JP2014191219A - 静電荷像現像用トナー及びその製造方法 - Google Patents

静電荷像現像用トナー及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2014191219A
JP2014191219A JP2013067211A JP2013067211A JP2014191219A JP 2014191219 A JP2014191219 A JP 2014191219A JP 2013067211 A JP2013067211 A JP 2013067211A JP 2013067211 A JP2013067211 A JP 2013067211A JP 2014191219 A JP2014191219 A JP 2014191219A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
toner
base particles
developing
toner base
electrostatic charge
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013067211A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6301588B2 (ja
Inventor
Yuki Ubukawa
勇樹 生川
Shingo Ishiyama
慎吾 石山
Tomohiko Tokunaga
知彦 徳永
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP2013067211A priority Critical patent/JP6301588B2/ja
Publication of JP2014191219A publication Critical patent/JP2014191219A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6301588B2 publication Critical patent/JP6301588B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)

Abstract

【課題】揮発性有機化合物を低減した静電荷像現像用トナー及びその製造方法を提供する。
【解決手段】スチレン系樹脂を含む結着樹脂を含有する静電荷像現像用トナーであって、ヘッドスペースガスクロマトグラフ質量分析法により測定されるトルエン濃度が1ppm以下、トルエン補正係数を用いて換算されるベンズアルデヒド濃度が1ppm以下、スチレン濃度をエチルベンゼン濃度で除した値が5以下であり、ヘッドスペースガスクロマトグラフ質量分析法により測定されるn−へキサンからn−ヘキサデカンまでの間で同定される揮発性有機化合物のピーク面積から換算される濃度と、n−へキサンからn−ヘキサデカンまでの間で同定されない揮発性有機化合物のピーク面積から換算される濃度との合計により示される総揮発性有機化合物の濃度が100ppm未満であることを特徴とする静電荷像現像用トナー及びその製造方法に関する。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真法、静電写真法等に用いられる静電荷像現像用トナー及びその製造方法に関する。
一般に電子写真法は、光導電性感光体上に種々の方法にて静電潜像を形成させ、次いで静電荷像現像用トナー(以下、「トナー」と略記する)を用いて潜像を可視化した後、紙等の転写材にトナー可視像を転写し、加熱や加圧等によりトナー像を定着させる工程を有する。これらの工程としては様々な方法が知られており、それぞれの画像形成プロセスに適したものが採用されている。
トナーとしては、キャリアとトナーから成る二成分系トナー及びキャリアを必要としない一成分系トナー(磁性トナー、非磁性トナー)が知られている。非磁性トナーの場合には結着樹脂を、磁性トナーの場合には結着樹脂と磁性粉とを主な成分とし、結着樹脂の他に、着色剤(顔料)、帯電制御剤、ワックス等を分散含有している。
トナーの製造方法としては、粉砕法や、粉砕法により製造されたトナーよりも小粒径化が可能な懸濁重合法、乳化重合凝集法、溶解懸濁法等の重合法が知られている。これらの重合法により製造されるトナーの結着樹脂にはスチレン−アクリル系樹脂やポリエステル系樹脂が多く用いられ、それらの合成工程における原料モノマーや重合開始剤・合成用溶剤等が残存していることが多い。また、帯電制御剤中に不純物等としてアミン類が含まれていることもある。
また、電子写真法等において、トナー像を定着させる方法としては、熱ロール定着法、オーブン定着法、フラッシュ定着法、フィルム定着法等の熱によってトナー中の結着樹脂を溶融状態として定着させる熱定着法が一般的である。その温度は、例えば熱ロール定着法の場合には100〜200℃程度である。その際、トナー中に結着樹脂等の原料モノマー、溶剤、不純物等が残存していると、それらが揮発し、特有の臭気が複写機等の電子写真システムから発生する。
近年、オフィス環境への改善意識が高まり、複写機等の電子写真システムから発散される臭気等の原因ともなる揮発性有機化合物(VOC)や粉塵等の人体への影響に対して、欧州を中心に環境規格が制定されるようになり、電子写真システムにおいても環境と安全に配慮し、環境規格への対処が必要となっている。環境規格のなかでも、最も厳格な規格は、ドイツのエコラベル制度である「ブルーエンジェル」マーク規格であり、ここに規格されている「電子機器からの化学物質放散速度の測定」ECMA−328/RAL−UZ−122に規定された規制値以下を満たすようにすることが求められている。日本においても日本環境協会のエコマーク商品の規格である「複写機Version2.4」認定基準書によれば、ブルーエンジェルの測定方法をそのまま適用して、機器の複写動作中のエミッション(排出量)の基準値として、モノクロ印刷の場合で、総揮発性有機化合物(TVOC)の放散速度が10mg/h以下(10mg/hを超えないこと)とされている。なお、放散速度(mg/h)から濃度(ppm)を算出する場合には、下記式(1)で示されるように、放散速度(mg/h)を容積(cm)で除した値を更に比重(mg/cm)で除し、この値に測定時間(h)を掛け、さらに1×10−6を掛けた値が濃度(ppm)となる。
濃度(ppm)=〔放散速度(mg/h)/容積(cm)〕÷比重(mg/cm)×測定時間(h)×1×10−6 ・・・(1)
前記規格を満たし、複写機等の電子写真システムから放散される物質(揮発成分)のエミッション(排出量)を低減するために、特許文献1には、トナー母粒子の含水率が0.5重量%となるように、トナー母粒子に不活性ガスを流入して水分を除去することによって、トナー製造工程に由来する揮発成分を低減する方法が開示されている。
特開2009−294384号公報
本発明者らは、「ブルーエンジェル」マーク規格等に規定されている規定値を満たしたうえに、前記特許文献1の方法よりも、さらにトナーから放散される揮発性有機化合物の濃度を低減した静電荷像現像用トナーを得ることができることを見出した。
本発明は、環境への影響と安全性を配慮して、近年ますます基準が厳しくなりつつある、各種の規格において要求される基準値をはるかに下回るように、トナーから放散される揮発性有機化合物の濃度を低減した静電荷像現像用トナー及びその製造方法を提案する。
[1]結着樹脂、着色剤及びワックスを含有する静電荷像現像用トナーであって、該結着樹脂がスチレン系樹脂を含むものであり、ヘッドスペースガスクロマトグラフ質量分析法により測定される、ガスクロマトグラフ用非極性カラム上のn−へキサンからn−ヘキサデカンまでの間で溶出する揮発性有機化合物のうち、トルエン濃度が1ppm以下、トルエン補正係数を用いて換算されるベンズアルデヒド濃度が1ppm以下、トルエン補正係数を用いて換算されるスチレン濃度をトルエン補正係数を用いて換算されるエチルベンゼン濃度で除した値(スチレン濃度(ppm)/エチルベンゼン濃度(ppm))が5以下であり、ヘッドスペースガスクロマトグラフ質量分析法により測定されるn−へキサンからn−ヘキサデカンまでの間で同定される揮発性有機化合物のピーク面積をトルエン補正係数を用いて換算される濃度と、ガスクロマトグラフ用非極性カラム上のn−へキサンからn−ヘキサデカンまでの間で同定されない揮発性有機化合物のピーク面積をトルエン補正係数を用いて換算される濃度との合計により示される総揮発性有機化合物の濃度(Total VOC)が100ppm未満であることを特徴とする静電荷像現像用トナーに関する。
[2]化学吸着剤とともに乾燥及び/又は静置させてなる、前記[1]記載の静電荷像現像用トナーに関する。
[3]振動装置付き流動乾燥機で乾燥させてなる、前記[1]記載の静電荷像現像用トナーに関する。
[4]化学吸着剤とともに振動装置付き流動乾燥機内で乾燥させてなる、前記[1]記載の静電荷像現像用トナーに関する。
[5]前記[1]記載の静電荷像現像用トナーの製造方法であって、湿式媒体中でトナー母粒子を製造する工程と、次いでトナー母粒子を乾燥する工程と、その後にトナー母粒子に外添剤を添加してトナーを形成する工程とを有し、前記乾燥工程及び/又は乾燥工程後にトナー母粒子を化学吸着剤とともに乾燥及び/又は静置することを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法に関する。
[6]さらにトナーを化学吸着剤とともに保管する工程とを有する、前記[5]記載の静電荷像現像用トナーの製造方法に関する。
[7]前記[1]記載の静電荷像現像用トナーの製造方法であって、湿式媒体中でトナー母粒子を製造する工程と、次いでトナー母粒子を乾燥する工程と、その後にトナー母粒子に外添剤を添加してトナーを形成する工程と、さらに化学吸着剤とともにトナーを保管する工程とを有することを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法に関する。
[8]トナー母粒子と化学吸着剤の質量比が100:0.1〜100:30である、前記[5]又は[6]記載の静電荷像現像用トナーの製造方法に関する。
[9]トナーと化学吸着剤の質量比が100:0.1〜100:30である、前記[6]又は[7]記載の静電荷像現像用トナーの製造方法に関する。
[10]前記乾燥工程において、トナー母粒子を振動装置付き流動乾燥機内で乾燥させる、前記[5]〜[9]のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法に関する。
[11]前記乾燥工程における乾燥時間が1〜5時間である、前記[10]記載の静電荷像現像用トナーの製造方法に関する。
[12]前記乾燥工程の前に、トナー母粒子の水分を0.4質量%以下まで除去する工程を含む、前記[5]〜[11]のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法に関する。
[13]前記水分除去工程及び/又は乾燥工程は、不活性ガスを流入して行う、前記[12]記載の静電荷像現像用トナーの製造方法に関する。
本発明によれば、近年ますます基準が厳しくなりつつある、各種の規格において要求される基準値をはるかに下回るように、トナーから放散される揮発性有機化合物の濃度を低減した静電荷像現像用トナー及びその製造方法を提案することができる。
振動装置付き流動乾燥機の好適な実施態様を示す概略構成図 実施例1のトナー母粒子から揮発したガスのHS−GC/MSトータルイオンクロマトグラム 実施例2のトナー母粒子から揮発したガスのHS−GC/MSトータルイオンクロマトグラム 比較例1のトナー母粒子から揮発したガスのHS−GC/MSトータルイオンクロマトグラム
〔静電荷像現像用トナー〕
本発明の静電荷像現像用トナーは、結着樹脂、着色剤及びワックスを含有する静電荷現像用トナーであって、該結着樹脂がスチレン系樹脂を含むものであり、ヘッドスペースガスクロマトグラフ質量分析法により測定される、ガスクロマトグラフ用非極性カラム上のn−へキサンからn−ヘキサデカンまでの間で溶出する揮発性有機化合物のうち、トルエン濃度が1ppm以下、トルエン補正係数を用いて換算されるベンズアルデヒド濃度が1ppm以下、トルエン補正係数を用いて換算されるスチレン濃度(St濃度(ppm))をトルエン補正係数を用いて換算されるエチルベンゼン濃度(EB濃度(ppm))で除した値(St濃度/EB濃度)が5以下であり、ヘッドスペースガスクロマトグラフ質量分析法により測定されるn−へキサンからn−ヘキサデカンまでの間で同定される揮発性有機化合物のピーク面積をトルエン補正係数を用いて換算した濃度と、ガスクロマトグラフ用非極性カラム上のn−へキサンからn−ヘキサデカンまでの間で同定されない揮発性有機化合物のピーク面積をトルエン補正係数を用いて換算した濃度との合計により示される総揮発性有機化合物(Total VOC)の濃度が100ppm未満である。
本発明の静電荷像現像用トナーは、ヘッドスペースガスクロマトグラフ質量分析法により測定される、ガスクロマトグラフ用非極性カラム上のn−へキサンからn−ヘキサデカンまでの間で溶出する揮発性有機化合物のうち、トルエン濃度は、好ましくは0.8ppm以下、より好ましくは0.5ppm以下、さらに好ましくは0.3ppm以下、特に好ましくは0.2ppm以下である。前記トルエン濃度は、低いほど好ましいが、ヘッドスペースガスクロマトグラフ質量分析法により測定される、ガスクロマトグラフ用非極性カラム上のn−へキサンからn−ヘキサデカンまでの間で溶出する揮発性有機化合物のうち、トルエン濃度の検出限界は0.002ppmであり、前記トルエン濃度の下限値は0.002ppmである。
本発明の静電荷像現像用トナーは、前記と同様の方法で測定される、ガスクロマトグラフ用非極性カラム上のn−へキサンからn−ヘキサデカンまでの間で溶出する揮発性有機化合物のうち、トルエン補正係数を用いて換算されるベンズアルデヒド濃度は、好ましくは0.8ppm以下、より好ましくは0.7ppm以下、さらに好ましくは0.6ppm以下、特に好ましくは0.5ppm以下である。前記ベンズアルデヒド濃度は、低いほど好ましいが、ヘッドスペースガスクロマトグラフ質量分析法により測定される、ガスクロマトグラフ用非極性カラム上のn−へキサンからn−ヘキサデカンまでの間で溶出する揮発性有機化合物のうち、ベンズアルデヒド濃度の検出限界は0.002ppmであり、前記ベンズアルデヒド濃度の下限値は0.002ppmである。
本発明の静電荷像現像用トナーは、前記と同様の方法で測定される、ガスクロマトグラフ用非極性カラム上のn−へキサンからn−ヘキサデカンまでの間で溶出する揮発性有機化合物のうち、トルエン補正係数を用いて換算されるスチレン濃度をトルエン補正係数を用いて換算されるエチルベンゼン濃度で除した値(St濃度/EB濃度)が5以下、好ましくは4.5以下、さらに好ましくは4.4以下である。この値は低い数値であるほど好ましいが、前記スチレン濃度の検出限界は0.002ppmであり、ベンズアルデヒド濃度の検出限界は0.002ppmであるので、前記スチレン濃度を前記ベンズアルデヒド濃度で除した値の下限値は、1である。
本発明の静電荷像現像用トナーは、ヘッドスペースガスクロマトグラフ質量分析法により測定されるn−へキサンからn−ヘキサデカンまでの間で同定される揮発性有機化合物のピーク面積をトルエン補正係数を用いて換算した濃度と、ガスクロマトグラフ用非極性カラム上のn−へキサンからn−ヘキサデカンまでの間で同定されない揮発性有機化合物のピーク面積をトルエン補正係数を用いて換算した濃度との合計により示される総揮発性有機化合物の濃度(Total VOC)は、好ましくは80ppm以下であり、より好ましくは70ppm以下であり、さらに好ましくは65ppm以下であり、特に好ましくは62ppm以下である。総揮発性有機化合物の濃度の検出限界を示すのは、総揮発性有機化合物の濃度が前記各揮発性有機化合物の濃度の合計であるがゆえに困難であるが、総揮発性有機化合物の濃度の検出限界は1ppm程度である。
本発明の静電荷像現像用トナーは、公知の粉砕法、湿式法、機械的衝撃力や熱処理等によってトナーを球形化する方法によって製造される。驚くべきことに、これらの粉砕法、湿式法等によって得られたトナー母粒子及び/又はトナー母粒子に外添剤が添加されたトナーを、好ましくは化学吸着剤とともに乾燥及び/又は静置すると、「ブルーエンジェル」マーク規格等に規定されている規定値を満たすように製造されている市販品よりも、トナーから放散される揮発性有機化合物の濃度がはるかに下回る、静電荷像現像用トナーが得られることを見出した。より詳細には、本発明の静電荷像現像用トナーは、トナー中に含まれる特定の揮発性有機化合物の濃度を、「ブルーエンジェル」マーク規格等に規定されている規定値を満たす市販品と比較しても、1桁以上低減することができる。
化学吸着剤としては、例えば、活性炭を主成分とする化学吸着剤である「Purafil Purakol(登録商標)」(Purafil社製)や、アルミナ、過マンガン酸カリウム、水等を主成分とする化学吸着剤である「Purafil(登録商標) Select Chemisorbant」(Purafil社製)、これらの体積比50:50の混合物である「Purafil CP Blend(登録商標)」(Purafil社製)を好適に用いることができる。化学吸着剤は、トナー母粒子及び/又はトナーから放出される揮発性有機化合物が、化学吸着剤中に含まれる物質と化学反応し、揮発性有機化合物が化学吸着剤に吸着される。この化学反応は不可逆反応であるため、化学吸着剤に吸着された揮発性有機化合物は、再放出されない。
トナー母粒子は、振動装置付き流動乾燥機で乾燥させてなるものであることが好ましい。振動装置付き流動乾燥機は、トナー母粒子が収容される乾燥機本体に特定の振動を付与しつつ、乾燥機本体内に気体を流入させてトナー母粒子を乾燥するものである。トナー母粒子が収容される乾燥機本体に気体を流入させることによって、例えば湿式法により製造されたトナー母粒子に含まれている水分の蒸発潜熱も利用してトナー母粒子を迅速に乾燥させることができる。さらに、振動装置によって乾燥機本体に振動を付与することによって、気体の流量を少なくしても、良好にトナー母粒子を流動化させることができ、下部に集まる凝集物等を振動により解砕して、効率良く乾燥を行うことができる。
振動装置付き流動乾燥機としては、例えば特開2009−294384号公報に記載されている振動装置付き流動乾燥機を使用することができる。具体的には、中央化工機社製の振動乾燥機、三菱マテリアルテクノ社製のナノ流動層装置、不二パウダル社製のバイブロドライヤー等を使用することができる。
トナー母粒子が、振動装置付き流動乾燥機で乾燥させてなるものである場合には、化学吸着剤とともに振動装置付き流動乾燥機で乾燥させることが好ましい。化学吸着剤は、トナー母粒子とともに乾燥機本体内に収容されることが好ましく、化学吸着剤の乾燥機本体内への収容の態様としては、トナー母粒子に適量の化学吸着剤を加えて、化学吸着剤とともにトナー母粒子を乾燥機内に収容して乾燥してもよく、乾燥機本体内に化学吸着剤を収容したバック等を吊り下げて、トナー母粒子とともに収容したバック内の化学吸着剤に、トナー母粒子から放散する揮発性有機化合物を吸着させてもよい。
〔静電荷像現像用トナーの製造方法〕
次に、本発明に係る静電荷像現像用トナーの製造方法について説明する。
[トナー母粒子の製造工程]
本発明のトナーの製造方法は限定されず、粉砕法、湿式法、機械的衝撃力や熱処理等によってトナーを球形化する方法など従来用いられている方法によってトナー母粒子を製造することができる。湿式法としては、懸濁重合法、乳化重合凝集法、溶解懸濁法、エステル伸張法などの方法が挙げられる。
<粉砕法>
粉砕法によりトナー母粒子を製造する方法について説明する。粉砕法の場合、結着樹脂、着色剤と、必要に応じてその他成分を所定量秤量して配合し、混合する。混合装置の一例としては、ダブルコン・ミキサー、V型ミキサー、ドラム型ミキサー、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー等がある。
次に、各成分を配合し、混合したトナー原料を溶融混練して、樹脂類を溶融し、その中に着色剤等を分散させる。その溶融混練工程では、例えば、加圧ニーダー、バンバリミキサー等のバッチ式練り機や、連続式の練り機を用いることができる。練り機は1軸または2軸押出機が用いられ、例えば、神戸製鋼所社製KTK型2軸押出機、東芝機械社製TEM型2軸押出機、ケイ・シー・ケイ社製2軸押出機、ブス社製コ・ニーダー等が挙げられる。更に、トナー原料を溶融混練することによって得られる着色樹脂組成物は、溶融混練後、2本ロール等で圧延され、水冷等で冷却する冷却工程を経て冷却される。
前記で得られた着色樹脂組成物の冷却物は、次いで、粉砕工程で所望の粒径にまで粉砕される。粉砕工程では、まず、クラッシャー、ハンマーミル、フェザーミル等で粗粉砕され、更に、川崎重工業社製のクリプトロンシステム、日清エンジニアリング社製のスーパーローター等で粉砕される。その後、必要に応じて慣性分級方式のエルボージェット(日鉄鉱業社製)、遠心力分級方式のターボプレックス(ホソカワミクロン社製)等の分級機等の篩分機を用いて分級し、トナー母粒子を得る。さらに、従来用いられている方法を用いてトナーを球形化してもよい。
<湿式法>
本発明において、湿式媒体中でトナー母粒子を製造する湿式法を適用することが好ましい。湿式法によって製造されたトナー母粒子を化学吸着剤とともに乾燥及び/又は静置させることによって、トナー母粒子中に含まれる水分の蒸発とともに、トナー母粒子中に含まれる水溶性の揮発性有機化合物が放散されやすくなり、放散された揮発性有機化合物を化学吸着剤で吸着することができるため、「ブルーエンジェル」マーク規格等に規定されている規定値を満たす市販品と比較して、トナー中に含まれる特定の揮発性有機化合物の濃度を1桁以上大幅に低減することができる。
湿式法としては、懸濁重合法、乳化重合凝集法、溶解懸濁法などが挙げられ、いずれの方法で製造してもよく、特に限定されないが、乳化重合凝集法により製造したものであることが好ましい。
(懸濁重合法)
懸濁重合法は、結着樹脂の単量体中に着色剤、重合開始剤、そして必要に応じてワックス、極性樹脂、荷電制御剤や架橋剤などの添加剤を加え、均一に溶解又は分散させた単量体組成物を調製する。この単量体組成物を、分散安定剤等を含有する水系媒体中に分散させる。好ましくは単量体組成物の液滴が所望のトナー粒子のサイズを有するように撹拌速度・時間を調整し、造粒する。その後、分散安定剤の作用により、粒子状態が維持され、且つ粒子の沈降が防止される程度の撹拌を行い、重合を行う。これらを洗浄・ろ過により収集することによりトナー母粒子を得ることができる。
(溶解懸濁法)
溶解懸濁法は、結着樹脂を有機溶剤に溶解し、着色剤などを添加分散して得られる溶液相を、分散剤等を含有した水相において機械的な剪断力で分散し液滴を形成し、液滴から有機溶剤を除去することによりトナー母粒子を得ることができる。
(乳化重合凝集法)
乳化重合凝集法は、乳化重合工程により得られた結着樹脂単量体の重合体一次粒子、着色剤分散系、ワックス分散液等を作製しておき、これらを水系媒体中に分散させ加熱等を行うことにより凝集工程、さらに熟成工程を経る。これらを洗浄・ろ過により収集し、トナー母粒子を得ることができる。次いでトナー母粒子は、乾燥する工程を経る。さらに、トナー母粒子に、必要により外添剤等を添加し、トナーを得ることができる。
乳化重合凝集法をより詳しく説明する。乳化重合工程は、通常、乳化剤の存在下、水系媒体中で結着樹脂となる重合性単量体を重合するが、この際、反応系に重合性単量体を供給するにあたって、各単量体は別々に加えても、予め複数種類の単量体を混合しておいて同時に添加しても良い。また、単量体はそのまま添加しても良いし、予め水や乳化剤などと混合、調整した乳化液として添加することもできる。
酸性単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、ケイ皮酸等のカルボキシル基を有する重合性単量体、スルホン化スチレン等のスルホン酸基を有する重合性単量体、ビニルベンゼンスルホンアミド等のスルホンアミド基を有する重合性単量体等が挙げられる。また、塩基性単量体としては、アミノスチレン等のアミノ基を有する芳香族ビニル化合物、ビニルピリジン、ビニルピロリドン等の窒素含有複素環含有重合性単量体、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート等のアミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。これら酸性単量体及び塩基性単量体は、単独で用いても複数種類を混合して用いてもよく、また、対イオンを伴って塩として存在していてもよい。中でも、酸性単量体を用いるのが好ましく、より好ましくはアクリル酸及び/又はメタクリル酸である。
結着樹脂を構成する全重合性単量体100質量部中に占める酸性単量体および塩基性単量体の合計量は、好ましくは0.05質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上、更に好ましくは1.0質量部以上であり、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下であることが望ましい。
その他の重合性単量体としては、スチレン、メチルスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−n−ノニルスチレン等のスチレン類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸2−エチルヘキシル等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のメタクリル酸エステル類、アクリルアミド、N−プロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジプロピルアクリルアミド、N,N−ジブチルアクリルアミド等が挙げられ、重合性単量体は、単独で用いてもよく、また複数を組み合わせて用いてもよい。
本発明の静電荷像現像用トナーは、スチレン類の単量体単独の重合体、スチレン類の単量体と他の単量体の重合体であるスチレン系樹脂を結着樹脂として含むものである。本発明によれば、スチレン系樹脂を結着樹脂として含むものであっても、本発明の方法によって測定されるスチレン濃度をエチルベンゼン濃度で除した値(St濃度/EB濃度)が5以下になるように、トナーに含まれる揮発性有機化合物の濃度を低減することができる。例えば、本市販品のトナーから放散されるスチレン濃度とエチルベンゼン濃度を測定し、スチレン濃度をエチルベンゼン濃度で除した値(St濃度/EB濃度)は15以上である。この数値から、本発明によって、結着樹脂としてスチレン系樹脂を用いた場合であっても、トナーから放散されるスチレン等の揮発性有機物を低減した静電荷像現像用トナーが得られることがわかる。
更に、結着樹脂を架橋樹脂とする場合、上述の重合性単量体と共にラジカル重合性を有する多官能性単量体が用いられ、例えば、ジビニルベンゼン、ヘキサンジオールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジアリルフタレート等が挙げられる。また、反応性基をペンダントグループに有する重合性単量体、例えばグリシジルメタクリレート、メチロールアクリルアミド、アクロレイン等を用いることも可能である。中でもラジカル重合性の二官能性重合性単量体が好ましく、ジビニルベンゼン、ヘキサンジオールジアクリレートが特に好ましい。これら多官能性重合性単量体は、単独で用いても複数種類を混合して用いてもよい。
結着樹脂を乳化重合で重合する場合、乳化剤として公知の界面活性剤を用いることができる。界面活性剤としてはカチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤の中から選ばれる一種又は二種以上の界面活性剤を併用して用いることができる。
カチオン性界面活性剤としては、例えば、ドデシルアンモニウムクロライド、ドデシルアンモニウムブロマイド、ドデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、ドデシルピリジニウムクロライド、ドデシルピリジニウムブロマイド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロマイド等が挙げられ、アニオン性界面活性剤としては、例えば、ステアリン酸ナトリウム、ドデカン酸ナトリウム等の脂肪酸石けん、硫酸ドデシルナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム等が挙げられる。ノニオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンドデシルエーテル、ポリオキシエチレンモノヘキサデシルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアートエーテル、モノデカノイルショ糖等が挙げられる。
乳化剤の使用量は、重合性単量体100質量部に対して0.1質量部以上、10質量部以下が好ましい。また、これらの乳化剤に、例えば、部分或いは完全ケン化ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール類、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体類等の一種或いは二種以上を保護コロイドとして併用することができる。
乳化重合により得られる重合体一次粒子の体積平均粒径は、好ましくは0.02μm以上、より好ましくは0.05μm以上、更に好ましくは0.1μm以上であり、好ましくは3μm以下、より好ましくは2μm以下、更に好ましくは1μm以下である。粒径が小さすぎると、凝集工程において凝集速度の制御が困難となる場合があり、大きすぎると、凝集して得られるトナー粒子の粒径が大きくなり易く、目的とする粒径のトナーを得ることが困難となる場合がある。
乳化重合懸濁法においては、必要に応じて公知の重合開始剤を用いることができ、重合開始剤を1種又は2種以上組み合わせて使用する事ができる。例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、及び、これら過硫酸塩を一成分として酸性亜硫酸ナトリウム等の還元剤を組み合わせたレドックス開始剤、過酸化水素、4,4’−アゾビスシアノ吉草酸、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等の水溶性重合開始剤、及び、これら水溶性重合性開始剤を一成分として第一鉄塩等の還元剤と組み合わせたレドックス開始剤系、過酸化ベンゾイル、2,2’−アゾビス−イソブチロニトリル等が用いられる。これら重合開始剤はモノマー添加前、添加と同時、添加後のいずれの時期に重合系に添加しても良く、必要に応じてこれらの添加方法を組み合わせても良い。
また、必要に応じて公知の連鎖移動剤を使用することができ、具体的な例としては、t−ドデシルメルカプタン、2−メルカプトエタノール、ジイソプロピルキサントゲン、四塩化炭素、トリクロロブロモメタン等があげられる。連鎖移動剤は単独または2種類以上の併用でもよく、重合性単量体に対して0〜5質量%用いられる。
また、必要に応じて公知の懸濁安定剤を使用することができる。懸濁安定剤の具体的な例としては、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等が挙げられる。これらは、一種或いは二種以上を組み合わせて用いてもよく、重合性単量体100質量部に対して1質量部以上、10質量部以下の量で用いてもよい。
重合開始剤及び懸濁安定剤は、いずれも重合性単量体添加前、添加と同時、添加後のいずれの時期に重合系に添加してもよく、必要に応じてこれらの添加方法を組み合わせてもよい。
その他、反応系には、pH調整剤、重合度調節剤、消泡剤等を適宜添加することができ
る。
本発明のトナーには、離型性付与のため、ワックスを含有する。ワックスとしては、離型性を有するものであればいかなるものも使用可能である。具体的には、例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、共重合ポリエチレン等のオレフィン系ワックス;パラフィンワックス;ベヘン酸ベヘニル、モンタン酸エステル、ステアリン酸ステアリル等の長鎖脂肪族基を有するエステル系ワックス;水添ひまし油、カルナバワックス等の植物系ワックス;ジステアリルケトン等の長鎖アルキル基を有するケトン;アルキル基を有するシリコーン;ステアリン酸等の高級脂肪酸;エイコサノール等の長鎖脂肪族アルコール;グリセリン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールと長鎖脂肪酸により得られる多価アルコールのカルボン酸エステル、又は部分エステル;オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド等の高級脂肪酸アミド;低分子量ポリエステル等が挙げられる。
これらのワックスの中で、定着性を改善するためには、ワックスは、その融点が30℃以上のものが好ましく、40℃以上のものがより好ましく、50℃以上のものが特に好ましい。また、100℃以下のものが好ましく、90℃以下のものがより好ましく、80℃以下が特に好ましい。前記範囲内の融点を有するワックスであれば、べたつき等を生じることなく、低温で優れた定着性を示す。
また、ワックスの化合物種としては、高級脂肪酸エステル系ワックスが好ましい。高級脂肪酸エステル系ワックスとしては、具体的には例えば、ベヘン酸ベヘニル、ステアリン酸ステアリル、ペンタエリスリトールのステアリン酸エステル、モンタン酸グリセリド等の、炭素数15〜30の脂肪酸と1〜5価のアルコールとのエステルが好ましい。また、エステルを構成するアルコール成分としては、1価アルコールの場合は炭素数10〜30のものが好ましく、多価アルコールの場合には炭素数3〜10のものが好ましい。
前記ワックスは単独で用いてもよく、混合して用いてもよい。また、トナーを定着する定着温度により、ワックス化合物の融点を適宜選択することができる。ワックスの量は、トナー100質量部中に1質量部以上であることが好ましく、より好ましくは2質量部以上、さらに好ましくは5質量部以上である。また、40質量部以下であることが好ましく、より好ましくは35質量部以下、さらに好ましくは、30質量部以下である。トナー中のワックス含有量が少なすぎると、高温オフセット性等の性能が十分でない場合があり、多すぎると、耐ブロッキング性が十分でなかったり、ワックスがトナーから漏出することにより装置を汚染したりする場合がある。
着色剤としては公知の着色剤を任意に用いることができる。着色剤の具体的な例としては、カーボンブラック、アニリンブルー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ハンザイエロー、ローダミン系染顔料、クロムイエロー、キナクリドン、ベンジジンイエロー、ローズベンガル、トリアリルメタン系染料、モノアゾ系、ジスアゾ系、縮合アゾ系染顔料など、公知の任意の染顔料を単独あるいは混合して用いることができる。フルカラートナーの場合にはイエローはベンジジンイエロー、モノアゾ系、縮合アゾ系染顔料、マゼンタはキナクリドン、モノアゾ系染顔料、シアンはフタロシアニンブルーをそれぞれ用いるのが好ましい。着色剤は、重合体一次粒子100質量部に対して3質量部以上、20質量部以下となるように用いることが好ましい。
乳化重合凝集法における着色剤の配合は、通常、凝集工程で行われる。重合体一次粒子の分散液と着色剤粒子の分散液とを混合して混合分散液とした後、これを凝集させて粒子凝集体とする。着色剤は、乳化剤の存在下で水中に分散した状態で用いるのが好ましく、着色剤粒子の体積平均粒径が好ましくは0.01μm以上、より好ましくは0.05μm以上であり、好ましくは3μm以下、より好ましくは1μm以下である。
トナーには帯電制御剤用いてもよく、帯電制御剤を用いる場合には、公知の任意のものを単独ないしは併用して用いることができ、例えば、正帯電性帯電制御剤として4級アンモニウム塩、塩基性・電子供与性の金属物質が挙げられ、負帯電性帯電制御剤として金属キレート類、有機酸の金属塩、含金属染料、ニグロシン染料、アミド基含有化合物、フェノール化合物、ナフトール化合物及びそれらの金属塩、ウレタン結合含有化合物、酸性もしくは電子吸引性の有機物質が挙げられる。
また、カラートナー又はフルカラートナーにおける黒色トナー以外のトナーとして使用する場合には、無色ないしは淡色でトナーへの色調障害がない帯電制御剤を用いることが好ましく、例えば、正帯電性帯電制御剤としては4級アンモニウム塩化合物が、負帯電性帯電制御剤としてはサリチル酸もしくはアルキルサリチル酸のクロム、亜鉛、アルミニウムなどとの金属塩、金属錯体や、ベンジル酸の金属塩、金属錯体、アミド化合物、フェノール化合物、ナフトール化合物、フェノールアミド化合物、4,4’−メチレンビス〔2−〔N−(4−クロロフェニル)アミド〕−3−ヒドロキシナフタレン〕等のヒドロキシナフタレン化合物が好ましい。
乳化重合凝集法を用いてトナー中に帯電制御剤を含有させる場合は、乳化重合時に重合性単量体等とともに帯電制御剤を添加するか、重合体一次粒子及び着色剤等とともに凝集工程で添加するか、重合体一次粒子及び着色剤等を凝集させてほぼ目的とする粒径となった後に添加する等の方法によって配合することができる。これらのうち、帯電制御剤を界面活性剤を用いて水中で分散させ、体積平均粒径0.01μm以上、3μm以下の分散液として凝集工程に添加することが好ましい。
乳化重合凝集法における凝集工程は、撹拌装置を備えた槽内で行われるが、加熱する方法、電解質を加える方法と、これらを組み合わせる方法とがある。重合体一次粒子を撹拌下に凝集して目的とする大きさの粒子凝集体を得ようとする場合、粒子同士の凝集力と撹拌による剪断力とのバランスから粒子凝集体の粒径が制御されるが、加熱するか、或いは電解質を加えることによって凝集力を大きくすることができる。
電解質を添加して凝集を行う場合は、電解質としては、有機塩、無機塩のいずれも使用することができる。電解質として、具体的には、NaCl、KCl、LiCl、Na2SO4、K2SO4、Li2SO4、MgCl2、CaCl2、MgSO4、CaSO4、ZnSO4、Al2(SO43、Fe2(SO43、CH3COONa、C65SO3Na等が挙げられる。これらのうち、2価以上の多価の金属カチオンを有する無機塩が好ましい。
電解質の添加量は、電解質の種類、目的とする粒径等によって異なるが、混合分散液の固形成分100質量部に対して、0.05質量部以上が好ましく、0.1質量部以上が更に好ましい。また、25質量部以下が好ましく、更には15質量部以下、特に10質量部以下が好ましい。添加量が前記範囲であると、凝集反応を速やかに進行させることができ、凝集反応後に微粉や不定形のもの等を生じることなく、比較的容易に粒径を制御することができ、目的する平均粒径を有する粒子凝集体を得ることができる。電解質を加えて凝集を行う場合の凝集温度は、好ましくは20℃以上、更に好ましくは30℃以上であり、好ましくは70℃以下、更に好ましくは60℃以下である。
電解質を用いないで加熱のみによって凝集を行う場合の凝集温度は、重合体一次粒子のガラス転移温度をTgとすると、(Tg−20)℃以上が好ましく、(Tg−10)℃以上が更に好ましい。また、Tg以下が好ましく、(Tg−5)℃以下が更に好ましい。凝集に要する時間は装置形状や処理スケールにより最適化されるが、トナーの粒径が目的とする粒径に到達するためには、前記した所定の温度で通常、少なくとも30分以上保持することが望ましい。所定の温度へ到達するまでの昇温は、一定速度で昇温しても良いし、段階的に昇温することもできる。
凝集処理後の粒子凝集体表面に、必要に応じて樹脂粒子を付着又は固着した粒子を形成することもできる。粒子凝集体表面に性状を制御した樹脂粒子を付着又は固着することにより、得られるトナーの帯電性や耐熱性を向上できる場合があり、さらには、本発明の効果を一層顕著とすることができる。樹脂粒子として重合体一次粒子のガラス転移温度よりも高いガラス転移温度を有する樹脂粒子を用いた場合、定着性を損なうことなく、耐ブロッキング性の一層の向上が実現できるので好ましい。該樹脂粒子の体積平均粒径は、0.02μm以上が好ましく、0.05μm以上が更に好ましい。また、3μm以下、さらに1.5μm以下が好ましい。樹脂粒子としては、前述の重合体一次粒子に用いられる重合性単量体と同様なモノマーを乳化重合して得られたもの等を用いることができる。
樹脂粒子は、通常、界面活性剤により水又は水を主体とする液中に分散した分散液として用いるが、帯電制御剤を凝集処理後に加える場合には、粒子凝集体を含む分散液に帯電制御剤を加えた後に樹脂粒子を加えることが好ましい。凝集工程で得られた粒子凝集体の安定性を増すために、凝集工程の後の熟成工程において凝集粒子内の融着を行うことが好ましい。
乳化重合凝集法において、凝集工程後の熟成工程の温度は、熟成工程の温度は、好ましくは重合体一次粒子の結着樹脂の設計ガラス転移温度(Tg)以上、より好ましくは設計ガラス転移温度(Tg)より5℃高い温度以上であり、また、好ましくは設計ガラス転移温度(Tg)より80℃高い温度以下、より好ましくは設計ガラス転移温度(Tg)より50℃高い温度以下である。また、熟成工程に要する時間は、目的とするトナーの形状により異なるが、重合体一次粒子の結着樹脂の設計ガラス転移温度以上に到達した後、好ましくは0.1〜10時間、より好ましくは1〜6時間保持する。重合体一次粒子の結着樹脂の設計ガラス転移温度(Tg)は、結着樹脂を構成する主なモノマー成分のガラス転移温度と、結着樹脂中の主なモノマー成分の重量分率(質量比率)とを掛けた値の総和をいう。結着樹脂を構成する主なモノマー成分が、例えば第1のモノマー成分と第2のモノマー成分からなる場合には、例えば、下記式(2)により算出される。
結着樹脂の設計ガラス転移温度(Tg)=結着樹脂を構成する第1のモノマー成分のガラス転移温度(°K)×第1モノマー成分と第2モノマー成分の合計量中の第1のモノマー成分の質量比率(質量%)+結着樹脂を構成する第2のモノマー成分のガラス転移温度(°K)×第1モノマー成分と第2モノマー成分の合計量中の第2のモノマー成分の質量比率(質量%)・・・(2)
なお、凝集工程以降、好ましくは熟成工程以前又は熟成工程中の段階で、界面活性剤を添加するか、pH値を上げることが好ましい。ここで用いられる界面活性剤としては、重合体一次粒子を製造する際に用いることのできる乳化剤から一種以上を選択して用いることができるが、特に重合体一次粒子を製造した際に用いた乳化剤と同じものを用いることが好ましい。界面活性剤を添加する場合の添加量は限定されないが、混合分散液の固形成分100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは1質量部以上、更に好ましくは3質量部以上であり、また、好ましくは20質量部以下、より好ましくは15質量部以下、更に好ましくは10質量部以下である。凝集工程以降、熟成工程の完了前の間に界面活性剤を添加するか、pH値を上げることにより、凝集工程で凝集した粒子凝集体同士の凝集等を抑制することができ、熟成工程後の粗大粒子生成を抑制できる場合がある。
熟成工程での加熱処理により、凝集体における重合体一次粒子同士の融着一体化がなされ、凝集体としてのトナー粒子形状も球形に近いものとなる。熟成工程前の粒子凝集体は、重合体一次粒子の静電的あるいは物理的凝集による集合体であると考えられるが、熟成工程後は、粒子凝集体を構成する重合体一次粒子は互いに融着しており、トナー母粒子を球状に近いものとすることが可能となる。この様な熟成工程によれば、熟成工程の温度及び時間等を制御することにより、重合体一次粒子が凝集した形状、更に融着が進んだ球状等、目的に応じて様々な形状のトナー母粒子を得ることができる。
[トナー母粒子の洗浄工程]
懸濁重合法、乳化重合凝集法、溶解懸濁法等の湿式法によって得られたトナー母粒子は、湿式媒体中から得られたトナー母粒子を固液分離し、トナー母粒子を粒子凝集体として回収した後、必要に応じて洗浄を行うことが好ましい。
洗浄に用いる液体としては、湿式法における最終工程においてトナーが浸漬している湿式媒体よりも純度の高い水を用いてもよく、酸又はアルカリの水溶液を用いてもよい。酸としては、硝酸、塩酸、硫酸等の無機酸や、クエン酸等の有機酸を用いることができる。アルカリとしては、ソーダ塩(水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム等)、ケイ酸塩(メタケイ酸ナトリウム等)、リン酸塩等を用いることができる。洗浄は、常温又は30〜70℃程度に加熱して行うこともできる。
トナー母粒子は、洗浄工程によって、懸濁安定剤、乳化剤、湿式媒体、未反応の残存モノマー、小粒径のトナー等が除去される。洗浄工程後、トナー母粒子は、濾過又はデカンテーションによりウェットケーキ状の状態で得ることが好ましい。後工程で取り扱いが容易となるからである。洗浄工程は複数回繰り返してもよい。
[トナー母粒子の水分除去工程]
本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法は、後述する乾燥工程の前に、トナー母粒子の水分を0.4質量%以下まで除去する工程を含むことが好ましい。洗浄工程後のウェットケーキ状のトナー母粒子は湿潤状態であるため、トナー母粒子100質量%に対して、トナー母粒子中の含水率は、50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下である。この湿潤状態のトナー母粒子を、その含水率が0.4質量%以下となるまで先に水分を蒸発させておくことによって、後の乾燥工程において、トナー母粒子中に含まれる揮発性有機化合物を効率的に放散させることができる。
水分除去工程において使用する乾燥機としては、流動乾燥機、ジェット乾燥機、減圧乾燥機等を用いることができ、水分の蒸発潜熱を直接的にトナー母粒子に与えて、水分の除去速度を速めるために、気体を流入して乾燥する流動乾燥機を用いることが好ましい。例えば、後述する振動装置付き流動乾燥機を用いることもでき、振動装置がついていない流動乾燥機を用いることもできる。振動装置がついていない流動乾燥機を用いることがより好ましい。水分除去工程で使用する流動乾燥機に適用する気体、気体の温度、乾燥機の温度等は、後述する乾燥工程において用いる振動装置付き流動乾燥機に適用する気体、気体の温度、乾燥機の温度等と、同様の気体及び条件を適用することができる。
[トナー母粒子の乾燥工程]
トナー母粒子を乾燥する工程において、流動乾燥機、ジェット乾燥機、減圧乾燥機等の乾燥機を用いることができる。中でも振動装置付き流動乾燥機で乾燥させることが好ましい。振動装置付き流動乾燥機は、乾燥機本体内に気体を流入させることによって、トナー母粒子に含まれている水分の蒸発潜熱も利用してトナー母粒子を迅速に乾燥させることができる。また、振動装置によってトナー母粒子に振動を付与することにより、気体の流量を少なくしても、トナー母粒子を流動化させることができ、下部に集まる凝集物を解砕して、迅速かつ効率的にトナー母粒子を乾燥させることができる。
図1は、振動装置付き流動乾燥機の好適な実施態様を示す概略構成図である。本発明で用いる振動装置付き流動乾燥機は、図1に示すものに限定されない。
図1に示すように、振動装置付き流動乾燥機1は、トナー母粒子を収容する乾燥機本体2と、乾燥機本体2の下部に、乾燥機本体2内のトナー母粒子に振動を付与する振動モータ3を設けた振動装置4とを備えている。乾燥機本体2の周囲には、乾燥機本体2を保温するジャケット5を備え、ジャケット5は、ジャケット5内に温水を流出入させる流入口5aと流出口5bを備えている。また、乾燥機本体2は上部には排気口6を備えている。乾燥機本体2の内部上方には、トナー母粒子を乾燥させる際に生成された粉塵を除去するバグフィルタ7を備え、乾燥機本体2の内部下方には、振動によって解砕された凝集物を分散するための分散板8を備えている。また、乾燥機本体2には、下方にトナー母粒子を乾燥させるための気体を流入させる気体流入路9を備え、気体流入路9の上流側には、乾燥機本体2に流入させる気体を除湿するための除湿機10と、この除湿機10と気体流入路9との間に気体の熱交換を行う加熱機11とが連結されている。除湿機10によって、乾燥機本体2内に流入する気体中の水分を除去し、加熱機11で適温に加熱した気体を乾燥機本体2内に流入させることによって、トナー母粒子からの水分の蒸発を促進することができ、迅速にトナー母粒子を乾燥させることができる。
乾燥は、常圧又は減圧下で行うことが好ましい。減圧下では、気体がトナー母粒子に与えることができる熱量が小さくなるため、常圧で乾燥を行うことがより好ましい。
乾燥機本体2に流入させる気体は、安全性及び環境性の観点から、不活性ガス、又は空気を不活性ガスで希釈した混合ガスを用いることが好ましい。不活性ガスとしては、窒素、ヘリウム、アルゴン等が挙げられるが、ガスの入手が容易であるため窒素を用いることが好ましい。空気を不活性ガスで希釈した混合ガスを用いる場合には、混合ガスの酸素濃度が好ましくは12%以下、より好ましくは10%以下としたものを用いる。さらに、乾燥機本体内に流入させる気体は、揮発性有機化合物(VOC)濃度が好ましくは10ppm以下、より好ましくは5ppm以下、更に好ましくは1ppm以下のガスである。気体の揮発性有機化合物(VOC)濃度が10ppm以下であると、トナー母粒子からの揮発性有機化合物の放散を妨げることなく、気体中の揮発性有機化合物がトナー母粒子に吸収されることもないため、トナー母粒子に含まれる揮発性有機化合物の濃度を低減することができる。
乾燥機本体2に流入させる気体の温度は、好ましくは30℃以上であり、より好ましくは40℃であり、好ましくは70℃以下であり、より好ましくは60℃以下である。気体の温度が前記範囲内であると、トナー母粒子の温度を一定値以上に保つことができ、トナー母粒子からの水分の蒸発と、揮発性有機物の放散を促進することができ、迅速かつ効率的に乾燥することができる。また、乾燥機本体2に流入させる気体の温度が70℃以下と、トナー母粒子に含まれるスチレン系結着樹脂のガラス転移温度(Tg)よりも低いと、トナー母粒子同士の融着、トナーの変形が生じない。ここで、スチレン系結着樹脂のガラス転移温度(Tg)と、結着樹脂の設計ガラス転移温度(Tg)をいい、前記式(2)により算出される。
乾燥機本体2のジャケット5内に流入される温水の温度は、好ましくは30℃以上、より好ましくは40℃以上である。また、ジャケット5内に流入される温水の温度は、このましは70℃以下、より好ましくは60℃以下である。ジャケット5内に流入される温水の温度が30℃以上であると、乾燥機本体2内を30℃以上の温度に保温することができる。ジャケット5内に流入される温水の温度が70℃以下であると、乾燥機本体2のジャケット5と接触している表面温度が高くなりすぎることなく、局所的なトナー母粒子の熱変質を起こすことによる品質劣化が抑制される。
図1に示すように、気体流入路9から、乾燥機本体2内の下方から特定の流速で気体を流入させると、気体の流量が少ない場合(例えば0.5m/分以下)には、気体がトナー母粒子の間隙を抜けていくが、気体の流量が多くなると(例えば0.5m/分以上1.0m/分未満)、トナー母粒子で形成された層を吹き抜けるようになり、より気体の流量が多くなると(例えば1.0m/分以上)トナー母粒子全体を流動させて流動層若しくは流動床と呼ばれる状態となり、さらに気体の流量が多くなると(例えば1.5m/分以上)、乾燥機本体2内でトナー母粒子が完全に浮遊した状態となる。トナー母粒子が、乾燥機本体2内で流動層若しくは流動床の状態となるか、完全に浮遊した状態となると、トナー母粒子の表面にむらなく気体が供給されて、効率的に乾燥を行うことができる。
乾燥工程において、トナー母粒子から水の蒸発とともに放散する揮発性有機化合物を効率的に化学吸着剤に吸着させるためには、トナー母粒子が流動層若しくは流動床の状態となるか、トナー母粒子が浮遊した状態となるように気体を乾燥機本体2内に流入することが好ましい。トナー母粒子を流動層若しくは流動床の状態となるようにするためには、乾燥機本体2の形状や圧力等によっても変化するが、気体の流速は、好ましくは0.01m/s以上、より好ましくは0.2m/s以上であり、好ましくは2m/s以下、より好ましくは1.5m/s以下である。また、トナー母粒子を流動層若しくは流動床の状態になるようにするためには、乾燥機本体2の形状や圧力、気体流入路9の形状等によっても変化するが、気体の流量は、好ましくは1.0m/分以上、より好ましくは1.8m/分以上であり、好ましくは4.0m/分以下、より好ましくは3.0m/分以下である。気体の流速及び流量が前記範囲内であると、トナー母粒子が十分に気体と接触し、水分の蒸発とともに、トナー母粒子から十分に揮発性有機化合物を放散させることができる。また、気体の流速及び流量が前記範囲内であると、トナー母粒子が飛散することなく、流動層若しくは流動床の状態となり、トナー母粒子の捕集回収するための負荷を削減することができるため好ましい。
振動装置3で乾燥機本体2に振動を付与することによって、トナー母粒子が乾燥機本体2の内壁に付着して流動が阻害されるのを抑制することができ、トナー母粒子を十分に気体に接触させて、トナー母粒子からの水の蒸発と揮発性有機化合物の放散を促進させ、トナー母粒子の乾燥を迅速に行うことができる。
振動装置3で付与する振動は、好ましくは振動数10〜50Hz、より好ましくは15〜40Hzであり、好ましくは振幅0.5〜5mm、より好ましくは1〜4mmである。振動数及び振幅が前記範囲内であると、トナー母粒子を凝集させることなく解砕することができ、また、湿潤状態のトナー母粒子が振動を付与されたことによるタッピング効果によって造粒されることなく、トナー母粒子を良好な流動層若しくは流動床の状態にすることができる。
振動装置3で乾燥機本体2に振動を付与する場合には、気体の流量を少なくした場合であっても、トナー母粒子を流動層若しくは流動床の状態、又は浮遊させた状態にすることが可能である。振動装置3で乾燥機本体2に振動を付与する場合には、気体の流量が前記好適範囲の好ましくは1/5〜1/20、より好ましくは1/5〜1/10でよい。
乾燥工程における乾燥時間は、乾燥に用いる装置等によって異なり、乾燥時間は、ジェット乾燥機を用いる場合には1〜10秒、減圧乾燥機を用いる場合には1〜24時間、図1に示すような振動装置付き乾燥装置を用いる場合には1〜5時間が好ましく、より好ましくは1〜3時間である。乾燥工程は、トナー母粒子中の水分とともに、トナー母粒子中に含まれる揮発性有機化合物をトナー母粒子の表面まで拡散移動させた後に、トナー母粒子から放散させる必要があり、乾燥時間が前記範囲内である場合には、トナー母粒子から揮発性有機化合物を放散させて、揮発性有機化合物を低減することができる。0.4質量%以下まで水分を除去したトナー母粒子であっても、揮発性有機化合物を放散させるために、乾燥時間が前記範囲内であることが好ましい。
振動装置付き乾燥装置における乾燥温度は、トナー母粒子のガラス転移温度(Tg(℃))から振動装置付き乾燥装置の乾燥温度(℃)を引いた値が15℃以下となる温度であることが好ましく、該値が14℃以下となる温度であることがより好ましい。また、振動装置付き乾燥装置における乾燥温度は、トナー母粒子のガラス転移温度(Tg(℃))から振動装置付き乾燥装置における乾燥温度(℃)を引いた値が、3℃以上となる温度であることが好ましく、該値が5℃以上となる温度であることがより好ましい。振動装置付き乾燥装置における乾燥温度が、トナー母粒子のガラス転移温度(Tg(℃))から振動装置付きの乾燥装置の乾燥温度を引いた値が15℃以下となる温度であると、流動乾燥機で乾燥させた場合よりも短時間で効率良く、トナー母粒子から揮発性有機化合物を放散させることができる。ここで、トナー母粒子のガラス転移温度(Tg(℃))とは、重合体一次粒子における結着樹脂の設計ガラス転移温度(Tg(℃))と同義である。また、振動装置付きの乾燥装置の乾燥温度とは、具体的には、振動装置付き乾燥装置のジャケット温度及び振動装置付き乾燥装置に流入するガス温度をいう。
乾燥機本体2から排出口6を通じて排出される気体は、そのまま廃棄してもよいが、酸素濃度が低く、不活性ガスとして再利用が可能であることから、コストを低減するために、リサイクルして使用することが好ましい。この場合は、リサイクルガスを冷却して、排出ガス中に含まれる水分を凝縮させ、図1に示す装置を使用する場合には、除湿機10でリサイクルしたガス中に含まれる水分を除去した後、加熱機11で再加熱して、使用することができる。
図1に示すような振動装置付き流動乾燥機としては、例えば特開2009−294384号公報に記載されている振動装置付き流動乾燥機が挙げられる。その他、具体的には、前記中央化工機社製の振動乾燥機、三菱マテリアルテクノ社製のナノ流動層装置、不二パウダル社製のバイブロドライヤー等を使用することができる。
[化学吸着剤の適用(1)]
トナー母粒子は、前記乾燥工程及び/又は乾燥工程後に化学吸着剤とともに乾燥及び/又は静置することが好ましい。トナー母粒子の乾燥工程及び/又は乾燥工程後にトナー母粒子を化学吸着剤とともに乾燥及び/又は静置することによって、トナー母粒子から放散された揮発性有機化合物及び/又はトナー母粒子に残存する揮発性有機化合物を化学吸着剤で吸着して、「ブルーエンジェル」マーク規格等の規定値を満たす市販品と比較して、トナーに含まれる揮発性有機化合物をはるかに低減することができる。
乾燥工程において、化学吸着剤とともにトナー母粒子を乾燥させる際に、図1に示すような振動装置付き乾燥装置1を用いる場合には、化学吸着剤とトナー母粒子とを混合して、乾燥機本体2内に収容する態様としてもよく、乾燥機本体2の内部上方に備えたバッグフィルタ7に化学吸着剤を充填する態様としてもよく、バッグフィルタ7とは別に揮発性有機化合物が透過する気体透過性のバックに化学吸着剤を充填して、化学吸着剤を充填したバックを乾燥機本体2内に固定するか、前記バックを固定することなく、トナー母粒子とともに流動するように前記バックを乾燥機本体2内に収容する態様としてもよい。乾燥工程後、化学吸着剤とトナー母粒子とを混合した場合には、乾燥後のトナー母粒子から化学吸着剤を取り除くことが好ましい。化学吸着剤をバック内に充填して、バックとトナー母粒子を接触させた場合には、トナー母粒子からバックを取り除けばよい。
乾燥工程後に、トナー母粒子を化学吸着剤とともに静置する場合、静置時間は、好ましくは1〜36時間、より好ましくは1〜30時間、さらに好ましくは1〜25時間である。乾燥工程後のトナー母粒子を化学吸着剤とともに静置することによって、乾燥工程によって放散されなかった揮発性有機化合物を、化学吸着剤に吸着して除去することができる。
乾燥工程後に、トナー母粒子と化学吸着剤とを静置する態様としては、トナー母粒子と化学吸着剤とを混合し閉塞できる容器内に両者を収容してもよく、揮発性有機化合物が透過可能なバック内に化学吸着剤を充填し、このバックとトナー母粒子とを密閉できる容器内に収容してもよい。静置後、化学吸着剤とトナー母粒子とを混合した場合には、トナー母粒子から化学吸着剤を取り除くことが好ましい。化学吸着剤をバック内に充填して、バックとトナー母粒子を接触させて静置した場合には、静置後、トナー母粒子からバックを取り除けばよい。
トナー母粒子と化学吸着剤との質量比(トナー母粒子:化学吸着剤)は、好ましくは100:0.1〜100:30、より好ましくは100:0.5〜100:20、さらに好ましくは100:1〜100:15、特に好ましくは100:1〜100:10である。トナー母粒子と化学吸着剤との質量比が前記範囲内であると、トナー母粒子から放出される揮発性有機化合物を化学吸着剤が吸着し、トナーに含まれる揮発性有機化合物を、「ブルーエンジェル」マーク規格等の規定値を満たす市販品と比較して、揮発性有機化合物をはるかに低減することができる。
[トナー形成工程]
次に、トナー母粒子に、外添剤を添加して、トナー母粒子の表面に外添剤を付着又は固着させて、トナーを形成する。外添剤を添加することによって、OPC(organic photo condouctors)フィルミングや転写効率を向上することができる。外添剤は、公知の外添剤を用いることができる。外添剤としては、例えば、シリカ、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化亜鉛、酸化錫、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム等の無機粒子;ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の有機酸塩粒子;メタクリル酸エステル重合体粒子、アクリル酸エステル重合体粒子、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体粒子、スチレン−アクリル酸エステル共重合体粒子等の有機樹脂粒子等が挙げられる。
[化学吸着剤の適用(2)]
トナーは、化学吸着剤とともに保管することが好ましい。保管時間は特に限定されない。化学吸着剤とともにトナーを保管する態様としては、トナーと化学吸着剤とを混合し、この混合物を、例えばフレコンバック(フレキシブルコンテナバック)等に収容して保管してもよく、揮発性有機化合物が透過可能なバック内に化学吸着剤を充填し、このバックとトナーとをフレコンバック等に収容して保管してもよい。保管後、化学吸着剤とトナーとを混合した場合には、トナーから化学吸着剤を取り除くことが好ましい。化学吸着剤をバック内に充填して、バックとトナーを接触して保管した場合には、保管後、トナーからバックを取り除けばよい。
トナーと化学吸着剤との質量比(トナー:化学吸着剤)は、好ましくは100:0.1〜100:30、より好ましくは100:0.5〜100:20、さらに好ましくは100:1〜100:15、特に好ましくは100:1〜100:10である。トナーと化学吸着剤との質量比が前記範囲内であると、トナーに残存している揮発性有機化合物を、トナー保管中に化学吸着剤で吸着し、トナーに含まれる揮発性有機化合物を低減することができる。
[トナーの物性]
本発明の方法によって製造されるトナーの平均円形度は、0.955以上であることが好ましく、0.960以上であることがより好ましい。また、0.985以下であることが好ましく、0.980以下であることがより好ましい。トナーの平均円形度が前記範囲内であると、良好な画像を形成することができる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の例に限定されるものではない。以下の例で「部」とあるのは「質量部を意味する。また、実写試験は以下の方法により行った。さらにトナーの各粒子径、円形度、電気伝導度等は以下のように測定した。
<体積平均径測定(Mv)>
1μm未満の体積平均径(Mv)を有する重合体一次粒子の体積平均径(Mv)を、日機装株式会社製型式Microtrac Nanotrac150(以下ナノトラックと略す)及び同社解析ソフトMicrotrac Particle Analyzer Ver10.1.2-019EEを用いて、電気伝導度が0.5μS/cmのイオン交換水を溶媒とし、溶媒屈折率:1.333、測定時間:600秒、測定回数:1回の測定条件で、前記解析ソフトの取り扱い説明書に記載された方法で測定した。その他の設定条件は、粒子屈折率:1.59、透過性:透過、形状:真球形、密度:1.04とした。
<ワックス分散体の体積中位径>
ワックス乳化時の終点を決めるために、高速測定可能なレーザー回折散乱式粒径分布測定装置である堀場製作所製のPartica LA−950V2(以下LA950と略す)を用いて測定したメジアン径を終点粒径とした。電気伝導度が0.5μS/cmのイオン交換水を溶媒とし、溶媒屈折率:1.333、可視光透過率70%〜90%の濃度範囲となるようにサンプル量を調整して、乳化したワックス粒径を測定した。
<中位径(体積:Dv50と個数:Dn50)の測定方法と定義>
外添工程を経て、最終的に得られたトナーの測定前処理として次の様にした。内径47mm、高さ51mmの円筒形のポリエチレン(PE)製ビーカーに、スパチュラーを用いてトナーを0.100g、スポイトを用いて20質量%DBS(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム)水溶液(第一工業製薬社製、ネオゲンS−20A)を0.15g添加した。この際、ビーカーの縁等にトナーが飛び散らない様にビーカーの底部にのみトナー及び20%DBS水溶液を入れた。次に、スパチュラーを用いてトナーと20%DBS水溶液がペースト状になるまで3分間撹拌した。この際もビーカーの縁等にトナーが飛び散らない様にした。
続いて、分散媒アイソトンIIを30g添加し、スパチュラーを用いて2分間撹拌し全体を目視で均一な溶液とした。次に、長さ31mm直径6mmのフッ素樹脂コート回転子をビーカーの中に入れて、スターラーを用いて400rpmで20分間分散させた。この際、3分間に1回の割合でスパチュラーを用いて気液界面とビーカーの縁に目視で観察される巨視的な粒をビーカー内部に落とし込み均一な分散液となるようにした。続いて、これを目開き63μmのメッシュで濾過し、得られたろ液を「トナー分散液」とした。なお、トナー母粒子の製造工程中の粒径の測定については、凝集中のスラリーを63μmのメッシュで濾過したろ液を「スラリー液」とした。
粒子の中位径(Dv50とDn50)はベックマンコールター社製マルチサイザーIII(アパーチャー径100μm)(以下、「マルチサイザー」と略記する)を用い、分散媒には同社製アイソトンIIを用い、上述の「トナー分散液」又は「スラリー液」を、分散質濃度0.03質量%になるように希釈して、マルチサイザーIII解析ソフトで、KD値は118 .5として測定した。測定粒子径範囲は2.00から64.00μmまでとし、この範囲を対数目盛で等間隔となるように256分割に離散化し、それらの体積基準での統計値をもとに算出したものを体積中位径(Dv50)、個数基準での統計値をもとに算出したものを個数中位径(Dn50)とした。
<平均円形度の測定方法と定義>
本発明における「平均円形度」は、以下のように測定し、以下のように定義する。すなわち、トナー母粒子を分散媒(アイソトンII、ベックマンコールター社製)に、5720〜7140個/μLの範囲になるように分散させ、フロー式粒子像分析装置(シスメックス社製、FPIA3000)を用いて、以下の装置条件にて測定を行い、その値を「平均円形度」と定義する。本発明においては、同様の測定を3回行い、3個の「平均円形度」の相加平均値を、「平均円形度」として採用する。
・モード :HPF
・HPF分析量 :0.35μL
・HPF検出個数:8,000〜10,000個
以下は、前記装置で測定され、前記装置内で自動的に計算されて表示されるものであるが、「円形度」は下記式で定義される。
[円形度]=[粒子投影面積と同じ面積の円の周長]/[粒子投影像の周長]
そして、HPF検出個数である8,000〜10,000個を測定し、この個々の粒子の円形度の算術平均(相加平均)が「平均円形度」として装置に表示される。
<ガラス転移温度の測定方法>
セイコーインスツルメント社製の示差走査熱量計DSC6220を用い、昇温速度10℃/分の条件で、結着樹脂を構成するモノマー成分を測定した。ガラス転移温度は、装置付属の解析ソフト(Muse標準解析ソフトウェア)を用い、DSC曲線のベースラインの延長線と吸熱カーブで最大傾斜を示す接線との交点から求めた。また、トナー母粒子のガラス転移温度を測定する際に、ガラス転移温度が樹脂以外の他の成分、例えば、ワックス等の熱量変化のために明確に判断出来ない場合に、前記のガラス転移温度として理論ガラス転移温度を採用する代わりに、ワックス等の示差走査熱量計の測定の障害となる成分を除いた成分(結着樹脂を構成するモノマー成分)について測定した。
(実施例1)
<着色剤分散液の調整>
プロペラ翼を備えた撹拌機の容器に、トルエン抽出液の紫外線吸光度が0.02であり、真密度が1.8g/cmのファーネス法で製造されたカーボンブラック(三菱化学社製、三菱カーボンブラックMA100S)20部、アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンS−20D)1部、非イオン界面活性剤(花王社製、エマルゲン120)4部、導電率が1μS/cmのイオン交換水75部を加えて予備分散して顔料プレミックス液を得た。プレミックス後の分散液中カーボンブラックの体積累積50%径Dv50は約90μmであった。前記プレミックス液を原料スラリーとして湿式ビーズミルに供給し、ワンパス分散を行った。なお、ステータの内径は120mmφ、セパレータの径が60mmφ、分散用のメディアとして直径が50μmのジルコニアビーズ(真密度6.0g/cm)を用いた。ステータの有効内容積は約2リットルであり、メデイアの充填容積は1.4リットルとしたので、メディア充填率は70%である。ロータの回転速度を一定(ロータ先端の周速が約11m/sec)として、供給口より前記プレミックススラリを無脈動定量ポンプにより供給速度約40リットル/hrで供給し、所定粒度に達した時点で排出口より製品を取得した。なお、運転時にはジャケットから約10℃の冷却水を循環させながら行い、着色剤分散液を得た。
<ワックス分散液A1の調製>
ワックスとしてHiMic−1090(日本精蝋製:融点89℃)28.5部に、デカグリセリンデカベヘネート(酸価3.2 水酸基価27)1.5部、20%DBS(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム)水溶液(第一工業製薬社製、ネオゲンS20D、以下20%DBS水溶液と略す)2.8部、脱塩水67.3部を加えて100℃に加熱し、加圧循環ライン付きのホモジナイザー(ゴーリン社製、LAB60−10TBS型)を用いて10MPaの加圧条件で1次循環乳化を行った。LA950で粒子径を数分おきに測定し、メジアン径が500nm前後まで下がったら更に圧力条件を25MPaに上げて引き続き2次循環乳化を行う。メジアン径が230nm以下になるまで分散してワックス分散液A1を作製した。ワックス分散体の体積中位径は、220nmであった。
<重合体一次粒子分散液B1の調製>
撹拌装置(3枚翼)、加熱冷却装置、濃縮装置、及び各原料・助剤仕込み装置を備えた反応器に、前記ワックス分散液A1:35.7部(182.0kg)、脱塩水259部を仕込み、撹拌しながら窒素気流下で90℃に昇温した。
その後、前記液の撹拌を続けたまま、そこへ下記の「重合性モノマー類等」と「乳化剤水溶液」との混合物を5時間かけて添加した。この混合物を滴下開始した時間を「重合開始」とし、下記の「開始剤水溶液」を重合開始30分後から4.5時間かけて添加し、更に重合開始5時間後から、下記の「追加開始剤水溶液」を2時間かけて添加し、更に撹拌を続けたまま内温90℃のまま1時間保持し、重合反応させた。下記の重合性モノマー類から得られる結着樹脂の設計ガラス転移温度(Tg)は56.0℃となるように設計した。結着樹脂の設計ガラス転移温度(Tg)は、結着樹脂を構成する主なモノマーの重量分率(質量比率)より算術的に導かれる値であり、下記式(3)のように算出した。ここで、結着樹脂を構成する主なモノマーは、スチレン及びアクリル酸ブチルである。
結着樹脂の設計ガラス転移温度(Tg)=スチレン単独のガラス転移温度(°K)×スチレンとアクリル酸ブチルの合計量中のスチレンの質量%+アクリル酸ブチル単独のガラス転移温度(°K)×スチレンとアクリル酸ブチルの合計量中のアクリル酸ブチルの質量%・・・(3)
[重合性モノマー類等]
スチレン 76.3部
アクリル酸ブチル 23.7部
アクリル酸 1.5部
ヘキサンジオールジアクリレート 0.7部
トリクロロブロモメタン 1.0部
重合反応終了後冷却し、乳白色の重合体一次粒子分散液B1を得た。ナノトラックを用いて測定した体積平均径(Mv)は277nmであり、固形分濃度は22.7質量%であった。
<トナー母粒子C1の製造>
下記の各成分を用いて、以下の凝集工程(コア材凝集工程・シェル被覆工程)・円形化工程を実施することによりトナー母粒子C1を製造した。
重合体一次粒子分散液B1 固形分として80部 (分散液B1:280.0kg/固形分:63.3kg コア用)
重合体一次粒子分散液B1 固形分として20部 (分散液B1: 70.0kg/固形分:15.8kg シェル用)
着色剤微粒子分散液 着色剤固形分として6.0部
20%DBS水溶液 円形化工程では、固形分として6部
○コア材凝集工程
撹拌装置(ダブルヘリカル翼)、加熱冷却装置及び各原料・助剤仕込み装置を備えた混合器(容積1000L、内径850mm)に重合体一次粒子分散液B1を仕込み、内温10℃で10分間均一に混合した。続いて内温10℃で、101rpmでさせて、硫酸カリウムの5質量%水溶液を、KSOとして0.12部を1分かけて連続添加してから、着色剤微粒子分散液を5分かけて連続添加し、内温10℃で均一に混合した。
その後、硫酸アルミニウムの0.5質量%水溶液を固形分で0.3部を30分かけて連続添加してから、回転数101rpmのまま内温を48.0℃に70分かけて昇温(0.5℃/分)した。次いで、30分毎に1℃昇温した後(0.03℃/分)、54.0℃で保持し、マルチサイザーを用いて体積中位径を測定し5.17μmまで成長させた。
○シェル被覆工程
その後、内温54.0℃、回転数101rpmのまま、重合体一次粒子分散液B1を15分かけて連続添加してそのまま60分保持した。このとき、粒子のDv50が5.51μmであった。
○円形化工程
続いて、そのままの回転数のまま20%DBS水溶液(固形分として6部)と水0.04部の混合水溶液を30分かけて添加しながら90℃に昇温し、その後、30分毎に1℃昇温させ95℃まで昇温して、2.5時間かけて平均円形度が0.968になるまで、この条件で加熱及び撹拌を続けた。その後、50分かけて20℃まで冷却し、トナー母粒子C1のスラリーを得た。このとき、粒子の体積中位径(Dv50)は5.61μm、個数中位径(Dn50)は5.23μm、分布Dv50/Dn50は1.07、平均円形度は0.967であった。
○洗浄工程
得られたスラリーを全量、目開き24μmの篩を装着した湿式電磁篩振盪機(AS200/株式会社レッチェ)を用いて、粗大粒子の除去を目的に濾過処理を行い、撹拌装置付きのタンクにて一旦蓄えた。その後、このスラリーを濾布(ポリエステル TR815C、中尾フィルター工業/厚み0.3mm/通気度48(cc/cm/min))が装着された横型遠心分離機(HZ40Si型/三菱化工機株式会社)へ、加速度800G条件で遠心脱水洗浄を行った。電気伝導度が1μS/cmのイオン交換水を、リムから溢れない速度でスラリー固形分の約60倍量加えると、濾液の電気伝導度が2μS/cmとなった。最後に十分水を振り切り、掻き取り装置でケーキを回収した。
○乾燥工程
洗浄工程で得られたケーキを流動乾燥機:AGM-35PJ型(ホソカワミクロン社製)に投入し、ヒーターで加熱した40℃の乾燥窒素ガスを用い、180分間乾燥した。得られたトナーの含水率はカールフィッシャー水分計で測定すると、0.2%未満であった。このトナーを図1に示すような振動装置付き流動乾燥機:VUA−20型(中央化工機社製)に入れて、ジャケットを48℃に加熱し、ヒーターで加熱した48℃の乾燥窒素ガスを用い、乾燥温度を48℃として、振動数25Hz/振幅2mmの振動条件にて、180分間乾燥することにより、トナー母粒子C1を得た。トナー母粒子C1のガラス転移温度は、結着樹脂の設計ガラス転移温度と同一の56.0℃である。
〔トナー母粒子と化学吸着剤との静置〕
<化学吸着剤の適用>
トナー母粒子C1:20gと、活性炭を主成分とする化学吸着剤「Purafil Purakol(登録商標)」(Purafil社製):2.00gとを採取し、200mLのガラスビーカーに収容し、プラスチック製のスパチュラーを用いて100回撹拌し、トナー母粒子と化学吸着剤が均一に混ざっていることを目視で確認した。その後、ガラスビーカーの開口をラップで閉塞し、20℃で1日(24時間)静置した。静置後、トナー母粒子C1から放散される揮発性有機化合物を以下の方法により測定した。
<揮発性有機化合物の測定方法>
トナー母粒子C1と化学吸着剤「Purafil Purakol(登録商標)」とを静置したガラスビーカー中のガスを20mLのガラスサンプル瓶に入れ、サンプル瓶の本体と蓋とをシールテープでシールした後、袋(ラミジップ;セイニチ社製)に入れ、ガス中の揮発性有機化合物の量が変化しないようにし、この状態で4日間経過後、次の測定手順にしたがって、ヘッドスペースガスクロマトグラフ質量分析法により、ガスクロマトグラフ用非極性カラム上のn−へキサンからn−ヘキサデカンまでの間で溶出する揮発性有機化合物のうち、トルエン濃度と、以下の混合標準試料により測定したトルエン補正係数を用いて換算されるベンズアルデヒド濃度、スチレン濃度及びエチルベンゼン濃度を測定した。さらに、ヘッドスペースガスクロマトグラフ質量分析法により測定されるn−へキサンからn−ヘキサデカンまでの間で同定される揮発性有機化合物のピーク面積をトルエン補正係数を用いて換算した濃度と、ガスクロマトグラフ用非極性カラム上のn−へキサンからn−ヘキサデカンまでの間で同定されない揮発性有機化合物のピーク面積をトルエン補正係数を用いて換算した濃度との合計により示される総揮発性有機化合物(Total−VOC)の濃度を測定した。
測定手順は次のとおりである。化学吸着剤「Purafil purakol(登録商標)」とともに4日間静置したトナー母粒子C1:0.5gを20mL容ヘッドスペース(HS)バイアル(Chromacol 20−CV)に量り取った後、バイアルをキャップ(キャップ:Chromacol 20−MCB 224、PTEF/シリコンセプタム:GL Sciences 20−ST3)した。このバイアルを180℃に設定したオーブン(GERSTEL社製 MPS付属のアジテータ)に入れ、750rpmで回転させながら10分間加熱した後、バイアル内気相部のガスをGC(ガスクロマトグラフィー)に注入し、ヘッドスペースガスクロマトグラフ(HS−GC/MS)測定を行った。ここで、試料を充填していない空のバイアルを同様に処理し、ブランクとした。
また、アセトンを溶媒としてベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、m−キシレン、スチレン、n−ヘキサン、n−ヘキサデカン、n−ヘキサナール、n−ヘプタナール、n−オクタナール及びベンズアルデヒドの約1,000μg/mLの混合標準溶液を調製し、この標準溶液の1、2及び4μLをそれぞれ20mL容ヘッドスペースバイアルに取りキャップした後、試料と同様にHS−GC/MS測定を行った。結果を図に示す。また、以下に、各試薬のメーカーとグレードを示す。この混合標準溶液からトルエン補正係数を用いて換算されるベンズアルデヒド濃度と、トルエン補正係数を用いて換算されるスチレン濃度と、トルエン補正係数を用いて換算されるエチルベンゼン濃度と、n−へキサンからn−ヘキサデカンまでの間で同定される揮発性有機化合物のピーク面積をトルエン補正係数を用いて換算した濃度と、ガスクロマトグラフ用非極性カラム上のn−へキサンからn−ヘキサデカンまでの間で同定されない揮発性有機化合物のピーク面積をトルエン補正係数を用いて換算した濃度との合計により示される総揮発性有機化合物(Total−VOC)の濃度を測定した。
(1)アセトン :和光純薬社製、試薬特級
(2)ベンゼン :和光純薬社製、残留農薬試験用
(3)トルエン :和光純薬社製、残留脳略・PCB試験用
(4)エチルベンゼン :ACROS ORGANICS社、試薬グレード
(5)m−キシレン :関東化学社製、試薬特級
(6)スチレン :和光純薬社製、試薬特級
(7)n−へキサン :和光純薬社製、残留農薬・PCB試験用
(8)n−ヘキサデカン:和光純薬社製、試薬特級
(9)n−ヘキサナール:東京化成社製、試薬グレード
(10)n−ヘプタナール:東京化成社製、試薬グレード
(11)n−オクタナール:和光純薬社製、試薬1級
(12)ベンズアルデヒド:ナカライテスク社製、試薬グレード
<現像用トナーD1の製造:外添工程>
得られたトナー母粒子C1:2500gに、外添剤としてクラリアント社製H05TDシリカ50gと同社製H30TDシリカ15gを混ぜて、ヘンシェルミキサー(三井鉱山製)で混合し、150メッシュで篩別して現像用トナーD1を得た。
(実施例2)
以下のワックス分散液A2、重合性モノマー類、トナー母粒子C2の製造、乾燥工程を行ったこと以外は、実施例1と同様にした。
<ワックス分散液A2の調製>
ワックスとしてHiMic−1090(日本精蝋製:融点89℃):29.0部に、ペンタエリスリトールテトラステアレート(酸価:3.0、水酸基価:1.0):0.7部、デカグリセリンデカベヘネート(酸価3.2、水酸基価27):0.3部、20%DBS水溶液(第一工業製薬社製、ネオゲンS20D、以下20%DBS水溶液と略す):2.8部、脱塩水:67.3部とした以外は、実施例1と同様にして、ワックス分散液A2を作製した。ワックス分散体の体積中位径(Dv50)は、218nmであった。
<重合体一次粒子分散液B2の調製>
ワックス分散液A1の代わりにワックス分散液A2を用いたこと、アクリル酸ブチルをアクリル酸2エチルヘキシルに変更し、重合性モノマー類の組成比を以下のように変更したこと以外は、実施例1と同様にして、重合反応させた。下記の重合性モノマー類から得られる結着樹脂の設計ガラス転移温度(Tg)は57.0℃となるように設計した。結着樹脂の設計ガラス転移温度(Tg)は、結着樹脂を構成する主なモノマーの重量分率(質量比率)より算術的に導かれる値であり、下記式(4)のように算出した。ここで、結着樹脂を構成する主なモノマーは、スチレン及びアクリル酸2エチルヘキシルである。
結着樹脂の設計ガラス転移温度(Tg)=スチレン単独のガラス転移温度(°K)×スチレンとアクリル酸2エチルヘキシルの合計量中のスチレンの質量%+アクリル酸2エチルヘキシル単独のガラス転移温度(°K)×スチレンとアクリル酸2エチルヘキシルの合計量中のアクリル酸2エチルヘキシルの質量%・・・(4)
[重合性モノマー類等]
スチレン 79.5部
アクリル酸2エチルヘキシル 20.5部
アクリル酸 1.5部
ヘキサンジオールジアクリレート 0.7部
トリクロロブロモメタン 1.0部
重合反応終了後冷却し、乳白色の重合体一次粒子分散液B2を得た。ナノトラックを用いて測定した体積平均径(Mv)は253nmであり、固形分濃度は22.7質量%であった。
<トナー母粒子C2の製造>
重合体一次粒子分散液B1の代わりに重合体一次粒子分散液B2を用いて、コア凝集工程において50℃まで0.5℃/分で昇温したことと、下記の乾燥工程を経たこと以外は、実施例1と同様にして、凝集工程(コア材凝集工程・シェル被覆工程)・円形化工程を実施することによりトナー母粒子C2のスラリーを得た。このとき、粒子の体積中位径(Dv50)は5.67μm、個数中位径(Dn50)は5.29μm、分布Dv50/Dn50は1.07、平均円形度は0.968であった。トナー母粒子C2のスラリーは、実施例1と同様に洗浄工程に付し、ケーキを回収した。トナー母粒子C2のガラス転移温度は、結着樹脂の設計ガラス転移温度と同一の57.0℃である。
○乾燥工程
洗浄工程で得られたケーキを流動乾燥機:AGM-35PJ型(ホソカワミクロン社製)に投入し、ヒーターで加熱した40℃の乾燥窒素ガスを用い、180分間乾燥した。得られたトナーの含水率はカールフィッシャー水分計で測定すると、0.2%未満であった。このトナーを図1に示すような振動装置付き流動乾燥機:VUA−20型(中央化工機社製)に入れて、ジャケットを50℃に加熱し、ヒーターで加熱した50℃の乾燥窒素ガスを用い、乾燥温度を50℃として、振動数25Hz/振幅2mmの振動条件にて、180分間乾燥することにより、トナー母粒子C2を得た。
〔トナー母粒子C2と化学吸着剤との静置〕
<化学吸着剤の適用>
化学吸着剤として、活性炭を主成分とする化学吸着剤である「Purafil Purakol(登録商標)」(Purafil社製)と、アルミナ、過マンガン酸カリウム、水等を主成分とする化学吸着剤である「Purafil(登録商標) Select Chemisorbant」(Purafil社製)との体積比50:50の混合物である「Purafil CP Blend(登録商標)」(Purafil社製)を用いた。トナー母粒子C2:20gと、前記化学吸着剤「Purafil CP Blend(登録商標)」(Purafil社製):2.00gとを採取し、200mLのガラスビーカーに収容し、プラスチック製のスパチュラーを用いて100回撹拌し、トナー母粒子と化学吸着剤が均一に混ざっていることを目視で確認した。その後、ガラスビーカーの開口をラップで閉塞し、20℃で1日(24時間)静置した。静置後、トナー母粒子C2から放散される揮発性有機化合物を、実施例1と同様にして測定した。
<現像用トナーD2の製造:外添工程>
得られたトナー母粒子C1の代わりにトナー母粒子C2を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、現像用トナーD2を得た。
(比較例1)
化学吸着剤を用いていないこと以外は、実施例1と同様にして、トナー母粒子C1を収容し、静置させたガラスビーカー中のガスをヘッドスペースガスクロマトグラフ質量分析法により測定した。このトナー母粒子C1を用いて、実施例1と同様にして現像用トナーD3を得た。
(比較例2)
市販のトナーR1(三菱化学社製 OK1 Microline9600PS)を、実施例1と同様にして静置させたガラスビーカー中のガスをヘッドスペースガスクロマトグラフ質量分析法により測定した。
(比較例3)
市販のトナーR2(コニカミノルタ社製、magigolor5570)を、実施例1と同様にして静置させたガラスビーカー中のガスをヘッドスペースガスクロマトグラフ質量分析法により測定した。
(比較例4)
市販のトナーR3(LEXMARK社製、C780)を、実施例1と同様にして静置させたガラスビーカー中のガスをヘッドスペースガスクロマトグラフ質量分析法により測定した。
表1に、実施例1〜2及び比較例1〜4の測定結果を示す。また、図2に、実施例1のトナー母粒子から揮発したガスのHS−GC/MSトータルイオンクロマトグラム、図3に、実施例2のトナー母粒子から揮発したガスのHS−GC/MSトータルイオンクロマトグラム、図4に、比較例1のトナー母粒子から揮発したガスのHS−GC/MSトータルイオンクロマトグラムを示す。
Figure 2014191219
表1に示すように、比較例1のトナー母粒子は、「ブルーエンジェル」マーク規格等に規定されている規定値を満たす市販品(比較例2〜4)のトナーと比べて、揮発性有機化合物のうち、トルエン濃度及びベンズアルデヒド濃度は、1桁を下回る濃度まで低減された。実施例1及び2の化学吸着剤とともに静置したトナー母粒子は、この比較例1のトナー母粒子よりもさらにトルエン濃度、ベンズアルデヒド濃度、スチレン濃度、エチルベンゼン濃度及び総揮発性有機化合物濃度が低減されている。実施例1及び2のトナー母粒子に外添剤を添加して製造したトナーの揮発性有機化合の数値も、トナー母粒子から揮発される揮発性有機化合物とほぼ同様の数値となると考えられる。表1の実施例1及び2に示す結果から、結着樹脂としてスチレン系樹脂を含むものであっても、スチレンを含む揮発性有機化合物を十分に低減させたトナーが得られることが確認できた。
本発明によれば、近年ますます基準が厳しくなりつつある、「ブルーエンジェル」マーク規定等の各種の規格において要求される基準値をはるかに下回るように揮発性有機化合物を低減させて、環境及び安全性に配慮した静電荷像現像用トナーを得ることができ、産業上有用である。
1 振動装置付き流動乾燥機
2 乾燥機本体
3 振動モータ
4 振動装置
5 ジャケット
5a 流入口
5b 流出口
6 排気口
7 バグフィルタ
8 分散板
9 気体流入路
10 除湿機
11 加熱機

Claims (13)

  1. 結着樹脂、着色剤及びワックスを含有する静電荷像現像用トナーであって、
    該結着樹脂がスチレン系樹脂を含むものであり、
    ヘッドスペースガスクロマトグラフ質量分析法により測定される、ガスクロマトグラフ用非極性カラム上のn−へキサンからn−ヘキサデカンまでの間で溶出する揮発性有機化合物のうち、トルエン濃度が1ppm以下、トルエン補正係数を用いて換算されるベンズアルデヒド濃度が1ppm以下、トルエン補正係数を用いて換算されるスチレン濃度をトルエン補正係数を用いて換算されるエチルベンゼン濃度で除した値が5以下であり、
    ヘッドスペースガスクロマトグラフ質量分析法により測定されるn−へキサンからn−ヘキサデカンまでの間で同定される揮発性有機化合物のピーク面積をトルエン補正係数を用いて換算される濃度と、ガスクロマトグラフ用非極性カラム上のn−へキサンからn−ヘキサデカンまでの間で同定されない揮発性有機化合物のピーク面積をトルエン補正係数を用いて換算される濃度との合計により示される総揮発性有機化合物の濃度が100ppm未満であることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
  2. 化学吸着剤とともに乾燥及び/又は静置させてなる、請求項1記載の静電荷像現像用トナー。
  3. 振動装置付き流動乾燥機で乾燥させてなる、請求項1記載の静電荷像現像用トナー。
  4. 化学吸着剤とともに振動装置付き流動乾燥機内で乾燥させてなる、請求項1記載の静電荷像現像用トナー。
  5. 請求項1記載の静電荷現像用トナーの製造方法であって、湿式媒体中でトナー母粒子を製造する工程と、次いでトナー母粒子を乾燥する工程と、その後にトナー母粒子に外添剤を添加してトナーを形成する工程とを有し、前記乾燥工程及び/又は乾燥工程後にトナー母粒子を化学吸着剤とともに乾燥及び/又は静置することを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
  6. さらにトナーを化学吸着剤とともに保管する工程とを有する、請求項5記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  7. 請求項1記載の静電荷像現像用トナーの製造方法であって、湿式媒体中でトナー母粒子を製造する工程と、次いでトナー母粒子を乾燥する工程と、その後にトナー母粒子に外添剤を添加してトナーを形成する工程と、さらに化学吸着剤とともにトナーを保管する工程とを有することを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
  8. トナー母粒子と化学吸着剤の質量比が100:0.1〜100:30である、請求項5又は6記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  9. トナーと化学吸着剤の質量比が100:0.1〜100:30である、請求項6又は7記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  10. 前記乾燥工程において、トナー母粒子を振動装置付き流動乾燥機内で乾燥させる、請求項5〜9のいずれか1項記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  11. 前記乾燥工程における乾燥時間が1〜5時間である、請求項10記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  12. 前記乾燥工程の前に、トナー母粒子の水分を0.4質量%以下まで除去する工程を含む、請求項5〜11のいずれか1項記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  13. 前記水分除去工程及び/又は乾燥工程は、不活性ガスを流入して行う、請求項12記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
JP2013067211A 2013-03-27 2013-03-27 静電荷像現像用トナー及びその製造方法 Active JP6301588B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013067211A JP6301588B2 (ja) 2013-03-27 2013-03-27 静電荷像現像用トナー及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013067211A JP6301588B2 (ja) 2013-03-27 2013-03-27 静電荷像現像用トナー及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014191219A true JP2014191219A (ja) 2014-10-06
JP6301588B2 JP6301588B2 (ja) 2018-03-28

Family

ID=51837494

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013067211A Active JP6301588B2 (ja) 2013-03-27 2013-03-27 静電荷像現像用トナー及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6301588B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016177043A (ja) * 2015-03-19 2016-10-06 三菱化学株式会社 トナーの製造装置
JP2018138980A (ja) * 2017-02-24 2018-09-06 キヤノン株式会社 トナー

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58177139A (ja) * 1982-03-26 1983-10-17 ミネソタ・マイニング・アンド・マニユフアクチユアリング・コンパニ− 収着剤物質
JPH02240663A (ja) * 1989-03-15 1990-09-25 Canon Inc 電子写真用現像剤の製造方法
JP2005070606A (ja) * 2003-08-27 2005-03-17 Konica Minolta Business Technologies Inc トナー製造方法、トナー、それを用いた画像形成方法
JP2009294384A (ja) * 2008-06-04 2009-12-17 Mitsubishi Chemicals Corp 静電荷像現像用トナーの製造方法および静電荷像用トナー
JP2011209429A (ja) * 2010-03-29 2011-10-20 Mitsubishi Chemicals Corp 静電荷像現像用トナーの製造方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58177139A (ja) * 1982-03-26 1983-10-17 ミネソタ・マイニング・アンド・マニユフアクチユアリング・コンパニ− 収着剤物質
JPH02240663A (ja) * 1989-03-15 1990-09-25 Canon Inc 電子写真用現像剤の製造方法
JP2005070606A (ja) * 2003-08-27 2005-03-17 Konica Minolta Business Technologies Inc トナー製造方法、トナー、それを用いた画像形成方法
JP2009294384A (ja) * 2008-06-04 2009-12-17 Mitsubishi Chemicals Corp 静電荷像現像用トナーの製造方法および静電荷像用トナー
JP2011209429A (ja) * 2010-03-29 2011-10-20 Mitsubishi Chemicals Corp 静電荷像現像用トナーの製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016177043A (ja) * 2015-03-19 2016-10-06 三菱化学株式会社 トナーの製造装置
JP2018138980A (ja) * 2017-02-24 2018-09-06 キヤノン株式会社 トナー

Also Published As

Publication number Publication date
JP6301588B2 (ja) 2018-03-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2014148509A1 (ja) トナー母粒子及び静電荷像現像用トナー
JP6024140B2 (ja) 静電荷像現像用マゼンタトナー
US20110294060A1 (en) Toner for developing electrostatic charge image
JP2012181263A (ja) 静電荷像現像用トナー
JP6074904B2 (ja) 静電荷像現像用マゼンタトナー
JP5499607B2 (ja) 静電荷像現像用トナー及びトナーの製造方法
JP6194660B2 (ja) 画像形成方法及び画像形成装置
JP6301588B2 (ja) 静電荷像現像用トナー及びその製造方法
JP2011215502A (ja) 静電荷像現像用トナー
JP5921058B2 (ja) 2成分現像剤を用いた画像形成方法
JP2006113616A (ja) トナー
WO2013146200A1 (ja) 静電荷像現像用トナー及びそれを収容するトナーカートリッジ
JP2014209215A (ja) トナー母粒子及び静電荷像現像用トナー
JP2014186256A (ja) 静電荷像現像用マゼンタトナー
JP5470824B2 (ja) 静電荷像現像用トナー及びトナーの製造方法
JP2013210574A (ja) 静電荷像現像用トナー
JP6171854B2 (ja) 静電荷像現像用トナー
JP2013105153A (ja) 静電荷像現像用トナー及びトナーの製造方法
WO2016152931A1 (ja) 静電荷像現像用トナー
JP5974562B2 (ja) 静電荷像現像用トナー
JP2012212062A (ja) トナーの製造方法
JP6825621B2 (ja) 静電荷像現像用マゼンタトナー
JP2014089258A (ja) 静電荷像現像用マゼンタトナー
JP2009294384A (ja) 静電荷像現像用トナーの製造方法および静電荷像用トナー
JP2018084774A (ja) 静電荷像現像用トナーの製造方法及び静電荷像現像用トナー

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20150316

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150925

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20160222

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160623

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160628

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160825

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20160913

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161128

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20161205

A912 Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20161222

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20170421

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171128

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180301

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6301588

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150