであれば、上述した転写用レーザ光学系26と同様に、公知のレーザ光学系を用いることができ、公知のレーザ光照射装置を用いることができる。
レーザ光44の波長は特に制限されず、金属酸化物粒子が吸収を有する波長であればよく、紫外光から赤外光まで任意のものを選択できる。なかでも、レーザ光44の波長は1.0μm以上が好ましく、3.0μm以上がより好ましく、5.0μm以上がさらに好ましく、9.0μm以上が特に好ましい。上記範囲であれば、金属酸化物粒子の還元がより進行しやすい。上限は特に制限されないが、装置の性能の点から、通常、30μm以下が好ましく、12μm以下がより好ましい。
したがって、レーザ光44の波長は、1.0〜12μmとするのがより良い。
本発明に用いられるレーザ44を出射するレーザ光源としては、上述した転写用レーザ光学系26と同様なレーザ光源を用いることができるが、CO2レーザ(炭酸ガスレーザ)が好ましく、例えば、キーエンス社MLZ−9500シリーズなどを挙げることができる。
本工程において、走査の速度は1.0mm/s以上であるのが良く、前駆体膜16中において金属酸化物から金属への還元がより効率よく進行すると共に、生産性がより優れる点で、1.5mm/s以上が好ましく、2.0mm/s以上がより好ましく、5.0mm/s以上がさらに好ましい。ここで、走査の速度が1.0mm/s未満では、制御が難しく、材料自体が蒸発などをしてしまう場合がある。
一方、走査の速度の上限は特に制限的ではないが、50mm/s以下であるのが好ましく、40mm/s以下であるのがより好ましい。走査の速度が50mm/s超の場合、前駆体膜中において金属酸化物から金属への還元が十分に進行せず、結果として導電特性に劣る導電膜が得られる。
以上から、走査の速度は、5.0〜40mm/sとするのがより良い。
本工程において、連続発振レーザ光のレーザパワーは0.6W以上であるのが良く、前駆体膜中において金属酸化物から金属への還元がより効率よく進行すると共に、導電膜の密着性がより優れる点で、0.7W以上が好ましく、0.8W以上がより好ましい。上限は、特に制限されないが、材料自体の蒸発をより抑制できる点で、100W以下が好ましく、50W以下がより好ましく、10W以下がさらに好ましく、5W以下が特に好ましく、4.0W以下が最も好ましい。
連続発振レーザ光のレーザパワーが0.6W未満の場合、前駆体膜中において金属酸化物から金属への還元が十分に進行しない、または、導電膜の密着性に劣る。
以上から、レーザパワーは、0.6〜4Wとするのがより良い。
本工程において、前駆体膜表面の一地点あたりの照射時間は1.0ms以上であるのが良く、前駆体膜中において金属酸化物から金属への還元がより効率よく進行すると共に、導電膜の密着性がより優れる点で、1.5ms以上が好ましく、3.0ms以上がより好ましく、4.0ms以上がさらに好ましい。
また、上限は特に制限されないが、1000ms以下が好ましく、500ms以下がより好ましく、100ms以下がさらに好ましく、12ms以下が特に好ましい。長すぎると、制御が難しく、材料自体が蒸発などをしてしまう場合がある。
以上から、照射時間は、1.5〜12msとするのがより良い。
ここで、照射時間は、連続発振レーザ光が照射される前駆体膜表面上の任意の一地点における連続発振レーザ光が照射される時間を意味する。照射時間は、走査速度とビーム径より計算できる。例えば、前駆体膜表面上に照射される連続発振レーザ光の走査する方向におけるビーム径の幅が60μmで、その走査速度が2m/sである場合、照射時間は30μsと計算される。
前駆体膜表面に照射される連続発振レーザ光のビーム径は特に制限されず、形成される導電膜の幅に応じて適宜調整される。例えば、導電膜をプリント配線基板の配線として用いる場合、細線な配線を形成できる点で、ビーム径は5〜1000μmが好ましく、9〜500μmがより好ましく、20〜200μmがさらに好ましい。
上記光照射処理を実施する雰囲気は、特に制限されず、大気雰囲気下、不活性雰囲気下、または還元性雰囲気下などが挙げられる。なお、不活性雰囲気とは、例えば、アルゴン、ヘリウム、ネオン、窒素等の不活性ガスで満たされた雰囲気であり、また、還元性雰囲気とは、水素、一酸化炭素等の還元性ガスが存在する雰囲気を指す。
(導電膜)
上記工程を実施することにより、金属を含有する導電膜(金属膜)が得られる。例えば、金属酸化物粒子として酸化銅粒子を使用した場合は、金属銅を含有する導電膜が得られる。
導電膜の膜厚は特に制限されず、使用される用途に応じて適宜最適な膜厚が調整される。なかでも、プリント配線基板用途の点からは、0.01〜200μmが好ましく、0.1〜100μmがより好ましく、5.0〜20μmがさらに好ましい。
なお、膜厚は、導電膜の任意の点における厚みを3箇所以上測定し、その値を算術平均して得られる値(平均値)である。
導電膜の体積抵抗値は、導電特性の点から、1×10-4Ωcm以下が好ましく、1×10-5Ωcm以下がより好ましい。
体積抵抗値は、導電膜の表面抵抗値を四探針法にて測定後、得られた表面抵抗値に膜厚を乗算することで算出することができる。
導電膜は基板の全面、または、パターン状に設けられてもよい。パターン状の導電膜は、プリント配線基板などの導体配線(配線)として有用である。
パターン状の導電膜を得る方法としては、上記分散液をパターン状に基板に付与して、上記連続発振レーザ光照射処理を行う方法や、基板全面に設けられた導電膜をパターン状にエッチングする方法や、基板全面に設けられた前駆体膜にパターン状に連続発振レーザ光を照射する方法などが挙げられる。
なお、エッチングの方法は特に制限されず、公知のサブトラクティブ法、セミアディティブ法などを採用できる。
導電膜をパターン状に設けた場合、必要に応じて、連続発振レーザ光が照射されていない前駆体膜の未照射領域を除去してもよい。未照射領域の除去方法は特に制限されず、酸などのエッチング溶液を使用してエッチングする方法が挙げられる。
以上、本発明の電気回路配線基板の製造方法について詳細に説明したが、本発明は、上述の例に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更を行ってもよいのは、もちろんである。
以下、本発明の電気回路配線基板の製造方法を実施例に基づいて具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例)
まず、本発明法を実施するため、電気回路配線を持つ被処理基板を作製して、評価を行った。
バーコータを用いて、Novacentrix社製酸化銅インク(ICI−020)をポリイミド基板(厚さ:125μm)に付与して塗膜(厚さ:40μm)を形成後、塗膜を有する基板をホットプレート上に載置し、100℃で10分間乾燥処理を施して溶媒を除去して、前駆体膜(厚さ:20μm)付き配線形成用基板を作製した。
次に、こうして作製された配線形成用基板の前駆体膜を、キーエンス社製ML−Z9550Tを用い、その炭酸ガスレーザ(波長9.3μm)から出射される走査方向のビーム径の幅が60μmの配線形成用レーザ光によって、そのレーザパワー、走査速度(線速)、及び照射時間を変えて、60μmピッチで走査して、ライン/スペース=60μm/60μmの導電膜を形成し、形成された導電膜からなる電気回路配線を持つ複数種類の被処理基板を作製した。
こうして作製された複数種類の被処理基板の導電性及び密着性を評価した。
その結果を表1に示す。
なお、被処理基板の導電膜の導電性及び密着性は、以下のように評価した。
(導電性評価)
導電性は、四端子法により測定し算出した体積抵抗率(Ω・cm)として求めた。具体的には、導電膜の体積抵抗率は、先ず焼成後の導電膜の厚さについて、SEM(電子顕微鏡S800:日立製作所社製)を用いて導電膜断面から導電膜の厚さを直接計測し、次に四端子法による比抵抗測定器(ロレスタ:三菱化学社製)を用い、この測定器に上記実測した導電膜の厚さを入力して測定した。
体積抵抗率が10-4Ωcm以下であった場合を「A」とし、10-4Ωcm超であった場合を「B」とした。
(密着性評価)
得られた被処理基板の導電膜の面に、カッターナイフで碁盤目状に縦11本、横11本の切り込みを入れて合計100個の正方形の升目を刻み、日東電工(株)製のポリエステル粘着テープ“NO.31B”を圧着して密着試験を行い、剥がれの有無を目視で観察した。剥がれがない場合を「A」、剥がれがある場合を「B」とした。
Figure 2014192465
表1に示すように、本発明法に従った実施例1〜6においては、導電性及び密着性に優れる導電膜が形成された被処理基板が作製された。
一方、比較例1〜3では、走査速度が遅いため、比較例4〜5では、走査速度が速いため、導電膜の導電性及び密着性の少なくとも一方が劣る被処理基板しか作製されなかった。
こうして作製された実施例1〜6の被処理基板の中で、配線形成用レーザ光のレーザパワー、走査速度(線速)、及び照射時間が、それぞれ0.8W、5m/s、及び12μsであった実施例1の被処理基板を用いて、被処理基板の導電膜からなる電気回路配線上に絶縁膜を形成して本発明法による電気回路配線基板を製造して、評価を行った。
まず、バーコータを用いて、前駆体膜形成に用いた酸化銅インクと同じNovacentrix社製酸化銅インク(ICI−020)をポリカーボネート支持体(厚さ:0.6mm)に付与して塗膜(厚さ:40μm)を形成後、塗膜を有する支持体をホットプレート上に載置し、100℃で10分間乾燥処理を施して溶媒を除去して、転写用膜(厚さ:20μm)付きドナー基板を作製した。
次に、こうして作製されたドナー基板を、転写用膜と電気回路配線を構成する導電膜とを間隔(0.5mm)を開けて対面させて、被処理基板上に重ね合わせて積層し、キーエンス社製MD−Z9900WAを用い、その炭酸ガスレーザ(波長1064nm)から出射される走査方向のビーム径の幅が60μmの転写用レーザ光によって、そのレーザパワー、及び走査速度(線速)を変えて、被処理基板上に形成された電気回路配線の配線パターンに合わせて、ドナー基板の支持体側から転写用膜を走査して、電気回路配線を構成する導電膜上に転写用膜を剥離転写して、導電膜を覆うように転写用膜内の酸化銅粒子からなる絶縁膜(厚さ:15μm)を形成し、電気回路配線上に絶縁膜が被覆された複数種類の電気回路配線基板を製造した。
こうして製造された複数種類の電気回路配線基板の絶縁膜の被覆性及び転写性を評価した。
その結果を表1に示す。
なお、電気回路配線基板の絶縁膜の被覆性及び転写性は、以下のように評価した。
(被覆性評価)
製造された電気回路配線基板において、絶縁膜が導電膜を被覆している状態を目視で観察した。完全に覆うことができている場合には、「A」、略覆うことができている場合には、「B」、導電膜が露出して覆えていない場所がある場合には「C」と評価した。
(転写性評価)
電気回路配線基板の製造後のドナー基板の支持体の変形の状態を目視で観察した。支持体の変形が全くない場合には、ドナー基板と被処理基板との間隔(距離)の変化が全く無く均一な転写が生じているので、「A」、支持体の変形がほとんどない場合には、ドナー基板と被処理基板との間隔(距離)の変化がほとんど無く略均一な転写が生じているので、「B」、支持体に変形がある場合には、ドナー基板と被処理基板との間隔(距離)が変わり、位置ずれやボケが生じているので、「C」と評価した。
その結果を表2に示す。
Figure 2014192465
表2に示すように、本発明法の実施例である本発明例1〜3では、被覆性及び転写性に優れる絶縁膜が形成された電気回路配線基板が製造できた。
一方、比較例6では、レーザパワー大きくて、高熱となり、ドナー基板の支持体に変形が生じ、位置ずれやボケが生じ、絶縁膜の転写性が劣化した電気回路配線基板が、比較例7では、レーザパワーが小さいため、絶縁膜から電気回路配線の導電膜が露出する場所があり、絶縁膜の被覆性が劣化した電気回路配線基板が作製された。
以上の結果から、本発明の効果は明らかである。
10 被処理基板
12 基板
14 導電膜
16 前駆体膜
18 配線層
20 ドナー基板
22 支持体
24 転写用膜
26、42 レーザ光学系
28 転写用レーザ光
30 電気回路配線基板
32 絶縁膜
40 配線形成基板
44 配線形成用レーザ光

Claims (14)

  1. レーザパワーが5.0〜14.0Wである第1のレーザ光のエネルギを吸収する絶縁材料として金属酸化物粒子を含む第1の膜が形成された、前記第1のレーザ光を透過する支持体を、第2のレーザ光による、前記金属酸化物粒子を含む第2の膜のレーザ焼結によって形成された導電膜からなる電気回路配線を有する基板上に、前記導電膜と前記第1の膜とが対面するように重ね、前記支持体の側から前記第1のレーザ光を照射して、前記金属酸化物粒子からなる絶縁層を前記第1の膜から前記電気回路配線上に転写して形成することを特徴とする電気回路配線基板の製造方法。
  2. 前記電気回路配線は、前記第2のレーザ光によってレーザパターニングされたものである請求項1に記載の電気回路配線基板の製造方法。
  3. 前記第1のレーザ光は、前記支持体と前記電気回路配線との距離を一定に維持しながら前記支持体の側から前記第1の膜に照射される請求項1または2に記載の電気回路配線基板の製造方法。
  4. 前記第1のレーザ光のエネルギは、前記支持体の変形を生じさせないエネルギである請求項3に記載の電気回路配線基板の製造方法。
  5. 前記第1のレーザ光の波長が1.0〜12.0μmで、そのレーザパワーが6.0〜12.0Wであり、前記第2のレーザ光の波長が1.0〜12.0μmで、そのレーザパワーが0.6〜4.0Wである請求項1〜4のいずれかに記載の電気回路配線基板の製造方法。
  6. 前記基板は、ポリイミドを含み、前記支持体は、ポリカーボネートを含む請求項1〜5のいずれかに記載の電気回路配線基板の製造方法。
  7. 前記第2の膜の厚みは、10μm以上であり、前記第1の膜の厚みは、20〜40μmであり、前記絶縁層の厚みは、10〜20μmである請求項1〜6のいずれかに記載の電気回路配線基板の製造方法。
  8. 前記金属酸化物粒子に含まれる金属原子が、Au、Ag、Cu、Pt、Pd、In、Ga、Sn、Ge、Sb、Pb、Zn、Bi、Fe、Ni、Co、Mn、Tl、Cr、V、Ru、Rh、Ir、Mo、W、Ti及びAlからなる群から選択される少なくとも一つの金属元素である請求項1〜7のいずれかに記載の電気回路配線基板の製造方法。
  9. 前記金属原子は、Cuである請求項8に記載の電気回路配線基板の製造方法。
  10. 前記絶縁層は、前記電気回路配線上に一様に形成される請求項1〜9のいずれかに記載の電気回路配線基板の製造方法。
  11. 前記絶縁層は、前記電気回路配線に応じて前記導電膜上にパターニングされて形成される請求項1〜9のいずれかに記載の電気回路配線基板の製造方法。
  12. 前記第1の膜は、前記金属酸化物の粒子を含む分散液を前記支持体上に塗布することにより形成される請求項1〜11のいずれかに記載の電気回路配線基板の製造方法。
  13. 前記絶縁層は、前記支持体側から前記第1の膜に対して、前記第1のレーザ光を相対的に走査させつつ照射し、前記第1のレーザ光の照射領域における前記第1の膜を前記支持体から剥離し、前記第1の膜の前記金属酸化物粒子を電気回路配線上に転写することによって形成されたものであり、
    前記第1のレーザ光の走査の速度が800〜1500mm/sであり、前記第1の膜の膜面の一地点あたりの照射時間が50〜100μsである請求項1〜12のいずれかに記載の電気回路配線基板の製造方法。
  14. 前記電気回路配線は、前記金属酸化物粒子を含む分散液を前記基板上に塗布して、前記金属酸化物粒子を含む前記前駆体膜を形成した後、前記前駆体膜に対して、前記第2のレーザ光を相対的に走査させつつ照射し、前記第2のレーザ光の照射領域における前記金属酸化物粒子を還元した金属を含有する前記導電膜を形成することにより得られたものであり、
    前記第2のレーザ光の走査の速度が5〜40mm/sであり、前駆体膜表面の一地点あたりの照射時間が1.5〜12msである請求項1〜13のいずれかに記載の電気回路配線基板の製造方法。
JP2013068828A 2013-03-28 2013-03-28 電気回路配線基板の製造方法 Pending JP2014192465A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013068828A JP2014192465A (ja) 2013-03-28 2013-03-28 電気回路配線基板の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013068828A JP2014192465A (ja) 2013-03-28 2013-03-28 電気回路配線基板の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014192465A true JP2014192465A (ja) 2014-10-06

Family

ID=51838431

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013068828A Pending JP2014192465A (ja) 2013-03-28 2013-03-28 電気回路配線基板の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2014192465A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017041651A (ja) * 2016-11-15 2017-02-23 エス・オー・シー株式会社 回路基板の製造方法及び回路基板
JPWO2016075793A1 (ja) * 2014-11-13 2017-04-27 エス・オー・シー株式会社 チップヒューズの製造方法及びチップヒューズ
JP2019508589A (ja) * 2015-12-17 2019-03-28 ユニヴェルシテ トゥールーズ トレジエム,ポール サバティエ 金属シュウ酸塩の層のレーザー照射による部品または支持されたマイクロ構造の製造のためのプロセス
US10546710B2 (en) 2015-04-07 2020-01-28 Soc Corporation Fuse production method, fuse, circuit board production method and circuit board
CN111615868A (zh) * 2018-09-17 2020-09-01 株式会社考恩斯特 利用激光化学气相沉积的精细布线形成方法
TWI723688B (zh) * 2019-12-19 2021-04-01 長豐光學科技股份有限公司 薄型線路的加工方法
JP2021516164A (ja) * 2017-12-28 2021-07-01 インスティテュート オブ コミュニケーション アンド コンピューター システムズ (アイ・シー・シー・エス) − ナショナル テクニカル ユニヴァーシティ オブ アセンズ (エヌ・ティー・ユー・エイ)Institute of Communication and Computer Systems (ICCS) − National Technical University of Athens (NTUA) デュアルビームレーザ転写
CN114322741A (zh) * 2021-12-14 2022-04-12 厦门大学 一种激光热解复合增材制造一体化前驱体陶瓷薄膜传感器及其制备方法

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2016075793A1 (ja) * 2014-11-13 2017-04-27 エス・オー・シー株式会社 チップヒューズの製造方法及びチップヒューズ
US10546710B2 (en) 2015-04-07 2020-01-28 Soc Corporation Fuse production method, fuse, circuit board production method and circuit board
JP2019508589A (ja) * 2015-12-17 2019-03-28 ユニヴェルシテ トゥールーズ トレジエム,ポール サバティエ 金属シュウ酸塩の層のレーザー照射による部品または支持されたマイクロ構造の製造のためのプロセス
JP2017041651A (ja) * 2016-11-15 2017-02-23 エス・オー・シー株式会社 回路基板の製造方法及び回路基板
JP2021516164A (ja) * 2017-12-28 2021-07-01 インスティテュート オブ コミュニケーション アンド コンピューター システムズ (アイ・シー・シー・エス) − ナショナル テクニカル ユニヴァーシティ オブ アセンズ (エヌ・ティー・ユー・エイ)Institute of Communication and Computer Systems (ICCS) − National Technical University of Athens (NTUA) デュアルビームレーザ転写
CN111615868A (zh) * 2018-09-17 2020-09-01 株式会社考恩斯特 利用激光化学气相沉积的精细布线形成方法
CN111615868B (zh) * 2018-09-17 2023-11-21 苏州科韵激光科技有限公司 利用激光化学气相沉积的精细布线形成方法
TWI723688B (zh) * 2019-12-19 2021-04-01 長豐光學科技股份有限公司 薄型線路的加工方法
CN114322741A (zh) * 2021-12-14 2022-04-12 厦门大学 一种激光热解复合增材制造一体化前驱体陶瓷薄膜传感器及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6042793B2 (ja) 導電膜の製造方法、プリント配線基板
JP2014192465A (ja) 電気回路配線基板の製造方法
TWI757279B (zh) 用於導電電鍍的雷射種晶之方法
US7666568B2 (en) Composition and method for providing a patterned metal layer having high conductivity
JP5897437B2 (ja) 導電層の製造方法、プリント配線基板
Back et al. Low-cost optical fabrication of flexible copper electrode via laser-induced reductive sintering and adhesive transfer
WO2013145953A1 (ja) 液状組成物、金属膜、及び導体配線、並びに金属膜の製造方法
WO2013145954A1 (ja) 液状組成物、金属銅膜、及び導体配線、並びに金属銅膜の製造方法
JP2016058227A (ja) 導電膜の製造方法
WO2015033823A1 (ja) 導電膜の製造方法
JP2008078310A (ja) 導電性パターンの形成方法、配線板の製造方法及び配線板
JP5871762B2 (ja) 導電膜形成用組成物および導電膜の製造方法
KR101841757B1 (ko) 구리나노잉크 및 레이저 소결법을 이용하는 플렉서블pcb 전극패턴 제조방법
JP2014167872A (ja) 導電膜の製造方法、配線基板
JP2015026681A (ja) 多層配線基板の製造方法
KR20170133154A (ko) 전도성 구리잉크 인쇄 및 레이저 소결법을 이용하는 fpcb 전극 제조방법
JP2015026680A (ja) 多層配線基板の製造方法
KR20220003717A (ko) 연성회로기판, 이의 제조 방법 및 이를 포함하는 전자 소자
JP2009252937A (ja) 金属膜パターンの製造方法
JP2014186831A (ja) 導電膜の製造方法
WO2015005178A1 (ja) 導電膜形成用組成物およびこれを用いる導電膜の製造方法
JP6111587B2 (ja) 導電性基板の製造方法
JP2014203848A (ja) 配線基板の製造方法