JP2014192270A - 発光装置および照明装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】枠部の内側に透光性樹脂を充填する構成において光取出し効率を向上させることができる発光装置及びこの発光装置を具備する照明装置を提供する。
【解決手段】枠部4に入射した光は枠部4内の蛍光体16によって黄色光に波長変換されて枠部4を透過して外方に出射される。そして、封止樹脂5から又は枠部4から出射された青色光と黄色光とが混合(混色)することにより、白色光が得られる。このとき、枠部4の母材と封止部材5の母材とは異なるように形成している。
【選択図】図2
【解決手段】枠部4に入射した光は枠部4内の蛍光体16によって黄色光に波長変換されて枠部4を透過して外方に出射される。そして、封止樹脂5から又は枠部4から出射された青色光と黄色光とが混合(混色)することにより、白色光が得られる。このとき、枠部4の母材と封止部材5の母材とは異なるように形成している。
【選択図】図2
Description
本発明の実施形態は、発光素子を用いた発光装置およびこの発光装置を配設している照明装置に関する。
従来、照明装置には、表面側に樹脂層を有する金属ベース基板の一面に発光素子を複数並設するとともに発光素子を包囲する枠部を設けて、この枠部内に蛍光体が混じられたシリコーン樹脂等の透光性樹脂を充填し、この封止樹脂で各発光素子を埋設したCOB(chip on board)型の発光装置が用いられている(例えば特許文献1参照。)。そして、当該発光装置には、基板の樹脂層上に銀メッキをして、発光素子から放射された光の一部を銀メッキ上で反射させて、出射効率を向上させているものがある。
従来の枠部は、前記封止部材の流れ止めとして機能させるものであるとともに、表面が白色等からなる反射面を有するように形成されているものであった。すなわち、例えば母材となる樹脂に白色顔料を混ぜて光が透過しないように形成し、このような樹脂材料で枠部を形成することによって封止部材の流れ止めとともに枠部内面で反射させるように形成されていた。したがって、枠部によって又は枠部による反射の繰り返しによって、少なくとも発光素子からの光が吸収されてしまい光取出し効率の低下をまねいてしまうことがあった。
本実施形態は、枠部の内側に透光性樹脂を充填する構成において光取出し効率を向上させることができる発光装置及びこの発光装置を具備する照明装置を提供することを目的とする。
本実施形態の発光装置は、基板、発光素子、枠部および封止樹脂を有して構成される。そして、例えば、発光装置は、基板と、基板の一面側に実装された複数の発光素子と、透光性の第一樹脂と、この第一樹脂に混入された蛍光体とを有し、複数の発光素子を包囲するように基板の一面側に設けられて枠部と、枠部材の第一樹脂とは別組成であって透光性の第二樹脂と、この第二樹脂に混入された枠部材と同一種類の蛍光体とを有し、複数の発光素子を封止するように枠部内に充填された封止樹脂とを具備している。
本発明の実施形態によれば、透光性の枠部であって、かつ、この枠部には蛍光体が混入されているため枠部によって吸収される光が抑制することができるため、光取出し効率の向上が期待できる。
以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照して説明する。まず、本発明の第1の実施形態について説明する。
本実施形態の発光装置1は、図1および図2に示すように構成される。図2において、発光体1は、基板2、発光素子3、枠部4及び封止樹脂5を有して形成されている。
基板2は、例えば、正方形に形成された厚さ1mmの板状のアルミニウム(Al)からなり、その一面2aに例えば厚さ80μmの絶縁層7が形成されている。絶縁層7は、例えばエポキシ材および無機フィラー材からなり、高熱伝導性を有している。そして、絶縁層7の表面に、例えば厚さ10μmの金属メッキ部8が設けられおり、絶縁層7上にアルミニウムがメッキされた金属メッキ部8が形成されている。なお、金属メッキ部8は、銅製の下地層やニッケル製の中間層等を適宜用いることでもよい。 金属メッキ部8は、図1に示すように、四角形に形成されている。そして、金属メッキ部8の両端側には、一対の配線パターン9,9が形成されている。配線パターン9,9は、例えば厚さ10μmの金属層、例えば銅、この銅の表面にニッケルメッキされ、さらに銀メッキされた導電材料からなり、金属メッキ部8と同様、絶縁層7の表面に形成されている。そして、配線パターン9,9は、基板2の一端部側に設けられた雌コネクタ10に電気接続されている。雌コネクタ10は、発光素子3に電力を供給する図示しない電源装置に接続される。
発光素子3は、複数個からなり、金属メッキ部8の表面8a側に実装されている。すなわち、発光素子3は、基板2の金属メッキされた一面2a側に実装されている。発光素子3は、直方体に形成されたサファイア11の表面に発光層12が形成され、この発光層12の表面に電極13,14が設けられている。サファイア11は、金属メッキ部8の銀メッキ層の表面に図示しない透明シリコーンにより接着されている。発光層12は、例えば、紫外光から青色光の領域の光を放射する発光材料例えばInGaNを有して形成され、通電により青色光を放射する。
電極13,14は、隣かつ列状の発光素子3の電極13,14にそれぞれワイヤボンディングされている。そして、図2に示すように、列状の図中最左端の発光素子3の電極13は、一対の配線パターン9,9の一方にワイヤボンディングされ、列状の図中最右端の発光素子3の電極14は、一対の配線パターン9,9の他方にワイヤボンディングされている。すなわち、図1に示すように、複数個の発光素子3は、列毎にボンディングワイヤ15により直列接続されて、一対の配線パターン9,9に電気接続されている。
そして、基板2の絶縁層7上には、発光素子3を包囲するように枠部4が形成されている。この枠部4は、第一樹脂である絶縁性を有する熱硬化性樹脂である例えばフェニル系シリコーン樹脂からなっている。そしてこの樹脂材料の中には白色粉末が混入されておらず、後述の蛍光体16を含有する透光性を有する形態である。
また、枠部4は、酸素透過量が1200cm3/(m2・day・atm)以下である熱可塑性樹脂を封止樹脂材料として用いている。また、この枠部4は、デュロメータ(タイプA)で測定した硬さが45以上89以下の範囲である熱硬化性樹脂を用いることが好ましい。硬さが45以上であることにより、枠部4の強度を確保することができる。これにより、例えば発光装置1を取扱う際に枠部4に物体が接触する又は人の手が触れたとしても枠部4が破壊されることを防止できる。一方、硬さが89以下であることにより、発光装置1の点灯及び消灯による温度変化によって封止樹脂が膨張及び収縮を繰り返しても基板2から枠部4が剥離してしまうことを防ぐことができる。したがって、このような形態には、フェニル系シリコーン樹脂及びフェニル系ハイブリッド樹脂が挙げられる。
そして、枠部4は、基板2上に雌コネクタ10を実装する前に、未硬化の熱硬化性樹脂を接合層6上に例えばディスペンサを用いて塗布する。このとき、樹脂自体のチクソ性によって枠部の形状は維持されている。その後、熱硬化されて枠部4が形成され、このように形成された枠部4の基の内側が発光素子3の収納部となっている。
また、図2において、封止樹脂5は、第二樹脂である例えば透光性のジメチル系シリコーン樹脂からなり、枠部4の内側に充填されて、各発光素子3を封止している。すなわち、発光素子3およびボンディングワイヤ15は、封止樹脂5により封止されている。封止樹脂5の表面5aは、平坦状となっている。この封止樹脂5は、硬化後の硬さは枠部4よりも小さくなるように形成されている。
そして、封止樹脂5は、蛍光体としてのYAGを用いた蛍光体16を所定の濃度又は配合比で含有している。蛍光体16は、発光素子3から放射された青色光が入射されると、その青色光を黄色光に波長変換する。すなわち、蛍光体16は、発光素子3の放射光の一部を波長変換する。この波長変換された黄色光と、発光素子3から放射された青色光とが混合して封止樹脂5の表面5aから外方に出射されることにより、発光装置1から白色光が放射しているように見える。すなわち、封止樹脂5の表面5aは、発光装置1の発光面となっている。
また、この蛍光体16は、枠部4にも含有されているが、枠部4における蛍光体16の濃度又は配合比は、封止部材5における濃度又は配合比と同一となるように形成されている。
なお、図1において、枠部4の外側の基板2の絶縁層7上には、白色のレジスト19が塗布されている。
次に、第1の実施形態の作用について述べる。
なお、図1において、枠部4の外側の基板2の絶縁層7上には、白色のレジスト19が塗布されている。
次に、第1の実施形態の作用について述べる。
発光装置1は、その雌コネクタ10に電源装置から電力が供給されると、発光素子3に所定の電流が流れる。発光素子3は、発熱し、発光層12から青色光を放射する。青色光は、その一部が封止樹脂5を透過して外方に出射される。また、青色光の一部は、透光性樹脂5に含有された蛍光体16により黄色光に波長変換されて、封止樹脂5を透過して外方に出射される。
また、青色光および黄色光のそれぞれの一部は、基板2の一面2a側に設けられた金属メッキ部8に入射して反射される。そして、封止樹脂5に入射した当該反射光は、その一部が封止樹脂5を透過して外方に出射される。
また、青色光および黄色光のそれぞれの一部は、枠部4の内側に放射されるが、枠部4は、透光性を有しているため枠部4に放射された青色光および黄色光は、枠部4内に入射する。そして、枠部4に入射した光は枠部4内の蛍光体16によって黄色光に波長変換されて枠部4を透過して外方に出射される。そして、封止樹脂5から又は枠部4から出射された青色光と黄色光とが混合(混色)することにより、白色光が得られる。すなわち、発光装置1から白色光が放射される。
このとき、本実施形態においては、枠部4の母材と封止部材5の母材とは異なるように形成している。すなわち、枠部4は高粘性であるフェニル系シリコーン樹脂で形成していることにより、封止部材5を堰き止めるための部材として機能する硬さを確保しているが、この樹脂材料を封止部材5に用いてしまうとワイヤ15が断線を生じる虞がある。この点について補足すると、本実施形態のように非常に個数の多い発光素子3を共通の封止部材5で覆う形態の場合、発光素子3の点灯によって発光素子3自体から発生する熱及び蛍光体16の変換作用によって発生する熱が大きくなり、封止部材5の熱が高くなりやすい傾向になる。このような状態において、封止部材5の硬さが硬いと、熱による膨張収縮に関する応力がワイヤ15等に掛かることになってしまうため、発光素子3の点灯消灯を繰りかえることによって断線が生じやすくなってしまうものである。したがって、枠部4に用いる樹脂は、硬さがデュロメータ(タイプA)で測定した硬さが45以上89以下の範囲である比較的硬い熱硬化性樹脂とすることによって、製造性を含めて堰き止め機能が発揮できるようにしているとともに、封止部材5の樹脂は枠部4よりは硬さが低いものであって、発光素子3の点灯消灯時にある程度膨張収縮が可能となる例えばジメチル系シリコーン樹脂を用いることが好適となる。
さらに、枠部4と封止部材5との樹脂は異なるものであるが、共にシリコーン樹脂であることも特徴である。すなわち、各樹脂は求める機能が異なるため、同一種類ではないものの各部材間に隙間を生じることは光取出し効率の観点等から避ける必要がある。したがて、本実施形態では、製造後の硬さが異なる二種の材料を用いるとしてもその基本的な種類は共通なものを用い、加える添加剤や充てん剤や形成方法を変えることによって硬さを異にするものにしている。このように構成することによって、接着強度は増すことになるので、発光素子3の点灯消灯を繰りかえることによる各部材の膨張収縮が生じても破断等が生じることを抑制することができる。
そして、本実施形態においては、枠部材4に蛍光体16が混入されているため、従来のように枠部材を反射体として用いるものに比べて光ロスが少なくなる。具体的には、白色の樹脂製枠部材としたものに比べて本実施形態の枠部材に変えるとl/Wで表わされる効率で4.7%、全光束(lm)で4.4%向上した。
さらに本実施形態においては、枠部材4と封止部材5とに混入されている蛍光体16の濃度は共通にしている。このように構成することによって、各母材が異なっても配合調整が容易であるため、製造管理が容易になるとともに、蛍光体16の配合比が共通であるため、各部材から出射する黄色光のずれが少なく、発光領域の主部である封止部材5から照射される光の色温度と枠部材4から照射される光の色温度との差異を無くすことができる。さらに、枠部材4からも黄色光が出射するため、角度色差も少なくことができ、配光も横方向に広げることが容易となる。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
本実施形態の照明装置21は、図3に示すように構成される。なお、図3において、図1と同一部分には、同一符号を付して説明は省略する。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
本実施形態の照明装置21は、図3に示すように構成される。なお、図3において、図1と同一部分には、同一符号を付して説明は省略する。
照明装置21は、天井面等に埋設されるダウンライトであり、略円筒状の装置本体22の下端側22aに円形の化粧枠23がリベット24により取り付けられ、この化粧枠23に透光性カバー25が配設されている。化粧枠23は、その外面23aに補強片26が設けられている。
そして、装置本体22は、左右両側に装置本体22を天井面等に固定するための一対の取付けばね27,27をリベット28により取り付けている。また、装置本体22は、下端側22aの内部に図1に示す発光装置1を回転対称に4個配設している。
また、装置本体22は、その中間側22bの内部に電源装置29が配設されている。電源装置29は、交流電源を直流電源に変換し、発光装置1の発光素子3に定電流(電力)を供給するように既知の構成により形成されている。そして、装置本体22の上面側22cには、交流電源からの図示しない電源線を接続する端子台30が配設されている。
本実施形態の照明装置21は、枠部4に蛍光体16が混入されており、枠部4から光が出射するため、光取出し効率がよく、配光が広がりやすい照明光の光束維持率の低下を抑制することができるという効果を有する。
なお、照明装置21は、埋込型のダウンライトに形成したが、これに限らず、発光装置1を具備する長形の埋込型、直付け型や吊り下げ型などの照明装置やLED電球などのランプ装置に形成されたものであってもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…発光装置、2…基板、3…発光素子、4…枠部、5…封止樹脂、21…照明装置
Claims (4)
- 基板と;
基板の一面側に実装された複数の発光素子と;
透光性の第一樹脂と、この第一樹脂に混入された蛍光体とを有し、複数の発光素子を包囲するように基板の一面側に設けられて枠部と;
枠部材の第一樹脂とは別組成であって透光性の第二樹脂と、この第二樹脂に混入された枠部材と同一種類の蛍光体とを有し、複数の発光素子を封止するように枠部内に充填された封止樹脂と;
を具備していることを特徴とする発光装置。 - 第一樹脂は、第二樹脂よりも硬さが高くなるように形成されており、この硬さの大小関係において、第一樹脂のデュロメータ硬さが45以上89以下で形成されていることを特徴とする請求項1記載の発光装置
- 第一樹脂に混入される蛍光体の第一樹脂の配合比は、第二樹脂に混入される蛍光体の配合比と同一に形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の発光装置。
- 請求項1ないし3いずれか一記載の発光装置と;
この発光装置を配設している装置本体と;
この発光装置の発光素子に電力を供給する電源装置と;
を具備していることを特徴とする照明装置。
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JP2018032689A (ja) * | 2016-08-23 | 2018-03-01 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 発光装置、及び照明装置 |
JP2018195622A (ja) * | 2017-05-12 | 2018-12-06 | 日亜化学工業株式会社 | 発光装置と発光装置の製造方法 |
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