JP2014191184A - 撮像装置、その制御方法、および制御プログラム - Google Patents

撮像装置、その制御方法、および制御プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】被写界深度を確認する際において、撮影の際の絞り値が小さい場合であっても、合焦領域を明るく観察できて、しかも撮影の際の絞り値に応じた被写界深度を容易に確認することができるようにする。
【解決手段】拡散率制御部32は光学像を焦点板4を介してファインダー7に導くため、焦点板の拡散率を第1の拡散率とする。システム制御回路15は撮影を行う際の設定絞り値に対応する被写界深度を確認するための被写界深度モードが設定されると、設定絞り値における画像信号が示す画像の合焦範囲を判定して、当該合焦範囲を除く非合焦範囲に対応する焦点板の領域についてその拡散率を設定絞り値に応じて変更して第2の拡散率とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、撮像装置、その制御方法、および制御プログラムに関し、特に、光拡散特性の変更が可能な焦点板を用いたファインダーを有する撮像装置に関する。
一般に、一眼レフカメラなどの撮像装置で用いられる光学ファインダーにおいては、ファインダー像の明るさが要求されるとともに、所謂ピント山の掴み易さが求められている。ここで、ピント山の掴みやすさとは、背景などの非合焦領域のボケ味が大きい程、合焦領域と非合焦領域との差が明瞭になってピントを確認しやすくなることをいう。
このため、ファインダー観察の際には、一般に撮影レンズにおける絞りは開放状態として、撮影レンズを介して入射する光量を多くしてファインダー像を明るくしている。さらに、角度を有する光線を通過させて、合焦範囲である被写界深度を狭くして、背景などの非合焦領域をボケやすくしピント山を掴み易くしている。
ところで、一眼レフカメラにおいては、撮影レンズを通過した光学像をメインミラーによって反射して、焦点板に結像させる。そして、ペンタプリズムおよび接眼レンズを介してユーザが光学像をファインダー像として観察する。この焦点板は凹凸を有し、光を拡散することによって角度を有する光線の方向を変えて、光学像をユーザの瞳に到達させてボケ像が見えるようにしている。
焦点板の拡散特性は透過する光と拡散する光との割合である拡散率(透過率)で表される。そして、焦点板の拡散率が高い程ボケ像が顕著になって、ピント山が掴み易いファインダー像となる。
一方、焦点板の拡散率が高い程ファインダー像が暗くなってしまい、拡散率が低い程ファインダー像は明るくなるが、ファインダー像が暗いとボケ像がよく見えず、ピント山が掴みにくくなってしまう。このため、1つの焦点板でファインダー像の明るさとピント山の掴みやすさを両立することは困難である。
このように、ファインダー像の明るさとピント山の掴みやすさを両立することは困難である関係上、撮影条件として設定された絞り値における被写界深度(つまり、ボケ味)を確認する際、ボケ味を優先して焦点板の拡散率を高くすると、ファインダー像が暗くなってしまい、ボケ味を把握することが困難となってしまう。
そして、撮影条件の絞り値が大きい程、撮影レンズを通過する光量が減少するのでファインダー像がさらに暗くなってしまい、合焦領域である被写体領域および非合焦領域である背景のボケ味がさらに確認しにくくなってしまう。
そこで、液晶を用いて拡散率を可変することができる焦点板によって、ファインダーの明るさを優先する明るさ優先モード、ファインダーにおける被写界深度が最も浅いピント優先モード、そして、撮影の際の被写界深度の表現を優先する深度優先モードをユーザが切り替えるようにしたカメラがある(特許文献1参照)。
ここでは、深度優先モードが選択されると、絞りを開放状態に維持して、撮影際の絞り値において焦点板に入射する光の角度に対応するように焦点板の拡散率を変更して、撮影の際の絞り値に相当するボケ味を表現するようにしている。つまり、撮影レンズの絞りを開放状態に維持しているので、焦点板入射する光量が低下することがない。
特開平6−258693号公報
ところが、特許文献1に記載の手法では、深度優先モードを選択した際、撮影の際の絞り値が小さい程焦点板の拡散率が高くされるので、ファインダー像全体が暗くなって合焦領域である被写体領域および非合焦領域である背景領域のボケ味を確認することが困難となってしまう。
従って、本発明の目的は、被写界深度を確認する際において、撮影の際の絞り値が小さい場合であっても、合焦領域を明るく観察できて、しかも撮影の際の絞り値に応じた被写界深度(つまり、ボケ味)を確認することのできる撮像装置、その制御方法、および制御プログラムを提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明による撮像装置は、撮影レンズユニットを介して入射した光学像に応じた画像信号を出力する撮像手段と、前記光学像が結像され当該光学像をファインダーに導く焦点板とを有する撮像装置であって、前記焦点板は前記光学像を透過する割合と前記光学像を拡散する割合である拡散率が変更可能であり、前記光学像を前記焦点板を介して前記ファインダーに導くため、前記焦点板の拡散率を予め設定された第1の拡散率とする拡散率制御手段と、撮影を行う際の設定絞り値に対応する被写界深度を確認するための被写界深度モードが設定された際、前記設定絞り値における前記画像信号が示す画像の合焦範囲を判定する判定手段とを有し、前記拡散率制御手段は、前記判定手段で判定された合焦範囲を除く非合焦範囲に対応する前記焦点板の領域についてその拡散率を前記設定絞り値に応じて変更して第2の拡散率とすることを特徴とする。
本発明による制御方法は、撮影レンズユニットを介して入射した光学像に応じた画像信号を出力する撮像手段と、前記光学像が結像され当該光学像をファインダーに導く焦点板とを有し、前記焦点板は前記光学像を透過する割合と前記光学像を拡散する割合である拡散率が変更可能である撮像装置の制御方法であって、前記光学像を前記焦点板を介して前記ファインダーに導くため、前記焦点板の拡散率を予め設定された第1の拡散率とする第1の拡散率制御ステップと、撮影を行う際の設定絞り値に対応する被写界深度を確認するための被写界深度モードが設定された際、前記設定絞り値における前記画像信号が示す画像の合焦範囲を判定する判定ステップと、前記判定ステップで判定された合焦範囲を除く非合焦範囲に対応する前記焦点板の領域についてその拡散率を前記設定絞り値に応じて変更して第2の拡散率とする第2の拡散率制御ステップと、を有することを特徴とする。
本発明による制御プログラムは、撮影レンズユニットを介して入射した光学像に応じた画像信号を出力する撮像手段と、前記光学像が結像され当該光学像をファインダーに導く焦点板とを有し、前記焦点板は前記光学像を透過する割合と前記光学像を拡散する割合である拡散率が変更可能である撮像装置で用いられる制御プログラムであって、前記撮像装置が備えるコンピュータに、前記光学像を前記焦点板を介して前記ファインダーに導くため、前記焦点板の拡散率を予め設定された第1の拡散率とする第1の拡散率制御ステップと、撮影を行う際の設定絞り値に対応する被写界深度を確認するための被写界深度モードが設定された際、前記設定絞り値における前記画像信号が示す画像の合焦範囲を判定する判定ステップと、前記判定ステップで判定された合焦範囲を除く非合焦範囲に対応する前記焦点板の領域についてその拡散率を前記設定絞り値に応じて変更して第2の拡散率とする第2の拡散率制御ステップと、を実行させることを特徴とする。
本発明によれば、撮影を行う際の設定絞り値に対応する被写界深度を確認するための被写界深度モードが設定されると、合焦範囲を除く非合焦範囲に対応する焦点板の領域についてその拡散率を設定絞り値に応じて変更して第2の拡散率とするようにしたので、被写界深度を確認する際において撮影の際の絞り値が小さい場合であっても、合焦領域を明るく観察できて、しかも撮影の際の絞り値に応じた被写界深度(つまり、ボケ味)を容易に確認することができる。
本発明の実施の形態による撮像装置の一例についてその外観を示す斜視図であり、(a)は正面側からみた斜視図、(b)は背面側からみた斜視図である。 図1に示すカメラの構成の一例を示すブロック図である。 図2に示すカメラで行われる焦点板の拡散率の変更処理を説明するためのフローチャートである。 図2に示す焦点板の拡散率を変更した際にファインダーで観察されるファインダー像を説明するための図であり、(a)は明るさを優先する拡散率の際のファインダー像の一例を示す図、(b)は合焦範囲のみが明るい拡散率の際のファインダー像の一例を示す図、(c)は合焦範囲のみが明るい拡散率の際のファインダー像の他の例を示す図である。 図2に示すシステム制御回路で行われる合焦動作を説明するための図であり、(a)は合焦領域における光の進路を示す図、(b)は非合焦領域における光の進路を示す図、(c)はファインダーを観察するユーザの瞳に到達する光の経路の一例を示す図、(d)はファインダーを観察するユーザの瞳に到達する光の経路の他の例を示す図である。
以下、本発明の実施の形態による撮像装置の一例について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施の形態による撮像装置の一例についてその外観を示す斜視図である。そして、図1(a)は正面側からみた斜視図であり、図1(b)は背面側からみた斜視図である。
図示の撮像装置は、一眼レフデジタルカメラ(以下単にカメラと呼ぶ)であり、カメラ1はその正面側に撮影レンズユニット(以下単に撮影レンズと呼ぶ)2を有している。さらに、カメラ1の正面側において、筐体の上面にはレリーズ釦8、絞り値設定部30、および撮影モード選択部28が配置されている。
カメラ1の背面側には、画像再生釦13、表示装置27、後述する測距部選択部34、シャッタースピード設定部31、および露出設定部29が配置されている。なお、カメラ1の側面には、記録媒体14を挿入するための挿入口が形成されている。
図2は、図1に示すカメラ1の構成の一例を示すブロック図である。
撮影レンズ2から入射した光(光学像)は、撮像素子3に結像し、撮像素子3は光学像に応じたアナログ信号を出力する。図示の撮像素子3の出力を用いて、後述するように焦点検出および露出検出可能であり、さらに所謂電子シャッターによる撮像を行うことができる。
撮影レンズ2と撮像素子3との間にはハーフミラーである分光器5が配置され、この分光器5によって光が反射されて焦点板4に導かれる。そして、分光器5で反射した光は焦点板4で結像され、ペンタプリズム6およびファインダー7を介してユーザの瞳に導かれる。
一方、分光器5を透過した光は撮像素子3に入射して、前述のように、撮像素子3は光学像に応じたアナログ信号を出力する。ユーザがレリーズ釦8を半押し(SW1オン)すると、システム制御回路15の制御下で撮像素子3による測光および測距が開始され、撮影レンズ2に配置されたレンズ駆動部9によって、光軸方向に移動可能に配置されたフォーカスレンズ10が駆動される。
続いて、ユーザがレリーズ釦8を全押し(SW2オン)すると、システム制御回路15の制御下で撮像素子3が電子シャッッターを走行させて撮像を行う。そして、撮像素子3は電荷蓄積および電荷読み出し動作を開始する露光動作を行う。
撮像素子3の出力であるアナログ信号は、A/D変換回路21でデジタル信号に変換され、当該デジタル信号は画像処理回路22に与えられる。そして、画像処理回路22はデジタル信号に対して所定の画像処理を行って画像データ(画像信号)を生成する。
カメラ1の側面には画像記録読込部11が配置され、当該画像記録読込部11には記録媒体12が装着されている。画像記録読込部11はシステム制御回路15および画像処理回路22の制御下で撮影の結果得られた画像データを記録媒体14に記録保存する。記録媒体12に保存された画像データは、画像再生釦13の操作によってシステム制御回路15の制御下で表示装置14に表示される。
システム制御回路15はカメラ1全体の制御を司る。システム制御回路15は、CPU又はMPUなどによって構成され、後述するようにしてカメラ1の動作を制御する。システム制御回路15は焦点検出部16を有しており、測距を開始すると撮像素子3の出力に応じて得られた画像データに基づいてレンズ駆動部9を制御して、フォーカスレンズ10を光軸方向に駆動して焦点合わせを行う。
システム制御回路15は、例えば、撮像面位相差AF、コントラストAF、又はウォブリング方法によってフォーカスレンズ10の駆動制御を行う。撮像面位相差AFにおいては、撮像素子3が撮像用画素群の他に焦点検出用画素群を備えて、焦点検出用画素群には瞳分割レンズ群が配置される。そして、システム制御回路15(つまり、焦点検出部16)は撮像素子3の撮像面における位相差に応じて焦点検出を行う。
コントラストAFにおいては、システム制御回路15は画像データ(つまり、撮像画像)のコントラスト比に応じて焦点検出を行う。そして、ウォブリング方法においては、システム制御回路15は撮像素子3を光軸方向に沿って駆動させてコントラストAFを行う。
さらに、システム制御回路15は露出検出部17を有しており、測光を開始すると撮像素子3の出力に応じて得られた画像データとユーザが事前に設定した撮影条件とに応じて絞り18の絞り値、電子シャッタースピード、および電荷蓄積時間を決定して決定露出条件を得る。レリーズ釦8の全押し(SW2オン)によって撮影動作を開始すると、システム制御回路15は、決定露出条件に応じて露光制御部19を制御して絞り18および電子シャッターの走行駆動を制御する。
また、システム制御回路15は露光制御部19によってタイミングジェネレータ20から撮像素子3を駆動する際に必要なパルス信号を出力する。撮像素子3はタイミングジェネレータ20から出力されたパルス信号に応じて電荷蓄積および電荷読み出し動作を行う。
前述のように、撮像素子3から読み出されたアナログ信号はA/D変換回路21によりデジタル信号とされて、画像処理回路22に送られる。そして、画像処理回路22は画像処理部23によってデジタル信号に対して所定の画像処理としてホワイトバランス調整および画像圧縮処理などを行って画像データとする。この画像データは記録制御部24によって画像記録読込部11を介して記録媒体14に記録される。
記録媒体14は、例えば、SDカード又はCFカードであり、画像再生釦13の操作によって、システム制御回路15は画像処理回路22を介して画像記録読込部11によって記録媒体14に保存された画像データを読み込む。そして、画像処理回路22ではシステム制御回路15の制御下で表示制御部25がD/A変換回路26を介して画像データに応じた画像を表示装置27に表示する。なお、表示装置27は、例えば、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイである。
図2に示す例では、撮影レンズ2はフォーカスレンズ10を備えているが、さらにズームレンズを備えるようにしてもよい。そして、撮影レンズ2はカメラ一体型でもよく又は撮影レンズ2がカメラ1に対して取替え可能であってもよい。
さらに、固定的に配置された分光器5の代わりに、メインミラーおよびサブミラーを回動可能に配置して、撮像素子3の出力に応じて焦点検出を行う焦点検出部とは別に位相差AFによる焦点検出部を設けるようにしてもよい。
ここで、図2に示すカメラ1における撮影条件の設定について説明する。
ダイヤル操作による撮影モード選択部28によって、ユーザは撮影モードの設定を行うことができ、例えば、ユーザは撮影モード選択部28によって自動露出モード、絞り優先露出モード(Av)、シャッタースピード優先露出モード(Tv)、マニュアルモード(M)、およびバルブモード(B)のいずれかを設定することができる。
自動露出モードに設定した場合には、ユーザはダイヤル操作による露出設定部29によって露出値を設定することができ、システム制御回路15は、撮影の際に当該設定された露出値となるように絞り値およびシャッタースピードを決定する。絞り優先露出モード(Av)、シャッタースピード優先露出モード(Tv)、又はマニュアルモード(M)を設定した場合には、ユーザは絞り値設定部30およびシャッタースピード設定部31によって、絞り値およびシャッタースピードを設定することができる。
バルブモードを設定した場合には、システム制御回路15はレリーズ釦11を押すと(SW2オン)撮影を開始して、レリーズ釦11を押している間は(SW2オン)露光を継続する。そして、システム制御回路15はレリーズ釦11を離すと(SW2オフ)露光終了する。これによって、システム制御回路15は撮影中にシャッタースピードを決定する。
続いて、図2に示すカメラ1における焦点板の拡散率の変更について説明する。
カメラ1は、焦点板4の拡散率を変更する拡散率制御部32、焦点板4に光学像に重畳して測距範囲(つまり、測距枠)を表示する測距枠表示部33、および測距枠の位置を移動させる測距部選択部34を有している。なお、焦点板4の拡散特性は透過する光と拡散する光との割合である拡散率で表される。
図示の焦点板4は、複数の画素を有する液晶群が格子状に配列されたドットマトリクス液晶であり、システム制御回路15は拡散率制御部32によって焦点板4に電荷を印加する。これによって、システム制御回路15は格子配列された各液晶の分子配列方向を変えて焦点板4の拡散率を部分的に変更する。
例えば、分光器5で反射された光の光軸方向に対して、液晶分子の配列方向を水平に並べると焦点板4の拡散率を低くすることができる。そして、拡散率制御部32から印加される印加電荷を焦点板4の所定範囲でのみ変更して、液晶分子の配列方向を水平から傾斜させると(倒していくと)焦点板4の拡散率を部分的に上げることができる。
測距枠表示部33は、システム制御回路15の制御下で、ユーザが測距部選択部34によって選択した測距範囲(測距枠)を焦点板4に表示する。測距枠を表示する際には、例えば、LED照明を焦点板4に投影する手法、又は測距枠表示用の液晶板を焦点板4に重ねる手法などがあるが、LED照明又は液晶板などの部品点数が増加して、そのためのスペースが必要となる。従って、ここでは、ドットマトリクス液晶である焦点板4の測距範囲を枠状に拡散率を上げて遮光し、測距枠表示部33によって表示する。
図2に示すカメラ1は、さらに、被写界深度モード切換部35を有している。被写界深度モード切換部35の切換操作によって、システム制御回路15は焦点板4の拡散率を後述の被写界深度モードに切り換える。なお、被写界深度モード切換部35はカメラ1の筐体に専用の操作部材として設けるようにしてもよく、カメラ1における設定変更を行うNENU釦によって変更可能な設定項目として設けるようにしてもよい。
次に、図2に示すカメラ1におけるオートフォーカスの際の焦点板4の拡散率の変更について説明する。
図3は、図2に示すカメラ1で行われる焦点板4の拡散率の変更処理を説明するためのフローチャートである。なお、図示のフローチャートに係る処理はシステム制御回路15の制御下で行われる。
いま、ユーザがカメラ1の電源をオンとすると、システム制御回路15は拡散率制御部32によって焦点板4全体の拡散率を所定の値である拡散率D=Xとする(ステップS301)。ここで、拡散率D=Xはファインダー像の明るさを優先する拡散率であり、当該拡散率は予めシステム制御回路15に設定されている。この際、システム制御回路15は露光制御部19によって明るさを優先するため、絞り18を開放状態とする。
図4は、図2に示す焦点板4の拡散率を変更した際にファインダー7で観察されるファインダー像を説明するための図である。そして、図4(a)は明るさを優先する拡散率の際のファインダー像の一例を示す図であり、図4(b)は合焦範囲のみが明るい拡散率の際のファインダー像の一例を示す図である。また、図4(c)は合焦範囲のみが明るい拡散率の際のファインダー像の他の例を示す図である。
ステップS301の処理が終了した段階で、ユーザがファインダー7を観察すると、例えば、図4(a)に示すように、ユーザは被写体301および背景302の全体が明るいファインダー像を見る。このように、明るいファインダー像を見ることができるので、ユーザは容易に構図の確認を行うことができる。
なお、別に拡散率変更部(図示せず)を設けて、ユーザが拡散率変更部によって拡散率D=Xを変更することができるようにしてもよい。このようにすれば、ユーザは所望の明るさでファインダー像を観察することができる。
続いて、ユーザは絞り値設定部30によって撮影の際の絞り値(つまり、設定絞り値)を設定する(ステップS302)。なお、ユーザは撮影モードが絞り優先露出モード(Av)、マニュアルモード(M)、又はバルブモード(B)の際に絞り値設定部30によって絞り値を設定することができる。撮影モードが自動露出モード又はシャッタースピード優先露出モード(Tv)の際には、露出設定部29又はシャッタースピード設定部31を用いて露出値又はシャッターシャッタースピードを設定すると、システム制御回路15は適性な露出値となるよう絞り値を決定する。ステップS302における絞り値の設定はシステム制御回路15による自動設定でもよい。
続いて、ユーザは被写界深度モード切換部35によって被写界深度モードに切り換える(ステップS303)。被写界深度モードに切り換わると、システム制御回路15は露光制御部19によって絞り18を開放状態として撮像素子3によって測距のための撮像を開始する。そして、システム制御回路15は焦点検出部16によって撮像素子3の出力に応じて得られた画像データに基づいて焦点検出を行って、レンズ駆動部9によって顔領域に合焦するようにフォーカスレンズ10を駆動する。前述の撮像面位相差AFにおいては、合焦領域である被写体301に合焦した状態の位相差データが合焦情報(つまり、焦点検出情報)とされる(ステップS304)。
図5は、図2に示すシステム制御回路15で行われる合焦動作を説明するための図である。そして、図5(a)は合焦領域における光の進路を示す図であり、図5(b)は非合焦領域における光の進路を示す図である。また、図5(c)はファインダーを観察するユーザの瞳に到達する光の経路の一例を示す図であり、図5(d)はファインダーを観察するユーザの瞳に到達する光の経路の他の例を示す図である。
前述の撮像面位相差AFによって焦点検出を行う場合には、図5(a)および図5(b)に示すように、撮影レンズ2から撮像素子3の撮像面(結像面)に光が入射して、位相差データである合焦情報が撮像素子3から出力される。この場合、ピントがずれる程位相差がずれてボケた像となる。
続いて、システム制御回路15は合焦情報を撮影の際の絞り値(設定された絞り値)における合焦情報(ここでは、位相差情報)に換算する(ステップS305)。
ところで、撮影の際には、システム制御回路15は露光制御部19によって、ステップS302で設定された絞り値になるように絞り18を制御する。図5(a)および図5(b)に示す例では、絞り値がF2.8およびF5.6である際の光が示されており、絞り値が小さい程撮影レンズ2の絞り開口が大きくなる。
このため、入射角が大きい光が撮像面に入射して、これによって位相差も大きくなって、よりボケた像となる。絞り値Fと入射角θの関係は、一般に次の式(1)によって表され、入射角θと位相差とは比例の関係にある。
F=1/(2×sinθ) (1)
ステップS302〜S304の処理の段階で、ユーザがファインダーを観察している状態においては、ファインダー像に明るさが必要であるので、撮影ユニット2の絞り18は開放状態とされる。そして、システム制御回路15は、絞り開放で測距した結果得られた合焦情報を上述した絞り値Fと入射角θとの関係(式(1))を用いて撮影の際の絞り値における合焦情報に換算する。
例えば、撮影レンズ2の開放絞り値がF2.8であり、撮影の際の絞り値としてF5.6が設定されたとする。絞り値がF2.8からF5.6に2倍になると、入射角θおよび位相差はそれぞれ1/2倍となるので、開放絞りにおける合焦情報を1/2倍とすれば、絞り値F5.6における合焦情報に換算することができる。
続いて、システム制御回路15は、上述の合焦動作で得られた合焦情報と予め定められた閾値とを比較して、その比較結果に応じて当該画像データ(つまり、ここでは、撮像面)における合焦範囲と非合焦範囲とを判定する(つまり、被写界深度範囲を判定する:ステップS306)。
上記の閾値は撮像素子3の画素ピッチ(大きさ)によって定まる。前述の位相差が撮像素子3の画素ピッチ相当に収まる位相差であればピントが合った状態で撮像が行われる。一方、前述の位相差が画素ピッチ相当よりも大きいとボケた状態で撮像される。このため、閾値は画素ピッチによって決定されることになる。
撮影の結果得られた画像を画素等倍で鑑賞するのではなく、縮小表示又は縮小印刷で鑑賞することを考慮すると、位相差が画素ピッチより大きくてもピントが合っているように見える。このため、画素ピッチよりも閾値を大きめに設定してもよい。
なお、撮像面位相差AFにおいては、位相差情報(合焦情報)によって合焦範囲を判定するようにしたが、コントラストAFを用いた場合には、コントラスト情報を合焦情報として用いて合焦範囲を判定する。
次に、システム制御回路15は撮影の際の絞り値に応じて、時拡散率制御部32によって非合焦範囲に対応する焦点板4の部分(領域)についてその拡散率を拡散率D=XAVに変更する(ステップS307)。
いま、図5(c)に示すように、撮影の際の絞り値がF5.6に設定されたものとする。この場合、拡散率制御部32は焦点板4の液晶分子の拡散角を光軸に対し垂直方向に倒し、絞り値F5.6における光がファインダー7を覗いている撮影者の目401に到達する拡散率に変更することになる。
焦点板4における合焦範囲は明るさを優先した拡散率D=Xに維持され、この結果、図4(b)に示すように、ユーザには合焦領域である被写体301の像は明るく見え、非合焦領域である背景302はボケ像として見える。この際、背景302は撮影の際の絞り値F5.6相当のボケ味として見えることになる。また、合焦領域については絞り値F5.6相当の被写界深度となる。なお、撮影ユニット2の絞り値(つまり、絞り18)は明るさを優先して、開放状態のまま維持されることになる。
撮影の際の絞り値を開放F2.8に設定すると、図5(d)に示すように、拡散率制御部32は焦点板4の液晶分子の拡散角をさらに垂直方向に倒し、絞り値F2.8における光がファインダー7を覗いているユーザの目401に到達する拡散率に変更することになる。
この結果、図4(c)に示すように、ユーザには合焦領域である被写体301の像は明るく見え、非合焦領域である背景302はボケ像として見える。この際、背景302は撮影の際の絞り値F2.8相当のボケ味として見えることになる。また、合焦領域については絞り値F2.8相当の浅い被写界深度となる。そして、焦点板4の液晶分子の拡散角は撮影の際の絞り値における各光の入射角θに対応して所定の値となる。
被写界深度の確認を行った後、ユーザがレリーズ釦8を全押し(SW2オン)すると、システム制御回路15は撮影動作を行って(ステップS308:通常撮影)、変更処理を終了する。
このように、本発明の実施の形態では、被写界深度を確認する場合に、撮影の際の絞り値が小さくても合焦領域における像を明るくして観察することができる。このため、ユーザにとっては被写体が見やすく、しかも設定された撮影の際の絞り値に応じた被写界深度とボケ味とを確認することができる。
上述の説明から明らかなように、図1に示す例においては、撮像素子3、A/D変換回路21、画像処理回路22、およびシステム制御回路15が撮像手段として機能する。また、システム制御回路15および拡散率制御部32が拡散率制御手段として機能し、そして、システム制御回路15(焦点検出部16)は判定手段として機能する。さらに、測距部選択部34、システム制御回路15、および測距枠表示部33は測距枠表示手段として機能する。
以上、本発明について実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。
例えば、上記の実施の形態の機能を制御方法として、この制御方法を撮像装置に実行させるようにすればよい。また、上述の実施の形態の機能を有するプログラムを制御プログラムとして、当該制御プログラムを撮像装置が備えるコンピュータに実行させるようにしてもよい。なお、制御プログラムは、例えば、コンピュータに読み取り可能な記録媒体に記録される。
上記の制御方法および制御プログラムの各々は、少なくとも第1の拡散率制御ステップ、判定ステップ、および第2の拡散率制御ステップを有している。
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。つまり、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種の記録媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPUなど)がプログラムを読み出して実行する処理である。
2 撮影レンズユニット
3 撮像素子
4 焦点板
5 分光器
7 ファインダー
16 焦点検出部
17 露出検出部
32 拡散率制御部
33 測距枠表示部
35 被写界深度モード切換部

Claims (7)

  1. 撮影レンズユニットを介して入射した光学像に応じた画像信号を出力する撮像手段と、前記光学像が結像され当該光学像をファインダーに導く焦点板とを有する撮像装置であって、
    前記焦点板は前記光学像を透過する割合と前記光学像を拡散する割合である拡散率が変更可能であり、
    前記光学像を前記焦点板を介して前記ファインダーに導くため、前記焦点板の拡散率を予め設定された第1の拡散率とする拡散率制御手段と、
    撮影を行う際の設定絞り値に対応する被写界深度を確認するための被写界深度モードが設定された際、前記設定絞り値における前記画像信号が示す画像の合焦範囲を判定する判定手段とを有し、
    前記拡散率制御手段は、前記判定手段で判定された合焦範囲を除く非合焦範囲に対応する前記焦点板の領域についてその拡散率を前記設定絞り値に応じて変更して第2の拡散率とすることを特徴とする撮像装置。
  2. 前記判定手段は撮像面位相差AF又はコントラストAFに応じて得られる焦点検出情報と前記設定絞り値に応じた閾値とを比較して、当該比較結果に応じて前記合焦範囲を判定することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記第1の拡散率は、前記ファインダーで観察される光学像の明るさを優先する拡散率であり、前記焦点板の拡散率が前記第1の拡散率とされた際、前記撮影レンズユニットに備えられた絞りは開放状態とされることを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像装置。
  4. 前記第2の拡散率は、前記ファインダーで観察される光学像において前記合焦範囲に比べて前記非合焦範囲がボケて見える拡散率であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の撮像装置。
  5. 前記焦点板において前記光学像に測距範囲を示す測距枠を重畳する測距枠表示手段を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の撮像装置。
  6. 撮影レンズユニットを介して入射した光学像に応じた画像信号を出力する撮像手段と、前記光学像が結像され当該光学像をファインダーに導く焦点板とを有し、前記焦点板は前記光学像を透過する割合と前記光学像を拡散する割合である拡散率が変更可能である撮像装置の制御方法であって、
    前記光学像を前記焦点板を介して前記ファインダーに導くため、前記焦点板の拡散率を予め設定された第1の拡散率とする第1の拡散率制御ステップと、
    撮影を行う際の設定絞り値に対応する被写界深度を確認するための被写界深度モードが設定された際、前記設定絞り値における前記画像信号が示す画像の合焦範囲を判定する判定ステップと、
    前記判定ステップで判定された合焦範囲を除く非合焦範囲に対応する前記焦点板の領域についてその拡散率を前記設定絞り値に応じて変更して第2の拡散率とする第2の拡散率制御ステップと、
    を有することを特徴とする制御方法。
  7. 撮影レンズユニットを介して入射した光学像に応じた画像信号を出力する撮像手段と、前記光学像が結像され当該光学像をファインダーに導く焦点板とを有し、前記焦点板は前記光学像を透過する割合と前記光学像を拡散する割合である拡散率が変更可能である撮像装置で用いられる制御プログラムであって、
    前記撮像装置が備えるコンピュータに、
    前記光学像を前記焦点板を介して前記ファインダーに導くため、前記焦点板の拡散率を予め設定された第1の拡散率とする第1の拡散率制御ステップと、
    撮影を行う際の設定絞り値に対応する被写界深度を確認するための被写界深度モードが設定された際、前記設定絞り値における前記画像信号が示す画像の合焦範囲を判定する判定ステップと、
    前記判定ステップで判定された合焦範囲を除く非合焦範囲に対応する前記焦点板の領域についてその拡散率を前記設定絞り値に応じて変更して第2の拡散率とする第2の拡散率制御ステップと、
    を実行させることを特徴とする制御プログラム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN113347335A (zh) * 2021-05-31 2021-09-03 浙江大华技术股份有限公司 一种聚焦方法、装置、电子设备及存储介质

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