JP2014192162A - 半導体集積回路装置の製造方法 - Google Patents

半導体集積回路装置の製造方法 Download PDF

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利浩 森澤
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匡 鈴木
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Abstract

【課題】計測位置に制約がある場合であっても、ウェハ面内分布を提供することが可能な半導体集積回路装置の製造方法を提供する。
【解決手段】半導体集積回路装置の製造方法は、複数のLSIチップ領域、あるいは複数のLSIチップ領域を製造する際に用いられるホトリソグラフィー工程でのショット領域を計測する計測工程を含む。計測工程により、計測した複数の計測位置座標と複数の計測位置座標における計測結果とを用いて2次元単体を生成し、複数の2次元単体により、製品ウェハを覆うことにより、製品ウェハの面内における分布を示すウェハ面内分布を構成する面内分布構成工程を、更に含み、複数の製品ウェハのそれぞれに対して構成されたウェハ面内分布を用いて、前記複数の製品ウェハ間を評価する。
【選択図】図13

Description

本発明は、半導体集積回路装置の製造方法に関し、特に半導体集積回路装置(LSI:Large Scale Integrated circuit)を製造するためのウェハプロセスにおいて、プロセス処理とその処理結果であるウェハの面内分布を管理する方法に関する。
半導体集積回路装置は、円盤状のシリコン(Si)基板ウェハに、酸化膜やポリシリコン膜を堆積し(成膜)、回路パターンをホトリソグラフィーによりマスクし、エッチングにより形状を形成することで、ウェハ上に、回路パターンが形成される。半導体集積回路装置における半導体デバイス(半導体素子)を作成する工程では、成膜、ホトリソグラフィー(以下、ホトリソと称する場合もある)、エッチングを繰り返しながら、さらにインプラント(イオン注入)も繰り返し、半導体デバイスの構造に各種の電極を形成する。半導体デバイス形成後には、半導体デバイス間を結線するために、絶縁膜を堆積した後に、ビアホールと配線の回路パターンを多層に形成する。銅(Cu)配線を形成する場合には、酸化膜を成膜し、エッチングでビアホール、溝を形成し、銅メッキした後にCMP(Chemical Mechanical Polishing)でウェハ表面の銅を除去する。この一連の処理を多層に亘って繰り返すことで、多層配線を実現する。
上記した様な各工程においては、処理結果が所定の精度を満たしているかを確認するために計測が実施される。例えば成膜処理後には膜厚を計測し、またエッチング後には半導体デバイスのゲート電極の寸法(線幅、CD:Critical Dimension)を計測する。また、製品となるウェハ(以下、製品ウェハと称する)が完成した後は、その製品ウェハに対してウェハ受入テスト(WAT: Wafer Acceptance Test)が実施され、電気特性が確認される。さらに、P検査(Probe test)により、各種回路の機能が確認される。
1枚のウェハには、数百以上のLSIチップが形成され、ウェハのサイズは直径300ミリメートル以下、さらには450ミリメートル以上も想定される。LSIチップ、もしくはミクロンオーダ以下の微細なデバイス(半導体素子)に対し、ウェハの面積は広い。そのため、例えば、ウェハ面内における膜厚を計測した場合、計測結果である膜厚の計量値は、所定の精度に対して、ウェハ面内において無視できない大小の差を持つこととなる。すなわち、計量値にはウェハ面内分布がある。ウェハ面内分布は、各種プロセスの処理の結果としてウェハ上に発生する。特に成膜、エッチング、CMPといったウェハ表面の全面を一括して処理するプロセスでウェハ面内分布は発生する。これは、ウェハ表面を一括して処理するが、プロセスの処理により面内各位置で差がでるためである。
図1に成膜処理を行うための、CVD(Chemical Vapor Deposition:化学気相成長法)装置の例を示す。図1は、平行平板型プラズマ(CCP:Charge Coupled Plasma)装置を用いたCVD装置101と、それにウェハを搬入する構成を示した模式図である。同図に示したCVD装置101では、生産の都合で複数のウェハがまとめられたロット111から、ウェハ112が取り出され、チャンバ(処理室)102に1枚のウェハ103が装填され、装填されたウェハ全面に成膜処理が行われる。なお、図1において、106は、チャンバ(処理室)102へガスを供給するガス供給系を示しており、107は、チャンバ(処理室)102からガスを排気するガス排気(図では排気と表示)系を示している。また、104および105は、プラズマを発生させるための上部電極および下部電極を示している。
上記したところのエッチングの処理を行うエッチング装置は、ウェハ表面の物質を除去する装置であるが、装置とウェハの関係は、上記したCVD装置と類似する。CVD装置、エッチング装置は、一台の装置に複数のチャンバが並列に搭載される。このような装置をクラスター装置と呼ぶ。CMPを行うCMP装置は、ウェハ1枚を研磨ヘッドで保持して、定盤(プラテン)にウェハ表面押し付け、薬液(スラリー)を流しながら研磨ヘッドと定盤を相対運動させることで、ウェハ表面の物質を除去し、ウェハ表面を平坦化する装置である。
上記した様な装置よって、ウェハ表面は一括で処理される。製品ウェハの生産では、プロセス処理の結果は、処理後の計測において計量値が上限値、下限値から逸脱しないかで、管理される。ウェハ面内において計量値の大小の差が大きければ、管理値から逸脱しやすい、すなわち不良となりやすい。
図2(A)から図2(F)のそれぞれは、ウェハ表面おける分布(面内分布)を示した等値線図である。これらの図において、同じ計量値の位置は線で結ばれており、斜線でハッチングしてある領域は、計量値が大きい位置(領域)を示している。図2(A)には、ウェハ201を計測した結果が示されている。ウェハ201の面内分布201では、ウェハ201の中心近辺で計量値が大きくなっており、面内分布201は中心で凸となっている。図2(A)から図2(F)の説明においては、ウェハと、そのウェハを計測して得た面内分布とを同じ記号で表す。例えば、図2(A)に示したウェハとそのウェハの面内分布は、ともに201とされている。図2(A)においては、等値線は、ほぼ等間隔となっているため、面内分布201は、ほぼ完全な同心円となっている。
これに対して、図2(B)には、ウェハ202の面内分布202が示されており、計量値が大きい位置が、同図において、やや左上にある。また、等値線の間隔はほぼ同じである。従って、ウェハ202の面内分布202では、中心からやや左上に凸がずれている。すなわち、面内分布202は、やや左上にずれた同心円となっている。図2(C)には、ウェハ203の面内分布203が示されている。図2(C)から理解される様に、面内分布203は、計量値が大きい位置(凸)が、同図において左にずれ、右側で等値線の間隔が広くなっている。すなわち、面内分布203は、同図において、右側で勾配が小さく、裾野が広くなっている。一方、図2(D)に示したウェハ204の面内分布204においては、外周部分の計量値も大きく、中心が凸なだけでなく、周辺部分にも凸が存在しており、ドーナツ状の分布が混ざっている。図2(E)に示したウェハ205の面内分布205においては、計量値が大きくなっている位置が、同図において左上であり、右下に向かってなだらかな勾配(等値線の間隔が広くなっている)となっている。また、図2(F)に示したウェハ206の面内分布206においては、特定の傾向を見出せない。
ウェハ表面における面内分布は、計測した際の計量値の精度に影響するので、例えば、分布は平面で傾きを定量化する。あるいは、面内分布を特定の曲面などに当てはめれば、ウェハ全面の計量値の大小を管理することが可能となる。しかしながら、図2(A)から図2(F)に示した面内分布では、例えば2次関数での表現では不十分となる。
さらに、製品ウェハにあっては、計測位置に関して制約が生じる。何の処理もされていないで、その表面が平坦な珪素(Si)基板、あるいは珪素基板に酸化膜などを堆積しただけで、その表面が平坦なブランケットウェハの場合、ウェハ表面の全面で形状に違いが無い。そのため、この様なウェハであれば、プロセス処理した後でも、ウェハ上の任意の位置を計測することができる。例えば、ウェハは円盤状であるので、同心円状に計測位置を配置する、または任意の角度で直径に亘って計測位置を配置することなどが可能である。このようなウェハを、本明細書ではモニタ用ウェハと呼ぶ。これに対して、複数の製造工程および複数の計測工程を経て、ウェハに回路(回路間の結線も含む)を形成し、LSIチップとして分離するまでのウェハを製品ウェハと呼ぶ。
一方、製品ウェハ上には、複数のLSIチップが配置される。LSIチップの形状はホトリソグラフィー工程でのショット毎に形成される。これは、ウェハの一部を、複数のLSIチップが配置されたマスクで覆い、露光することでレジストパターンを形成するからである。製品ウェハにおけるショット配置の例を図3に示す。図3において、303はウェハを示しており、ウェハ303の中心を起点としてX軸301とY軸302の値が示されている。図3において、304は、ショットを示しており、その形は、四角形であり、数cm角のサイズを有している。1枚のウェハ303は、100以上のショットで露光される。なお、図3では、全てのショットはウェハ303の領域内に収まっているが、ウェハ外周をはみ出してショットしても良い。
1ショット当たり、すなわちホトマスクには複数のLSIチップが配置されている。図4に、1ショットにおける、LSIチップの配置の例を示す。また計測位置の例についても併せて、図4に示す。図4において、401は、ホトリソのショットを示しており、402は、LSIチップを示している。図4では、1ショット当たり、4個のLSIチップ402が配置される例が示されており、LSIチップ402は、斜線を付して、示してある。
LSIチップ402は、複数個がショット領域内に配列されており、LSIチップ402の間の隙間には、最終的にLSIチップを切り出す際の切りしろであるところの領域、所謂スクライブラインと呼ばれる領域403、404が配置されている。製品ウェハを製造しているときには、このスクライブライン(領域)403、404は利用可能である。そのため、このスクライブライン403、404に、TEG(Test Element Group)と呼ばれる各種計測のための部位が、製品ウェハ製造中に形成される。膜厚計測の部位、線幅計測の部位、またWATでの検査対象の回路もTEGに含まれる。図4では、膜厚計測の部位が、膜厚計測部位406として示され、線幅計測の部位が、寸法計測部位405として示されている。計測する対象により部位の構成(配置、形状、構成要素)は異なるため、それぞれの計測対象とする部位は、1つのショットにおいて異なる。
製造する半導体集積回路装置の種類に応じて、LSIチップのサイズは異なる。従って、製造する半導体集積回路装置の種類に応じて、ショットのサイズも異なる。この結果として、ショット内での計測位置も、半導体集積回路装置の種類に応じて、異なることになる。
また、製品ウェハの生産においては、計測スループットの向上を図るため、全てのショットにおいて計測することは無く、ウェハ面内で数から数十のショットを選定して、選定したショットにおいて計測する。また、計測対象のショットは、製品毎の検査の目的に応じて異なる。計測の対象は、製品ウェハの製造工程では、ゲート・配線や溝の寸法、膜厚であり、製品ウェハ製造後では、電気的特性となり、ショット内の異なる箇所を計測する。各種の計測の対象は、計測する装置により異なり、ウェハ面内における計測位置の設定条件を含む計測レシピ(条件)は、計測装置毎に、またウェハの種類毎に作成される。このためウェハ面内における計測位置の計測順序も製品ウェハにより異なってくる。
製品ウェハの計量値の面内分布を管理するためには、上記した様に、製造する半導体集積回路装置の種類や工程の違いによる計測位置の違いを反映することが望まれる。
特許文献1には、CMP工程を対象に、同心円状に計測位置が配置されたモニタ用ウェハの研磨結果により、研磨レートの半径方向の分布を作り出し、製品ウェハの計測位置での研磨レートや研磨後膜厚を求める方法が記載されている。特許文献2には、ウェハ面内分布のモデル式を高次の多項式で定め、パラメータ(係数)によりウェハ面内傾向を同心円状と直径方向でモデル化する方法が記載されている。特許文献3には、電気特性をLSIチップの単位でウェハ面内のマップにより表現し、プロセス、工程の出来栄え(処理結果)のウェハ面内分布と比較する方法が記載されている。特許文献4には、曲面モデル(高次多項式)を用いてウェハ面内の任意の位置を補間できる面内分布を作成して代表モデルとし、代表モデルを再現できる計測位置を決定する方法が記載されている。また、特許文献5には、不純物イオンが注入されて結晶性が乱れたアモルファス領域の特性を光学的に評価する方法とそれを利用した半導体装置の製造方法が記載されている。
特許第4274813号公報 特開2005−51210号公報 特開2007−36068号公報 特開2010−135370号公報 特許第3164373号公報
LSIチップのウェハ面内における配置、もしくはホトリソグラフィー工程でのショットの配置のために、計測位置に制約が生じる製品ウェハにおけるウェハ面内分布を、特に実際の生産において、管理可能とすることが望ましい。つまり、任意の計測位置での計測結果に基づいて、ウェハ面内分布を生成することができる様にすることが望ましい。この場合、ウェハ面内分布は、図2(A)から図2(F)に示してある様に、平面や2次曲面といった単純な曲面では表現できない場合がある。これに対応するために、より高次の曲面を想定すると、計測位置の数や配置の工夫が必要になってしまう。
特許文献1には、製品ウェハ上の計測位置の計量値を推定できるが、2次元でのウェハ面内の分布は表現できない。特許文献2および特許文献4には、曲面モデル(高次多項式)に基づく面内分布が示されている。しかしながら、2次といった低次の多項式では図2(A)から図2(F)に示した面内分布を精度良く表現することは困難である。もし、精度良く表現しようとするならば、高次の多項式を考え、高次の多項式で表される曲面モデルへの当てはめ計算のために、多くの位置を計測位置とすることが必要とされる。すなわち、多くの計測位置数が必要とされる。
特許文献3においては、ウェハ面内の全LSIチップの電気特性のマップが製品ウェハの面内分布とされている。プロセス、あるいは工程における処理結果における製品ウェハ計測位置を用いた面内分布表現法については、ホトリソグラフィー工程の全ショットの計測位置による面内分布の例を記載している。製造する半導体集積回路装置の種類により計測位置が異なる製品ウェハ間の比較、あるいは計測位置数が制限される場合に関する処理方法について記載は無い。
また、特許文献5には、アモルファス領域の厚みを光学的に評価することが示されているが、製造する半導体集積回路装置の種類により計測位置が異なる製品ウェハ間の比較、あるいは計測位置数が制限される場合に関する処理方法について記載は無い。
上記のいずれの特許文献においても、計測位置に制約が有る場合におけるウェハの面内分布は意識されていない。
その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
ウェハの面内分布を提供するためには、各種プロセス装置で処理されたウェハにおいて、そのウェハ面内の複数の位置を計測できなければならない。また製品ウェハの完成後においても、やはりウェハ面内の複数の位置に配置された回路の電気特性を計測できなければならない。一方、計測する位置(計測位置)は、製造する半導体集積回路装置の種類に応じて異なる。また、面内分布を求めようとする対象ウェハが、モニタ用ウェハであっても、計測位置は、計測の目的に応じて決められるため、計測位置は計測対象とするウェハに応じて設定できなければならない。
製品ウェハ、あるいはモニタ用ウェハの面内各位置の計量値より面内分布を構成し、複数ウェハ間で、面内分布を比較、評価するためには、計測結果のデータを収集して、ウェハ面内分布を構成する計算処理を行う計算機が必要であり、データ入出力装置、ネットワークと接続されている必要がある。
ここで課題を整理すると、課題は、次の4つに整理される。(1)製品ウェハでは、製造する半導体集積回路装置の種類に応じたショット配置となり、ショット配置に応じて計測位置が限定されること、(2)各種計測において、ウェハ面内計測位置の計測順序が異なること、(3)ウェハ面内で任意の計測位置数、計測位置の計量値から面内分布を構成すること、(4)面内分布の傾向を各プロセス装置、各ウェハで共通に管理すること。
製品ウェハでは、種類が同一の半導体集積回路装置であっても、各種の計測用の部位は異なって配置される。複数の工程間や計測法に亘って共通にウェハ面内の計測結果を管理するためには、同一のショットに対して計測結果を揃える。たとえばウェハ面内で100ショットならば、ショットの識別(ID)毎に寸法、膜厚、また電流といった電気特性を管理することである。しかし各計測においては、計測装置、もしくは計測の設定(レシピとも呼ぶ)に応じてショットの計測順序は異なる。これは、製品ウェハの製造は多くの工程を経る必要があり、電気特性の計測も製造部門とは別の部門が行うため、計測内容の管理は個別に実施されるためである。さらには計測順序の他、特定のショット内の部位が計測できないという問題もある。ショット内で各種計測対象の部位が異なるが、計測装置によっては、たとえばウェハ外周(エッジ)の近傍に計測部位があるなどして、計測出来ないこととなる。つまりウェハ面内の全ショットを計測しようとしても、計測によって計測位置数が異なることにもなり、おのずと計測順序も異なる。
計測結果は、ウェハの計測について、計測順序を意味する計測位置番号、座標値、計量値の組である。計測位置番号が各計測で異なるならば、すべての計測で共通となる識別番号を、別途用意する必要がある。しかし外周近くに配置されたショットが計測可能かは、個別の計測装置で判断できるものであり、事前に全ての計測装置で計測対象とするショットを知ることは困難である。
ショットは四角形であり、ウェハ上に規則正しくx、y方向にショットされることに着目すれば、ウェハ上におけるショットの配列位置でショットの一致を管理できる。配列位置は、ウェハ上におけるx方向のショットの並び順番号と、ウェハ上におけるy方向のショットの並び順番号の組である。ショット配置は、種類が同一の半導体集積回路装置ならば、製品ウェハの製造中に一貫しており、LSIチップとの対応も取れるため、矛盾が発生しない利点がある。すなわち、一実施の形態によれば、ウェハ上におけるショットの配列情報(ショット配列の情報)を用いて、各種計測で対象としたショットが管理される。
ウェハ面内において、任意の計測位置数、計測位置における、計測結果から面内分布を構成するためには、まず計測位置数が少なくても面内分布が構成できなければならない。製品ウェハでの計測位置の例を図5に示す。図5においては、図3と同じものには、同一の符号が付されている。図5では、計測位置(計測したショットの位置)が、●、▲、■、◆等の記号によって明示されている。記号と計測との関係は、501に示されている。例えば、記号●は、計測(Site)#5を示し、記号◆は、計測(Site)#9を示している。計測は、Site#1からSite#9までの9点で、計測位置数も9点となる例が、図5に示されている。
これら計測位置から得た計測結果を、高次の曲面モデル、例えば最小自乗法によりモデルを当てはめればよいが、例えば3次元の2元(x、y)3次の曲面であっても、当てはめるパラメータは10個が必要とされる。さらに計測により得たデータ(計測結果)にはバラツキ(ランダム誤差、ノイズ)も入るため、9点では当てはめはできず、さらに多くの計測位置数が必要となる。また、分布の勾配(変化)が局所的に異なる場合においては、勾配を反映した曲面モデルの式を新たに検討し、計測位置も、勾配を考慮した位置に配置しなければならない。このためには曲面モデルの式と、計測位置数と計測位置との評価が別途で必要となる。
ウェハ面内分布は、座標(x、y)に対して計量値が1つ決まれば良いというモデルを考える。また、ウェハ面内の任意の位置で計量値が求まれば良いというモデルを考える。この様なモデルとして、例えばk−NN(Nearest Neighborhood)のように、任意の位置における値を、その任意の位置に近傍した計測位置における計量値を基にして、重み付け平均で推定することが考えられる。この場合、推定において参照する点数(計測位置)と推定の際の重みをあらかじめ決めなければならない。本願の発明者は、モデルとして次に述べる様な面のモデルを考えた。
計測位置と計量値だけで、ウェハ面内で面(表面)を構成できれば、すなわち面のモデルを定めることができれば、事前の重みの設定など不要であり、また座標に対し一意に計量値を決めることができる。少ない点数(計測位置)に対応するためには、最も少ない点数で決定できる平面を用い、計測位置を通る平面を配置すれば、ウェハ面内領域を覆うことができる。平面は3点で決まる。3点は三角形を構成し、すなわち計測位置間を線分で結べば、三角形のパッチ(三角形状の面)でウェハ面内を覆うことができる。このような三角パッチ(三角形状の面)を、本明細書においては、2次元単体(2−dimensional simplex, 2−simplex)と呼ぶ。本明細書では、ウェハの面内分布を取り扱い、ウェハ表面は2次元の平面であるため、単に単体(simplex)と言えば、2次元単体のことである。この方法ならば、計測位置数、位置を問わず面内分布を構成できる。平面であるので、モデル式の次数の影響を懸念する必要は無く、また各単体は互いに近傍の3点で構成されるので、ウェハ面内の局所的な変化を表現できる。一方で、単体の内部は近傍3点で平均化された領域であると解釈できるので、平滑化された尤もらしい推定結果が得られる。
単体による面内分布の構成は、計測位置数が多くても適用可能である。計測位置数の多い例として、モニタ用のウェハがある。このモニタ用ウェハの計測位置の例を図6に示す。図6において、601はウェハであり、記号◆で表した602は、計測位置である。同図において、301と302は、図3で説明しているので、省略する。モニタ用ウェハ601は、製品ウェハと異なり、任意の位置に、任意の数だけ計測位置を配置することが可能である。この図3の例においては、計測位置数は57点とされている。計測位置は同心円状に配置されているが、互いに近傍したところの3点の計測位置で三角形は構成できる。従って、計測位置数が多くても、単体により面内分布を構成できる。他の実施の形態によれば、面のモデルによりウェハの面内分布が構成される。
面内分布の傾向を、各プロセス装置間および/あるいは各ウェハ間で共通に管理するためには、面内分布の参照となる位置を、各プロセス装置間および/あるいは各ウェハ間で、共通にして、計量値を比較可能とする。上記した面のモデルを用いて、面内分布を構成すれば、ウェハ面内で任意の位置の値を推定できるので、上記した参照の位置を、各プロセス装置間および/あるいは各ウェハ間で共通化できる。
ウェハは円盤状であるので、半径方向で分布を管理する、すなわち円盤状であるウェハの半径位置に対して計量値を比較すれば良い。しかし、ウェハ全面での傾き、あるいは局所的な勾配についても差異を比較することが望ましい。つまりウェハ面内を2次元で管理することが必要であるので、半径方向の管理を前提とし、円座系(極座標)で管理する。上記した参照の位置を、例えば半径位置で5点、軸周りで8放射方向とするなら、中心の重複を許せば5×8=40点で管理することとなる。上記した参照の位置で得られたデータによって、面内傾向を定量的に評価可能とするためには、半径方向と軸周り放射方向の参照点位置を、行列として表現する。行列として表現することにより、行列演算によって、例えば相関係数行列を求めれば、半径位置に応じた大小の傾向がわかり、また行間を比較すればウェハの上から下に向かって計量値が低下する傾向にある、といった解釈が、さらには定量的な判定が可能となる。
なお、ウェハが円盤状であることより円座系での管理としたが、直交座標系としてx、yの位置に対応して参照する位置を共通化してもよく、これを行列として表現すれば、やはり行列の演算により、ウェハ面内の傾向を定量的に評価できる。
上記した一実施の形態によれば、計測位置に制約がある場合であっても、ウェハ面内分布を提供することが可能な半導体集積回路装置の製造方法を提供することができる。
CVD装置の構成を示す模式図である。 (A)から(F)はウェハ面内分布を説明するための等値線図である。 製品ウェハにおけるショット配置を示した模式図である。 1ショットにおけるLSIチップの配置を示した模式図である。 製品ウェハでの計測位置を示した模式図である。 モニタ用ウェハの計測位置を示した模式図である。 面内分布管理システムの構成を示す構成図である。 ウェハ面内計測機能一覧を示す構成図である。 面内分布管理システムの機能構成を示す構成図である。 ウェハ面内の全ショットの配置を示した模式図である。 (A)から(C)は各計測における計測対象のショットの配置を示した配置図である。 全ショットのウェハ上での配列を示した配列図である。 (A)および(B)はウェハ面内を単体で埋め尽くした例を示した図である。 単体と関連する幾何オブジェクトの関係を示した説明図である。 単体面内分布構成法の処理手順を示したフローチャート図である。 単体面内分布構成法の処理手順を示したフローチャート図である。 単体面内分布構成法の処理例を示した図である。 単体面内分布構成法の処理例を示した図である。 単体面内分布構成法の処理例を示した図である。 単体面内分布構成法の処理例を示した図である。 単体面内分布構成法の処理例を示した図である。 単体面内分布構成法の処理例を示した図である。 単体面内分布構成法の処理例を示した図である。 単体面内分布構成法の処理例を示した図である。 単体面内分布構成法の処理例を示した図である。 単体面内分布構成法の処理例を示した図である。 単体面内分布構成法の処理例を示した図である。 単体面内分布構成法の処理例を示した図である。 単体面内分布構成法の処理例を示した図である。 単体面内分布構成法の処理例を示した図である。 単体面内分布構成法の処理例を示した図である。 単体面内分布構成法の処理例を示した図である。 単体面内分布構成法の処理例を示した図である。 単体面内分布構成法の処理例を示した図である。 単体面内分布構成法の処理例を示した図である。 単体面内分布構成法の処理例を示した図である。 単体面内分布構成法の処理例を示した図である。 単体面内分布構成法の処理例を示した図である。 単体面内分布構成法の処理例を示した図である。 単体面内分布構成法の処理例を示した図である。 単体面内分布構成法の処理例を示した図である。 単体面内分布構成法の処理例を示した図である。 (A)および(B)は幾何オブジェクトの生成内容を示した説明図である。 (A)および(B)は面オブジェクトの境界の更新方法を示した説明図である。 単体面内分布推定法の処理手順を示したフローチャート図である。 単体と計量値推定対象点との位置関係を示した説明図である。 3次元空間内での単体の構成を示した説明図である。 計量値推定対象点がウェハ外周の外部にある場合を示した説明図である。 ウェハ面内の計量値推定位置の配置の例を示した図である。 ウェハの中心を基準として各位置の処理量を規格化した例を示した図である。 処理量の規格値の面内分布行列の例を示した図である。 (A)から(D)はゲート形成からサイドウォール形成までの製造工程を示したCMOSデバイスの断面図である。 ゲート形成からサイドウォール形成の各工程と計測対象の一覧を示した図の例である。 (A)から(E)はゲート形成からサイドウォール形成の各工程における計測結果のウェハ面内分布の例を示した等値線図である。 電気特性のウェハ面内分布の例を示した等値線図である。 成膜装置、エッチング装置に対するウェハの経路の例を示した工程図である。 (A)および(B)はエッチング処理量の面内分布を説明するための説明図である。 (A)から(D)は成膜後の膜厚とエッチング処理量の面内分布の例を示した図である。 (A)から(E)は配線層間、配線層を形成する製造工程における断面図である。
<面内分布管理システム>
まず、一実施の形態に係わる面内分布管理システムを、図7、図8および図9を用いて説明する。図7は面内分布管理システムの構成を示す構成図、図8はウェハ面内計測機能一覧を示す構成図、図9は面内分布管理システムの機能構成を示す構成図である。
図7を用いて、面内分布管理システムの全体的な構成および機能を説明する。図7に示されている面内分布管理システムの構成および機能は、計算機がプログラムを実行(処理)することにより達成される。面内分布管理システムを構成するところの物的な構成(ハード構成)としては、面内分布管理システムは、計算機と、各種の装置と、計算機と各種の装置との間を接続するネットワークを有している。
図7において、701はウェハ面内分布管理システム(品質管理システム)、702はウェハ面内分布管理システムユーザーインターフェース、703はデータ集計システム、705は計測結果データを示している。また、同図において、711、712、713は、製造装置を示しており、721、722、723は、計測装置を示しており、731は電気特性計測装置を示しており、732は回路機能検査装置(プローブテスタ)を示している。同図において、704は、計測装置721、722、723、731および回路機能検査装置732のそれぞれに設けられたウェハ面内計測機能を示している。
製品ウェハは、多くの製造工程を経て製造される。また製造後には、製品ウェハ上の回路の電気的特性と、さらには各LSIの回路機能とを検査、計測する。製造工程においては、各工程でプロセスの処理結果を確認するために、ウェハ上の各部位が計測される。つまり、図7においては、711で示されている製造装置1(CVD)、712で示されている製造装置2(エッチング)から、723で示されている製造装置nまでを経て、製品ウェハは製造される。製造の各工程では、計測装置1(721)、計測装置2(722)から計測装置n(723)を用いて、ウェハが計測される。特に制限されないが、この実施の形態においては、製造装置711であるCVD装置により処理されたウェハは、計測装置721を用いて、膜厚の計量が行われ、製造装置712であるエッチング装置により処理されたウェハは、計測装置722により、寸法が計量される。製造の工程を経過して、製品ウェハが完成すると、完成した製品ウェハは、電気特性計測装置731、回路機能検査装置732により検査、計測される。
ウェハ面内分布を評価するためには、ウェハ面内の各部位を計測するための設定を、ウェハ面内計測機能704を用いて行う。この実施の形態においては、ウェハ面内計測機能704は、計測装置および検査装置毎に設けられている。すなわち、複数のウェハ面内計測機能704が設けられている。各ウェハ面内計測機能704は、ネットワークを介して、対応する計測装置および検査装置に接続されている例が、図7には示されている。もちろん、ウェハ面内計測機能704は、それが対応する計測装置721、722、723、731および検査装置732に組み込まれていてもかまわない。また、図7においては、各計測装置721、722、723、731および検査装置732に、個別にウェハ面内計測機能704が割り当てられているが、ネットワーク中にひとつのみウェハ面内計測機能704を設け、ネットワークを介して各計測装置および検査装置に接続される様にしても良い。また、ウェハ面内計測機能704は、計算機により実行されるプログラムとして、システムに存在する。もちろん、ウェハ面内計測機能704を物的(ハード的)に設けても良い。
各計測装置721、722、723、731および検査装置732による計測で得られたデータ(計量されたデータ)は、各計測装置に格納されるとともに、データ集計システム703を介して、計測結果データベース705に格納される。計測結果データベース705へデータを格納する際、データ集計システム703は、同一のロット、ウェハの各製造工程における計測結果を識別可能となるようにする。計測結果データベース705はこれを実現するためのデータベースのデータ構造形式を有している。なお、図では、計測結果データベース705に格納されるデータとして、(1)処理来歴、(2)品種、工程、処理条件、(3)ロット、ウェハ構成、(4)ショット、座標、および(5)計測結果(計量値)が示されている。
ウェハ面内の品質、特にウェハ面内分布の傾向を管理することを目的とした、ウェハ面内分布管理システム701は、計測結果データベース705から各製造工程の計測条件を含む計測結果(計量結果)を取得し、2次元のウェハ面内分布を構成して、複数のウェハの、もしくは複数の工程での面内分布を比較、評価可能とする。また、ウェハ面内分布管理システム701は、ウェハ面内分布の傾向を定量化する。ウェハ面内分布管理システム701は、ウェハ面内分布管理システムユーザーインターフェース702に接続されており、ユーザーは各種処理の指示や、処理内容、結果の確認を、このウェハ面内分布管理システムユーザーインターフェース702を用いて行うことができる。なお、ウェハ面内分布管理システム701、ウェハ面内分布管理システムユーザーインターフェース702は、特定の計測装置(検査装置を含む)での計測結果を用いて、面内分布を管理するために、該当する計測装置に組み込まれていても、直接に計測装置に接続されていても良い。
図8には、上記したウェハ面内計測機能704の機能が示されている。図8においては、計測装置811に、ウェハ面内計測機能704が接続されている例が示されている。ここで、計測装置811は、図7に示した計測装置721、722、723、731および検査装置732を一般化したものである。またウェハ面内計測機能704に対する各設定は、ユーザーインターフェース812を用いてユーザーが実施する。ウェハ面内計測機能704は、ウェハ面内の計測位置座標を設定する機能801を有する。製品ウェハにおけるショット内の部位に対し、ショット毎に計測が行われるため、製品ウェハ全ショット計測機能802により、製品ウェハ面内の全ショットを計測するための設定が行われる。製品ウェハ全ショット計測機能802においては、製品ウェハ上のホトリソグラフィー工程での全ショットに対しショット配列を設定する。また、この設定した全ショットと、個別の計測装置で計測可能なショットの全てとは異なるため、この差異も反映して、対象とする製品ウェハと計測装置別に全ショットを設定する。
計測位置番号/順序設定機能803により、計測装置の計測位置毎の計測順を設定する。生産計測ショット設定機能804により、計測位置数が限定される実際の生産での、計測対象とするショットを設定する。計測指示機能805により計測装置811へ、計測の実施、もしくは計測装置へのウェハ面内計測処理内容の指示を行う。
なお、以上のウェハ面内計測機能704の設定はユーザーインターフェース812を介してユーザーが設定するとして記載したが、外部データ媒体などを介してデータを読み込ませても、また計算処理により自動的に設定を行っても良い。
図9は、ウェハ面内分布管理システム701の機能を示す構成図である。ウェハ面内分布管理システム701の機能は、大別すると、製品ウェハ計測対象ショット特定/評価機能910、面内分布構成/推定機能920、面内分布傾向管理機能930の3つに分かれる。なお、これらの機能は、プログラムを計算機が実行することにより達成される。
製品ウェハ計測対象ショット特定/評価機能910は、LSI品種/工程/計測装置照合機能911、LSI製品ウェハショット配列取得機能912、ショット配列−計測位置番号突合せ機能913、計測位置番号別計測結果取得機能914、同一品種同一ショット計測結果一覧化機能915および同一品種ウェハ面内相関係数算出機能916を含んでいる。この製品ウェハ計測対象ショット特定/評価機能910は、ショット毎に計測を行う製品ウェハの計測結果の処理を主な対象としている。
LSI品種/工程/計測装置照合機能911は、複数の製品ウェハにおける計測結果データの品種、工程、計測装置の照合を行う。このLSI品種/工程/計測装置照合機能911により、例えば、ショット毎に製品ウェハ計測結果を比較する場合には、同一種類のLSI製品を対象として照合を行う様にされる。一方、同一の製造工程または同一の計測装置でのウェハ面内分布を比較する場合には、同一の製造工程または同一の計測装置を対象として、計測結果データの照合を行う様にされる。LSI製品ウェハショット配列取得機能912は、対象とする製品ウェハのショット配列情報を計測結果データベース705から取得する。もしくはウェハ面内計測機能704で設定した全ショットの配列情報を取得する。ショット配列−計測位置番号突合せ機能913は、計測装置での計測位置番号/計測順序とショット配列位置との対応付け情報を取得する。計測位置番号別計測結果取得機能914は、各計測位置番号についての計測結果を取得する。計測結果とは計測した結果の値であり、計量値である。
同一品種同一ショット計測結果一覧化機能915は、ショット配列が同一となる同一品種の、ショット配列に対する計測結果の一覧(表、データ)を作成する。複数の計測装置のデータを対象とし、ある計測装置で一部のショットを計測できない場合、ショット配列に対する計測結果の一覧は、一部のショットでデータが無いこととなる。また実際の生産においては、限定された計測位置数での計測結果しか得られない場合がある。この場合には、一部のショットに対してのみ計測結果が存在することとなる。同一品種ウェハ面内相関係数算出機能916は、2枚のウェハの、ショットに亘る(ショット間の)相関係数を算出する。
面内分布構成/推定機能920は、計測位置座標取得機能921、ウェハ外周位置取得機能922、単体(3角パッチ)面内分布構成機能923、単体面内分布による計量値推定機能924、曲面モデル取得機能925、曲面モデル当てはめ機能926および曲面モデルによる計量値推定機能927を有している。この面内分布構成/推定機能920は、ウェハ面内の任意の計測位置から取得した計量値に基づき、ウェハ面内分布の作成と計量値の推定に関する処理を主な対象としている。
計測位置座標取得機能921により計測位置の座標値を取得する。ウェハ外周位置取得機能922により、ウェハ外周上の位置を取得する。ウェハ外周は円(曲線)であるので、円周上の、例えば45度間隔の8点といった、複数の位置の座標値を取得する。また取得と書いたが、計算により求めても良い。
単体(3角パッチ)面内分布構成機能923により、ウェハ面内を、それぞれ互いに近傍した3点により表した3角形を単体として、ウェハ面内を覆い、単体で面内分布を構成する。単体面内分布による計量値推定機能924は、単体で構成した面内分布よりウェハ面内各位置の計量値を推定する。
曲面モデル取得機能925は、ウェハ面内分布を表現する数式の形式を取得する機能である。曲面モデル当てはめ機能926は、ウェハ面内分布を表現する数式のパラメータを、計測結果を用いて当てはめ計算により求める機能である。曲面モデルによる計量値推定機能927とは当てはめ計算を行った後の曲面モデルを用いてウェハ面内各位置の計量値を推定する機能である。
面内分布傾向管理機能930は、円座系の放射方向―同心円上の計量値推定機能931、円座系推定値の行列(面内分布行列)表現構成機能932、面内分布行列算出機能933および放射方向―同心円上傾向判定機能934を有する。この面内分布傾向管理機能930は、計量値のウェハ面内分布の、同心円状、傾き(傾斜)、局所的な凹凸の発生部位といった、傾向の管理に関する処理を主な対象としている。
円座系の放射方向―同心円上の計量値推定機能931により、ウェハ面内分布のモデル(例えば単体面内分布構成によるモデル)より、各放射方向で中心を含む複数の半径位置の計量値を推定する。円座系推定値の行列(面内分布行列)表現構成機能932により、放射方向、同心円上の計量値を行列の形式に表現する。面内分布行列算出機能933により、面内分布行列の、相関係数行列演算といった計算を行う。放射方向―同心円上傾向判定機能934により、面内分布の傾向を評価、判定する。
以上が、製品ウェハの面内分布の管理方法の機能である。
(実施の形態1)
<異なる製造工程、検査装置における全ショット計測結果の共通ショットの突合せ>
製品ウェハの計測位置は、ショット毎に限定される。製品ウェハで、実際の計測により面内分布を正確に確認するためには、全ショット計測を行うこととなる。
同一品種のLSIの製品ウェハの場合は、ウェハ面内のホトリソグラフィー工程のショットは同じ配置となる。しかし、製品ウェハ上には、成膜、ホトリソグラフィー、エッチングといった多種多様な製造工程を経て、ゲートから配線までが形成される。計測についても、膜厚計測装置(例えば、図7の721)では膜厚、CD−SEM(Scanning Electron Microscope)といった寸法計測装置(例えば、図7の722)では寸法が計測され、また電流、電圧といった電気特性はテスターで計測される。各ショット内部において、各計測の対象となる部位(位置)は異なり、同一のショットであっても、計測装置によっては計測しない場合もある。
ショットは、図3で説明した様に、ウェハ面上に配置される。ウェハ面上に配置される全てのショット、すなわち全ショットに対して識別番号を付して、説明する。図10には、ショットに識別番号を付し、全ショットの配置を識別番号で表した配置が示されている。この例では、図10に示した全ショットの配置(識別番号の配置)を、全ショット番号1001とする。全ショット番号1001では、各ショットに識別番号を振っており、同図において左下を識別番号#1とし、右側に昇順に、さらに上方向に昇順に進み、右上の識別番号#87までの識別番号が付されている。この例では、全ショットは、87個のショット(87ショット)である。なお、本明細書では、番号を表すのに、数字の前に記号#をして、識別を容易化している。例えば、#1は番号1を表すものである。
これに対して、各計測における計測対象のショットを、計測順を含めて図11に示す。図11の(A)には、寸法(以下CDと称する場合も有る)を計測する際に、計測対象とされるショットの配置が示されている。また、各ショットに付されている番号は、計測の際の順番を示している。すなわち、計測は番号#1から番号#86へと順番に実行される。このときのショットの配置(計測対象となるショットの配置)と番号の配置を、CD計測対象ショット順(番号)1101とする。
図11(B)には、膜厚を計測する際に、計測対象とされるショットの配置と計測される順番が示されている。すなわち、計測が寸法ではなく、膜厚であることを除いて、図11(A)と同じである。また、図11(C)には、電気的特性を計測する際に、計測対象とされるショットの配置と計測の順番が示されている。この図11(C)も、計測対象が、寸法ではなく、電気的特性であることを除いて、図11(A)と同じである。なお、図11(B)に示されているショットの配置(計測対象とされるショットの配置)と計測順番の配置を、膜厚計測対象ショット順(番号)1102とする。同様に、図11(C)に示されているショットの配置(計測対象とされるショットの配置)と計測順番の配置を、電気特性計測対象ショット順(番号)1103とする。
CDを計測する際に、計測の対象ショットとなる全ショットは、図11(A)から理解される様に、全86ショットである。図10に示した全ショット番号1001と図11(A)に示したCD計測対象ショット順(番号)1101とを比較すると、全ショット番号1001において、左上の認識番号#81のショットが計測対象に含まれていない。また、CD計測においては、計測の順番が、左端を#1とし、下から上に、そして左から右に昇順で並ぶ。すなわち、左端の番号#1から、上記した昇順で、CDの計測が実施される。
膜厚を計測する際には、計測の対象となる全ショットが、図11(B)に示されている様に、全83ショットとなる。全ショット番号1001と図11(B)に示した膜厚計測対象ショット順(番号)1102とを比較すると、全ショット番号1001において、認識番号#37、#81、#87、#49のショットが計測対象に含まれていない。また、膜厚の計測順は左上の番号#1から、左から右へ、そして上から下に昇順に並ぶ順に従って、計測が実施される。同様に、電気特性を計測する際には、計測の対象となる全ショットが、図11(C)に示されている様に、全68ショットとなる。全ショット番号1001と図11(C)に示した電気特性計測対象ショット順(番号)1103とを比較すると、全ショット番号1001において、認識番号#37、#1、#2、#3等の19個のショットが計測対象に含まれていない。また、電気特性の計測は、左上のショット番号#1から、左から右へ、そして上から下に昇順に並ぶ順に実施される。
製品ウェハでの全ショットの計測結果を、計測する装置間で、比較・評価するためには、共通のショット(言い換えるならば、計測する装置間で、同一のショット)で評価することが望ましい。しかしながら、上記した様に、特定の計測装置においては、計測の対象とされないショットが存在する。また、計測装置における計測の順番も、互いに異なる。そのため、各計測結果でのショットの同一を、計測装置間で突き合わせることが必要となる。ここで、計測装置から取得される計測結果(データ)が、計測順、x座標値、y座標値、および計量値であるとして、説明する。この場合、x座標値およびy座標値は、ショット内での計測位置を示す座標値であり、計測する対象により異なる。そのため、xおよびyの座標値の一致により、同一のショットであると判定することはできないものとする。計測順、および計測値は、元々計測対象ショットが異なるので、計測結果だけからでは、ショットが同一であるか否かの判定は困難である。
図10に示した全ショット番号1001の識別番号と、図11(A)から図11(C)に示したショット順(番号)を対応付けておけば、全ショット番号1001を介して同一のショットを照合できるが、この場合、全ショット番号1001と、各計測でのショット順(番号)を別途設定しなければならない。
ところで、製品ウェハを製造するためには、予めショット配置は決められている。各計測装置での計測条件(レシピ)を決める際に、上記した予め決められたショット配置に対して計測対象のショットが設定される。ショットは四角形であり、x方向とy方向の配列(ショット配列)としてウェハ上に配置される。よってショット配列とショット順との関係を利用すれば、各計測において、同一のショットを判定することができることとなる。
図12には、図10に示した全ショット番号1001に、ショット配列を合わせた全ショットウェハ上配列1201が示されている。この全ショットウェハ上配列1201は、ウェハの中心を起点として、x方向に配列番号#は、−6から6、y方向に配列番号#は、−4から4までの範囲の整数で定義される。また、図11(A)から図11(C)に示した各種計測に対して、共通となるショットを、各種計測共通ショット1202(同図においては、ドットが埋められている)として示してある。この各種計測共通ショット1202を得るには、各種の計測において、ショット配列の座標で定まるショット位置が全ての計測で対象ショットとなっていることを判定すれば良い。ショット配列座標は、x方向の配列番号#とy方向の配列番号#の組である。この計測対象ショットとショット配列座標は、計測条件(レシピ)を設定した際にデータベースに格納しておけば良い。
例えば、CD計測装置で計測する場合、計測したショットの計量値と、その計測したショットの配列座標とを組として、計測結果として出力する様に、CD計測装置の計測条件を設定する。これにより、計測結果に含まれているショット配列座標から、全ショットウェハ上配列1201を基準として参照することにより、計測したショットのウェハ上の座標を把握することが可能となる。例えば、図12を参照して説明すると、計測結果として、計量値とショット配列座標(例えば、x方向の座標が−3、y方向の座標が−3)が出力された場合、全ショットウェハ上配列1201を参照にして、出力されたショット配列座標の値から、ウェハ上の識別番号#7が、計測されたショットであると判定できる。また、計測結果として出力された計量値は、この判定されたショットに対するCD計測装置の計測により得られた値であると把握することか可能となる。
膜厚計測装置においても、同様な設定を行っておくことにより、膜厚計測装置から出力される計測結果には、計量値とショット配列座標が含まれることになる。全ショットウェハ上配列1201を参照にして、出力されたショット配列座標から、計測されたショットのウェハ上における位置を把握することができる。これにより、ウェハ上で同じ位置におけるショットに対する、CD計測装置からの計量値と膜厚計測装置からの計量値とを照合することが可能となる。すなわち、同一のショットに対して、各種計測装置の計測結果を照合をすることが可能となる。さらに、各種計測において、共通に計測されるショットが、各種計測共通ショット1202として設定されているため、照合可能なショットについてのみ、照合が可能となる。
以上により、同一品種のLSIにおいて、複数のウェハの、異なる工程や計測における計量値を、同一のショットに対して評価することができることとなる。この全ショット計測により得たデータを用いて、面内分布を生成して傾向を評価することができる。一方で、得られた2つの製品ウェハの、もしくは2つの異なる計測での、計測結果であるショット配列座標(x配列番号#、y配列番号#)と計量値とより、それらの2つのウェハ面内分布の類似性を式(1)に示す相関係数Rにより定量的に評価することもできる。
Figure 2014192162
ここでvは計量値であり、添え字のは2つの計測結果のそれぞれを意味する。vの上のバー“”は平均を意味する。x#、y#はそれぞれx配列番号#、y配列番号#である。nは計測ショット数(2つの計測結果での共通のショット数)である。
なお、全ショット計測の結果でなくても、例えば3ショット計測(3点の計測)のデータであっても、相関係数自体は算出可能である。しかし全ショット、もしくは全ショットでないにしてもウェハ全面を均等な間隔で多く計測した結果でなければ、面内分布の評価としては不十分である。多くの計測結果とは、例えば直径300mmのウェハならば4cm程度の間隔での、数十ショットを対象とした計測結果を意味する。またこの相関係数は、製品ウェハでなくても、モニタ用ウェハであっても、計測位置番号をインデクスとして計算可能である。
(実施の形態2)
<単体面内分布構成法、推定法:任意の計測位置数、計測位置によるウェハ面内2D分布の作成方法、曲面モデルによる面内分布の併用>
次に、ウェハ面内における任意の計測位置数および任意の計測位置において計測された計測結果から、面内分布を生成し、また生成した面内分布から任意の位置の計量値を推定する方法を示す。任意の計測位置であっても、互いに近傍する3カ所を計測位置とし、この3カ所の計測位置で2次元単体とし、この単体でウェハ面内を埋め尽くすことで面内分布とする。各単体は平面である。すなわちウェハ面内を単体で覆い尽くしたモデルである。各計測位置の計量値をz方向(平面に対する垂直方向)の値とすれば、計量値は、ウェハ面内分布を表すこととなる。
ウェハ面内を、計測位置により単体で埋め尽くす例を図13に示す。図13の(A)において、点番号1301は、ウェハ面内の計測位置を点とし、その点の配置の例を示している。図13の(A)においては、計測位置は9箇所である。そのため、計測位置を表す点の数は9点である。同図において、P1からP9のそれぞれが、計測位置を示す点である。またウェハ面内を、単体で埋め尽くすために、ウェハ外周上1302に点を設けている。ウェハ外周上の点を外周点と、位置を外周位置と呼ぶ。外周点は、その点に付されたラベルの数字で特定される。図13の(A)においては、このラベルの数字は、3桁で表示されており、P101からP108までの8点が、外周点として設定されている。計測位置である点には、その計測位置で計測することにより得られた計量値が対応付けられている。外周点については、例えば最も近い計測位置の計量値が、その外周点の計量値とされる。あるいは、その外周点に対して近傍した2点における計量値の平均値が外周点の計量値とされる。もちろん、外周点における計量値は、他の方法により割り当てても良い。
ウェハ面内を単体で埋め尽くした単体の配置の例が、単体番号1311として、図13の(B)に示されている。同図において、1312は、全部の単体の境界を示しており、境界1312は、外周点で構成される。一方、ウェハ面内の計測位置だけによって構成される単体では、その境界は境界1313となる。この境界1313の内部の単体は、S1からS10の10個であり、外周点を含む単体はS101からS114の14個ある。つまりウェハ面内を24個の単体で構成している。単体の構成は一意に定まらないが、あらゆる領域は、領域内部の任意の点配置に対して、点を頂点とした単体で埋め尽くすことができる。このように単体でウェハ面内分布を構成する方法を、本明細書では単体面内分布構成法と呼ぶ。
単体により面内分布を構成するためには、形状情報を位相幾何に基づく形状表現によりデータを構造化する。ウィングドエッジデータストラクチャを用いればよいが、ウェハ面内分布は計量値を含めて3次元空間中の表面として表現されるので、例えば体(body)オブジェクトの概念は不用である。点(point)、頂点(vertex)、半稜線(half−edge,halfedge)、稜線(edge)、単体(simplex)、面(face)もしくは表面(surface)、そして境界(buondary)の幾何学的なオブジェクトだけで構成できる。図14に、幾何オブジェクトの関係を示す。なおオブジェクトとは、計算機において実体を表現するためのデータのことであり、計算機プログラミング分野におけるオブジェクト指向方法論でのオブジェクトの意味である。計測位置は点として表現される。点を単体の構成要素とするためには、点を頂点として取り扱う。
図14において、1401、1402は頂点ではなく、単なる点であり、半稜線と関連付いていない。一方1406は、頂点であり2つの半稜線1407、1408から参照される。半稜線とは、頂点間を結ぶ有向線分である。半稜線1403は開始と終端の頂点である1404、1405と関連付けられる。稜線は、開始と終端を共有し、方向が逆の、2つの半稜線の組み合わせで表現される。単体は左向き周り(反時計回り、CCW:Counter Clock Wise)の3つの半稜線と関連付けられる。例えば、図14において、ドットで埋められた単体1409を例にすると、単体1409は、半稜線1410、1411、1412と関連付けられている。複数の単体で覆われた領域を面とすれば、面の外周は左回りの半稜線の連鎖となる。この連鎖を境界と呼ぶ。図14において境界は太線の矢印で描画されており、半稜線1413、1414、1412、1407、1408、1415、1403、1416の連鎖が境界である。
連鎖の情報を記憶するため、半稜線は、つながりの前後の半稜線へのポインタを持つ。つながりの後方(始点側)の半稜線へのポインタがface_prev、前方(終点側)の半稜線へのポインタがface_nextである。連鎖は一巡できればよいので、連鎖の開始の半稜線でface_prev=NULL、終端の半稜線でface_next=NULLとする。
単体面内分布構成法の処理手順は、図15Aおよび図15Bに示されている。図15Aおよび図15Bに示したフローチャートを用いて、処理を説明する。以下で説明する処理の実行は、計算機で行われる。また、以下の説明において、文章の主語は計算機、もしくはウェハ面内分布管理システム701である。また、図15Aにおいて「図15Bへ」と記載されている部分は、図15Bにおいて「図15Aから」と記載されている部分へと、処理がつながることを意味している。
まず、ステップ1501において、計測位置、外周位置のデータを取得する。ステップ1502において、各位置の点オブジェクトを生成する。ステップ1503において、最短距離の2点を探索し、さらにその2点からの最短点を探索する。次にステップ1504において、ステップ1503で探索した3点を頂点とし反時計回りに半稜線を生成し、単体と面を生成する。そして全ての点が頂点になるまで、すなわち全ての点が単体と関連付くまでステップ1506からステップ1511の処理を繰り返す。この繰り返しでは、面の境界の半稜線を選び、単体を一つずつ生成する。半稜線の選定では、面の境界の各半稜線を一つずつ単体生成対象の候補となるかを判断する(ステップ1506からステップ1510)。
ステップ1507では連続する2つの半稜線が凹となるなら、それらを単体生成対象の仮候補とし、ステップ1508では連続する2つの半稜線が凸となるなら半稜線から最短点を探索して単体生成対象の仮候補とする。ステップ1509で、候補、仮候補のうち、単体としたとき三角形の外周が短い方を候補として選定する。そして選定した候補を対象に、ステップ1511でオブジェクトを生成する。候補の選定で凹であった場合、凸であった場合に応じてオブジェクトを生成し、面の境界を更新する。特に凸であった場合には、候補に含まれる点を頂点として単体を生成する。
全ての点が頂点となっても、面の境界に凹部が残っている場合が発生する。最終的には外周点を結ぶ半稜線だけで面の境界が構成されていなければならず、このとき境界は反時計回りに凸のみで構成される。そこでステップ1513からステップ1517の繰り返しで、面の境界の半稜線について凹部を探索して、オブジェクトを生成する。ステップ1514で、まず2つの連続する半稜線の凹凸を判定する。凹ならばステップ1515でオブジェクトを生成し、面の境界を更新する。ステップ1516では、面の境界の凹凸の判定を完全に行うために、境界の開始となる半稜線に戻り、凹凸の判定を繰り返す。全ての連続する半稜線が凸ならば繰り返しは終了する。
なお、図15Aおよび図15Bにおいて、ステップ1505とステップ1512とは、対を構成しており、この間が繰り返されることを意味している。同様に、ステップ1506とステップ1510が、対を構成しており、この間が繰り返されることを意味している。ステップ1513とステップ1517も、同様に対を構成しており、この間が繰り返されることを意味している。
図16Aから図16L、図17Aから図17L、および図18Aおよび図18Bに、単体面内分布構成法の処理例を示す。図面が複雑になるのを避けるために、図16Aから図16L、図17Aから図17L、図18Aおよび図18Bは、別々の図面としてあるが、これらは、一連の連続した処理である。すなわち、図16Lの後に、図17Aが行われ、図17Lの後に、図18Aが行われる。また、これらに図面において、1601から1612、1701から1712、1801および1802のそれぞれは、その番号が付された図面での処理を表している。例えば、番号1601は、図16Aで行われる処理を表しており、処理1601で、ウェハエッジ上に点(外周点)が設定される。
図16Bの1602で最短2点を探索し、図16Cの1603でその2点から最短の点を探索して単体を生成する。さらに図16Dの1604では単体から最短の点を探索し、新たに単体を生成し、面の境界を更新する。図16Eの1605でも最短の点を探索して単体を生成する。図16Fの1606では境界の凹部に単体を生成する。以下同様に、境界の凹凸に応じて単体の生成と、境界の更新を繰り返す(図16Fから図17H)。図17Iの1709で全ての点は頂点となり、単体と関連付くこととなる。境界には凹部が残っているため、さらに図17Jの1710から図18Bの1802までで、凹部に単体を生成し、最終的にウェハ面内が単体で覆われた状態となる。
単体面内分布構成法は、一番小さな単体を初期状態とし、隣接する単体を生成し、境界を更新する処理の繰り返しである。生成については、境界の外部の計測位置、もしくは外周位置を用いて凸部となる単体を生成するか、凹部に単体を生成するか、の2通りである。境界の更新についても、境界に追加する半稜線の数は凹部か凸部かにより異なる。
図19の(A)に凸部での、また図19の(B)に凹部でのオブジェクトの生成内容を示す。まず、図19の(A)を用いて、凸部でのオブジェクトの生成を述べる。凸部では半稜線hel(1901)と点に対し、新たに頂点newv1902を生成し、半稜線newhe1(1903)、newhe2(1904)、newhe3(1905)を生成する。またhe1(1901)とnewhe1(1903)より稜線e1(1906)を生成する。単体を生成し、newhe1(1903)、newhe2(1904)、newhe3(1905)と関連付ける。
次に、図19の(B)を用いて、凹部でのオブジェクトの生成について述べる。凹部では、2つの半稜線he1(1911)、he2(1912)に対し、半稜線newhe1(1913)、newhe2(1914)、newhe3(1915)を生成する。半稜線he1(1911)、newhe1(1913)より稜線e1(1916)、またhe2(1912)、newhe2(1914)より稜線e2(1917)を生成する。単体を生成し、newhe1(1913)、newhe2(1914)、newhe3(1915)と関連付ける。
次に、図20の(A)を用いて凸部での、また図20の(B)を用いて凹部での面の境界の更新方法を示す。まず、図20の(A)を用いて、凸部での更新を説明する。凸部では、元々はhe1(2001)の後方(face_prev)がprevhe(2005)、前方(face_next)がnexthe(2006)という連鎖となっている。新たに生成した半稜線newhe2(2003)、newhe3(2004)が面の境界となる。そこでnewhe2(2003)の後方をprevhe(2005)、前方をnewhe3(2004)とし、またnewhe3(2004)の後方をnewhe2(2003)、前方をnexthe(2006)とする。つまり、元々のprevhe(2005)、he1(2001)、nexthe(2006)の連鎖を、prevhe(2005)、newhe2(2003)、newhe3(2004)、nexthe(2006)の連鎖と更新する。
次に、図20の(B)を用いて、凹部での更新を説明する。凹部では、元々の連鎖prevhe(2016)、newhe1(2013)、newhe2(2014)、nexthe(2017)を連鎖prevhe(2016)、newhe3(2015)、nexthe(2017)へと更新する。
なお、単体による面の覆い方は一通りではない。例えば、4角形は2つの対角線が引けるので、2通りの単体の覆い方がある。面内分布を表現するために、各単体をできるだけ正三角形に近い形としたいならば、三角形の各内角の差が小さくなるように、単体の構成を変更すれば良い。隣接する2つの単体で四角形を構成し、2通りの対角線で構成できる三角形の内角を評価すれば良い。もしくは三角形の3辺の長さで評価しても良い。
以上が単体面内分布構成法の処理内容の説明である。
次に、単体面内分布からウェハ面内の任意の位置の計量値を推定する方法を示す。本明細書では、この推定する方法を単体面内分布推定法と呼ぶ。
境界の内部は、複数の単体で隙間無く覆われている。単体の内部は3つの頂点を通る平面で定義している。境界の外部に関しては、ウェハ中心からの放射上の境界上における計量値を、境界の外部での計量値とする。
図21に単体面内分布推定法のフローチャートを示す。ここでも、処理の主体は計算機、もしくはウェハ面内分布管理システム701である。この計算の入力は2次元の座標値(x、y)であり、出力はその位置における計量値である。この座標値(x、y)を補間対象点とし、ステップ2101からステップ2108の範囲で全ての対象点の処理を繰り返す。まずステップ2102において、対象点を内部領域に含む単体を探索する。この計算は、対象点が単体の2次元領域内部にあるか否かを判定することである。ここでは、単体(点、ベクトル)と対象点pTGT(ベクトル表記)との関係が、図22の状態であるとして、説明する。式(1)から式(8)を満たすならば、点pTGT(ベクトル表記)は単体の領域内部である。
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ここで×は外積、Λは論理積である。
対象点が単体の領域内部か、外部か、すなわち面の境界外部かをステップ2103で判定し、内部である場合には、ステップ2104へ進む。ステップ2104において、単体を平面としてz値を算出する。計量値を3次元空間のz座標値であるとしており、単体上の(x,y)座標のz値として計量値を求める。図23に3次元空間の構成を示す。単体の法線ベクトルvN(ベクトル表記)2302は式(9)で定まり、平面は式(10)で表現される。
Figure 2014192162
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N・p=vN・p1(ベクトル表記)より、対象点での計量値は、式(11)のpz(ベクトル表記)で得られる。
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なお、添え字x、y、zは、それぞれの軸の座標値であることを意味する。
図21の説明に戻り、対象点が面の境界外部である場合、ステップ2105に進む。境界の外部の計量値は、境界上の値を計量値として求める。図24に対象点p(ベクトル表記)が境界外部にある場合の例を示す。ウェハの中心O(ベクトル表記)と対象点p(ベクトル表記)とを通る、中心からの放射方向2402の線上で、境界上のp1(ベクトル表記)とp2を結ぶ線分との交点pI(ベクトル表記)のz値を計量値とする。外周点には計量値を定めているので、pI(ベクトル表記)の計量値も定まる。
ステップ2105で、放射(扇)区間を特定する。つまり中心O(ベクトル表記)から点p(ベクトル表記)への放射線を含む外周上の連続2点p1、p2(ベクトル表記)を求めることである。これは、式(12)を満たす点を探索すれば良い。
Figure 2014192162
ステップ2106で、外周上点間の線分と放射線との交点座標を求める。線分(点p1と点p2とを結ぶ線分「いずれもベクトル表記」)と放射線p(ベクトル表記)との交点pI(ベクトル表記)を求めることである。直線は、垂直(Vertical)、水平(Horizontal)、傾きあり(Slope)の3通りで表現され、直線pO(ベクトル表記)は式(13)、(14)、(15)、直線p12(ベクトル表記)は式(16)、(17)、(18)のいずれかで決まる。
Figure 2014192162
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垂直、水平、傾きありの組み合わせに応じて、交点pI(ベクトル表記)が決まる。垂直、水平、傾きありの組み合わせを、式(19)から式(25)に示す。なお、直線pO(ベクトル表記)と直線p12(ベクトル表記)は平行にはならない。
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ステップ2107で交点でのz値を算出する。境界上のp1(ベクトル表記)とp2(ベクトル表記)の線形補間として、交点pI(ベクトル表記)の計量値p を、式(26)から式(28)を用いて算出する。
Figure 2014192162
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なお、図21において、ステップ2101とステップ2108は、対を構成しておりこの間に挟まれたステップが繰り返されることを意味している。
以上が単体面内分布推定法の処理内容の説明である。
単体面内分布構成法と単体面内分布推定法によれば、任意の計測位置数と任意の計測位置であっても、またウェハ面内分布で局所的な凹凸の発生があっても、面内分布を生成することが可能である。従って、特に計測位置が、ショット、LSIチップ配置によって制約を受ける製品ウェハで有用である。しかし図6に示したモニタ用ウェハの計測位置であっても2元単体でウェハ面内を覆うことはできるので、単体面内分布構成法、単体面内分布推定法はウェハの種類に制限されない。また、計量値を求める計測方法にも制限されるものではない。
一方で、例えばモニタ用ウェハが、図2(A)に示した様に、ウェハ面内分布201を示す様な場合、この様なウェハ面内分布201は、2次曲面で十分な精度で近似することができる。この場合、ウェハ面内分布が発生することが、製造プロセス、装置で既知であるときには、曲面モデルを用いて面内分布を生成しても良い。モニタ用ウェハの面内分布は曲面モデルを用いて生成し、製品ウェハは単体面内分布構成法で面内分布を生成して、分布を比較評価しても良い。曲面モデルによる面内分布であっても、任意の位置の計量値を推定できるので、同じ位置の計量値を比較可能である。曲面モデルによる面内分布と単体面内分布は併用することが可能である。
曲面モデルを用いて、面内分布を生成する方法の例を次に説明しておく。曲面モデルの例として、座標値(x,y)を入力変数、もしくは説明変数とし、計量値zを目的変数とした、2次多項式を式(29)に示す。
Figure 2014192162
ウェハ面内の計測位置数をnsiteとして、各計測位置の座標値と計量値よりモデルパラメータaを、最小二乗法により算出する(式(30)から式(33))。
Figure 2014192162
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Figure 2014192162
ウェハ面内の計量値は、式(29)に対象とする座標値を代入すれば得られる。曲面モデルとしては、式(29)に示した2次式以外に、例えば3次式であってもかまわず、また多項式に限定されるものでもない。またスプライン曲面のようなパラメトリック曲面モデルを用いても良い。モデルパラメータの推定についても最小二乗法でなくても、例えば非線形最適化により算出しても良い。地球統計学分野において、例えば採掘量といった地点の統計量を推定するために利用されるクリギングという方法を利用しても良い。三角パッチは、ホトリソ工程でのショット領域の配列、LSIチップ領域の配列、あるいはこれらの順序、または計測の順序を利用して、上記した方法により構成することができる。また、三角パッチを形成するための計量値は、全ショットを計測して、求めても良いし、製品ウェハに形成されているLSIチップの全てを計測して、求めても良い。
図12で述べた各種計測共通ショット1202のウェハ上ショット配置情報を参照して、三角パッチを構成する。この様にすることで、計測装置間で共通するショット位置に基づいた三角パッチを構築することが可能となる。
以上が、ウェハ面内分布の生成法についての説明である。
(実施の形態3)
<面内分布行列:円座系位置により各種LSI製品ウェハ種類間で共通して面内傾向を管理>
あらゆる種類のウェハの、あらゆる計測による、ウェハ面内の計測結果より、任意の位置の計量値を推定できるモデルを用いてウェハ面内分布を生成できるのであれば、全てのウェハ面内分布を比較可能である。例えば計量値のウェハ面内分布をビットマップで濃淡により表現すれば、人が目視によりウェハ面内の傾向を管理し、またウェハ間で計量値に違いのある箇所を識別できる。しかし、実際の生産における、全ての計測結果に対するウェハ面内分布を観察することは生産上の効率低下となる。
計算機により自動的に面内の傾向を判別し、ウェハ間の差異を計算により比較するために、計測結果より生成したウェハ面内分布より、共通の位置での計量値の推定値をデータとする。面内分布を評価するためには、ウェハ面内で複数の推定位置に対するデータを取得する。取得したところのデータである計量値の推定値は、ショット配列のような配列においては、x、y方向の座標値の情報をあわせて持っておかなければ、面内の傾向を判断できない。ウェハは円盤であるので、ウェハの中心を原点とする円座系(局座標)を張り、等角度間隔、等半径間隔の位置で計量値をデータ化すれば、データを行列の形式で管理できる。そのためには角度を行、半径を列として、(角度、半径)の組に対して行列の要素を配置する。この行列をここでは面内分布行列と呼ぶ。以下に、面内分布行列を用いた、面内傾向の管理方法を示す。
図25は、ウェハ面内における推定位置の配置の例を示す図面である。図25において、角度は、ウェハの中心を原点として、南北東西の方位に、8方向設定されている。すなわち、同図において、角度は、1(N)から反時計周りに、8(NW)まで設定されている。ここで、N、E、S、Wは、それぞれ北(North)、東(East)、南(South)、西(West)を意味する。半径方向としては、まずウェハの中心に1点を配置し、半径50mmの円周2501、半径100mmの円周2502、半径150mmの円周2503の各円周上に推定位置は設定されている。なおウェハは半径300mmとしている。同図では、推定位置は丸印で示されており、推定位置は、3個の円周上のそれぞれにおいて、8方向に設置される。そのため、中心に設置された推定位置を含めて25個の推定位置が設置されている。
複数のウェハの面内分布を、相互に比較することが目的である。同一の工程の同じ計測内容の計量値であるならば、直接にその推定値を処理量として比較すれば良い。処理量そのものではなくウェハ面内での変化を比較したい場合には、例えば基準となる位置の処理量で、各位置の処理量を規格化したデータとすれば良い。図26に規格化の例を示す。同図では、横軸に半径2601、縦軸にデータ2602をとっている。データは処理量D2605である。半径0mm(中心)における処理量を基準とし、各半径位置の処理量の差分の比率%2602で、正規化されている。この様にすることによって、基準(中心における処理量)に対するプラス2603、マイナス2604で半径方向に対する変化の傾向を評価できる。
ウェハ面内の推定位置の配置を図25の配置とした場合の、処理量の規格値の面内分布行列の例を図27に示す。同図において、2701は、複数の行と複数の列を有する面内分布行列を示している。面内分布行列2701において、各行は同一の方位、各列は同一の円周上(半径)を意味している。各行のそれぞれと各列のそれぞれとの交点に、その交点に対応するウェハ上の位置における処理量を記載する。このとき、面内分布行列2701において、第1列2721から第4列2724が、半径0mmから150mmに対応する。また、第1行2711から第8行2718が、角度1(N)から8(NW)に対応する。すなわち、面内分布行列2701において、第1列から第4列へと列数が増えるに従って、ウェハの中心から外周へ向かう位置における処理量が記載される。一方、行については、第1行から第8行へと行数が増えるのに従って、ウェハの中心から見て、北、東、南、西における位置での処理量が記載される。
図27に示した処理量を例にすれば、第1列2721から第4列2724に向かって、数値が大きくなっている。このことから、外周で処理量が大きく、ウェハ面内で凹状の分布の傾向であることがわかる。また、第1行2711から第8行2718は、上記した様に方位に対応し、ウェハの上(北の方位)から反時計周りの並びとなっている。第6行2716、第7行2717の数値が小さいことから、ウェハの左側やや下(西と西南の方位)に向かって、処理量が低下する傾向があることもわかる。さらに第1行2711と第5行2715とで、各半径位置で数値の差が小さいことからウェハ面内の上下で直線的な傾きは無いこともわかる。以上は数値による定量的な評価であるため、計算機が処理できる。例えば全行間で数値の差を取り、差が小さければ同心円状の分布があるとわかる。特定の行間、列間で演算を定義し、演算結果が指定した閾値を超えるか、閾値に満たないかで、分布の傾向をルール化しておけば良い。
面内分布行列は行列であるので、相関行列を求めることで面内の傾向を定量的に判断することもできる。相関行列Rは式(34)で得られる。面内分布行列に対しては、半径間の相関行列と方位間の相関行列が得られる。面内分布行列の各列を半径位置に対するデータとし、半径間の相関係数rを求め、相関行列を構成すれば半径間の相関行列が得られる。また面内分布行列の各行を方位に対するデータとすれば、同様に方位間の相関行列が得られる。
Figure 2014192162
ここでnはデータ数である。
半径間の相関行列で、対角以外の値がゼロに近ければ方位に亘って数値に変化が無いこととなり、また1に近い値ならば特定の方向で数値が上昇、もしくは下降するという傾向があることがわかる。方位間の相関行列で、対角以外の値がゼロに近ければ半径方向に亘って数値に変化が無いこととなり、また1に近い値ならば、同心円状の面内分布となっていることがわかる。
なお、図27の第1列2721は全てゼロであるため、この列に対する相関係数は算出できない。この場合、半径間の相関行列において、対角位置は1とし、第1行と第1列の値はゼロと設定すれば良い。
以上が面内分布行列を用いた、面内傾向の管理方法である。
(実施の形態4)
<ゲート、サイドウォール形成工程の応用例>
実施の形態1から3までにおいて、複数の計測における製品ウェハの全ショットの配列による管理方法、任意の計測位置数と計測位置によるウェハ面内の2次元の分布生成法、特に単体面内分布構成法、そして面内分布行列による各種LSI製品ウェハの面内傾向管理方法を示した。ここでは、複数の工程に亘る面内分布の管理方法の例を、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)デバイスの製造工程、特にCMOSデバイスのゲート形成からサイドウォール形成までの一連の工程に適用した場合を説明する。
図28の(A)から図28の(D)は、CMOSデバイスの断面図である。図28の(A)から(D)には、ゲート形成からサイドウォール形成までの製造工程に沿った、CMOSデバイスの断面が示されている。
まず、シリコンウェハ2810に酸化膜2811を形成し、さらにゲート膜2812を成膜し、ホトリソグラフィーによりマスクを形成してエッチングをすることにより、図28の(A)に示したゲートエッチング後の形状が形成される。ここで、ゲート膜2812のゲート膜厚2801は成膜で決まる。また、ゲートの寸法2802はゲートエッチングにより決まる。ついで酸化膜2813を成膜し、図28の(B)の形状を得る。さらに、窒化膜2814を成膜して、図28の(C)の形状となる。これらにより酸化膜厚2803と窒化膜厚2804が決まる。そしてウェハ全面をエッチングすることにより、図28の(D)に示されているサイドウォール後の形状を得る。これによりサイドウォールの寸法2805が決まる。以上で示した膜厚、寸法を計測対象として、次に説明する。
図29は、一連の製造工程と計測対象とを纏めた図面である。図29において、一連の工程は、ゲート成膜、ゲートエッチング、酸化膜堆積、サイドウォール成膜、サイドウォールエッチングである。製造するプロセスとしては、ゲート成膜、酸化膜堆積およびサイドウォール成膜が、成膜のプロセスにより行われ、ゲートエッチングおよびサイドウォールエッチングが、エッチングのプロセスにより行われる。成膜プロセスにより成膜がされた後に、膜厚が計測され、エッチングプロセスの後に寸法が計測される。
上記した一連の工程のそれぞれが完了し、計測を実施して得た計測結果のウェハ面内分布の例が、図30(A)から図30(E)に示されている。図30(A)には、ゲート成膜工程後の計測結果に基づくウェハ面内分布3001が示されており、図30(B)には、ゲートエッチング工程後の計測結果に基づくウェハ面内分布3002が示されている。以下、同様に、図30(C)には、酸化膜堆積後のウェハ面内分布3003、図30(D)には、サイドウォール成膜後のウェハ面内分布3004、図30Eには、サイドウォールエッチング後のウェハ面内分布3005が示されている。
これらウェハ面内分布を得るためには、全ショット計測し、計測結果を単体面内分布構成法により面内分布をモデル化し、単体面内分布推定により任意のウェハ面内の位置で計量値を推定すれば良い。もちろん全ショットでなく、一部のショットの計測位置を計測しても面内分布は得られる。図30(A)から図30(E)に示したウェハ面内分布において、ハッチングされた領域はウェハ面内で計量値が最も大きな領域であることを意味する。また、測量値の勾配は等値線により表現されている。
図30(A)では、右下(SE方位)にハッチングされた領域が存在することから、ゲート膜厚の面内分布3001は、外周が厚い同心円状の分布で、右下(SE方位)で膜厚が厚くなるように傾きがある、面内傾向となっている。ゲート寸法の面内分布3002(図30(B))も、同心円状で、右下(SE方位)で幅が太くなる傾きがある。酸化膜厚の面内分布3003(図30(C))では、中心が厚い、同心円状の分布である。窒化膜厚の面内分布3004(図30(D))は、外周が厚い同心円状の分布で、左上(NW方位)で膜厚が厚くなる傾きがある。サイドウォール寸法の面内分布3005(図30(E))では、左上で寸法が太い傾向がある。
ゲート成膜後の膜厚の面内分布3001とゲートエッチング後の寸法の面内分布3002は、膜厚と寸法には直接の形状的な関係は無いが、面内分布の傾向の類似性より、膜厚が厚いほど寸法が太くなるという関係が、エッチング処理によって発生していることがわかる。窒化膜厚の面内分布3004とサイドウォール寸法の面内分布3005においては、面内分布3004は同心円状の傾向があるが、面内分布3005では左上で寸法が太いという、傾きだけの傾向となっている。
実際の生産において、複数工程の面内分布を管理するためには、全ショットで計測した結果を面内分布の基準パターンとし、工程間で面内分布を比較すれば良い。単体面内分布構成法であれば、計測対象のショットに工程間で差異があっても(計測対象のショットの位置が異なっても)、ウェハ面内の分布を得ることができる。計算処理により自動的に面内分布の差異を評価したい場合には、面内分布行列を利用して、傾向を判定すれば良い。
全ショット計測であるなら、市販のグラフィックスソフトに計量値データを入力し、グラフィックス描画させて、ユーザー(エンジニア、作業者、工程管理担当者)が目視、マニュアルで工程間の分布の類似を評価できる。グラフィックスソフトへのデータ入力形式はさまざまであると考えられるが、各工程の計測で、計測対象のショットが異なっていても、座標値が異なっていても、ショット配列情報を利用してデータ入力順を各計測で整合を取れば、同一の計測順序や計測箇所を想定した面内分布のグラフィックス描画が得られる。例えば図12に示したように、工程間で共通のショットに計測データを限定し、また全ての計測結果で、図11の電気特性対象ショット順1103のようにデータの並びを共通化すれば良い。
同一の工程において、面内分布の経時的な変化を評価したい場合には、例えば一ヶ月に1回、製品ウェハの全ショット計測を行い、面内分布を比較すれば良い。実生産での限定された計測位置についての計測結果で面内分布の異常などを検知するためには、ウェハ面内分布基準パターンで限定された計測位置の計量値を推定し、推定結果と実際の計測結果とを比較、評価すれば良い。もしくは実生産での限定された計測位置の計量値より単体面内分布構成法により製品ウェハにおける計量値の面内分布を生成し、製品ウェハ間で面内分布を比較、評価しても良い。面内分布を生成してしまえば、相関係数や面内分布行列を用いた定量的で自動的な評価が可能である。なお製品ウェハの種類(LSIの種類)は同じであっても、同じでなくても良い。面内分布を生成してしまえば、指定した位置の計量値を求めることができる。ただしプロセス処理は製品ウェハの表面状態で変化し、ウェハ面内分布に影響を与える可能性もあり、このような場合には、同一種類の製品ウェハで面内分布を比較することが望ましい。
ゲート寸法、サイドウォール寸法はCMOSデバイスの電気特性、特にゲート下を流れるソース−ドレイン電流の大きさに影響する。これはCMOSデバイスのチャンネル長がゲート寸法、サイドウォール寸法で決まるためである。電気特性はデバイス完成後のウェハ受入テストで計測されるが、計測対象の回路はショット毎に形成されているため、ショット毎の計測である。ウェハ面内で複数のショットに対して計測した結果より面内分布を生成できる。電気特性のウェハ面内分布の例を図31に示す。図30(A)から図30(E)と同様に、図31は、電気特性を計測して得た結果に基づいて面内分布3101が形成されている。なお、図31においても、ハッチングされている領域が、計量値が大きな領域を示している。
面内分布3101(図31)では、右下(SE方位)で大きな値となる傾向があるが、同心円状の傾向は観察されない。図30(A)から図30(E)に示した各工程での計測結果の面内分布と比較すれば、左上(NW方位)で計量値が大きい傾きを持つサイドウォール寸法の面内分布3005と反転となっていることがわかる。このことより電気特性に影響を与えている計量値はサイドウォール寸法であると判断できる。定量的で、自動的に電気特性と工程での計測結果の面内分布を比較、評価するためには、相関係数、面内分布行列を利用すれば良い。
図30(A)から図30(E)に関連して、工程間の面内分布の関係について述べた。ゲート成膜後の膜厚の面内分布3001とゲートエッチング後の寸法の面内分布3002とでは、膜厚が厚いほど寸法が太くなるという関係が、エッチング処理によって発生していることがわかる。これは成膜で発生した膜厚の面内分布に対し、エッチング処理量の分布を差し引いた結果で得られる寸法に面内分布が発生していることを意味している。計量値のウェハ面内分布は、プロセス処理において、処理量に面内分布があるために発生する。装置が異なれば、プロセス処理量の面内分布も異なる。またクラスター装置といった一台の装置に複数のチャンバある場合には、同一装置であってもチャンバが異なればプロセス処理量の面内分布は異なる。このことは、複数の装置を経由する処理において、処理後の結果がウェハ面内で平坦となる経路(例えば、装置の組み合わせ)が存在することを示している。
成膜を2台の装置で、成膜に引き続くエッチングを2台の装置で処理するウェハの経路が、図32に示されている。図32においては、3201と3202は、成膜装置であり、3211と3214はエッチング装置である。この例では、エッチング装置3211、3214のそれぞれには、2つのチャンバが搭載されているとする。ウェハの搬送経路としては、成膜装置3201、成膜装置3202と、エッチング装置3211、エッチング装置3214との組み合わせで4通りの経路3221、3222、3223および3224が存在する。さらにエッチング装置3211、3214には、それぞれ2つのチャンバが設けられているので、チャンバへの割り当ても含めれば8通りの経路があることとなる。
成膜装置3201(3202)で成膜された後、8通りの経路のいずれかを経由して、ウェハは、エッチング装置3211(3214)内のチャンバ3212(3213、3215、3216)に搬送され、エッチング処理が行われる。
まず、エッチング処理によるエッチング処理量について、図33を用いて説明する。図33においては、図面を分かり易くするために、面内分布は、半径方向の分布として描いてある。図33の(A)においては、横軸がウェハの半径を示しており、中心から半径方向の距離を示している。また、縦軸は、寸法を示している。すなわち、図33の(A)には、寸法の面内分布が示されている。また、図33の(A)において、3301は、エッチング前の面内分布を示しており、3302は、エッチング処理後の面内分布を示している。このエッチング処理前の寸法と、エッチング処理後の寸法との差が、図33の(B)に示されているエッチング処理量の面内分布3303となる。図33の(B)においては、横軸がウェハの中心から半径方向の距離を示し、縦軸はエッチング処理量を示している。同図の例では、エッチング処理量の面内分布3303は、ウェハの中心から外周に向かって処理量が大きい分布となっている。
エッチング処理前の寸法をWpre、エッチング処理量をVetchとし、エッチング処理後の寸法をWpostとすると、これらの関係は式(35)で決まる。
Figure 2014192162
図34には、成膜装置3201、3202によって成膜処理が行われた後(成膜後)の膜厚と、エッチング装置3211、3214の各チャンバでのエッチング処理量が示されている。図34の(A)および(B)において、横軸はウェハの中心から半径方向の距離を示しており、縦軸は成膜処理により成膜された膜の膜厚を示している。図34についても、図33と同様に、図面を分かり易くするために、図34の(A)、(B)、(C)および(D)のそれぞれは、半径方向の面内分布を示している。
図34の(A)は、上記した成膜装置3201による面内分布3401を示しており、図34の(B)は、成膜装置3202による面内分布3402を示している。図34の(A)から、成膜装置3201による処理では、膜厚の面内分布3401は、中心から外周に向かって膜厚が厚い分布となっている。一方、図34の(B)から、成膜装置3202による成膜処理では、膜厚の面内分布3402は、中心から外周に向かって膜厚が薄い分布となっている。図34の(C)および(D)には、エッチング装置3211および3214の面内分布が示されている。図34の(C)および(D)の表示方法は、図33の(B)と同じであるので、その説明は省略するが、図34の(C)には、エッチング装置3211の面内分布が示されており、図34の(D)には、エッチング装置3214の面内分布が示されている。また、図34の(C)において、3403は、チャンバ3212の面内分布を示しており、3404は、チャンバ3213の面内分布を示している。同様に、図34の(D)において、3405は、チャンバ3215の面内分布を示しており、3406は、チャンバ3216の面内分布を示している。
ここで、膜厚はエッチング前の寸法と同じであるとすると、膜厚が厚いときには、エッチング前の寸法も太いということを意味する。エッチング処理後の寸法とエッチング処理量の間には式(35)の関係があるので、膜厚の面内分布3401の場合には、それをエッチングで処理する際にはエッチング装置3214のチャンバ3215で処理すれば、エッチング処理量の面内分布3405は外周に向かって大きいので、エッチング処理後の寸法はウェハ面内で平坦となることがわかる。一方、膜厚の面内分布が面内分布3402の場合には、エッチング装置3211のチャンバ3212で処理することが、エッチング処理後の寸法が平坦となる。つまり、成膜装置3201で成膜処理した場合、エッチング装置3214内のチャンバ3215で処理する経路が、エッチング後の寸法の面内平坦性(均一性)の観点で最適な経路である。同様に、成膜装置3202で、成膜処理が行われた場合には、エッチング装置3211内のチャンバ3212の経路が選択される様にすることが最適な経路の選択となる。
これは、処理前の面内分布と処理量の面内分布を差し引き、処理後の面内分布を評価する内容である。面内分布は2次元のウェハ面内の分布でもよく、またそれならば、半径方向の分布よりもより正確に面内分布の高低を評価できる。面内分布行列を利用すれば面内傾向の判断も自動的に評価できる。以上が、複数装置で処理後のウェハ面内分布を最適に平坦とする経路を見出す方法である。
以上が、ゲート形成からサイドウォール形成までの一連の工程に関する、複数の工程に亘る面内分布の管理方法の例である。
(実施の形態5)
<CuDD層間形成工程の応用例>
次に、配線層間と配線層の形成工程に関し、複数の工程に亘る面内分布の管理方法を示す。ここでは、配線材料として銅(Cu)を用い、デュアルダマシン(Dual Damascene:CuDD)法による配線形成を例として説明する。
図35は、デュアルダマシン法による配線層間、配線層の製造工程を示す断面図である。製造工程は、図35の(A)から図35の(E)へと進む。まず、配線層3510上に層間膜3511が成膜される。層間膜3511は絶縁性の膜である。層間膜3511が成膜されたときの断面が、図35の(A)に示されている。図35の(A)において、3501は、成膜により形成された成膜後の層間膜の厚さ(層間膜厚)を示している。ホトリソグラフィーによりマスクを形成して、エッチング(ビアホールエッチング)をすることにより、ビアホール3512が形成される(図35の(B))。この後、さらにホトリソグラフィーによりマスクを形成して、エッチング(トレンチエッチング)処理をすることにより、段差を持ったホールが形成される(図35の(C))。以上の2回のエッチング処理により、図35の(C)に示されている溝深さ3502と穴深さ3503が決まることとなる。この後で、銅めっきの処理を行い、ビアホール(穴)とトレンチ(溝)に銅3513が埋め込まれる(図35の(D))。図35の(D)に示した銅めっき後の段階では、ウェハの表面に銅めっきが堆積しており、その銅めっき量が、図35の(D)においては、3504として示されている。すなわち、この時点では、ウェハ上に銅めっき量3504の分だけ、銅が堆積されている。これを、CMPにより研磨し、表面の銅を除去する。CMPでは表面の銅が除去された後、さらに絶縁膜3511も研磨する。そのため、CMPによる全研磨量3505は、めっき量3504と絶縁膜の研磨量3506との和となる。CMPにより研磨された結果で、配線層3513の配線高さ3507が決定される(図35の(E))。
この一連の工程において、計測の対象となるのは、全て膜厚である。計測部位の配置はショット毎に決められる。製品ウェハの工程間の面内分布の管理方法や、複数の製品ウェハを対象とした面内分布の比較、評価では、実施の形態4で示した方法と同様に、ショット配列情報、単体面内分布構成法、面内分布行列を活用すれば良い。
一連の工程において、複数の装置を経て製品ウェハが処理される場合に、装置、チャンバに対して、ウェハ面内分布を最適に平坦とする経路を見出す方法についても実施の形態4と同様である。次の述べる2例の寸法項目について、処理前の量と処理量を重ね合わせることができる。
第1の例は、穴深さである。穴の深さDholeは、層間膜の膜厚TILDから溝の深さDtrenchを差し引いたものであり、その関係は式(36)で表現される。
Figure 2014192162
層間膜の膜厚は、成膜装置で、またトレンチはエッチング装置で形成され、いずれもウェハ面内で処理量に分布を持つ。よって装置の経路に応じて穴の深さのウェハ面内で均一となっているかを評価できる。
第2の例は、配線の高さである。配線の高さHwireは溝の深さDtrenchから絶縁膜の研磨量VCMPを差し引いたものであり、その関係は式(37)で表現される。
Figure 2014192162
トレンチはエッチング装置で形成され、またCMP装置により表面は研磨される。いずれもウェハ面内で処理量に分布を持つので、装置の経路に応じて配線高さのウェハ面内の均一性を評価できる。
以上が、配線層間、配線層の形成工程に関する、複数の工程に亘る面内分布の管理方法の例である。
半導体集積回路装置の製造装置、例えば上記したエッチング装置、および/あるいは成膜装置においては、その装置内部を、定期的あるいは必要に応じてクリーニングして、異物等が、ウェハに沈着するのを防ぐことが実施される。この場合、製造装置内をクリーニングすると、装置内の状態が、クリーニングの前後で変わり、クリーニング後に処理されたウェハにおいては、ウェハ面内分布が変わってしまう。例えば、エッチング装置により処理されるエッチング量(寸法)が変わってしまう。上記した実施の形態によれば、クリーニング後のウェハについても面内分布を構築することが可能であり、この面内分布を参考にして、エッチング装置の条件を変更することにより、クリーニング前と同様なウェハを製造する様にすることが可能となる。また、エッチング装置の条件ではなく、ウェハ面内分布を参考にして、エッチング処理の前後の製造工程(例えば成膜工程)の条件を変更し、最終的な製品ウェハが、クリーニング前と同等となる様にしても良い。
以上が、半導体集積回路装置の製造方法である。
なお、半導体集積回路装置の製造方法では、LSIチップをウェハ上作り込む製品ウェハの計測結果による面内分布の管理方法に関するが、LSIチップの製品ウェハに限定されるものではない。離散的な点を計測しなければならない場合に、計量値の面内分布を評価する一般にも適用できる。また、上記した各実施の形態は相互に組み合わせて用いることができる。
以上本発明者によってなされた発明を、前記実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。
701 ウェハ面内分布管理システム
704 ウェハ面内計測機能
711、712、713 製造装置
721、722、723 計測装置
731 電気特性計測装置
732 回路機能検査装置
S1〜S10、S101〜S113 単体

Claims (20)

  1. 複数のLSIチップ領域が形成される製品ウェハを製造する半導体集積回路装置の製造方法であって、
    複数のLSIチップ領域、あるいは複数のLSIチップ領域を製造する際に用いられるホトリソグラフィー工程でのショット領域を計測する計測工程と、
    前記計測工程により、計測した複数の計測位置座標と前記複数の計測位置座標における計測結果とを用いて2次元単体を生成し、複数の2次元単体により、前記製品ウェハを覆うことにより、前記製品ウェハの面内における分布を示すウェハ面内分布を構成する面内分布構成工程と、
    を具備し、
    前記製品ウェハのウェハ面内分布を用いて、製品ウェハを評価する、半導体集積回路装置の製造方法。
  2. 請求項1に記載の半導体集積回路装置の製造方法において、
    前記2次元単体は、3カ所の計測位置座標により形成される三角形状の面である、半導体集積回路装置の製造方法。
  3. 請求項2に記載の半導体集積回路装置の製造方法において、
    前記計測工程は、複数の製品ウェハのそれぞれに形成される複数のLSIチップ領域の内の一部を計測する、半導体集積回路装置の製造方法。
  4. 請求項2に記載の半導体集積回路装置の製造方法において、
    前記ホトリソグラフィー工程においては、複数のショット領域が製品ウェハに配置され、前記計測工程は、前記複数のショット領域の内の一部を計測する、半導体集積回路装置の製造方法。
  5. 請求項2に記載の半導体集積回路装置の製造方法において、
    前記複数の製品ウェハは、互いに異なる種類の製品の製品ウェハを含み、
    前記計測工程は、互いに異なる種類の製品の製品ウェハにおいて、同じ製造工程による処理後に実施される、半導体集積回路装置の製造方法。
  6. 請求項2に記載の半導体集積回路装置の製造方法において、
    前記複数の製品ウェハは、互いに同じ種類の製品の製品ウェハを含み、
    前記計測工程は、互いに同じ種類の製品の製品ウェハにおいて、互いに異なる製造工程おける処理後に実施される、半導体集積回路装置の製造方法。
  7. 請求項2に記載の半導体集積回路装置の製造方法において、
    前記三角形状の面は、前記ホトリソグラフィー工程のショット領域の配列、もしくはLSIチップ領域の配列の並び順序、もしくは計測順序を利用して、前記面内分布構成工程により構成される、半導体集積回路装置の製造方法。
  8. 請求項2に記載の半導体集積回路装置の製造方法において、
    前記ホトリソグラフィー工程においては、複数のショット領域が製品ウェハに配置され、前記計測工程は、前記配置された複数のショット領域の全てに対して計測を行う、半導体集積回路装置の製造方法。
  9. 請求項2に記載の半導体集積回路装置の製造方法において、
    前記計測工程は、前記複数の製品ウェハのそれぞれに形成される複数のLSIチップの内の全てに対して計測を行う、半導体集積回路装置の製造方法。
  10. 請求項2に記載の半導体集積回路装置の製造方法において、
    前記計測工程は、第1の計測工程と第2の計測工程とを含み、
    前記第1の計測工程と前記第2の計測工程とで、複数のショット領域における計測順番あるいは複数のLSIチップ領域における計測順番が異なる場合、ショット領域の配置情報あるいはLSIチップの配置情報を参照して、前記面内分布構成工程は、前記三角形状の面を構成する、半導体集積回路装置の製造方法。
  11. 請求項2に記載の半導体集積回路装置の製造方法において、
    前記計測工程は、第1の計測工程と第2の計測工程とを含み、
    前記第1の計測工程と前記第2の計測工程とで、複数のショット領域における計測数あるいは複数のLSIチップ領域における計測数が異なる場合、前記第1の計測工程と前記第2の計測工程において、共通する計測領域の配置情報を参照して、前記面内分布構成工程は、前記三角形状の面を構成する、半導体集積回路装置の製造方法。
  12. 請求項2に記載の半導体集積回路装置の製造方法において、
    前記面内分布構成工程は、製品ウェハの外周位置も含めて三角形状の面で覆う、半導体集積回路装置の製造方法。
  13. 請求項2に記載の半導体集積回路装置の製造方法において、
    前記面内分布構成工程は、前記三角形状の面の領域内部に他の計測位置を含まない3カ所の計測位置を選定して、三角形状の面を生成して被覆済み領域とし、被覆済み領域の、各稜線から、被覆済み領域に重複を発生しないように、被覆済み領域に属さない計測位置を選定するか、もしくは被覆済み領域の外周を構成する計測位置を選定することで、三角形状の面を前記製品ウェハ面内に構成する、半導体集積回路装置の製造方法。
  14. 請求項2に記載の半導体集積回路装置の製造方法において、
    前記半導体集積回路装置の製造方法は、その面内の任意の位置を計測することが可能なモニタ用ウェハを含み、
    前記計測工程は、前記モニタ用ウェハを計測する工程を有し、前記面内分布構成工程は、モニタ用ウェハの計測結果を曲面により面内分布を生成するか、もしくはモニタ用ウェハの計測結果とウェハ外周位置とによりモニタ用ウェハ面内が三角形状の面で覆われるようにして、モニタ用ウェハの面内分布を生成し、
    製品用のウェハの前記面内分布と、モニタ用ウェハの前記面内分布とを評価する、半導体装置の製造方法。
  15. 請求項2に記載の半導体集積回路装置の製造方法において、
    構成されたウェハ面内分布を用いて、複数の製品ウェハあるいは複数の製造工程で処理される一の製品ウェハにおいて、共通する座標値における計量値を求め、前記複数の製品ウェハあるいは前記一の製品ウェハを評価する、半導体集積回路装置の製造方法。
  16. 請求項15に記載の半導体集積回路装置の製造方法において、
    前記座標値を、製品ウェハの半径方向における位置と、回転方向における位置あるいは回転角度における位置との交差位置として表す、半導体集積回路装置の製造方法。
  17. 製品ウェハを、互いに異なる製造工程で計測する複数の計測工程を含む半導体集積回路装置の製造方法であって、
    前記製品ウェハを製造する際のホトリソグラフィー工程における全ショット領域の配列に関する情報を取得する工程と、
    全ショット領域の配列に関する情報を用いて、前記複数の計測工程により計測された計測結果を、全ショット領域の配列にはめ込み、前記複数の計測工程において共通のショット領域における計測結果の比較を行う比較工程と、
    を具備する、半導体集積回路装置の製造方法。
  18. 円盤状の製品ウェハを、互いに異なる製造工程で計測する複数の計測工程を含む半導体集積回路装置の製造方法であって、
    製品ウェハにおいて、複数の同心円における半径方向の位置と、所定の回転方向の角度の位置とで、行列を形成し、
    前記製品ウェハにおいて、複数の同心円上で、角度が互いに異なる位置の計測結果を、前記行列にはめ込み、
    複数の計測工程で、それぞれ得られた前記行列を比較することにより、製品ウェハの評価を行う、半導体集積回路装置の製造方法。
  19. 製品ウェハを、互いに異なる製造工程で計測する複数の計測工程を含む半導体集積回路装置の製造方法であって、
    前記製品ウェハを製造する際のホトリソグラフィー工程における全ショット領域を、縦方向と横方向の行列で表す工程と、
    前記計測工程での計測位置を、前記行列内に割り当て、割り当てた行列内の位置に計測結果をはめ込み、前記複数の計測工程において共通のショット領域における計測結果の比較を行う比較工程と、
    を具備する、半導体集積回路装置の製造方法。
  20. 請求項19に記載の半導体集積回路装置の製造方法において、
    前記計測工程は、計測した複数の計測位置座標と前記複数の計測位置座標における計測結果とを用いて2次元単体を生成し、複数の2次元単体により、前記製品ウェハを覆うことにより、前記製品ウェハの面内における分布を示すウェハ面内分布を構成する面内分布構成工程を有し、ウェハ面内分布により得られる計量値が、前記計測結果とされる、半導体集積回路装置の製造方法。
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